JP7049771B2 - 発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造方法 - Google Patents

発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造方法に関する。
発泡性熱可塑性樹脂粒子を用いた型内発泡成形体は、凸凹等の複雑な形状を有する形状にも適応可能であるため、各種容器、緩衝材、建材等の幅広い用途で使用されている。
発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造方法としては、モノマー成分を水性媒体中に懸濁させ重合して樹脂粒子を形成後、発泡剤を含浸させて発泡性熱可塑性樹脂粒子を得る懸濁重合法と、押出機を使用して熱可塑性樹脂を溶融混練後、粒子状に切断する溶融混練法などが挙げられる。中でも、押出機で熱可塑性樹脂組成物を溶融し、熱可塑性樹脂組成物の溶融物に発泡剤を圧入混練し、小孔を有するダイスを通じて加圧循環水中に押出し、押出と同時に回転カッターにより切断するとともに、加圧循環水により冷却固化する方法(溶融押出法)は、良好な発泡性粒子を容易に製造することができるため、各種発泡性樹脂粒子の製法に採用されている。
しかし、溶融押出法では、発泡剤を含有する溶融樹脂をダイスから押出すと同時に回転カッターで切断して造粒する際、水圧、水温、および、溶融樹脂温度の調整が不良であると、歪みや凹みといった形状欠陥を有する発泡性樹脂粒子が生じることがある。また、ダイス先端面が加圧循環水と接触しているため、連続製造している間にダイス開口率が変わり、得られる発泡性樹脂粒子の粒重量にも影響してくる。製品として認められる粒重量の範囲は定められるため、粒重量が当該範囲を外れる発泡性樹脂粒子は規格外品として扱われる。。形状欠陥のある発泡性樹脂粒子や、粒重量が規定範囲外である発泡性樹脂粒子は型内発泡成形に使用されると、得られる型内発泡体の表面性が悪化したり、機械的強度が損なわれたりする。そのため、これらの発泡性樹脂粒子は型内成形用として使用できず、規格外品として廃棄処分せざるを得ない。このような規格外の発泡性樹脂粒子は形状や粒重量に欠陥があるものの、難燃剤や熱可塑性樹脂などの成分由来の物性が劣っているわけではないため、歩留まりの観点から廃棄処分にすることは望ましくない。
近年、環境保護の高まりから廃棄物樹脂のリサイクルが積極的に行なわれてる。例えば、特許文献1~2では、廃棄物の発泡成形体からスチレン系樹脂を回収し、溶融押出法にて発泡性粒子を再生し、再度発泡成形体の製造に使用することが開示されている。しかし、特許文献1~2は、発泡成形体から回収されたスチレン系樹脂をリサイクルするものであるが、製造過程で生じる規格外の発泡性樹脂粒子そのものを再利用するものではない。このような社会環境の観点からも、製造過程で生じる規格外の発泡性樹脂粒子も有効活用できる方法が望まれる。
特開2003-306571号公報 特開2004-115690号公報
本発明は、生産性のよい発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造方法を提供することを目的とする。
上記溶融混練法では、押出機に投入された熱可塑性樹脂を溶融混練する際、難燃剤等の分解・劣化を低減するため、溶融混練時における熱可塑性樹脂の温度上昇を抑制することが好ましい。そのため、熱可塑性樹脂に可塑剤を添加し、熱可塑性樹脂の溶融粘度を下げることが一般的に行なわれる。しかし、可塑剤等の添加剤が添加される場合、発泡性樹脂粒子の発泡特性や融着特性等のバランスを損なう傾向がある。そこで、本発明者らは発泡性樹脂粒子に含有される発泡剤の可塑化作用に着目し、製造過程で得られる発泡性樹脂粒子を可塑剤として押出機に再投入し、熱可塑性樹脂と一緒に溶融混練することにより、発泡剤圧入前段階における溶融混練時の溶融樹脂温度の上昇を効果的に抑制できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、熱可塑性樹脂を押出機に投入して溶融混練する溶融混練工程、上記熱可塑性樹脂に発泡剤が添加された溶融物を複数の小孔を有するダイから加圧冷却水中に押出し、上記押出し直後に、ダイから押出された前記溶融物を切断して粒子化する造粒工程を含む、発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造方法において、上記造粒工程で得られる発泡性熱可塑性樹脂粒子の一部を再溶融用発泡性熱可塑性樹脂粒子として選別し、上記再溶融用発泡性熱可塑性樹脂粒子を前記溶融混練工程における前記熱可塑性樹脂100重量部に対して1~30重量部の範囲内で混入し再溶融混練する工程を含むことを特徴とする、発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造方法に関する(以下、「本発明の発泡性樹脂粒子の製法」と称することがある。)。
