JP7051364B2 - 口腔用組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、口腔用組成物に関する。
歯のエナメル質は、エナメル小柱と呼ばれるヒドロキシアパタイトの多結晶で構成された柱状物が集まって構成されており、一般的に若年期においては、このエナメル質のエナメル小柱とエナメル小柱の間に空間(隙間)、すなわち、小柱間隙が存在し、水や唾液成分等で満たされている。そして、エナメル質への入射光がエナメル小柱と小柱間隙の空間との大きな屈折率の差により散乱することにより、歯が白く見えることとなる。
ところが、例えば歯石や歯垢、喫煙、又はコーヒー若しくはお茶等の習慣的飲食や加齢等により、歯のエナメル質表層の小柱間隙に唾液中に溶けた物質が沈積し続けると、この小柱間隙は埋まり、その結果、エナメル小柱と小柱間隙の屈折率の差が小さくなるため、エナメル質において透明性が高まり、入射光がエナメル質の深部に位置する黄色ないし褐色の象牙質まで達しやすくなって、歯が黄色味を帯びて見えるようになってしまう。
こうしたなか、歯の審美性を高めるべく、種々の開発がなされている。例えば特許文献1では、特定量のフィチン酸又はその塩を含有し、かつ特定のpH値を有する小柱間隙際形成用組成物が開示されており、加齢等によって生じた小柱間隙物質を選択的に除去して失われた小柱間隙を再形成し、歯の美白効果を高めている。また、特許文献2には、フィチン酸化合物と、特定の平均粒径及び崩壊強度を有する粒子とを含有する歯磨組成物が開示されており、歯の着色汚れ効果と美白効果の向上を試みている。
一方、特許文献3には、pH等の特定の条件下、フィチン酸又はその塩とピロリン酸又はその塩を特定量で併用した口腔用組成物が開示されており、歯表面に付着する微小汚れを除去し、光沢付与効果ももたらしている。
特開2009-263268号公報 特開2003-335646号公報 特開2012-219058号公報
しかしながら、上記特許文献に記載の技術では、歯に付着する種々の汚れの除去効果を高めて歯に美白効果等をもたらし得ても、こうした種々の汚れの付着防止効果をも発揮させるための検討はなされていないため、繰り返される習慣的飲食や加齢等によって再び歯に汚れが付着又は沈着するおそれがあり、また一旦付与された歯の美白効果等も瞬く間に損なわれてしまう傾向にある。そのため、歯の本来の健康的な色合いを取戻しながら、それを持続させることのできる技術の出現が望まれている。
すなわち、本発明は、歯のエナメル質表層の小柱間隙に存在する沈着した汚れを選択的かつ効果的に除去するとともに、歯に新たな沈着汚れが付着するのをも有効に防止して、歯に本来有する美しい艶をもたらすことのできる口腔用組成物に関する。
そこで本発明者は、種々検討したところ、フィチン酸又はその塩とトリポリリン酸等とを特定の合計含有量かつ質量比で併用しつつ、特定の多価金属又はその塩の含有を制限し、かつ特定のpHを保持することにより、歯のエナメル質表層の小柱間隙における選択的な沈着汚れ除去効果と沈着汚れ付着防止効果とを兼ね備えることのできる口腔用組成物が得られることを見出した。
したがって、本発明は、次の成分(A)、及び(B):
(A)フィチン酸又はその塩、及び
(B)トリポリリン酸又はその塩を含有し、成分(A)のフィチン酸換算量と成分(B)の酸換算量との合計含有量が0.02質量%以上1.4質量%以下であり、成分(B)の酸換算量と成分(A)のフィチン酸換算量との質量比((B)/(A))が0.8以上5以下であり、
銅、鉄、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、亜鉛、及び錫から選ばれる1種又は2種以上の多価金属又はその塩(C)を含有しないか、或いは成分(A)のフィチン酸換算量に対して成分(C)を0.1倍モル未満含有し、かつ
水で30質量%に希釈したときの25℃におけるpHが5.5以上6.5以下である口腔用組成物を提供するものである。
本発明の口腔用組成物によれば、歯のエナメル質表層の小柱間隙に存在する沈着した汚れを選択的かつ効果的に除去することができるので、歯に本来有する美しい艶を付与することができる。また、歯表面や小柱間隙に新たな汚れが付着及び沈着するのをも有効に防止することができるとともに、きしみ感をもたらすことなく歯の良好な滑らかさを確保することができるので、歯の滑らかな艶やかさを持続させることが可能である。
以下、本発明について詳細に説明する。
なお、きしみ感とは、歯と歯を接触させたり擦り合せたりしたときに、必要以上の摩擦を感じる様な、歯における物理的不快感を意味し、歯表面に凹凸が多々存在して滑らかさが失われ、ざらつきが生じているような場合にも感じ得る感触である。
本発明の口腔用組成物は、成分(A)として、フィチン酸又はその塩を含有する。フィチン酸は、別名myo-イノシトール6リン酸ともいい、リン酸化合物である。かかる成分(A)を含有することにより、小柱間隙に存在する沈着した汚れを選択的かつ効果的に除去することができるので、エナメル質に過度なダメージを与えるのをも有効に防止することができ、歯に優れた艶やかさを付与することができる。
フィチン酸の塩としては、ナトリウムやカリウム等のアルカリ金属塩やアンモニウム塩等が挙げられる。
成分(A)の含有量は、小柱間隙における沈着汚れ除去効果を良好に発揮させる観点から、本発明の口腔用組成物中に、フィチン酸換算量で、好ましくは0.01質量%以上であり、より好ましくは0.05質量%以上であり、さらに好ましくは0.1質量%以上であり、よりさらに好ましくは0.23質量%以上である。また、成分(A)の含有量は、きしみ感の発現を抑制して、歯の優れた艶やかさを持続させる観点から、本発明の口腔用組成物中に、フィチン酸換算量で、好ましくは1.2質量%以下であり、より好ましくは1質量%以下であり、さらに好ましくは0.7質量%以下であり、よりさらに好ましくは0.5質量%以下である。そして、成分(A)の含有量は、本発明の口腔用組成物中に、フィチン酸換算量で、好ましくは0.01~1.2質量%であり、より好ましくは0.05~1質量%であり、さらに好ましくは0.1~0.7質量%であり、よりさらに好ましくは0.23~0.5質量%である。
本発明の口腔用組成物は、成分(B)として、トリポリリン酸又はその塩を含有する。かかる成分(B)を含有することにより、成分(A)と相まって小柱間隙における沈着汚れ除去効果を確保しながら、歯表面を良好にコーティングして、歯表面及び小柱間隙に再び沈着汚れが付着するのを有効に防止することができるので、歯の優れた艶やかさを持続させることを可能とする。
成分(B)の塩としては、ナトリウムやカリウム等のアルカリ金属塩が挙げられ、ナトリウムが好ましい。
