JP7051137B2 - 被検者用保護衣及び被検者用保護衣セット - Google Patents

被検者用保護衣及び被検者用保護衣セット Download PDF

Info

Publication number
JP7051137B2
JP7051137B2 JP2020084676A JP2020084676A JP7051137B2 JP 7051137 B2 JP7051137 B2 JP 7051137B2 JP 2020084676 A JP2020084676 A JP 2020084676A JP 2020084676 A JP2020084676 A JP 2020084676A JP 7051137 B2 JP7051137 B2 JP 7051137B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
protective clothing
subject
opening
protective
sample collection
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2020084676A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2021179040A (ja
Inventor
由香 目黒
Original Assignee
由香 目黒
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 由香 目黒 filed Critical 由香 目黒
Priority to JP2020084676A priority Critical patent/JP7051137B2/ja
Publication of JP2021179040A publication Critical patent/JP2021179040A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7051137B2 publication Critical patent/JP7051137B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Professional, Industrial, Or Sporting Protective Garments (AREA)

Description

本発明は、感染症等の検査を受ける被検者の着用衣に関するものである。
一般に、季節性ウイルス感染症、例えばインフルエンザウイルス、ノロウイルス等の感染症対策においては、感染者の治療だけではなく、新たな感染を予防することが重要である。例えば、インフルエンザウイルスの感染予防としては、手洗いや嗽などが推奨されている。しかしながら、感染症の治療や検査に当たる医師・看護師等の医療従事者は、感染者に直接対応する機会が多いため、感染予防対策は特に重要である。
従来、医療機関における感染予防対策としては、防護衣が利用されているが、防護衣は医療従事者が着用することが一般的であり、医療機関を訪れている他の患者等への感染を予防するものではないという問題がある。
昨今の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的な流行などにより、感染の疑いのある者の検査を多数行う必要が生じている。感染症の検査においては、医療従事者だけではなく他の患者等への感染も防止する必要があるため、感染の疑いのある者を隔離するスペースが必要となる。しかしながら、小規模なクリニック等では感染の疑いのある者を個別に隔離するスペースが十分にない場合がある。
そこで、感染症患者からの感染を予防するために、医療従事者ではなく、患者自身が着用する感染防護服が知られている(例えば、特許文献1を参照。)。これは、吸気供給ポンプと呼気排出ポンプに接続されたチューブが連通された内部マスクと、内部マスクから漏れ出した呼気を排出するポンプに接続されたチューブが連通された外部マスクとが一体になった2重マスクを有し、上記2重マスクは患者の上半身を覆う着衣と接合されるとするものである。また内部マスク内は陽圧、外部マスク内は陰圧に保持されるとするものであり、かかる感染防護服によれば、隔離スペースが確保できない場合でも、ウイルス等の拡散を防止できるとする。
しかしながら、上記特許文献1に開示された感染防護服は、必要に応じて患者自らが自力で移動できるとするが、実際はマスクが複数のポンプに接続される構成であるため、着用した状態での移動が容易ではなく、感染症の検査において被検者の着用衣としては適さないという問題がある。
特開2007-113166号公報
かかる状況に鑑みて、本発明は、感染症等の検査において、医療従事者や非感染者等への感染を効果的に予防すべく、被検者を個別に隔離し、感染拡大予防が図れる被検者用保護衣を提供することを目的とする。
