以下に添付図面を参照して、本発明の段ボールシートの不良検出装置、段ボールシートの不良除去装置、段ボールシートの製造装置の好適な実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではなく、また、実施形態が複数ある場合には、各実施形態を組み合わせて構成するものも含むものである。
図1は、本実施形態の段ボールシートの製造装置としてのコルゲートマシンを表す概略図である。
本実施形態において、図1に示すように、段ボールシートの製造装置としてのコルゲートマシン10は、まず、波形加工された中芯B1に裏ライナ(第2ライナ)C1を貼り合わせて片面段ボールシートD1を製造すると共に、波形加工された中芯B2に裏ライナ(第2ライナ)C2を貼り合わせて片面段ボールシートD2を製造する。次に、製造された片面段ボールシートD1の中芯B1に片面段ボールシートD2の裏ライナC2を貼り合せると共に、片面段ボールシートD2の中芯B2に表ライナ(第1ライナ)Aを貼り合わせて連続した複両面段ボールシートEを製造する。そして、連続した複両面段ボールシートEを所定長さに切断することで、板状の複両面段ボールシートFを製造するものである。
コルゲートマシン10は、中芯B1のミルロールスタンド11と、裏ライナC1のミルロールスタンド12と、シングルフェーサ13と、ブリッジ14と、中芯B2のミルロールスタンド15と、裏ライナC2のミルロールスタンド16と、シングルフェーサ17と、ブリッジ18と、表ライナAのミルロールスタンド19と、プレヒータ20と、グルーマシン21と、ダブルフェーサ22と、ロータリシャ23と、スリッタスコアラ24と、カットオフ25と、不良品排出装置26と、スタッカ27を有している。
各ミルロールスタンド11,15は、両側にそれぞれ中芯B1,B2が形成される中芯がロール状に巻かれたロール紙が装着されており、各ロール紙の間に紙継ぎを行うスプライサが設けられている。一方のロール紙から給紙されているときに、他方のロール紙が装着されて紙継ぎ準備がなされ、スプライサは、一方のロール紙が残り少なくなると、一方のロール紙に他方のロール紙が紙継ぎされる。そのため、各ミルロールスタンド11,15から下流側へ向けて連続的に給紙されることになる。
また、ミルロールスタンド12,16は、両側にそれぞれ裏ライナC1,C2がロール状に巻かれたロール紙が装着されており、各ロール紙の間に紙継ぎを行うスプライサが設けられている。一方のロール紙から給紙されているときに、他方のロール紙が装着されて紙継ぎ準備がなされ、スプライサは、一方のロール紙が残り少なくなると、一方のロール紙に他方のロール紙が紙継ぎされる。そのため、各ミルロールスタンド12,16から下流側へ向けて連続的に給紙されることになる。
各ミルロールスタンド11,15から繰り出される中芯B1,B2と、ミルロールスタンド12,16から繰り出される裏ライナC1,C2は、それぞれ図示しないプレヒータにより予熱される。各プレヒータは、内部に蒸気が供給される加熱ロールを有し、中芯B1,B2や裏ライナC1,C2を加熱ロールに巻き付けて搬送することで、所定温度まで昇温する。
シングルフェーサ13は、加熱された中芯B1を波状に加工した後に各段頂部に糊付けし、加熱された裏ライナC1を貼り合わせて片面段ボールシートD1を形成する。シングルフェーサ13は、搬送方向下流側の斜め上方に取上げコンベアが設けられており、シングルフェーサ13で形成された片面段ボールシートD1をブリッジ14に搬送する。このブリッジ14は、シングルフェーサ13とダブルフェーサ22との速度差を吸収するため、片面段ボールシートD1を一次的に滞留させることができる。
また、シングルフェーサ17は、加熱された中芯B2を波状に加工した後に各段頂部に糊付けし、加熱された裏ライナC2を貼り合わせて片面段ボールシートD2を形成する。シングルフェーサ17は、搬送方向下流側の斜め上方に取上げコンベアが設けられており、シングルフェーサ17で形成された片面段ボールシートD2をブリッジ18に搬送する。このブリッジ18は、シングルフェーサ17とダブルフェーサ22との速度差を吸収するため、片面段ボールシートD2を一次的に滞留させることができる。
ミルロールスタンド19は、両側にそれぞれ表ライナAがロール状に巻かれたロール紙が装着されており、各ロール紙の間に紙継ぎを行うスプライサが設けられている。一方のロール紙から給紙されているときに、他方のロール紙が装着されて紙継ぎ準備がなされ、スプライサは、一方のロール紙が残り少なくなると、一方のロール紙に他方のロール紙が紙継ぎされる。そのため、ミルロールスタンド19から下流側へ向けて連続的に給紙されることになる。
プレヒータ20は、3個の予熱ロール31,32,33が鉛直方向に並んで配置されている。予熱ロール31は、表ライナAを加熱するものであり、予熱ロール32は、片面段ボールシートD2を加熱するものであり、予熱ロール33は、片面段ボールシートD1を加熱するものである。また、各予熱ロール31,32,33は、巻き付け量調整装置(図示略)を有すると共に、内部に蒸気が供給されて所定の温度に加熱されており、周面に表ライナA、片面段ボールシートD2、片面段ボールシートD1が巻き付けられることで、予加熱することができる。
