JP2014134721A - カラーフィルタ用着色樹脂組成物、カラーフィルタ、液晶表示装置及び有機el表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)色材、(B)溶剤、(C)バインダー樹脂及び重合性モノマーに下記構造式(1)で表される化合物を含むカラーフィルタ用着色樹脂組成物、及び、それを用いて形成されるカラーフィルタ。
【選択図】なし
Description
さらに、生産性向上とコストダウンの見地から、露光量を下げてタクトタイムを短縮することが主流となっている。これにつれて、カラーフィルタ上に形成される透明電極の断線、画素のはがれ及び光漏れが起きやすくなり、パネルの表示不良や欠陥の原因となっていた。
これらの問題を解決するために、例えば、特許文献1では、特定の官能基をもつビニル系樹脂を、特許文献2ではカプロラクタム構造を持つ多官能性単量体と特定の光重合開始剤との併用を開示している。また特許文献3では3官能以上の多価不飽和二重結合を有する特定のアクリル系共重合単位を含む着色樹脂組成物を用いることを開示している。
画素の直線性、つまり画素の欠けがある場合、遮光レジスト上に画素が乗らずに、光漏れの原因となる。特に、近年では遮光レジストの線幅が狭くなる傾向にあるため、画素の欠けの光漏れに対する影響は大きくなっている。更に、画素の直線性が十分でないと、透明電極を形成する際に、断線が生じる原因にもなる、
また、着色樹脂組成物の残膜率が低い場合、パネル形成後も液晶中に不純物を溶出しやすく、信頼性が劣る傾向にある。また液晶の配向に影響を与える要素にもなりうる。
本発明はまた、直線性が良く、また残膜率が高い画素を含むカラーフィルタ、並びに、表示不良や欠陥が少ない、高品質の液晶表示装置及び有機EL表示装置を提供することを課題とする。
即ち、本発明は、(A)色材、(B)溶剤、(C)バインダー樹脂及び下記式(1)で表される化合物(以下、「化合物(1)」と称する)を含むことを特徴とするカラーフィルタ用着色樹脂組成物、カラーフィルタ、液晶表示装置及び有機EL表示装置に存する。
R1、R11及びR12は、各々独立に、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜4アルキル基を表す。但し、R11及びR12は、互いに結合して環を形成していてもよい。
尚、一分子中に、複数の−CR11R12−が含まれる場合、各々、同じでもよく、また異なっていてもよい。
nは、1〜12の整数を表す。
尚、一分子中に複数含まれるl及びnは、同じでもよく、また異なっていてもよい。)
本発明はまた、直線性が良く、また残膜率が高い画素を含むカラーフィルタ、並びに高品質の液晶表示装置及び有機EL表示装置を提供することが可能となる。
尚、「(メタ)アクリル」等は「アクリル及びメタクリルのうち少なくとも一つ」、「(メタ)アクリレート」等は、「アクリレート及びメタクリレートのうち少なくとも一つ」等を意味するものとし、例えば「(メタ)アクリル酸」は「アクリル酸及びメタクリル酸のうち少なくとも一つ」を意味するものとする。
分以外の全成分を意味するものとする。
本発明において、特に断りの無い限り、重量平均分子量とは、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)を指す。「C.I.」は、カラーインデックス(C.I.)を意味する。
本発明における「色材」とは、「染料」と「顔料」の双方を意味するものとする
また、「芳香族環」とは「芳香族炭化水素環」及び「芳香族複素環」の双方を示すものとする。
先ず、化合物(1)について説明する。
[化合物(1)について]
本発明の着色樹脂組成物は、化合物(1)を含有する。
R1、R11及びR12は、各々独立に、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜4アルキル基を表す。
但し、R11及びR12は、互いに結合して環を形成していてもよい。
尚、一分子中に、複数の−CR11R12−が含まれる場合、各々、同じでもよく、また異なっていてもよい。
nは、1〜12の整数を表す。
尚、一分子中に複数含まれるl及びnは、同じでもよく、また異なっていてもよい。)
(R1、R11及びR12について)
R1、R11及びR12は、各々独立に、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜4のアルキル基を表す。
合成が容易である点、及び末端の不飽和基の自由度が増して、得られる画素の硬化性が向上し易くなる点で、R1、R11及びR12は水素原子であることが好ましい。
尚、一分子中に複数の−CR11R12−が含まれる場合、R11及びR12は、各々、同じでもよく、また異なっていてもよいが、化合物の合成が容易である点で、複数含まれる−CR11R12−は、同じである方が好ましい。
lは、2〜7の整数を表す。合成が容易である点で、lは、好ましくは2〜5である。
nは、1〜12の整数を表す。合成が容易である点で、nは、好ましくは1〜5である。
尚、一分子中に複数含まれるl及びnは、同じでもよく、また異なっていてもよい。
以下に、化合物(1)の好ましい具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
化合物(1)は、公知の方法に従って合成することが可能である。
例えば、下記の例示化合物は、ペンタエリスリトールと規定モル数のε−カプロラクトンを混合し、130℃4時間加熱することにより、例示化合物が得られる。このとき、リン酸、またはジブチル錫オキサイド等の触媒を添加してもよい。
(含有量)
本発明の着色樹脂組成物において、化合物(1)の含有量は、全固形分中、通常1重量%以上、好ましくは5重量%以上、更に好ましくは8重量%以上、また通常70重量%以下、好ましくは60重量%以下、更に好ましくは40重量%以下である。