上記課題を解決すべく、本発明の被検者用保護衣は、感染症を含む検査を受ける被検者の着用衣で、被検者の首元以下の上半身を少なくとも被覆する保護衣であって、上端部に頭を通す上開口部と下端部に胴部を通す下開口部が設けられ、聴診器の接触による音の発生が抑制された素材で形成された聴診部が胸部又は背部の少なくとも何れかの位置に設けられ、腕部を出し入れするための開口部とそれを塞ぐ閉塞シールが左右の少なくとも何れかの位置に設けられる。
被検者の上半身を被覆し、上開口部と下開口部が設けられる構成として、被検者の腕を通す袖部を設けない構成とすることにより、保護衣を着用した者は院内の設備や他者を触れ難くなり、感染者の手指が接触することによる人や物へのウイルス等の付着を効果的に防止することができる。また、比較的シンプルな構造であるため、低コストで作製することができる。
聴診器の接触による音の発生が抑制される聴診部が設けられることにより、保護衣を着用したまま聴診を行える。また、胸部や背部の聴診部以外の保護衣本体について幅広い素材を用いることが可能である。腕部を出し入れするための開口部が設けられることにより、保護衣を脱衣することなく、血圧測定、採血、皮下注射、筋肉注射、静脈注射などで必要なタイミングのみに腕を保護衣の外に出すことが可能となり、感染リスクを低減することができる。
上開口部は、周囲が弾性素材で形成され、被検者の首と保護衣との間に間隙が生じることを防止することが好ましい。また、下開口部は弾性素材が用いられないことにより、着用時の蒸れを防止することができる。
腕部を出し入れするための開口部は、上腕部、肘部又は前腕部の何れの位置に設けられていてもよく、一箇所ではなく複数箇所に設けられることでもよい。開口部を塞ぐ閉塞シールとしては、面ファスナ等の公知の機構を幅広く適用可能である。
かかる構成によって、被検者の検体採取時の医療従事者への暴露予防を図る。
ここで、被検者用保護衣の素材は、X線が透過し、金属などのX線吸収率が非常に高い物質を含まない素材であれば、公知の防護服・防護衣に用いられる素材を幅広く適用できる。胸部レントゲン撮影やX線CT撮影を行う際に、保護衣を着用したまま撮影が可能なため、撮影場所の汚染防止を図ることができる。保護衣の素材としては、中でも不織布が多層構造となった素材が好適に用いられ、複数種のポリプロピレン不織布が多層構造となった素材がより好適に用いられる。また低コストで作製できるものとして、プラスチック製のフィルムを用いることでもよい。被検者用保護衣の丈は、被検者の肩から膝までを覆う長さであることが好ましい。
被検者用保護衣の内面上又は外面上に、被検者の嘔吐物等を収容したり、被検者の所持品を収容したりするために、公知のサニタリーバッグ等の袋体を脱着自在に設けることでもよい。設ける袋体の数は1つでもよいし、2つ以上でもよい。また、内面上と外面上の両方に設けることでもよい。
また、被検者用保護衣の背側下部には、被検者用保護衣を廃棄する際に、被検者用保護衣を丸めて固定する際に使用するための廃棄用テープが設けられることでもよい。廃棄用テープとしては、公知の両面テープ等が好適に用いられる。なお、一般的な防護衣とは異なり、ウイルス等が保護衣の内面に付着する可能性が高いため、保護衣の内面が内側となるように丸めて廃棄すべく、廃棄用テープは被検者用保護衣の外面上に設けられることが好ましい。
本発明の被検者用保護衣は、把持補助部が保護衣の内側の少なくとも左右何れかの下方に当たる位置に設けられたことが好ましい。把持補助部が設けられることにより、被検者は保護衣を着用したまま、把持補助部を手に嵌めて簡単な作業を行うことが可能である。
把持補助部は、具体的には、親指用とその他4本の指用の突出部で構成されるミトン形状であることが好ましい。ミトン形状は、5本指の手袋形状よりも簡素な形状であるため、より多くのユーザの手のサイズに適合するという利点がある。また、5本指の手袋形状よりも成形が容易となるため、低コストで作製できる。例えば、ドアノブなどを回す場合にミトンに手を入れ握りやすくし、利便性を向上できる。
把持補助部は、保護衣の内側に設けられるが、把持補助部を手に嵌めた際に握りやすくするため、具体的には、被検者が把持補助部を着用した状態で、被検者の掌側が保護衣の内面と当接するように設けられることが好ましい。
本発明の被検者用保護衣は、少なくとも腹部が透明性素材で形成されたことが好ましい。少なくとも腹部の辺りを透明にすることにより、保護衣の外側から被検者の肘正中皮静脈の確認が可能となる。また、被験者は、保護衣を着用したままスマートフォンやタブレット端末などの携帯情報端末の操作や、問診票や診察にかかる書類の記入ができる。そして、医師、看護師、医事職員などの医療従事者が、その端末、書類の情報を接触することなく確認することもできる。
本発明の被検者用保護衣は、保護衣の外面上に、保護衣の識別タグ又は識別表示部が設けられたことが好ましい。識別タグ又は識別表示部が設けられることにより、保護衣を着用したままで、本人確認が容易となり、迅速かつ正確な検査が可能となる。識別タグとしては、QRコード(登録商標)や、バーコード等の公知の二次元コードを利用できる。また、識別表示部には、製造ロット番号や個々の保護衣を識別するための管理番号等を表示することができる。これらの識別タグや識別表示部は、被検者の氏名、性別、年齢、保険証番号、通院歴があればカルテ番号などの個人情報と関連付けされる。