グルーマシン21は、糊付けロール34,35が鉛直方向に並んで配置されている。糊付けロール34は、予熱ロール32で加熱された片面段ボールシートD2における中芯B2の段の各頂部に接触して糊付けを行うものである。糊付けロール35は、予熱ロール33で加熱された片面段ボールシートD1における中芯B1の段の各頂部に接触して糊付けを行うものである。グルーマシン21により糊付けされた片面段ボールシートD1,D2は、次工程のダブルフェーサ22に移送される。また、予熱ロール31で加熱された表ライナAもグルーマシン21内を通ってダブルフェーサ22に移送される。
ダブルフェーサ22は、各片面段ボールシートD1,D2及び表ライナAの走行ラインに沿って、上流側のヒーティングセクション36と、下流側のクーリングセクション37とを有している。グルーマシン21で糊付けされた片面段ボールシートD1,D2及び表ライナAは、ヒーティングセクション36にて、加圧ベルトと熱板との間に搬入され、互いに重なりあった状態で一体となってクーリングセクション37へ向けて移送される。この移送中、各片面段ボールシートD1,D2と表ライナAは、加圧されながら加熱されることで、互いに貼り合わされて連続した複両面段ボールシートEとなり、その後、搬送されながら自然冷却される。
ダブルフェーサ22で製造された複両面段ボールシートEは、スリッタスコアラ24に移送される。このスリッタスコアラ24は、幅広の複両面段ボールシートEを所定の幅を持つように搬送方向に沿って裁断し、且つ、搬送方向に延在する罫線を加工するものである。このスリッタスコアラ24は、複両面段ボールシートEの搬送方向に沿って配列された略同一構造をした第1スリッタスコアラユニット38と第2スリッタスコアラユニット39とから構成されている。幅広の複両面段ボールシートEは、このスリッタスコアラ24により裁断されることで、所定幅の複両面段ボールシートEが形成される。
カットオフ25は、スリッタスコアラ24によって搬送方向に裁断された複両面段ボールシートEを幅方向に沿って切断し、所定長さをもった板状の複両面段ボールシートFに形成するものである。不良品排出装置26は、後述する不良検出装置により不良品と判定された複両面段ボールシートFを搬送ラインから排出するものである。スタッカ27は、良品と判定された複両面段ボールシートFを積み上げて製品として機外に排出するものである。
ここで、本実施形態の段ボールシートの不良検出装置について説明する。図2は、本実施形態の段ボールシートの不良検出装置が装着されたシングルフェーサの要部概略図である。
本実施形態において、図2に示すように、段ボールシートの不良検出装置40は、ブリッジ18とプレヒータ20との間に設けられている。段ボールシートの不良検出装置40は、片面段ボールシートD1(B1,C1)の不良を検出する第1不良検出装置40Aと、片面段ボールシートD2(B2,C2)の不良を検出する第2不良検出装置40Bとから構成されており、ほぼ同様の構成となっている。ブリッジ14側から搬送された片面段ボールシートD1は、ガイドローラ41a,42a,43aにガイドされて第1不良検出装置40Aに至り、ガイドローラ44a,45a,46a,47aにガイドされてプレヒータ20側に搬送される。また、ブリッジ18側から搬送された片面段ボールシートD2は、ガイドローラ41b,42b,43bにガイドされて第2不良検出装置40Bに至り、ガイドローラ44b,45b,46bにガイドされてプレヒータ20側に搬送される。
フレーム48に支持板49,50が固定されており、支持板49にガイドローラ43a,43bが回転自在に支持され、支持板50にガイドローラ44a,44b,45a,45b,46a,46b,47aに回転自在に支持されている。また、支持板49に後述する撮像装置52a,52bが支持され、支持板50に後述する照射装置51a,51bが支持されている。以下、段ボールシートの不良検出装置40(40A,40B)について詳細に説明する。
図3は、本実施形態の段ボールシートの不良検出装置を表す概略構成図である。
段ボールシートの不良検出装置40(40A,40B)は、図3に示すように、波形形状をなす中芯Bを外側にしてガイドローラ43,44,45,46により搬送される片面段ボールシートD(D1,D2)の不良を検出するものである。段ボールシートの不良検出装置40は、ガイドローラ43,44,45,46に加えて、照射装置51(51a,51b)と、撮像装置52(52a,52b)と、制御装置53と、報知装置54と、表示装置55と、記憶装置56とを有している。そして、制御装置53は、紙継ぎ部検出装置57と、陰影画像処理装置58と、中芯不良検出装置59と、判定装置60とを備えている。また、段ボールシートの不良除去装置90は、この段ボールシートの不良検出装置40と、不良品排出装置26とを備えている。具体的に、段ボールシートの不良除去装置90は、制御装置53を構成する不良位置特定装置61と、追跡装置62とを有している。
以下、段ボールシートの不良検出装置40及び段ボールシートの不良除去装置90について詳細に説明する。
