JP7049788B2 - 視界制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、視界制御装置、特に自動運転時又は運転支援時に乗員による走行環境の理解を促進可能な視界制御装置に関する。
自動運転車両における自動運転時に乗員が安心を覚えるために、障害物が近付いた場合に、障害物マークと注意喚起マークと進行方向マークとを車両前方の風景に重ねて表示するHUD装置を備えた車両用表示装置が知られている(特許文献1参照)。
特開2017-091115号公報
車両の乗員は、例えばドライバーとして手動で運転を行うときはフロントウィンドウを通した前方の周辺環境の監視を行っている。なお、自動運転時又は運転支援時には、乗員は車両に運転の主導権を渡すことになるので、乗員の周辺監視を行う必要性が低下し、走行中の周辺環境への意識が低減する可能性がある。
上述したような従来の車両用表示装置は、自動運転時に先行車などの対象物に対処する際の注意を促す表示は可能であるものの、自動運転制御として適宜の対象物への対処を行う場合以外で乗員に注意を促すものではなかった。つまり、自動運転時又は運転支援時に、回避対応などを行っていない状態、すなわち単に走行している状態での乗員への注意喚起を行うものではなかった。
よって、本発明が解決しようとする課題は、自動運転時又は運転支援時において乗員による走行環境の理解を促進する視界制御装置を提供することである。
前記課題を解決するための手段として、本発明に係る視界制御装置は、車両状態、乗員状態、及び前記車両の周辺環境の少なくとも一つを検知する検知部を有し、前記検知部の検知結果に基づいた自動運転制御又は運転支援制御が可能な車両に設けられる視界制御装置において、乗員が着座可能なシートを上方移動及び前傾させるシート駆動部と、前記シート駆動部の駆動を制御する駆動制御部と、を備え、前記駆動制御部は、前記車両の前記自動運転制御又は前記運転支援制御が行われている状態で、前記シートを着座位置から上方移動及び前傾させる。
本発明に係る視界制御装置において、前記駆動制御部による前記シート駆動部の駆動制御は、前記検知部の検知結果に基づいて行われることが好ましい。
本発明に係る視界制御装置において、前記自動運転制御又は前記運転支援制御が行われている前記車両が、回避が必要となる危険因子が無い又は少ない状態である通常走行状態であるときに、前記駆動制御部による前記シートの上方移動及び前傾が行われることが好ましい。
本発明に係る視界制御装置において、前記自動運転制御又は前記運転支援制御が行われている前記車両が、回避が必要となる危険因子が検知されたとき、又は前記危険因子に対応する制御が行われているときに、前記駆動制御部による前記シートの上方移動及び前傾が行われることが好ましい。
本発明に係る視界制御装置において、前記駆動制御部による前記シート駆動部の駆動制御は、所定の時間しきい値に基づいて行われることが好ましい。
本発明に係る視界制御装置において、前記検知部の検知結果の変化が大きい場合に、前記シートの静置と移動との間隔が短くなるように、前記時間しきい値は小さく変更されることが好ましい。
本発明に係る視界制御装置において、前記検知部の検知結果の変化が大きい場合に、前記シートの静置と移動との間隔が長くなるように、前記時間しきい値は大きく変更されることが好ましい。
本発明に係る視界制御装置において、前記駆動制御部は、前記検知部の検知結果に応じて、前記シート駆動部の駆動を複数段階に分けて制御することが好ましい。
本発明によると、自動運転状態又は運転支援状態であるときに、乗員が着座するシートを上方移動及び前傾させることで、乗員の視界に変化を生じさせて、フロントウィンドウを介した前方監視を促す。これにより、乗員による周辺監視への集中力が低下し得る状況である車両の自動運転状態又は運転支援状態において、乗員の走行環境の理解を促進可能な視界制御装置を提供することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る視界制御装置を示すブロック図である。 図2(a)及び(b)は、図1に示した視界制御装置によるシートの移動形態を示す概略図である。 図3は、図1に示した視界制御装置を用いてシート駆動部の駆動を行う際の制御フローについて示すフローチャート図である。 図4は、図1に示した視界制御装置を用いて乗員の視界を変化させる際に、シート駆動部の駆動のための時間しきい値を変更して成る制御フローについて示すフローチャート図である。 図5は、図1に示した視界制御装置を用いて乗員の視界を変化させる際に、シート駆動部の駆動のための時間しきい値を変更して成る制御フローについて示すフローチャート図である。 図6は、図1に示した視界制御装置を用いて乗員の視界を変化させる際に、シート駆動部の駆動のための時間しきい値を変更して成る制御フローについて示すフローチャート図である。 図7は、図1に示した視界制御装置を用いてシート駆動部の駆動を行う際に、シート駆動部の駆動状態を複数段階に分けて成る制御フローについて示すフローチャート図である。
(基本実施形態の概要)
本発明に係る視界制御装置の一実施形態について、図1~図3を参照しつつ説明する。