保護衣の識別タグや識別表示部によって、個々の保護衣の使用を管理すると共に、着衣した被検者の個人情報との関連付けを行い、保護衣に関する情報の取り違えや過誤防止を図る。また識別タグや識別表示部の情報に基づいて、被検者の追跡にも利用でき、また、病院内や検査場所での被検者の確認や防犯に利用できる。なお、保護衣の識別タグや識別表示部は、被検者に対して保護衣を提供する際に、被検者の個人情報と関連付けした識別シールを保護衣の外面上に貼付することでもよい。
本発明の被検者用保護衣は、被検者の少なくとも顔を覆う透光性カバーを有する頭部保護衣を更に備え、透光性カバーは、額部の熱量を測定するための検温用開口部と、口腔や鼻腔から検体を採取するための検体採取用開口部と、検体採取用開口部を塞ぐ開閉機構を備えることが好ましい。
頭部保護衣を備えることにより、被検者の咳やくしゃみによる飛沫の飛散を防止しつつ、体温測定や検体の採取を容易に行うことができる。透光性カバーの素材としては、透明性及び耐久性の高いポリエチレンテレフタレート(PET)が好適に用いられるが、その他、形状を保持可能な透明性樹脂を用いてもよい。検体採取用開口部を塞ぐ開閉機構は、例えば、被検者の咳やくしゃみによる飛沫が開口部から飛散することを防止するシート状カバーを、開口部を覆い重ねるように設けることや、公知の面ファスナ等の機構を用いて開口部の塞ぐものでもよい。
なお、頭部保護衣は、フード状に、上半身を被覆する保護衣と一体成形とされることでもよいし、頭巾状に脱着自在に取り付けできるものでもよい。
本発明の被検者用保護衣セットは、上記の何れかの被検者用保護衣と、検体採取パネルとから成る保護衣セットであって、検体採取パネルは、口と鼻を覆う面積より広い面積を有するパネルと、パネルの中央に設けられた貫通孔と、両開口端部の径が異なるテーパ状筒部材を備え、検体採取時には、テーパ状筒部材が貫通孔に挿通されて使用される。
被検者用保護衣と合わせて検体採取パネルを使用することで、感染を予防しつつ、迅速かつ正確に検体を採取することができる。具体的には、口と鼻を覆う面積より広い面積を有するパネルが用いられることにより、被検者の咳等による飛沫の飛散を効果的に防止することができる。また、両開口端部の径が異なるテーパ状筒部材が用いられることにより、綿棒等の挿入が容易となり、検体採取の利便性が向上する。
なお、上述した本発明の頭部保護衣を使用する場合には、被検者の咳等による飛沫の飛散は、検体採取用開口部からの飛散に限られるため、検体採取用開口部の面積より広い面積を有するパネルを用いることで足りるが、頭部保護衣を使用しない場合には、広範囲に飛沫が飛散する恐れがあるため、口と鼻を覆う面積より広い面積を有するパネルを用いることが好ましい。また、検体採取パネルは、パネルの保持を容易にするために、パネルの綿棒等を挿入する側の面上に把持具を備えることでもよい。
本発明の被検者用保護衣によれば、感染症等の検査において、被検者を個別に隔離でき、医療従事者や非感染者等への感染を効果的に予防し、感染拡大予防が図れるといった効果がある。また、隔離室などが備わっていない小規模な医療機関においても感染症等の検査が可能になるといった効果がある。
実施例1の被検者用保護衣の正面イメージ図 実施例1の被検者用保護衣の背面イメージ図 実施例2の被検者用保護衣の正面イメージ図 実施例2の頭部保護衣の拡大イメージ図 被検者用保護衣セットの使用イメージ図 被検者用保護衣セットの使用フロー図 検体採取パネルの斜視図 検体採取パネルの使用イメージ図
以下、本発明の実施形態の一例を、図面を参照しながら詳細に説明していく。なお、本発明の範囲は、以下の実施例や図示例に限定されるものではなく、幾多の変更及び変形が可能である。
図1は、実施例1の被検者用保護衣の正面イメージ図であり、図2は、実施例1の被検者用保護衣の背面イメージ図を示している。図1及び2に示すように、実施例1の被検者用保護衣は、体部保護衣10のみから成る。
体部保護衣本体1には、複数種のポリプロピレン不織布が多層構造となった素材が用いられているが、このような素材に限られず、X線撮影やCT撮影に着衣したまま使用できる素材であれば、公知の防護服に用いられる素材を幅広く適用可能である。体部保護衣本体1の上端部10aには、首部12が上開口部として設けられ、首部12の周囲は弾性素材が設けられ、被検者(図示せず)の首と体部保護衣本体1との間に間隙が生じることを防止する構造となっている。体部保護衣本体1の下端部10bは、下開口部となっており、被検者は下端部10bから体部保護衣本体1を被り、首部12から頭を出して装着する。