ガイドローラ43,44,45,46は、駆動回転または従動回転可能であって、外周部で片面段ボールシートDをガイドして搬送可能である。片面段ボールシートDは、波形形状をなす中芯Bが裏ライナCに貼り合わされて形成されたものであり、ガイドローラ43は、波形形状をなす中芯Bを外側にして片面段ボールシートDをガイドしている。
照射装置51は、片面段ボールシートDの垂線に対して予め設定された所定角度だけ傾斜した照射角度で中芯Bに向けて平行光を照射するものである。撮像装置52は、中芯Bにおける平行光の照射部(陰影)を撮像するものである。陰影画像処理装置58は、撮像装置52により撮像された撮影画像に基づいて片面段ボールシートDの搬送方向に沿う明部と暗部を規定するものである。中芯不良検出装置59は、陰影画像処理装置58により規定された明部の長さや暗部の長さに基づいて中芯Bの形状不良を検出するものである。
紙継ぎ部検出装置57は、裏ライナCの紙継ぎ部及び中芯Bの紙継ぎ部を検出するものである。判定装置60は、紙継ぎ部検出装置57の検出結果と中芯不良検出装置59の検出結果に基づいて紙継ぎ部での中芯Bの形状不良と紙継ぎ部を除く領域での中芯Bの形状不良とを区別し、紙継ぎ部を除く領域での中芯Bの形状不良を片面段ボールシートDの不良であると判定するものである。
また、報知装置54は、判定装置60の判定結果などを報知するものであり、表示装置55は、判定装置60の判定結果などを表示するものであり、記憶装置56は、中芯不良検出装置59が使用する判定値や判定装置60の判定結果などを格納するものである。
また、不良位置特定装置61は、段ボールシートの不良検出装置40が検出した片面段ボールシートDにおける不良位置を特定するものである。追跡装置62は、不良位置特定装置61が特定した片面段ボールシートDにおける不良位置を追跡するものである。制御装置53は、この追跡装置62の追跡結果に基づいて不良品排出装置26を作動させる。
図4は、片面段ボールシートに対する照射装置及び撮像装置の配置構成を表す側面図、図5は、片面段ボールシートの中芯に対する照射装置の照射角度を説明するための概略図である。
図3及び図4に示すように、照射装置51は、ガイドローラ45から所定距離だけ離間した位置に配置され、取付ブラケット72により装置本体(支持板50)に固定されている。また、照射装置51は、ガイドローラ45の軸方向の長さに対応するように、ガイドローラ45の周面に対向して配置されており、ガイドローラ45の外周面、つまり、ガイドローラ45によりガイドされる片面段ボールシートDの全幅の領域に向けて平行光を照射することができる。この平行光とは、特に、ガイドローラ45を軸方向から見た場合、ガイドローラ45に向かって照射される光軸が放射状に広がらずに、互いに平行に直進する光である。なお、照射装置51は、1個の照射器または複数個の照射器により構成されている。
撮像装置52は、ガイドローラ45から所定距離だけ離間した位置に配置され、取付ブラケット72により装置本体(支持板49)に固定されている。また、撮像装置52は、ガイドローラ45の軸方向における中間位置に対向して配置されており、ガイドローラ45の外周面、つまり、ガイドローラ45によりガイドされる片面段ボールシートDの全幅の領域を撮像することができる。この撮像装置52は、1個のラインカメラまたは複数個のラインカメラであって、波形形状をなす中芯Bにおける山における照射部を撮像する。この場合、撮像装置52は、片面段ボールシートDの搬送方向に沿って1画素、片面段ボールシートDの幅方向に沿って複数画素の画像を取り込むことができる。そのため、撮像装置52は、片面段ボールシートDの搬送速度または中芯Bの山のピッチに応じて撮像間隔が設定される。
本実施形態にて、撮像装置(ラインカメラ)52は、片面段ボールシートDの垂線、つまり、ガイドローラ43の中心を通る径方向に沿った線上に配置されるが、照射装置51は、片面段ボールシートDの垂線(ガイドローラ43の中心を通る径方向に沿った線)に対して所定角度だけ傾斜した角度(照射角度)の線上に配置される。
図5に示すように、片面段ボールシートDは、裏ライナCに波形形状をなす中芯Bが貼り付けられてなり、裏ライナCがガイドローラ43に接触し、中芯Bが外側に露出して搬送される。なお、片面段ボールシートDは、ガイドローラ45に支持されて弧状に走行するものであるが、ここでは、直線状に走行するものとして説明する。ガイドローラ45の中心及び中芯Bの山の山頂部Baを通って径方向に沿う片面段ボールシートDの垂線L1が規定される。照射装置51による平行光Sの照射角度θ1は、この垂線L1に対する角度であり、垂線L1から中芯Bの山の斜面に沿う傾斜線L2までの角度θより大きい角度θ1に設定される。なお、中芯Bの山は、山頂部Baから裾野部にかけて外側に凸形状をなす第1曲線部Bbと、外側の凹形状をなす第2曲線部Bcとからなり、傾斜線L2は、第1曲線部Bbにおける最も裾野側の位置に対する接線である。照射装置51による平行光Sの照射角度θ1が垂線L1から傾斜線L2までの角度θより大きい角度θ1に設定されることから、照射光により山の陰影を生成することができる。
そして、図4に示すように、照射装置51は、所定の照射角度θ1で中芯Bに向けて平行光を照射し、撮像装置52は、この中芯Bにおける山における照射部を撮像する。そのため、明部Wと暗部Gとの間に境界線が明確に形成され、明部Wの長さと暗部Gの長さを高精度に規定することができる。