本発明の発泡性樹脂粒子の製法において、上記再溶融用発泡性熱可塑性樹脂粒子が、形状欠陥のある発泡性熱可塑性樹脂粒子、および/または、粒重量が規定範囲から外れる発泡性熱可塑性樹脂粒子を含むことが好ましい。
本発明の発泡性樹脂粒子の製法において、上記発泡性熱可塑性樹脂粒子が発泡性ポリスチレン系樹脂粒子であることが好ましい。
本発明の発泡性樹脂粒子の製法において、上記再溶融用発泡性熱可塑性樹脂粒子が発泡剤を1~8重量%含有することが好ましい。
本発明の発泡性樹脂粒子の製法によれば、製造過程で得られる発泡性樹脂粒子を可塑剤として利用することで、可塑剤などの添加物を使用しなくても溶融混練工程における溶融樹脂温度の上昇を抑制できる。
本発明の発泡性樹脂粒子の製法によれば、製造過程で発生する発泡性熱可塑性樹脂粒子の規格外品を有効活用できるため、歩留まりが向上し経済的である。
本発明の発泡性樹脂粒子の製法は、熱可塑性樹脂を押出機に投入して溶融混練する溶融混練工程、上記熱可塑性樹脂に発泡剤が含有された溶融物を複数の小孔を有するダイから加圧冷却水中に押出し、押出し直後に、ダイから押出された前記溶融物を切断して粒子化する造粒工程を含む、発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造方法において、上記造粒工程で得られる発泡性熱可塑性樹脂粒子の一部を再溶融用発泡性熱可塑性樹脂粒子として選別し、上記再溶融用発泡性熱可塑性樹脂粒子を上記溶融混練工程における前記熱可塑性樹脂100重量部に対して1~30重量部の範囲内で混入して再溶融混練する工程を含むことを特徴とする。
前記造粒工程で得られる発泡性熱可塑性樹脂粒子の一部をそのまま、熱可塑性樹脂に混入させて再溶融混練させることにより、熱可塑性樹脂の樹脂温度を低く抑えながら溶融混練することができる。発泡性熱可塑性樹脂粒子に含有されている発泡剤によって、熱可塑性樹脂が可塑化され、発泡剤が圧入されるまでの溶融混練工程における溶融樹脂温度の上昇を抑えられる。そのため、溶融樹脂温度の上昇を抑えるために、可塑化剤等の添加剤をさらに添加する必要がない。また、難燃剤を含む場合には、難燃剤の熱分解を効果的に抑えることができるため、難燃性に優れた発泡性熱可塑性樹脂粒子を得ることができる。さらに、通常、規格外品として扱われる、歪や凹み等の形状欠陥がある発泡性熱可塑性樹脂粒子や、粒重量が規定範囲を外れる発泡性熱可塑性樹脂粒子を可塑剤として利用することで、歩留まり向上を図ることができる。
<溶融混練工程>
本発明の発泡性樹脂粒子の製法で使用される熱可塑性樹脂は、公知の熱可塑性樹脂を含有することができ、例えば、ポリスチレン(PS)、スチレン-アクリロニトリル共重合体(AS)、スチレン-(メタ)アクリル酸共重合体(耐熱PS)、スチレン-(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン-ブタジエン共重合体(HIPS)、N-フェニルマレイミド-スチレン-無水マレイン酸の三次元共重合体及び、それとASとのアロイ(IP)などのスチレン系樹脂;ポリメチルメタクリレート、ポリアクリロニトリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂などのビニル系樹脂;ポリプロピレン、ポリエチレン、エチレン-プロピレン共重合体、エチレン-プロピレン-ブテン3元共重合体、シクロオレフィン系(共)重合体などのポリオレフィン系樹脂及びこれらに分岐構造、架橋構造を導入してレオロジーコントロールされたポリオレフィン系樹脂;ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12、MXDナイロンなどのポリアミド系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアリレート、ポリカーボネートなどのポリエステル系樹脂、ポリ乳酸などの脂肪族ポリエステル系樹脂;ポリフェニレンエーテル系樹脂(PPE)、変性ポリフェニレンエーテル系樹脂(変性PPE)、ポリオキシメチレン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂、芳香族ポリエーテル系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂などのエンジニアリングプラスチックなどが挙げられる。これらは単独で使用しても良いし、2種以上を混合して使用しても良い。これらの中でも、安価で、且つ、発泡成形が容易であるので、スチレン系樹脂が好ましい。