なお、図1は、本発明の一実施形態に係る視界制御装置1を示すブロック図である。また、図2は、図1に示した視界制御装置1によるシートの移動形態を示す概略図である。図3は、図1に示した視界制御装置1を用いてシート駆動部11の駆動を行う際の制御フローについて示すフローチャート図である。
図1に示すように、視界制御装置1は、シート駆動部11と駆動制御部12とを備える。また、視界制御装置1が設けられる車両は、図1に示すように、検知部2、運転制御部3、及び記憶部4を備える。本実施形態においては、検知部2、運転制御部3及び記憶部4がそれぞれ有する情報を駆動制御部12に対して出力可能になっている。
視界制御装置1のシート駆動部11によるシートの駆動形態については、図2を参照しつつ後述する。
検知部2は、車内外の状況、状態、環境などを検知する部材であり、車両状態、乗員状態及び車両の周辺環境の少なくとも一つを検知する。車両状態に係る検知対象としては、車両の前後左右方向に作用する加速度、ピッチモーメント、ヨーモーメントなどを挙げることができる。乗員状態に係る検知対象としては、乗員の体格、乗員の視線の方向及び高さ、覚醒レベルなどを挙げることができる。車両の周辺環境に係る検知対象としては、天候、道路の延在方向、路面状態、各種標識、各種標示、周辺の車両状態などを挙げることができる。
検知部2としては、具体的には各種センサ、カメラなどを用いることができ、周辺環境の検知には通信装置を介して外部から情報を取り込むこともできる。
運転制御部3は、車両の加減速及び操舵の主導権の全部又は大部分を車両側で保持することで、車両の自動運転制御及び高度運転支援制御を行う。基本的には、運転制御部3による自動運転制御及び高度運転支援制御は上記主導権の保持度合いに応じて複数のレベルに分けられ、周辺環境などに応じて運転制御部3が制御レベルを変更することになる。本実施形態では運転制御部3は経時的に変化し続ける周辺環境に応じた走行シナリオを構築及び更新し、走行シナリオを記憶部4に記憶させておく。なお、走行シナリオの構築のための周辺環境に係る情報は、上記検知部2により検知した情報を用いることができる。
運転制御部3としては、通常の自動運転車両又は運転支援車両で用いられる制御用演算処理装置などを用いることができる。
記憶部4は、自動運転走行時の走行シナリオ、ナビ情報などを記憶する。本実施形態における記憶部4は、少なくとも後述の駆動制御部12によるシート駆動部11の駆動制御に必要な情報を記憶するものであり、上記走行シナリオ及びナビ情報などに関わる全ての情報を記憶しなくとも良い。
記憶部4としては、通常の車両の演算処理装置に設けられる記憶装置などを用いることができる。
シート駆動部11は、乗員が着座可能なシートを移動させる部材である。また、駆動制御部12は、シート駆動部11の駆動を制御する。駆動制御部12はシート駆動部11に対して駆動に係る信号を出力可能となっている。本実施形態における駆動制御部12は、シート駆動部11の駆動制御で用いる時間しきい値(第1時間しきい値)が予め設定されている。時間しきい値は、例えば運転を行わずに着座しているだけの乗員が周辺監視に対する集中力を持続可能な時間などに基づいて適宜に設定することができる。
ここで、図2を参照しつつ、シート駆動部11の具体的なシートの移動形態について説明する。図2は、車室内に設置されるシートSを側方から見た状態を模式的に示している。なお、本形態では、車両内に複数配置されるシートSの内、乗員が着座しているシートSのシート駆動部11のみが駆動することとし、乗員が着座していない空席状態のシートSのシート駆動部11は駆動しない。これは、シートSに設けられる感圧センサ、又は車内の乗員監視用カメラなどで乗員の着座の有無を判別することでシート駆動部11の駆動の仕分けが可能となる。
図2(a)に示すシートSはシート駆動部11によって上方移動している状態であり、図2(b)に示すシートSはシート駆動部11によって上方移動後に前傾している状態である。図2(a)ではシートSの初期位置、つまり乗員が着座のために設定した又は予め設定されていた位置(着座位置)を一点鎖線で示し、図2(b)ではシートSの初期位置を破線で示すと共に、図2(a)に示した上方移動完了時の位置を一点鎖線で示している。シートSの上方移動量及び前傾角度は、乗員が車室内に配置される内装部材又は操作部材などに干渉しない限り適宜に設定することができる。本実施形態においてはシートSの前傾は、乗員が前方にずり落ちにくいように、シートバックの角度は初期状態から維持しつつ座面のみが前傾する形態を採っている。もっとも、本発明においてはシートバック及び座面が一体となって前傾することとしても良い。
図2(a)に一点鎖線で示したシート駆動部11の駆動前には、シートSは初期位置に配置されるので、乗員はフロントウィンドウを介した通常通りの前方視界を確保することができる。これに対して、図2(b)に実線で示したシートSは移動が完了している状態であり、シートSが初期位置から上方移動及び前傾を経ることによって、乗員の前方視界は初期位置に比べると路面を見下ろすように変化し、車両前部のボンネットフード近傍の手前側の視界が広がる。