成分(B)の含有量は、歯表面及び小柱間隙における沈着汚れ付着防止効果を良好に発揮させる観点から、本発明の口腔用組成物中に、酸換算量で、好ましくは0.01質量%以上であり、より好ましくは0.1質量%以上であり、さらに好ましくは0.3質量%以上であり、よりさらに好ましくは0.4質量%以上である。また、成分(B)の含有量は、きしみ感の発現を抑制して、歯の優れた艶やかさを持続させる観点から、本発明の口腔用組成物中に、酸換算量で、好ましくは1.2質量%以下であり、より好ましくは1.0質量%以下であり、さらに好ましくは0.9質量%以下であり、よりさらに好ましくは0.7質量%以下である。そして、成分(B)の含有量は、本発明の口腔用組成物中に、酸換算量で、好ましくは0.01~1.2質量%であり、より好ましくは0.1~1.0質量%であり、さらに好ましくは0.3~0.9質量%であり、よりさらに好ましくは0.4~0.7質量%である。
本発明の口腔用組成物は、成分(A)のフィチン酸換算量と成分(B)の酸換算量との合計含有量((A)+(B))が、0.02質量%以上1.4質量%以下である。これにより、小柱間隙における優れた汚れ除去効果と、歯表面及び小柱間隙における優れた沈着汚れ付着防止効果とを有効に兼ね備えることができ、きしみ感の発現を抑制しつつ、歯に本来の滑らかな艶やかさを持続させることが可能となる。かかる成分(A)のフィチン酸換算量と成分(B)の酸換算量との合計含有量((A)+(B))は、小柱間隙における汚れ除去効果と歯表面及び小柱間隙における沈着汚れ付着防止効果とを有効に発揮させる観点から、本発明の口腔用組成物中に、0.02質量%以上であって、好ましくは0.2質量%以上であり、より好ましくは0.4質量%以上であり、さらに好ましくは0.7質量%以上である。また、成分(A)のフィチン酸換算量と成分(B)の酸換算量との合計含有量((A)+(B))は、歯のエナメル質の溶出及びきしみ感の発現を有効に防止して、歯の滑らかな艶やかさを効果的に持続させる観点から、本発明の口腔用組成物中に、1.4質量%以下であって、好ましくは1.3質量%以下であり、より好ましくは1.2質量%以下であり、さらに好ましくは0.9質量%以下である。そして、成分(A)のフィチン酸換算量と成分(B)の酸換算量との合計含有量((A)+(B))は、本発明の口腔用組成物中に、0.02質量%以上1.4質量%以下であって、好ましくは0.2~1.3質量%であり、より好ましくは0.4~1.2質量%であり、さらに好ましくは0.7~0.9質量%である。
成分(B)の酸換算量と成分(A)のフィチン酸換算量との質量比((B)/(A))は、小柱間隙における優れた汚れ除去効果と、歯表面及び小柱間隙における優れた沈着汚れ付着防止効果とを有効に兼ね備える観点から、0.8以上であって、好ましくは1以上であり、より好ましくは1.2以上であり、さらに好ましくは1.5以上である。また、成分(B)の酸換算量と成分(A)のフィチン酸換算量との質量比((B)/(A))は、歯のエナメル質の溶出及びきしみ感の発現を有効に防止して、歯の滑らかな艶やかさを効果的に持続させる観点から、5以下であって、好ましくは4以下であり、より好ましくは3以下であり、さらに好ましくは2以下である。そして、成分(B)の酸換算量と成分(A)のフィチン酸換算量との質量比((B)/(A))は、0.8以上5以下であって、好ましくは1~4であり、より好ましくは1.2~3であり、さらに好ましくは1.5~2である。
本発明の口腔用組成物は、銅、鉄、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、亜鉛、及び錫から選ばれる1種又は2種以上の多価金属又はその塩(C)の含有が制限される。これら成分(C)は、成分(A)を不溶性にしたり、小柱間隙における優れた汚れ除去効果を低下させたりするおそれがあるため、また歯の滑らかな艶やかさ及びその持続性を有効に確保する上からも、その含有を制限するものである。本発明の口腔用組成物は、これら成分(C)を成分(A)のフィチン酸換算量に対し、0.1倍モル未満含有し、好ましくは0.02倍モル以下含有し、或いは成分(C)を含有しない。
なお、かかる成分(C)の含有量は、ICP発光分析法(ICP発光分析装置:Perkin Elmer社 Optima 5300DV)により、成分(C)の多価カチオンの合計量として測定される値である。
本発明の口腔用組成物は、成分(A)や成分(B)を含有するにあたり、より効果的にきしみ感を低減する観点から、キシリトール(D)を含有することが好ましい。かかる成分(D)の含有量は、成分(A)や成分(B)のきしみ感を有効に低減する観点から、本発明の口腔用組成物中に、好ましくは1質量%以上であり、より好ましくは2質量%以上であり、さらに好ましくは3質量%以上である。また、成分(D)の含有量は、組成物のきしみ感を有効に低減し、組成物の適度な粘性、小柱間隙における優れた汚れ除去効果と、歯表面及び小柱間隙における優れた沈着汚れ付着防止効果とを有効に兼ね備える観点から、本発明の口腔用組成物中に、好ましくは15質量%以下であり、より好ましくは12質量%以下であり、さらに好ましくは8質量%以下である。そして、成分(D)の含有量は、本発明の口腔用組成物中に、好ましくは1~15質量%であり、より好ましくは2~12質量%であり、さらに好ましくは3~8質量%である。
成分(B)の含有量と成分(D)の含有量との質量比((B)/(D))は、小柱間隙における優れた汚れ除去効果と、歯表面及び小柱間隙における優れた沈着汚れ付着防止効果とを有効に兼ね備える観点から、好ましくは0.01以上であり、より好ましくは0.03以上であり、さらに好ましくは0.06以上である。また、成分(B)の含有量と成分(D)の含有量との質量比((B)/(D))は、組成物のきしみ感を有効に低減し、組成物の適度な粘性を有効に兼ね備える観点から、好ましくは0.4以下であり、より好ましくは0.3以下であり、さらに好ましくは0.18以下であり、さらに好ましくは0.14以下である。そして、成分(B)の含有量と成分(D)の含有量との質量比((B)/(D))は、好ましくは0.01~0.4であり、より好ましくは0.03~0.3であり、さらに好ましくは0.03~0.18であり、またさらに好ましくは0.06~0.14である。
成分(A)のフィチン酸換算量と成分(B)の酸換算量との合計含有量と成分(D)の含有量との質量比({(A)+(B)}/(D))は、小柱間隙における優れた汚れ除去効果と、歯表面及び小柱間隙における優れた沈着汚れ付着防止効果とを有効に兼ね備える観点から、好ましくは0.02以上であり、より好ましくは0.08以上であり、さらに好ましくは0.1以上であり、またさらに好ましくは0.14以上である。また、成分(A)のフィチン酸換算量と成分(B)の酸換算量との合計含有量と成分(D)の含有量との質量比({(A)+(B)}/(D))は、組成物のきしみ感を有効に低減し、組成物の適度な粘性を有効に兼ね備える観点から、好ましくは0.35以下であり、より好ましくは0.3以下であり、さらに好ましくは0.24以下であり、またさらに好ましくは0.2以下である。そして、成分(A)のフィチン酸換算量と成分(B)の酸換算量との合計含有量と成分(D)の含有量との質量比({(A)+(B)}/(D))は、好ましくは0.02~0.35であり、より好ましくは0.08~0.3であり、さらに好ましくは0.1~0.24であり、またさらに好ましくは0.14~0.2である。
