JP7045021B2 - せん断力試験装置 - Google Patents
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Description
ブロック状本体の一方向側にサイドパネルが側方突出した第1ブロック体と、
ブロック状本体の他方向側にサイドパネルが側方突出した第2ブロック体とを、
各サイドパネルが対向して上下の接触面で嵌合接触するように組み合わせることで、各ブロック状本体の間に対向空間を形成してなるせん断力試験装置であって、
前記対向空間に配置され、第1ブロック体と第2ブロック体の各ブロック状本体を相互に離反させる方向に加力する離反加力部材(シリンダ式のジャッキ)と、
前記離反加力部材による加力又は前記加力による反力の大きさを検知し得る検知器と、
第1ブロック体のブロック体の他方向側の外側面、及び、第2ブロック体のブロック体の一方向側の外側面に夫々設けられた、縦方向のアンカー筋を拘束するアンカー筋拘束部とを具備してなり、
第1ブロック体及び第2ブロック体の前記各サイドパネルは、それぞれ上下の接触面同士が互いに面接触して嵌合すると共に、
第1ブロック体と第2ブロック体とが前記離反加力部材によって加力されたとき、上下の接触面同士が互いに面接触して嵌合したまま相互にスライド移動することを特徴とする。
一方向側に左右のサイドパネル11が平行突出したブロック状本体からなる第1ブロック体1と、他方向側に左右のサイドパネル21が平行突出したブロック状本体からなる第2ブロック体2とを、左右夫々にてサイドパネル11,21同士が一側方及び他側方へ横向きの凹凸嵌合形状で凹凸嵌合接触するように、正面視左右方向である所定の対向方向へ対向させて組み合わせることで、左右のサイドパネル11,21間に対向空間を形成し、
前記対向空間内であって前記第1ブロック体1又は前記第2ブロック体2いずれか一方寄りの固定部に、離反加力部材(例えば、シリンダ式のジャッキ3)を前記一方向ないし他方向へ(例えば、シリンダ式のジャッキ3のジャッキ伸長によって)離反加力可能に固定し、
前記対向空間内であって前記固定された離反加力部材の離反加力方向の先側又はその逆の基側(例えば、シリンダ式のジャッキ3のシリンダ伸長側又は伸長基部側)の少なくともいずれかに、離反加力部材と第1ブロック体、第2ブロック体のそれぞれとの間に生じる、一方向ないし他方向の挟圧力を検知し得る検知器4を固定し、第1ブロック体1の他方向側の外側面、及び、第2ブロック体2の一方向側の外側面に夫々、縦方向のアンカー筋を拘束するアンカー筋拘束部5を有してなり、
前記第1ブロック体1及び前記第2ブロック体2を、コンクリート内に埋設固定した一対の縦方向のアンカー筋Rの間に配置し、前記第1ブロック体1及び前記第2ブロック体2夫々の外面のアンカー筋拘束部5によって一対のアンカー筋夫々を拘束して、前記第1ブロック体1及び前記第2ブロック体2をコンクリート面から所定量だけ浮かせて設置した設置状態とし、この設置状態で対向空間内の前記離反加力部材(ジャッキ3)によって他側方及び一側方へ離反加力することで、拘束した一対のアンカー筋夫々の両側を回転拘束した状態で点対称形に外変形するように離反加力し、この離反加力時の離反加力部材(シリンダ伸長時のジャッキ3)と前記第1,第2ブロック体1,2との間に発生する挟圧力を検知するものとしてもよい。
前記第1ブロック体又は前記第2ブロック体のいずれか他方のサイドパネル21/11が、前記嵌合凹部11D内の少なくとも上下の接触面にて摺動接触可能に嵌合収容される、上下外周面を接触面とした嵌合凸片からなり、前記嵌合凹部11D内の上下の接触各内面、並びに嵌合凸片上下端の上下の接触面が、静摩擦力ないし動摩擦力を低減させる摩擦低減加工を施されてなり、当該摩擦低減加工を施された接触面同士が上下で面接触したまま、サイドパネルの各突出方向(対向する側方向)へスライド滑動することが好ましい。
せん断力試験装置の変形を防止して、せん断力加力を確実にアンカー筋へと伝達することができる。このため精度よくせん断力試験を行うことができる。
