JP7052902B2 - 緑色顔料着色樹脂組成物、カラーフィルタ、液晶表示装置及び有機el表示装置 - Google Patents
緑色顔料着色樹脂組成物、カラーフィルタ、液晶表示装置及び有機el表示装置 Download PDFInfo
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Description
装置に存する。
るいは予め所望のパターンの遮光層を形成した基板上に、着色感放射線組成物の塗膜を形
成して、所定のパターンを有するフォトマスクを介して放射線を照射(以下、「露光」と
いう。)し、現像して未露光部を溶解除去し、その後ポストベークすることにより、各色
の画素を得る方法が知られている。
度化と色再現領域の拡大が求められており、そのためカラーフィルタについても近年ます
ます高い光透過率と高い色純度を有することが要求されている。
こうした環境下、近年、緑色画素の高輝度化に関して、例えば、特許文献1及び2には
、特定の色相を有する亜鉛フタロシアニン緑色顔料が開示されている。
きやすく、また表示装置の表示ムラが生じ易いといった問題があった。また、得られる画
素の、輝度やコントラストを更に高くするとの要求があった。
特許文献3~5には、亜鉛フタロシアニン緑色顔料を使用した着色感放射線組成物は、
塗膜化するときに画素のカケが発生しやすく、直線性が得られにくいこと、また保管によ
る経時で、カケがさらに増大していく問題点について記載されている。
減する緑色顔料着色樹脂組成物を提供することを課題とする。
更に、本発明は、パターンの直線性に優れ、光漏れがなく色純度が高く、高輝度、高コ
ントラストであるカラーフィルタ、並びに該カラーフィルタを含む液晶表示装置及び有機
EL表示装置を提供することを課題とする。
成した際に、画素の欠けが、前記問題点の原因であることを見出した。
更に検討を重ねた結果、上記画素の欠けの、第一の原因としては、以下の理由によって
生じる、硬化性成分の量が不十分であることに起因することを見出した。
(1)ハロゲン化亜鉛フタロシアニン緑色顔料は、青色など他の色の顔料に比べ着色力が
弱い。その為、緑色顔料着色樹脂組成物中に含まれる顔料の含有量が、青色顔料着色樹脂
組成物などに比べて多くなる。
(2)また、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン緑色顔料は、分散安定性が低いため、緑色顔
料着色樹脂組成物中に含まれる分散剤や分散樹脂が多くなる。
まい、硬化が十分ではなくなる可能性が高くなる。
更に、第二の原因としては、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン緑色顔料は、400nm付
近以下の波長を遮断することである。この遮断により、緑色顔料着色樹脂組成物に含まれ
る光重合開始剤が、十分に機能していないことも要因の一つであることを見出した。
けの原因であることを見出したのである。
本発明者らは、これらの知見を基に、更なる検討を重ねた結果、緑色顔料着色樹脂組成
物に青色色素を含有することで、上記課題を解決することを見出して、本発明に到達した
。
及び(H)溶剤を含有し、更に、(D)青色色素を含有することを特徴とする、緑色顔料
着色樹脂組成物、カラーフィルタ、液晶表示装置及び有機EL表示装置に存する。
更に、本発明は、パターンの直線性に優れ、光漏れがなく色純度が高く、高輝度、高コ
ントラストであるカラーフィルタ、並びに該カラーフィルタを含む液晶表示装置及び有機
EL表示装置を提供することが可能となる。
であり、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。
なお、本発明において「(メタ)アクリル」、「(メタ)アクリレート」等は、「アク
リル及び/又はメタクリル」、「アクリレート及び/又はメタクリレート」等を意味する
ものとし、例えば「(メタ)アクリル酸」は「アクリル酸及び/又はメタクリル酸」を意
味するものとする。
色樹脂組成物の全成分を意味するものとする。
又、本発明において、「アミン価」とは、特に断りのない限り有効固形分換算のアミン
価を表し、分散剤の固形分1gあたりの塩基量と当量のKOHの重量で表される値である
。なお、測定方法については後述する。
意味する。
本発明の緑色顔料着色樹脂組成物は、(A)ハロゲン化亜鉛フタロシアニン緑色顔料、
(B)光重合開始剤及び(H)溶剤を含有し、更に、(D)青色色素を含有する緑色顔料
着色樹脂組成物である。
先ず、(A)ハロゲン化亜鉛フタロシアニン緑色顔料について説明する。
本発明の緑色顔料着色樹脂組成物では、(A)ハロゲン化亜鉛フタロシアニン緑色顔料
を含有する。
通常の亜鉛フタロシアニンは1分子中に16個の水素原子を有しており、これらの水素
原子を臭素原子又は塩素原子で置換したのがハロゲン化亜鉛フタロシアニン緑色顔料であ
り、本発明で好ましく使用されるのは臭素化亜鉛フタロシアニン緑色顔料である。
めて高い透過率を示し、カラーフィルタの緑色画素を形成するのに適している点から好ま
しい。更には、1分子中に臭素原子を13~16個有し、且つ1分子中に塩素を含まない
か又は平均3個以下有する臭素化亜鉛フタロシアニンが好ましく、特に1分子中に臭素原
子を平均14~16個有し、且つ1分子中に塩素原子を含まないか又は平均2個以下有す
る臭素化亜鉛フタロシアニンが好ましい。特に好ましくは、C.I.ピグメントグリーン
58である。
ニン緑色顔料については特開昭50-130816号公報等に開示されている公知の製造
方法で製造できる。例えば、芳香環の水素原子の一部又は全部が臭素の他、塩素等のハロ
ゲン原子で置換されたフタル酸やフタロニトリルを適宜出発原料として使用して、顔料を
合成する方法が挙げられる。この場合、必要に応じてモリブデン酸アンモニウム等の触媒
を用いてもよい。
らなる110~170℃程度の溶融物中で、亜鉛フタロシアニンを臭素ガスで臭素化する
方法が挙げられる。この方法においては、溶融塩中の塩化物と臭化物の比率を調節したり
、塩素ガスの導入量や反応時間を変化させたりすることによって、臭素含有量の異なる種
々の臭素化亜鉛フタロシアニンの比率を任意にコントロールすることができる。
鉛フタロシアニンが沈殿する。その後、ろ過、洗浄、乾燥等の後処理を行って、臭素化亜
鉛フタロシアニンを得る。
こうして得られた臭素化亜鉛フタロシアニンは、単独で使用してもよいが、臭素化率又
は塩素化率の異なる臭素化亜鉛フタロシアニンや、本発明の効果を損なわない範囲で、中
心金属が他の金属に置換された臭素化フタロシアニンなどと混合して用いることができる
。塩素化率及び臭素化率を変えることや、中心金属を変えることにより顔料としての色調
が変わり、再現できる色相のバリエーションが増える。
のハロゲン化銅フタロシアニンと混合してもよい。
ハロゲン化亜鉛フタロシアニンを含む緑色顔料の平均一次粒径は、通常0.1μm以下
、好ましくは0.04μm以下、より好ましくは0.03μm以下、さらに好ましくは0
.025μm以下であり、また通常0.005μm以上である。その他の顔料の平均一次
粒径も、上記と同様である。
性が低く、十分なコントラストと光透過率を有する画素を形成することができ、また下限
値以上とすることにより、分散安定性が良好で、十分な耐熱性・耐光性を担保した緑色顔
料着色樹脂組成物を得ることができる。
なお、顔料の平均一次粒径は次の方法で求めることができる。すなわち、顔料をクロロ
ホルム中に超音波分散し、コロジオン膜貼り付けメッシュ上に滴下して、乾燥させ、透過
型電子顕微鏡(TEM)観察により、顔料の一次粒子像を得る。この像から一次粒径を測
定し、下式の計算式の通り個数平均値を計算し平均粒径を求める。