本発明の口腔用組成物は、歯へのフッ素吸着量を増大させつつ、またより効果的に成分(A)と成分(B)を併用する際のきしみ感を低減する観点から、モノフルオロリン酸又はそのアルカリ金属塩(E)を含有することが好ましい。
成分(E)のアルカリ金属塩のアルカリ金属としては、ナトリウム、カリウムが挙げられ、ナトリウムが好ましい。
成分(E)の含有量は、歯へ良好にフッ素を吸着させる観点、及びきしみ感を有効に低減する観点から、本発明の口腔用組成物中に、フッ素原子換算量で、好ましくは100ppm以上であり、より好ましくは500ppm以上であり、さらに好ましくは800ppm以上である。また、成分(E)の含有量は、歯へ良好にフッ素を吸着させる観点、及び安全性の観点から、本発明の口腔用組成物中に、フッ素原子換算量で、好ましくは2000ppm以下であり、より好ましくは1500ppm以下であり、さらに好ましくは1100ppm以下である。また、成分(E)の含有量は、本発明の口腔用組成物中に、フッ素原子換算量で、好ましくは100~2000ppmであり、より好ましくは500~1500ppmであり、さらに好ましくは800~1100ppmである。
成分(E)の含有量は、歯へ良好にフッ素を吸着させる観点、及びきしみ感を有効に低減する観点から、本発明の口腔用組成物中に、好ましくは0.08質量%以上であり、より好ましくは0.4質量%以上であり、さらに好ましくは0.6質量%以上である。また、成分(E)の含有量は、歯へ良好にフッ素を吸着させる観点、及び安全性の観点から、本発明の口腔用組成物中に、好ましくは1.5質量%以下であり、より好ましくは1.2質量%以下であり、さらに好ましくは0.85質量%以下である。そして、成分(E)の含有量は、本発明の口腔用組成物中に、好ましくは0.08~1.5質量%であり、より好ましくは0.4~1.2質量%であり、さらに好ましくは0.6~0.85質量%である。
成分(B)の酸換算量と成分(E)の含有量との質量比((B)/(E))は、歯へ良好にフッ素を吸着させる観点、及びきしみ感を有効に低減する観点から、好ましくは0.1以上であり、より好ましくは0.3以上であり、さらに好ましくは0.5以上である。また、成分(B)の酸換算量と成分(E)の含有量との質量比((B)/(E))は、歯へ良好にフッ素を吸着させる観点、及び安全性の観点から、好ましくは1.5以下であり、より好ましくは1.3以下であり、さらに好ましくは1以下である。そして、成分(B)の酸換算量と成分(E)の含有量との質量比((B)/(E))は、好ましくは0.1~1.5であり、より好ましくは0.3~1.3であり、さらに好ましくは0.5~1である。
成分(A)のフィチン酸換算量と成分(B)の酸換算量との合計含有量と、成分(E)の含有量との質量比({(A)+(B)}/(E))は、歯へ良好にフッ素を吸着させる観点、及び効果的に成分(A)と成分(B)を併用する際のきしみ感を有効に低減する観点から、好ましくは0.2以上であり、より好ましくは0.4以上であり、さらに好ましくは0.6以上であり、またさらに好ましくは0.9以上である。また、成分(A)のフィチン酸換算量と成分(B)の酸換算量との合計含有量と、成分(E)の含有量との質量比({(A)+(B)}/(E))は、歯へ良好にフッ素を吸着させる観点、及び安全性の観点から、好ましくは3以下であり、より好ましくは2以下であり、さらに好ましくは1.7以下であり、またさらに好ましくは1.4以下である。そして、成分(A)のフィチン酸換算量と成分(B)の酸換算量との合計量と成分(E)の含有量との質量比({(A)+(B)}/(E))は、好ましくは0.2~3であり、より好ましくは0.4~2であり、さらに好ましくは0.6~1.7であり、またさらに好ましくは0.9~1.4である。
本発明の口腔用組成物が練歯磨剤や粉歯磨剤等の歯磨組成物である場合、適度な粘度を有しながら歯表面の近傍に組成物を滞留及び拡散させ、小柱間隙における汚れ除去効果と、歯表面及び小柱間隙における沈着汚れ付着防止効果とを有効かつ効率的に発揮させる観点、及び歯の滑らかな艶やかさを持続させる観点から、セルロース系粘結剤(f)を含む粘結剤(F)を含有するのが好ましい。成分(F)に含まれるセルロース系粘結剤(f)としては、具体的には、例えば、カルボキシメチルセルロース又はその塩、並びにヒドロキシエチルセルロースやヒドロキシプロピルセルロース等のヒドロキシアルキルセルロースから選ばれる1種又は2種以上が挙げられ、カルボキシメチルセルロース又はその塩が好ましい。
かかるカルボキシメチルセルロース又はその塩としては、エーテル化度が0.95~1.5のカルボキシメチルセルロース又はその塩が好ましい。かかるカルボキシメチルセルロース又はその塩のエーテル化度は、適度な粘度を付与して歯表面の近傍に組成物を滞留及び拡散させる観点から、好ましくは0.95以上であり、より好ましくは1.0以上であり、好ましくは1.5以下であり、より好ましくは1.15以下である。また、かかるカルボキシメチルセルロース又はその塩のエーテル化度は、適度な粘度を付与して歯表面の近傍に組成物を滞留及び拡散させる観点から、好ましくは0.95~1.5であり、より好ましくは1.0~1.15である。
また、エーテル化度が0.95~1.5のカルボキシメチルセルロース又はその塩の含有量は、適度な粘度を有しながら歯表面の近傍に組成物を滞留及び拡散させ、小柱間隙における汚れ除去効果と歯表面及び小柱間隙における沈着汚れ付着防止効果とを有効かつ効率的に発揮させる観点から、歯磨組成物中に、好ましくは0.1質量%以上であり、より好ましくは0.3質量%以上であり、さらに好ましくは0.5質量%以上であり、好ましくは1.4質量%以下であり、より好ましくは1.2質量%以下であり、さらに好ましくは0.9質量%以下である。また、エーテル化度が0.95~1.5のカルボキシメチルセルロース又はその塩の含有量は、本発明の口腔用組成物中に、好ましくは0.1~1.4質量%であり、より好ましくは0.3~1.2質量%であり、さらに好ましくは0.5~0.9質量%である。
なお、カルボキシメチルセルロース又はその塩のエーテル化度とは、グルコース単位あたりのカルボキシメチル基の置換度をいう。エーテル化度は、例えばCMC工業会分析法(灰化法)に従い得ることができる。カルボキシメチルセルロース又はその塩1gを精秤し、磁性ルツボに入れて600℃で灰化し、灰化によって生成した酸化ナトリウムをN/10硫酸でフェノールフタレインを指示薬として滴定し、カルボキシメチルセルロース又はその塩1gあたりの滴定量YmLを次式に入れて計算し、求めたエーテル化度を示すことができる。
