JP7042957B1 - 紫外線硬化型インクジェット印刷用インク組成物 - Google Patents

紫外線硬化型インクジェット印刷用インク組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】たとえばラベル用基材(コート紙、PEなど)に印刷される場合において、優れた屈曲性および画質を両立し得る紫外線硬化型インクジェット印刷用インク組成物を提供する。【解決手段】重合成分と、光重合開始剤とを含み、重合成分は、(A)多官能アミン変性オリゴマーと、(B)窒素含有モノマーと、(C)芳香環含有モノマーと、(D)多官能モノマーと、を含み、(A)多官能アミン変性オリゴマーは、分子内に2個の光重合性官能基と2個のアミノ基とを有するアクリル化アミン化合物を含み、(B)窒素含有モノマーは、アクロイルモルホリンまたはビニルカプロラクタムのうち少なくともいずれか1種を含み、(C)芳香環含有モノマーは、ベンジルアクリレートおよびフェノキシエチルアクリレートを含み、(D)多官能モノマーは、ジプロピレングリコールジアクリレート、1,6-ヘキサンジオールジアクリレートまたはエトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレートのうち少なくともいずれか1種を含み、(A)多官能アミン変性オリゴマーの含有量は、0.8~11.0質量であり、(C)芳香環含有モノマーの含有量は、32.0~75.0質量%であり、(D)多官能モノマーの含有量は、1.5~14.0質量%である、紫外線硬化型インクジェット印刷用インク組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、紫外線硬化型インクジェット印刷用インク組成物に関する。より詳細には、本発明は、たとえばラベル用基材(コート紙、PEなど)に印刷される場合において、優れた屈曲性および画質を両立し得る紫外線硬化型インクジェット印刷用インク組成物に関する。
従来、紫外線硬化型インクは、乾燥が速く、揮発性溶剤を含まず、種々の基材に印刷し得るため、インクジェット印刷等の分野で利用されている(たとえば特許文献1)。インクジェット印刷は、簡便・安価に画像を作成することができるため、通常の印刷から特殊印刷までの様々な分野に応用されている。また、印字後に延伸や曲げ加工される様々な基材にも印刷できるインクジェット印刷用インク組成物が求められている。
国際公開第2017/134962号
特許文献1に記載のインク組成物は、たとえばラベル用基材(コート紙、PEなど)に印刷される場合において、屈曲性および画質に改善の余地がある。
本発明は、このような従来の課題に鑑みてなされたものであり、たとえばラベル用基材(コート紙、PEなど)に印刷される場合において、優れた屈曲性および画質を両立し得る紫外線硬化型インクジェット印刷用インク組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、重合成分として、特定の多官能アミン変性オリゴマー、窒素含有モノマー、芳香環含有モノマー、および、多官能モノマーを採用することにより、上記課題を同時に解決し得ることを見出し、本発明を完成させた。上記課題を解決する本発明は、以下の構成を主に備える。
(1)重合成分と、光重合開始剤とを含み、前記重合成分は、(A)多官能アミン変性オリゴマーと、(B)窒素含有モノマーと、(C)芳香環含有モノマーと、(D)多官能モノマーと、を含み、前記(A)多官能アミン変性オリゴマーは、分子内に2個の光重合性官能基と2個のアミノ基とを有するアクリル化アミン化合物を含み、前記(B)窒素含有モノマーは、アクロイルモルホリンまたはビニルカプロラクタムのうち少なくともいずれか1種を含み、前記(C)芳香環含有モノマーは、ベンジルアクリレートおよびフェノキシエチルアクリレートを含み、前記(D)多官能モノマーは、ジプロピレングリコールジアクリレート、1,6-ヘキサンジオールジアクリレートまたはエトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレートのうち少なくともいずれか1種を含み、前記(A)多官能アミン変性オリゴマーの含有量は、0.8~11.0質量であり、前記(C)芳香環含有モノマーの含有量は、32.0~75.0質量%であり、前記(D)多官能モノマーの含有量は、1.5~14.0質量%である、紫外線硬化型インクジェット印刷用インク組成物。
このような構成によれば、紫外線硬化型インクジェット印刷用インク組成物は、たとえばラベル用基材(コート紙、PEなど)に印刷される場合において、優れた屈曲性および画質を両立し得る。
(2)前記(B)窒素含有モノマーは、10.0質量%~33.0質量%である、(1)記載の紫外線硬化型インクジェット印刷用インク組成物。
このような構成によれば、紫外線硬化型インクジェット印刷用インク組成物は、硬化性が良好になる。
本発明によれば、たとえばラベル用基材(コート紙、PEなど)に印刷される場合において、優れた屈曲性および画質を両立し得る紫外線硬化型インクジェット印刷用インク組成物を提供することができる。
<紫外線硬化型インクジェット印刷用インク組成物>
