JP2011120647A - 診察・診断用マスク - Google Patents

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【課題】インフルエンザ等の感染症の診察・診断において、診察・診断も可能であり、しかも患者からの飛沫の飛散を防止する何らかの手段が従来は提案されていない。
【解決手段】そこで本発明では、マスク本体1に、少なくとも装用者4の鼻と口の対応個所又はそれらの近傍の個所に対応して透明部5を構成すると共に、他の個所に通気フィルタ部3を構成し、前記透明部にアクセス孔7を形成し、このアクセス孔には棒体を通過可能とした弁機構6を構成した診察・診断用マスクを提案する。
【選択図】図3

Description

本発明は、インフルエンザ(新型を含む。)等の感染症等の診察・診断に利用するマスクに関するものである。
インフルエンザ等の感染症対策として、医師等の、医療や公衆衛生の現場の専門識者が患者と接触するに当たって、個人防護具(PPE:Personal Protective Equipment)、例えば手袋、ガウン、ヘッドカバー又は帽子、マスク、エプロン等の装着が求められており、例えば国立感染症研究所感染症情報センターでは、そのホームページ上において、適切なPPEの選択や着脱等に関する情報が掲載されている。
このような個人防護具は、患者と接触する医師等が装着することを前提としており、診察時に患者が装着することは全く想定していない。即ち、診察時に患者がマスク等を装着していると、医師が患者の喉の粘膜の発赤等を観察したり、後述するような検体の採取が行えないからである。
ところでインフルエンザの感染の有無は、患者から鼻腔拭い液、咽頭拭い液又は鼻腔吸引液を検体として採取し、それを診断キットにより検査して判断を行っている。
この際、検体は、鼻腔拭い液では、鼻の奥に綿棒を挿入し、鼻甲介を数回こするようにして粘膜表皮を採取し、また咽頭拭い液は、のどの奥に綿棒を挿入し、数回こするようにして粘膜表皮を採取している。一方、鼻腔吸引液は、鼻の奥に吸引用チューブを挿入して鼻汁を採取している。
このような検体の採取に際して、特に、鼻腔拭い液の採取に際しては、綿棒が鼻の粘膜をくすぐることになるので、患者はくしゃみ反射によりくしゃみが出やすい。この場合には、くしゃみによる飛沫が医師等にかかったり、室内に飛散したりするので、患者がインフルエンザに感染していた場合には、そのウィルスが飛散して、感染予防上、非常に問題となる。
患者からの飛沫の飛散の防止は、患者がマスクを装着すればある程度は防げるが、一般に、マスクは不透明であるから、これを装着したままでは、医師が患者の喉の粘膜の発赤等を診察することができないし、また上述した検体の採取を行うこともできない。
例えば特許文献1には透明な合成樹脂材によりお面形に成型したマスクが提案されており、このような透明なマスクでは、患者が装着していても喉の粘膜の発赤等を診察することはできるかもしれないが、検体を採取する際には、マスクをずらしたり、外したりしなければならない。
上述したようにインフルエンザに感染している患者からの飛沫に対して、医師は、上述したような個人防護具を装用することにより、身体への付着を防止することができるが、室内に飛散した飛沫は、次に室内に入ってきた患者等への感染に繋がる恐れがあり、これを防ぐためには、何らかの除去処理を行わなければならないので、非常に面倒なことになる。
実用新案登録第3124550号公報
本発明が解決しようとする課題は、インフルエンザ等の感染症の診察・診断において、診察・診断も可能であり、しかも患者からの飛沫の飛散を防止する何らかの手段が従来は提案されていないことにある。
以上の課題を解決するために,本発明では、マスク本体に、少なくとも装用者の鼻と口の対応個所又はそれらの近傍の個所に対応して透明部を構成すると共に、他の個所に通気フィルタ部を構成し、前記透明部にアクセス孔を形成し、このアクセス孔には棒体を通過可能とした弁機構を構成した診察・診断用マスクを提案する。
また本発明では、上記の構成において、通気フィルタ部として構成したマスク本体に開口部を形成し、開口部に透明部を取り付けて構成した診察・診断用マスクを提案する。
また本発明では、上記の構成において、透明部として構成したマスク本体に開口部を形成し、開口部に通気フィルタ部を取り付けて構成した診察・診断用マスクを提案する。
また本発明では、以上の構成において、弁機構は、透明部の装用者側においてアクセス孔を覆うように構成した透明可撓シートによるフラップ弁として構成されている診察・診断用マスクを提案する。
この場合、透明可撓シートは弾性を有するものとし、自体の弾性によりアクセス孔を覆う位置に復帰可能に構成することができる。そして、この場合、透明可撓シートはアクセス孔を隔てた対向位置に固定した一対により構成し、開放端を重ねて両開き可能な構成とすることができる。
また本発明では、上記の構成において、弁機構は、透明弾性シートに、周辺部から中心に求心状に複数の切込を形成した構成である診察・診断用マスクを提案する。
本発明の診察・診断用マスクは患者が装用して医師の診察・診断を受けるものである。
本発明の診察・診断用マスクは、少なくとも装用者の鼻と口の対応個所又はそれらの近傍の個所に対応して透明部を構成しているので、患者が装用したまま、医師は、透明部を通して口腔内の粘膜の発赤等の診察・診断を行うことができる。
そしてインフルエンザの診察・診断を行う場合には、医師は、透明部のアクセス孔から綿棒を挿入して、鼻腔内又は口腔内に挿入し、こうして上述したような方法により検体を採取することができる。
本発明の診察・診断用マスクにおいて、透明部及びアクセス孔を形成する位置を、通常の装用時に装用者の鼻と口に対応する個所とした場合には、通常の装用状態においてアクセス孔を使用することができる。
一方、透明部及びアクセス孔を形成する位置を、通常の装用時に装用者の鼻と口の近傍の個所に形成した場合には、アクセス孔を使用する際に、マスク本体をずらして、アクセス孔を最適な位置にもたらせば良い。
こうして、検体を採取している際に、患者がくしゃみを催した場合、綿棒をアクセス孔から引き抜くと、フラップ弁等の弁機構が作動するため、くしゃみによる飛沫はマスク外に飛散しない。従って医師が飛沫を浴びることもないし、飛沫が室内に飛散することもない。
