以下に、実施の形態にかかる距離標距離判定装置、距離標距離判定方法、および距離標距離判定プログラムを図面に基づいて詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1にかかる計測処理システムの構成の一例を示す図である。図1に示すように、実施の形態1にかかる計測処理システム100は、距離標距離判定装置1と、計測車両2とを備える。
計測車両2は、車両本体69と、車両本体69に搭載された計測装置70とを備える。計測装置70は、車両本体69が走行中に周囲に存在する構造物を繰り返し撮像したり、構造物の3次元形状を計測したりする。
図1に示す例では、構造物は、道路4、トンネル5、および複数の距離標6m,6m+1,6m+2,6n,6n+1,6n+2などであるが、かかる例に限定されず、例えば、看板、信号機、橋梁などであってもよい。なお、計測車両2の車両本体69は、図1に示す例では走行路を走行する車両であり、道路4を走行路として走行する自動車であるが、レールを走行路として走行する鉄道車両であってもよい。
距離標6m,6m+1,6m+2は、例えば、走行方向が上り方向の道路4に沿って配置された距離標であり、距離標6n,6n+1,6n+2は、例えば、走行方向が下り方向の道路4に沿って配置された距離標である。以下においては、距離標6m,6m+1,61m+2,6n,6n+1,6n+2の各々を個別に区別せずに示す場合、距離標6と記載する場合がある。距離標6は、起点からの距離を表した標識であり、距離標6m,6m+1,6m+2の起点と、距離標6n,6n+1,6n+2の起点とは異なる。mは、1以上の整数であり、nは、走行方向が上り方向の道路4に沿って配置された距離標6の数よりも大きい数である。
計測装置70は、構造物を撮像した画像である撮像画像のデータを含む撮像画像データ、構造物を3次元座標系の複数の3次元点で表す3次元点群のデータを含む3次元点群データ、および移動軌跡データなどを生成する。以下において、構造物を3次元座標系の複数の3次元点で表す3次元点群を構造物の3次元点群または3次元点群と記載する場合がある。
計測装置70は、ネットワーク3を介して距離標距離判定装置1との間でデータの送受信が可能であり、計測データを距離標距離判定装置1へ送信する。計測データは、撮像画像データおよび3次元点群データを含む沿線データと、移動軌跡データとを含む。ネットワーク3は、例えば、インターネットなどのWAN(Wide Area Network)であるが、LAN(Local Area Network)であってもよく、その他のネットワークであってもよい。
図2は、実施の形態1にかかる計測車両が備える計測装置の構成の一例を示す図である。図2に示すように、計測車両2が備える計測装置70は、撮像部71と、3次元計測部72と、位置検出部73と、処理部74と、通信部75とを備える。
撮像部71は、車両本体69が走行中に周囲に存在する構造物を連続的に撮像し、撮像によって得られる構造物の撮像画像のデータを処理部74へ出力する。ここで、「連続的に撮像する」とは、撮像部71の撮像画像を撮像時刻順で時系列に並べたときに、途中で途切れることなく連続して走行路に沿った領域である沿線の状況が確認可能な状態になるように、例えば、計測車両2が5m走行する毎に走行方向の沿線を撮像部71によって撮像することである。
3次元計測部72は、車両本体69が走行中に周囲に存在する構造物を計測し、計測して得られる構造物の3次元点群のデータを含む3次元点群データを処理部74へ出力する。3次元計測部72は、例えば、レーザスキャナ装置を含んでおり、かかるレーザスキャナ装置によって得られる計測データから構造物の3次元点群データを生成する。
図3は、実施の形態1にかかる計測車両が備える計測装置の3次元計測部によって計測された構造物の3次元点群の一例を示す図である。図3に示す3次元点群80は、道路4の3次元点群81、トンネル5の3次元点群82、距離標6の3次元点群83m,83m+1,83m+2,83n,83n+1,83n+2が含まれる。3次元計測部72から出力される3次元点群データには、3次元点群80を構成する複数の3次元点の各々の座標を示すデータが含まれる。
位置検出部73は、車両本体69が走行中に撮像部71が構造物を撮像したときの車両本体69の位置を検出し、検出した位置のデータである位置データを処理部74へ出力する。位置検出部73は、GNSS(Global Navigation Satellite System)における複数の測位衛星から送信される複数の測位信号を受信し、受信した複数の測位信号に基づいて、車両本体69の位置を検出する。以下において、位置検出部73によって検出された車両本体69の位置を検出位置と記載する場合がある。
処理部74は、撮像部71から出力される撮像画像のデータと、3次元計測部72から出力される3次元点群のデータと、位置検出部73から出力される位置データとを取得する。処理部74は、撮像部71から出力される撮像画像のデータに基づいて、撮像画像のデータと撮像時刻のデータとを含む撮像画像データを生成し、位置検出部73から出力される位置データと検出時刻のデータとを含む移動軌跡データを生成する。撮像時刻は、撮像部71が画像を撮像した時刻であり、検出時刻は、位置検出部73が位置を検出した時刻である。
処理部74は、沿線データと移動軌跡データとを含む計測データを通信部75へ出力する。沿線データは、上述したように、撮像画像データおよび3次元点群データを含む。通信部75は無線によってネットワーク3に接続されており、処理部74から取得した計測データを距離標距離判定装置1へネットワーク3を介して送信する。なお、計測装置70と距離標距離判定装置1との間のデータの受け渡しは、記録媒体を用いて行うこともできる。
図4は、実施の形態1にかかる距離標距離判定装置の構成の一例を示す図である。図4に示すように、距離標距離判定装置1は、通信部10と、入力部11と、表示部12と、記憶部13と、処理部14とを備える。
通信部10は、ネットワーク3に有線または無線によって通信可能に接続され、ネットワーク3を介して計測装置70、不図示のプリンタ、または端末装置などの外部装置との間で情報の送受信を行う。
入力部11は、例えば、マウスおよびキーボードなどを含むが、タッチパッドであってもよい。表示部12は、例えば、液晶ディスプレイ、有機EL(ElectroLuminescence)ディスプレイ、またはプロジェクターなどである。なお、図4に示す例では、入力部11と表示部12とが距離標距離判定装置1に含まれるが、入力部11および表示部12は、距離標距離判定装置1の外部装置として距離標距離判定装置1に接続されてもよい。
記憶部13は、走行情報記憶部20と、計測データ記憶部21と、距離標データ記憶部22と、距離標定義データ記憶部23と、設備データ記憶部24とを含む。
走行情報記憶部20は、走行情報を含む走行情報テーブルを記憶する。走行情報は、計測対象の撮像画像データ、3次元点群データ、および移動軌跡データが計測装置70で得られたときの計測車両2が走行した日、走行路、および走行方向の情報を含む。かかる走行情報は、計測車両2から撮像画像データ、3次元点群データ、および移動軌跡データとともに送信される情報であるが、計測者によって入力された情報であってもよい。
