JP6174621B2 - 段差対応型のキャスター装置 - Google Patents
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Description
これらの課題を解決するために、走行路の段差対応型の台車などとして、特開平9−71245号公報に記載の運搬車及び実用新案登録第3068224号公報に記載の手押し車(以下それぞれ「従来例1」及び「従来例2」という。)が提案されている。
従来例1に示す運搬車において、荷台部の下側に枢軸部で回転自在のスイングフレームを支持し、スイングフレームの一端側に主動車輪を、他端側に自在車輪を設け、上記主動車輪を路面から自在に離間させる主動車輪上昇装置を設けると共に、上記主動車輪を駆動させるための駆動装置を設けている。そして、運搬車が走行路中の起伏や段差のある凹凸部を走行したときでも、スイングフレームが枢軸部を支点として道路状況に応じて自在に変位し、この変位に対応して両端側に主動車輪及び従動車輪は上下動する。スイングフレームの作用により主動車輪及び従動車輪の一部が接地面から浮くことがないから、これらの車輪が空回りすることや、運搬車が走行困難になるおそれがない。このように、スイングフレームの作用により走行路の凹凸部に対応するものである。
従来例2に示す手押し車において、車本体である搭載板の下面の四隅に走行車輪を取り付け、上記搭載板の把手部側に足踏みペタルを回転可能に軸止めし、反対側には乗り越え部材を回転可能に軸止めし、上記足踏みペダルと上記乗り越え部材をフラットバーの引っ張り部材によって連結している。そして、走行車輪が段差などに突き当たった場合、上記足踏みペダルを踏み下ろして乗り越え部材を起立させ、走行車輪を浮き上がらせて、段差を乗り越えるようにする。
また、段差を発生させている凹凸部への衝突時における衝撃発生という課題を解決するために、例えば特開2006−103516号公報に記載の手押し台車(以下「従来例3」という。)が提案されている。この手押し台車は、キャスターを設けた前後の車輪フレーム間に、これらの車輪フレームよりも低位置に基礎フレームを設け、これらの基礎フレームの上方にダンパー群からなる緩衝支持装置を介して載置フレームを配置して、走行時の衝撃が衝撃支持装置で吸収され、荷物の荷崩れや損傷を防止するものである。
従来例2によれば、走行車輪が段差面に突き当たると、その都度、走行を一旦停止して足踏みペダルを踏み下ろして乗り越え部材を起立させ、走行車輪を浮き上がらせる操作が必要であり、乗り越え操作が不可欠であり、面倒である。
従来例3の手押し台車のように緩衝支持装置を用いることは製造コストがかかると共に凹凸部を容易に乗り越え難い課題があった。
この発明の目的は、路面や敷地面などの走行地面における段差から生じている段差面に対して容易かつ円滑に対応可能にすることにある。
上記昇降ガイドのガイド面は、保持本体を持ち上げ易くするために進行方向側に向けて次第に上昇している傾斜面であることが望ましい。
クランクステイのステイ部とクランク部は一体形成であっても、互いに独立部材で構成しても良く、互いに独立している場合には主車軸を通じかつこの主車軸を回転中心として互いに結合するようにするのが良い。
上記弾性手段は、昇降ガイドとクランクステイとの間に掛け渡されている例えば戻りばねである。
主車輪が段差面に当たると停止するものの、そのまま保持本体及び昇降ガイドの進行を続行すれば、補助車輪が旋回して段差通過地面に接地し、やがて保持本体が持ち上がり、上昇するから主車輪も浮き上がり、次第に上記段差面を乗り越えて行く。
図1〜図3において、この発明に係るキャスター装置M1は、台車や車椅子などが含まれる手押し又は自動の移動車に適用され、そしてこれらの移動車のベースBに取り付けて使用される。キャスター装置M1は、図1に示す例では台車のベースとなる荷台Bの下面に固定されている。
キャスター装置M1は、保持本体1、保持本体と一体に走行方向及びその反対方向である前後方向(図1左右方向)に移動可能である昇降ガイド2、ステイ部3Aとクランク部3Bとからなるクランクステイ3、主車軸4を回転中心とする主車輪5及び補助車軸6を回転中心とするものであってガイドローラー7Aと共に回転する補助車輪7並びにクランクステイに戻り弾性力を付与するための弾性手段である戻りばね8とを備えている。
昇降ガイド2は、保持本体1と一体に前後方向に移動可能である。一体移動するための方法として、図1に示す例では、昇降ガイド2は保持本体1内に配置され、天板部2aが保持本体の天板部1aを経て荷台Bにねじ込まれている取付けねじによって荷台に天板部1aと共に固定されている。
図7に示すステイ部3Aにおいて、ステイ部は、天板部3Aaと、天板部の両側の側板部3Abとにより門型に形成されている。ただし、天板部3Aaは両側板部3Abの上端面を全長に亘って覆っているものではなく、上記上端面の中央部分から前方向側(図6左側)である一端部までの約半分を覆っている。そして、両側板部3Abの一端側の下方には、ほぼ円形状に突出された軸受部3Ab1に軸孔3Ab2がそれぞれ開けられている。ステイ部3Aの軸孔3Ab2には主車軸4(図3)の両端部が挿入されている。
