JP7051004B2 - 磁性摩耗粉量測定装置及び機械装置 - Google Patents

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Description

本発明は、油溜まりに混入する磁性摩耗粉の量を測定する磁性摩耗粉量測定装置及び機械装置に関する。
従来、圧縮機等の機械装置の油溜まりに混入する磁性摩耗粉の質量を測定する磁性摩耗粉量測定装置が知られている。機械装置に設けられる摺動部は、円滑な摺動が行われることを目的として、概して、潤滑油で潤滑される。摺動部において鉄等の摩耗粉が発生すると、摩耗粉は潤滑油と共に摺動部から排出され、油溜まり等に滞留する。潤滑油中の磁性摩耗粉を定量的に測定する技術として、特許文献1には、磁石が形成する磁場を利用した鉄分測定装置が開示されている。特許文献1は、配管内に流れるソルブル油が充填された容器内において、ソルブル油に混入する鉄分を磁石が吸引し、磁石が鉄分を吸引する力の大きさに基づいて鉄分量を測定する。なお、特許文献1において、磁石とソルブル油とは、配管の壁で離隔されており、直接接触していない。
特開平6-174620号公報
しかしながら、特許文献1に開示された鉄分測定装置が、油溜まりの内部に設けられる場合、磁石が油溜まりの潤滑油に直接接触する。このため、磁石に磁性摩耗粉が付着して、磁性摩耗粉の質量を正確に測定することができない。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、油溜まりの内部に設けられても、磁性摩耗粉の質量を正確に測定することができる磁性摩耗粉量測定装置及び機械装置を提供するものである。
本発明に係る磁性摩耗粉量測定装置は、磁性摩耗粉が混入する油溜まりの内部に設けられる基台と、基台に設けられ、磁性摩耗粉が磁場から受ける磁力を計測する荷重計測部と、磁場を発生させて磁性摩耗粉を吸引する磁石と、荷重計測部の上方において磁石を覆い、磁石によって吸引される磁性摩耗粉を捕捉する捕捉部と、荷重計測部と捕捉部との間に介在し、磁性摩耗粉が磁場から受ける磁力によって捕捉部が押し付けられる力を、荷重計測部に伝達する磁力伝達部と、を備える。
本発明によれば、捕捉部が磁石を覆っている。このため、磁性摩耗粉量測定装置が油溜まりの内部に設けられても、磁石は油溜まりに滞留する潤滑油に露出しない。従って、磁性摩耗粉量測定装置は、磁石に付着する磁性摩耗粉の量を低減することができる。このように、磁性摩耗粉量測定装置は、油溜まりの内部に設けられても、磁性摩耗粉の質量を正確に測定することができる。
実施の形態1に係る磁性摩耗粉量測定装置を示す斜視図である。 実施の形態1に係る磁性摩耗粉量測定装置を示す上面図である。 実施の形態1に係る磁性摩耗粉量測定装置を示す断面図である。 実施の形態1に係る機械装置を示す断面図である。 実施の形態1に係る磁性摩耗粉量測定装置の動作を示す断面図である。 実施の形態1に係る磁性摩耗粉量測定装置の測定結果を示す表である。 実施の形態1に係る磁性摩耗粉量測定装置の測定結果を示すグラフである。 実施の形態2に係る磁性摩耗粉量測定装置を示す斜視図である。 実施の形態2に係る磁性摩耗粉量測定装置を示す上面図である。 実施の形態2に係る磁性摩耗粉量測定装置を示す断面図である。 実施の形態3に係る磁性摩耗粉量測定装置を示す上面図である。 実施の形態4に係る磁性摩耗粉量測定装置を示す断面図である。 実施の形態4に係る警報装置を示す回路図である。 実施の形態4に係る磁性摩耗粉量測定装置の動作を示す断面図である。 実施の形態5に係る磁性摩耗粉量測定装置を示す断面図である。 実施の形態5に係るコイルを示す回路図である。 実施の形態6に係る機械装置を示す模式図である。
