JP7052469B2 - 高炉羽口の耐火物構造 - Google Patents

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本発明は、高炉羽口部の耐火煉瓦(羽口煉瓦)構造及び高炉の設計方法に関する。
鉄鉱石等を加熱還元して銑鉄を生産する方法は、近年、直接還元法などが研究されているが、現在でも、大量生産する場合には、高炉による銑鉄生産が圧倒的に効率的であり、生産量の大部分は高炉による還元製鉄が行われている。
図1に、高炉10の縦断面図を示す。炉頂部に設けた装入コンベヤ11から小ベル12、大ベル13といった装入装置を介して、炉内に投入された焼結鉱や塊鉱石、ペレットとコークス及び副原料21は、高炉中ほどのシャフト14内で積層構造22をなし、コークスが燃焼して生じたCOガスやCO2ガス等により、鉱石成分中の鉄源が昇温され、高温下で還元・溶融されて溶銑23となり、生成した溶融スラグ24と共に、炉底16に溜まる。
近年の大規模高炉では、炉底に近い炉床部に4~5箇所の出銑口18が設けられており、常時いずれかの出銑口から溶銑23と溶融スラグ24が排出されている。
一方、炉床16上方に位置する朝顔15と呼ばれる上向きに拡径する部分の下端付近には、送風羽口17が、例えば、周囲に40基程度設置され、加圧高温空気が相当の圧力及び速度で高炉内に送風されている。
羽口17から高圧で吹き込まれた空気により、高炉内は3~4kgf/cm2程度の高圧環境となっている。
高炉を安定的に操業するためには、炉頂から装入される原材料に見合った安定した量の溶銑及び溶融スラグの排出が欠かせないが、安定的な出銑を阻害する要因として、溶銑及び溶融スラグ中に炉内の高圧ガスが混入する事象がある。
この事象は、出銑口の途中から炉内ガスが溶銑及び溶融スラグ中に混入する現象で、その結果、溶銑及び溶融スラグの円滑な流出を阻害して、炉内に溶銑等が過度に溜まってしまう現象を誘発する。
この状態が進むと、溶銑レベルが羽口近くまで上昇することとなり、その結果、羽口が溶損・破損し、また、炉内の適正なガス流れを阻害して安定した操業が困難となる。
さらにこの現象が進むと、高圧ガスと共に、羽口部のコークスが羽口から突発的に吹出す、吹き荒らしともいわれる、重大な事故を起こす恐れがある。
この現象は、経験的には、高炉の火入れ初期の段階、即ち、高炉炉内で大量の熱が発生し、その結果、炉体が徐々に膨張する過程で発生することが知られており、その収束には1~2年程度の期間を要していた。
出銑口付近の炉内ガス混入や、羽口の損傷を防ぐ技術としては、いろいろな手法が試されているが、特に、火入れから1~2年以内に発生し易い上記現象を防止する効果的な手段は、以下に、各文献について記すように、未だ実現していないのが現状である。
引用文献1及び2に開示された技術は、高炉出銑口の経時的使用によって生じる出銑口の露出煉瓦からの炉内ガスの噴出に対して、出銑口損傷部の補修方法に関する技術であって、火入れ後、間もなくに生じる炉内ガスの噴出に関する記載は無い。
特許文献3に開示された技術は、出銑口を形成する煉瓦を炭素質耐火物で一体に形成することで、出銑口部の耐火煉瓦からのCOガス(炉内ガス)の漏洩を防止する技術である。
引用文献4に開示された技術は、高炉出銑時におけるガス漏れ防止対策として、出銑口より大径の孔を穿設し、流動性の良好な充填材を圧入・充填するもので、いわば、対症療法であり、羽口付近から出銑口に回り込む炉内ガスを出口で止めようとするものであるから、根本的な解決策にはなっていない。
