JP7049353B2 - 糖尿病の治療のためのインダニルアミノアザジヒドロベンゾフラニル酢酸、医薬組成物 - Google Patents
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Description
本発明は、Gタンパク質共役受容体40(GPR40、遊離脂肪酸受容体FFAR1としても知られる)のアゴニストである新規インダニルアミノアザジヒドロベンゾフラニル酢酸、それらの調製方法、それらの調製のための中間体、これらの化合物を含有する医薬組成物並びにGPR40の機能の調節によって影響され得る疾患の予防及び/又は治療のためのそれらの医学的使用に関する。特に、本発明の医薬組成物は、代謝疾患、例えば糖尿病、より詳細には2型糖尿病、並びに該疾患と関連する状態、例えばインスリン抵抗性、肥満症、心血管疾患及び脂質異常症等の予防及び/又は治療に適している。
代謝疾患は、異常な代謝プロセスに起因する疾患であり、遺伝性酵素異常が原因の先天性であるか或いは内分泌器官の疾患又は代謝的に重要な臓器、例えば肝臓若しくは膵臓の不全症が原因の後天性のどちらかであり得る。
糖尿病は、複数の原因因子に由来する疾患状態又はプロセスであり、結果として臓器への損傷及び代謝プロセスの機能障害を伴う慢性高血糖症と定義される。その病因論に応じて、絶対的(インスリン分泌の欠如又は低下)が原因であるか又はインスリンの相対的欠如が原因である数形態の糖尿病に区別される。1型糖尿病I(IDDM、インスリン依存性糖尿病)は、一般的に20歳未満の青年に発症する。それは自己免疫が病因と想定され、インスリン合成に関与しているランゲルハンス島のその後のβ細胞の破壊を伴う膵島炎につながる。さらに、成人潜在性自己免疫性糖尿病(LADA;Diabetes Care. 8:1460-1467, 2001)では自己免疫発作が原因でβ細胞が破壊される。残存膵島細胞によって産生されるインスリンの量は少な過ぎ、結果として血糖値上昇(高血糖症)となる。2型糖尿病は、一般的により高齢で発症する。2型糖尿病は、とりわけ肝臓及び骨格筋内におけるインスリンへの抵抗性に関連するが、ランゲルハンス島の欠陥とも関連する。高い血糖値(及び高い血中脂質値も)は次にβ細胞機能障害及びβ細胞アポトーシス増加をもたらす。
肥満症は、心血管疾患、高血圧症、糖尿病、高脂血症及び死亡率上昇等のフォローアップ疾患のリスク増加を伴う。糖尿病(インスリン抵抗性)及び肥満症は、いくつかの疾患間の連鎖と定義される「代謝症候群」(症候群X、インスリン抵抗性症候群、又は死の四重奏とも呼ばれる)の一部である。これらは同一患者に起こることが多く、2型糖尿病及び心血管疾患の発症の主なリスク因子である。2型糖尿病、心臓病、及び代謝症候群の他の出来事を治療するためには脂質レベル及びグルコースレベルのコントロールが必要であると示唆されている(例えば、Diabetes 48: 1836-1841, 1999; JAMA 288: 2209-2716, 2002参照)。
インスリン不均衡は、2型糖尿病、重症代謝疾患等の状態をもたらす。インスリン分泌を調節する際のGPR40機能の調節は、GPR40機能を調節できる治療薬が糖尿病等の障害並びに該疾患と関連する状態、例えばインスリン抵抗性、肥満症、心血管疾患及び脂質異常症等の治療に役立ち得ることを指し示す。
本発明の目的は、以下に式Iの化合物として記載する新規化合物、特に、Gタンパク質共役受容体GPR40に対して活性であり、とりわけGタンパク質共役受容体GPR40のアゴニストである新規インダニルアミノアザジヒドロベンゾフラニル酢酸を提供することである。
本発明のさらなる目的は、インビトロ及び/又はインビボでGタンパク質共役受容体GPR40への活性化作用を有し、かつ薬物としてそれらを使用するのに適した薬理学的及び薬物動態学的特性を持つ新規化合物、特に新規インダニルアミノアザジヒドロベンゾフラニル酢酸を提供することである。
本発明のさらなる目的は、特に代謝障害、例えば糖尿病、脂質異常症及び/又は肥満症の治療に有効なGPR40アゴニストを提供することである。
本発明のさらなる目的は、患者のGタンパク質共役受容体GPR40の活性化によって媒介される疾患又は状態の治療方法を提供することである。
本発明のさらなる目的は、本発明の少なくとも1種の化合物を含む医薬組成物を提供することである。
本発明のさらなる目的は、本発明の少なくとも1種の化合物と1種以上の追加治療薬の組み合わせを提供することである。
当業者には、前述及び下記の説明並びに実施例によって本発明のさらなる目的が明らかになる。
GPR40モジュレーターは技術上周知であり、例えば、WO 2004/041266(EP 1 559 422)、WO 2007/033002、WO 2009/157418、及びWO 2013/178575に開示された化合物である。本発明のインダニルアミノアザジヒドロベンゾフラニル酢酸は、いくつかの利点、例えば効力増強、高い代謝安定性及び/又は化学的安定性、高い選択性及び耐容性、溶解度向上、並びに安定塩を形成する可能性等を提供することができる。
第一態様では、本発明は、下記式
Rは、
H、F、Cl、Br、I、C1-6-アルキル、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、C3-6-シクロアルキル、NC-、HNRN-C(=O)-、C1-4-アルキル-NRN-C(=O)-、C3-6-シクロアルキル-NRN-C(=O)-、ヘテロシクリル-NRN-C(=O)-、ヘテロアリール-NRN-C(=O)-、HOOC-、C1-4-アルキル-O-C(=O)-、O2N-、HRNN-、C1-4-アルキル-RNN-、C1-4-アルキル-C(=O)NRN-、C3-6-シクロアルキル-C(=O)NRN-、ヘテロシクリル-C(=O)-NRN-、ヘテロアリール-C(=O)NRN-、C1-4-アルキル-S(=O)2NRN-、C3-6-シクロアルキル-S(=O)2NRN-、ヘテロシクリル-S(=O)2NRN-、ヘテロアリール-S(=O)2NRN-、HO-、C1-6-アルキル-O-、HOOC-C1-3-アルキル-O-、ヘテロシクリル-C1-3-アルキル-O-、フェニル-C1-3-アルキル-O-、C3-6-シクロアルキル-O-、ヘテロシクリル-O-、ヘテロアリール-O-、C1-4-アルキル-S-、C3-6-シクロアルキル-S-、ヘテロシクリル-S-、C1-4-アルキル-S(=O)-、C3-6-シクロアルキル-S(=O)-、ヘテロシクリル-S(=O)-、C1-4-アルキル-S(=O)2-、C3-6-シクロアルキル-S(=O)2-、ヘテロシクリル-S(=O)2-、フェニル-S(=O)2-、ヘテロアリール-S(=O)2-、HNRN-S(=O)2-、C1-4-アルキル-NRN-S(=O)2-、ヘテロシクリル、フェニル、及びヘテロアリールから成る群R-G1より選択され、
ここで、Rについて言及した残基の群内の各アルキル、シクロアルキル、及びヘテロシクリル基又は下位基は、任意に1個以上のF原子で置換されていてもよく、かつ任意に、Cl、C1-3-アルキル、NC-、(RN)2N-、HO-、C1-3-アルキル-O-、及びC1-3-アルキル-S(=O)2-から独立に選択される1~3個の基で置換されていてもよく;並びに
Rについて言及した残基の群内の各フェニル及びヘテロアリール基又は下位基は、任意に、F、Cl、C1-3-アルキル、HF2C-、F3C-、NC-、(RN)2N-、HO-、C1-3-アルキル-O-、F3C-O-、及びC1-3-アルキル-S(=O)2-から独立に選択される1~5個の置換基で置換されていてもよく;
Rについて言及した残基の群内の各ヘテロシクリル基又は下位基は、
1個のCH2基が-NRN-又は-O-に置き換えられているシクロブチル基;
1個のCH2が-C(=O)-、-NRN-、-O-、-S-、若しくは-S(=O)2-に置き換えられ及び/又は1個のCH基がNに置き換えられているC5-6-シクロアルキル基;
1個のCH2基が-NRN-若しくは-O-に置き変えられ、第2のCH2基が-NRN-、-C(=O)-若しくは-S(=O)2-に置き変えられ及び/又は1個のCH基がNに置き変えられているC5-6-シクロアルキル基;及び
2個のCH2基が-NRN-に置き変えられているか又は1個のCH2基が-NRN-に置き変えられ、もう一方のCH2基が-O-に置き変えられ、かつ第3のCH2基が-C(=O)-若しくは-S(=O)2-に置き変えられ及び/又は1個のCH基がNに置き変えられているC5-6-シクロアルキル基
から選択され;
Rについて言及した残基の群内の各ヘテロアリール基又は下位基は、
テトラゾリルと、=N-、-NRN-、-O-、及び-S-から互いに独立に選択される1、2、若しくは3個のヘテロ原子を含有する5又は6員ヘテロ芳香環とから選択され、
ここで、-HC=N-単位を含有するヘテロ芳香族基では、この基は任意に-NRN-C(=O)-に置き変えられていてもよく;
1個以上のNH基を有するヘテロアリール及びヘテロシクリル環では、前記NH基のそれぞれがNRNに置き変えられており;
R1は、H、F、Cl、C1-4-アルキル、C3-6-シクロアルキル-、HO-C1-4-アルキル、C1-4-アルキル-O-C1-4-アルキル、NC-、HO-、C1-4-アルキル-O-、C3-6-シクロアルキル-O-、C1-4-アルキル-S-、C1-4-アルキル-S(O)-、及びC1-4-アルキル-S(O)2-から成る群R1-G1より選択され、
ここで、R1について言及した残基の群内のいずれのアルキル及びシクロアルキル基又は下位基も任意に1個以上のF原子で置換されていてもよく、かつmが2、3又は4の場合、複数のR1は同一又は異なっていてよく;
mは、1、2、3、及び4から選択される整数であり;
R2は、H、F、Cl、C1-4-アルキル、NC-、及びC1-4-アルキルオキシから成る群R2-G1より選択され、
ここで、R2について言及した残基の群内のいずれのアルキル基又は下位基も任意に1個以上のF原子で置換されていてもよく、かつnが2又は3の場合、複数のR2は同一又は異なっていてよく;
nは、1、2、及び3から選択される整数であり;
RNは、H、C1-4-アルキル、HO-C1-4-アルキル-(H2C)-、C1-3-アルキル-O-C1-4-アルキル-、C1-4-アルキル-C(=O)-、C1-4-アルキル-NH-C(=O)-、C1-4-アルキル-N(C1-4-アルキル)-C(=O)-、C1-4-アルキル-O-C(=O)-、及びC1-4-アルキル-S(=O)2-から成る群RN-G1より互いに独立に選択され、
ここで、RNについて言及した残基の群内の各アルキル基又は下位基は、任意に1個以上のF原子で置換されていてもよく;
前述のいずれの定義においても、特に断りのない限り、いずれのアルキル基又は下位基も直鎖であるか又は分岐していてよい)
の化合物、
そのイソ型、互変異性体、立体異性体、代謝物、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、及び塩、特に無機酸若しくは有機酸又は無機塩基若しくは有機塩基とのその生理学的に許容される塩、或いはその組み合わせに関する。