上記範囲内であると、本発明の効果が得られ易い点で好ましい。
本発明の着色樹脂組成物は、(A)色材を含有する。(A)色材としては、顔料であってもよく、染料であってもよい。
以下、各々について説明する。
(顔料)
本発明において、耐熱性及び耐光性等に優れる点で、(A)色材として顔料を用いることが好ましい。
顔料としては、通常、赤色顔料、緑色顔料、黄色顔料、紫色顔料、オレンジ顔料、ブラウン顔料等各種の色の顔料を使用することができる。
尚、本発明に使用できる顔料は、以下にその具体例をピグメントナンバーで示すが、これら例示によって限定されるものではない。
5、247、249、、251、253、254、255、256、257、258、259、260、262、263、264、265、266、267、268、269、270、271、272、273、274、275、276等を挙げることができる。これらの中で、好ましくはC.I.ピグメントレッド48:1、122、168、177、202、206、207、209、224、242、254等であり、更に好ましくはC.I.ピグメントレッド177、209、224、242、254等である。
黄色顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1、1:1、2、3、4、5、6、9、10、12、13、14、16、17、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37げることができる、37:1、40、41、42、43、48、53、55、61、62、62:1、63、65、73、74、75、81、83、87、93、94、95、97、100、101、104、105、108、109、110、111、111336、117、119、120、126、127、127:1、128、129、、134、136、138、139、142、147、148、151、153、154、155、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、172、173、174、175、176、180、181、182、183、184、185、188、189、190、191、191:1、192、193、194、195、196、197、198、199、200、202、203、204、205、206、207、208、並びに特開2005−325350号公報及び特開2007−25687号公報に記載の顔料が挙げられる。
青色顔料としては、C.I.ピグメントブルー1、1:2、9、14、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、17、19、25、27、28、29、33、35、36、56、56:1、60、61、61:1、62、63、66、67、68、71、72、73、74、75、76、78、79を挙げることができる。この中でも、好ましくはC.I.ピグメントブルー15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、更に好ましくはC.I.ピグメントブルー15:6を挙げることができる。
又、本発明に使用可能な無機顔料として、硫酸バリウム、硫酸鉛、酸化チタン、黄色鉛、ベンガラ、酸化クロム等が挙げられる。
又、本発明における顔料は、その平均一次粒径が、通常100nm以下、好ましくは80nm以下、より好ましくは20nm以上70nm以下である。本発明は、高度に微粒化された顔料を含む組成物の場合に特に有効であるため、平均一次粒径20nm以上60nm以下である顔料を含む場合が特に好ましい。
尚、顔料の一次粒径は次の方法で求めることができる。
先ず、顔料をクロロホルム中に超音波分散し、コロジオン膜貼り付けメッシュ上に滴下して、乾燥させ、透過電子顕微鏡(TEM)観察により、顔料の一次粒子像を得る。但し、有機顔料の場合は、個々の顔料粒子の粒径を、同じ面積となる円の直径に換算した面積円相当径として、複数個(通常200〜300個程度)の顔料粒子についてそれぞれ粒径を求める。得られた一次粒径の値を用い、下式の計算式の通り個数平均値を計算し平均粒径を求める。
本発明において、得られる画素の輝度等に優れる点で、(A)色材として染料を用いることが好ましい。染料は、本発明の効果を損わない限り特に制限はないが、例えば、アゾ系染料、アントラキノン系染料、フタロシアニン系染料、キノンイミン系染料、キノリン系染料、ニトロ系染料、カルボニル系染料、メチン系染料、シアニン系染料、トリアリールメタン系染料等が好ましく挙げられる。
ッド18、C.I.モルダントレッド7、C.I.モルダントイエロー5、C.I.モルダントブラック7等が挙げられる。
この他、フタロシアニン系染料として、例えば、C.I.パッドブルー5等が、キノンイミン系染料として、例えば、C.I.ベーシックブルー3、C.I.ベーシックブルー9等が、キノリン系染料として、例えば、C.I.ソルベントイエロー33、C.I.アシッドイエロー3、C.I.ディスパースイエロー64等が、ニトロ系染料として、例えば、C.I.アシッドイエロー1、C.I.アシッドオレンジ3、C.I.ディスパースイエロー42等が挙げられる。
更に、シアニン系染料としては、例えば、特開2008−242324号、特開2009−235392号などの各公報に記載のものが挙げられ、好ましい態様も同様である。
本発明における(A)色材の含有量は、全固形分に対し、通常80重量%以下、好ましくは70重量%以下、より好ましくは60重量%以下であり、又、通常0.1重量%以上、好ましくは0.5重量%以上、より好ましくは1重量%以上である。
