以下、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る紙葉類回収搬送システム10(図2参照)が設置される遊技場2の店内レイアウトの一例を示している。遊技場2の店内には、複数の遊技機島3が通路を隔てて複数配列されている。各遊技機島3には、紙幣の投入を受けて遊技者に遊技球(パチンコ球)を貸し出す遊技球貸機4とパチンコ機などの遊技機5とを一組にしたものが背中合わせになるようにして表裏面に複数組併設収容されている。
遊技機島3の内部には、各遊技球貸機4の背面から排出された紙幣を取り込んで遊技機島3の一端に設置された金庫まで搬送する島内紙幣搬送装置8が設けてある。遊技機島3の端部には島内紙幣搬送装置8によって搬送されて来た紙幣を一時的に蓄える金庫の機能を備えた中継ボックス6が設けてある。
図2は、図1に示した遊技場2内に設置されている複数の遊技機島3の中継ボックス6から紙幣を回収して当該遊技場2の事務室等に設置された集合金庫11まで搬送する紙葉類回収搬送システム10を示している。
紙葉類回収搬送システム10は、遊技場2の事務所等に設置される集合金庫11と、集合金庫11から出て、遊技エリアに設置された各遊技機島3の中継ボックス6の設置箇所を経由し、再び集合金庫11に戻るように配管された搬送管12と、搬送管12の途中に設けられた搬送補助体中継装置17とを備えている。集合金庫11から搬送補助体中継装置17に至るまでの搬送管12を往路搬送管12a、搬送補助体中継装置17から集合金庫11に戻るまでの搬送管12を復路搬送管12bとする。
図2では集合金庫11は遊技機島3が設置された遊技エリアと同じフロアに設置した状態を示したが、集合金庫11は遊技エリアとは別のフロアに設けられることもある。その場合、集合金庫11から遊技フロアに至るまでの搬送管12や遊技フロアから集合金庫11に戻るまでの搬送管12の長さは図2に示したものよりもかなり長くなる。
遊技フロアに設置される搬送管12は、遊技フロアの天井裏に配管される。図2の場合、搬送管12の往路搬送管12aは、遊技場の一端側に設置された集合金庫11を出てから上方に屈曲して天井裏の高さまで延びた後、再び屈曲して天井裏に入り、各遊技機島3の中継ボックス6の設置個所の真上あたりを通って遊技場の他端側に設置された搬送補助体中継装置17まで延設されている。復路搬送管12bは搬送補助体中継装置17から出てから往路搬送管12aに沿って延設(すなわち、各遊技機島3の中継ボックス6の設置個所の真上あたりを通って遊技場の一端側に戻るように延設)された後、下方に屈曲して集合金庫11の高さまで下降した後、再び屈曲して水平になって集合金庫11まで延設されている。
紙葉類回収搬送システム10は、搬送管12内に空気流を発生させ、該空気流を受けて搬送管12内を移動する搬送補助体16(図3参照)で紙幣Pをその後方から押し動かして下流(搬送方向FW)へ搬送する。集合金庫11および搬送補助体中継装置17はそれぞれ空気流を発生させるブロアを備えている。集合金庫11は往路搬送管12aの始端から搬送補助体中継装置17に向かう空気流を発生させ、搬送補助体中継装置17は往路搬送管12aの終端から空気流を吸引する。また搬送補助体中継装置17は復路搬送管12bの始端から集合金庫11に向けて空気流を発生させ、集合金庫11は復路搬送管12bの終端から空気流を吸引する。
復路搬送管12bが天井裏から下方に向かう屈曲箇所には、下流(搬送補助体中継装置17から集合金庫11)に向かう空気流を強めるための補助ブロア18が設けてある。
紙葉類回収搬送システム10はさらに、各中継ボックス6からその上方を通る復路搬送管12bへ紙幣を搬送する副搬送装置13と、副搬送装置13によって中継ボックス6から搬送されてきた紙幣を、紙面が復路搬送管12bの延設方向に沿う姿勢で復路搬送管12bの中に取り込む取込装置14を備えている。
搬送管12を天井裏に設けたので、搬送管12を遊技場2内の各所に巡らしても、搬送管12が遊技者の活動や行き来に支障を与えることはない。なお、搬送管12は、天井裏に限らず、たとえば、天井近くの高位置に沿って延設されてもよい。本例では搬送管12は、遊技場2の中で人が活動(遊技や通行)するエリアを避けて、該エリアより高い位置に設置してある。また、遊技機島3内の遊技球貸機4は遊技を行う遊技者に合わせた高さに設置され、遊技機島3の中継ボックス6も同様の高さに設置されるので、該中継ボックス6からその上方の復路搬送管12bまで紙幣Pを副搬送装置13で搬送する。
本実施の形態では、空気流によって移動して紙幣Pを後方から押し動かす搬送補助体16は、基点となる集合金庫11から往路搬送管12aに送り出され、搬送補助体中継装置17に到達すると該搬送補助体中継装置17に一時的に保持される。保持された搬送補助体16は、その後、搬送補助体中継装置17から復路搬送管12bに送り出され、取込装置14によって復路搬送管12b内に取り込まれた紙幣Pを回収しながら移動して集合金庫11に戻って来る。
ここでは、集合金庫11から往路搬送管12aへの搬送補助体16の送り出しと、搬送補助体中継装置17から復路搬送管12bへの搬送補助体16の送り出しが同時に行われる。搬送補助体中継装置17は、往路搬送管12aから到来する搬送補助体16を受け止めて保持する。そして、保持した搬送補助体16を復路搬送管12bの始端側に移動させ、次回、この保持している搬送補助体16を復路搬送管12bに送り出す。
搬送補助体中継装置17を使用することで、集合金庫11から往路搬送管12aを通って搬送補助体中継装置17に至る移動と、搬送補助体中継装置17から復路搬送管12bを通って集合金庫11に戻る移動が同時並行に行われるようになる。搬送補助体中継装置17を用いずに、基点(集合金庫11)から送り出された搬送補助体16がそのまま移動し続けて、搬送管12を一周して基点(集合金庫11)に戻って来る場合に比べて、短い周期(時間間隔)で搬送補助体16を送り出すことができ、単位時間当たりの紙幣回収能力を高めることができる。
たとえば、搬送補助体中継装置17が搬送経路全体の中間地点に設置された場合、基点から出た搬送補助体16がそのまま搬送経路を1周して基点に戻るようにする場合に比べて、搬送補助体16による1回の回収動作に要する時間を半分に短縮することができ、単位時間当たりの回収能力を倍増させることができる。
図8に示すように、集合金庫11の内部には、空気流発生装置21と、紙幣分離・搬送補助体循環装置22が設けてある。紙幣分離・搬送補助体循環装置22は、搬送補助体16を往路搬送管12aに送り出す搬送補助体挿入装置23の機能と、紙幣Pとこれを後方から押し動かして搬送してきた搬送補助体16とを分離してそれぞれを回収する分離回収装置24の機能を備えると共に、分離回収装置24で回収した搬送補助体16を搬送補助体挿入装置23に渡して循環的に使用させる機能を果たす。分離回収装置24で回収した紙幣Pは、集合金庫11内の紙幣収納部25に収容される。
空気流発生装置21はモータで羽を回転させることによって空気流を発生させる。空気流発生装置21の空気吹き出し側は搬送補助体挿入装置23の空気流入口側に接続され、搬送補助体挿入装置23の空気流出口側に往路搬送管12aの始端が接続されている。復路搬送管12bの終端は分離回収装置24の空気流入口側に接続され、分離回収装置24の空気流出口側に空気流発生装置21の空気吸い込み側が接続されている。
搬送補助体中継装置17は、往路搬送管12aの終端側から往路搬送管12a内の空気を吸引する機能、および、復路搬送管12bの始端に向けて空気流を送り込む機能を果たす。すなわち、集合金庫11の空気流発生装置21は往路搬送管12aにその始端側から空気流を送り込み、搬送補助体中継装置17は往路搬送管12aの終端側から空気流を吸引することで、往路搬送管12a内に強い空気流を発生させる。同様に、搬送補助体中継装置17は復路搬送管12bにその始端側から空気流を送り込み、集合金庫11の空気流発生装置21は復路搬送管12bの終端側から空気流を吸引することで、復路搬送管12b内に強い空気流を発生させる。
さらに、最も下流の取込装置14より下流の復路搬送管12bに補助ブロア18を設けてある。補助ブロア18は、下流に向けて送風するブロアであり、集合金庫11まで搬送補助体16を確実に到達させるために順方向の空気流を増強する役割を果たす。図2の例では、補助ブロア18の設置箇所から集合金庫11までの搬送管12を短く記載してあるが、たとえば、島内紙幣搬送装置8とは別のフロアに集合金庫11が設けられることも多く、補助ブロア18より下流の搬送管12が長距離になることもある。
紙葉類回収搬送システム10により紙幣Pの回収は以下のように行われる。
遊技機島3の各遊技球貸機4から投入された紙幣は、遊技機島3の端部の中継ボックス6に搬送されて一時的に収納される。中継ボックス6に収納された紙幣Pを集合金庫11に回収する際に、1または2以上の中継ボックス6から紙幣Pが副搬送装置13に向けて排出される。中継ボックス6から排出された紙幣Pは副搬送装置13によって上方へ搬送された後、取込装置14によって復路搬送管12bの中へ送り出される。
取込装置14は、紙幣Pをその紙面が復路搬送管12bの延設方向に沿う姿勢で復路搬送管12b内へ送り出す。ここでは、取込装置14は、紙面が上下を向く水平な姿勢となるように紙幣Pを復路搬送管12b内へ送り出す。取込装置14によって復路搬送管12b内に送り出された紙幣Pは、送り出し完了位置に滞在する。複数の取込装置14を経由する部分の復路搬送管12bは横姿勢で、水平にかつ一直線に配管されている。横姿勢とは、復路搬送管12b内の紙幣Pの紙面が水平になる復路搬送管12bの姿勢である。
復路搬送管12b内への紙幣Pの取り込が完了すると、復路搬送管12b内に滞在する紙幣Pを集合金庫11まで搬送して回収するために搬送補助体16が搬送補助体中継装置17から往路搬送管12a内へ送り出される。これと同時に、集合金庫11から往路搬送管12a内へ搬送補助体16が送り出される。往路搬送管12a内へ送り出された搬送補助体16は、空気流の作用を受けて往路搬送管12a内を移動し、搬送補助体中継装置17に到達し、搬送補助体中継装置17に受け止められて保持される。一方、搬送補助体中継装置17から復路搬送管12b内へ送り出された搬送補助体16は、空気流の作用を受けて復路搬送管12b内を移動し、紙幣Pを回収しながら集合金庫11へ戻ってくる。その際、搬送補助体16は、図3に示すように、紙幣Pを、その後端側から押し動かして搬送(図中の搬送方向FW)する。
このように、空気流の作用を受けて搬送補助体16が移動し、この搬送補助体16によって紙幣Pを後端側から押し動かして搬送するので、紙幣P自体は空気流から推進力を得る必要がない。したがって、空気流を受けるために紙幣Pを折り曲げる等の措置を施すことなく、紙幣Pを空気流によって搬送することができる。また、搬送補助体16は紙幣Pに比べて効率よく空気流から推進力を得ることができるので、紙幣Pを効率よく搬送することができる。
図2に示すように、紙葉類回収搬送システム10の主たる搬送管12は複数の搬送管を連結部15で連結して構成される。連結部15は、温度変化等によって搬送管12の長さが変化しても、全体の設置状態に歪が生じないように、搬送管12の長さの変化分を吸収する役割を果たす。なお、取込装置14は、その前後の搬送管12を連結する機能も果たす。
また、紙葉類回収搬送システム10は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを主要部とする制御部27(図8参照)を備えている。制御部27は、空気流発生装置21、紙幣分離・搬送補助体循環装置22、副搬送装置13、取込装置14、搬送補助体中継装置17、補助ブロア18、副搬送装置13、中継ボックス6など各部の動作を制御する。
次に、搬送管12および搬送補助体16の形状について詳細に説明する。
図4は、直線部分における搬送管12の斜視図を、図5は、同部分の搬送管12の延設方向FW(=紙幣Pの搬送方向FW=空気流の流れる方向)に垂直な断面形状を示す図である。搬送管12は、厚さ1.5ミリほどの樹脂で形成されている。搬送管12は、たとえば、押し出し成型によって形成される。
搬送管12の直線部分の延設方向FWに垂直な断面の形状は、長方形の長辺の中央部分が外側へ矩形に拡張した形状を成している。詳細には、搬送管12は、断面で長方形の短辺を成す壁部31と、断面で長方形の長辺を成す側壁部32と、側壁部32の中央部分において外側へ矩形に張り出した拡張部33とを備えている。なお、搬送管12の延設方向(搬送方向FW)に垂直な略長方形の断面における短辺方向をX方向、長辺方向をY方向とする。X方向、Y方向それぞれにおいて搬送管12の中心に向かう方向を内側、中心から内壁へ向かう方向を外側と呼ぶものとする。
拡張部33は、搬送管12の内側方向へ立設された分離壁34によって2つに区切られている。分離壁34は拡張部33の内壁にT字型の部材を貼り付けて形成されている。
側壁部32には、搬送管12の内側方向へ突起した複数本のリブ35が搬送方向に沿って延設形成されている。本例では、側壁部32と拡張部33の境界部に搬送管12の内側へ突出するリブ35が搬送方向FWに沿って形成されている。分離壁34はリブ35と同じ高さになっており、分離壁34の頂部はリブとしての作用を果たす。以後、分離壁34をリブ34とも称する。
側壁部32は、搬送される紙幣Pの紙面に対向する一対の内壁となっている。紙幣Pは長方形をなしており、搬送管12内を、長辺が搬送方向FWとなる向きで搬送される。言い換えると、紙面Pが搬送管12の側壁部32に対向しかつ紙幣Pの一方の短辺が搬送方向FWの先端側となり他方の短辺が後端側となる向きで搬送される。
搬送管12の対向する一対の壁部31の間隔Dyは紙幣Pの短辺より僅かに長くされている。また、対向する一対の側壁部32(リブ35や拡張部33、分離壁34が形成されていない部分(基準平面部とする))の間隔Dxは21ミリほどに設定されている。各側壁部32に設けられた拡張部33は側壁部32(基準平面部)よりも外側へ6ミリほど拡張している。リブ35および分離壁34の頂は、側壁部32(基準平面部)から内側へ約2ミリの高さになっている。リブ35の高さは適宜に設定すればよい。
なお、搬送管12はその長手方向を縦、横のほか任意の角度に傾けて設置して使用することができ、どの角度でも搬送補助体16は円滑に搬送管12の中を移動することができる。たとえば、後述するねじり部51(図9参照)においても円滑に紙幣Pおよび搬送補助体16を搬送することができる。図5は、長方形の断面のうちの長辺が縦になるように設置した縦姿勢の搬送管12を示している。