エーテル化度=(162×Y)/(10,000-80×Y)
カルボキシメチルセルロースの塩としては、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属塩、アンモニウム塩などが挙げられ、なかでもカルボキシメチルセルロースナトリウムが好ましい。
セルロース系粘結剤(f)の含有量は、適度な粘度を有しながら歯表面の近傍に組成物を滞留及び拡散させ、小柱間隙における汚れ除去効果と歯表面及び小柱間隙における沈着汚れ付着防止効果とを有効かつ効率的に発揮させる観点から、本発明の歯磨組成物中に、好ましくは0.2質量%以上であり、より好ましくは0.4質量%以上であり、さらに好ましくは0.6質量%以上であり、好ましくは2質量%以下であり、より好ましくは1.8質量%以下であり、さらに好ましくは1.6質量%以下である。また、セルロース系粘結剤(f)の含有量は、本発明の口腔用組成物中に、好ましくは0.2~2質量%であり、より好ましくは0.4~1.8質量%であり、さらに好ましくは0.6~1.6質量%である。
また、本発明の口腔用組成物は、上記粘結剤(F)として、上記セルロース系粘結剤(f)以外の粘結剤を含んでもよい。かかるセルロース系粘結剤(f)以外の粘結剤(F)としては、例えば、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン、キサンタンガム、ポリアクリル酸ナトリウム、ペクチン、トラガントガム、アラビアガム、グアーガム、カラヤガム、ローカストビーンガム、ジェランガム、タマリンドガム、サイリウムシードガム、ポリビニルアルコール、コンドロイチン硫酸ナトリウム及びメトキシエチレン無水マレイン酸共重合体等からなる群より選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。これらセルロース系粘結剤(f)以外の成分(F)の含有量は、本発明の口腔用組成物中に、好ましくは0.01質量%以上であり、より好ましくは0.05質量%以上であり、さらに好ましくは0.1質量%以上である。また、セルロース系粘結剤(f)以外の成分(F)の含有量は、本発明の口腔用組成物中に、好ましくは1質量%以下であり、より好ましくは0.8質量%以下であり、さらに好ましくは0.6質量%以下である。
本発明の口腔用組成物が練歯磨剤や粉歯磨剤等の歯磨組成物である場合、適度な粘度を有しながら歯表面の近傍に組成物を滞留及び拡散させ、小柱間隙における汚れ除去効果と歯表面及び小柱間隙における沈着汚れ付着防止効果とを有効かつ効率的に発揮させる観点から、成分(F)とともに、さらに吸油量が200mL/100g以上400mL/100g以下の増粘性シリカ(G)を含有するのが好ましい。すなわち、成分(G)の増粘性シリカは、吸油量の多いシリカであり、研磨剤として用いられるシリカとは相違する。ここで、吸油量とは、シリカが担持できる油量を示したものであり、測定方法はJIS K5101-13-2(2004年制定)の方法により、吸収される煮あまに油の量により特定される値を意味する。増粘性シリカとしては、サイリシア、サイロピュア(富士シリシア化学社製)、チキソシル(ローディア社製)、ソーボシル(イネオスシリカ社製)、ファインシール(トクヤマ社製)、ニップジェル(東ソー・シリカ社製)の市販品を用いることができる。かかる成分(G)の吸油量は、好ましくは220~380mL/100gであり、より好ましくは230~350mL/100gである。
成分(G)の含有量は、成分(F)とも相まって組成物に適度な粘度を付与する観点、及び歯表面の近傍に組成物を滞留及び拡散させて、小柱間隙における汚れ除去効果と歯表面及び小柱間隙における沈着汚れ付着防止効果とを共に有効に発揮させる観点から、本発明の口腔用組成物中に、好ましくは1質量%以上であり、より好ましくは3質量%以上であり、さらに好ましくは5質量%以上であり、好ましくは15質量%以下であり、より好ましくは12質量%以下であり、さらに好ましくは9質量%以下である。また、本発明の歯磨組成物中の成分(G)の含有量は、本発明の口腔用組成物中に、好ましくは1質量%以上15質量%以下であり、より好ましくは3~12質量%であり、さらに好ましくは5~9質量%である。
本発明の口腔用組成物が練歯磨剤や粉歯磨剤等の歯磨組成物である場合、小柱間隙のみならず歯表面においても沈着汚れ除去効果を高め、成分(A)と成分(B)の小柱間隙への浸透、および沈着汚れの歯表面上への吸着による付着抑制効果を補助し、歯の優れた艶やかさを有効に持続させる観点から、さらに水不溶性無機結合剤を含む顆粒を含有するのが好ましい。かかる水不溶性無機結合剤としては、コロイダルシリカ、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、合成ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム等のケイ素系化合物のほか、ベントナイト、モンモリロナイト、カオリン、水酸化アルミニウムゲル、アルミナゾル、合成ヒドロタルサイト等から選ばれる1種又は2種以上が挙げられ、好ましくはケイ素系化合物であり、より好ましくはコロイダルシリカ、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、合成ケイ酸アルミニウムであり、さらに好ましくはコロイダルシリカである。
水不溶性無機結合剤の含有量は、顆粒中に、好ましくは10~45質量%であり、より好ましくは10~40質量%である。
かかる顆粒中には、水不溶性無機結合剤以外に、例えば、炭酸カルシウム、無水ケイ酸、水酸化アルミニウム、ゼオライト等の研磨性粉体を含むことができ、無水ケイ酸を含むのが好ましい。研磨性粉体の含有量は、顆粒中に、好ましくは40~90質量%であり、より好ましくは50~85質量%である。また、顆粒中には、水不溶性繊維を含むこともでき、かかる水不溶性繊維としては、例えばセルロース、水不溶性ヘミセルロース、リグニン、キチン、キトサン等が挙げられ、セルロースが好ましい。水不溶性繊維の含有量は、顆粒中に、好ましくは1~40質量%であり、より好ましくは2~30質量%である。
顆粒の平均粒子径は、口腔内で顆粒由来の異物感が増強するのを抑制する観点、及び本発明の口腔用組成物の小柱間隙及び歯表面における沈着汚れ除去効果をより高める観点から、好ましくは50~500μmであり、より好ましくは75~300μmである。ここで、顆粒の平均粒子径は、ふるい分け法(音波篩、筒井理化学SW-20-AT)により測定した値をいう。
