以下に、本願にかかる情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ説明する。なお、この実施形態により本願にかかる情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムが限定されるものではない。また、以下の実施形態において、同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
〔1.情報処理の一例〕
以下では、実施形態にかかる情報処理の一例について説明する。実施形態にかかる情報処理は、情報処理装置100によって行われる。簡単に説明すると、情報処理装置100は、軌道に沿わせるタスクに対するユーザのインタラクションに基づき算出されたモデルを用いて、ナビゲーションシステムにおける目的地までの経路案内サービスに関する制御を行う。本実施形態では、かかるナビゲーションシステムは、カーナビゲーションシステム(カーナビ)であるものとする。
一方で、実施形態にかかる情報処理は、カーナビだけではなく各種シチュエーションに合わせて制御を行うものであってもよい。一例を示すと、実施形態にかかる情報処理は、スマートフォン等の端末装置に経路案内アプリがインストールされることにより、かかるスマートフォンがカーナビのごとく用いられる場合に合わせて、経路案内アプリの一機能として適用されてもよい。また、例えば、産業分野等において、ロボットを移動させる移動シミュレーションシステムに対して、実施形態にかかる情報処理を適用させてもよい。
さらに、注文リストが届いたら商品棚から商品をピックアップしてくる作業において、最短ルートを提示するといったシステムが導入されている場合があるが、かかるシステムでは、現状、移動距離が最短になるようにルートを構築し、構築したルートを作業員に提示する。したがって、このようなシステムに対して、実施形態にかかる情報処理を適用させてもよい。これにより、以下で詳細に説明するが、例えば、新人作業員には難易度の高いルートが短距離で済むようなルートを提示することができるようになると考えられる。
実施形態にかかる情報処理の一例について説明する前に、図1~図5を用いて、情報処理装置100によって行われる情報処理の前提について説明する。実施形態にかかる情報処理は、軌道に沿わせるタスクに対するユーザのインタラクションに基づき算出されるモデルを車の運転に適用することに基づいている。軌道に沿わせるタスクに対するユーザのインタラクションに基づき算出されるモデルは、複数存在するが、その最も基本的なモデルはステアリングの法則と呼ばれている。
ステアリングの法則は、経路(軌道)内を移動する運動をモデル化したものである。例えば、ステアリングの法則は、経路(軌道)内において、ユーザ操作に応じてポインタを沿わせるように動かした場合の、このポインタの移動する運動(すなわち、ユーザのインタラクション)をモデル化したものである。ステアリングの法則では、ポインタを経路(軌道)に沿わせて移動させるといったタスクがユーザに与えられた場合に、ユーザがこのタスクを開始してから完了するまでに要する所要時間をタスクの難易度から予測可能とするモデルである。
なお、ステアリングの法則は、コンピュータ上における線の描画や経路を通過するタスク等、ストロークを描くタスクをモデルしたものとも言い換えることができる。また、ステアリングの法則は、幅が規定された経路からはみ出さないようプローブ(マウスカーソルやペン先)を通過させる時間を予測する予測モデルである。このため、以下では、ステアリングの法則に基づく各モデルを総称して、「ペン操作モデル」と表記する。ここで、図1を用いて、ステアリングの法則についてより詳細に説明する。図1は、ペン操作モデルを説明する説明図(1)である。
図1(a)では、コンピュータ(例えば、デスクトップパソコン等の端末装置)が表示画面において、全長(距離)A、幅Wの経路である経路Ob1が表示されている状態において、経路Ob1からはみ出さないよう経路Ob1のスタートラインからエンドラインまでマウスカーソルTを移動させる、といったタスクが与えられている例を示す。なお、コンピュータは、例えば、所定のプログラム(「プログラムR」とする)の制御に従って、経路の表示制御を行うことができる。以下では、様々な形状の経路に関する表示制御例を挙げるが、これらの表示制御は、プログラムRの制御に従って行われるものとする。
説明を元に戻す。図1(a)は、経路Ob1からはみ出さないよう経路Ob1のスタートラインからエンドラインまでマウスカーソルTを移動させる、といったタスクの難易度と、このタスクに要する所要時間との間には、式(1)で示されるペン操作モデルM1が成立することを検証するための検証実験である。つまり、ステアリングの法則は、図1のような、全長Aおよび幅長Wの経路を通過するのに要する所要時間MT1が、式(1)の関係になることを示す。
式(1)のうち、ID1は、タスクの難易度(index of difficulty;ID)を示す。したがって、ID1で示される式によって算出される値は、タスクの難易度を示す指標値である。また、aおよびbは、実験により決定される定数である。このようなことから、式(1)で示されるステアリングの法則、すなわちペン操作モデルM1は、経路の全長(移動距離)Aが長くなる、あるいは、経路の幅長Wが小さくなることで、タスクの難易度ID1が上昇し、所要時間が長くなることを説明している。
なお、式(1)によると、ステアリングの法則は、経路の幅Wに対する移動スピード(A/MT1)の関数によって表すこともできるため、幅長Wのもとでどのくらいの安全性を保ちつつスピードを出せるかを示すモデルともいえる。
なお、式(1)で示されるステアリングの法則に基づいて、図2に示すような、移動方向に応じて、幅に変化が生じる経路でのタスクの所要時間を予測するモデルであるペン操作モデルM2およびM3が提案され、また、検証実験によりペン操作モデルM2およびM3の精度が確かめられている。図2は、ペン操作モデルを説明する説明図(2)である。
図2(a)では、コンピュータが表示画面において、全長(距離)A、スタートライン地点での幅長WLからエンドライン地点での幅長WRへと幅長が狭まる経路である経路Ob2aを表示している。そして、このような状態において、経路Ob2aからはみ出さないよう経路Ob2aのスタートラインからエンドラインまでマウスカーソルTを移動させる、といったタスクが与えられている例を示す。
つまり、図2(a)は、移動方向に応じて幅が狭くなる経路Ob2aにおいて、経路Ob2aからはみ出さないよう経路Ob2aのスタートラインからエンドラインまでマウスカーソルTを移動させる、といったタスクの難易度と、このタスクに要する所要時間との間には、式(2)で示されるペン操作モデルM2が成立することを検証するための検証実験である。そして、この検証実験によりペン操作モデルM2の精度が確認されている。具体的には、ペン操作モデルM2は、式(2)で示されることが確かめられている。つまり、ペン操作モデルM2は、図2(a)のように、幅長WLから幅長WRへと幅長が狭くなる経路を通過するのに要する所要時間MT2が、式(2)の関係になることを示す。
式(2)のうち、ID2は、図2(a)に対応するタスクの難易度を示す。したがって、ID2で示される式によって算出される値は、図2(a)に対応するタスクの難易度を示す指標値である。また、aおよびbは、実験により決定される定数である。
一般に、幅が狭くなるほどタスクの難易度は上昇する。また、タスクの難易度が上昇することに応じて、ユーザはマウスカーソルTの移動速度を遅くする傾向にある。したがって、式(2)で示されるペン操作モデルM2は、幅長の変化に応じて難易度が上昇してゆく場合の所要時間を予測するものである。
次に、図2(b)では、コンピュータが表示画面において、全長(距離)A、スタートライン地点での幅長WRからエンドライン地点での幅長WLへと幅長が広がる経路である経路Ob2bを表示している。そして、このような状態において、経路Ob2bからはみ出さないよう経路Ob3のスタートラインからエンドラインまでマウスカーソルTを移動させる、といったタスクが与えられている例を示す。なお、図2(b)でのタスクは、図2(a)と比較して逆方向へとマウスカーソルTを移動させるタスクに対応する。
そして、図2(b)は、移動方向に応じて幅が広くなる経路Ob2bにおいて、経路Ob3からはみ出さないよう経路Ob2bのスタートラインからエンドラインまでマウスカーソルTを移動させる、といったタスクの難易度と、このタスクに要する所要時間との間には、式(3)で示されるペン操作モデルM3が成立することを検証するための検証実験である。そして、この検証実験によりペン操作モデルM3の精度が確認されている。具体的には、ペン操作モデルM3は、式(3)で示されることが確かめられている。つまり、ペン操作モデルM3は、図2(b)のように、幅長WRから幅長WLへと幅長が広くなる経路を通過するのに要する所要時間MT3が、式(3)の関係になることを示す。
式(3)のうち、ID3は、図2(b)に対応するタスクの難易度を示す。したがって、ID3で示される式によって算出される値は、図2(b)に対応するタスクの難易度を示す指標値である。また、aおよびbは、実験により決定される定数である。
一般に、幅が広くなるほどタスクの難易度は低下する。また、タスクの難易度が低下することに応じて、ユーザはマウスカーソルTの移動速度を速めることができる。したがって、式(3)で示されるペン操作モデルM3は、幅長の変化に応じて難易度は低下してゆく場合の所要時間を予測するもである。
ここで、式(2)と式(3)を比較する。式(2)と式(3)とでは、幅が狭くなるか広くなるかの違いだけであり、単純には、式(2)=式(3)が成立する。よって、式(2)と式(3)での計算結果を比較した場合、所要時間に差はないとの結果が得られるが、実際には図2(a)のように経路が狭まっていく方向に通過する方が長時間を要する。このため、式(2)と式(3)に基づいて、式(2)と式(3)での計算結果の差、すなわち時間差を補正するようなペン操作モデルをさらに生成することもできる。