本発明の発泡性樹脂粒子の製法において、熱可塑性樹脂には必要に応じて各種添加剤を添加することができる。例えば、難燃剤、熱安定剤、ラジカル発生剤、加工助剤、耐候性安定剤、造核剤、発泡助剤、帯電防止剤、輻射伝熱抑制剤、及び、着色剤等を挙げることができる。これらの添加剤は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
難燃剤としては、環境上の問題性が低く、難燃性付与効果が高い点から、臭素系難燃剤を使用することが好ましい。例えば、2,2-ビス[4-(2,3-ジブロモ-2-メチルプロポキシ)-3,5-ジブロモフェニル]プロパン(別名:テトラブロモビスフェノールA-ビス(2,3-ジブロモ-2-メチルプロピルエーテル))、又は2,2-ビス[4-(2,3-ジブロモプロポキシ)-3,5-ジブロモフェニル]プロパン(別名:テトラブロモビスフェノールA-ビス(2,3-ジブロモプロピルエーテル))等の臭素化ビスフェノール系化合物、臭素化スチレン・ブタジエンブロック共重合体、臭素化ランダムスチレン・ブタジエン共重合体、又は臭素化スチレン・ブタジエングラフト共重合体等の臭素化ブタジエン・ビニル芳香族炭化水素共重合体(例えば、特表2009-516019号公報に開示されている)等が挙げられる。臭素系難燃剤は熱分解しやすい問題点があるものの、本発明によれば、溶融樹脂温度の上昇を抑えながら熱可塑性樹脂およびその他成分を溶融混練することができるため、臭素系難燃剤の分解・劣化が抑制され、得られる発泡性熱可塑性樹脂粒子は良好な難燃性を奏することができる。
輻射伝熱抑制剤としては、発泡成形体中を伝わる伝熱機構のうち輻射伝熱を抑制することができる物質であって、同一の樹脂、発泡剤、セル構造、密度の発泡成形体において、輻射伝熱抑制剤を添加することによって、無添加系に比較して、熱伝導率を低くする効果を有する物質を使用できる。具体的には、近赤外または赤外領域(例えば、800~3000nm程度の波長域)の光を反射・散乱・吸収する特性を有する物質であればよく、例えば、アルミニウム、酸化アルミニウム等のアルミニウム系化合物、アルミン酸亜鉛等の亜鉛系化合物;ハイドロタルサイト等のマグネシウム系化合物;銀等の銀系化合物:チタン、酸化チタン、チタン酸ストロンチウム等のチタン系化合物;ステンレス、ニッケル、錫、銀、銅、ブロンズ、シラスバルーン、セラミックバルーン、マイクロバルーン、パールマイカ等の熱線反射剤や、カーボンブラック、グラファイト、グラフェン、活性炭などの炭素系化合物;硫酸バリウム、硫酸ストロンチウム、硫酸カルシウム、メルカライト、ハロトリ石、ミョウバン石、鉄ミョウバン石等の硫酸金属塩;三酸化アンチモン、酸化アンチモン、無水アンチモン酸亜鉛等のアンチモン系化合物;酸化錫、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化インジニウム錫、等の金属酸化物;アンモニウム系、尿素系、イモニウム系、アミニウム系、シアニン系、ポリメチン系、アントラキノン系、ジチオール系、銅イオン系、フェニレンジアミン系、フタロシアニン系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、シュウ酸アニリド系、シアノアクリレート系、ベンゾトリアゾール系等の熱線吸収剤が挙げられる。これら輻射伝熱抑制剤は、単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。熱伝導率低減効果とコストのバランスが優れる点から炭素系化合物が好ましく、グラファイト、グラフェン、活性炭、酸化チタンがより好ましい。比較的少量の含有量で熱伝導率低減効果が発揮される点から、グラファイト、グラフェンが特に好ましい。
本発明の発泡性樹脂粒子の製法における溶融混練工程は、熱可塑性樹脂を押出機で溶融混練する作業が含まれればよく、単独の押出機を使用してもよいし、押出機を複数連結して溶融混練してもよい。また、少なくとも一機の押出機とスタティックミキサーやスクリューを有さない攪拌機など混練装置とを併用して溶融混練されてもよい。