(A)色材の含有量を上記範囲とすることにより、色濃度に対する膜厚が大きくなり過ぎず、液晶セル化の際のギャップ制御等に悪影響を及ぼすことなく、且つ十分な画像形成性が得られるうえ、顔料の分散状態も維持され、凝集や沈降が生じにくく、結果として、増粘や輝度・コントラストの低下などといった問題を解消することができる。
本発明の着色樹脂組成物は、(B)溶剤を含有する。
本発明における(B)溶剤としては、着色樹脂組成物を構成する各成分を溶解又は分散し、粘度が適当になるものであれば特に制限はないが、好ましくは沸点が100〜200℃、より好ましくは120〜170℃の沸点である溶剤である。
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコール−モノt−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、メトキシメチルペンタノール、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、3−メチル−3−メトキシブタノール、トリプロピレングリコールモノメチルエーテルのようなグリコールモノアルキルエーテル類;
エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、メトキシブチルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、メトキシペンチ
ルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテートのようなグリコールアルキルエーテルアセテート類;
アセトン、メチルエチルケトン、メチルアミルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソアミルケトン、ジイソプロピルケトン、ジイソブチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、エチルアミルケトン、メチルブチルケトン、メチルヘキシルケトン、メチルノニルケトンのようなケトン類;
エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリンのような1価又は多価アルコール類;
n−ペンタン、n−オクタン、ジイソブチレン、n−ヘキサン、ヘキセン、イソプレン、ジペンテン、ドデカンのような脂肪族炭化水素類;
シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、メチルシクロヘキセン、ビシクロヘキシルのような脂環式炭化水素類;
アミルホルメート、エチルホルメート、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、酢酸アミル、メチルイソブチレート、エチレングリコールアセテート、エチルプロピオネート、プロピルプロピオネート、酪酸ブチル、酪酸イソブチル、イソ酪酸メチル、エチルカプリレート、ブチルステアレート、エチルベンゾエート、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸プロピル、3−メトキシプロピオン酸ブチル、γ−ブチロラクトンのような鎖状又は環状エステル類;
3−メトキシプロピオン酸、3−エトキシプロピオン酸のようなアルコキシカルボン酸類;
ブチルクロライド、アミルクロライドのようなハロゲン化炭化水素類;
メトキシメチルペンタノンのようなエーテルケトン類;
アセトニトリル、ベンゾニトリルのようなニトリル類:
これらの溶剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、塗布性、表面張力などのバランスがよく、組成物中の構成成分の溶解度が比較的高い点からは、溶剤としてグリコールモノアルキルエーテル類を混合して使用することがより好ましい。
(B)溶剤中のグリコールモノアルキルエーテル類の割合は、保存安定性が良好である点で、5〜50重量%が好ましく、5〜30重量%がより好ましい。
上記範囲内であると、乾燥速度が適当であるため、スリットノズル先端で色材成分等が析出・固化しにくく、またカラーフィルタ製造工程での減圧乾燥のプロセスのタクト不良
・プリベークのピン跡などが生じ難いため好ましい。
また、インクジェット法に用いる場合、高沸点溶剤を用いることが好ましい。これは、ノズルから発せられるインクは、ノズルから発せられるインクは数〜数十pLと非常に微小であり、ノズル口周辺あるいは画素バンク内に着弾する前に、溶剤が蒸発してインクが濃縮・乾固するのを防ぐためである。
前記180℃以上の溶剤の含有量は、(B)溶剤全体に対して、好ましくは50重量%以上である。上記範囲内であると、インク液滴から、溶剤が蒸発することを防止する効果が十分であるため好ましい。
上記範囲内であると、着色樹脂組成物が、塗布に適した粘性を有し、良好に塗膜を形成することが可能である点で好ましい。
(C)バインダー樹脂は、硬化手段により好ましい樹脂は異なる。
本発明の着色樹脂組成物が光重合性樹脂組成物である場合、(C)バインダー樹脂としては、例えば特開平7−207211号、特開平8−259876号、特開平10−300922号、特開平11−140144号、特開平11−174224号、特開2000−56118号、特開2003−233179号などの各公報等に記載される高分子化合物を使用することができるが、中でも好ましくは下記(C−1)〜(C−5)の樹脂などが挙げられる。
(C−2):カルボキシル基含有直鎖状アルカリ可溶性樹脂(C−2)(以下、「樹脂(C−2)」と称す場合がある。)
(C−3):前記樹脂(C−2)のカルボキシル基部分に、エポキシ基含有不飽和化合物を付加させた樹脂(以下「樹脂(C−3)」と称す場合がある。)
(C−4):(メタ)アクリル系樹脂(以下、「樹脂(C−4)」と称す場合がある。)