いずれか他方のサイドパネル21/11が前記嵌合凹部11Dの凹部内の接触面及び再度塞板16の内側面に摺動可能に嵌合収容される嵌合凸片からなり、
前記嵌合凹部11D及び前記サイド塞板16の各内面、並びに嵌合凸片の外周面が、面接触する接触面全体に、静摩擦力ないし動摩擦力を低減させる摩擦低減加工を施され、当該摩擦低減加工を施された接触面同士が平行に面接触したまま対向方向へスライド滑動するものとしてもよい。
前記第1ブロック体及び前記第2ブロック体は、ブロック状本体の手前側及び奥側の位置から左右のサイドパネルが側方へ並行に突出してなり、さらに、
前記第1ブロック体1の左右のサイドパネル11、又は前記第2ブロック体2の左右のサイドパネル11,21のいずれかの組における、各サイドパネルの少なくとも下辺寄りの一又は複数個所には、左右のサイドパネル11,21同士を繋いで左右のパネル間隔(対向空間の幅)を一定の間隔(所定間隔)に保つ間隔保持具17が固定されるものとしてもよい。
前記断面形状の異なる拘束溝510,520によって、縦方向のアンカー筋Rの一側方及び他側方を挟み込んで拘束するものとしてもよい。
始めに、実施形態1のせん断力試験装置の構成について図1~図3を参照して説明する。本発明の実施形態1のせん断力試験装置は、一方向側(図2の矢印の向き)に左右(一対)のサイドパネル11が平行突出したブロック状本体からなる第1ブロック体1と、他方向側(図2の矢印と反対の向き)に左右一対のサイドパネル21が平行突出したブロック状本体からなる第2ブロック体2とを備える。
次に、本実施形態のせん断力試験装置の設置方法について図4~図6を参照して説明する。図4(a)は、せん断力試験装置のジャッキ3を縮めた初期状態(S1)の平面図であり、この状態から図4(b)に示すように、拘束ボルト521を緩めて、突出ブロック51と拘束板52との隙間にアンカー筋が挿通可能な状態とする。また、図4(b)では、せん断力試験装置のジャッキ3が伸長した状態(S2)となっており、第1ブロック体1のサイドパネル11の嵌合凹部11Dと、第2ブロック体2の嵌合凸片からなるサイドパネル21との間に隙間110が形成されている。
次に、本発明のせん断力試験装置を得るに至った経緯について、図5~図9を参照して説明する。本発明のせん断力試験装置は、上部及び下部のコンクリート境界面に鉛直埋設されたアンカー筋Rが、せん断力F1を受けてせん断変形する状態を再現できる装置を得ることを目的としたものである。
次に、実施例に係るせん断力試験装置の動作確認試験について説明する。発明者らは、動作確認試験として、図6に示すように、一対のアンカー筋Rを第1ブロック体1及び第2ブロック体2の突出ブロック51と拘束板52との間に収容するとともに各アンカー筋Rを締付け拘束して、せん断力試験装置を設置状態とした。この設置状態においては、せん断力試験装置の第1ブロック体1及び第2ブロック体2を凹凸嵌合させたまま、下側面をコンクリート体CBの表面から所定の離間高さ(11A)だけ離間させている。この離間高さはアンカー筋Rの外径と同一にした。
第1ブロック体のサイドパネル11と第2ブロック体のサイドパネル21は嵌合による上下の接触面で面接触するところ、その間の分布力を合力化した曲げ戻し力P1,P2を想定する。このとき、せん断力F1を加えたときの曲げモーメント図は、図8の二点鎖線枠のように仮定される。アンカー筋Rが弾性範囲内で変形するものと仮定すると、図9のP73で示す凸部品の上側面基部における縁歪δ3は、
δ3=3Q(H+h)/(b・D2・E)となる。ここでb及びDは、夫々、サイドパネル21の断面の幅(図8における奥行き方向の長さ)、及び、サイドパネル21の高さ(図8における上下方向の長さ)、Eはサイドパネル21のヤング係数である。ここで、Hはブロック体(第1,第2ブロック体1,2)高さの半分量であり、hは離間高さの2倍量である。