図6は、搬送補助体16の平面および正面を示している。搬送補助体16は、各部で径が異なる断面円形の柱状を成している。搬送補助体16は、円柱の中心軸が搬送管12のY方向となるように搬送管12内に挿入されて使用される。搬送補助体16は、長さ方向にその中心に対して対象な形状であり、一方の端から順に、頭部16a、頭部よりやや径の小さい首部16b、頭部16aより径が大きい大径部16c、首部16bと同径であって長さ方向の中央に位置する括れ部16d、大径部16c、首部16b、頭部16aを有して構成される。搬送補助体16は、軽量、丈夫であり、たとえば、プラスティックなどにより内部が空洞に形成される。なお、軽量、丈夫であれば、発泡スチロールや押出発泡ポリスチレンなどにより形成されてもよい。
図7は、搬送管12内に搬送補助体16を挿入した状態の断面を示している。同図は、延設方向FWに垂直であって搬送補助体16の中心軸を通る断面である。搬送補助体16の各部の径は、搬送管12の内縁形状に対応している。すなわち、搬送補助体16の中心軸を通る断面形状は、延設方向FWと垂直な断面における搬送管12の内縁形状に対応した形状となっており、搬送管12の内側を、内壁との間に所定のクリアランスをあけてほぼ塞ぐ形状になっている。
このように、搬送補助体16は、搬送管12の内縁形状に対応する形状(若干のクリアランスをもってほぼ同一の形状)をなして搬送管12の断面のほぼ全体を塞ぐので、空気流の作用を効率よく受けて移動することができる。さらに搬送補助体16は上流からの空気流が搬送補助体16の下流側へ至るのを防ぎ、下流側での空気流の乱れを抑制する役割を果たす。
紙幣Pは、搬送管12内の空気流から作用を受けると側壁部32に張り付く傾向にある。すなわち、紙幣Pの一方の紙面とこれに対向する側壁部32との間隔と、他方の紙面とこれに対向する側壁部32との間隔とが均等になることはほとんどなく、いずれかの間隔が他方より狭くなる。空気流の流速は狭い間隔側で広い間隔側より速くなるため、狭い間隔側の気圧が広い間隔側の気圧より低くなり、この気圧差によって紙幣Pが狭い間隔側の側壁部32へ吸着・押圧される。そうなると、狭い間隔側の間隔がさらに狭くなり、紙幣Pが側壁部32へ張り付き吸着する現象が生じる。
紙幣Pが強く側壁部32に張り付くと、搬送補助体16で紙幣Pを押し動かして搬送することが難しくなる。しかし、上記のように搬送補助体16はその下流側への空気の流れを遮る(少なくする)作用を果たすので、紙幣Pが張り付き吸着する力は小さくなり、円滑な搬送が実現される。
搬送補助体16が有する2つの大径部16cは、搬送管12の分離壁34に区切られた2つの拡張部33のそれぞれに係合する。本例では、拡張部33を分離壁34によって2つに区切ると共に、これらの拡張部33を搬送管12のY方向の中央寄りに設けてあるので、搬送補助体16を安定した姿勢に維持して移動させることができる。また、搬送補助体16の姿勢が安定するので、紙幣Pの後端に搬送補助体16の大径部16cが適切に当接して安定した搬送力を与えることができる。また、搬送管12と搬送補助体16との間に紙幣Pが巻き込まれ難くなる。
また、搬送補助体16は、大径部16cを設けることで、空気流の作用を受ける部分の面積が拡大し、移動するための力を効率よく受けることができる。また、大径部16cを設けて空気流の作用を効率的に受けるので、その分、頭部16aの径を小さくすることができる。頭部の径を小さくすることで、搬送管12内の対向する一対の側側壁部32の間隔(幅(Dx))を狭くすることができ、紙幣Pの倒れを防ぐことができる。
さらに、側壁部32に設けた複数本のリブ35の存在により、紙幣Pが側壁部32にぴったりと張り付くことが防止される。すなわち、紙幣Pと側壁部32との接触面積が少なくなって摩擦が軽減され、静電気の発生等を抑えることができる。また、紙幣Pが側壁部32に張り付いた場合でも、その紙幣Pはリブ35の先端部分で支持されるため、リブ35の周辺では側壁部32と紙幣Pとの間に隙間が確保され、張り付き力が小さく抑えられる。また分離壁34によって紙幣Pが支えられるので、紙幣Pが拡張部33の窪みに落ち込むことが防止される。
また、側壁部32から内側に突出する複数のリブ35や分離壁34の頂部は、搬送管12の幅方向(X方向)における実質的な紙幣Pの通路幅Wを、基準平面部間距離Dxより狭くする役割を果たす。これにより、紙幣Pが搬送管12内で一方の側壁部32側へ倒れに難くなり、紙幣6の姿勢がY方向に沿うように保持される。特に、リブ35を複数設けることで、紙幣Pの上記倒れを適切に防ぐと共に、紙幣Pの側壁部32への張り付きも効果的に防止される。なお、リブ35を設けた分だけDxを大きくすることができ、これによって搬送管12の断面積を大きくして搬送補助体16が空気流の作用を受けやすくなっている。
本実施の形態に係る搬送補助体16の場合、大径部16cの径が最も大きいので、図3に示すように、この大径部16cが紙幣6の後端に当接して押し動かすようになる。
次に、集合金庫11の内部構造についてより詳細に説明する。
図8は前面カバーを外した状態の集合金庫11とその近傍の搬送管12を示し、図9は、集合金庫11の背面側を示している。集合金庫11との接続位置では、図9に示すように、往路搬送管12a、復路搬送管12bはそれぞれ縦姿勢になっている。
集合金庫11は、縦長の直方体形状を成しており、その内側下部には空気流発生装置21が配置され、上部には紙幣分離・搬送補助体循環装置22が取り付けられている。このほか集合金庫11の内部には、紙幣Pを収容する紙幣収納部25、分離回収装置24によって分離回収された紙幣Pを紙幣収納部25へ搬送する紙幣搬送部26、紙葉類回収搬送システム10の動作を制御する制御部27、電源部などが収容されている。
分離回収装置24の後端から排出された紙幣Pは、図8の矢印Bに示す経路を進み、併設されている紙幣搬送部26に受け渡され、紙幣搬送部26によって紙幣収納部25へ搬送される。
図10、図11は、紙幣分離・搬送補助体循環装置22の概観を示している。図10は、紙幣分離・搬送補助体循環装置22を、分離された紙幣の排出口側から見た斜視図であり、図11は、紙幣分離・搬送補助体循環装置22を搬送管12の接続部側から見た斜視図である。
紙幣分離・搬送補助体循環装置22は、搬送補助体16を搬送管12(往路搬送管12aの始端)内へ送り出す搬送補助体挿入装置23と、搬送補助体挿入装置23の上方に重ねて配置され、復路搬送管12bの終端が接続され、復路搬送管12bから到来する紙幣Pとこれを後方から押し動かしてきた搬送補助体16とを分離して回収する分離回収装置24とを一体にして構成される。
分離回収装置24で紙幣Pと分離して回収した搬送補助体16は、案内通路28(図11参照)を通じて分離回収装置24から下方へ落下し、搬送補助体挿入装置23内の待機場所29へ受け渡される。これにより、回収した搬送補助体16が往路搬送管12a内へ次に送り出す搬送補助体16として使用され、搬送補助体16が繰り返し利用される。
詳細には、図12に示すように、分離回収装置24は、搬送補助体16に押し動かされて搬送されてきた紙幣Pは下流へ通過させ、搬送補助体16は当接して停止させる機能を果たす保持部41を備えている。保持部41は、一端を中心に所定角度範囲に回動する腕の先端に、搬送補助体16を受け止めるための断面U字状の受け部42を有している。受け部42の中央には紙幣Pを通過させるスリット43が設けてある。また、受け部42の底面には搬送補助体16を落下させるための排出口が開設されている。
通常、保持部41は、受け部42のある先端を搬送管12(復路搬送管12b)の終端に向けた位置(図12では実線で示す位置)にされている。搬送補助体16によって押し動かされてきた紙幣Pが受け部42のスリット43を通過し、搬送補助体16を受け部42で受け止めると、保持部41はモータに駆動されて回動し、受け部42が搬送管12(復路搬送管12b)の延長上から脇に外れた位置(図12では破線で示す位置)へ移動される。この位置では受け部42の底部の開口が案内通路28に連通し、案内通路28を通じて搬送補助体16が下方へ落下する。
スリット43を通過した紙幣Pは図示省略の搬送ベルトに搬送されて分離回収装置24の後端の排出口から排出される。排出された紙幣Pは前述したように、紙幣搬送部26に搬送されて紙幣収納部25へ送られる。
案内通路28を落下してきた搬送補助体16は搬送補助体挿入装置23に設けられた待機場所29に入って受け止められる。
搬送補助体挿入装置23は、一端を中心に回動し、他端に搬送補助体16を保持する断面U字状の送出部45を備えた可動腕46を備えている。送出部45には、空気流発生装置21からの空気流を円滑に流すための大きい開口が設けてある。
可動腕46は、送出部45が待機場所29の中に収まる待機位置(図12では破線で示す位置)と、送出部45が搬送管12(往路搬送管12a)の始端の延長上となる送り出し位置(図12では実線で示す位置)とにモータに駆動されて回動する。可動腕46は、通常、待機位置にされており、案内通路28を通じて分離回収装置24から落下してきた搬送補助体16を送出部45で受け止める。搬送補助体16を搬送管12(往路搬送管12a)内へ送り出すときは、可動腕46を回動させて送出部45を送り出し位置に移動させる。すると、空気流発生装置21からの空気流により、搬送補助体16は送出部45から離脱して搬送管12(往路搬送管12a)内へ送り出される。
このようにして、紙幣Pをその後方から押し動かしながら戻って来た搬送補助体16は分離回収装置24によって紙幣Pと分離されて回収され、搬送補助体挿入装置23に受け渡されて、次の送り出しに再利用される。
次に、搬送管12の各箇所の姿勢について説明する。
ここでは、図1に示すように4つの遊技機島3が通路を空けて併設されており、これらの遊技機島3の中継ボックス6から紙幣Pを回収するために、図2に示すように、搬送管12が配管された場合を例に説明する。
図9、図2に示すように、往路搬送管12aは、集合金庫11の背面から出るときには縦姿勢になっているが、その後、ねじり部51を経て横姿勢になってから進路を垂直上方に変える。天井裏に達すると、進路を水平に戻してから再びねじり部51を経て縦姿勢になり、その縦姿勢のまま天井裏を搬送補助体中継装置17まで延設されている。往路搬送管12aの終端は縦姿勢で搬送補助体中継装置17に接続される。
復路搬送管12bは、搬送補助体中継装置17に接続された始端部分では縦姿勢であるが、その後、最初の取込装置14に達する前に、ねじり部51を経て横姿勢にされる。復路搬送管12bは横姿勢のまま天井裏を、途中、複数の取込装置14を経ながら、各遊技機島3の中継ボックス6の上方を真っ直ぐに延設される。復路搬送管12bは、天井裏を通る部分の終端に達すると横姿勢のまま進路を垂直下方に変え、集合金庫11の高さまで降りると進路を水平に戻した後、ねじり部51を経て縦姿勢となり、集合金庫11の背面の接続口に縦姿勢で接続される(図9参照)。
紙幣Pが搬送される部分の搬送管12(復路搬送管12b)を湾曲させて進路を変える場合、紙幣Pの紙面が弧の内外を向く姿勢であれば、湾曲箇所を無理なく紙幣Pが通過することができる。そのため、図2に示すように搬送管12(復路搬送管12b)の進路を水平/垂直に変更する箇所の前後では搬送管12を横姿勢にしている。
なお、紙幣Pを搬送せずに搬送補助体16単体で移動している場合も、搬送補助体16の軸が、カーブさせる箇所の半径方向と垂直となるようにすることで、小さい半径でも円滑にカーブした部分を進むことができる。すなわち、往路搬送管12aについても、図2に示すように搬送管12の進路を水平/垂直に変更する箇所の前後では搬送管12を横姿勢にすることが好ましい。
また、薄い壁の中に搬送管12を延設する場合、搬送管12の断面の長手方向が壁面に沿う方向となる(断面の短辺方向が壁の厚み方向となる)ことが好ましい。そこで、壁の中を垂直に延びる部分の搬送管12が上記の向きとなるようにしてある。
搬送管12の途中にねじり部51を設けたので、紙幣Pの搬送方向として上下方向と水平方向を混在させつつ、天井裏などの平面内で搬送管12の進路を自在に設定することができる。
次に、搬送補助体中継装置17の構成について説明する。
図13に示すように、搬送補助体中継装置17は、往路搬送管12aおよび復路搬送管12bが接続された矩形の薄型箱形状を成した中継部61と、往路搬送管12aの終端から空気を吸引する機能および復路搬送管12bの始端に空気を送風する機能を果たすブロア部62を備えている。図14は、ブロア部62の外カバーの一部を取り外した状態を示している。ブロア部62の内部には、モータで駆動されるファン63と、搬送補助体中継装置17の動作を制御する制御装置64が設けてある。ファン63の吸引口に接続された吸引ダクト65は中継部61の背面に開口する吸引ダクト接続口71a(図15、図16参照)に接続され、ファン63の送風口に接続された送風ダクト66は中継部61の背面に開口する送風ダクト接続口71b(図15、図16参照)に接続されている。
図14に示すように、搬送補助体中継装置17の中継部61の正面側には、往路搬送管12aが接続される流入側接続口67と復路搬送管12bが接続される流出側接続口68が前方に突出するように設けてある。流入側接続口67、流出側接続口68はそれぞれ内縁形状が搬送管12の外縁側形状に対応した形状を成しており、流入側接続口67には往路搬送管12aの終端が密に挿入され,流出側接続口68には復路搬送管12bの始端が密に挿入される。
図15は、中継部61の正面側のカバーを取り外した状態を示している。中継部61は、中継部61の背面を構成する矩形のベース板71と、該ベース板71に支持軸73で回転可能に軸支された回転板72を有する。回転板72には、支持軸73を中心として対象な位置に一対の保持部74が設けてある。保持部74は、搬送補助体16を一時的に保持する機能を果たす。
回転板72は、図15に示す第1停止位置と、該第1停止位置から180度回転した第2停止位置の2箇所で停止できる。図16は、回転板72が第1停止位置から第2停止位置へ回転する途中の状態を示している。回転板72が第1停止位置、第2停止位置にあるか否かを検出する透過型光センサ76が設けてある。
回転板72がいずれかの停止位置に停止したとき、一方の保持部74が流入側接続口67の丁度奥に位置して流入側接続口67と繋がる位置(受入れ位置とする)となり、他方の保持部74が流出側接続口68の丁度奥に位置して流出側接続口68と繋がる位置(放出位置とする)になる。