上記水不溶性無機結合剤を含む顆粒の含有量は、口腔内で顆粒由来の異物感が過度に増強することなく、小柱間隙及び歯表面における沈着汚れ除去効果を有効に高める観点から、本発明の口腔用組成物中に、好ましくは1質量%以上であり、より好ましくは3質量%以上であり、好ましくは10質量%以下であり、より好ましくは8質量%以下である。また、上記水不溶性無機結合剤を含む顆粒の含有量は、本発明の口腔用組成物中に、好ましくは1~10質量%であり、より好ましくは3~8質量%である。
本発明の口腔用組成物が練歯磨剤や粉歯磨剤等の歯磨組成物である場合、小柱間隙のみならず歯表面においても沈着汚れ除去効果をより効果的に高める観点から、さらに研磨剤を含有することができる。研磨剤としては、例えばリン酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸ジルコニウム、研磨性シリカ(JIS K5101-13-2に準ずる方法により測定される吸油量が、50~150mL/100g)等が挙げられる。研磨剤は、RDA値(Radioactive Dentine Abrasion values、ISO11609研磨性の試験方法 付随書Aにより測定される値)が20~250のものが一般に用いられる。かかる研磨剤の含有量は、本発明の口腔用組成物中に、好ましくは1質量%以上であり、好ましくは20質量%以下であり、より好ましくは15質量%以下である。
本発明の口腔用組成物は、適度な粘性又は粘度を有しながら歯表面の近傍に組成物を滞留及び拡散させ、小柱間隙における沈着汚れ除去効果と歯表面及び小柱間隙における沈着汚れ付着防止効果とを有効かつ効率的に発揮させる観点から、アルキル硫酸塩、及びアシルメチルタウリン塩から選ばれる1種又は2種以上のアニオン界面活性剤を含有するのが好ましい。かかるアルキル硫酸塩としては、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ミリスチル硫酸ナトリウム等が挙げられ、アシルメチルタウリン塩としては、例えば、ラウリルメチルタウリン、ミリスチルメチルタウリン、パルミチルメチルタウリン、ステアリルメチルタウリン等のナトリウム塩又はカリウム塩が挙げられる。なかでも、適度な粘性又は粘度を付与する観点から、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルメチルタウリンナトリウムが好ましい。
本発明の口腔用組成物が洗口液や液状歯磨剤等の液体口腔用組成物である場合、アルキル硫酸塩、及びアシルメチルタウリン塩から選ばれる1種又は2種以上のアニオン界面活性剤の含有量は、本発明の口腔用組成物中に、好ましくは0.5~5質量%であり、より好ましくは1~3質量%である。また、本発明の口腔用組成物が練歯磨剤や粉歯磨剤等の歯磨組成物である場合、アルキル硫酸塩、及びアシルメチルタウリン塩から選ばれる1種又は2種以上のアニオン界面活性剤の含有量は、本発明の口腔用組成物中に、好ましくは0.5~5質量%であり、より好ましくは1~3質量%である。
本発明の口腔用組成物は、水(H)を含有する。本発明における成分(H)の水とは、口腔用組成物に配合した精製水等だけでなく、例えば処方する際に用いる70%ソルビトール液(水溶液)のように、配合した各成分に含まれる水分をも含む、口腔用組成物中に含まれる全水分を意味する。かかる成分(H)の水を含有することにより、良好な保形性を保持しつつ、各成分を良好に分散又は溶解させて口腔内で良好に拡散させ、小柱間隙における優れた沈着汚れ除去効果と、歯表面及び小柱間隙における高い沈着汚れ付着防止効果とを発揮することができる。
例えば、本発明の口腔用組成物が洗口液や液状歯磨剤等の液体口腔用組成物である場合、かかる成分(H)の含有量は、本発明の口腔用組成物中に、好ましくは50質量%以上であり、より好ましくは70質量%以上であり、さらに好ましくは80質量%以上であり、好ましくは99質量%以下であり、より好ましくは95質量%以下であり、さらに好ましくは90質量%未満である。また、本発明の口腔用組成物が洗口液や液状歯磨剤等の液体口腔用組成物である場合、かかる成分(H)の含有量は、本発明の口腔用組成物中に、好ましくは50~99質量%であり、より好ましくは70~95質量%であり、さらに好ましくは80質量%以上90質量%未満である。
さらに、本発明の口腔用組成物が練歯磨剤や粉歯磨剤等の歯磨組成物である場合、かかる成分(H)の含有量は、本発明の口腔用組成物中に、好ましくは10質量%以上であり、より好ましくは12質量%以上であり、好ましくは60質量%以下であり、より好ましくは50質量%以下である。また、本発明の口腔用組成物が練歯磨剤や粉歯磨剤等の歯磨組成物である場合、かかる成分(H)の含有量は、好ましくは10~60質量%であり、より好ましくは12質量%以上50質量%以下である。
本発明の口腔用組成物が練歯磨剤や粉歯磨剤等の歯磨組成物である場合、その水分量は、配合した水分量及び配合した成分中の水分量から計算によって算出することもできるが、例えばカールフィッシャー水分計で測定することができる。カールフィッシャー水分計としては、例えば、微量水分測定装置(平沼産業(株))を用いることができる。この装置では、歯磨組成物を5gとり、無水メタノール25gに懸濁させ、この懸濁液0.02gを分取して水分量を測定することができる。
本発明の口腔用組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲で、上記成分以外に、ソルビトール、エリスリトール、還元パラチノース、マンニトール等の糖アルコール;グリセリン、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール等の湿潤剤;pH調整剤;上記アニオン界面活性剤以外の界面活性剤;フッ化物;殺菌剤;防腐剤;香料;色素等を含有することができる。
本発明の口腔用組成物は、小柱間隙における沈着汚れ除去効果と歯表面及び小柱間隙における沈着汚れ付着防止効果とを有効かつ効率的に発揮させ、歯に本来有する美しい艶を付与する観点から、水で30質量%に希釈したときの25℃におけるpHが5.5以上であって、好ましくは5.8以上であり、6.5以下であって、好ましくは6.2以下である。
本発明の口腔用組成物のpHは、例えば練歯磨剤のように粘度の高い口腔用組成物の場合に正確にpHを測定できないことから、組成物を水で30質量%に希釈したものを本発明の口腔用組成物のpHとしている。水で30質量%に希釈したものを採用したのは、口腔用組成物の口腔内に適用し、唾液等により希釈された状態を想定したものである。なお、水は、精製水であって蒸留水又はイオン交換水を用いる。
本発明の口腔用組成物における25℃における粘度は、適度な粘性又は粘度を有しながら歯表面の近傍に組成物を滞留及び拡散させ、小柱間隙における沈着汚れ除去効果と歯表面及び小柱間隙における沈着汚れ付着防止効果とを有効かつ効率的に発揮させる観点から、好ましくは1500dPa・s以上であり、より好ましくは1800dPa・s以上であり、好ましくは3500dPa・s以下であり、より好ましくは3000dPa・s以下である。また、本発明の口腔用組成物における25℃における粘度は、好ましくは1500~3500dPa・sであり、より好ましくは1800~3000dPa・sである。
