JP2013160731A - ナビゲーション装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ユーザの意図したなぞり軌跡に対応した道路を、候補経路として探索することが可能なナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】ナビゲーション装置1は、制御部2と地図データが格納される地図データベース4と地図を表示する表示部7とを備え、制御部2は、なぞり操作によるなぞり軌跡に基づいてなぞり軌跡の近傍に存在する近接リンクを求める入力解析部25と、少なくとも近接リンクが地図上に表示されているか否かを示す指標に基づき、近接リンクのコストを設定するコスト設定部26と、コストに基づきなぞり軌跡の出発地から目的地までの経路を探索する経路探索処理部27と、経路探索処理部により探索された経路を地図に重畳して表示部7に表示する画像処理部28とを備えている。
【選択図】図2
【解決手段】ナビゲーション装置1は、制御部2と地図データが格納される地図データベース4と地図を表示する表示部7とを備え、制御部2は、なぞり操作によるなぞり軌跡に基づいてなぞり軌跡の近傍に存在する近接リンクを求める入力解析部25と、少なくとも近接リンクが地図上に表示されているか否かを示す指標に基づき、近接リンクのコストを設定するコスト設定部26と、コストに基づきなぞり軌跡の出発地から目的地までの経路を探索する経路探索処理部27と、経路探索処理部により探索された経路を地図に重畳して表示部7に表示する画像処理部28とを備えている。
【選択図】図2
Description
本発明は、表示部に表示された道路地図上のなぞり軌跡に基づいて経路を探索するナビゲーション装置に関する。
従来より、表示部に表示された経路イメージをなぞることにより誘導経路を検索する誘導経路探索システムが提案されている(特許文献1)。本システムは、なぞられた経路イメージ周辺の道路を誘導経路の候補として選択し、経路イメージ周辺の道路通過コストを下げることを選択基準とする。さらに選択された道路を組み合わせ、現在地から目的地にたどり着くまでのコストが最も低い組み合わせを誘導経路として検索する。
また、交差点コストに基づいて走行経路を決定するナビゲーション装置も提案されている(特許文献2)。本装置においては、画面への表示が省略されている道路が存在しない場合には、従来と同様にトレースされた軌跡による走行経路を設定する。一方、省略道路が存在し、マッチングもできなかった場合、ユーザによりなぞられた軌跡は表示された道路を意識しておらず、走行経路の概略指定(曖昧な指定)と考えられるため、概略なぞり探索(曖昧なぞり探索)を行う。概略なぞり探索では、ユーザによるなぞり軌跡に沿った一定の範囲に存在する交差点に対して、なぞり軌跡からの距離に基づく交差点コストを決定し、交差点コストの合計が少ない走行経路を所定数探索する。
上述したように、従来の技術においては、なぞり軌跡の周辺道路を取得する際に、現在地から目的地にたどり着くまでの候補経路の所定のコストを考慮する。一般的にこのような方法においては、なぞり軌跡の近傍の道路は、縮尺の関係において画面に表示されていなくても、当該近傍の道路のコストは一律に下げられることとなる。
このような状況下では、ユーザ自身が表示部において視認できる道路をなぞって指定しようという意図があるにもかかわらず、表示されていない別の道路が候補経路として探索されてしまうという問題が生じ得る。例えば、表示部のなぞり操作中にユーザの指が多少なりともぶれることにより、指定しようとした道路から指がずれた場合、縮尺の関係で表示部に表示されていない別の道路も候補経路として探索され得る。このような現象は、利便性を低下させるものである。
本発明は、ユーザの意図したなぞり軌跡に対応した道路を、候補経路として探索することが可能なナビゲーション装置を提供する。
本発明のナビゲーション装置は、地図データが格納される地図データベースと、
前記地図データに基づき地図を表示する表示部と、前記地図を表示した前記表示部に対するなぞり操作によるなぞり軌跡に基づいて、前記なぞり軌跡の近傍に存在する近接リンクを求める入力解析部と、少なくとも前記近接リンクが前記地図上に表示されているか否かを示す指標に基づき、前記近接リンクのコストを設定するコスト設定部と、前記コストに基づき、前記なぞり軌跡の出発地から目的地までの経路を探索する経路探索処理部と、前記経路探索処理部により探索された前記経路を前記地図に重畳して前記表示部に表示する画像処理部とを備える。
