JP7050417B2 - 感光性樹脂組成物 - Google Patents
感光性樹脂組成物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP7050417B2 JP7050417B2 JP2017006884A JP2017006884A JP7050417B2 JP 7050417 B2 JP7050417 B2 JP 7050417B2 JP 2017006884 A JP2017006884 A JP 2017006884A JP 2017006884 A JP2017006884 A JP 2017006884A JP 7050417 B2 JP7050417 B2 JP 7050417B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- resin composition
- photosensitive resin
- mass
- compound
- meth
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Polymerisation Methods In General (AREA)
- Manufacturing Of Printed Circuit Boards (AREA)
- Materials For Photolithography (AREA)
- Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
- Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
- Manufacturing Of Printed Wiring (AREA)
Description
ところで近年、スマートフォン(登録商標)等の普及により、タッチパネル型のディスプレイの需要が増大している。このタッチパネルのセンサーにおける配線部分の製造にも、上記の感光性エレメントを用いる場合が多い。タッチパネルセンサーの場合、エッチング工程を経て製造される配線に高精細及び高密度が求められる。すなわち、エッチング工法での通常のプリント配線板のライン/スペースサイズが概ね40μm/40μm程度までであるのに対し、タッチパネルセンサーにおいては25μm/25μm程度又はそれ以上の高精細が要求される場合がある。このような高精細の配線を実現するためには、エッチング工程を経て形成される導体パターンにおいて、上記のサイドエッチ量が少なく、得られる銅ラインパターンの幅が太い事が望ましい。
一方、上記の特許文献1~3に記載された材料はいずれも、サイドエッチ量抑制の観点から、更なる改良の余地が残されていた。
本発明は上記の現状に鑑みてなされたものである。即ち、本発明の目的は、エッチング工程時のサイドエッチ量が抑制されたレジストパターンを形成可能な感光性樹脂組成物を提供することである。
[1]
以下の成分:
(A)アルカリ可溶性高分子、
(B)エチレン性二重結合を有する化合物、
(C)光重合開始剤、及び
(D)下記一般式( I ):
を含有し、
前記(A)アルカリ可溶性高分子が、少なくとも1種の単量体(エポキシ化合物を除く)から得られる共重合体であり、
前記単量体は、芳香族基を有する化合物を含み、
前記単量体はベンジル(メタ)アクリレートを含むことを特徴とする感光性樹脂組成物。
[2]
以下の成分:
(A)アルカリ可溶性高分子、
(B)エチレン性二重結合を有する化合物、
(C)光重合開始剤、及び
(D)下記一般式( II ):
を含有し、
前記(A)アルカリ可溶性高分子が、少なくとも1種の単量体(エポキシ化合物を除く)から得られる共重合体であり、
前記単量体は、芳香族基を有する化合物を含み、
前記単量体はベンジル(メタ)アクリレートを含むことを特徴とする感光性樹脂組成物。
[3]
以下の成分:
(A)アルカリ可溶性高分子、
(B)エチレン性二重結合を有する化合物、
(C)光重合開始剤、及び
(D)下記一般式( III ):
を含有し、
前記(A)アルカリ可溶性高分子が、少なくとも1種の単量体(エポキシ化合物を除く)から得られる共重合体であり、
前記単量体は、芳香族基を有する化合物を含み、
前記単量体はベンジル(メタ)アクリレートを含むことを特徴とする感光性樹脂組成物。
[4]
以下の成分:
(A)アルカリ可溶性高分子、
(B)エチレン性二重結合を有する化合物、
(C)光重合開始剤、及び
(D)下記一般式( IV ):
前記(A)アルカリ可溶性高分子が、少なくとも1種の単量体(エポキシ化合物を除く)から得られる共重合体であり、
前記単量体は、芳香族基を有する化合物を含み、
前記単量体はベンジル(メタ)アクリレートを含むことを特徴とする感光性樹脂組成物。
[5]
前記共重合体を構成する単量体の合計質量に対する、前記ベンジル(メタ)アクリレートの割合が70質量%~90質量%である、[1]~[3]のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