上記運転制御部3によって車両の自動運転制御又は高度運転支援制御が行われている状態で、例えば自動車専用道路などを走行している場合、車両が高速度帯で走行することが多くなる。通常、乗員が手動運転をしている場合、高速度帯での走行時には低速度帯での走行時に比べて車両から離れた前方領域を主に監視することになる。自動運転制御時又は運転支援制御時であっても同様に、車両から離れた領域において乗員による周辺環境の監視が必要となる。つまり、自動車専用道路などでの車両近傍の手前側の路面は、乗員による監視に対する意識が低下しても問題無いことが多い。
自動運転制御及び運転支援制御には、先行車及び障害物などの様々な対象物に起因する危険因子を回避するための対応制御と、回避が必要となる危険因子が無い又は少ないことで対応制御が不要な場合に通常に走行するための運転制御である通常走行制御とが含まれる。本実施形態に係る視界制御装置1は、自動運転制御及び運転支援制御における通常走行制御が行われている状態、つまり通常走行状態で用いられる。なお、危険因子は、検知部2が検知する様々な対象物において、自車両を回避させなければ安全な走行を維持することができないと判断されるものである。
次に、図1に示した部材を用いてシートの移動を行う際の制御フローについて、フローチャート図として示した図3を参照しつつ説明する。
先ず、運転制御部3から駆動制御部12に出力される車両の制御状態に係る信号に基づいて、自動運転制御又は運転支援制御の有無を駆動制御部12が判別する(ステップS1)。本工程では、運転制御部3から車両の自動運転制御状態又は運転支援制御状態に係る信号が駆動制御部12に入力された場合に、次工程に移る(ステップS1のYES)。この信号が入力されない場合、又は、非自動運転制御状態若しくは非運転支援制御状態に係る信号が入力された場合は、本制御フローは完了する(ステップS1のNO)。
次いで、運転制御部3による車両の自動運転制御又は運転支援制御が行われ、かつ通常走行制御状態であるか否かを駆動制御部12が判別する(ステップS2)。本工程では、運転制御部3から車両が自動運転制御状態又は運転支援制御状態で、かつ車両の通常走行制御状態に係る信号が駆動制御部12に入力された場合に、次工程に移る(ステップS2のYES)。この信号が入力されない場合、又は、上記対応制御に係る信号が入力された場合は、本制御フローは完了する(ステップS2のNO)。
続いて、駆動制御部12は、予め設定されて成る時間しきい値を車両の通常走行制御状態での走行時間が超えているか否かを判別する(ステップS3)。本工程では、前工程(ステップS2)における通常走行制御開始から起算した車両の通常走行制御時間が、所定の時間しきい値を超えている場合は、次工程に移る(ステップS3のYES)。車両の通常走行制御時間が、所定の時間しきい値を超えていない場合は、超えるまで車両の通常走行制御を維持して、車両の自動運転制御又は高度運転支援制御を続ける(ステップS3のNO)。
時間しきい値を超えて通常走行制御が行われている車両は(ステップS3のYES)、駆動制御部12がシート駆動部11に対して駆動信号を出力して駆動させる(ステップS4)。通常走行制御状態であれば、乗員の前方監視の意識が低下している又は車両から離れた領域に偏っている可能性が高い。本工程によって、図2に示したようにシート駆動部11がシートSを上方移動及び前傾させることによって、乗員が初期位置よりも路面を見下ろす姿勢となる。これにより、乗員の前方視界は、ボンネットフード近傍の手前側領域が視認し易くなると共に、乗員の姿勢の変化に伴って全体的な視界も変化する。
以上のように、自動運転制御又は運転支援制御が行われている車両が通常走行制御状態である場合に、駆動制御部12によって、所定の時間しきい値に基づいてシートSの位置を変更することで、通常走行時の視界から高い位置からの視界に切替えられる。
自動運転制御又は運転支援制御が行われている車両が通常走行制御状態である場合、乗員は運転の主導権が乗員に戻されるのに備えて、車両の運転は行っていないが目視による周辺監視を行うことを要求される。しかしながら、車両の運転を行っていないと、乗員の周辺監視の必要性が低下することに伴って、周辺監視に対する集中力が低下し易くなる。
乗員の周辺監視に対する集中力が低下し易い状況下で通常走行時の視界から高い位置からの視界に切替えることによって、乗員の視界に変化を生じさせる。仮に乗員が周辺監視に対する集中力が低下して注意散漫な状態となっていても、シート位置及び乗員の視線の高さの変化と視界の変化とによって、乗員の意識を車両前方に向けさせることができる。これにより、走行環境の変化が少ない通常走行制御状態であっても、乗員に対してフロントウィンドウを介した前方監視を促し、結果として乗員の走行環境の理解を促進することができる。また、自動車専用道路などで車両から離れた前方領域を監視することが多い乗員に対して、ボンネットフード近傍の手前側領域の監視にも意識を向けさせることで、乗員の走行環境の包括的な理解が促される。
更に、本実施形態では所定の時間毎に乗員の手前側である近い領域を乗員に見せることになる。乗員から遠くの領域に比べて近い領域では、乗員と目視可能な物体との相対動きが早くなる。乗員に対する相対動きが早いものを見せることで、乗員の意識を活性化させた状態にすることができる。このように、時間しきい値などの適宜の条件下で乗員に近い領域を見せるように視界を変化させることで、乗員の意識を周辺環境から完全に離れた状態になることを抑制又は防止することができる。