次に、実施形態2のせん断力試験装置の構成について図12、図13を参照して説明する。本発明の実施形態2のせん断力試験装置は、実施形態1と比較して、上下部の水平変位計61,62の接触子を押し当てる上下部の変位計当て部522を有さず、左右それぞれの拘束板5の高さ方向中央且つ幅方向中央にのみ、板状の変位計当て部523が左右一つずつ取り付けられる。水平変位δの算出の際は、この左右1つずつの水平変位計の接触子を各変位計当て部523に押し当てて、中央位置の変位測定値δ3を測定する。
本発明の試験装置は現場で簡便に設置でき、かつ、一定の精度をもってせん断試験を行うことができることから、既存の構造物を含む補強対象の構造物ごとに、実際の埋設状態のあと施工アンカーのせん断力評価を行うことが可能である。具体的には、せん断試験装置によるせん断力-水平変位の試験値を使用して、あと施工アンカーの原位置(かつ現位置)における伝達せん断力の評価が可能となる。
11 サイドパネル
12 ハンドル
13 保持冶具
131 係合ピン
110 嵌合内空間
11D 嵌合凹部
16 サイド塞板
17 間隔保持具
171 保持枠部
2 第2ブロック体
21 サイドパネル(嵌合凸片)
22 ハンドル
3 ジャッキ
31 コネクタ
32 シリンダロッド
33 油圧ホース
4 検知器
41 コネクタ
43 伝送線
5 アンカー筋拘束部
500拘束空間
51 突出ブロック
52 拘束板
521 拘束ボルト
510,520 拘束溝
520D コーナースリット
60,70 ホルダ
62水平変位計
522 変位計当て部
R アンカー筋
RB アンカー筋埋設部
CB コンクリート体
摩擦低減加工(ドット塗り表示)
F1 せん断力
F2 反力
P1,P2 曲げ戻し力
RS1 埋設間隔
RS2 埋設間隔の半分量
RSM 不動点
δ1,δ2 水平変位計による変位測定値
δ3 縁歪
h0 水平変位測定点間の高さ
H ブロック体高さの半分量
h 離間高さの2倍量
Claims (6)
- 離間して対向配置した第1のブロック状本体と第2のブロック状本体を、正面視方向にてそれぞれ左右に見たとき、
第1のブロック状本体の正面寄り位置及び背面寄り位置から、一対の第1のサイドパネルが一方向側へ平行突出してなる第1ブロック体と、
第2のブロック状本体の正面寄り位置及び背面寄り位置から、一対の第2のサイドパネルが他方向側へ平行突出してなる第2ブロック体とが、
第1ブロック体、第2ブロック体の各正面寄り位置及び背面寄り位置の夫々にて、前記第1、第2の各サイドパネル同士が正面視左右方向である所定の対向方向へ対向して接触するように組み合わされることで、
各ブロック状本体の間に、
第1のブロック状本体の内側面と、正面寄り位置で対向接触した第1及び第2の各サイドパネルと、第2のブロック状本体の内側面と、背面寄り位置で対向接触した第1及び第2の各サイドパネルとによって囲われた対向空間を形成してなるせん断力試験装置であって、
前記対向空間に配置され、第1ブロック体と第2ブロック体の各ブロック状本体を相互に離反させる方向に加力する離反加力部材と、
前記離反加力部材による加力又は前記加力による反力の大きさを検知し得る検知器と、
第1ブロック体のブロック体の他方向側の外側面、及び、第2ブロック体のブロック体の一方向側の外側面に夫々設けられた、縦方向のアンカー筋を拘束するアンカー筋拘束部とを具備してなり、
第1ブロック体及び第2ブロック体の前記各サイドパネルは、それぞれ上下の接触面同士が互いに面接触して嵌合すると共に、
第1ブロック体と第2ブロック体とが前記離反加力部材によって加力されたとき、上下の接触面同士が互いに面接触して嵌合したまま相互にスライド移動することを特徴とする、せん断力試験装置。 - 離間して対向配置した第1のブロック状本体と第2のブロック状本体を、正面視方向にてそれぞれ左右に見たとき、
第1のブロック状本体の正面寄り位置及び背面寄り位置から、一対の第1のサイドパネルが一方向側へ平行突出してなる第1ブロック体と、
第2のブロック状本体の正面寄り位置及び背面寄り位置から、一対の第2のサイドパネルが他方向側へ平行突出してなる第2ブロック体とが、
