JP7044902B2 - ブレーキディスクの取付け構造、及びブレーキディスク付き鉄道車輪 - Google Patents

ブレーキディスクの取付け構造、及びブレーキディスク付き鉄道車輪 Download PDF

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Description

本発明は、鉄道車両におけるブレーキディスクの取付け構造、及びその取付け構造を含むブレーキディスク付き鉄道車輪に関する。
鉄道車両の高速化及び大型化に伴い、鉄道車両の制動装置としてディスクブレーキ装置が多用される。ディスクブレーキ装置は、ブレーキディスクとブレーキライニングとの摩擦により制動力を生む装置である。ブレーキディスクは、車軸と一体にされる鉄道車輪に取り付けられる。鉄道車両の走行中、ブレーキキャリパの作動によってブレーキライニングがブレーキディスクの表面に押し付けられ、ブレーキディスクに制動力が与えられる。このとき、ブレーキディスクの表面は摺動面となる。これにより、車軸と一体で回転する車輪が減速し、鉄道車両が減速する。
制動時、ブレーキディスクに摩擦熱が生じる。摩擦熱の放熱のため、一般に、ブレーキディスクのディスク本体の裏面にブレーキディスクの半径方向に延びる複数の縦フィンが設けられる。これにより、ブレーキディスクのディスク本体と鉄道車輪の車輪板部との間に空間が形成される。ブレーキディスクの回転により、ディスク本体の内周側から上記の空間に空気が導入され、その空気はその空間を流れてディスク本体の外周側から排出される。このようなブレーキディスクの裏面側におけるブレーキディスクの半径方向の気流により、ブレーキディスクに生じた摩擦熱の放熱が促進される。
しかしながら、このブレーキディスクの場合、鉄道車両が高速で走行するとき、ブレーキディスクの高速回転に伴って、大量の空気がディスク本体と車輪板部との間の空間を流れる。これにより、大きな騒音が発生する。
このような騒音に対し、特開2007-205428号公報(特許文献1)に記載の技術では、ブレーキディスクのディスク本体の裏面に、ブレーキディスクの周方向に延びる複数の横リブが設けられる。横リブは、相互に隣接する縦フィンに接続され、ブレーキディスクの裏面側におけるブレーキディスクの半径方向の気流に通気抵抗を与える。つまり、横リブにより、ディスク本体と車輪板部との間の空間の最小断面積が調整され、その空間を流れる空気の流量が抑えられる。これにより、騒音が低減される。
このように、特許文献1に記載の技術によれば、ブレーキディスクの裏面側における気流に起因する騒音を有効に低減できる。ただし、鉄道車両が高速で走行するとき、ブレーキディスクの高速回転に伴って、ブレーキディスクの表面(摺動面)側でブレーキディスクの周方向に沿う気流が発生する。この気流が騒音をもたらすおそれがある。
ここで、ブレーキディスク(ディスク本体)の表面には、複数の貫通穴(座ぐり穴)が開口している。複数の座ぐり穴は、ブレーキディスクの中心軸周りで同一円周上に配列される。座ぐり穴の各々にボルトが挿入され、このボルトの締付けによってブレーキディスクが鉄道車輪に固定される。つまり、座ぐり穴は、ボルトによる鉄道車輪へのブレーキディスクの取付けに不可欠なものである。ブレーキディスクの表面側における気流は座ぐり穴の開口付近で乱れる。そのため、座ぐり穴からの騒音が問題となる。
このような騒音に対し、国際公開WO2017/099074号パンフレット(特許文献2)に記載の技術では、ブレーキディスクのディスク本体の表面に、ブレーキディスクの周方向に延びる複数の溝が形成される。溝は、相互に隣接する座ぐり穴を結ぶ。溝により、座ぐり穴の開口付近の気流が整流される。これにより、ブレーキディスクの表面側におけるブレーキディスクの周方向の気流に起因する騒音であって、ボルト用の座ぐり穴を音源とする騒音が低減される。