図5は、実施の形態1にかかる距離標距離判定装置の走行情報記憶部に記憶される走行情報テーブルの一例を示す図である。図5に示す走行情報テーブルは、「走行情報ID(IDentifier)」、「走行日」、「走行路」、および「走行方向」を計測対象毎に含む。
「走行情報ID」は、走行情報に固有の識別情報である。「走行日」は、計測装置70によって計測データが得られた日を示す情報である。「走行路」は、計測装置70によって計測データを得るために計測車両2が走行した走行路を示す情報である。「走行方向」は、計測装置70によって計測データを得るために計測車両2が走行した方向を示す情報である。
図5に示す例では、走行情報IDが「M001」の走行情報は、走行日が2021年8月31日であり、走行路がXX線であり、走行方向が上りである。また、走行情報IDが「M002」の走行情報は、走行日が2021年9月1日であり、走行路がYY線であり、走行方向が下りであり、走行情報IDが「M003」の走行情報は、走行日が2021年9月1日であり、走行路がZZ線であり、走行方向が上りである。
計測データ記憶部21は、計測装置70から送信された計測データを記憶する。計測データ記憶部21は、移動軌跡データを含む移動軌跡データテーブル、撮像画像データを含む撮像画像データテーブル、および3次元点群データを含む3次元点群データテーブルを記憶する。
図6は、実施の形態1にかかる距離標距離判定装置の計測データ記憶部に記憶される移動軌跡データテーブルの一例を示す図である。図6に示す移動軌跡データテーブルは、「走行情報ID」、「検出時刻」、および「検出位置」を計測車両2の位置検出部73による検出位置毎に含む。
「走行情報ID」は、図5に示す「走行情報ID」と同じである。「検出時刻」は、計測車両2の位置検出部73によって計測車両2の位置が検出された時刻である検出時刻のデータである。「検出位置」は、計測車両2の位置検出部73によって検出された計測車両2の位置である検出位置のデータであり、例えば、平面直角座標系におけるX、Y、および標高で示されるが、緯度、経度、および高度など、その他の3次元座標値表記で示されてもよく、系番号などの情報を付与して相互に変換できる状態で示されてもよい。
図6に示す移動軌跡データテーブルでは、走行情報IDが「M001」の走行情報に対応する移動軌跡データが、2021年8月31日の10時1分0秒の位置がP(x1,y1,z1)であり、2021年8月31日の10時1分4秒の位置がP(x5,y5,z5)であり、2021年8月31日の10時1分9秒の位置がP(x9,y9,z9)であることが示される。
図7は、実施の形態1にかかる距離標距離判定装置の計測データ記憶部に記憶される撮像画像データテーブルの一例を示す図である。図7に示す撮像画像データテーブルは、「走行情報ID」、「撮像時刻」、および「画像データ」を計測車両2の撮像部71による撮像画像毎に含む。
「走行情報ID」は、図5に示す「走行情報ID」と同じである。「撮像時刻」は、計測車両2の撮像部71が画像を撮像した時刻を示す情報である。「画像データ」は、計測車両2の撮像部71が撮像した画像である撮像画像の画像データである。
図7に示す撮像画像データテーブルでは、走行情報IDが「M001」の走行情報に対応する画像データとして、2021年8月31日の10時1分0秒に撮像された画像データIMG1と、2021年8月31日の10時1分1秒に撮像された画像データIMG2と、2021年8月31日の10時1分2秒に撮像された画像データIMG3とが含まれる。
図8は、実施の形態1にかかる距離標距離判定装置の計測データ記憶部に記憶される3次元点群データテーブルの一例を示す図である。図8に示す3次元点群データテーブルは、「走行情報ID」および「3次元点群データ」を計測対象毎に含む。「走行情報ID」は、図5に示す「走行情報ID」と同じである。「3次元点群データ」は、計測車両2の3次元計測部72によって生成された3次元点群データである。
図8に示す3次元点群データテーブルでは、走行情報IDが「M001」の走行情報に対応する3次元点群データが3次元点群データDtp1であり、走行情報IDが「M002」の走行情報に対応する3次元点群データが3次元点群データDtp2であり、走行情報IDが「M003」の走行情報に対応する3次元点群データが3次元点群データDtp3であることが示される。
図4に示す距離標データ記憶部22は、距離標データを含む距離標データテーブルを記憶する。図9は、実施の形態1にかかる距離標距離判定装置の距離標データ記憶部に記憶される距離標データテーブルの一例を示す図である。
図9に示す距離標データテーブルは、「走行情報ID」、「距離標ID」、「距離値」、「距離標位置」、「画像データ」、「撮像時刻」、および「自動登録フラグ」を距離標6毎に含む。
「走行情報ID」は、図5に示す「走行情報ID」と同じである。「距離標ID」は、距離標6に固有の識別情報である。「距離値」は、距離標6の起点からの距離を示す情報である。「距離標位置」は、距離標6の位置を示す情報であり、例えば、平面直角座標系におけるX、Y、および標高で示されるが、緯度、経度、および高度など、その他の3次元座標値表記で示されてもよく、系番号などの情報を付与して相互に変換できる状態で示されてもよい。「画像データ」は、距離標6が含まれる撮像画像のデータである。「撮像時刻」は、距離標6が含まれる撮像画像の撮像時刻である。
「自動登録フラグ」は、処理部14によって距離標6が距離標データテーブルに自動登録されたかを示すフラグであり、自動登録フラグ「1」は、処理部14によって距離標6のデータが距離標データテーブルに自動登録されたことを示し、自動登録フラグ「0」は、距離標距離判定装置1の利用者によって距離標6のデータが距離標データテーブルに登録されたことを示す。
図9に示す距離標データテーブルでは、走行情報IDが「M001」の走行情報に対応する距離標6のデータとして、距離標IDが「D001」の距離標6のデータと、距離標IDが「D002」の距離標6のデータと、距離標IDが「D003」の距離標6のデータとが含まれる。
距離標ID「D001」の距離標6は、距離値が「137.5」であり、距離標位置が「P(x2,y2,z2)」であり、画像が含まれる画像データが「画像データIMG2」であり、撮像画像の撮像時刻が2021年8月31日の10時1分1秒であり、自動登録フラグが「1」である。
また、距離標ID「D002」の距離標6は、距離値が「138.0」であり、距離標位置が「P(x4,y4,z4)」であり、画像が含まれる画像データが「画像データIMG4」であり、撮像画像の撮像時刻が2021年8月31日の10時1分3秒であり、自動登録フラグが「1」である。
また、距離標ID「D003」の距離標6は、距離値が「138.5」であり、距離標位置が「P(x6,y6,z6)」であり、画像が含まれる画像データが「画像データIMG6」であり、撮像画像の撮像時刻が2021年8月31日の10時1分5秒であり、自動登録フラグが「0」である。
なお、距離標データテーブルは、画像データおよび撮像時刻に代えてまたは加えて、3次元点群データなどを走行情報ID毎に含んでいてもよい。
図4に示す距離標定義データ記憶部23は、走行路毎に距離標定義データを含む距離標定義データテーブルを記憶する。図10は、実施の形態1にかかる距離標距離判定装置の距離標定義データ記憶部に記憶される距離標定義データテーブルの一例を示す図である。
