JP7043247B2 - 血圧計およびその制御方法 - Google Patents

血圧計およびその制御方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7043247B2
JP7043247B2 JP2017246052A JP2017246052A JP7043247B2 JP 7043247 B2 JP7043247 B2 JP 7043247B2 JP 2017246052 A JP2017246052 A JP 2017246052A JP 2017246052 A JP2017246052 A JP 2017246052A JP 7043247 B2 JP7043247 B2 JP 7043247B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pulse wave
blood pressure
determined
quality
sphygmomanometer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017246052A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019111036A (ja
Inventor
健作 吉野
智幸 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fukuda Denshi Co Ltd
Original Assignee
Fukuda Denshi Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fukuda Denshi Co Ltd filed Critical Fukuda Denshi Co Ltd
Priority to JP2017246052A priority Critical patent/JP7043247B2/ja
Publication of JP2019111036A publication Critical patent/JP2019111036A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7043247B2 publication Critical patent/JP7043247B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Measuring Pulse, Heart Rate, Blood Pressure Or Blood Flow (AREA)

Description

本発明は血圧計およびその制御方法に関する。
非観血的に血圧を計測する方法として、オシロメトリック法が知られている。オシロメトリック法は、被検者の四肢や指などを加圧するカフを通じて取得される脈波に基づいて血圧を計測する方法である。脈波が得られる部位であれば血圧の計測が可能であることから、血圧計に広く用いられている。
オシロメトリック法で精度のよい血圧値を計測するには、品質の良い脈波を得る必要がある。ここで、品質の良い脈波とは、リズムや振幅に乱れが少ない脈波である。一方で、被検者の体動は脈波の品質を低下させるため、例えば特許文献1では加速度センサで体動を表す信号を検出し、適応フィルタの適用や自己相関の算出を用いて脈波信号から体動に起因する雑音を低減する構成が提案されている。
特開2002-224055号公報
しかしながら、特許文献1の構成では、脈波信号に重畳した、体動に起因する雑音は低減できても、脈波のリズムや振幅の乱れに関しては改善することができない。そのため、計測された血圧値が信頼できるか否かは、計測者(技師)が判定する必要があった。例えば、技師は計測中に得られた脈波を表示させ、その品質を確認することで、当該脈波に基づいて計測された血圧値の信頼性を判定していた。
しかし、脈波の品質の判定に必要な判読能力には個人差があるため、判定結果にばらつきが生じるという問題があった。そのため、計測された血圧値が、本来は再計測すべきような信頼性の低い血圧値であることを見落してしまうことがあった。この場合、他の計測値を踏まえて総合的に被検者を診断する医師によって、血圧値の再計測が指示されることがあり、被検者の負担が増加したり診療の効率性が低下したりする。
本発明はこのような従来技術の課題に鑑みなされたものであり、被検者に装着したカフを通じて得られる脈波に基づいて血圧を計測する血圧計およびその制御方法において、計測された血圧の信頼性に関する客観的な情報を提供可能とすることを目的とする。