図1及び2に示すように、体部保護衣本体1の前後の上部中央には、聴診部(2a,2b)が設けられている。聴診部(2a,2b)は、体部保護衣本体1よりも、接触した際に音が発生し難い素材で形成されており、医師等の医療従事者による聴診をスムーズに行うことが可能である。
被検者が体部保護衣10を装着した状態で、左右の上腕に当たる位置には、開口部として開閉部(3a,3b)が設けられており、開閉部3aには開閉機構3c、開閉部3bには開閉機構3dが、それぞれ閉塞シールとして設けられている。開閉機構(3c,3d)としては、ファスナ等の公知の機構を利用可能である。
被検者が体部保護衣10を装着した状態で、左右の下方に当たる位置には、把持補助部としてミトン部(4a,4b)が設けられている。ミトン部(4a,4b)は左右の手に嵌めて簡単な作業を可能にしたものであり、体部保護衣本体1の内側に設けられる。ミトン部(4a,4b)は、手に嵌めた際に手摺等を握りやすくするため、具体的には、被検者が把持補助部を着用した状態で、被検者の掌側が保護衣の内面と当接するように設けられることが好ましい。
体部保護衣10は、被検者からの感染を防止するだけではなく、被検者を識別する機能も備えている。すなわち、体部保護衣本体1には、識別タグとして二次元コード(5a,5b)が表示され、また識別表示部として識別情報表示部(6a,6b)が設けられている。二次元コード5aとしてはQRコード(登録商標)、二次元コード5bとしてはバーコードが表示されているが、これら以外の二次元コードを表示することでもよい。また識別情報表示部(6a,6b)には、保護衣を識別するための製造ロット番号が表示され、ここでは“Nо.A0123456”と表示されている。二次元コード(5a,5b)及び識別情報表示部(6a,6b)は、体部保護衣10にユニークなコードや番号であり、それらは、保護衣を着用する被検者の氏名、性別、年齢、保険証番号、通院歴があればカルテ番号などの個人情報と関連付けされ、院内や検査場内で管理される。
体部保護衣10の腹部に当たる部位には、透明性素材で形成された透明エリア7が形成されている。透明エリア7を視野窓として、医療従事者は、保護衣の外側から被検者の肘正中皮静脈の目視確認が可能となる。被検者は、透明エリア7を視野窓として、保護衣の内側で、スマートフォンやタブレット端末の操作状況を目視でき、また、被検者が記入した問診票や診察にかかる書類を、医師や看護師などの医療従事者が確認することができる。
袋体8は、体部保護衣本体1の内側に設けられ脱着自在となっている。袋体8は嘔吐物等を収容するだけではなく、被検者の所持品を収容するために利用することも可能である。袋体8としては公知のサニタリーバッグが好適に用いられる。
図2に示すように、体部保護衣10の背側下部には、廃棄用テープ9が設けられている。廃棄用テープ9は、体部保護衣10の使用後に廃棄する際に、体部保護衣10を丸めて固定する際に使用するものである。廃棄用テープ9としては、公知の両面テープ等が好適に用いられる。なお、一般的な防護衣とは異なり、ウイルス等が防護衣の内面に付着する可能性が高いため、内面が内側となるように丸めて廃棄すべく、廃棄用テープは体部保護衣10の外面上に設けられている。例えば、体部保護衣10を3分の1幅に畳んで巻いて廃棄用テープ9を用いてテープ留めし破棄することにより、嵩張りを抑えることができる。
図3は、実施例2の被検者用保護衣の正面イメージ図を示している。また、図4は、実施例2の頭部保護衣の拡大イメージ図を示している。図3に示すように、被検者用保護衣11は、体部保護衣10及び頭部保護衣20で構成される。体部保護衣10は、実施例1で説明したものと同様の構成である。
図3に示すように、被検者用保護衣11において、頭部保護衣20は、体部保護衣10から独立した頭巾状を呈している。なお、フード状に後部20cが体部保護衣10と一体とされたことでもよい。図4に示すように、頭部保護衣20の下端部20bは、開口部となっており、開口部から被検者の頭部に被せて装着する。このように、下端部20bが開口部となっているため、頭部保護衣20を装着した状態でも息苦しくない構造となっている。
なお、頭部保護衣20についても、体部保護衣本体1と同様に、複数種のポリプロピレン不織布が多層構造となった素材が用いられているが、このような素材に限られず、公知の防護服に用いられる素材を幅広く適用可能である。
図4に示すように、頭部保護衣20は、被検者の眼前の位置に、透光性カバー22が設けられている。透光性カバー22は、頭部保護衣20を装着した被検者が外界を視認し得る透明性を備えた素材を幅広く適用できる。
透光性カバー22の上には、検温用開口部として開閉機構23aを備える体温測定部23が設けられている。頭部保護衣20を装着した被検者の体温を測定する場合には、開閉機構23aを用いて体温測定部23を開くことで、一時的に被検者の額を露出させることができる。体温測定部23が設けられることにより、頭部保護衣20を脱衣することなく、非接触式の体温計等を用いて容易に被検者の体温を測定することが可能である。なお、ここでは開閉機構23aは上下に開閉する構造となっているが、左右に開閉する構造でもよい。
