JP7049040B2 - 放電ブラシ電極、及び放電ブラシ電極の製造方法 - Google Patents
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Description
また、国際公開2018-109989号公報(特許文献2)には、ブラシ状電極を有するイオン発生ユニットを備えた冷蔵装置が開示されている。
特許文献2によると、ブラシ状電極を構成する導電体は数μm~数十μmと細く、通電及び断電によって導電体が繰り返し撓り、長時間の使用によって導電体が外れる可能性、および外れた導電体が放電電極間に付着する影響、などが開示されている。
また、特開2017-21982号公報(特許文献3)には、ブラシ電極の保持部材の構成が開示されている。特許文献3によると、ブラシ電極は、複数の導電性繊維と、複数の導電性繊維の根元側の部分を束ねて保持する保持部材とを含み、保持部材は、中間部と、中間部から互いに逆方向に延在し、加締め変形されることで中間部とともに複数の導電性繊維の根元側の部分の周囲を取り囲むように配置される第1保持部および第2保持部とを有する。複数の導電性繊維の根元側の部分が延びている方向を軸方向とすると、第1保持部および第2保持部は、上記軸方向において互いに重なるように配置され、保持部で保持したブラシ電極により構成されたものが存在している。
また、特開2017-144244号公報(特許文献4)には、カーボン繊維を束ねたブラシ電極が開示されている。特許文献4には、導電性繊維のカシメ部上部に左右に突起を設け、この突起部分を左右からしぼめ、電極幅の広いタイプの放電ブラシを得ることができ、放電範囲を拡大すること、などが開示されている。
また、保持部材の上部は、加締めた際、直角状にエッジになっているために複数の導電性繊維がカシメ部内面の端まで接触しており、放電時の導電性繊維の広がりを、より大きくすることが難しいという欠点があった。さらに、ブラシ電極製造時において、保持部材のカシメ突き合わせ部加工時に複数の導電性繊維が巻き込まれ易く、カシメ後の複数の導電性繊維の束の形状が不安定で歪な形状になってしまう欠点や、複数の導電性繊維が保持部材から抜け落ちて脱落してしまう恐れがあった。
また、カシメ部の一端をしぼめ、幅広のブラシ形状にした場合、ブラシの先端面形状が長円形状になり、導電性繊維が広がった方向へのイオンの拡散性は高くなるが、しぼめた方向へのイオンの拡散性は乏しくなり、放電範囲に指向性ができてしまう欠点があった。
本発明の放電ブラシ電極は、前記問題点を解決することを目的としたものである。
高電圧が印加されてイオンを発生する放電電極として用いられるブラシ電極において、平板状金属板からなる基板に複数の導電性繊維の束を加締めるカシメ部を備え、前記複数の導電性繊維の根元部分を束ねて保持する保持部材において、該保持部材のカシメ部は前記導電性繊維を束ね、平板状金属板を略円筒状にカシメ、当接する突合わせを有した略円筒状体を形成し、導電性繊維の束先端方向の該略円筒状体の内周端部の角縁部を面取りした構成である。ここで当接とは、保持部材のカシメ部の突合わせ部の端部同士が接し、複数の導電性繊維の束を保持できる状態を意味するものであって、突合わせ部の端部同士の一部が接していてもよい。
請求項1に記載の発明に加えて、前記カシメ部は、前記導電性繊維を束ねる前記保持部材の側面部に1ヶ所以上絞り込み部を設けた構成である。
請求項1、または請求項2に記載の発明に加えて、前記カシメ部は、前記導電性繊維を束ねる前記保持部材のカシメ部内面に凹凸加工を施した構成である。
請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の発明に加えて、前記カシメ部は、前記導電性繊維を束ねる前記保持部材のカシメ部の突合わせ部の端部同士を前記平板状金属板の厚みと同様となるよう重複当接させた構成である。