上述の目的は、被検者に装着したカフを通じて得られる脈波に基づいて血圧を計測する血圧計であって、脈波の品質に基づいて、計測される血圧の信頼性を判定する判定手段と、判定の結果を提示する提示手段と、を有し、判定手段は、1拍の脈波ごとに、1つ前の拍の脈波との特徴点の間隔を評価値として求め、評価値が正常範囲に含まれるか否かを、他の複数の拍について求められた評価値に基づいて判定することにより、脈波信号の品質を判定し、計測された血圧の信頼性を、計測期間中に複数拍について判定された脈波信号の品質に基づいて判定することを特徴とする血圧計によって達成される。
このような構成により、本発明によれば、被検者に装着したカフを通じて得られる脈波に基づいて血圧を計測する血圧計およびその制御方法において、計測された血圧の信頼性に関する客観的な情報を提供可能とすることができる。
本発明の実施形態に係る血圧計の機能構成例を示すブロック図である。 実施形態に係る血圧計の動作に関するフローチャートである。 実施形態に係る血圧計の動作に関するフローチャートである。 実施形態に係る血圧計における脈波の品質判定結果の表示例の模式図である。
以下、図面を参照して本発明をその例示的な実施形態に基づいて詳細に説明する。
●(血圧計の構成)
図1は、実施形態に係る血圧計150の機能構成例を示すブロック図である。血圧計150は、カフ10を用いたオシロメトリック法により血圧を計測する。
カフ10は、エアホースHの一端に接続されたエアバッグ11を有する。エアホースHの他端に設けられたコネクタを血圧計150のエアコネクタ24に取り付けることによって、カフ10が血圧計150に取り付けられる。エアコネクタ24は圧力センサ12、定排弁14、急排弁16、ポンプ18と共通の気体流路Rで接続されている。従って、カフ10が血圧計150に取り付けられた状態で、エアバッグ11、エアホースH、および気体流路Rは連続した1つの空間を形成する。
圧力センサ12は例えばピエゾ素子などを用いた圧力-電気変換センサであり、エアバッグ11の内圧を表す電気信号(センサ出力信号)を出力する。脈によってエアバッグ11の内圧が変化するため、センサ出力信号は脈波成分を含んでいる。センサ出力信号はADコンバータ22によって所定周波数でサンプリングされ、デジタルデータ化される。
定排弁14および急排弁16はエアバッグ11の内圧を低下させるための排気弁である。定排弁14は開口度(排気流量)が可変で、駆血状態から徐々にエアバッグ11の内圧を低下させるために用いられる。一方、急排弁16はエアバッグ11の内圧を急速に低下させるために用いられ、計測終了時に開放される。急排弁16は開口度が0%と100%(全閉と全開)の2状態を制御可能であればよい。
ポンプ18はエアバッグ11に給気して内圧を増加させるために用いられる。
定排弁14および急排弁16の開口度、およびポンプ18の起動・停止は、カフ制御部20が制御する。カフ制御部20は主制御部30の制御に従って動作する。
本実施形態では、説明及び理解を容易にするため、血圧計150にカフ10が1つ接続される構成を示しているが、カフ10が複数接続されてもよい。カフ10が複数接続される場合、エアコネクタ24、圧力センサ12、定排弁14、急排弁16、およびポンプ18については原則としてカフ10と同数設ける。一方、カフ制御部20、ADコンバータ22については必ずしもカフ10と同数設ける必要はない。
ADコンバータ22でデジタルデータ化されたセンサ出力信号は、脈波信号抽出フィルタ50および圧力信号抽出フィルタ51に供給される。
脈波信号抽出フィルタ50は、センサ出力信号から容積脈波信号成分(以下、単に脈波信号成分という)を抽出し、脈波信号として主制御部30に出力する。
圧力信号抽出フィルタ51は、センサ出力信号からポンプノイズ成分や脈波信号成分を除去し、圧力信号として主制御部30に出力する。
これらのフィルタはいずれも抽出する信号成分の帯域を通過させ、他の帯域を遮断もしくは大幅に減衰させる周波数特性を有するフィルタによって実現できる。例えば、脈波信号抽出フィルタ50は一般的な脈拍の周波数を通過する帯域通過フィルタにより実現することが可能である。なお、上腕や足首など四肢の部位で計測される脈波と、足趾で計測される脈波とでは周波数帯域が異なる。そのため、計測部位(カフ10の装着部位)に応じた周波数特性の帯域通過フィルタを切り替え可能に備えたり、フィルタの周波数特性を計測部位に応じて変更可能に構成したりすることができる。
圧力信号抽出フィルタ51は、センサ出力信号からポンプノイズ成分や脈波信号成分といったAC成分を除去するローパスフィルタによって構成することができる。
主制御部30は例えば1つ以上のプログラマブルプロセッサ(MPU)とメモリとを備え、メモリに記憶されたプログラムをMPUで実行して血圧計150の各部の動作を制御することにより、血圧計150の機能を実現する。メモリには、プログラムの実行に用いる情報(各種の定数や設定値など)も記憶されてよい。なお、図1では脈波信号抽出フィルタ50および圧力信号抽出フィルタ51を主制御部30と別個の構成として記載しているが、主制御部30のMPUによってプログラムを実行することでこれらフィルタの機能を実現してもよい。