円相当径として、複数個、通常200~300個程度の顔料粒子についてそれぞれ粒径を
求めた後、下式の計算式の通り個数平均値を計算し平均粒径を求める。
ボールミル、振動ミル、振動ボールミル等の粉砕機内で乾式摩砕し、ついで、ソルベント
ソルトミリング法やソルベントボイリング法等で顔料化することによって、透過率やコン
トラストの高い緑色を発色する臭素化亜鉛フタロシアニン緑色顔料が得られる。顔料化方
法には特に制限は無いが、容易に結晶成長を抑制でき、且つ比表面積の大きい顔料粒子が
得られる点でソルベントソルトミリング法を採用するのが好ましい。
摩砕することを意味する。具体的には、粗顔料と、無機塩と、それを溶解しない有機溶剤
とを混練機に仕込み、その中で混練摩砕を行う。この際の混練機としては、例えばニーダ
ーやミックスマーラー、もしくは、特開2006-77062号公報に記載されているよ
うな環状の固定円盤と同心の回転円盤の間隙部分の形成された粉砕空間を有する連続混練
機等が好適に使用される。
リウム、硫酸ナトリウム等の無機塩を用いることが好ましい。又、これら無機塩の粒子径
は0.5~50μmであることがより好ましい。このような無機塩は、通常の無機塩を微
粉砕することで容易に得られる。
本発明の緑色顔料着色樹脂組成物に含まれる、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン緑色顔料
の含有量は、全顔料中で、通常30~99.95重量%、好ましくは35~99.92重
量%、更に好ましくは38~99.9重量%である。
優れた、欠陥の少ない良好なカラーフィルタが得られる点で好ましい。
また、本発明の緑色顔料着色樹脂組成物は、顔料及び染料を含む色素として、前記ハロ
ゲン化亜鉛フタロシアニン緑色顔料の他に、後述の青色色素、並びに、必要に応じて黄色
色素、その他の色素を適宜含有していてもよい。
、好ましくは25~90重量%である。
上記範囲内であると、色濃度に対して膜厚が適度であり、液晶セル化の際のギャップ制
御が容易である。更に、分散安定性が高く、再凝集や増粘などが置き難いため好ましい。
本発明の緑色顔料着色樹脂組成物は、(B)光重合開始剤を含有する。光重合開始剤は
、通常、(B)光重合開始剤、及び必要に応じて添加される(B1)重合加速剤、(B2
)増感色素等の付加剤との混合物(光重合開始系)として用いられ、光を直接吸収し、或
いは光増感されて分解反応又は水素引き抜き反応を起こし、重合活性ラジカルを発生する
機能を有する成分である。
96号、特開昭61-151197号各公報等に記載のチタノセン誘導体類;特開平10
-300922号、特開平11-174224号、特開2000-56118号各公報等
に記載されるヘキサアリールビイミダゾール誘導体類;特開平10-39503号公報等
に記載のハロメチル化オキサジアゾール誘導体類、ハロメチル-s-トリアジン誘導体類
、N-フェニルグリシン等のN-アリール-α-アミノ酸類、N-アリール-α-アミノ
酸塩類、N-アリール-α-アミノ酸エステル類等のラジカル活性剤、α-アミノアルキ
ルフェノン誘導体類;特開2000-80068号公報等に記載のオキシムエステル系誘
導体類等が挙げられる。
)-4,5-ジフェニルイミダゾール2量体、2-(2’-クロロフェニル)-4,5-
ビス(3’-メトキシフェニル)イミダゾール2量体、2-(2’-フルオロフェニル)
-4,5-ジフェニルイミダゾール2量体、2-(2’-メトキシフエニル)-4,5-
ジフェニルイミダゾール2量体、(4’-メトキシフエニル)-4,5-ジフェニルイミ
ダゾール2量体等が挙げられる。
,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(4-メトキシナフチル)-4
,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(4-エトキシナフチル)-4
,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(4-エトキシカルボニルナフ
チル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン等が挙げられる。
チオ)フェニル〕-2-モルフォリノプロパン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメチル
アミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタノン-1、2-ベンジル-2-ジメチ
ルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)ブタン-1-オン、4-ジメチルアミノエ
チルベンゾエ-ト、4-ジメチルアミノイソアミルベンゾエ-ト、4-ジエチルアミノア
セトフェノン、4-ジメチルアミノプロピオフェノン、2-エチルヘキシル-1,4-ジ
メチルアミノベンゾエート、2,5-ビス(4-ジエチルアミノベンザル)シクロヘキサ
ノン、7-ジエチルアミノ-3-(4-ジエチルアミノベンゾイル)クマリン、4-(ジ
エチルアミノ)カルコン等が挙げられる。
フェニルチオ)フェニル〕-,2-(o-ベンゾイルオキシム)、エタノン,1-〔9-
エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル〕,1-(o-
アセチルオキシム)、等が挙げられる。
その他に、ベンゾインアルキルエーテル類、アントラキノン誘導体類;2-メチル-(
4’-メチルチオフェニル)-2-モルホリノ-1-プロパノン等のアセトフェノン誘導
体類、2-エチルチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン等のチオキサントン
誘導体類、安息香酸エステル誘導体類、アクリジン誘導体類、フェナジン誘導体類、アン
スロン誘導体類等も挙げられる。
誘導体類、オキシムエステル系誘導体類がより好ましい。特に、オキシムエステル系誘導
体類が好ましい。
必要に応じて用いられる(B1)重合加速剤としては、例えば、N,N-ジメチルアミ
ノ安息香酸エチルエステル等のN,N-ジアルキルアミノ安息香酸アルキルエステル類;
2-メルカプトベンゾチアゾール、2-メルカプトベンゾオキサゾール、2-メルカプト
ベンゾイミダゾール等の複素環を有するメルカプト化合物;脂肪族多官能メルカプト化合
物等のメルカプト化合物類等が挙げられる。
もよく、2種以上を併用してもよい。
また、必要に応じて感応感度を高める目的で、(B2)増感色素が用いられる。増感色
素は、画像露光光源の波長に応じて、適切なものが用いられるが、例えば特開平4-22
1958号、特開平4-219756号各公報等に記載のキサンテン系色素;特開平3-
239703号、特開平5-289335号各公報等に記載の複素環を有するクマリン系
色素;特開平3-239703号、特開平5-289335号各公報等に記載の3-ケト
クマリン系色素;特開平6-19240号公報等に記載のピロメテン系色素;特開昭47
-2528号、特開昭54-155292号、特公昭45-37377号、特開昭48-
84183号、特開昭52-112681号、特開昭58-15503号、特開昭60-
88005号、特開昭59-56403号、特開平2-69号、特開昭57-16808
8号、特開平5-107761号、特開平5-210240号、特開平4-288818
号各公報等に記載のジアルキルアミノベンゼン骨格を有する色素等が挙げられる。
本発明の緑色顔料着色樹脂組成物において、これらの光重合開始系の含有割合は、全固
形分中、通常0.1~40重量%、好ましくは0.2~30重量%、更に好ましくは0.
