JP7048327B2 - 無線通信装置、および無線通信システム - Google Patents

無線通信装置、および無線通信システム Download PDF

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Description

本発明は、無線通信ネットワークを構築して複数の装置間で無線通信を行う無線通信装置、および無線通信システムに関する。
近年、自動車などの車両に無線通信装置が複数搭載され、この複数の装置間で無線通信を行うための無線通信ネットワークを構築することが検討されている。この無線通信ネットワークでは、例えば、ネットワーク全体を管理するマスタの無線通信装置と、このマスタの無線通信装置に管理されるスレーブの無線通信装置と、の装置種別にそれぞれ割り当てられ、マスタの無線通信装置を中心とした1つのネットワークシステムが構築される。
また、この無線信号ネットワークにおいて、複数の装置間で無線通信が干渉することによる通信品質の悪化を防止するための方式が数多く提案されており、例えば所定の装置が送信するビーコン信号に各装置が同期して無線通信を行う方式が知られている。ビーコン信号には、通信フレームなどを含む無線通信に必要な通信管理情報などが付加される。また、ビーコン信号は、通信フレーム内に設けられたスロットに従って発信される。
なお、スロットは、時間によって定義され、通信フレームを構成する周期単位である。
ところで、一般的に自動車には、エンジン制御システム、ドア制御システム、ドライブレコーダーシステムなど多くの制御システムが搭載されており、これら制御システムごとに無線通信ネットワークが構築される。そのため、自動車には複数の無線通信ネットワークが共存することになる。
複数の無線通信ネットワークを共存させる無線通信システムとしては、最上位に位置する無線通信ネットワークである親ネットワークにおいて、無線基地局の配下である通信端末(無線通信装置)が無線基地局の機能を備えているものが知られる(例えば、特許文献1を参照)。
この無線通信システムでは、無線基地局で割り当てられた自装置のリソース(例えば、通信フレーム)の範囲内で子ネットワーク(下位の無線通信ネットワーク)が構築される。そして、この自装置のリソースが分割されて、その配下の他の通信端末に対して当該リソースがそれぞれ割り当てられる。これにより、複数の無線通信ネットワークが同期して互いに衝突することなく、ネットワークが共存可能とされる。また、このようなリソース分割による割り当てをさらに下位の無線通信ネットワーク(孫ネットワーク)の構築にも適用できるとしている。
特開2003-143644号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の無線通信システムでは、親ネットワークのリソース(例えば、通信フレーム)を分割して、その一部をその下位の無線通信ネットワーク(子ネットワーク)のスロットとして割り当てる。さらに、この子ネットワークにおいて、このネットワークに所属する無線通信装置やさらに下位の無線通信ネットワークに対して子ネットワークのスロットをさらに分割して割り当てる。そのため、下位の無線通信ネットワークに行くに従ってスロットが短くなってしまう可能性があった。スロットが短いとビーコン信号を発信する発信タイミングも短くなってしまい、無線通信ネットワークの構築が遅延、最悪の場合には構築できない可能性があった。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、通信フレームのスロットを短くすることなく、複数のネットワークが共存することができる無線通信装置、および無線通信システムを提供することにある。
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
(1)
事前に設定される通信フレームに関する情報を含む通信管理情報を有するビーコン信号を記憶する記憶部と、
無線通信ネットワークを構築するマスタの無線通信装置として、自己の前記無線通信ネットワークに関する前記ビーコン信号を前記通信フレームに従って発信するビーコン発信部と、
前記ビーコン信号を受信するビーコン受信部と、
前記ビーコン受信部が受信した前記ビーコン信号が、他の前記無線通信ネットワークの前記マスタの無線通信装置が発信したものかどうかを判定するビーコン判定部と、
他の前記無線通信ネットワークの前記ビーコン信号の前記通信管理情報に基づき、前記ビーコン発信部の発信タイミングを含む自己の通信タイミングを、他の前記無線通信ネットワークの前記通信タイミングと異なるようにタイムシフトして調整するタイミング調整部と、を備え、
前記通信フレームの先頭部分には、ビーコンスロットが設けられており、
前記ビーコンスロットは、第1,第2,…,第N(1,2,…,Nは自然数であり、先頭からの順番を示す)のタイムウィンドウを有し、
前記第1のタイムウィンドウには、前記ビーコン発信部の前記発信タイミングが割り当てられ、
前記ビーコン受信部は、自己の前記無線通信ネットワークの前記ビーコンスロットの前記第2,…,第Nのタイムウィンドウのいずれかのタイミングで、前記ビーコン信号を受信し、
前記タイミング調整部は、自己が、前記マスタの無線通信装置として設定されており、且つ前記ビーコン判定部の判定に基づき他の前記無線通信ネットワークの前記ビーコン信号を受信したと判定されるときに、自己の前記通信タイミングを調整する
とを特徴とする無線通信装置。

前記ビーコン信号は、自己および他の前記無線通信ネットワークの間における前記通信タイミングの重複時間に関する重複時間情報をさらに有し、
前記タイミング調整部は、前記ビーコン信号の前記重複時間情報に基づき自己の前記通信タイミングを調整する
ことを特徴とする()に記載の無線通信装置。

前記ビーコン信号は、前記無線通信ネットワークそれぞれに対応する優先度に関する優先度情報をさらに有する
ことを特徴とする(1)又は(2)に記載の無線通信装置。

無線通信ネットワークを構築するマスタの無線通信装置と、前記マスタの無線通信装置によって管理されるスレーブの無線通信装置と、を備える無線通信システムであって、
前記マスタの無線通信装置が、(1)又は(2)に記載の無線通信装置である無線通信システム。
上記(1)の無線通信装置の構成によれば、マスタの無線通信装置は、スレーブの無線通信装置を介して、通信フレームのビーコンスロット内で他の無線通信ネットワークのビーコン信号を受信することができるので、自己の通信フレームの通信タイミングをタイムシフトして調整することができる。このため、複数の無線通信ネットワーク間でスロットを共有して通信同期を確立するので、スロットを均等に効率良く割り当てることができ、その結果、通信フレームの通信タイミングの衝突(重複)を回避することができる。これにより、通信フレームのスロットを短くすることなく、複数の無線通信ネットワークが共存することができる。
上記()の無線通信装置の構成によれば、複数の無線通信ネットワークの間で通信タイミングの重複状況に対し個別具体的に時間調整でき、複数の無線通信ネットワーク間で通信タイミングの時間調整をより無駄なく効率的に行うことができる。
上記()の無線通信装置の構成によれば、複数の無線通信ネットワーク間でより優先度が高い無線通信ネットワークを基準にした通信同期を行うことができる。これにより、優先度が高い無線通信ネットワークの通信タイミングを可能な限り変更させることなく、無線通信ネットワーク全体の通信品質(通信成功率や伝送遅延など)を維持した状態で、複数の無線通信ネットワーク間で通信タイミングの時間調整を図ることができる。
上記()の無線通信装置の構成によれば、通信フレームのスロットを短くすることなく、複数の無線通信ネットワークが共存することができる無線通信システムを提供することができる。
本発明の無線通信装置および無線通信システムによれば、通信フレームの先頭部分には、ビーコンスロットが設けられており、ビーコンスロットは、第1,第2,…,第N(1,2,…,Nは自然数であり、先頭からの順番を示す)のタイムウィンドウを有し、第1のタイムウィンドウには、ビーコン発信部の発信タイミングが割り当てられる。また、自己が、マスタの無線通信装置として設定されている場合において、ビーコン受信部は、自己の無線通信ネットワークのビーコンスロットの第2,…,第Nのタイムウィンドウのいずれかのタイミングで、ビーコン信号を受信し、タイミング調整部は、自己が、マスタの無線通信装置として設定されており、且つビーコン判定部の判定に基づき他の無線通信ネットワークのビーコン信号を受信したと判定されるときに、自己の通信タイミングを調整する。また、自己が、スレーブの無線通信装置として設定されている場合において、ビーコン中継部は、自己が、マスタの無線通信装置に管理されるスレーブの無線通信装置として設定されており、且つビーコン判定部の判定に基づき自己および他の無線通信ネットワークのビーコン信号の両方を、ビーコン受信部によって受信したと判定されるときに、他の無線通信ネットワークのビーコンスロットの第2,…,第Nのタイムウィンドウのいずれかのタイミングで、自己の無線通信ネットワークのビーコン信号を中継して発信する。
従って、マスタの無線通信装置は、スレーブの無線通信装置を介して、通信フレームのビーコンスロット内で他の無線通信ネットワークのビーコン信号を受信することができるので、自己の通信フレームの通信タイミングをタイムシフトして調整することができる。このため、複数の無線通信ネットワーク間でスロットを共有して通信同期を確立するので、スロットを均等に効率良く割り当てることができ、その結果、通信フレームの通信タイミングの衝突(重複)を回避することができる。これにより、通信フレームのスロットを短くすることなく、複数の無線通信ネットワークが共存することができる。
以上、本発明について簡潔に説明した。さらに、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細はさらに明確化されるだろう。