押出機としては、公知の押出機を使用することができ、例えば、単軸押出機や二軸押出機を使用することが可能できる。二軸押出機を使用する場合、スクリュー回転方向は同方向であってもよく異方向であってもよい。押出機を二機以上用いる場合は、押出機を直列に連結したタンデム型を採用することが好ましい。例えば、単軸押出機-単軸押出機、二軸押出機-単軸押出機の構成が挙げられ、発泡剤や添加剤の分散性が良好である点から、上流側に二軸押出機を採用した二軸押出機-単軸押出機の構成が好ましい。
本発明の発泡性樹脂粒子の製法においては、溶融した熱可塑性樹脂に発泡剤が圧入される。発泡剤としては、特に限定されないが、発泡性と製品ライフのバランスが良く、実際に使用する際に高倍率化しやすい観点から炭化水素系発泡剤が好ましく、中でも炭素数4~6の炭化水素がより好ましい。発泡剤の炭素数が4以上であると揮発性が低くなり、発泡性熱可塑性樹脂粒子から発泡剤が逸散しにくくなるため、実際に使用する際に発泡工程で発泡剤が十分に残り、十分な発泡力を得ることが可能となり、高倍率化が容易となるため好ましい。また、炭素数が6以下であると、発泡剤の沸点が高すぎないため、予備発泡時の加熱で十分な発泡力を得やすく、高発泡化が易しい傾向となる。炭素数4~6の炭化水素としては、例えばノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、シクロペンタン、ノルマルヘキサン、又はシクロヘキサン等の炭化水素が挙げられる。これらは1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。また、発泡剤は、炭素数4~5の炭化水素が好ましい。
発泡剤の添加量は、熱可塑性樹脂100重量部に対して4~10重量部であることが好ましく、4.5~9重量部がより好ましく、5~8重量部がさらに好ましい。上記添加量であれば、発泡速度と発泡力のバランスが良く、安定して高倍率化しやすい。添加量が4重量部以上では、発泡に必要な発泡力が十分であるため、高発泡化が容易となり、50倍以上の高発泡倍率の熱可塑性樹脂発泡成形体を製造し易い。また、添加量が10重量部以下であると、難燃性能が良好となると共に、発泡成形体を製造する際の製造時間(成形サイクル)が短くなるため、製造コストが低くできる。
発泡剤は、押出機中で溶融した熱可塑性樹脂に圧入されてもよいし、スタティックミキサーやスクリューを有さない攪拌機などの混練装置を押出機に併設する場合は、押出機から押し出されてから当該混練装置で混練されるまでの間で溶融した熱可塑性樹脂に圧入されてもよい。
溶融混練工程における設定温度は、使用する熱可塑性樹脂に応じて適宜設定されればよいが、100℃~250℃が好ましい。設定温度が250℃以下であれば、臭素系難燃剤の分解が起こりにくく、所望の難燃性を得ることが可能となり、所望の難燃性を付与するために難燃剤を過剰に添加する必要がないという効果を奏する。一方、設定温度が100℃以上であると、押出機等の負荷が小さくなって押出が安定となる。
<造粒工程>
本発明の発泡性樹脂粒子の製法は、上記溶融混練工程で得られた、発泡剤を含有する熱可塑性樹脂の溶融物を複数の小孔を有するダイから加圧冷却水中に押出し、押出し直後から上記溶融物を切断して粒子化する。
本発明の発泡性樹脂粒子の製法で使用されるダイは、複数の小孔を有するダイであれば特に限定なく公知のものを使用できるが、例えば、好ましくは直径0.3mm~2.0mm、より好ましくは0.4mm~1.0mmの小孔を有するダイが挙げられる。
本発明の発泡性樹脂粒子の製法において、ダイより押出される直前の発泡剤含有熱可塑性樹脂の溶融物の温度は、発泡剤を含まない状態での熱可塑性樹脂のガラス転移温度をTgとすると、Tg+40℃以上であることが好ましく、Tg+40℃~Tg+100℃であることがより好ましく、Tg+50℃~Tg+70℃であることがさら好ましい。
ダイより押出される直前における発泡剤含有熱可塑性樹脂の溶融物の温度がTg+40℃以上の場合は、押出された発泡剤含有熱可塑性樹脂の溶融物の粘度が低くなり、小孔が詰まることが少なくなり、実質小孔開口率の低下のために得られる発泡性樹脂粒子が変形しにくくなる。一方で、ダイスより押出される直前における発泡剤含有熱可塑性樹脂の溶融物の温度がTg+100℃以下の場合は、押出された発泡剤含有熱可塑性樹脂が固化しやすくなり、発泡してしまうことが抑制される。また、押出された発泡剤含有熱可塑性樹脂の粘度が低くなりすぎず、回転カッターにより安定的に切断されることが可能となり、押出された発泡剤含有熱可塑性樹脂が回転カッターに巻き付きにくくなる。
発泡剤含有熱可塑性樹脂の溶融物の剪断速度、吐出量などのその他押出条件は、各種熱可塑性樹脂などに応じて適宜設定できる。
