JP7049129B2 - 車両の制御装置及び車両の制御方法 - Google Patents

車両の制御装置及び車両の制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、車両の制御装置及び車両の制御方法に関する。
従来、例えば下記の特許文献1には、路面摩擦係数検出手段により路面の摩擦係数を検出し、路面摩擦係数と実施形態車速とにより、自車両の進行方向上にある障害物との間の車間距離を算出することが記載されている。
また、近時では、顔の画像情報に基づいて人の状態を認識する技術が一般的となっている。例えば、下記の非特許文献1には、顔認識により運転中のドライバの状態を監視する技術が記載されている。
特開2001-199260号公報
丸山 勇人、松岡 敦子、"ドライバーモニタシステムの紹介"、2012年11月、OKIテクニカルレビュー 第220号 Vol.79 No.2
しかしながら、上記特許文献1に記載された手法では、赤外線センサを用いて単に滑り易い路面状態か否かを検出している。このため、乾燥状態、水濡れ状態、凍結状態などの大まかな路面状態を検出することは可能であるが、車両が走行している路面の摩擦家数を詳細に取得することは困難である。
また、上記特許文献1に記載された手法では、赤外線センサを用いて路面状態を検出しているため、車両が走行している路面に対して、車両前方により摩擦係数の低い路面があるような場合など、路面摩擦係数が過渡的に変化する状況では、最適な車間距離を算出することは困難である。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、車両が走行している路面状態に対して車両前方の路面状態が異なる場合に、車両の車間距離を最適に制御することが可能な、新規かつ改良された車両の制御装置及び車両の制御方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、車軸に設けられたハブユニットセンサからの検出値に基づいて第1の路面摩擦係数を算出する第1の路面摩擦係数算出部と、車両前方の路面状態を非接触で検出する非接触センサからの検出値に基づいて第2の路面摩擦係数を算出する第2の路面摩擦係数算出部と、前記第1の路面摩擦係数及び前記第2の路面摩擦係数に基づいて、車両が走行している路面よりも摩擦係数が低い路面が車両前方に存在する場合に、前方車との車間距離を広げる制御を行う車両制御部と、を備える、車両の制御装置が提供される。
前記車両制御部は、前記第1の路面摩擦係数及び前記第2の路面摩擦係数に基づいて、車両が走行している路面よりも摩擦係数が高い路面が車両前方に存在する場合に、前記第1の路面摩擦係数に基づいて前記車間距離を制御するものであっても良い。
また、前記車両制御部は、前記第1の路面摩擦係数が前記第2の路面摩擦係数に到達するまでの間は、前記第1の路面摩擦係数に基づいて前記車間距離を制御するものであっても良い。
また、前記車両のドライバの状態を判定するドライバ状態判定部を備え、前記車両制御部は、前記ドライバの状態に応じて、前記車間距離を制御するものであっても良い。
また、前記車両制御部は、前記ドライバの状態が不安定であるほど前記車間距離を拡げる制御を行うものであっても良い。
前記第1の路面摩擦係数又は前記第2の路面摩擦係数に基づいて目標車間距離を算出する車間距離算出部を備え、前記車両制御部は、前記前方車との前記車間距離が前記目標車間距離以下である場合は、前記前方車との前記車間距離が前記目標車間距離となるように制御を行うものであっても良い。
また、前記車間距離算出部は、前記第1の路面摩擦係数又は前記第2の路面摩擦係数を、摩擦係数の大きさに応じて前記目標車間距離が対応づけされた区分に当てはめることで前記目標車間距離を算出し、前記車両制御部は、前記第1の路面摩擦係数に対応する区分よりも前記第2の路面摩擦係数に対応する区分の摩擦係数が低い場合に、前方車との車間距離を拡げる制御を行うものであっても良い。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、車軸に設けられたハブユニットセンサからの検出値に基づいて第1の路面摩擦係数を算出するステップと、車両前方の路面状態を非接触で検出する非接触センサからの検出値に基づいて第2の路面摩擦係数を算出するステップと、前記第1の路面摩擦係数及び前記第2の路面摩擦係数に基づいて、車両が走行している路面よりも摩擦係数が低い路面が車両前方に存在する場合に、前方車との車間距離を拡げる制御を行うステップと、を備える、車両の制御方法が提供される。
本発明によれば、車両が走行している路面状態に対して車両前方の路面状態が異なる場合に、車両の車間距離を最適に制御することが可能となる。