ここで、粘度はヘリパス型粘度計(VISCOMETER TVB-10 東機産業)を用いて、測定温度を25℃とし、ロータT-C、回転数2.5r/min、1分間の測定条件により測定することができる。
本発明の口腔用組成物の形態としては、洗口液や液状歯磨剤等の液体口腔用組成物、或いは練歯磨剤や粉歯磨剤等の歯磨組成物が挙げられるが、小柱間隙における沈着汚れ除去効果と歯表面及び小柱間隙における沈着汚れ付着防止効果とをより効果的に発揮させ、歯に美しい艶を持続的に付与する観点から、練歯磨剤や粉歯磨剤等の歯磨組成物であるのが好ましい。
本発明の口腔用組成物は、小柱間隙における沈着汚れ除去効果と歯表面及び小柱間隙における沈着汚れ付着防止効果とをより効果的に発揮させ、歯に美しい艶を持続的に付与する観点から、
次の成分(A)~(F):
(A)フィチン酸又はその塩 0.23~0.5質量%、及び
(B)トリポリリン酸又はその塩 0.4~1.2質量%を含有し、成分(A)のフィチン酸換算量と成分(B)の酸換算量との合計含有量が0.2質量%以上1.4質量%以下であり、成分(B)の酸換算量と成分(A)のフィチン酸換算量との質量比((B)/(A))が0.8以上4以下であり、銅、鉄、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、亜鉛、及び錫から選ばれる1種又は2種以上の多価金属又はその塩(C)を含有しないか、或いは成分(A)のフィチン酸換算量に対して成分(C)を0.1倍モル未満含有し、
(D)キシリトール 3~13質量%、
(F)エーテル化度0.95~1.5のカルボキシメチルセルロース又はその塩 0.6~1.6質量%、かつ水で30質量%に希釈したときの25℃におけるpHが5.5以上6.5以下である練歯磨剤であることが最も好ましい。
上述した実施態様に関し、本発明はさらに以下の口腔用組成物を開示する。
[1]次の成分(A)、及び(B):
(A)フィチン酸又はその塩、及び
(B)トリポリリン酸又はその塩を含有し、成分(A)のフィチン酸換算量と成分(B)の酸換算量との合計含有量が0.02質量%以上1.4質量%以下であり、成分(B)の酸換算量と成分(A)のフィチン酸換算量との質量比((B)/(A))が0.8以上5以下であり、
銅、鉄、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、亜鉛、及び錫から選ばれる1種又は2種以上の多価金属又はその塩(C)を含有しないか、或いは成分(A)のフィチン酸換算量に対して成分(C)を0.1倍モル未満含有し、かつ
水で30質量%に希釈したときの25℃におけるpHが5.5以上6.5以下である口腔用組成物。
[2]成分(A)のフィチン酸換算量と成分(B)の酸換算量との合計含有量((A)+(B))は、好ましくは0.2質量%以上であり、より好ましくは0.4質量%以上であり、さらに好ましくは0.7質量%以上であり、好ましくは1.3質量%以下であり、より好ましくは1.2質量%以下であり、さらに好ましくは0.9質量%以下である上記[1]の口腔用組成物。
[3]成分(B)の酸換算量と成分(A)のフィチン酸換算量との質量比((B)/(A))は、好ましくは1以上であり、より好ましくは1.2以上であり、さらに好ましくは1.5以上であり、好ましくは4以下であり、より好ましくは3以下であり、さらに好ましくは2以下である上記[1]又は[2]の口腔用組成物。
[4]成分(A)の含有量は、フィチン酸換算量で、好ましくは0.01質量%以上であり、より好ましくは0.05質量%以上であり、さらに好ましくは0.1質量%以上であり、よりさらに好ましくは0.23質量%以上であり、好ましくは1.2質量%以下であり、より好ましくは1質量%以下であり、さらに好ましくは0.7質量%以下であり、よりさらに好ましくは0.5質量%以下である上記[1]~[3]いずれか1の口腔用組成物。
[5]成分(B)の含有量は、酸換算量で、好ましくは0.01質量%以上であり、より好ましくは0.1質量%以上であり、さらに好ましくは0.3質量%以上であり、よりさらに好ましくは0.4質量%以上であり、好ましくは1.2質量%以下であり、より好ましくは1.0質量%以下であり、さらに好ましくは0.9質量%以下であり、よりさらに好ましくは0.7質量%以下である上記[1]~[4]いずれか1の口腔用組成物。
[6]成分(C)を成分(A)のフィチン酸換算量に対し、好ましくは0.02倍モル以下含有し、或いは成分(C)を含有しない上記[1]~[5]いずれか1の口腔用組成物。
[7]キシリトール(D)を含有するのが好ましく、成分(D)の含有量は、好ましくは1質量%以上であり、より好ましくは2質量%以上であり、さらに好ましくは3質量%以上であり、好ましくは15質量%以下であり、より好ましくは12質量%以下であり、さらに好ましくは8質量%以下である上記[1]~[6]いずれか1の口腔用組成物。
[8]成分(B)の含有量と成分(D)の含有量との質量比((B)/(D))は、好ましくは0.01以上であり、より好ましくは0.03以上であり、さらに好ましくは0.06以上であり、好ましくは0.4以下であり、より好ましくは0.3以下であり、さらに好ましくは0.18以下であり、さらに好ましくは0.14以下である上記[7]の口腔用組成物。
[9]成分(A)のフィチン酸換算量と成分(B)の酸換算量との合計含有量と成分(D)の含有量との質量比({(A)+(B)}/(D))は、好ましくは0.02以上であり、より好ましくは0.08以上であり、さらに好ましくは0.1以上であり、またさらに好ましくは0.14以上であり、好ましくは0.35以下であり、より好ましくは0.3以下であり、さらに好ましくは0.24以下であり、またさらに好ましくは0.2以下である上記[7]又は[8]の口腔用組成物。
[10]モノフルオロリン酸又はそのアルカリ金属塩(E)を含有するのが好ましく、成分(E)の含有量は、フッ素原子換算量で、好ましくは100ppm以上であり、より好ましくは500ppm以上であり、さらに好ましくは800ppm以上であり、好ましくは2000ppm以下であり、より好ましくは1500ppm以下であり、さらに好ましくは1100ppm以下である上記[1]~[9]いずれか1の口腔用組成物。
[11]成分(B)の酸換算量と成分(E)の含有量との質量比((B)/(E))は、好ましくは0.1以上であり、より好ましくは0.3以上であり、さらに好ましくは0.5以上であり、好ましくは1.5以下であり、より好ましくは1.3以下であり、さらに好ましくは1以下である上記[10]の口腔用組成物。