回転板72には、各保持部74の中央に対応する位置に通風穴72aが開設されている。回転板72が停止位置で停止したとき、ベース板71に設けた吸引ダクト接続口71aと回転板72に設けた通風穴72aを介して吸引ダクト65と流入側接続口67が連通し、かつ、ベース板71に設けた送風ダクト接続口71bと回転板72に設けた通風穴72aを介して、送風ダクト66と流出側接続口68が連通する。
図17は、正面カバーを取り外した中継部61を上方から見た図である。保持部74は、往路搬送管12aから到来する搬送補助体16に当接して該搬送補助体16を受け止める受け部81と、受け部81に当接した搬送補助体16を左右側方から挟み込む一対の保持ローラ82を備えている。搬送補助体16は一対の保持ローラ82と受け部81との間に挟まれて保持される。受け部81は、搬送補助体16を受けたときの衝撃を吸収する衝撃吸収部材で構成されている。
一対の保持ローラ82は、搬送補助体16がその間を押し広げて通ることができるように左右に間隔をあけて配置されている。保持ローラ82は、搬送補助体16の進行方向を長手方向とする一対の保持腕83の先端の内側に取り付けられている。保持腕83は後端部が軸支されており、先端に取り付けられた一対の保持ローラ82の間隔が搬送補助体16の直径より少し狭くなる閉位置と、一対の保持ローラ82の間隔が搬送補助体16の直径より十分広くなった開位置とに回動し、かつ閉位置に向けてバネ等で付勢されている。
一対の保持腕83のうち、外側の保持腕83の外側の側面には、回転板72と平行であって外側へ突出する解除板84が取り付けられている。図15に示すように、解除板84は回転板72が回転する円の接線方向を長手方向とする矩形の金属板であり、長手方向の両端が回転板72から離れる方向に斜めに折り曲げられている。ベース板71には、回転板72が回転して保持部74が放出位置に来たとき、該放出位置に来た保持部74の解除板84に当接し、該解除板84が取り付けられている保持腕83を、先端が外側に開く開位置に押し動かす解除ローラ85が取り付けられている。ベース板71には、第1停止位置、第2停止位置にある保持部74が搬送補助体16を保持しているか否かを検出するセンサ75が設けてある。センサ75は透過型光センサである。
図18は、受入れ位置にある保持部74が往路搬送管12aから到来する搬送補助体16を保持する様子を示している。同図(a)に示すように、保持部74は、一対の保持ローラ82の間隔が搬送補助体16の直径より少し狭くなる閉位置で待機している。往路搬送管12aの終端から到来する搬送補助体16は、同図(b)に示すように、一対の保持ローラ82の間隔を押し広げながら保持ローラ82のある箇所を通って、同図(c)に示すように、受け部81に当接する。受け部81に当接した位置では、搬送補助体16は、その中心が一対の保持ローラ82の中心を結ぶ線C1よりも少し受け部81側の位置になり、受け部81と一対の保持ローラ82によって保持される。
図19は、保持部74が放出位置に来たときの状態を示している。放出位置に来ると、解除板84が解除ローラ85に当接するため、該解除板84が取り付けられている外側の保持腕83が開く方向に回動して一対の保持ローラ82の間隔が、搬送補助体16の直径より広くなり、受け部81と保持ローラ82による搬送補助体16の保持が解除される。
流入側接続口67および流出側接続口68の内側、および保持部74の内側には、図20、図21に示すように、搬送補助体16の位置や姿勢を規制する各種のリブ91、92、93が設けてある。リブ91、92は流入側接続口67および流出側接続口68の内側に、リブ93は保持部74の内側に設けられている。搬送補助体16の大径部16cの外周面に当接する側面リブ91は、搬送補助体16の大径部16cが通る部分の通路幅が、接続口の入口側から奥に進むに従って次第に狭くなった後、やや急に広がるように設定されている。側面リブ91は、搬送補助体16の左右のガタツキを防止する。
流入側接続口67および流出側接続口68の内側であって搬送補助体16の上中下の各括れ部16dに対応する位置に設けられたガイドリブ92は搬送補助体16の軸方向の位置及び姿勢を規制する。同様に保持部74の内側であって搬送補助体16の上下の括れ部16dに対応する位置に設けられた上下一対のガイドリブ93は搬送補助体16の軸方向の位置を規制する。
上下のガイドリブ92は、接続口67、68側から保持部74側に向けて互いの間隔が広がるテーパを有する。上下のガイドリブ92の奥側に続く上下一対のガイドリブ93は、互いの間隔が接続口67、68側に向けて広がるテーパ(ガイドリブ92と逆のテーパ)を有する。
搬送補助体中継装置17は次のように動作する。
ブロア部62のファン63を駆動することで、往路搬送管12aの終端から空気を吸引すると共に、復路搬送管12bの始端に空気流を送り込む。これにより、往路搬送管12aの始端から終端に向かう空気流、および復路搬送管12bの始端から終端に向かう空気流が生成され強化される。
受入れ位置にある保持部74は、往路搬送管12aから到来する搬送補助体16を受け止めて保持する。このとき、往路搬送管12aから到来した搬送補助体16は流入側接続口67を通る際に側面リブ91やガイドリブ92、93によって位置及び姿勢が規制されて、受入れ位置にある保持部74に、所定の正しい位置・姿勢で保持される。
その後、回転板72が180度回転すると、受入れ位置にあった保持部74が放出位置に移動する。放出位置に移動すると、解除板84が解除ローラ85に当接して搬送補助体16の保持が解除される。解除された状態でブロア部62のファン63が作動すると、送風ダクト66からの送風を受けて、搬送補助体16が、流出側接続口68を通って復路搬送管12bに送り出される。このとき、搬送補助体16は、側面リブ91、ガイドリブ92、93によって位置および姿勢が規制され、復路搬送管12b内に正しい姿勢で送り出される。
本実施の形態では、搬送補助体中継装置17から復路搬送管12bへの搬送補助体16の送り出しと、集合金庫11の搬送補助体挿入装置23から往路搬送管12aへの搬送補助体16の送り出しが同時に行われるように制御する。これにより、集合金庫11の搬送補助体挿入装置23から往路搬送管12aを通じて搬送補助体中継装置17までの搬送補助体16の第1移動と、搬送補助体中継装置17から復路搬送管12bを通じて集合金庫11の分離回収装置24までの搬送補助体16の第2移動とが並行に行われる。
これにより、搬送補助体中継装置17を設けずに、集合金庫11から往路搬送管12aに送り出した搬送補助体16が搬送管12全体を一周して集合金庫11に戻ってから次の搬送補助体16を送り出す場合に比べて、搬送補助体16による紙幣Pの回収動作を短い周期で行うことができ、単位時間当たりの紙葉類回収搬送システム10の回収能力を高めることができる。
なお、搬送補助体中継装置17から復路搬送管12bへの搬送補助体16の送り出しと、集合金庫11の搬送補助体挿入装置23から往路搬送管12aへの搬送補助体16の送り出しは、同時に行うことに限定されない。搬送補助体挿入装置23が送り出した搬送補助体16が往路搬送管12a内を移動する第1移動と、搬送補助体中継装置17が送り出した搬送補助体16が復路搬送管12b内を移動する第2移動の少なくとも一部が並行して行われるようにすればよい。第1移動と第2移動が一部でも並行に行われれば、その分、送り出しの周期を短くして回収能力を高めることができる。
たとえば、集合金庫11から搬送補助体中継装置17までの往路の第1移動に比べて、搬送補助体中継装置17から集合金庫11までの復路の第2移動に時間を要する場合、移動時間の長い復路(復路搬送管12b)への搬送補助体16の送り出しを先に行ってから移動時間の短い往路(往路搬送管12a)への送り出しを行うようにしてもよい。復路での第2移動が完了すると同時もしくはその前に往路での第1移動が終了するようなタイミングで送り出しを制御することが望ましい。
搬送補助体中継装置17では、図13に示すように、流入側接続口67と往路搬送管12aの終端との接続箇所、および流出側接続口68と復路搬送管12bの始端との接続箇所において往路搬送管12aの断面の長手方向と、復路搬送管12bの断面の長手方向が平行になる(一致する)ように、流入側接続口67と流出側接続口68を配置してある。
図2の設置例では、搬送補助体中継装置17は、各遊技機島3の中継ボックス6の上方に沿って延設された部分の往路搬送管12aおよび復路搬送管12bをそのまま真っ直ぐ延ばした延長線上に配置されている。しかし、たとえば、搬送補助体中継装置17を上記の延長線上から曲げて設置しなければならない場合、往路搬送管12aおよび復路搬送管12bを湾曲させる必要が生じる。このとき、搬送補助体中継装置17への接続箇所で往路搬送管12aと復路搬送管12bの断面の長手方向が平行であれば、往路搬送管12aと復路搬送管12bの湾曲箇所に同じ構造のカーブ連結部材を接続して対応することができる。
しかし、搬送補助体中継装置17への接続箇所で往路搬送管12aと復路搬送管12bの断面の長手方向が平行でない場合は、往路搬送管12aと復路搬送管12bの湾曲箇所にそれぞれ異なる曲率のカーブ連結部材を使用する必要が生じる。そのため、個別に設計して製造する手間を要するばかりか、個別製作品になるので保守対応も困難になってしまう。本実施の形態の搬送補助体中継装置17のように、搬送補助体中継装置17への接続箇所で往路搬送管12aと復路搬送管12bが共に縦姿勢であって断面の長手方向が平行になるようにすることで、上記の問題が解消され、搬送補助体中継装置17の設置場所の自由度を高めることができる。
なお、図2に示す紙葉類回収搬送システム10では、中継ボックス6の上を通る部分では復路搬送管12bを横姿勢にする必要があるため、搬送補助体中継装置17の流出側接続口68に接続された復路搬送管12bは、1つ目の取込装置14よりも上流の箇所にねじり部51が挿入されて、縦姿勢から横姿勢に変更されている。
搬送補助体中継装置17はその機構上、横置き(図13に示す姿勢)に設置しても縦置き(図13に示す姿勢に対して、回転板72の回転軸を中心に全体を90度回転させた姿勢)に設置しても、あるいは流入側接続口67や流出側接続口68が上方を臨む向きに設置してもかまわない。ただし、放出位置では保持ローラ82による保持が解除されるので、搬送補助体16が流出側接続口68を通じて復路搬送管12b内へ自然落下しないように、流出側接続口68が下方を臨む姿勢は避ける必要がある。
搬送補助体中継装置17の構成は図13~図21に例示したものに限定されない。たとえば、搬送補助体中継装置17は、往路搬送管12aから到来する搬送補助体16を複数個保留できるバッファ部を設け、バッファ部に保留している中の1つの搬送補助体16を次の送り出しに使用するといった構成でもかまわない。
また、図13等に示す搬送補助体中継装置17では、回転板72を180度回転させることで、流入側接続口67から受け入れた搬送補助体16を流出側接続口68側に移動させる構成としたが、移動の方法は任意でよい。たとえば、図22に示すように、回転板72に90度毎に保持部74を4つ設け、90度毎に回転板72の停止位置を設定する。そして、流入側接続口67を一の保持部74aに対向する位置に設け、流出側接続口68をそこから回転板72を90度回転させた位置の保持部74bに対向する位置に設け、回転板72を90度回転させることで、受入れ位置から放出位置に搬送補助体16を移動させる構成でもよい。このほか、受け入れ位置から放出位置に搬送補助体16をスライド移動させる構成等でもかまわない。
図13等に示す搬送補助体中継装置17では、回転板72を用いて搬送補助体16を受入れ位置から放出位置へ移動させるので、搬送補助体中継装置17の中継部61が薄型になり、搬送補助体中継装置17の設置が遊技場2や遊技機島3の装飾物に干渉し難くなる。
また、図17、図18に示すように、搬送補助体中継装置17は、バネで付勢した保持ローラ82で搬送補助体16をキャッチし、回転板72の回転中も保持し、回転板72が回転して保持部74が放出位置に来たとき、解除板84が解除ローラ85に当接して、バネで付勢された保持ローラ82による保持を解除する。そのため、電磁リレーなどを用いる必要がなくなり、シンプルな構成で搬送補助体16の受け止め、保持および保持の解除を行うことができる。
また、図20、図21に示すように、流入側接続口67および流出側接続口68の内側に側面リブ91やガイドリブ92、93を設けたので、搬送補助体16の姿勢を規制して、搬送補助体16のキャッチを安定確実にすると共に、流入側接続口67から復路搬送管12bへ送り出す搬送補助体16の姿勢を正して、傾きなく搬送補助体16を復路搬送管12bに送り出すことができる。
次に、副搬送装置13から搬送されて来た紙幣Pを取込装置14によって搬送管12内へ送り出す部分について説明する。
副搬送装置13は、図23に示すように、中継ボックス6から、該中継ボックス6の上方に水平に延設された復路搬送管12bに向けて紙幣Pを搬送する機能を果たす。副搬送装置13から復路搬送管12bに取り込まれるとき、紙幣Pの進行方向は垂直から水平に向きを変えることになる。前述したように、進行方向を変える場合、紙幣Pの紙面が弧の内外を向く姿勢とする必要がある。そのため、図23、図24に示すように、中継ボックス6の上方に水平に延設された復路搬送管12bの姿勢は、搬送される紙幣P(図24のP3)の紙面が上下方向となる横姿勢にされる。そして、副搬送装置13の上下方向に延設された搬送管(副搬送管101とする)の少なくとも終端部分(取込装置14に至る直前の部分)は、搬送する紙幣P(図24のP1)の紙面が、取込装置14のある箇所の復路搬送管12bの延設方向Fwを臨む姿勢となるように配置される。
図24は、中継ボックス6の上方を通る部分の復路搬送管12bに介挿された取込装置14の周辺を示している。取込装置14は、その内部で、紙幣Pの進路を、図24のP1、P2、P3のように変更して復路搬送管12bの中に送り出す。取込装置14は、副搬送装置13によって搬送されてきた紙幣Pを、ねじらずに該紙幣Pの進路を変更して搬送管12内へ円滑に送り出すことができる。
なお、搬送補助体中継装置17の流出側接続口68に縦姿勢で接続された復路搬送管12bを、最初の取込装置14に至る前に横姿勢にするために、紙葉類回収搬送システム10では、搬送補助体中継装置17の流出側接続口68を出て直ぐの復路搬送管12bに、ねじり部51を介挿してある(図2参照)。
次に副搬送装置13について説明する。