また、式(1)で示されるステアリングの法則に基づいて、図3に示すような、幅の広がる螺旋状経路でのタスクの所要時間を予測するモデルであるペン操作モデルM4が提案され、また、検証実験によりペン操作モデルM4の精度が確かめられている。図3は、ペン操作モデルを説明する説明図(3)である。
図3では、コンピュータが表示画面において、螺旋状に広がる経路である経路Ob3を表示している。そして、このような状態において、経路Ob3からはみ出さないよう経路Ob3のスタートラインからエンドラインまでマウスカーソルTを移動させる、といったタスクが与えられている例を示す。
つまり、図3は、螺旋状に広がる経路Ob3において、経路Ob3からはみ出さないよう経路Ob3のスタートラインからエンドラインまでマウスカーソルTを移動させる、といったタスクの難易度と、このタスクに要する所要時間との間には、式(4)で示されるペン操作モデルM4が成立することを検証するための検証実験である。そして、この検証実験によりペン操作モデルM4の精度が確認されている。具体的には、ペン操作モデルM4は、式(4)で示されることが確かめられている。つまり、ペン操作モデルM4は、図3のように、螺旋状に広がる経路を通過するのに要する所要時間MT4が、式(4)の関係になることを示す。
式(4)のうち、ID4は、図3に対応するタスクの難易度を示す。したがって、ID4で示される式によって算出される値は、図3に対応するタスクの難易度を示す指標値である。また、nは、螺旋における巻き数を示す。θは、極座標の角度における現在位置を示す。ωは、幅が広がるパラメータを示す。また、aおよびbは、実験により決定される定数である。すなわちペン操作モデルM4は、巻き数が多くなる、あるいは、螺旋の度合いが大きくなることで、タスクの難易度ID4が上昇し、所要時間が長くなることを説明している。
また、式(1)で示されるステアリングの法則に基づいて、図4に示すような、幅長は一定であるが途中(例えば、中間地点)に角(カーブ)を有する経路でのタスクの所要時間を予測するモデルであるペン操作モデルM5が提案され、また、検証実験によりペン操作モデルM5の精度が確かめられている。図4は、ペン操作モデルを説明する説明図(4)である。
図4(a)では、コンピュータが表示画面において、全長(距離)Aおよび幅長Wの経路であって、中間地点に所定角度の曲がり角を有する経路Ob4aが表示されている状態において、経路Ob4aからはみ出さないよう経路Ob4aのスタートラインからエンドラインまでマウスカーソルTを移動させる、といったタスクが与えられている例を示す。また、図4(b)では、コンピュータが表示画面において、全長(距離)Aおよび幅長Wの経路であって、中間地点に所定角度の曲がり角を有する経路Ob4bが表示されている状態において、経路Ob4bからはみ出さないよう経路Ob4bのスタートラインからエンドラインまでマウスカーソルTを移動させる、といったタスクが与えられている例を示す。また、図4(c)では、コンピュータが表示画面において、全長(距離)Aおよび幅長Wの経路であって、中間地点に所定角度の曲がり角を有する経路Ob4cが表示されている状態において、経路Ob4cからはみ出さないよう経路Ob4cのスタートラインからエンドラインまでマウスカーソルTを移動させる、といったタスクが与えられている例を示す。
そして、図4(a)~4(c)は、中間地点に所定角度の曲がり角を有する経路Ob4a~4cにおいて、経路Ob4a~4cからはみ出さないよう経路Ob4a~4cのスタートラインからエンドラインまでマウスカーソルTを移動させる、といったタスクの難易度と、このタスクに要する所要時間との間には、式(5)で示されるペン操作モデルM5が成立することを検証するための検証実験である。そして、この検証実験によりペン操作モデルM5の精度が確認されている。具体的には、ペン操作モデルM5は、式(5)で示されることが確かめられている。つまり、ペン操作モデルM5は、図4(a)~4(c)のように、全長Aおよび幅Wの経路であって、中間地点に所定角度の曲がり角を有する経路を通過するのに要する所要時間MT5が、式(5)の関係になることを示す。
式(5)のうち、A/Wは、図4に対応するタスクの難易度を示す。また、ユーザは、曲がり角ではマウスカーソルTを減速させるため、式(5)の対数項は、減速した分、所要時間が増えることを示す要素である。また、aおよびbは、実験により決定される定数である。すなわちペン操作モデルM5は、曲がり角が存在することにより、タスクの難易度が上昇し、所要時間が長くなることを説明している。
また、式(1)で示されるステアリングの法則に基づいて、図5に示すような、幅長が異なる2本の経路が連結された連結経路Ob5でのタスクの所要時間を予測するモデルであるペン操作モデルM6が提案され、また、検証実験によりペン操作モデルM6の精度が確かめられている。図5は、ペン操作モデルを説明する説明図(5)である。
図5では、コンピュータが表示画面において、全長A1および幅長W1の経路Ob5aと、全長A2および幅長W2の経路Ob5bとが連結された連結経路Ob5(全長A)が表示されている状態において、連結経路Ob5からはみ出さないよう連結経路Ob5のスタートラインからエンドラインまでマウスカーソルTを移動させる、といったタスクが与えられている例を示す。
つまり、図5は、連結経路Ob5からはみ出さないよう連結経路Ob5のスタートラインからエンドラインまでマウスカーソルTを移動させる、といったタスクの難易度と、このタスクに要する所要時間との間には、式(6)で示されるペン操作モデルM6が成立することを検証するための検証実験である。そして、この検証実験によりペン操作モデルM6の精度が確認されている。具体的には、ペン操作モデルM6は、式(6)で示されることが確かめられている。つまり、ペン操作モデルM6は、図5のように、幅長が異なる2本の経路が連結された連結経路を通過するのに要する所要時間MT6が、式(6)の関係になることを示す。
ユーザは経路Ob5aから経路Ob5bに進入するためにスピード(マウスカーソルTを移動させる操作速度)を落とし、その後は単一の経路(例えば、図1に示す経路Ob1)を通過するのと同様の挙動を示す。このため、式(6)は、経路Ob5aでの所要時間、および、経路Ob5bでの所要時間に加えて、ゲート(連結部)を通過するための時間変化を考慮が考慮されている。例えば、ユーザは、位置P1からゲートに入る位置P2へと向かって減速を開始し、ゲートを通過した後は一定のスピードで進むため、単一の経路(例えば、図1に示す経路Ob1)を通過する場合と比較して、ゲートのための原則に応じて余計に時間がかかる。式(6)では、この点がパラメータとして考慮されている。
式(6)のうち、左辺の第1項は、経路Ob5aを通過する難易度を示す。また、第1項に含まれるnは、定数である。また、左辺の第2項(対数項)は、ゲートを通過するための減速ファクターを示す。また、左辺の第3項は、経路Ob5bを通過する難易度を示す。また、a、b、c、dは、実験により決定される定数である。すなわちペン操作モデルM6は、ゲートが存在することにより、タスクの難易度が上昇し、所要時間が長くなることを説明している。
さて、これまでステアリングの法則に基づく各モデルについて説明してきた。これらのモデルは、図1~図5に示したように、一般的にはタスクに対する画面上のユーザ操作に応じた運動(例えば、マウスカーソルTの移動の移動を示す運動)において成立するものであるが、全く別の分野での特定の運動にも適用可能であることが判明している。具体的には、ペン操作モデルM1は、マウスカーソルTを自動車に置き換えたドライブシミュレータにも適用可能であることが示されている。
このように、ペン操作モデルM1はドライブシミュレータにも適用可能であり、また、ペン操作モデルM1からペン操作モデルM2~M6を導出可能であることから、本実施形態では、実際の車の運転においてもペン操作モデルM2~M6が成立するのではないかと予想した。しかしながら、実際の車の運転においてペン操作モデルM2~M6が成立するか否かを検証するのは現実的ではない。なぜなら、ユーザに様々な形状の道路を実際に運転してもらうことにより、道路に応じた運転の難易度や、その道路を通過する所要時間がどのように変化するか統計を取らなければならず、これには膨大な時間と手間を要することになる。
そこで、本実施形態では、ペン操作モデルM2~M6もドライブシミュレータにも適用可能であるのならば、実際の車の運転においてペン操作モデルM2~M6を適用可能であると仮定することで、最終的にペン操作モデルM1~M6に基づく経路案内を行うことに着目している。具体的には、本実施形態では、ペン操作モデルM1~M6に基づいて、カーナビゲーションシステムにおける目的地までの経路案内サービスに関する制御を行うことに着目している。
例えば、従来のカーナビゲーションシステムは、目的地までの候補ルート毎に、目的地までの距離、渋滞状況、信号数等に基づいて、目的地までの移動に掛かる移動コストを算出し、算出した移動コストに基づいてルート案内を行っている。ここで、例えば、提示されたルートは、確かに目的地までの最短ルートではあるが、実際に通ってみると、非常に道が細く運転しづらい、あるいは、カーブが多く運転しづらい等といったように、運転難易度の高い道であった、ということが起こり得る。また、このような場合、ドライバーが初心者であるとすると、このように運転難易度の高い道を通らなければならないのはストレスであるし、最短ルートであるはずが、結果的に多くの時間がかかってしまう、といったことも起こり得る。
このようなことが起こり得るのは、従来のカーナビゲーションシステムは、最短ルートを優先的に提示する、渋滞しているルートは優先順位を下げる、等といったような単純な制御のもと、候補ルートの中から経路案内として提示する対象ルートを抽出しているに過ぎないためである。また、従来のカーナビゲーションシステムは、例えば、移動コストの算出に運転の難易度や、その難易度に応じた所要時間を要素として含めておらず、候補ルート毎に難易度を総合的に判断するようなことを行っていないことも原因である。