引用文献5に開示された技術は、出銑口煉瓦の目地切れ等により発生する炉外ガス漏れを高炉休風中に防止する方法であり、出銑口上部の羽口に微粉炭吹き込みノズルから耐熱性微粉末を不活性ガスと共に炉内に吹き込んで、ガス漏れルート中に堆積、溶融凝固させてガス漏れを防止するものであるが、予め、当該羽口部をボタで閉塞し、高炉休風中である等、準備や条件が厳しく、炉内ガス漏れの対処手法としては制限が大である欠点がある。
引用文献6に記載された技術は、出銑時における炉内ガス漏れを、出銑口に大径の孔を貫通させて、再形成する手法であり、対症療法であって、炉内ガスの漏出元を断つ技術ではない。
上述した特許文献1~6に開示された技術は、基本的に、出銑口の損傷に対する補修技術であって、炉内ガスによる出銑口からの溶銑等の円滑な流出対策として有効なものではない。
引用文献7には、高炉の解体・改修に際して、工期短縮のために、朝顔部の上方を不定形耐火物で構成し、同下方部を耐火煉瓦積みで構成し、両者の境界部に高炉の稼働時に収縮又は消失する膨張吸収材を介在させる技術が開示されているが、あくまでも工期短縮を目的としているため、高炉の再稼働初期における炉内ガスの出銑口からの吹出しを防止するものではない。
特許文献8に記載の技術は、炉床壁耐火物及び炉底耐火物の熱膨張による羽口の押し上げによる損傷を防止するため、羽口本体の大丸と羽口受け用耐火物との間に、加圧時に収縮する特性、即ち可縮性をもつ耐火モルタルを介在させる技術であり、上下の弧状目地部において使用する耐火モルタルの熱間可縮率を変化させているが、この技術は、羽口部の損傷を羽口部近傍のみの可縮性耐火モルタルで、緩和・吸収しようとする技術であり、本発明で述べるような羽口部上部煉瓦の突き上げを防止するものではない。
引用文献9に開示された技術は、羽口を構成する羽口ブロック同士を、同ブロック側面に嵌装するキー煉瓦で相互に固定することで、ブロック同士の結合力を強固にして、羽口構造物やブロック自体の長期安定性を高めるものであり、いわば、力づくで熱膨張による変位を抑え込む技術であり、本発明で述べる全周に亘っての膨張・吸収とは全く別の発明である。
引用文献10には、第3発明として、羽口部の突き上げによる損傷を防止するために、羽口中心を通る鉛直線上で羽口耐火物を2分割し、更に、左右の羽口耐火物を羽口中心線から同一回転方向に所定距離ずらして鉛直方向及び水平方向にそれぞれ2分割するように縦目地及び横目地を構成した高炉羽口の耐火物構造が記載されているが、この発明は、羽口の破損のみに着目しており、横目地を貫通しない構造としたことで、羽口ブロックが横移動せず、羽口の突き上げを防止できるとしており、本発明で述べるような羽口部上部煉瓦の突き上げを防止する構造を具備するものではない。
上記特許文献9~10に開示された技術は、羽口部煉瓦の移動を煉瓦相互の結合力を増大させて抑制しようとするものであって、火入れ後の温度上昇による膨張力を勘案すると、現実的とは言えない対策である。
引用文献11には、炉床壁煉瓦の熱膨張があっても、羽口煉瓦によって大丸に過大な荷重がかかって、大丸の変形を生じ、その結果、大丸と羽口煉瓦との空隙からのガス漏れを生じさせることが無いように、朝顔部煉瓦を突き上げることのない安定性を保つ高炉羽口部ステーブクーラー及びステーブ本体を提供することを目的とする技術である。
この発明においては、羽口下の水冷ステーブ本体に棚状のつき出し部を設けるとともに、棚状の突き出し部の下側に、炉床部耐火煉瓦の熱膨張代を吸収するための可縮性モルタル層を配置している。
この発明は優れたアイデアではあるが、炉床部に近い部分に、炉心に向かって突き出している棚状の構造物を有する水冷式ステーブクーラーを配置することは、羽口近くまで溶銑等が上昇する場合もあり得ることを考慮すると、ステーブクーラーが破損した場合、水蒸気による大爆発の恐れがあり、また、棚状のつき出し部の存在により、目地部分に、熱伝導性に優れたスタンプ材を採用することができず、硬化後に空隙が形成される低熱伝導度のキャスタブル耐火材を使用せざるを得ないことから、実用化は困難であると同時に、近年、防災上の観点から危険が伴うこの技術の採用はより困難である。