図25は、副搬送装置13とその上端に接続された取込装置14(およびその前後の搬送管12)を示す斜視図である。図26は、副搬送装置13とその上端に接続された取込装置14(およびその前後の搬送管12)の断面図である。図27は、副搬送装置13の副搬送管101の上部と取込装置14を示す拡大断面図である。図28は、副搬送装置13の副搬送管101の下部を示す拡大断面図である。
副搬送装置13は、搬送管12を移動する搬送補助体16とは別の搬送補助体16を使用して紙幣Pを搬送する。ただし、形状は搬送管12を移動する搬送補助体16と同一である。副搬送装置13では、上下方向に延設された副搬送管101を1つの搬送補助体16が往復移動する。副搬送管101の断面形状は搬送管12の直線部分と同一であり、その説明は省略する。
図25、図26に示すように、副搬送装置13は、上下方向に延設された副搬送管101と、副搬送管101の中を上下に往復移動する搬送補助体16と、副搬送管101の下端に取り付けられた紙幣取込部103と、紙幣取込部103の下方から上方に向かう空気流を紙幣取込部103を介して副搬送管101に送り込む上昇流発生部102を備えている。
副搬送管101はその上端の少し手前にねじり部51を備えている。ねじり部51は、副搬送管101を90度ねじる。副搬送管101のねじり部51より上の部分は、前述したように、該部分を通る紙幣Pの紙面が、取込装置14の設置箇所における復路搬送管12bの延設方向を臨む方向にされている(図24参照)。一方、ねじり部51より下方の部分では、副搬送管101の断面の長手方向が取込装置14の設置箇所における復路搬送管12bの延設方向と一致する方向になっている。
図28に示すように、紙幣取込部103は、副搬送管101と同様の断面形状を有して副搬送管101の下端に連通する約15cmの長さを有する通路部104と、該通路部104の一方の側壁に設けられた、紙幣Pを取り込むための開口104bと、開口104bから通路部104の中へ斜め上向きに紙幣Pを送り出すための搬送ローラ105a及び搬送ベルト105b等を備えている。
通路部104の下端は幅狭くされており、搬送補助体16を受け止めて保持する。また、通路部104の下端には、上昇流発生部102からの空気流の流入口104cが設けてある。流入口104cには、上昇流発生部102のファン102a(図25参照)から延設された送風ダクト102bが接続されている。
図29は、通路部104の蓋(開口104bと対向する側の壁部)を取り外した状態の紙幣取込部103を、開口104bに対向する側から見た状態を示している。搬送ローラ105aおよびこれに架け渡された搬送ベルト105bは通路部104の幅方向の左右にそれぞれ設けてある。左右の搬送ベルト105bで紙幣Pを通路部104内へ送り出すので、紙幣Pを上方へ送り出す際に紙幣Pが斜めに傾くことがなく、真っ直ぐに紙幣Pを通路部104内へ送り出すことができる。
図27に示すように、副搬送管101の上端は幅狭にされた開口101aを備えており、搬送補助体16は副搬送管101の上端の幅狭となった部分に当接して停止し、搬送補助体16によって押し上げられてきた紙幣Pは開口101aを通過して取込装置14内へ進出する。
副搬送装置13は、次のように動作する。
常時は上昇流発生部102を停止させており、搬送補助体16は紙幣取込部103の通路部104の下端に保持されている(図26参照)。紙幣Pを紙幣取込部103によって副搬送管101内へ送り出すときは、紙幣取込部103の搬送ローラ105a等がモータによって駆動され、外部(中継ボックス6)から受け入れた紙幣Pを通路部104の開口104bに向けて送り出す。紙幣Pが完全に通路部104内に送り出されると、上昇流発生部102を作動させて上向きの空気流を発生させる。この空気流の作用で搬送補助体16は紙幣Pを後端から押しながら副搬送管101内を上昇する。
空気流によって上昇する搬送補助体16によって副搬送管101の上端へ搬送されてきた紙幣Pは開口101aを通じてそのまま取込装置14内へ進出し、取込装置14に取り込まれる(図27参照)。搬送補助体16は副搬送管101の上端の幅狭部分に当接して停止する。その後、上昇流発生部102を停止させると、搬送補助体16は自然落下し、元の位置に戻って紙幣取込部103の通路部104の下端に保持される。これにより紙幣Pを上方の取込装置14まで搬送する一連の動作が完了する。
なお、副搬送装置13は複数枚(たとえば、3枚から5枚)の紙幣Pを一度に上方へ搬送する搬送能力を備えている。紙幣取込部103は、1枚ずつ紙幣Pを通路部104内に送り出す動作を複数回行って、複数枚の紙幣Pが通路部104内に滞在する状態を形成する。この状態で上昇流発生部102を作動させると、搬送補助体16が一度にその複数枚の紙幣Pを上端の取込装置14まで搬送する。
次に取込装置14について説明する。
図27に示すように、取込装置14は、搬送管12と同等の断面形状を有して前後に搬送管12(復路搬送管12b)が接続される通路部121を有する。通路部121は搬送管12の直線部分と同様の内側形状を備えており、搬送補助体16は通路部121を円滑に通過することができる。通路部121は横姿勢になっている。通路部121の下側の壁面には、紙幣Pを通路部121内に取り込むための開口121bが形成されている。取込装置14は、開口121bから通路部121の中へ紙幣Pを送り出すための搬送部122を備えている。
搬送部122は、開口121bに通じる紙幣案内路123と、副搬送装置13によって搬送されてきた紙幣Pをこの紙幣案内路123を通じて通路部121の開口121bに向けて搬送する搬送ベルト124と、搬送ベルト124によって通路部121内に送り出された紙幣Pをその終端まで完全に通路部121内へ送り出す作用を果たす繰り出しローラ125aおよび繰り出しベルト125bと、紙幣案内路123からの空気流の漏れを防ぐために該紙幣案内路123の途中に設けられて該紙幣案内路123を開閉するシャッタ126と、搬送ベルト124および繰り出しローラ125a、繰り出しベルト125bを駆動するモータ等を備えている。シャッタ126はバネなどにより閉位置に付勢されている。
中継ボックス6から副搬送装置13へ変形した紙幣Pや腰の弱い紙幣Pが排出された場合、副搬送装置13によって取込装置14まで搬送されてきた紙幣Pと取込装置14の搬送ベルト124との接触が不十分となり、紙幣Pを搬送ベルト124で搬送して通路部121へ上手く取り込めない場合が生じ得る。そこで、取込装置14は、搬送ベルト124よる搬送が上手くいかずに滞っている紙幣Pを搬送ベルト124に向けて押圧し、搬送ベルト124との間に挟持して搬送を補助するための挟持ローラ128をさらに備えている。
図30に示すように、挟持ローラ128は、上端部の支持点129aで軸支された可動アーム129の下端に取り付けられており、ソレノイド130のオンオフにより可動アーム129を揺動させる。ソレノイド130をオンすると、下端の挟持ローラ128が紙幣案内路123の中に進出して搬送ベルト124との間に紙幣Pを挟持する挟持位置(図30(b)参照)となり、ソレノイド130をオフすると挟持ローラ128が紙幣案内路123の脇に退避した退避位置(図30(a)参照)に、バネ等に付勢されて、戻るようになっている。
搬送ベルト124は、紙幣Pの幅方向の左右の2箇所に分けて設けてあり、挟持ローラ128は、左右の搬送ベルト124の間に位置している。また、搬送ベルト124が架け渡された範囲のうち搬送方向の中央付近には、紙幣Pを検出する紙幣検出センサ131が設けてある。ここでは、紙幣検出センサ131は光センサである。紙幣検出センサ131と可動アーム129は極めて近い位置にあるため、可動アーム129が光センサの設置を阻害したり光センサの光を可動アーム129が遮ったりしないように、可動アーム129には、光センサおよびその光を避ける開口が設けてある。
紙幣検出センサ131が紙幣Pを検出したときソレノイド130をオンにして挟持ローラ128を挟持位置に変位させ、挟持ローラ128と搬送ベルト124との間に紙幣Pを挟み込んで搬送する。紙幣検出センサ131が紙幣Pを検出しなくなったらソレノイド130をオフにして挟持ローラ128を退避位置に戻す。
取込装置14は、内部で紙幣Pの詰まりが生じた場合に対応するために、挟持ローラ128が設けられている本体側と、挟持ローラ128に対向する搬送ベルト124が設けられている扉側とに紙幣案内路123を境に分離できる構造になっている。本体側は通路部121と一体になっており固定設置される。紙幣Pが詰まったときは扉側を取り外して対処する。比較的重量物である挟持ローラ128等を含む可動機構を、固定される本体側に設けたので、扉側の取り外しが容易になる。また、重量物である可動機構は振動の発生要素でもあるので扉側に設けると、扉側の取り付けが緩む等の問題が生じやすい。そこで、挟持ローラ128や可動アーム129等の可動機構は本体側に設けてある。
上記のように、取込装置14は、挟持ローラ128を設けたことで、変形した紙幣Pや腰の弱い紙幣Pであっても、安定して通路部121に取り込むことができる。
取込装置14は、副搬送装置13から複数枚の紙幣Pが一度に搬送されてきた場合は、その複数枚の紙幣Pを一度に紙幣案内路123の中に待機させることができる。取込装置14は、制御部27から紙幣Pを搬送管12に送り出す指令を受けると、紙幣案内路123に待機している紙幣Pを、搬送ベルト124、挟持ローラ128、繰り出しローラ125a、繰り出しベルト125b等を駆動して搬送して、通路部121内へ送り出す。
次に、遊技機島3内での紙幣Pの回収および中継ボックス6について説明する。
遊技機島3内で各遊技球貸機4の背面から排出された紙幣Pを取り込んで遊技機島3の一端まで搬送する島内紙幣搬送装置8も、空気流によって搬送補助体16を移動させ、紙幣Pを後方から搬送補助体16で押し動かして搬送する方式となっている。
図31は遊技機島3内に設置された島内紙幣搬送装置8を示す平面図、図32は遊技機島3内に設置された島内紙幣搬送装置8を示す正面図である。図33は、中継ボックス6の内部を示す図である。
遊技機島3の内部には、搬送管12と同じ断面形状を備えた搬送管140が設置されている。搬送管140は、縦姿勢にされており、搬送管140を通じて搬送される紙幣Pは立てた姿勢で搬送される。遊技機島3においては、設置台数を多くするためにも、遊技球貸機4は正面の幅が狭い箱状に形成される。そのため、遊技球貸機4に設けられた紙幣投入口も、通常は、縦長にされる。該紙幣投入口には、紙幣Pが立てた姿勢で挿入され、遊技球貸機4の背面からは紙幣Pが立てた姿勢で排出される。そのため、島内紙幣搬送装置8の搬送管140は、立てた姿勢のままで紙幣Pを遊技球貸機4から受けれ、その立てた姿勢のまま搬送するように構成されている。
搬送管140は、中継ボックス6から遊技機島3の他端に向けて延設され、該他端でUターンして中継ボックス6へ戻るように配管されている。搬送管140のうち、Uターンしてから中継ボックス6へ戻る部分(復路とする)の途中には、各遊技球貸機4に対応する位置に、遊技球貸機4の背面から排出された紙幣Pを搬送管140内へ取り込む紙幣取込装置142が設置されている。紙幣取込装置142は、遊技機島3の表面側に配置された遊技球貸機4からの紙幣Pと、遊技機島3の裏面側に配置された遊技球貸機4からの紙幣Pとを取り込むべく、搬送管140の側壁の両側に設けられている。紙幣取込装置142から搬送管140内に取り込まれた紙幣Pは、その紙面が搬送管140の延設方向に沿う姿勢で所定の取り込み完了位置に滞在する。
中継ボックス6の中には集合金庫11に設けた空気流発生装置21と同様の空気流発生装置144と、集合金庫11に設けた紙幣分離・搬送補助体循環装置22と同様の構成の紙幣分離・搬送補助体循環装置145が設けてある。紙幣分離・搬送補助体循環装置145は、搬送補助体挿入装置23と同様の搬送補助体挿入装置146と、分離回収装置24と同様の分離回収装置147を有している(図32、図33参照)。
さらに中継ボックス6の中には、分離回収装置147から排出された紙幣Pを搬送する紙幣搬送部148(図33参照)と、該紙幣Pを一時貯留する一時貯留装置150を備えている。一時貯留装置150は、紙幣搬送部148から受け入れた紙幣Pを、複数枚、一時的に貯留すると共に、貯留している紙幣Pを、制御部27からの指示に基づいて繰り出し、前述した副搬送装置13の紙幣取込部103へ送り出す機能を備えている。
遊技機島3内の遊技球貸機4の背面から排出された紙幣Pを中継ボックス6まで搬送して回収するとき、中継ボックス6内の搬送補助体挿入装置146から搬送管140の始端内へ搬送補助体16が送り出される。搬送管140内へ送り出された搬送補助体16は、空気流発生装置144が発生させた空気流を受けて搬送管140内を下流に向けて移動し、Uターンした後の復路の途中で、紙幣取込装置142によって遊技球貸機4から復路内に取り込まれた紙幣Pを回収して中継ボックス6内の分離回収装置147へ戻ってくる。分離回収装置147は搬送補助体16によって搬送されてきた紙幣Pと搬送補助体16とを分離し、搬送補助体16を搬送補助体挿入装置146へ引き渡す。一方、分離された紙幣Pは紙幣搬送部148によって中継ボックス6内の一時貯留装置150に搬送される。図33には紙幣搬送部148が紙幣Pを搬送する経路Mを示してある。このとき、紙幣Pは立てた姿勢で搬送される。
図34は、一時貯留装置150の概略構成を示す断面図であり、図35は、一時貯留装置150の内部構造を示す斜視図である。一時貯留装置150は、紙幣搬送部148によって立てた姿勢で搬送されて来た紙幣Pを受け入れて収納する。
一時貯留装置150は、紙幣搬送部148から受け入れた紙幣Pの向きを紙面が垂直な姿勢(立てた姿勢)から紙面が水平な姿勢(寝かした姿勢)に変換する姿勢変換部151と、紙面が水平にされた紙幣Pを下方の収納部154へ搬送するエレベータ部152と、収納部154に蓄積されている紙幣Pを1枚ずつ寝かした姿勢のまま繰り出し、副搬送装置13の紙幣取込部103に向けて搬送する繰り出し搬送部153とを有する。図34に示す太線156は、繰り出し搬送部153による紙幣Pの搬送経路を示している。
図36は、一時貯留装置150の構成と動作を模式的に示している。図36に示すように、姿勢変換部151は、一の短辺と一対の長辺を備えたコの字型のベース板の両長辺に沿って互いに向き合う一対の断面コの字形の溝が形成されるようにL型の突起を両長辺に沿って設けた形状をなしている。姿勢変換部151は、一対の溝の間に紙幣Pを複数枚収納可能にされている。姿勢変換部151は、該一対の対向するコの字状の溝によって紙幣Pの縁部のみを支持して収納する。