なお、上記実施形態では自動運転制御又は高度運転支援制御が行われている車両が通常走行状態であるときにシートSを移動及び前傾させていたが、本発明においては対応制御で回避などを行うべき所定の対象物が検知されたとき、又は対応制御が行われているときにシートを移動及び前傾させるようにしても良い。これにより、通常走行状態よりも周辺環境に意識を向けさせるべき状況下で乗員に周辺監視を促すことができるので好ましい。
適宜のセンサ又はカメラなどで先行車又は障害物などの対象物を前方に検知した場合、加減速及び操舵などによって、その対象物を回避するなどの対応制御が必要となる。緊急時に車両側から乗員側に運転の主導権を渡す可能性に鑑みれば、対象物が自車両に接近して対応制御が行われている状態になって初めて乗員に走行環境の理解を促したのでは、乗員による手動運転に切り替わったときに対象物への対応が遅れる可能性がある。よって、本発明に係る視界制御装置は、通常走行制御状態でシート駆動部の駆動を行って乗員の走行環境の理解を促すことで、対応制御が必要と成り得る状況に対して乗員を備えさせることもできる。
なお、対応制御が運転シナリオに組み込まれたとき、又は対応制御が開始されたときには、本発明に係る視界制御装置による制御に対して、シート駆動部11の駆動解除を強制させる制御を上書きして行うのが好ましい。具体的には、対応制御の必要性が生じたとき又は行われたときに、シート駆動部11の駆動を中止すると共に、シート駆動部11が駆動状態であれば駆動を解除し、駆動されていなければそれを維持することでシート及び乗員を強制的に初期位置に戻すようにするのが好ましい。これにより、乗員の前方の視界、視点が通常走行状態と同一になり、乗員が手動運転又は通常走行制御のために調整したシート位置(図2に示した初期位置)に戻るので、対応制御を行う必要の生じた走行環境を、乗員が違和感無く目視によって確認し易くなる。
なおこの場合、上述した回避すべき所定の対象物が検知されたとき又は対応制御が行われているときにシートを移動及び前傾させるという制御の後に、本形態の上書き制御を行うのが好ましい。これにより、乗員による周辺監視への集中力を取り戻させた上で、違和感の無い視認が可能となる。
本実施形態では、図3に示したように自動運転制御又は高度運転支援制御の有無と通常走行制御の有無とをステップS1及びS2に分けて判別しているが、本発明においては乗員の集中力が低下し得る状況が判別可能である限り、1工程で判別を完了させても良い。
図3に示した制御フローに沿って制御が行われた結果、シート駆動部11の駆動が行われて乗員の視界を変化させた後、シートSの位置を初期位置に戻して図3に示した制御フローを再度実行するまでの時間は、上記ステップS3で用いた時間しきい値を用いても良く、別の繰返し制御用時間しきい値などを適宜に設定しても良い。
シート駆動部11の駆動のための時間しきい値は、上記実施形態では駆動制御部12に予め設定されていたが、記憶部4に記憶させておいても良い。この場合、車両が運転制御部3による通常走行制御状態であることを駆動制御部12が判別したことをトリガーとして、記憶部4から駆動制御部12に対して時間しきい値が出力されることになる。
本発明においては、上記時間しきい値を可変に設定することもできる。時間しきい値を固定すると、シート駆動部の駆動によるシートの移動が一定間隔で行われるので、乗員が視界の一定間隔での変化に慣れて周辺環境の監視に対する集中力が再度低下することも考えられる。これに鑑みて、時間しきい値が所定の幅を以て設定され、上記ステップS3のように車両の通常走行制御時間と時間しきい値とを比較する際に任意の値を採るようにしても良い。
また、本発明においては、上記検知部などで検知し得る情報である、車両状態及び車両の周辺環境などの情報に基づいて、予め設定されていた時間しきい値を適宜に変更することもできる。時間しきい値の変更形態を、図4~6を参照しつつ以下に説明する。
続いて示す図4~6は、図1に示した視界制御装置1を用いて乗員の視界を変化させる際に、シート駆動部11の駆動のための時間しきい値を変更して成る制御フローについて示すフローチャート図である。
まず図4に示す制御フローでは、車両状態に基づいて時間しきい値が可変となっている。
図4に示すように、自動運転制御又は高度運転支援制御が行われ、かつ通常運転制御状態であるか否かを駆動制御部12が判別する工程(ステップS1及びステップS2)は、図3に示した制御フローと同様である。通常走行制御状態で、車両挙動が所定量以上変化しているか否かを駆動制御部12が判別する(ステップS5)。本工程では、検知部2が検知する車両挙動に関する情報に基づいて適宜の演算装置によって経時的な変化率を導出し、この車両挙動の変化率が、例えば駆動制御部12に予め設定される所定の第1しきい値を超えている場合は、次工程に移る(ステップS5のYES)。
なお、車両挙動の変化率が所定の第1しきい値を超えていない場合は、上述した通常走行制御時間と所定の時間しきい値との比較工程(ステップS5のNO及びステップS3)と、シート駆動部11の駆動工程(ステップS4)とを図3に示した制御フローと同様に行うことで、シートSを移動させて乗員の視界を変化させる。