主制御部30は、脈波信号および圧力信号を取得し、圧力信号に基づいて、カフ制御部20を通じたポンプ18、定排弁14および急排弁16の動作を制御する。また、主制御部30は、脈波信号の振幅が特定の条件を満たした際の圧力信号の値に基づいて血圧値(収縮期血圧、平均血圧、および拡張期血圧)を決定する。
また、主制御部30は、計測中に取得した脈波信号の品質を1拍ごとに判定し、判定結果に応じた表示および/または動作を行う。脈波信号の品質判定動作、および品質判定結果に応じた表示動作の詳細に関しては後述する。
操作部60は、例えばキー、スイッチ、ボタンなどであり、ユーザからの指示や設定などを受け付ける。例えば電源ボタン/スイッチ、血圧計測の開始を指示するためのスイッチ/ボタンや、実行中の血圧計測の中止を指示するためのスイッチ/ボタンなどが含まれる。なお、表示部70がタッチパネルを有する場合、表示部70におけるGUI表示とタッチパネルとの組み合わせもまた操作部60の一部を構成する。操作部60の操作は主制御部30が監視しており、主制御部30は検出された操作に応じた動作を実行する。
表示部70は例えばLCDのようなドットマトリックス形式のディスプレイやLEDランプなどから構成され、主制御部30の制御に従って血圧計150の動作状態や計測結果、ガイダンスなどを表示する。なお、血圧計150は、表示部70に代えて、あるいは表示部70に加えて、スピーカやプリンタといった他の出力装置を備えてもよい。
記憶部80は計測データに関する情報(被検者の情報など)や計測データなどを記憶する記憶装置であり、例えば不揮発性メモリであってよい。記憶部80はメモリカードのような、血圧計150から取り外し可能な記録媒体を用いる構成であってもよい。なお、主制御部30のMPUが実行するプログラムやプログラムの実行に用いる情報のうち、少なくとも一部が記憶部80に記憶されてもよい。
外部インタフェース(I/F)90は、例えば計測した血圧値を用いる外部装置を血圧計150に接続するための有線および/または無線通信インタフェースである。血圧計150は、外部インタフェース(I/F)90を通じて外部装置と通信することができる。また、外部インタフェース(I/F)90を通じて外部装置から電源の供給を受けてもよい。
●(血圧計の動作)
図2は、本実施形態の血圧計150の血圧計測処理について説明するためのフローチャートである。例えば操作部60のスタートボタン等の押下により血圧測定動作の開始が指示されると、S101で主制御部30は、カフ制御部20に、カフ10への給気を開始するよう指示する。
カフ制御部20はこの指示に応答してポンプ18を動作させる。これにより、エアバッグ11への給気が開始される。なお、給気中、カフ制御部20は、定排弁14および急排弁16をいずれも全閉の状態に制御する。圧力センサ12が出力するセンサ出力信号は、エアバッグ11の静的な内圧(カフ圧)を表す信号に、カフ10の装着部位の脈による圧力変動(容積脈波成分)およびポンプ18の動作ノイズ(ポンプノイズ成分)などが重畳した電気信号である。
センサ出力信号はADコンバータ22によってデジタルデータ化された後、脈波信号抽出フィルタ50および圧力信号抽出フィルタ51に供給される。脈波信号抽出フィルタ50は、センサ出力信号から抽出した脈波信号成分を脈波信号として主制御部30に供給する。圧力信号抽出フィルタ51は、センサ出力信号からポンプノイズ成分および脈波信号成分を除去した信号を圧力信号として主制御部30に供給する。
S103で主制御部30は、圧力信号が表すカフ圧が予め定められた目標値に達したか否か判定し、達したと判定されればS105へ、達したと判定されなければS121へ、それぞれ処理を進める。
S121で主制御部30は、異常を検知したか否か判定し、検知したと判定されなければ処理をS103へ戻して給気を継続し、検知したと判定されれば処理をS123へ進める。例えば主制御部30は、給気を開始してからの経過時間が閾値を超える場合や、センサ出力信号の振幅が閾値未満である場合など、カフ10の加圧が正常に行われていないか、回路部品に異常があると判定される場合や、操作部60から計測の中止が指示された場合などに、異常を検知したと判定することができる。
S123で主制御部30は血圧計測を強制終了させる。
具体的には、主制御部30はカフ制御部20に、
・ポンプ18の動作停止(給気停止)
・定排弁14および急排弁16の全開
を指示する。
S125でカフ制御部20は、主制御部30の指示に従ってポンプ18の動作を停止させるとともに定排弁14および急排弁16を全開状態にする。
S127で主制御部30は、例えば表示部70にメッセージを表示したり、アラーム音を出力したりして、装置異常を報知し、血圧計測処理を終了する。なお、主制御部30はS123でカフ制御部20への指示を行った後、カフ制御部20の動作完了を待たずに処理をS127に進めてもよい。