高電圧が印加されてイオンを発生する放電電極として用いられるブラシ電極において、平板状金属板からなる基板に複数の導電性繊維の束を加締めるカシメ部を備え、前記複数の導電性繊維の根元部分を束ねて保持する保持部材において、該保持部材のカシメ部は、前記導電性繊維を束ねる前記保持部材のカシメ部の突合わせ部の端部同士を前記平板状金属板の厚みと同様となるよう重複当接した構造を有する構成である。
請求項1~請求項5のいずれか1項に記載の発明に加えて、高電圧が印加されてイオンを発生する放電電極として用いられるブラシ電極において、平板状金属板からなる基板に複数の導電性繊維の束を加締めるカシメ部を備え、前記複数の導電性繊維を束ねて保持する保持部材において、該保持部材のカシメ部は前記導電性繊維の束の中央部を当接保持する構造を有する構成である。
請求項1~請求項6のいずれか1項に記載の発明に加えて、高電圧が印加されてイオンを発生する放電電極として用いられるブラシ電極において、平板状金属板からなる基板に複数の導電性繊維の束を加締めるカシメ部を備え、前記カシメ部が前記平板状金属板からなる基板に分岐し、複数個配置されている構造を有する構成である。
請求項1~請求項7のいずれか1項に記載の発明に加えて、前記導電性繊維が、少なくともカーボン繊維、ステンレス繊維、ニッケルチタン繊維、アモルファス繊維、タングステン繊維、化繊系導電性繊維のいずれかを含む構成である。
請求項1~請求項8までのいずれか1項に記載の放電ブラシ電極を備えたイオン発生装置の構成である。
高電圧が印加されてイオンを発生する放電電極として用いられるブラシ電極において、平板状金属板からなる基板に複数の導電性繊維を束状に加締め
るカシメ部構造にプレス加工する工程と、前記複数の導電性繊維を加締め接合するカシメ部の保持部材の内面部に面取り加工をする工程と、保持部材の側面部に1ヶ所以上の絞り込み部を加工する工程と、保持部材のカシメ部内面に凹凸加工する工程と、保持部材のカシメ部の突合わせ部の端部同士を前記平板状金属板の厚みと同様となるよう重複当接される構造に加工する工程と、前記カシメ部の保持部材を加締め変形させることで、前記保持部材に前記複数の導電性繊維の根元部分を束ね保持させる工程と、保持した前記複数の導電性繊維を洗浄する工程により電極を製造する構成である。
(1)請求項1の構成にすることにより、複数の導電性繊維の根元部分は、保持部材のカシメ部で保持され、ブラシ状に延びている方向のカシメ部内側エッジの角ばっている部分が面取りされているために、複数の導電性繊維の撓りの繰返しにおいて角への接触を抑制できるので、複数の導電性繊維が切れ難くなり、複数の導電性繊維の繊維部分の耐久性向上が奏される。また、保持部材のカシメ部内側のエッジがないために、複数の導電性繊維の広がりをより大きくすることができる。さらに、保持部材のカシメ部内側のエッジが取り除かれていることにより、エッジの角に複数の導電性繊維が接触しないことで、カシメ合わせ部の隙間に導電性繊維が入り込み難くなり、導電性繊維の広がりの形状をより円に近い形状に保つことができる。また、イオン発生領域の拡張、発生量を増加させることができる。
(2)請求項2から請求項4の構成にすることにより、複数の導電性繊維の引抜強度を向上させることができ、複数の導電性繊維の抜けを抑制することができる。
(3)請求項4と請求項7の構成にすることにより、加締め時の複数の導電性繊維の巻き込みが防止できるものである。さらに、複数の導電性繊維の保持部材からはみ出すことを防止することができる。また、複数の導電性繊維の広がり形状をより円に近い形状に保つことができる。
(4)請求項8と請求項9の構成により、イオン放電領域をより広範囲に拡張、及び発生量の増加を奏することができる。
(5)請求項10~請求項12の構成にすることにより、上記効果(1)~(4)の全てを奏する放電ブラシ電極及びイオン発生装置を提供できる。
【図2】本発明の放電ブラシ電極を形成する平板状金属板からなる基板に複数の導電性繊維の束を加締めるカシメ部を設け、この複数の導電性繊維の根元部分を束ねて保持する保持部材のカシメ部において、複数の導電性繊維がブラシ状に延びている方向