[6]
前記共重合体を構成する単量体の合計質量に対する、前記ベンジル(メタ)アクリレートの割合が70質量%~90質量%である、[4]に記載の感光性樹脂組成物。
[7]
支持体上に、[1]~[6]のいずれかに記載の感光性樹脂組成物を含む感光性樹脂組成物層を有することを特徴とする、感光性エレメント。
[8]
以下の工程:
[7]に記載の感光性エレメントを用いて基板の上に感光性樹脂組成物層を形成するラミネート工程、
該感光性樹脂組成物層を露光する露光工程、及び、
該感光性樹脂組成物層の未露光部を現像液で除去することによってレジストパターンを形成する現像工程、を含むことを特徴とする、レジストパターンの形成方法。
[9]
以下の工程:
[7]に記載の感光性エレメントを用いて基板の上に感光性樹脂組成物層を形成するラミネート工程、
該感光性樹脂組成物層を露光する露光工程、
該感光性樹脂組成物層の未露光部を現像液で除去することによってレジストパターンを形成する現像工程、
該レジストパターンが形成された基板をエッチングする導体パターン形成工程、及び、
該レジストパターンを剥離する剥離工程、を含むことを特徴とする、配線板の製造方法。
(A)アルカリ可溶性高分子は、後述する第一の単量体の少なくとも1種を重合することにより得られるものであることが好ましい。また、(A)アルカリ可溶性高分子は、第一の単量体の少なくとも1種と、後述する第二の単量体の少なくとも1種とを共重合することにより得られるものであることがより好ましい。
16質量%~28質量%であることがより好ましい。
(A)アルカリ可溶性高分子の重量平均分子量及び分散度が上記の範囲にあることは、適度の現像性、高い塗膜強度、及びレジスト厚みの均一性を得られる観点で好ましい。
(A-1)Mwが50,000未満であるアルカリ可溶性高分子、及び
(A-2)Mwが50,000以上であるアルカリ可溶性高分子、
を含むことが、特に好ましい。
一方、上記アルカリ可溶性高分子(A-2)のMwは、50,000~100,000であることがより好ましく、50,000~75,000であることが更に好ましく、50,000~65,000であることが特に好ましい。アルカリ可溶性高分子(A-2)のMwがこの範囲にあることは、本実施形態の感光性樹脂組成物を感光性エレメント(ドライフィルムレジスト)に適用する場合の製品ライフをより長いものとする観点で好ましい。
アルカリ可溶性高分子(A-2)成分の、感光性樹脂組成物の固形分の総量に対して含有割合は、好ましくは5質量%以上50質量%以下であり、より好ましくは15質量%以上48質量%以下であり、更に好ましくは18質量%以上45質量%以下である。(A-2)成分の使用割合を上記の範囲に設定することは、本実施形態の感光性樹脂組成物を感光性エレメント(ドライフィルムレジスト)に適用する場合の製品ライフをより長いものとする観点で好ましい。
メタクリル酸:Tg=501K
ベンジルメタクリレート:Tg=327K
メチルメタクリレート:Tg=378K
スチレン:Tg=373K
2-エチルへキシルアクリレート:Tg=223K
(B)エチレン性不飽和結合を有する化合物は、その構造中にエチレン性不飽和基を有することによって重合性を有する化合物である。このような化合物としては、ポリアルキレンオキシドの片方の末端に(メタ)アクリル酸を付加した化合物、ポリアルキレンオキシドの片方の末端に(メタ)アクリル酸を付加し、他方の末端をアルキルエーテル又はアリルエーテル化した化合物、等(第1群の化合物);アルキレンオキシド鎖の両末端に(メタ)アクリロイル基を有する化合物、エチレンオキシド鎖とプロピレンオキシド鎖とがランダム又はブロックで結合したアルキレンオキシド鎖の両末端に(メタ)アクリロイル基を有する化合物、ビスフェノールAを変性した化合物、等(第2群の化合物);一分子中に3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物、等(第3群の化合物);等を挙げることができる。
ビスフェノールAにアルキレンオキシドを付加したポリアルキレングリコールの両末端にエチレン性二重結合を有する化合物等を挙げることができる。
ビスフェノールAにアルキレンオキシドを付加して変性するには、例えば、エチレンオキシド変性、プロピレンオキシド変性、ブチレンオキシド変性、ペンチレンオキシド変性、へキシレンオキシド変性等が知られている。ビスフェノールAにエチレンオキシドを付加したポリアルキレングリコールの両末端に(メタ)アクリロイル基を有する化合物が好ましい。