特開平3-104810号公報 特開平3-104809号公報 特開平4-323311号公報 特開平2-25509号公報 特開平2-205611号公報 特開平2-267206号公報 特開2017-2365号公報 特開2007-291415号公報 特開2011-168851号公報 特開平7-224308号公報 特開2002-220609号公報
本発明は、特に、高炉の火入れ時に発生し易い出銑口付近における炉内ガスの溶銑等への混入を防止すべく、羽口付近の耐火物構造を改良したものであり、火入れ直後から、高炉の安定した操業を可能としたものである。
発明者らが、出銑口近傍に炉内ガスが混入する経路を調査したところ、炉内に高温高圧空気を吹き込む羽口付近の耐火物に生じた間隙を経由して、炉内ガスが出銑口近傍に到達し、その結果、出銑口からの溶銑等に混入する事象を確認した。
即ち、火入れ前には、常温であった高炉下部の炉床から羽口に至る内張り耐火物は、火入れ後の燃焼の進行と、溶銑や溶融スラグの蓄積により高温に加熱されるため、熱膨張を生じ、最も高温となる炉底から羽口近傍における内張り耐火物の膨張量は、羽口近傍で、高炉の高さ方向に60mmにも達することがある。
この結果、羽口近傍の耐火物や耐火物間の目地は、突き上げ力に耐え切れず、羽口煉瓦が、全体的に突き上げられ、上方へ移動することとなり、その結果、大丸直上部にスペースが生じる。
この部分から内張り耐火物の裏側に回り込んだ炉内ガスは、常圧の外部に開口する出銑口に向かい、出銑口から溶銑等に先立って噴出したり、或いは、溶銑や溶融スラグの円滑な排出を妨げてしまう。
本発明では、出銑口から羽口近傍に至る内張り耐火物で発生する熱膨張による羽口煉瓦の上昇による羽口構造物と羽口煉瓦との間隙の生成を防止するため、羽口煉瓦に、高炉の全周に渡って、該熱膨張を吸収できる構造を採用し、炉内ガスが羽口近傍から出銑口に向かう経路を形成させないようにして、火入れ後に発生し易い出銑口からの溶銑排出障害や吹き荒らしを防止するものである。
本発明の具体的構成は、以下に記載のとおりのものである。
(1)羽口煉瓦に、高炉内張り耐火物の熱膨張による位置変動を緩和する可縮性耐火物層を、平面上で見て、高炉の全周に亘って敷設することを特徴とする高炉羽口部の耐火物構造。
(2)羽口煉瓦の下辺に、前記可縮性耐火物層を敷設したことを特徴とする上記(1)に記載の高炉羽口の耐火物構造。
(3)羽口煉瓦を、上下2分割とし、この分割面に可縮性耐火物層を敷設したことを特徴とする上記(1)に記載の高炉羽口の耐火物構造。
(4)上記可縮性耐火物層が、羽口構造物を境に、羽口煉瓦の左右の分割面が異なる高さに敷設されていることを特徴とする上記(3)に記載の高炉羽口の耐火物構造。
本発明によれば、高炉の火入れ後の炉内温度上昇に伴う炉床煉瓦等の高炉内張り耐火物の熱膨張による位置変動(上昇)が適切に吸収されて、羽口煉瓦の位置変動(上昇)を低減できるので、羽口煉瓦と大丸や大丸保持金具との間に間隙ができることを防止することができる。
これによって、羽口煉瓦と大丸等の隙間から、高炉内張り耐火物の背面側を通って出銑口に至る炉内ガスの流出経路の生成も阻止されるため、出銑口からの炉内ガスの噴出や、溶銑等の排出不良を確実に防止することができ、高炉の安定操業を早期に実現することができる。したがって、本発明は産業上の貢献が極めて顕著である。