姿勢変換部151は、図36(a)に示すように、待機時は、垂直に起立した縦姿勢(収納した紙幣Pが立てた姿勢になる姿勢)にされている。この状態で、紙幣搬送部148から立てた姿勢で搬送されてきた紙幣を一対の対向するコの字状の溝の間に受け入れて収納する。姿勢変換部151は図36(a)に示す縦姿勢と、縦姿勢から下端を中心に90度回動して水平に倒れた横姿勢(収納した紙幣Pが寝かした姿勢になる姿勢、図36(b)参照)とに変位可能にされている。姿勢変換部151は図示省略のモータにより縦姿勢と横姿勢に変位される。
エレベータ部152は、姿勢変換部151によって横姿勢にされた紙幣Pを、横姿勢のまま、紙面の臨む方向(ここでは下方)へ搬送する。エレベータ部152は、横姿勢の紙幣Pを下方から支持する受け板152aと、受け板152aに載置された紙幣Pをその上方側から受け板152aとの間に挟み込むための押さえ板152bを有する。受け板152aは、紙幣Pの幅方向の両端のみを支持する2枚の板で構成され、押さえ板152bは、受け板152aの2枚の板の間隔より幅の狭い板状部材であり、受け板152aの2枚の板の間を通過できるようになっている。
待機時において受け板152aは、横姿勢になった姿勢変換部151の下面(横姿勢に回動した姿勢変換部151の一対のコの字状の溝の下面)に丁度当接する位置に停止しており、押さえ板152bは受け板152a(2枚の板の間)の真上であって縦姿勢の姿勢変換部151より高い位置に停止している。
姿勢変換部151に収納された紙幣Pをエレベータ部152で下方へ搬送して収納部154に収納する際に、一時貯留装置150は以下のように動作する。
まず、図36(a)に示すように、姿勢変換部151は縦姿勢で待機しており、この状態で紙幣搬送部148から立てた姿勢で搬送されてくる紙幣Pを受け入れて収納する。次に、同図(b)に示すように、姿勢変換部151が横姿勢に倒れる。押さえ板152bは、横姿勢になった姿勢変換部151の一対の対向したコの字状の溝の間(貫通部とする)を通り抜ける大きさ、位置にされている。
姿勢変換部151が横姿勢になった後、エレベータ部152の押さえ板152bが下降を開始する(図36(c))。押さえ板152bが姿勢変換部151の貫通部に到達すると、受け板152aも、押さえ板152bと同じ速度で下降を開始し、以後は、受け板152aと押さえ板152bとが一体となって下降する。これにより、姿勢変換部151に保持されていた紙幣Pは、エレベータ部152の受け板152aと押さえ板152bに挟まれた状態で下降する。
姿勢変換部151は紙幣Pの縁部のみを保持しているので、紙幣Pはエレベータ部152の下降に伴って姿勢変換部151から容易に離脱する。そして、紙幣Pは、エレベータ部152の受け板152aと押さえ板152bに挟まれた状態でエレベータ部152によって下方に搬送される(図36(d))。
姿勢変換部151は、エレベータ部152が姿勢変換部151よりある程度下方に降下したら、縦姿勢に戻る(図36(e))。
エレベータ部152は、所定の位置まで下降すると、受け板152aは下降を停止し、押さえ板152bはさらに下降を継続する(図36(e))。停止した受け板152aと繰り出し搬送部153の搬送ベルト153bが存在する面との間の空間が収納部154となっている(図34、図35参照)。
受け板152aの下降が停止した状態でさらに押さえ板152bが下降を継続すると、受け板152aを構成する2枚の板の間を通過して押さえ板152bが受け板152aよりも下降する。このとき、受け板152aを構成する2枚の板に両端を支持されていた紙幣Pは、押さえ板152bに押圧されて次第に湾曲し、やがて両端が受け板152aから外れて下方へ落下して収納部154に収納される(図36(e)、(f))。なお、紙幣Pの両端を受け板152aから離脱させて下方に落下させるために、押さえ板152bを下降させながら、受け板152aを上昇させてもよい。
その後、エレベータ部152(受け板152aと押さえ板152b)が上昇を始める(図36(g))。そして、受け板152aは姿勢変換部151の下端の高さ(待機時の高さ)まで上昇すると(図36(h))、その位置で停止し、押さえ板152bはさらに上昇を続け、姿勢変換部151より高い位置(待機時の位置)まで移動して停止する(図36(i))。
以上の動作を繰り返すことで、一時貯留装置150は、紙幣搬送部148から受け入れた紙幣Pを、縦姿勢から横姿勢に変換して収納部154に多数の蓄積することができる。本例の収納部154には、約500枚の紙幣Pを収容することができる。収納部154に紙幣Pが存在する状態で搬送ベルト153bを駆動すると、収納部154に収納されている紙幣Pの中の最下の紙幣Pが繰り出され、図34の太線156が示す経路で、副搬送装置13の紙幣取込部103に向けて搬送される。
なお、紙幣Pを繰り出すときは、図36(f)に示すように、押さえ板152bで紙幣Pを下方に押圧することが望ましい。したがって、図36(f)の位置を通常の位置とし、姿勢変換部151に紙幣Pが溜まったとき、エレベータ部152を図36(g)~(i)、(a)~(f)のように移動させて、紙幣Pを収納部154に搬送するように制御してもよい。
一時貯留装置150では、姿勢変換部151を縦姿勢と横姿勢に回動させることで、紙幣Pの姿勢を紙面が垂直な状態(立てた姿勢)から紙面が水平な状態(寝かした姿勢)に変換するので、紙幣Pをねじりながら搬送して紙面が垂直な状態から水平な状態に紙幣Pの姿勢を変更する機構を採用する場合に比べて、少ないスペースで紙幣Pの姿勢を変換することができる。
また、姿勢変換部151が横姿勢になると、すぐに押さえ板152bが下降を始め、エレベータ部152全体が姿勢変換部151より下降したら直ぐに姿勢変換部151が縦姿勢に戻るので、姿勢変換部151が紙幣搬送部148から紙幣Pを受け入れることのできない期間が短時間のみで済み、遊技機島3内での紙幣Pの回収に支障をきたすことはない。本実施の形態では、姿勢変換部151が縦姿勢に戻ることが、次の搬送補助体16を島内紙幣搬送装置8が送出する条件になっている。
また、姿勢変換部151は複数枚の紙幣Pを収納することができるので、何らかの要因でエレベータ部152が下降している時間が長くなり、その間に紙幣搬送部148によって複数の紙幣Pが搬送されてきても、これらを受け入れて収納することができる。
なお、図36(e)に示すように、受け板152aよりも押さえ板152bを下降させて紙幣Pを受け板152aから離脱させ、収納部154に移動させるときに、紙幣Pが乱れて収納されることがあり、その結果、繰り出し搬送部153の搬送ベルト153bが収納部154から紙幣Pを繰り出すときに、紙幣Pが詰まることがあった。たとえば、図37(a)に示すように、受け板152aよりも下に押さえ板152bを下降させ始めたとき、紙幣Pの一方の端部のみが受け板152aから滑り落ちてしまい、紙幣Pの収納が乱れることがある。そこで、図37(b)に示すように、受け板152aを構成する2枚の板の上面に、紙幣Pに対して摩擦力がある材料(たとえば、天然ゴム)からなるシート155を貼り付ける
エレベータ部152の受け板152aの上に載っている紙幣Pを収納部154に収めるために、受け板152aに対して押さえ板152bが下降して紙幣Pを上方から下方に押下したとき、天然ゴムのシート155が紙幣Pの両端と摩擦して滑り落ちを防ぐ。その結果、図37(b)に示すように、押さえ板152bの働きによって押下された紙幣Pは、中央部が先に下降し、最後に両端が受け板152aから外れて収納部154に落下するようになる。これにより、図37(a)に示すように一方の端部が先に落下して姿勢が乱れるといったことがなくなり、紙幣Pを収納部154に安定した姿勢で移動させて収納することができ、繰り出し搬送部153によるその後の搬送も円滑に行うことができる。
図38は、図37(b)の構造にさらに改良を加えた場合を示している。受け板152aを構成する2枚の板の上面、及び押さえ板152bの下面に、弾性を有しかつ紙幣Pに対して摩擦力がある材料(たとえば、天然ゴム)からなるシート155を貼り付ける。さらに、受け板152aを構成する2枚の板の内側(紙幣通過側)の端部を下方に折り曲げて逆L型形状にして、弾性および摩擦力のある材料(シート155)を紙幣通過側に突出させるようにしてある。逆L字型形状に曲げることで受け板152aの強度が増す。
また、摩擦力のある材料(シート155)が天然ゴムなどの場合は弾性を有するので、押さえ板152bが受け板152aより下降して紙幣Pを下方に押下したとき、シート155の紙幣通過側に突出している部分が下方に若干湾曲するため、紙幣Pがシート155から摩擦受けながら、よりスムーズに落下するようになる。また、受け板152aの上面や押さえ板152bの下面に設けた弾性を有するシート155の存在により、紙幣Pにダメージを与えたり傷つけたりすることが防止される。図38に示す改良型においても、紙幣Pの一方の端部が先に落下して姿勢が乱れるといったことがなくなり、紙幣Pを収納部154に安定した姿勢で移動させて収納することができ、繰り出し搬送部153によるその後の搬送も円滑に行うことができる。
なお、島内紙幣搬送装置8では、図31に示すように、島の長手方向に沿って配管された搬送管140をそのまま真っ直ぐに延長して中継ボックス6に接続してあるので、中継ボックス6に接続する直前に湾曲管を介して90度曲げるような構成を採る場合に比べて、中継ボックス6を設置するために島端に確保すべきスペースを小さくすることができる。
ただし、図2に示すように、複数の中継ボックス6の上方を復路搬送管12bが通る構成では、図24に示すように、取込装置14に到達する際の紙幣Pの向きを、紙幣Pの紙面が復路搬送管12bの延設方向Fwを臨むようにする必要がある。そのため、島内紙幣搬送装置8の搬送管140から中継ボックス6に流入してきた紙幣Pの長手方向の向きを90度変える必要がある。このような方向変換を中継ボックス6の中で行うことはスペース的に難しいので、図23に示すように、副搬送装置13の副搬送管101の途中にねじり部51を設けて対応する。
遊技機島3内の搬送管140を中継ボックス6に真っ直ぐに接続するので、中継ボックス6の手前で90度湾曲させる場合に比べて、搬送エラーが生じ難く、搬送の品質を高めることができる。また、図1、図23に示すように、中継ボックス6の扉が正面(島端が臨む方向)になるため、扉を開けて中継ボックス6の内部を保守点検する作業等が容易になる。
なお、本実施の形態では、中継ボックス6の中に、紙幣Pの真偽を検査したり金種を検知したりする紙幣判定装置を設けていない。そのため、図34に示すように、一時貯留装置150の収納部154から副搬送装置13の紙幣取込部103へ紙幣Pを搬送する繰り出し搬送部153の搬送経路を短くすることができる。
紙葉類回収搬送システム10は、上記のように遊技機島3に中継ボックス6を設けたので、遊技機島3内で紙幣Pを回収して搬送する島内紙幣搬送装置8と紙葉類回収搬送システム10とを別の装置として構成しつつ、遊技機島3内で回収された紙幣Pを事務所の集合金庫11まで自動的に搬送することができる。すなわち、中継ボックス6は、紙幣Pの姿勢を立てた姿勢から寝かした姿勢に変換するので、紙幣Pを立てた姿勢で搬送する島内紙幣搬送装置8から受け入れた紙幣Pを、寝かせた姿勢で紙幣Pを搬送する副搬送装置13へ円滑に送り出すことができる。また、一時貯留装置150は、紙幣Pを一時的に収納して貯留する機能を備えているので、島内紙幣搬送装置8によって紙幣Pが搬送されて来るタイミングと副搬送装置13へ紙幣Pを送り出すべきタイミングとのズレを吸収することができる。
また、事務所の集合金庫11の不具合や地震などの災害により中継ボックス6から事務所の集合金庫11までの搬送経路に異常がある虞がある場合は、集合金庫11の利用を中止し、中継ボックス6を単独運用モードに切り替えることで、従来の島単独の金庫として使用することもできる。
次に、搬送管12の途中に介挿された連結部15について説明する。図2に示すように、紙葉類回収搬送システム10の主たる搬送管12は複数の搬送管を連結部15で連結して構成される。島内紙幣搬送装置8と異なり、紙葉類回収搬送システム10の搬送管12は非常に長い距離を延設されるので、温度変化による搬送管12の伸縮が施工上無視できない状況になる。搬送管12が縮んだ場合には接続箇所に大きな隙間が生じ、伸びた場合には接続箇所で搬送管12同志が衝突して大きな応力がかかり屈折することがある。このような隙間や屈折は、紙幣Pや搬送補助体16の円滑な移動を妨げて詰まりの要因になる。
そこで、温度変化等によって搬送管12の長さが変化しても、全体の設置状態に歪が生じたり、大きな隙間が生じたりしないように、搬送管12の長さの変化分を連結部15で吸収する。
図39は、連結部15とその前後の搬送管12との連結を解いて示す図である。連結部15は、連結本体部160と、接続アダプタ170を備えている。図中、紙幣Pの搬送方向(空気流の流れる方向)を矢印Fwで示してある。また、連結本体部160については、一方の側壁を取り外した状態を示してある。
図40は、連結部15に搬送管12を接続した状態の正面、左側面、右側面、上面、下面を示す図であり、図41は、接続アダプタ170の正面、左側面、右側面、上面、下面を示す図である。
連結本体部160の上流側接続口161には、接続アダプタ170の下流側端部172が挿入され、該接続アダプタ170の上流側接続口171に上流側の搬送管12が接続される。連結本体部160の下流側接続口162には、下流側の搬送管12が接続される。
接続アダプタ170の上流側接続口171の内側形状は搬送管12の外側形状に対応した形状を成している。また、連結本体部160の下流側接続口162の内側形状は搬送管12の外側形状に対応した形状を成している。搬送管12は、ゴムなどの弾性素材で形成された図示省略の薄いパッキンを外周に被せた状態で接続アダプタ170の上流側接続口171および連結本体部160の下流側接続口162にそれぞれ挿入されて気密に接続される。
接続アダプタ170の下流側端部172は、内側及び外側の形状が搬送管12とほぼ同一形状をなしており、連結本体部160の上流側接続口161の内側形状は接続アダプタ170の下流側端部172の外側形状に対応した形状を成している。接続アダプタ170の下流側端部172も上記と同様のパッキンを被せた状態で連結本体部160の上流側接続口161の内側に挿入されて気密に接続される。