前記地図データに基づき地図を表示する表示部と、前記地図を表示した前記表示部に対するなぞり操作によるなぞり軌跡に基づいて、前記なぞり軌跡の近傍に存在する近接リンクを求める入力解析部と、少なくとも前記近接リンクが前記地図上に表示されているか否かを示す指標に基づき、前記近接リンクのコストを設定するコスト設定部と、前記コストに基づき、前記なぞり軌跡の出発地から目的地までの経路を探索する経路探索処理部と、前記経路探索処理部により探索された前記経路を前記地図に重畳して前記表示部に表示する画像処理部とを備える。
また、本発明のナビゲーション装置においては、前記入力解析部は、前記なぞり軌跡と前記なぞり軌跡の近傍に存在するリンクとの最近接距離を算出するとともに、前記最近接距離が算出された地点における前記なぞり軌跡の接線ベクトルおよび前記リンクの方向ベクトルとの間の方位差を算出し、前記入力解析部は、前記最近接距離および前記方位差が所定の値より小さい場合、前記リンクを近接リンクとして判定する。
前記コスト設定部は、前記指標および前記最近接距離に基づき、前記近接リンクのコストを設定することができる。
本発明のナビゲーション装置においては、前記指標及び前記最近接距離に対応したコストを記録したコストテーブルがさらに設けられ、当該コストテーブルにおいては、なぞり操作時に地図上に表示されている近接リンクのコストが相対的に低く設定されるとともに、なぞり操作時に地図上に表示されていない近接リンクのコストが相対的に高く設定され、さらに当該コストテーブルにおいては、前記最近接距離が小さいほど近接リンクのコストが相対的に低く設定され、前記コスト設定部は、前記近接リンクのコストを前記コストテーブルに基づき設定することができる。
本発明によれば、なぞり操作時に表示されていない道路のリンクのコストに比べ、表示されている道路のリンクのコストを下げることにより、ユーザのなぞり操作の意図を反映した候補経路が提示されやすくなるため、ユーザの利便性が向上する。
以下、本発明に係るナビゲーション装置の一実施形態を、図1〜図8に基づいて詳述する。
図1は、本発明に係るナビゲーション装置を示す構成図である。図2はナビゲーション装置の制御部を示す構成図である。
ナビゲーション装置1は、車両に搭載されているカーナビゲーションシステムに搭載され、制御部2と、GPS受信部3と、地図データベース4と、音声出力部6と、表示部7と、操作部8と、を備えている。
制御部2は、ナビゲーション装置1全体のシステムを統括し、プログラムの実行、データの入出力、演算、制御、等を行う。GPS受信部3はGPSアンテナ等を備え、制御部2と接続され、GPS(全地球測位システム)衛星からのGPS信号を受信して、ナビゲーション装置1の位置(例えば、車両の位置や携帯端末を所有する歩行者の位置等)である経度、緯度、高度で表される位置情報に変換する。地図データベース(DB)4は、制御部2と接続され、全国道路地図または住宅地図等の地図データ等が記憶され、地図縮尺に応じた階層構造を持っている。
音声出力部6はスピーカー等を備え、制御部2と接続され、経路案内や周辺施設等のユーザに必要な情報を音声で提供する。表示部7は、制御部2と接続され、液晶表示パネルや有機ELパネル等からなり、道路地図や探索経路等のユーザに必要な情報を表示する。また、ユーザがペンや指等で表示部7の画面上をなぞるときに必要な地図を表示する。なお、地図は目的地等を探すために画面上をスクロールするようにしても良い。操作部8は、制御部2と接続され、ユーザによる表示部7に対するなぞり操作を受け付ける。一般的に操作部8は、表示部7を構成する液晶表示パネル等に重ね合わされて配置されたタッチセンサ等から構成されるが、特にその構成は限定されない。また、操作部はユーザによる他の操作(出発地と目的地の入力など)を受け付ける役割を果たすための構成(各種のキー、ボタン等)をも含む。