(C−5):カルボキシル基を有するエポキシアクリレート樹脂(以下「樹脂(C−5)と称す場合がある。)
このうち特に好ましくは樹脂(C−1)が挙げられ、以下該樹脂について説明する。
(C−1):エポキシ基含有(メタ)アクリレートと、他のラジカル重合性単量体との
共重合体に対し、該共重合体が有するエポキシ基の少なくとも一部に不飽和一塩基酸を付加させてなる樹脂、或いは該付加反応により生じた水酸基の少なくとも一部に多塩基酸無水物を付加させて得られるアルカリ可溶性樹脂
樹脂(C−1)の特に好ましい樹脂の一つとして、エポキシ基含有(メタ)アクリレート5〜90モル%と、他のラジカル重合性単量体10〜95モル%との共重合体に対し、該共重合体が有するエポキシ基の10〜100モル%に不飽和一塩基酸を付加させてなる樹脂、或いは該付加反応により生じた水酸基の10〜100モル%に多塩基酸無水物を付加させて得られるアルカリ可溶性樹脂が挙げられる。
下記式(7)で表される構造を有するモノ(メタ)アクリレートに由来する繰返し単位は、「他のラジカル重合性単量体」に由来する繰返し単位中、5〜90モル%含有するものが好ましく、10〜70モル%含有するものが更に好ましく、15〜50モル%含有するものが特に好ましい。
R96とR98が連結して形成される環は、脂肪族環であるのが好ましく、飽和又は不飽和のいずれでもよく、更に炭素数は5〜6であることが好ましい。
中でも、式(8)で表される構造中、特に下記構造式(8a)、(8b)、又は(8c)で表されるものが好ましい。
前記式(8)で表される構造を有するモノ(メタ)アクリレート以外の、「他のラジカル重合性単量体」としては、着色樹脂組成物に優れた耐熱性及び強度を向上しうる点で、スチレン、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸−tert−ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボロニル、(メタ)アクリル酸アダマンチル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、が挙げられる。
尚、前記エポキシ基含有(メタ)アクリレートと、前記他のラジカル重合性単量体との共重合反応には、公知の溶液重合法が適用される。
本発明において、前記エポキシ基含有(メタ)アクリレートと前記他のラジカル重合性単量体との共重合体としては、エポキシ基含有(メタ)アクリレートに由来する繰返し単位5〜90モル%と、他のラジカル重合性単量体に由来する繰返し単位10〜95モル%と、からなるものが好ましく、前者20〜80モル%と、後者80〜20モル%とからなるものが更に好ましく、前者30〜70モル%と、後者70〜30モル%とからなるものが特に好ましい。
上記の様に合成された、エポキシ基含有共重合体のエポキシ基部分に、不飽和一塩基酸(重合性成分)と、更に多塩基酸無水物(アルカリ可溶性成分)とを反応させる。
ここで、エポキシ基に付加させる不飽和一塩基酸としては、公知のものを使用することができ、例えば、エチレン性不飽和二重結合を有する不飽和カルボン酸が挙げられる。
これらの不飽和一塩基酸は、通常、前記共重合体が有するエポキシ基の10〜100モル%に付加させるが、好ましくは30〜100モル%、より好ましくは50〜100モル%に付加させる。前記範囲内であると、着色樹脂組成物の経時安定性に優れるため好ましい。尚、共重合体のエポキシ基に不飽和一塩基酸を付加させる方法としては、公知の方法を採用することができる。
例えば、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水イタコン酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水クロレンド酸等の二塩基酸無水物;無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、ビフェニルテトラカルボン酸無水物等の三塩基以上の酸の無水物が挙げられる。中でも、無水コハク酸及びテトラヒドロ無水フタル酸が好ましい。これらの多塩基酸無水物は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの多塩基酸無水物は、通常、前記共重合体が有するエポキシ基に、不飽和一塩基酸を付加させることにより生じる水酸基の10〜100モル%に付加させるが、好ましくは20〜90モル%、より好ましくは30〜80モル%に付加させる。
尚、当該水酸基に多塩基酸無水物を付加させる方法としては、公知の方法を採用することができる。
更に、光感度を向上させるために、前述の多塩基酸無水物を付加させた後、生成したカルボキシル基の一部にグリシジル(メタ)アクリレートや重合性不飽和基を有するグリシジルエーテル化合物を付加させてもよい。このような樹脂の構造に関しては、例えば特開平8−297366号公報や特開2001−89533号公報に記載されている。
しくは15〜150mg−KOH/g、更に好ましくは25〜100mg−KOH/gである。
上記範囲内であると、現像液に対する溶解性が良好で、また膜荒れなどが生じ難いため好ましい。
また、(C)バインダー樹脂の含有量は、全固形分中、通常0.1〜80重量%、好ましくは1〜60重量%である。
上記範囲内であると、基板への密着性が良好であり、また露光部への現像液の浸透性が適度で、画素の表面平滑性や感度が良好である点で好ましい。
本発明の着色樹脂組成物は、塗膜を硬化させる目的で、(D)光重合開始成分及び/又は熱重合開始成分を含むことが好ましい。ただし、硬化の方法はこれらの開始剤によるもの以外でもよい。