より具体的には、例えば、トリメチロールプロパンのエチレンオキシド(EO)3モル変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンのEO6モル変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンのEO9モル変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンのEO12モル変性トリアクリレート等を挙げることができる。このような化合物としては、例えば、グリセリンのEO3モル変性トリアクリレート(例えば新中村化学工業(株)製A-GLY-3E)、グリセリンのEO9モル変性トリアクリレート(例えば新中村化学工業(株)製A-GLY-9E)、グリセリンのEO6モル及びプロピレンオキシド(PO)6モル変性トリアクリレート(A-GLY-0606PE)、グリセリンのEO9モルPO9モル変性トリアクリレート(A-GLY-0909PE)等を挙げることができる。更にペンタエリスリトールの4EO変性テトラアクリレート(例えばサートマージャパン(株)社製SR-494)、ペンタエリスリトールの35EO変性テトラアクリレート(例えば新中村化学工業(株)社製NKエステルATM-35E)等を挙げることができる。
このような化合物としては市販品を用いることができ、例えば、UA-7100、A-9300-1CL(以上、新中村化学工業社製);アロニックスM-327(東亞合成社製)等を挙げることができる。
(C)光重合開始剤としては、例えば、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、N-アリール-α-アミノ酸化合物、キノン化合物、芳香族ケトン化合物、アセトフェノン化合物、アシルフォスフィンオキサイド化合物、ベンゾイン化合物、ベンゾインエーテル化合物、ジアルキルケタール化合物、チオキサントン化合物、ジアルキルアミノ安息香酸エステル化合物、オキシムエステル化合物、アクリジン化合物、ピラゾリン誘導体、N-アリールアミノ酸のエステル化合物、ハロゲン化合物等が挙げられる。
アセトフェノン化合物としては、例えば、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、1-(4-イソプロピルフェニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オン、1-(4-ドデシルフェニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オン、4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル(2-ヒドロキシ-2-プロピル)ケトン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)-ブタノン-1、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノ-プロパノン-1等を挙げることができる。アセトフェノン化合物の市販品としては、例えば、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製のイルガキュア-907、イルガキュア-369、及びイルガキュア-379を挙げることができる。密着性の観点からは、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンが好ましい。
ジアルキルケタール化合物としては、例えば、ベンジルジメチルケタール、ベンジルジエチルケタール等を挙げることができる。
チオキサントン化合物としては、例えば、2,4-ジエチルチオキサントン、2,4-ジイソプロピルチオキサントン、2-クロルチオキサントン等を挙げることができる。
ジアルキルアミノ安息香酸エステル化合物としては、例えば、ジメチルアミノ安息香酸エチル、ジエチルアミノ安息香酸エチル、エチル-p-ジメチルアミノベンゾエート、2-エチルヘキシル-4-(ジメチルアミノ)ベンゾエート等を挙げることができる。
本発明に用いられる(D)下記一般式( I ) で表される化合物は必須成分である。感光性樹脂組成物が、一般式(I)で表されるイミダゾール化合物を含有することにより、エッチング工程時のサイドエッチ量が抑制されたレジストパターンを形成可能となる。
サイドエッチを低減する観点から、2-ウンデシルイミダゾール、2-ヘプタデシルイミダゾール、2-フェニル-4-メチルイミダゾールが特に望ましい。
本実施形態の感光性樹脂組成物は、上記に説明した(A)~(D)成分のみを含有していてもよいし、これらとともにその他の成分を含有していてもよい。ここで使用できるその他の成分としては、例えば、ロイコ染料、ベース染料、酸化防止剤、安定化剤、等を挙げることができる。
上記ロイコ染料は、レジスト硬化膜に対して、好適な発色性と、優れた剥離特性とを付与するために、本実施形態の感光性樹脂組成物に配合することができる。
ロイコ染料の具体例としては、例えば、ロイコクリスタルバイオレット(トリス[4-(ジメチルアミノ)フェニル]メタン)、3,3-ビス(p-ジメチルアミノフェニル)-6-ジメチルアミノフタリド、等を挙げることができる。これらのうち、ロイコクリスタルバイオレットが好ましい。