のカシメ部の内側面端部を面取りし、さらにカシメ部側面部に絞り込み部を形成した状態の一実施例を示す(a)は概略カシ拡大正面図、(b)はブラシ電極の概略正面図、(c)はカシメ部を含めた保持部材の概略展開図である。
【図3】本発明の放電ブラシ電極を形成する平板状金属板からなる基板に複数の導電性繊維の束を加締めるカシメ部を設け、この複数の導電性繊維の根元部分を束ねて保持する保持部材のカシメ部において、複数の導電性繊維がブラシ状に延びている方向のカシメ部の内側面端部を面取りし、さらに保持部材のカシメ部内面部に凹凸突起部を形成した状態の一実施例を示す(a)概略カシメ部拡大正面図、(b)はブラシ電極の概略正面図、(c)はカシメ部内面部に凹凸突起を設けた保持部材の概略展開図である。
【図4】本発明の放電ブラシ電極を形成する平板状金属板からなる基板に複数の導電性繊維の束を加締める略円筒状のカシメ部を設け、この複数の導電性繊維の根元部分を束ねて保持する保持部材のカシメ部において、複数の導電性繊維がブラシ状に延びている方向のカシメ部の略円筒状体の内周端部の角縁部である内側面端部を面取りしカシメ部側面部に絞り込み部を形成し、カシメ部内部に凹凸突起を施し、さらにカシメ合わせ部を重複突き合せ(傾斜)させるように合わせた一実施例を示す(a)は保持部材の概略平面図、(b)は保持部材の概略斜視図、(c)は放電ブラシ電極の概略斜視図、(d)は放電ブラシ電極の概略正面図である。
【図5】本発明の放電ブラシ電極を形成する平板状金属板からなる基板に複数の導電性繊維の束を加締めるカシメ部を設け、この複数の導電性繊維の根元部分を束ねて保持する保持部材のカシメ部内部に絞り込み部を形成した一実施例を示す(a)は概略カシメ部の拡大正面図、(b)はブラシ電極の概略正面図である。
【図6】本発明の図3で説明した保持部材のカシメ部内部に施した凹凸突起の例として、例えば(a)は角度は任意であるが、斜め方向の凹凸突起を示す概略平面図、(b)は横方向の凹凸突起を示す概略平面図、(c)は斜め状のクロスの凹凸突起を示す概略平面図、(d)は縦方向の凹凸突起を示す概略平面図、(e)縦・横のクロスの凹凸突起を示す概略平面図、(f)は保持部材に凹凸突起を施す状態を示す展開図(g)は保持部材のカシメ部内部に凹凸突起を形成した一実施例を示す概略斜視図である。 図7】本発明の放電ブラシ電極を形成する平板状金属板からなる基板に複数の導電性繊維の束を加締めるカシメ部を設け、この複数の導電性繊維の根元部分を束ねて保持する保持部材のカシメ部において、突き合わせ端部同士を重複突合わせ(傾斜)し図示するように重ね合わせ部の厚みは、保持部材の厚みと同一になるように加工して突合わせた状態の一実施例を示す(a)は概略上面図、(b)は概略斜視図、(c)はカシメ部を含めた保持部材の概略展開図である。
【図8】本発明の放電ブラシ電極の保持部材のカシメ部における重複重ね合せカシメ形状の実施形態の一実施例を示す概略上面図である。
【図9】従来のカシメ部におけるカシメ形状の例としての第一比較例を示す概略図で(a)は概略正面図、(b)は概略上面図、(c)は展開図である。
【図10】従来のカシメ部におけるカシメ形状の例としての第二比較例を示す概略図で、(a)は概略正面図、(b)は概略上面図、(c)は展開図である。
【図11】従来のカシメ部におけるカシメ形状の例としての第三比較例を示すもので、(a)~(f)はその概略正面図である。
【図12】従来技術の課題点の説明としての概略正面図で、(a)は非通電の状態(b)は通電時の状態、(c)は保持部材のカシメ端内部の角の状態を示すものである。
【図13】本発明と従来技術の効果差の説明図で、(a)は本発明の面取り構造のブラシ電極の概略正面図、(b)は本発明のカシメ部の概略拡大正面図、(c)は従来技術のブラシ電極の概略正面図、(d)は従来技術のカシメ部の概略拡大正面図である。