下流側の搬送管12は、連結本体部160の下流側接続口162の内側に設けられた突き当て部162bに上流端を突き当てた状態で接続され、固定される。たとえば、接着される。上流側の搬送管12は、接続アダプタ170の上流側接続口171の奥に突き当たるまで挿入されて接続される。接続アダプタ170の下流側端部172の内側には、搬送管12の内側に形成されたリブ34、35と同様のリブ173、174が形成されており、このリブ173、174は接続アダプタ170の下流側端部172からさらに下流方向に長く延長されて突出している。
連結本体部160の内側にも、搬送管12のリブ34、35と同様にリブ163、164が設けてあり、連結本体部160に接続アダプタ170を接続したとき、接続アダプタ170のリブ173、174と連結本体部160のリブ163、164が連続するようになっている。
図42は、連結本体部160の上流側接続口161に接続アダプタ170の下流側端部172を接続する様子を示している。連結本体部160の上流側接続口161に接続アダプタ170の下流側端部172を挿入すると、同図(b)に示すように、接続アダプタ170のリブ173、174と連結本体部160のリブ163、164とがオーバーラップして連続する。同図(c)は、突き当たる最も奥まで接続アダプタ170を連結本体部160の下流側接続口162に挿入した状態を示している。
施工時には、同図(b)に示すように、最も奥よりも10mmほど手前の状態に接続される。これにより、搬送管12の収縮膨張により長さが変化した場合にその長さの変化を連結本体部160と接続アダプタ170との接続部分で吸収することができる。最も奥より20mm手前の位置が最も浅く接続した状態であり、連結部15は、施工時に対して、収縮膨張による長さの変化を±10mm吸収することができる。連結本体部160側のリブ163、164と、接続アダプタ170側のリブ173、174とは、連結本体部160に対して接続アダプタ170が最も浅く接続された状態でも所定長(たとえば、5mm)オーバーラップする。
図43は、接続アダプタ170側のリブ173、174と連結本体部160側のリブ163、164との接続状態を拡大して示す図である。連結本体部160側の中央のリブ163は、並行な2本のリブ163a、163bに分けて構成してあり、それらの間に接続アダプタ170側の中央のリブ173が挿入される。リブ163を構成する2本のリブ163a、164bの間隔はリブ173の厚みと一致しており、リブ173は2本のリブ163a、163bの間に隙間なく挿入される。このように、連結本体部160側の2本のリブ163a、163bの間に接続アダプタ170側のリブ173を挿入することで、連結本体部160の上流側接続口161へ接続アダプタ170の下流側端部172を接続した際の接続の深さが収縮膨張によって大きく変化しても、連結本体部160側のリブ163と接続アダプタ170側のリブ173を、それらの位置関係がずれることなく繋げることができる。
なお、連結本体部160リブ164と接続アダプタ170側のリブ174とは、それぞれ一方の側面が当接するようにしてオーバーラップする。ここでは、リブ164が内側にリブ174が外側になる位置関係で当接する。外側のリブ174が内側のリブ164を内側に少し押圧するようにすることで、これらは密接に当接して円滑に繋がる。
このように、本実施の形態の連結部15では、連結本体部160側のリブと接続アダプタ170側のリブを単に向い合せる方法でなく、2本のリブ163a、163bの間にリブ173を嵌合させる構造とし、嵌合するリブの長さも収縮膨張による変動を吸収できる長さに設定した。これにより、設置環境の温度変化があっても、該温度変化による搬送路の収縮膨張分を連結部15で吸収することができ、搬送管の接続箇所に隙間が生じたり、応力で屈曲したりするなどの不都合を防止することができる。また、リブを嵌合させて接続しているので、接続箇所でリブの位置ズレや段差が生じることがなく、搬送補助体16や紙幣Pを円滑に通過させることができる。
図42に示すように、連結部15の連結本体部160には、紙幣Pや搬送補助体16の通過や引っ掛かりを検出するためのセンサ166(光センサ)が設けてある。紙幣Pの詰まりや搬送補助体16の引っ掛かりは、どうしても接続部分で発生し易いことによる。
(補助ブロアについて)
紙幣Pを搬送しながら搬送補助体16が移動する復路搬送管12bにおいては、紙幣Pを押していない往路搬送管12aに比べて負荷が大きく、搬送補助体16の移動速度が低下する傾向にある。そこで、補助ブロアを設けて空気流を強めることを行う。
特に、遊技場2が大規模になればなるほど、紙葉類回収搬送システム10の搬送管12が、多数の遊技機島3を巡る必要があり、さらには複数のフロアに跨って架け渡されることもあるので、搬送管12をカーブさせる部分が増えることになる。カーブした部分では、抵抗が大きくなって搬送補助体16の進みが悪くなると共に、空気流の流れも阻害され易い。また、カーブした部分ではその前後の直線部分との連結も生じる。連結箇所では空気漏れが生じ得る。
そこで、搬送管12をカーブさせる箇所に、風量を増加させるための補助ブロアを設置する。たとえば、カーブの直ぐ上流(カーブに至る直前)に、下流に向かう空気流を増強する補助ブロアを設ける。あるいは、カーブの直ぐ下流に、下流に向かう補助ブロアを設けてもよい。
また、最も下流の取込装置14の下流に補助ブロアを設けてもよい。すなわち、搬送補助体16は、遊技場内の各遊技機島3の中継ボックス6の設置箇所を巡って紙幣Pを回収し後、紙幣Pを搬送しながら集合金庫11まで移動することになるが、集合金庫11が遊技機島3と異なるフロアに設置された場合、最後の取込装置14から集合金庫11までの搬送管12が長距離になることがある。
このような場合、搬送補助体中継装置17からの送風のみでは搬送補助体16を集合金庫11まで確実に到達させるだけの風量を得ることが難しくなる。そこで、最も下流の取込装置14の下流に補助ブロアを設けて風量の増強を行う。このほか、補助ブロアは、必要に応じて搬送経路の途中の適宜の箇所に設けられる。
補助ブロアで風量を増加したとしても、上記のようにカーブした部分では、連結する両端の接続箇所で歪みが生じる可能性があり、搬送補助体16がカーブする搬送管の連結箇所等で姿勢を崩すことから、引っ掛かりが生じるおそれがある。そこで、搬送補助体16が引っ掛かり易い箇所の下流に、下流から上流等に向かう空気流(解除風)を発生させる解除風ブロアを設けておき、該解除風ブロアを設置した箇所まで搬送補助体16が到達しないとき、該解除風ブロアを作動させて解除風を所定時間(たとえば、10秒)送り込んで、搬送補助体16の引っ掛かりを解除する。搬送補助体16が所定の箇所に到達しない障害を搬送補助体搬送エラーとする。
たとえば、カーブの直ぐ上流やカーブの途中に、下流から上流に向かう空気流(解除風)を発生させる解除風ブロアを設けておき、カーブの下流側に搬送補助体16が到達しないとき、該解除風ブロアを作動させて解除風を送り込み、搬送補助体16の引っ掛かりを解除する。
解除風を送り込む間は、通常方向の空気流は停止させる。解除風の送り込みが終了したら、通常方向の空気流を再び発生させ、搬送補助体16を移動させて紙幣Pを搬送する。これにより、搬送補助体16の引っ掛かりを解除して、搬送補助体16による紙幣Pの搬送を安定して行うことができる。
なお、解除風ブロアを設ける場所は、カーブの上流や途中に限定されるものではなく、搬送補助体16の引っ掛かりを解除すれば良いので、解除風ブロアの送風口が搬送補助体16の近傍にあれば良い。すなわち、搬送経路の適所、特に、搬送補助体16が引っ掛かり易い箇所の下流に解除風ブロアを設ける、あるいは、搬送補助体16が引っ掛かり易い箇所が数か所ある場合にはその中で最も下流の箇所の直ぐ下流に解除風ブロアを設ける、ようにしてもよい。また、解除風の風向きも下流から上流に流れる方向に限定されず、搬送管内の風向きに変化を生じさせれば引っ掛かり解除の効果があるので、風向きも一方向に限定するものではない。
図44は、図2に示すシステムに、解除風ブロア19を追加した例を示している。解除風ブロア19は最も下流の取込装置14より下流の位置(湾曲箇所に至る手前の位置)から上流に向けて送風する(解除風を送り込む)。補助ブロア18は、最も下流の取込装置14より下流の位置(湾曲箇所を通過した直後の位置)から下流に向けて送風し、順方向の空気流を増強する。
(補助ブロアの起動設定)
補助ブロアは、その設置箇所の少し下流に設けたセンサ(図44参照)が搬送補助体16の通過を検出した時点を基準に、所定時間、動作させる。通常、紙幣Pは搬送補助体16に押し動かされて移動するが、空気流の作用で紙幣Pが搬送補助体16に押されなくても自走することがある。自走している紙幣Pを上記のセンサが検出すると、搬送補助体16が到達していないにもかかわらず、搬送補助体16が通過したと誤検知してしまう。このとき、搬送補助体16は、まだ、紙幣Pよりも搬送方向の上流にある。
補助ブロワをオンにすると、補助ブロアの送風口の周辺では空気流の滞留現象が発生するほか、補助ブロアの下流側には上流に向う逆風が発生することがある。そのため、自走した紙幣Pを上記のセンサが検出したタイミングで補助ブロアを作動させると、空気流の滞留現象や逆風の発生により、センサより上流にある搬送補助体16の移動が妨げられて、搬送補助体搬送エラーとなる場合がある。
そこで、以下の対策を導入した。
1.搬送補助体16を送り出してから、該搬送補助体16が補助ブロアの作動タイミングの基準となる上記センサのある箇所を通過するまでに要する通過予定時間を設定し、搬送補助体16を送り出してから通過予定時間が経過するまでは、センサが物体の通過を検知しても補助ブロワをオンしない制御を行う。すなわち、通過予定時間の経過以前にセンサがオンになったときは、通過予定時間の経過後に補助ブロアをオンにする。通過予定時間の経過後にセンサがオンになったときは直ちに補助ブロアをオンにする制御を行う。
2.紙幣Pを搬送せずに搬送補助体16を単体で移動させる試験走行を3回連続して行い、搬送補助体16を送り出してからセンサが搬送補助体16を検出するまでの時間を自動計測し、3回のタイム差が2秒以内であれば、一番遅い測定時間を通過予定時間に設定する。
3.通過予定時間は、制御装置(DIP-SW、押しボタンなど)の操作により変更を可能とする。
以上の対策により、搬送補助体16が補助ブロアの設置箇所に到達する前に、自走する紙幣Pをセンサが検知して補助ブロワがオンにされることが無くなり、該要因に基づく搬送補助体搬送エラーが防止される。
(補助体周回基準時間の自動設定)
紙葉類回収搬送システム10では、集合金庫11から送り出した搬送補助体16が搬送管12を一周して集合金庫11に戻って来るまでの補助体周回基準時間を設定し、該補助体周回基準時間に基づいて、搬送補助体搬送エラーの有無を判断する。補助体周回基準時間は、実際に搬送補助体16が搬送管12を一周する時間を、ストップウォッチ等を用いて作業員が手動で計測し、これに基づいて設定してもよいが、自動的に計測して設定できれば、手間が省けて利便性がよい。
そこで、紙葉類回収搬送システム10は、紙幣Pを搬送せずに搬送補助体16を単体で搬送管12を一周させる試験周回走行を連続して自動的に複数回行い、その周回時間を自動計測し、機器構成を考慮した上で、補助体周回基準時間を自動的に設定する機能を有する。なお、補助体周回基準時間は手動で設定変更することができる。補助体周回基準時間の自動設定機能を備えることで、初期設定の手間が軽減され、入力設定時の人為的なエラーも回避することができる。
(補助ブロアの制御について)
搬送経路の構成が複雑(カーブが多い等)、あるいは集合金庫11まで非常に長い距離がある場合、複数の補助ブロア18を、搬送経路の適所に設置することが必要になってくる。1または複数の補助ブロア18を制御する際の制御方法を下記に複数示す。いずれの制御方法でも、それぞれの補助ブロア18は、搬送補助体16が通過したタイミングに合わせて起動するように制御される。
<単独制御>
単独制御は、「補助ブロアの起動設定」の項で説明したように、補助ブロア18の少し下流に設けた通過をセンサが搬送補助体16の通過を検知したとき、通過時間による動作判断をし、補助ブロア18を起動して所定時間動作させる。複数の補助ブロア18が設置されていても、各々の補助ブロア18は個々に動作判断する。単独制御においては、搬送経路の途中に風量が不足する箇所がある場合、その箇所の上流付近に単独制御の補助ブロア18を追加するだけで対応できるので風量を増加させる対処を、必要に応じて容易に行うことができる。
<管理制御>
管理制御では、紙葉類回収搬送システム10の全体の動作を制御する制御部(集合金庫11の制御部27)が補助ブロア18の動作タイミングを一括管理する。管理制御では、搬送経路の各ポイントを搬送補助体16が通過するタイミング(送り出してからの経過時間)を予め調べて把握しておく。通過ポイントは、たとえば、連結部15に設けたセンサ166(図42参照)の設置個所であり、このセンサで通過を検出して各ポイントでの通過タイミングを調べる。
このようにして調べた各ポイントの通過タイミングから各補助ブロア18を作動させるべき起動タイミングを予め設定する。制御部27は、搬送補助体16を搬送管12に送り出した時点からの経過時間を計時し、それぞれの補助ブロアに対して、その補助ブロアの起動タイミングになったとき、動作指示を送信する。この動作指示を受けた補助ブロア18は、ファンを所定時間動作させて停止させる。
これにより、複数の補助ブロア18が設置されている場合、上流に設置されたものから順に、次々と、補助ブロア18が所定時間動作しては停止する、といった動きになる。
管理制御では、補助ブロア18側に起動タイミングを判断するための判断部を設けなくて済み、構成が簡略化する。また、システムの可動中に搬送補助体の通過を検知するセンサに不良や異常が生じても、各補助ブロア18を予め定めたタイミングで動作させることができ、より信頼性の高い紙葉類回収搬送システム10を提供することができる。
なお、制御の別方法として、上記のようにして調べた各補助ブロア18の起動タイミングを、それぞれの補助ブロア18に設定しておき、制御部27は、搬送補助体16を送り出したときその旨を各補助ブロア18に通知し、各補助ブロア18がその通知を受けてからの経過時間を計時し、自装置に設定された起動タイミングになったとき自律的にファンを起動するように構成してもよい。この構成では、各補助ブロア18に経過時間を計時し、起動タイミングが到来したか否かを判断する回路を要するが、通過センサに不良や異常が生じても、各補助ブロア18を予め定めたタイミングで動作させることができる。
次に、ねじり部51の構造を説明する。