尚、装用している患者は、マスク本体に構成された通気フィルタ部を通しての空気の流通により通常と同様な呼吸を行うことができる。
図1は本発明のマスクの第1の実施の形態を装用状態において示す模式的正面図である。 図2は図1のA−A線断面個所の模式的断面図である。 図3は図1のA−A線断面個所を他の局面において示す模式的断面図である。 図4は図1の模式的A−A線断面個所を更に他の局面において示す断面図である。 図5は本発明のマスクの第2の実施の形態を装用状態において示す模式的正面図である。 図6は本発明のマスクの弁機構の他の実施の形態を示す要部の模式的正面図である。 図7は本発明のマスクの弁機構の更に他の実施の形態を示す要部の模式的正面図である。 図8は図7のB−B線断面個所の模式的断面図である。 図9は図7のB−B線断面個所を他の局面において示す模式的断面図である。 図10は本発明のマスクの弁機構の更に他の実施の形態を示す要部の模式的正面図である。 図11は図10の弁機構における綿棒の挿入状態を示す要部の模式的断面図である。
次に、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
まず図1〜図4に示す第1の実施の形態において、符号1はマスク本体であり、2は装用紐である。マスク本体1は、フィルター性能の高い不織布等の素材を用いて通気フィルタ部3が構成されており、また装用者4の鼻と口の対応個所又はそれらの近傍の個所に対応して透明部5が構成されている。透明部5は、例えば通気フィルタ部3の対応個所を切り抜いて開口部を形成し、その部分に透明シートを取り付けて構成することができる。
そして透明部5には、弁機構6を構成したアクセス孔7を形成している。この実施の形態の弁機構6は、透明部5の装用者4側においてアクセス孔7を覆うように構成した透明可撓シート8によるフラップ弁として構成している。即ち、この透明可撓シート8は図3、図4に示すように、図中の上端側をアクセス孔7の周辺部に固定して開閉可能に支持されている。
以上の構成の本発明の診察・診断用マスクは、インフルエンザ等の診察・診断に病院等に訪れた患者(装用者)4が予め装用し、装用した状態において、診察室に入って医師の診察・診断を受ける。装用者である患者4は、マスク本体1に構成された通気フィルタ部3を通しての空気の流通により通常と同様な呼吸を行うことができる。
本発明の診察・診断用マスクは、装用者(患者)4の鼻と口の対応個所又はそれらの近傍の個所に対応して透明部5が構成されているので、医師は、患者4が装用したまま、透明部5を通して口腔内の粘膜の発赤等の診察・診断を行うことができる。
そしてインフルエンザの診察・診断を行う場合には、医師は、図3又は図4に示すように、診察・診断用マスクを適宜ずらしてアクセス孔7を最適な位置にもたらす。そして、この状態において透明部5のアクセス孔7から綿棒9を挿入すると、透明可撓シート8は綿棒9に押されて靡くので、綿棒9は容易に挿入することができ、こうして鼻腔内又は口腔内に挿入し、上述したような方法により検体を採取することができる。
このように検体を採取している際に、患者4がくしゃみを催した場合には、綿棒9をアクセス孔7から引き抜くと、透明可撓シート8は図2に示すようにアクセス孔7を覆う。
患者4がくしゃみをするとマスク内の空間部の圧力が高くなり、この圧力により透明可撓シート8がアクセス孔7に圧接するため、マスク本体1内の飛沫を含んだ空気はアクセス孔7からは漏出せず、通気フィルタ部3を通して流出するため、くしゃみに起因する飛沫はマスク本体1外には流出しない。
こうして本発明の診察・診断用マスクでは、診察に際して患者がくしゃみ等をしても、その飛沫を医師が浴びることもないし、室内に飛散することもない。
ここで上述したようなフラップ弁として構成する透明可撓シート8はポリマーシート等の弾性を有するものとし、自体の弾性によりアクセス孔を覆う位置に復帰可能に構成することができる。自重により復帰させる構成の場合には、透明可撓シート8は、上述した第1の実施の形態に示すように、その上側を固定する必要があるが、透明可撓シート8を弾性を有する材質で構成した場合には、上側はもとより、例えば図6に示す実施の形態のように下側や、または横側に固定することができる。また横側に構成する場合には、図7〜図9に示すように、透明可撓シートはアクセス孔7を隔てた対向位置に固定した一対8a,8bにより構成し、開放端を重ねて両開き可能な構成とすることができる。
図5は本発明のマスクの第2の実施の形態を装用状態において示す模式的正面図である。
この実施の形態では、マスク本体1は透明部5として構成し、このように透明部5として構成したマスク本体1に、装用者4の鼻と口の対応個所又はそれらの近傍の個所を外して開口部を形成し、開口部に通気フィルタ部3を取り付けて構成したものである。また弁機構6は、第1の実施の形態と同様に、透明部5の装用者4側においてアクセス孔7を覆うように構成した透明可撓シート8によるフラップ弁として構成している。
次に図10、図11は、本発明の診察・診断用マスクの弁機構の他の実施の形態を示す要部の模式的正面図、要部の断面図である。
この実施の形態では、弁機構6は、透明弾性シート10に、周辺部から中心に求心状に複数の切込11を形成した構成であり、この透明弾性シート10の周縁部12をアクセス孔7の周辺に取り付けて構成している。
この実施の形態では、透明弾性シート10は外力が加わっていない時点では、自体の弾性により切込11が隙間無く密着して空気の流通を防止し、外力によっては図7に示すように靡いて、棒体、即ち綿棒の通過を許容するものである。
尚、以上に説明した実施の形態では、アクセス孔7の形状は、円形状であるが、楕円形状でも良いし、多角形状でも、瓢箪形状等、適宜である。また以上の実施の携帯では、アクセス孔7は、鼻腔用と口腔用を兼用する一つの構成であるが、それらを個別に構成することもできる。
1 マスク本体
2 装用紐
3 通気フィルタ部
4 装用者(患者)
5 透明部
6 弁機構
7 アクセス孔
8 透明可撓シート
9 綿棒
10 透明弾性シート
11 切込
12 周縁部