例えば、曲がり角があるが道幅は比較的広い候補ルート、直線状であるが常に道幅が細い候補ルート、道幅は広いが常にカーブしている候補ルートといった3つの候補ルートが存在するとする。かかる場合、従来のカーナビゲーションシステムでは、3つの候補ルートのうち、「総合的に難易度が低いルート」はどのルートであるかを判断できるように移動コストを算出することは困難である。
以上の点を踏まえて、本実施形態では、ペン操作モデルに基づき算出した難易度や、その難易度に応じた所要時間を用いて、「総合的に難易度が低いルート」を判断できるよう移動コストを算出し、算出した移動コストに基づき経路案内する。
具体的には、実施形態にかかる情報処理装置100は、軌道に沿わせるタスクに対するユーザのインタラクションに基づく情報を取得し、取得した情報に基づいて、ナビゲーションシステムにおける目的地までの経路案内サービスに関する制御を行う。より具体的には、情報処理装置100は、軌道に沿わせるタスクに対するユーザのインタラクションに基づき算出されたモデルを取得し、取得したモデルに基づいて、目的地までの経路案内に関する制御を行う。
例えば、情報処理装置100は、軌道に沿わせるタスクが、道路と見なされた軌道に沿った車の運転と仮定された場合に、ユーザのインタラクションとして、軌道に対するユーザの運転状況と見なすことができるインタラクションに基づき算出されたモデルを取得する。例えば、情報処理装置100は、モデルとして、軌道に関するコンテキストと、当該コンテキストが示す状況下においてユーザがタスクを完了するまでに要する所要時間との関係性を示すモデルを取得する。また、例えば、情報処理装置100は、軌道に関するコンテキストとして、軌道に対応する道路の構造、道路の周辺環境、または、道路に対して設定される通行規制に関するコンテキストである道路コンテキストと、所要時間との関係性を示す前記モデルを取得する。
特に、道路の周辺環境、または、道路に対して設定される通行規制に関する道路コンテキストと、当該道路コンテキストが示す状況下においてユーザがタスクを完了するまでに要する所要時間との関係性を示すモデルについて一例を示す。例えば、かかるモデルは、この道路コンテキスに関する条件下においてタスクが行われた場合における、ユーザのインタラクションに基づき、例えば、ペン操作モデルM1~M6を補正することにより生成することができる。
ここで取得されるモデルは、前提として図1~図5を用いて説明してきたペン操作モデルである。また、軌道に対応する道路の構造に関するコンテキストとしては、例えば、道路幅、道路の幅の広がりの態様、道路の全長、道路が有する曲がり角の数等が挙げられる。
また、情報処理装置100は、取得したモデルに基づいて、任意の地点までの移動に掛かる移動コストを算出し、算出した移動コストに基づいて、任意の地点までの経路案内に関する制御を行う。例えば、情報処理装置100は、モデルに基づいて、任意の地点までの候補ルートを示す道路の構造に関するコンテキストに応じた難易度であって、任意の地点までのルートを運転して移動する際の難易度を示す指標値を算出し、算出した指標値に基づいて、移動コストを算出する。また、例えば、情報処理装置100は、モデルに基づいて、任意の地点までの候補ルートを運転して移動する際の所要時間を予測し、予測した所要時間に基づいて、移動コストを算出する。以下、情報処理装置100によって行われる情報処理の一例について、図6を用いて説明する。図6は、実施形態にかかる情報処理の一例を示す図である。なお、任意の地点とは、例えば、カーナビにおいてユーザに設定された目的地である。
図1の説明に先立って、図8を用いて、実施形態にかかる情報処理システムについて説明する。図8は、実施形態にかかる情報処理システム1の構成例を示す図である。実施形態にかかる情報処理システム1は、図8に示すように、端末装置10と、情報処理装置100とを含む。端末装置10、情報処理装置100は、ネットワークNを介して有線または無線により通信可能に接続される。なお、図8に示す情報処理システム1には、複数台の端末装置10や、複数台の情報処理装置100が含まれてよい。
端末装置10は、ユーザによって利用される情報処理装置である。端末装置10は、例えば、カーナビゲーションシステム(略して、カーナビ)に対応する専用の端末装置である他、スマートフォンや、タブレット型端末によって代用される場合がある。端末装置10がカーナビゲーションシステムとして機能するために、端末装置10には、カーナビゲーションシステムに対応するアプリケーションがインストールされる。また、カーナビゲーションシステムとしての端末装置10には、例えば、車のダッシュボードの上に取り付けられるオンダッシュ型、あるいは、カーオーディオ等が収められるスペースに取り付けられるインダッシュ型がある。
また、端末装置10は、表示部(表示画面)を有しており、表示部に経路を表示することで経路案内を行う。図1の例では、経路案内に関する大元の処置は情報処理装置100によって行われるため、端末装置10は、例えば、情報処理装置100から受け付けた情報を表示部に表示する。
また、端末装置10の表示部には、タッチパネルが採用されていることにより、ユーザからタッチ入力により指示を受け付けることができるほか、音声指示を受け付けることもできる。また、端末装置10は、音声での経路案内を行うこともできる。また、図1の例では、端末装置10は、ユーザU1によって利用されるものとする。
このような状態において、ユーザU1は、端末装置10に対して、スタート地点S1を拠点として、目的地G1までの経路案内を指示したとする。例えば、ユーザU1は、目的地G1までの経路案内を要求するために、端末装置10に対して、スタート地点S1と示す情報と、目的地G1を示す情報を入力したとする。端末装置10は、ユーザU1から入力を受け付けると、受け付けた入力情報を情報処理装置100に送信する(ステップS11)。このような入力情報の送信は、情報処理装置100に対する経路案内情報の配信要求と言い換えることができる。
情報処理装置100は、入力情報を受け付けると(ステップS12)、入力情報によって示されるスタート地点S1および目的地G1に基づいて、スタート地点S1から目的地G1までの候補ルートを特定する(ステップS13)。後述するが、情報処理装置100は、日本各地のマップと、当該マップに含まれる道路に関する道路情報とを記憶するルート情報記憶部122を有する。したがって、情報処理装置100は、ルート情報記憶部122を参照することで、スタート地点S1から目的地G1までの候補ルートを特定する。図1の例では、情報処理装置100は、候補ルートRT1、候補ルートRT2および候補ルートRT3といった3つの候補ルートを特定したとする。
また、不図示であるが、情報処理装置100は、候補ルートRT1、RT2、RT3それぞれの渋滞情報を取得する。例えば、各地の道路状況として、現在の渋滞状況を随時、取得および更新する外部サーバが存在するとすと、情報処理装置100は、この外部サーバにアクセスすることで、候補ルートRT1、RT2、RT3それぞれの渋滞情報を取得する。
次に、情報処理装置100は、ペン操作モデルに基づいて、候補ルート毎に、スタート地点S1から目的地G1までの車での移動に掛かる移動コストを算出するコスト算出処置を実行する(ステップS14)。ここからは、実施形態にかかる情報処理のうち、コスト算出処置について、図7を用いて詳細に説明する。図7は、実施形態にかかるコスト算出処置の一例を示す図である。
まず、情報処理装置100は、候補ルートRT1、RT2、RT3それぞれについて、ペン操作モデルM1~M6のうち、いずれのペン操作モデルを適用可能であるかを判断する。例えば、情報処理装置100は、候補ルートを構成する構成ルートを特定し、特定した構成ルート毎に適用可能なペン操作モデルがどれであるかを判断する。例えば、情報処理装置100は、候補ルートに含まれる曲がり角に基づいて、構成する構成ルートと特定する。一例を示すと、情報処理装置100は、候補ルートに所定角度(例えば、150度)以下の曲がり角が含まれる場合、その曲がり角を基準に構成ルートを特定する。
図7の例では、候補ルートRT1は、曲がり角の無い単純な一本道である。かかる場合、情報処理装置100は、候補ルートRT1には曲がり角が存在しないため、候補ルートRT1を構成する構成ルートは候補ルートRT1そのものであると特定する。
一方、図7の例では、候補ルートRT2には、150度程度の曲がり角が1つ含まれる。かかる場合、情報処理装置100は、候補ルートRT2には曲がり角が存在するため、この曲がり角を基準に、候補ルートRT2を構成する構成ルートは、構成ルートRT2-1および構成ルートRT2-2であることを特定する。
また、図7の例では、候補ルートRT3は、常にカーブしている。カーブの頂点を角と見なすと、候補ルートRT3には、カーブの頂点を角とする120度程度の曲がり角が1つ含まれる。かかる場合、情報処理装置100は、候補ルートRT3には曲がり角が存在するため、この曲がり角を基準に、候補ルートRT3を構成する構成ルートは、構成ルートRT3-1および構成ルートRT3-2であることを特定する。
次に、情報処理装置100は、上記のように特定した構成ルート毎に、ペン操作モデルM1~M6のうち、いずれのペン操作モデルを適用可能であるかを判断する。図7の例では、候補ルートRT1(構成ルートRT1ともいえる)は、全長A1および道幅W1の経路であるため、情報処理装置100は、候補ルートRT1には、単一の直線経路を通過するタスクに対応するペン操作モデルM1を適用可能であると判断する。
次に、候補ルートRT2ついて、候補ルートRT2を構成する構成ルートRT2-1は、全長A2、および、目的地G1に向かって道幅W2-1からW2へと広がる経路であるため、情報処理装置100は、構成ルートRT2-1には、ペン操作モデルM3を適用可能であると判断する。また、候補ルートRT2ついて、候補ルートRT2を構成する構成ルートRT2-2は、全長A2、および、目的地G1に向かって道幅W2からW2-2へと狭まる経路であるため、情報処理装置100は、構成ルートRT2-2には、ペン操作モデルM2を適用可能であると判断する。