【図14】本発明と従来技術の効果差の説明図で、(a)は本発明の保持部材のカシメ部上部を面取りしたブラシ電極の概略正面図、(b)は保持部材のカシメ部の概略拡大正面図、(c)は従来の保持部材からなるブラシ電極の概略正面図である。
【図15】本発明と従来技術の効果差の説明図で、(a)は本発明のブラシ電極の概略上面図、(b)は本発明のブラシ電極の概略正面図、(c)は本発明のブラシ電極のカシメ部のみを示す概略上面図、(d)は従来技術のブラシ電極 の概略上面図、(e)は従来技術のブラシ電極の概略正面図、(f)は従来技術のブラシ電極のカシメ部のみを示す概略上面図、(g)は従来技術のブラシ電極のカシメ部概略拡大図である。
【図16】本発明の導電性繊維中央部でカシメ、このカシメ部に対し両端にブラシを有するブラシ電極で、(a)は第1の概略正面図、(b)はブラシの向きを任意の方向に変更可能である一具体例を示す概略斜視図である。
【図17】本発明の導電性繊維中央部でカシメ、このカシメ部に対し両端にブラシを有するブラシ電極のその他の実施形態として任意の形状にしたもので、その1の(a)は概略正面図、(b)はその概略斜視図、(c)はその2の概略正面図、(d)はその概略斜視図、(e)はその1のブラシの向きを任意の方向に変更可能である一具体例を示す概略正面図、(f)はその2のブラシの向きを任意の方向に変更可能である一具体例を示す概略斜視図である。
【図18】本発明の実施形態で、カシメ部が一つの端子部から複数個に分岐したもので、(a)は2個に分岐した実施例の概略正面図、(b)はその概略斜視図、(c)は3個に分岐した実施例の概略正面図、(d)はその概略斜視図、(e)はカシメ部が1つの端子部から2個分岐した他の実施例で、ブラシの向きは任意に変更可能である一具体例を示す概略正面図、(f)はその概略斜視図である。
【図19】本発明のカシメ部のその他の実施例で、図18の実施形態と較べて変形したもので、(a)はカシメ部が1つの端子部から2個分岐した実施例の概略正面図、(b)はその概略斜視図、(c)はカシメ部が1つの端子部から3個分岐した実施例の概略正面図、(d)はその概略斜視図である。
【図20】本発明の放電電極を用いたイオン発生装置の実施形態の一実施例で、(a)は実施例9として説明した分岐構造の放電ブラシ電極を用いたイオン発生装置を示す概略説明図、(b)は単体の放電ブラシ電極を用いたイオン発生装置を示す概略説明図である。
放電ブラシ電極としては、イオンの高拡散性を得るために、導電性繊維を拡張させて広がるようにする必要があり、さらに放電ブラシ電極としては、放電時の導電性繊維の広がりの繰り返しや、製造時又は使用時での洗浄ブラッシング等により、導電性繊維が切れることや抜けが発生する。また、導電性繊維をブラシ状に束ねているカシメ部の不安定形状により、イオンの拡散領域に不均一性が生じる。この導電性繊維の切れ・抜け抑制、カシメ部の不安定形状の抑制が必要である。
先ず、端子型の放電ブラシ電極の製造方法の一実施例について説明する。
工程(1)として保持部材1の材料として金属板材(銅、真鍮等の銅合金、ステンレス等)にメッキを施したリールに巻き取ったロール状の板材と、複数の導電性繊維(例えば導電性繊維部)の材料として、例としてカーボン繊維2(以下、カーボン繊維という)を束状にして用意し、工程(2)として、保持部材1の内側端部を直線状、または円弧状等の面取りを施すものである。さらにこの面取りを施した保持部材1に外側側面部に絞り込み部を1ヶ所以上施し、内側内面部に凹凸突起を施し、さらに外形抜き{この内にはカシメ合わせ部を傾斜(この形状は単に直線で斜めにカットしても、円弧状などのカーブをつけてカットしても良い)}、及び曲げ加工のプレス加工とカーボン繊維2の束を保持部材1のカシメ部9に挿入し、さらにこのカーボン繊維2の束を、ダメージを与えない程度に締め付け加締める。このカシメ部9のカシメ形状は、図1~図8に示すように具体的な実施例を図示したが、この実施例以外に、ニーズに合わせた、その他のカシメ形状を採用することは可能であることは云うまでもない。また、使用する金属板材において、腐食耐性を向上させるためメッキ等を施してもよい。