一方、S103でカフ圧が目標値に達していると判定された場合、S105で主制御部30は、カフ制御部20に給気停止を指示する。あるいは、S103で圧力信号が表すカフ圧が予め定められた目標値に達したと判定されなくても、脈波信号が一定時間継続して消失したことが確認された時点で処理をS105に進めてもよい。カフ制御部20は、給気停止の指示に応答してポンプ18の動作(給気)を停止させる。
次いで主制御部30は、脈波品質判定処理および血圧決定処理を開始する。血圧決定処理は公知のオシロメトリック法に基づく方法で実行することができる。実行可能な一例について説明すると、まずS107で主制御部30は、カフ制御部20に対し、減圧率の予め定めた目標値(例えば5mmHg/秒)に対応する開口度で定排弁14を開くように指示する。カフ制御部20が指示に応じた開口度(流量)で定排弁14を開くと、排気とともにカフ10のエアバッグ11の内圧が減少し始める。
なお、定排弁14を開く際の初期開口度がカフ制御部20に予め設定されている場合、S107において主制御部30は、開口度を指定することなしに、単に定排弁14を開くようにカフ制御部20に指示してもよい。
主制御部30は定排弁14を開くようカフ制御部20に指示すると、脈波信号および圧力信号に基づいて血圧値の決定処理を開始する。主制御部30は、例えば脈波信号の振幅が最大になった時点より前および後において、脈波信号の振幅が最大振幅の所定割合に該当する時点の圧力信号が示す圧力値を収縮期血圧および拡張期血圧として決定することができる。あるいは、主制御部30は、脈波信号の振幅に有意な変化が生じた時点の圧力信号が示す圧力値を収縮期血圧および拡張期血圧として決定することができる。なお、減圧中には暫定的な血圧値を決定し、減圧処理が終了してから最終的な血圧値を決定してもよい。
S109で主制御部30は、血圧決定処理を実行しながら圧力信号を監視し、減圧率が目標範囲内か否かを判定する。具体的には主制御部30は、現在のカフ圧が、定排弁14を開いてからの経過時間と目標減圧率から求まる現時点の目標値±許容誤差の目標範囲内にあるか否かを判定する。
主制御部30は、減圧率が目標範囲内にあると判定されれば、処理をS111に進め、血圧決定処理が終了したかどうかを判定する。主制御部30は血圧決定処理が終了したと判定されれば処理をS113に進め、血圧決定処理が終了したと判定されなければ処理をS109に戻す。上述の通り、血圧決定処理では暫定的な血圧値を決定してもよい。
S113で主制御部30はカフ制御部20に対して定排弁14および急排弁16の両方を全開の状態にするように指示する。これに応答してカフ制御部20は、定排弁14および急排弁16を全開の状態に制御する。
S121で主制御部30は減圧中もしくはS113以降に決定した血圧値などの計測値と、血圧値の信頼性および計測中に得られた脈波の品質判定結果に関する情報を提示し、血圧計測処理を終了する。情報の提示は例えば表示部70に対する表示であってもよいし、音声による報知であってもよいし、それらの組み合わせであってもよい。ここでは表示部70に対する表示とする。
一方、S109において減圧率が目標範囲内と判定されない場合、主制御部30は、S115~S119で定排弁14の開口度を調整する。具体的には、S115で主制御部30は、現在のカフ圧が目標範囲よりも低いか否かを判定し、低いと判定されればS119へ、低いと判定されなければS117へ処理を進める。
S119で主制御部30は、排気流量を多くするため、カフ制御部20に定排弁14の開口度を増加するように指示し、処理をS109に戻す。また、S117で主制御部30は、排気流量を少なくするため、カフ制御部20に定排弁14の開口度を減少するように指示し、処理をS109に戻す。カフ制御部20は、主制御部30からの指示に従い、定排弁14の開口度を予め定められた割合だけ増加もしくは減少させる。
(脈波品質判定処理)
次に、S108で開始する脈波品質判定処理に関して、図3のフローチャートを用いて説明する。脈波品質判定処理は、計測によって得られた脈波の品質を判定することにより、脈波に基づいて決定される血圧値の信頼性に関する情報を提供するための処理である。
S201で主制御部30は、脈波信号を記憶部80のバッファ領域に記憶する。バッファ領域に所定拍数(もしくは所定時間)分の脈波信号が蓄積されると、主制御部30は現拍の脈波信号に対する品質を判定するため、S203以降の処理を実行する。本実施形態では、現拍(判定対象)の脈波信号の品質を、判定対象の脈波信号よりも前および後の1つ以上の拍の脈波信号を用いて判定する。したがって、バッファ領域に蓄積する拍数は、品質判定処理に現拍よりどれくらい前および後の拍の脈波信号を用いるかによって定めることができる。