次に、候補ルートRT3は、全長A3および一定の道幅W3であるが、常にカーブしている。かかる場合、情報処理装置100は、曲がり角が含まれる経路(道幅は一定)を通過するタスクに対応するペン操作モデルM5を適用可能であると判断する。なお、情報処理装置100は、候補ルートRT3を螺旋状と見なしてペン操作モデルM4を適用可能であると判断してもよいが、図7の例では、ペン操作モデルM5を適用可能であるものとする。
上記をまとめると、図7の例では、情報処理装置100は、候補ルートRT1が曲がり角の無い単純な一本道で道幅一定であることから、構成ルートを特定することなく、ペン操作モデルM1を適用可能と判断する。また、情報処理装置100は、候補ルートRT2が曲がり角を基準に道幅の広がる構成ルートRT2-1と、道幅の狭まる構成ルートRT2-2とで構成されることから、構成ルートRT2-1にはペン操作モデルM3を適用可能であり、構成ルートRT2-2にはペン操作モデルM2を適用可能であると判断する。また、情報処理装置100は、候補ルートRT3が曲がり角を含むが道幅一定であることから、ペン操作モデルM5を適用可能と判断する。
また、情報処理装置100は、適用可能なペン操作モデルを特定したことにより、特定したペン操作モデルを取得する。例えば、情報処理装置100は、モデル情報記憶部121から、特定したペン操作モデルを取得する。モデル情報記憶部121は、ペン操作モデルに関する情報を記憶する。図6の例では、モデル情報記憶部121は、「モデルID」、「モデル」といった項目を有する。「モデルID」は、ペン操作モデルを識別する識別情報を示す。「モデル」は、ペン操作モデルに対応する数式を示す。
次に、情報処理装置100は、候補ルート毎に移動コストを算出する。従来のカーナビでは、例えば、目的地までの距離と平均速度とに基づき、目的地までの所要時間を算出する等は行っていたが、道路のコンテキスト(例えば、記道路の幅長、道路の幅の広がりの態様、道路の全長)に応じた運転難易度を算出し、その難易度に応じた所要時間を算出すといったことは行っていなかった。しかし、本実施形態では、情報処理装置100は、ペン操作モデルを用いて、道路のコンテキスト(例えば、記道路の幅長、道路の幅の広がりの態様、道路の全長)に応じた運転難易度を算出し、算出した運転難易度に基づいて、運転難易度に応じた移動コストを算出する。また、情報処理装置100は、ペン操作モデルを用いて、この運転難易度に対応する所要時間(目的地までの所要時間)を算出し、算出した所要時間に基づいて、所要時間に応じた移動コストを算出する。
まず、候補ルートRT1の例を示す。情報処理装置100は、ペン操作モデルM1に対応する式(1)を用いて、候補ルートRT1を運転する際の運転難易度であって、候補ルートRT1のコンテキストに応じた運転難易度を算出する。例えば、情報処理装置100は、式(1)によって示される難易度ID1に対して、全長A1および道幅W1を入力することにより、運転難易度を算出する。ここでは、情報処理装置100は、候補ルートRT1に対応する運転難易度として、運転難易度IDRT1を算出したとする。そうすると、情報処理装置100は、運転難易度IDRT1を移動コストに換算する。情報処理装置100は、移動コストの換算には、任意の手法を用いることができる。例えば、情報処理装置100は、所定の変換関数を用いて、運転難易度IDRT1を移動コストに換算してもよいし、運転難易度毎に移動コストが対応付けられた変換表を用いて、運転難易度IDRT1を移動コストに換算してもよい。図7の例では、情報処理装置100は、運転難易度IDRT1に対応する移動コストとして、移動コスト「n11」を算出した例を示す。
また、情報処理装置100は、ペン操作モデルM1に対応する式(1)を用いて、候補ルートRT1の運転に要する所要時間(スタート地点ST1から目的地G1への移動に要する所要時間)を算出する。ここでは、情報処理装置100は、候補ルートRT1に対応する所要時間として、所要時間MTRT1を算出したとする。そうすると、情報処理装置100は、所要時間MTRT1を移動コストに換算する。情報処理装置100は、移動コストの換算には、任意の手法を用いることができる。例えば、情報処理装置100は、所定の変換関数を用いて、所要時間MTRT1を移動コストに換算してもよいし、所要時間毎に移動コストが対応付けられた変換表を用いて、所要時間MTRT1を移動コストに換算してもよい。図7の例では、情報処理装置100は、所要時間MTRT1に対応する移動コストとして、移動コスト「n12」を算出した例を示す。
また、図7の例では、情報処理装置100は、候補ルートRT1が道幅W1であることに基づき道幅W1に対応する移動コスト「n13」を算出し、候補ルートRT1が全長A1であることに基づき全長A1に対応する移動コスト「n14」を算出し、候補ルートRT1には曲がり角(カーブ)が含まれないことに基づき、カーブ数「0」に対応する移動コスト「n15」を算出し、候補ルートRT1の渋滞状況に基づく移動コスト「n15」を算出し、候補ルートRT1の信号数に基づく移動コスト「n16」を算出した例を示す。
また、図7の例では、情報処理装置100は、上記のように各要素毎に算出した移動コストを合計した合計コストとして、合計コスト「SN1」を算出した例を示す。
次に、候補ルートRT2のうち、構成ルートRT2-1の例を示す。情報処理装置100は、ペン操作モデルM3に対応する式(3)を用いて、構成ルートRT2-1を運転する際の運転難易度であって、構成ルートRT2-1のコンテキストに応じた運転難易度を算出する。例えば、情報処理装置100は、式(3)によって示される難易度ID3に対して、全長A2、スタートラインでの道幅W2-1、エンドラインでの道幅W2を入力することにより、運転難易度を算出する。ここでは、情報処理装置100は、構成ルートRT2-1に対応する運転難易度として、運転難易度IDRT2-1を算出したとする。そうすると、情報処理装置100は、運転難易度IDRT2-1を移動コストに換算する。図7の例では、情報処理装置100は、運転難易度IDRT2-1に対応する移動コストとして、移動コスト「n211」を算出した例を示す。
また、情報処理装置100は、ペン操作モデルM3に対応する式(3)を用いて、構成ルートRT2-1の運転に要する所要時間(スタート地点ST1から目的地G1への移動に要する所要時間)を算出する。ここでは、情報処理装置100は、構成ルートRT2-1に対応する所要時間として、所要時間MTRT2-1を算出したとする。そうすると、情報処理装置100は、所要時間MTRT2-1を移動コストに換算する。図7の例では、情報処理装置100は、所要時間MTRT2-1に対応する移動コストとして、移動コスト「n212」を算出した例を示す。
また、図7の例では、情報処理装置100は、構成ルートRT2-1の道幅の平均値に基づき移動コスト「n213」を算出し、構成ルートRT2-1が全長A2であることに基づき全長A2に対応する移動コスト「n214」を算出し、構成ルートRT2-1には曲がり角(カーブ)が含まれないことに基づき、カーブ数0に対応する移動コスト「n215」を算出し、構成ルートRT2-1の渋滞状況に基づく移動コスト「n216」を算出し、構成ルートRT2-1の信号数に基づく移動コスト「n217」を算出した例を示す。
また、図7の例では、情報処理装置100は、上記のように各要素毎に算出した移動コストを合計した合計コストとして、合計コスト「SN21」を算出した例を示す。
次に、候補ルートRT2のうち、構成ルートRT2-2の例を示す。情報処理装置100は、ペン操作モデルM2に対応する式(2)を用いて、構成ルートRT2-2を運転する際の運転難易度であって、構成ルートRT2-2のコンテキストに応じた運転難易度を算出する。例えば、情報処理装置100は、式(2)によって示される難易度ID3に対して、全長A2、スタートラインでの道幅W2、エンドラインでの道幅W2-2を入力することにより、運転難易度を算出する。ここでは、情報処理装置100は、構成ルートRT2-2に対応する運転難易度として、運転難易度IDRT2-2を算出したとする。そうすると、情報処理装置100は、運転難易度IDRT2-2を移動コストに換算する。図7の例では、情報処理装置100は、運転難易度IDRT2-2に対応する移動コストとして、移動コスト「n221」を算出した例を示す。
また、情報処理装置100は、ペン操作モデルM2に対応する式(2)を用いて、構成ルートRT2-2の運転に要する所要時間(スタート地点ST1から目的地G1への移動に要する所要時間)を算出する。ここでは、情報処理装置100は、構成ルートRT2-2に対応する所要時間として、所要時間MTRT2-2を算出したとする。そうすると、情報処理装置100は、所要時間MTRT2-2を移動コストに換算する。図7の例では、情報処理装置100は、所要時間MTRT2-2に対応する移動コストとして、移動コスト「n222」を算出した例を示す。
また、図7の例では、情報処理装置100は、構成ルートRT2-2の道幅の平均値に基づき移動コスト「n223」を算出し、構成ルートRT2-2が全長A2であることに基づき全長A2に対応する移動コスト「n224」を算出し、構成ルートRT2-2には曲がり角(カーブ)が含まれないことに基づき、カーブ数0に対応する移動コスト「n225」を算出し、構成ルートRT2-2の渋滞状況に基づく移動コスト「n226」を算出し、構成ルートRT2-2の信号数に基づく移動コスト「n227」を算出した例を示す。
また、図7の例では、情報処理装置100は、上記のように各要素毎に算出した移動コストを合計した合計コストとして、合計コスト「SN22」を算出した例を示す。また、このような状態において、情報処理装置100は、合計コスト「SN21」と合計コスト「SN22」とを足し合わせた数値(SN21+SN22)を、候補ルートRT2の最終的な移動コストとする。