ここで、車両挙動の変化率としては、例えば車両の挙動に関わる車両状態のパラメータの変化率、更に具体的には車両前後左右方向に作用する加速度、ピッチモーメント、ヨーモーメントなどの大きさを検知部2で検知し、その検知結果の経時的な変化率を導出することで得られるものを挙げることができる。
この導出される車両挙動の変化率と比較を行うための車両挙動の変化率に関するしきい値(第1しきい値)は、例えばどのような車両挙動パラメータがどの程度変化した場合に、乗員に対して周辺監視をより一層促した方が良いかというデータを予め蓄積、分析しておくことで適宜に設定することができる。第1しきい値は、検知する車両挙動に関する情報の種類に応じて、1種又は複数種設定しておけば良い。
続いて、車両挙動の変化率が第1しきい値を超えている場合は、時間しきい値を変更して第2時間しきい値を用いることとする(ステップS61)。なお、第2時間しきい値は、検知される車両挙動に係るパラメータの種類に応じて、変更前の時間しきい値より大きく設定されても良く、小さく設定されても良い。
次に、駆動制御部12は、第2時間しきい値を通常走行制御時間が超えているか否かを判別する(ステップS31)。本工程では、車両の通常走行制御時間が、時間しきい値から変更後の第2時間しきい値を超えている場合は、次工程に移る(ステップS31のYES)。車両の通常走行制御時間が第2時間しきい値を超えていない場合は、超えるまで通常走行制御状態を維持する(ステップS31のNO)。
第2時間しきい値を超えて車両の通常走行制御が行われている場合(ステップS31のYES)、駆動制御部12はシート駆動部11の駆動制御を行う(ステップS4)。シート駆動部11が駆動することで、シートSは初期位置から上方移動及び前傾を経て図2(b)に実線で示した位置に移動し、乗員の視界が変化する。
以上のように、自動運転制御又は運転支援制御が行われている車両が通常走行制御状態である場合に、車両挙動に応じて、駆動制御部12は、所定の時間しきい値又は第2時間しきい値に基づいたシート駆動部11の駆動制御を行うことができる。
続いて図5に示す制御フローでは、周辺環境に基づいて時間しきい値が可変となっている。
図5に示すように、自動運転制御又は高度運転支援制御が行われ、かつ通常運転制御状態であるか否かを駆動制御部12が判別する工程(ステップS1及びステップS2)は、図3に示した制御フローと同様である。通常走行制御状態で、周辺環境が所定量以上変化しているか否かを駆動制御部12が判別する(ステップS7)。本工程では、検知部2が検知する又は記憶部4が記憶する周辺環境に関する情報に基づいて適宜の演算装置によって変化率を導出し、この周辺環境の変化率が、例えば駆動制御部12に予め設定される所定の第2しきい値を超えている場合は、次工程に移る(ステップS7のYES)。
なお、周辺環境の変化率が所定の第2しきい値を超えていない場合は、上述した通常走行制御時間と所定の時間しきい値との比較工程(ステップS7のNO及びステップS3)と、シート駆動部11の駆動工程(ステップS4)とを、図3に示した制御フローと同様に行うことで、シートSを移動させて乗員の視界を変化させる。
ここで、周辺環境の変化率としては、例えば車両の周辺環境に関わる情報、パラメータの変化率などである。更に具体的には、検知部2で検知される天候、道路の延在方向、路面状態、各種標識、各種標示、周辺の車両状態などの情報、記憶部4で記憶されるナビ情報などを数値化して、その経時的な変化率、又は一定区関内での発生頻度の変化率を導出することで得られるものを挙げることができる。
この周辺環境の変化率と比較を行うための、周辺環境の変化率に関するしきい値(第2しきい値)は、例えばどのような周辺環境パラメータがどの程度変化した場合に、乗員に対して周辺監視をより一層促した方が良いかというデータを予め蓄積、分析しておくことで、適宜に設定することができる。一例として、検知部2による検知結果又は記憶部4のナビ情報などに基づいて制限速度の変化、分岐、合流、カーブなどが多い道路を自車両が走行すると分かった場合、このような道路は周辺環境の変化が多いと判断する。例えば分岐などの発生頻度が高くなる区間(周辺環境の変化率が大きくなる区間)には、周辺監視を高い頻度で促すという形態を採ることもできる。第2しきい値は、検知又は記憶する周辺環境に関する情報の種類に応じて、1種又は複数種を駆動制御部12に設定しておけば良い。
続いて、周辺環境の変化率が第2しきい値を超えている場合(ステップS7のYES)は、時間しきい値を変更して第3時間しきい値を用いることとする(ステップS62)。なお、第3時間しきい値は、検知又は記憶される周辺環境に係るパラメータの種類に応じて、変更前の時間しきい値より大きく設定されても良く、小さく設定されても良い。
次に、駆動制御部12は、第3時間しきい値を通常走行制御時間が超えているか否かを判別する(ステップS32)。本工程では、車両の通常走行制御時間が、時間しきい値から変更後の第3時間しきい値を超えている場合は、次工程に移る(ステップS32のYES)。車両の通常走行制御時間が第3時間しきい値を超えていない場合は、超えるまで通常走行制御状態を維持する(ステップS32のNO)。