上記ベース染料としては、例えば、ベーシックグリーン1[CAS番号(以下、同じ):633-03-4](例えば、Aizen Diamond Green GH、商品名、保土谷化学工業製)、マラカイトグリーンシュウ酸塩[2437-29-8](例えばAizen Malachite Green、商品名、保土谷化学工業製)、ブリリアントグリーン[633-03-4]、フクシン[632-99-5]、メチルバイオレット[603-47-4]、メチルバイオレット2B[8004-87-3]、クリスタルバイオレット[548-62-9]、メチルグリーン[82-94-0]、ビクトリアブルーB[2580-56-5]、ベーシックブルー7[2390-60-5](例えば、Aizen Victoria Pure Blue BOH、商品名、保土谷化学工業製)、ローダミンB[81-88-9]、ローダミン6G[989-38-8]、ベーシックイエロー2[2465-27-2]等が挙げられる。これらのうち、ベーシックグリーン1、マラカイトグリーンシュウ酸塩、及びベーシックブルー7から選択される1種以上が好ましく、色相安定性及び露光コントラストの観点から、ベーシックグリーン1が特に好ましい。
感光性樹脂組成物の熱安定性若しくは保存安定性、又はこれらの双方を向上させるという観点から、安定化剤を使用することが好ましい。安定化剤としては、例えば、ラジカル重合禁止剤、ベンゾトリアゾール化合物、カルボキシベンゾトリアゾール化合物、及びグリシジル基を有するアルキレンオキシド化合物から成る群から選ばれる少なくとも1つの化合物が挙げられる。これらは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用されることができる。
本実施形態では、上記のような感光性樹脂組成物に溶媒を添加することにより、感光性樹脂組成物調合液を調製することができる。ここで使用される好適な溶媒としては、メチルエチルケトン(MEK)等のケトン;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール等が挙げられる。感光性樹脂組成物調合液の粘度が、25℃において500mPa・sec~4,000mPa・secとなるように、感光性樹脂組成物に溶媒を添加して調合液を調製することが好ましい。
本発明の別の態様は、支持体と、上述の本実施形態の感光性樹脂組成物から該支持体上に形成された感光性樹脂組成物層とを有する感光性エレメント(感光性積層体)を提供する。本実施形態の感光性エレメントは、必要により、前記感光性樹脂組成物層の支持体と反対側の表面に保護層を有していてもよい。
支持体としては、露光光源から放射される光を透過する透明な基材が好ましい。このような支持体としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、塩化ビニリデン共重合フィルム、ポリメタクリル酸メチル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリアクリロニトリルフィルム、スチレン共重合体フィルム、ポリアミドフィルム、セルロース誘導体フィルム等が挙げられる。これらのフィルムとしては、必要に応じ延伸されたものも使用可能である。
支持体のヘーズとしては、0.01%~5.0%が好ましく、0.01%~3.5%がより好ましく、0.01%~2.5%が更に好ましく、0.01%~1.0%がより更に好ましい。
支持体の厚みは、薄い方が画像形成性及び経済性の面で有利であるが、強度を維持する必要がある。これら双方を考慮すると、10~30μmの支持体を好ましく用いることができる。
本実施形態の感光性エレメントにおける感光性樹脂組成物層は、上述した本実施形態の感光性樹脂組成物から成る層である。感光性樹脂組成物層の形成に使用する感光性樹脂組成物が溶媒を含有している場合、該溶媒は感光性樹脂組成物層においては除去されていることが好ましいが、溶媒が残存していてもかまわない。
本実施形態の感光性エレメントにおける感光性樹脂組成物層の厚みは、好ましくは5~100μmであり、より好ましくは5~50μmである。この厚みが薄いほど解像度は向上し、厚いほど膜強度が向上する。従って、該組成物層の厚みは、用途に応じて上記の範囲内で適宜選択することができる。
本実施形態の感光性エレメントにおける保護層の重要な特性は、感光性樹脂組成物層との密着力が、支持体と感光性樹脂組成物層との密着力よりも十分に小さく、容易に剥離できることである。保護層としては、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等が好ましく使用できる他、例えば特開昭59-202457号公報に開示された剥離性の優れたフィルムを用いることができる。
保護層の厚みは、10~100μmが好ましく、10~50μmがより好ましい。
本実施形態の感光性エレメントは、支持体及び感光性樹脂組成物層、並びに必要により保護層を順次積層することにより、製造することができる。支持体、感光性樹脂組成物層、及び保護層の積層方法としては、公知の方法を採用することができる。