次に、候補ルートRT3の例を示す。情報処理装置100は、ペン操作モデルM5に対応する式(5)を用いて、候補ルートRT3を運転する際の運転難易度であって、候補ルートRT3のコンテキストに応じた運転難易度を算出する。例えば、情報処理装置100は、式(5)によって示される難易度ID3に対して、全長A3、スタートラインから曲がり角までの距離、道幅W3を入力することにより、運転難易度を算出する。ここでは、情報処理装置100は、候補ルートRT3に対応する運転難易度として、運転難易度IDRT3を算出したとする。そうすると、情報処理装置100は、運転難易度IDRT3を移動コストに換算する。図7の例では、情報処理装置100は、運転難易度IDRT2-2に対応する移動コストとして、移動コスト「n31」を算出した例を示す。
また、情報処理装置100は、ペン操作モデルM5に対応する式(5)を用いて、候補ルートRT3の運転に要する所要時間(スタート地点ST1から目的地G1への移動に要する所要時間)を算出する。ここでは、情報処理装置100は、候補ルートRT3に対応する所要時間として、所要時間MTRT3を算出したとする。そうすると、情報処理装置100は、所要時間MTRT3を移動コストに換算する。図7の例では、情報処理装置100は、所要時間MTRT3に対応する移動コストとして、移動コスト「n32」を算出した例を示す。
また、図7の例では、情報処理装置100は、候補ルートRT3が道幅W3であることに基づき道幅W3に対応する移動コスト「n33」を算出し、候補ルートRT3が全長A3であることに基づき全長A3に対応する移動コスト「n34」を算出し、候補ルートRT3には曲がり角(カーブ)が1つ含まれることに基づき、カーブ数「1」に対応する移動コスト「n35」を算出し、候補ルートRT3の渋滞状況に基づく移動コスト「n35」を算出し、候補ルートRT3の信号数に基づく移動コスト「n163を算出した例を示す。
また、図7の例では、情報処理装置100は、上記のように各要素毎に算出した移動コストを合計した合計コストとして、合計コスト「SN3」を算出した例を示す。
以上、図7を用いて、実施形態にかかるコスト算出処置の一例について説明してきた。図6に戻り、引き続き、実施形態にかかる情報処理について説明する。情報処理装置100は、ステップS14でコスト算出処理を行った後、算出した移動コストに基づいて、目的地G1までの経路案内に関する制御を行う(ステップS15)。例えば、情報処理装置100は、候補ルートRT1、RT2、RT3の全てをユーザU1に提示することができるが、この際、候補ルートRT1、RT2、RT3のいずれか1つを推奨ルートして提示してもよい。
例えば、情報処理装置100は、候補ルートRT1、RT2、RT3のうち、移動コストの総和がより小さい候補ルートを推奨ルートとして提示(提案)する。例えば、図7の例では、候補ルートRT1に対応する合計コスト「SN1」、候補ルートRT2に対応する合計コスト「SN21+SN22」、候補ルートRT3に対応する合計コスト「SN3」の大小関係が、合計コスト「SN21+SN22」<合計コスト「SN1」<合計コスト「SN3」であったとする。かかる場合、合計コスト「SN21+SN22」が最小であることから、候補ルートRT2が総合的に最も運転しやすいルートといえる。したがって、情報処理装置100は、候補ルートRT2を推奨ルートとして提示(提案)する。
ここで、候補ルートRT1は、一直線であるが道幅が常に狭いルートである。候補ルートRT2は、曲がり角を有するが途中は道幅が比較的広めになっているルートである。候補ルートRT3は、常に道幅は広いが常にカーブしているルートである。このように各候補ルートは、それぞれ異なる複数のコンテキストを示しているが、上記コスト算出処理で算出された運転難易度および所要時間は、候補ルート毎に、異なる複数のコンテキストが総合的に考慮された値といえる。したがって、情報処理装置100は、運転難易度に対応する移動コスト、および、所要時間に対応する移動コストに特に着目することで、3つの候補ルートのうち、「総合的に難易度が低いルート」を判断し、「総合的に難易度が最も低いルート」を推奨ルートとして提示してもよい。
図7の例では、候補ルートRT1では、運転難易度に基づき移動スコア「n11」が算出され、この運転難易度に応じた所要時間に基づき移動スコア「n12」が算出されている。ここで、移動スコア「n11」と移動スコア「n12」の合計値が「N1」であるとする。
また、図7の例では、候補ルートRT2のうち構成ルートRT2-1では、運転難易度に基づき移動スコア「n211」が算出され、この運転難易度に応じた所要時間に基づき移動スコア「n212」が算出されている。ここで、移動スコア「n211」と移動スコア「n212」の合計値が「N2-1」であるとする。また、候補ルートRT2のうち構成ルートRT2-2では、運転難易度に基づき移動スコア「n221」が算出され、この運転難易度に応じた所要時間に基づき移動スコア「n222」が算出されている。ここで、移動スコア「n221」と移動スコア「n222」の合計値が「N2-2」であるとする。さらに、合計値「N2-1」および合計値「N2-2」を足し合わせた値が「N2」であるとする。
また、図7の例では、候補ルートRT3では、運転難易度に基づき移動スコア「n31」が算出され、この運転難易度に応じた所要時間に基づき移動スコア「n32」が算出されている。ここで、移動スコア「n31」と移動スコア「n32」の合計値が「N3」であるとする。
つまり、合計値「N1」は、候補ルートRT1において運転難易度と所要時間とに基づき算出された移動スコアである。また、合計値「N2」は、候補ルートRT2において運転難易度と所要時間とに基づき算出された移動スコアである。また、合計値「N3」は、候補ルートRT3において運転難易度と所要時間とに基づき算出された移動スコアである。そして、これらの大小関係が、合計値「N2」<合計値「N1」<合計値「N3」であったとする。そうすると、合計値「N2」に対応する候補ルートRT2が、「総合的に難易度が最も低いルート」といえる。このようなことから、情報処理装置100は、候補ルートRT2を推奨ルートとして提示する。つまり、情報処理装置100は、運転難易度にに対応する移動コストおよび所要時間に対応する移動コストのみに基づいて、総合的な移動コスト算出し、算出した値(上記例では、合計値)に基づいて、「総合的に難易度が最も低いルート」をより高精度に判断してもよい。なお、情報処理装置100は、各移動コストを加算するのではなく、例えば、乗算することで算出した値を「合計コスト」や「合計値」の代わりに用いてもよい。
また、情報処理装置100は、候補ルートRT1、RT2、RT3のうち、目的地G1までのルートを要求したユーザ(図6の例では、ユーザU1)の性質に応じた移動コストが算出された候補ルートを推奨ルートとして提示してもよい。ここで、例えば、ユーザU1は、運転経験が浅いドライバーだとする。そうすると、ユーザU1には、所要時間が多少長くても運転難易度の低いルートが適しているといえる。
したがって、かかる場合、情報処理装置100は、候補ルートRT1の運転難易度に対応する移動スコア「n11」、候補ルートRT2の運転難易度に対応する移動スコア「n211+n221」、候補ルートRT3の運転難易度に対応する移動スコア「n31」のうち、移動スコアの最も低い候補ルートを推奨ルートとして提示する。例えば、候補ルートRT2の運転難易度に対応する移動スコア「n211+n221」が最も値が低いとすると、情報処理装置100は、候補ルートRT2を推奨ルートとして提示する。
さて、これまで説明してきたように、実施形態にかかる情報処理装置100は、情報処理装置100は、軌道に沿わせるタスクに対するユーザのインタラクションに基づき算出されたモデルを取得し、取得したモデルに基づいて、目的地までの経路案内に関する制御を行う。これにより、実施形態にかかる情報処理装置100は、ルート案内におけるユーザの利便性を向上させることができる。例えば、情報処理装置100は、候補ルートに含まれる複数の異なるコンテキスト(例えば、道幅や全長)に基づき候補ルートの運転難易度や、運転難易度に応じた所要時間を算出することができるため、どの候補ルートが総合的に「難易度の低いルート」であるかを高精度に判断することができる。この結果、情報処理装置100は、例えば、ユーザの性質に応じた難易度の候補ルートを融点的に提示することができるようになるため、ルート案内におけるユーザの利便性を向上させることができる。
〔2.情報処理装置の構成〕
次に、図9を用いて、実施形態にかかる情報処理装置100について説明する。図9は、実施形態にかかる情報処理装置100の構成例を示す図である。図9に示すように、情報処理装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。例えば、情報処理装置100は、図1で説明した情報処理を行うサーバ装置である。
(記憶部120について)
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子またはハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部120は、モデル情報記憶部121と、ルート情報記憶部122とを有する。モデル情報記憶部121については、図6で説明済みのためここでの説明は省略する。
(ルート情報記憶部122について)
ルート情報記憶部122は、日本各地のマップと、当該マップに含まれる道路に関する道路情報とを記憶する。ここで、図10に実施形態にかかるルート情報記憶部122の一例を示す。図10の例では、ルート情報記憶部122は、「地域ID」、「地図情報」、「ルートID」、「ルート情報」といった項目を有する。