Claims (7)

  1. マスク本体に、少なくとも装用者の鼻と口の対応個所又はそれらの近傍の個所に対応して透明部を構成すると共に、他の個所に通気フィルタ部を構成し、前記透明部にアクセス孔を形成し、このアクセス孔には棒体を通過可能とした弁機構を構成したことを特徴とする診察・診断用マスク。
  2. 通気フィルタ部として構成したマスク本体に開口部を形成し、開口部に透明部を取り付けて構成したことを特徴とする請求項1に記載の診察・診断用マスク。
  3. 透明部として構成したマスク本体に開口部を形成し、開口部に通気フィルタ部を取り付けて構成したことを特徴とする請求項1に記載の診察・診断用マスク。
  4. 弁機構は、透明部の装用者側においてアクセス孔を覆うように構成した透明可撓シートによるフラップ弁として構成されていることを特徴とする請求項1〜3までのいずれか1項に記載の診察・診断用マスク。
  5. 透明可撓シートは弾性を有するものとし、自体の弾性によりアクセス孔を覆う位置に復帰可能に構成したことを特徴とする請求項4に記載の診察・診断用マスク。
  6. 透明可撓シートはアクセス孔を隔てた対向位置に固定した一対により構成し、開放端を重ねて両開き可能な構成としたことを特徴とする請求項5に記載の診察・診断用マスク。
  7. 弁機構は、透明弾性シートに、周辺部から中心に求心状に複数の切込を形成した構成であることを特徴とする請求項1〜3までのいずれか1項に記載の診察・診断用マスク。
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