図10に示す距離標定義データテーブルは、「走行情報ID」および「距離標設置間隔」を計測対象毎に含む。「走行情報ID」は、図5に示す「走行情報ID」と同じである。「距離標設置間隔」は、走行路の沿線に沿って配列される複数の距離標6の設置間隔である距離標設置間隔を示す情報である。
図10に示す距離標定義データテーブルでは、走行情報IDが「M001」の走行情報で示される走行路において距離標設置間隔は、0.5kmであり、走行情報IDが「M002」の走行情報で示される走行路において距離標設置間隔は、0.1kmであり、走行情報IDが「M003」の走行情報で示される走行路において距離標設置間隔は、1.0kmである。
図4に示す設備データ記憶部24は、走行路の沿線にある設備毎に設備データを含む設備データテーブルを記憶する。図11は、実施の形態1にかかる距離標距離判定装置の設備データ記憶部に記憶される設備データテーブルの一例を示す図である。
図11に示す設備データテーブルは、「走行情報ID」、「設備ID」、「設備名」、および「設備位置」を設備毎に含む。「走行情報ID」は、図5に示す「走行情報ID」と同じである。「設備ID」は、走行路の沿線にある設備毎に固有の識別情報である。「設備名」は、走行路の沿線にある設備の名称を示す情報である。「設備位置」は、走行路の沿線にある設備の位置を示す情報であり、例えば、平面直角座標系におけるX、Y、および標高で示されるが、緯度、経度、および高度など、その他の3次元座標値表記で示されてもよく、系番号などの情報を付与して相互に変換できる状態で示されてもよい。
図11に示す設備データテーブルでは、走行情報IDが「M001」の走行情報で示される走行路において、設備IDが「E1001」の設備データと、設備IDが「E1002」の設備データと、設備IDが「E1003」の設備データとが含まれる。
設備IDが「E1001」の設備データは、設備名が「信号機A1」であり、設備位置が「P(x21,y21,z21)」である。設備IDが「E1002」の設備データは、設備名が「信号機A2」であり、設備位置が「P(x31,y31,z31)」である。設備IDが「E1003」の設備データは、設備名が「看板B1」であり、設備位置が「P(x32,y32,z32)」である。
なお、上述した検出位置、距離標位置、設備位置などの位置を示す情報が、平面直角座標系におけるX、Y、および標高で示される情報である場合、位置を示す情報は、地球上を平面とみなした位置で表されることから、計算が簡単で一定範囲であれば十分誤差なく扱うことができるというメリットがある。一方、上述した検出位置、距離標位置、設備位置などの位置を示す情報が、緯度、経度、および高度などで示される情報である場合、位置を示す情報は、地球上のそのままの位置を表すため、計算が煩雑になるものの、地球上の厳密な座標で示すことができるというメリットがある。なお、一定範囲の測量では誤差が少ないため、位置を示す情報として、平面直角座標系におけるX、Y、および標高で示される情報を用いることがより望ましい。
図4に戻って、距離標距離判定装置1の説明を続ける。距離標距離判定装置1の処理部14は、入力受付部30と、データ取得部31と、距離標位置検出部32と、検証処理部33と、距離判定部34と、表示処理部35と、出力処理部36とを備える。
入力受付部30は、利用者による入力部11への入力操作を受け付ける。例えば、入力受付部30は、入力部11を介して利用者からの距離標距離判定要求を受け付ける。距離標距離判定要求には、例えば、判定対象となる走行路の走行情報IDなどの情報が含まれる。
また、入力受付部30は、入力部11を介して利用者からの距離標データの修正要求または追加要求を受け付ける。距離標データの修正要求には、修正対象となる距離標データの修正内容を示す情報が含まれ、距離標データの追加要求には、追加対象となる距離標データの内容を示す情報が含まれる。また、入力受付部30は、入力部11を介して利用者からの出力要求を受け付ける。
データ取得部31は、通信部10を介して外部装置からデータを取得し、取得したデータを記憶部13に記憶させたり、処理部14が記憶部13に記憶されているデータを用いた処理を行う場合に記憶部13に記憶されているデータを取得したりする。
また、データ取得部31は、距離標位置検出部32によって検出された距離標6の位置、距離判定部34によって判定された距離標6の起点からの距離である距離値などを距離標位置検出部32および距離判定部34などから取得して記憶部13に記憶させる。
データ取得部31は、計測データ取得部40と、距離値取得部41と、対象情報取得部42とを備える。計測データ取得部40は、計測車両2の計測装置70から送信されネットワーク3を介して通信部10で受信される計測データを通信部10から取得する。計測データ取得部40は、通信部10から取得した計測データに含まれる移動軌跡データを計測データ記憶部21に記憶されている移動軌跡データテーブルに追加する。
また、計測データ取得部40は、通信部10から取得した計測データに含まれる撮像画像データを計測データ記憶部21に記憶されている撮像画像データテーブルに追加する。また、計測データ取得部40は、通信部10から取得した計測データに含まれる3次元点群データを計測データ記憶部21に記憶されている3次元点群データテーブルに追加する。
また、距離値取得部41は、計測装置70で計測された複数の距離標6のうち計測装置70で最初に計測データが得られた距離標6の起点からの距離である初期距離値を入力受付部30から取得する。初期距離値は、走行情報IDに対応付けられた複数の撮像画像データのうち距離標位置検出部32によって最初に距離標6が検出された撮像画像データに含まれる距離標6の距離値であり、利用者による入力部11への操作によって入力受付部30によって受け付けられる。
対象情報取得部42は、対象地点の情報である対象情報を入力受付部30または記憶部13から取得する。対象地点は、例えば、走行路の沿線に設置された設備の設置位置または事故がある地点である事故地点などであり、対象地点の情報は、利用者による入力部11への操作によって入力受付部30によって受け付けられる。
例えば、対象情報取得部42は、設備名を示す名称情報が入力受付部30によって受け付けられ、入力受付部30から設備名を示す名称情報を取得した場合、名称情報で示される設備名に対応する設備位置を設備データ記憶部24に記憶されている設備データテーブルから取得する。また、対象情報取得部42は、事故地点の位置を示す情報が入力受付部30によって受け付けられた場合、入力受付部30によって受け付けられた事故地点の位置を示す情報を対象情報として入力受付部30から取得する。
距離標位置検出部32は、距離標距離判定要求が入力受付部30によって受け付けられた場合または距離標6の位置が未検出である走行情報がある場合、計測データ取得部40によって取得された計測データに基づいて、複数の距離標6の位置を検出する。
距離標位置検出部32は、検出した複数の距離標6の位置を示すデータをデータ取得部31へ出力する。データ取得部31は、距離標位置検出部32から取得した複数の距離標6の位置を示すデータを距離標データ記憶部22に記憶されている距離標データテーブルに追加する。
距離標位置検出部32は、計測データに含まれる撮像画像データおよび3次元点群データのうちの少なくとも一方を用いて、複数の距離標6の位置を検出する。距離標位置検出部32は、動作モードとして、第1のモード、第2のモード、および第3のモードを有する。
