JP7049734B1 - 吸音構造体 - Google Patents
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Abstract
Description
吸音ユニットの構成について説明する。吸音ユニットは、吸音ユニットに向かって進む音波のエネルギーを吸収して反射音及び透過音の音圧を低減する吸音効果を有する、特定の構造を備えた部材である。図1は、本実施形態の吸音ユニットを示す斜視図である。図2は、本実施形態の吸音ユニットを示すHD断面図である。図1及び図2に示すように、吸音ユニットは錐台であり、錐台の底面とは異なる面に穿孔板が設けられ、吸音ユニットの内部は側壁により複数の空洞部に分割されている。以下ではその詳細を説明する。
穿孔板は、複数の孔を有する平板状の部材である。穿孔板は、例えば、多孔質樹脂、多孔質金属、多孔質ポリマー、および不織布の少なくとも1つを含み得る。本実施形態では、穿孔板の面が略平面であるものとするが、これに限定されず、例えば穿孔板の面が曲面であってもよい。
・穿孔板の面積(孔の形成面である表面の面積)
・穿孔板の厚さ(表面に直交する方向の寸法)
・孔の径
・穿孔板の表面に占める孔の面積の割合(以下「孔の占有率」という)
・孔の形状
吸音ユニット10が有する複数の導波管に異なる吸音特性を持たせることで、吸音ユニット10全体として、広い帯域の音波を吸音することができる。なお、各導波管が吸音する音波の周波数帯域は、互いに重ならないように設定されていてもよいし、一部が重複するように設定されていてもよい。また、特定の周波数の音波の吸音効果を強くしたい場合などには、複数の導波管に同じ吸音特性を持たせてもよい。
本実施形態の概要について説明する。図3は、本実施形態の吸音ユニットの概要の説明図である。
吸音ユニットの製造方法について説明する。図4は、本実施形態の吸音ユニットの製造概要の一例を示す図である。図5は、本実施形態の吸音ユニットの製造概要の一例を示す図である。図6は、本実施形態の吸音ユニットの製造概要の一例を示す図である。
吸音ユニットの応用例について説明する。図7は、本実施形態の吸音ユニットを用いた吸音構造体を示す図である。図8は、本実施形態の吸音ユニットを用いた吸音構造体の概要の説明図である。図9は、本実施形態の吸音ユニットを支持する支持ユニットの斜視図である。図10は、本実施形態の支持ユニットによる吸音ユニットの支持の説明図である。
以上説明したように、本実施形態の吸音ユニットは、第1の方向(D方向)に沿って積層された複数の導波管を備え、各導波管は第1の方向と直交する第2の方向(H方向)に延出するストレート構造を備える。各導波管の始端には複数の孔を有する穿孔板が設けられる。各導波管は、全穿孔板の表面が第2の方向と直交しない1つの平面に包含されるように配置される。つまり、この吸音ユニットでは、各導波管は、いずれも第2の方向を長手方向とするストレート構造でありながら、互いに長さが異なるように構成される。これにより、長さの異なる複数の導波管の配置を複雑化させることなく第1の方向の寸法を抑制することができる。つまり、広帯域に亘る吸音と厚みの抑制とを両立し、かつ製造性の高い吸音ユニットを提供することができる。
本実施形態の変形例について説明する。
変形例1について説明する。変形例1は、各導波管の穿孔板を階段状に配置する例である。
吸音ユニットの構成について説明する。図11は、変形例1の吸音ユニットを示すHD断面図である。
穿孔板は、複数の孔を有する平板状の部材である。穿孔板は、例えば、多孔質樹脂、多孔質金属、多孔質ポリマー、および不織布の少なくとも1つを含み得る。
変形例1の概要について説明する。
以上説明したように、変形例1の吸音ユニットは、第1の方向(D方向)に沿って積層された複数の導波管を備え、各導波管は第1の方向と直交する第2の方向(H方向)に延出するストレート構造を備える。各導波管の始端には複数の孔を有する穿孔板が設けられる。各導波管は、各穿孔板の表面が第2の方向と直交するが互いに異なる平面に包含されるように配置される。つまり、この吸音ユニットでは、各導波管は、いずれも第2の方向を長手方向とするストレート構造でありながら、互いに長さが異なるように構成される。これにより、長さの異なる複数の導波管の配置を複雑化させることなく第1の方向の寸法を抑制することができる。つまり、広帯域に亘る吸音と厚みの抑制とを両立し、かつ製造性の高い吸音ユニットを提供することができる。