特開2007-205428号公報 国際公開WO2017/099074号パンフレット
上述のとおり、特許文献2に記載の技術によれば、ボルト用の座ぐり穴を音源とする騒音を低減できる。しかしながら、特許文献2に記載の技術では、ブレーキディスクのディスク本体の表面に溝が形成されている。この場合、溝の存在によってディスク本体の強度が低下するかもしれない。またこの場合、ブレーキディスクとブレーキライニングとの接触面積が小さくなる。そのため、制動力が低下するかもしれないし、ブレーキディスクの表面(摺動面)が早期に摩耗するかもしれない。要するに、従来の技術では、ボルト用の座ぐり穴を音源とする騒音を低減する上で、ブレーキディスクの特性及びディスクブレーキ装置の性能が低下するかもしれない。
本発明は上記の実情に鑑みてなされたものである。本発明の一つの目的は、ブレーキディスクの特性及びディスクブレーキ装置の性能を維持しつつ、ボルト用の座ぐり穴を音源とする騒音を低減できる、鉄道車両におけるブレーキディスクの取付け構造、及びブレーキディスク付き鉄道車輪を提供することである。
本発明の実施形態によるブレーキディスクの取付け構造は、鉄道車両の車軸と一体にされるディスク部材と、自身の表面から裏面に貫通する座ぐり穴を有するブレーキディスクと、座ぐり穴に挿入されてブレーキディスクをディスク部材に固定するボルトと、座ぐり穴に嵌め込まれてブレーキディスクの表面の摩耗限界を示す止め輪と、を備える。ボルトの頭部の端面に凸部が設けられ、凸部の端面が止め輪の内側開口に位置する。
本発明の実施形態によるブレーキディスク付き鉄道車輪は、上記のブレーキディスクの取付け構造を含み、ディスク部材が鉄道車輪である。
本発明の実施形態による鉄道車両におけるブレーキディスクの取付け構造、及びブレーキディスク付き鉄道車輪は、ブレーキディスクの特性及びディスクブレーキ装置の性能を維持しつつ、ボルト用の座ぐり穴を音源とする騒音を低減できる。
図1は、ブレーキディスク付き鉄道車輪を示す平面図である。 図2は、ブレーキディスク付き鉄道車輪における座ぐり穴付近の平面図である。 図3は、図1の線III-IIIにおける断面図である。 図4は、図1の線IV-IVにおける断面図である。 図5は、ブレーキディスク単体を表面側から見たときの平面図である。 図6は、ブレーキディスク単体を裏面側から見たときの平面図である。 図7は、ブレーキディスク付き鉄道車輪における座ぐり穴付近の断面図である。 図8は、本実施形態のブレーキディスク付き鉄道車輪における座ぐり穴付近の平面図である。 図9は、本実施形態のブレーキディスク付き鉄道車輪における座ぐり穴付近の断面図である。 図10は、本実施形態のブレーキディスク付き鉄道車輪におけるナットを収容した座ぐり穴付近の平面図である。 図11は、図10に示す座ぐり穴付近の断面図である。 図12は、模擬試験で用いた試験体を示す断面図である。 図13は、模擬試験の結果をまとめた図である。
上記の課題を解決するため、本発明者らは、鉄道車両の車軸と一体にされるディスク部材へのブレーキディスクの取付け構造を改めて確認した。ここでは、その代表格として、ディスク部材が鉄道車輪である場合の構造を確認した。その結果、下記の知見を得た。
図1~図4は、ブレーキディスク付き鉄道車輪を示す図である。これらの図のうち、図1は、ブレーキディスク2付き鉄道車輪1をブレーキディスク2の中心軸に沿って見たときの平面図である。図2は、座ぐり穴24付近の平面図である。図2には、ボルト3の頭部31が収容される方の座ぐり穴24付近が示される。図3は、図1の線III-IIIにおける断面図である。図4は、図1の線IV-IVにおける断面図である。図3及び図4に示される断面は、ブレーキディスク2の半径方向に沿った断面である。図3には、縦フィン22及びボルト3を含む部分の断面が示される。図4には、横リブ23を含む部分の断面が示される。