5~20重量%の範囲である。上記範囲内であると、露光光線に対する感度が良好で、ま
た未露光部分の現像液に対する溶解性が良好であるため好ましい。
本発明の緑色顔料着色樹脂組成物は、(H)溶剤を含有する。
本発明における(H)溶剤としては、緑色顔料着色樹脂組成物を構成する各成分を溶解
又は分散し、粘度が適当になるものであれば特に制限はないが、好ましくは沸点が100
~200℃、より好ましくは120~170℃の沸点である溶剤である。
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エ
チレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロ
ピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコール-モノt-ブチルエーテル
、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル
、メトキシメチルペンタノール、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレ
ングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、3-メ
チル-3-メトキシブタノール、トリプロピレングリコールモノメチルエーテルのような
グリコールモノアルキルエーテル類;
レングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレン
グリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテルのようなグリコ
ールジアルキルエーテル類;
ーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレング
リコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルア
セテート、メトキシブチルアセテート、3-メトキシブチルアセテート、メトキシペンチ
ルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコ
ールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテ
ート、3-メチル-3-メトキシブチルアセテートのようなグリコールアルキルエーテル
アセテート類;
、エチルイソブチルエーテル、ジヘキシルエーテルのようなエーテル類;
アセトン、メチルエチルケトン、メチルアミルケトン、メチルイソプロピルケトン、メ
チルイソアミルケトン、ジイソプロピルケトン、ジイソブチルケトン、メチルイソブチル
ケトン、シクロヘキサノン、エチルアミルケトン、メチルブチルケトン、メチルヘキシル
ケトン、メチルノニルケトンのようなケトン類;
ングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール
、グリセリンのような1価又は多価アルコール類;
n-ペンタン、n-オクタン、ジイソブチレン、n-ヘキサン、ヘキセン、イソプレン
、ジペンテン、ドデカンのような脂肪族炭化水素類;
ような脂環式炭化水素類;
ベンゼン、トルエン、キシレン、クメンのような芳香族炭化水素類;
アミルホルメート、エチルホルメート、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、酢酸
アミル、メチルイソブチレート、エチレングリコールアセテート、エチルプロピオネート
、プロピルプロピオネート、酪酸ブチル、酪酸イソブチル、イソ酪酸メチル、エチルカプ
リレート、ブチルステアレート、エチルベンゾエート、3-エトキシプロピオン酸メチル
、3-エトキシプロピオン酸エチル、3-メトキシプロピオン酸メチル、3-メトキシプ
ロピオン酸エチル、3-メトキシプロピオン酸プロピル、3-メトキシプロピオン酸ブチ
ル、γ-ブチロラクトンのような鎖状又は環状エステル類;
類;
ブチルクロライド、アミルクロライドのようなハロゲン化炭化水素類;
メトキシメチルペンタノンのようなエーテルケトン類;
アセトニトリル、ベンゾニトリルのようなニトリル類:
8ソルベント、アプコシンナー、ソーカルソルベントNo.1及びNo.2、ソルベッソ
#150、シェルTS28 ソルベント、カルビトール、エチルカルビトール、ブチルカ
ルビトール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、エチルセロソルブアセテート、メチ
ルセロソルブアセテート、ジグライム(いずれも商品名)などが挙げられる。
上記溶剤中、前述の本発明におけるハロゲン化亜鉛フタロシアニン緑色顔料などの溶剤
に対する分散性が良好である点から、グリコールアルキルエーテルアセテート類(グリコ
ールアルキルエーテルアセテート系溶剤)が好ましい。更に、緑色顔料着色樹脂組成物中
の各種構成成分の溶解性の点からプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートが
特に好ましい。
高い点からは、溶剤としてグリコールモノアルキルエーテル類を混合して使用することが
より好ましい。
(H)溶剤中のグリコールモノアルキルエーテル類の割合は、保存安定性が良好である
点で、5~50重量%が好ましく、5~30重量%がより好ましい。
ましい。この場合、前記沸点150℃以上の溶剤の含有量は、(H)溶剤全体に対して、
1~50重量%が好ましく、2~40重量%がより好ましく、3~30重量%が特に好ま
しい。
上記範囲内であると、乾燥速度が適当であるため、スリットノズル先端で色材成分等が
析出・固化しにくく、またカラーフィルタ製造工程での減圧乾燥のプロセスのタクト不良
・プリベークのピン跡などが生じ難いため好ましい。
ルアルキルエーテル類、鎖状又は環状エステル類などが挙げられる。
また、インクジェット法に用いる場合、高沸点溶剤を用いることが好ましい。これは、
ノズルから発せられるインクは、ノズルから発せられるインクは数~数十pLと非常に微
小であり、ノズル口周辺あるいは画素バンク内に着弾する前に、溶剤が蒸発してインクが
濃縮・乾固するのを防ぐためである。
好ましくは200℃以上、特に好ましくは220℃以上である。
前記180℃以上の溶剤の含有量は、(H)溶剤全体に対して、好ましくは50重量%
以上である。上記範囲内であると、インク液滴から、溶剤が蒸発することを防止する効果
が十分であるため好ましい。
損わない限り特に制限はないが、通常75重量%以上、好ましくは80重量%以上、更に
好ましくは82重量%以上、また、通常99重量%以下である。
上記範囲内であると、緑色顔料着色樹脂組成物が、塗布に適した粘性を有し、良好に塗
膜を形成することが可能である点で好ましい。
本発明における(D)青色色素としては、青色顔料であってもよく、また青色染料であ
ってもよいが、着色力が良好な点で青色顔料であることが好ましい。また青色顔料として
は、本発明の効果を損わない限り特に制限はなく、公知の材料を用いることが可能である
。
青色顔料に該当する化合物として、C.I.ピグメントブルー15:6、15:1、1
5:2、15:3、15:4、15:5、1、1:2、9、14、19、25、27、2
8、29、33、35、36、56、56:1、60、61、61:1、62、63、6
6、67、68、71、72、73、74、75、76、78、79等のようなカラーイ
ンデックス(C.I.)番号が付されているものを挙げることができる。
り具体的には、C.I.ピグメントブルー15:1、15:2、15:3、15:4、1
5:5、15:6、16、17:1等があげられる。
特に、短波長領域において透過領域を有する銅フタロシアニン青色顔料であることが好
ましい。より具体的には、本発明における青色色素は、下記式(1-I)で表される化合
物であることが好ましい。
Rは、各々独立に、水素原子、又はハロゲン原子を表し、(B)光重合開始剤が励起す
る波長を良好に透過しやすい点から全て水素原子であることが特に好ましい。
中でもC.I.ピグメントブルー15:6が最も好ましい。又、本発明の緑色顔料着色
樹脂組成物に用いるフタロシアニン青色顔料は、1種類を単独で使用しても、複数種を併
用してもよい。
に記載の態様と同様である。好ましい態様も同様である。
本発明の緑色顔料着色樹脂組成物に含まれる、青色色素の含有量は、全色素中で、通常
0.05~2.0重量%、好ましくは0.08~1.5重量%、更に好ましくは0.1~
1.0重量%である。
上記範囲内であると、輝度が十分で、得られる画素の欠けが少なく、パターン直線性に
優れた、欠陥の少ない良好なカラーフィルタが得られる点で好ましい。