「任意に1個以上のF原子で置換されていてもよい」という表現は、それぞれの基又は下位部分の炭素原子に結合しているH原子がF原子に置き変えられていないか又は1個から連続的に全てのH原子、好ましくは1~5個のH原子、さらに好ましくは1~3個のH原子がF原子に置き変えられていてもよいことを意味する。
さらなる態様では本発明は、本発明の一般式Iの1種以上の化合物又はその1種以上の医薬的に許容される塩を、場合により1種以上の不活性な担体及び/又は希釈剤と共に含む医薬組成物に関する。
さらなる態様では本発明は、治療を必要とする患者のGタンパク質共役受容体GPR40を活性化することによって媒介される疾患又は状態の治療方法において、一般式Iの化合物又はその医薬的に許容される塩を患者に投与することを特徴とする方法に関する。
本発明の別の態様によれば、治療を必要とする患者の糖尿病、脂質異常症及び/又は肥満症等の代謝疾患又は障害の治療方法において、治療的に有効な量の一般式Iの化合物又はその医薬的に許容される塩を患者に投与することを特徴とする方法が提供される。
本発明の別の態様によれば、前述及び後述の治療方法用薬物の製造のための一般式Iの化合物又はその医薬的に許容される塩の使用が提供される。
本発明の別の態様によれば、前述及び後述の治療方法に使用するための一般式Iの化合物又はその医薬的に許容される塩が提供される。
さらなる態様では本発明は、Gタンパク質共役受容体GPR40の活性化によって媒介される疾患又は状態の治療のための一般式Iの化合物又はその医薬的に許容される塩の、1種以上の追加治療薬と組み合わせた使用に関する。
さらなる態様では本発明は、一般式Iの化合物又はその医薬的に許容される塩及び1種以上の追加治療薬を、場合により1種以上の不活性な担体及び/又は希釈剤と共に含む医薬組成物に関する。
当業者には前述及び後述の明細及び実験パートから本発明の他の態様が明らかになる。
特に断りのない限り、基、残基及び置換基、特にR、R1、R2、m及びnは、上記及び後記定義どおりである。化合物中に残基、置換基、又は基が数回現れる場合、それらは同一又は異なる意味を有し得る。本発明の化合物の個々の基及び置換基のいくつかの好ましい意味を以下に与える。これらの定義のいずれもそれぞれ互いに組み合わせてよい。
R-G1:
基Rは、好ましくは前述の定義どおりの群R-G1から選択される。
R-G2:
別の実施形態では基Rは、
H、F、Cl、C1-6-アルキル、C3-6-シクロアルキル、NC-、HNRN-C(=O)-、C1-4-アルキル-NRN-C(=O)-、C3-6-シクロアルキル-NRN-C(=O)-、ヘテロシクリル-NRN-C(=O)-、HOOC-、HRNN-、C1-4-アルキル-RNN-、C1-4-アルキル-C(=O)NRN-、C3-6-シクロアルキル-C(=O)NRN-、ヘテロシクリル-C(=O)NRN-、C1-4-アルキル-S(=O)2NRN-、HO-、C1-6-アルキル-O-、HOOC-(C1-2-アルキル)-O-、ヘテロシクリル-C1-2-アルキル-O-、フェニル-C1-2-アルキル-O-、C3-6-シクロアルキル-O-、ヘテロシクリル-O-、ヘテロアリール-O-、C1-4-アルキル-S(=O)2-、C3-6-シクロアルキル-S(=O)2-、ヘテロシクリル-S(=O)2-、HNRN-S(=O)2-、C1-4-アルキル-NRN-S(=O)2-、ヘテロシクリル、及びヘテロアリールから成る群R-G2より選択され、
ここで、Rについて言及した残基の群内の各アルキル、シクロアルキル、及びヘテロシクリル基又は下位基は、任意に1個以上のF原子で置換されていてもよく、かつ任意に、Cl、H3C-、NC-、RNHN-、HO-、H3C-O-、及びH3C-S(=O)2-から独立に選択される1~2個の基で置換されていてもよく;
Rについて言及した残基の群内の各ヘテロアリール基又は下位基は、任意に、F、Cl、H3C-、F3C-、NC-、(RN)2N-、HO-、H3C-O-、F3C-O-、及びH3C-S(=O)2-から独立に選択される1~3個の置換基で置換されていてもよく;
Rについて言及した残基の群内の各ヘテロシクリル基又は下位基は、
1個のCH2基が-NRN-又は-O-に置き変えられているシクロブチル基;
1個のCH2基が-C(=O)-、-NRN-、-O-、-S-若しくは-S(=O)2-に置き変えられ及び/又は1個のCH基がNに置き変えられているC5-6-シクロアルキル基;
1個のCH2基が-NRN-若しくは-O-に置き変えられ、第2のCH2基が-NRN-、-C(=O)-若しくは-S(=O)2-に置き変えられ及び/又は1個のCH基がNに置き変えられているC5-6-シクロアルキル基
から選択され;
Rについて言及した残基の群内の各ヘテロアリール基又は下位基は、
テトラゾリルと、=N-、-NH-、O及びSから互いに独立に選択される1、2又は3個のヘテロ原子を含有する5員ヘテロ芳香環と、1又は2個の=N-原子を含有する6員ヘテロ芳香環とから選択され、ここで、-HC=N-単位は、任意に-NH-C(=O)-に置き変えられていてもよく;
かつ1個以上のNHを含有する上記ヘテロアリール及びヘテロシクリル基又は下位基のそれぞれにおいて、前記NH基はNRNに置き変えられている。
別の実施形態では基Rは、H、F、Cl、C1-4-アルキル、C3-シクロアルキル、NC-、H2N-C(=O)-、C1-3-アルキル-NRN-C(=O)-、HOOC-、H2N-、C1-3-アルキル-C(=O)NRN-、C1-4-アルキル-S(=O)2NRN-、HO-、C1-5-アルキル-O-、HOOC-CH2-O-、ヘテロシクリル-CH2-O-、フェニル-CH2-O-、C3-6-シクロアルキル-O-、ヘテロシクリル-O-、ヘテロアリール-O-、ヘテロシクリル-S(=O)2-、ヘテロシクリル、及びヘテロアリールから成る群R-G3より選択され、
ここで、Rについて言及した残基の群内の各アルキル、シクロアルキル、及びヘテロシクリル基又は下位基は、任意に1個以上のF原子で置換されていてもよく、かつ任意に、Cl、H3C-、NC-、RNHN-、HO-、H3C-O-、及びH3C-S(=O)2-から選択される1個の基で置換されていてもよく;
Rについて言及した残基の群内の各ヘテロアリール基又は下位基は、任意に、F、Cl、H3C-、F3C-、NC-、(RN)2N-、HO-、H3C-O-、F3C-O-、及びH3C-S(=O)2-から独立に選択される1~2個の置換基で置換されていてもよく;
Rについて言及した残基の群内の各ヘテロシクリル又は下位基は、
1個CH2基が-NRN-又は-O-に置き変えられているシクロブチル基;
1個のCH2基が-C(=O)-、-NRN-、-O-、-S-若しくは-S(=O)2-に置き変えられ及び/又は1個のCH基がNに置き変えられているC5-6-シクロアルキル基
から選択され;
Rについて言及した残基の群内のヘテロアリール基又は下位基は、テトラゾリルと、n=N-、-NH-、O及びSから互いに独立に選択される1、2又は3個のヘテロ原子を含有する5員ヘテロ芳香環と、1又は2個の=N-原子を含有する6員ヘテロ芳香環とから選択され、ここで、-HC=N-単位は、任意に-NH-C(=O)-に置き変えられていてもよく;
かつ1個以上のNHを含有するRについて言及した各ヘテロアリール及びヘテロシクリル基又は下位基において、前記NH基はNRNに置き変えられている。
別の実施形態によれば、基Rは、
C1-4-アルキル、オキセタニル、又はテトラヒドロフラニルで一置換されたH3C-O-
(H3C-O-に付着されたC1-4-アルキル基は、任意にHO-で一置換されていてもよく、かつ
前記オキセタニル及びテトラヒドロフラニルは、任意にH3C-で一置換されていてもよい);
テトラヒドロフラニル-O-及びテトラヒドロピラニル-O-;並びに
テトラゾリル、ピリジン-2-オニル、ピラジニル、ピリミジン-2-オニル、及びピリミジン-4-オニルから選択されるヘテロアリール基
(前記ヘテロアリール基は、それぞれ任意にH3C-で一置換されていてもよく、かつ
前記ヘテロアリール基中の各H-N基は、任意にH3C-N又は(H3C)2C(OH)-H2C-Nに置き変えられていてもよい)
から成る群R-G4より選択される。
別の実施形態では、基Rは、
式中、アスタリスク(-*)は、付着部位/点を示す。
R1-G1:
基R1は、好ましくは前述の定義どおりの群R1-G1から選択される。
R1-G2:
一実施形態によれば、基R1は、H、F、Cl、C1-3-アルキル、シクロプロピル、NC-、HO-、及びC1-3-アルキル-O-から成る群R1-G2より選択され、
R1について言及した残基の群内の各アルキル基又は下位基は、任意に1個以上のF原子で置換されていてもよい。
R1-G3:
一実施形態によれば、基R1は、H、F、Cl、H3C-、H3C-H2C -、(H3C)2CH-、F3C-、及びH3C-O-から成る群R1-G3より選択される。
R1-G4:
一実施形態によれば、基R1は、H3C-から成る群R1-G4より選択される。
R2-G1:
基R2は、好ましくは前述の定義どおりの群R2-G1から選択される。
R2-G2:
別の実施形態では、基R2は、H、F、Cl、H3C-、F3C-、NC-、及びH3CO-から成る群R2-G2より選択される。
R2-G3:
別の実施形態では、基R2は、H及びFから成る群R2-G3より選択される。
R2-G4:
別の実施形態では、基R2は、Hから成る群R2-G4より選択される。
R2-G5:
別の実施形態では、基R2は、Fから成る群R2-G5より選択される。
RN-G1:
基RNは、好ましくは前述の定義どおりの群RN-G1から選択される。
RN-G2:
別の実施形態では基RNは、H、C1-3-アルキル、HO-C1-4-アルキル-(H2C)-、H3C-O-C1-4-アルキル-、C1-3-アルキル-C(=O)-、及びC1-3-アルキル-S(=O)2-から成る群RN-G2より選択される。
RN-G3:
別の実施形態では基RNは、H、H3C-、HO-C3-アルキル-(H2C)-、H3C-C(=O)-、及びH3C-S(=O)2-から成る群RN-G3より選択される。
mは、1、2、3及び4から選択される整数である。
好ましくは、mは、1及び2から選択される整数である。
さらに好ましくは、mは2である。
n:
nは、1、2及び3から選択される整数である。
好ましくは、nは、1及び2から選択される整数である。
さらに好ましくは、nは1である。
Rが、
から成る群より選択され;
R1がH3C-であり;
mが2であり;
R2がH又はFであり;
nが1である、
式Iの当該化合物に関する。