本発明の一実施形態の紫外線硬化型インクジェット印刷用インク組成物(以下、インク組成物ともいう)は、重合成分と、光重合開始剤とを含む。重合成分は、(A)多官能アミン変性オリゴマーと、(B)窒素含有モノマーと、(C)芳香環含有モノマーと、(D)多官能モノマーと、を含む。(A)多官能アミン変性オリゴマーは、分子内に2個の光重合性官能基と2個のアミノ基とを有するアクリル化アミン化合物を含む。(B)窒素含有モノマーは、アクロイルモルホリンまたはビニルカプロラクタムのうち少なくともいずれか1種を含む。(C)芳香環含有モノマーは、ベンジルアクリレートおよびフェノキシエチルアクリレートを含む。(D)多官能モノマーは、ジプロピレングリコールジアクリレート、1,6-ヘキサンジオールジアクリレートまたはエトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレートのうち少なくともいずれか1種を含む。(A)多官能アミン変性オリゴマーの含有量は、0.8~11.0質量である。(C)芳香環含有モノマーの含有量は、32.0~75.0質量%である。(D)多官能モノマーの含有量は、1.5~14.0質量%である。以下、それぞれについて説明する。
((A)多官能アミン変性オリゴマー)
(A)多官能アミン変性オリゴマーは、重合成分として含まれ、分子内に2個の光重合性官能基と2個のアミノ基とを有するアクリル化アミン化合物を含む。
分子内に2個の光重合性官能基と2個のアミノ基とを有するアクリル化アミン化合物は特に限定されない。一例を挙げると、アクリル化アミン化合物における光重合性官能基は、可視光または紫外線や電子線等の電離放射線を含む不可視光により重合反応し、分子間に架橋結合を形成し得る官能基が挙げられる。また、光重合性官能基は、光照射により直接活性化して光重合反応する狭義の光重合性官能基、光重合性官能基と光重合開始剤とを共存させて光照射した時に光重合開始剤から発生した活性種の作用により重合反応が開始、促進される広義の光重合性官能基のいずれも含まれる。
光重合性官能基は、エチレン性二重結合等の光ラジカル重合反応性を有するもの、エポキシ基等の環状エーテル基等の光カチオン重合および光アニオン重合反応性を有するもの等である。これらの中でも、光重合性官能基は、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基等のエチレン性二重結合であることが好ましく、(メタ)アクリロイル基であることがより好ましい。分子内に2個の光重合性官能基と2個のアミノ基とを有するアクリル化アミン化合物は、2個の光重合性官能基が共に(メタ)アクリロイル基であり、また、アミン価が130~142mgKOH/gであることが好ましい。なお、本実施形態において、アミン価は固形分1gあたりのアミン価を意味し、0.1Nの塩酸水溶液を用い、電位差滴定法(たとえば、COMTITE(AUTO TITRATOR COM-900、BURET B-900、TITSTATIONK-900)、平沼産業(株)製)によって測定した後、水酸化カリウムの当量に換算した値である。
分子内に2個の光重合性官能基と2個のアミノ基とを有するアクリル化アミン化合物は、2官能(メタ)アクリレートとアミン化合物とを反応させて得られるアクリル化アミン化合物であることが好ましい。2官能(メタ)アクリレートは、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3-ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等のアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFのエチレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールSのエチレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート、チオビスフェノールのエチレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート、臭素化ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート等のビスフェノールアルキレンオキシド付加物ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等のポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルのジ(メタ)アクリレート等である。これらの中でも、2官能(メタ)アクリレートは、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレートであることが好ましい。
アミン化合物は、ベンジルアミン、フェネチルアミン、エチルアミン、n-プロピルアミン、イソプロピルアミン、n-ブチルアミン、イソブチルアミン、n-ペンチルアミン、イソペンチルアミン、n-ヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、n-ヘプチルアミン、n-オクチルアミン、2-エチルヘキシルアミン、n-ノニルアミン、n-デシルアミン、n-ドデシルアミン、n-テトラデシルアミン、n-ヘキサデシルアミン、n-オクタデシルアミン等の単官能アミン化合物、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、1,6-ヘキサメチレンジアミン、1,8-オクタメチレンジアミン、1,12-ドデカメチレンジアミン、o-フェニレンジアミン、p-フェニレンジアミン、m-フェニレンジアミン、o-キシリレンジアミン、p-キシリレンジアミン、m-キシリレンジアミン、メンタンジアミン、ビス(4-アミノ-3-メチルシクロヘキシルノメタン、イソフォロンジアミン、1,3-ジアミノシクロヘキサン、スピロアセタール系ジアミン等の多官能アミン化合物等である。また、アミン化合物は、ポリエチレンイミン、ポリビニルアミン、ポリアリルアミン等の高分子量タイプの多官能アミン化合物であってもよい。