さらに図5及び図6は、ブレーキディスク単体を示す図である。これらの図のうち、図5は、ブレーキディスク2を表面側から見たときの平面図である。図6は、ブレーキディスク2を裏面側から見たときの平面図である。なお、本明細書において、特に断りがない限り、「半径方向」は「ブレーキディスクの半径方向」を意味する。「周方向」は「ブレーキディスクの周方向」を意味する。
図1~図6を参照して、ブレーキディスク2は、環状のディスク本体21を備える。ディスク本体21の表面21aが摺動面となる。ディスク本体21の裏面21bには、半径方向に延びる複数の縦フィン22が設けられる。これらの複数の縦フィン22は周方向で等間隔に配置される。
ディスク本体21の裏面21bには、周方向に延びる複数の横リブ23が設けられる。横リブ23は、相互に隣接する縦フィン22に接続される。これらの複数の横リブ23は、例えば、縦フィン22の半径方向外寄りの位置に配置される。
縦フィン22の幾つかには、半径方向のほぼ中央の位置に、ボルト3用の座ぐり穴24が形成されている。座ぐり穴24は、ディスク本体21の表面21aから縦フィン22の頂面22aに貫通する。つまり、座ぐり穴24は、ブレーキディスク2の表面21aから裏面に貫通する。これらの複数の座ぐり穴24は、ブレーキディスク2の中心軸周りで同一円周上に配列される。
座ぐり穴24は大径部25と小径部26とを含む。大径部25はディスク本体21(ブレーキディスク2)の表面21aに開口する。鉄道車輪1へのブレーキディスク2の取付け時、大径部25には、ボルト3の頭部31又はナット5が収容される。小径部26には、ボルト3の軸部32(ねじ部を含む)が通される。
大径部25の開口寄りの位置に円周溝27が形成されている。鉄道車輪1へのブレーキディスク2の取付け時、円周溝27に止め輪4が嵌め込まれる。止め輪4は、ディスク本体21(ブレーキディスク2)の表面21a(摺動面)の摩耗限界を示すためのものである。また止め輪4は、ボルト3が不用意に破断したときにボルト3又はナット5の脱落を防止するためのものである。
鉄道車輪1は、ボス11、リム12、及びこれらを結合する車輪板部13を含む。ボス11には、車軸(図示省略)が圧入される。これにより、鉄道車輪1が車軸と一体にされる。リム12は、鉄道車両が走行するときにレールと接触する部分である。車輪板部13には、複数の貫通穴14が形成されている。貫通穴14は、ブレーキディスク2の座ぐり穴24に対応する位置に配置される。つまり、これらの複数の貫通穴14は、鉄道車輪1の中心軸周りで同一円周上に配列される。
図1~図4を参照して、ブレーキディスク2付き鉄道車輪1は、2つのブレーキディスク2と1つの鉄道車輪1を備える。鉄道車輪1へのブレーキディスク2の取付け時、2つのブレーキディスク2は、各々の表面21aを外向きにした状態で鉄道車輪1の車輪板部13を挟む。2つのブレーキディスク2のうちの1つ目のブレーキディスク2の座ぐり穴24からボルト3が挿入される。ボルト3は車輪板部13の貫通穴14を通じて2つ目のブレーキディスク2の座ぐり穴24に挿入される。2つ目のブレーキディスク2の座ぐり穴24の大径部25にはナット5が収容されており、ボルト3はそのナット5にねじ込まれる。ナット5に対するボルト3の締付けによって、ブレーキディスク2が鉄道車輪1に固定される。このとき、1つ目のブレーキディスク2の座ぐり穴24の大径部25にはボルト3の頭部31が収容される。
そして、2つのブレーキディスク2の座ぐり穴24のいずれにも、止め輪4が嵌め込まれる。止め輪4は弾性変形が可能な板片であり、C字状の平面形状を有する(図2参照)。