以下、実施の形態に係る磁性摩耗粉量測定装置及び機械装置の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施の形態に限定されるものではない。また、図1を含め、以下の図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。また、以下の説明において、理解を容易にするために方向を表す用語を適宜用いるが、これは説明のためのものであって、これらの用語に限定するものではない。方向を表す用語としては、例えば、「上」、「下」、「右」、「左」、「前」又は「後」等が挙げられる。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る磁性摩耗粉量測定装置1を示す斜視図であり、図2は、実施の形態1に係る磁性摩耗粉量測定装置1を示す上面図である。図3は、実施の形態1に係る磁性摩耗粉量測定装置1を示す断面図であり、図2のA-A断面図である。図1~図3に示すように、磁性摩耗粉量測定装置1は、圧縮機等の機械装置15(図4参照)の油溜まりの内部に設けられるものである。機械装置15に設けられる摺動部(図示せず)は、円滑な摺動が行われることを目的として、概して、潤滑油16で潤滑される。摺動部において鉄等の摩耗粉が発生すると、摩耗粉は潤滑油16と共に摺動部から排出され、油溜まり等に滞留する。磁性摩耗粉量測定装置1は、油溜まりの内部に設けられ、油溜まりの内部に混入する磁性摩耗粉8bの質量を測定する。磁性摩耗粉量測定装置1は、基台7と、荷重計測部4と、磁石固定部5と、磁石2と、捕捉部3と、磁力伝達部6とを備えている。
(基台7)
基台7は、例えば矩形状の板状の部材であり、機械装置15の油溜まりの内部に設けられる。
(荷重計測部4)
荷重計測部4は、例えば円柱状をなしており、基台7の上面に設けられ、磁性摩耗粉8bが磁場から受ける磁力を計測するものである。荷重計測部4は、ロードセルであってもよいし、ひずみ検知するひずみセンサであってもよい。
(磁石固定部5)
磁石固定部5は、基台7に設けられ、磁石2を固定する。磁石固定部5は、基台7から起立する2本の柱部5aと、2本の柱部5aの上端を接続する水平部5bとを有している。水平部5bの上面には、磁石2が接着されて固定されている。これにより、磁石2は不動となる。
(磁石2)
磁石2は、荷重計測部4の上方であり、磁石固定部5の水平部5bに固定され、磁場を発生させて油溜まりの内部の磁性摩耗粉8bを吸引する。磁石2は、磁石固定部5によって固定されているため、動かない。磁石2は、例えば永久磁石であり、荷重計測部4側がS極であり、上方がN極であるように配置される。磁石2によって、磁性摩耗粉量測定装置1には、磁力線mが発生する。
(捕捉部3)
捕捉部3は、荷重計測部4の上方において磁石2を覆い、磁石2によって吸引される油溜まりの内部の磁性摩耗粉8bを捕捉する。捕捉部3は、例えば円板状の部材である。捕捉部3は、磁石2を覆っているため、磁石2が機械装置15の油溜まりに貯留する汚染された潤滑油16に露出することが抑制される。このように、捕捉部3は、汚染された潤滑油16から磁石2を遮蔽する。捕捉部3は、表面が磁石2の磁極面と平行となるように、設けられている。これにより、捕捉部3は、磁石2が形成する磁場における磁束密度が大きい位置に、磁性摩耗粉8bを捕捉することができる。また、捕捉部3は、磁性摩耗粉8bを捕捉する捕捉面3aが上方を向くように配置されている。これにより、磁石2によって磁性摩耗粉8bが上方から下方に吸引され、捕捉部3の捕捉面3aに捕捉される。このとき、磁性摩耗粉8bは、捕捉部3を下方、即ち、荷重計測部4側に押し下げる。
(磁力伝達部6)
磁力伝達部6は、荷重計測部4と捕捉部3との間に介在し、磁性摩耗粉8aが磁場から受ける磁力によって捕捉部3が押し付けられる力を、荷重計測部4に伝達する。磁力伝達部6は、載置部6aと、収納部6bとを有する。載置部6aは、荷重計測部4に載置される円板状の部材である。収納部6bは、載置部6aから上方に延びるように捕捉部3の外周側に設けられる円筒状の部材である。収納部6bは、内部に磁石2を収納する。収納部6bには、水平方向に挿入口6cが形成されており、挿入口6cには、磁石固定部5の水平部5bが挿入される。挿入口6cの大きさは、磁石固定部5の水平部5bの大きさよりも大きい。これにより、磁力伝達部6の収納部6bと磁石固定部5の水平部5bとは接触しない。なお、磁力伝達部6は、捕捉部3と一体的に形成されている。