クランク部3Bの前側における軸孔3Bb1には補助車軸6の両端部側が挿入されている。また、クランク部3Bの後側の軸孔3Bb2には主車軸4の両端部側が挿入されている。
クランクステイ3(ステイ部3A及びクランク部3B)は保持本体1内に配置されており、保持本体の移動に伴って移動可能である。一方において、クランクステイ3は保持本体1に対して相対的に移動可能な場合がある。これは、ステイ部3A及びクランク部3Bを支持している主車軸4は、保持本体1のガイド孔1b1内を相対的に前後に移動可能であるからである。
また、図2及び図3に示すように、補助車軸6はその両端部がクランク部3Bの側板部3Bbより突出されており、補助車輪7が側板部間内で補助車軸に回転可能に支持されている。補助車輪7の補助車軸6にはガイドローラー7Aが取り付けられている。ガイドローラー7Aは補助車軸6の両端部において補助車輪7を挟むように配置されている。ガイドローラー7Aは昇降ガイド2のガイド面2b1上を走行可能であって、ガイド面によって走行が誘導される。主車輪5が段差面G2に衝突している状態において、例えば図1矢印方向(走行方向)に保持本体1が前進すると、昇降ガイド2及びガイド面2b1も同じ方向に前進移動するから、ガイドローラー7Aはガイド面に案内されて斜め下方に降下されることになる。ガイドローラー7Aの降下はクランク部3Bを押し下げることになる。この結果、クランク部3Bは主車軸4を中心として反時計方向に回転するから補助車輪7も主車軸を中心として反時計方向に旋回することになる。
補助車輪7はその径が主車輪5の径より小でありかつ、主車輪より前側に配置されている。走行地Gの走行地面G1が平坦である通常の場合、主車輪5は走行地面G1に接地状態で走行される。この場合、補助車輪7は走行地面G1より離れており、段差面G2を越える高さに設定されている。段差面G2の高さは、走行地面G1より段差通過地面G3までの高さである。段差面G2の高さは、例えば走行地面の凸部であれば底部である走行地面から頂部までの外面のそれであり、また、凹部であれば内底面を走行地面とすればこの内底面から開口端面(段差通過地面G3)までの内壁面のそれである。
保持本体1は荷台Bの移動に従って移動するが、この移動に伴ってクランクステイ3のステイ部3A及びクランク部3Bも戻りばね8に引っ張られて移動することになる。
クランク部3B及び補助車輪7が主車軸4を中心として反時計方向に回転する動作は、戻りばね8のばね力に抗して行われる。具体的に説明すれば、補助車輪7が図1に示す実線の位置から段差通過地面G3に接地するまでの過程では、上記動作は戻りばね8のばね力に抗して行われる。補助車輪7が段差通過地面G3から離れ元位置に戻る過程では戻りばね8のばね力の復帰力が作用する。
走行地Gの走行地面G1が平坦である通常の場合には、主車輪5が走行地面を進行方向(図1矢印方向)に走行されるので、安定した円滑な走行が行われる。
この時、保持本体1及び昇降ガイド2は、主車輪5の回転により荷台Bの進行方向と同一方向に移動する。また、クランク部3Bは戻りばね8により昇降ガイド2と連結されているので、クランクステイ3は昇降ガイドと同じ方向に移動する。
しかし、そのまま図11矢印P1方向に向けて鎖線に示すように台車の前進(走行)を続けると、ガイドローラー7Aが昇降ガイド2のガイド面2b1に接しているため、昇降ガイド2が進行方向に移動し、この昇降ガイドがガイドローラー7Aを進行方向に押す。この結果、停止している主車軸4及び軸受5aが保持本体1のガイド孔1b1内を図11矢印P3方向に相対的にスライドするので、保持本体1及び昇降ガイド2の前進(走行)が妨げられない。
保持本体1及び昇降ガイド2の前進(進行)の過程において、ガイドローラー7Aが前進する昇降ガイド2に押されてガイド面2b1上を図11の矢印P2方向に誘導され、走行しながら降下する。そして、降下する過程では、クランクステイ3は主車軸4を回転中心として反時計方向に回転する。この回転に伴って、補助車輪7が図11鎖線に示すように、反時計方向に旋回し、やがて段差通過地面G3に接地し、旋回が停止される(図12)。
そして、図13(i),(ii)に示す各段階を経て、主車輪5は段差面G2を乗り越え、その後、戻りばね8のばね力によって、主車輪5は段差通過地面G3に接地し、また補助車輪7は段差通過地面から離れ、図1に示す元の位置にに戻る。
このように台車を止めることなく走行を継続しながら段差面G2を乗り越えることができる。したがって、台車の安定走行が可能となる。
図14〜図16に示すキャスター装置M2の構成及び作用効果は、前記キャスター装置M1のそれらと実質的に同一である。このため、双方のキャスター装置M1,M2の主たる相違点を説明する。共通点については必要に応じて説明し、詳細な説明を省略する。