工程(3)は、製品洗浄として、放電ブラシ電極3に付着している端子部の油分、端子部プレス加工時の金属くず、切断されたカーボン繊維2のくずなどを製品洗浄装置(超音波洗浄等)にて洗浄する。洗浄が完了した放電ブラシ電極3に定位置からエアー(温風でも良い)を噴射することにより乾燥を行う。工程(4)として、金属板材に取り付けられた多数形成された端子型の放電ブラシ電極3を巻き取り装置にてリールに連続的に巻き取り時に画像検査装置により正面、背面から撮影画像により放電ブラシ電極3の1本1本すべてについて規格寸法、及び外観検査を行う。
工程(5)として、端子型の放電ブラシ電極3を1本ごとに切り離す。
この工程(1)~(5)により、端子型放電ブラシ電極3の製造を行うものである
前記した製造方法で製造した放電ブラシ電極3で、平板状金属板からなる基板に複数の導電性繊維2の束を加締めるカシメ部9を設け、この複数の導電性繊維2の根元部分を束ねて保持する保持部材1において、該保持部材1のカシメ部9は、平板状金属板を略円筒状にカシメ、当接する突合せを有した略円筒状体を形成し、ブラシ状に延びている導電性繊維の束先端方向の該略円筒状体の内周端部の角縁部を面取りした面取り部4を施してある。また、放電ブラシ電極3の導電性繊維2の材料としては、電極として機能するカーボン、ステンレス、ニッケルチタン、アモルファス、化繊系導電繊維等を使用してもよい。
腐食耐性が高いカーボン繊維がより好ましい。
第一実施例の図1(a)、(b)で説明したものと同様に形成されたものであるが、複数の導電性繊維2がブラシ状に延びている方向のカシメ部9の内周端部の角縁部に面取り部4を形成し、請求項2に記載されたようにカシメ部9の外側から側面部に1ヶ所絞り込み部5を形成したものである。カシメ部外側側面部6の絞り込み部5は、カシメ部9の長さ形状に応じて、1ヶ所以上に絞り込み部5を形成することも可能である。
この第三実施例は、第一実施例の図1(a)~(c)で説明した複数の導電性繊維2がブラシ状に延びている方向のカシメ部の内周端部の角縁部に面取り部4を形成したもので、さらにカシメ部内面部に凹凸突起部7を形成したものである。
この第四実施例は、第一実施例の図1(a)~(c)で説明したものと同様に形成されたものであるが、複数の導電性繊維2がブラシ状に延びている方向のカシメ部の内周端部の角縁部に面取り部4を形成し、第二実施例と同様にカシメ部9の外側から側面部に1ヶ所絞り込みを形成し、さらに第三実施例と同様にカシメ部内部の一部に凹凸突起部7を形成し、さらにカシメ部9の突合わせ部8を重ね合せるよう重複当接し、重ね合せ部の厚みは、保持部材1の厚みと同一になるように加工したものである。尚、10は端子部を示す。
第五実施例は絞り込み部を形成する実施例で、図5(a)、(b)で示すように、図2で説明されているものと同様に形成されたものであるが、カシメ部の端部内面側に面取り部は形成されておらず、カシメ部外側側面部6に絞り込み部5のみを設けた実施例である。
第六実施例は凹凸突起部を形成する実施例で、図6(g)で示すように、図3で説明されているものと同様に形成されたものであるが、カシメ部の端部内面側に面取り部は形成されておらず、カシメ部内面部に凹凸突起部7のみを設けた実施例である。
この凹凸突起の一形状であるローレット加工を施した形状についていくつかの具体例を図6(a)~(e)に示す。
これらのローレット加工の加工方法はあくまでも一例であり、凹凸突起を形成させる加工方法について特に限定はないが、量産性を考慮すると、ローレット加工方法が好ましいものである。
(a)に示したものは、角度は任意であるが、斜め方向の多数の溝を形成した例、(b)に示すものは、横方向の多数の溝を形成した例、(c)に示
すものは、斜めにクロスする多数の溝を形成した例、(d)に示すものは、縦方向に多数の溝を形成した例、(e)は縦横にクロス溝を多数形成した例を示す。
また、具体的なローレット加工の形状は、(a)~(e)までを示したが、他にも種々考えられる。この(a)~(e)のローレット加工は、保持部材1に図6(f)の展開図で示すように加工を施すものである。