図2に示すように、制御部2は、CPU21、記憶部24、入力解析部25、コスト設定部26、経路探索処理部27、画像処理部28を備える。CPU21は、制御部2の外部の各部との情報のやり取り等を司る部分である。記憶部24は、後述する近接リンクリストやコストテーブル等を格納することが可能である。尚、記憶部24は、制御部2の内側に配置されているが、制御部2の外側に設けられていても良い。入力解析部25は、操作部8によって入力されたなぞり軌跡に基づいて、なぞり軌跡に近接するリンクを近接リンクとして抽出する。コスト設定部26は、入力解析部25で抽出された近接リンクのコストを設定する。経路探索処理部27は、コスト設定部26で設定されたコストに基づき、ダイクストラ法などの既存の方法を用いて、出発地から目的地までの最適経路を探索する。画像処理部28は、経路探索処理部27で探索された最適経路を、表示部7に表示可能にするための画像データを生成する。
ここで述べるリンクとは、道路の最小単位であり、例えば、交差点ごとに設定されるノード間に存在する道路部分(道路の構成単位)である。また、コストとは、なぞり操作後に抽出されたリンクごとに設定される係数であって、当該リンクが最適経路を探索するにあたって優先的に選択されるべきかを示す指標であり、選択に際しての一種の優先度に対応するものである。コストは、通行コスト、通過コスト、探索コスト等とも呼ばれる。なお、コストについては後に詳述する。
図3は、本実施形態における、ユーザのなぞり軌跡に基づく経路探索手順の一例を示すフローチャート図である。
ユーザが、ナビゲーション装置1の操作部8を操作して、出発地と目的地を入力すると(ステップS1)、表示部7に出発地と目的地を含む地図が表示される(ステップS2)。ここでは、表示した地図の地図縮尺が記憶部24に記憶される。さらにユーザが、操作部8をなぞる、すなわち、ペン又は指で、表示部7に表示された出発地から目的地までのユーザの希望する経路をなぞるなぞり操作を行う(ステップS3)。
次に、入力解析部25が、なぞり操作によるなぞり軌跡を、所定間隔の座標データとして受領し、受領した座標データに基づき生成されるリンクのうち、経路探索で用いられる候補となる近接リンクを抽出する(ステップS4)。各座標データは、地図上の各地点を(x,y)座標の形式で表現するデータであり、リンクは二つの座標データを結ぶ直線に該当する。ステップS4の入力解析処理については、図4で詳述する。
次に、コスト設定部26が、抽出された近接リンク各々のコストを設定する(ステップS5)。ステップS5のコスト設定処理については、図6で詳述する。
設定された各リンクのコストに基づき、経路探索処理部27は、ダイクストラ法等の手法を用いて経路探索処理を行う(ステップS6)。画像処理部28は、探索された経路と地図を重畳して表示部7に表示する(ステップS7)。表示された経路がユーザにとって不満足な場合等であってユーザが再度なぞり操作を行った場合は再度ステップS3に戻り(ステップS8;Y)、再操作がなければ経路確定に進む(ステップS8;N)。ユーザは表示された経路が満足であれば確定ボタン等を押すことで、経路が確定する(ステップS9)。
図4は、図3のステップS4における入力解析処理の一具体例を示すフローチャート図である。この入力解析処理は、入力解析部25で行われ、各縮尺地図における総てのリンクについて判定し、なぞり軌跡近傍の近接リンクを抽出するステップである。そしてこの近接リンクの抽出は、なぞり操作時に表示された縮尺の地図を含む、地図データベース4に階層構造をもって記憶された総ての縮尺の地図について行われる。
まず入力解析部25は、なぞり操作時における出発地と目的地の両方を含む最大縮尺地図から最小縮尺地図までの地図の総数である地図縮尺総数を取得する。地図縮尺総数は、なそり操作時の状況によって変動する変数Sとしてプログラム上で定義される(ステップS401)。さらに入力解析部25は、処理の対象となっている地図の縮尺を番号をもって示すScale(地図縮尺番号)について、Scale=0を設定する(ステップS402)。すると、出発地と目的地の両方を含む総ての地図のうち、最大縮尺地図(Scale=0)が最初に読み込まれる(ステップS403)。
尚、ここで述べる最大縮尺地図とは、地図データベース4内に格納されている地図において、出発地と目的地の両方を含む地図であり、最も縮尺が大きい地図のことである。すなわち、最大縮尺地図はなぞり操作によってなぞられた道路を最詳細に表現した最詳細地図である。