例えば、本実施形態の感光性樹脂組成物を前述の感光性樹脂組成物調合液として調製し、先ず、支持体上にバーコーター又はロールコーターを用いて塗布して乾燥させ、支持体上に該感光性樹脂組成物から成る感光性樹脂組成物層を形成する。次いで、必要により、形成された感光性樹脂組成物層上に保護層を積層することにより、感光性エレメントを製造することができる。
上記のような感光性エレメントを用いて、基板上にレジストパターンを形成することができる。レジストパターンの形成方法は、本実施形態の感光性エレメントを用いて基板の上に感光性樹脂組成物層を形成するラミネート工程、該感光性樹脂組成物層を露光する露光工程、及び該感光性樹脂組成物層の未露光部を現像液で除去することによってレジストパターンを形成する現像工程を、上記に記載の順に含む。
それぞれ挙げることができる。上記の基板は、多層基板に対応するためのスルーホールを有していてもよい。
この露光をパターン状に行うことにより、後述の現像工程を経由した後、所望のパターンを有するレジスト膜(レジストパターン)を得ることができる。パターン状の露光は、フォトマスクを介して露光する方法、及びマスクレス露光の何れの方法によってもよい。フォトマスクを介して露光する場合、露光量は、光源照度及び露光時間により決定される。露光量は、光量計を用いて測定してもよい。
マスクレス露光においては、フォトマスクを使用せず、基板上に直接描画装置によって露光する。光源としては、波長350nm~410nmの半導体レーザー、超高圧水銀灯等が用いられる。マスクレス露光において、描画パターンはコンピューターによって制御され、露光量は、露光光源の照度及び基板の移動速度によって決定される。
本実施形態の感光性エレメントは、フォトマスクを介して露光する方法に適用することが、解像度を向上し、かつサイドエッチ量を低減する効果が最大限に発揮される点で、好ましい。
現像工程においては、アルカリ水溶液から成る現像液を用いて、未露光部を現像除去し、レジスト画像を得る。アルカリ水溶液としては、例えば、Na2CO3、K2CO3等の水溶液を用いることが好ましい。アルカリ水溶液は、感光性樹脂組成物層の特性に合わせて選択されるが、0.2質量%~2質量%の濃度のNa2CO3水溶液を用いることが好ましい。該アルカリ水溶液中には、界面活性剤、消泡剤、現像を促進させるための少量の有機溶剤等を混入させてもよい。
現像工程における現像液の温度は、18℃~40℃の範囲で一定温度に保つことが好ましい。
本発明は更に、配線板の形成方法を開示する。該配線板の形成方法は、本実施形態の感光性エレメントを用いて基板の上に感光性樹脂組成物層を形成するラミネート工程、該感光性樹脂組成物層を露光する露光工程、該感光性樹脂組成物層の未露光部を現像液で除去することによってレジストパターンを形成する現像工程、該レジストパターンが形成された基板をエッチング又はめっきする導体パターン形成工程、及び該レジストパターンを剥離する剥離工程を、上記に記載の順に含む。上記の方法により、基板上に所望の導線パターンが形成されて成る配線板を得ることができる。
導体パターン形成工程においては、レジストパターンが形成された基板上で、現像工程によって露出した基板表面(例えば銅面)に、公知のエッチング法又はめっき法を用いて導体パターンを形成することができる。
また、銅のラインパターンのトップ幅としては、4.2μm以上が望ましい。より好ましくは4.5μm以上である。更により好ましくは4.8μm以上である。
このことにより、ファインな配線形成が可能になる利点が得られ、好ましい。
本実施形態における感光性樹脂組成物、感光性エレメント、及び導体パターンの形成方法は、特に、タッチパネルセンサーの製造に好適である。タッチパネルセンサーは、スパッタ銅層を有するフレキシブル基材上に、上記の方法によって形成された導体パターンから成る引き出し配線を形成することにより、製造される。そして、液晶表示素子、上記のタッチパネルセンサー、及びガラスをこの順に積層することにより、タッチパネルを得ることができる。
実施例及び比較例における試料の作製方法、及び該試料の評価方法は、それぞれ以下のとおりである。
試料をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定し、ポリスチレン(昭和電工(株)製Shodex STANDARD SM-105)の検量線を用いて、重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、及び分散度(Mw/Mn)を算出した。
具体的には、日本分光(株)製ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを使用して、以下の条件で測定した。
示差屈折率計:RI-1530
ポンプ:PU-1580
デガッサー:DG-980-50
カラムオーブン:CO-1560
カラム:順にKF-8025、KF-806M×2、及びKF-807を直列に接続
溶離液:THF
酸当量とは、分子中に1当量のカルボキシル基を有する重合体の質量(グラム)を意味する。平沼産業(株)製平沼自動滴定装置(COM-555)を使用し、0.1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を用いて電位差滴定法により酸当量を測定した。