図3に示すように、陰影画像処理装置58は、撮像装置52の撮影画像から中芯Bの各山の陰影から明部Wと暗部Gを規定する。この場合、撮像装置(ラインカメラ)52は、波形形状をなす中芯Bにおける1個の山の陰影を、片面段ボールシートDの搬送方向に沿って1画素、片面段ボールシートDの幅方向に沿って複数画素の画像として取り込んでいる。そのため、陰影画像処理装置58は、この1画素×複数画素の画像を片面段ボールシートDの搬送方向に沿って複数個結合することで、片面段ボールシートDの所定長さにおける複数連続した明部Wと暗部Gを規定する。
この場合、陰影画像処理装置58は、片面段ボールシートDの所定長さだけの明部Wや暗部Gの画像において、明部Wや暗部Gの撮像データの全部を片面段ボールシートDの幅方向に加算して明部Wや暗部Gを規定する。なお、片面段ボールシートDの所定長さだけの明部Wや暗部Gの画像において、明部Wや暗部Gの撮像データの一部だけを片面段ボールシートDの幅方向に加算して明部Wや暗部Gを規定してもよい。
中芯不良検出装置59は、陰影画像処理装置58により規定された明部Wの長さや暗部Gの長さに基づいて中芯Bの形状不良を判定する。本実施形態にて、中芯不良検出装置59は、明部Wの長さと暗部Gの長さの比率と判定値と比較して中芯Bの形状不良を判定している。但し、この判定方法は、上述した構成に限定されるものではない。例えば、明部Wの長さと明部判定値を比較して中芯Bの形状不良を判定したり、暗部Gの長さと暗部判定値と比較して中芯Bの形状不良を判定したり、または、明部Wの長さと暗部Gの長さの両方と各判定値と比較して中芯Bの形状不良を判定したりしてもよい。即ち、片面段ボールシートDが搬送されるとき、明部Wと暗部Gが連続して規定され、中芯不良検出装置59が中芯Bの形状不良判定を連続して行っている。
そして、片面段ボールシートDの中芯Bは、製造する複両面段ボールシートFの仕様(サイズやフルートの種類など)に応じてその形状の標準値(段山の高さやピッチの設計値)が設定されている。照射装置51における平行光Sの照射角度θ1が所定角度に設定されたとき、標準値に設定された片面段ボールシートDにおける中芯Bの山の形状に応じて予め実験などにより判定基準値を設定する。この判定基準値を判定値としてもよいが、製造誤差や検出誤差などを考慮することで、良品と判定される複両面段ボールシートFの判定基準範囲を設定することが望ましい。そのため、本実施形態では、判定基準値に所定の余裕度を加味して判定領域を設定している。即ち、陰影画像処理装置58が処理して求めた明部Wと暗部Gの比率が、判定領域内にあれば片面段ボールシートDを良品と判定し、判定領域内になければ片面段ボールシートDを不良品と判定する。なお、明部Wの長さや暗部Gの長さで不良判定する場合は、明部Wの長さや暗部Gの長さの判定領域を設定する。
そして、この判定値(判定領域)は、片面段ボールシートDの種類(中芯Bの種類)ごとに設定され、記憶装置56に格納されている。片面段ボールシートDは、特に、中芯Bの形状(高さやピッチ)が相違する場合、陰影の形状が相違することから、明部Wの長さや暗部Gの長さが相違する。そのため、中芯Bの形状に応じた複数種類の判定値(判定領域)が設定されている。
ところで、上述したコルゲートマシン10は、波形加工された中芯Bに裏ライナCを貼り合わせて片面段ボールシートDを製造し、片面段ボールシートDの中芯Bに表ライナAを貼り合わせて複両面段ボールシートEを製造している。この場合、中芯Bや裏ライナCは、各ミルロールスタンド11,12に保持されるロール紙から供給されるシートであり、残りのロール紙が少なくなると、スプライサにより新しいロール紙を紙継ぎすることで、連続的にシートを繰り出し可能としている。
図6は、スプライサを表す概略図である。
図6に示すように、スタンド71は、両側に一対のロール支持アーム72a,72bが支持され、各ロール支持アーム72a,72bの先端部にロール紙B01,B02が回転自在に支持されている。ロール紙B01,B02は、所定長さの中芯B11,B12がロール状に巻かれたものである。
スプライサ70は、ヘッダ73に下方から上方に向かって一対の導入ロール74a,74b、一対のナイフ75a,75b、一対の圧着バー76a,76bが順に配置されて構成されている。スプライサ70は、一対の圧着バー76a,76bの上方にニップロール77と加速ロール78が対向して配置されている。この場合、導入ロール74a,74b同士、ナイフ75a,75b同士、圧着バー76a,76b同士は、互いに接近離反自在に設けられている。また、ニップロール77が加速ロール78に対して接近離反自在に設けられている。そして、ヘッダ73は、ニップロール77と加速ロール78の上方にダンサロール79及び固定ロール80が配置されている。ダンサロール79は、中芯B11,B12のテンションに応じて水平方向に沿って移動自在となっている。
そのため、ロール紙B01から中芯B11が繰り出されるとき、この中芯B11は、導入ロール74a,74b間を通り、その後、ナイフ75a,75b間、圧着バー76a,76b間を通り、加速ロール78からダンサロール79を経て固定ロール80を介して送給される。そして、スプライサ70が紙継ぎを行うとき、ロール紙B01からの中芯B11の繰り出しを停止し、待機中のロール紙B02から繰り出された中芯B12を貼り付けて紙継ぎを実施した後、運転速度まで加速する。