図1は、本発明に係る第1実施形態の無線通信システムが構築する無線通信ネットワークが複数存在する状況を説明する模式図である。 図2は、図1に示す複数の無線ネットワークのうち1つ無線通信ネットワークの無線通信システムの構成について説明する模式図である。 図3は、図2に示す無線通信装置で用いられる通信フレームの構成を説明する構成図である。 図4は、図3に示すビーコンスロットで送受信されるビーコン信号の構成を説明する構成図である。 図5は、図2に示す無線通信装置のソフトウェア構成を機能的に説明する機能ブロック図である。 図6は、図2に示す無線通信装置がマスタまたはスレーブの無線通信装置なのかを判定する処理を説明するフローチャートである。 図7は、図2に示すマスタの無線通信装置の動作を説明するフローチャートである。 図8は、図5に示すタイミング調整部が自己の無線通信装置の通信タイミングを時間調整する状況を説明するタイムシフト図である。 図9は、図2に示すスレーブの無線通信装置の動作を説明するフローチャートである。 図10は、図1に示す無線通信ネットワークが4つ存在する状況を説明する模式図である。 図11は、図10に示す複数の無線通信ネットワークにおいて互いにその通信タイミングが調整された結果の状況を説明するタイムシフト図である。 図12は、図1に示す無線通信ネットワークが4つ存在する他の状況を説明する模式図である。 図13は、図12に示す複数の無線通信ネットワークにおいてその通信タイミングが互いに調整された結果の状況を説明するタイムシフト図である。 図14は、本発明に係る第2実施形態のビーコン信号の構成を説明する構成図である。 図15は、図14に重複時間情報に基づきタイミング調整部が自己の無線通信装置の通信タイミングを時間調整した状況を説明するタイムシフト図である。 図16は、本発明に係る第3実施形態のビーコン信号の構成を説明する構成図である。 図17は、本発明に係る第3実施形態の無線通信装置のソフトウェア構成を機能的に説明する機能ブロック図である。 図18は、図17に示すタイミング調整部および優先度比較部の動作を説明するフローチャートである。 図19は、本発明に係る第3実施形態での複数の無線通信ネットワークにおいてその通信タイミングが互いに調整される様子を説明するタイムシフト図である。 図20は、本発明に係る第4実施形態のタイミング調整部および優先度比較部の動作を説明するフローチャートである。 図21は、本発明に係る第4実施形態での複数の無線通信ネットワークにおいてその通信タイミングが互いに調整される様子を説明するタイムシフト図である。 図22は、本発明に係る第4実施形態での他の複数の無線通信ネットワークにおいてその通信タイミングが互いに調整される様子を説明するタイムシフト図である。
本発明の無線通信装置、および無線通信システムに関する具体的な複数の実施形態について、各図を参照しながら以下に説明する。
なお、本実施形態で言う「部」とは単にハードウェアによって実現される物理的構成に限定されず、その構成が有する機能をプログラムなどのソフトウェアによって実現されるものも含む。また、1つの構成が有する機能が2つ以上の物理的構成によって実現されても、または2つ以上の構成の機能が例えば1つの物理的構成によって実現されていても構わない。
(第1実施形態)
まず図1~図13を参照して、本発明に係る無線通信装置、および無線通信システムの第1実施形態について説明する。
なお、本実施形態の無線通信装置、および無線通信システムは自動車などの車両に搭載される。また、本実施形態では無線通信ネットワークとしてアドホックネットワーク(以下単に「ネットワーク」とも言う。)を採用する。本ネットワークでは、基本的にその通信エリア内に位置する無線通信装置同士で通信可能である。また、このようなネットワークを構築するための通信技術としては、例えば、無線LANやBluetooth(登録商標)などを適宜用いることができる。
<無線通信ネットワークおよび無線通信システムの構成>
図1および図2を参照して、無線通信ネットワークA,Bおよび無線通信システム1の構成について説明する。図1は、本実施形態の無線通信システム1a,1bが構築するネットワークA,Bが複数(本実施形態では2つ)存在する状況を説明する模式図である。図2は、複数のネットワークA,BのうちネットワークAの無線通信システム1aの構成について説明する模式図である。
図1に示すように、自動車などの車両において、例えばエンジン制御システムやドア制御システムなど制御システムごとに無線通信システム1a,1bが複数(本実施形態では2つ)存在し、それに対応して2つのネットワークA,Bがそれぞれ構築される。ネットワークA,Bは、後述するマスタ10Ma,10Mbの無線通信装置(以下単に「マスタ」とも言う。)10を中心として構築され、それぞれ通信エリアを有する。
本実施形態では、ネットワークA,Bの通信エリアはその一部で重畳しており、この重畳エリアには、後述するネットワークAのスレーブ10Sa、およびネットワークBのスレーブ10Sbの無線通信装置(以下単に「スレーブ」とも言う。)10が位置する。すなわち、これらスレーブ10Sa,10Sbは、ネットワークA,B両方の通信エリアに位置して、マスタ10Ma,10Mbと通信可能である。
また、図2に示すように、本実施形態の無線通信システム1aは、ネットワークA全体を管理するマスタ10Maと、このマスタ10Maに管理されるスレーブ10Saと、を有しており、これら装置間で無線通信が行われる。また、1つのネットワークAにつき、マスタ10Maは基本1つとされる。ネットワークBの無線通信システム1bも同様である。
本実施形態の無線通信システム1aでは、マスタ10Maとスレーブ10Saの間でビーコン信号30(後述)が事前に設定される通信フレームCF(後述)に従ってやり取りされる。このやり取りによって、無線通信に必要な通信管理情報などがマスタ10Maからスレーブ10Saに提供され、この通信管理情報などに基づきネットワークAが構築される。そして、このネットワークAの構築によって、このネットワークA内でデータ信号の送受信が装置間で行われる。すなわち、ビーコン信号30は装置間で無線通信を確立する上で必須な信号である。
なお、本ネットワークA内で送受信されるデータ信号としては、エンジンの制御データ、ドアの制御データのほか、ドライブレコーダーの動画や画像などの任意のデータ信号が列挙される。また、通信フレームCFは、マスタ10MaがネットワークA全体を管理するためのパラメータとして、マスタ10Ma自身が生成したり外部から事前設定されたりするものである。
また、無線通信装置10は、エンジンの制御装置、ドアの制御装置、ドライブレコーダー装置などの制御装置、記録装置であっても良い。また、無線通信装置10は、アプリケーション機器として機能するこれら装置に外部接続されても内蔵されても良い。
<通信フレームの構成>
次に図3を参照して、本実施形態のマスタ10Mおよびスレーブ10Sが送受信するビーコン信号30の通信フレームCFについて説明する。図3は、本実施形態の無線通信装置10で用いられる通信フレームCFの構成を説明する構成図である。
図3に示すように、通信フレームCFは、所定のビーコン送信間隔に基づき周期的に生成される。また、通信フレームCFは、所定の時間により定義され、複数のスロット(周期単位)ST,ST,…,ST(Lは自然数であり、スロット数を示す。)に細分化される。ネットワークA,Bそれぞれを構成する無線通信システム1は、装置間でこの通信フレームCFを所定の周期フレームとして共有し、スロットST,ST,…,STを単位としてデータ信号の送受信が行われる。
なお、後述する通信タイミングCTは、ビーコン送信間隔やビーコン送信タイミングを含み、各ネットワークA,B内において装置間で通信を行うのに必要な周期を意味する。
通信フレームCFの先頭のスロットST、すなわちスロットSTには、ビーコン信号30により通信管理情報の送受信を行うためのネットワーク管理領域としてビーコンスロットBSが設けられる。このビーコンスロットBSの間に、マスタ10Mおよびスレーブ10Sは、ビーコン信号30を介して装置間でネットワーク管理やアクセス制御を行うためのパラメータのやり取りを行う。また、ビーコンスロットBS以降のスロットでは、後述するように装置間で種々のデータ信号を送信したりまたは受信したりする周期として割り当てられる。
ビーコンスロットBSには、所定の間隔をおいて複数の第1,第2,…,第N(1,2,…,Nは自然数であり、先頭からの順番を示す。)のタイムウィンドウTW,TW,…,TWが設けられる。ビーコンスロットBSの各タイムウィンドウTWには、マスタ10Mがビーコン信号30を発信する発信タイミングならびに受信する受信タイミング、さらにスレーブ10Sが自己または他のネットワークA,Bのマスタ10Mによって発信されたビーコン信号30を中継して発信する中継タイミングが割り当てられる。具体的には、ビーコンスロットBSの第1のタイムウィンドウTWは、マスタ10Mの発信タイミングが割り当てられるとともに、ビーコンスロットBSの第2,…,第NのタイムウィンドウのTW,…,TWいずれかには、マスタ10Mの受信タイミングまたはスレーブ10Sの中継タイミングが割り当てられる。
そして、ビーコンスロットBSの後方のスロットST、すなわちスロットST,…,STL-1には通信スロットCSが複数設けられる。ネットワークA,B内の無線通信装置10はこの通信スロットCSの間にユーザー情報などの送受信を行う。また、通信スロットCSにも、タイムウィンドウTW,TWが設けられる。通信スロットCSのタイムウィンドウTWは情報データ送受信タイミングとされる。通信スロットCSのタイムウィンドウTWは応答信号送受信タイミングとされる。