本発明の一実施形態に係る車両システムの構成を示す模式図である。 ドライバセンサがカメラから構成される場合に、ドライバセンサがドライバを撮影している状態を示す模式図である。 ドライバの顔領域に基づいて、顔が向いている角度等を算出する様子を示す模式図である。 ドライバの口が開いているか否かを判定する開口検知を示す模式図である。 ドライバ目が閉じているか否かを判定する様子を示す模式図である。 第2の摩擦係数算出部が路面状態を判定する際に使用するマップを示す模式図である。 図5Aのマップ3次元マップを2次元マップに分解して示す模式図である。 図5Aのマップ3次元マップを2次元マップに分解して示す模式図である。 図5Aのマップ3次元マップを2次元マップに分解して示す模式図である。 図5Aのマップ3次元マップを2次元マップに分解して示す模式図である。 路面状態と摩擦係数の関係を予め規定したデータベースの例を示す模式図である。 第1の路面摩擦係数センサと第2の路面摩擦係数センサによる車両制御を示す模式図である。 本実施形態に係る車両システムで行われる処理を示すフローチャートである。 図9のステップS12において、第1の路面摩擦係数算出部210が路面摩擦係数μ1を算出する処理を示すフローチャートである。 図9のステップS12において、第2の路面摩擦係数算出部220が路面摩擦係数μ2を算出する処理を示すフローチャートである。 車両速度Vと車間距離Ln(L1,L2,L3)の関係を示す特性図である。 車両速度Vと車間距離Ln(L1,L2,L3)の関係を示す特性図である。 車両速度Vと車間距離Ln(L1,L2,L3)の関係を示す特性図である。 低μ路(摩擦係数=μl)、中μ路(摩擦係数=μm)、高μ路(摩擦係数=μh)のそれぞれについて、分解能に応じた車間距離Lnを示す模式図である。 ドライバの選択に応じて設定された車間距離を示す模式図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
図1は、本発明の一実施形態に係る車両システム1000の構成を示す模式図である。車両システム1000は、基本的には自動車などの車両に構成されるシステムである。図1に示すように、車両システム1000は、車外センサ100、ACC制御SW110、ドライバセンサ120、車速センサ130、車間距離選択部140、第1の路面摩擦係数センサ150、第2の路面摩擦係数センサ160、制御装置200、車両制御装置300、警告装置400を有して構成されている。
車外センサ100は、ステレオカメラ、単眼カメラ、ミリ波レーダ、赤外線センサ等から構成され、自車両周辺の人や車両などの位置、速度を測定する。車外センサ100がステレオカメラから構成される場合、ステレオカメラは、CCDセンサ、CMOSセンサ等の撮像素子を有する左右1対のカメラを有して構成され、車両外の外部環境を撮像し、撮像した画像情報を制御装置200へ送る。一例として、ステレオカメラは、色情報を取得可能なカラーカメラから構成され、車両のフロントガラスの上部に設置される。車速センサ110は、車両速度Vを検出するセンサである。
ACC制御SW110は、アダプティブクルーズコントロール(ACC:Adaptive Cruise Control)による制御のオン、オフを切り換えるスイッチである。アダプティブクルーズコントロールがオンになると、車両速度の自動調整、先行車への追従走行、車線追従走行などのアダプティブクルーズコントロールが行われる。
ドライバセンサ120は、心拍数センサを含み、心拍数センサは例えばドライバの耳たぶなどに装着される。また、ドライバセンサ120は、ドライバを撮像するカメラを含む。ドライバセンサ120がカメラから構成される場合、カメラが撮像した画像を画像処理することで、瞼の開閉、頭や腕の動き、視線方向などを取得する。
第1の路面摩擦係数センサ150、及び第2の路面摩擦係数センサ160は、路面摩擦係数を取得するための各種パラメータを検出する。第1の路面摩擦係数センサ150は、車輪のハブに設けられるハブユニットセンサから構成され、車両の前輪及び後輪に作用する作用力を検出する。第1の路面摩擦係数センサ150によって検出される作用力には、前後方向力Fx、横力Fyおよび上下力Fzを含む三方向の分力と、ハブ(車軸)の軸周りのトルクTyとがある。前後方向力Fxは、前輪及び後輪の接地面に発生する摩擦力のうち車輪中心面に平行な方向(x軸方向、前後方向)に発生する分力であり、横力Fyは、車輪中心面に直角な方向(y軸方向、横方向)に発生する分力である。なお、車輪中心面は、車軸と直交し、車輪幅の中央を通る面をいうものとする。一方、上下力Fzは、鉛直方向(z軸)に作用する力、いわゆる、垂直荷重である。トルクTyは、タイヤ800の車軸回りのトルク(ねじり力)である。
例えば、前輪及び後輪は、ひずみゲージと、このひずみゲージから出力される電気信号を処理し、作用力に応じた検出信号を生成する信号処理回路とを主体に構成されている。ハブに生じる応力は作用力に比例するという知得に基づき、ひずみゲージをハブに埋設することにより、作用力が直接的に検出される。なお、第1の路面摩擦係数センサ150の具体的な構成については、例えば、特開平04-331336号公報、特開平10-318862号公報、特許第4277799号等に開示されている構成を採用できる。第1の路面摩擦係数センサ150は、前輪又は後輪に駆動力を伝達するドライブシャフトに設けられていても良い。
車両駆動装置300は、車両のタイヤを駆動するモータ、エンジンなどの装置である。警告装置400は、車両のドライバに対して警告を行う装置であって、警告表示を表示する表示装置、警告音を発生するスピーカ等の装置である。
制御装置200は、第1の路面摩擦係数センサ150、第2の路面摩擦係数センサ160が検出した情報に基づいて、前方を走行する先行車との車間距離を制御する。また、制御装置200は、ドライバの状態に応じた車間距離の制御、警告の出力を行う。このため、制御装置200は、環境情報取得部202、ドライバ情報取得部204、ドライバ状態判定部206、警告出力部208、第1の摩擦係数算出部210、第2の摩擦係数算出部220、車間距離算出部230、車両制御部240を有している。なお、制御装置200の各構成要素は、回路(ハードウェア)、またはCPUなどの中央演算処理装置とこれを機能させるためのプログラム(ソフトウェア)によって構成されることができる。