また、距離標位置検出部32は、予め設定された選択基準に基づいて、動作モードを選択する。予め設定された選択基準は、利用者による選択、計測データが計測装置70で得られたときの時間帯、季節、沿線の天気、または撮像画像の輝度などである。
距離標位置検出部32は、動作モードが第1のモードである場合、撮像画像データおよび移動軌跡データを用いて、複数の距離標6の位置を検出する。また、距離標位置検出部32は、動作モードが第2のモードである場合、3次元点群データを用いて、複数の距離標6の位置を検出する。また、距離標位置検出部32は、動作モードが第3のモードである場合、撮像画像データ、3次元点群データ、および移動軌跡データを用いて、複数の距離標6の位置を検出する。
距離標位置検出部32は、利用者によって選択された動作モードで、複数の距離標6の位置を検出する。また、距離標位置検出部32は、計測データが計測装置70で得られたときの時間帯、季節、および沿線の天気のうちの少なくとも1つに応じて、動作モードを変えることもできる。
例えば、距離標位置検出部32は、昼の時間帯に計測装置70で得られた計測データを用いる場合、第1のモードで、距離標6の検出処理を行い、夜の時間帯に計測装置70で得られた計測データを用いる場合、第2のモードで、距離標6の検出処理を行う。また、距離標位置検出部32は、夕方の時間帯または夜明けの時間帯に計測装置70で得られた計測データを用いる場合、第3のモードで、距離標6の検出処理を行う。また、距離標位置検出部32は、時間帯、季節、および沿線の天気の組み合わせに応じた動作モードで距離標6の検出処理を行うこともできる。
また、距離標位置検出部32は、撮像画像データで示される撮像画像の輝度に基づいて、動作モードを変更することもできる。例えば、距離標位置検出部32は、撮像画像データで示される撮像画像の平均輝度が第1閾値以上である場合、第1のモードで、距離標6の検出処理を行い、第1閾値よりも小さい第2閾値未満である場合、第2のモードで、距離標6の検出処理を行う。また、距離標位置検出部32は、撮像画像データで示される撮像画像の平均輝度が第2閾値以上且つ第1閾値未満である場合、第3のモードで、距離標6の検出処理を行う。
このように、距離標位置検出部32は、予め設定された選択基準に基づいて、撮像画像のデータおよび3次元点群のデータの一方を選択し、選択したデータに基づいて、複数の距離標6を検出する。
なお、距離標位置検出部32は、第1のモードでの距離標6の検出処理における距離標6の検出精度が予め設定された値未満である場合、第2のモードまたは第3のモードで距離標6の検出処理を再度行うこともできる。また、距離標位置検出部32は、第2のモードで距離標6の再度の検出処理における距離標6の検出精度が予め設定された値未満である場合、第3のモードで距離標6の検出処理をさらに再度行うこともできる。距離標6の検出精度は、例えば、距離標6の総数に対する未検出および誤検出の距離標6の数の比で示される。
距離標位置検出部32は、距離標検出部50と、位置判定部51とを備える。距離標検出部50は、動作モードが第1のモードである場合、撮像画像データと移動軌跡データとに基づいて、距離標6を検出する。
距離標検出部50は、撮像画像データを入力とし、距離標6が存在する領域である距離標領域を示すデータを出力する学習済みモデルを有する。距離標検出部50は、学習済みモデルに撮像画像データを入力することによって、学習済みモデルで検出された距離標領域を距離標6として検出する。
なお、距離標検出部50は、学習済みモデルに代えて、予め設定された距離標6の形状パターンとの一致度が閾値以上である領域を距離標領域であると判定するパターンマッチング技術を用いて、距離標6を検出することもできる。
また、距離標検出部50は、動作モードが第2のモードである場合、3次元点群データに基づいて、距離標6を検出する。距離標検出部50は、3次元点群データを入力とし、距離標6が存在する領域である距離標領域を示すデータを出力する学習済みモデルを有しており、かかる学習済みモデルに3次元点群データを入力することによって、学習済みモデルで検出された距離標領域を距離標6として検出する。
なお、距離標検出部50は、学習済みモデルに代えて、予め設定された距離標6の形状パターンとの一致度が閾値以上である領域を距離標領域であると判定するパターンマッチング技術を用いて、距離標6を検出することもできる。
また、距離標検出部50は、動作モードが第3のモードである場合、第1のモードと同様の処理によって、撮像画像データに基づいて、距離標6を検出すると共に、第2のモードと同様の処理によって、3次元点群データに基づいて、距離標6を検出する。
上述した学習済みモデルは、機械学習によって生成されたモデルであり、例えば、ニューラルネットワークであるが、線形回帰またはロジスティック回帰などの学習アルゴリズムで生成される計算モデルであってもよい。
位置判定部51は、距離標検出部50によって検出された各距離標6の位置を判定する。位置判定部51は、動作モードが第1のモードである場合、距離標検出部50によって距離標6が検出された撮像画像であって判定対象条件を満たす撮像画像の撮像時刻に基づいて、距離標6の位置を判定する。判定対象条件は、以下の第1の判定対象条件、第2の判定対象条件、および第3の判定対象条件を含む。
第1の判定対象条件は、1つの撮像画像内に複数の距離標6が含まれる場合に、複数の距離標6のうち、距離標領域が最も大きな距離標6を判定対象の距離標6にするという条件である。
図12は、実施の形態1にかかる距離標距離判定装置の位置判定部における第1の判定対象条件を説明するための図である。図12に示す例では、撮像画像90に複数の距離標6m,6m+1が含まれ、撮像画像90において、距離標6mの距離標領域は、距離標6m+1の距離標領域よりも大きい。そのため、位置判定部51は、複数の距離標6m,6m+1が含まれる撮像画像90がある場合、複数の距離標6m,6m+1のうち距離標領域が大きな距離標6mを判定対象の距離標6にする。
第2の判定対象条件は、撮像時刻が連続する2つの撮像画像の各々に距離標6が含まれている場合に、撮像時刻が遅い撮像画像に含まれる距離標6が、撮像時刻が早い撮像画像に含まれる距離標6よりも距離標領域が大きい場合、撮像時刻が遅い撮像画像に含まれる距離標6を判定対象の距離標6にするという条件である。なお、以下において、撮像時刻が連続する2つの撮像画像のうち撮像時刻が早い撮像画像を前回の撮像画像と記載し、撮像時刻が遅い撮像画像を今回の撮像画像と記載する場合がある。
図13は、実施の形態1にかかる距離標距離判定装置の位置判定部における第2の判定対象条件を説明するための図である。図13に示す例では、前回の撮像画像91と今回の撮像画像92とに距離標6mが含まれており、前回の撮像画像91の距離標6mよりも今回の撮像画像92の距離標6mの距離標6の方が、距離標領域が大きい。そのため、位置判定部51は、今回の撮像画像92の距離標6mを判定対象の距離標6にする。
このように、位置判定部51は、前回の撮像画像91と今回の撮像画像92とに距離標6が含まれる場合、前回の撮像画像91と今回の撮像画像92とに含まれる距離標6を同一であると判定し、最も近づいた距離標6を含む撮像画像を判定対象の距離標6にする。