上記アクリル化アミン化合物は、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレートとアミン化合物とを反応させて得られる化合物であることが好ましい。具体的には、アクリル化アミン化合物は、CN371(サートマー社製)、EB7100(EBECRYL 7100、サイテック社製)、Agi008(DSM社製)等である。
(A)成分の含有量は、インク組成物中、0.8質量%以上であることが好ましく、1.0質量%以上であることがより好ましい。また、(A)成分の含有量は、インク組成物中、11.0質量%以下であることが好ましく、10.0質量%以下であることが好ましい。(A)成分の含有量が上記範囲内であることにより、インク組成物は、硬化性が優れ、かつ、保存安定性および吐出安定性が優れる。
((B)窒素含有モノマー)
(B)窒素含有モノマーは、重合成分として含まれ、アクロイルモルホリンまたはビニルカプロラクタムのうち少なくともいずれか1種を含む。好ましくは、硬化性および画質が優れる点から、アクロイルモルホリンおよびビニルカプロラクタムの両方を使用することが好ましい。
(B)成分の含有量は、インク組成物中、10.0質量%以上であることが好ましく、12.0質量%以上であることがより好ましい。また、(B)成分の含有量は、インク組成物中、33.0質量%以下であることが好ましく、31.0質量%以下であることがより好ましい。(B)成分の含有量が上記範囲内であることにより、インク組成物は、優れた硬化性および耐擦過性を示す。
なお、(B)成分は、アクロイルモルホリンおよびビニルカプロラクタム以外のその他の窒素含有モノマーが含まれていてもよい。このようなその他の窒素含有モノマーは、アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、N-メトキシメチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド等のアクリルアミド、N-ビニルカルバゾール、N-ビニルアセトアミド、N-ビニルピロリドン、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジエチル(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシメチル(メタ)アクリルジアミド、ジ(2-ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、ジ(3-ヒドロキシプロピル)(メタ)アクリルアミド、ジ(4-ヒドロキシブチル)(メタ)アクリルアミド等のN-アルキロール(C1~5)(メタ)アクリルアミド、およびこれらN-アルキロール(C1~5)(メタ)アクリルアミドの、エチレンオキシドまたはプロピレンオキシドの1~3モル付加物、N-ビニルカプロラクタム、ビニルメチルオキサゾリジノン、(メタ)アクリロイルピロリジン、(メタ)アクリロイルピペリジン等である。
((C)芳香環含有モノマー)
(C)芳香環含有モノマーは、重合成分として含まれ、ベンジルアクリレートおよびフェノキシエチルアクリレートを含む。
(C)成分の含有量は、インク組成物中、32.0質量%以上であることが好ましく、34.0質量%以上であることがより好ましい。また、(C)成分の含有量は、インク組成物中、75.0質量%以下であることが好ましく、70.0質量%以下であることが好ましい。(C)成分の含有量が上記範囲内であることにより、インク組成物は、ラベル用基材(コート紙、PEなど)への印字高濃度部分において画質が良好になるという利点がある。
なお、(C)成分は、ベンジルアクリレートおよびフェノキシエチルアクリレート以外のその他の芳香環含有モノマーが含まれていてもよい。このようなその他の芳香環含有モノマーは、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジルメタクリレート、フェノキシエチルメタクリレート、フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート等のフェノキシジアルキレングリコール(メタ)アクリレート;フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコール-(メタ)アクリレート等である。
((D)多官能モノマー)
(D)多官能モノマーは、重合成分として含まれ、ジプロピレングリコールジアクリレート、1,6-ヘキサンジオールジアクリレートまたはエトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレートのうち少なくともいずれか1種を含む。
(D)成分の含有量は、インク組成物中、1.5質量%以上であることが好ましく、2.0質量%以上であることがより好ましい。また、(D)成分の含有量は、インク組成物中、14.0質量%以下であることが好ましく、13.0質量%以下であることが好ましい。(D)成分の含有量が上記範囲内であることにより、インク組成物は、塗膜硬化性が良好になる。