第3時間しきい値を超えて通常走行制御が行われている場合(ステップS32のYES)、駆動制御部12はシート駆動部11の駆動制御を行う(ステップS4)。シート駆動部11が駆動することで、シートSは初期位置から図2(b)に実線で示した位置に移動し、乗員の視界が変化する。
以上のように、自動運転制御又は運転支援制御が行われている車両が通常走行制御状態である場合に、周辺環境に応じて、駆動制御部12は、所定の時間しきい値又は第3時間しきい値に基づいたシート駆動部11の駆動制御を行うことができる。
図4に示した実施形態では車両挙動変化率が第1しきい値を超えている場合、図5に示した実施形態では周辺環境変化率が第2しきい値を超えている場合に、時間しきい値を変更していたが、逆に各変化率が各しきい値より小さい場合に、時間しきい値を変更するようにしても良い。車両の種類、性能、特性、走行環境などによって、乗員に対して周辺監視を促すことの重要性、必要性などが変化する可能性があるので、様々な状況を想定して予め各変化率と各しきい値と時間しきい値との相関を設定しておくのが好ましい。
続いて図6に示す制御フローでは、運転制御部3による自動運転制御及び高度運転支援制御による運転の主導権の保持度合いに応じた制御レベル(以下、「運転制御レベル」と称する)に基づいて時間しきい値が可変となっている。
図6に示すように、自動運転制御又は高度運転支援制御が行われ、かつ通常運転制御状態であるか否かを駆動制御部12が判別する工程(ステップS1及びステップS2)は、図3に示した制御フローと同様である。通常走行制御状態で、運転制御レベルが変化しているか否かを駆動制御部12が判別する(ステップS8)。本工程では、運転制御部3による運転制御レベルが変化した場合は、次工程に移る(ステップS8のYES)。
なお、運転制御レベルが変化していない場合は、上述した通常走行制御時間と所定の時間しきい値との比較工程(ステップS8のNO及びステップS3)と、シート駆動部11の駆動工程(ステップS4)とを、図3に示した制御フローと同様に行うことで、シートSを移動させて乗員の視界を変化させる。
ここで、運転制御レベルとしては、例えばNHTSAなどが採用しているSAE J3016(2016)において定義された自動運転レベルを用いることができる。なお、SAE J3016によるといわゆる自動運転と呼ばれるのはSAEレベル3~5である。
続いて、運転制御レベルが変化した場合(ステップS8のYES)は、時間しきい値を変更して第4時間しきい値を用いることとする(ステップS63)。なお、第4時間しきい値としては、SAEレベル3~5の各運転制御レベルに対応する時間しきい値を設定しておくことができる。また、第4時間しきい値は、例えば運転制御レベルが上がった場合、逆に下がった場合のそれぞれにおいて、乗員に対して周辺監視をどの程度促した方が良いかというデータを予め蓄積、分析しておくことで、適宜に設定することもできる。
次に、駆動制御部12は、第4時間しきい値を通常走行制御時間が超えているか否かを判別する(ステップS33)。本工程では、車両の通常走行制御時間が、時間しきい値から変更後の第4時間しきい値を超えている場合は、次工程に移る(ステップS33のYES)。通常走行制御時間が第4時間しきい値を超えていない場合は、超えるまで通常走行制御状態を維持する(ステップS33のNO)。
第4時間しきい値を超えて通常走行制御が行われている場合(ステップS33のYES)、駆動制御部12はシート駆動部11の駆動制御を行う(ステップS4)。シート駆動部11が駆動することで、シートSは初期位置から図2(b)に実線で示した位置に移動し、乗員の視界が変化する。
以上のように、自動運転制御又は運転支援制御が行われている車両が通常走行制御状態である場合に、運転制御レベルに応じて、駆動制御部12は、所定の時間しきい値又は第4時間しきい値に基づいたシート駆動部11の駆動制御を行うことができる。
図6に示す制御フローでは、運転制御部3による車両の運転制御レベルがSAEレベル3~5であったものがSAEレベル0~2に変化した場合は乗員による周辺監視が必須となるので、シート駆動部11が駆動してシートSが移動していても強制的に駆動解除を行って初期位置に戻す上書き制御を行うこともできる。これにより、乗員の前方の視界、視点が乗車時又は手動運転時と同じものに戻るので、乗員に運転の主導権の大部分又は前部が移されたとしても、乗員が走行環境を迅速にかつ違和感無く目視によって確認可能となる。
続いて示す図7は、図1に示した視界制御装置1を用いてシート駆動部11の駆動を行う際に、シート駆動部11の駆動状態を複数段階に分けて成る制御フローについて示すフローチャート図である。図7に示す制御フローでは、乗員状態に基づいてシート駆動部11の駆動状態が複数段階に分けられている。
図7に示すように、自動運転制御又は高度運転支援制御が行われ、かつ通常運転制御状態であるか否かを駆動制御部12が判別する工程(ステップS1及びステップS2)と、通常走行制御時間が所定の時間しきい値を超えているか否かを駆動制御部12が判別する工程(ステップS3)とは、図3に示した制御フローと同様である。
次いで、車両の通常走行制御状態で、乗員の生体レベルが所定レベルより低いか否かを駆動制御部12が判別する(ステップS8)。本工程では、検知部2が検知する乗員状態に関する情報に基づいて適宜の演算装置によって生体レベルを導出し、この生体レベルが、例えば駆動制御部12に予め設定される所定の第3しきい値より低い場合は、次工程に移る(ステップS8のYES)。