図4は、実施の形態1に係る機械装置15を示す断面図である。次に、磁性摩耗粉量測定装置1の測定について説明する。図4に示すように、磁性摩耗粉量測定装置1は、圧縮機といった機械装置15の下部に形成される油溜まりの内部に配置される。なお、磁性摩耗粉量測定装置1が使用される際、新しい潤滑油16が、予め収納部6bの内部に封入される。これにより、摩耗粉によって汚染された潤滑油16が、挿入口6cをとおって収納部6bの内部に侵入することを抑制する。
図4に示すように、磁石2が形成する磁場において、摩耗粉が存在すると、摩耗粉が磁化されて磁性摩耗粉8bとなる。磁性摩耗粉8bは、磁力線mに沿って磁石2側に引き寄せられ、捕捉部3の捕捉面3aに捕捉される。図4において、磁力線mとして、外側の磁力線m1及びm4と、中央の磁力線m2及びm5と、内側の磁力線m3及びm6とが例示されている。捕捉部3の捕捉面3aに捕捉された磁性摩耗粉8aは、磁場の影響で捕捉部3を磁石2側に押し付ける。
図5は、実施の形態1に係る磁性摩耗粉量測定装置1の動作を示す断面図であり、図4のB-B断面図である。磁性摩耗粉8aが、磁場の影響で捕捉部3を磁石2側に押し付けると、図5に示すように、捕捉部3と一体的に形成された磁力伝達部6の全体も、荷重計測部4側に押し下がる(力F1及び力F2)。なお、磁石2は、磁石固定部5に固定されているため、動かない。このとき、磁力伝達部6は、荷重計測部4に力Fsumを伝達する。ここで、捕捉部3の捕捉面3aの磁束密度をB、真空の透磁率をμ0とすると、捕捉部3の上部表面における単位面積当たりの吸引力Fは、以下の式(1)で求められる(参考文献 山田直平及び桂井誠著、「電気磁気学 3版改訂」、オーム社、p.259)。
[数1]
F=B/2μ・・・(1)
磁性摩耗粉8bが捕捉部3に堆積すると、捕捉部3の捕捉面3aは、磁性摩耗粉8aに覆われる。ここで、堆積した磁性摩耗粉8aの表面積は、磁性摩耗粉8aの質量に比例する。そして、磁性摩耗粉8aの質量は、上記の吸引力Fから一意に決まる。
図6は、実施の形態1に係る磁性摩耗粉量測定装置1の測定結果を示す表である。図6に示すように、磁性摩耗粉8aの質量がM1からM2に増加すると、捕捉部3に捕捉されて堆積した磁性摩耗粉8aにおける磁束が通過する面の表面積は、S1からS2に増加する。その際、検出される吸引力は、L1からL2に増加する(図6の(1)から(2))。なお、磁束密度が大きい位置から優先的に磁性摩耗粉8bは吸引される。磁性摩耗粉8aの質量が増加するにつれて、磁束が通過する面の磁束密度が減少する。このため、図6の(3)のように、捕捉される磁性摩耗粉8aの質量は飽和する。
図7は、実施の形態1に係る磁性摩耗粉量測定装置1の測定結果を示すグラフである。図7において、横軸は磁性摩耗粉8aの質量M[g]であり、縦軸は検出される吸引力F[N]である。図7に示すように、磁性摩耗粉8aの質量が増加するに従って検出される吸引力は増加するものの、吸引力がLsatに達して飽和する。
本実施の形態1によれば、捕捉部3が磁石2を覆っている。このため、磁性摩耗粉量測定装置1が油溜まりの内部に設けられても、磁石2は油溜まりに滞留する潤滑油16に露出しない。従って、磁石2に付着する磁性摩耗粉8bの量を低減することができる。このように、磁性摩耗粉量測定装置1は、油溜まりの内部に設けられても、磁性摩耗粉8aの質量を正確に測定することができる。従って、磁性摩耗粉8aの質量を定量化することができる。
また、磁力伝達部6は、荷重計測部4に載置される載置部6aと、載置部6aから上方に延びるように捕捉部3の外周側に設けられ、内部に磁石2を収納する収納部6bと、を有する。磁石2は、捕捉部3と磁力伝達部6の収納部6bとによって、確実に保護される。従って、磁性摩耗粉量測定装置1が油溜まりの内部に設けられても、磁石2は、油溜まりの潤滑油16に露出しない。
更に、捕捉部3と磁力伝達部6とは、一体的に形成されている。これにより、捕捉部3及び磁力伝達部6の製造性が向上する。
なお、捕捉部3は、磁性摩耗粉8aから受ける磁力によって変形しないほどの剛性が高い材料及び形状である。また、捕捉部3は、非磁性体でもよいし、磁性体でもよいが、非磁性体であることが好ましい。ここで、磁石2が形成する磁場の磁力線mは、捕捉部3との間に磁気回路を形成する。捕捉部3が非磁性体である場合、捕捉部3が磁性体である場合と比較して、捕捉部3の外側の表面近傍の磁束密度が大きくなる。従って、磁性摩耗粉8bを捕捉部3に捕捉する力が大きくなる。
実施の形態2.