第3の判定対象条件は、撮像時刻が連続する2つの撮像画像の各々に距離標6が含まれている場合に、撮像時刻が遅い撮像画像に含まれる距離標6が、撮像時刻が早い撮像画像に含まれる距離標6よりも距離標領域が小さい場合、2つの撮像画像の各々を判定対象の距離標6にするという条件である。
図14は、実施の形態1にかかる距離標距離判定装置の位置判定部における第3の判定対象条件を説明するための図である。図14に示す例では、前回の撮像画像93に距離標6mが含まれ、今回の撮像画像94に距離標6m+1が含まれており、前回の撮像画像93における距離標6mは、今回の撮像画像94における距離標6m+1よりも距離標領域が大きい。そのため、位置判定部51は、前回の撮像画像93と今回の撮像画像94とに各々含まれる距離標6m,6m+1は互いに異なると判定し、前回の撮像画像93に含まれる距離標6mおよび今回の撮像画像94に含まれる距離標6m+1の各々を判定対象の距離標6にする。
位置判定部51は、移動軌跡データに基づいて、移動軌跡データで示される検出位置と検出時刻とを線形補間する補間処理を行って、検出位置と検出時刻との組み合わせの数を増やす。そして、位置判定部51は、補間処理によって数を増加させた検出時刻のうち判定対象の距離標6が含まれる撮像画像の撮像時刻と一致する検出時刻に対応する検出位置を、判定対象の距離標6の位置として判定する。
図15は、実施の形態1にかかる距離標距離判定装置の位置判定部による判定対象の距離標の位置の決定方法を説明するための図である。図15に示す例では、移動軌跡データに含まれる検出位置のデータを実計測データとし、補間処理によって検出位置として追加された検出位置のデータを線形補間データとしている。
また、図15に示す例では、検出時刻が時刻tkの実計測データ、検出時刻が時刻tk+0.25の線形補間データ、検出時刻が時刻tk+0.5の線形補間データ、検出時刻が時刻tk+0.75の線形補間データ、検出時刻が時刻tk+1の実計測データが示されている。
そして、図15に示す例では、判定対象の距離標6を含む撮像画像の撮像時刻が時刻tk+0.25および時刻tk+0.75である。そのため、位置判定部51は、判定対象の2つの距離標6の一方の位置が、検出時刻「時刻tk+0.25」に対応する検出位置P(x2,y2,z2)であり、他方の位置が、検出時刻「時刻tk+0.75」に対応する検出位置P(x4,y4,z4)であると判定する。
なお、位置判定部51は、動作モードが第1のモードである場合、距離標6の位置の判定方法は、上述した例に限定されない。例えば、位置判定部51は、上述した処理方法によって判定した距離標6の位置を補正することができる。例えば、位置判定部51は、撮像画像内における判定対象の距離標6の位置と、計測車両2の走行速度とに基づいて、上述した処理方法によって判定した距離標6の位置を補正することもできる。
位置判定部51は、動作モードが第2のモードである場合、距離標検出部50によって検出された距離標6の3次元座標に基づいて、距離標6の位置を判定する。例えば、位置判定部51は、距離標検出部50によって3次元点群の中から検出された距離標6を示す複数の3次元座標のうちの中心位置または平均位置を、距離標6の位置として判定することができる。
また、位置判定部51は、距離標検出部50によって3次元点群の中から検出された距離標6を示す複数の3次元座標のうちの中心位置または平均位置を通り且つ移動軌跡データで示される検出位置を検出された順に繋いだ第1の線に直交する第2の線を配置し、第1の線と第2の線との交点を、距離標6の位置として判定することもできる。
位置判定部51は、動作モードが第3のモードである場合、第1のモードと同様の処理で判定した距離標6の位置と、第2のモードと同様の処理で判定した距離標6の位置とを比較する。そして、位置判定部51は、第1のモードと同様の処理で判定した距離標6の位置と第2のモードと同様の処理で判定した距離標6の位置とが一致する場合に、一致する距離標6を距離標6の位置として判定する。これにより、位置判定部51は、精度よく距離標6の位置を判定することができる。
なお、第3のモードでの動作は、上述した例に限定されない。例えば、位置判定部51は、距離標検出部50によって第1のモードと同様の処理で検出された距離標6の数と、距離標検出部50によって第2のモードと同様の処理で検出された距離標6の数とを比較する。そして、位置判定部51は、検出された距離標6の数が多い方の動作モードと同様の処理で判定した距離標6の位置を、距離標6の位置として判定することもできる。
また、位置判定部51は、距離標検出部50によって第1のモードと同様の処理で検出された距離標6の位置と距離標検出部50によって第2のモードと同様の処理で検出された距離標6の位置とを比較し、互いの位置が予め設定された範囲にあるか否かを判定する。位置判定部51は、互いの位置が予め設定された範囲にある距離標6の位置を1つの距離標6の位置としてまとめる。位置判定部51は、例えば、検出された距離標6の数が少ない方の動作モードで検出された距離標6の位置を削除する。位置判定部51は、互いの位置が予め設定された範囲にない距離標6の位置を、距離標6の位置として判定する。
図4に示す検証処理部33は、距離標位置検出部32によって検出された距離標6の位置と距離標定義データ記憶部23に記憶された距離標定義データテーブルとに基づいて、距離標位置検出部32による距離標6の位置の誤検出または未検出の有無を判定する。
検証処理部33は、距離標位置検出部32による距離標6の位置の誤検出または未検出があると判定した場合、距離標位置検出部32によって検出された距離標6の位置などの情報を表示部12に表示させる処理を表示処理部35に実行させ、利用者に対して距離標6の位置の修正または追加を促す。
検証処理部33は、利用者による入力部11への入力操作によって距離標6の位置の修正要求または追加要求が入力受付部30で受け付けられた場合、入力受付部30で受け付けられた距離標6の位置の修正要求または追加要求の内容に応じて、距離標データ記憶部22に記憶された距離標データテーブルにおける距離標6の位置の修正または距離標データテーブルへの距離標6の位置の追加をデータ取得部31に実行させる。
検証処理部33は、検証部60と、更新部61とを備える。検証部60は、距離標位置検出部32によって検出された距離標6の位置と距離標定義データ記憶部23に記憶された距離標定義データテーブルとに基づいて、距離標位置検出部32による距離標6の位置の誤検出または未検出があるか否かを判定する。
例えば、検証部60は、距離標位置検出部32によって検出された距離標6に対応する走行情報IDが対応付けられた距離標設置間隔のデータを距離標定義データ記憶部23からデータ取得部31を介して取得する。そして、検証部60は、距離標位置検出部32によって検出された距離標6の間隔が距離標設置間隔と実質的に一致するか否かを判定する。
例えば、検証部60は、距離標位置検出部32によって検出された複数の距離標6を検出時刻で時系列に並べ、隣接する2つの距離標6間の間隔を、隣接する2つの距離標6の組み合わせ毎に判定する。そして、検証部60は、判定した距離標6間の間隔と距離標設置間隔との差ΔDが予め設定された閾値α以下であるか否かを2つの距離標6の組み合わせ毎に判定する。
