JP7051068B2 - アンテナ及び通信装置 - Google Patents
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Description
本発明者は、さらに小型を図ることが可能なアンテナを検討した結果、本発明に至った。
これにより、インピーダンス整合がとれた薄型であって自由空間のみならず、導体上であっても使用できる小型のアンテナが得られた。
これに対して、本発明は上記スリット部の位置に反射板として機能する鏡像壁層を立設し、さらなる小型化を図った点に特徴がある。
本発明において、アンテナ素子は前記放射素子層の上面に第2誘電体層を介して配置してあり、前記アンテナ素子と前記鏡像壁層とに給電点を設ける態様が考えられる。
この場合にアンテナ素子は前記鏡像壁層からカギ状に延在させる例と、前記鏡像壁層との間に所定の隙間を形成して配置する例が考えられる。
また、鏡像壁層は複数立設してあり、前記アンテナ素子は前記複数の鏡像壁層の間に配置してあってもよい。
この場合に詳細は後述するが、図2に示すようにアンテナ素子と鏡像壁層とに給電点F1,F2を形成する態様と、図19に示すように一対のアンテナ素子にそれぞれ給電点F1,F2を設ける態様がある。
アンテナ素子と鏡像壁層に給電点F1,F2を形成する場合には、その高さをほぼ同じにするのがよい。
一方、一対のアンテナ素子に給電点F1,F2を設ける場合には、鏡像壁層の高さは給電点より低くてもよい。
ここでアンテナ素子は、前記鏡像壁層の立設方向に沿った中心線と直角方向に配置する他には、前記鏡像壁層の立設中心線と水平方向に直交する水平中心線から所定の距離だけオフセットさせて配設してある形態にあっては、2周波数共用/広帯域型の小型アンテナが実現可能となる。
ベース層及び鏡像壁層は金属製であり、一体的に形成してもよく、別体を接合してもよい。
放射素子層は金属製であり、ベース層との間に第1誘電体層を挟み、概ね平行に配設されているものであれば、平面形状のみならず曲面形状であってもよい。
放射素子層は、鏡像壁層との間にスリット状の所定の隙間を有する以外は、ベース層と概ね同じ外形形状であってよい。
また、放射素子層は、長さ方向の内側に切り欠き部を設けた複数の放射素子片部にしてもよい。
また、一対のアンテナ素子に対応させて、この放射素子層を複数にしてもよい。
また、特許文献2に記載の構造に適用することで、小型のアンテナになる。
図1,2に、本発明に係るアンテナの構造例を示し、比較のため、引用文献1に開示されているアンテナの構造例を従来例として図31に示す。
また、引用文献2に開示されたアンテナとの比較を図32に示す。
図32においてMは、鏡像面を示す。
第1誘電体層12の一方の面(下面)に、金属製のベース層11aを配設し、その一端から第1誘電体層12の端部に沿って立設した鏡像壁層11bを設けてある。
ベース層11aと鏡像壁層11bとは、側面視で略L字形状の金属層11を形成していることになる。
第1誘電体層12の他方の面(上面)には、鏡像壁層11bとの間に所定の隙間としてスリット部Sを設けて、金属製の放射素子層13を形成してある。
放射素子層13の上面には、第2誘電体層14を形成し、その上にアンテナ素子15を配設した。
このアンテナ素子15は、鏡像壁層の面に対して直角方向に配設してある。
アンテナ素子15は、非接触型であり、鏡像壁層11bを反射面としたダイポールアンテナとして作動する。
アンテナ素子15と、鏡像壁層11bとの間にも所定の隙間として、スリット部Sを形成してあり、そのスリット幅(s)は図2に示すように、放射素子層13のスリット幅(s)と同じである。
図2(b)は第2誘電体層14の上面にアンテナ素子15を配置したアンテナ基板であり、(c)は放射素子層13を配置したグリッド基板を示す。(d)はベース層11aを表した金属基板である。
本実施例では、アンテナ素子15に給電点F1を形成し、鏡像壁層11bの上端部に給電点F2とを形成し、給電点F1,F2が同じ高さになるように設定してある。
金属板111の上に第1誘電体層112を形成し、その上にs×2倍のスリット部を中央部に設け、その両側に放射素子層113を配置してある。
この放射素子層113の上に、第2誘電体層114を形成し、さらにその上に一対の給電素子115を有する。
一対の給電素子からなるダイポールアンテナはa×2+s×2の長さになる。
本発明に係るアンテナを以下、この従来例と比較しながら説明する。
給電点(Feeding point)は、図1,図2(a)及び図31(a)に示したF1とF2である。
本実施例は、アンテナ素子15のスリット側端部の給電点F1、鏡像壁層11bの上端部の給電点F2とし、この2点で給電する。
図31の従来例では、一対の給電素子115に給電点F1,F2を有する。
高さH:4mm
長さL:29.7mm
幅W:30mm
放射素子長さg:29.45mm