本発明の化合物及びそれらの中間体は、当業者に周知であり、かつ有機合成の文献に記載の合成方法を用いて、例えば“Comprehensive Organic Transformations”, 2nd Edition, Richard C. Larock, John Wiley & Sons, 2010、及び“March’s Advanced Organic Chemistry”, 7th Edition, Michael B. Smith, John Wiley & Sons, 2013に記載の方法を用いて得ることができる。以下にさらに完全に説明する調製方法、特に実験セクションに記載の調製方法に類似して化合物を得るのが好ましい。場合によっては、反応スキームを行なう際に採択する順序を変えてよい。当業者に周知であるが、本明細書に詳述していない、これらの反応の変形を使用してもよい。下記スキームを研究すれば、当業者には本発明の化合物の一般的調製方法が明らかになる。出発化合物は商業的に入手可能であるか或いは文献又は本明細書に記載の方法によって調製可能であり、或いは類似又は同様の方法で調製可能である。反応を行なう前に、化合物中のいずれの対応官能基も通常の保護基を用いて保護してよい。これらの保護基は、当業者が精通し、かつ文献、例えば“Protecting Groups”, 3rd Edition, Philip J. Kocienski, Thieme, 2005、及び“Protective Groups in Organic Synthesis”, 4th Edition, Peter G. M. Wuts, Theodora W. Greene, John Wiley & Sons, 2006に記載されている方法を用いて反応順序内の適切な段階で再び切断し得る。
スキーム1:本発明の化合物にアクセスするためのカルボン酸官能基の遊離
スキーム2:前駆体IIの調製
化合物VI又はVI’中のケト基の還元は、リチウムボロヒドリド、ナトリウムボロヒドリド、リチウムアルミニウムヒドリド、又はジイソブチルアルミニウムヒドリドで達成し得る有機合成において標準的変換である。ナトリウムボロヒドリドは一般的に水溶液又はアルコール溶液中0~60℃で利用するが、言及した他の還元剤は、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジクロロメタン、及びトルエン等の不活性溶媒中、-80~60℃で使用するのが好ましい。ケト基の還元は、エナンチオマー的に富化されたか又は純粋な形態のアルコールを与える立体選択的様式で行ってもよい。適切なキラル還元剤は、エナンチオマー的に純粋な[1,3,2]オキサザボロール(コーリー・バクシ・柴田還元又はコーリー・伊津野還元)と組み合わせたボラン又はエナンチオマー的に純粋な遷移金属触媒の存在下のギ酸、ホルマート、水素、若しくはシランである。前の手法に典型的な反応条件は、-10~60℃で、例えば、ジクロロメタン、トルエン、メタノール、テトラヒドロフラン、又はその混合物中のボラン、例えば、ボランジメチルスルフィド錯体、及び(R)-又は(S)-3,3-ジフェニル-1-メチルテトラヒドロ-1H,3H-ピロロ[1,2-c][1,3,2]オキサザボロールである。ルテニウム錯体等のキラル遷移金属触媒、例えば、クロロ{[(1S,2S)-(-)-2-アミノ-1,2-ジフェニルエチル](4-トルエンスルホニル)-アミド}-(メシチレン)ルテニウム(II)を利用すると、塩基、例えば、トリエチルアミンの存在下、ジクロロメタン中、-20~60℃でヒドリド源、例えば、ギ酸を用いて高エナンチオマー過剰率でヒドロキシ化合物を与えることができる。
インダンIIIのフェニル残基は、スキーム3に示し、実験セクションに記載のように合成シーケンスの種々の段階で遂行され得る遷移金属触媒カップリング反応を経て付着される。遷移金属触媒は、パラジウム、ニッケル、銅、又は鉄から誘導するのが好ましく、さらに好ましくはパラジウムから得る。活性触媒は、遷移金属と配位子、例えばホスフィン、例えばトリ-tert-ブチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、任意に置換されていてもよいビフェニル-ジシクロヘキシル-ホスフィン、任意に置換されていてもよいビフェニル-ジ-tert-ブチル-ホスフィン、1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)-フェロセン、トリフェニルホスフィン、トリトリルホスフィン、若しくはトリフリルホスフィン、ホスファイト、1,3-二置換イミダゾールカルベン、1,3-二置換イミダゾリジンカルベン、ジベンジリデンアセトン、アリル、若しくはニトリル等との錯体、或いはパラジウム炭素又は鉄若しくはパラジウムのナノ粒子等の元素形態の遷移金属、或いはフッ化物、塩化物、臭化物、酢酸塩、トリフラート、又はトリフルオロアセタート等の塩であってよい。フェニル基は、ボロン酸若しくはボロン酸エステル、トリフルオロボラート、又は亜鉛ハライド、すなわち求核反応相手(VI’’)として利用し、インダン誘導体は、塩化物、臭化物又はヨウ化物、すなわち求電子反応相手(III’、V’、又はVI’’)として利用するのが好ましい。求核試薬に応じて、ベンゼン、トルエン、エーテル、テトラヒドロフラン、1,2-ジメトキシエタン、1,4-ジオキサン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリジノン、ジメチルスルホキシド、アルコール、水、又はその混合物中、0~160℃で反応を行うのが好ましい。ボロン酸又はボロン酸エステル又はトリフルオロボラートを用いる反応は、一般的にアルコラート、水酸化物、例えば、LiOH、NaOH、及びKOH、K3PO4、炭酸塩、例えば、Li2CO3、Na2CO3、K2CO3、及びCs2CO3、アミン、又はフッ化物、例えば、KF等の塩基の存在下で行なわれる。ハロゲン化物塩、例えば、塩化リチウム、銀塩、例えば、酸化銀及びトリフラート、及び/又は銅塩、例えば、塩化銅及びチオフェン-2-カルボン酸銅等の添加剤が反応の進行に有益なことがあり、不可欠なことさえある。述べた反応相手(反応性炭素)の反応性を逆転させてもよい。すなわちフェニル誘導体が求電子性であり、インダニル誘導体が求核反応相手であり、同一又は同様の条件下で同一生成物をもたらす。
スキーム3:中間体IIIの調製
スキーム4:中間体IVの調製
一般式Iの化合物は、後述するように、それらのエナンチオマー及び/又はジアステレオマーに分割し得る。従って、例えば、cis/trans混合物はそれらのcis及びtrans異性体に分割し、ラセミ化合物はそれらのエナンチオマーに分離し得る。
cis/trans混合物は、例えば、クロマトグラフィーによってそれらのcis及びtrans異性体に分割可能である。ラセミ体として存在する一般式Iの化合物は、それ自体公知の方法によってそれらの光学対掌体に分離可能であり、一般式Iの化合物のジアステレオマー混合物は、それらの異なる物理化学的性質を考慮することによって、それ自体公知の方法、例えばクロマトグラフィー及び/又は分別結晶化を用いてそれらのジアステレオマーに分割可能であり;その後に得られた化合物がラセミ体の場合、後述するようにそれらをエナンチオマーに分割することができる。
上述したように、式Iの化合物は塩、特に医薬用途のためには医薬的に許容される塩に変換可能である。本明細書で使用する場合、「医薬的に許容される塩」は、親化合物がその酸塩又は塩基塩をつくることによって修飾されている、開示化合物の誘導体を指す。
本発明の化合物は、下記実施例に記載の方法を用いても有利に得ることができ、この目的で、これらの方法を文献から当業者に公知の方法と併用してもよい。
本明細書で具体的に定義しない用語には、当業者が本開示及び文脈に照らしてそれらに与えることになる意味を与えるものとする。しかしながら、本明細書で使用する場合、特に反対の断りのない限り、下記用語は指示した意味を有し、下記慣例を順守する。
用語「本発明に従う化合物」、「式(I)の化合物」、「本発明の化合物」等は、本発明の式(I)の化合物を、それらの互変異性体、立体異性体及びその混合物並びにその塩、特にその医薬的に許容される塩、並びに該化合物の溶媒和物及び水和物(該互変異性体、立体異性体及びその塩の溶媒和物及び水和物を含む)を含めて表す。
用語「治療」及び「治療すること」は、防御的、すなわち予防的、又は治療的、すなわち治癒的及び/若しくは対症的の両処置を包含する。従って用語「治療」及び「治療すること」は、既に特に顕性形態で前記状態が発生している患者の治療処置を含む。治療処置は、特定適応症の症状を軽減するための対症療法又は適応症の状態を逆転若しくは一部逆転させるか又は疾患の進行を停止させるか若しくは遅くするための原因療法であり得る。従って本発明の組成物及び方法は、例えば一定期間にわたる治療処置のみならず慢性療法として使用可能である。さらに用語「治療」及び「治療すること」は、予防処置、すなわち前述の状態を発症するリスクがある患者の治療、ひいては前記リスクの低減を含む。
用語「治療的に有効な量」は、本明細書に記載の(i)特定の疾患又は状態を治療又は予防し、(ii)特定の疾患又は状態の1つ以上の症状を減弱し、寛解させ、又は排除し、或いは(iii)特定の疾患又は状態の1つ以上の症状の発生を予防するか又は遅らせる、本発明の化合物の量を意味する。
本明細書で使用する用語「調節される」又は「調節すること」、又は「調節する」は、特に断りのない限り、本発明の1種以上の化合物によるGタンパク質共役受容体GPR40の活性化を意味する。
本明細書で使用する用語「媒介される」又は「媒介すること」又は「媒介する」は、特に断りのない限り、本明細書に記載の(i)特定の疾患又は状態の予防を含めた治療、(ii)特定の疾患又は状態の1つ以上の症状の減弱、寛解、又は排除、或いは(iii)特定の疾患又は状態の1つ以上の症状の発生の予防又は遅延を指す。
下記基(group)、基(radical)、又は部分においては、基に先行して炭素原子数を特定することが多く、例えば、C1-6-アルキルは、1~6個の炭素原子を有するアルキル基を意味する。一般に、2つ以上の下位基を含む基については、最後に命名した下位基が該基の付着点であり、例えば、置換基「アリール-C1-3-アルキル-」は、C1-3-アルキル基に結合しているアリール基を意味し、そのC1-3-アルキル基が、該置換基が付着しているコア又は基に結合してる。
本発明の化合物を化学名の形態でも式としても描写している場合、矛盾がある場合は式が優先するものとする。
下位式ではアスタリスクを用いて、定義どおりにコア分子に連結される結合を示す。
置換基の原子の数え方は、該置換基が結合しているコア又は基に最も近い原子から始める。
例えば、用語「3-カルボキシプロピル基」は下記置換基を表す。
基の定義において、用語「各X、Y及びZ基は任意に~で置換されていてもよい」等は、各基X、各基Y及び各基Zが、どれもそれぞれ別々の基として又はそれぞれ構成基の一部として定義どおりに置換され得ることを意味する。例えば定義「Rexは、H、C1-3-アルキル、C3-6-シクロアルキル、C3-6-シクロアルキル-C1-3-アルキル又はC1-3-アルキル-O-を表し、ここで、各アルキル基は、任意に1個以上のLexで置換されていてもよい」等は、用語アルキルを含む前述の基のそれぞれにおいて、すなわち基C1-3-アルキル、C3-6-シクロアルキル-C1-3-アルキル及びC1-3-アルキル-O-のそれぞれにおいて、アルキル部分が定義どおりのLexで置換され得ることを意味する。