検証部60は、距離標設置間隔との差ΔDが閾値αを超える2つの距離標6がある場合、距離標位置検出部32による距離標6の位置の誤検出または未検出があると判定する。例えば、検証部60は、差ΔDが閾値αよりも大きく且つ閾値β未満である場合、2つの距離標6の一方の距離標6が誤検出であると判定する。また、検証部60は、差ΔDが閾値β以上である場合、2つの距離標6間にある距離標6が未検出であると判定する。なお、検証部60による距離標6の位置の誤検出または未検出の判定方法は上述した例に限定されない。
更新部61は、距離標位置検出部32による距離標6の位置の誤検出または未検出があると検証部60によって判定された場合、距離標6の位置を修正または追加するための距離標位置修正画面の情報を表示部12に表示させる処理を表示処理部35に実行させる。
距離標位置修正画面の情報には、例えば、位置が誤検出であると判定された距離標6の位置の修正および位置が未検出であると判定された距離標6の位置の追加が可能なUI(User Interface)が含まれる。
図16は、実施の形態1にかかる距離標距離判定装置の表示部に表示される距離標位置修正画面の情報の一例を示す図である。図16に示す距離標位置修正画面の情報95では、検証部60によって未検出であると判定された距離標6と検証部60によって誤検出であると判定された距離標6とが強調表示されており、また、検証部60によって未検出であると判定された距離標6の位置を入力するためのテキストボックスが表示されている。
利用者は、入力部11への入力操作によって、検証部60によって未検出であると判定された距離標6の位置をテキストボックスに入力したり、検証部60によって誤検出であると判定された距離標6を削除したりすることができる。また、距離標位置修正画面の情報95は、検証部60によって誤検出または未検出であると判定されていない距離標6の位置についても修正可能な情報であってもよい。
利用者は、表示部12に表示された距離標位置修正画面の情報95を見ながら入力部11への入力操作を行うことで、位置が誤検出と判定された距離標6の位置の修正および位置が未検出であると判定された距離標6の位置の追加を行うことができる。
ここで、利用者による入力部11への入力操作によって距離標6の位置の修正要求または追加要求が入力受付部30で受け付けられたとする。この場合、更新部61は、入力受付部30で受け付けられた距離標6の位置の修正要求または追加要求の内容に応じて、距離標データ記憶部22に記憶された距離標データテーブルにおける距離標6の位置の修正または距離標データテーブルへの距離標6の位置の追加をデータ取得部31に実行させる。
このように、更新部61は、距離標位置検出部32によって検出された距離標6の位置の修正要求および追加要求が入力受付部30によって受け付けられた場合に、距離標6の位置の修正および追加を行う。これにより、検証処理部33は、距離標位置検出部32による距離標6の位置の誤検出または未検出がある場合であっても、距離標データテーブルを適切に更新することができる。
なお、表示処理部35は、距離標位置修正画面の情報95に含まれる距離標6のシンボルが利用者によってクリックされた場合、クリックされた距離標6を含む撮像画像を表示部12に表示させることができる。表示処理部35は、利用者の入力部11への入力操作に応じて、表示部12に表示された撮像画像を変更することができる。
位置判定部51は、利用者が入力部11への入力操作によって距離標6を含む撮像画像を指定した場合、指定された撮像画像の距離標6の位置を判定し、かかる判定結果に基づいて、距離標データ記憶部22に記憶された距離標データテーブルの修正をデータ取得部31に実行させることができる。
図4に示す距離判定部34は、距離値取得部41によって取得された初期距離値に基づいて、複数の距離標6の起点からの距離を判定する。例えば、137.5kmが初期距離値として入力され、距離標定義データテーブルで示される距離標設置間隔が0.5kmであるとする。
この場合、距離判定部34は、距離標位置検出部32によって位置が検出された複数の距離標6のうち検出時刻が最も古い距離標6の距離値を137.5kmとし、2番目に検出時刻が古い距離標6の距離値を138.0kmとし、3番目に検出時刻が古い距離標6の距離値を138.5kmとする。このように、距離判定部34は、検出時刻が最も古い距離標6の距離値を初期距離値とし、その後、距離標定義データテーブルで示される距離標設置間隔刻みで距離標設置間隔の値を初期距離値に順次加算していくことで検出時刻が古い順に距離標6の距離値を判定する。
距離判定部34は、判定した各距離標6の距離値を、距離標データ記憶部22に記憶された距離標データテーブルに追加する処理をデータ取得部31に実行させる。これにより、距離標データテーブルにおいて、距離標位置検出部32によって位置が検出された複数の距離標6に距離値が設定される。そのため、距離標距離判定装置1では、起点の位置を示す情報が得られない場合であっても、検出した距離標6の起点からの距離を得ることができる。
また、距離判定部34は、対象情報取得部42で対象情報が取得された場合、対象情報取得部42によって取得された対象情報に基づいて、対象地点の起点からの距離を判定する。距離判定部34は、対象情報で示される対象地点の位置と、移動軌跡データと、距離標位置検出部32によって検出された距離標6の位置とに基づいて、対象地点の起点からの距離を判定する。
例えば、距離判定部34は、対象情報で示される対象地点の位置と距離標位置検出部32によって検出された距離標6の位置とに基づいて、対象地点に最も近い距離標6を対象距離標として判定する。そして、距離判定部34は、移動軌跡データに基づいて、対象距離標に最も近い検出位置を先頭検出位置として判定し、対象距離標と先頭検出位置との間の距離を第1の距離として算出する。
次に、距離判定部34は、先頭検出位置から対象地点に向かう方向において対象地点に最も近い検出位置まで、検出位置間の距離を第1の距離に加算していき、加算結果を第2の距離として算出する。そして、距離判定部34は、先頭検出位置から対象地点に向かう方向において対象地点に最も近い検出位置から対象地点までの距離を第2の距離に加算することで、対象距離標の距離値からの対象地点までの距離を判定する。距離判定部34は、対象距離標の距離値からの対象地点までの距離を表示部12に表示させる処理を表示処理部35に実行させる。
図17は、実施の形態1にかかる距離標距離判定装置の距離判定部による対象地点の距離の判定方法を説明するための図である。図17に示す例では、対象地点に最も近い距離標6は、距離値が137.5kmの距離標6であり、第1の距離が5mであり、第2の距離が5m+10m=15mであり、第3の距離が5m+10m+5m=20mであり、距離値が137.5kmの距離標6から対象地点へ向かう方向は上り方向である。そのため、距離判定部34は、対象地点が137.5キロポストから上り方向に20mの地点であることを示す距離の情報を表示部12に表示させる処理を表示処理部35に実行させる。
図4に示す表示処理部35は、距離標位置検出部32による検出結果、検証処理部33による検証結果、および距離判定部34によって判定された距離値などを表示部12に表示させる。