即ち、ロール紙B02から中芯B12を繰り出して圧着バー76bに装着し、ロール紙B01からの中芯B11の繰り出し速度を減少する。すると、ダンサロール79が、図6にて左方に移動し始めることで滞留していた中芯B11の消費が開始される。そして、ロール紙B01からの中芯B11の繰り出しを停止し、圧着バー76a,76bを接近させることで、ロール紙B02からの中芯B12をロール紙B01からの中芯B11に圧接して接着させる。同時に、ナイフ75aを前進させることで、ロール紙B01からの中芯B11を切断する。
この紙継ぎ作業中、ダンサロール79が移動することでロール紙B02からの中芯B12の張力を一定に保持しつつ、滞留している中芯B11を放出し続ける。ロール紙B01からの中芯B11が切断され、ロール紙B02から中芯B12が繰り出されると、この中芯B12は、ニップロール77が加速ロール78に対接し、加速ロール78の回転速度を上昇することで、滞留している中芯B11の放出が終了し、ダンサロール79が、図6にて右方に移動し始めて元の位置に復帰する。
ロール紙B01からの中芯B11とロール紙B02からの中芯B12は、各端部が所定長さだけ重ねられて紙継ぎ部が形成される。この紙継ぎ部は、2枚の中芯B11,B12が重ねられて厚くなった部分であることから、製品とすることはできない。そのため、複両面段ボールシートFの製造中に、この紙継ぎ部を検出して切断し、段ボールシートを製造ラインから除去する。
しかし、紙継ぎ部は、中芯Bにおける他の領域より厚さが厚い部分であることから、中芯Bの波形加工時に波形の山が変形したり、中芯Bと裏ライナCとの接着時に接着不良を起こしたりすることがある。上述した段ボールシートの不良検出装置40は、片面段ボールシートDにおける中芯Bの山の形状が予め設定された形状と相違したときに、中芯Bの山の形状が変形しているとして片面段ボールシートDを不良品と判定する。そのため、中芯Bが形状変形した片面段ボールシートDだけでなく、紙継ぎ部がある片面段ボールシートDも形状不良と判定することとなり、両者が混在した状態で排出してしまう。すると、波形の山の変形により片面段ボールシートDの不良が発生したとき、オペレータが波形の山が変形した不良の複両面段ボールシートFを見つけることが困難となる。
本実施形態の段ボールシートの不良検出装置40は、波形の山の変形により不良となった片面段ボールシートDと、紙継ぎ部がある片面段ボールシートDとを区別することで、不良の片面段ボールシートDの検証を容易に行うものである。
図3に示すように、段ボールシートの不良検出装置40は、上述したように、紙継ぎ部検出装置57と、中芯不良検出装置59と、判定装置60とを備えている。判定装置60は、紙継ぎ部検出装置57の検出結果と中芯不良検出装置59の検出結果に基づいて紙継ぎ部での中芯Bの形状不良と紙継ぎ部を除く領域での中芯Bの形状不良とを区別し、紙継ぎ部を除く領域での中芯Bの形状不良を片面段ボールシートDの不良であると判定する。
ここで、紙継ぎ部検出装置57は、裏ライナCの紙継ぎ部及び中芯Bの紙継ぎ部を検出するものである。この場合、図6に示すように、スプライサ70は、中芯B11と中芯B12を接着して紙継ぎ部を形成した後、中芯B11,B12の一方を切断する。紙継ぎ部検出装置57は、スプライサ70が中芯B11と中芯B12を接着する位置から撮像装置52が撮像する位置までの搬送距離(搬送時間)は、予めわかっており、紙継ぎ部が中芯Bの撮像位置に到達するタイミングを判定装置60に出力する。なお、図示しないが、裏ライナCの紙継ぎを行うスプライサも同様である。
なお、スプライサ70により中芯B11と中芯B12が接着されて形成された紙継ぎ部は、被検出部が設けられており、撮像装置52が撮像する位置よりも上流側に検出センサが設けられている。紙継ぎ部検出装置57は、検出センサが紙継ぎ部に設けられた被検出部を検出することで、紙継ぎ部が中芯Bの撮像位置に到達するタイミングを判定装置60に出力するようにしてもよい。ここで、被検出部は、例えば、金属性の両面テープや印刷されたマークなどである。
中芯不良検出装置59は、陰影画像処理装置58により規定された明部Wの長さと暗部Gの長さの比率を判定値と比較して中芯Bの形状不良を検出する。このとき、中芯不良検出装置59は、中芯Bが形状変形した片面段ボールシートDと、紙継ぎ部により中芯Bが形状変形した片面段ボールシートDとを中芯Bの形状不良を検出する。そのため、判定装置60は、中芯不良検出装置59による紙継ぎ部に対する中芯Bの形状不良の検出を中止する。すると、中芯不良検出装置59は、中芯Bが形状変形した片面段ボールシートDだけを中芯Bの形状不良として検出し、紙継ぎ部により中芯Bが形状変形した片面段ボールシートDを中芯Bの形状不良として検出しない。
そして、表示装置55は、判定装置60が紙継ぎ部を除く領域で中芯Bの形状不良と判定した中芯Bの画像だけを表示する。また、記憶装置56は、判定装置60が紙継ぎ部を除く領域で中芯Bの形状不良と判定した中芯Bの画像だけを記憶する。そして、報知装置54は、判定装置60が紙継ぎ部を除く領域で中芯Bの形状不良と判定したときだけ不良発生を報知する。ここで、報知とは、ランプの点灯や警報の発令である。