透光性カバー22の下には、検体採取用開口部として検体採取部24が設けられ、検体採取部24には開閉機構24aが設けられている。ウイルス性肺炎等の感染症検査において検体の採取は、一般に鼻や口から粘液を採取することで行われる。感染症の頭部保護衣20を装着した被検者から検体を採取する場合には、開閉機構24aを用いて検体採取部24を開くことで、一時的に被検者の鼻や口を露出させることができる。検体採取部24が設けられることにより、頭部保護衣20を脱衣することなく、綿棒等を用いて容易に口腔や鼻腔から検体を採取することが可能である。ここでは開閉機構24aは上下に開閉する構造となっているが、左右に開閉する構造でもよい。
体温測定部23の上には識別情報表示部25が設けられ、ここでは製造ロット番号として“Nо.A0123456”と表示されている。識別情報表示部25が設けられる位置は、体温測定部23の上に限られず、識別情報を外部から確認しやすい位置であればよく、例えば後頭部の位置に設けてもよい。
頭部保護衣20の右側頭部には、二次元コード(26,27)が表示されている。二次元コード26としては二次元コード5aと同様のQRコード(登録商標)、二次元コード27としては二次元コード5bと同様のバーコードが表示されている。二次元コード(26,27)の表示位置は、頭部保護衣20の右側頭部に限られず、読取機器で読み取りやすい位置であればよい。なお、二次元コード26と二次元コード27は、どちらか一方あれば足りる。
図5は、被検者用保護衣セットの使用イメージ図を示している。図5に示すように、被検者用保護衣セット100は、体部保護衣10、頭部保護衣20及び検体採取パネル30で構成される。体部保護衣10の長さLは被検者13の肩から膝までを覆う長さとなっている。
図6は、被検者用保護衣セットの使用フロー図を示している。図6に示すように、被検者用保護衣セット100の利用手順としては、まず、被検者13は体部保護衣10の下端部10bから体部保護衣本体1を被り、首部12から頭を出して、体部保護衣10を装着する(ステップS01)。次に、被検者13は、頭部保護衣20の下端部20bから頭部に被り、頭部保護衣20を装着する(ステップS02)。
被検者13から検体を採取する場合は、検体採取部24を開放する(ステップS03)。検体採取部24を開放した状態で、検体採取パネル30を用いて検体を採取する(ステップS04)。安全かつ正確な検査を行うため、検体採取部24の開放及び検体の採取は、医療従事者(図示せず)により行われる。具体的な検体採取パネル30の構造や使用方法について図7,8を参照しながら説明する。
図7は、検体採取パネルの斜視図を示している。図7に示すように、検体採取パネル30は、パネル部31及びテーパ状筒部材32で構成され、パネル部31の中央に設けられた貫通孔33にテーパ状筒部材32が挿通され固定されている。テーパ状筒部材32において、開口端部34aは開口端部34bの径よりも大きく設けられており、検体採取用の綿棒などの器具(図示せず)を挿入しやすい形状となっている。
図8は、検体採取パネルの使用イメージ図を示している。図8に示すように、検体採取パネル30は、被検者13の顔とパネル部31のパネル面が向かい合うようにパネル部31配置して使用する。医療従事者は綿棒15を開口端部34aから挿入し、開口端部34bから抜け出た綿棒15の先端を被検者13の鼻孔より挿入して、鼻腔内の検体を採取する。また、口腔内の検体も採取できる。被検者13は感染症の感染者である場合があり、咳やくしゃみにより飛沫が前方に飛散する可能性があるが、パネル部31が存在し、また開口端部34bは比較的細い形状となっているため、飛沫がテーパ状筒部材32を通る量を制限でき、検体の採取に当たる医療従事者が飛沫を通じて感染症に感染するリスクを最小限に抑えることができる。
検体の採取の完了後、被検者13は頭部保護衣20を脱衣する(ステップS05)。次に、体部保護衣10を脱衣する(ステップS06)。脱衣した頭部保護衣20と体部保護衣10を丸めて、体部保護衣10に設けられた廃棄用テープ9を用いて止め、廃棄する(ステップS07)。ここでは体部保護衣10に設けられた廃棄用テープ9のみを用いているが、頭部保護衣20についても廃棄用テープ9を設け、それぞれの廃棄用テープ9を用いて止め、廃棄することでもよい。
本発明は、感染症を予防する保護衣として有用である。
1 体部保護衣本体
10a,20a 上端部
10b,20b 下端部
2a,2b 聴診部
3a,3b 開閉部
3c,3d,23a,24a 開閉機構
4a,4b ミトン部
5a,5b,26,27 二次元コード
6a,6b,25 識別情報表示部
7 透明エリア
8 袋体
9 廃棄用テープ
10 体部保護衣
11 被検者用保護衣
12 首部
20 頭部保護衣
20c 後部
21 頭部保護衣本体
22 透光性カバー
23 体温測定部
24 検体採取部
30 検体採取パネル
31 パネル部
32 テーパ状筒部材
33 貫通孔
34a,34b 開口端部
100 被検者用保護衣セット