環境情報取得部202は、車外センサ100を構成するステレオカメラの左右1組のカメラによって撮像した左右1組のステレオ画像対に対し、対応する位置のずれ量から三角測量の原理によって対象物までの距離情報を生成して取得することができる。同時に、環境情報取得部202は、画像情報から被写体の位置情報を取得することができる。また、環境情報取得部202は、三角測量の原理によって生成した距離情報に対して、周知のグルーピング処理を行い、グルーピング処理した距離情報を予め設定しておいた三次元的な立体物データ等と比較することにより、立体物データや白線データ等を検出する。これにより、制御装置400は、人物、他車両、一時停止の標識、停止線、ETCゲートなどを認識することもできる。
また、環境情報取得部202は、三角測量の原理によって生成した人物、他車両との距離情報を用いて、人物や他車両との距離の変化量、相対速度を算出することができる。距離の変化量は、単位時間ごとに検知されるフレーム画像間の距離を積算することにより求めることができる。また、相対速度は、単位時間ごとに検知される距離を当該単位時間で割ることにより求めることができる。
このように、環境情報取得部202は、車外センサ100から得られる車両外の画像情報を取得して画像分析処理を行い、画像情報を分析して車両外の環境情報を取得する。
図2は、ドライバセンサ120がカメラから構成される場合に、ドライバセンサ120がドライバを撮影している状態を示す模式図である。図2に示すように、ドライバセンサ120は、一例としてステアリングコラムの上部に設置される。
ドライバセンサ120がカメラから構成される場合、ドライバセンサ120によって撮影された画像は、制御装置200に入力される。ドライバ情報取得部204は、入力画像からエッジ検出、顔検出等の画像処理技術を用いてドライバの顔領域を取得し、顔領域に基づいて顔向きを取得する。ドライバ状態判定部406は、顔向きに基づいてドライバが脇見をしているか否かを判定する。また、ドライバ情報取得部404は、目、鼻、口など顔の各部位の特徴点の位置情報を検知し、ドライバ状態判定部406は、位置情報に基づいて眠気、居眠りなど前方不注意の可能性などドライバの状態を判定する。この際、前述した非特許文献1に記載された手法を用いることができる。
図3は、検出されたドライバの顔領域10に基づいて、顔が向いている角度等を算出する様子を示す模式図である。画像情報から得られるドライバの顔領域10に基づいて、ドライバの顔向きが予め定めた領域を外れているか否かをモニタリングすることで、脇見の可能性を判定することができる。なお、ドライバの顔領域10は、目、鼻、口など顔の各部位の特徴点の位置情報から設定できる。また、顔向きは、一例として、正面から見た時の目の間隔を基準とし、この基準と画像情報から得られる目の間隔とを比較することで推定することができる。画像情報から得られる目の間隔が基準値よりも小さい程、顔向きが正面から横向きにずれていると判断できる。
図3の右下には、検知結果20を示している。検知結果20には、縦軸に「顔の上下方向の角度」、横軸に「顔の左右方向の角度」を表示しており、×印30は検知された顔向きを示している。検知結果20において斜線を付した中央部の矩形は、ドライバが正面を向いていると判断する正面領域22を示し、検知された顔向き(×印30)が正面領域22から左右の脇見領域24に変化した場合、脇見の可能性があると判定する。正面領域22と脇見領域24を区別するしきい値は左右±20°程度とすることができるが、適宜変更可能である。脇見をしているか否かの判定は、例えば基準時間に対して顔向きが脇見領域24になった時間の比率が所定のしきい値を超えたか否かによって判定することができる。また、例えば顔向き角度が予め設定した範囲を一定時間連続して超えた場合、もしくは連続して顔の検出ができない場合は、脇見と判定することも可能である。
図4は、ドライバの口が開いているか否かを判定する開口検知を示す模式図である。図4に示すように、口の上下の特徴点間の距離D1から口の開閉状態を判定し、特徴点間の距離D1が所定値を超える場合(図4に示す開口状態)では、ドライバの口が開いている可能性があり、あくびの可能性があると判定することができる。また、例えば開口状態のまま一定時間が経過する状況が複数回検知される場合は、居眠りの危険性が増大していると判断できる。
図5は、ドライバ目が閉じているか否かを判定する様子を示す模式図である。図5に示すように、目の上下の特徴点間の距離D2から目が閉じていることを検知し、特徴点間の距離D2が所定値以下の場合(図5に示す目閉じ状態)では、居眠りの可能性があると判定することができる。居眠りをしているか否かの判定は、例えば基準時間に対して目が閉じている時間の比率(閉眼率)が所定のしきい値を超えたか否かによって判定することができる。また、目閉じ検知が複数回検知されると居眠りの危険性が増大していると判断できる。また、画像処理により瞬きを検出し、瞬きの回数に基づいて居眠りをしているか否かの判定を行っても良い。図4、図5に示す判定は、ドライバ状態判定部406によって行われる。
制御装置200の第1の摩擦係数算出部210は、第1の路面摩擦係数センサ150により前後方向力Fx、横力Fyおよび上下力Fzを含む三方向の分力が検出されると、これに基づいて路面の摩擦係数をリアルタイムに算出する。路面摩擦係数μ1は、以下の式から算出することができる。