第1ブロック体、第2ブロック体の各正面寄り位置及び背面寄り位置の夫々にて、前記第1、第2の各サイドパネル同士が正面視左右方向である所定の対向方向へ対向して接触するように組み合わされることで、
各ブロック状本体の間に、
第1のブロック状本体の内側面と、各ブロック状本体の正面寄り位置で組み合わされた第1及び第2の各サイドパネルと、第2のブロック状本体の内側面と、各ブロック状本体の背面寄り位置で組み合わされた第1及び第2の各サイドパネルとによって囲われた対向空間対向空間を形成し、
対向空間内であって前記第1ブロック体又は前記第2ブロック体いずれか一方寄りの固定部に、離反加力部材を前記一方向ないし他方向へ離反加力可能に固定し、
前記対向空間内であって前記固定された離反加力部材の離反加力方向の先側又はその基側の少なくともいずれかに、離反加力部材と第1ブロック体、第2ブロック体のそれぞれとの間に生じる、一方向ないし他方向の挟圧力を検知し得る検知器を固定し、
第1ブロック体の他方向側の外側面、及び、第2ブロック体の一方向側の外側面に夫々、縦方向のアンカー筋を拘束するアンカー筋拘束部を有してなり、
前記第1ブロック体及び前記第2ブロック体を、コンクリート内に埋設固定した一対の縦方向のアンカー筋の間に配置し、
前記第1ブロック体及び前記第2ブロック体夫々の外面のアンカー筋拘束部によって一対のアンカー筋夫々を拘束して、
前記第1ブロック体及び前記第2ブロック体をコンクリート面から所定量だけ浮かせて設置した設置状態とし、
この設置状態で、前記離反加力部材によって前記第1,第2ブロック体をそれぞれ他側方及び一側方へ離反加力し、この離反加力時の離反加力部材と前記第1,第2ブロック体1,2との間に発生する挟圧力を検知することを特徴とする、せん断力試験装置。 - 前記第1ブロック体又は前記第2ブロック体のいずれか一方のサイドパネルが、断面視凹状の嵌合凹部を片面に有した板状片からなり、
前記第1ブロック体又は前記第2ブロック体のいずれか他方のサイドパネルが前記嵌合凹部内の少なくとも上下の接触面に摺動接触可能に嵌合収容される嵌合凸片からなり、
前記嵌合凹部内の上下の接触面、並びに嵌合凸片の上下の外周面が、静摩擦力ないし動摩擦力を低減させる摩擦低減加工を施されてなり、当該摩擦低減加工を施された接触面同士が面接触したままスライド滑動する、請求項1又は2に記載のせん断力試験装置。 - 前記第1ブロック体及び前記第2ブロック体は、ブロック状本体の手前側及び奥側の位
置から左右のサイドパネルが側方へ並行に突出してなり、さらに、
前記第1ブロック体1の左右のサイドパネル、又は前記第2ブロック体2の左右のサイドパネル、のいずれかの組における、各サイドパネルの少なくとも下辺寄りの一又は複数個所には、左右のサイドパネル同士を繋いで左右のパネル間隔を一定の間隔に保つ間隔保持具が固定される、請求項1ないし3のいずれかに記載のせん断力試験装置。 - 各ブロック状本体には、水平変位計の接触子或いは測定線を当てることで水平変位を測定可能な変位計当て部が設けられ、
前記設置状態で、各変位計当て部に水平変位計を押し当てることで、前記離反加力したときのブロック状本体の変位量を、前記検知器による検知と共に計測する、請求項1ないし3のいずれか記載のせん断力試験装置。 - 前記アンカー筋拘束具は、前記第1ブロック体のブロック状本体、及び、前記第2ブロック体のブロック状本体の各外側面から外方突出した突出ブロックと、前記突出ブロックの突出先に対向してその対向距離を調節可能に取り付けられる拘束板と、から構成され、
前記離反加力部材の加力中心線上であって、かつ、前記突出ブロック及び前記拘束板の各対向面の対応位置には夫々、断面形状の異なる、縦方向の拘束溝が対向して形成され、
前記断面形状の異なる拘束溝が対向し、縦方向のアンカー筋の一側方及び他側方を挟み込んで拘束する、請求項1ないし5のいずれか記載のせん断力試験装置。
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