なお、乗員の生体レベルが所定の第3しきい値より高い場合(ステップS8のNO)は、上述したシート駆動部11の駆動工程(ステップS4)を、図3に示した制御フローと同様に行うことで、シートSを移動させて乗員の視界を変化させる。この場合、通常通りのシート駆動部11の駆動制御を行っただけであるので、図7に示す制御フローは完了状態とする。
ここで、上記生体レベルとしては、例えば乗員の周辺監視に対する集中力の低下に関連し得る情報、パラメータの高さなどである。更に具体的には、車内カメラなどの検知部2で検知される乗員の眠気などに関連する覚醒情報、乗員のフロントウィンドウ側に視線を向ける頻度の情報などを数値化して適宜にレベルとして導出することで得られるものを挙げることができる。
この生体レベルと比較を行うための、生体レベルに関するしきい値(第3しきい値)は、例えば乗員がどのような状態であれば周辺監視に対する集中力がどの程度低下し、乗員に対して周辺監視をより一層促した方が良いかというデータを予め蓄積、分析しておくことで、適宜に設定することができる。
続いて、乗員の生体レベルが第3しきい値より低い場合(ステップS8のYES)は、シート駆動部11によりシートSを移動完了位置の途中まで移動させる(ステップS41)。なお、本実施形態ではシート駆動部11の駆動制御が2段階に分けて行われることができるようになっている。本工程は、シート駆動部11の第一段階の駆動制御を行う工程である。第一段階の駆動制御形態としては、図2(b)に実線で示したシートSの移動完了位置の途中位置までシートSを移動させる。この第一段階の駆動制御では、乗員が視界に変化を生じたと把握できる程度にシートSが移動すれば良く、例えば図2(a)及び(b)に示したシートSの上方移動及び前傾のいずれかを行うだけでも良く、初期位置から図2(b)に示す移動完了位置までの総移動量の半分程度の上方移動及び前傾を行うことにしても良い。
次に、乗員の生体レベルが所定レベルより高いか否かを駆動制御部12が判別する(ステップS9)。本工程では、シート駆動部11の第一段階の駆動制御が行われたときに、乗員の生体レベルが、上記第3しきい値より高い場合は、次工程に移る(ステップS9のYES)。
なお、シート駆動部11の第一段階の駆動制御がなされた状態で乗員の生体レベルが所定の第3しきい値より低い場合(ステップS9のNO)は、シート駆動部11の駆動を解除する(ステップS10)ことによって、乗員を通常通りの視界となるようにシートSを初期位置まで戻す。本工程(ステップS9)において、前工程(ステップS41)のシート駆動部11の第一段階の駆動を行っても乗員の生体レベルが変化しない又はより低くなって、第3しきい値より低いままであれば(ステップS9のNO)、乗員がシート駆動部11によるシートSの動きに気付いていない可能性が高い。これでは、シート駆動部11によりシートSを移動完了位置まで移動させたところで、シートSの移動完了及び視界の変化にも乗員が気付かない可能性が生じる。これに鑑みて、乗員の生体レベルが所定の第3しきい値より低いままである場合(ステップS9のNO)は、シート駆動部11の駆動をやり直すために一旦駆動解除を行う(ステップS10)。
次に、シート駆動部11の第一段階の駆動制御がなされた状態で乗員の生体レベルが所定の第3しきい値より高い場合(ステップS9のYES)は、駆動制御部12によってシート駆動部11の第二段階の駆動制御が行われる(ステップS42)。本工程では、第一段階の駆動制御工程(ステップS41)によって途中まで移動していたシートSが、移動完了位置まで移動することとなる。シート駆動部11の第二段階の駆動制御がなされることで、シートSは図2(b)に実線で示した位置に移動し、乗員の視界変化が完了する。
以上のように、自動運転制御又は運転支援制御が行われている車両が通常走行制御状態である場合に、乗員の生体レベルに応じて、駆動制御部12は、シート駆動部11によるシートSの移動量を調整と完了位置までの移動とを行うことができる。図7に示した制御形態では、シート駆動部11の第一段階の駆動の前後における乗員の生体レベルを検知することで、乗員状態に合わせた細やかなシート駆動部11の駆動制御が可能となる。
本発明は、図示した実施形態以外にも様々な変形例が採用可能である。
図4~6に示したいずれの実施形態においても、時間しきい値の変更は駆動制御部12が行っても良く、既存の車載用CPUなどが適宜に行っても良い。
図4~5に示したいずれの実施形態においても、車両挙動、又は周辺環境の変化率が第1しきい値又は第2しきい値より大きい場合、例えば車両挙動が頻繁に変化する場合又はカーブなどが多い領域を走行している場合などは、乗員が着座している初期位置にシートを維持する静置とシート駆動部を駆動させるシートの移動との間隔が長くなるように時間しきい値を大きく変更することができる。これにより、車両又は周辺環境に変化が多くなったときに、乗員に周辺環境を見させる頻度をあえて落とし、かつ可能な限り車両側で対処することで、乗員を視覚上の変化に晒さずに、車両が安定して対処を行っていることを理解させて乗員の安心感の向上に寄与することができる。もちろん頻度は落とすが、シート駆動部の駆動によって乗員の視界に変化を生じさせることで、乗員による周辺監視に対する集中力の低下を抑制又は防止することも可能である。