本発明の緑色顔料着色樹脂組成物は、より良好な緑色の色調を呈するために、(E)黄
色色素を含むことが好ましい。
更に、本発明における(E)黄色色素としては、黄色顔料であってもよく、また黄色染
料であってもよいが、着色力が良好な点で黄色顔料であることが好ましい。
ゾ系金属錯体、アゾメチン系、ピラゾロン系、キノフタロン系、イソインドリン系、イソ
インドリノン系、フラバトロン系が挙げられ、中でも透過性及びコントラストに優れる点
で、アゾ系、キノフタロン系、イソインドリン系が好ましい。
黄色顔料としての好ましい具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるもので
はない。
黄色顔料としては、ニッケルアゾ錯体、C.I.ピグメントイエロー1、1:1、2、
3、4、5、6、9、10、12、13、14、16、17、20、24、31、32、
34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、41、42、43、4
8、53、55、61、62、62:1、63、65、73、74、75,81、83、
86、87、93、94、95、97、100、101、104、105、108、10
9、110、111、116、117、119、120、125、126、127、12
7:1、128、129、133、134、136、137、138、139、142、
147、148、150、151、153、154、155、157、158、159、
160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、
170、172、173、174、175、176、180、181、182、183、
184、185、188、189、190、191、191:1、192、193、19
4、195、196、197、198、199、200、202、203、204、20
5、206、207、208が挙げられる。この中でも、好ましくはニッケルアゾ錯体、
C.I.ピグメントイエロー83、117、129、138、139、150、154、
155、180、185、更に好ましくはニッケルアゾ錯体、C.I.ピグメントイエロ
ー83、138、139、150、180が挙げられる。
に記載の態様と同様である。好ましい態様も同様である。
本発明の緑色顔料着色樹脂組成物に含まれる、黄色色素の全色素中の含有量は、通常0
.05~70重量%、好ましくは0.08~65重量%、更に好ましくは0.1~62重
量%である。
上記範囲内であると、色調整が良好に行える点で好ましい。
前記した通り、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン緑色顔料を用いて画素を形成した場合、
画素の欠けの原因は、硬化性成分が少ない上に、開始剤が十分に機能していないことによ
る。開始剤が十分機能しない理由は以下の通り推測する。
下であることが好ましい。しかしながら、汎用の露光光源である高圧水銀灯はh線、g線
を放射し、高感度化のために400nmを超える波長領域に、吸収波長がある開始剤が用
いられる。
しかしながら、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン緑色顔料は、400nm付近の透過率が
低い。その為、感度を高くした光重合開始剤などは、光を吸収することによるラジカル化
がしにくくなってしまう。
やすくなる。つまり、青色色素を組成物中に含むことで光重合開始剤が十分に機能するこ
とで、硬化性成分が少なかったとしても、形成する画素を十分に硬化でき、得られる画素
の欠けが少なくなる。
更に、黄色顔料を含むことで、緑色の色度を呈することが可能となり、前記ハロゲン化
亜鉛フタロシアニン緑色顔料の含有量を、得られる画素の欠けを低減できる程度に減らせ
ることができる。
本発明における(F)分散剤は、顔料が分散し、安定を保つことができれば特に種類を
問わない。例えば、カチオン系、アニオン系、ノニオン系や両性等の分散剤を使用するこ
とができるが、ポリマー分散剤が好ましい。具体的には、変性アクリル系共重合体、アク
リル系共重合体、ポリウレタン、ポリエステル、高分子共重合体のアルキルアンモニウム
塩又はリン酸エステル塩、カチオン性櫛型グラフトポリマー等を挙げることができる。こ
れら分散剤の中で、変性アクリル系共重合体、ポリウレタン、カチオン性櫛型グラフトポ
リマーが好ましい。特に変性アクリル系共重合体が好ましく、この中でも親溶剤性を有す
るAブロック及び窒素原子を含む官能基を有するBブロックからなるブロック共重合体か
らなり、そのアミン価が80mgKOH/g以上150mgKOH/g以下(有効固形分
換算)であるものが特に好ましい。より好ましくは100~140mgKOH/gである
。
中でも、特開2009-025813号公報に記載の(メタ)アクリル系ブロック共重
合体が好ましい。
アクリル系ブロック共重合体は、(A)顔料を極めて効率よく分散できる。これは、分
子配列が制御されていることにより、分散剤が顔料に吸着する際に障害となる構造が少な
いためと推察される。
なるABブロック、及び/又はABAブロック共重合体であることが好ましい。
前記アクリル系ブロック共重合体を構成するBブロックは、アミノ基を有し、アミノ基
は、好ましくは-NR41R42(但し、R41及びR42は、各々独立に、置換基を有していて
もよい環状又は鎖状のアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、又は置換基を
有していてもよいアラルキル基を表す。)で表わされ、これを含む部分構造として好まし
いものは、例えば下記式で表される。
キレン基であり、R44は水素原子又はメチル基を表す。) 中でも、R41及びR42はメチ
ル基が好ましく、R43はメチレン基、またはエチレン基が好ましく、R44はメチル基であ
るのが好ましい。このような化合物として下記式で表される部分構造が挙げられる。
いてもよい。その場合、2種以上のアミノ基含有部分構造は、該Bブロック中においてラ
ンダム共重合又はブロック共重合の何れの態様で含有されていてもよい。また、本発明の
効果を損なわない範囲で、アミノ基を含有しない部分構造が、Bブロック中に一部含まれ
ていてもよく、そのような部分構造の例としては、(メタ)アクリル酸エステル系モノマ
ー由来の部分構造等が挙げられる。
ロックを構成するモノマーと共重合しうるモノマーから成るものであれば、特に制限は無
い。
Aブロックとしては、例えば、スチレン系モノマー、(メタ)アクリル酸エステル系モ
ノマー、(メタ)アクリル酸塩系モノマー、酢酸ビニル系モノマー、グリシジルエーテル
系モノマー等のコモノマーを共重合させたポリマー構造が挙げられる。
クとBブロックとからなるABブロック又はABAブロック共重合型高分子化合物である
。中でもABブロック共重合体が好ましい。このようなブロック共重合体は、例えばリビ
ング重合法にて調製される。
リビング重合法にはアニオンリビング重合法、カチオンリビング重合法、ラジカルリビ
ング重合法がある。具体的には、例えば特開2007-270147号公報に記載の方法
が挙げられる。
gあたりの塩基量と当量のKOHの重量で表し、次の方法により測定する。100mLの
ビーカーに分散剤試料の0.5~1.5gを精秤し、50mLの酢酸で溶解する。pH電
極を備えた自動滴定装置を使って、この溶液を0.1mol/L HClO4酢酸溶液に
て中和滴定する。滴定pH曲線の変曲点を滴定終点とし次式によりアミン価を求める。
(但し、W:分散剤試料秤取量[g]、V:滴定終点での滴定量[mL]、S:分散剤試
料の固形分濃度[wt%]を表す。)
また、このブロック共重合体の酸価は、該酸価の元となる酸性基の有無及び種類にもよ
るが、低い方が好ましく、通常50mgKOH/g以下、好ましくは40以下、より好ま
しくは30以下である。
少なくなる。この場合、前記共重合体からなる分散剤は、他の分散剤よりも効果が大きく
好適に用いられる。
本発明における分散剤は、緑色顔料着色樹脂組成物中の顔料全量に対し、好ましくは5
~200重量%、更に好ましくは10~100重量%程度使用する。
を含んでいてもよい。その他の分散剤としては、例えば、例えば特開2006-3436
48号公報に記載のものが挙げられる。
本発明の緑色顔料着色樹脂組成物には、分散助剤を含有していてもよい。ここでいう分
散助剤は、顔料誘導体であってもよく、顔料誘導体としては、例えば特開2001-22
0520号公報、特開2001-271004号公報、特開2002-179976号公
報、特開2007-113000号公報、及び特開2007-186681号公報等に記
載の各種化合物等を使用することができる。
に対して通常0.1重量%以上、又、通常30重量%以下、好ましくは20重量%以下、