図3及び図4を参照して、ブレーキディスク2付き鉄道車輪1では、縦フィン22の頂面22aが車輪板部13に接触している。つまり、ディスク本体21の裏面21bは車輪板部13に接触していない。横リブ23の頂面23aも車輪板部13に接触していない。そのため、ディスク本体21と車輪板部13との間に空間が形成される。この空間は、横リブ23によって狭められる。
このようなブレーキディスク2付き鉄道車輪1を備えた鉄道車両が高速で走行するとき、車軸と一体の鉄道車輪1及びブレーキディスク2が高速で回転する。ブレーキディスク2の裏面側では、ディスク本体21と車輪板部13との間の空間を空気が流れる。これにより、ブレーキディスク2に生じた摩擦熱の放熱が促進される。この場合、横リブ23により、その空間を流れる空気の流量が抑えられる。その結果、ブレーキディスク2の裏面側における半径方向の気流に起因する騒音を低減することができる。
一方、ブレーキディスク2の表面21a側では、以下のような状況が起こる。
図7は、ブレーキディスク付き鉄道車輪における座ぐり穴付近の断面図である。図7に示される断面は、ブレーキディスク2の周方向に沿った断面である。図7を参照して、ブレーキディスク2の表面21a側では、ブレーキディスク2の周方向に沿う気流が発生する(図7中の実線矢印参照)。座ぐり穴24の無い領域では、空気はブレーキディスク2の表面21aに沿ってスムーズに流れる。
しかしながら、座ぐり穴24(大径部25)の開口付近では、気流が乱れる。具体的には、図7中の点線矢印で示されるように、ブレーキディスク2の表面21aに沿って流れる空気の一部は、座ぐり穴24の大径部25の開口から大径部25に流入する。大径部25に流入した空気は、止め輪4の内側開口4aを通じ、ボルト3の頭部31が存在する大径部25の奥深くまで流入する。つまり、大径部25に流入した空気は、スムーズに大径部25から流出しないで、大径部25の内部で乱れる。これにより、座ぐり穴24から騒音が発生する。
以上のことから、ブレーキディスク2の表面21a側における周方向の気流に起因する騒音であって、ボルト3用の座ぐり穴24を音源とする騒音を低減するには、座ぐり穴24の大径部25に流入した空気がスムーズに大径部25から流出できればよい、と言える。したがって、大径部25に流入した空気が止め輪4の内側開口4aを越えないような構成にすればよい。
本発明は上記の知見に基づいて完成されたものである。
本発明の実施形態によるブレーキディスクの取付け構造は、ディスク部材と、ブレーキディスクと、ボルトと、止め輪と、を備える。ディスク部材は、鉄道車両の車軸と一体にされる。ブレーキディスクは、自身の表面から裏面に貫通する座ぐり穴を有する。ボルトは、座ぐり穴に挿入されてブレーキディスクをディスク部材に固定する。止め輪は、座ぐり穴に嵌め込まれてブレーキディスクの表面の摩耗限界を示す。そして、ボルトの頭部の端面に凸部が設けられ、凸部の端面が止め輪の内側開口に位置する。
典型的な例では、ディスク部材は鉄道車輪である。ただし、ディスク部材は、車軸と一体にされてブレーキディスクを支持するものである限り特に限定されない。例えばディスク部材は、鉄道車輪とは別個で車軸と一体にされるものであってもよい。
本実施形態のブレーキディスクの取付け構造を備えた鉄道車両が高速で走行するとき、車軸と一体のディスク部材及びブレーキディスクが高速で回転する。そのため、ブレーキディスクの表面側では、ブレーキディスクの周方向に沿う気流が発生する。ここで、座ぐり穴の開口付近では、ブレーキディスクの表面に沿って流れる空気の一部は、座ぐり穴の開口から座ぐり穴に流入する。座ぐり穴に流入した空気は、ボルトの頭部の端面に設けられた凸部の端面で反射し、座ぐり穴から流出する。つまり、座ぐり穴に流入した空気は、止め輪の内側開口を越えることなく、スムーズに座ぐり穴から流出する。これにより、ボルト用の座ぐり穴を音源とする騒音を低減することができる。