特に、本発明の着色樹脂組成物は、化合物(1)を含有していることから、光を直接吸収し、又は光増感されて分解反応又は水素引き抜き反応を起こし、重合活性ラジカルを発生する機能を有する光重合開始成分及び/又は熱によって重合活性ラジカルを発生する熱重合開始成分を含有することが好ましい。
尚、本発明の着色樹脂組成物は、化合物(1)を含有するため、光重合開始成分を含有することが特に好ましい。
本発明の着色樹脂組成物は、光重合開始成分を含有することが好ましい。光重合開始成分は、通常、(D1)光重合開始剤、及び必要に応じて添加される(D2)重合加速剤、(D3)増感色素等の付加剤との混合物として用いられ、光を直接吸収し、或いは光増感されて分解反応又は水素引き抜き反応を起こし、重合活性ラジカルを発生する機能を有する成分である。
これら光重合開始剤の中でオキシムエステル系開始剤としては、1、2−オクタンジオン、1−〔4−(フェニルチオ)フェニル〕−、2−(o−ベンゾイルオキシム)、エタノン、1−〔9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル〕、1−(o−アセチルオキシム)、及び下記式(XI)で表される化合物等が挙げられる。
R102は、炭素数2〜20のアルカノイル基、炭素数3〜25のアルケノイル基、炭素数4〜8のシクロアルカノイル基、炭素数7〜20のアリーロイル基、炭素数2〜10のアルコキシカルボニル基、炭素数7〜20のアリールオキシカルボニル基、炭素数2〜20のヘテロアリール基、炭素数3〜20のヘテロアリーロイル基または炭素数2〜20のアルキルアミノカルボニル基を示し、これらはいずれも置換基を有していてもよい。
Zは、置換基を有していてもよい芳香族基を示す。)
なお、前記式(XI)で表される化合物の中でも、Xが置換基を有していてもよいカルバゾール環である化合物が好ましく、具体的には下記式(XII)で表される化合物などが挙げられ、中でも下記式(XIII)で表される化合物が特に好ましい。
3〜R109は各々独立に水素原子または任意の置換基を示す。)
*は、結合部位を表す。)
R102aは、炭素数2〜4のアルカノイル基を示し、Xaは、窒素原子が1〜4のア
ルキル基で置換されていてもよい3、6−カルバゾリル基を示す。Zaは、アルキル基で
置換されていてもよいフェニル基またはモルホリノ基で置換されていてもよいナフチル基を示す。)
これら光重合開始剤の中では、α−アミノアルキルフェノン誘導体類、チオキサントン誘導体類、オキシムエステル系開始剤がより好ましく、オキシムエステル系開始剤が特に好ましい。
これらの(D1)光重合開始剤及び(D2)重合加速剤は、それぞれ1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の着色樹脂組成物において、これらの(D)光重合開始成分の含有量は、全固形分中、通常0.1重量%以上、好ましくは0.2重量%以上、更に好ましくは0.5重量%以上、また、通常40重量%以下、好ましくは30重量%以下、更に好ましくは20重量%以下の範囲である。
上記範囲内であると、露光光線に対する感度が良好で、また未露光部分の現像駅に対する溶解性も良好で、現像不良などを誘起し難い点で好ましい。
本発明の着色樹脂組成物に含有されていてもよい熱重合開始成分(熱重合開始剤)の具体例としては、アゾ系化合物、有機過酸化物及び過酸化水素等が挙げられる。これらのうち、アゾ系化合物が好適に用いられる。より具体的には、例えば国際公開第2009/107734号パンフレット等に記載の熱重合開始剤を用いることができる。
これらの熱重合開始剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の着色樹脂組成物は、化合物(1)以外の(E)重合性モノマーを含有していてもよい。
化合物(1)以外の(E)重合性モノマーとしては、重合可能な低分子化合物であれば特に制限はないが、エチレン性二重結合を少なくとも1つ有する付加重合可能な化合物(以下、「エチレン性化合物」と言う場合がある。)が好ましい。
エチレン性化合物は、本発明の着色樹脂組成物が活性光線の照射を受けた場合、後述の光重合開始成分の作用により付加重合し、硬化するようなエチレン性二重結合を有する化合物である。尚、本発明における(E)重合性モノマーは、いわゆる高分子物質に相対する概念を意味し、狭義の単量体以外に二量体、三量体、オリゴマーも包含する。
不飽和カルボン酸と多価カルボン酸及び多価ヒドロキシ化合物とのエステル化反応によ
り得られるエステルは、必ずしも単一物ではなく、混合物であってもよい。代表例としては、(メタ)アクリル酸、フタル酸、及びエチレングリコールの縮合物;(メタ)アクリル酸、マレイン酸、及びジエチレングリコールの縮合物;(メタ)アクリル酸、テレフタル酸、及びペンタエリスリトールの縮合物;(メタ)アクリル酸、アジピン酸、ブタンジオール、及びグリセリンの縮合物等が挙げられる。
これらの中では脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステルが好ましく、ペンタエリスリトール又はジペンタエリスリトールの(メタ)アクリル酸エステルがより好ましく、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが特に好ましい。
また、必要に応じて(E)重合性モノマーとして酸基を有しない多官能モノマーと酸基を有する多官能モノマーを併用してもよい。
酸基を有する多官能モノマーの好ましい酸価としては、0.1〜120mg−KOH/gであり、特に好ましくは5〜90mg−KOH/gである。
本発明において、より好ましい酸基を有する多官能モノマーは、例えば、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートのコハク酸エステルを主成分とする混合物である。この多官能モノマーと他の多官能モノマーを組み合わせて使用することもできる。