図4に示す出力処理部36は、入力受付部30によって利用者からの出力要求が受け付けられた場合、利用者の入力部11への入力操作に応じた情報または処理部14によって処理された情報を外部装置へ通信部10を介して出力する。例えば、出力処理部36は、距離標位置検出部32による検出結果、検証処理部33による検証結果、および距離判定部34によって判定された距離値などを外部装置へ通信部10を介して出力する。
つづいて、フローチャートを用いて距離標距離判定装置1の処理部14による処理を説明する。図18は、実施の形態1にかかる距離標距離判定装置の処理部による処理の一例を示すフローチャートである。
図18に示すように、距離標距離判定装置1の処理部14は、計測装置70からネットワーク3および通信部10を介して計測データを取得したか否かを判定する(ステップS10)。処理部14は、計測データを取得したと判定した場合(ステップS10:Yes)、取得した計測データを記憶部13に記憶させる(ステップS11)。
処理部14は、ステップS11の処理が終了した場合、または計測データを取得していないと判定した場合(ステップS10:No)、距離標距離判定要求を受け付けたか否かを判定する(ステップS12)。処理部14は、距離標距離判定要求を受け付けたと判定した場合(ステップS12:Yes)、距離標距離判定処理を行う(ステップS13)。ステップS13の処理は、図19に示すステップS20~S29の処理であり、後で詳述する。
処理部14は、ステップS13の処理が終了した場合、または距離標距離判定要求を受け付けていないと判定した場合(ステップS12:No)、対象情報を取得したか否かを判定する(ステップS14)。処理部14は、対象情報を取得したと判定した場合(ステップS14:Yes)、対象地点距離判定処理を行う(ステップS15)。ステップS15の処理は、図21に示すステップS40,S41の処理であり、後で詳述する。
処理部14は、ステップS15の処理が終了した場合、または対象情報を取得していないと判定した場合(ステップS14:No)、出力要求があるか否かを判定する(ステップS16)。処理部14は、出力要求があると判定した場合(ステップS16:Yes)、出力要求に応じた情報を通信部10およびネットワーク3を介して外部装置へ出力する出力処理を実行する(ステップS17)。
処理部14は、ステップS17の処理が終了した場合、または出力要求がないと判定した場合(ステップS16:No)、動作終了のタイミングであるか否かを判定する(ステップS18)。ステップS18の処理において、処理部14は、不図示の電源がオフされた場合または入力部11への動作終了の操作が行われた場合に、動作終了のタイミングであると判定する。
処理部14は、動作終了のタイミングではないと判定した場合(ステップS18:No)、処理をステップS10へ移行し、動作終了のタイミングであると判定した場合(ステップS18:Yes)、図18に示す処理を終了する。
図19は、実施の形態1にかかる距離標距離判定装置の処理部による距離標距離判定処理の一例を示すフローチャートである。なお、図19に示す距離標距離判定処理は、動作モードが第1のモードである場合に処理部14によって実行される処理である。
図19に示すように、処理部14は、計測データを記憶部13から取得し(ステップS20)、取得した計測データに基づいて、走行路の沿線に設置されている距離標6を検出する(ステップS21)。
次に、処理部14は、距離標6の重複判定を回避するための距離標重複判定処理を実行する(ステップS22)。ステップS22の処理は、図20に示すステップS30~S37の処理であり、後で詳述する。
次に、処理部14は、ステップS22で実行される距離標重複判定処理の結果に基づいて、判定対象の距離標6の位置を検出する(ステップS23)。そして、処理部14は、ステップS23で検出した距離標6の位置または後述するステップS27で追加要求または修正要求を受け付けた距離標6の位置と記憶部13に記憶された距離標定義データテーブルとに基づいて、ステップS23で検出した距離標6の位置を検証する(ステップS24)。
次に、処理部14は、検証がOKであるか否かを判定する(ステップS25)。処理部14は、ステップS25の処理において、距離標6の位置の誤検出または未検出がない場合、検証がOKであると判定し、そうでない場合、検証がNGであると判定する。
処理部14は、検証がOKではなくNGであると判定した場合(ステップS25:No)、ステップS24の検証結果に基づいて、距離標位置修正画面の情報を表示部12に表示させる(ステップS26)。そして、処理部14は、距離標6の位置の修正要求または追加要求を受け付け(ステップS27)、処理をステップS24に移行する。
処理部14は、検証がOKであると判定した場合(ステップS25:Yes)、初期距離値を受け付ける(ステップS28)。そして、処理部14は、ステップS28で受け付けた初期距離値に基づいて、複数の距離標6の距離値を判定し(ステップS29)、図19に示す処理を終了する。
図20は、実施の形態1にかかる距離標距離判定装置の処理部による距離標重複判定処理の一例を示すフローチャートである。図20に示すように、処理部14は、撮像画像データに基づいて、未選択の撮像画像のうち撮像時刻が最も古い撮像画像を選択する(ステップS30)。以下において、ステップS30で選択した最新の撮像画像を今回の撮像画像と記載し、ステップS30で前回選択した撮像画像を前回の撮像画像と記載する。
処理部14は、今回の撮像画像に複数の距離標6が含まれているか否かを判定する(ステップS31)。処理部14は、今回の撮像画像に複数の距離標6が含まれていると判定した場合(ステップS31:Yes)、今回の撮像画像において最も大きい距離標6を判定対象の距離標6に決定する(ステップS32)。
処理部14は、今回の撮像画像に複数の距離標6が含まれていないと判定した場合(ステップS31:No)、前回と今回の撮像画像の各々に距離標6が含まれているか否かを判定する(ステップS33)。処理部14は、前回と今回の撮像画像の各々に距離標6が含まれていると判定した場合(ステップS33:Yes)、前回の撮像画像よりも今回の撮像画像の方が、距離標領域が大きいか否かを判定する(ステップS34)。
処理部14は、前回の撮像画像よりも今回の撮像画像の方が、距離標領域が大きいと判定した場合(ステップS34:Yes)、今回の撮像画像内の距離標6を判定対象の距離標6に決定する(ステップS35)。また、処理部14は、前回の撮像画像よりも今回の撮像画像の距離標6の方が大きくはないと判定した場合(ステップS34:No)、前回と今回の撮像画像の各々の距離標6を判定対象の距離標6に決定する(ステップS36)。
処理部14は、ステップS32の処理が終了した場合、ステップS35の処理が終了した場合、ステップS36の処理が終了した場合、または、前回と今回の撮像画像の各々に距離標6が含まれていないと判定した場合(ステップS33:No)、未選択の撮像画像があるか否かを判定する(ステップS37)。
処理部14は、未選択の撮像画像があると判定した場合(ステップS37:Yes)、処理をステップS30に移行し、未選択の撮像画像がないと判定した場合(ステップS37:No)、図20に示す処理を終了する。
図21は、実施の形態1にかかる距離標距離判定装置の処理部による対象地点距離判定処理の一例を示すフローチャートである。図21に示すように、処理部14は、対象地点に最も近い距離標6を判定する(ステップS40)。そして、処理部14は、移動軌跡データに基づいて、ステップS40で判定した距離標6と対象地点との間の距離を判定し(ステップS41)、図21に示す処理を終了する。