なお、(D)成分は、ジプロピレングリコールジアクリレート、1,6-ヘキサンジオールジアクリレートおよびエトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート以外のその他の多官能モノマーが含まれていてもよい。このようなその他の多官能モノマーは、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ビニルオキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、EO(10モルまたは20モル)変性ビスフェノールAジアクリレート、ポリエチレングリコール(400)ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(600)ジアクリレート、エトキシ化(30)ビスフェノールAジアクリレート、アルコキシ化ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコール(600)ジメタクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジメタアクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジメチロール-トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートおよびそのエチレンオキサイド変性物、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートおよびそのエチレンオキサイド変性物、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートおよびそのエチレンオキサイド変性物、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラアクリレート、カプロラクタム変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート、アルコキシ化テトラヒドロフルフリルアクリレート等である。
(光重合開始剤)
本実施形態のインク組成物は、光重合開始剤を含む。
光重合開始剤は特に限定されない。一例を挙げると、光重合開始剤は、ベンゾフェノン、ジエチルチオキサントン、2-メチル-1-(4-メチルチオ)フェニル-2-モルフォリノプロパン-1-オン、4-ベンゾイル-4’-メチルジフェニルサルファイド、1-クロロ-4-プロポキシチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ビス-2,6-ジメトキシベンゾイル-2,4,4-トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン、2,2-ジメチル-2-ヒドロキシアセトフェノン、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン、2,4,6-トリメチルベンジル-ジフェニルフォスフィンオキサイド、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(モルホリノフェニル)-ブタン-1-オン等である。このような光重合開始剤は市販されており、たとえばBASF社からイルガキュア907、イルガキュア369、イルガキュア184、イルガキュア379、イルガキュア819、TPO等の商品名で、Lamberti社からDETX等の商品名で入手することができる。光重合開始剤は、併用されてもよい。
光重合開始剤の含有量は特に限定されない。一例を挙げると、光源として紫外線(UV)、紫外線(発光ダイオード(LED))を用いる場合は、光重合開始剤の含有量は、インク組成物中、3質量%以上であることが好ましく、4質量%以上であることがより好ましい。また、光重合開始剤の含有量は、インク組成物中、15質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましい。光重合開始剤の含有量が上記範囲内であることにより、インク組成物は、充分な硬化性、内部硬化性および低コストとなり得る。
(増感剤)
本実施形態のインク組成物は、増感剤を含むことが好ましい。増感剤が含まれることにより、インク組成物は、たとえば、発光ダイオード(LED)を光源とした紫外線に対する硬化性を促進することができ、400nm以上の主に紫外線の波長域で光吸収特性を有し、その範囲の波長の光により硬化反応の増感機能が発現しやすい。なお、上記「400nm以上の波長の光により増感機能が発現する」とは、400nm以上の波長域で光吸収特性を有することをいう。このような増感剤を用いることで、本実施形態のインク組成物は、LED硬化性を促進され得る。
増感剤は、アントラセン系増感剤、チオキサントン系増感剤等であることが好ましく、チオキサントン系増感剤であることがより好ましい。光増感剤は、併用されてもよい。具体的には、光増感剤は、9,10-ジブトキシアントラセン、9,10-ジエトキシアントラセン、9,10-ジプロポキシアントラセン、9,10-ビス(2-エチルヘキシルオキシ)アントラセン等のアントラセン系増感剤、2,4-ジエチルチオキサントン、2-イソプロピルチオキサントン、4-イソプロピルチオキサントン等のチオキサントン系増感剤等である。市販品の代表例は、アントラセン系増感剤としては、DBA、DEA(川崎化成工業(株)製)、チオキサントン系増感剤としては、DETX、ITX(LAMBSON社製)等である。