特に断りのない限り、明細書及び添付の特許請求の範囲全体を通して、所与の化学式又は化学名は、その互変異性体並びに全ての立体異性体、光学異性体及び幾何異性体(例えばエナンチオマー、ジアステレオマー、E/Z異性体等...)並びにラセミ体のみならず別々のエナンチオマーの異なる比率の混合物、ジアステレオマーの混合物、又は該異性体及びエナンチオマーが存在する前述の形態のいずれもの混合物、並びに塩、例えばその医薬的に許容される塩及びその溶媒和物、例えば水和物等(遊離化合物の溶媒和物又は該化合物の塩の溶媒和物を含めて)を包含するものとする。
本明細書で使用する場合、「医薬的に許容される塩」は、親化合物がその酸塩又は塩基塩をつくることによって修飾されている、開示化合物の誘導体を指す。
上記酸以外の酸の塩、例えば本発明の化合物を精製又は単離するために有用な塩(例えばトリフルオロ酢酸塩)も本発明の一部を構成する。
ハロゲンという用語は、一般的にフッ素、塩素、臭素及びヨウ素を意味する。
単独又は別の基と組み合わせた用語「C1-n-アルキレン」(nは整数1~nである)は、1~n個のC原子を有する非環式の直鎖又は分岐鎖二価アルキル基を表す。例えば用語C1-4-アルキレンには、-(CH2)-、-(CH2-CH2)-、-(CH(CH3))-、-(CH2-CH2-CH2)-、-(C(CH3)2)-、-(CH(CH2CH3))-、-(CH(CH3)-CH2)-、-(CH2-CH(CH3))-、-(CH2-CH2-CH2-CH2)-、-(CH2-CH2-CH(CH3))-、-(CH(CH3)-CH2-CH2)-、-(CH2-CH(CH3)-CH2)-、-(CH2-C(CH3)2)-、-(C(CH3)2-CH2)-、-(CH(CH3)-CH(CH3))-、-(CH2-CH(CH2CH3))-、-(CH(CH2CH3)-CH2)-、-(CH(CH2CH2CH3))-、-(CHCH(CH3)2)-及び-C(CH3)(CH2CH3)-が含まれる。
用語「C2-n-アルケニル」は、少なくとも2個の炭素原子を有する「C1-n-アルキル」の定義で規定される基について、前記基の当該炭素原子の少なくとも2個が互いに二重結合によって結合している場合に使用する。例えば用語C2-3-アルケニルには-CH=CH2、-CH=CH-CH3、-CH2-CH=CH2を包含する。
用語「C2-n-アルキニル」は、少なくとも2個の炭素原子を有する「C1-n-アルキル」の定義で規定される基について、前記基の当該炭素原子の少なくとも2個が互いに三重結合によって結合している場合に使用する。例えば用語C2-3-アルキニルには-C≡CH、-C≡C-CH3、-CH2-C≡CHが含まれる。
上記用語の多くは、式又は基の定義に繰り返し用いられることがあり、いずれの場合も互いに独立に、上記意味の1つを有する。
本発明の化合物の活性は、下記アッセイを用いて実証可能である。
IPOneアッセイシステムを用いるIP1蓄積測定-1321N1細胞安定発現ヒトGPR40受容体(Euroscreen, Belgium)を播種し、24時間後に白色384ウェルプレート内で10%のFCS、1%のピルビン酸Na及び400μg/mLのG418を含有する培地中でアッセイする。製造業者の説明書(Cisbio Bioassays, France)に従ってIP1をアッセイする。要するに、培地を刺激緩衝液(Hepes 10mM、CaCl2 1mM、MgCl2 0.5mM、KCl 4.2mM、NaCl 146mM、グルコース5.5mM及びLiCl 50mM、pH7.4)に置換してアッセイを開始する。LiClを含有する刺激緩衝液で希釈した化合物を添加して37℃、5%CO2で1時間細胞を刺激する。製造業者が提供したHTRF複合物(IP1-d2と抗IP1クリプタートTb)及び溶解緩衝液を添加することによってアッセイを停止させる。室温での1時間のインキュベーション後にEnVisionTM, Perkin Elmerを用いてプレートを測定する。そして665/615nMで得られた蛍光比を用いて、Assay Explorer 3.3ソフトウェアウェア(Accelrys, Inc.)を利用し、IP1基準曲線及びその後の可変ヒル勾配を斟酌するシグモイド曲線あてはめを用いる内挿によってpEC50値を計算する。
本発明の化合物は、典型的に約1nM~約10μMの範囲内、好ましくは1μM未満、さらに好ましくは100nM未満のEC50値を有する。
本発明の化合物のEC50値を下表に示す。化合物の番号は、実験セクションの実施例番号に対応する。
緩衝液中の溶解量をアセトニトリル/水(1/1)溶液中の量と比較することによって本発明の化合物の水溶解度を決定する。10mMのDMSO原液から始めて一定分量をアセトニトリル/水(1/1)又は緩衝液でそれぞれ希釈する。24時間の振盪後、溶液を濾過してLC-UVで分析する。緩衝液中の溶解量をアセトニトリル溶液中の量と比較する。
2.5%のDMSO濃度では溶解度は通常0.001~0.125mg/mLまで測定されている。90%超の化合物が緩衝液に溶解する場合、値に「>」の印を付ける。
本発明の化合物は、WO 2013/144098に明示的に開示された、本発明の化合物の直接的構造対応物に比べて低pH値(pH2.2)で高い溶解度を示す。従って本発明の化合物の開発及び応用はより便利かつ信頼できる。セクション「CYP-2C9の阻害」下の編集は、本発明の選択化合物及びWO 2013/144098の該選択化合物の直接的構造対応物に関するデータを提示する。
37℃でヒト肝ミクロソームを用いて試験化合物によるアモジアキンのシトクロムP450 2C8イソ酵素触媒脱エチル化の阻害をアッセイする。全てのアッセイはロボットシステムで96ウェルプレート内で行う。最終インキュベーション体積は、二通りのTRIS緩衝液(0.1M)、MgCl2(5mM)、ヒト肝ミクロソーム(0.05mg/mL)、アモジアキン(1μM)及び5つの異なる濃度の試験化合物を含有するか又は化合物を含有しない(高コントロール)(例えばその後の1:4段階希釈により最高濃度10~50μM)。短いプレインキュベーション時間後、補助因子(NADPH、1mM)で反応を開始し、インキュベーションを8℃に冷ました後に1体積のアセトニトリルを添加することによって反応を停止させる。インキュベーションのクエンチング後に内部標準溶液、すなわち安定同位体d5-デスエチルアモジアキンを加える。ピーク面積分析物(=形成代謝物)及び内部標準をLC-MS/MSにより決定する。これらのインキュベーションの結果として生じる分析物と内部標準のピーク面積比を試験化合物を含有しないコントロールの活性と比較する。各アッセイランの範囲内で、ポジティブコントロール阻害薬(モンテルカスト)のIC50を決定する。実験IC50値は、下記式に従って最小二乗回帰により計算する。
%コントロール活性=(100%コントロール活性/(1+(I/IC50)S))-B
式中、I=阻害薬濃度;S=勾配因子;B=バックグラウンド活性(阻害曲線のより低いプラトー)
本発明の化合物は、WO 2013/144098に明示的に開示された、本発明の化合物の直接的構造対応物に比べてシトクロムP450 2C8イソ酵素のより低い阻害を示す。従って、本発明の化合物が望ましくない副作用を引き起こす可能性は低い。セクション「CYP-2C9の阻害」下の編集は、本発明の選択化合物及びWO 2013/144098の該選択化合物の直接的構造対応物に関するデータを表示する。
37℃でヒト肝ミクロソームを用いて、試験化合物によるジクロフェナクのシトクロムP450 2C9イソ酵素触媒ヒドロキシル化の阻害をアッセイする。全てのアッセイはロボットシステムで96ウェルプレート内で行う。最終インキュベーション体積は、二通りのTRIS緩衝液(0.1M)、MgCl2(5mM)、ヒト肝ミクロソーム(0.1mg/mL)、ジクロフェナク(10μM)及び5つの異なる濃度の試験化合物を含有するか又は化合物を含有しない(高コントロール)(例えば、その後の1:4段階希釈により最高濃度10~50μM)。短いプレインキュベーション時間後、補助因子(NADPH、1mM)で反応を開始し、インキュベーションを8℃に冷ました後に1体積のアセトニトリルを添加することによって反応を停止させる。インキュベーションのクエンチング後に内部標準溶液、すなわち安定同位体13C6-ヒドロキシジクロフェナクを加える。ピーク面積分析物(=形成代謝物)及び内部標準をLC-MS/MSにより決定する。これらのインキュベーションの結果として生じる分析物と内部標準のピーク面積比を試験化合物を含有しないコントロールの活性と比較する。各アッセイランの範囲内で、ポジティブコントロール阻害薬(スルファフェナゾール)のIC50を決定する。実験IC50値は、下記式に従って最小二乗回帰により計算する。
%コントロール活性=(100%コントロール活性/(1+(I/IC50)S))-B
式中、I=阻害薬濃度;S=勾配因子;B=バックグラウンド活性(阻害曲線のより低いプラトー)
本発明の化合物は、WO 2013/144098に明示的に開示された、本発明の化合物の直接的構造対応物に比べてシトクロムP450 2C8イソ酵素のより低い阻害を示す。従って本発明の化合物が望ましくない副作用を引き起こす可能性は低い。下記編集は、本発明の選択化合物及びWO 2013/144098の該選択化合物の直接的構造対応物に関するデータを提示する。
従って、本発明は、薬物としての一般式Iの化合物に関する。
さらに、本発明は、患者、好ましくはヒトのGタンパク質共役受容体GPR40の活性化によって媒介される疾患又は状態の治療及び/又は予防のための本発明の一般式Iの化合物又は医薬組成物の使用に関する。
さらに別の態様では、本発明は、哺乳動物のGタンパク質共役受容体GPR40の活性化によって媒介される疾患又は状態の治療方法であって、該治療を必要とする患者、好ましくはヒトに治療的に有効な量の本発明の化合物又は医薬組成物を投与する工程を含む方法に関する。
本発明の化合物及び医薬組成物は、β細胞変性、例えば膵β細胞のアポトーシス又は壊死の予防にも適している。本発明の化合物及び医薬組成物は、膵細胞の機能性の改善又は回復にも適しており、膵β細胞の数とサイズの増加にも適している。
従って別の態様によれば、本発明は、代謝疾患の進行の予防、遅延、減速及び/又治療、特に患者の血糖コントロール及び/又はβ細胞機能の改善に用いる本発明の式Iの化合物及び医薬組成物に関する。
別の態様によれば、本発明は、2型糖尿病、過体重、肥満症、糖尿病合併症及び関連病理学的状態の進行の予防、遅延、減速及び/又は治療に用いる本発明の式Iの化合物及び医薬組成物に関する。
-代謝疾患、例えば1型糖尿病、2型糖尿病、耐糖能障害、インスリン抵抗性、高血糖症、高脂血症、高コレステロール血症、脂質異常症、症候群X、代謝症候群、肥満症、高血圧症、慢性全身性炎症、網膜症、神経障害、腎症、アテローム性動脈硬化症、内皮機能障害又は骨関連疾患(例えば骨粗しょう症、関節リウマチ又は変形性関節症)等の進行の予防、遅延、減速又は治療のため;