上記範囲内であると、光硬化が適度であり、現像時の密着不良が置き難く、また現像後の断面が逆テーパー形状になり難く、更に溶解性低下による剥離現象・抜け不良が置き難いため好ましい。
本発明の着色樹脂組成物は、前記各成分の外に、界面活性剤、有機カルボン酸及び/又は有機カルボン酸無水物、熱硬化性化合物、可塑剤、熱重合防止剤、保存安定剤、表面保護剤、密着向上剤、現像改良剤等を含有していてもよい。また、前述の顔料を含有する場合には、分散剤や分散助剤を含有してもよい。
(A)色材に顔料を含む場合、本発明の着色樹脂組成物は、更に分散剤を含有することが好ましい。
本発明における分散剤は、顔料が分散し、安定を保つことができれば特に種類を問わない。例えば、カチオン系、アニオン系、ノニオン系や両性等の分散剤を使用することができるが、ポリマー分散剤が好ましい。具体的には、変性アクリル系共重合体、アクリル系共重合体、ポリウレタン、ポリエステル、高分子共重合体のアルキルアンモニウム塩又はリン酸エステル塩、カチオン性櫛型グラフトポリマー等を挙げることができる。これら分散剤の中で、変性アクリル系共重合体、ポリウレタン、カチオン性櫛型グラフトポリマーが好ましい。特に変性アクリル系共重合体が好ましく、この中でも親溶剤性を有するAブロック及び窒素原子を含む官能基を有するBブロックからなるブロック共重合体からなり、そのアミン価が80mg−KOH/g以上150mg−KOH/g以下(有効固形分換算)であるものが特に好ましい。 より好ましくは100〜140mg−KOH/gであ
る。
中でも、特開2009−025813号公報に記載の(メタ)アクリル系ブロック共重合体が好ましい。
アクリル系ブロック共重合体は、顔料を極めて効率よく分散できる。これは、分子配列が制御されていることにより、分散剤が顔料に吸着する際に障害となる構造が少ないためと推察される。
前記アクリル系ブロック共重合体を構成するBブロックは、アミノ基を有し、アミノ基は、好ましくは−NR41R42(但し、R41及びR42は、各々独立に、置換基を有していてもよい環状又は鎖状のアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、又は置換基を有していてもよいアラルキル基を表す。)で表わされ、これを含む部分構造として好ましいものは、例えば下記式で表される。
中でも、R41及びR42はメチル基が好ましく、R43はメチレン基、またはエチレン
基が好ましく、R44はメチル基であるのが好ましい。このような化合物として下記式で表される部分構造が挙げられる。
Aブロックとしては、例えば、スチレン系モノマー、(メタ)アクリル酸エステル系モノマー、(メタ)アクリル酸塩系モノマー、酢酸ビニル系モノマー、グリシジルエーテル系モノマー等のコモノマーを共重合させたポリマー構造が挙げられる。
リビング重合法にはアニオンリビング重合法、カチオンリビング重合法、ラジカルリビング重合法がある。具体的には、例えば特開2007-270147号公報に記載の方法
が挙げられる。
(但し、W:分散剤試料秤取量[g]、V:滴定終点での滴定量[mL]、S:分散剤試料の固形分濃度[wt%]を表す。)
また、このブロック共重合体の酸価は、該酸価の元となる酸性基の有無及び種類にもよるが、低い方が好ましく、通常50mg−KOH/g以下、好ましくは40以下、より好ましくは30以下である。
本発明における分散剤は、着色樹脂組成物中の顔料全量に対し、好ましくは5重量%以上、更に好ましくは10重量%以上、また通常200重量%以下、更に好ましくは100重量%以下である。
本発明の着色樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない限り、その他の分散剤を含んでいてもよい。その他の分散剤としては、例えば、例えば特開2006−343648号公報に記載のものが挙げられる。
本発明の着色樹脂組成物は、更に分散助剤を含有していてもよい。ここでいう分散助剤は、顔料誘導体であってもよく、顔料誘導体としては、例えば特開2001−220520号公報、特開2001−271004号公報、特開2002−179976号公報、特開2007−113000号公報、及び特開2007−186681号公報等に記載の各種化合物等を使用することができる。
上記範囲内であると、分散助剤としての効果が有効に得られ、分散性及び分散安定性が良好である点で好ましい。
本発明の着色樹脂組成物は、前述の(C)バインダー樹脂もしくはその他のバインダー樹脂から選ばれた樹脂の一部又は全部を下記の分散樹脂として含有していてもよい。
具体的には、後述する分散処理工程において、前述の分散剤等の成分とともに、(C)バインダー樹脂を含有させることにより、該(C)バインダー樹脂が、分散剤との相乗効果で顔料の分散安定性に寄与する。結果として分散剤の添加量を減らせる可能性があるため好ましい。又、現像性が向上し、基板の非画素部に未溶解物が残存せず、画素の基板への密着性が向上する、といった効果も奏するため好ましい。
分散樹脂は、顔料分散液中の顔料全量に対して0〜200重量%程度使用することが好ましく、10〜100重量%程度使用することがより好ましい。
分散樹脂の酸価は0.5mg−KOH/g以上が好ましく、1mg−KOH/g以上がより好ましく、5mg−KOH/g以上が最も好ましく、また300mg−KOH/g以下が好ましく、200mg−KOH/g以下がより好ましく、150mg−KOH/g以下が最も好ましい。酸価を上記の範囲に制御することにより、アルカリ現像性が良好となり、合成上等においても、取り扱いやすくなる。
本発明の着色樹脂組成物は、更に界面活性剤を含有していてもよい。界面活性剤としては、アニオン性、カチオン性、非イオン性、両性界面活性剤等、各種のものを用いることができるが、電圧保持率や有機溶剤に対する相溶性等の諸特性に悪影響を及ぼす可能性が低い点で、非イオン性界面活性剤を用いるのが好ましい。