図8は、実施の形態2に係る磁性摩耗粉量測定装置100を示す斜視図であり、図9は、実施の形態2に係る磁性摩耗粉量測定装置100を示す上面図である。図10は、実施の形態2に係る磁性摩耗粉量測定装置100を示す断面図であり、図9のC-C断面図である。本実施の形態2は、磁力伝達部106が接続部106aを有している点で、実施の形態1と相違する。本実施の形態2では、実施の形態1と同一の部分は同一の符号を付して説明を省略し、実施の形態1との相違点を中心に説明する。
図8~図10に示すように、基台107は、有底角筒状の収納ケースである。基台107は、矩形状の底部107aと、底部107aの縁部から上方に延び、内側に開口107cを形成する側部107bとを有している。底部107aは円形状であってもよい。荷重計測部4は、例えば円柱状をなしており、基台107の底部107aに設けられる。磁石固定部105は、環状をなしており、荷重計測部4の外周において、基台107の底部107aに載置される。磁石102は、環状をなしており、磁石固定部105の上面に載置されている。捕捉部3は、矩形板状の部材であり、基台107の開口107cを閉じるように配置される。
磁力伝達部106は、荷重計測部4と捕捉部3との中央とを接続する接続部106aを有する。なお、捕捉部3と磁力伝達部106とは、別体である。接続部106aは、環状の磁石102の内部に挿入されるものであり、断面円状でもよいし、断面多角形状でもよい。即ち、磁石102は、接続部106aの周囲に設けられている。ここで、磁力伝達部106の接続部106aと、磁石102との間の隙間は、可及的に小さくなるように設定される。これにより、磁力伝達部106の接続部106aが、環状の磁石102の内部で大きく傾斜することを抑制することができる。
本実施の形態2によれば、実施の形態1と同様に、捕捉部3が磁石102を覆っている。このため、磁性摩耗粉量測定装置100が油溜まりの内部に設けられても、磁石102は油溜まりの潤滑油16に露出しない。従って、磁性摩耗粉量測定装置100は、磁石102に付着する磁性摩耗粉8bの質量を低減することができる。このように、磁性摩耗粉量測定装置100は、油溜まりの内部に設けられても、磁性摩耗粉8aの質量を測定することができる。
また、磁力伝達部106は、荷重計測部4と捕捉部3の中央とを接続する接続部106aを有し、磁石102は、接続部106aの周囲に設けられている。このように、本実施の形態2においても、磁石102は、捕捉部3によって保護される。
実施の形態3.
図11は、実施の形態3に係る磁性摩耗粉量測定装置200を示す上面図である。本実施の形態3は、磁石202が複数設けられている点で、実施の形態2と相違する。本実施の形態3では、実施の形態1及び2と同一の部分は同一の符号を付して説明を省略し、実施の形態1及び2との相違点を中心に説明する。
図11に示すように、磁石202は、例えば4個設けられている。4個の磁石202は、磁力伝達部106の接続部106aを中心として、円周上に配置されている。また、4個の磁石202のうち、対向する2個の磁石202同士は、磁力伝達部106の接続部106aを中心として点対称に配置されている。なお、磁石202は、捕捉部3の中央に近い位置に配置される。これにより、捕捉部3の外側に磁性摩耗粉8bが付着することを抑制することができる。
本実施の形態3によれば、磁石202は、複数設けられており、複数の磁石202は、捕捉部3の中央を中心として点対称の位置に配置されている。このため、複数の磁石202が発生させる磁力線mに偏りがない。従って、捕捉部3は、磁性摩耗粉8bを効率的に捕捉することができる。
実施の形態4.