Claims (5)

  1. 感染症を含む検査を受ける被検者の着用衣で、被検者の首元以下の上半身を少なくとも被覆する保護衣であって、
    上端部に頭を通す上開口部と下端部に胴部を通す下開口部が設けられ、
    聴診器の接触による音の発生が抑制された素材で形成された聴診部が胸部又は背部の少なくとも何れかの位置に設けられ、
    腕部を出し入れするための開口部とそれを塞ぐ閉塞シールが左右の少なくとも何れかの位置に設けられ
    把持補助部が前記保護衣の内側の少なくとも左右何れかの下方に当たる位置に設けられたことを特徴とする被検者用保護衣。
  2. 少なくとも腹部が透明性素材で形成されたことを特徴とする請求項に記載の被検者用保護衣。
  3. 前記保護衣の外面上に、前記保護衣の識別タグ又は識別表示部が設けられたことを特徴とする請求項1又は2に記載の被検者用保護衣。
  4. 前記被検者の少なくとも顔を覆う透光性カバーを有する頭部保護衣を更に備え、
    前記透光性カバーは、
    額部の熱量を測定するための検温用開口部と、
    口腔や鼻腔から検体を採取するための検体採取用開口部と、
    前記検体採取用開口部を塞ぐ開閉機構
    を備えることを特徴とする請求項1~の何れかの被検者用保護衣。
  5. 請求項1~の何れかの被検者用保護衣と、検体採取パネルとから成る保護衣セットであって、
    前記検体採取パネルは、
    口と鼻を覆う面積より広い面積を有するパネルと、
    前記パネルの中央に設けられた貫通孔と、
    両開口端部の径が異なるテーパ状筒部材、
    を備え、
    検体採取時には、前記テーパ状筒部材が前記貫通孔に挿通されて使用される、
    ことを特徴とする被検者用保護衣セット。
JP2020084676A 2020-05-13 2020-05-13 被検者用保護衣及び被検者用保護衣セット Active JP7051137B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020084676A JP7051137B2 (ja) 2020-05-13 2020-05-13 被検者用保護衣及び被検者用保護衣セット