μ1=√(Fx+Fy)/Fz
第1の摩擦係数算出部210により路面摩擦係数μ1を算出し、タイヤの摩擦円に基づく制駆動力制御を行うことで、車両挙動を安定させることができる。一方、第1の摩擦係数算出部210が算出した路面摩擦係数μ1は、路面摩擦係数を計測しようとする路面にタイヤが実際に接地してから計測され、現在走行中の路面の摩擦係数である。このため、路面摩擦係数μ1に基づいて制駆動力制御を行うと、例えば、車両が高μ路から凍結路などの極端な低μ路に突入した場合に、FxとFyの合力のベクトルが低μ路でのタイヤ摩擦円(μ2z)の半径よりはみ出してしまい、適切な制駆動力制御を実施する前にスリップを引き起こす可能性がある。
このため、本実施形態では、第1の路面摩擦係数センサ150を用いた路面摩擦係数μ1の推定とは別に、第2の路面摩擦係数センサ160を用いて、タイヤがまだ接地していない車両前方の路面の摩擦係数を推定する。第2の路面摩擦係数センサ160は、車両前方を撮像するカメラ、温度センサ(外気温センサ、路面温度センサ)、近赤外線センサ、レーザ光センサ(TOF(Time of Flight)センサ)等の非接触式センサを備えるハイブリッドタイプのセンサであり、車両前方の画像、温度、路面状態等を検出する。なお、第2の路面摩擦係数センサ160による路面状態の判別の際に、例えば特開2006-46936号公報に記載されている方法を採用しても良い。
制御装置200の第2の摩擦係数算出部220は、第2の路面摩擦係数センサ160により車両前方の画像、温度等が検出されると、これに基づいて路面の摩擦係数をリアルタイムに算出する。
具体的に、第2の摩擦係数算出部220は、第2の路面摩擦係数センサ160のカメラの画像から車両前方の路面の色、路面粗さ等を取得する。また、第2の摩擦係数算出部220は、第2の路面摩擦係数センサ160の非接触式温度計から、外気温、路面温度を取得する。
また、第2の摩擦係数算出部220は、第2の路面摩擦係数センサ160の近赤外線センサの検出値から、路面の水分量を取得する。近赤外線を路面に照射した際に、路面に水分が多いと近赤外線の反射量が少なくなり、路面に水分が少ないと近赤外線の反射量が多くなる。従って、第2の摩擦係数算出部220は、近赤外線センサの検出値に基づいて、路面の水分量を取得することができる。
また、第2の摩擦係数算出部220は、第2の路面摩擦係数センサ160のレーザ光センサから、路面の粗さを取得する。より詳細には、レーザ光を照射してからその反射光が検出されるまでの時間に基づいて、車両前方の路面の粗さ(凹凸)を取得することができる。なお、第2の摩擦係数算出部220は、車両速度に基づいて、車両走行に伴う路面の移動分を考慮して、車両前方の領域の路面の粗さを取得する。
第2の摩擦係数算出部220は、第2の路面摩擦係数センサ160から取得したこれらの情報から、路面状態がドライ(D)、ウェット(W)、雪(S)、氷(I)であるかを判定する。図6Aは、第2の摩擦係数算出部220が路面状態を判定する際に使用するマップを示す模式図である。図6Aに示すマップは、路面温度、路面凹凸、及び路面の水分量のそれぞれを正規化した値をパラメータとする、3次元マップとされている。図6B~図6Eは、図6Aのマップ3次元マップを2次元マップに分解して示す模式図である。図6Bは、路面温度(Z軸)、路面凹凸(X軸)、及び路面の水分量(Y軸)の座標系を、図6Cは図5Bの(1)面の2次元マップを、図6Dは図6Bの(2)面の2次元マップを、図6Eは図6Bの(3)面の2次元マップを、それぞれ示している。第2の摩擦係数算出部220は、第2の路面摩擦係数センサ160による検出値から取得した路面温度、路面凹凸、路面水分量を図6Aのマップに当てはめて、路面状態を判定する。
そして、第2の摩擦係数算出部220は、図6Aのマップから判定した路面状態を、路面状態と路面摩擦係数の関係を予め規定したデータベースに反映させることで、路面摩擦係数μ2を算出する。図7は、路面状態と摩擦係数の関係を予め規定したデータベースの例を示す模式図である。図7に示す路面状態と摩擦係数との関係として、(株)日本交通事故鑑識研究所のホームページ(http://weekend.nikkouken.com/week47/409/)に記載された摩擦係数表を用いることができる。図7に示すデータベースでは、縦方向では、路面状況である「アスファルト」、「コンクリート」、「砂利」、「氷」、「雪」に応じた摩擦係数が示されている。また、横方向では、路面状況として、乾(ドライ(D))、濡(ウェット(W))に応じた摩擦係数が示されている。
第2の摩擦係数算出部220は、図6Aのマップから判定した路面状態を図7のデータベースに当てはめ、路面摩擦係数μ2を算出する。この際、「アスファルト」、「コンクリート」、「砂利」の判定については、第2の路面摩擦係数センサ160のカメラから取得した路面の画像と、予め取得しておいた「アスファルト」、「コンクリート」、「砂利」の各画像との類似度を判定した結果から、車両前方の路面が「アスファルト」、「コンクリート」、「砂利」のいずれであるかを判定する。
更に、第2の摩擦係数算出部220は、車両前方の路面が「アスファルト」であると判定した場合に、第2の路面摩擦係数センサ160のカメラから取得した路面の画像と、予め取得しておいた「新舗装」、「普通舗装」、「舗装摩減」、「タール過剰」の各画像との類似度を判定した結果から、車両前方の路面が「アスファルト」であり、「新舗装」、「普通舗装」、「舗装摩減」、「タール過剰」のいずれであるかを判定する。第2の摩擦係数算出部220は、車両前方の路面が「コンクリート」、「砂利」であると判定した場合も同様に、更に細分化した判定を行うことができる。