図12は、実施の形態4に係る磁性摩耗粉量測定装置300を示す断面図である。本実施の形態4は、荷重計測部4が梁11及びピン11aを有している点で、実施の形態2と相違する。本実施の形態4では、実施の形態1~3と同一の部分は同一の符号を付して説明を省略し、実施の形態1~3との相違点を中心に説明する。
図12に示すように、荷重計測部4は、梁11と、ピン11aとを有している。梁11は、基台107に設けられ磁力伝達部106に接触するバネ板状の部材である。梁11は、外力が加わると撓む可撓性の部材である。ピン11aは、梁11の下方において基台107に設けられ、梁11が押圧されることによって梁11と接触する。梁11及びピン11aには、それぞれ導線12b及び導線12cが接続されている。
ここで、梁11と基台107との間の隙間は、磁石102と捕捉部3との間の隙間よりも狭い。捕捉部3と磁石102の磁極面とが接触すると、磁性摩耗粉8aが捕捉部3を押し付ける力を、荷重計測部4及び捕捉部3と磁石102の磁極面との接触部という2箇所で支持することとなる。本実施の形態3は、梁11と基台107との間の隙間は、磁石102と捕捉部3との間の隙間よりも狭いため、捕捉部3と磁石102の磁極面とが接触する前に、梁11と基台107のピン11aとが接触する。従って、荷重計測部4は、磁性摩耗粉8bが捕捉部3を押し付ける力を正確に計測することができる。
図13は、実施の形態4に係る警報装置14を示す回路図である。図13に示すように、磁性摩耗粉量測定装置300は、導線12b及び導線12cを介して、直流電源13と警報装置14とに直列に接続されている。直流電源13は、警報装置14に電源を供給するものである。警報装置14は、アラームを発生するものである。磁性摩耗粉量測定装置300において、梁11とピン11aとが接触すると、直流電源13が警報装置14に電気的に接続される。これにより、警報装置14は、アラームを発生する。
図14は、実施の形態4に係る磁性摩耗粉量測定装置300の動作を示す断面図である。次に、荷重計測部4の動作について説明する。図14に示すように、捕捉部3上に捕捉される磁性摩耗粉8aの質量が所定の質量まで増加すると、梁11が撓み、梁11がピン11aと接触する。これにより、梁11と基台107とが接地する。その際、直流電源13が警報装置14に電気的に接続される。これにより、警報装置14は、アラームを発生する。
本実施の形態4によれば、荷重計測部4は、磁力伝達部106に接触する梁11と、梁11の下方に設けられ、梁11が押圧されることによって梁11と接触するピン11aと、を有する。これにより、捕捉部3によって捕捉された磁性摩耗粉8aの質量が所定の質量まで増加したことを検出することができる。
実施の形態5.
図15は、実施の形態5に係る磁性摩耗粉量測定装置400を示す断面図である。本実施の形態5は、コイル10を備えている点で、実施の形態2と相違する。本実施の形態5では、実施の形態1~4と同一の部分は同一の符号を付して説明を省略し、実施の形態1~4との相違点を中心に説明する。
図15に示すように、コイル10は、磁石102の外周側に設けられ、電圧が印加されることによって捕捉部3上の磁束密度を増加させる。具体的には、磁石102の外周側に、導線12aを巻き付けてコイル10とする。これにより、永久磁石である磁石102が発生させる磁場を、捕捉部3上に集中させる。
図16は、実施の形態5に係るコイル10を示す回路図である。図16に示すように、コイル10は、直流電源13に直列に接続されている。レンツの法則に従って、直流電源13は、磁石102の磁場を強める方向にコイル10に電流が流れるように、直流電圧を印加する。これにより、捕捉部3上の磁束密度が増加する。
本実施の形態5によれば、磁性摩耗粉量測定装置400は、磁石102の外周側に設けられ、電圧が印加されることによって捕捉部3上の磁束密度を増加させるコイル10を更に備える。従って、磁石102は、捕捉部3から離れた位置に滞留する磁性摩耗粉8bも、捕捉部3に引き付けることができる。また、捕捉部3によって捕捉された磁性摩耗粉8aが捕捉部3を押し付ける力も増加する。このため、荷重計測部4において検出される吸引力が増加する。このように、本実施の形態5は、荷重計測部4における検出感度を向上させることができる。
実施の形態6.