S203で主制御部30は、現拍と、品質判定に用いる他の拍とのそれぞれについて、品質判定の評価値として、特徴点の間隔および振幅の少なくとも一方を算出する。以下では、両方を算出する場合について説明するが、いずれか一方のみを算出してもよい。ここで主制御部30は、特徴点の間隔を、対象の拍とその直前の拍の特徴点の間隔として算出する。従って、現拍を0拍、1つ前の拍を-1拍、1つ後の拍を+1拍とすると、現拍についての特徴点の間隔は、0拍の脈波信号の特徴点と、-1拍の脈波信号の特徴点との間隔である。特徴点は例えば最大または最小値であってよい。なお、特徴点の間隔は、サンプル数もしくは時間(サンプル数×サンプリング周期)として求めることができる。また、振幅は、例えば最大値と最小値の差として求めることができる。
S205で主制御部30は、S203で算出した現拍の脈波信号についての評価値(特徴点の間隔および振幅)が正常範囲に含まれるか否かを判定する。ここで、正常範囲は、現拍以外の拍について算出された評価値に基づいて決定される。例えば、S203で現拍より前の拍および後の拍について算出した評価値の平均値を基準として予め定められた範囲(例えば基準値±x%)を正常範囲として用いることができる。特徴点の間隔と振幅とでは異なる正常範囲を用いてもよい。特に振幅に関しては呼吸による変動も生じうるため、特徴点の間隔よりも正常範囲を広く(上述のxを大きく)することができる。基準値の決定方法や、基準値に対して正常範囲をどのように定めるかについては、血圧計150の特性(例えば用いている圧力センサ12の特性など)に応じて適宜定めることができる。
主制御部30は、現拍についての評価値がいずれも正常範囲に含まれていると判定されれば、S207に処理を進め、現拍の脈波信号の品質が正常(良好)であると判定する。一方、主制御部30は、現拍についての評価値の1つ以上が正常範囲に含まれていないと判定されれば、S215に処理を進め、現拍の脈波信号の品質が異常(不良)であると判定する。なお、ここでは説明および理解を容易にするため、品質を2段階に判定するものとしたが、3段階以上に判定してもよい。この場合、正常範囲を段階的(例えば優/良/可)に定めておき、主制御部30が、現拍の評価値がどの段階の正常範囲に該当するかを判定するように構成すればよい。
S208で主制御部30は、現拍の脈波信号について判定された品質を表示部70に表示させてもよい。この表示は必須ではなく、表示を行うか否かは例えばユーザ設定可能であってよい。例えば主制御部30は、品質が正常(良好)と判定されれば緑、異常(不良)と判定されれば赤のマークを表示もしくはLED等を点灯させることができる。正常範囲が複数の段階に分割されている場合には、該当する段階に応じて表示色を異ならせることもできる。この表示は計測中に順次更新されるため、計測中、品質異常に該当する表示が1回もなされなければ血圧値の信頼性も高いであろうという指標を技師に与えることができる。なお、2次元表示可能であれば、過去の拍についての判定結果も合わせて時系列表示することで、判定結果の経時変化などを計測中に把握することを可能にできる。
S209で主制御部30は、S207またはS215での判定結果を示す値を、現拍を特定する情報(例えば計測開始時からの拍数)と関連づけて記憶部80に記憶する。
S211で主制御部30は、脈波の評価値および/または品質判定結果が予め定められた異常条件に合致するか否かを判定し、合致すると判定されればS217に、合致すると判定されなければS213に処理を進める。ここで、異常条件とは、このまま計測を続けても信頼できる血圧値が決定できないと判定される条件であり、予め定められて記憶部80に記憶されている。
異常条件は基本的に計測開始から得られた複数拍分の脈波信号についての評価値および/または品質判定結果に対して定めることができる。例えば、連続する所定拍数にわたって振幅が正常範囲に含まれない場合や、圧力値が明らかに異常であると判定される場合などを異常条件として定めておくことができる。
S217で主制御部30は、計測異常時の処理を開始し、処理をS213に進める。計測異常時の処理は、計測処理と並列に実行される。詳細については後述する。
S213で主制御部30は、S111と同様に、血圧決定処理が終了したかどうかを判定する。主制御部30は血圧決定処理が終了したと判定されれば処理をS215に進め、血圧決定処理が終了したと判定されなければ処理をS201に戻し、計測された脈波信号に対する品質判定処理を継続する。
S215で主制御部30は、血圧決定処理で決定された血圧値の信頼性を、記憶部80に記憶された、脈波信号の品質判定結果に基づいて判定する。主制御部30は例えば、計測期間中に得られた脈波信号の総拍数に対する、品質が不良と判定された脈波信号の拍の数または割合に基づいて、血圧値の信頼性を判定することができる。