[12]成分(A)のフィチン酸換算量と成分(B)の酸換算量との合計含有量と、成分(E)の含有量との質量比({(A)+(B)}/(E))は、好ましくは0.2以上であり、より好ましくは0.4以上であり、さらに好ましくは0.6以上であり、またさらに好ましくは0.9以上であり、好ましくは3以下であり、より好ましくは2以下であり、さらに好ましくは1.7以下であり、またさらに好ましくは1.4以下である上記[10]又は[11]の口腔用組成物。
[13]セルロース系粘結剤(f)を含む粘結剤(F)を含有するのが好ましく、成分(F)に含まれる成分(f)としては、好ましくはカルボキシメチルセルロース又はその塩、並びにヒドロキシエチルセルロースやヒドロキシプロピルセルロース等のヒドロキシアルキルセルロースから選ばれる1種又は2種以上であり、より好ましくはカルボキシメチルセルロース又はその塩である上記[1]~[12]いずれか1の口腔用組成物。
[14]成分(f)の含有量は、好ましくは0.2質量%以上であり、より好ましくは0.4質量%以上であり、さらに好ましくは0.6質量%以上であり、好ましくは2質量%以下であり、より好ましくは1.8質量%以下であり、さらに好ましくは1.6質量%以下である上記[13]の口腔用組成物。
[15]成分(f)以外の成分(F)の含有量は、好ましくは0.01質量%以上であり、より好ましくは0.05質量%以上であり、さらに好ましくは0.1質量%以上であり、好ましくは1質量%以下であり、より好ましくは0.8質量%以下であり、さらに好ましくは0.6質量%以下である上記[13]又は[14]の口腔用組成物。
[16]セルロース系粘結剤(f)として、好ましくはカルボキシメチルセルロース又はその塩を含み、カルボキシメチルセルロース又はその塩のエーテル化度は、好ましくは0.95以上であり、より好ましくは1.0以上であり、好ましくは1.5以下であり、より好ましくは1.15以下である上記[13]~[15]いずれか1の口腔用組成物。
[17]成分(F)とともに、さらに吸油量が200mL/100g以上400mL/100g以下の増粘性シリカ(G)を含有するのが好ましく、成分(G)の含有量は、好ましくは1質量%以上であり、より好ましくは3質量%以上であり、さらに好ましくは5質量%以上であり、好ましくは15質量%以下であり、より好ましくは12質量%以下であり、さらに好ましくは9質量%以下である上記[1]~[16]いずれか1の口腔用組成物。
[18]水不溶性無機結合剤を含む顆粒を含有するのが好ましく、水不溶性無機結合剤としては、好ましくはコロイダルシリカ、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、合成ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、ベントナイト、モンモリロナイト、カオリン、水酸化アルミニウムゲル、アルミナゾル、及び合成ヒドロタルサイトから選ばれる1種又は2種以上であり、より好ましくはコロイダルシリカ、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、合成ケイ酸アルミニウムであり、さらに好ましくはコロイダルシリカである上記[1]~[17]いずれか1の口腔用組成物。
[19]水不溶性無機結合剤の含有量は、顆粒中に、好ましくは10~45質量%であり、より好ましくは10~40質量%である上記[18]の口腔用組成物。
[20]水不溶性無機結合剤を含む顆粒の含有量は、好ましくは1質量%以上であり、より好ましくは3質量%以上であり、好ましくは10質量%以下であり、より好ましくは8質量%以下である上記[18]又は[19]の口腔用組成物。
[21]本発明の口腔用組成物が液体口腔用組成物である場合、アルキル硫酸塩、及びアシルメチルタウリン塩から選ばれる1種又は2種以上のアニオン界面活性剤の含有量は、好ましくは0.5~5質量%であり、より好ましくは1~3質量%であり、本発明の口腔用組成物が歯磨組成物である場合、アルキル硫酸塩、及びアシルメチルタウリン塩から選ばれる1種又は2種以上のアニオン界面活性剤の含有量は、好ましくは0.5~5質量%であり、より好ましくは1~3質量%である上記[1]~[20]いずれか1の口腔用組成物。
[22]本発明の口腔用組成物が液体口腔用組成物である場合、水(H)の含有量は、好ましくは50質量%以上であり、より好ましくは70質量%以上であり、さらに好ましくは80質量%以上であり、好ましくは99質量%以下であり、より好ましくは95質量%以下であり、さらに好ましくは90質量%未満であり、本発明の口腔用組成物が歯磨組成物である場合、成分(H)の含有量は、好ましくは10質量%以上であり、より好ましくは12質量%以上であり、好ましくは60質量%以下であり、より好ましくは50質量%以下である上記[1]~[21]いずれか1の口腔用組成物。
[23]水で30質量%に希釈したときの25℃におけるpHが、好ましくは5.8以上であり、6.5以下であって、好ましくは6.2以下である上記[1]~[22]いずれか1の口腔用組成物。
[24]25℃における粘度は、好ましくは1500dPa・s以上であり、より好ましくは1800dPa・s以上であり、好ましくは3500dPa・s以下であり、より好ましくは3000dPa・s以下である上記[1]~[23]いずれか1の口腔用組成物。
[25]歯磨組成物である上記[1]~[24]いずれか1の口腔用組成物。
[26]液体口腔用組成物である上記[1]~[24]いずれか1の口腔用組成物。
[27]歯のエナメル質表層の小柱間隙の汚れを除去するための、上記[1]~[26]いずれか1の口腔用組成物の使用。
[28]歯に艶やかさを付与するための、上記[1]~[26]いずれか1の口腔用組成物の使用。
以下、本発明について、実施例に基づき具体的に説明する。なお、表中に特に示さない限り、各成分の含有量は質量%を示す。
[実施例1~7、比較例1~7]
表1に示す処方にしたがって、液体口腔用組成物を調製した。得られた各液体口腔用組成物を用い、下記方法にしたがって各測定及び評価を行った。
結果を表1に示す。
《低結晶性HApのカルシウム溶出量測定(小柱間隙における沈着汚れ除去効果の評価)》
ヒドロキシアパタイト(HAp)粉(HAP-100、太平化学産業(株)製)1gをスチロール棒瓶(容量120mL)に取り、さらに表1に示す各組成物を精製水で4倍希釈したスラリー溶液を50mL添加し、15分間撹拌した。撹拌後、溶液1mLを0.45μmフィルターでろ過した。
次いで、カルシウムE-テストワコー(和光純薬(株)製)を用い、溶出したカルシウムイオンを測定して、低結晶性HApにおけるカルシウム溶出量(ppm)とし、小柱間隙における汚れ除去効果の評価の指標とした。
溶出量の値が大きいほど、小柱間隙における汚れ除去効果に優れることを意味する。
《高結晶性HApのカルシウム溶出量測定(小柱間隙における沈着汚れ除去効果の選択性の評価)》