-血糖コントロールの改善並びに/又は空腹時血漿グルコース、食後血漿グルコース及び/若しくはグリコシル化ヘモグロビンHbA1cの低減のため;
-耐糖能障害、インスリン抵抗性及び/又は代謝症候群から2型糖尿病への進行の予防、遅延、減速又は逆転のため;
-例えば、網膜症、腎症又は神経障害、糖尿病性足病変、潰瘍又は大血管障害等の糖尿病合併症の中から選択される状態又は疾患の進行の予防、遅延、減速又は治療のため;
-減量又は体重増加の予防又は体重減少の支援のため;
-膵β細胞分解の予防若しくは治療並びに/又は膵β細胞の機能性の改善及び/若しくは回復並びに/又は膵臓のインスリン分泌の機能性の回復のため;
-インスリン感受性の維持及び/若しくは改善並びに/又は高インスリン血症及び/若しくはインスリン抵抗性の予防若しくは治療のため。
本発明の化合物は、最も特に2型糖尿病の治療に適している。
1日に適用できる一般式Iの化合物の用量範囲は通常、患者の体重1kg当たり0.001~10mg、例えば体重1kg当たり0.01~8mgである。各用量単位は、便宜上0.1~1000mg、例えば0.5~500mgを含有し得る。
当然に実際の治療的に有効な量又は治療用量は、当業者に既知の因子、例えば患者の年齢と体重、投与経路及び疾患の重症度等によって決まる。いずれの場合も、患者特有の状態に基づいて治療的に有効な量を送達できるようにする用量及び様式で化合物又は組成物を投与することになる。
本発明の化合物、組成物は、1種以上の追加治療薬との任意の組み合わせを含め、経口、経皮、吸入、非経口又は舌下経路で投与し得る。可能な投与方法のうち、経口又は静脈内投与が好ましい。
場合により1種以上のさらなる治療薬と組み合わせて式Iの化合物を投与するのに適した製剤は、当業者に明らかであり、例えば、錠剤、丸剤、カプセル剤、座剤、ロゼンジ剤、トローチ剤、液剤、シロップ剤、エリキシル剤、サシェ剤、注射剤、吸入剤及び散剤等が挙げられる。経口製剤、特に固形製剤、例えば錠剤又はカプセル剤等が好ましい。医薬的に活性な化合物の含量は、有利には全体として組成物の0.1~90wt.-%、例えば1~70wt.-%の範囲内である。
適切な錠剤は、例えば、式Iの1種以上の化合物を公知の賦形剤、例えば不活性な希釈剤、担体、崩壊剤、アジュバント、界面活性剤、結合剤及び/又は潤沢剤と混合することによって得ることができる。錠剤は数層から成ってもよい。当業者は、自らの専門知識に基づいて所望製剤に適した特定の賦形剤、担体及び/又は希釈剤に精通している。好ましいのは、望ましい特定の製剤及び投与方法に適したものである。本発明の調製品又は製剤は、当業者が精通しているそれ自体公知の方法を利用して、例えば本発明の式Iの少なくとも1種の化合物、又は該化合物の医薬的に許容される塩、並びに1種以上の賦形剤、担体及び/又は希釈剤を混合するか又は組み合わせることによって調製可能である。
本発明の化合物は、さらに1種以上、好ましくは1種の追加治療薬と併用してよい。一実施形態によれば、追加治療薬は、前述の特に代謝疾患又は状態、例えば糖尿病、肥満症、糖尿病合併症、高血圧症、高脂血症等と関連する疾患又は状態の治療に有用な治療薬の群から選択される。該併用に適した追加治療薬としては、特に、例えば上述の適応症の1つに対して1種以上の活性物質の治療効果を増強し及び/又は1種以上の活性物質の投与量の低減を可能にするものがある。
従って、本発明の化合物は、抗糖尿病薬、過体重及び/又は肥満症の治療薬並びに高血圧症、心不全及び/又はアテローム性動脈硬化症の治療薬から成る群より選択される。
高血圧症、慢性心不全及び/又はアテローム性動脈硬化症の治療薬は、例えばA-II拮抗薬又はACE阻害薬、ECE阻害薬、利尿薬、β遮断薬、Ca拮抗薬、中枢作用性降圧薬、α2アドレナリン受容体拮抗薬、中性エンドペプチダーゼ阻害薬、血小板凝集阻害薬等であるか又はその組み合わせが適している。アンジオテンシンII受容体拮抗薬は、高血圧症及び糖尿病合併症の治療又は予防のため、多くの場合ヒドロクロロチアジド等の利尿薬と組み合わせて使用するのが好ましい。
上記併用相手の用量は通常、一般的に推奨される最低用量の1/5から一般的に推奨される用量の1/1までである。
従って、別の態様では、本発明は、前述及び後述の1種以上の追加治療薬と組み合わせた本発明の化合物の、Gタンパク質共役受容体GPR40の活性化によって影響され得るか又は媒介される疾患又は状態、特に前述及び後述の疾患又は状態の治療のための使用に関する。
さらに別の態様では、本発明は、患者のGタンパク質共役受容体GPR40の活性化によって媒介される疾患又は状態の治療方法であって、該治療を必要とする患者、好ましくはヒトに、前述及び後述の治療的に有効な量の1種以上の追加治療薬と組み合わせて治療的に有効な量の本発明の化合物を投与する工程を含む方法に関する。
追加治療薬と組み合わせた本発明の化合物の使用は、同時に又は時間差で行ってよい。
本発明の化合物及び1種以上の追加治療薬は、1つの製剤、例えば錠剤又はカプセル剤に両方とも一緒に存在してよく、或いは2つの同一又は異なる製剤に別々に、例えばいわゆるキットの部品として存在してよい。
結果として、別の態様では、本発明は、本発明の化合物並びに前述及び後述の1種以上の追加治療薬を、場合により1種以上の不活性な担体及び/又は希釈剤と共に含む医薬組成物に関する。
本発明の原理を例として説明する以下のさらに詳述な実施例から本発明の他の特徴及び利点が明らかになるであろう。
原則として、調製した化合物については1H-NMR及び/又は質量スペクトルを得た。
塩基性又は酸性基を有する以下に報告する中間体及び実施例は、用いた精製方法及び条件に応じて対応塩又は中性化合物として得られる。塩は、当業者に周知の標準手順によってそれらの中性対応物に変換可能である。
生成物の特徴づけに用いた分析HPLCパラメーター(TFAはトリフルオロ酢酸を表す):
中間体1
(6-クロロ-2,3-ジヒドロ-フロ[3,2-c]ピリジン-3-イル)-酢酸エチルエステル
氷浴内で冷却した水(150mL)中の2-クロロ-ピリジン-4-オール(7.0g)の溶液にN-ヨードスクシンイミド(23.3g)を加える。混合物を室温で1時間撹拌する。沈殿物を濾別し、真空中で乾燥させて表題化合物を得る。質量スペクトル(ESI+): m/z = 382/384 (Cl) [M+H]+。
工程2:2-クロロ-5-ヨードピリジン-4-オール
-78℃に冷却した、撹拌子、2-クロロ-3,5-ジヨードピリジン-4-オール(10g)、及びテトラヒドロフラン(150mL)を入れたフラスコにiPr-MgCl(36.8mL、テトラヒドロフラン中2mol/L)を滴加する。混合物を-78℃で1時間及び-20℃で12時間撹拌する。1,4-ジオキサン(70mL)中の塩酸(18.8mL、水中4M)を0℃で滴加する。沈殿物を濾別し、濾液を濃縮して表題化合物を得る。質量スペクトル(ESI+): m/z = 256/258 (Cl) [M+H]+。
工程3:(E)-4-(2-クロロ-5-ヨード-ピリジン-4-イルオキシ)-ブタ-2-エン酸エチルエステル
氷浴内で冷却した、撹拌子、2-クロロ-5-ヨードピリジン-4-オール(9.9g)、K2CO3 (21.3g)、及びN,N-ジメチルホルムアミド(100mL)を入れたフラスコに4-ブロモ-クロトン酸エチル(14.2mL)を滴加する。氷浴を除去し、混合物を室温で2時間撹拌する。水を加え、結果として生じる混合物をメチル-tert-ブチルエーテルで抽出する。混ぜ合わせた有機相を水及びブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濃縮する。残渣をシリカゲルでクロマトグラフ処理(シクロヘキサン/酢酸エチル70:30→20:80)して表題化合物を得る。質量スペクトル(ESI+): m/z = 368/370 (Cl) [M+H]+。
工程4:(6-クロロ-2,3-ジヒドロ-フロ[3,2-c]ピリジン-3-イル)-酢酸エチルエステル
(E)-4-(2-クロロ-5-ヨード-ピリジン-4-イルオキシ)-ブタ-2-エン酸エチルエステル(5.8g)、トリス-(トリメチルシリル)-シラン(20mL)、アゾ-ビス-イソブチロニトリル(AIBN;1.3g)、及びトルエン(20mL)の混合物を90℃で30分間撹拌する。溶媒を蒸発させ、残渣をシリカゲルでクロマトグラフ処理(シクロヘキサン/メチル-tert-ブチルエーテル90:10→0:100)して表題化合物を得る。Rf値(酢酸エチル/石油エーテル1:4):0.45;LC(方法1): tR = 0.89分;質量スペクトル(ESI+): m/z = 242/244 (Cl) [M+H]+。
キラル相でHPLCにより表題化合物をそのエナンチオマーに分割する(カラム:Chiralpak AD-H、250×30mm;溶媒:CO2/メタノール60:40;流量:100.0g/分;温度:25℃):
((S)-6-クロロ-2,3-ジヒドロ-フロ[3,2-c]ピリジン-3-イル)-酢酸エチルエステル
質量スペクトル(ES+): m/z = 242/244 (Cl) [M+H]+;
文献記載の類似化合物のデータに基づいてステレオジェンC中心の配置を割り当てる。
((R)-6-クロロ-2,3-ジヒドロ-フロ[3,2-c]ピリジン-3-イル)-酢酸エチルエステル
質量スペクトル(ES+): m/z = 242/244 (Cl) [M+H]+;
文献記載の類似化合物のデータに基づいてステレオジェンC中心の配置を割り当てる。
4-[4-((R)-1-アミノ-7-フルオロ-インダン-4-イル)-3,5-ジメチル-フェノキシ]-2-メチル-ブタン-2-オール
0℃でN,N-ジメチルホルムアミド(30mL)中の(S)-4-ブロモ-7-フルオロ-インダン-1-オール(7.0g)の溶液にイミダゾール(4.5g)及びtert-ブチル-ジメチル-クロロシラン(5.3g)を加える。混合物を室温で12時間撹拌する。水を加え、混合物を10分間撹拌する。塩酸(水中1mol/L)を加え、結果として生じる混合物をジエチルエーテルで抽出する。混ぜ合わせた有機相をブラインで洗浄し、乾燥させる(MgSO4)。溶媒を蒸発させ、残渣をシリカゲルでクロマトグラフ処理(シクロヘキサン/酢酸エチル97:3→80:20)して表題化合物を得る。質量スペクトル(ESI+): m/z = 345/347 (Br) [M+H]+。
工程2:2-[(S)-1-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7-フルオロ-インダン-4-イル]-4,4,5,5-テトラメチル-[1,3,2]ジオキサボロラン