「地域ID」は、地域(例えば、都道府県や都道府県内の市区町村)を識別する識別情報を示す。「地図情報」は、「地域ID」によって識別される地域内の地図情報である。「ルートID」は、「地域ID」によって識別される地域内に含まれる道路を識別する識別情報を示す。「ルート情報」は、「ルートID」によって識別される道路に関する情報を示す。「ルート情報」は、「ルートID」によって識別される道路に関するコンテキストを示す。道路に関するコンテキストには、道路の幅長(道幅)、道路の幅の広がりの態様、道路の全長、道路が有する曲がり角の数、道路の視界の状況等がある。
(制御部130について)
図9に戻り、制御部130は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、情報処理装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
図9に示すように、制御部130は、受付部131と、特定部132と、取得部133と、算出部134と、案内制御部135とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部130の内部構成は、図9に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部130が有する各処理部の接続関係は、図9に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
(受付部131について)
受付部131は、ユーザから入力情報を受け付ける。例えば、受付部131は、目的地への経路案内を要求する入力情報を受け付ける。例えば、受付部131は、スタート地点と目的地とを含む入力情報を受け付ける。
(特定部132について)
特定部132は、受付部131により受け付けられた入力情報に基づいて、スタート地点から目的地までの候補ルートを特定する。例えば、特定部132は、ルート情報記憶部122を参照することにより、スタート地点から目的地までの候補ルートを特定する。
(取得部133について)
取得部133は、モデルを取得する。具体的には、取得部133は、ペン操作モデルを取得する。例えば、取得部133は、候補ルートに対して適用可能なペン操作モデルが特定された場合に、特定されたペン操作モデルを取得する。例えば、取得部133は、図1~図5で説明したペン操作モデルのうち、特定されたペン操作モデルを取得する。例えば、取得部133は、モデル情報記憶部121からペン操作モデルを取得する。
具体的には、取得部133は、軌道に沿わせるタスクに対するユーザのインタラクションに基づく情報を取得する。例えば、取得部133は、軌道に沿わせるタスクをが、道路と見なされた軌道に沿った車の運転と仮定された場合に、ユーザのインタラクションとして、軌道に対するユーザの運転状況と見なすことができるインタラクションに基づき算出されたモデルを取得する。
例えば、取得部133は、モデルとして、軌道に関するコンテキストと、当該コンテキストが示す状況下においてユーザがタスクを完了するまでに要する所要時間との関係性を示すモデルを取得する。具体的には、取得部133は、軌道に関するコンテキストとして、軌道に対応する道路の構造、前記軌道に対応する道路周辺の周辺環境、または、前記軌道に対応する道路に対して設定される通行規制に関するコンテキストである道路コンテキストと、所要時間との関係性を示すモデルを取得する。例えば、取得部133は、道路コンテキストとして、道路の幅長、道路の幅の広がりの態様、道路の全長、道路が有する曲がり角の数、時間帯に応じた前記道路の周辺環境、道路の周辺環境に応じた視界の状況であって道路の視界の状況のうちの少なくともいずれか1つと、所要時間との関係性を示すモデルを取得する。
また、モデルについより詳細に説明すると、取得部133は、道路コンテキストと、タスクを完了するまでに要する所要時間との関係性に基づき所要時間を予測するためのモデルを取得する。具体的には、取得部133は、道路コンテキストに応じた難易度であって、タスクの難易度を示す指標値と、所要時間との関係性に基づき所要時間を予測するためのモデルを取得する。
(算出部134について)
算出部134は、取得部133により取得されたモデルに基づいて、目的地までの移動に掛かる移動コストを算出する。具体的には、算出部134は、モデルに基づいて、目的地までの候補ルートを示す道路の構造に関するコンテキストに応じた難易度であって、目的地までのルートを運転して移動する際の難易度を示す指標値を算出し、算出した指標値に基づいて、移動コストを算出する。また、算出部134は、モデルに基づいて、目的地までの候補ルートを運転して移動する際の所要時間を予測し、予測した所要時間に基づいて、移動コストを算出する。つまり、算出部134は、図6および図7で説明したコスト算出処理を行う。また、算出部134は、合計コストや合計値等の算出も行う。
(案内制御部135について)
案内制御部135は、前記算出部により算出された移動コストに基づいて、任意の地点までの経路に関する制御を行う。例えば、案内制御部135は、経路に関する制御として、任意の地点を目的地とした場合の当該目的地までの経路案内に関する制御を行う。例えば、案内制御部135は、経路案内に関する制御として、目的地までの候補ルートのうち、移動コストの総和がより小さい候補ルートを推奨ルートとして提示する。また、例えば、案内制御部135は、経路案内に関する制御として、目的地までの候補ルートのうち、目的地までのルートを要求したユーザの性質に応じた移動コストが算出された候補ルートを推奨ルートとして提示する。例えば、案内制御部135は、目的地までの候補ルートのうち、目的地までのルートを要求したユーザの運転経験に応じた移動コストが算出された候補ルートを推奨ルートとして提示する。
〔3.処理手順〕
次に、図11を用いて、実施形態にかかる情報処理の手順について説明する。図11は、実施形態にかかる情報処理手順を示すフローチャートである。
まず、受付部131は、端末装置10から入力情報を受信したか否かを判定する(ステップS101)。受付部131は、入力情報を受信していない場合には(ステップS101;No)、受信するまで待機する。一方、特定部132は、、受付部131により入力情報が受信された場合には(ステップS101;Yes)、目的地までの候補ルートを特定する(ステップS102)。
次に、算出部134は、候補ルート毎に、当該候補ルートの移動に掛かる移動コストを算出する(ステップS103)。この際、取得部133は、候補ルートに適用可能なペン操作モデルを、例えば、モデル情報記憶部121から取得する。したがって、算出部134は、取得部133により取得されたペン操作モデルに基づいて、候補ルートの移動に掛かる移動コストを算出する。
次に、案内制御部135は、算出部134により算出された移動コストに基づいて、目的地までのルート案内に関する制御を行う(ステップS104)。例えば、案内制御部135は、移動コストに基づいて、ユーザの性質や属性により適した候補ルートを特定し、特定した候補ルートを推奨ルートとして提示(提案)する。
〔4.変形例〕
上記実施形態にかかる情報処理装置100は、上記実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。そこで、以下では、情報処理装置100の他の実施形態について説明する。
〔4-1.モデルの応用(1)〕
上記実施形態では、取得部133により取得されるペン操作モデルは、コンピュータにより画面に表示制御された軌道(経路)であって、幅長、全長、カーブの状況等の各種のコンテキストが与えられた軌道を沿わせるタスクに対して、ユーザがどのようなインタラクションを示すか検証実験することで生成(証明)されたものである点説明した。また、少なくともペン操作モデルM1は、ドライブシミュレータおよび実際の車の運転には適用される点についても説明した。また、このようなことから本実施形態では、実際の車の運転にもペン操作モデルM1~M6を適用可能と定めることにより、情報処理装置100が、ペン操作モデルM1~M6に基づき算出した移動コストをカーナビの経路案内に用いる点説明した。
しかしながら、実際の車の運転には、ペン操作モデルM1~M6では考慮されていない様々な要素が含まれる。一例を示すと、実際の車の運転では、ユーザ(ドライバー)は、道路への人物の飛び出しを警戒した運転、対向車を警戒した運転、標識等による通行規制に則した運転、天候に応じた運転、道路の視界に応じた運転、時間帯に応じた道路の周辺環境に応じた運転(例えば、通学時間帯のため多くの歩行者への配慮が必要となる運転)といった条件の基で、これら条件に適した運転を要求される。そこで、ペン操作モデルにこれら条件を要素として組み込むことができれば、上記ペン操作モデルを実際の車の運転に対応したより高精度なモデルへと修正(補正)することができると考えられる。
つまり、ステアリングの法則に基づくペン操作モデルに対して、上記のような条件を要素として組み込むことにより生成されたモデルを、情報処理装置100に導入すれば、情報処理装置100は、より高精度に移動スコアを算出できるようになるため、例えば、総合的に「難易度の低いルート」を高精度に判断できるようになる。そして、このためには、取得部133は、道路コンテキストに関する所定の条件として、道路への人物の飛び出しを警戒した運転、対向車を警戒した運転、標識等により通行規制に則した運転、天候に応じた運転、周囲の明るさに応じた運転、道路の視界に応じた運転、時間帯に応じた道路の周辺環境に応じた運転(例えば、通学時間帯のため多くの歩行者への配慮が必要となる運転)に対応する条件のうちの少なくともいずれか1つがタスクに対して与えられた場合における、道路コンテキストと所要時間との関係性を示すモデルを取得することになる。
以下では、取得部133がこのようなモデル、つまり条件を要素として導入することで修正されたペン操作モデルを取得できるよう、条件に基づきペン操作モデルを生成する一例を示す。例えば、コンピュータによって上記のような条件に対応する表示制御を行わせ、その条件の下で軌道を沿わせるタスクをユーザに行わせた際のユーザのインタラクションを検証することで、条件が考慮されたモデルを生成することができる。