高炉の縦断面模式図である。 羽口部を構成する耐火煉瓦と大丸の間に可縮部を設置した従来の羽口煉瓦の側面図(a)と正面図(b)である。 従来の羽口煉瓦部から出銑口に至る炉内ガスの漏出経路を示す側面図である。 羽口煉瓦の下辺に可縮部を設けた実施形態の側面図(a)と正面図(b)図である。 羽口煉瓦の高さ方向中央付近に可縮部を設けた実施形態の側面図(a)と正面図(b)図である。 羽口煉瓦の高さ方向中央付近に羽口の左右で異なる高さに可縮部を設けた実施形態の側面図(a)と正面図(b)図である。
以下、本発明について詳細に説明する。まず、高炉の炉床から羽口部に至る部分について、簡単に説明する。
高炉全体には、鋼鉄製の鉄皮が設けられ、その内側に耐熱性の耐火物が内張りされている。炉床から羽口部に至る内張り耐火物は、黒鉛を主体とする、いわゆるカーボン煉瓦が使用され、羽口近傍から朝顔部と呼ばれる高炉の最大径部に至る部分の耐火物としては、カーボン煉瓦と、一部、炭化珪素(SiC)煉瓦が使用されることが多い。
図1に示した羽口17は、炉床16の上部、且つ、朝顔部15の下端部付近に、円周上にほぼ等間隔で、例えば40基が設けられている。
羽口17は、大丸と呼ばれる治具を介して、大丸保持金物で鉄皮に固定されている。
新設された高炉、或いは、改修後の高炉に火入れすると、高炉内に積層されたコークスの燃焼により、内張り耐火物が加熱され始め、定常操業に至ると、高炉内部の炉床から羽口に至る近傍は1500℃程度まで加熱され、高炉の内張り耐火物の熱膨張の結果、羽口付近では、前述したように、羽口煉瓦が60mm程度も高さ方向に持ち上げられる。
一方、鉄皮に固定された大丸や大丸保持金物は、熱膨張の影響を受け難く、変位が小さいため、上昇してきた羽口煉瓦により上向きの強い力を受けて、損傷・変形を生じたり、損傷しないまでも、耐火煉瓦と大丸及び大丸保持金物との間に空隙が形成され、さらに、ステーブと耐火煉瓦の間や、ステーブと鉄皮の間にも空隙が発生する。
前述したように、高炉内は、高温且つ、3~4kg/cm2程度の高圧雰囲気であるため、羽口から吹き込まれた高圧空気や高炉内燃焼ガスは、該空隙に侵入して、唯一常圧下の外部への開口である出銑口に向かい、この部分から外部へ吹き出ようとする。
この状態が深刻化すると、出銑口からの溶銑等の排出が停滞し、そのまま溶銑レベルが上昇すると、羽口から高炉内ガスがコークスを伴って突発的に吹出す重大事故に繋がる。
本発明においては、羽口やその近傍の大丸、大丸保持金具等に熱膨張による過大な位置ずれが生じないように、耐火煉瓦組みにあたって、可縮性耐火物層を羽口煉瓦の全周に亘って設置している。
図2は、特許文献11に開示された従来の羽口部煉瓦構造における側面図と正面図を示す。図2(a)及び(b)は、それぞれ、火入れ前後における側面図と正面図であり、火入れ前の煉瓦の位置を一点鎖線で、火入れ後、熱膨張によって上昇した煉瓦の位置を実線で示している。なお、大丸2に支持される羽口構造物自体は、図示を省略している。大丸2は大丸保持金具3で高炉鉄皮に固定されている。以下、羽口構造物を保持する耐火煉瓦を羽口煉瓦1という。
正面図(b)に示すように、羽口煉瓦1の大丸2との接触面のうち、下方半円部には、火入れに伴う炉床煉瓦等の熱膨張分を吸収するべく、予め可縮性耐火物4が断面三日月状に設置されている。
この状態から火入れによる温度上昇に伴い、炉床煉瓦等が熱膨張した状態になると、可縮性耐火物層4が理想的にその体積を減じたとしても、上記下方半円部は羽口煉瓦の上昇によって、大丸との接触部分は密着するが、羽口煉瓦の大丸との接触面のうち、上方半円部に空隙5が生じてしまう。
つまり、大丸2と羽口煉瓦1の大丸嵌装部との相対的位置変動があるため、火入れ前に下方半円部に設置されていた可縮性耐火物層4の減厚した厚みに相当する空隙が、火入れ後の温度上昇による熱膨張により、温度上昇後には、大丸2の上方半円部に空隙5が形成されることになる。