主制御部30は例えば、品質が不良と判定された脈波信号の拍の数または割合が、予め定められた閾値を超える場合には、再計測が望ましい程度に血圧値の信頼性が低いと判定し、閾値以下であれば血圧値の信頼性が低くないと判定することができる。あるいは、主制御部30は例えば、品質が不良と判定された脈波信号の拍の数または割合を、大きさの異なる複数の閾値と比較して、血圧値の信頼性を3段階以上に判定してもよい。主制御部30は例えば、品質が不良と判定された脈波信号の拍の数または割合が最も大きな第1の閾値を超える場合には再計測が望ましく、第1の閾値以下、第2の閾値超の場合には信頼性がやや低く、第2の閾値以下の場合には信頼性が高いと判定することができる。
上述したS121において主制御部30は、決定した血圧値を表示部70に表示する際、S215で判定した血圧値の信頼性についても併せて表示する。表示方法に特に制限は無いが、信頼性を高い方から低い方に、○、△、×といった記号で表示したり、緑色、黄色、赤色のマークで表示したり、高、中、低といった文字で表示したりすることができる。また、脈波の品質判定結果については、例えば図4に模式的に示すように、計測期間中に得られた脈波信号を、品質が不良と判定された拍の脈波にマーク(ここでは×)を付加して時系列表示することができる。なお、図4は、脈波の特徴点としてピーク(最大値)を用いた場合の例を示している。また、計測された総拍数と、品質が不良と判定された拍の数および/または割合とを併せて表示してもよい。
このように、本実施形態の血圧計150によれば、技師によって差が生じうる経験、技量、判断基準などに依存しない、客観的な基準に基づいて判定された、血圧値の信頼性に関する情報を提供することができる。そのため、再計測が望ましい場合を見過ごす可能性が従来よりも減少し、有用な血圧値を安定して計測することが可能になる。また、血圧値の信頼性の判定の元となる脈波信号の品質判定結果についても併せて表示するように構成すれば、脈波信号の判読に習熟した技師が、血圧値の信頼性をより精度良く判定できるようになる。
次に、S217で開始する計測異常時処理について図3を用いて説明する。
S221で主制御部30は、表示部70に計測異常を示すメッセージやウィンドウなどを表示させる、および/または警告音を発生させるなどにより、計測異常をユーザ(技師)に報知する。本実施形態では、計測異常の報知に対してユーザが再計測の開始を指示できるよう、再計測ボタン(GUI)を含んだメッセージやウィンドウを表示する。あるいは、血圧計150の操作部60が物理的な再計測ボタンを有している場合には、再計測ボタン自体または近傍のLEDなどを点灯もしくは点滅させるように構成してもよい。
S223で主制御部30は、ユーザから再計測指示があったか否かを判定し、再計測指示があったと判定されればS225へ処理を進める。一方、再計測しない(計測継続)旨の指示があったと判定された場合、主制御部30は計測異常時処理を終了する。
S225で主制御部30は、S123およびS125で説明したように計測処理を強制終了させたのち、S101から処理をやり直すことにより、再計測を開始する。
このように、本実施形態では、正常な血圧が決定できないと思われる条件に合致した場合、計測中にユーザに報知し、直ちに再計測を開始できるようにした。そのため、無駄に計測を継続することを抑制でき、被検者の負担を軽減するとともに、計測に要する時間を短縮することが可能である。
なお、ここでは再計測の開始に当たってユーザの明示的な指示を必要とする構成について説明したが、ユーザの指示なしで自動的に再計測を実行するように構成してもよい。
以上説明したように本実施形態によれば、カフを通じて得られる脈波に基づいて血圧を計測する血圧計において、計測中に得られた脈波の品質に基づいて血圧値の信頼性を判定し、判定結果を提示するようにした。判定は客観的な基準に基づくため、技師の経験や技量に依存しない。そのため、再計測が望ましい、信頼性が低い血圧値を技師が見過ごす可能性が従来よりも減少し、有用な血圧値を安定して計測することが可能になる。
(他の実施形態)
加圧や減圧を自動制御で行う自動血圧計に本発明を適用した実施形態について説明したが、例えば自動血圧計において加圧や減圧を手動で制御する場合や、加圧や減圧を手動で行う血圧計に対しても本発明は適用可能である。
なお、図2および図3を用いて説明した、本発明に係る血圧計の動作は、主制御部30が有する1つ以上のプログラマブルプロセッサ(コンピュータ)に、上述した動作を実行させるプログラム(アプリケーションソフトウェア)として実現することもできる。従って、このようなプログラムおよび、プログラムを格納した記憶媒体(CD-ROM、DVD-ROM等の光学記録媒体や、磁気ディスクのような磁気記録媒体、半導体メモリカードなど)もまた本発明を構成する。さらに、このようなプログラムを実行可能なコンピュータ機器(パーソナルコンピュータ、タブレット端末、スマートフォンなど)もまた実施形態に係る血圧計の少なくとも主制御部30を実現できる。
10…カフ、11…エアバッグ、12…圧力センサ、14…定排弁、16…急排弁、18…ポンプ、20…カフ制御部、22…ADコンバータ、30…主制御部、50…脈波抽出フィルタ、51…圧力抽出フィルタ、150…血圧計