より好ましくは10重量%以下、更に好ましくは5重量%以下である。添加量を上記の範
囲に制御することにより、分散助剤としての効果が発揮され、又、分散性及び分散安定性
がより良好である点で好ましい。
更にその他の分散助剤を含有する場合も、分散助剤の添加量の合計が上記範囲内となる
ようにする。
本発明の緑色顔料着色樹脂組成物には、後述する(C)バインダー樹脂もしくはその他
のバインダー樹脂から選ばれた樹脂の一部又は全部を下記の分散樹脂として含有していて
もよい。
(C)バインダー樹脂を含有させることにより、該(C)バインダー樹脂が、(F)分散
剤との相乗効果で(A)ハロゲン化亜鉛フタロシアニン緑色顔料、及びその他の顔料の分
散安定性に寄与する。結果として(F)分散剤の添加量を減らせる可能性があるため好ま
しい。又、現像性が向上し、基板の非画素部に未溶解物が残存せず、画素の基板への密着
性が向上する、といった効果も奏するため好ましい。
とがある。分散樹脂は、顔料分散液中の顔料全量に対して0~200重量%程度使用する
ことが好ましく、10~100重量%程度使用することがより好ましい。
分散樹脂としては、後述する各種(C)バインダー樹脂を使用することができる。
分散樹脂の酸価は0.5mgKOH/g以上が好ましく、1mgKOH/g以上がより
好ましく、5mgKOH/g以上が最も好ましく、また300mgKOH/g以下が好ま
しく、200mgKOH/g以下がより好ましく、150mgKOH/g以下が最も好ま
しい。酸価を上記の範囲に制御することにより、アルカリ現像性が良好となり、合成上等
においても、取り扱いやすくなる。
上が好ましく、1500以上がより好ましく、2000以上が最も好ましく、また200
000以下が好ましく、50000以下がより好ましく、30000以下が最も好ましい
。分子量を上記の範囲に制御することにより、アルカリ現像性が良好となり、又、分散安
定性が低下するのを防ぐこともできる。
(C)バインダー樹脂は、硬化手段により好ましい樹脂は異なる。
本発明の着色樹脂組成物が光重合性樹脂組成物である場合、(C)バインダー樹脂とし
ては、例えば特開平7-207211号、特開平8-259876号、特開平10-30
0922号、特開平11-140144号、特開平11-174224号、特開2000
-56118号、特開2003-233179号などの各公報等に記載される高分子化合
物を使用することができるが、中でも好ましくは下記(C-1)~(C-5)の樹脂など
が挙げられる。
共重合体に対し、該共重合体が有するエポキシ基の少なくとも一部に不飽和一塩基酸を付
加させてなる樹脂、又は該付加反応により生じた水酸基の少なくとも一部に多塩基酸無水
物を付加させて得られる、アルカリ可溶性樹脂(以下、「樹脂(C-1)」と称す場合が
ある。)
(C-2)」と称す場合がある。)
(C-3):前記樹脂(C-2)のカルボキシル基部分に、エポキシ基含有不飽和化合
物を付加させた樹脂(以下「樹脂(C-3)」と称す場合がある。)
(C-4):(メタ)アクリル系樹脂(以下、「樹脂(C-4)」と称す場合がある。
)
(C-5):カルボキシル基を有するエポキシアクリレート樹脂(以下「樹脂(C-5
)と称す場合がある。)
尚、樹脂(C-2)~(C-5)は、アルカリ性の現像液によって溶解され、目的とす
る現像処理が遂行される程度に溶解性を有するものであれば何でもよく、各々、特開20
09-025813号公報に同項目として記載のものと同様である。好ましい態様も同様
である。
共重合体に対し、該共重合体が有するエポキシ基の少なくとも一部に不飽和一塩基酸を付
加させてなる樹脂、或いは該付加反応により生じた水酸基の少なくとも一部に多塩基酸無
水物を付加させて得られるアルカリ可溶性樹脂
樹脂(C-1)の特に好ましい樹脂の一つとして、エポキシ基含有(メタ)アクリレー
ト5~90モル%と、他のラジカル重合性単量体10~95モル%との共重合体に対し、
該共重合体が有するエポキシ基の10~100モル%に不飽和一塩基酸を付加させてなる
樹脂、或いは該付加反応により生じた水酸基の10~100モル%に多塩基酸無水物を付
加させて得られるアルカリ可溶性樹脂が挙げられる。
リレート、3,4-エポキシブチル(メタ)アクリレート、(3,4-エポキシシクロヘ
キシル)メチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリ
シジルエーテル等が例示できる。中でもグリシジル(メタ)アクリレートが好ましい。こ
れらのエポキシ基含有(メタ)アクリレートは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併
用してもよい。
しては、本発明の効果を損わない限り特に制限はなく、例えば、ビニル芳香族類、ジエン
類、(メタ)アクリル酸エステル類、(メタ)アクリル酸アミド類、ビニル化合物類、不
飽和ジカルボン酸ジエステル類、モノマレイミド類などが挙げられるが、特に下記式(7
)で表される構造を有するモノ(メタ)アクリレートが好ましい。
は、「他のラジカル重合性単量体」に由来する繰返し単位中、5~90モル%含有するも
のが好ましく、10~70モル%含有するものが更に好ましく、15~50モル%含有す
るものが特に好ましい。
構造を示す。
を示す。尚、R96とR98とが、互いに連結して環を形成していてもよい。
R96とR98が連結して形成される環は、脂肪族環であるのが好ましく、飽和又は不飽和
のいずれでもよく、更に炭素数は5~6であることが好ましい。
中でも、式(8)で表される構造中、特に下記構造式(8a)、(8b)、又は(8c
)で表されるものが好ましい。
用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記式(8)で表される構造を有するモノ(メタ)アクリレート以外の、「他のラジカ
ル重合性単量体」としては、着色樹脂組成物に優れた耐熱性及び強度を向上しうる点で、
スチレン、(メタ)アクリル酸-n-ブチル、(メタ)アクリル酸-tert-ブチル、
(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボロニル、(メタ)アクリ
ル酸アダマンチル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸-2-ヒドロキシ
エチル、N-フェニルマレイミド、N-シクロヘキシルマレイミド、が挙げられる。
~70モル%であるものが好ましく、3~50モル%であるものが更に好ましい。
尚、前記エポキシ基含有(メタ)アクリレートと、前記他のラジカル重合性単量体との
共重合反応には、公知の溶液重合法が適用される。
本発明において、前記エポキシ基含有(メタ)アクリレートと前記他のラジカル重合性
単量体との共重合体としては、エポキシ基含有(メタ)アクリレートに由来する繰返し単
位5~90モル%と、他のラジカル重合性単量体に由来する繰返し単位10~95モル%
と、からなるものが好ましく、前者20~80モル%と、後者80~20モル%とからな
るものが更に好ましく、前者30~70モル%と、後者70~30モル%とからなるもの
が特に好ましい。
、また、耐熱性や強度が十分であるため好ましい。
上記の様に合成された、エポキシ基含有共重合体のエポキシ基部分に、不飽和一塩基酸
(重合性成分)と、更に多塩基酸無水物(アルカリ可溶性成分)とを反応させる。
ここで、エポキシ基に付加させる不飽和一塩基酸としては、公知のものを使用すること
ができ、例えば、エチレン性不飽和二重結合を有する不飽和カルボン酸が挙げられる。
、α-位がハロアルキル基、アルコキシル基、ハロゲン原子、ニトロ基、又はシアノ基な
どで置換された(メタ)アクリル酸等のモノカルボン酸等が挙げられる。中でも好ましく
は(メタ)アクリル酸である。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用して
もよい。
与することができる。
これらの不飽和一塩基酸は、通常、前記共重合体が有するエポキシ基の10~100モ
ル%に付加させるが、好ましくは30~100モル%、より好ましくは50~100モル
%に付加させる。前記範囲内であると、着色樹脂組成物の経時安定性に優れるため好まし
い。尚、共重合体のエポキシ基に不飽和一塩基酸を付加させる方法としては、公知の方法
を採用することができる。
させる多塩基酸無水物としては、公知のものが使用できる。
例えば、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水イタコン酸、無水フタル酸、テトラヒド
ロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水クロレンド酸等の二塩基酸無水物;無