ここで、制御装置53による段ボールシートの不良判定方法の処理について詳細に説明する。図7は、段ボールシートの不良検出方法を説明するためのフローチャート、図8は、紙継ぎ部に対する不良検出中止信号の出力を説明するためのタイムチャートである。
図7に示すように、ステップS11にて、判定装置60は、紙継ぎ部検出装置57からの検出信号に基づいて、撮像装置52が片面段ボールシートDの中芯Bを撮像する位置に紙継ぎ部があるかどうかを判定する。ここで、中芯Bの撮像位置に紙継ぎ部があると判定(Yes)されると、ステップS12にて、判定装置60は、中芯不良検出装置59に対して不良検出中止信号を出力し、中芯不良検出装置59による中芯Bの形状不良の検出を中止する。具体的には、撮像装置52の作動と陰影画像処理装置58の処理を中止する。
図8に示すように、紙継ぎ部の検出信号は、紙継ぎ部の長さに対してその前後に余裕分を確保することで、通過期間Taが設定される。不良検出中止信号は、通過期間Taに対してその前後に余裕分を確保することで、検出中止期間Tbが設定される。そのため、時間t1にて、判定装置60から中芯不良検出装置59に不良検出中止信号が出力され、検出中止期間Tbが経過した時間t2にて、判定装置60から中芯不良検出装置59への不良検出中止信号の出力が停止される。すると、判定装置60は、検出中止期間Tbの間、中芯不良検出装置59への不良検出信号の出力が停止され、中芯不良検出装置59の作動が停止する。
一方、ステップS11にて、中芯Bの撮像位置に紙継ぎ部がないと判定(No)されると、ステップS13にて、判定装置60は、中芯不良検出装置59に対して不良検出信号を出力し、ステップS14にて、中芯不良検出装置59による中芯Bの形状不良の検出を実施する。即ち、撮像装置52により取り込まれた中芯Bの陰影画像を射影する。即ち、1画素×複数画素の画像を搬送方向に複数撮影して並べた陰影画像にて、明部Wと暗部Gの撮像データを片面段ボールシートDの幅方向に加算し、加算輝度を算出する。そして、ステップS15にて、加算輝度を搬送方向に平滑化することによってノイズを除去する。ステップS16にて、搬送方向に隣接する画素の加算輝度の差を取って差分を求める。ステップS17にて、明部Wと暗部Gとのエッジでは、差分の値が大きくなるため、差分の値が大きくなるピーク値を抽出する。ステップS18にて、明部Wの長さと暗部Gの長さを算出する。
そして、ステップS19にて、明部Wの長さW1と暗部Gの長さG1との比率(段山比率)を下記のように算出する。
段山比率=暗部Gの長さG1/明部Wの長さW1
ステップS20にて、明部Wの長さW1と暗部Gの長さG1との比率、つまり、段山比率と判定領域とを比較し、この段山比率が判定領域内にあるかどうかを判定する。
ステップS21にて、段山比率が判定領域内にあると判定(Yes)されると、中芯Bの形状が良好であるとしてステップS21に移行し、ここで中芯Bの一つの山が良品であると正常判定する。一方、ステップS20にて、段山比率が判定領域内にないと判定(No)されると、中芯Bが変形した形状であるとしてステップS22に移行する。そして、ステップS22にて、中芯Bの一つの山が不良品であると異常判定し、ステップS23にて、報知装置54が警報(ランプや警報音)を発し、ステップS24にて、表示装置55がディスプレイに不良品の画像を表示し、記憶装置56がこの画像を記憶する。
この場合、表示装置55は、撮像装置52が撮像した片面段ボールシートDの画像を表示し、不良と判定された中芯Bの山の位置に丸印を付けて表示する。そして、記憶装置56は、不良と判定された中芯Bの画像を記憶する。そして、ステップS25にて、不良品排出装置26により不良の山が含まれる不良の複両面段ボールシートFを搬送ラインから外部に排出する。
このとき、図3に示すように、不良品排出装置26は、段ボールシートの不良検出装置40により不良と判定された複両面段ボールシートFだけでなく、紙継ぎ部検出装置57により検出された紙継ぎ部が含まれる不良の複両面段ボールシートFも搬送ラインから外部に排出する。不良品排出装置26は、貯留部26aとシュレッダ26bが連結されている。制御装置53は、段ボールシートの不良検出装置40により不良と判定された複両面段ボールシートFを貯留部26aに貯留し、紙継ぎ部検出装置57により検出された紙継ぎ部が含まれる不良の複両面段ボールシートFをシュレッダ26bに送って断裁する。オペレータは、貯留部26aに貯留されて中芯Bの形状不良と判定された複両面段ボールシートFを視認することができる。
なお、本実施形態の段ボールシートの不良検出装置40による不良判定方法の処理は、上述したものに限定されるものではない。図9は、段ボールシートの不良検出方法の第1変形例を説明するためのフローチャート、図10は、段ボールシートの不良検出方法の第2変形例を説明するためのフローチャート、図11は、表示装置による表示画面を表す概略図である。