撹拌子、((S)-4-ブロモ-7-フルオロ-インダン-1-イルオキシ)-tert-ブチル-ジメチル-シラン(10.1g)、ビス-(ピナコラト)-二ホウ素(9.9g)、酢酸カリウム(7.2g)、及び1,4-ジオキサン(50mL)を入れたフラスコをアルゴンで10分間パージする。[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)-フェロセン]-ジクロロパラジウム(II)(0.64g)を加え、混合物を100℃で6時間撹拌する。室温に冷ました後、NH4Cl飽和水溶液を加え、結果として生じる混合物をジエチルエーテルで抽出する。混ぜ合わせた有機相を乾燥させ(MgSO4)、濃縮する。残渣をシリカゲルでクロマトグラフ処理(シクロヘキサン/酢酸エチル95:5→60:40)して表題化合物を得る。質量スペクトル(ESI+): m/z = 415 [M+Na]+。
工程3:4-{4-[(S)-1-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7-フルオロ-インダン-4-イル]-3,5-ジメチル-フェノキシ}-2-メチル-ブタン-2-オール
撹拌子、2-[(S)-1-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7-フルオロ-インダン-4-イル]-4,4,5,5-テトラメチル-[1,3,2]ジオキサボロラン(2.0g)、4-(4-ブロモ-3,5-ジメチルフェノキシ)-2-メチルブタン-2-オール(1.6g)、K3PO4(3.3g)、1,4-ジオキサン(20mL)、及び水(3mL)を入れたバイアルをアルゴンでパージする。酢酸パラジウム(II) (35mg)及びジシクロヘキシル(2',6'-ジメトキシビフェニル-2-イル)ホスフィン
(S-Phos)(130mg)を加え、バイアルを密封し、混合物を80℃で2時間撹拌する。室温に冷ました後、混合物をセライトで濾過する。濾液を濃縮し、残渣をシリカゲルでクロマトグラフ処理(シクロヘキサン/酢酸エチル60:40)して表題化合物を得る。質量スペクトル(ESI+): m/z = 455 [M+H-H2O]+。
室温で撹拌子、4-{4-[(S)-1-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7-フルオロ-インダン-4-イル]-3,5-ジメチル-フェノキシ}-2-メチル-ブタン-2-オール(2.2g)、及びテトラヒドロフラン(30mL)を入れたフラスコにテトラブチルアンモニウムフルオリド(7.6mL、テトラヒドロフラン中1mol/L)を加える。混合物を3時間撹拌する。水を加え、結果として生じる混合物を酢酸エチルで抽出する。混ぜ合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濃縮する。残渣をシリカゲルでクロマトグラフ処理(シクロヘキサン/酢酸エチル60:40→0:100)して表題化合物を得る。質量スペクトル(ESI+): m/z = 376 [M+NH4]+。
工程5:4-[4-((R)-1-アジド-7-フルオロ-インダン-4-イル)-3,5-ジメチル-フェノキシ]-2-メチル-ブタン-2-オール
0℃に冷却した、撹拌子、(S)-7-フルオロ-4-[4-(3-ヒドロキシ-3-メチル-ブトキシ)-2,6-ジメチル-フェニル]-インダン-1-オール(1.5g)、ジフェニルホスホリルアジド(1.1mL)、及びトルエン(12mL)を入れたフラスコに1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(DBU、0.9mL)のトルエン(8mL)中の溶液を滴加する。混合物を10℃で2時間撹拌する。水を加え、結果として生じる混合物を酢酸エチルで抽出する。混ぜ合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濃縮する。残渣をシリカゲルでクロマトグラフ処理(シクロヘキサン/酢酸エチル60:40→40:60)して表題化合物を得る。質量スペクトル(ESI+): m/z = 366 [M+H-H2O]+。
工程6:4-[4-((R)-1-アミノ-7-フルオロ-インダン-4-イル)-3,5-ジメチル-フェノキシ]-2-メチル-ブタン-2-オール
10%パラジウム炭素(100mg)、4-[4-((R)-1-アジド-7-フルオロ-インダン-4-イル)-3,5-ジメチル-フェノキシ]-2-メチル-ブタン-2-オール(1.2g)、及びエタノール(20mL)の混合物を水素雰囲気(2バール)下で室温にて1時間振盪させる。触媒を濾別し、エタノールで洗浄する。混ぜ合わせた濾液を濃縮し、残渣をシリカゲルでクロマトグラフ処理(CH2Cl2/(CH2Cl2/メタノール/7N NH4OH水溶液50:48:2)90:10→10:90)して表題化合物を得る。質量スペクトル(ESI+): m/z = 358 [M+H]+。
4-[4-((R)-1-アミノ-インダン-4-イル)-3,5-ジメチル-フェノキシ]-2-メチル-ブタン-2-オール
表題化合物は、(S)-4-ブロモ-インダン-1-オールから、中間体2の工程1に記載の手順に類似の手順に従って調製する。
工程2:2-[(S)-1-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-インダン-4-イル]-4,4,5,5-テトラメチル-[1,3,2]ジオキサボロラン
表題化合物は、((S)-4-ブロモ-インダン-1-イルオキシ)-tert-ブチル-ジメチル-シランから、中間体2の工程2に記載の手順に類似の手順に従って調製する。質量スペクトル(ESI+): m/z = 397 [M+Na]+。
工程3:4-{4-[(S)-1-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-インダン-4-イル]-3,5-ジメチル-フェノキシ}-2-メチル-ブタン-2-オール
表題化合物は、2-[(S)-1-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-インダン-4-イル]-4,4,5,5-テトラメチル-[1,3,2]ジオキサボロランから、中間体2の工程3に記載の手順に類似の手順に従って調製する。質量スペクトル(ESI+): m/z = 477 [M+Na]+。
工程4:(S)-4-[4-(3-ヒドロキシ-3-メチル-ブトキシ)-2,6-ジメチル-フェニル]-インダン-1-オール
表題化合物は、4-{4-[(S)-1-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-インダン-4-イル]-3,5-ジメチル-フェノキシ}-2-メチル-ブタン-2-オールから、中間体2の工程4に記載の手順に類似の手順に従って調製する。質量スペクトル(ESI+): m/z = 363 [M+Na]+。
工程5:2-{(R)-4-[4-(3-ヒドロキシ-3-メチル-ブトキシ)-2,6-ジメチル-フェニル]-インダン-1-イル}-イソインドール-1,3-ジオン
0℃で撹拌子、(S)-4-[4-(3-ヒドロキシ-3-メチル-ブトキシ)-2,6-ジメチル-フェニル]-インダン-1-オール(1.0g)、フタルイミド(0.45g)、トリフェニルホスフィン(0.81g)、及びテトラヒドロフラン(20mL)を入れたフラスコにアゾジカルボン酸ジ-tert-ブチル(0.71g)を少しずつ加える。結果として生じる混合物を室温で4時間撹拌する。混合物を濃縮し、残渣をシリカゲルでクロマトグラフ処理(シクロヘキサン/酢酸エチル80:20→40:60)して表題化合物を得る。質量スペクトル(ESI+): m/z = 452 [M+H-H2O]+。
工程6:4-[4-((R)-1-アミノ-インダン-4-イル)-3,5-ジメチル-フェノキシ]-2-メチル-ブタン-2-オール
室温でメタノール(25mL)中の2-{(R)-4-[4-(3-ヒドロキシ-3-メチル-ブトキシ)-2,6-ジメチル-フェニル]-インダン-1-イル}-イソインドール-1,3-ジオン(0.65g)の溶液にヒドラジン水和物(3.0mL)を加える。混合物を5時間撹拌してから濃縮する。残渣をシリカゲルでクロマトグラフ処理(CH2Cl2/(CH2Cl2/メタノール/7N NH4OH水溶液50:48:2)90:10→60:40)して表題化合物を得る。質量スペクトル(ESI+): m/z = 323 [M+H-H2O]+。
(R)-4-[2,6-ジメチル-4-(2-メチル-2H-テトラゾール-5-イル)-フェニル]-7-フルオロ-インダン-1-イルアミン
表題化合物は、2-[(S)-1-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7-フルオロ-インダン-4-イル]-4,4,5,5-テトラメチル-[1,3,2]ジオキサボロラン及び5-(4-ブロモ-3,5-ジメチル-フェニル)-2-メチル-2H-1,2,3,4-テトラゾールから、中間体2の工程3に記載の手順に類似の手順に従って調製する。質量スペクトル(ESI+): m/z = 453 [M+H]+。
工程2:(S)-4-[2,6-ジメチル-4-(2-メチル-2H-テトラゾール-5-イル)-フェニル]-7-フルオロ-インダン-1-オール
表題化合物は、5-{4-[(S)-1-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7-フルオロ-インダン-4-イル]-3,5-ジメチル-フェニル}-2-メチル-2H-テトラゾールから、中間体3の工程4に記載の手順に類似の手順に従って調製する。質量スペクトル(ESI+): m/z = 339 [M+H]+。
工程3:(R)-4-[2,6-ジメチル-4-(2-メチル-2H-テトラゾール-5-イル)-フェニル]-7-フルオロ-インダン-1-イルアミン
表題化合物は、(S)-4-[2,6-ジメチル-4-(2-メチル-2H-テトラゾール-5-イル)-フェニル]-7-フルオロ-インダン-1-オールから、中間体2の工程5に記載の手順に類似の手順に従って調製する。質量スペクトル(ESI+): m/z = 364 [M+H]+。
工程4:(R)-4-[2,6-ジメチル-4-(2-メチル-2H-テトラゾール-5-イル)-フェニル]-7-フルオロ-インダン-1-イルアミン
表題化合物は、(R)-4-[2,6-ジメチル-4-(2-メチル-2H-テトラゾール-5-イル)-フェニル]-7-フルオロ-インダン-1-イルアミンから、中間体2の工程6に記載の手順に類似の手順に従って調製する。質量スペクトル(ESI+): m/z = 338 [M+H]+。
(R)-4-[2,6-ジメチル-4-(2-メチル-2H-テトラゾール-5-イル)-フェニル]-インダン-1-イルアミン
表題化合物は、2-[(S)-1-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-インダン-4-イル]-4,4,5,5-テトラメチル-[1,3,2]ジオキサボロラン及び5-(4-ブロモ-3,5-ジメチルフェニル)-2-メチル-2H-1,2,3,4-テトラゾールから、中間体2の工程3に記載の手順に類似の手順に従って調製する。質量スペクトル(ESI+): m/z = 435 [M+H]+。