水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、ビフ
ェニルテトラカルボン酸無水物等の三塩基以上の酸の無水物が挙げられる。中でも、無水
コハク酸及びテトラヒドロ無水フタル酸が好ましい。これらの多塩基酸無水物は1種を単
独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
溶性を付与することができる。
これらの多塩基酸無水物は、通常、前記共重合体が有するエポキシ基に、不飽和一塩基
酸を付加させることにより生じる水酸基の10~100モル%に付加させるが、好ましく
は20~90モル%、より好ましくは30~80モル%に付加させる。
尚、当該水酸基に多塩基酸無水物を付加させる方法としては、公知の方法を採用すること
ができる。
更に、光感度を向上させるために、前述の多塩基酸無水物を付加させた後、生成したカ
ルボキシル基の一部にグリシジル(メタ)アクリレートや重合性不飽和基を有するグリシ
ジルエーテル化合物を付加させてもよい。このような樹脂の構造に関しては、例えば特開
平8-297366号公報や特開2001-89533号公報に記載されている。
ー)で測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、3000~100000
が好ましく、5000~50000が特に好ましい。分子量が3000未満であると、耐
熱性や膜強度に劣る可能性があり、100000を超えると現像液に対する溶解性が不足
する傾向がある。また、分子量分布の目安として、重量平均分子量(Mw)/数平均分子
量(Mn)の比は、2.0~5.0が好ましい。
しくは15~150mg-KOH/g、更に好ましくは25~100mg-KOH/gで
ある。
上記範囲内であると、現像液に対する溶解性が良好で、また膜荒れなどが生じ難いため
好ましい。
しくは1~60重量%である。
上記範囲内であると、基板への密着性が良好であり、また露光部への現像液の浸透性が
適度で、画素の表面平滑性や感度が良好である点で好ましい。
本発明の緑色顔料着色樹脂組成物は、(G)重合性モノマーを含有することが好ましい
。(G)重合性モノマーは、重合可能な低分子化合物であれば特に制限はないが、エチレ
ン性二重結合を少なくとも1つ有する付加重合可能な化合物(以下、「エチレン性化合物
」と言う場合がある。)が好ましい。
、前記光重合開始系の作用により付加重合し、硬化するようなエチレン性二重結合を有す
る化合物である。尚、本発明における(G)重合性モノマーは、いわゆる高分子物質に相
対する概念を意味し、狭義の単量体以外に二量体、三量体、オリゴマーも包含する。
酸等の不飽和カルボン酸;モノヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステル;脂肪
族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステル;芳香族ポリヒドロキシ化合物
と不飽和カルボン酸とのエステル;不飽和カルボン酸と多価カルボン酸及び前述の脂肪族
ポリヒドロキシ化合物、芳香族ポリヒドロキシ化合物等の多価ヒドロキシ化合物とのエス
テル化反応により得られるエステル;ポリイソシアネート化合物と(メタ)アクリロイル
基含有ヒドロキシ化合物とを反応させたウレタン骨格を有するエチレン性化合物;等が挙
げられる。
コールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリ
メチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アク
リレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(
メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリ
スリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリ
レート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)ア
クリレート等の(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。また、これら(メタ)アクリ
ル酸エステルの(メタ)アクリル酸部分を、イタコン酸部分に代えたイタコン酸エステル
、クロトン酸部分に代えたクロトン酸エステル、或いは、マレイン酸部分に代えたマレイ
ン酸エステル等が挙げられる。
ンジ(メタ)アクリレート、レゾルシンジ(メタ)アクリレート、ピロガロールトリ(メ
タ)アクリレート等が挙げられる。
不飽和カルボン酸と多価カルボン酸及び多価ヒドロキシ化合物とのエステル化反応によ
り得られるエステルは、必ずしも単一物ではなく、混合物であってもよい。代表例として
は、(メタ)アクリル酸、フタル酸、及びエチレングリコールの縮合物;(メタ)アクリ
ル酸、マレイン酸、及びジエチレングリコールの縮合物;(メタ)アクリル酸、テレフタ
ル酸、及びペンタエリスリトールの縮合物;(メタ)アクリル酸、アジピン酸、ブタンジ
オール、及びグリセリンの縮合物等が挙げられる。
せたウレタン骨格を有するエチレン性化合物としては、ヘキサメチレンジイソシアネート
、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート;シクロヘキ
サンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネート;トリ
レンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート
と、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシ〔1,1,1-トリ(
メタ)アクリロイルオキシメチル〕プロパン等の(メタ)アクリロイル基含有ヒドロキシ
化合物との反応物が挙げられる。
クリルアミド等の(メタ)アクリルアミド類;フタル酸ジアリル等のアリルエステル類;
ジビニルフタレート等のビニル基含有化合物等が挙げられる。
これらの中では脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステルが好まし
く、ペンタエリスリトール又はジペンタエリスリトールの(メタ)アクリル酸エステルが
より好ましく、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが特に好ましい。
ーとしては、例えば、脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステルであ
り、脂肪族ポリヒドロキシ化合物の未反応のヒドロキシル基に非芳香族カルボン酸無水物
を反応させて酸基を持たせた多官能単量体が好ましく、特に好ましくは、このエステルに
おいて、脂肪族ポリヒドロキシ化合物がペンタエリスリトール及び/又はジペンタエリス
リトールであるものである。
しいことから、2種以上の混合物を使用してもよい。
また、必要に応じて(G)重合性モノマーとして酸基を有しない多官能モノマーと酸基
を有する多官能モノマーを併用してもよい。
酸基を有する多官能モノマーの好ましい酸価としては、0.1~40mg-KOH/g
であり、特に好ましくは5~30mg-KOH/gである。
。更に、光重合性能が落ち難く、画素の表面平滑性等の硬化性が良好であるため好ましい
。
本発明において、より好ましい酸基を有する多官能モノマーは、例えば、ジペンタエリ
スリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタ
エリスリトールペンタアクリレートのコハク酸エステルを主成分とする混合物である。こ
の多官能モノマーと他の多官能モノマーを組み合わせて使用することもできる。
は、全固形分中、通常1重量%以上、好ましくは5重量%以上、更に好ましくは10重量
%以上であり、また、通常80重量%以下、好ましくは70重量%以下、更に好ましくは
50重量%以下、特に好ましくは40重量%以下である。
また、(G)重合性モノマーの全色材、つまり(A)ハロゲン化亜鉛フタロシアニン緑
色顔料、(D)青色色素、(E)黄色色素、及びその他の色素の総量に対する比率は、通
常1重量%以上、好ましくは5重量%以上、更に好ましくは10重量%以上、特に好まし
くは20重量%以上であり、また、通常200重量%以下、好ましくは150重量%以下
、更に好ましくは110重量%以下である。
の断面が逆テーパー形状になり難く、更に溶解性低下による剥離現象・抜け不良が置き難
いため好ましい。
本発明において、緑色顔料着色樹脂組成物は、適宜の方法により調製することができる
が、例えば、前記(A)ハロゲン化亜鉛フタロシアニン緑色顔料、(B)光重合開始剤、