増感剤が含まれる場合、増感剤の含有量は、インク組成物中、0を超え、3.5質量%以下であることが好ましい。増感剤の含有量が上記範囲内であることにより、インク組成物は、増感剤を配合することによる効果が向上しやすい。
(着色剤)
本実施形態のインク組成物は、着色剤を含むことが好ましい。着色剤を含有させることにより、インク組成物は、各色のインク組成物を作製することができる。
着色剤は特に限定されない。一例を挙げると、着色剤は、従来使用されている顔料、染料を特に制限なく使用でき、有機顔料または無機顔料等の顔料であることが好ましい。着色剤は、併用されてもよい。
有機顔料は、染料レーキ顔料、アゾ系、ベンゾイミダゾロン系、フタロシアニン系、キナクリドン系、アントラキノン系、ジオキサジン系、インジゴ系、チオインジコ系、ペリレン系、ペリノン系、ジケトピロロピロール系、イソインドリノン系、ニトロ系、ニトロソ系、アンスラキノン系、フラバンスロン系、キノフタロン系、ピランスロン系、インダンスロン系の顔料等である。
無機顔料は、酸化チタン、ベンガラ、アンチモンレッド、カドミウムイエロー、コバルトブルー、群青、紺青、鉄黒、酸化クロムグリーン、カーボンブラック、黒鉛等の有色顔料(白色、黒色等の無彩色の着色顔料も含める)、および、炭酸カルシウム、カオリン、クレー、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、タルク等の体質顔料等である。
本実施形態のインク組成物の代表的な色相ごとの顔料の具体例は、以下のとおりである。イエロー顔料は、C.I.Pigment Yellow 1、2、3、12、13、14、16、17、42、73、74、75、81、83、87、93、95、97、98、108、109、114、120、128、129、138、139、150、151、155、166、180、184、185、213等であり、C.I.Pigment Yellow 150、155、180、213等であることが好ましい。イエロー顔料の含有量は特に限定されない。一例を挙げると、イエロー顔料の含有量は、インク組成物中、1.0質量%以上であることが好ましく、1.5質量%以上であることがより好ましい。また、イエロー顔料の含有量は、インク組成物中、4.0質量%以下であることが好ましく、3.5質量%以下であることがより好ましい。
マゼンタ顔料は、C.I.Pigment Red 5、7、12、22、38、48:1、48:2、48:4、49:1、53:1、57、57:1、63:1、101、102、112、122、123、144、146、149、168、177、178、179、180、184、185、190、202、209、224、242、254、255、270、C.I.Pigment Violet 19等であり、C.I.Pigment Red 122、202、Pigment Violet 19等であることが好ましい。マゼンタ顔料の含有量は特に限定されない。一例を挙げると、マゼンタ顔料の含有量は、インク組成物中、1.8質量%以上であることが好ましく、2.3質量%以上であることがより好ましい。また、マゼンタ顔料の含有量は、インク組成物中、4.8質量%以下であることが好ましく、4.3質量%以下であることがより好ましい。
シアン顔料は、C.I.Pigment Blue 1、2、3、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、18、22、27、29、60等であり、C.I.Pigment Blue 15:4等であることが好ましい。シアン顔料の含有量は特に限定されない。一例を挙げると、シアン顔料の含有量は、インク組成物中、1.0質量%以上であることが好ましく、1.5質量%以上であることがより好ましい。また、シアン顔料の含有量は、インク組成物中、4.0質量%以下であることが好ましく、3.5質量%以下であることがより好ましい。
ブラック顔料は、カーボンブラック(C.I.Pigment Black 7)等である。ブラック顔料の含有量は特に限定されない。一例を挙げると、ブラック顔料の含有量は、インク組成物中、1.0質量%以上であることが好ましく、1.5質量%以上であることがより好ましい。また、ブラック顔料の含有量は、インク組成物中、4.0質量%以下であることが好ましく、3.5質量%以下であることがより好ましい。
ホワイト顔料は、酸化チタン、酸化アルミニウム等であり、アルミナ、シリカ等の種々の材料で表面処理された酸化チタン等であることが好ましい。ホワイト顔料の含有量は特に限定されない。一例を挙げると、ホワイト顔料の含有量は、インク組成物中、10質量%以上であることが好ましく、13質量%以上であることがより好ましい。また、ホワイト顔料の含有量は、インク組成物中、23質量%以下であることが好ましく、19質量%以下であることがより好ましい。
着色剤の含有量は、インク組成物中、1質量%以上であることが好ましい。また、着色剤の含有量は、インク組成物中、20質量%以下であることが好ましい。着色剤の含有量が上記範囲内であることにより、インク組成物は、得られる印刷物の画像品質が適切となり、かつ、粘度特性が優れる。