段ボールシートの不良検出方法の第1変形例において、図9に示すように、ステップS31にて、撮像装置52が中芯Bの陰影画像を射影し、1画素×複数画素の画像を搬送方向に複数撮影して並べた陰影画像にて、明部Wと暗部Gの撮像データを片面段ボールシートDの幅方向に加算し、加算輝度を算出する。ステップS32にて、加算輝度を搬送方向に平滑化することによってノイズを除去する。ステップS33にて、搬送方向に隣接する画素の加算輝度の差を取って差分を求める。ステップS34にて、明部Wと暗部Gとのエッジでは、差分の値が大きくなるため、差分の値が大きくなるピーク値を抽出する。ステップS35にて、明部Wの長さと暗部Gの長さを算出する。
そして、ステップS36にて、明部Wの長さW1と暗部Gの長さG1との比率(段山比率)を算出する。ステップS37にて、明部Wの長さW1と暗部Gの長さG1との比率、つまり、段山比率と判定領域とを比較し、この段山比率が判定領域内にあるかどうかを判定する。ここで、段山比率が判定領域内にあると判定(Yes)されると、中芯Bの形状が良好であるとしてステップS38に移行し、ここで中芯Bの一つの山が良品であると正常判定する。一方、段山比率が判定領域内にないと判定(No)されると、中芯Bが変形した形状であるとしてステップS39に移行する。そして、ステップS39にて、中芯Bの一つの山が不良品であると異常判定する。
ステップS40にて、判定装置60は、紙継ぎ部検出装置57からの検出信号に基づいて、波形の山が不良であると異常判定した中芯Bが紙継ぎ部であるかどうかを判定する。ここで、中芯Bの撮像位置に紙継ぎ部があると判定(Yes)されると、何もしないでこのルーチンを抜ける。一方、中芯Bの撮像位置に紙継ぎ部がないと判定(No)されると、ステップS41にて、報知装置54が警報(ランプや警報音)を発し、ステップS42にて、表示装置55がディスプレイに不良品の画像を表示し、記憶装置56がこの画像を記憶する。そして、ステップS43にて、不良品排出装置26により不良の山が含まれる不良の複両面段ボールシートFを搬送ラインから外部に排出する。
また、段ボールシートの不良検出方法の第2変形例において、図10に示すように、ステップS51からステップS57は、上述した第1変形例のステップS31からステップS37と同様であるため、詳細な説明は省略する。ステップS57にて、明部Wの長さW1と暗部Gの長さG1との比率、つまり、段山比率と判定領域とを比較し、段山比率が判定領域内にあると判定(Yes)されると、中芯Bの形状が良好であるとしてステップS58に移行して正常判定する。一方、段山比率が判定領域内にないと判定(No)されると、中芯Bが変形した形状であるとしてステップS59に移行して異常判定する。
ステップS60にて、判定装置60は、紙継ぎ部検出装置57からの検出信号に基づいて、波形の山が不良であると異常判定した中芯Bが紙継ぎ部であるかどうかを判定し、中芯Bの形状不良と紙継ぎ部との区分処理を実行する。即ち、異常判定された中芯Bの撮像が紙継ぎ部であるか、紙継ぎ部でないかを区別する。そして、ステップS61にて、異常判定した中芯Bが紙継ぎ部でなかったとき、報知装置54が警報(ランプや警報音)を発し、ステップS62にて、表示装置55がディスプレイに不良品の画像を表示し、記憶装置56がこの画像を記憶する。そして、ステップS63にて、不良品排出装置26により不良の山が含まれる不良の複両面段ボールシートFを搬送ラインから外部に排出する。
図11に示すように、表示装置55は、画面にリスト表示部101と不良画像表示部102を有している。リスト表示部101は、判定装置60が異常判定した中芯Bの画像に番号と発生日と発生時間と異常の内容とファイル名を付けて表示する。この場合、異常の内容としては、中芯Bの形状不良、紙継ぎ部による中芯Bの形状不良、その他がある。表示装置55は、選択スイッチとして、中芯Bの形状不良だけをリスト表示する形状不良スイッチ111と、紙継ぎ部による中芯Bの形状不良だけを表示する紙継ぎ部スイッチ112と、その他の形状不良だけを表示するその他スイッチ113と、全ての形状不良を表示する全てスイッチ114とが設けられている。
不良画像表示部102は、リスト表示部101から選択された中芯Bの画像を表示するものであり、中芯Bの画像の中に不良個所120を表示することができる。不良画像表示部102は、不良個所120を拡大する拡大スイッチ115と、縮小する縮小スイッチ116が設けられている。オペレータは、段ボールシートの製造中や製造終了後に、表示装置55を操作して形状不良と判定された中芯Bの画像における不良個所120を確認し、発生原因を検証することができる。
このように本実施形態の段ボールシートの不良検出装置にあっては、裏ライナCの紙継ぎ部及び中芯Bの紙継ぎ部を検出する紙継ぎ部検出装置57と、中芯Bの形状不良を検出する中芯不良検出装置59と、紙継ぎ部検出装置57の検出結果と中芯不良検出装置59の検出結果に基づいて紙継ぎ部での中芯Bの形状不良と紙継ぎ部を除く領域での中芯Bの形状不良とを区別する判定装置60とを設けている。
従って、裏ライナCの紙継ぎ部と中芯Bの紙継ぎ部の検出結果と、中芯Bの形状不良の検出結果に基づいて紙継ぎ部での中芯Bの形状不良と紙継ぎ部を除く領域での中芯Bの形状不良とを区別することとなり、波形の山の変形により不良となった複両面段ボールシートFの検証を容易に行うことができる。