火入れ後、温度が上昇した状態における側面図を示す図3に、小矢印で、羽口から吹き込まれた加圧空気流が内張り耐火物の裏側へ回り込み、羽口下方の出銑口に向かうルートを示した。
即ち、羽口から吹き込まれた加圧空気の一部と炉内高圧ガスは、大丸2と羽口煉瓦1との上方半円部に形成された空隙5を通って、羽口煉瓦1の裏側に回り込み、羽口煉瓦1下方の炉床煉瓦6の裏側を通過して、出銑口に至り、出銑口から噴出したり、或いは、出銑口からの溶銑や溶融スラグの排出を困難化したりする。
これに対して、図4に示す本発明の第1実施形態においては、羽口煉瓦1の下辺全体に可縮性耐火物層4が形成されている。
このため、高炉の全周に亘って羽口煉瓦1の上昇が抑制され、鉄皮に固定された大丸保持金物3及び大丸2と、羽口煉瓦1との相対的位置変動がごくわずかなものとなり、大丸2や大丸保持金具3に過大な応力がかかることがない。
このため、羽口煉瓦の位置ずれや目地部の損傷が抑制され、炉内ガス等が耐火物層に侵入することを防止できる。
図5に示す本発明の第2実施形態においては、第1実施形態で羽口煉瓦1の下辺に敷設していた可縮性耐火物層4を、上下に分割した羽口煉瓦の高さ方向の中央付近に設けている。この結果、炉床煉瓦6等の熱膨張による上昇は、羽口煉瓦1の大丸に接する下半部の上昇で吸収され、大丸への突き上げ力は緩和されるので、大丸上半部に隙間が形成され難くなる。
この形態では、下半部の羽口煉瓦には、従来と同様の三日月状の可縮性耐火物層4の設置が必要となるが、上下に分割された羽口煉瓦間に設置される可縮性耐火物層4の位置は第1実施形態よりも、炉床から離れた位置に形成されることにより、炉床に溜まった溶銑等の影響をより小さくすることができる。
さらに、図6に示す本発明の第3実施形態においては、大丸の左右で、羽口煉瓦1の上下分割面の高さを変更して、隣接する羽口煉瓦1間で、可縮性耐火物層4が、いわゆる通し目地を形成しないように工夫している。
このような形態とすることで、強度的に羽口煉瓦よりは損傷の可能性が高い可縮性耐火物が一部破損しても、その破壊が隣接する可縮性耐火物の目地に影響することがなく、羽口部耐火物全体の強度信頼性を一層高めることができる。
可縮性耐火物層4の材質としては、炭素質素材にアルミナ粉や繊維質耐火物を添加した一般的な可縮性耐火物を採用することができる。
本発明による高炉羽口部の耐火物構造を採用すれば、新設、或いは改修後の高炉の火入れ後に、特に発生し易く、その抑制に1~2年を要していた出銑口からの炉内ガスの噴出や、溶銑等の排出障害を未然に、或いは早期に抑制することができ、高炉の定常操業を迅速に達成することが可能となる。
1:羽口煉瓦
2:大丸
3:大丸保持金具
4:可縮性耐火物
5:空隙
6:炉床煉瓦
10:高炉
11:装入コンベヤ
12:小ベル
13:大ベル
14:シャフト
15:朝顔
16:炉床
17:羽口
18:出銑口
21:鉱石、コークス、副原料
22:積層構造
23:溶銑
24:溶融スラグ

Claims (4)

  1. 羽口煉瓦に、高炉内張り煉瓦の熱膨張を緩和する可縮性耐火物層を、平面上で見て、高炉の全周に亘って敷設することを特徴とする高炉の羽口部の耐火物構造。
  2. 羽口煉瓦の下辺に、前記可縮性耐火物層を敷設したことを特徴とする請求項1に記載の高炉羽口の耐火物構造。
  3. 羽口煉瓦を、上下2分割とし、この分割面に可縮性耐火物層を敷設したことを特徴とする請求項1に記載の高炉羽口の耐火物構造。
  4. 上記羽口煉瓦は、羽口構造物を境に左右に分割面を備え、上記左右の分割面の下辺からの高さが異なることを特徴とする請求項3に記載の高炉羽口の耐火物構造。
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