通常、縮尺は比の値として分子を1とする分数で表される。このときの分母に相当する数値である縮尺分母が大きい場合、「縮尺が小さい」と言い、縮尺分母が小さい場合「縮尺が大きい」と言う。例えば1/10の地図と1/100の地図を比べると、「1/100の地図が小縮尺」であり、1/100の地図と1/1000の地図を比べると「1/100の地図が大縮尺」である。すなわち、縮尺の大小=分数の大小である。1/10の地図と1/1000の地図の間で地図縮尺が変動する場合、1/10の地図が最大縮尺地図となり、1/1000の地図が最小縮尺地図となる。
さらに入力解析部25は、読み込まれた当該最大縮尺地図内のすべてのリンクの数であるリンク総数を取得する。リンク総数は、読み込まれた地図によって変動する変数Pとしてプログラム上で定義される(ステップS404)。ここで入力解析部25は、ステップS406からステップS410までの処理の対象となっている特定のリンクを示すリンク番号Nについて、N=1を設定する(ステップS405)。リンク番号Nが1(N=1)は、ステップS406からステップS410までの処理の対象となる最初のリンクのことを意味する。
上記の説明では、当該地図内のすべてのリンクの総数を取得するとしたが、なぞり軌跡から所定の範囲内の領域にあるリンクの数をリンク総数として定義し、求めることもできる。
次に、入力解析部25は、処理対象のリンクと操作部8へのなぞり操作から得られたなぞり軌跡のデータ(座標列)である所定の座標との距離を計算し(ステップS406)、最近接距離D(最短距離)を算出する(ステップS407)。さらに入力解析部25は、当該リンクと当該所定の座標との方位差θを算出する(ステップS408)。算出された最近接距離Dが所定の距離Dmax以下(D≦Dmax)であり、かつ、算出された方位差θが所定の角度θmax以下(θ≦<θmax)であれば、ステップS410に進む(ステップS409;Y)。それ以外(θ>θmaxまたはD>Dmax)であればステップS411に進む(ステップS409;N)。
上述のステップS406からステップS409における最近接距離Dおよび方位差θの算出の詳細について、図5のなぞり軌跡と近接リンクを示す説明図を用いて説明する。
図5は、表示部7に表示された地図データ上の道路における一つのリンクnと、なぞり軌跡J(破線)の一例を示している。リンクnにおける所定の点Aから垂線を下ろし、当該垂線と交差するなぞり軌跡J上の座標を点B(x1、y1)とする。ここで、点Aと点Bを結ぶ線の距離を計算する(図4のステップS406に相当)ことによられる、最も短い線分の長さが最近接距離D(m)として算出される(図4のステップS407に相当)。
また、リンクnの方向が方向ベクトルαとして設定される。この方向ベクトルαは、例えば、地図上の所定方向(例えば北方向)を基準方向とした相対的な方向によってあらわすことができる。一方、なぞり軌跡点Jの点Bにおける接線方向が接線ベクトルβとして設定される。そして、方向ベクトルαと接線ベクトルβとがなす角度が、方位差θとして算出される(図4のステップS408に相当)。
再び図4に戻り、得られた最近接距離Dが所定距離Dmax以下であり、かつ方位差θが所定角度θmax(例えば30度)以下であれば(ステップS409;Y)、入力解析部25は、リンクnを近接リンクと判定し、抽出する。所定距離Dmaxは、地図の縮尺によって変更することが望ましい。
「D<Dmax」及び「θ<θmax」の条件を満たしたリンクは、近接リンクとして近接リンクリスト(図6)に登録される(ステップS410)。その際、最近接距離Dや地図縮尺度等も同時に近接リンクリストに登録される。入力解析部25は、リンク番号Nに1を加算し(ステップS411)、リンク番号N<リンク総数Pの状態、すなわちリンク番号Nがリンク総数Pより小さいときは、ステップS406からステップS410までの処理は繰り返される(ステップS412;N)。このとき、次の処理対象リンクがステップS409の近接リンクの条件を満たす場合は、図6の近接リンクリストに当該リンクが追加登録される(ステップS410)。
ステップS406からステップS410までの処理を繰り返すことにより、リンク番号N=リンク総数Pの状態、すなわちリンク番号Nがリンク総数Pと等しくなると、ステップS413に進む(ステップS412;Y)。これは、入力解析部25が、現在の地図における総てのリンクについて、ステップS406からステップS410までの処理を行ったことを意味する。