変形例2について説明する。変形例2は、吸音ユニットに含まれる少なくとも1つの導波管を折り曲げて構成する例である。
吸音ユニットの構成について説明する。図12は、変形例2の吸音ユニットを示すHD断面図である。
穿孔板は、複数の孔を有する平板状の部材である。穿孔板は、例えば、多孔質樹脂、多孔質金属、多孔質ポリマー、および不織布の少なくとも1つを含み得る。
変形例2の概要について説明する。
以上説明したように、変形例2の吸音ユニットは、第1の方向(D方向)に沿って積層された複数の導波管を備え、少なくとも1つの導波管は第1の方向と直交する第2の方向(H方向)に延出する部分に加えて、第2の方向と異なる方向(例えば第2の方向の逆方向)に延出する折り曲げ構造を備える。これにより、管長の長い導波管を採用することによる吸音ユニットの第2の方向の寸法の極端な増大を抑えつつ、低周波帯の吸音特性を強化することができる。
変形例3について説明する。変形例3は、複数の吸音ユニットのうち隣接する吸音ユニットを互いに面対称の姿勢となるように組み合わせることで吸音構造体を構成する例である。図13は、変形例3の支持ユニットによる吸音ユニットの支持の説明図である。
変形例4について説明する。変形例4は、吸音ユニットの設計例である。
(6-4-1)設計装置の構成
・OS(Operating System)のプログラム
・情報処理を実行するアプリケーション(例えば、ウェブブラウザ)のプログラム
・情報処理において参照されるデータ及びデータベース
・情報処理を実行することによって得られるデータ(つまり、情報処理の実行結果)
入力デバイスは、例えば、キーボード、ポインティングデバイス、タッチパネル、又は、それらの組合せである。
出力デバイスは、例えば、ディスプレイである。
変形例4の設計処理について説明する。図15は、変形例4の設計処理の全体フローを示す図である。
具体的には、プロセッサ212は、吸音ユニット10の設計パラメータに設定される固定値を取得する。一例として、プロセッサ212は、設計者の入力に応じて、または固定値が格納されたファイルを読み込むことで、固定値を取得する。
・導波管の数
・各導波管に設けられる穿孔板の孔パラメータ(一例として、孔の径および孔の数)
・各導波管の長さ(一例として、最長の導波管の長さ(図2の例ではL13)、および最短の導波管の長さ(図2の例ではL11))
・吸音ユニット10の厚み(つまり、D方向の寸法)
・各導波管の側壁の厚み(つまり、D方向の寸法)
具体的には、プロセッサ212は、変数として扱われる設計パラメータ(つまり、各導波管に設けられる穿孔板の孔パラメータ、および最短の導波管の長さ)の定義域を取得する。一例として、プロセッサ212は、設計者の入力に応じて、または変数の定義域が格納されたファイルを読み込むことで、変数の定義域を取得する。
具体的には、プロセッサ212は、各設計パラメータに数値を設定することで、吸音ユニット10の解析モデルを構築する。プロセッサ212は、ステップS100において、設計パラメータの一部に固定値を設定済みである。プロセッサ212は、残りの変数に相当する設計パラメータに対し、ステップS101において設定した定義域から選択した数値を代入する。
具体的には、プロセッサ212は、ステップS102において構築した解析モデルの吸音特性を解析することで、当該解析モデルの吸音特性の評価値を得る。一例として、設計装置210は、設計周波数に亘る解析モデルの平均吸音率または平均反射率を解析する。なお、吸音特性の評価方法はこれに限定されない。例えば、設計装置210は、設計周波数に亘る解析モデルの平均透過率を解析してもよい。
具体的には、プロセッサ212は、各変数について、ステップS101において取得した定義域が探索済みであるか(つまり、定義域から選択可能な全ての数値を用いた、設計パラメータが互いに異なる複数の解析モデルの構築および吸音特性の評価が終了したか)否かを判定する。
具体的には、プロセッサ212は、繰り返し実行された吸音特性の評価(S103)において、最も高い評価値を示した解析モデルの設計パラメータ(変数)に設定された数値を最適値として抽出する。ステップS105の後に、図15のフローは終了する。
上記説明において、吸音ユニットは長さの異なる2つまたは3つの導波管を含むこととした。しかしながら、吸音ユニットは長さの異なる4以上の導波管を含んでもよい。