(A)アルカリ可溶性高分子のガラス転移温度は、各コモノマーのTgiとして上述の文献値を用い、上記Fox式(I)によって算出した。
後掲する表1に示した各成分A~Fを混合し、更にメチルエチルケトン(MEK)を追加して、固形分濃度61質量%の感光性樹脂組成物を調製した。また、表1に示す各成分についての説明を、後掲する表2に示す。
得られた感光性樹脂組成物を、支持体である厚み16μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ(株)製、品名「FB40」)上に、バーコーターを用いて均一に塗布した後、95℃に調温した乾燥機中で5分間加熱乾燥させて、支持体上に厚み5μmの感光性樹脂組成物層を形成した。
次いで、上記感光性樹脂組成物層の支持体と反対側の面上に、保護層である厚み33μmのポリエチレンフィルム(タマポリ(株)製、品名「GF-858」)を貼付することにより、感光性エレメントを得た。
評価用基板としては、PET上にITO及び5μm以下の薄膜銅がこの順に蒸着されたフレキシブル基材を用いた。
前記基板上に、各実施例又は比較例で得た感光性エレメントのポリエチレンフィルムを剥がしながら、ホットロールラミネーター(旭化成(株)製、AL-70)により、ロール温度105℃、エアー圧力0.35MPa、及びラミネート速度1.5m/minの条件でラミネートした。
クロムガラスマスクを用いて、平行光露光機((株)オーク株式会社、HMW-801)により、露光、現像した後に得られるレジストのトップ幅が、マスク設計値比0μm~+1μmとなる露光量で露光した。
露光後の感光性樹脂組成物層から支持体を剥離した後、アルカリ現像機(フジ機工製、ドライフィルム用現像機)を用いて、30℃の1質量%Na2CO3水溶液を最小現像時間の2倍の時間スプレーして、感光性樹脂組成物層の未露光部分を溶解除去した。現像後、水洗処理を行うことによって、評価用硬化膜を有する基板を得た。
上記最小現像時間とは、感光性樹脂組成物層の未露光部分が完全に溶解除去されるまでに要する最小の時間をいう。
サイドエッチ量の評価には、上記<ラミネート>後、15分経過後のラミネート基板を用いた。
該ラミネート基板に対し、ライン/スペース=15μm/15μmのパターンを露光した後、上記<現像>に記載の方法によって現像した。
先ず、該パターンのレジストボトム幅Wbを、光学顕微鏡により測定した。
次いで、このライン/スペースパターンを有する基板につき、ディップ方式を用いて、塩酸濃度2質量%、塩化第二鉄2質量%、及び温度30℃の条件で、最少エッチング時間の1.5倍の時間エッチングした。ここで最小エッチング時間とは、上記の条件下で基板上の銅箔が完全に溶解除去されるのに要する最小の時間をいう。
上記エッチング後、剥離液として濃度3質量%のNaOH水溶液を用い、温度50℃において基板上の硬化膜を剥離除去して得られた銅のラインパターンのトップ幅Wtを光学顕微鏡により測定した。
そして、下記数式:
サイドエッチ(μm)=(Wb-Wt)÷2
によりサイドエッチ量を算出した。
実施例及び比較例で用いた感光性樹脂組成物の組成を表1に、表1に記載の各成分名の詳細を表2に、それぞれ示した。表1における各成分の配合量は、いずれも、固形分換算の質量部である。
各組成物を用いて行ったサイドエッチ量、及び銅のラインパターンのトップ幅Wtの評価結果を、表1に併せて示した。 さらに、サイドエッチ量、及び銅のラインパターンのトップ幅Wtの結果に基づき、記下表3に示す基準に沿って判定した。その結果を表1に併せて示した。
Claims (5)
- 前記共重合体を構成する単量体の合計質量に対する、前記ベンジル(メタ)アクリレートの割合が70質量%~90質量%である、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
- 支持体上に、請求項1または2に記載の感光性樹脂組成物を含む感光性樹脂組成物層を有することを特徴とする、感光性エレメント。
- 以下の工程:
請求項3に記載の感光性エレメントを用いて基板の上に感光性樹脂組成物層を形成するラミネート工程、
該感光性樹脂組成物層を露光する露光工程、及び、
該感光性樹脂組成物層の未露光部を現像液で除去することによってレジストパターンを形成する現像工程、
を含むことを特徴とする、レジストパターンの形成方法。 - 以下の工程:
請求項4に記載の感光性エレメントを用いて基板の上に感光性樹脂組成物層を形成するラミネート工程、
該感光性樹脂組成物層を露光する露光工程、
該感光性樹脂組成物層の未露光部を現像液で除去することによってレジストパターンを形成する現像工程、
該レジストパターンが形成された基板をエッチングする導体パターン形成工程、及び、
該レジストパターンを剥離する剥離工程、