通信フレームCFの最後尾のスロットST、すなわちスロットSTには割当要求スロットISが設けられる。送信すべきユーザー情報などが発生したスレーブ10Sは、この割当要求スロットISの間にマスタ10Mに対して通信スロットCSの割当要求を送信する。マスタ10Mはスレーブ10Sからの通信スロット割当要求を受信すると、次の通信フレームCF以降の通信スロットCSに割当要求の送信元のスレーブ10Sを割り当てる。また、マスタ10Mは自ら送信すべきユーザー情報などが発生した場合、次の通信フレームCF以降の通信スロットCSに自らを割り当てる。マスタ10Mはいずれのスレーブ10Sからも割当要求がなく自らの送信要求も発生していない場合、通信スロットCSを未使用スロットSTとして割り当てる。
なお、割当要求スロットISにも同様に、複数の第1,第2,…,第M(1,2,…,Mは自然数であり、先頭からの順番を示す。)のタイムウィンドウTW,TW,…,TWが設けられる。割当要求スロットISのタイムウィンドウTWは割当要求信号送受信タイミングとされる。
<ビーコン信号の構成>
次に図4を参照して、ビーコンスロットBSの各タイムウィンドウTWでやり取りされるビーコン信号30の構成について説明する。図4は、ビーコンスロットBSで送受信されるビーコン信号30の構成を説明する構成図である。
図4に示すように、ビーコン信号30は、ビーコン種別情報31と、送信装置ID情報32と、ビーコン間隔情報33と、スロット長情報34と、複数の第1,第2,…,第Nの割当情報35と、を有して構成される。
ビーコン種別情報31は、当該ビーコン信号30が、マスタ10Mが直接発信したものか、またはスレーブ10Sが中継して発信したものか、を示す識別子である。また、各無線通信装置10には事前にそれぞれ固有のIDが付されている。送信装置ID情報32はこの固有のIDに基づいてどの無線通信装置10が当該ビーコン信号30を発信したのか、を示す識別子とされる。
そして、ビーコン間隔情報33は、当該ビーコン信号30が発信される間隔(時間)を示す時間情報である。スロット長情報34は、当該ビーコン信号30が発信されたビーコンスロットBSの長さ(時間)を示す時間情報である。また、割当情報35は、本実施形態の無線通信システム1において、ビーコンスロットBSの第1,第2,…,第NのタイムウィンドウTW,TW,…,TWに対し、ビーコン信号30に関する、マスタ10Mの発信タイミング、マスタ10Mの受信タイミング、およびスレーブ10Sの中継タイミングの割当状況を示す情報である。すなわち、ビーコン信号30は、ビーコン間隔情報33、スロット長情報34の時間情報、およびビーコンスロットBSのタイムウィンドウTWの割当情報35などを含むことで、通信フレームCFに関する情報を含む通信管理情報を有することになる。
<無線通信装置の構成>
次に図5を参照して、マスタ10Mおよびスレーブ10Sソフトウェア構成について説明する。図5は、本実施形態の無線通信装置10のソフトウェア構成を機能的に説明する機能ブロック図である。
なお、本実施形態では、マスタ10Mおよびスレーブ10Sのハードウェアおよびソフトウェア構成は同一に設けられている。そして、各装置が、ネットワークA,Bを構築する、または所属する時点で、マスタ10Mまたはスレーブ10Sのいずれかの装置種別に設定される。これにより、無線通信装置10は、その装置種別に応じて機能の一部を活性化したり不活性化させたりすることで、マスタ10Mまたはスレーブ10SとしてネットワークA,B内で適宜動作、機能することになる。
図5に示すように、無線通信装置10は、ネットワーク検知部11と、種別設定部12と、タイミング生成部13と、ビーコン発信部14と、ビーコン受信部15と、接続管理部16と、ビーコン判定部17と、タイミング調整部18と、ビーコン中継部19と、記憶部20と、を有して構成される。
ネットワーク検知部11は、自己がマスタ10Mまたはスレーブ10Sなのか未設定の場合に、ネットワークA,Bを探索して自己が所属すべきネットワークA,Bが検知可能か否かを判定する。種別設定部12は、ネットワーク検知部11の検知に基づき、自己がマスタ10Mまたはスレーブ10Sであるのかを判定して自己の装置種別を設定する。タイミング生成部13は、ビーコン信号30の通信管理情報に基づき、自己の通信タイミングCT(後述)を生成する。
ビーコン発信部14は、ビーコン信号30を通信フレームCFに従って発信する。ビーコン受信部15は、どのネットワークA,Bのマスタ10Mが発信したかに関わらず、発信されたビーコン信号30を全て受信する。すなわち、ビーコン受信部15は、自己のネットワークA,Bの通信フレームCF間や通信フレームCF内の未使用スロットSTなどの無線通信装置10の無送信時に他のネットワークA,Bのビーコン信号30を受信(傍受)可能である。また、ビーコン受信部15において、自己のネットワークA,B内の無線通信装置10の送信と他のネットワークA,BのビーコンスロットBSが重複する場合は他のネットワークA,Bのビーコン信号30の傍受は困難となるが、各ネットワークA,B間の通信フレームCFの同期ズレにより、次の通信フレームCF以降のいずれかの通信フレームCFで他のネットワークA,Bのビーコン信号30の傍受が可能となる。
接続管理部16は、自己がスレーブ10Sとして設定されている場合には、ビーコン受信部15の受信に基づき、マスタ10Mとの間でマスタ10Mに管理されるスレーブ10Sとして接続関係を結ぶ。その一方で、接続管理部16は、自己がマスタ10Mとして設定されている場合には、スレーブ10Sと間でネットワークAまたはネットワークBの全体を管理するマスタ10Mとして接続関係を結ぶ。
ビーコン判定部17は、自己がスレーブ10Sとして設定されている場合には、受信したビーコン信号30が、自己が所属するネットワークA,Bまたは他のネットワークA,Bのどちらのマスタ10Mが発信したものかを判定する。その一方で、ビーコン判定部17は、自己がマスタ10Mとして設定されている場合には、受信したビーコン信号30が、他のネットワークA,Bのマスタ10Mが発信したものか否かのみを判定する。
タイミング調整部18は、自己がマスタ10Mとして設定されている場合に、他のネットワークA,Bのビーコン信号30の通信管理情報に基づき、ビーコン発信部14の発信タイミングを含む自己の通信タイミングCTを、他のネットワークA,Bの通信タイミングCTと異なるようにタイムシフトして調整する。
なお、タイミング調整部18は、自己がマスタ10Mに設定されていない場合、すなわち自己がスレーブ10Sに設定されている場合には不活性となり動作しない。
ビーコン中継部19は、自己がスレーブ10Sに設定されている場合に、他のネットワークA,BのビーコンスロットBSの第2,…,第NのタイムウィンドウTW,…,TWのいずれかのタイミングで、自己のネットワークA,Bのビーコン信号30を中継して発信する。
なお、ビーコン中継部19は、自己がスレーブ10Sに設定されていない場合、すなわち自己がマスタ10Mに設定されている場合には不活性となり動作しない。また、ビーコン中継部19は、自らビーコン信号30を直接発信しなくても良く、その場合には、ビーコン発信部14にビーコン信号30を発信するように指示する。
記憶部20は、自己がスレーブ10Sとして設定されている場合には、ビーコン受信部15が受信したビーコン信号30を記憶する。その一方で、無線通信装置10は、自己がマスタ10Mとして設定されている場合には、ネットワーク管理やその設定更新を行うため、自己でビーコン信号30を生成したり、または外部装置を通じてビーコン信号30が設定されたりする。そのため、マスタ10Mの記憶部20は、ビーコン信号30の発信準備のためビーコン信号30を事前に記憶しておく。
また、記憶部20は、自己がマスタ10Mまたはスレーブ10Sのいずれに設定されているのか、あるいは未設定なのかを示す装置種別情報も記憶する。また、記憶部20は、タイミング調整部18が時間調整する際にどれだけのシフト分ΔTで調整すべきか、そのシフト分ΔTを示すシフト設定値(一定値)も記憶する。
なお、シフト設定値は外部から事前に設定される値である。
<マスタまたはスレーブの判定処理フロー>
次に図6を参照して、本実施形態の無線通信装置10が自己をマスタ10Mまたはスレーブ10Sに設定する動作フローについて説明する。図6は、本実施形態の無線通信装置10がマスタ10Mまたはスレーブ10Sなのかを判定する処理を説明するフローチャートである。
図6に示すように、ステップS10では、装置本体は、記憶部20の装置種別情報を抽出する。ステップS11では、装置本体は、この抽出結果に基づき、マスタ10Mまたはスレーブ10Sの装置種別が未設定か否かをまず判定し、その判定結果が「YES」であればステップS12に進む。その一方で、判定結果が「NO」であればステップS15に進む。
ステップS12では、ネットワーク検知部11は、例えば所定時間内でネットワークA,Bを探索して自己が所属すべきネットワークA,Bが検知可能か否かを判定する。その検知結果が「YES」であればステップS13に進み、種別設定部12は自己がスレーブ10Sであると判定して自己の装置種別をスレーブ10Sに設定する。そして、種別設定部12は、この設定に基づき装置種別情報を更新して記憶部20に記憶させる。その一方で、検知結果が「NO」、すなわちネットワークA,Bの存在が所定時間内で検知できなければステップS14に進み、種別設定部12は自己がマスタ10Mであると判定して自己の装置種別をマスタ10Aに設定する。そして、種別設定部12は、この設定に基づき装置種別情報を更新して記憶部20に記憶させる。
ステップS15では、装置本体は、記憶部20の装置種別情報に基づき、自己の装置種別がスレーブ10Sであるか否かを判定する。その判定結果が「YES」であればそのままステップS17に進む。その一方で、判定結果が「NO」であればステップS16に進む。
ステップS16では、装置本体は、記憶部20の装置種別情報に基づき、自己の装置種別がマスタ10Mであるか否かを判定する。その判定結果が「YES」であればそのままステップS17に進む。その一方で、判定結果が「NO」であればステップS12に戻る。
ステップS17では、無線通信装置10の装置種別が確定されており、無線通信装置10はその確定結果に基づき、マスタ10Mまたはスレーブ10Sとしてそれぞれ無線通信を行う。
すなわち、自己がマスタ10Mとして設定された場合には、当該無線通信装置10はマスタ10Mとして自己で通信フレームCFおよび通信タイミングCTを生成する。そして、当該無線通信装置10は、マスタ10Mとしてビーコン信号30をビーコンスロットBSの第1のタイムウィンドウTWで送信するとともに、その通信フレームCFに基づき無線通信を適宜行う。
その一方で、自己がスレーブ10Sとして設定された場合には、当該無線通信装置10は、スレーブ10Sとしてマスタ10Mの管理下で無線通信を行う。ただし、当該無線通信装置10は、後述するように、ビーコン判定部17の判定に基づき自己および他のネットワークA,Bのビーコン信号30の両方を、ビーコン受信部15によって受信したと判定されるときに、自己のネットワークA,Bのビーコン信号30を中継して発信する(図1中、マスタ10Sa,10Sbがこの中継発信を行うことになる)。
<マスタの動作フロー>
次に図7、図8を参照して、マスタ10Mの無線通信時における動作フロー、およびマスタ10Mのタイミング調整部18が時間調整する状況について説明する。図7は、マスタ10Mの動作を説明するフローチャートである。図8は、タイミング調整部18が自己の無線通信装置10の通信タイミングCTを時間調整する状況を説明するタイムシフト図である。
図7に示すように、ステップS20では、マスタ10Mのタイミング生成部13は、自己の無線通信装置10の通信タイミングCTを生成する。ステップS21では、ビーコン発信部14は、その通信タイミングCTにおいてビーコン信号30の発信タイミング、すなわちビーコンスロットBSのタイムウィンドウTWまで待機する。ステップS22では、装置本体は、ビーコン信号30を生成し、記憶部20はその生成されたビーコン信号30を記憶する。ステップS23では、ビーコン発信部14は、記憶部20のビーコン信号30をビーコンスロットBSのタイムウィンドウTWで発信する。
ステップ24では、ビーコン受信部15は、どのネットワークA,Bのマスタ10Mが発信したかに関わらず、発信されたビーコン信号30を受信する。そして、ビーコン判定部17は、ビーコン受信部15が受信したビーコン信号30が、他のネットワークA,Bのマスタ10Mが発信したものか否かを判定する。その判定結果が「YES」であればステップS25に進む。その一方で、判定結果が「NO」であればステップS26に進む。
ステップS25では、タイミング調整部18は、他のネットワークA,Bのビーコン信号30の通信管理情報に基づき、自己のビーコン発信部14の発信タイミングを含む自己の通信タイミングCTを、他のネットワークA,Bの通信タイミングCTと異なるようにタイムシフトして調整する。
例えば自己がネットワークAのマスタ10Maである場合(図2参照)、図8に示すようにタイミング調整部18は、自己および他のビーコン信号30の通信管理情報から、自己のネットワークAの通信タイミングCTa、および他のネットワークBの通信タイミングCTbの両方を抽出し、その重複部分の存在を把握する。そして、タイミング調整部18は、記憶部20のシフト設定値を読み込み、前回の通信フレームCFのビーコン送信間隔に基づく通信タイミングCTaと比較してそのシフト設定値に対応したシフト分ΔTで、自己の通信タイミングCTaを所定時間遅延させる。この時間遅延により、通信タイミングCTa,CTbの衝突(重複)を回避する。
再度、図7に戻って説明を続ける。図7に示すように、ステップS26では、装置本体は、現時点が自己の通信フレームCFにおいて自己の装置に割り当てられたスロットSTか否かを判定する。その判定結果が「YES」であればステップS27に進む。その一方で、判定結果が「NO」であればステップS28に進む。
ステップS27では、装置本体は、自己に割り当てられたスロットST内でデータ信号を送信する。ステップS28では、装置本体はデータ信号を受信する。
ステップS29では、装置本体は、自己の通信フレームCFにおいて最終スロットSTまで到達したか否かを判定する。その判定結果が「YES」であればステップS20に戻る。その一方で、判定結果が「NO」であればステップS26に戻る。すなわち、ステップS29において自己の通信フレームCFまたは通信タイミングCTが完了するまで、ステップS26~S28の一連のステップを繰り返すことになる。
このようにステップS20~S29までの一連のステップが実行されることで、マスタ10Mは、スレーブ10Sとの間で無線通信を行いながら、後述するように、他のネットワークA,Bのマスタ10Mから発信されたビーコン信号30を他のネットワークA,Bのスレーブ10Sを介して受信する。これにより、マスタ10Mは、他のネットワークA,Bの通信タイミングCTを把握して、自己と他の通信タイミングCTが衝突しないように時間調整する。
<スレーブの動作フロー>
次に図9を参照して、スレーブ10Sの無線通信時における動作フローについて説明する。図9は、スレーブ10Sの動作を説明するフローチャートである。
図9に示すように、ステップS30では、スレーブ10Sのビーコン受信部15は、ビーコン信号30を受信するまで待機する。ステップS31では、ビーコン判定部17は、ビーコン受信部15が受信したビーコン信号30が、自己が所属するネットワークA,Bまたは他のネットワークA,Bのどちらのマスタ10Mが発信したものか否かを判定する。その判定結果が「YES」であればステップS32に進む。その一方で、判定結果が「NO」であればステップS39に進む。
ステップS32では、タイミング生成部13は、ビーコン信号30の通信管理情報に基づき、自己の通信タイミングCTを生成する。
ステップS33では、装置本体は、ビーコン判定部17の判定に基づき、自己および他のネットワークA,Bのビーコン信号30の両方を、ビーコン受信部15によって受信したか否かを判定する。その判定結果が「YES」であればステップS33に進む。その一方で、判定結果が「NO」であればステップS35に進む。
ステップS34では、ビーコン中継部19は、他のネットワークA,BのビーコンスロットBSの第2,…,第NのタイムウィンドウTW,…,TWのいずれかのタイミングで、自己のネットワークA,Bのビーコン信号30を中継して発信する。
ステップS35では、装置本体は、現時点が自己の通信フレームCFにおいて自己の装置に割り当てられたスロットSTか否かを判定する。その判定結果が「YES」であればステップS36に進む。その一方で、判定結果が「NO」であればステップS37に進む。
ステップS36では、装置本体は、自己に割り当てられたスロットST内でデータ信号を送信する。ステップS37では、装置本体はデータ信号を受信する。
ステップS38では、装置本体は、自己の通信フレームCFにおいて最終スロットSTまで到達したか否かを判定する。その判定結果が「YES」であればステップS30に戻る。その一方で、判定結果が「NO」であればステップS35に戻る。
ステップS39では、装置本体は、他のネットワークA,Bのビーコン信号30を受信したとしてカウントして保持する(ビーコン中継発信のためのフラグを立てる)。すなわち、ステップS31、S39によって、装置本体は、自己および他のネットワークA,Bのビーコン信号30両方の受信の有無をカウントしていることになる。このカウントに基づき、ステップS33が実行されることになる。
このようにステップS30~S38までの一連のステップが実行されることで、スレーブ10Sは、マスタ10Mとの間で無線通信を行いながら、他のネットワークA,Bに向けて、自己のネットワークA,Bのビーコン信号30を中継して発信する。これにより、スレーブ10Sは、他のネットワークA,Bのマスタ10Mに対して、自己のネットワークA,Bの通信タイミングCTを把握させ、自己と他の通信タイミングCTが衝突しないように時間調整させる。
<複数のネットワークにおける通信タイミングの時間調整>
次に図10~図13を参照して、上記第1実施形態のマスタ10Mおよびスレーブ10Sによって、複数のネットワークA,B,C,D間で通信タイミングCTが互いに時間調整された状況について説明する。図10は、ネットワークA,B,C,Dが4つ存在する状況を説明する模式図である。図11は、複数のネットワークA,B,C,Dにおいてその通信タイミングCTが互いに調整された結果の状況を説明するタイムシフト図である。図12は、ネットワークA,B,C,Dが4つ存在する他の状況を説明する模式図である。図13は、複数のネットワークA,B,C,Dにおいてその通信タイミングCTが互いに調整された結果の状況を説明するタイムシフト図である。図10~図13では、2つの例を挙げて説明する。
まず第1の例について説明する。図10に示すように、本例では、4つのネットワークA,B,C,Dが存在する。そして、本例では、ネットワークAは、ネットワークBとはその通信エリアで一部重畳するが、ネットワークC,Dとは重畳しない。ネットワークBは、ネットワークA,Cとはその通信エリアで一部重畳するが、ネットワークDとは重畳しない。ネットワークCは、ネットワークB,Dとはその通信エリアで一部重畳するが、ネットワークAとは重畳しない。ネットワークDは、ネットワークCとはその通信エリアで一部重畳するが、ネットワークA,Bとは重畳しない。すなわち、本例では、各ネットワークA,B,C,Dが他の全てのネットワークA,B,C,Dに対し同時に重畳する配置とはなっていない。
このように4つのネットワークA,B,C,Dが配置される場合において、前述したように、各ネットワークA,B,C,Dのマスタ10Mは、他のネットワークA,B,C,Dのマスタ10Mから発信されたビーコン信号30を他のネットワークA,B,C,Dのスレーブ10Sを介して受信する。これにより、当該マスタ10Mは、他のネットワークA,B,C,Dの通信タイミングCTを把握して自己と他の通信タイミングCTが衝突しないように時間調整する。また、各ネットワークA,B,C,Dのスレーブ10Sは、他のネットワークA,B,C,Dに向けて、自己のネットワークA,B,C,Dのビーコン信号30を中継して発信する。これにより、スレーブ10Sは、他のネットワークA,B,C,Dのマスタ10Mに対して自己のネットワークA,B,C,Dの通信タイミングCTを把握させ、自己と他の通信タイミングCTが衝突しないように時間調整させる。
図11に示すように、このようなマスタ10Mおよびスレーブ10Sの一連の動作の繰り返しによって、周期(図11中の時間軸)は2分割される。そして、ネットワークAの通信タイミングCTaおよびネットワークCの通信タイミングCTcの両方は第1期(前半期、図中左側期間)に配置される。その一方で、ネットワークBの通信タイミングCTbおよびネットワークDの通信タイミングCTdの両方は第2期(後半期、図中左側期間)に配置される。
本例では、ネットワークAの通信タイミングCTaおよびネットワークCの通信タイミングCTcが重複するが、ネットワークA,Cの通信エリアは互いに重畳していないので、ネットワークA,Cの間で通信タイミングCTが衝突するなど通信問題が発生することはない。ネットワークB,Dについても同様である。
次に第2の例について説明する。図12に示すように、本例では、ネットワークAは、ネットワークB,Cの両方とその通信エリアで一部重畳するが、ネットワークDとは重畳しない。ネットワークBは、ネットワークA,C,Dのいずれともその通信エリアで一部重畳する。ネットワークCも同様に、ネットワークA,B,Dのいずれともその通信エリアで一部重畳する。ネットワークDは、ネットワークB,Cの両方とその通信エリアで一部重畳するが、ネットワークAとは重畳しない。すなわち、本例では、ネットワークA,Dのみ、その通信エリアが互いに重畳する配置とはなっていない。
そして、図13に示すように、マスタおよびスレーブの一連の動作によって、周期は3分割される。ネットワークAの通信タイミングCTaおよびネットワークDの通信タイミングCTdの両方は第1期(図中左側期間)に配置される。ネットワークBの通信タイミングCTbは第2期(図中中央期間)に配置される。ネットワークCの通信タイミングCTcは第3期(図中右側期間)に配置される。
本例では、ネットワークAの通信タイミングCTaおよびネットワークDの通信タイミングCTdは重複するが、ネットワークA,Dの通信エリアは互いに重畳していないので、ネットワークA,Dの間で通信問題が発生することはない。
<無線通信装置、および無線通信システムの利点>
以上説明したように本実施形態によれば、通信フレームCFの先頭部分には、ビーコンスロットBSが設けられており、ビーコンスロットBSは、第1,第2,…,第N(1,2,…,Nは自然数であり、先頭からの順番を示す)のタイムウィンドウTW,TW,…,TWを有し、第1のタイムウィンドウTWには、ビーコン発信部14の発信タイミングが割り当てられる。また、自己が、マスタ10Mの無線通信装置10として設定されている場合において、ビーコン受信部15は、自己の無線通信ネットワークA,B,C,DのビーコンスロットBSの第2,…,第NのタイムウィンドウTW,…,TWのいずれかのタイミングで、ビーコン信号30を受信し、タイミング調整部18は、自己が、マスタ10Mの無線通信装置10として設定されており、且つビーコン判定部17の判定に基づき他の無線通信ネットワークA,B,C,Dのビーコン信号30を受信したと判定されるときに、自己の通信タイミングCT,CTa,CTb,CTc,CTdを調整する。また、自己が、スレーブ10Sの無線通信装置10として設定されている場合において、ビーコン中継部19は、自己が、マスタ10Mの無線通信装置10に管理されるスレーブ10Sの無線通信装置10として設定されており、且つビーコン判定部17の判定に基づき自己および他の無線通信ネットワークA,B,C,Dのビーコン信号30の両方を、ビーコン受信部15によって受信したと判定されるときに、他の無線通信ネットワークA,B,C,DのビーコンスロットBSの第2,…,第NのタイムウィンドウTW,…,TWのいずれかのタイミングで、自己の無線通信ネットワークA,B,C,Dのビーコン信号30を中継して発信する。
従って、マスタ10Mの無線通信装置10は、スレーブ10Sの無線通信装置10を介して、通信フレームCFのビーコンスロットBS内で他の無線通信ネットワークA,B,C,Dのビーコン信号30を受信することができるので、自己の通信フレームCFの通信タイミングCTをタイムシフトして調整することができる。このため、複数の無線通信ネットワークA,B,C,D間でスロットSTを共有して通信同期を確立するので、スロットSTを均等に効率良く割り当てることができ、その結果、通信フレームCFの通信タイミングCTの衝突(重複)を回避することができる。これにより、通信フレームCFのスロットSTを短くすることなく、複数の無線通信ネットワークA,B,C,Dが共存することができる。
また、本実施形態によれば、自己が、スレーブ10Sの無線通信装置10として設定されている場合において、ビーコン判定部17が、記憶部20のビーコン信号30が自己のマスタ10Mの無線通信装置10が発信したものと判定するとき、記憶部20のビーコン信号30の通信管理情報に基づき自己の通信タイミングCTを生成するタイミング生成部13と、をさらに有し、タイミング生成部13の通信タイミングCTに基づき、第2,…,第NのタイムウィンドウTW,…,TWのいずれかで、自己のマスタ10Mの無線通信装置10との間で無線通信を行うため、スレーブ10Sの無線通信装置10は、マスタ10Mの無線通信装置10との間で迅速に接続関係を構築して、効率的な通信を行うことができる。
(第2実施形態)
さらに図14および図15を参照して、本発明に係る無線通信装置および無線通信システムの第2実施形態について説明する。
なお、上記第1実施形態と同一又は同等部分については、図面などに同一或いは同等符号を付してその説明を省略或いは簡略化する。
<ビーコン信号の構成>
図14を参照して、本実施形態のビーコン信号40の構成について説明する。図14は、本実施形態のビーコン信号40の構成を説明する構成図である。
図14に示すように、ビーコン信号40は、ビーコン種別情報41と、送信装置ID情報42と、ビーコン間隔情報43と、スロット長情報44と、複数の第1,第2,…,第Nの割当情報45と、に加えて、重複時間情報46をさらに有して構成される。
重複時間情報46は、自己および他のネットワークA,Bの間における通信タイミングCTの重複時間を示すパラメータである。
<タイミング調整部の動作>
次に図15を参照して、本実施形態のタイミング調整部18の動作について説明する。図15は、重複時間情報46に基づきタイミング調整部18が自己の無線通信装置10の通信タイミングCTを時間調整した状況を説明するタイムシフト図である。
例えば自己がネットワークAのマスタ10Maである場合(図2を参照)、図15に示すように、タイミング調整部18は、ビーコン信号40の重複時間情報46に基づき、ネットワークA,B間で時間的な衝突を回避するため自己の通信タイミングCTaをタイムシフトして調整する。
すなわち、本実施形態では、通信タイミングCTの時間調整のとき、上記第1実施形態とは異なり記憶部20のシフト設定値(一定値)は用いられず、その代わりに重複時間情報46が用いられる。そのため、通信タイミングCTaは画一的に時間調整されるわけではなく、自己および他のネットワークA,Bとの間で個別具体的に時間調整される。これにより、自己の通信タイミングCTのシフト分ΔTは、上記第1実施形態(図8を参照)と比べより最適化される。
その他の構成については上記第1実施形態と同様である。
<無線通信装置、および無線通信システムの利点>
以上説明したように本実施形態によれば、ビーコン信号40、自己および他の無線通信ネットワークA,Bの間における通信タイミングCTa,CTbの重複時間に関する重複時間情報46をさらに有し、タイミング調整部18は、ビーコン信号40の重複時間情報46に基づき自己の通信タイミングCTaを調整する。このため、複数の無線通信ネットワークA,Bの間で通信タイミングCTa,CTbの重複状況に対し個別具体的に時間調整できる。これにより、複数の無線通信ネットワークA,B間で通信タイミングCTaの時間調整をより無駄なく効率的に行うことができる。
(第3実施形態)
さらに図16および図17を参照して、本発明に係る無線通信装置および無線通信システムの第3実施形態について説明する。
なお、上記第1または第2実施形態と同一又は同等部分については、図面などに同一或いは同等符号を付してその説明を省略或いは簡略化する。
<ビーコン信号の構成>
図16を参照して、本実施形態のビーコン信号の構成について説明する。図16は、本実施形態のビーコン信号の構成を説明する構成図である。
図16に示すように、本実施形態のビーコン信号50は、ビーコン種別情報51と、重複時間情報56と、送信装置ID情報52と、ビーコン間隔情報53と、スロット長情報54と、複数の第1,第2,…,第Nの割当情報55と、に加え、ネットワーク優先度情報57をさらに有して構成される。
ネットワーク優先度情報57は、ネットワークA,Bそれぞれに対応する優先度を示すパラメータである。
<無線通信装置の構成>
次に図17を参照して、本実施形態の無線通信装置60の構成について説明する。図17は、本実施形態の無線通信装置のソフトウェア構成を機能的に説明する機能ブロック図である。
図17に示すように、本実施形態の無線通信装置60は、ネットワーク検知部61と、種別設定部62と、タイミング生成部63と、ビーコン発信部64と、ビーコン受信部65と、接続管理部66と、ビーコン判定部67と、タイミング調整部68と、ビーコン中継部69と、記憶部70と、に加え、さらに優先度比較部71をさらに有して構成される。
例えば自己がネットワークAに属する無線通信装置60である場合(図12を参照)、優先度比較部71は、ビーコン判定部67が、記憶部70のビーコン信号50が他のネットワークBのマスタ60Mbが発信したものと判定するとき当該ビーコン信号50のネットワーク優先度情報57を参照して、自己および他のネットワークA,Bの優先度を比較する。また、優先度比較部71は、他のネットワークBが自己よりも高い優先度であると判定する場合には、その他のネットワークBと通信タイミングCTaが重複しているか否かを判定する。
そして、本実施形態では、ビーコン中継部69は、優先度比較部71の比較に基づき、自己のネットワークAのビーコン信号50を中継して発信するか否かを判定する。具体的には、ビーコン中継部69は、他のネットワークBの優先度が自己のネットワークAよりも低いと判定されるとき、自己のネットワークAのビーコン信号50を中継して発信する。その逆に、ビーコン中継部69は、他のネットワークBの優先度が高いと判定されるときには中継して発信しない。
<タイミング調整部および優先度比較部の動作>
次に図18を参照して、タイミング調整部68および優先度比較部71の動作について説明する。図18は、タイミング調整部68および優先度比較部71の動作を説明するフローチャートである。なお、図18は、図7中のステップS25にサブルーチンとして対応するものである。
例えば自己がネットワークAに属する無線通信装置60である場合(図1を参照)、図18に示すように、ステップS40では、優先度比較部71は、他のネットワークBが自己よりも高い優先度であるか否かを判定する。そして、優先度比較部71は、他のネットワークBの優先度が高いと判定する場合、自己の通信タイミングCTaがその他のネットワークBに対し重複しているか否かを判定する。その判定結果が「YES」であればステップS41に進み、「NO」であればサブルーチンを終了して、メインルーチンに戻る(RETURN)。
ステップS41では、タイミング調整部68は、他のネットワークBのビーコン信号50の通信管理情報に基づき、自己のビーコン発信部64のビーコン発信タイミングを含む自己の通信タイミングCTaを、他のネットワークBに対し所定時間遅延させる。これにより、タイミング調整部68は、自己の通信タイミングCTaを、他のネットワークBの通信タイミングCTbと異なるようにタイムシフトして調整する。
その他の構成や動作フローについては上記第1または第2実施形態と同様である。
<複数のネットワークにおける通信タイミングの時間調整>
次に図19を参照して、上記第3実施形態のマスタ60Mおよびスレーブ60Sによって、複数のネットワークA,B,C,D間で通信タイミングCTa,CTb,CTc,CTdが互いに時間調整される様子について説明する。図19は、本実施形態での複数のネットワークA,B,C,Dにおいてその通信タイミングCTa,CTb,CTc,CTdが互いに調整される様子を説明するタイムシフト図である。図19では、1つの例を挙げて説明する。
なお、本例では、図12と同様に、4つのネットワークA,B,C,Dが存在しており、ネットワークA,Dのみ、その通信エリアが互いに重畳する配置とはなっていない。それ以外は、互いに重畳する配置となっている。
本例では、ネットワークAの優先度が最も高く、次にネットワークBが高く,さらにネットワークCと続き、ネットワークDの優先度が最も低く設定される(すなわち、優先度:A>B>C>D)。
このような優先度の状況において、図19に示すように、第1番目の通信フレームCFでは、各ネットワークA,B,C,Dそれぞれの優先度比較部71において、他のネットワークA,B,C,Dとの通信タイミングCTa,CTb,CTc,CTdの重複状況が把握される。
第2番目の通信フレームCFでは、優先度が最も高いネットワークAを除く、ネットワークB,C,Dそれぞれのタイミング調整部68は、自己の通信タイミングCTb,CTc,CTdを優先度がより上位のネットワークの通信タイミングに対し、それぞれ所定時間遅延させる。
そして、第3番目の通信フレームCFでは、優先度がネットワークAの次に高いネットワークBを除く、ネットワークC,Dそれぞれのタイミング調整部68は、自己の通信タイミングCTc,CTdを優先度がより上位のネットワークの通信タイミングに対し、それぞれ所定時間遅延させる。
第4番目の通信フレームCFでは、ネットワークDのタイミング調整部68は、優先度がより上位のネットワークCの通信タイミングCTcに対して、自己の通信タイミングCTdを所定時間遅延させる。これにより、各ネットワークA,B,C,Dの通信同期が完了する。
このようにして、本例では、ネットワークA,B,C,Dに付与されたネットワーク優先度情報57に基づき、より優先度の低いネットワークB,C,Dのマスタ60Mが次の通信フレームCFにおいてビーコン送信タイミングを含む通信タイミングCTb,CTc,CTdをそれぞれ所定時間遅延させることで時間調整する。
なお、各ネットワークA,B,C,Dのスレーブ60Sは、自己および他のネットワークA,B,C,Dのビーコン信号50の受信状況に基づき、自己のネットワークA,B,C,Dの次の通信フレームCFの通信タイミングCTa,CTb,CTc,CTdを予測可能である。そのため、当該スレーブ60Sは、他のネットワークA,B,C,Dのビーコン信号50を受信した時点で、自己のネットワークA,B,C,Dの現在の通信フレームCFにおいてビーコン信号50を受信していない場合でも、通信タイミングCTa,CTb,CTc,CTdの重複を予測し、前回の通信フレームCFで受信した自己のネットワークA,B,C,Dのビーコン信号50を他のネットワークA,B,C,Dのマスタ60Mに報知することも可能である。
<無線通信装置、および無線通信システムの利点>
以上説明したように本実施形態によれば、ビーコン信号50は、無線通信ネットワークA,Bそれぞれに対応する優先度に関するネットワーク優先度情報(優先度情報)57をさらに有しており、ビーコン判定部67が、記憶部70のビーコン信号50が他のマスタ10Mbの無線通信装置10が発信したものと判定するときビーコン信号50のネットワーク優先度情報57を参照して、自己および他の無線通信ネットワークA,Bの優先度を比較する優先度比較部71をさらに有し、ビーコン中継部69は、優先度比較部71の比較に基づき、自己の無線通信ネットワークA,Bのビーコン信号50を中継して発信するか否かを判定する。このため、複数の無線通信ネットワークA,B間でより優先度が高い無線通信ネットワークA,Bを基準にした通信同期を行うことができる。これにより、優先度が高い無線通信ネットワークA,Bの通信タイミングCTを可能な限り変更させることなく、無線通信ネットワークA,B全体の通信品質(通信成功率や伝送遅延など)を維持した状態で、複数の無線通信ネットワークA,B間で通信タイミングCTの時間調整を図ることができる。
(第4実施形態)
さらに図20を参照して、本発明に係る無線通信装置および無線通信システムの第4実施形態について説明する。
なお、上記第1~3実施形態と同一又は同等部分については、図面などに同一或いは同等符号を付してその説明を省略或いは簡略化する。
<タイミング調整部および優先度比較部の動作>
図20を参照して、タイミング調整部68および優先度比較部71の動作について説明する。図20は、タイミング調整部68および優先度比較部71の動作を説明するフローチャートである。
なお、図20は、図18と同様に図7中のステップS25にサブルーチンとして対応するものである。また、本実施形態では、タイミング調整部68は、通信タイミングCTを所定時間遅延させたり前倒ししたりして時間調整可能なように構成される。
例えば自己がネットワークAに属する無線通信装置60であり、また複数(4つ)のネットワークA,B,C,Dが存在している場合(図10または図12を参照)、図20に示すように、ステップS50では、優先度比較部71は、他のネットワークB,C,Dが自己よりも高い優先度であるか否かを判定する。そして、優先度比較部71は、他のネットワークB,C,Dの優先度が高いと判定する場合、自己の通信タイミングCTaがその他のネットワークB,C,Dに対し重複しているか否かを判定する。その判定結果が「YES」であればステップS51に進み、「NO」であればサブルーチンを終了してメインルーチンに戻る(RETURN)。
ステップS51では、装置本体は、前回の通信フレームCFにおけるタイミング調整部68による調整種別を記憶部70で記憶保持しており、記憶部70を参照することで、その前回の調整種別が「無し」、「遅延」または「前倒し」のいずれかを判定する。その判定結果が「無し」であればステップS54に進む。「遅延」であればステップS52に進む。「前倒し」であればステップS53に進む。
ステップS52では、装置本体は、前回の通信フレームCFにおける他のネットワークB,C,Dの通信タイミングCTb,CTc,CTdとの重複数を記憶部70で記憶保持しており、記憶部70を参照することで、その前回と今現在の通信フレームCFにおける、他のネットワークB,C,Dとの重複数が減少しているか否かを判定する。その判定結果が「YES」であればステップS54に進み、「NO」であればステップS55に進む。
ステップS53でも同様に、装置本体は、記憶部70を参照することで、前回と今現在の通信フレームCFにおける、他のネットワークB,C,Dの通信タイミングCTb,CTc,CTdとの重複数が減少しているか否かを判定する。その判定結果が「YES」であればステップS55に進み、「NO」であればステップS54に進む。
ステップS54では、タイミング調整部68は、他のネットワークB,C,Dのビーコン信号50の通信管理情報に基づき、自己のビーコン発信部64のビーコン発信タイミングを含む自己の通信タイミングCTaを、他のネットワークB,C,Dに対し所定時間遅延して時間調整する。その一方で、ステップS55では、タイミング調整部68は、自己のビーコン発信部64のビーコン発信タイミングを含む自己の通信タイミングCTaを、他のネットワークB,C,Dに対し所定時間前倒しして時間調整する。
<複数のネットワークにおける通信タイミングの時間調整>
次に図21および図22を参照して、上記第4実施形態のマスタ60Mおよびスレーブ60Sによって、複数のネットワークA,B,C,D間で通信タイミングCTa,CTb,CTc,CTdが互いに時間調整される様子について説明する。図21は、本実施形態での複数のネットワークA,B,C,Dにおいてその通信タイミングCTa,CTb,CTc,CTdが互いに調整される様子を説明するタイムシフト図である。図22は、本実施形態での他の複数のネットワークA,B,C,Dにおいてその通信タイミングCTa,CTb,CTc,CTdが互いに調整される様子を説明するタイムシフト図である。図21および図22では、2つの例を挙げて説明する。
まず第1の例について説明する。本例では、図10と同様に、4つのネットワークA,B,C,Dが存在しており、各ネットワークA,B,C,Dが他の全てのネットワークA,B,C,Dに対し同時に重畳する配置とはなっていない。そして、本例でもネットワークAの優先度が最も高く、次にネットワークBが高く,さらにネットワークCと続き、ネットワークDの優先度が最も低く設定される(すなわち、優先度:A>B>C>D)。
このような優先度の状況において、図21に示すように、第1番目の通信フレームCFでは、各ネットワークA,B,C,Dそれぞれの優先度比較部71において、他のネットワークA,B,C,Dとの通信タイミングCTa,CTb,CTc,CTdの重複状況が把握される。すなわち、ネットワークBでは重複数は2、ネットワークCでは重複数は2であり、ネットワークDでは重複数は1である。
第2番目の通信フレームCFでは、ネットワークAに対してより優先度が低いネットワークB、ネットワークBに対してより優先度が低いネットワークC、ネットワークCに対してより優先度が低いネットワークDそれぞれのタイミング調整部68は、自己の通信タイミングCTb,CTc,CTdを所定時間遅延させる。
ここで、第2番目の通信フレームCFでの当該遅延による通信タイミング調整によってネットワークC,Dでは重複数が減少していない。そのため、第3番目の通信フレームCFでは、ネットワークBに対してより優先度が低いネットワークC、ネットワークCに対してより優先度が低いネットワークDそれぞれのタイミング調整部68は、自己の通信タイミングCTc,CTdを所定時間前倒しさせる。
また、このとき、第3番目の通信フレームCFでの当該前倒しによる通信タイミング調整によってネットワークDでは重複数が減少していない。そのため、第4番目の通信フレームCFでは、ネットワークCの優先度がネットワークDより高いため、ネットワークDのタイミング調整部68は、自己の通信タイミングCTdをネットワークCの通信タイミングCTcに対し所定時間遅延させる。これにより、各ネットワークA,B,C,Dの通信同期が完了する。
このようにして、本例では、ネットワークA,B,C,Dに付与されたネットワーク優先度情報57に基づき、より優先度の低いネットワークB,C,Dのマスタ60Mが次の通信フレームCFにおいてビーコン送信タイミングを含む通信タイミングCTb,CTc,CTdをそれぞれ所定時間遅延させたり前倒ししたりすることで時間調整する。すなわち、各タイミング調整部68によって通信タイミング調整を行った後の通信フレームCFにおいて重複数が減少しない場合には、ビーコン送信タイミングを含む通信タイミングCTを遅延したりまたは前倒したりして切り替えて時間調整を行う。
なお、本例は、通信エリアが直接干渉しないネットワークAとネットワークCとの間、さらにネットワークBとネットワークDとの間で通信タイミングCTが重複可能である。
次に第2の例について説明する。本例では、図12と同様に、4つのネットワークA,B,C,Dが存在しており、ネットワークA,Dのみ、その通信エリアが互いに重畳する配置とはなっていない。それ以外は、互いに重畳する配置となっている。そして、本例でもネットワークAの優先度が最も高く、次にネットワークBが高く,さらにネットワークCと続き、ネットワークDの優先度が最も低く設定される(すなわち、優先度:A>B>C>D)。
このような優先度の状況において、図22に示すように、第1番目の通信フレームCFでは、各ネットワークA,B,C,Dそれぞれの優先度比較部71において、他のネットワークA,B,C,Dとの通信タイミングCTa,CTb,CTc,CTdの重複状況が把握される。すなわち、ネットワークBでは重複数は3、ネットワークCでは重複数は3であり、ネットワークDでは重複数は2である。
第2番目の通信フレームCFでは、優先度が最も高いネットワークAを除く、ネットワークB,C,D,それぞれのタイミング調整部68は、自己の通信タイミングCTb,CTc、CTdを優先度がより上位のネットワークの通信タイミングに対し、それぞれ所定時間遅延させる。
ここで、第2番目の通信フレームCFでの当該遅延による通信タイミング調整によってネットワークDでは重複数が減少していない。そのため、第3番目の通信フレームCFでは、ネットワークB,Cの優先度がネットワークDよりも高いため、ネットワークDのタイミング調整部68は、自己の通信タイミングCTdをネットワークB,Cの通信タイミングCTb,CTcに対し所定時間前倒しさせる。それと同時に、ネットワークCのタイミング調整部68は、ネットワークBの優先度がネットワークCよりも高いため、自己の通信タイミングCTcをネットワークBの通信タイミングCTbに対し所定時間遅延させる。これにより、各ネットワークA,B,Cの通信同期が完了する。
なお、本例は、通信エリアが直接干渉しないネットワークAとネットワークDとの間で通信タイミングCTが重複可能である。
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明の態様はこれら実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良などが可能である。
ここで、上述した本発明に係る無線通信装置、および無線通信システムの実施形態の特徴をそれぞれ以下[1]~[10]に簡潔に纏めて列記する。
[1]
事前に設定される通信フレーム(CF)に関する情報を含む通信管理情報を有するビーコン信号(30,40,50)を記憶する記憶部(20,70)と、
無線通信ネットワーク(A,B,C,D)を構築するマスタ(10M,10Ma,10Mb)の無線通信装置(10,60)として、自己の前記無線通信ネットワーク(A,B,C,D)に関する前記ビーコン信号(30,40,50)を前記通信フレーム(CF)に従って発信するビーコン発信部(14,64)と、
前記ビーコン信号(30,40,50)を受信するビーコン受信部(15,65)と、
前記ビーコン受信部(15,65)が受信した前記ビーコン信号(30,40,50)が、他の前記無線通信ネットワーク(A,B,C,D)の前記マスタ(10M,10Ma,10Mb)の無線通信装置(10,60)が発信したものかどうかを判定するビーコン判定部(17,67)と、
他の前記無線通信ネットワーク(A,B,C,D)の前記ビーコン信号(30,40,50)の前記通信管理情報に基づき、前記ビーコン発信部(14,64)の発信タイミングを含む自己の通信タイミング(CT,CTa,CTb,CTc,CTd)を、他の前記無線通信ネットワーク(A,B,C,D)の前記通信タイミング(CT,CTa,CTb,CTc,CTd)と異なるようにタイムシフトして調整するタイミング調整部(18,68)と、
を備えることを特徴とする無線通信装置(10,60)。
[2]
前記通信フレーム(CF)の先頭部分には、ビーコンスロット(BS)が設けられており、
前記ビーコンスロット(BS)は、第1,第2,…,第N(1,2,…,Nは自然数であり、先頭からの順番を示す)のタイムウィンドウ(TW,TW,…,TW)を有し、
前記第1のタイムウィンドウ(TW)には、前記ビーコン発信部(14,64)の前記発信タイミングが割り当てられ、
前記ビーコン受信部(15,65)は、自己の前記無線通信ネットワーク(A,B,C,D)の前記ビーコンスロット(BS)の前記第2,…,第Nのタイムウィンドウ(TW,…,TW)のいずれかのタイミングで、前記ビーコン信号(30,40,50)を受信し、
前記タイミング調整部(18,68)は、自己が、前記マスタ(10M,10Ma,10Mb)の無線通信装置(10,60)として設定されており、且つ前記ビーコン判定部(17,67)の判定に基づき他の前記無線通信ネットワーク(A,B,C,D)の前記ビーコン信号(30,40,50)を受信したと判定されるときに、自己の前記通信タイミング(CT,CTa,CTb,CTc,CTd)を調整する
ことを特徴とする[1]に記載の無線通信装置(10,60)。
[3]
前記ビーコン信号(40,50)は、自己および他の前記無線通信ネットワーク(A,B,C,D)の間における前記通信タイミング(CT,CTa,CTb,CTc,CTd)の重複時間に関する重複時間情報(46,56)をさらに有し、
前記タイミング調整部(18,68)は、前記ビーコン信号(40,50)の前記重複時間情報(46,56)に基づき自己の前記通信タイミング(CT,CTa,CTb,CTc,CTd)を調整する
ことを特徴とする[2]に記載の無線通信装置(10,60)。
[4]
前記ビーコン信号(50)は、前記無線通信ネットワーク(A,B,C,D)それぞれに対応する優先度に関する優先度情報(ネットワーク優先度情報、57)をさらに有する
ことを特徴とする[1]~[3]のいずれか1つに記載の無線通信装置(60)。
[5]
無線通信ネットワーク(A,B,C,D)を構築するマスタ(10M,10Ma,10Mb)の無線通信装置(10,60)と、前記マスタ(10M,10Ma,10Mb)の無線通信装置(10,60)によって管理されるスレーブ(10S,10Sa,10Sb)の無線通信装置(10,60)と、を備える無線通信システム(1,1a,1b)であって、
前記マスタ(10M,10Ma,10Mb)の無線通信装置(10,60)が、[1]~[3]のいずれか1つに記載の無線通信装置(10,60)である無線通信システム(1,1a,1b)。
[6]
事前に設定される通信フレーム(CF)に従って無線通信ネットワーク(A,B,C,D)を構築するマスタ(10M,10Ma,10Mb)の無線通信装置(10,60)によって発信されるとともに、前記通信フレーム(CF)に関する情報を含む通信管理情報を有するビーコン信号(30,40,50)を受信するビーコン受信部(15,65)と、
前記ビーコン受信部(15,65)が受信した前記ビーコン信号(30,40,50)を記憶する記憶部(20,70)と、
前記記憶部(20,70)の前記ビーコン信号(30,40,50)が、自己が所属する前記無線通信ネットワーク(A,B,C,D)または他の前記無線通信ネットワーク(A,B,C,D)のどちらの前記マスタ(10M,10Ma,10Mb)の無線通信装置(10,60)が発信したものかどうかを判定するビーコン判定部(17,67)と、
前記記憶部(20,70)の前記ビーコン信号(30,40,50)を中継して発信するビーコン中継部(19,69)と、を有し、
前記通信フレームの先頭部分(CF)には、ビーコンスロット(BS)が設けられており、
前記ビーコンスロット(BS)は、第1,第2,…,第N(1,2,…,Nは自然数であり、先頭からの順番を示す)のタイムウィンドウ(TW,TW,…,TW)を有し、
前記第1のタイムウィンドウ(TW)には、前記マスタ(10M,10Ma,10Mb)の無線通信装置(10,60)が前記ビーコン信号(30,40,50)を発信する発信タイミングが割り当てられ、
前記ビーコン中継部(19,69)は、自己が、前記マスタ(10M,10Ma,10Mb)の無線通信装置(10,60)に管理されるスレーブ(10S,10Sa,10Sb)の無線通信装置(10,60)として設定されており、且つ前記ビーコン判定部(17,67)の判定に基づき自己および他の前記無線通信ネットワーク(A,B,C,D)の前記ビーコン信号(30,40,50)の両方を、前記ビーコン受信部(15,65)によって受信したと判定されるときに、他の前記無線通信ネットワーク(A,B,C,D)の前記ビーコンスロット(BS)の前記第2,…,第Nのタイムウィンドウ(TW,…,TW)のいずれかのタイミングで、自己の前記無線通信ネットワーク(A,B,C,D)の前記ビーコン信号(30,40,50)を中継して発信する
ことを特徴とする無線通信装置(10,60)。
[7]
前記ビーコン判定部(17,67)が、前記記憶部(20,70)の前記ビーコン信号(30,40,50)が自己の前記マスタ(10M,10Ma,10Mb)の無線通信装置(10,60)が発信したものと判定するとき、前記記憶部(20,70)の前記ビーコン信号(30,40,50)の前記通信管理情報に基づき自己の通信タイミング(CT,CTa,CTb,CTc,CTd)を生成するタイミング生成部(13,63)と、をさらに有し、
前記タイミング生成部(13,63)の前記通信タイミング(CT,CTa,CTb,CTc,CTd)に基づき、前記第2,…,第Nのタイムウィンドウ(TW,…,TW)のいずれかで、自己の前記マスタ(10M,10Ma,10Mb)の無線通信装置(10,60)との間で無線通信を行う
ことを特徴とする[6]に記載の無線通信装置(10,60)。
[8]
前記ビーコン信号(40,50)は、自己および他の前記無線通信ネットワーク(A,B,C,D)の間における通信タイミング(CT,CTa,CTb,CTc,CTd)の重複時間に関する重複時間情報(46,56)をさらに有する
ことを特徴とする[6]または[7]に記載の無線通信装置(10,60)。
[9]
前記ビーコン信号(50)は、前記無線通信ネットワーク(A,B,C,D)それぞれに対応する優先度に関する優先度情報(ネットワーク優先度情報、57)をさらに有しており、
前記ビーコン判定部(67)が、前記記憶部(70)の前記ビーコン信号(50)が他の前記マスタ(10M,10Ma,10Mb)の無線通信装置(60)が発信したものと判定するとき前記ビーコン信号(50)の前記優先度情報(ネットワーク優先度情報、57)を参照して、自己および他の前記無線通信ネットワーク(A,B,C,D)の前記優先度を比較する優先度比較部(71)をさらに有し、
前記ビーコン中継部(69)は、前記優先度比較部(71)の比較に基づき、自己の前記無線通信ネットワーク(A,B,C,D)の前記ビーコン信号(50)を中継して発信するか否かを判定する
ことを特徴とする[6]~[8]のいずれか1つに記載の無線通信装置(60)。
[10]
無線通信ネットワーク(A,B,C,D)を構築するマスタ(10M,10Ma,10Mb)の無線通信装置(10,60)と、前記マスタ(10M,10Ma,10Mb)の無線通信装置(10,60)によって管理されるスレーブ(10S,10Sa,10Sb)の無線通信装置(10,60)と、を備える無線通信システム(1,1a,1b)であって、
前記スレーブ(10S,10Sa,10Sb)の無線通信装置(10,60)が、[6]~[9]のいずれか1つに記載の無線通信装置(10,60)である無線通信システム(1,1a,1b)。
1 無線通信システム
1a ネットワークAの無線通信システム
1b ネットワークBの無線通信システム
10 無線通信装置
10M マスタの無線通信装置
10Ma ネットワークAのマスタの無線通信装置
10Mb ネットワークBのマスタの無線通信装置
10S スレーブの無線通信装置
10Sa ネットワークAのスレーブの無線通信装置
10Sb ネットワークBのスレーブの無線通信装置
11 ネットワーク検知部
12 種別設定部
13 タイミング生成部
14 ビーコン発信部
15 ビーコン受信部
16 接続管理部
17 ビーコン判定部
18 タイミング調整部
19 ビーコン中継部
20 記憶部
30 ビーコン信号
31 ビーコン種別情報
32 送信装置ID情報
33 ビーコン間隔情報
34 スロット長情報
35 割当情報
40 ビーコン信号
41 ビーコン種別情報
42 送信装置ID情報
43 ビーコン間隔情報
44 スロット長情報
45 割当情報
46 重複時間情報
50 ビーコン信号
51 ビーコン種別情報
52 送信装置ID情報
53 ビーコン間隔情報
54 スロット長情報
55 割当情報
56 重複時間情報
57 ネットワーク優先度情報(優先度情報)
60 無線通信装置
60M マスタの無線通信装置
60Mb ネットワークBのマスタの無線通信装置
60S スレーブの無線通信装置
61 ネットワーク検知部
62 種別設定部
63 タイミング生成部
64 ビーコン発信部
65 ビーコン受信部
66 接続管理部
67 ビーコン判定部
68 タイミング調整部
69 ビーコン中継部
70 記憶部
71 優先度比較部
CF 通信フレーム
ST,ST,…,ST スロット
BS ビーコンスロット
TW,TW,…,TW タイムウィンドウ
CS 通信スロット
IS 割当要求スロット
CT 通信タイミング
CTa ネットワークAの通信タイミング
CTb ネットワークBの通信タイミング
CTc ネットワークCの通信タイミング
CTd ネットワークDの通信タイミング
ΔT シフト分

Claims (4)

  1. 事前に設定される通信フレームに関する情報を含む通信管理情報を有するビーコン信号を記憶する記憶部と、
    無線通信ネットワークを構築するマスタの無線通信装置として、自己の前記無線通信ネットワークに関する前記ビーコン信号を前記通信フレームに従って発信するビーコン発信部と、
    前記ビーコン信号を受信するビーコン受信部と、
    前記ビーコン受信部が受信した前記ビーコン信号が、他の前記無線通信ネットワークの前記マスタの無線通信装置が発信したものかどうかを判定するビーコン判定部と、
    他の前記無線通信ネットワークの前記ビーコン信号の前記通信管理情報に基づき、前記ビーコン発信部の発信タイミングを含む自己の通信タイミングを、他の前記無線通信ネットワークの前記通信タイミングと異なるようにタイムシフトして調整するタイミング調整部と、を備え、
    前記通信フレームの先頭部分には、ビーコンスロットが設けられており、
    前記ビーコンスロットは、第1,第2,…,第N(1,2,…,Nは自然数であり、先頭からの順番を示す)のタイムウィンドウを有し、
    前記第1のタイムウィンドウには、前記ビーコン発信部の前記発信タイミングが割り当てられ、
    前記ビーコン受信部は、自己の前記無線通信ネットワークの前記ビーコンスロットの前記第2,…,第Nのタイムウィンドウのいずれかのタイミングで、前記ビーコン信号を受信し、
    前記タイミング調整部は、自己が、前記マスタの無線通信装置として設定されており、且つ前記ビーコン判定部の判定に基づき他の前記無線通信ネットワークの前記ビーコン信号を受信したと判定されるときに、自己の前記通信タイミングを調整する
    とを特徴とする無線通信装置。
  2. 前記ビーコン信号は、自己および他の前記無線通信ネットワークの間における前記通信タイミングの重複時間に関する重複時間情報をさらに有し、
    前記タイミング調整部は、前記ビーコン信号の前記重複時間情報に基づき自己の前記通信タイミングを調整する
    ことを特徴とする請求項に記載の無線通信装置。
  3. 前記ビーコン信号は、前記無線通信ネットワークそれぞれに対応する優先度に関する優先度情報をさらに有する
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の無線通信装置。
  4. 無線通信ネットワークを構築するマスタの無線通信装置と、前記マスタの無線通信装置によって管理されるスレーブの無線通信装置と、を備える無線通信システムであって、
    前記マスタの無線通信装置が、請求項1又は請求項2に記載の無線通信装置である無線通信システム。
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