実施形態で説明した事項を、以下に付記する。
第1の始端と、第1の終端(11c,21c,31c)と、第1の始端および第1の終端を接続する第1の側壁(11b,21b,31b)とを備える第1の導波管(11,21,31)と、
第1の方向(D方向)に沿って第1の導波管に積層され、第2の始端と、第2の終端(12c,22c,32c)と、第2の始端および第2の終端を接続する第2の側壁(12b,22b,32b)とを備える第2の導波管(12,22,32)と
を具備し、
第1の始端には、音波が入射可能な複数の第1の孔を有する第1の穿孔板(11a,21a,31a)が設けられ、
第1の側壁の少なくとも一部は、第1の始端から第1の方向に直交する第2の方向(H方向)に沿って延出し、
第2の始端には、音波が入射可能な複数の第2の孔を有する第2の穿孔板(12a,22a,32a)が設けられ、
第2の側壁の少なくとも一部は、第2の始端から第2の方向に沿って延出し、
第2の導波管の長さは、第1の導波管の長さと異なり、
第1の導波管および第2の導波管は、第1の穿孔板の表面および第2の穿孔板の表面が、第2の方向に直交するいずれの平面にも同時には包含されないように配置される、
吸音ユニット(10,20,30)。
第1の導波管(11)および第2の導波管(11)は、第1の穿孔板(11a)の表面および第2の穿孔板(12a)の表面の両方が、第2の方向に直交しない1つの平面に包含されるように配置される、
付記1に記載の吸音ユニット(10)。
第1の穿孔板(11a,31a)および第2の穿孔板(12a,32a)は、1枚の穿孔板部材のうちの互いに異なる部分に相当する、
付記2に記載の吸音ユニット(10,30)。
第1の導波管(21)および第2の導波管(22)は、第1の穿孔板(21a)の表面が第2の方向に直交する第1の平面に包含され、かつ第2の穿孔板(22a)の表面が第2の方向に直交し第1の平面とは異なる第2の平面に包含されるように配置される、
付記1に記載の吸音ユニット(20)。
第1の側壁(11b,21b)、および第2の側壁(12b,22b)の少なくとも1つは、第2の方向以外に延出する部分を含まない、
付記1乃至付記4のいずれかに記載の吸音ユニット(10,20)。
第1の側壁、および第2の側壁(32b)の少なくとも1つは、第2の方向以外に延出する部分を含む、
付記1乃至付記5のいずれかに記載の吸音ユニット(30)。
第1の側壁、および第2の側壁の少なくとも1つは、第2の方向に沿って延出する部分と、第2の方向と平行であって、かつ逆の方向に沿って延出する部分とを含む、
付記6に記載の吸音ユニット。
第1の導波管および第2の導波管が、第1の終端および第2の終端を開口の状態として一体成形されている、
付記1乃至付記7のいずれかに記載の吸音ユニット。
第1の導波管および第2の導波管が、第1の始端および第2の始端を開口の状態として一体成形されている、
付記1乃至付記7のいずれかに記載の吸音ユニット。
第1の吸音ユニットを含む複数の吸音ユニットを具備し、
複数の吸音ユニットの各々は、付記1乃至付記9のいずれかに記載の吸音ユニットに相当する、
吸音構造体(1)。
複数の吸音ユニットを支持する支持ユニット(100)をさらに具備し、
支持ユニットは、第2の方向が、対象騒音源からの音波の進行方向と平行にならないように第1の吸音ユニットを支持する、
付記10に記載の吸音構造体。
支持ユニットは、第2の方向が、対象騒音源からの音波の進行方向と直交するように第1の吸音ユニットを支持する、
付記11に記載の吸音構造体。
複数の吸音ユニットを支持する支持ユニット(100)をさらに具備し、
支持ユニットは、第2の方向が鉛直上向きとなるように第1の吸音ユニットを支持する、
付記10に記載の吸音構造体。
支持ユニットは、第1の吸音ユニットを第1の姿勢をとるように支持し、第1の吸音ユニットに隣接する第2の吸音ユニットを第1の姿勢と面対称である第2の姿勢をとるように支持する、
付記11乃至付記13のいずれかに記載の吸音構造体。
支持ユニットは、第1の終端および第2の終端に接する梁(110)を備える、
付記11乃至付記14のいずれかに記載の吸音構造体。
コンピュータによって行われる、付記1乃至付記9のいずれかに記載の吸音ユニットの設計方法であって、