以上により、第2の摩擦係数算出部220は、路面状況と車両速度に基づいて、図7のデータベースから、車両前方の路面摩擦係数μ2を算出する。例えば、第2の路面摩擦係数センサ160のカメラの画像から、路面が「アスファルト」の「新舗装」であることが判定され、車速センサ190又は車輪速センサ127,128から検出される車両速度が40km/hであり、図6Aのマップから路面状況が乾(ドライ(D))と判定された場合、路面摩擦係数μ2の値は0.8~1.0として算出される。
車間距離算出部230は、ACCが行われる際に、適切な車間距離を算出する。車両制御部240は、ACCが行われる際に、前方車との車間距離を車間距離算出部230が算出した目標車間距離とするように、車両駆動装置300を制御する。
特に本実施形態では、路面の摩擦係数を算出し、その値に応じた前方車との間の適切な車間距離を算出し、適切な車間距離となるように車両を制御する。この際、第1の路面摩擦係数センサ150と第2の路面摩擦係数センサ160を組み合わせることで、車両が現在走行している路面に対して、車両がまだ走行していない車両前方の路面が滑り易いかどうかを判定し、判定結果に応じて車間距離を制御する。
図8は、第1の路面摩擦係数センサ150と第2の路面摩擦係数センサ160による車両制御を示す模式図である。図8に示すように、第1の路面摩擦係数センサ150が検出した情報に基づき、車両が走行している路面(タイヤが接地している路面)の路面摩擦係数μ1が算出される。また、第2の路面摩擦係数センサ160が検出した情報に基づき、車両の前方の路面の路面摩擦係数μ2が検出される。
図8の上段の図は、第1の路面摩擦係数センサ150によりタイヤが接地している路面が高μ路であることが検出され、第2の路面摩擦係数センサ160により車両前方の路面が低μ路であることが検出された場合を示している。この場合、車両がこれから低μ路に入るため、前方車との車間距離をより広げることが望ましい。このため、低μの路面に進入する前に事前に車間距離を広げるような制御を行う。
また、図8の下段の図は、第1の路面摩擦係数センサ150によりタイヤが接地している路面が低μ路であることが検出され、第2の路面摩擦係数センサ160により車両前方の路面が高μ路であることが検出された場合を示している。この場合、車両が高μ路に入るまでの間は、前方車との車間距離を低μ路相当の車間距離とすることが望ましい。このため、タイヤが接地している路面が高μ路になるまでの間は、低μ路相当の車間距離となるように制御を行う。タイヤが接地している路面が高μ路になったことは、路面摩擦係数μ1と路面摩擦係数μ2が同様の値になったことで判定できる。
路面摩擦係数に基づく制御では、路面摩擦係数を判定するためのしきい値を複数設定し、例えば路面が低μ路、中μ路、高μ路のいずれであるかを判定し、判定結果に応じた車間距離を設定する。また、路面状態に応じて設定した車間距離に対して、ドライバの選択に応じて、「標準」、「長め」、「短め」などのように更に細分化した設定を可能とする。
以上のような制御を行うため、制御装置200の車間距離算出部230は、第1の路面摩擦係数算出部210が算出した路面摩擦係数μ1、第2の路面摩擦係数算出部220が算出した路面摩擦係数μ2、車両速度V、環境情報取得部202が取得した車両周辺の環境情報に基づいて、前方車との間の適切な目標車間距離を演算する。車両制御部240は、前方車との車間距離が、車間距離算出部230が演算した目標車間距離となるように、モータ、エンジンなどの車両制御装置300を制御する。この際、車両制御部240は、環境情報取得部202により取得された前方車の距離に基づいて、前方車との車間距離が、車間距離算出部230が演算した車間距離となるようにフィードバック制御を行う。
図9は、本実施形態に係る車両システム1000で行われる処理を示すフローチャートである。図9に示す処理は、制御装置200の各構成要素によって行われ、所定の制御周期毎に繰り返し行われる。先ず、ステップS10では、ACCによる制御がオンであるか否かを判定し、ACCによる制御がオンの場合はステップS12に進む。ACCによる制御がオンの場合は、ドライバによって前方車との車間距離(短め、標準、長めなど)、車両速度等が設定される。ACCによる制御がオフの場合は、ステップS10で待機する。
ステップS12では、第1の摩擦係数算出部210と第2の路面摩擦係数算出部220が、路面摩擦係数を算出する。図10は、図9のステップS12において、第1の路面摩擦係数算出部210が路面摩擦係数μ1を算出する処理を示すフローチャートである。先ず、ステップS40では、第1の路面摩擦係数センサ150によりFx,Fy,Fzの値に関する情報を取得する。次のステップS42では、上述した手法により、Fx,Fy,Fzの値に基づいて、路面摩擦係数μ1を算出する。
図11は、図9のステップS12において、第2の路面摩擦係数算出部220が路面摩擦係数μ2を算出する処理を示すフローチャートである。先ず、ステップS50では、第2の路面摩擦係数センサ120から得られる情報に基づいて、車両の前方の路面状態を判別する。次のステップS52では、車速センサ130より車両速度Vの情報を取得する。なお、車速センサ130が車輪速を検出する場合は、車輪速の情報を取得しても良い。次のステップS54では、上述した手法により、路面状態と車両速度Vから路面摩擦係数μ2を算出する。