次いで、入力解析部25は、地図縮尺番号Scaleに1を加算し(ステップS413)、地図縮尺番号Scaleが地図縮尺総数Sと等しくなるまで、ステップS403からステップS413は繰り返される(ステップS414;N)。そして、地図縮尺番号Scaleが地図縮尺総数Sに等しくなったとき(ステップS414;Y)、総ての縮尺の地図についての処理が行われたこととなるので、入力解析部25は、入力解析処理を終了する。
図6は、図4の処理によって生成される近接リンクリストの一例を示す。近接リンクリストはテーブル型のデータベース構造であり、項目として、リンク番号、当該リンクが表示される地図のうち、最小の縮尺である最小縮尺地図の番号、最近接距離Dが少なくとも設定されている。本リストは、所定のなぞり軌跡に対する近接リストの総てをリスト化したものであり、記憶部24に記憶される。本例においては、近接リンク1は地図縮尺1の最詳細地図においてのみ表示され、なそり軌跡との距離にあたる最近接距離Dが30mであることが示されている。
図7は、図3のステップS5におけるコスト設定処理の一具体例を示すフローチャート図である。このコスト設定処理はコスト設定部26で行われる。コスト設定部26は、図6の近接リンクリストに登録された地図を地図縮尺毎に順に探索し、当該地図の近接リンク毎にコストを設定するステップである。
まず、コスト設定部26は、地図レベル総数を取得する。地図レベル総数は、近接リンクリストに登録された地図縮尺別の地図の総数であって、図4のステップを経て作成される図5の近接リンクリストの状況によって変動する変数Lとしてプログラム上で定義される(ステップS501)。地図縮尺毎の地図の区分けを番号で示す地図レベルと定義した上で、コスト設定部26は、近接リンクリストに存在する中で最大縮尺の地図の地図レベルをLayer(地図レベル)=0に設定する(ステップS502)。そして、地図レベルのうち、最大レベル(最大縮尺)の地図(最大縮尺地図)が最初に読み込まれる(ステップS503)。
次に、コスト設定部26は、読み込まれた最大レベルの地図において、近接リンクリストに登録された近接リンク総数Mを取得する(ステップS504)。ここでコスト設定部26は、後のステップS506とステップS507の処理の対象となっている特定の近接リンクを示すリンク番号Nについて、N=1を設定する(ステップS505)。リンク番号Nが1(N=1)は、ステップS506とステップS507の処理の対象となる最初のリンクのことを意味する。
さらにコスト設定部26は、処理対象のリンク番号Nが近接リンクリストに存在するか否かを検索する(ステップS506)。処理対象のリンク番号Nが近接リンクリストに存在すればステップS507に進み(ステップS506;Y)、存在しなければステップS508に進む(ステップS506;N)。コスト設定部26は、近接リンクリストに存在するリンク、すなわち近接リンクに対しては(ステップS506;Y)、その地図レベル、すなわち地図縮尺と、なぞり軌跡に対する最近接距離Dとに基づき、コストを設定する(ステップS507)。コストの設定は、図8に示すコストテーブルを参照して行われる(後述)。
さらにコスト設定部26は、リンク番号Nに1を加算する(ステップS508)。リンク番号N<近接リンク総数Mの状態、すなわちリンク番号Nが近接リンク総数Mより小さいときは、ステップS506とステップS507の処理は繰り返される(ステップS509;N)。
そして、ステップS506とステップS507の処理を繰り返すことにより、リンク番号N=近接リンク総数Mの状態、すなわちリンク番号Nが近接リンク総数Mと等しくなると、ステップS510に進む(ステップS509;Y)。これは、コスト設定部26が、現在の地図における総てのリンクについて、ステップS506とステップS507の処理を行ったことを意味する。
そして、コスト設定部26は、あらかじめ設定されたLayer(地図レベル)に1を加算する(ステップS510)。そして、地図レベルLayerが地図レベル総数Lと等しくなるまで、ステップS503からステップS509の処理は繰り返される(ステップS511;N)。そして、地図レベルLayerが地図レベル総数Lに等しくなったとき(ステップS511;Y)、総ての地図レベルLayerについての処理が行われたこととなるので、コスト設定部26は、コスト設定処理を終了する。
図8は、記憶部24に記憶されたコストテーブルの一例を示す構造図である。