を含むことを特徴とする、配線板の製造方法。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017006884A JP7050417B2 (ja) | 2017-01-18 | 2017-01-18 | 感光性樹脂組成物 |
JP2022054408A JP7483779B2 (ja) | 2017-01-18 | 2022-03-29 | 感光性樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017006884A JP7050417B2 (ja) | 2017-01-18 | 2017-01-18 | 感光性樹脂組成物 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2022054408A Division JP7483779B2 (ja) | 2017-01-18 | 2022-03-29 | 感光性樹脂組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2018116146A JP2018116146A (ja) | 2018-07-26 |
JP7050417B2 true JP7050417B2 (ja) | 2022-04-08 |
Family
ID=62984072
Family Applications (2)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017006884A Active JP7050417B2 (ja) | 2017-01-18 | 2017-01-18 | 感光性樹脂組成物 |
JP2022054408A Active JP7483779B2 (ja) | 2017-01-18 | 2022-03-29 | 感光性樹脂組成物 |
Family Applications After (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2022054408A Active JP7483779B2 (ja) | 2017-01-18 | 2022-03-29 | 感光性樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (2) | JP7050417B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7481832B2 (ja) | 2019-11-22 | 2024-05-13 | リンテック株式会社 | 粘着シート |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013200431A (ja) | 2012-03-23 | 2013-10-03 | Jsr Corp | 感放射線性樹脂組成物、硬化膜及び硬化膜の形成方法 |
Family Cites Families (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20080268374A1 (en) * | 2004-07-14 | 2008-10-30 | Fujifilm Corporation | Photosensitive Composition, Pattern Forming Material, Photosensitive Laminate, Pattern Forming Apparatus, and Pattern Forming Process |
JP2006267441A (ja) * | 2005-03-23 | 2006-10-05 | Kyocera Chemical Corp | 感光性熱硬化型樹脂組成物及びフレキシブルプリント配線板 |
JP2011180376A (ja) | 2010-03-01 | 2011-09-15 | Fujifilm Corp | 永久パターン形成方法及び感光性フィルム |
JP5765059B2 (ja) * | 2010-08-16 | 2015-08-19 | Jsr株式会社 | 着色組成物、着色組成物の製造方法、着色パターン、カラーフィルタ、カラー表示素子及びカラーフィルタの製造方法 |
WO2015025925A1 (ja) * | 2013-08-23 | 2015-02-26 | 味の素株式会社 | 感光性樹脂組成物 |
KR102135064B1 (ko) * | 2014-08-13 | 2020-07-17 | 동우 화인켐 주식회사 | 네가티브형 감광성 수지 조성물 |
WO2016208187A1 (ja) * | 2015-06-24 | 2016-12-29 | 互応化学工業株式会社 | ソルダーレジスト組成物、被膜、被覆プリント配線板、被膜の製造方法、及び被覆プリント配線板の製造方法 |
-
2017
- 2017-01-18 JP JP2017006884A patent/JP7050417B2/ja active Active
-
2022