図22は、実施の形態1にかかる距離標距離判定装置のハードウェア構成の一例を示す図である。図22に示すように、距離標距離判定装置1は、プロセッサ101と、メモリ102と、通信装置103と、入力装置104と、表示装置105と、バス106とを備えるコンピュータを含む。
プロセッサ101、メモリ102、通信装置103、入力装置104、および表示装置105は、例えば、バス106によって互いに情報の送受信が可能である。記憶部13は、メモリ102によって実現される。通信部10は、通信装置103で実現される。入力部11は、入力装置104によって実現される。表示部12は、表示装置105によって実現される。
プロセッサ101は、記録媒体ドライブにセットされた記録媒体から情報処理プログラムを読み出し、読み出した情報処理プログラムをメモリ102にインストールする。記録媒体ドライブは、例えば、CD(Compact Disc)-ROMドライブ、DVD(Digital Versatile Disc)-ROMドライブ、またはUSBドライブであり、記録媒体は、例えば、CD-ROM、DVD-ROM、または不揮発性の半導体メモリなどである。
プロセッサ101は、メモリ102に記憶されたプログラムを読み出して実行することによって、処理部14の機能を実行する。プロセッサ101は、例えば、処理回路の一例であり、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、およびシステムLSI(Large Scale Integration)のうち1つ以上を含む。
メモリ102は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、およびEEPROM(登録商標)(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)のうち1つ以上を含む。なお、距離標距離判定装置1は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)およびFPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積回路を含んでいてもよい。
なお、距離標距離判定装置1は、クライアント装置で構成されてもよく、サーバ装置で構成されてもよく、クライアント装置とサーバ装置とで構成されてもよい。距離標距離判定装置1が2以上の装置で構成される場合、2以上の装置の各々は、例えば、図22に示すハードウェア構成を有する。なお、2以上の装置間の通信は、通信装置103を介して行われる。また、距離標距離判定装置1は、2以上のサーバ装置で構成されてもよい。例えば、距離標距離判定装置1は、処理サーバと、データサーバとで構成されてもよい。
以上のように、実施の形態1にかかる距離標距離判定装置1は、計測データ取得部40と、距離標位置検出部32と、距離値取得部41と、距離判定部34とを備える。計測データ取得部40は、走行路を走行中の計測車両2に搭載された計測装置70によって得られる沿線の撮像画像のデータおよび沿線の3次元点群のデータのうちの少なくとも一方を含む計測データを取得する。距離標位置検出部32は、計測データ取得部40によって取得された計測データに基づいて、沿線に配置され且つ起点からの距離を表す複数の距離標6の位置を検出する。距離値取得部41は、複数の距離標6のうち計測装置70で最初に計測データが得られた距離標6の起点からの距離を示す初期距離値を取得する。距離判定部34は、距離標位置検出部32によって検出された複数の距離標6の位置と距離値取得部41によって取得された初期距離値とに基づいて、複数の距離標6の起点からの距離を判定する。これにより、距離標距離判定装置1は、起点の位置を示す情報が得られない場合であっても、検出した距離標6の起点からの距離を得ることができる。
また、距離標距離判定装置1は、検証部60と、表示処理部35と、更新部61とを備える。検証部60は、複数の距離標6の設置間隔を示すデータを含む距離標定義データに基づいて、距離標位置検出部32によって検出された距離標6の位置の誤検出および未検出の有無を判定する。表示処理部35は、検証部60による検出結果を表示部12に表示させる。更新部61は、距離標位置検出部32によって誤検出された距離標6の位置の修正要求および距離標位置検出部32によって検出されなかった距離標6の位置の追加要求がある場合に、距離標6の位置の修正および追加を行う。これにより、距離標距離判定装置1は、距離標位置検出部32による未検出または誤検出の距離標6の位置を利用者によって修正または追加することができる。
また、距離標位置検出部32は、距離標検出部50と、位置判定部51とを備える。距離標検出部50は、計測データに含まれる沿線の撮像画像のデータまたは沿線の3次元点群のデータを入力とし、距離標6が存在する領域である距離標領域を示すデータを出力する学習済みモデルを用いて、距離標領域を検出する。位置判定部51は、計測車両2の位置のデータを含む移動軌跡データに基づいて、距離標検出部50によって検出された距離標領域の位置を判定し、判定した距離標領域の位置を距離標6の位置として検出する。これにより、距離標距離判定装置1は、距離標6の起点からの距離を精度よく判定することができる。
また、位置判定部51は、移動軌跡データに含まれる計測車両2の位置のデータを線形補間して得られる位置のデータを用いて、距離標6の位置を検出する。これにより、距離標距離判定装置1は、距離標6の起点からの距離を精度よく判定することができる。
また、距離標距離判定装置1は、沿線に設置された設備の位置または走行路上の事故の地点の位置を対象地点の情報として含む対象情報を取得する対象情報取得部42を備える。距離判定部34は、対象情報取得部42によって取得された対象情報と計測車両2の位置のデータとに基づいて、対象地点の起点からの距離を判定する。これにより、距離標距離判定装置1は、対象地点の起点からの距離を精度よく判定することができる。
また、距離標位置検出部32は、沿線の撮像画像のデータと沿線の3次元点群のデータと移動軌跡データとに基づいて、複数の距離標6の位置を検出する。これにより、距離標距離判定装置1は、起点の位置を示す情報が得られない場合であっても、検出した距離標6の起点からの距離を精度よく得ることができる。
また、距離標位置検出部32は、予め設定された選択基準に基づいて、沿線の撮像画像のデータおよび沿線の3次元点群のデータの一方を選択し、選択したデータに基づいて、複数の距離標を検出する。これにより、距離標距離判定装置1は、起点の位置を示す情報が得られない場合であっても、検出した距離標6の起点からの距離を精度よく得ることができる。
また、選択基準は、計測装置70で計測データが得られた時間帯、季節、天気、および撮像画像の輝度の少なくとも1つに関する基準である。これにより、距離標距離判定装置1は、起点の位置を示す情報が得られない場合であっても、検出した距離標6の起点からの距離を精度よく得ることができる。
以上の実施の形態に示した構成は、一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。