図45に示すように、ねじり部51は、少量ずつねじられた短いサブねじり管51aを、複数接続して所望の角度のねじりを実現する。この例では、10個のサブねじり管51aを接続して90度のねじりを形成し、その下流端に搬送管12との接続部51bを接続してある。接続部51bに、ねじりは無い。
次に、紙葉類回収搬送システム10が各遊技機島3の中継ボックス6から紙幣Pを回収する際の動作シーケンスについて説明する。
図46は、上記のシーケンスを示す図である。集合金庫11の制御部27は、各遊技機島3の中継ボックス6に問い合わせて、各中継ボックス6の紙幣収納部25に収納されている紙幣Pの枚数を確認する(P1、P2)。
次に、各中継ボックス6の紙幣収納部25に収納されている紙幣Pの枚数に基づいて、どの中継ボックス6の紙幣収納部25から何枚の紙幣Pを回収するかを決定し(P3)、回収先に決定した1または複数の中継ボックス6に対して、排出枚数を指定した紙幣排出指示を送信する(P4)。
紙幣排出指示を受信した中継ボックス6は、指示された枚数の紙幣Pを紙幣収納部25から排出し、当該中継ボックス6に設置された副搬送装置13によって復路搬送管12bの対応する取込装置14まで紙幣Pを搬送させる(P5)。取込装置14がその紙幣Pを内部に取り込むと、復路搬送管12b内への紙幣Pの排出完了を検知した旨の信号がその取込装置14から集合金庫11の制御部27に送信される(P6)。
集合金庫11の制御部27は、紙幣排出指示で指示した紙幣Pが取込装置14によって搬送管12(復路搬送管12b)の中に取り込まれたことを確認すると、自装置および搬送補助体中継装置17に対して、送風・吸引動作の開始、および搬送補助体16の送り出しを指示する(P7)。
集合金庫11の制御部27は、空気流発生装置21を可動させて、往路搬送管12aの始端への送風と、復路搬送管12bの終端からの空気流の吸引を行うと共に、搬送補助体挿入装置23によって搬送補助体16を往路搬送管12aに送出する(P8、P9)。これと同時に、搬送補助体中継装置17は、ブロア部62のファン63を稼働させて、往路搬送管12aの終端からの空気流の吸引と、復路搬送管12bの始端側から復路搬送管12b内への送風を行うと共に、復路搬送管12bに搬送補助体16を送出する(P10、P11)。すなわち、集合金庫11から往路搬送管12aへの搬送補助体16の送り出しと、搬送補助体中継装置17から復路搬送管12bへの搬送補助体16の送り出しが同時に行われる。
往路搬送管12aや復路搬送管12bの途中に設けられたセンサは搬送補助体16の通過を検知する(P12、P13)。搬送補助体中継装置17は、P8にて集合金庫11から送り出された搬送補助体16が自装置の流入側接続口67に到達すると、これを保持部74で受け止めて保持する(P14)。そして、搬送補助体16を受け止めて保持したことを集合金庫11の制御部27に通知する(P15)。
集合金庫11は、P11にて搬送補助体中継装置17から復路搬送管12bに送り出された搬送補助体16が自装置に到達したら、分離回収装置24によって紙幣Pと搬送補助体16を分離し、紙幣Pは紙幣収納部25に回収し、搬送補助体16は次の送り出しのために搬送補助体挿入装置23に移動させて待機させる(P16)。
そして、集合金庫11の制御部27は、送風・吸引動作の停止を自装置および搬送補助体中継装置17に指示する(P17)。この指示を受けて集合金庫11の空気流発生装置21および搬送補助体中継装置17のブロア部62のファン63が停止する(P18~P20)。
また、この指示を受けた搬送補助体中継装置17は回転板72を180度回転させる(P21)。この回転が完了したとき、流出側接続口68に移動した保持部74の保持ローラ82による搬送補助体16のロック(保持)が自動的に解除される(P22)。
以上の動作が、紙幣Pの回収動作毎に繰り返される。
次に、集合金庫11の制御部27が、上記の回収動作のP3において、どの中継ボックス6から何枚の紙幣Pを回収するかを決定する動作について説明する。
紙葉類回収搬送システム10は、搬送補助体16による紙幣Pの回収動作毎に、最大で6枚の紙幣Pを回収することができる。また、副搬送装置13が一度に取込装置14まで搬送する紙幣Pの枚数を3枚以下に規制するものとする。
集合金庫11の制御部27は、紙幣Pの回収動作毎に、その回収動作で回収する紙幣Pの合計枚数が1回の回収動作で回収可能な最大枚数(この例では6枚)以内に収まるようにして、回収先となる1また2以上の中継ボックス6とそれぞれから回収する紙幣Pの枚数を決定する。ここでは、さらに、1つの中継ボックス6から排出させる紙幣Pの枚数を所定の上限枚数以下に制限する。上限枚数の最大値は3枚とし、ストック枚数に応じて上限枚数を変更する。
すなわち、集合金庫11の制御部27は、回収動作毎に、個々の中継ボックス6に割り当てる枚数が設定された上限枚数(たとえば3枚)を超えないようにし、かつ、回収する紙幣Pの合計枚数が回収可能な最大枚数の6枚を超えないようにして、1または2以上の中継ボックス6に排出枚数を割り当てる。
紙葉類回収搬送システム10の動作全体を制御する制御部27は、各中継ボックス6の一時貯留装置150が営業中に満杯にならないように、収納されている紙幣Pの枚数(ストック枚数)が多い中継ボックス6ほど、排出が優先的に行われるように、回収先および各回収先での排出枚数を決定する。
制御部27は、各中継ボックス6における紙幣Pのストック枚数を複数のレベルに分類し、中継ボックス6をレベル別にグループ分けして管理する。各中継ボックス6は、約500枚の紙幣Pを収納可能なので、図47に示すように、7レベル(G1~G7)に分けて管理する。図47は、グループ(G1~G7)と、ストック枚数と、回収の優先順位の関係を示している。
この例では、G1はストック枚数が1枚のグループ、G2はストック枚数が2枚のグループ、G3はストック枚数が3~9枚のグループ、G4はストック枚数が10~49枚のグループ、G5はストック枚数が50~149枚のグループ、G6はストック枚数が150~254枚のグループ、G7はストック枚数が255枚以上のグループになっている。
G7は回収される優先度が最も高く、G6、G5、G4、G3、G2の順に優先度が順次低くなり、G1は回収の優先度が最も低く設定されている。
1つの中継ボックス6に排出を指示し得る最大枚数(3枚)未満については、ストック枚数毎にグループ分けされるように、G1、G2を設けてある。仮にG1、G2を設けずに、G3をストック枚数が最小のグループとした場合、G3に属する中継ボックス6に3枚の排出を指示しても、実際のストック枚数が2枚あるいは1枚の場合もあり、その場合には、そのストック枚数しか排出されなくなる。このような事態を防止するために、G1、G2を設け、制御部27が指示した排出枚数と同じ枚数の紙幣Pが中継ボックス6から排出されるようにする。
たとえば、G1(ストック枚数が1枚)の中継ボックス6が4台あり、G2(ストック枚数が2枚)の中継ボックス6が1台存在するとき、G1に属する4台の中継ボックス6に紙幣Pを1枚ずつ排出するように指示し、G2に属する1台の中継ボックス6に紙幣Pを2枚排出するように指示する、といった制御が可能になる。
また、ストック枚数が多い場合についても、ストック枚数に応じて複数のグループ(G4~G7)を設定したので、ストック枚数の多い中継ボックス6からの排出を、優先的に行うことができる。具体的には、G4~G7を設けたので、10枚以上をすべて1つのグループに分類する場合に比べて、排出を細かく制御することができる。
制御部27は、ストック枚数が多い中継ボックス6ほど優先的に紙幣Pが回収されるように、紙幣Pの回数枚数と回収先を決定する。
また、制御部27は、ストック枚数に基づいて中継ボックス6を複数のグループに分類し、ストック枚数が最も多いグループから順に、一の中継ボックス6に割り当る排出枚数を所定の上限枚数以内に制限した上で同じグループに属する中継ボックス6に可能な限り均等に排出枚数を割り当てるようにして、紙幣Pの排出枚数と回収先を決定する。
たとえば、G7に属する中継ボックス6が6台以上あれば、それらの中の6台の中継ボックス6に排出枚数を1枚ずつ割り当てる。G7に属する中継ボックス6が1台のみで、G6に属する中継ボックス6が2台あれば、G7に属するその1台の中継ボックス6に3枚を割り当て、G6に属する中継ボックス6のうちの1台には2枚を、他の1台には1枚を割り当てる。
また、ストック枚数が所定枚数未満のグループに設定する上限枚数(一の中継ボックス6に割り当る排出枚数の上限枚数)を、ストック枚数が所定枚数以上のグループに設定する上限枚数より、少なくする。本例では、G4以上は上限枚数を3枚、G3以下は上限枚数を2枚とする。
なお、上限枚数を2枚に制限した状態で排出枚数を割り当てた結果、合計枚数が6枚に達しない場合には、上限枚数を3枚に変更するようにしてもよい。また、ストック枚数の多いグループから順に排出枚数を割り当てる作業を行い、全グループを一巡しても、排出枚数の合計が1回の回収動作で回収可能な最大枚数(6枚)に達しない場合は、残りの排紙枚数を、ストック枚数の多いグループに属する中継ボックス6から順に割り当てるようにしてもよい。たとえば、G3以下しか存在しない場合に、上限枚数を2枚としてこれらに排出枚数を割り当てても、合計枚数が6枚に達しない場合、G3に対する上限枚数を3枚に変更して、G3から順に残りの枚数を割り当てる、というような動作を行う。
以下に、回収先及び排出枚数の決定方法について具体例を示して説明する。
システム全体でどのようなグループ(G1~G7)が存在するかにより、以下の3パターンに分けて制御する。
<パターン1>
G4以上に該当する中継ボックス6が存在する場合
この場合、優先順位の高い中継ボックス6を優先して排出させる。
具体的手順は以下となる
・優先順位の高いグループから順に排出枚数を割り当てる。
・1台の中継ボックス6に割り当てる排出枚数の上限枚数を3枚とし、かつ、排出枚数ができるだけ均等になるようにして、排出枚数の合計が6枚になるまで同一グループに割り当てる。
・該グループに属する全ての中継ボックス6に排出枚数を割り当てても、排出枚数の合計が6枚に達しない場合は、次に優先順位の高いグループに排出枚数を割り当てる。
図48(a)に示す例では、G7に属する中継ボックス6が7台あるので、そのうちの6台(ID1~6)に1枚ずつ均等に割り当てる。同図(b)に示す例では、G7に属する中継ボックス6が5台(ID1~5)なので、ID1の中継ボックス6には排出枚数として2枚を割り当て、その他の中継ボックス6(ID2~5)にはそれぞれ排出枚数として1枚を割り当てている。たとえば、G7に属する各中継ボックス6に1枚目を順次割り当て、一巡しても6枚に満たない場合は、2巡目としてさらにG7に属する中継ボックス6に2枚目を順次割り当てる、といった動作を行えばよい。
同図(c)に示す例では、G7に属する中継ボックス6が3台(ID1~3)なので、それぞれに排出枚数として2枚を割り当てている。同図(d)に示す例では、1段階目の割り当て作業として、G7に属する中継ボックス6が1台(ID1)のみなので、該中継ボックス6に排出枚数として上限枚数の3枚を割り当てる。そして、2段階目の割り当て作業として、残りの枚数を次に優先順位の高いグループに割り当てる。この例では、次に優先順位の高いG6に属する中継ボックス6は1台(ID2)のみなので、該中継ボックス6(ID2)に排出枚数として上限枚数の3枚を割り当てる。
<パターン2>
全ての中継ボックス6がG3以下であってG3に属する中継ボックス6が存在する場合
[a]G3の台数が1台のみの場合
この場合、G3の中継ボックス6に指示する排出枚数を2枚(上限枚数)とし、G2以下に残りの4枚を割り当てることで、G2以下の中継ボックス6を減らす。
具体的手順は以下となる
・G3に属する1台の中継ボックス6に排出枚数として2枚(上限枚数)を割り当て、残り4枚をG2以下に属する中継ボックス6に割り当てる。
・G2に属する中継ボックス6があれば、G2に属する各中継ボックス6に排出枚数として2枚(上限枚数)を割り当てる。
・合計枚数が6枚に達しない場合は、残りをG1に属する各中継ボックス6に1枚ずつ割り当てる。
・合計枚数が6枚に達しない場合は、G3に属する中継ボックスの排出枚数を3枚まで増やす(上限枚数を2枚から3枚に引き上げる)。
・それでも合計枚数が6枚に達しない場合は、割り当て処理を終了する。
図49(a)に示す例では、1段階目の割り当て作業として、G3に属する1台の中継ボックス6(ID1)に排出枚数として2枚(上限枚数)を割り当てる。2段階目の割り当て作業として、G2に属する中継ボックス6が2台(ID2、3)あるので、それぞれに排出枚数として2枚を割り当てている。これで合計枚数が6枚に達するので割り当て処理を終了する。
同図(b)では、1段階目の割り当て作業として、G3に属する1台の中継ボックス6(ID1)に排出枚数として2枚(上限枚数)を割り当てる。次に、2段階目の割り当て作業として、G2に属する中継ボックス6が1台(ID2)のみなので、これに排出枚数として2枚(上限枚数)を割り当てる。この段階で合計枚数がまだ4枚なので、さらに、3段階目の割り当て作業として、G1に属する中継ボックス6(ID3、4)にそれぞれ排出枚数として1枚を割り当てる。合計枚数が6枚に達するのでこれで割り当て処理は終了する。
同図(c)の場合、1段階目の割り当て作業として、G3に属する1台の中継ボックス6(ID1)に排出枚数として2枚(上限枚数)を割り当て、2段階目の割り当て作業として、G2に属する中継ボックス6が1台(ID2)のみなので、これに排出枚数として2枚(上限枚数)を割り当てる。さらに3段階目の割り当て作業として、G1に属する中継ボックス6(ID3)に排出枚数として1枚を割り当てる。この段階で合計枚数が5枚なので、残処理として、G3に属するID1の中継ボックス6の排出枚数を+1して3枚にする。これで合計枚数が6枚に達するので割り当て処理を終了する。すなわち、各グループを一巡しても合計枚数が6枚に達しないので、G3の上限枚数を3枚に増やして、残りの枚数の割り当てを、ストック枚数の多いグループから順に再度行う。
[b]G3の台数が2台の場合
この場合、各G3の中継ボックス6に指示する排出枚数を2枚(上限枚数)とし、G2以下に残りの2枚を割り当てることで、G2以下の中継ボックス6を減らす。
具体的手順は以下となる
・G3に属する2台の中継ボックス6にそれぞれ排出枚数として2枚(上限枚数)を割り当て、残り2枚をG2以下に属する中継ボックス6に割り当てる。
・G2に属する中継ボックス6があれば、G2に属する中継ボックス6に排出枚数として2枚(上限枚数)を割り当てる。