スリット幅s:0.25mm
アンテナ素子長さa:12mm
アンテナ素子幅ww:1mm
第1誘電体厚みt1:3.12mm,比誘電率ε1:2.59
第2誘電体厚みt2:0.74mm,比誘電率ε2:2.53
金属層(放射素子層)には厚み0.018mmの銅箔を用いた。
なお、図31においては、計算式に上記の数値を入力した。
図4にVSWR特性を示す。
図5に放射パターンを示す。
(A)は本発明に係るアンテナ、(B)は比較例を示す。
図3,4において左側のグラフは自由空間におけるアンテナ特性、右側のグラフは金属上でのアンテナ特性を示す。
2.45GHZ付近でVSWRが、ほぼ1であり整合がとれている。
共振周波数2.45GHZで基準化すると、L=0.25λ,H=0.033λ,W=0.25λとなる。
各パラメータの設定値を図8の表に示す。
図9にインピーダンス特性、図10にVSWR特性、図11に放射パターンを示す。
図8の表において、ベース層(金属基板)の長さLを基板長さLと表現してあり、31.5mm,30.5mm,29.75mm,29.65mmに対応させて基板の幅Wを(ア)24mm,(イ)27mm,(ウ)30mm,(エ)33mmとそれぞれ設定した。
また、アンテナ素子15の長さを図8の表ではアンテナ長aと表現し、アンテナ基板の水平中心線G0(鏡像壁層11bの立設中心線に対して水平方向に直交する中心線)からの下側へのオフセット量dを(ア)~(エ)に対応して8mm,9.5mm,11mm,12.5mmに設定した。
図9に示したインピーダンス特性及び図10に示したVSWRの特性を見ると、2.45GHZ付近の共振周波数f1は、アンテナ長aとグリッド幅gの値で決定されるのに対して、基板幅Wとオフセット量dを設定することで第2の共振周波数f2がシフトして出現することが分かる。
図11の放射パターンを見ると(ア)~(エ)のいずれにおいても放射パターンに大きな差がないことが分かる。
長さが従来の約半分になることが分かる。
図13にf1:5.25GHZ,f2:5.65GHZに設定した場合のアンテナの仕様の計算例を示す。
(A)は本発明、(B)は従来例である。
その場合のインピーダンス特性を図14,VSWR特性を図15,放射パターンを図16に示す。
この場合も、アンテナの長さが従来例に対して約半分になる。
この効果は、特許文献1に記載と同様の効果を示す。
この場合には鏡像壁層11bの高さは、放射素子13cよりも高ければアンテナ素子15cの高さよりも低くてもよい。
H:4mm,W:30mm,L:48.3mm
放射素子13b,13cのグリッド幅、g1:31mm,g2:16mm,スリットS1:0.5mm,スリットS:0.25mmに設計した場合のインピーダンス特性を図20、放射特性を図21にそれぞれ示す。
図2に示した基本型に比較して低いインピーダンスとなり、広帯域化している。
アンテナ素子15b,15cにそれぞれ給電点F1,F2を形成してある。
アンテナ素子15b,15cは、線状アンテナであり、鏡像壁層11bの立設面と直交する方向であって、片側に直線状に配置してある。
この場合に、放射素子層を13dと13eに分割配置した。
H:4mm,W:30mm,L:39mm,g1=g2:19mm,s1:0.5mm,s2=s3:0.25mmに設計した。
この場合のインピーダンス特性を図23,放射特性を図24にそれぞれ示す。
この場合も基本型に比較して、広帯域化している。
図28にて、H:4mm,W:30mm,L:22.6mm,g:22.1mm,s:0.25mmに設計した場合のインピーダンス特性と放射特性を図29,図30に示す。
11a ベース層
11b 鏡像壁層
12 第1誘電体層
13 放射素子層
14 第2誘電体層
15 アンテナ素子
Claims (4)
- 第1誘電体層と、
前記第1誘電体層の一方の面に形成した金属からなるベース層と、前記ベース層から立設した鏡像壁層を有し、
前記第1誘電体層の他方の面であって、前記鏡像壁層との間に所定の隙間を形成して設けた放射素子層を有し、
前記放射素子層は前記ベース層と導通していないプレート状であり、
前記放射素子層の上部であって、当該放射素子層と平行に配置したアンテナ素子を有し、
前記アンテナ素子は前記放射素子層の上面に第2誘電体層を介して配置してあり、前記アンテナ素子と前記鏡像壁層とに給電点を設けてあることを特徴とするアンテナ。 - 前記アンテナ素子は前記鏡像壁層との間に所定の隙間を形成して配置してあることを特徴とする請求項1記載のアンテナ。
- 前記鏡像壁層は複数立設してあり、前記アンテナ素子は前記複数の鏡像壁層の間に配置してあることを特徴とする請求項1又は2記載のアンテナ。
- 請求項1~3のいずれかに記載のアンテナと、通信モジュールとを組み合せたことを特徴とする通信装置。
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