Claims (9)

  1. 被検者に装着したカフを通じて得られる脈波に基づいて血圧を計測する血圧計であって、
    前記脈波の品質に基づいて、計測される血圧の信頼性を判定する判定手段と、
    前記判定の結果を提示する提示手段と、
    を有し、
    前記判定手段は、
    1拍の脈波ごとに、
    1つ前の拍の脈波との特徴点の間隔を評価値として求め、
    前記評価値が正常範囲に含まれるか否かを、他の複数の拍について求められた前記評価値に基づいて判定することにより、脈波信号の品質を判定し、
    計測された血圧の信頼性を、計測期間中に複数拍について判定された脈波信号の品質に基づいて判定することを特徴とする血圧計。
  2. 前記判定手段は、計測中に得られた脈波のうち、前記品質が不良と判定された拍の数または割合に基づいて前記血圧の信頼性を判定することを特徴とする請求項に記載の血圧計。
  3. 前記判定手段は、判定対象の拍についての評価値と、該拍よりも前および後の拍についての評価値とに基づいて、前記判定対象の拍の脈波の品質を判定することを特徴とする請求項1または2に記載の血圧計。
  4. 前記判定手段は、前記判定対象の評価値が、前記前および後の拍の脈波についての評価値から定まる範囲に含まれない場合に、前記判定対象の拍の脈波の品質が不良と判定することを特徴とする請求項に記載の血圧計。
  5. 前記判定手段は、前記血圧の信頼性を複数の段階に判定することを特徴とする請求項から4のいずれか1項に記載の血圧計。
  6. 前記判定手段は、前記評価値としてさらに前記脈波の振幅を求め、前記特徴点の間隔および前記脈波の振幅の両方が正常範囲に含まれると判定された拍の脈波信号の品質を正常と判定することを特徴とする請求項からのいずれか1項に記載の血圧計。
  7. 前記提示手段はさらに、前記血圧の計測中に得られた前記脈波を、前記品質の判定結果とともに表示することを特徴とする請求項からのいずれか1項に記載の血圧計。
  8. 被検者に装着したカフを通じて得られる脈波に基づいて血圧を計測する血圧計の制御方法であって、
    前記脈波の品質に基づいて、計測される血圧の信頼性を判定する判定工程と、
    前記判定の結果を提示する提示工程と、
    を有し、
    前記判定工程は、
    1拍の脈波ごとに、
    1つ前の拍の脈波との特徴点の間隔を評価値として求めることと、
    前記評価値が正常範囲に含まれるか否かを、他の複数の拍について求められた前記評価値に基づいて判定することにより、脈波信号の品質を判定することと、
    計測された血圧の信頼性を、計測期間中に複数拍について判定された脈波信号の品質に基づいて判定することと、
    を有することを特徴とする血圧計の制御方法。
  9. コンピュータを、請求項1からのいずれか1項に記載の血圧計の各手段として機能させるためのプログラム。
JP2017246052A 2017-12-22 2017-12-22 血圧計およびその制御方法 Active JP7043247B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017246052A JP7043247B2 (ja) 2017-12-22 2017-12-22 血圧計およびその制御方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017246052A JP7043247B2 (ja) 2017-12-22 2017-12-22 血圧計およびその制御方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019111036A JP2019111036A (ja) 2019-07-11
JP7043247B2 true JP7043247B2 (ja) 2022-03-29