主たる相違点について述べると、前記キャスター装置M1のクランクステイ3はそれぞれ独立部材であるステイ部3Aとクランク部3Bとによって形成されている。これに対し、キャスター装置M2のクランクステイ13はステイ部13Aとクランク部13Bとが一体成形されているフレームである。
クランクステイ13は、図17及び図18に示すように門形フレームとなっており、後部側がステイ部13Aであり、前部側がクランク部13Bである。クランクステイ13の各側板部13bは主車軸14を支持している。主車軸14は、門形のフレームとなっている保持本体11の側板部11bに設けてある長孔状のガイド孔11b1内に前後移動可能である。図14〜図16に示すように、側板部11bの外側面にはガイド孔11b1を覆うようにカバー11dを固着してある。また、側板部11bの内側面には板状のスペーサ11cを固着してある。スペーサ11cは、ガイド孔11b1と同一形状の長孔状のガイド孔11c1を開けてある。スペーサ11cのガイド孔11c1はガイド孔11b1と重ね合せられている。
スペーサ11cの内側には、リングを横長にした長円形状(トラック状)の保持カラー20を取り付けてある。保持カラー20より突出した主車軸14の両側端には軸受であるすべり軸受15aを取り付けてある。保持カラー20にはこれを貫通する主車軸14に隣接した軸14Aを取り付けてある。軸14Aにもすべり軸受15aに隣接してすべり軸受15bを取り付けてある。いずれの軸受15a,15bもガイド孔11b1,11c1を移動可能である。軸受15bは主車軸14の振れ止めに役立つ。
図14において、天板部11aは天板部1aに対応している。
13aはクランクステイ13の天板部であり、13b2は補助車軸16が挿通するクランクステイの軸孔で、13b3は主車軸14が挿通するクランクステイの軸孔である。
この実施形態でも、台車の走行中に主車輪15が段差面G2に当たっても、補助車輪17が主車輪15に代って段差通過地面G3を走行することができるから、走行を止めることなく円滑な走行が可能となる。また、台車を走行しながら段差面G2に主車輪15が衝突しても、保持本体11が持ち上がって主車輪も持ち上がって段差面G2の乗り越えが可能となるため、乗り越えるための特別な操作を必要としない。
B 荷台(ベース)
G 走行地
G1 走行地面
G2 段差面
G3 段差通過地面
1,11 保持本体
1a,11a 天板部
1b,11b 側板部
1b1,11b1 ガイド孔
2,12 昇降ガイド
2a,12a 天板部
2b,12b 側板部
2b1,12b1 ガイド面
3,13 クランクステイ
3A,13A ステイ部
3Aa,13a 天板部
3Ab,13b 側板部
3B,13B クランク部
3Ba 天板部
3Bb 側板部
4,14 主車軸
5,15 主車輪
6,16 補助車軸
7,17 補助車輪
7A,17A ガイドローラー
8 戻りばね(弾性手段)
Claims (5)
- ベースに取り付け可能であり、進行方向に長いガイド孔を有する保持本体と、
上記保持本体と一体に進行方向及びその反対方向である前後方向に移動可能であり、ガイド面を有する昇降ガイドと、
ステイ部とクランク部とからなり、上記ステイ部側が上記保持本体に上記ガイド孔及び主車軸を通じて連結されているクランクステイと、
上記クランクステイに回転可能に支持されている上記主車軸を回転中心とする主車輪と、
上記クランクステイのクランク部に回転可能に支持されている補助車軸を回転中心とする補助車輪とを具備しており、
上記クランクステイには弾性手段により戻り弾性力が付与されており、
上記主車軸は、上記ガイド孔内を前後方向に移動可能であり、
上記補助車軸を回転中心とするガイドローラーを設けてあり、
上記ガイドローラーは上記ガイド面に走行案内されるものであり、
上記補助車輪はその径が上記主車輪の径より小であり、上記主車輪より前側に配置されていると共に段差面を越えるレベルに設定されており、上記戻り弾性力に抗して段差通過地面に接地可能である
ことを特徴とするキャスター装置。 - 昇降ガイドのガイド面は、保持本体の進行方向側に向けて次第に上昇している傾斜面であることを特徴とする請求項1項記載のキャスター装置。
- クランクステイのステイ部とクランク部は一体形成であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のキャスター装置。
- クランクステイのステイ部とクランク部とは主車軸を通じかつこの主車軸を回転中心として互いに結合していることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のキャスター装置。
- 弾性手段は、昇降ガイドとクランクステイとの間に掛け渡されている戻りばねであることを特徴とする請求項1項乃至請求項4のいずれかに記載のキャスター装置。
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