コストテーブルには、項目として、なぞり操作時の地図縮尺、リンクが表示される最小地図縮尺、最近接距離Dの範囲、コストが設定登録されている。なぞり操作時の地図縮尺は、数値指標で与えられ、最大縮尺地図(最詳細地図)の縮尺を値1とし、最小縮尺地図の縮尺を値6(最広域地図)として設定されている。すなわち、値が大きいほど地図縮尺は小さくなる。リンクが表示される最小地図縮尺も数値指標で与えられ、特定の近接リンクが表示される最小の地図縮尺を表している。すなわち、値が大きいほど、より小さい地図縮尺の地図においても、当該特定の近接リンクは表示されることを示す。
最近接距離Dの範囲は、なぞり操作時の地図縮尺、リンクが表示される最小地図縮尺に対応して設定された最近接距離Dの適合範囲を示す。本例においては、該当する最近接距離Dの範囲は、一つのなぞり操作時の地図縮尺およびリンクが表示される最小地図縮尺の組み合わせに対して、三つの最近接距離Dの範囲が設定されている。ただし、一つのなぞり操作時の地図縮尺およびリンクが表示される最小地図縮尺の組み合わせに対する最近接距離Dの範囲の区分けの数は限定されない。
コストは任意単位として係数で設定され(例えば0.1〜0.9の数値)、なぞり操作時の地図縮尺と、リンクが表示される最小地図縮尺と、最近接距離Dの範囲との組み合わせの各々に対して、個別に設定されている。基本的に、なぞり操作時の地図縮尺における地図で表示されている近接リンクは相対的にコストが低く設定され、また、最近接距離Dが小さいほど(小さい範囲にあるほど)、相対的にコストが低く設定される。
重要なことは、なぞり操作時に表示されているリンクか、表示されていないリンクかによってコストが異なる値に設定されていることである。「なぞり操作時の地図縮尺≦リンクが表示される最小地図縮尺」の場合、必ず、当該リンクは画面上に表示され、そのコストは相対的に低く設定される。反対に、「なぞり操作時の地図縮尺>リンクが表示される最小地図縮尺」の場合、当該リンクはなぞり操作時に画面上に表示されず、そのコストは相対的に高く設定される。
例えば、最大縮尺地図(地図縮尺0の地図)のなぞり操作において、当該最大縮尺地図のみで表示されるリンク(図8の※1〜※3に該当するリンク)と、地図縮尺1の地図でも表示されるリンク(図8の※4〜※6に該当するリンク)のコストは同じ値に設定される。どちらのリンクも、なぞり操作時において必ず表示部7条に表示されているからである。
また、地図縮尺1の地図のなぞり操作において、最大縮尺地図(地図縮尺0の地図)のみで表示され、地図縮尺度1の地図では表示されないリンク(図8の※7〜※9に該当するリンク)のコストは0.7、0.8、0.9という相対的に高い値に設定される。一方、同じく地図縮尺1の地図のなぞり操作において、地図縮尺1または2でも表示されるリンク(図8の※10〜※15)のコストは0.1、0.3、0.5という相対的に低い値に設定される。※7〜※9に該当するリンクは、なぞり操作時において表示されないため、そのコストは、※10〜※15に該当するリンクのコストより大きく設定される。したがって、この場合、※7〜※9のリンクは、経路探索所処理(図3のステップS6)では選択され難くなる。
例えば、図5において、なぞり操作時に地図上に表示されていない見えないリンクK(一点破線参照)が存在すると仮定する。この見えないリンクKは、地図縮尺を大きくする(地図をより詳細に表示する)ことにより表示されるリンクである。なぞり操作時に指が多少ずれたなぞり軌跡Jがある場合、なぞり軌跡J上の点C(x2,y2)が見えないリンクKに近いため、従来技術においては経路探索において採用される恐れがある。一方、本実施形態においては、リンクKは近接リンクとして近接リンクリストに登録されるが、リンクnよりも高いコストが設定されるため、経路探索(図3のステップS6)では選択され難くなる。
すなわち、コスト設定部26は、少なくとも近接リンクが地図上に表示されているか否かを示す指標に基づき、近接リンクのコストを設定する。近接リンクが地図上に表示されているか否かを示す指標とは、コストテーブルにおけるなぞり操作時の地図縮尺と、リンクが表示される最小地図縮尺である。特にこの二つの関係が、「なぞり操作時の地図縮尺≦リンクが表示される最小地図縮尺」であるか、「なぞり操作時の地図縮尺>リンクが表示される最小地図縮尺」であるかによって、近接リンクのコストの値は異なるものとなる。
また、本例では、コスト設定部26は、上記指標のみならず、最近接距離Dをも考慮して近接リンクのコストを設定する。図8の※1〜※3に該当するリンクにおいて、なぞり操作時の地図縮尺とリンクが表示される最小地図縮尺が同じであっても、三つの範囲のうちどの最近接距離Dの範囲に属するかによって、コストは異なることとなる。