複数の第1の孔に関する第1の変数と、複数の第2の孔に関する第2の変数と、第1の導波管の長さに関する第3の変数とに値を代入することにより、吸音ユニットの解析モデルを構築すること(S102)と、
解析モデルの吸音特性を評価すること(S103)と、
吸音特性を最適化させる第1の変数、第2の変数、および第3の変数の値を探索すること(S102~S105)と
を具備する、設計方法。
10 :吸音ユニット
10A :ユニットパーツ
10B :ユニットパーツ
10C :ユニットパーツ
11 :第1の導波管
11a :第1の穿孔板
12 :第2の導波管
12a :第2の穿孔板
13 :第3の導波管
13a :第3の穿孔板
20 :吸音ユニット
21 :第1の導波管
21a :第1の穿孔板
22 :第2の導波管
22a :第2の穿孔板
23 :第3の導波管
23a :第3の穿孔板
30 :吸音ユニット
31 :第1の導波管
31a :第1の穿孔板
32 :第2の導波管
32a :第2の穿孔板
100 :支持ユニット
110 :梁
210 :設計装置
211 :記憶装置
212 :プロセッサ
213 :入出力インタフェース
214 :通信インタフェース
Claims (13)
- 複数の吸音ユニットを有する吸音構造体であって、
前記吸音ユニットは、
複数の孔を有する板状部材である穿孔板と、
第1方向に延在する第1空洞部であって、前記穿孔板の第1領域に存在する複数の孔を介して音波が入射可能な前記第1空洞部と、
前記第1方向と略平行に延在する第2空洞部であって、前記穿孔板の第2領域に存在する複数の孔を介して音波が入射可能な前記第2空洞部と、
を有し、
前記第1空洞部と前記第2空洞部とは、前記第1方向に対して垂直な第2方向に並び、
複数の前記吸音ユニットが前記第2方向に対して略垂直な方向に並べて配置され、
隣り合って並ぶ複数の前記吸音ユニットの間に、前記第2方向に通気可能な空隙が設けられた、
吸音構造体。 - 前記第1空洞部と前記第2空洞部とは、前記第1方向における長さが異なる、
請求項1に記載の吸音構造体。 - 前記穿孔板の面は、前記第1方向にも前記第2方向にも直交しない、
請求項1又は請求項2に記載の吸音構造体。 - 前記穿孔板の前記第1領域に存在する孔の数及び孔径の少なくとも何れかは、前記穿孔板の前記第2領域に存在する孔の数及び孔径と異なる、
請求項1から請求項3の何れか1項に記載の吸音構造体。 - 前記第1空洞部と前記第2空洞部とは、互いに吸音特性が異なる共振器として機能する、
請求項1から請求項4の何れか1項に記載の吸音構造体。 - 前記穿孔板の面は略平面である、
請求項1から請求項5の何れか1項に記載の吸音構造体。 - 前記穿孔板の面は曲面である、
請求項1から請求項5の何れか1項に記載の吸音構造体。 - 前記吸音ユニットは錐台であり、
前記穿孔板は前記錐台の底面とは異なる面に設けられ、
前記吸音ユニットの内部が側壁により複数の空洞部に分割された、
請求項1から請求項6の何れか1項に記載の吸音構造体。 - 前記第1空洞部及び前記第2空洞部の少なくとも何れかは、前記第1方向に延在する部分と、前記第1方向とは非平行に延在する部分とを有する、
請求項1から請求項8の何れか1項に記載の吸音構造体。 - 前記吸音ユニットは、前記第1方向と略平行に延在する第3空洞部であって、前記穿孔板の第3領域に存在する複数の孔を介して音波が入射可能な前記第3空洞部を有し、
前記第1空洞部、前記第2空洞部、及び前記第3空洞部は、前記第2方向に並び、
前記第1空洞部、前記第2空洞部、及び前記第3空洞部は、互いに前記第1方向における長さが異なる、
請求項1から請求項9の何れか1項に記載の吸音構造体。 - 前記第1空洞部と前記第2空洞部それぞれの前記第1方向における一方の端部には、前記穿孔板が設けられ、
前記第1空洞部と前記第2空洞部それぞれの前記第1方向における他方の端部には、他の板状部材が設けられた、
請求項1から請求項10の何れか1項に記載の吸音構造体。 - 前記他の板状部材の面は、前記第1方向に略直交する、
請求項11に記載の吸音構造体。 - 前記第1方向における前記第1空洞部の端部のうち前記穿孔板が設けられた方の端部が他方の端部よりも低い位置になる向きで、複数の前記吸音ユニットが配置された、請求項1から請求項12の何れか1項に記載の吸音構造体。
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