まず、図12を用いて、視界が制限されているような条件の下で、軌道を沿わせるタスクを与えた場合に、ユーザがどのようなインタラクションを示すかを検証実験する際の例を示す。図12は、所定の条件下でのタスクに対するユーザのインタラクションを検証するための実験例(1)を示す図である。道路の視界は、道路の構造に関するコンテキストや、周囲の明るさ(例えば、昼間であるのかやかんであるのか)によって変化する。したがって、コンピュータは、図12に示すような黒幕を用いて(黒幕を表示制御することにより)、このような視界を再現する。
まず、図12(a)に示すように、かかる例で対象とする経路Ob6(道路と見なせる)は、全長A、幅長Wの単純な一直線経路とする。また、このような状態において、経路Ob6からはみ出さないよう経路Ob6のスタートラインからエンドラインまでマウスカーソルTを移動させる、といったタスクが与えられている例を示す。このような場合、ユーザは、経路Ob6上にマウスカーソルTを位置させた状態で、例えば、マウスを動かすが、図12では、説明に便宜上、マウスカーソルTを経路Ob6外に示している。
ユーザは、スタートラインからエンドラインまでマウスカーソルTを移動させるが、ここで、図12(b)に示すように、経路OB6上の位置Pt1~位置Pt2までマウスカーソルTを移動させる場合をピックアップする。図12(b)に示すように、位置Pt1にマウスカーソルTが存在する場合、コンピュータは、位置Pt1を基準に、幅VW1の視界を表示制御する。具体的には、コンピュータは、図12(b)に示すように、幅VW1を空けて、左右に黒幕を表示制御することにより、幅VW1をあたかも視界の表に再現する。
そして、この視界は、マウスカーソルTの動きに連動して移動される。例えば、ユーザが、位置Pt1~位置Pt2までマウスカーソルTを移動させると、コンピュータは、図12(b)から図12(c)の例のように、マウスカーソルTに連動して視界を移動させる。具体的には、コンピュータは、幅VW1を維持しつつ、マウスカーソルTの動きに連動させて、左右の黒幕の表示態様を変更する。
このような場合、ユーザは、図1の場合と比較して、マウスカーソルTをゆっくりと動かす。ユーザは、経路Ob6からマウスカーソルTをはみ出させないようマウスカーソルTを動かさなければならないが、視界が遮られていることにより、この先、経路Ob6の形状がどのように変化するか、あるいは、どこにエンドラインが存在するかわからないため、慎重な動作を要求されるためである。つまり、視界が遮られていることにより、マウスカーソルTのスピードは遅くなりため所要時間が図1の例と比較して長くなる。より具体的には、幅VW1が狭いほど、マウスカーソルTのスピードは遅くなるため所要時間が図1の例と比較して長くなる。したがって、この点を考慮すると、例えば、図1で説明したペン操作モデルM1に対してさらに視界の大きさをファクターとして組み込むことで、ペン操作モデルM1を修正することができると考えられる。
また、このような場合、算出部134は、例えば、経路案内の要求が受信された時間帯、天候、候補ルートの構造に基づく視界を予測し、予測した視界を、上記のように修正されたペン操作モデルM1に適用することで、移動コストを算出する。これにより、情報処理装置100は、例えば、視界のよい(見通しのよい)ルートを推奨ルートとして提示するといったことができるようになる。
〔4-2.モデルの応用(2)〕
次に、図13を用いて、標識の指示に則した運転が条件づけられている下で、軌道を沿わせるタスクを与えた場合に、ユーザがどのようなインタラクションを示すかを検証実験する際の例を示す。図13は、所定の条件下でのタスクに対するユーザのインタラクションを検証するための実験例(2)を示す図である。標識の指示としては、「この先スクールゾーンであるため徐行運転」を指示するようなものがある。かかる場合、コンピュータは、図13に示すような黒幕を用いて視界を再現している状態において、さらにスクールゾーンも再現する。例えば、コンピュータは、スクールゾーンが視界に入ったら直ぐに徐行運転に切り替えるといった現実の運転をシミュレート可能なように、図13に示すような黒幕の背後にスクールゾーンを示すラベルL1を隠しておく。また、ユーザは、ラベルL1が現れたらマウスカーソルTのスピードを遅くするよう指示されているものとする。
まず、図13(a)に示すように、かかる例で対象とする経路Ob7(道路と見なせる)は、全長A、幅長Wの単純な一直線経路とする。また、このような状態において、経路Ob7からはみ出さないよう経路Ob6のスタートラインからエンドラインまでマウスカーソルTを移動させる、といったタスクが与えられている例を示す。このような場合、ユーザは、経路Ob7上にマウスカーソルTを位置させた状態で、例えば、マウスを動かすが、図13では、説明に便宜上、マウスカーソルTを経路Ob7外に示している。
ユーザは、スタートラインからエンドラインまでマウスカーソルTを移動させるが、ここで、図13(a)に示すように、経路OB7上の位置Pt3~位置Pt4までマウスカーソルTを移動させる場合をピックアップする。図13(a)に示すように、位置Pt3にマウスカーソルTが存在する場合、コンピュータは、位置Pt3を基準に、幅VW1の視界を表示制御する。具体的には、コンピュータは、図13(a)に示すように、幅VW1を空けて、左右に黒幕を表示制御することにより、幅VW1をあたかも視界の表に再現する。また、コンピュータは、図13(a)に示すように、右に黒幕の裏側にユーザには視認不可能な状態で、スクールゾーンに対応する距離K1のラベルL1を表示制御する。
そして、例えば、ユーザが、位置Pt3~位置Pt4までマウスカーソルTを移動させると、コンピュータは、図13(a)から図13(b)の例のように、マウスカーソルTに連動して視界を移動させる。具体的には、コンピュータは、幅VW1を維持しつつ、マウスカーソルTの動きに連動させて、左右の黒幕の表示態様を変更する。ここで、マウスカーソルTが、位置Pt4まで移動されると、ラベルL1が出現する。
このような場合、ユーザは、ラベルL1を視認できると、マウスカーソルTを減速させる。また、ユーザは、この後マウスカーソルTを移動させてもラベルL1を視認できている限りは減速を継続する。具体的には、ユーザは、距離K1のラベルL1が終わるまでは減速を継続する。また、ユーザは、経路Ob7からマウスカーソルTをはみ出させないようマウスカーソルTを動かさなければならないが、視界が遮られていることにより、この先、経路Ob7の形状がどのように変化するか、あるいは、どこにエンドラインが存在するかわからないため、慎重な動作を要求される。
以上のことから、例えば、図1で説明したペン操作モデルM1に対してさらに視界の大きさ、および、ラベルL1の距離K1をファクターとして組み込むことで、ペン操作モデルM1を修正することができると考えられる。
また、このような場合、算出部134は、例えば、経路案内の要求が受信された時間帯、天候、候補ルートの構造に基づく視界を予測し、予測した視界を、上記のように修正されたペン操作モデルM1に適用する。また、算出部134は、例えば、候補ルートにスクールゾーンが含まれる場合、スクールゾーンの距離をペン操作モデルM1に適用する。これにより、情報処理装置100は、例えば、視界のよい(見通しのよい)ルートを推奨ルートとして提示するといったことができるようになる。
また、スクールゾーンを含む候補ルートには児童が存在する場合があるため、運転の際、周りへの配慮がより要求される。つまり、スクルールゾーンを含む候補ルートは、運転難易度が高いといえる。したがって、情報処理装置100は、例えば、スクルールゾーンを含む候補ルートより、スクルールゾーンを含まない候補ルートの移動コストを低く算出することができるため、運転経験の浅いユーザには、スクールゾーンを含まない候補ルートを推奨ルートとして提示することができる。
〔4-3.モデルの応用(3)〕
次に、図14を用いて、道路への人物の飛び出しを警戒した運転(あるいは、対向車を警戒した運転)が条件づけられている下で、軌道を沿わせるタスクを与えた場合に、ユーザがどのようなインタラクションを示すかを検証実験する際の例を示す。図14は、所定の条件下でのタスクに対するユーザのインタラクションを検証するための実験例(3)を示す図である。例えば、コンピュータは、図14に示すような黒幕を用いて視界を再現している状態において、さらに道路への人物の飛び出しも再現する。例えば、コンピュータは、人物が視界に入ったら直ぐに減速し人物を避けるといった現実の運転をシミュレート可能なように、図14に示すような黒幕の背後に人物を示すラベルL2を隠しておく。また、ユーザは、ラベルL2が現れたらマウスカーソルTのスピードを遅くし、ラベルL2を避けるよう指示されているものとする。
まず、図14(a)に示すように、かかる例で対象とする経路Ob8(道路と見なせる)は、全長A、幅長Wの単純な一直線経路とする。また、このような状態において、経路Ob8からはみ出さないよう経路Ob8のスタートラインからエンドラインまでマウスカーソルTを移動させる、といったタスクが与えられている例を示す。このような場合、ユーザは、経路Ob8上にマウスカーソルTを位置させた状態で、例えば、マウスを動かす。
ユーザは、スタートラインからエンドラインまでマウスカーソルTを移動させるが、ここで、図14(a)に示すように、経路OB8上の位置Pt5からマウスカーソルTを移動させる場合をピックアップする。図14(a)に示すように、位置Pt5にマウスカーソルTが存在する場合、コンピュータは、位置Pt3を基準に、幅VW1の視界を表示制御する。具体的には、コンピュータは、図14(a)に示すように、幅VW1を空けて、左右に黒幕を表示制御することにより、幅VW1をあたかも視界の表に再現する。また、コンピュータは、図14(a)に示すように、右に黒幕の裏側にユーザには視認不可能な状態で、人物に対応する円形のラベルL2を表示制御する。