以上の過程を経て、コストの相対的に低い近接リンクのみが経路探索処理部27によって選択され、経路探索処理部27は選択された近接リンクに基づき、ダイクストラ法などの既存の方法を用いて最適経路を探索する(図3のステップS6)。画像処理部28は、経路探索処理部27で探索された最適経路を、地図に重畳して表示部7に表示する(図3のステップS7)。
上記の実施形態では、ナビゲーション装置1は、車両に搭載されているカーナビゲーションシステムに搭載されている。ただし、本発明のナビゲーション装置は、携帯電話やタブレット等の携帯端末等に搭載することも可能である。
尚、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数値、形態、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
本発明によれば、表示されていない経路を選択することを防止しつつ、ユーザが意図してなぞり操作を行った経路を最適経路として表示することが可能なナビゲーション装置が提供される。
1:ナビゲーション装置
2:制御部
3:GPS受信部
4:地図データベース
6:音声出力部
7:表示部
8:操作部
24:記憶部
25:入力解析部
26:コスト設定部
27:経路探索処理部
2:制御部
3:GPS受信部
4:地図データベース
6:音声出力部
7:表示部
8:操作部
24:記憶部
25:入力解析部
26:コスト設定部
27:経路探索処理部
Claims (4)
- 地図データが格納される地図データベースと、
前記地図データに基づき地図を表示する表示部と、
前記地図を表示した前記表示部に対するなぞり操作によるなぞり軌跡に基づいて、前記なぞり軌跡の近傍に存在する近接リンクを求める入力解析部と、
少なくとも前記近接リンクが前記地図上に表示されているか否かを示す指標に基づき、前記近接リンクのコストを設定するコスト設定部と、
前記コストに基づき、前記なぞり軌跡の出発地から目的地までの経路を探索する経路探索処理部と、
前記経路探索処理部により探索された前記経路を前記地図に重畳して前記表示部に表示する画像処理部と、
を備えるナビゲーション装置。 - 請求項1に記載のナビゲーション装置であって、
前記入力解析部は、前記なぞり軌跡と前記なぞり軌跡の近傍に存在するリンクとの最近接距離を算出するとともに、前記最近接距離が算出された地点における前記なぞり軌跡の接線ベクトルおよび前記リンクの方向ベクトルとの間の方位差を算出し、
前記入力解析部は、前記最近接距離および前記方位差が所定の値より小さい場合、前記リンクを近接リンクとして判定する、ナビゲーション装置。 - 請求項2に記載のナビゲーション装置であって、
前記コスト設定部は、前記指標および前記最近接距離に基づき、前記近接リンクのコストを設定する、ナビゲーション装置。 - 請求項3に記載のナビゲーション装置であって、
前記指標及び前記最近接距離に対応したコストを記録したコストテーブルをさらに備え、
当該コストテーブルにおいては、なぞり操作時に地図上に表示されている近接リンクのコストが相対的に低く設定されるとともに、なぞり操作時に地図上に表示されていない近接リンクのコストが相対的に高く設定され、
さらに当該コストテーブルにおいては、前記最近接距離が小さいほど近接リンクのコストが相対的に低く設定され、
前記コスト設定部は、前記近接リンクのコストを前記コストテーブルに基づき設定する、ナビゲーション装置。
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JP2016536620A (ja) * | 2013-10-31 | 2016-11-24 | トムトム ナビゲーション ベスローテン フエンノートシャップTomTom Navigation B.V. | 電子地図を用いてパスを決定する装置及び方法 |
JP2020076642A (ja) * | 2018-11-07 | 2020-05-21 | ヤフー株式会社 | 情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム |
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