図17は、実施の形態6に係る機械装置15を示す模式図である。本実施の形態6は、上記実施の形態1の磁性摩耗粉量測定装置1が、圧縮機である機械装置15の油溜まりに設けられる場合について例示する。
図17に示すように、磁性摩耗粉量測定装置1が、圧縮機である機械装置15の下部の油溜まりに設置される。機械装置15の上部には、冷媒を圧縮する圧縮機構部18が設けられており、下部には潤滑油16が滞留する油溜まりが形成されている。油溜まりには、油吸上げ部19の吸込み口19bが挿入されており、給油ポンプ19aが動作することによって、油溜まりに滞留する潤滑油16は、吸込み口19bから吸い込まれ、油吸上げ部19をとおって圧縮機構部18に流入する。
磁性摩耗粉量測定装置1の荷重計測部4であるロードセルには、ケーブル20を介して、アンプ21及びデータ収集部22が接続されている。アンプ21は、ケーブル20によって送信されたロードセルのひずみ値を電圧に変換する。データ収集部22は、ケーブル20によって送信されたアンプ21から出力された電圧を収集する。データ収集部22は、油溜まりの内部に含まれる磁性摩耗粉8bの質量の増加に伴う吸引力の増加量を検出する。
本実施の形態6によれば、磁性摩耗粉量測定装置1が、油溜まりの内部に設けられる。これにより、磁性摩耗粉量測定装置1は、磁性摩耗粉8aの質量を測定することができる。なお、機械装置15は、圧縮機に限らず、エンジン等といった油溜まりが形成されている装置とすることができる。
1 磁性摩耗粉量測定装置、2 磁石、3 捕捉部、3a 捕捉面、4 荷重計測部、5 磁石固定部、5a 柱部、5b 水平部、6 磁力伝達部、6a 載置部、6b 収納部、6c 挿入口、7 基台、8a、8b 磁性摩耗粉、10 コイル、11 梁、11a ピン、12 導線、13 直流電源、14 警報装置、15 機械装置、16 潤滑油、18 圧縮機構部、19 油吸上げ部、19a 給油ポンプ、19b 吸込み口、20 ケーブル、21 アンプ、22 データ収集部、100 磁性摩耗粉量測定装置、102 磁石、105 磁石固定部、106 磁力伝達部、106a 接続部、107 基台、107a 底部、107b 側部、107c 開口、200 磁性摩耗粉量測定装置、202 磁石、300 磁性摩耗粉量測定装置、400 磁性摩耗粉量測定装置。

Claims (8)

  1. 磁性摩耗粉が混入する油溜まりの内部に設けられる基台と、
    前記基台に設けられ、前記磁性摩耗粉が磁場から受ける磁力を計測する荷重計測部と、
    磁場を発生させて前記磁性摩耗粉を吸引する磁石と、
    前記荷重計測部の上方において前記磁石を覆い、前記磁石によって吸引される前記磁性摩耗粉を捕捉する捕捉部と、
    前記荷重計測部と前記捕捉部との間に介在し、前記磁性摩耗粉が磁場から受ける磁力によって前記捕捉部が押し付けられる力を、前記荷重計測部に伝達する磁力伝達部と、
    を備える磁性摩耗粉量測定装置。
  2. 前記磁力伝達部は、
    前記荷重計測部に載置される載置部と、
    前記載置部から上方に延びるように前記捕捉部の外周側に設けられ、内部に前記磁石を収納する収納部と、を有する
    請求項1記載の磁性摩耗粉量測定装置。
  3. 前記磁力伝達部は、
    前記荷重計測部と前記捕捉部の中央とを接続する接続部を有し、
    前記磁石は、
    前記接続部の周囲に設けられている
    請求項1記載の磁性摩耗粉量測定装置。
  4. 前記捕捉部と前記磁力伝達部とは、一体的に形成されている
    請求項1~3のいずれか1項に記載の磁性摩耗粉量測定装置。
  5. 前記磁石の外周側に設けられ、電圧が印加されることによって前記捕捉部上の磁束密度を増加させるコイルを更に備える
    請求項1~4のいずれか1項に記載の磁性摩耗粉量測定装置。
  6. 前記磁石は、複数設けられており、
    複数の前記磁石は、前記捕捉部の中央を中心として点対称の位置に配置されている
    請求項1~5のいずれか1項に記載の磁性摩耗粉量測定装置。
  7. 前記荷重計測部は、
    前記磁力伝達部に接触する梁と、
    前記梁の下方に設けられ、前記梁が押圧されることによって前記梁と接触するピンと、を有する
    請求項1~6のいずれか1項に記載の磁性摩耗粉量測定装置。
  8. 請求項1~7のいずれか1項に記載の磁性摩耗粉量測定装置が、前記油溜まりの内部に設けられる
    機械装置。
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