・合計枚数が6枚に達しない場合は、残りをG1に属する各中継ボックス6に1枚ずつ割り当てる。
・合計枚数が6枚に達しない場合は、G3に属する中継ボックスの排出枚数を3枚まで増やす(上限枚数を2枚から3枚に引き上げる)。
図50(a)に示す例では、1段階目の割り当て作業として、G3に属する2台の中継ボックス6(ID1、2)に排出枚数としてそれぞれ2枚(上限枚数)を割り当てる。2段階目の割り当て作業として、G2に属する中継ボックス6が2台(ID3、4)あるが、そのうちの1台に排出枚数として2枚(上限枚数)を割り当てる。これで合計枚数が6枚に達するので割り当て処理を終了する。
同図(b)では、1段階目の割り当て作業として、G3に属する2台の中継ボックス6(ID1)に排出枚数としてそれぞれ2枚(上限枚数)を割り当てる。次に、2段階目の割り当て作業として、G2に属する中継ボックス6に割り当てる作業を行う、ただし、この例では、G2に属する中継ボックス6が1台もないので割り当ては行わない。次に、3段階目の割り当て作業としてG1に属する中継ボックス6に対する割り当てを行う。G1に属する中継ボックス6は4台(ID3~7)あるので、そのうちの2台(ID3、4)に排出枚数として1枚を割り当てる。合計枚数が6枚に達するのでこれで割り当て処理は終了する。
同図(c)では、1段階目の割り当て作業として、G3に属する2台の中継ボックス6(ID1)に排出枚数としてそれぞれ2枚(上限枚数)を割り当てる。次に、2段階目の割り当て作業として、G2に属する中継ボックス6に割り当てる作業を行う、ただし、この例では、G2に属する中継ボックス6が1台もないので割り当ては行わない。3段階目の割り当て作業としてG1に属する中継ボックス6に対する割り当てを行う。G1に属する中継ボックス6は1台(ID3)のみなので、その中継ボックス6(ID3)に排出枚数として1枚を割り当てる。この段階で合計枚数が5枚なので、残処理として、G3に属するID1の中継ボックス6の排出枚数を+1して3枚にする。これで合計枚数が6枚に達するので割り当て処理を終了する。残処理では、G3の上限枚数を2枚から3枚に引き上げたことになる。
[c]G3の台数が3台以上の場合
G3の中継ボックス6のみに排出枚数を割り当てて、G3の中継ボックス6からの排出を優先する。
具体的手順は以下となる
・G3に属する中継ボックス6に対して1枚ずつ排出枚数を割り当てる。
・上記にて排出枚数の合計が6枚に達しない場合は、再度1枚ずつ、ストック枚数の多い順に割り当てる。
図51(a)に示す例では、G3に属する中継ボックス6が7台(ID1~7)あるので、このうちの6台に排出枚数として1枚ずつ割り当てる。同図(b)に示す例では、G3に属する中継ボックス6が4台(ID1~4)あるので、それぞれに1枚ずつ割り当てる。合計枚数は4枚で6枚に達しないので、G3に属する中継ボックス6に順に、合計枚数が6枚になるまで1枚ずつ割り当てる。この例では、ID1とID2の中継ボックス6に2枚目を割り当てている。
上記パターン2における割り当てでは、G3に属する1台の中継ボックス6に割り当て可能な排出枚数の上限枚数を2枚とし、G4以上のグループに属する中継ボックス6に割り当て可能な上限枚数の3枚より少なくしてある。これにより、より多くの中継ボックス6に分散させて紙幣Pを回収する。
<パターン3>全ての中継ボックス6がG2以下の場合
この場合、ストック枚数の多い順に各中継ボックス6に対して排出枚数として1枚(上限枚数)を割り当てる。
図52(a)に示す例では、G2に属する中継ボックス6が2台(ID1、2)と、G1に属する中継ボックス6が5台(ID3~7)あるので、ストック枚数が多いG2に属する中継ボックス6(ID1、2)に優先的に1枚ずつ割り当て、続いてG1に属する中継ボックス6のうちの4台(ID3~6)に1枚ずつ割り当てている。
同図(b)に示す例では、G2に属する中継ボックス6が2台(ID1、2)と、G1に属する中継ボックス6が3台(ID3~5)あるので、ストック枚数が多いG2に属する中継ボックス6(ID1、2)に優先的に1枚ずつ割り当て、続いてG1に属する3台の中継ボックス6(ID3~5)に1枚ずつ割り当てる。この段階での合計枚数は5枚であって6枚に達しないので、残処理として、G2に属するID1の中継ボックス6の排出枚数を+1して2枚にする。これで合計枚数が6枚に達するので割り当て処理を終了する。これは、G2に対する上限枚数を1枚から2枚に引き上げて、再度の割り当てを行ったことに相当する。
なお、上記の割り当て方法は一例であり、これに限定されるものではない。
このほか、ストック枚数に係らず、管理者等は、中継ボックス6に対して任意に優先順位を設定変更することができる。制御部27は、たとえば、管理者が紙葉類回収搬送システム10の回収モードを、営業時間の終了後に、特殊回収モードに切り替えると、上記設定された優先順位が高い中継ボックス6ほど紙幣Pが優先的に回収されるように、回収先およびそれぞれの回収先に指示する排出枚数を決定する。
たとえば、営業時間中には、人気機種が多く設置された遊技機島3の遊技球貸機4には紙幣Pが投入され続けるので、その遊技機島3の中継ボックス6には紙幣Pがストックされ易く、ストック枚数の多い中継ボックス6から優先的に紙幣Pを回収するように制御する営業中の制御では、遊技機島3間における紙幣Pのストック量の片寄りが解消されない場合がある。また、営業終了後は、特定の遊技機島3に対して、遊技機5の交換やメンテナンスを早く実施したいことも多い。そのような要望に応えるために、営業終了後は特殊回収モードに切り替えることで、任意に設定した優先順位に従って紙幣Pを回収可能とした。
次に、紙葉類回収搬送システム10に設けられるエラー表示機について説明する。
図53は、紙葉類回収搬送システム10が有するエラー表示機180の正面を示している。エラー表示機180は、エラー発生箇所を分かりやすく表示する機能を有する。エラー表示機180は、遊技場2に設置された紙葉類回収搬送システム10のレイアウトを表示する。該表示はそれぞれの遊技場2に応じてカスタマイズされる。
エラー表示機180は、レイアウトの表示部として、垂直部搬送路表示部181と水平部搬送路表示部182を有する。垂直部搬送路表示部181は、1階天井裏から4階事務所の集合金庫11に至る間の搬送路を模擬的に示す。水平部搬送路表示部182は、1階の天井裏の搬送路および1階の中継ボックス6の状態を表示する。
さらにエラー表示機180は、メッセージ表示部183、上下釦184、アラーム釦185を備えている。メッセージ表示部183は、エラー発生時に、エラーの内容を表示する。上下釦184は、エラーが複数発生しているときに、どのエラーを表示するかを選択するために使用される。アラーム釦185は、エラーが発生した場合に点灯する。エラー発生時にはその旨が遊技場のスタッフが挿着するインカムに通知される。点灯状態でアラーム釦185を押下すると、インカムへのエラー出力が停止する。
垂直部搬送路表示部181及び水平部搬送路表示部182には、遊技場2のレイアウトに従って遊技機島3、搬送管12に対応する図柄が表示され、さらに、その図柄に重ねて、中継ボックス6および搬送管12の途中の各所に設置した通過センサに対応するアイコンが表示される。遊技機島3が複数の階に設置されている場合には、水平部搬送路表示部182にどの階の状態を表示するかを切り換えることができる。エラーが発生したときは、そのエラーの発生した階の状態が自動的に表示されるようにしてもよい。
エラーが発生すると、エラー発生箇所が赤色で点滅する。補助ブロア18、搬送補助体中継装置17に異常が発生した場合、その箇所のみが赤色に点滅する。紙幣Pや搬送補助体16の詰まりが発生した場合は、図54に示すように、紙幣Pや搬送補助体16を検知済みの通過センサからその1つ下流の未検地の通過センサまでの区間の搬送管に対応する部分が赤色に点滅する。
このように、エラー表示機180によってエラーの内容およびエラーの発生箇所が分かりやすく表示されるので、迅速にエラーに対応することができる。エラー表示機180は、遊技場2の各所に複数設けられてもよい。
以上説明したように、本実施の形態に係る紙葉類回収搬送システム10は、遊技場2に配列された複数の遊技機島3のそれぞれで回収された紙幣Pを、各遊技機島3から収集して事務所の集合金庫11まで搬送することができるので、安全にかつ手間なく各遊技機島3から事務所の集合金庫11に紙幣Pを集めることができる。
次に、搬送補助体中継装置19の改良型について説明する。
図55、図56は、改良型の搬送補助体中継装置19Bの中継部61Bを示している。改良型の搬送補助体中継装置19Bでは、集合金庫11から送り出した搬送補助体16が搬送補助体中継装置19Bに正常に到達しない場合等に、2個目の搬送補助体16を集合金庫11から搬送補助体中継装置19Bに送り出した場合に生じる問題点に対応するために、以下の2点を改良した。
(改良点1)
1個目の搬送補助体16を保持部74が受け止めた状態で2個目の搬送補助体16の一部が保持部74の中に進入しないようにする。
図55(a)は、2個の搬送補助体16が続けて到来した状態における改良前の搬送補助体中継装置19の中継部61を、図55(b)は、同状態における改良型の搬送補助体中継装置19Bの中継部61を示している。改良前の搬送補助体中継装置19では、保持部74が1個目の搬送補助体16を保持する位置が保持部74の奥深い位置なので、続けて2個目の搬送補助体16が到達したとき、その一部が保持部74の中に進入し、2個目の搬送補助体16が流入側接続口67(固定側)と保持部74(回転側)の両方に跨った位置で停止する。そのため、この状態のまま回転板72を回転させようとすると、2個目の搬送補助体16が流入側接続口67と保持部74との間で引っ掛かってしまい、回転板72の回転が妨げられる。
そこで、図55(b)に示す改良型の搬送補助体中継装置19Bでは、保持部74が1個目の搬送補助体16を補助する位置を浅くし、2個目の搬送補助体16が1個目の搬送補助体16に当接したときに保持部74の中に2個目の搬送補助体16が進入しないようにした。これにより、2個目の搬送補助体16が流入側接続口67(固定側)と保持部74(回転側)の両方に跨った位置で停止することがなくなり、回転板72の回転を阻害しない。
改良型の搬送補助体中継装置19Bでは、保持部74が搬送補助体16を保持する位置を浅くするために、受け部81を下流側に向けて長くし、一対の保持腕83はベース板71側の後端が軸支され、流入側接続口67側の先端が保持ローラ82を備えて開閉する。また、解除板84および解除ローラ85の位置置が変更されている。さらには搬送補助体16を保持する位置が浅くなることに伴って、保持部74に保持された搬送補助体16を検出する透過型光センサ75の位置が変更されている。
(改良点2)
回転板72が回転途中は、搬送補助体16が流入側接続口67を通り抜けないように流入側接続口67を閉鎖する。
改良前の搬送補助体中継装置19では、回転板72が回転中は、流入側接続口67の奥に保持部74が位置していないにもかかわらず、上流から到来する搬送補助体16が流入側接続口67を通り抜けて中継部61の中に進入できる状態であったので、この状態で2個目の搬送補助体16が到来すると、該2個目の搬送補助体16は、保持部74に受け止められずに、吸引ダクト65の中に飛び込んだり、中継部61の中に落下して回転板72の回転を阻害したりしてしまう。
そこで、改良型の搬送補助体中継装置19Bでは、図56に示すように、回転板72が回転中に上流から到来する搬送補助体16が流入側接続口67を通り抜けることを阻止するガードプレート87を設けた。
図56に示すガードプレート87は、回転板72と同心であって保持部74を丁度覆う半径の円板を同心の小円でくり貫いて得た環状の板から保持部74を覆う部分を削除した残りの部分に相当する形状の金属板であり、保持部74の上端(流入側接続口67側の端部の開口)と同一平面を成すように、回転板72に取り付けられて回転板72と共に回転する。ガードプレート87は、保持部74が流入側接続口67に対向する位置にない回転中に流入側接続口67の出口に対面して流入側接続口67を閉鎖する。
ここでは、製造および取り付けの利便性から、ガードプレート87は、保持部74を境に2つに分割して構成されている。なお、保持部74の流入側接続口67側の開口の周縁に、ガードプレート87と同一平面を成して外側に広がる襟部88を設けた。襟部88は、回転開始直後や回転終了直前など保持部74が流入側接続口67の正面に対向する位置から少しズレたときに、保持部74の流入側接続口67側の開口の外周と流入側接続口67との間に生じる少しの隙間を塞ぐ役割を果たす。
以上、本発明の実施の形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成は実施の形態に示したものに限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
実施の形態では、遊技機島3内の島内紙幣搬送装置8についても空気流と搬送補助体16を用いた搬送方式を採用したが、島内紙幣搬送装置8は紙幣Pをベルトで搬送する等の他の方式であってもかまわない。
実施の形態では、搬送管12を天井裏に設置したが、天井付近や床下に配管するように構成されてもよい。床下の場合、副搬送装置13は中継ボックス6の背面から排出された紙幣を下方に搬送すればよい。
実施の形態では、搬送管12を垂直方向および水平面内に配管するようにしたが、傾斜して搬送管12を設置するようにされてもかまわない。たとえば、傾斜天井の場合に、該天井に沿って搬送管12を傾斜させて配管してもよい。
遊技機島3は、実施の形態で例示したパチンコ機と遊技球貸機を収容する構成に限定されず、メダル貸機とスロットマシン等を収容する遊技機島でもかまわない。
なお、搬送補助体16の形状は実施の形態で示したものに限定されない。たとえば、断面矩形・多角形などの柱形状としてもよい。また、搬送補助体16をY方向中央部に対して対象な形状にしたが、Y方向に非対称な形状にされてもかまわない。
実施の形態では紙葉類として紙幣Pを例に説明したが、チケット、カードなど他の種類の紙葉類であってもかまわない。また、紙葉類の形状は長方形に限定されない。また紙葉類回収搬送システム10の設置場所は遊技場に限定されず、他の施設でもかまわない。
実施の形態では搬送管12の断面を略長方形としたが、円形や楕円形など他の形状にされてもよい。ただし、搬送補助体はその内縁形状に対応した形状で断面のほぼ全体を塞ぐことが好ましい。また、複数のリブを設けて、紙葉類の実質的な通路幅を狭くするとよい。