また、車両挙動、又は周辺環境の変化率が第1しきい値又は第2しきい値より大きい場合、シートの静置と移動との間隔が短くなるように時間しきい値が小さく変更することもできる。これにより、車両又は周辺環境に変化が多くなったときに、乗員に周辺環境を見させる頻度を増やすことで、変化の多い周辺環境を乗員が集中力を維持しつつ監視を続けることができる。よって、乗員の周辺環境に対する理解がリアルタイムに近い状態で更新されるので、乗員の安心感の向上に寄与することができる。
一方で、車両挙動、又は周辺環境の変化率が第1しきい値又は第2しきい値などより小さい場合、シートの静置と移動との間隔が長くなるように時間しきい値が大きく変更されても良く、逆にシートの静置と移動との間隔が短くなるように小さく変更されても良い。これにより、上述の変形例とは逆に、周辺環境などの変化が少ないとき、つまり乗員による周辺監視に対する集中力が低下し易い状況下で、あえて視界の変化の頻度をあえて低くすることで車両の安定的な制御を体感させて乗員に安心感を与えることもでき、また視界の変化の頻度を高くすることで集中力の維持を図ることもできる。
車両挙動又は周辺環境の変化に応じて時間しきい値をどのように変更するかは、適宜に設定可能である。例えば車両挙動、又は周辺環境の変化率が大きくなった場合、小さくなった場合の、車両側の運転シナリオにどのような影響又はどの程度の影響が生じるかを導出することで、時間しきい値を大小のいずれに変更すれば良いかを決定可能となる。
図示した実施形態では駆動制御部12に時間しきい値が設定されていたが、本発明においては時間しきい値を設定することなく、例えば図7を参照しつつ説明したような運転制御レベルとシートの静置及び移動とを直接関連付けて制御を行うようにしても良い。
つまり、シートの移動制御のトリガーを、上述したように時間しきい値としても良く、運転制御レベルとしても良く、その他の車両状態又は車両挙動のパラメータとしても良い。
以上、本発明者によってなされた発明を適用した実施形態について説明したが、この実施形態による本発明の開示の一部をなす論述及び図面により、本発明は限定されることはない。すなわち、この実施形態に基づいて当業者などによりなされる他の実施形態、実施例及び運用技術などは全て本発明の範疇に含まれることは勿論であることを付け加えておく。
1:視界制御装置、11:シート駆動部、12:駆動制御部、2:検知部、3:運転制御部、4:記憶部、S:シート

Claims (7)

  1. 車両状態、乗員状態、及び前記車両の周辺環境の少なくとも一つを検知する検知部を有し、前記検知部の検知結果に基づいた自動運転制御又は運転支援制御が可能な車両に設けられる視界制御装置において、
    乗員が着座可能なシートを上方移動及び前傾させるシート駆動部と、
    前記シート駆動部の駆動を制御する駆動制御部と、を備え、
    前記駆動制御部は、前記車両の前記自動運転制御又は前記運転支援制御が行われている状態で、前記車両の走行時間が所定の時間しきい値を超えている場合に、前記シート駆動部を駆動させて前記シートを着座位置から上方移動及び前傾させる、
    視界制御装置。
  2. 前記駆動制御部による前記シート駆動部の駆動制御は、前記検知部の検知結果に基づいて行われる、
    請求項1に記載の視界制御装置。
  3. 前記自動運転制御又は前記運転支援制御が行われている前記車両が、回避が必要となる危険因子が無い又は少ない状態である通常走行状態であるときに、前記駆動制御部による前記シートの上方移動及び前傾が行われる、
    請求項1又は2に記載の視界制御装置。
  4. 前記自動運転制御又は前記運転支援制御が行われている前記車両が、回避が必要となる危険因子が検知されたとき、又は前記危険因子に対応する制御が行われているときに、前記駆動制御部による前記シートの上方移動及び前傾が行われる、
    請求項1~3のいずれかに記載の視界制御装置。
  5. 前記検知部は、前記車両状態として車両挙動に関する情報を検知し、
    前記駆動制御部は、前記車両挙動の経時的な変化率に応じて前記時間しきい値を変更することにより、前記シート駆動部による前記シートの静置と動との時間間隔を変更させる
    請求項1~4のいずれかに記載の視界制御装置。
  6. 前記検知部は、前記車両の周辺環境に関する情報を検知し、
    前記駆動制御部は、前記周辺環境の経時的な変化率に応じて前記時間しきい値を変更することにより、前記シート駆動部による前記シートの静置と動との時間間隔を変更させる
    請求項1~のいずれかに記載の視界制御装置。
  7. 前記駆動制御部は、前記自動運転制御又は前記運転支援制御による主導権の保持度合に応じた制御レベルを判別し、
    前記制御レベルの変化に応じて前記時間しきい値を変更することにより、前記シート駆動部による前記シートの静置と駆動との時間間隔を変更させる、
    請求項1~6のいずれかに記載の視界制御装置。
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