(H)溶剤、(D)青色色素及びその他の添加剤と共に混合することで調製できる。
より好ましい調製方法としては、(A)ハロゲン化亜鉛フタロシアニン緑色顔料、及び
その他の顔料(青色顔料、黄色顔料を含む)を溶剤中、(F)分散剤及び必要に応じて添
加する分散助剤の存在下で、場合により(C)バインダー樹脂の一部と共に、例えば、ペ
イントシェイカー、サンドグラインダー、ボールミル、ロールミル、ストーンミル、ジェ
ットミル、ホモジナイザー等を用いて、粉砕しつつ混合・分散して着色分散液を調製する
。該着色分散液に、(B)光重合開始剤、(C)バインダー樹脂、必要に応じて、(G)
重合性モノマーなどの添加剤を添加し、混合することにより調製する方法を挙げることが
できる。
本発明の緑色顔料着色樹脂組成物は、通常、すべての構成成分が溶剤中に溶解又は分散
された状態である。この緑色顔料着色樹脂組成物が基板上へ供給され、カラーフィルタや
液晶表示装置、有機EL表示装置などの構成部材が形成される。
以下、本発明の緑色顔料着色樹脂組成物の応用例として、カラーフィルタとしての応用
、及びそれらを用いた液晶表示装置(パネル)及び有機EL表示装置について、説明する
。
本発明のカラーフィルタは、本発明の緑色顔料着色樹脂組成物から形成された画素を備
えるものである。
以下に、本発明のカラーフィルタを形成する方法について説明する。
カラーフィルタの画素は、様々な方法で形成することができる。ここでは光重合性の緑
色顔料着色樹脂組成物を使用してフォトリソグラフィ法にて形成する場合を例に説明する
が、製造方法はこれに限定されるものではない。
マトリックスを形成し、この基板上に、本発明の緑色顔料着色樹脂組成物を塗布したのち
、プレベークを行って溶剤を蒸発させ、塗膜を形成する。次いで、この塗膜にフォトマス
クを介して露光したのち、アルカリ現像液を用いて現像して、塗膜の未露光部を溶解除去
し、その後ポストベークすることにより、赤色、緑色、青色の各画素パターンを形成して
、カラーフィルタを作製することができる。
特に限定されないが、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリカーボ
ネート系樹脂、アクリル系樹脂、熱可塑性樹脂製シート、エポキシ樹脂、熱硬化性樹脂、
各種ガラスなどが挙げられる。
また、これらの基板には、所望により、シランカップリング剤やウレタン系樹脂などに
よる薄膜形成処理、コロナ放電処理やオゾン処理などの表面処理等、適宜前処理を施して
もよい。
ーコート法、スリット・アンド・スピン法、ダイコート法、ロールコート法、スプレーコ
ート法等が挙げられる。中でも、スリット・アンド・スピン法、及びダイコート法が好ま
しい。
塗布膜の厚さは、乾燥後の膜厚として、通常、0.2~20μm、好ましくは0.5~
10μm、特に好ましくは0.8~5.0μmである。
また所望の色発現がし易い点で好ましい。
画素を形成する際に使用される放射線としては、例えば、可視光線、紫外線、遠紫外線
、電子線、X線等を使用することができるが、波長が190~450nmの範囲にある放
射線が好ましい。
限定されるものではないが、例えば、キセノンランプ、ハロゲンランプ、タングステンラ
ンプ、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、中圧水銀灯、低圧水銀灯、カ
ーボンアーク、蛍光ランプ等のランプ光源;アルゴンイオンレーザー、YAGレーザー、
エキシマレーザー、窒素レーザー、ヘリウムカドミニウムレーザー、半導体レーザー等の
レーザー光源等が挙げられる。特定の波長の光を照射して使用する場合には、光学フィル
ターを利用することもできる。
液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリ
ウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、珪酸ナトリウム、珪酸カ
リウム、メタ珪酸ナトリウム、燐酸ナトリウム、燐酸カリウム、燐酸水素ナトリウム、燐
酸水素カリウム、燐酸二水素ナトリウム、燐酸二水素カリウム、水酸化アンモニウム等の
無機アルカリ性化合物;モノ-・ジ-・又はトリ-エタノールアミン、モノ-・ジ-・又
はトリ-メチルアミン、モノ-・ジ-・又はトリ-エチルアミン、モノ-・又はジ-イソ
プロピルアミン、n-ブチルアミン、モノ-・ジ-・又はトリ-イソプロパノールアミン
、エチレンイミン、エチレンジイミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMA
H)、コリン等の有機アルカリ性化合物等の水溶液が好ましい。
ルセロソルブ、ブチルセロソルブ、フェニルセロソルブ、プロピレングリコール、ジアセ
トンアルコール等の水溶性有機溶剤や界面活性剤等を適量添加することもできる。なお、
アルカリ現像後は、通常、水洗する。
現像処理法としては、浸漬現像法、スプレー現像法、ブラシ現像法、超音波現像法等の
何れかの方法によることができる。現像条件は、室温(23℃)で5~300秒が好まし
い。
、更には20℃以上、また、通常50℃以下、中でも45℃以下、更には40℃以下の範
囲が好ましい。
現像方法は、浸漬現像法、スプレー現像法、ブラシ現像法、超音波現像法等の何れかの
方法によることができる。
まの状態で画像上にITO等の透明電極を形成して、カラーディスプレー、液晶表示装置
等の部品の一部として使用されるが、表面平滑性や耐久性を高めるため、必要に応じ、画
像上にポリアミド、ポリイミド等のトップコート層を設けることもできる。また、一部、
平面配向型駆動方式(IPSモード)等の用途においては、透明電極を形成しないことも
ある。また、垂直配向型駆動方式(MVAモード)では、リブを形成することもある。ま
た、ビーズ散布型スペーサに代わり、フォトリソによる柱構造(フォトスペーサー)を形
成することもある。
本発明の液晶表示装置は、上述の本発明のカラーフィルタを用いたものである。本発明
の液晶表示装置の型式や構造については特に制限はなく、本発明のカラーフィルタを用い
て常法に従って組み立てることができる。
例えば、「液晶デバイスハンドブック」(日刊工業新聞社、1989年9月29日発行
、日本学術振興会第142委員会著)に記載の方法で、本発明の液晶表示装置を形成する
ことができる。
本発明のカラーフィルタを含む有機EL表示装置を作成する場合、例えば図1に示すよ
うに、透明支持基板10上に、本発明の緑色顔料着色樹脂組成物により画素20が形成さ
れた青色カラーフィルタ上に有機保護層30及び無機酸化膜40を介して有機発光体50
0を積層することによって多色の有機EL素子を作製する。
層51、正孔輸送層52、発光層53、電子注入層54、及び陰極55を逐次形成してい
く方法や、別基板上へ形成した有機発光体500を無機酸化膜40上に貼り合わせる方法
などが挙げられる。このようにして作製された有機EL素子100は、パッシブ駆動方式
の有機EL表示装置にもアクティブ駆動方式の有機EL表示装置にも適用可能である。
を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。
尚、下記実施例において「部」は「重量部」を表わす。
<合成例1:バインダー樹脂Aの合成>
反応槽として冷却管を付けたセパラブルフラスコを準備し、プロピレングリコールモノ
メチルエーテルアセテート400重量部を仕込み、窒素置換したあと、攪拌しながらオイ
ルバスで加熱して反応槽の温度を90℃まで昇温した。
ロペノエート30重量部、メタクリル酸60重量部、メタクリル酸シクロヘキシル110
重量部、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート5.2重量部、プロピレング
リコールモノメチルエーテルアセテート40重量部を仕込み、連鎖移動剤槽にn-ドデシ
ルメルカプタン5.2重量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート27
重量部を仕込み、反応槽の温度が90℃に安定してからモノマー槽および連鎖移動剤槽か
ら滴下を開始し、重合を開始させた。温度を90℃に保ちながら滴下をそれぞれ135分
かけて行い、滴下が終了して60分後に昇温を開始して反応槽を110℃にした。
=5/95(v/v)混合ガスのバブリングを開始した。次いで、反応槽に、メタクリル
酸グリシジル39.6重量部、2,2’-メチレンビス(4-メチル-6-t-ブチルフ
ェノール)0.4重量部、トリエチルアミン0.8重量部を仕込み、そのまま110℃で
9時間反応させた。こうして得られた樹脂AのGPCにより測定した重量平均分子量Mw
は8000、酸価は101mgKOH/gであった。