この第七実施例は、第一実施例の図1(a)~(c)で説明したものと同様に形成されたものであるが、複数の導電性繊維2がブラシ状に延びている方向のカシメ部端部内面側の面取り部4は形成されていないが、カシメ部9の突合わせ部8を図7(a)、(b)に示すように重ね合せるよう重複当接し、重ね合せ部の厚みは、保持部材1の厚みと同一になるように形成したものである。なお、(c)の展開図に示すようにカシメ突合わせ部8の重複重ね合せ部は(傾斜の場合の一例)、重ね合せ部の厚みは、保持部材1の厚みと同一になるように加工してある。
この重複突合わせ形状にすることの目的効果は、放電ブラシ電極製造時及び使用時において、束ねる導電性繊維2のはみ出しを抑え、ブラシ電極の品質安定化、長期間使用時の束形状の安定化が期待できるものである。
図16(a)に示すように導電性繊維の束を略倍の長さにして中央部で、前記導電性繊維の束を加締めるカシメ部を備え、2方向に放電できるようにした放電ブラシ電極の実施例である。なお、2方向に放電できるようにした放電ブラシ電極の向きは、図16(b)に示すように、イオンを放出したい方向に応じて平板上金属板の保持部材で保持されたカシメ部を任意の角度形状にすることも可能である。
この第九実施例は、図18(a)、(c)に示すように、導電性繊維の束を保持したカシメ部を、平板上金属板の保持部材に2又以上、数又に複数分岐した実施例である。また、図18(f)に示すように、イオンを放出したい方向に応じて平板上金属板の保持部材で保持されたカシメ部を任意の角度形状にすることも可能である。
先ず、図12に基づいて従来技術の課題点を説明すると、(a)が非放電時(非通電時)の状態で、(b)は放電時(通電時)を示すが、(c)に示すようにブラシ電極保持部材のカシメ端内部の角(エッジ)が存在するため、放電時は、複数の導電性繊維が電気的反発により大きく撓み、イオンを広い範囲に拡散する。この放電と非放電を長期的に繰り返すと、導電性繊維を束ねて加締めているカシメ端内部の角(エッジ)へ接触、擦れの繰り返しで導電繊維の切れが発生する場合がある。
ここで、図13で示すように、本発明の保持部材の複数の導電性繊維がブラシ状に延びている方向のカシメ部内側端部の面取りを設けた構造効果の差異は、以下の通りである。(a)、(b)で示すように、保持部材のカシメ部内面端部が面取りされているため、放電時に繊維が広がるカシメ上端部の内壁に角(エッジ)がなく、放電の繰り返しによる導電性繊維の切れの発生が抑制できるので、耐久性向上が奏される。さらに、ブラシ電極の導電性繊維先端部が円形状に大きく広がり、放電領域を広くできる。
これに対して、(c)、(d)で示す従来技術(比較例1)では、上記説明のように、カシメ部内壁の角(エッジ)部が放電の繰り返しによる導電繊維切れが発生することを抑制することが難しい。
引用文献4の特開2017-144244号公報の図8に示すように、この従来技術は、ブラシ先端部を長円形に広げる従来技術であるが、繊維の広がり方向のみ放電領域が拡張し、放電領域の指向性が出てしまう。一方本発明のカシメ構造では、繊維端部が円周方向に均一に広がり、放電時のイオンの拡散性が均一に広くできる。
図20(a)に示すように、発生イオンの拡散領域の拡大と、発生イオンのイオン発生密度を増大させる実施例で、第九実施例で説明した2つに分岐した構造の放電ブラシ電極3を用いたイオン発生装置である。(b)に示すものは、単体の放電ブラシ電極を用いたイオン発生装置である。尚、11は高圧電源を示す。
本発明の放電電極を用いたイオン発生装置の場合、コンパクトな放電ブラシ電極で、イオンを広範囲に拡散でき、長期間の使用においても導電性繊維の切れや抜けを抑制した長期耐久性のあるイオン発生装置を提供することが可能となる。
2・・・・導電性繊維
3・・・・放電ブラシ電極
4・・・・面取り部
5・・・・絞り込み部
6・・・・カシメ部外側側面部
7・・・・凹凸突起部