さらに本実施形態のブレーキディスクの取付け構造では、ブレーキディスクの形状が特別に変更されるわけではない。したがって、ブレーキディスクの特性及びディスクブレーキ装置の性能を維持することができる。
ここで、ボルトの頭部の端面に設けられた凸部の形状は特に限定されない。典型的な例では、凸部は、ボルトの軸を中心とする円柱形状を有する。この場合、凸部の端面の形状は円形である。凸部は、ボルトの軸を中心とする角柱形状を有してもよい。この場合、凸部の端面の形状は、止め輪の内側開口の輪郭に沿うような多角形である。典型的な例では、凸部の端面はボルトの軸に垂直な平面である。凸部の端面は凹曲面であってもよい。凹曲面は例えば球面である。この場合、凹曲面の端面によって、座ぐり穴に流入した空気をより有効に外部に向けて導くことができる。
上記した本実施形態のブレーキディスクの取付け構造において、止め輪の内側開口の面積がA1であり、凸部の端面の面積がA2であるとき、A2/A1が0.49以上であることが好ましい。A2/A1は、止め輪の内側開口の面積に対する凸部の端面の面積の比である。A2/A1が0.49以上であれば、座ぐり穴に流入した空気に対する反射面(凸部の端面)が有効に存在する。そのため、凸部が無い場合と比較して、ボルト用の座ぐり穴を音源とする騒音を有効に低減することができる。A2/A1の下限は、好ましくは0.59であり、さらに好ましくは0.77である。
一方、A2/A1の上限は特に限定されない。A2/A1の最も好ましい上限は、1.00である。ただし、A2/A1が1.00である場合、止め輪の内側開口が凸部によって完全に塞がれた状態になる。この場合、実際には止め輪の着脱が困難になる。したがって、止め輪の着脱の容易性を踏まえて、A2/A1の上限は1.00よりも小さい値に設定すればよい。
本発明の実施形態によるブレーキディスク付き鉄道車輪は、上記した本実施形態のブレーキディスクの取付け構造を含み、ディスク部材が鉄道車輪である。したがって、本実施形態のブレーキディスク付き鉄道車輪によれば、上記した本実施形態のブレーキディスクの取付け構造による効果と同様の効果を得ることができる。
典型的な例では、上記した本実施形態の鉄道車輪は、第2のブレーキディスクと、ナットと、第2の止め輪と、を備える。第2のブレーキディスクは、上記の取付け構造を有するブレーキディスクとともに鉄道車輪の車輪板部を挟む。第2のブレーキディスクは、自身の表面から裏面に貫通する第2の座ぐり穴を有する。ナットは、第2の座ぐり穴に挿入される。ナットは、上記のボルトがねじ込まれて第2のブレーキディスクを鉄道車輪に固定する。第2の止め輪は、第2の座ぐり穴に嵌め込まれて第2のブレーキディスクの表面の摩耗限界を示す。そして、ボルトの軸部の開放端面が第2の止め輪の内側開口に位置する。
この場合、ナットを収容した座ぐり穴の開口付近では、ブレーキディスクの表面に沿って流れる空気の一部は、座ぐり穴の開口から座ぐり穴に流入する。座ぐり穴に流入した空気は、ボルトの軸部の開放端面で反射し、座ぐり穴から流出する。つまり、座ぐり穴に流入した空気は、止め輪の内側開口を越えることなく、スムーズに座ぐり穴から流出する。これにより、ナットを収容するボルト用の座ぐり穴を音源とする騒音を低減することができる。
典型的な例では、ボルトの軸部の開放端面はボルトの軸に垂直な平面である。開放端面は凹曲面であってもよい。凹曲面は例えば球面である。この場合、凹曲面の開放端面によって、座ぐり穴に流入した空気をより有効に外部に向けて導くことができる。
以下に、本実施形態のブレーキディスクの取付け構造について、ブレーキディスク付き鉄道車輪を例に挙げて詳述する。