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020084676A JP7051137B2 (ja) 2020-05-13 2020-05-13 被検者用保護衣及び被検者用保護衣セット

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021179040A JP2021179040A (ja) 2021-11-18
JP7051137B2 true JP7051137B2 (ja) 2022-04-11

Family

ID=78511012

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020084676A Active JP7051137B2 (ja) 2020-05-13 2020-05-13 被検者用保護衣及び被検者用保護衣セット

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7051137B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114747816B (zh) * 2021-12-01 2024-02-23 成都市妇女儿童中心医院 新冠核酸采集专用隔离衣装置

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002180311A (ja) 2000-12-14 2002-06-26 Mariko Kobayashi 注射・点滴用衣服
JP3148666U (ja) 2008-11-20 2009-02-26 雅代 近藤 外出着でも使える介護着
JP2011120647A (ja) 2009-12-08 2011-06-23 Chieri Matsuzaki 診察・診断用マスク
JP2016008975A (ja) 2014-06-20 2016-01-18 学校法人産業医科大学 フィジカルイグザミネーション練習用ウエア
JP3224210U (ja) 2019-09-17 2019-12-05 茂弘 春木 医療用パジャマ

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002180311A (ja) 2000-12-14 2002-06-26 Mariko Kobayashi 注射・点滴用衣服
JP3148666U (ja) 2008-11-20 2009-02-26 雅代 近藤 外出着でも使える介護着
JP2011120647A (ja) 2009-12-08 2011-06-23 Chieri Matsuzaki 診察・診断用マスク
JP2016008975A (ja) 2014-06-20 2016-01-18 学校法人産業医科大学 フィジカルイグザミネーション練習用ウエア
JP3224210U (ja) 2019-09-17 2019-12-05 茂弘 春木 医療用パジャマ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2021179040A (ja) 2021-11-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Huh How to train health personnel to protect themselves from SARS-CoV-2 (novel coronavirus) infection when caring for a patient or suspected case
Chandy et al. Interventional radiology and COVID-19: evidence-based measures to limit transmission
Assadi et al. Key elements of preparedness for pandemic coronavirus disease 2019 (COVID-19) in nuclear medicine units
Kaushal et al. Face Shield with Temperature Sensing Ability for Frontline Health Workers
JP3227227U (ja) 保護具
Cieszanowski et al. Management of patients with COVID-19 in radiology departments, and indications regarding imaging studies–recommendations of the Polish Medical Society of Radiology
World Health Organization The COVID-19 risk communication package for healthcare facilities
JP7051137B2 (ja) 被検者用保護衣及び被検者用保護衣セット
Yan et al. Recommendations for coronavirus disease 2019 (COVID-19) prevention and infection control in the radiology department: Chinese experience
Han et al. Sharing our experience of operating an endoscopy unit in the midst of a COVID-19 outbreak
Kang Simulation results for contamination comparisons by various use protocols of personal protective equipment
Kang et al. Minimizing contamination in the use of personal protective equipment: Simulation results through tracking contamination and enhanced protocols
De‐Yñigo‐Mojado et al. Fit factor compliance of masks and FFP3 respirators in nurses: A case–control gender study
Avery et al. Double gloving and a glove perforation indication system during the dental treatment of HIV-positive patients: are they necessary?
Malhotra et al. Coronavirus—preventing an occupational hazard among doctors
Gruszecka et al. Preliminary information on prevention of infections caused by SARS-COV-2 virus in endoscopic laboratories
CN115062905A (zh) 一种面向核生化应急救援训练的评估方法
Motacki et al. An illustrated guide to infection control
de Oliveira e Silva et al. Limiting factors of face shield use for health professionals during the COVID-19 pandemic
Carvalho et al. Recommendations for use of personal protective equipment (PPE) in surgical procedures during the SARS-Cov pandemic
Zelencik et al. Health Care Personnel Exposure Risk Assessment and Management During a Mpox Outbreak in Chicago, Illinois, 17 May to 8 July 2022
WO2022097569A1 (ja) 情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
ur Rahman Transmission of Middle East respiratory syndrome coronavirus infections among healthcare personnel in the Middle East: A systematic review
Faguy Bloodborne pathogens: A review and update
Dattani et al. Personal protective equipment: Suggested best practices for pharmacies during the COVID-19 pandemic

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20211126

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20211126

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220114

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220201

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220317

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220323

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7051137

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150