。
これら界面活性剤の含有量は、本発明の着色樹脂組成物の全固形分中において、好ましくは0.001重量%以上、より好ましくは0.005重量%以上、更に好ましくは0.01重量%以上である。又、好ましくは10重量%以下、より好ましくは5重量%以下、更に好ましくは1重量%以下の範囲で用いられる。
本発明において、着色樹脂組成物は、適宜の方法により調製することができるが、例えば、前記(A)色材、(C)バインダー樹脂及び化合物(1)を、(B)溶剤及び必要に応じて用いられる任意成分と共に混合することで調製できる。
また、(A)色材が顔料を含む場合の調製方法としては、顔料を含む溶剤中、分散剤及び必要に応じて添加する分散助剤の存在下で、場合により(C)バインダー樹脂の一部と共に、例えば、ペイントシェイカー、サンドグラインダー、ボールミル、ロールミル、ストーンミル、ジェットミル、ホモジナイザー等を用いて、粉砕しつつ混合・分散して顔料分散液を調製する。該顔料分散液に、化合物(1)及び(C)バインダー樹脂、必要に応じて、(D)光重合開始成分及び/又は熱重合開始成分、顔料以外の(A)色材(染料)、化合物(1)以外の(E)重合性モノマーなどを添加し、混合することにより調製する方法を挙げることができる。
本発明の着色樹脂組成物は、通常、すべての構成成分が溶剤中に溶解或いは分散された状態である。このような着色樹脂組成物が基板上へ供給され、カラーフィルタや液晶表示装置、有機EL表示装置などの構成部材が形成される。
以下、本発明の着色樹脂組成物の応用例として、カラーフィルタの画素としての応用、及びそれらを用いた液晶表示装置(パネル)及び有機EL表示装置について、説明する。
本発明のカラーフィルタは、本発明の着色樹脂組成物から形成された画素を有するものである。
以下に、本発明のカラーフィルタを形成する方法について説明する。
カラーフィルタの画素は、様々な方法で形成することができる。ここでは光重合性の着色樹脂組成物を使用してフォトリソグラフィー法にて形成する場合を例に説明するが、製造方法はこれに限定されるものではない。
また、これらの基板には、所望により、シランカップリング剤やウレタン系樹脂などによる薄膜形成処理、コロナ放電処理やオゾン処理などの表面処理等、適宜前処理を施してもよい。
塗布膜の厚さは、乾燥後の膜厚として、通常、0.2〜20μm、好ましくは0.5〜10μm、特に好ましくは0.8〜5.0μmである。
露光の際に使用される放射線としては、例えば、可視光線、紫外線、遠紫外線、電子線、X線等を使用することができるが、波長が190〜450nmの範囲にある放射線が好ましい。
放射線の露光量は、10〜10、000J/m2が好ましい。
現像処理法としては、浸漬現像法、スプレー現像法、ブラシ現像法、超音波現像法等の何れかの方法によることができる。現像条件は、室温(23℃)で5〜300秒が好ましい。
現像方法は、浸漬現像法、スプレー現像法、ブラシ現像法、超音波現像法等の何れかの方法によることができる。
平面配向型駆動方式(IPSモード)等の用途においては、透明電極を形成しないこともある。また、垂直配向型駆動方式(MVAモード)では、リブを形成することもある。また、ビーズ散布型スペーサに代わり、フォトリソグラフィー法による柱構造(フォトスペーサー)を形成することもある。
本発明の液晶表示装置は、上述の本発明のカラーフィルタを用いたものである。本発明の液晶表示装置の型式や構造については特に制限はなく、本発明のカラーフィルタを用いて常法に従って組み立てることができる。
例えば、「液晶デバイスハンドブック」(日刊工業新聞社、1989年9月29日発行、日本学術振興会第142委員会著)に記載の方法で、本発明の液晶表示装置を形成することができる。
本発明のカラーフィルタを有する有機EL表示装置を作成する場合、例えば図1に示すように、透明支持基板10上に、本発明の着色樹脂組成物により画素20が形成された青色カラーフィルタ上に有機保護層30及び無機酸化膜40を介して有機発光体500を積層することによって多色の有機EL素子を作製する。
尚、下記実施例において「部」は「重量部」を表わす。
(参考合成例1:樹脂Aの合成)
反応槽として冷却管を付けたセパラブルフラスコを準備し、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート400重量部を仕込み、窒素置換したあと、攪拌しながらオイルバスで加熱して反応槽の温度を90℃まで昇温した。
重量平均分子量Mwは8000、酸価は101mg−KOH/gであった。
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート145重量部を窒素置換しながら攪拌し、120℃に昇温した。ここにスチレン5.2重量部、グリシジルメタクリレート132重量部及びトリシクロデカン骨格を有するモノアクリレートFA−513M(日立化成社製)4.4重量部を滴下し、及び2.2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル8.47重量部を3時間かけて滴下し、更に90℃で2時間攪拌し続けた。次に反応容器内を空気置換に変え、アクリル酸67.0重量部にトリスジメチルアミノメチルフェノール1.1重量部及びハイドロキノン0.19重量部を投入し、100℃で12時間反応を続けた。その後、テトラヒドロ無水フタル酸(THPA)15.2重量部、トリエチルアミン0.2重量部を加え、100℃3.5時間反応させた。こうして得られた樹脂BのGPCにより測定したポリスチレン換算の重量平均分子量Mwは約9000 酸価25mg−KOH/gであった。
[1]緑色顔料分散液(1)の調製