そして、例えば、ユーザが、位置Pt5からマウスカーソルTを移動させてゆくと、コンピュータは、図14(a)から図14(b)の例のように、マウスカーソルTに連動して視界を移動させる。具体的には、コンピュータは、幅VW1を維持しつつ、マウスカーソルTの動きに連動させて、左右の黒幕の表示態様を変更する。ここで、マウスカーソルTが、移動されるとラベルL2が出現する。
このような場合、ユーザは、ラベルL2を視認できると、マウスカーソルTを減速させる。そして、ユーザは、ラベルL2を避けるようにマウスカーソルTを移動させる。また、ユーザは、経路Ob8からマウスカーソルTをはみ出させないようマウスカーソルTを動かさなければならないが、視界が遮られていることにより、この先、経路Ob8の形状がどのように変化するか、あるいは、どこにエンドラインが存在するかわからないため、慎重な動作を要求される。
以上のことから、例えば、図1で説明したペン操作モデルM1に対してさらに視界の大きさ、および、ラベルL2を避けるための減速をファクターとして組み込むことで、ペン操作モデルM1を修正することができると考えられる。
また、このような場合、算出部134は、例えば、経路案内の要求が受信された時間帯、天候、候補ルートの構造に基づく視界を予測し、予測した視界を、上記のように修正されたペン操作モデルM1に適用する。また、算出部134は、例えば、候補ルートが人物や対向車の多いルートである場合、人物や対向車に応じて発生する減速ファクターをペン操作モデルに適用する。これにより、情報処理装置100は、例えば、視界のよい(見通しのよい)ルートを推奨ルートとして提示するといったことができるようになる。
また、人物が居る、つまり炉日だしの危険性がある候補ルートでは、運転の際、周りへの配慮がより要求される。したがって、このような候補ルートは、運転難易度が高いといえる。よって、情報処理装置100は、例えば、歩行者が多い候補ルートより、歩行者が少ない候補ルートの移動コストを低く算出することができるため、運転経験の浅いユーザには、歩行者の配慮があまり必要でない(歩行者がより少ない)候補ルートを推奨ルートとして提示することができる。
〔4-4.プリファレンスに応じたルート変更〕
また、算出部134は、ユーザに指定された指定情報に応じたルートが推奨ルートとして提案されるよう移動コストを補正する。例えば、算出部134は、ユーザに指定された指定情報に応じたルートが推奨ルートとして提案されるよう、移動コストのうち指定情報に対応する移動コストに対して重み付けを行う。例えば、ユーザは、急ぎ目的地へ行かなければならない場合は、運転難易度が難しくともより短時間で目的地に到着できるルートの提示を望む場合がある。このような場合、ユーザは、目的地に到着するまでに要する所要時間が最短のルートが推奨されるよう指定する場合がある。
例えば、ユーザU1が、目的地G1に到着するまでに要する所要時間が最短のルートを提示するよう指定した場合について、図7の例を用いて説明する。図7で説明したように、算出部134は、各要素毎に移動コストを算出するが、例えば、合計コストの中で「所要時間」に対応する移動コストの重要度(影響力)を高められるよう、候補ルート毎の要時間」に対応する移動コストに重み付けを行う。また、案内制御部135は、上記のように重み付けされた状態で算出された合計コストが最小の候補ルートを所要時間が最短のルートとして定めユーザU1に提示する。
なお、算出部134はペン操作モデルを用いて所要時間を予測算出するため、案内制御部135は、単純に、算出部134により算出された所要時間が最も短い候補ルートを推奨ルートとして提示してもよい。
これにより、実施形態にかかる情報処理装置100は、ユーザの要望に応じたルートを推奨提案することができるため、ルート案内におけるユーザの利便性を向上させることができる。
〔4-5.モデルを用いないルート案内〕
情報処理装置100は、道路の構造、道路の周辺環境、または、道路に対して設定される通行規制に関するコンテキストである道路コンテキストに応じた移動コストであって、任意の地点までの移動に掛かる移動コストを取得し、取得した移動コストに基づいて、ナビゲーションシステムにおける任意の地点までの経路に関する制御を行うことができる。この際、情報処理装置100は、ペン操作モデルに基づき算出された移動コストを取得する(用いる)必要はない。
例えば、情報処理装置100は、カーナビである端末装置10からユーザの運転状況を取得し、取得した運転状況に基づき各種統計を算出し、算出した統計に基づき移動コストの算出、および、案内制御を行うことができる。運転状況には、例えば、車の時速、所要時間、道路のどこで減速されたか、時間帯や敵機に応じて変化する道路の視界に応じた運転態様の変化が挙げられるが、これらは一例であり、カーナビから取得可能あるいは予測可能な情報であれば限定されない。
そして、例えば、情報処理装置100は、カーナビである端末装置10からユーザ毎の運転状況を取得することにより、道路毎に当該道路を通過するのに要する所要時間や運転難易度を算出する。そして、情報処理装置100は、ユーザ毎に算出した所要時間や運転難易に基づいて、これらの統計値を算出する。
また、情報処理装置100は、この統計値を保持しておくことで、例えば、候補ルートに対応する統計値を取得し、この統計値に基づいて、移動コストを算出する。また、情報処理装置100は、算出した移動コストに基づいて、案内制御を行う。
情報処理装置100がカーナビから取得する運転状況は、ユーザの実際の運転を示す実測値である。このような実測値に基づく統計値は、信頼性が高いといえるため、情報処理装置100は、高精度なスコア算出ができる可能性がある。また、情報処理装置100は、この実測値に基づいて、ペン操作モデルを補正することにより、ペン操モデルをより実際の運転に適した形に修正してもよい。
〔4-6.運転対象に応じたコスト算出〕
上記実施例では、マウスカーソルTの移動を車の運転と見なし、また、タスクで用いられる軌道を実際の道路と見なすことで、情報処理装置100が、任意の地点までの車での移動に掛かる移動コストを算出する例を示した。しかしながら、マウスカーソルTの移動は、必ずしも車に限定されなくともよい。例えば、マウスカーソルTの移動は、車以外の各種移動体(例えば、自転車、ドローン、ヘリコプター等)と見なすこともできる。したがって、情報処理装置100は、任意の地点までの各種移動体での移動に掛かる移動コストを算出する。具体的には、情報処理装置100は、任意の地点までの移動に用いられる移動体に応じて、ペン操作モデルを補正することにより、補正後のペン操作モデルに基づいて、任意の地点までの移動に用いられる移動体に応じた移動コストを算出する。
例えば、ユーザU1が自動車ではなく自転車で目的地D1へ行きたい場合を想定する。例えば、ユーザU1が自動車運転の初心者であるとすると、道幅2mの道路を通行するのは運転難易度が高いといえるかもしれない。一方、ユーザU1が、道幅2mの道路を通行することは何ら運転難易度が高い訳ではなく、むしろ運転難易度が低いといえるかもしれない。このように、利用する移動体によって運転難易度は変化することが考えられるため、算出部134は、ユーザU1が自転車で目的地D1へ行く場合には、ペン操作モデルM~M6のうち、特定部132により特定されたペン操作モデルについて、道幅(幅長A)を自転車に応じて広く補正し、補正後のペン操作モデルに対して、道路コンテキストが示す情報を適用することで移動コストを算出する。
これにより、案内制御部135は、例えば、自動車での運転難易度は高いと判断し、提示する候補から除外していたような候補ルートを、自転車の場合には推奨ルートとして提示する場合がある。このようなことから、情報処理装置100は、利用される移動体に適した候補ルートを推奨ルートとして提示することができる。
〔5.ハードウェア構成〕
また、上記実施形態にかかる情報処理装置100は、例えば図15に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。以下、情報処理装置100を例に挙げて説明する。図15は、情報処理装置100の機能を実現するコンピュータ1000の一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
CPU1100は、ROM1300又はHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、および、かかるプログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス1500は、通信網50を介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータを、通信網50を介して他の機器へ送信する。
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、生成したデータを、入出力インターフェイス1600を介して出力装置へ出力する。
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラム又はデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
例えば、コンピュータ1000が実施形態にかかる情報処理装置100として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部130の機能を実現する。また、HDD1400には、記憶部120内のデータが格納される。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを、記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から、通信網50を介してこれらのプログラムを取得してもよい。
〔6.その他〕
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
以上、本願の実施形態をいくつかの図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、取得部は、取得手段や取得回路に読み替えることができる。