工程2:(S)-4-[2,6-ジメチル-4-(2-メチル-2H-テトラゾール-5-イル)-フェニル]-インダン-1-オール
表題化合物は、5-{4-[(S)-1-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-インダン-4-イル]-3,5-ジメチル-フェニル}-2-メチル-2H-テトラゾールから、中間体3の工程4に記載の手順に類似の手順に従って調製する。質量スペクトル(ESI+): m/z = 321 [M+H]+。
工程3:2-{(R)-4-[2,6-ジメチル-4-(2-メチル-2H-テトラゾール-5-イル)-フェニル]-インダン-1-イル}-イソインドール-1,3-ジオン
表題化合物は、(S)-4-[2,6-ジメチル-4-(2-メチル-2H-テトラゾール-5-イル)-フェニル]-インダン-1-オール及びフタルイミドから、中間体3の工程に記載の手順に類似の手順に従って調製する。質量スペクトル(ESI+): m/z = 450 [M+H]+。
工程4:(R)-4-[2,6-ジメチル-4-(2-メチル-2H-テトラゾール-5-イル)-フェニル]-インダン-1-イルアミン
表題化合物は、2-{(R)-4-[2,6-ジメチル-4-(2-メチル-2H-テトラゾール-5-イル)-フェニル]-インダン-1-イル}-イソインドール-1,3-ジオンから、中間体3の工程6に記載の手順に類似の手順に従って調製する。質量スペクトル(ESI+): m/z = 320 [M+H]+。
(R)-7-フルオロ-4-トリメチルシラニル-インダン-1-イルアミン
-75℃に冷却した、撹拌子、(S)-4-ブロモ-7-フルオロ-インダン-1-オール(10.0g)、及びテトラヒドロフラン(80mL)を入れたフラスコにn-ブチルリチウム(ヘキサン中1.6mol/L;60mL)を滴加する。混合物を-70℃未満で45時間撹拌した後にクロロトリメチルシラン(12mL)を加える。混合物を一晩室温に温める。混合物を-50℃に冷却し、4M HCl水溶液(25mL)で処理し、室温に温める。混合物を濃縮し、残渣をシリカゲルでクロマトグラフ処理(シクロヘキサン/酢酸エチル3:1→2:3)して表題化合物を得る。質量スペクトル(ESI+): m/z = 207 [M-OH]+。
工程2:((R)-1-アジド-7-フルオロ-インダン-4-イル)-トリメチル-シラン
表題化合物は、(S)-7-フルオロ-4-トリメチルシラニル-インダン-1-オールから、中間体8の工程2に記載の手順に類似の手順に従って調製する。質量スペクトル(ESI+): m/z = 207 [M-N3]+。
工程3:(R)-7-フルオロ-4-トリメチルシリル-インダン-1-イルアミン
表題化合物は、((R)-1-アジド-7-フルオロ-インダン-4-イル)-トリメチル-シランから、中間体8の工程3に記載の手順に類似の手順に従って調製する。質量スペクトル(ESI+): m/z = 224 [M+H]+。
{(S)-3-[(R)-7-フルオロ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-[1,3,2]ジオキサボロラン-2-イル)-インダン-1-イルアミノ]-6,7-ジヒドロ-5H-[2]ピリンジン(pyrindin)-7-イル}-酢酸メチルエステル
撹拌子、(R)-7-フルオロ-4-トリメチルシリル-インダン-1-イルアミン(0.90g)、((S)-3-クロロ-6,7-ジヒドロ-5H-[2]ピリンジン-7-イル)-酢酸エチルエステル(1.17g)、及び1,4-ジオキサン(15mL)を入れたバイアルをArで10分間パージする。ナトリウムtert-ブトキシド(0.97g)及びクロロ[2-(ジシクロヘキシルホスフィノ)-3,6-ジメトキシ-2',4',6'-トリイソプロピル-1,1'-ビフェニル][2-(2-アミノエチル)フェニル]パラジウム(II)(BRETTPHOS Pd G1 メチル-tert-ブチルエーテル付加体;64mg)を加え、混合物をマイクロ波オーブン内で100℃にて40分間撹拌する。室温に冷ました後、メタノールを加え、結果として生じる混合物を1,4-ジオキサン中のHClで中和する。木炭を加え、混合物を5分間撹拌した後に濾過する。濾液を濃縮して粗製表題化合物を得、そのまま次反応工程で使用する。
工程2:[(S)-3-((R)-7-フルオロ-4-トリメチルシラニル-インダン-1-イルアミノ)-6,7-ジヒドロ-5H-[2]ピリンジン-7-イル]-酢酸メチルエステル
室温でメタノール(12mL)中の[(S)-3-((R)-7-フルオロ-4-トリメチルシラニル-インダン-1-イルアミノ)-6,7-ジヒドロ-5H-[2]ピリンジン-7-イル]-酢酸(1.42g)の溶液にHCl(1,4-ジオキサン中4mol/L;1.5mL)を加える。混合物を室温で一晩撹拌する。混合物を濃縮し、残渣をシリカゲルでクロマトグラフ処理(ジクロロメタン/メタノール97:3→3:1)して表題化合物を得る。質量スペクトル(ESI+): m/z = 415 [M+H]+。
氷浴内で冷却したジクロロメタン(5mL)中の[(S)-3-((R)-7-フルオロ-4-トリメチルシラニル-インダン-1-イルアミノ)-6,7-ジヒドロ-5H-[2]ピリンジン-7-イル]-酢酸メチルエステル(2.90g)の溶液に一塩化ヨウ素(ジクロロメタン中1mol/L;14mL)を加える。溶液を冷却浴内で10分間撹拌する。混合物をNa2S2O3水溶液及びNaHCO3水溶液で希釈し、結果として生じる混合物をジクロロメタンで抽出する。混ぜ合わせた抽出物をブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濃縮する。残渣をシリカゲルでクロマトグラフ処理(ジクロロメタン/メタノール98:2→3:1)して表題化合物を得る。質量スペクトル(ESI+): m/z = 469 [M+H]+。
工程4:{(S)-3-[(R)-7-フルオロ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-[1,3,2]ジオキサボロラン-2-イル)-インダン-1-イルアミノ]-6,7-ジヒドロ-5H-[2]ピリンジン-7-イル}-酢酸メチルエステル
撹拌子、[(S)-3-((R)-7-フルオロ-4-ヨード-インダン-1-イルアミノ)-6,7-ジヒドロ-5H-[2]ピリンジン-7-イル]-酢酸メチルエステル(2.64g)、ビス-(ピナコラト)-二ホウ素(1.88g)、酢酸カリウム(1.38g)、及びジメチルスルホキシド(20mL)を入れたフラスコをアルゴンで10分間パージする。Pd(PPh3)4(0.50mg)を加え、混合物を110℃で2時間撹拌する。室温に冷ました後、NaHCO3水溶液を加え、混合物をセライトで濾過する。濾液をジクロロメタンで抽出し、混ぜ合わせた抽出物をブラインで洗浄して濃縮する。残渣をシリカゲルでクロマトグラフ処理(ジクロロメタン/メタノール96:4)して表題化合物を得る。質量スペクトル(ESI+): m/z = 469 [M+H]+。
((S)-6-{(R)-7-フルオロ-4-[4-(3-ヒドロキシ-3-メチル-ブトキシ)-2,6-ジメチル-フェニル]-インダン-1-イルアミノ}-2,3-ジヒドロ-フロ[3,2-c]ピリジン-3-イル)-酢酸
((R)-6-{(R)-7-フルオロ-4-[4-(3-ヒドロキシ-3-メチル-ブトキシ)-2,6-ジメチル-フェニル]-インダン-1-イルアミノ}-2,3-ジヒドロ-フロ[3,2-c]ピリジン-3-イル)-酢酸
((S)-6-{(R)-4-[4-(3-ヒドロキシ-3-メチル-ブトキシ)-2,6-ジメチル-フェニル]-インダン-1-イルアミノ}-2,3-ジヒドロ-フロ[3,2-c]ピリジン-3-イル)-酢酸
((R)-6-{(R)-4-[4-(3-ヒドロキシ-3-メチル-ブトキシ)-2,6-ジメチル-フェニル]-インダン-1-イルアミノ}-2,3-ジヒドロ-フロ[3,2-c]ピリジン-3-イル)-酢酸
((S)-6-{(R)-4-[2,6-ジメチル-4-(2-メチル-2H-テトラゾール-5-イル)-フェニル]-7-フルオロ-インダン-1-イルアミノ}-2,3-ジヒドロ-フロ[3,2-c]ピリジン-3-イル)-酢酸
((R)-6-{(R)-4-[2,6-ジメチル-4-(2-メチル-2H-テトラゾール-5-イル)-フェニル]-7-フルオロ-インダン-1-イルアミノ}-2,3-ジヒドロ-フロ[3,2-c]ピリジン-3-イル)-酢酸
((S)-6-{(R)-4-[2,6-ジメチル-4-(2-メチル-2H-テトラゾール-5-イル)-フェニル]-インダン-1-イルアミノ}-2,3-ジヒドロ-フロ[3,2-c]ピリジン-3-イル)-酢酸
((R)-6-{(R)-4-[2,6-ジメチル-4-(2-メチル-2H-テトラゾール-5-イル)-フェニル]-インダン-1-イルアミノ}-2,3-ジヒドロ-フロ[3,2-c]ピリジン-3-イル)-酢酸
[(S)-6-((R)-4-{2,6-ジメチル-4-[(R)-(テトラヒドロ-フラン-3-イル)オキシ]-フェニル}-7-フルオロ-インダン-1-イルアミノ)-2,3-ジヒドロ-フロ[3,2-c]ピリジン-3-イル]-酢酸
((S)-6-{(R)-4-[2,6-ジメチル-4-(テトラヒドロ-ピラン-4-イルオキシ)-フェニル]-7-フルオロ-インダン-1-イルアミノ}-2,3-ジヒドロ-フロ[3,2-c]ピリジン-3-イル)-酢酸
((S)-6-{(R)-4-[2,6-ジメチル-4-(3-メチル-オキセタン-3-イルメトキシ)-フェニル]-7-フルオロ-インダン-1-イルアミノ}-2,3-ジヒドロ-フロ[3,2-c]ピリジン-3-イル)-酢酸
[(S)-6-((R)-4-{2,6-ジメチル-4-[(S)-(テトラヒドロ-フラン-3-イル)オキシ]-フェニル}-7-フルオロ-インダン-1-イルアミノ)-2,3-ジヒドロ-フロ[3,2-c]ピリジン-3-イル]-酢酸
((S)-6-{(R)-7-フルオロ-4-[4-(2-ヒドロキシ-2-メチル-プロポキシ)-2,6-ジメチル-フェニル]-インダン-1-イルアミノ}-2,3-ジヒドロ-フロ[3,2-c]ピリジン-3-イル)-酢酸
((S)-6-{(R)-4-[2,6-ジメチル-4-(テトラヒドロ-フラン-3-イルメトキシ)-フェニル]-7-フルオロ-インダン-1-イルアミノ}-2,3-ジヒドロ-フロ[3,2-c]ピリジン-3-イル)-酢酸
[(S)-6-((R)-7-フルオロ-4-{4-[2-(2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピル)-2H-テトラゾール-5-イル]-2,6-ジメチル-フェニル}-インダン-1-イルアミノ)-2,3-ジヒドロ-フロ[3,2-c]ピリジン-3-イル]-酢酸
((S)-6-{(R)-4-[2,6-ジメチル-4-(1-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-ピリミジン-4-イル)-フェニル]-7-フルオロ-インダン-1-イルアミノ}-2,3-ジヒドロ-フロ[3,2-c]ピリジン-3-イル)-酢酸