図8及び図9は、本実施形態のブレーキディスク2付き鉄道車輪1を示す図である。これらの図のうち、図8は、座ぐり穴24付近の平面図である。図8には、ボルト3の頭部31が収容される方の座ぐり穴24付近が示される。図9は、座ぐり穴24付近の断面図である。図9に示される断面は、ブレーキディスク2の周方向に沿った断面である。なお、図1~図6に示されるブレーキディスク2及びブレーキディスク2付き鉄道車輪1と共通する部分の説明は適宜省略する。
図8及び図9を参照して、ボルト3の頭部31の端面31aに凸部33が設けられる。凸部33は、ボルト3の軸を中心とする円柱形状を有する。凸部33は、ボルト3の端面31aから止め輪4の内側開口4aの位置まで延びる。つまり、凸部33の端面33aが止め輪4の内側開口4aに位置する。別の観点では、凸部33の端面33aが止め輪4の厚みの範囲内に存在する。
この場合、図9中の点線矢印で示されるように、座ぐり穴24(大径部25)の開口付近では、ブレーキディスク2の表面21aに沿って流れる空気の一部は、座ぐり穴24の大径部25の開口から大径部25に流入する。大径部25に流入した空気は、止め輪4の内側開口4aに存在する凸部33の端面33aで反射する。つまり、大径部25に流入した空気は、止め輪4の内側開口4aを越えることなく、スムーズに座ぐり穴24(大径部25)から流出する。したがって、ボルト3用の座ぐり穴24を音源とする騒音が低減される。
図10及び図11は、本実施形態のブレーキディスク2付き鉄道車輪1を示す図である。これらの図のうち、図10は、ナット5が収容される方の座ぐり穴24付近の平面図である。図11は、図10に示す座ぐり穴24付近の、ブレーキディスク2の周方向に沿った断面図である。
図10及び図11を参照して、座ぐり穴24の大径部25にナット5が収容されている。このナット5にボルト3がねじ込まれている。このボルト3は、上記の図8及び図9に示すボルト3と共通するものである。ボルト3の軸部32は、ナット5から止め輪4の内側開口4aの位置まで延び出ている。つまり、ボルト3の軸部32の開放端面32aが止め輪4の内側開口4aに位置する。別の観点では、ボルト3の軸部32の開放端面32aが止め輪4の厚みの範囲内に存在する。
この場合、図11中の点線矢印で示されるように、ナット5を収容した座ぐり穴24(大径部25)の開口付近では、ブレーキディスク2の表面21aに沿って流れる空気の一部は、座ぐり穴24の大径部25の開口から大径部25に流入する。大径部25に流入した空気は、止め輪4の内側開口4aに存在するボルト3の軸部32の開放端面32aで反射する。つまり、大径部25に流入した空気は、止め輪4の内側開口4aを越えることなく、スムーズに座ぐり穴24(大径部25)から流出する。したがって、ナット5を収容するボルト3用の座ぐり穴24を音源とする騒音が低減される。
本実施形態による効果を確認するため、下記の模擬試験を実施した。
模擬試験には2つのタイプの試験体を用いた。第1のタイプの試験体を図12に示す。図12を参照して、第1のタイプの試験体は、ブレーキディスクを想定した円板102、及びボルトの頭部を想定した円柱部材131で構成した。円板102の上端面に、止め輪の内側開口を想定した円形穴104を設けた。この円形穴104に、円柱部材131を挿入した。円柱部材131の上端面に、ボルト頭部の凸部を想定した円柱凸部133を設けた。
円形穴104の直径は一定の25mmとした。つまり、円形穴104の面積A1は一定とした。円柱凸部133の端面の面積A2は種々変更した。つまり、A2/A1を種々変更した。なお、円板102の上端面から円柱凸部133の端面までの深さdは一定の10.5mmとした。