顔料としてC.I.ピグメントグリーン58(DIC社製)を18.00重量部、分散剤として「BYK−LPN6919」(メタクリル酸系ABブッロク共重合体、アミン価121mg−KOH/g、酸価1mg−KOH/g以下)(ビックケミー社製)を固形分換算で4.50重量部、参考合成例1で合成した樹脂Aを固形分換算で6.00重量部、溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート114.00重量部、径0.5mmのジルコニアビーズ225重量部をステンレス容器に充填し、ペイントシェーカーにて6時間分散させて緑色顔料分散液(1)を調製した。
顔料として「E4GN−GT」ランクセス社製を18.00重量部、分散剤として「BYK−LPN6919」(ビックケミー社製)を固形分換算で4.50重量部、参考合成例1で合成した樹脂Aを固形分換算で6.00重量部、溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート114.00重量部、径0.5mmのジルコニアビーズ225重量部をステンレス容器に充填し、ペイントシェーカーにて6時間分散させて黄色顔料分散液(1)を調製した。
前記<顔料分散液の調製>で調製した顔料分散液、溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下、「PGMEA」と称する)、参考合成例2で合成した樹脂B、重合性モノマー、光重合開始成分、及び界面活性剤としてDIC社製F−475(フッ素系界面活性剤)のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液(固形分:1質量%)を、表1に示す割合で混合し、実施例、比較例の着色樹脂組成物を調製した。
なお、表1中の数値は含有量(重量部)である。
ATM−4E(新中村化学工業社製)
クロムが蒸着されたガラス基板に、着色樹脂組成物をそれぞれスピンコート塗布し、80℃のホットプレートにて3分間プリベークを行った。塗布回転数はポストベーク後、色座標y=0.599となるように調整した。
次に、高圧水銀灯により幅50μm、長さ3mmの直線状マスクパターンを通してサンプルを50mj/cm2で露光した後、0.04重量%水酸化カリウム水溶液を使用し、
現像液温度23℃で0.25MPa圧でスプレー現像した。現像した時間は、あらかじめ測定した着色樹脂組成物の溶解時間の2倍とした。尚、溶解時間の測定については、下記(着色樹脂組成物の溶解時間の測定)に記載の方法で行った。
(着色樹脂組成物の溶解時間の測定)
クロムが蒸着されたガラス基板に、表1に記載の着色樹脂組成物をそれぞれスピンコート塗布し、80℃のホットプレートにて3分間プリベークを行った。塗布回転数はポストベーク後、色座標y=0.594となるように調整した。これを0.04重量%水酸化カリウム水溶液を用いて、現像液温度23℃、圧力0.25MPaでスプレー現像したときに、未露光部の着色樹脂組成物が現像液へ完全に溶解し、基板が露出した時間を、その着色樹脂組成物の溶解時間とした。
上記のようにして得られた50μm幅直線パターンの断面形状をSEMであるS−4500(日立化成社製)で観察した。
上記のようにして得られた50μm幅直線パターンの形状を50倍で顕微鏡観察し、カケがなく直線性が良好なものを○、突起や凹凸が観察されるものを×とした。
現像後の膜厚(Td)、230℃のオーブンにて30分間ポストベーク後の膜厚(Tp
)を測定し、Tp/Td×100を着色樹脂組成物の残膜率とした。
さらにATM−4E(新中村化学工業社製)の残膜率を100とし、モノマーA、B、Cの残膜率を計算した。
結果を表2に纏めた。
その為、本発明の着色樹脂組成物を用いて形成された画素を有するカラーフィルタ、並びに該カラーフィルタを有する液晶表示装置及び有機EL表示装置は高品質である。
20 画素
30 有機保護層
40 無機酸化膜
500 有機発光体
51 正孔注入層
54 電子注入層
Claims (7)
- (A)色材、(B)溶剤、(C)バインダー樹脂及び下記式(1)で表される化合物を含むことを特徴とするカラーフィルタ用着色樹脂組成物。
R1、R11及びR12は、各々独立に、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜4アルキル基を表す。但し、R11及びR12は、互いに結合して環を形成していてもよい。
尚、一分子中に、複数の−CR11R12−が含まれる場合、各々、同じでもよく、また異なっていてもよい。
lは、2〜7の整数を、
nは、1〜12の整数を表す。
尚、一分子中に複数含まれるnは、同じでもよく、また異なっていてもよい。) - 前記式(1)で表される化合物の含有量が、全固形分中、1重量%以上、70重量%以下であることを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタ用着色樹脂組成物。
- 更に、(D)光重合開始成分を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載のカラーフィルタ用着色樹脂組成物。
- 前記(D)光重合開始成分として、(D1)光重合開始剤を含有し、
該(D1)光重合開始剤が、オキシムエステル系開始剤であることを特徴とする請求項3に記載のカラーフィルタ用着色樹脂組成物。 - 請求項1〜4のいずれか一項に記載のカラーフィルタ用着色樹脂組成物を用いて形成された画素を有することを特徴とするカラーフィルタ。
- 請求項5に記載のカラーフィルタを有することを特徴とする液晶表示装置。
- 請求項5に記載のカラーフィルタを有することを特徴とする有機EL表示装置。
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