加圧冷却水中に押出された発泡剤含有熱可塑性樹脂を切断する切断装置としては、特に限定されないが、例えば、ダイスリップに略接触する回転カッターで切断されて小球化され、加圧冷却水中を発泡することなく、遠心脱水機まで移送されて脱水・集約される装置、等が挙げられる。回転カッター速度、加圧冷却水の水圧および水温等の諸条件は、各種熱可塑性樹脂などに応じて適宜設定できる。
<再溶融用樹脂粒子の選別・再溶融工程>
本発明の発泡性樹脂粒子の製法においては、上記造粒工程で得られる発泡性熱可塑性樹脂粒子から再溶融用発泡性熱可塑性樹脂粒子を選別し、上記溶融混練工程で熱可塑性樹脂に混入して再溶融する。
再溶融用発泡性熱可塑性樹脂粒子としては、上記造粒工程で得られる発泡性熱可塑性樹脂粒子であれば特に限定されないが、生産性の観点から、形状欠陥がある発泡性熱可塑性樹脂粒子や、粒重量が規定範囲から外れる発泡性熱可塑性樹脂粒子を使用することが好ましい。形状欠陥としては、発泡性が劣る形状であれば特に問わないが、例えば、歪みや凹みが挙げられる。また、粒重量の規定範囲は、所望の最終製品たる発泡性樹脂粒子毎に適宜設定される範囲であり、成形時の充填性や発泡性を考慮して決定される。
形状欠陥がある、または、粒重量が規定範囲から外れる発泡性熱可塑性樹脂粒子は、型内発泡成形用として不適ではあるものの、原材料と同一成分からなるものであるため、可塑剤として再投入しても、所望の発泡性熱可塑性樹脂粒子の物性を損なうことがない。また、発泡剤を含有するため、発泡剤圧入する前の段階において、原材料である熱可塑性樹脂を可塑化し、樹脂温度上昇を抑えながら溶融混練することができる。
再溶融工程に供される再溶融用発泡性熱可塑性樹脂粒子としては、本発明の製造過程で得られる発泡性熱可塑性樹脂粒子をそのまま使用すればよいが、バックフロー抑止および可塑化の観点から、発泡剤の含有量が発泡性熱可塑性樹脂粒子100重量%において1~8重量%であることが好ましい。
本発明の製造方法における再溶融工程は、再溶融用発泡性熱可塑性樹脂粒子を、熱可塑性樹脂100重量部に対して1~30重量部の範囲になるように混入し再溶融する。上記範囲であれば、再溶融用発泡性熱可塑性樹脂粒子に含有される発泡剤が熱可塑性樹脂の可塑剤として作用し、溶融樹脂温度の上昇を抑制することができ、かつ、バックフローを抑制して溶融混練できる。また、発泡性熱可塑性樹脂粒子の再溶融による熱可塑性樹脂の劣化による影響も生じにくい。好ましくは2~25重量部であり、より好ましくは5~20重量部である。
<後処理>
本発明の製造方法で得られる発泡性熱可塑性樹脂粒子は、上記造粒工程後に脱水乾燥され、適宜篩などで分級し、帯電防止剤やブロッキング防止剤など改質剤により表面被覆されうる。これら諸工程は公知の方法を適用できる。

Claims (3)

  1. 熱可塑性樹脂および臭素系難燃剤を押出機に投入して溶融混練する溶融混練工程、
    前記熱可塑性樹脂に発泡剤が添加された溶融物を複数の小孔を有するダイから加圧冷却水中に押出し、
    前記押出し直後に、ダイから押出された前記溶融物を切断して粒子化する造粒工程を含む、
    発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造方法において、
    前記造粒工程で得られる発泡性熱可塑性樹脂粒子の一部を再溶融用発泡性熱可塑性樹脂粒子として選別し、前記再溶融用発泡性熱可塑性樹脂粒子を前記溶融混練工程における前記熱可塑性樹脂100重量部に対して1~30重量部の範囲内で混入し再溶融混練する工程を含み、
    前記再溶融用発泡性熱可塑性樹脂粒子が、発泡剤を1~8重量%含有する、ことを特徴とする、
    発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造方法。
  2. 前記再溶融用発泡性熱可塑性樹脂粒子が、形状欠陥のある発泡性熱可塑性樹脂粒子、および/または、粒重量が規定範囲から外れる発泡性熱可塑性樹脂粒子を含む、請求項1に記載の発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造方法。
  3. 前記発泡性熱可塑性樹脂粒子が発泡性ポリスチレン系樹脂粒子である、請求項1または2に記載の発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造方法。
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