8・・・・突合わせ部
9・・・・カシメ部
10・・・・端子部
11・・・・高圧電源
Claims (10)
- 高電圧が印加されてイオンを発生する放電電極として用いられるブラシ電極において、平板状金属板からなる基板に複数の導電性繊維の束を加締めるカシメ部を備え、前記複数の導電性繊維の根元部分を束ねて保持する保持部材において、該保持部材のカシメ部は前記導電性繊維を束ね、前記平板状金属板を略円筒状にカシメ、当接する突合わせを有した略円筒状体を形成し、前記導電性繊維の束先端方向の該略円筒状体の内周端部の角縁部を面取りしたことを特徴とする放電ブラシ電極。
- 前記カシメ部は、前記導電性繊維を束ねる前記保持部材の側面部に1ヶ所以上絞り込み部を設けたことを特徴とする請求項1記載の放電ブラシ電極。
- 前記カシメ部は、前記導電性繊維を束ねる前記保持部材のカシメ部内面に凹凸加工を施したことを特徴とする請求項1、または請求項2に記載の放電ブラシ電極。
- 前記カシメ部は、前記導電性繊維を束ねる前記保持部材のカシメ部の突合わせ部の端部同士を前記平板状金属板の厚みと同様となるように重複当接させたことを特徴とする請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の放電ブラシ電極。
- 高電圧が印加されてイオンを発生する放電電極として用いられるブラシ電極において、平板状金属板からなる基板に複数の導電性繊維の束を加締めるカシメ部を備え、前記複数の導電性繊維の根元部分を束ねて保持する保持部材において、該保持部材のカシメ部は、前記導電性繊維を束ねる前記保持部材のカシメ部の突合わせ部の端部同士を前記平板状金属板の厚みと同様となるように重複当接した構造を有することを特徴とする放電ブラシ電極。
- 高電圧が印加されてイオンを発生する放電電極として用いられるブラシ電極において、平板状金属板からなる基板に複数の導電性繊維の束を加締めるカシメ部を備え、前記複数の導電性繊維を束ねて保持する保持部材において、該保持部材のカシメ部は前記導電性繊維の束の中央部を当接保持したことを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の放電ブラシ電極。
- 高電圧が印加されてイオンを発生する放電電極として用いられるブラシ電極において、平板状金属板からなる基板に複数の導電性繊維の束を加締めるカシメ部を備え、前記カシメ部が前記平板状金属板からなる基板に分岐し、複数個配置されていることを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の放電ブラシ電極。
- 前記導電性繊維が、少なくともカーボン繊維、ステンレス繊維、ニッケルチタン繊維、アモルファス繊維、タングステン繊維、化繊系導電性繊維のいずれかを含むことを特徴とする請求項1~請求項7のいずれか1項に記載の放電ブラシ電極。
- 請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の放電ブラシ電極を備えたイオン発生装置。
- 高電圧が印加されてイオンを発生する放電電極として用いられるブラシ電極において、平板状金属板からなる基板に複数の導電性繊維を束状に加締めるカシメ部構造にプレス加工する工程と、前記複数の導電性繊維を加締め当接するカシメ部の保持部材の内面部に面取り加工をする工程と、前記保持部材の側面部に1ヶ所以上の絞り込み部を加工する工程と、前記保持部材のカシメ部内面に凹凸加工する工程と、前記保持部材のカシメ部の突合わせ部の端部同士を前記平板状金属板の厚みと同様となるように重複当接される構造に加工する工程と、前記カシメ部の保持部材を加締め変形させることで、前記保持部材に前記複数の導電性繊維の根元部分を束ね保持させる工程と、保持した前記複数の導電性繊維を洗浄する工程により、電極を製造することを特徴とする放電ブラシ電極の製造方法。
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