図9のステップS12の後はステップS14へ進む。ステップS14では、車間距離算出部230が、路面摩擦係数に応じた車間距離(目標車間距離)Lを算出する。先ず、ステップS14では、ステップS12で算出した路面摩擦係数に応じて路面状態を高μ路、中μ路、低μ路の区分に分類する。一例として、路面摩擦係数が0.7以上の場合は高μ路、路面摩擦係数が0.4以上0.7未満の場合は中μ路、路面摩擦係数が0.4未満の場合は低μ路と判定する。そして、高μ路の場合の摩擦係数をμh、中μ路の場合の摩擦係数をμm、低μ路の摩擦係数をμlとする。一例として、μh=0.9、μm=0.6、μl=0.3とする。
そして、以下の式に基づいて、μh、μm、μlのそれぞれについて、余裕時間tを算出する。下式のμには、μh、μm、μlのいずれかが代入される。また、車両速度Vは、一例として、30km/h、50km/h、70km/hの3通りとする。これにより、摩擦係数をμh、μm、μlのそれぞれについて、短めの余裕時間t1、標準の余裕時間t2、長めの余裕時間t3が算出される。なお、gは重力加速度である。
t=車両速度V/(μ×g)
例えば、高μ路(摩擦係数=μh=0.9)の場合、標準の余裕時間t2は、車速を50km/h(=13.89m/s)とすると、t2=13.89/(0.9×9.81)=1.57[s]となる。同様の演算により、高μ路(摩擦係数=μh=0.9)の場合に、短めの余裕時間t1は0.94[s]、長めの余裕時間t3は2.20[s]となる。
そして、以下の式より、高μ路(摩擦係数=μh)、中μ路(摩擦係数=μm)、低μ路(摩擦係数=μl)のそれぞれについて、車間距離Lnを演算する。下式のtには、t1,t2,t3のいずれかが代入される。これにより、μh、μm、μlのそれぞれについて、車両速度Vと余裕時間t1,t2,t3の値に応じた車間距離Ln(n=1,2,3)が算出される。
Ln=車両速度V×t
例えば、高μ路(摩擦係数=μh=0.9)の場合、標準の余裕時間t2が1.57[s]であることから、標準の車間距離L2は、L2=13.89[m/s]×1.57[s]=21.8[m]となる。同様の演算により、高μ路(摩擦係数=μh=0.9)の場合、短めの車間距離L1は13.1[m]、長めの車間距離L3は30.6[m]となる。
なお、上述の例では、車間距離LnとしてL1(短め)、L2(標準)、L3(長め)を算出する例を示したが、車間距離Lnの分解能は、車両重量、ブレーキの性能など、車両仕様に応じて適宜設定することができる。
車間距離算出部230は、ステップS12で算出した路面摩擦係数μ1が、高μ路(摩擦係数=μh)、中μ路(摩擦係数=μm)、低μ路(摩擦係数=μl)の区分のいずれに該当するかを判定し、該当する区分に応じた目標車間距離を算出する。そして、高μ路(摩擦係数=μh)、中μ路(摩擦係数=μm)、低μ路(摩擦係数=μl)のそれぞれの場合に、算出された3つの車間距離L1,L2,L3のいずれを選択するかは、ドライバが車間距離選択部140を操作することで選択できる。ドライバは、ACCにより短めの車間距離を設定したい場合は車間距離L1を選択し、標準の車間距離を設定したい場合は車間距離L2を選択し、長めの車間距離を設定したい場合は車間距離L3を選択する。なお、路面摩擦係数μ2に基づいて、高μ路、中μ路、低μ路の区分のいずれに該当するかを判定するかを判定することもできる。
図12~図14は、車両速度Vと車間距離Ln(L1,L2,L3)の関係を示す特性図である。図12は、低μの場合(摩擦係数=μl)を示しており、図13は、中μの場合(摩擦係数=μm)を示しており、図14は高μの場合(摩擦係数=μh)を示している。図12~図14に示すように、低μの場合ほど、車間距離L1,L2,L3の値は大きくなる。従って、車両が滑り易い場合ほど、車間距離が長めに設定される。
以上のように、本実施形態では、路面摩擦係数と、ドライバの設定によって、ACCの際の目標車間距離が設定される。この際、路面摩擦係数が小さい程、目標車間距離が長く設定され、更に、ドライバの好みに応じて、路面摩擦係数に応じて設定される目標車間距離を「短め」、「標準」、「長め」に調整することができる。図15は、低μ路(摩擦係数=μl)、中μ路(摩擦係数=μm)、高μ路(摩擦係数=μh)のそれぞれについて、ドライバの好みをn段階に設定可能な分解能とした場合に、車間距離Lnを示す模式図である。図15では、低μ路、中μ路、高μ路のそれぞれについて、車間距離Lをn分割した例を示している。上述したように、車間距離L1,L2,L3,・・・,Lnは、摩擦係数μl,μm,μhと余裕時間t1,t2,t3,・・・,tnから求まる。図15に示すように、例えば低μ路(摩擦係数=μl)では、余裕時間t1の場合の車間距離L1(μl)が最も短く、余裕時間tnの場合の車間距離Ln(tn)が最も長くなる。従って、ドライバの設定に応じて、図15中に矢印A1で示す方向で車間距離が変化する。
また、摩擦係数と車間距離との関係では、摩擦係数の変化に応じて車間距離は変化する。ドライバが車間距離L2を選択した場合に、中μ路から低μ路に路面摩擦係数が変化すると、中μ路の車間距離L2(μm)と低μ路の車間距離L2(μl)とでは、低μ路の車間距離L2(μm)の方がより大きくなる。従って、路面摩擦係数に応じて、図15中に矢印A2で示す方向で車間距離が変化する。
図16は、ドライバが車間距離を3段階に設定可能とした場合に、ドライバの選択に応じて設定された車間距離を示す模式図である。図16において、上段の図は、高μ路(摩擦係数=μh)の場合を示している。また、下段の図は、低μ路(摩擦係数=μl)の場合を示している。図16では、上段の図、下段の図のいずれにおいても、ドライバが長めの車間距離L3を選択した場合を示している。
図16に示すように、高μ路、低μ路のいずれにおいても、ドライバは、3つの車間距離L1,L2,L3の中から車間距離を設定することができる。本実施形態では、ドライバが長めの車間距離L3を選定した場合でも、路面摩擦係数に応じて車間距離L3の長さの設定が変化する。高μ路の方が低μ路よりも制動距離が短いことから、図16に示すように、高μ路での車間距離L3は、低μ路での車間距離L3よりも短くなる。
以上のようにして、図9のステップS14では、路面摩擦係数と車両速度Vに応じた目標車間距離Lnの算出が行われる。ステップS14の後はステップS16へ進む。ステップS16では、車外センサ100が検出した情報に基づいて、環境情報取得部202が前方車との車間距離Lmを取得する。また、車速センサ130から車両速度Vが取得される。
次のステップS18では、Ln≦Lmであるか否かを判定し、Ln≦Lmの場合はステップS22へ進む。ステップS22へ進んだ場合は、先行車との車間距離Lmが路面摩擦係数に応じた車間距離Ln以上であるため、適正な車間距離が確保されている。従って、ステップS22では、ACCによりドライバが設定した速度になるように駆動力制御を行う。駆動力制御は、車両制御部240が車両駆動装置300を制御することによって行われる。
一方、ステップS18でLn>Lmの場合はステップS20へ進む。ステップS20へ進んだ場合は、先行車との車間距離Lmが路面摩擦係数に応じた車間距離Ln未満であるため、前方車との車間距離をLnに保ち、前方車と同じ速度になるように駆動力制御を行う。駆動力制御は、環境情報取得部202が取得した車間距離Lmが車間距離Lnとなるように車両制御部240が車両駆動装置300を制御することによって行われる。
ステップS20,S22の後はステップS24へ進む。ステップS24では、路面摩擦係数μ1、路面摩擦係数μ2の大小に応じた判定を行う。ここでの判定は、路面摩擦係数μ1、路面摩擦係数μ2の大小関係が、(1)μ1≒μ2、(2)μ1>μ2、(3)μ1<μ2のいずれかであるかを判定する。なお、μ1≒μ2の場合とは、μ1とμ2の差分の絶対値が所定のしきい値以下の場合であり、(1)の条件を満たす場合は、(2)又は(3)の条件を満たさないものとする。
ステップS24での判定の結果、(2)μ1>μ2の場合は、ステップS26へ進む。ステップS26へ進んだ場合は、現在車両が走行している路面の摩擦係数(路面摩擦係数μ1)よりも車両前方の路面の摩擦係数(路面摩擦係数μ2)の方が小さいため、これから車両が低μ路に入ることになる。従って、ステップS26では、低μ路に入る前から車間距離を空けるように車両駆動装置300を制御する。より具体的には、ステップS26では、低μ路相当の路面摩擦係数に基づく車間距離となるように車両駆動装置300を制御する。
ステップS26の処理は、図15中の矢印A3に対応する。図15中の矢印A3では、ドライバにより車間距離L2が選択されている場合に、路面摩擦係数が中μ路相当の値(μm)から低μ路相当の値(μl)に変わると、車間距離L2も中μ路の摩擦係数μmに相当する値から低μ路の摩擦係数μlに相当する値まで小さくなる。ステップS26では、低μ路の摩擦係数μlに相当する目標車間距離L2となるように車両駆動装置300を制御する。ステップS26の後はステップS30へ進む。以上のように、図15において、ドライバにより車間距離L2が選択されている場合に、路面摩擦係数μ1が中μ路の区分に属し、路面摩擦係数μ2が低μ路の区分に属する場合は、車間距離L2を中μ路の摩擦係数μmに相当する値から低μ路の摩擦係数μlに相当する値まで小さくする。同様に、路面摩擦係数μ1が高μ路の区分に属し、路面摩擦係数μ2が低μ路の区分に属する場合は、車間距離L2を高μ路の摩擦係数μhに相当する値から低μ路の摩擦係数μlに相当する値まで小さくする。また、路面摩擦係数μ1が高μ路の区分に属し、路面摩擦係数μ2が中μ路の区分に属する場合は、車間距離L2を高μ路の摩擦係数μhに相当する値から中μ路の摩擦係数μmに相当する値まで小さくする。一方、路面摩擦係数μ1と路面摩擦係数μ2が同じ区分に属する場合は、目標車間距離の変更は行われない。
また、ステップS24での判定の結果、(3)μ1<μ2の場合は、ステップS28へ進む。ステップS28へ進んだ場合、車両前方の路面の摩擦係数(路面摩擦係数μ2)よりも現在車両が走行している路面の摩擦係数(路面摩擦係数μ1)の方が小さいこのため、現在車両が走行している路面の路面摩擦係数μ1が車両前方の路面の路面摩擦係数μ2と同等となるまでは、現在車両が走行している路面の路面摩擦係数μ1に基づく駆動力制御を行う。これにより、車両のスリップを抑制するとともに、適切な車間距離を保つことが可能である。このため、ステップS28へ進んだ場合、μ1≒μ2となるまで、路面摩擦係数μ1に相当する車間距離となるように車両駆動装置300を制御する。ステップS26の後はステップS30へ進む。
また、ステップS24での判定の結果、(1)μ1≒μ2の場合は、現在車両が走行している路面の摩擦係数と車両前方の路面の摩擦係数が同等であるため、路面摩擦係数μ1と路面摩擦係数μ2との相違に基づく制御を行うことなく、次のステップS30へ進む。ステップS30では、ドライバ状態判定部406によりドライバの状態が不安定であるか否かを判定し、ドライバの状態が不安定の場合は、ステップS32へ進む。ドライバ状態判定部406は、上述した手法により、ドライバの脇見の回数、口の開口状態、瞬きの回数等に応じて、これらのパラメータと所定のしきい値を比較した結果に応じて、ドライバの状態が不安定であるか否かを判定する。また、ドライバ状態判定部406は、ドライバセンサが心拍数センサの場合は、ドライバの心拍数と所定のしきい値を比較した結果に応じて、ドライバの状態が不安定であるか否かを判定する。一方、ステップS30でドライバの状態が不安定でない場合は、処理を終了する(END)。
ステップS32では、ドライバに警告を報知するか、または前方車との車間距離がより広がるように車両駆動装置300を制御する。ドライバに警告を報知する場合は、警告出力部208がドライバに警告するための表示、音声に関する信号を警告装置400へ出力する。警告装置400は、ドライバへの警告のための表示を行い、また警告音を発生する。
また、ステップS32において、前方車との車間距離を拡げる場合、車両距離算出部230は、車間距離の分解能の範囲で、目標車間距離を1段階拡げる。この処理は、図15中の矢印A4に対応する。図15中の矢印A4では、ドライバにより車間距離L2が選択されており、路面摩擦係数が中μ路相当の値(μm)の場合に、目標車間距離がL2からL3に拡げられている。なお、ドライバの状態に応じて、不安定度がより高い場合は、車間距離を1段階以上広げることもできる。この場合、車両制御部240は、ドライバの状態が不安定であるほど、車間距離を拡げる制御を行う。ステップS32の後は、処理を終了する(END)。
以上説明したように本実施形態によれば、第1の路面摩擦係数算出部210が算出した路面摩擦係数μ1と第2の路面摩擦係数算出部220が算出した路面摩擦係数μ2に基づいて、路面状態の変化に応じた最適な車間距離の制御を行うことが可能となる。また、アダプティブクルーズコントロールを備えた車両において、路面状態に応じて最適な車間距離の制御を行うことができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
200 制御装置
206 ドライバ状態判定部
210 第1の路面摩擦係数算出部
220 第2の路面摩擦係数算出部
240 車両制御部

Claims (8)

  1. 車軸に設けられたハブユニットセンサからの検出値に基づいて第1の路面摩擦係数を算出する第1の路面摩擦係数算出部と、
    車両前方の路面状態を非接触で検出する非接触センサからの検出値に基づいて第2の路面摩擦係数を算出する第2の路面摩擦係数算出部と、
    前記第1の路面摩擦係数及び前記第2の路面摩擦係数に基づいて、車両が走行している路面よりも摩擦係数が低い路面が車両前方に存在する場合に、前方車との車間距離を広げる制御を行う車両制御部と、
    を備えることを特徴とする、車両の制御装置。
  2. 前記車両制御部は、前記第1の路面摩擦係数及び前記第2の路面摩擦係数に基づいて、車両が走行している路面よりも摩擦係数が高い路面が車両前方に存在する場合に、前記第1の路面摩擦係数に基づいて前記車間距離を制御することを特徴とする、請求項1に記載の車両の制御装置。
  3. 前記車両制御部は、前記第1の路面摩擦係数が前記第2の路面摩擦係数に到達するまでの間は、前記第1の路面摩擦係数に基づいて前記車間距離を制御することを特徴とする、請求項2に記載の車両の制御装置。
  4. 前記車両のドライバの状態を判定するドライバ状態判定部を備え、
    前記車両制御部は、前記ドライバの状態に応じて、前記車間距離を制御することを特徴とする、請求項1~3のいずれかに記載の車両の制御装置。
  5. 前記車両制御部は、前記ドライバの状態が不安定であるほど前記車間距離を拡げる制御を行うことを特徴とする、請求項4に記載の車両の制御装置。
  6. 前記第1の路面摩擦係数又は前記第2の路面摩擦係数に基づいて目標車間距離を算出する車間距離算出部を備え、
    前記車両制御部は、前記前方車との前記車間距離が前記目標車間距離以下である場合は、前記前方車との前記車間距離が前記目標車間距離となるように制御を行うことを特徴とする、請求項1~5のいずれかに記載の車両の制御装置。
  7. 前記車間距離算出部は、前記第1の路面摩擦係数又は前記第2の路面摩擦係数を、摩擦係数の大きさに応じて前記目標車間距離が対応づけされた区分に当てはめることで前記目標車間距離を算出し、
    前記車両制御部は、前記第1の路面摩擦係数に対応する区分よりも前記第2の路面摩擦係数に対応する区分の摩擦係数が低い場合に、前方車との車間距離を拡げる制御を行うことを特徴とする、請求項6に記載の車両の制御装置。
  8. 車軸に設けられたハブユニットセンサからの検出値に基づいて第1の路面摩擦係数を算出するステップと、
    車両前方の路面状態を非接触で検出する非接触センサからの検出値に基づいて第2の路面摩擦係数を算出するステップと、
    前記第1の路面摩擦係数及び前記第2の路面摩擦係数に基づいて、車両が走行している路面よりも摩擦係数が低い路面が車両前方に存在する場合に、前方車との車間距離を拡げる制御を行うステップと、
    を備えることを特徴とする、車両の制御方法。
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