本実施形態の段ボールシートの不良検出装置では、判定装置60は、紙継ぎ部を除く領域での中芯Bの形状不良を複両面段ボールシートFの不良であると判定する。従って、不良である複両面段ボールシートFの不良の検証を容易に行うことができる。
本実施形態の段ボールシートの不良検出装置では、判定装置60は、中芯不良検出装置59による紙継ぎ部に対する中芯Bの形状不良の検出を中止する。従って、中芯Bの加工時や接着時の形状不良だけを検出することができる。
本実施形態の段ボールシートの不良検出装置では、裏ライナCに貼り付けられた中芯Bを撮像する撮像装置52と、判定装置60が紙継ぎ部を除く領域で中芯Bの形状不良と判定した中芯Bの画像だけを表示可能な表示装置55を設けている。従って、紙継ぎ部を除く領域における中芯Bの形状不良の画像だけが表示装置に表示されることとなり、不良である複両面段ボールシートFの検証を容易に行うことができる。
本実施形態の段ボールシートの不良検出装置では、表示装置55は、紙継ぎ部での中芯Bの不良の画像と紙継ぎ部を除く領域での中芯Bの不良の画像とを区別して表示可能としている。従って、表示装置55を切り替えて紙継ぎ部を除く領域における中芯Bの形状不良の画像だけを表示することができ、不良である複両面段ボールシートFの検証を容易に行うことができる。
本実施形態の段ボールシートの不良検出装置では、判定装置60が紙継ぎ部を除く領域で中芯Bの形状不良と判定した中芯Bの画像を記憶する記憶装置56を設けている。従って、必要な画像だけを記憶装置56に記憶させて記憶容量の増加を抑制することができると共に、いつでも不良である複両面段ボールシートFの検証を容易に行うことができる。
本実施形態の段ボールシートの不良検出装置では、判定装置60が紙継ぎ部を除く領域で中芯Bの形状不良と判定したときだけに不良発生を報知する報知装置54を設けている。従って、紙継ぎ部を除く領域で中芯Bの形状不良が発生したときだけ報知装置54が報知することから、オペレータの煩雑さを解消することができる。
また、本実施形態の段ボールシートの不良除去装置にあっては、段ボールシートの不良検出装置40と、段ボールシートの不良検出装置40が検出した不良個所を含む所定長さに切断された複両面段ボールシートFを排出する不良品排出装置26とを設けている。
従って、段ボールシートの不良検出装置40が裏ライナCの紙継ぎ部と中芯Bの紙継ぎ部の検出結果と、中芯Bの形状不良の検出結果に基づいて紙継ぎ部での中芯Bの形状不良と紙継ぎ部を除く領域での中芯Bの形状不良とを区別することとなり、波形の山の変形により不良となった複両面段ボールシートFだけを不良品排出装置26により排出することができ、不良品となった複両面段ボールシートFの検証を容易に行うことができる。
本実施形態の段ボールシートの不良除去装置では、不良品排出装置26は、紙継ぎ部での中芯Bの不良個所を含む複両面段ボールシートFと紙継ぎ部を除く領域での中芯Bの不良個所を含む複両面段ボールシートFとを区別して排出する。従って、紙継ぎ部を除く領域での中芯Bの不良個所を含む複両面段ボールシートFが、紙継ぎ部での中芯Bの不良個所を含む複両面段ボールシートFから区別されて排出されるため、波形の山の変形により不良となった複両面段ボールシートFを直接見て不良原因の検証を行うことができる。
また、本実施形態の段ボールシートの製造装置にあっては、波形加工された中芯Bに裏ライナCを貼り合わせて片面段ボールシートDを製造するシングルフェーサ17と、シングルフェーサ17で製造される片面段ボールシートDにおける中芯B側に表ライナAを貼り合わせて複両面段ボールシートEを製造するダブルフェーサ22と、段ボールシートの不良除去装置90とを設けている。
従って、シングルフェーサ17は、波形加工された中芯Bに裏ライナCを貼り合わせて片面段ボールシートDを製造し、ダブルフェーサ22は、片面段ボールシートDにおける中芯B側に表ライナAを貼り合わせて複両面段ボールシートEを製造する。このとき、段ボールシートの不良検出装置40が裏ライナCの紙継ぎ部と中芯Bの紙継ぎ部の検出結果と、中芯Bの形状不良の検出結果に基づいて紙継ぎ部での中芯Bの形状不良と紙継ぎ部を除く領域での中芯Bの形状不良とを区別することとなり、波形の山の変形により不良となった複両面段ボールシートFだけを不良品排出装置26により排出することができ、不良品となった複両面段ボールシートFの検証を容易に行うことができる。
なお、上述した実施形態にて、中芯不良検出装置は、照射装置51と撮像装置52と陰影画像処理装置58とを設け、片面段ボールシートDの中芯Bに向けて光を照射して照射部を撮像し、撮影画像における中芯Bの明部Wの長さと暗部Gの長さに基づいて中芯Bの形状不良を判定するように構成したが、この構成に限定されるものではない。例えば、中芯不良検出装置として高さセンサなどを用いて中芯Bの形状不良を判定するように構成ししてもよい。
また、上述した実施形態にて、コルゲートマシン10は、片面段ボールシートD1と片面段ボールシートD2と表ライナAを貼り合せた複両面段ボールシートを製造するものとしたが、片面段ボールシートD2(D1)と表ライナAを貼り合せた両面段ボールシートを製造するものとしてもよい。