- 2022-03-29 JP JP2022054408A patent/JP7483779B2/ja active Active
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013200431A (ja) | 2012-03-23 | 2013-10-03 | Jsr Corp | 感放射線性樹脂組成物、硬化膜及び硬化膜の形成方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2018116146A (ja) | 2018-07-26 |
JP2022104950A (ja) | 2022-07-12 |
JP7483779B2 (ja) | 2024-05-15 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US8563223B2 (en) | Photosensitive resin composition and laminate | |
JP2020079930A (ja) | 感光性樹脂組成物 | |
WO2019244898A1 (ja) | 感光性樹脂組成物およびレジストパターンの形成方法 | |
JP2005215142A (ja) | 感光性樹脂組成物及び積層体 | |
JP4749305B2 (ja) | 感光性樹脂組成物及び積層体 | |
JP7483779B2 (ja) | 感光性樹脂組成物 | |
JP2011186208A (ja) | 感光性樹脂組成物 | |
CN108375874B (zh) | 感光性树脂组合物、感光性树脂层叠体、形成有抗蚀图案的基板和电路基板的制造方法 | |
JPWO2019124452A1 (ja) | 感光性樹脂積層体 | |
JP2021113984A (ja) | 感光性樹脂組成物及び感光性樹脂積層体 | |
JP4752650B2 (ja) | 感光性樹脂組成物 | |
JP6981864B2 (ja) | 感光性樹脂組成物、感光性樹脂積層体、レジストパターンが形成された基板および回路基板の製造方法 | |
JP7214875B2 (ja) | 感光性樹脂組成物、及び感光性エレメント | |
WO2020032133A1 (ja) | 感光性樹脂組成物及びレジストパターンの形成方法 | |
JP2013117581A (ja) | 感光性樹脂組成物 | |
JP2016224161A (ja) | レジストパターンの形成方法、プリント配線板の製造方法及び感光性エレメント | |
WO2022186389A1 (ja) | 感光性樹脂積層体およびその製造方法 | |
JP2022058739A (ja) | 感光性樹脂積層体およびその製造方法 | |
JP2022000683A (ja) | 感光性樹脂組成物、感光性樹脂組成物を用いた転写フィルム | |
JP5469399B2 (ja) | 感光性樹脂組成物 | |
JP2010271395A (ja) | 感光性樹脂組成物、感光性樹脂積層体、レジストパターン形成方法及び導体パターンの製造方法 | |
JP2023136935A (ja) | 感光性樹脂組成物及び感光性樹脂積層体、並びにレジストパターンの形成方法 | |
JP2023046106A (ja) | 感光性樹脂積層体 | |
JP2011186214A (ja) | 感光性樹脂組成物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20191003 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20201125 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20201208 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20210129 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20210330 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20210517 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20211005 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20211129 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20220301 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20220329 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7050417 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |