JP7045349B2 - 拡張機能障害を診断するためのigfbp7 - Google Patents
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Description
最近の刊行物はバイオマーカーレベルの増大と拡張機能障害の関連性を扱っている(Circulating biomarkers in patients with heart failure and preserved ejection fraction. O’Meara et al., Curr Heart Fail Rep 10, 350-358, 2013)。
-7を分析している(Abstract P1288: Serum insulin like growth factor-i and its binding protein-7: novel promising biomarker in heart failure with preserved ejection fraction. Clinical Research in Cardiology; 101, 2012(Supplement 1))。
WO 2012/025355には、初期心不全を伴なう患者におけるIGFBP7の決定が開示されている。
WO 2009/047283には、BNP、cTnT、および少なくとも1つの炎症マーカー、オステオポンチン(OPN)、GDF-15、CRPを測定することにより心筋梗塞後の対象のリモデリングプロセスにどの処置または組合わせ処置を適用すべきか診断する方法が記載されている。それには、≧500pg/mlのレベルのオステオポンチンがACE阻害薬、アンギオテンシン受容体アンタゴニストおよびアルドステロンアンタゴニストについての指標として記載されている。
増殖分化因子15(growth-differentiation factor-15)(GDF-15)は、トランスフォーミング増殖因子-βサイトカインスーパーファミリーのメンバーである。GDF-
15は心血管事象の強力な予測子および心血管合併症の指標として記載されている(Brown, D. A. et al., 2002 The Lancet, 359: 2159-2163; US2003/0232385; Kempf, 2006, Circ Res 98: 351-360)。Kempfらは、慢性心不全を伴なう患者においてGDF-15の循環レベルがCHFの重症度と関連があり、死亡のリスクを予測することを示した(Clinical Chemistry 53:2; 284-291 (2007); Am Coll Cardiol, 2007; 50:1054-1060)。
び心筋トロポニンの検出をベースとする、心不全に罹患している見掛け上安定な対象をモニタリングする方法が開示されている。
患者における臨床悪化に関するBNPおよびトロポニンをベースとする検出ベースのリスク予測が開示されている。査定した患者の多くは心不全に罹患していた。
本発明の基礎となる研究に関連して、IGFBP7は拡張機能障害を査定するための信頼できるバイオマーカーであることが見出された。
a)心不全に罹患している患者からの試料におけるIGFBP7(インスリン様増殖因子結合タンパク質7)のレベルを測定する;そして
b)a)において測定したIGFBP7のレベルを基準レベルと比較する
工程を含む方法に関する。
前記に明白に述べた工程に加えた工程を含むことができる。たとえば、さらなる工程は試料の前処理または本方法により得られた結果の評価に関するものであってもよい。本方法は手動で、または自動操作により支援して、実施することができる。好ましくは、工程(a)および/または(b)を全体としてまたは部分的に自動操作により支援できる;たとえば工程(a)における測定に適したロボット装置およびセンサー装置、あるいは工程(b)におけるコンピューター実装した比較および/またはその比較に基づく査定による。
は、この用語は心室充満障害のため心臓のポンプ機能が低下していることを表わす。よって、この用語は、好ましくは、拡張期における一方または両方の心室の性能低下を表わす。一般的手段で拡張機能障害を診断する方法は当技術分野で周知である(参照:実施例のセクション、またはたとえばShuai et al., Eur J Heart Fail, 2011; 13: 737-745;もしくはSchaefer and Dieterle, Therapeutische Umschau 2011; 68 (2): 81 - 87, もしくはPaulus et al., Eur Heart J (2007) 28 (20): 2539-2550;これらのすべてをそれらの開示内容全体に関して本明細書に援用する)。
・グレード1=正常な充満圧を伴なう弛緩障害パターン
・ 1a=充満圧増大を伴なう弛緩障害パターン
・グレード2=偽正常パターン
・グレード3=可逆性拘束性パターン
・グレード4=不可逆性拘束性パターン
本明細書中で用いる用語“拡張機能障害”には拡張機能障害グレード1、1a、2、3および4が含まれ、特にこの用語には拡張機能障害グレード3および/または4が含まれる(特にNishimuraに定義されるもの;それをその開示内容全体に関して本明細書に援用
する)。好ましくは、そのパターンは不可逆性である。
好ましくは、LAサイズが約58mmより大きければ、特に約60または約62mmより大きければ、左房サイズ、特に左房径が増大している。実施例2においては、左房サイズをLA径と呼ぶ。
好ましくは、Aピーク速度は、それが約54ミリ秒より小さければ、特に約44または約36ミリ秒より小さければ、低減している。
好ましくは、E’/A’比は、それが約1.3より大きければ、特に約1.45または約2.54より大きければ、増大している。
好ましくは、肺静脈拡張期ピーク速度は、それが約54ミリ秒より大きければ、特に約60または約76ミリ秒より大きければ、増大している。
好ましくは、RVSPは、それが約43mmHgより大きければ、特に約53または約60mmHgより大きければ、増大している。
ーデントのt検定(Student's t-test)、マン-ホイットニー検定(Mann-Whitney test)な
どを用いて、当業者がさらなる労苦なしに決定できる。詳細はDowdy and Wearden, Statistics for Research, John Wiley & Sons, New York 1983にみられる。好ましい信頼区間は少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%である。p-値は、好ましくは、0.1、0.05、0.01、0.005または0.0001である。より好ましくは、本発明の方法によりある集団の患者のうち少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、または少なくとも90%を適正に診断/グレーディングすることができる。
はD期あるいはNYHA分類のクラスIIIおよび/またはIVを表わすものとする。これらの病期において、患者は心不全の典型的な症状を示し、すなわち患者は明らかに健康ではない。心不全を伴ない、C期またはD期に分類された患者は、その心筋に永続的な不可逆性の構造変化および/または機能変化を生じており、これらの変化の結果、完全な健康回復は不可能である。
イドラインの記載に従って決定できる;前記の引用文献を参照されたい(McMurray, たと
えば1800頁以下を参照)。
拡張機能障害をグレーディングする場合、または拡張機能障害に関連する少なくとも1つの構造異常または機能異常をグレーディングする場合、検査すべき患者は拡張機能障害または拡張機能障害に関連する少なくとも1つの構造異常または機能異常に罹患しているであろう。
product criteria)、ソコロー-リオン電位基準(Sokolow-Lyon voltage criteria)、ロ
ムヒルト-エステスポイントスコアシステム(Romhilt-Estes point score system)を用いる(Mancia et al., European Heart J. 2007, 28: 1462)。
バイオマーカーであるインスリン様増殖因子結合タンパク質7(IGFBP7)は当技術分野で周知である。このバイオマーカーは、細胞の増殖および分化に際して重要な役割を果たすインスリン様増殖因子結合タンパク質(IGFBP)系に属する。この系は、2種類のリガンド IGF-IおよびIGF-II、2種類の受容体 1型および2型IGF受容体、ならびに1995年以後は6種類のIGF結合タンパク質(IGFBP) IGFBP-1~-6を含む(Jones, J.I., et al., Endocr. Rev. 16 (1995) 3-34)。最近、IGFBPファミリーは、IGFBPとの有意の構造類似性をもつIGFBP-関連タンパク質(IGFBP-related protein)(IGFBP-rP)を含むように拡大された(Hwa, V., et al., Endocr. Rev 20 (1999) 761-787)。よって、IGFBPスーパーファミリー
には、IGFに対して高い親和性をもつ6種類の一般的IGFBP、ならびにIGFBP
の保存されたアミノ末端ドメインを共有するだけでなくIGFおよびインスリンに対してある程度の親和性をも示す少なくとも10種類のIGFBP-rPが含まれる。IGFBP-rPは、多様な細胞機能、たとえば細胞増殖、細胞の接着および移動、ならびに細胞外マトリックスの合成を制御する一群のシステインリッチタンパク質である。さらに、これらのタンパク質は、組織の増殖および分化、生殖、血管形成、創傷修復、炎症、繊維形成、ならびに腫瘍形成のような生物学的プロセスに関与している可能性がある(Hwa, V., et al., Endocr. Rev 20 (1999)761-787)。
ISA、RIA、蛍光ベースのイムノアッセイを用いて、試料をたとえばタンパク質について簡便にアッセイすることができる。バイオマーカーを検出するためのさらなる適切な方法には、そのペプチドまたはポリペプチドに特異的な物理的または化学的特性、たとえばそれの厳密な分子質量またはNMRスペクトルを測定することが含まれる。それらの方法には、たとえばバイオセンサー、イムノアッセイに連携した光学デバイス、バイオチップ、分析デバイス、たとえば質量分析計、NMR分析計、またはクロマトグラフィーデバイスが含まれる。さらに、方法にはマイクロプレートELISAベースの方法、全自動またはロボット式イムノアッセイ(たとえばElecsys(商標) 分析器で実施できる)、CBA(酵素コバルト結合アッセイ(Cobalt Binding Assay),たとえばRoche-Hitachi(商標) 分析器で実施できる)、およびラテックス凝集アッセイ(たとえばRoche-Hitachi(商標) 分析器で実施できる)が含まれる。
電気化学発光現象を測定するための方法は周知である。そのような方法は特殊な金属錯体が酸化によって励起状態になり、そこから基底状態へ減衰して電気化学発光を放出する能力を利用する。総説については、Richter, M.M., Chem. Rev. 104 (2004) 3003-3036を参照されたい。
剤の複合体のレベルを測定する。好ましい態様によれば、それらの接触、除去および測定の工程は、本明細書に開示するシステムの分析ユニットにより実施できる。ある態様によれば、それらの工程は、そのシステムの単一分析ユニットにより、あるいは互いに作動可能な状態で連絡した1より多い分析ユニットにより実施できる。たとえば、特定の態様によれば、本明細書に開示するそのシステムは、接触と除去の工程を実施するための第1分析ユニット、および輸送ユニット(たとえば、ロボットアーム)により第1分析ユニットに作動可能な状態で連絡した、測定工程を実施する第2分析ユニットを含むことができる。
本発明方法の他の態様において、工程a)およびb)における測定は分析ユニットにより、特に本明細書のいずれかの箇所に定める分析ユニットにより実施できる。
用語“特異的結合”または“特異的に結合する”は、結合剤としてのタンパク質またはペプチドについて述べる場合、結合剤が対応するターゲット分子に少なくとも10-7Mの親和性で結合する結合反応を表わす。用語“特異的結合”または“特異的に結合する”は、好ましくはそれのターゲット分子に対する少なくとも10-8M、またはよりさらに好ましくは少なくとも10-9Mの親和性を表わす。用語“特異的”または“特異的に”は、ターゲット分子に対して特異的な結合剤に、試料中に存在する他の分子が有意には結合しないことを示すために用いられる。好ましくは、ターゲット分子以外の分子への結合のレベルは、ターゲット分子に対する親和性のわずか10%以下、より好ましくはわずか5%以下の結合親和性を生じるにすぎない。
ついて述べる場合、核酸アプタマーが対応するターゲット分子に低nMないしpMの範囲の親和性で結合する結合反応を表わす。
の例は、核酸プローブ、核酸プライマー、DNA分子、RNA分子、アプタマー、抗体、抗体フラグメント、ペプチド、ペプチド核酸(PNA)または化学物質である。好ましい作用剤は、測定すべきバイオマーカーに特異的に結合する抗体である。本明細書において用語“抗体”は最も広い意味で用いられ、多様な抗体分子構造体を包含し、それにはモノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、多重特異性抗体(たとえば、二重特異性抗体)、および目的とする抗原結合活性を示す限り抗体フラグメントが含まれるが、これらに限定されない。好ましくは、抗体はポリクローナル抗体である。より好ましくは、抗体はモノクローナル抗体である。
る基準レベルを適用し、これに対し、拡張機能障害または少なくとも1つの異常をグレーディングするためにはその拡張機能障害またはその少なくとも1つの異常をグレーディングできる基準レベルを適用する。
a)基準レベルを超えるIGFBP7のレベルは、その患者が拡張機能障害、および/または拡張機能障害に関連するその少なくとも1つの構造異常もしくは機能異常に罹患していることを指示し、および/または
b)基準レベル未満のIGFBP7のレベルは、その患者が拡張機能障害、および/または拡張機能障害に関連するその少なくとも1つの構造異常もしくは機能異常に罹患していないことを指示する。
a)基準レベルを超えるIGFBP7のレベルは、その患者が重症型の拡張機能障害、および/または拡張機能障害に関連する重症型のその少なくとも1つの構造異常もしくは機能異常に罹患していることを指示し、および/または
b)基準レベル未満のIGFBP7のレベルは、その患者が軽症型の拡張機能障害、および/または拡張機能障害に関連する軽症型のその少なくとも1つの構造異常もしくは機能異常に罹患していることを指示する。
a)心不全に罹患している患者からの試料におけるバイオマーカーIGFBP7(インスリン様増殖因子結合タンパク質7)のレベル、ならびに場合により、オステオポンチン、心筋トロポニン、BNP型ペプチド、特にNT-proBNP、エンドスタチン、ミーメカン、尿酸およびGDF15(増殖分化因子15)からなる群から選択される少なくとも1つのさらなるバイオマーカーのレベルを測定し、そして
b)a)において測定したIGFBP7のレベルおよび少なくとも1つのさらなるバイオマーカーのレベルを基準レベルと比較する。
プリン、2,6,8-トリオキソプリン、1H-プリン-2,6,8-トリオールとも呼ばれる(化合物の式C5H4N4O3,PubChem CID 1175,CAS番号69-93-2)。
、ペルオキシドはペルオキシダーゼ(POD)、N-エチル-N-(2-ヒドロキシ-3-スルホプロピル)-3-メチルアニリン(TOOS)、および4-アミノフェナゾンの存在下で反応して、キノン-ジイミン色素を形成する。形成された赤色の強度は尿酸濃度に比例し、測光法により決定される。
織構造統合性の維持において主要な役割を果たす超分子(supra-molecular)凝集物を形成
する特徴的な三重らせんコンホメーションをもつ細胞外マトリックスタンパク質のファミリーとして存在する。過度のコラーゲン沈着は、周囲組織の正常な機能を妨げる線維形成をもたらす。コラーゲンXVIIIは、中心の三重らせんドメインに多重の介在配列をもちかつ主に基底膜内のC-末端に固有の非三重らせんドメインをもつマルチプレキシン(Multiplexin)ファミリーのコラーゲンのメンバーである。コラーゲンXVIIIの短いイソ型のヒト型アルファ1鎖の配列(SwissProt:P39060)が、たとえばWO2010/124821に開示されており、それをそれの開示内容全体に関して本明細書に援用する。
。本明細書中で用いるエンドスタチンは、WO2010/124821に開示されるように、コラーゲ
ンXVIIIのアミノ酸位置1337からアミノ酸位置1519までの範囲のコラーゲンXVIIIフラグメントにより表わされる。コラーゲンXVIIIのアルファ鎖のC-末端にあるヒンジ領域は幾つかのプロテアーゼ感受性部位を含み、好中球エラスターゼ、カテプシン類およびマトリックスメタロプロテイナーゼを含めた多数の酵素がこの領域でコラーゲンを開裂することによりエンドスタチンを生成することが知られている。これらのプロテアーゼはエンドスタチンのみを放出するのではなく、エンドスタチン配列を含む他のより大きいフラグメントを放出する可能性もある。当業者に明らかなように、そのようなより大きいフラグメントもエンドスタチンについてのイムノアッセイにより測定されるであろう。
ミーメカン(mimecan)は、ロイシンリッチリピート、および298アミノ酸を含む前駆
体をもつスモールプロテオグリカン(small proteoglycan)である。ミーメカンの別名はOGN、オステオグリシン、OG、OIF、SLRR3Aである。
る。すべてのSLRPに共通の一般的特色は、コアタンパク質のC末端側半分にあるタンデムロイシンリッチリピート(tandem leucine-rich repeat)(LRR)単位である。しかし、N末端領域において、各クラスのSLRPは保存されたスペーシングを備えたLRR
N-ドメインと呼ばれるシステインクラスターを含む固有のドメインをもつ。クラスIII SLRPは6つのカルボキシルLRRを含み、それにはミーメカン、エピフィカン(epiphycan)およびオプチシン(opticin)が含まれる。
、ビグリカン(biglycan)、ルーメカン(lumecan)およびフィブロモジュリン(fibromodulin)についての機能研究は、SLRP欠損マウスが異常なコラーゲン線維形成に起因する広範な欠陥を提示することを示し、それはこれらのSLRPがコラーゲンマトリックスの樹立および維持において重要な役割を果たすことを示唆する(Ameye, L. and Young, M.F., Glycobiology 12 (2002) 107R-116R)。クラスIIIミーメカンの欠損はコラーゲンフィブリル異常も引き起こした(Tasheva, E.S. et al., MoI. Vis. 8 (2002) 407-415)。
好ましくは特定のミーメカンポリペプチドのバリアントをも包含する。用語“バリアント”の説明については前記を参照されたい。本発明に関して、ミーメカンは好ましくはWO2011/012268の記載に従って決定される。
ロテインI(bone sialoprotein I)(BSP-1またはBNSP)、初期Tリンパ球活性
化-1(early T-lymphocyte activation)(ETA-1)、分泌型ホスホプロテイン1(secreted phosphoprotein 1)(SPP1)、2arおよびリケッチア抵抗性(Rickettsia resistance)(Ric)としても知られ、広域二次構造を欠如した高度に負に荷電した細胞外マトリックスタンパク質であるポリペプチドである。それは約300個のアミノ酸(マウスにおいては297個;ヒトにおいては314個)からなり、33-kDaの発生期(nascent)タンパク質として発現する;機能的に重要な開裂部位もある。OPNは翻訳後修飾を受ける可能性があり、それによりそれの見掛け分子量が約44kDaに増大する。オステオポンチンの配列は当技術分野で周知である(ヒトオステオポンチン:UniProt P10451,GenBank NP_000573.1)。オステオポンチンは正常な血漿、尿、乳汁および胆汁中にみられる(US 6,414,219; US 5,695,761; Denhardt, D.T. and Guo, X., FASEB J. 7 (1993) 1475-1482; Oldberg, A., et al., PNAS 83 (1986) 8819-8823; Oldberg, A., et al., J. Biol. Chem. 263 (1988) 19433-19436; Giachelli, CM., et al., Trends Cardiovasc. Med. 5 (1995) 88-95)。ヒトOPNのタンパク質およびcDNAが単離および配列決定された(Kiefer M. C, et al., Nucl. Acids Res. 17 (1989) 3306)。OPNは細胞接着、走化性、マクロファージ指向インターロイキン-10において機能する。OPNは多数のインテグリン受容体と相互作用することが知られている。OPN発現増大が多数のヒト癌において報告され、それの同族受容体(cognate receptor)(av-b3、av-b5、およびav-blインテグリン、ならびにCD44)が同定された。Irby, R.B., et al., Clin. Exp. Metastasis 21 (2004) 515-523による in vitro 研究は、内因性OPN発現(安定トランスフェクションによるもの)と外因性OPN(培地に添加したもの)の両方が in vitro でヒト大腸癌細胞の運動性および浸潤能を高めたと指摘している。
り120分長い(Smith 2000, J Endocrinol. 167: 239-46.)。予備分析ではNT-proBNPはより強靭であり、試料を中央検査室へ容易に輸送できる(Mueller 2004, Clin Chem Lab Med 42: 942-4.)。回収率損失なしに血液試料を室温で数日間貯蔵でき、あるいは郵送または輸送できる。これと対照的に、BNPを室温または4℃で48時間貯蔵すると少なくとも20%の濃度損失が生じる(Mueller loc.cit.; Wu 2004, Clin Chem 50: 867-73.)。したがって、目的とするタイムコースまたはペプチドに応じて、活性形または不活性形ナトリウム利尿ペプチドのいずれかの測定が有利な可能性がある。本発明による最も好ましいナトリウム利尿ペプチドはNT-proBNPまたはそのバリアントである。前記において簡単に考察したように、本発明に従って述べるヒトNT-proBNPは、好ましくはヒトNT-proBNP分子のN末端部分に対応する長さ76アミノ酸を含むポリペプチドである。ヒトのBNPおよびNT-proBNPの構造は既に先行技術に詳細に記載されている;たとえば、WO 02/089657、WO 02/083913、またはBonow 前掲。好ましくは、本明細書中で用いるヒトNT-proBNPはEP 0 648 228 B1に開示されるヒトNT-proBNPである。これらの先行技術文献を、それらに開示される特定のNT-proBNPおよびそのバリアントの配列に関して本明細書に援用する。本発明に従って述べるNT-proBNPは、さらに前記に述べたヒトNT-proBNPについての特定の配列の対立遺伝子および他のバリアントを包含する。具体的には、ヒトNT-proBNPに対して、好ましくはヒトNT-proBNPの全長にわたって、アミノ酸レベルで好ましくは少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、92%、95%、97%、98%、または99%同一であるバリアントポリペプチドが考慮される。2つのアミノ酸配列間の同一度は前記に従って決定できる。
さらに、下記の組合わせが有用である:
IGFBP7+心筋トロポニン
IGFBP7+BNPタイプのペプチド
IGFBP-7+ミーメカンまたはオステオポンチン
IGFBP7+エンドスタチン
実施例2に示すように、前記マーカーはE/E’との特に強い相関性を示したが、他のパラメーターに対しても相関性を示した。
さらに、LAサイズ増大および/またはEピーク速度増大という異常については、IGFBP7とGDF15を組み合わせるのが有利である。
a)基準レベルを超えるIGFBP7のレベル、および少なくとも1つのバイオマーカーについての基準レベル(単数または複数)を超える少なくとも1つのさらなるバイオマーカーのレベル(単数または複数)は、その患者が拡張機能障害、および/または拡張機能障害に関連するその少なくとも1つの構造異常もしくは機能異常に罹患していることを指示し、および/または
b)基準レベル未満のIGFBP7のレベル、および少なくとも1つのバイオマーカーについての基準レベル(単数または複数)未満の少なくとも1つのさらなるバイオマーカーのレベル(単数または複数)は、その患者が拡張機能障害、および/または拡張機能障害に関連するその少なくとも1つの構造異常もしくは機能異常に罹患していないことを指示する。
a)基準レベルを超えるIGFBP7のレベル、および少なくとも1つのバイオマーカーについての基準レベル(単数または複数)を超える少なくとも1つのさらなるバイオマーカーのレベル(単数または複数)は、その患者が重症型の拡張機能障害、および/または拡張機能障害に関連する重症型のその少なくとも1つの構造異常もしくは機能異常に罹患していることを指示し、および/または
b)基準レベル未満のIGFBP7のレベル、および少なくとも1つのバイオマーカーについての基準レベル(単数または複数)未満の少なくとも1つのさらなるバイオマーカーのレベル(単数または複数)は、その患者が軽症型の拡張機能障害、および/または拡張機能障害に関連する軽症型のその少なくとも1つの構造異常もしくは機能異常に罹患していることを指示する。
下記の表Aは、種々のマーカーに関する基準レベルについての好ましい範囲(第3欄)および好ましい特定の基準レベル(第4欄)を示す。当業者はさらなる労苦なしにさらなる基準レベルを決定できる。
a)心不全(前記に定義したもの)に罹患している患者からの試料におけるIGFBP7、ならびに場合により、オステオポンチン、心筋トロポニン、BNP型ペプチド、特にNT-proBNP、エンドスタチン、ミーメカン、尿酸およびGDF15からなる群から選択される少なくとも1つのさらなるマーカーのレベル(単数または複数)を測定し、
b)工程a)において測定したレベル(単数または複数)を適切な基準レベル(単数または複数)と比較し、そして
c)特に比較工程b)の結果に基づいて、拡張機能障害、および/または拡張機能障害に関連するその少なくとも1つの構造異常もしくは機能異常(またはその重症型)を処置できる療法に適格であるものとして患者を同定または選択する、そして
d)その療法を選択、開始、推奨および/または継続する
ことを含む方法に関する。
の少なくとも1つの構造異常もしくは機能異常を処置できる療法が有益となる可能性がより大きいかまたは有益となる可能性がより小さいものとして患者を同定または選択することを表わす。使用または作成した情報またはデータは、書面、口頭または電子によるものなど、いかなる形態であってもよい。ある態様において、得られた情報またはデータの使用にはそれの通信、提示、報告、記憶、送信、転送、供給、伝達、分配、またはその組合わせが含まれる。ある態様において、通信、提示、報告、記憶、送信、転送、供給、伝達、分配、またはその組合わせはコンピューティングデバイス、分析ユニット、またはその組合わせにより行なわれる。あるさらなる態様において、通信、提示、報告、記憶、送信、転送、供給、伝達、分配、またはその組合わせは検査室または医療専門家により行なわれる。ある態様において、情報またはデータは基準レベルに対するIGFBP7の(および場合により、さらなるマーカーの)レベルの比較を含む。
さらに、本発明は、i)拡張機能、および/またはii)拡張機能の少なくとも1つのパラメーター、またはiii)心不全に罹患している患者における心不全療法を、モニターするための方法、特に in vitro 方法に関するものであり、その方法は
a)心不全に罹患している患者、特に左室駆出分画(LVEF)が低減している患者からの第1および第2試料におけるバイオマーカーIGFBP7(インスリン様増殖因子結合タンパク質7)、ならびに場合により、オステオポンチン、心筋トロポニン、BNP型ペプチド、特にNT-proBNP、エンドスタチン、ミーメカン、尿酸およびGDF15(増殖分化因子15)からなる群から選択される少なくとも1つのさらなるバイオマーカーのレベルを測定し、その際、第2試料は第1試料の後に得られたものである、そして
b)第2試料において測定したバイオマーカーIGFBP7のレベルおよび場合によりその少なくとも1つのさらなるバイオマーカーのレベルを第1試料におけるレベルと比較する
工程を含む。
前記方法のある態様において、心不全患者は拡張機能障害、および/または拡張機能障害に関連するその少なくとも1つの構造異常もしくは機能異常に罹患しているであろう。ある態様において、その異常の基礎となるパラメーターをモニターする。さらに、前記に概説したように、患者は好ましくはLVEFが低減している。
ーのレベルの変化を反映させるために得る試料であると解釈される。第2試料は第1試料の後に得られるはずである。好ましくは、第2試料を第1試料の後、約1カ月~約12カ月以内、より好ましくは約2カ月~約8カ月以内、最も好ましくは約3カ月~約6カ月以内に得る。同様に好ましくは、第2試料を第1試料の少なくとも3カ月後、または少なくとも6カ月後に得る。
較して、好ましくは少なくとも4ng/ml、より好ましくは少なくとも7ng/ml、よりいっそう好ましくは少なくとも10ng/ml、または最も好ましくは少なくとも15ng/mlの、第2試料におけるIGFBP7のレベルの増大は、有意であるとみなされ、よってi)拡張機能、および/または拡張機能の少なくとも1つのパラメーターの劣化、あるいはii)心不全療法に応答しない患者の指標となる。
a)心不全に罹患している患者、特に左室駆出分画(LVEF)が低減している患者から間隔をおいて得られた一連の試料におけるバイオマーカーIGFBP7(インスリン様増殖因子結合タンパク質7)、ならびに場合により、オステオポンチン、心筋トロポニン、BNP型ペプチド、特にNT-proBNP、エンドスタチン、ミーメカン、尿酸およびGDF15(増殖分化因子15)からなる群から選択される少なくとも1つのさらなるバイオマーカーのレベルを測定し、
b)それらの試料において測定したバイオマーカーIGFBP7のレベルおよび場合によりその少なくとも1つのさらなるバイオマーカーのレベルを基準レベルと比較し、そして
c)工程b)の結果に基づいて、バイオマーカーIGFBP7および場合により少なくとも1つのさらなるバイオマーカーについて基準レベルを超えた状態で過ごした時間のパーセントを計算する
工程を含む。
かし、患者のLVEFが保存されていることをさらに考慮する(参照:本明細書のいずれかの箇所)。
・基準レベル(測定したバイオマーカー(単数または複数)について)を超えた状態で過ごした時間のパーセントの増大は、i)拡張機能の劣化、および/またはii)拡張機能のその少なくとも1つのパラメーターの劣化、またはiii)療法に応答しない患者の指標となる、および/または
・基準レベル(測定したバイオマーカー(単数または複数)について)を超えた状態で過ごした時間のパーセントの低減は、i)拡張機能の改善、および/またはii)拡張機能のその少なくとも1つのパラメーターの改善、またはiii)療法に実際に応答する患者の指標となる。
さらに、本発明は、心不全に罹患している患者における死亡および/または心血管事象のリスクを予測する方法、特に in vivo 方法に関するものであり、その方法は
a)心不全に罹患している患者、特に左室駆出分画(LVEF)が低減している患者から間隔をおいて得られた一連の試料におけるバイオマーカーIGFBP7(インスリン様増殖因子結合タンパク質7)のレベルを測定し、
b)それらの試料において測定したバイオマーカーIGFBP7のレベルを基準レベルと比較し、そして
c)工程b)の結果に基づいて、バイオマーカーIGFBP7ついて基準レベルを超えた状態で過ごした時間のパーセントを計算する
工程を含む。
本明細書中で用いる用語“予測する” は、規定した時間ウインドウ(予測ウインドウ
)内に将来患者が死亡する(たとえば、心不全により起きる死亡)確率、および/または心血管事象、好ましくは急性心血管事象、たとえば急性冠動脈症候群(acute coronary syndrome)(ACS)を発症する確率を査定することを表わす。予測ウインドウは、予測した確率に従って患者が心血管事象を発症するかあるいは死亡するまでの間隔である。予測ウインドウは、本発明の方法により分析した際の患者の全余命であってもよい。しかし、好ましくは、予測ウインドウは本発明の方法を実施した後(より好ましくは、かつ厳密には、本発明の方法により分析すべき試料を得た後)、1、2、3、4、5、10、15または20年の間隔である。最も好ましくは、その予測ウインドウは1または5年の間隔である。予測ウインドウは、LVEFが低減した患者については1年、LVEFが保存されている患者については5年であってもよい。当業者に理解されるように、そのような査定は通常は分析すべき患者の100%について正確であることを意図しない。ただし、この用語は分析すべき患者の統計的に有意である部分について査定が有効であることを要求する。ある部分が統計的に有意であるかどうかは、多様な周知の統計評価ツール、たとえば信頼区間の決定、p-値の決定、スチューデントのt検定、マン-ホイットニー検定などを用いて、当業者がさらなる労苦なしに決定できる。詳細はDowdy and Wearden, Statistics for Research, John Wiley & Sons, New York 1983にみられる。好ましい信頼区間は少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%である。p-値は、好ましくは、0.1、0.05、0.01、0.005または0.0001である。好ましくは、本発明により想定される確率は、特定のコホートの患者のうち少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、または少なくとも90%について予測が正確であることを可能にする。
、より好ましくは心血管事象による致死率に関する。本明細書中で用いる用語“心血管事象”は、心血管系のいずれかの障害を表わし、好ましくはいずれかの急性心血管事象を含む。急性心血管事象は、好ましくは安定狭心症(SAP)または急性冠動脈症候群(ACS)である。ACS患者は不安定狭心症(UAP)または心筋梗塞(MI)を示す可能性がある。MIは、ST上昇MI(ST-elevation MI)(STEMI)または非ST上昇MI(non-ST-elevation MI)(NSTEMI)の可能性がある。本明細書中で用いるNSTE-ACSは、UAPおよびNSTEMIを含む。MIの発症に続いて左室機能障害(LVD)、心不全発症、または死亡すら起きる可能性がある。さらなる好ましい心血管事象は徐脈性心不整脈または頻脈性心不整脈を包含し、それには突然心臓死および卒中(脳血管事象または偶発症候)が含まれる。致死率は死亡率(death rate)または特定の患者集団に対する死亡数の比を表わす可能性もある。
i)基準レベルを超えた状態で過ごした時間のパーセントの増大は死亡および/または心血管事象のリスクが高い患者の指標となる、および/または
ii)基準レベルを超えた状態で過ごした時間のパーセントの低減は死亡および/または心血管事象のリスクが低い患者の指標となる。
本発明はまた、下記の使用に関する:
i)バイオマーカーIGFBP7、または
ii)IGFBP7のレベルを測定できる作用剤、特にIGFBP7に特異的に結合する作用剤(たとえば抗体)、および場合により
iii)オステオポンチン、心筋トロポニン、BNP型ペプチド、特にNT-proBNP、エンドスタチン、ミーメカン、尿酸およびGDF15(増殖分化因子15)からなる群から選択される少なくとも1つのさらなるバイオマーカー;または
iv)その少なくとも1つのさらなるバイオマーカーのレベルを測定できる少なくとも1つの作用剤、特にその少なくとも1つのさらなるバイオマーカーに特異的に結合する作用剤
の使用であって、
心不全に罹患している患者からの試料において、拡張機能障害、および/または拡張機能障害に関連する心臓の少なくとも1つの構造異常もしくは機能異常を、診断および/またはグレーディングするための使用、あるいは
心不全に罹患している患者からの第1および第2試料において、または間隔をおいて得られた一連の試料において、i)拡張機能、および/またはii)拡張機能の少なくとも1つのパラメーター、またはiii)心不全療法を、モニターするための使用。
i)バイオマーカーIGFBP7、および/または
ii)IGFBP7のレベルを測定できる作用剤、特にIGFBP7に特異的に結合する作用剤(たとえば抗体)、および場合により
iii)オステオポンチン、心筋トロポニン、BNP型ペプチド、特にNT-proBNP、エンドスタチン、ミーメカン、尿酸およびGDF15(増殖分化因子15)からなる群から選択される少なくとも1つのさらなるバイオマーカー;または
iv)その少なくとも1つのさらなるバイオマーカーのレベルを測定できる少なくとも1つの作用剤、特にその少なくとも1つのさらなるバイオマーカーに特異的に結合する作用剤
の使用であって、
拡張機能障害、および/または拡張機能障害に関連する心臓の少なくとも1つの構造異
常もしくは機能異常を、診断および/またはグレーディングする診断用組成物の製造のための使用、あるいは
心不全に罹患している患者において、i)拡張機能、および/またはii)拡張機能の少なくとも1つのパラメーター、またはiii)心不全療法を、モニターする診断用組成物の製造のための使用。
好ましくは、作用剤はそのマーカーに特異的に結合する抗体である。より好ましくは、抗体はポリクローナル抗体、または特にモノクローナル抗体である。しかし、他の作用剤も適用できる(たとえばマーカーの定義を参照)。
a)バイオマーカーIGFBP7に特異的に結合する作用剤、ならびに場合によりオステオポンチン、心筋トロポニン、BNP型ペプチド、特にNT-proBNP、エンドスタチン、ミーメカン、尿酸およびGDF15からなる群から選択される少なくとも1つのさらなるバイオマーカーのレベルを測定できる作用剤(単数または複数)、特にその少なくとも1つのさらなるバイオマーカーに特異的に結合する作用剤を含む分析ユニットであって、心不全に罹患している患者からの試料においてバイオマーカー(単数または複数)のレベルを測定するために適合させたユニット;
b)測定したレベル(単数または複数)を基準レベル(単数または複数)と比較し、それにより拡張機能障害、および/または拡張機能障害に関連する少なくとも1つの構造異常もしくは機能異常を、診断またはグレーディングするための分析ユニット(または評価ユニット)であって、基準レベル(単数または複数)を備えたデータベースおよび比較を実施するためのアルゴリズムを含むユニット。
a)バイオマーカーIGFBP7に特異的に結合する作用剤、ならびに場合によりオステオポンチン、心筋トロポニン、BNP型ペプチド、特にNT-proBNP、エンドスタチン、ミーメカン、尿酸およびGDF15からなる群から選択される少なくとも1つのさらなるバイオマーカーのレベルを測定できる作用剤、特にその少なくとも1つのさらなるバイオマーカーに特異的に結合する作用剤を含む分析ユニットであって、心不全に罹患している患者からの第1および第2試料においてバイオマーカー(単数または複数)のレベルを測定するために適合させたユニット;
b)第2試料において測定したレベル(単数または複数)を第1試料におけるレベルと比較し、それにより心不全に罹患している患者において、i)拡張機能、および/またはii)拡張機能の少なくとも1つのパラメーター、またはiii)心不全療法を、モニターするための分析ユニット(または評価ユニット)であって、比較を実施するためのアルゴリズムを含むユニット。
a.バイオマーカーIGFBP7に特異的に結合する作用剤、ならびに場合によりオステオポンチン、心筋トロポニン、BNP型ペプチド、特にNT-proBNP、エンドスタチン、ミーメカン、尿酸およびGDF15からなる群から選択される少なくとも1つのさらなるバイオマーカーのレベルを測定できる作用剤、特にその少なくとも1つのさらなるバイオマーカーに特異的に結合する作用剤を含む分析ユニットであって、心不全に罹患している患者から間隔をおいて得られた一連の試料においてバイオマーカー(単数または
複数)のレベルを測定するために適合させたユニット;
b.一連の試料において測定したレベルを基準レベル(単数または複数)と比較し、基準レベル(単数または複数)を超えた状態で過ごした時間のパーセントを計算し、それにより心不全に罹患している患者において、i)拡張機能、および/またはii)拡張機能の少なくとも1つのパラメーター、またはiii)心不全療法を、モニターするための分析ユニット(または評価ユニット)であって、基準レベル(単数または複数)を備えたデータベースならびに比較および/または計算を実施するためのアルゴリズムを含むユニット。
を含む。
本明細書中で用いる用語“デバイス”は、少なくとも本開示を実行するように作動可能な状態で相互に連携した前記手段を含むシステムに関する。開示した方法のマーカーの量を決定するのに適した手段、および比較を行なうための手段は、開示した方法に関連して前記に開示されている。それらの手段を作動可能な状態で連結させる方法はそのデバイスに含まれる手段のタイプに依存するであろう。たとえば、本開示のバイオマーカーのレベルを自動的に測定するための分析ユニットを適用する場合、その自動的に作動する分析ユニットにより得られるデータは、目的結果を得るためにたとえば評価ユニットとしてのコンピューターにより処理できる。ある態様において、そのような場合、それらの手段は単一デバイスから構成される。
きる。代表的なコンピューター記憶媒体には下記のものが含まれるが、それらに限定されない:RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリーまたは他のいずれかのメモリーテクノロジー、CD-ROM、ディジタルバーサタイルディスク(Digital Versatile Disk)(DVD)もしくは他の光ディスク記憶、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶デバイスもしくは他の磁気記憶デバイス、または他のいずれかの媒体であって、コンピューティングデバイスがアクセスできかつコンピューティングデバイスのプロセッサーが実行できる複数の指示を記憶するために使用できるもの。
の他の係数に関する出力を出力デバイスにより提供することができる。
なるターゲットタンパク質または異なる形態の単一ターゲットタンパク質(たとえば、特異的エピトープ)に対して特異的な2種類以上のプローブを、単一容器内において提供する。そのようなある態様において、1種類の固定化プローブを多数の異なる容器内において提供することができ(たとえば、単回用形態)、あるいは多数種類の固定化プローブを多数の異なる容器内において提供することができる。さらなる態様において、プローブを多数の異なるタイプの固体支持体に固定化することができる。固定化プローブ(単数または複数)と容器(単数または複数)のいかなる組合わせも本明細書に開示するキットについて考慮され、そのいかなる組合わせも目的の使用に適切なキットを得るために選択できる。
実施例1:PROTECT試験患者
試験設計および患者集団
この試験はPartners Healthcare Institutional Review Boardにより承認され、すべての患者からインフォームドコンセントが得られた。このPROTECT試験は、LVSDによるHFを伴なう患者において、ナトリウム利尿ペプチドレベルを≦1000pg/mLに低減することを目標としたNT-proBNPガイドによる治療に対して標準心不全治療を比較した、ランダム化、単一センター、前向き、概念実証試験(proof-of-concept trial)であった。患者を最小限、年4回の来院で、1年間追跡した。このPROTECT試験の方法および結果は先に公開されている(Bhardwaj et al., Design and methods of the pro-b type natriuretic peptide outpatient tailored chronic heart failure therapy (protect) study, Am Heart J. 2010;159:532-538)。PROTECT試験の主要エンドポイント(primary endpoint)はCV事象の複合エンドポイント(composite endpoint)であり、これには先に定義したHF増悪、HF入院、有意の心室性不整脈、急性冠動脈症候群、脳虚血、および心臓死が含まれていた。PROTECT試験に参加した151人の患者のうち124人について、図3の連続IGFBP7測定のための試料およびベースライン心エコー検査を得ることができた。これら124人の被験者を平均10か月間の追跡期間中、合計882回の来院で観察した。
それぞれの来院時に、エチレンジアミン四酢酸を入れた真空チューブに血液を採集し、遠心し、血清をチューブに分注し、試験前は-80℃で凍結した。マイクロタイタープレート基本型ELISA(Roche Diagnostics,ドイツ、ペンツバーグ)を用いて開発および確認した新規サンドイッチイムノアッセイを用いてIGFBP7を測定した。
詳細な二次元経胸腔心エコー検査(two-dimensional transthoracic echocardiography)(TTE)を、ベースラインで、および可能な場合には平均10か月後の試験終了時に実施した。全4房室についての房室のサイズおよび機能(体表面積に対する指数)、弁逆流の重症度、右室収縮期圧(RVSP)、ならびに拡張期指数に関係する心エコー検査値が得られた。これらには、経僧帽弁ドップラー流(E波速度、A波速度、E/A比)、中隔僧帽弁輪組織(septal mitral annular tissue)ドップラー速度(E’速度およびA’速度)、および肺静脈流速が含まれていた。この試験のために、経僧帽弁流をさらにE/A <1、E/A 1.0~1.5、およびE/A >1.5に分類した。E/E’が>15である場合は充満圧が上昇しているとみなされ、肺静脈S/D比は<1.0であれば異常とみなされた。左房容積指数(LAVi)は>28mL/m2であれば異常とみなされ(Lang et al., Recommendations for chamber quantification: A report from the American society of echocardiography’s guidelines and standards committee and the chamber quantification writing group, developed in conjunction with the European association of echocardiography, a branch of the European society of cardiology, J Am Soc Echocardiogr. 2005;18:1440-1463)、右室収縮期圧(RVSP)はグループの中央値(43mmHg)を越えれば上昇しているとみなされた。超音波の解釈は、試験配属およびバイオマーカー結果を知らされていない2人の読み手(RBWおよびALB)により行なわれた。
すべての連続変量が正規分布値について平均±標準偏差にあるとみなされる;非正規変量はコルモゴロフ-スミルノフ検定(Kolmogorov-Smirnov test)を用いて同定され、中央
値および四分位範囲(interquartile range)(IQR)として表記された。IGFBP7
濃度の関数としての変量の比較は、適宜、スチューデントのt検定またはマン-ホイットニーU検定を用いて行なわれた。多重カテゴリーで表記された連続変量については、クラスカル・ウォリス検定(Kruskal Wallis test)を用いた。
て<117.8ng/mLの状態で過ごした時間に基づいていた。最終的に、IGFBP7 <117.8ng/mLの状態で過ごした時間のパーセントを有害転帰に対するリスクを分析するためにも用いた;何らかのCV事象の発生との関連をモデル化した、単変量、続いて多変量コックス比例ハザード(Cox Proportional Hazard)を使用。多変量モデルは下記を含む疫学および臨床関連のリスク因子に合わせて調整された:PROTECTにおける治療群割当て(treatment arm allocation)、年齢、性別、New York Heart Association(NYHA)クラス、左室駆出分画(LVEF)、E/A、E/E’、LAVi、およびRVSP、ならびにベースライン推定した糸球体濾過速度およびNT-proBNP。
結果
表1はこの解析における被験者のベースライン特徴を示す。平均年齢は63.4歳(±14.2歳)であり、83.9%が男性であった。ほぼ半数(50.8%)が虚血原因のHFを伴ない、58%の患者が埋込み型電気除細動器を備え、ちょうど半数以上(54.8%)はNYHAクラスIIIまたはIVのいずれかであった。大部分の患者はβ遮断薬またはアンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬/アンギオテンシン受容体遮断薬(ARB)を投与されており、これに対し、40.3%はアドレナリンアンタゴニストを投与されていた。NT-proBNPおよびIGFBP7の中央値ベースラインレベルは、それぞれ1964pg/mLおよび89.9ng/mLであり、閾値≧117.8ng/mLがこのグループについての最高三分位数であった。
下記の表2は、予後閾値カットポイント117.8ng/mLを用いて分類した、試験参加者のベースライン心エコー図測定値を比較する(ベースラインにおけるIGFBP7濃度の関数としての心臓パラメーター)。
表3:IGFBP7濃度とベースライン心エコー図パラメーターの単変量相関性および多変量線形回帰分析
前記のように、試験参加者は試験期間中に合計880回を超える来院を行なった。これらのうち108回はマッチしたベースラインおよび最終来院時の心エコー検査を伴なっていた。これは、IGFBP7濃度の長期的傾向、およびベースライン状態のこのバイオマーカーと関連づけた拡張期パラメーターの変化を調べる理想的機会を提供した。
慢性HFにおけるリスクを予測する関連の疫学的変量(拡張機能の心エコー図パラメーターを含む)について調整したモデルにおいて、IGFBP濃度<117.8ng/mLの状態で過ごした時間は無事象生存(event free survival)の独立予測子であった(HR
=0.83,応答増大時間10%当たり;95% CI=0.73~0.95,P=0.006)。明らかに、IGFBP7結果をこれらのモデルに含めた状態で、拡張機能の尺度はリスク予測において有意ではなかった。
BNPおよびNT-proBNPはHFの診断、予後および管理のために広く調べられている(Januzzi et al., 前記を参照, Januzzi et al., The n-terminal pro-bnp investigation of dyspnea in the emergency department (pride) study, Am J Cardiol. 2005;95:948-954, Januzzi et al., Utility of amino-terminal pro-brain natriuretic peptide testing for prediction of 1-year mortality in patients with dyspnea treated in the emergency department, Arch Intern Med. 2006;166:315-320, Maisel et al., Rapid measurement of b-type natriuretic peptide in the emergency diagnosis of heart failure, N Engl J Med. 2002;347:161-167)。それらは拡張機能障害を検出するために有用な可能性があることも示唆された(Tschope et al., 前記を参照, Weiner et al., 前記を参照, Yu et al., 前記を参照)。しかし、両方のナトリウム利尿ペプチドの濃度とも、心臓の構造および機能の他の多数の変量ならびに他の心肺障害により影響を受け(Daniels et al., 前記を参照)、それはこれらの値の解釈を複雑にする可能性がある。LVSDによる通院型(ambulatory)慢性HFを伴なう被験者のこの試験において、本発明者らはIGFBP7(これまで肥大、血管形成および細胞生存と関連づけられていた)を拡張機能障害および予後についての代替マーカーとして使用することを提唱する。
左室収縮機能障害(LVSD)による通院型HFを伴ない、ベースラインでの詳細な二
次元心エコー検査を行なった124人の患者を、平均10か月間追跡した。IGFBP7をそれぞれの来院時に連続的に測定した。高いベースラインIGFBP濃度を伴なう患者は拡張機能を表わすパラメーターの異常を伴なう可能性がより大きかった;たとえば、左房容積指数(LAVi) 32.0mL/m2対25.2mL/m2(P=0.03)、経僧帽弁E/A 2.25対1.23(P=0.008)、E/E’ 15.2対10.8(P<0.001)、および右室収縮期圧(RVSP) 53.0mmHg対43.5mmHg(P=0.006)。さらに、IGFBP7は拡張期パラメーター、たとえばLAVi(ρ=0.237,P=0.008)、経僧帽弁E/A(ρ=0.304,P=0.001)、E/E’(ρ=0.257,P=0.005)、およびRVSP(ρ=0.316,P=0.001)と相関していた。さらに、これらのパラメーターは調整済み分析においてIGFBP7の独立予測子であることが見出された。ベースラインおよび最終時の心エコー図をもつ被験者(108人の患者)のうち、連続測定においてIGFBP7値が増大した状態で過ごした時間がより長いのは、拡張機能の増悪、およびLAViまたはRVSPの増大と関連していた。IGFBP7濃度は、拡張機能障害の心エコー図尺度と無関係にCV事象のリスク増大を予測した。
慢性心不全を伴なう高齢患者における標準薬物療法に対比した強化療法のTIME CHF試験から試料を抽出した。このコホートには、治療中のNYHAクラス≧IIであり、前年内に入院の経験があり、またはLVEF ≦45%であったことがあり、またはNT-proBNPレベルが高かったことがあり(すなわち、75歳未満の患者において400pg/ml、75歳以上の患者においてNT-proBNP <800pg/ml)、≧60歳の年齢であった(年齢上限はない)患者が含まれる(Pfisterer M, Buser P, Rickli H, Gutmann M, Erne P, Rickenbacher P, et al. Bnp-guided vs symptom-guided heart failure therapy The trial of intensified vs standard medical therapy in elderly patients with congestive heart failure (time-chf) randomized trial. JAMA: the journal of the American Medical Association 2009, 301:383)。
TIME-CHF試験からの例:一般的マーカー(NTproBNP Elecsys、cTNThs Elecsys、GDF15 Elecsys、尿酸 Roche Cobas)を、それぞれ622、561、561および512の試料において決定した。すべての試料がLVEF(左室駆出分画)の心エコー図データをもつ患者から得られた。E/E’比は228人の患者について得られた。E/A比は314人の患者について得られた。壁厚は456人の患者について得られた。
データ評価は、cTNThsが収縮(dys-)機能パラメーター(LVEF:-0.07,p:0.1)と対比して拡張(dys-)機能パラメーター(E/E’:0.22,p:0.002)と最も良く相関することが認められたことを示した。cTNThsとE/E’の高度に有意の関連性がみられる。表4に立証されるように、拡張機能の補足臨床パラメーターはIGFBP-7およびcTNThsに関連する。よって、IGFBP-7とcTNThsの組合わせは拡張機能障害を検出するのに好適である。
EおよびLA径に対するGDF15の相関性は有意に達した。
IGFBP-7とcTNThsおよび/またはGDF15および/または尿酸との組合わせは拡張機能障害の多数のパラメーターを査定するのに有用であることが見出された。
・PRIO1 -> IGFBP7+cTNThs
・PRIO2 -> IGFBP7+NTproBNP
・PRIO3 -> IGFBP7+ミーメカン
・PRIO4 -> IGFBP7+尿酸
・PRIO5 -> IGFBP7+GDF15
・PRIO6 -> IGFBP7+エンドスタチン。
駆出分画が保存されている患者(HFpEP)のみをこの分析で選択した。
一般的マーカー(NTproBNP Elecsys、cTNThs Elecsys、GDF15 Elecsys、尿酸 Roche Cobas)を、それぞれ112、99、100および95の試料において決定した。すべての試料が、駆出分画の保存されている患者からのものであった。
表5:HFpEF患者(LVEF ≧50%)におけるIGFB7、cTNThs、NTproBNP、GDF15、尿酸、エンドスタチン、ミーメカンおよびオステオポンチンと、収縮期パラメーターおよび収縮期パラメーターの間の相関性
の相関性をもつことが見出された(E/A:0.76,p:0.001;LA平方 0.44,p:0.04)。IGFBP7は、試験したすべての新規マーカーおよび一般的マーカーと対比して、試験した多数の拡張期パラメーターに対する最良の関連性を示し、単独で、または他のマーカーとの組合わせで、拡張機能障害を検出するのに好適である。好ましいのはIGFBP7と、E/E’に対して強い相関性を示すマーカー(オステオポンチン、cTNThs、NTproBNP、エンドスタチン、ミーメカン)との組合わせである。
エンドスタチンおよび尿酸はLAパラメーターに対する有意の関連性をもつことが示され、拡張機能を査定するためのIGFBP7の関連性を補足する。IGFBP-7とエンドスタチンおよび/または尿酸の組合わせは多様な拡張期パラメーターと関連づけるのに有用な可能性がある。
データ評価は、収縮期パラメーターおよび拡張期パラメーターに対するGDF15の相関性が有意に達しないことを示した。
PRIO1:オステオポンチン
PRIO2:cTNThs
PRIO3:NTproBNP
PRIO4:エンドスタチン
PRIO5:ミーメカン
PRIO6:尿酸
PRIO7:GDF15。
心不全に罹患している患者において拡張機能障害、および/または拡張機能障害に関連する心臓の少なくとも1つの構造異常もしくは機能異常を、診断および/またはグレーディングするための方法であって、
a)心不全に罹患しており左室駆出分画(LVEF)が低減している患者からの試料におけるIGFBP7(インスリン様増殖因子結合タンパク質7)のレベルを測定する;そして
b)a)において測定したIGFBP7のレベルを基準レベルと比較する
工程を含む方法。
(態様2)
患者が、ACC/AHA分類に従った心不全CもしくはD期、および/またはNYHA分類に従った心不全NYHAクラスIIIもしくはIVに罹患している、態様1に記載の方法。
(態様3)
患者が50%未満のLVEFを有し、特に患者が40%未満のLVEFを有する、態様1または2に記載の方法。
(態様4)
患者が左室肥大を伴ない、特に患者が126g/m2より大きい左室重量指数を伴なう、態様1~3のいずれかに記載の方法。
(態様5)
患者が左室収縮機能障害による心不全に罹患している、態様1~4のいずれかに記載の方法。
(態様6)
拡張機能障害、および/または拡張機能障害に関連する少なくとも1つの構造異常もしくは機能異常を診断し、その際、
a)基準レベルを超えるIGFBP7のレベルは、その患者が拡張機能障害、および/または拡張機能障害に関連するその少なくとも1つの構造異常もしくは機能異常に罹患していることを指示し、および/または
b)基準レベル未満のIGFBP7のレベルは、その患者が拡張機能障害、および/または拡張機能障害に関連するその少なくとも1つの構造異常もしくは機能異常に罹患していないことを指示する、
態様1~5のいずれかに記載の方法。
(態様7)
拡張機能障害、または拡張機能障害に関連する少なくとも1つの構造異常もしくは機能異常をグレーディングし、その際、
a)基準レベルを超えるIGFBP7のレベルは、その患者が重症型の拡張機能障害、および/または拡張機能障害に関連する重症型のその少なくとも1つの構造異常もしくは機能異常に罹患していることを指示し、および/または
b)基準レベル未満のIGFBP7のレベルは、その患者が軽症型の拡張機能障害、および/または拡張機能障害に関連する軽症型のその少なくとも1つの構造異常もしくは機能異常に罹患していることを指示する、
態様1~5のいずれかに記載の方法。
(態様8)
拡張機能障害に関連する少なくとも1つの構造異常または機能異常が、E’/A’比の増大、左房サイズの増大、左房容積指数の増大、Eピーク速度の増大、Aピーク速度の低減、経僧帽弁E/A比の増大、E/E’比の増大、肺静脈収縮期ピーク速度の低減、肺静脈拡張期ピーク速度の増大、肺静脈収縮/拡張比の低減、右室面積の増大、右室収縮期圧(RVSP)の増大、右室拡張の増大、右房サイズの増大、軽度を超える僧帽弁逆流、および軽度を超える三尖弁逆流からなる群から選択される、態様1~7のいずれかに記載の方法。
(態様9)
試料が血液、血清または血漿試料であり、および/または患者がヒトである、態様1~8のいずれかに記載の方法。
(態様10)
方法がさらに、a1)患者からの試料におけるオステオポンチン、心筋トロポニン、BNP型ペプチド、特にNT-proBNP、エンドスタチン、ミーメカン、尿酸およびGDF15(増殖分化因子15)からなる群から選択される少なくとも1つのさらなるバイオマーカーのレベルを測定する工程、ならびにb1)そのレベルを基準レベルと比較する工程を含む、態様1~9のいずれかに記載の方法。
(態様11)
拡張機能、および/または拡張機能の少なくとも1つのパラメーターをモニターするための方法であって、
a)心不全に罹患しており左室駆出分画(LVEF)が低減している患者からの第1および第2試料におけるバイオマーカーIGFBP7(インスリン様増殖因子結合タンパク質7)、ならびに場合により、オステオポンチン、心筋トロポニン、BNP型ペプチド、特にNT-proBNP、エンドスタチン、ミーメカン、尿酸およびGDF15(増殖分化因子15)からなる群から選択される少なくとも1つのさらなるバイオマーカーのレベルを測定し、その際、第2試料は第1試料の後に得られたものである、そして
b)第2試料において測定したバイオマーカーIGFBP7のレベルおよび場合によりその少なくとも1つのさらなるバイオマーカーのレベルを第1試料におけるレベルと比較する
工程を含む方法。
(態様12)
患者からの第1試料と比較した第2試料におけるIGFBP7および場合により少なくとも1つのさらなるバイオマーカーのレベルの低下は拡張機能の改善および/または拡張機能の少なくとも1つのパラメーターの改善の指標となり、および/または患者からの第1試料と比較した第2試料におけるIGFBP7および場合により少なくとも1つのさらなるバイオマーカーのレベルの増大は拡張機能の劣化および/または拡張機能の少なくとも1つのパラメーターの劣化の指標となる、態様11に記載の方法。
(態様13)
i)バイオマーカーIGFBP7、および/または
ii)IGFBPのレベルを測定できる作用剤、および場合により
iii)オステオポンチン、心筋トロポニン、BNP型ペプチド、特にNT-proBNP、エンドスタチン、ミーメカン、尿酸およびGDF15(増殖分化因子15)からなる群から選択される少なくとも1つのさらなるバイオマーカー;または
iv)その少なくとも1つのさらなるバイオマーカーのレベルを測定できる少なくとも1つの作用剤
の使用であって、
心不全に罹患しており左室駆出分画が低減している患者からの試料において、拡張機能障害、および/または拡張機能障害に関連する心臓の少なくとも1つの構造異常もしくは機能異常を、診断および/またはグレーディングするための使用、あるいは
心不全に罹患しており左室駆出分画が低減している患者からの第1および第2試料において、拡張機能、および/または拡張機能の少なくとも1つのパラメーターをモニターするための使用。
(態様14)
a)バイオマーカーIGFBP7に特異的に結合する作用剤、ならびに場合によりオステオポンチン、心筋トロポニン、BNP型ペプチド、特にNT-proBNP、エンドスタチン、ミーメカン、尿酸およびGDF15からなる群から選択される少なくとも1つのさらなるバイオマーカーのレベルを測定できる作用剤(単数または複数)を含む分析ユニットであって、心不全に罹患している患者であって左室駆出分画が低減している対象からの試料においてバイオマーカー(単数または複数)のレベルを測定するために適合させたユニット;
b)測定したレベル(単数または複数)を基準レベル(単数または複数)と比較し、それにより拡張機能障害、および/または拡張機能障害に関連する少なくとも1つの構造異常もしくは機能異常を、診断またはグレーディングするための分析ユニット(または評価ユニット)であって、基準レベル(単数または複数)を備えたデータベースおよび比較を実施するためのアルゴリズムを含むユニット
を含む、態様1~10のいずれかに記載の方法を実施するためのデバイス。
(態様15)
作用剤がバイオマーカーに特異的に結合する抗体である、態様13に記載の使用または態様14に記載のデバイス。
Claims (28)
- 心不全に罹患している患者において拡張機能障害に関連する心臓の少なくとも1つの構造異常もしくは機能異常を、診断および/またはグレーディングするための方法であって、
a)心不全に罹患している患者からの試料におけるIGFBP7(インスリン様増殖因子結合タンパク質7)のレベルを測定する;そして
b)a)において測定したIGFBP7のレベルを基準レベルと比較する
工程を含み、
ここで、前記拡張機能障害に関連する少なくとも1つの構造異常または機能異常が、E’/A’比の増大、左房サイズの増大、左房容積指数の増大、Eピーク速度の増大、Aピーク速度の低減、経僧帽弁E/A比の増大、E/E’比の増大、肺静脈収縮期ピーク速度の低減、肺静脈拡張期ピーク速度の増大、肺静脈収縮/拡張比の低減、右室面積の増大、右室収縮期圧(RVSP)の増大、右室拡張の増大、右房サイズの増大、軽度を超える僧帽弁逆流、および軽度を超える三尖弁逆流からなる群から選択される、前記方法。 - 患者が、ACC/AHA分類に従った心不全CもしくはD期、および/またはNYHA分類に従った心不全NYHAクラスIIIもしくはIVに罹患している、請求項1に記載の方法。
- 患者が保存されたLVEF(左室駆出分画)を有する、請求項1または2に記載の方法。
- 患者が50%を超えるLVEFを有する、請求項1~3のいずれか一項記載の方法。
- 患者が左室肥大を伴なう、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
- 患者が126g/m 2 より大きい左室重量指数を伴なう、請求項5に記載の方法。
- 患者が左室収縮機能障害による心不全に罹患している、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
- 拡張機能障害に関連する少なくとも1つの構造異常もしくは機能異常の診断のための指標が提供され、その際、
a)基準レベルを超えるIGFBP7のレベルは、その患者が拡張機能障害に関連するその少なくとも1つの構造異常もしくは機能異常に罹患していることを指示し、および/または
b)基準レベル未満のIGFBP7のレベルは、その患者が拡張機能障害に関連するその少なくとも1つの構造異常もしくは機能異常に罹患していないことを指示する、
請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。 - 拡張機能障害に関連する少なくとも1つの構造異常もしくは機能異常のグレーディングのための指標が提供され、その際、
a)基準レベルを超えるIGFBP7のレベルは、その患者が重症型の拡張機能障害に関連する重症型のその少なくとも1つの構造異常もしくは機能異常に罹患していることを指示し、および/または
b)基準レベル未満のIGFBP7のレベルは、その患者が軽症型の拡張機能障害に関連する軽症型のその少なくとも1つの構造異常もしくは機能異常に罹患していることを指示する、
請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。 - 試料が血液、血清または血漿試料であり、および/または患者がヒトである、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
- 方法がさらに、a1)患者からの試料におけるオステオポンチン、心筋トロポニン、BNP型ペプチド、エンドスタチン、ミーメカン、尿酸およびGDF15(増殖分化因子15)からなる群から選択される少なくとも1つのさらなるバイオマーカーのレベルを測定する工程、ならびにb1)そのレベルを基準レベルと比較する工程を含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
- BNP型ペプチドがNT-proBNPである、請求項11記載の方法。
- 拡張機能、および/または拡張機能の少なくとも1つのパラメーターをモニターするための方法であって、
a)心不全に罹患している患者からの第1および第2の試料におけるバイオマーカーIGFBP7(インスリン様増殖因子結合タンパク質7)のレベルを測定し、その際、第2試料は第1試料の後に得られたものである、そして
b)第2試料において測定したバイオマーカーIGFBP7のレベルを第1試料におけるレベルと比較する
工程を含む方法。 - 請求項13記載の方法であって、さらに、
a1)オステオポンチン、心筋トロポニン、BNP型ペプチド、エンドスタチン、ミーメカン、尿酸およびGDF15(増殖分化因子15)からなる群から選択される少なくとも1つのさらなるバイオマーカーのレベルを測定する工程、および
1b)前記少なくとも1つのさらなるバイオマーカーのレベルを第1試料におけるレベルと比較する工程を含む、
前記方法。 - BNP型ペプチドがNT-proBNPである、請求項14記載の方法。
- 患者からの第1試料と比較した第2試料におけるバイオマーカーのレベルの低下は拡張機能の改善および/または拡張機能の少なくとも1つのパラメーターの改善の指標となり、および/または患者からの第1試料と比較した第2試料におけるバイオマーカーのレベルの増大は拡張機能の劣化および/または拡張機能の少なくとも1つのパラメーターの劣化の指標となる、請求項13~15のいずれか一項に記載の方法。
- 前記患者が保存されたLVEFを有する、請求項13~16のいずれか一項記載の方法。
- i)バイオマーカーIGFBP7、および/または
ii)IGFBP7のレベルを測定できる剤、
の、心不全に罹患している患者からの試料において、拡張機能障害に関連する心臓の少なくとも1つの構造異常もしくは機能異常を、診断および/またはグレーディングするための使用であり、
前記拡張機能障害に関連する少なくとも1つの構造異常または機能異常が、E’/A’比の増大、左房サイズの増大、左房容積指数の増大、Eピーク速度の増大、Aピーク速度の低減、経僧帽弁E/A比の増大、E/E’比の増大、肺静脈収縮期ピーク速度の低減、肺静脈拡張期ピーク速度の増大、肺静脈収縮/拡張比の低減、右室面積の増大、右室収縮期圧(RVSP)の増大、右室拡張の増大、右房サイズの増大、軽度を超える僧帽弁逆流、および軽度を超える三尖弁逆流からなる群から選択される、前記使用。 - i)バイオマーカーIGFBP7、および/または
ii)IGFBP7のレベルを測定できる剤、
の、心不全に罹患している患者からの第1および第2の試料において、拡張機能、および/または拡張機能の少なくとも1つのパラメーターをモニターするための使用であって、
前記第1および第2の試料における前記第2の試料は前記第1の試料の後に得られたものである、前記使用。 - 請求項18または19記載の使用であって、さらに、
iii)オステオポンチン、心筋トロポニン、BNP型ペプチド、エンドスタチン、ミーメカン、尿酸およびGDF15(増殖分化因子15)からなる群から選択される少なくとも1つのさらなるバイオマーカー;または
iv)その少なくとも1つのさらなるバイオマーカーのレベルを測定できる少なくとも1つの剤が使用される、前記使用。 - BNP型ペプチドがNT-proBNPである、請求項20記載の方法。
- 前記患者が保存されたLVEFを有する、請求項18~21のいずれか一項記載の使用。
- a)バイオマーカーIGFBP7に特異的に結合する剤を含む分析ユニットであって、心不全に罹患している患者からの試料においてバイオマーカー(単数または複数)のレベルを測定するために適合させたユニット;
b)測定したレベル(単数または複数)を基準レベル(単数または複数)と比較し、それにより拡張機能障害、および/または拡張機能障害に関連する少なくとも1つの構造異常もしくは機能異常を、診断またはグレーディングするための分析ユニット(または評価ユニット)であって、基準レベル(単数または複数)を備えたデータベースおよび比較を実施するためのアルゴリズムを含むユニット
を含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法を実施するためのデバイス。 - 請求項23のデバイスであって、
分析ユニットには、さらに、オステオポンチン、心筋トロポニン、BNP型ペプチド、エンドスタチン、ミーメカン、尿酸およびGDF15からなる群から選択される少なくとも1つのさらなるバイオマーカーのレベルを測定できる剤(単数または複数)が含まれる、前記デバイス。 - BNP型ペプチドがNT-proBNPである、請求項24記載のデバイス。
- 前記患者が保存されたLVEFを有する、請求項23~25のいずれか一項記載のデバイス。
- 前記剤がバイオマーカーに特異的に結合する抗体である、請求項18~22のいずれか一項に記載の使用。
- 前記剤がバイオマーカーに特異的に結合する抗体である、請求項23~26のいずれか一項に記載のデバイス。
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