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート114.0gを500mlの4つ
口フラスコに入れ、窒素バブリングを行いながら85℃まで昇温した。これにシクロヘキ
シルメタクリレート100.1g(0.55mol)、メタクリル酸33.3g(0.4
5もl)、および2.2’-アゾビス(イソブチロニトリル)4.925g(0.03m
ol)をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート96.45gに溶解し、4
時間かけて滴下した。滴下後反応液を85℃に保ったままさらに2時間攪拌し、その後窒
素バブリングを止めて100℃に昇温1時間攪拌した。こうして得られた樹脂BのGPC
により測定した重量平均分子量Mwは約15000、酸価は190mgKOH/gであっ
た。
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート145重量部を窒素置換しながら
攪拌し、120℃に昇温した。ここにスチレン10重量部、グリシジルメタクリレート8
5.2重量部およびトリシクロデカン骨格を有するモノアクリレート(日立化成社製FA
-513M)66重量部を滴下し、および2.2’-アゾビス-2-メチルブチロニトリ
ル8.47重量部を3時間かけて滴下し、更に90℃で2時間攪拌し続けた。次に反応容
器内を空気置換に変え、アクリル酸43.2重量部にトリスジメチルアミノメチルフェノ
ール0.7重量部およびハイドロキノン0.12重量部を投入し、100℃で12時間反
応を続けた。その後、テトラヒドロ無水フタル酸(THPA)56.2重量部、トリエチ
ルアミン0.7重量部を加え、100℃3.5時間反応させた。こうして得られた樹脂C
のGPCにより測定した重量平均分子量Mwは約8400、酸価は80mgKOH/gで
あった。
[2-1]緑色顔料分散液の調製
顔料としてC.I.ピグメントグリーン58(DIC社製;以下、「G58」と略す)
を37.88重量部、分散剤としてビックケミー社製「BYK-LPN6919」(メタ
クリル酸系ABブッロク共重合体、アミン価121mgKOH/g、酸価1mgKOH/
g以下)を固形分換算で9.48重量部、バインダー樹脂として合成例1のバインダー樹
脂Aを固形分換算で12.64重量部、溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエー
テルアセテート240.00重量部、径0.5mmのジルコニアビーズ225重量部をス
テンレス容器に充填し、ペイントシェーカーにて6時間分散させて緑色顔料分散液を調製
した。
顔料としてE4GN-GT(ランクセス社製;以下、「NiAzo-Y」と略す)を18
.94重量部、分散剤としてBYK-LPN6919(ビックケミー社製)を固形分換算
で4.74重量部、樹脂として合成例1のバインダー樹脂Aを固形分換算で6.32重量
部、溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート120.00重量部
、径0.5mmのジルコニアビーズ225重量部をステンレス容器に充填し、ペイントシ
ェーカーにて6時間分散させて黄色顔料分散液を調製した。
青色色素としてC.I.ピグメントブルー15:6(以下、「B15:6」と略す)を9
.26重量部、分散剤としてDisperbyk2000(ビックケミー社製)(アクリ
ル系ブロック共重合体。4級アンモニウム塩基(ジメチルベンジルアンモニウム塩基)を
有するBブロックと、有さないAブロックからなるABブロック共重合体、アミン価10
mgKOH/g、酸価0mgKOH/g)を分散剤固形分換算で2.65重量部、更に合
成2で作製したバインダー樹脂Bを固形分換算で3.09重量部、溶媒としてプロピレン
グリコールモノメチルエーテルアセテートを60.00重量部、径0.5mmのジルコニ
アビーズ225重量部をステンレス容器に充填し、ペイントシェーカーにて6時間分散さ
せて青色色素分散液を調製した。
[2-1]~[2-3]で調製した分散液、溶媒としてプロピレングリコールモノメチ
ルエーテルアセテートと3-エトキシプロピオン酸エチル、バインダー樹脂として樹脂C
、光重合性モノマーとしてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、光重合開始系成
分としてチバ・ジャパン社製「IRGACURE 907」(2-メチル-1-[4-(
メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノプロパン-1-オン)とチバ・ジャパン社製
「IRGACURE OXE02」(エタノン,1-[9-エチル-6-(2-メチルベ
ンゾイル)-9H-カルバゾールー3-イル]-,1-(O-アセチルオキシム)及び界
面活性剤としてDIC社製F-475(フッ素系界面活性剤)を、表1に示す割合で混合
し、実施例、比較例の着色組成物を調製した。なお、表1中の数値は含有量(重量部)で
ある。
クロムが蒸着されたガラス基板に、着色組成物をそれぞれスピンコート塗布し、80℃
のホットプレートにて3分間プリベークを行った。塗布回転数はポストベーク後、色座標
y=0.599となるように調整した。
次に、高圧水銀灯により幅50μm、長さ3mmの直線状マスクパターンを通してサン
プルを30mj/cm2で露光した後、0.04重量%水酸化カリウム水溶液を使用し、
現像液温度23℃で0.25MPa圧でスプレー現像した。現像した時間は、あらかじめ
測定した着色組成物の溶解時間の2倍とした。尚、溶解時間の測定については後述する。
のオーブンにて30分間ポストベークを行った。乾燥膜厚は表2のようになった。
[4]着色組成物の色度、輝度の測定
[3]と同様に、ガラス基板AN100(旭硝子社製)上に着色組成物を塗布、乾燥、
露光、現像、ポストベーク後、分光光度計U-3310(日立製作所製)によりC光源で
の色度、輝度を測定した。
[3]と同様に、ガラス基板上に着色組成物を塗布・乾燥し、露光した後、0.04重
量%水酸化カリウム水溶液を用いて、現像液温度23℃、圧力0.25MPaでスプレー
現像したときに、未露光部の着色組成物が現像液へ完全に溶解し、基板が露出した時間を
、その着色組成物の溶解時間とした。
[3]記載の方法で40秒間現像し、得られた50μm線幅の直線パターン10本を、
光学顕微鏡を用い10倍で観察し、線の縁の窪みをかけの数として数えた。再現性を確認
するため、これを2回繰り返した。パターン(画素)の代表例の顕微鏡写真を図12に示
す。
溶解時間、カケ数を表2に示す。
の特性、つまり輝度やコントラストなどの特性を保持したまま、画素の欠けが低減したこ
とが分かる。つまり、画素として、良好な直線パターンが得られる。
これより、本発明の緑色顔料着色樹脂組成物を用いて形成されたカラーフィルタは、光
漏れがなく色純度が高く、高輝度、高コントラストである。
有用であるとの点から、実施例1~8の形態が、輝度の実用レベルでの特性を満たし、且
つ欠け数が低減しているため特に好ましい。
Claims (10)
- 更に、(E)黄色色素を含むことを特徴とする、請求項1に記載の緑色顔料着色樹脂組
成物。 - 更に、(F)分散剤を含有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の緑色顔料着
色樹脂組成物。 - 前記(A)ハロゲン化亜鉛フタロシアニン緑色顔料が、臭素化亜鉛フタロシアニン緑色
顔料であることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の緑色顔料着色樹脂組
成物。 - 前記(D)青色色素を、全顔料中で0.05重量%以上、2.0重量%以下、含有する
ことを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の緑色顔料着色樹脂組成物。 - 前記(H)溶剤として、グリコールアルキルエーテルアセテート系溶剤を含有すること
を特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の緑色顔料着色樹脂組成物。 - (G)重合性モノマーを含有することを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記
載の緑色顔料着色樹脂組成物。 - 請求項1~7のいずれか一項に記載の緑色顔料着色樹脂組成物を用いて形成された画素
を含むことを特徴とする、カラーフィルタ。 - 請求項8に記載のカラーフィルタを具備することを特徴とする、液晶表示装置。
- 請求項8に記載のカラーフィルタを具備することを特徴とする、有機EL表示装置。
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