Family

ID=67223139

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017246052A Active JP7043247B2 (ja) 2017-12-22 2017-12-22 血圧計およびその制御方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7043247B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112494025B (zh) * 2020-12-16 2022-12-20 深圳市维亿魄科技有限公司 一种袖带加压的方法和装置
CN116952635B (zh) * 2023-09-14 2023-12-26 江苏筑一智能装备科技有限公司 血压计检测设备
CN117100240B (zh) * 2023-10-23 2024-03-29 广州逆熵电子科技有限公司 一种基于机器视觉的全自动血压模拟测试方法及装置

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009261419A (ja) 2008-04-21 2009-11-12 Denso Corp 生体状態推定装置及びプログラム並びに記録媒体
JP2010088575A (ja) 2008-10-06 2010-04-22 Omron Healthcare Co Ltd 血圧情報表示装置、血圧情報表示システム、血圧情報表示方法および血圧情報表示プログラム
JP2010162282A (ja) 2009-01-19 2010-07-29 Denso Corp 生体状態評価装置、生体状態評価システム、プログラム、及び記録媒体

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5498088U (ja) * 1977-12-22 1979-07-11
JP2551669B2 (ja) * 1989-10-09 1996-11-06 テルモ株式会社 電子血圧計
JP3462253B2 (ja) * 1994-03-01 2003-11-05 日本コーリン株式会社 血圧測定装置

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009261419A (ja) 2008-04-21 2009-11-12 Denso Corp 生体状態推定装置及びプログラム並びに記録媒体
JP2010088575A (ja) 2008-10-06 2010-04-22 Omron Healthcare Co Ltd 血圧情報表示装置、血圧情報表示システム、血圧情報表示方法および血圧情報表示プログラム
JP2010162282A (ja) 2009-01-19 2010-07-29 Denso Corp 生体状態評価装置、生体状態評価システム、プログラム、及び記録媒体

Also Published As

Publication number Publication date
JP2019111036A (ja) 2019-07-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6687263B2 (ja) 生体情報分析装置、システム、プログラム、及び、生体情報分析方法
RU2719952C2 (ru) Приборы для неинвазивного мониторинга кровяного давления, способы и компьютерный программный продукт для работы с ними
JP4702216B2 (ja) 電子血圧計およびその制御方法
US9131859B2 (en) Blood pressure measurement apparatus, recording medium that records blood pressure derivation program, and blood pressure derivation method
US8764670B2 (en) Blood pressure information measurement device
US8764669B2 (en) Blood pressure information display device, blood pressure information display system, blood pressure information display method, and recording medium recorded with blood pressure information display program
EP0014720B1 (en) Sphygmomanometer
JP7043247B2 (ja) 血圧計およびその制御方法
JP4213188B2 (ja) 電子血圧計
JPH02307427A (ja) 電子血圧計
JP6522327B2 (ja) 脈波解析装置
EP3773157A1 (en) Apparatus for use with a wearable cuff
KR20100126128A (ko) 저가압 혈압 측정 장치 및 방법
JP6831382B2 (ja) 血圧測定の信頼性を評価する方法およびこれを実装する装置
EP3225160B1 (en) Measurement device and method for measuring emotional stress indicator and blood pressure
JP7327816B2 (ja) 脈波信号の解析装置、脈波信号の解析方法およびコンピュータプログラム
US9351689B2 (en) Sphygmomanometer having function of calculating risk degree of circulatory system disease
JP6807689B2 (ja) カフ圧制御装置およびその制御方法、並びに生体情報計測装置
JP2010167181A (ja) 電子血圧計、情報処理装置、測定管理システム、測定管理プログラム、および測定管理方法
JPH0245033A (ja) 血圧モニタ装置
WO2024053164A1 (ja) 血圧計、および血圧測定方法
WO2024053166A1 (ja) 血圧計
JP7024576B2 (ja) 電子血圧計および心不全検出器
JP5366537B2 (ja) 血圧計
JP5192934B2 (ja) 自動血圧監視装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20201203

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20210308

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20211004

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20211011

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20211210

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220214

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220316

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7043247

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150