((S)-6-{(R)-4-[2,6-ジメチル-4-(1-メチル-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-ピリジン-4-イル)-フェニル]-7-フルオロ-インダン-1-イルアミノ}-2,3-ジヒドロ-フロ[3,2-c]ピリジン-3-イル)-酢酸
((S)-6-{(R)-4-[2,6-ジメチル-4-(1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリミジン-4-イル)-フェニル]-7-フルオロ-インダン-1-イルアミノ}-2,3-ジヒドロ-フロ[3,2-c]ピリジン-3-イル)-酢酸
((S)-6-{(R)-4-[2,6-ジメチル-4-(1-メチル-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-ピリジン-3-イル)-フェニル]-7-フルオロ-インダン-1-イルアミノ}-2,3-ジヒドロ-フロ[3,2-c]ピリジン-3-イル)-酢酸
{(S)-6-[(R)-4-(2,6-ジメチル-4-ピラジン-2-イル-フェニル)-7-フルオロ-インダン-1-イルアミノ]-2,3-ジヒドロ-フロ[3,2-c]ピリジン-3-イル}-酢酸
Claims (12)
- 下記式(I)
(式中、
Rは、
H、F、Cl、Br、I、C1-6-アルキル、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、C3-6-シクロアルキル、NC-、HNRN-C(=O)-、C1-4-アルキル-NRN-C(=O)-、C3-6-シクロアルキル-NRN-C(=O)-、ヘテロシクリル-NRN-C(=O)-、ヘテロアリール-NRN-C(=O)-、HOOC-、C1-4-アルキル-O-C(=O)-、O2N-、HRNN-、C1-4-アルキル-RNN-、C1-4-アルキル-C(=O)NRN-、C3-6-シクロアルキル-C(=O)NRN-、ヘテロシクリル-C(=O)-NRN-、ヘテロアリール-C(=O)NRN-、C1-4-アルキル-S(=O)2NRN-、C3-6-シクロアルキル-S(=O)2NRN-、ヘテロシクリル-S(=O)2NRN-、ヘテロアリール-S(=O)2NRN-、HO-、C1-6-アルキル-O-、HOOC-C1-3-アルキル-O-、ヘテロシクリル-C1-3-アルキル-O-、フェニル-C1-3-アルキル-O-、C3-6-シクロアルキル-O-、ヘテロシクリル-O-、ヘテロアリール-O-、C1-4-アルキル-S-、C3-6-シクロアルキル-S-、ヘテロシクリル-S-、C1-4-アルキル-S(=O)-、C3-6-シクロアルキル-S(=O)-、ヘテロシクリル-S(=O)-、C1-4-アルキル-S(=O)2-、C3-6-シクロアルキル-S(=O)2-、ヘテロシクリル-S(=O)2-、フェニル-S(=O)2-、ヘテロアリール-S(=O)2-、HNRN-S(=O)2-、C1-4-アルキル-NRN-S(=O)2-、ヘテロシクリル、フェニル、及びヘテロアリールから成る群より選択され、
ここで、Rについて言及した残基の群内の各アルキル、シクロアルキル、及びヘテロシクリル基又は下位基は、任意に1個以上のF原子で置換されていてもよく、かつ任意に、Cl、C1-3-アルキル、NC-、(RN)2N-、HO-、C1-3-アルキル-O-、及びC1-3-アルキル-S(=O)2-から独立に選択される1~3個の基で置換されていてもよく;並びに
Rについて言及した残基の群内の各フェニル及びヘテロアリール基又は下位基は、任意に、F、Cl、C1-3-アルキル、HF2C-、F3C-、NC-、(RN)2N-、HO-、C1-3-アルキル-O-、F3C-O-、及びC1-3-アルキル-S(=O)2-から独立に選択される1~5個の置換基で置換されていてもよく;
Rについて言及した残基の群内の各ヘテロシクリル基又は下位基は、
1個のCH2基が-NRN-又は-O-に置き換えられているシクロブチル基;
1個のCH2基が-C(=O)-、-NRN-、-O-、-S-、若しくは-S(=O)2-に置き換えられ及び/又は1個のCH基がNに置き換えられているC5-6-シクロアルキル基;
1個のCH2基が-NRN-若しくは-O-に置き換えられ、第2のCH2基が-NRN-、-C(=O)-若しくは-S(=O)2-に置き換えられ及び/又は1個のCH基がNに置き換えられているC5-6-シクロアルキル基;及び
2個のCH2基が-NRN-に置き換えられているか又は1個のCH2基が-NRN-に置き換えられ、もう一方のCH2基が-O-に置き換えられ、かつ第3のCH2基が-C(=O)-若しくは-S(=O)2-に置き換えられ及び/又は1個のCH基がNに置き換えられているC5-6-シクロアルキル基
から選択され;
Rについて言及した残基の群内の各ヘテロアリール基又は下位基は、
テトラゾリルと、=N-、-NRN-、-O-、及び-S-から互いに独立に選択される1、2、若しくは3個のヘテロ原子を含有する5又は6員ヘテロ芳香環とから選択され、
ここで、-HC=N-単位を含有するヘテロ芳香族基では、この基は任意に-NRN-C(=O)-に置き換えられていてもよく;
1個以上のNH基を有するヘテロアリール及びヘテロシクリル環では、前記NH基のそれぞれがNRNに置き換えられており;
R1は、H、F、Cl、C1-4-アルキル、C3-6-シクロアルキル-、HO-C1-4-アルキル、C1-4-アルキル-O-C1-4-アルキル、NC-、HO-、C1-4-アルキル-O-、C3-6-シクロアルキル-O-、C1-4-アルキル-S-、C1-4-アルキル-S(O)-、及びC1-4-アルキル-S(O)2-から成る群より選択され、
ここで、R1について言及した残基の群内のいずれのアルキル及びシクロアルキル基又は下位基も任意に1個以上のF原子で置換されていてもよく、かつmが2、3又は4の場合、複数のR1は同一又は異なっていてよく;
mは、1、2、3、及び4から選択される整数であり;
R2は、H、F、Cl、C1-4-アルキル、NC-、及びC1-4-アルキルオキシから成る群より選択され、
ここで、R2について言及した残基の群内のいずれのアルキル基又は下位基も任意に1個以上のF原子で置換されていてもよく、かつnが2又は3の場合、複数のR2は同一又は異なっていてよく;
nは、1、2、及び3から選択される整数であり;
RNは、H、C1-4-アルキル、HO-C1-4-アルキル-(H2C)-、C1-3-アルキル-O-C1-4-アルキル-、C1-4-アルキル-C(=O)-、C1-4-アルキル-NH-C(=O)-、C1-4-アルキル-N(C1-4-アルキル)-C(=O)-、C1-4-アルキル-O-C(=O)-、及びC1-4-アルキル-S(=O)2-から成る群より互いに独立に選択され、
ここで、RNについて言及した残基の群内の各アルキル基又は下位基は、任意に1個以上のF原子で置換されていてもよく;
前記いずれの定義においても、特に断りのない限り、いずれのアルキル基又は下位基も直鎖であるか又は分岐していてよい)
の化合物又はその塩。 - Rが、H、F、Cl、C1-4-アルキル、C3-シクロアルキル、NC-、H2N-C(=O)-、C1-3-アルキル-NRN-C(=O)-、HOOC-、H2N-、C1-3-アルキル-C(=O)NRN-、C1-4-アルキル-S(=O)2NRN-、HO-、C1-5-アルキル-O-、HOOC-CH2-O-、ヘテロシクリル-CH2-O-、フェニル-CH2-O-、C3-6-シクロアルキル-O-、ヘテロシクリル-O-、ヘテロアリール-O-、ヘテロシクリル-S(=O)2-、ヘテロシクリル、及びヘテロアリールから成る群より選択され、
ここで、Rについて言及した残基の群内の各アルキル、シクロアルキル、及びヘテロシクリル基又は下位基は、任意に1個以上のF原子で置換されていてもよく、かつ任意に、Cl、H3C-、NC-、RNHN-、HO-、H3C-O-、及びH3C-S(=O)2-から選択される1個の基で置換されていてもよく;
Rについて言及した残基の群内の各ヘテロアリール基又は下位基は、任意に、F、Cl、H3C-、F3C-、NC-、(RN)2N-、HO-、H3C-O-、F3C-O-、及びH3C-S(=O)2-から独立に選択される1~2個の置換基で置換されていてもよく;
Rについて言及した残基の群内の各ヘテロシクリル又は下位基は、
1個のCH2基が-NRN-又は-O-に置き換えられているシクロブチル基;
1個のCH2基が-C(=O)-、-NRN-、-O-、-S-若しくは-S(=O)2-に置き換えられ及び/又は1個のCH基がNに置き換えられているC5-6-シクロアルキル基
から選択され;
Rについて言及した残基の群内の各ヘテロアリール基又は下位基は、
テトラゾリルと、=N-、-NH-、O及びSから互いに独立に選択される1、2又は3個のヘテロ原子を含有する5員ヘテロ芳香環と、1又は2個の=N-原子を含有する6員ヘテロ芳香環とから選択され、
ここで、-HC=N-単位は、任意に-NH-C(=O)-に置き換えられていてもよく;
かつ1個以上のNHを含有するRについて言及した各ヘテロアリール及びヘテロシクリル基又は下位基のそれぞれにおいて、前記NH基はNRNに置き換えられている、
請求項1に記載の化合物又はその塩。 - Rが、C1-4-アルキル、オキセタニル、又はテトラヒドロフラニルで一置換されたH3C-O-(H3C-O-に付着されたC1-4-アルキル基は、任意にHO-で一置換されていてもよく、かつ
前記オキセタニル及びテトラヒドロフラニルは、任意にH3C-で一置換されていてもよい);
テトラヒドロフラニル-O-及びテトラヒドロピラニル-O-;並びに
テトラゾリル、ピリジン-2-オニル、ピラジニル、ピリミジン-2-オニル、及びピリミジン-4-オニルから選択されるヘテロアリール基
(前記ヘテロアリール基は、それぞれ任意にH3C-で一置換されていてもよく、かつ
前記ヘテロアリール基中の各H-N基は、任意にH3C-N又は(H3C)2C(OH)-H2C-Nに置き換えられていてもよい)
から成る群より選択される、
請求項1に記載の化合物又はその塩。 - R1が、H、F、Cl、H3C-、H3C-H2C-、(H3C)2CH-、F3C-、及びH3C-O-であり;
R2がH又はFであり;
mが2であり、かつ
nが1である、
請求項1、2又は3に記載の化合物又はその塩。 - R1がH3C-である、
請求項1、2、3又は4に記載の化合物又はその塩。 - 請求項1~8のいずれか1項に記載の化合物の医薬的に許容される塩。
- 請求項1~8のいずれか1項に記載の1種以上の化合物又はその1種以上の医薬的に許容される塩を含み、任意に1種以上の不活性な担体及び/又は希釈剤と共に含んでいてもよい、医薬組成物。
- 2型糖尿病、インスリン抵抗性、肥満症、心血管疾患又は脂質異常症の予防及び/又は治療に使用するための、請求項10に記載の医薬組成物。
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