第2のタイプの試験体(図示省略)は、ブレーキディスクを想定した円板、ボルトの頭部を想定した円柱部材、及び止め輪で構成した。円板の上端面に座ぐり穴を想定した円形穴を設け、この円形穴に円柱部材を挿入した。また、円柱部材の上端面にボルト頭部の凸部を想定した円柱凸部を設け、この円柱凸部の上端面が止め輪の内側開口に位置するよう、止め輪を円形穴の内側に挿入した。なお、この試験体の場合、止め輪の内側開口の面積が試験体100の円形穴104の面積A1に相当する。つまり、第2の試験体は第1のタイプの試験体と実質的に同一である。以下、第2のタイプの試験体を止め輪付き試験体という。
試験では、A2/A1を種々変更した各試験体100及び各止め輪付き試験体を円板102の中心軸を中心に回転させた。そして、試験体100から発せられる周波数が1250Hz~5000Hzの範囲の騒音レベル(単位:dB(A))を調査した。
図13は、模擬試験の結果をまとめた図である。図13において、横軸はA2/A1を示し、縦軸は騒音レベルを示す。図13から下記のことが示される。A2/A1が0.49以上であれば、A2/A1が0(ゼロ)、すなわち凸部が無い場合と比較して、騒音レベルが低下した。A2/A1が0.59以上であれば、より騒音レベルが低下した。A2/A1が0.77以上であれば、より一層騒音レベルが低下した。A2/A1が1.00であるときに最も騒音レベルが低かった。なお、A2/A1が0.49及び0.59である試験結果が止め輪付き試験体を用いた場合の結果であり、残りの試験結果が試験体100を用いた場合の結果である。
その他、本発明は上記の実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能であることは言うまでもない。
本発明は、ディスクブレーキ装置を備える鉄道車両に有効に利用できる。
1 鉄道車輪
13 車輪板部
14 貫通穴
2 ブレーキディスク
21 ディスク本体
21a 表面
21b 裏面
22 縦フィン
23 横リブ
24 座ぐり穴
25 大径部
26 小径部
27 円周溝
3 ボルト
31 頭部
31a 端面
32 軸部
32a 開放端面
33 凸部
33a 端面
4 止め輪
4a 内側開口
5 ナット

Claims (4)

  1. 鉄道車両の車軸と一体にされるディスク部材と、
    自身の表面から裏面に貫通する座ぐり穴を有するブレーキディスクと、
    前記座ぐり穴に挿入されて前記ブレーキディスクを前記ディスク部材に固定するボルトと、
    前記座ぐり穴に嵌め込まれて前記ブレーキディスクの前記表面の摩耗限界を示す止め輪と、を備え、
    前記ボルトの頭部の端面に凸部が設けられ、前記凸部の端面が前記止め輪の内側開口に位置する、ブレーキディスクの取付け構造。
  2. 請求項1に記載のブレーキディスクの取付け構造であって、
    前記止め輪の前記内側開口の面積がA1であり、前記凸部の前記端面の面積がA2であるとき、A2/A1が0.49以上である、ブレーキディスクの取付け構造。
  3. 請求項1又は2に記載のブレーキディスクの取付け構造を含み、前記ディスク部材が鉄道車輪である、ブレーキディスク付き鉄道車輪。
  4. 請求項3に記載のブレーキディスク付き鉄道車輪であって、
    前記鉄道車輪は、
    前記取付け構造を有する前記ブレーキディスクとともに前記鉄道車輪の車輪板部を挟む第2のブレーキディスクであって、自身の表面から裏面に貫通する第2の座ぐり穴を有する前記第2のブレーキディスクと、
    前記第2の座ぐり穴に挿入されたナットであって、前記ボルトがねじ込まれて前記第2のブレーキディスクを前記鉄道車輪に固定する前記ナットと、
    前記第2の座ぐり穴に嵌め込まれて前記第2のブレーキディスクの前記表面の摩耗限界を示す第2の止め輪と、を備え、
    前記ボルトの軸部の開放端面が前記第2の止め輪の内側開口に位置する、ブレーキディスク付き鉄道車輪。
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