ヒドロキシアパタイト(HAp)粉として、HAP-100(太平化学産業(株)製)の代わりにHAP-200(太平化学産業(株)製)を用いた以外、低結晶性HApの溶出性評価と同様にして、高結晶性HApにおけるカルシウム溶出量(ppm)を測定し、小柱間隙における汚れ除去効果の選択性の評価の指標とした。
溶出量の値が小さいほど、小柱間隙における沈着汚れ除去効果の選択性が高く、かつ歯表面における為害性の発現の抑制に優れることを意味する。
《沈着汚れ付着抑制効果の評価》
1cm×1cmのアパタイト平板(ペンタックス製)をスチロール棒瓶(容量50mL)に静置し、表1に示す各組成物溶液を20mL加え、10分間撹拌した。撹拌後、アパタイト平板を水で洗浄し、表面のツヤを光沢計NOVO CURVE(三洋貿易株式会社)を用いて測定した。この測定値を沈着汚れ付着前のツヤの値とした。その後、再びアパタイト平板をスチロール棒瓶に静置し、沈着汚れ生成溶液を40mL加え、60分間撹拌した。撹拌後、アパタイト平板を水で洗浄し、表面のツヤを光沢計を用いて測定した。この値を沈着汚れ付着後のツヤの値とし、沈着汚れ付着前のツヤの値からツヤの低下率を算出し、沈着汚れ付着抑制率の指標とした。ツヤの低下率が小さいほど、沈着汚れの付着抑制に優れることを意味する。
Figure 0007051364000001
[実施例8~10、比較例8~10]
表2に示す処方にしたがって、歯磨組成物を調製した。得られた歯磨組成物を用い、実施例1と同様にして各測定及び評価を行った。結果を表2に示す。
Figure 0007051364000002
[実施例11~16]
表3に示す処方にしたがって、歯磨組成物を調製した。得られた歯磨組成物を用い、きしみ感について下記方法にしたがって評価した。実施例8で得られた歯磨組成物の評価も含め、結果を表3に示す。
《きしみ感の評価》
被験者2名(男性1名、女性1名)が、歯ブラシに歯磨組成物1gをとり、約2分間自由にブラッシングし、口をすすいだ後のきしみ感について下記基準にしたがって評価を行った。被験者の協議による結果を表3に示す。
1:きしみを感じない
2:きしみを少し感じるが気にならない
3:きしみを少し感じる
4:きしみを感じる
Figure 0007051364000003
《実施例8の歯磨組成物を用いた歯表面の艶の評価》
実施例8で得られた歯磨組成物、及び表4に示す処方の比較例11の歯磨組成物を8週間使用し、使用開始日、使用2週間後、4週間後に前歯(上顎側切歯から側切歯の間の計4歯の唇側)をそれぞれ写真撮影した。撮影した画像から歯の輝度を算出し、艶の指標とした。歯ブラシは、被験者にクリアクリーン 極太毛束歯ブラシ(花王(株)製)を配布し使用した。使用開始日の歯の輝度を元にして使用2週間後、4週間後の歯の輝度のΔ値を算出した。輝度の上昇が大きいほど歯の艶を上昇させる能力に優れていることを意味する。
なお、ヒトの抜去歯を用いる方法でも歯表面の艶を測定することができ、本発明の歯磨組成物を用いた歯表面の艶の評価の指標とすることができる。
具体的には、ヒト抜去歯を頬側、舌側に分かれる様に2分割し、stickey waxを用いてアクリル板に固定する。固定した抜去歯の写真を撮影し、撮影した画像から歯の輝度を算出し、初期の艶の指標とする。その後、本発明の歯磨組成物を歯ブラシにとり、抜去歯をブラッシングする。その後、ブラッシング前と同様に写真を撮影して輝度を算出し、ブラッシング後の艶の指標とする。初期の輝度を元にして、ブラッシング後の輝度のΔ値を求める。この場合、輝度の上昇が大きいほど歯の艶を上昇させる能力に優れていることを意味する。
Figure 0007051364000004
本発明の口腔用組成物として、下記に示す処方の歯磨剤を常法により調製することができる。
[処方例1 歯磨剤]
ポリエチレングリコール600 5質量%
モノフルオロリン酸ナトリウム 1.1質量%
塩化セチルピリジニウム 0.01質量%
ソルビトール(70%) 31.5質量%
フィチン酸液(50%) 0.6質量%
トリポリリン酸ナトリウム 0.5質量%
キシリトール 5質量%
サッカリンナトリウム 0.13質量%
キサンタンガム 0.2質量%
カルボキシメチルセルロースA※1 0.4質量%
カルボキシメチルセルロースB※2 0.7質量%
無水ケイ酸A※3 7質量%
無水ケイ酸B※4 3質量%
無水ケイ酸C※5 2質量%
無水ケイ酸D※6 4質量%
顆粒※7 5質量%
DL-リンゴ酸 0.1質量%
ラウリル硫酸ナトリウム 1.4質量%
ラウロイルメチルタウリン 0.2質量%
酸化チタン 0.3質量%
香料 1.4質量%
精製水 30.46質量%
計 100質量%
※1~7:表2と同様

Claims (10)

  1. 次の成分(A)、及び(B):
    (A)フィチン酸又はその塩、及び
    (B)トリポリリン酸又はその塩
    を含有し、成分(A)のフィチン酸換算量と成分(B)の酸換算量との合計含有量が0.6質量%以上1.4質量%以下であり、成分(B)の酸換算量と成分(A)のフィチン酸換算量との質量比((B)/(A))が0.8以上5以下であり、
    銅、鉄、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、亜鉛、及び錫から選ばれる1種又は2種以上の多価金属又はその塩(C)を含有しないか、或いは成分(A)のフィチン酸換算量に対して成分(C)を0.1倍モル未満含有し、かつ
    水で30質量%に希釈したときの25℃におけるpHが5.5以上6.5以下である口腔用組成物。
  2. 成分(A)の含有量が、0.01~0.7質量%である請求項1に記載の口腔用組成物。
  3. キシリトール(D)を含有する請求項1又は2に記載の口腔用組成物。
  4. 成分(B)の含有量と成分(D)の含有量との質量比((B)/(D))が、0.01以上0.04以下である請求項3に記載の口腔用組成物。
  5. 成分(A)のフィチン酸換算量と成分(B)の酸換算量との合計含有量と成分(D)の含有量との質量比({(A)+(B)}/(D))が、0.02以上0.35以下である請求項3又は4に記載の口腔用組成物。
  6. モノフルオロリン酸又はそのアルカリ金属塩(E)を含有する請求項1~5のいずれか1項に記載の口腔用組成物。
  7. セルロース系粘結剤を含む粘結剤(F)を含有する請求項1~6のいずれか1項に記載の口腔用組成物。
  8. 吸油量が200mL/100g以上400mL/100g以下の増粘性シリカ(G)を1質量%以上15質量%以下含有する請求項1~7のいずれか1項に記載の口腔用組成物。
  9. 水(H)を10質量%以上99質量%以下含有する請求項1~8のいずれか1項に記載の口腔用組成物。
  10. 25℃における粘度が、1500dPa・s以上3500dPa・s以下である請求項1~9のいずれか1項に記載の口腔用組成物。
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