(顔料分散剤)
顔料分散剤は、顔料の分散性、および、インク組成物の保存安定性を向上させるために好適に配合される。
顔料分散剤は特に限定されない。一例を挙げると、顔料分散剤は、カルボジイミド系分散剤、ポリエステルアミン系分散剤、脂肪酸アミン系分散剤、変性ポリアクリレート系分散剤、変性ポリウレタン系分散剤、多鎖型高分子非イオン系分散剤、高分子イオン活性剤等である。顔料分散剤は、併用されてもよい。
顔料分散剤が配合される場合において、顔料分散剤の含有量は特に限定されない。顔料分散剤の含有量は、顔料を100質量%とした場合において、1~200質量%であることが好ましい。顔料分散剤の含有量が上記範囲内であることにより、得られるインク組成物は、保存安定性が優れる。
(その他の成分)
本実施形態のインク組成物は、その他の成分として、界面活性剤、有機溶剤、重合禁止剤、保存性向上剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、消泡剤、防黴剤、防錆剤、増粘剤、保湿剤、pH調整剤等の各種添加剤を含有してもよい。
(界面活性剤(レベリング剤))
界面活性剤(レベリング剤)は特に限定されない。一例を挙げると、界面活性剤は、ノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、ベタイン界面活性剤等である。より具体的には、界面活性剤は、ポリエーテル変性シリコーンオイル、ポリエステル変性ポリジメチルシロキサン、ポリエステル変性メチルアルキルポリシロキサンのシリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、アセチレン系界面活性剤等である。
シリコーン系界面活性剤は、BYK-307、BYK-315N、BYK-331、BYK-333、BYK-347、BYK-348、BYK-349、BYK-345、BYK-377、BYK-378、BYK-3455(ビックケミー社製)等である。
フッ素系界面活性剤は、F-410、F-444、F-553(DIC(株)社製)、FS-65、FS-34、FS-35、FS-31、FS-30(デュポン社製)等である。
アセチレン系界面活性剤は、ダイノール607、ダイノール609、オルフィンE1004、オルフィンE1010、オルフィンE1020、オルフィンPD-001、オルフィンPD-002W、オルフィンPD-004、オルフィンPD-005、オルフィンEXP.4001、オルフィンEXP.4200、オルフィンEXP.4123、オルフィンEXP.4300(日信化学工業(株)製)、サーフィノール104E、サーフィノール104H、サーフィノール104A、サーフィノール104BC、サーフィノール104DPM、サーフィノール104PA、サーフィノール104PG-50、サーフィノール420、サーフィノール440、サーフィノール465(EVONIK社製)等である。
界面活性剤が配合される場合、界面活性剤の含有量は特に限定されない。一例を挙げると、界面活性剤の含有量は、インクジェットヘッドからのインク組成物の吐出安定性を向上させる点から、0.005質量%以上であることが好ましく、0.01質量%以上であることがより好ましい。また、界面活性剤の含有量は、1.5質量%以下であることが好ましく、1質量%以下であることがより好ましい。
(溶剤)
インク組成物は、溶剤が配合されてもよい。溶剤は、エステル系有機溶剤、エーテル系有機溶剤、エーテルエステル系有機溶剤、ケトン系有機溶剤、芳香族炭化水素溶剤、含窒素系有機溶剤等である。
溶剤が配合される場合、溶剤の含有量は特に限定されない。一例を挙げると、溶剤の含有量は、インク組成物中、5質量%以下であることが好ましく、2質量%以下であることがより好ましい。
(重合禁止剤)
重合禁止剤は特に限定されない。一例を挙げると、重合禁止剤は、N-CH3タイプ、N-Hタイプ、N-ORタイプ等のヒンダードアミン、フェノール系、アミン系、硫黄系、リン系等の重合禁止剤である。
(保存性向上剤)
保存性向上剤は、N-CH3タイプ、N-Hタイプ、N-ORタイプ等である。
(紫外線吸収剤)
紫外線吸収剤は、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、サリチレート系紫外線吸収剤、ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、ニッケル錯塩系紫外線吸収剤等である。
(酸化防止剤)
酸化防止剤は、フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、リン系酸化防止剤等である。
(消泡剤)
消泡剤は、シリコーン系消泡剤、プルロニック(登録商標)系消泡剤等である。
インク組成物全体の説明に戻り、本実施形態のインク組成物は、25℃における粘度が、30mPa・s以下であることが好ましく、20mPa・s以下であることがより好ましい。インク組成物は、必要に応じて粘度調整剤等が配合される。なお、本実施形態において、粘度は、E型粘度計(RE100L型粘度計、東機産業(株)製)を用いて、25℃で測定することができる。
得られたインク組成物は、適宜の基材にインクジェット用プリンターにより印刷してインクジェット画像を形成することができる。基材は特に限定されない。一例を挙げると、基材は、軟質塩ビ、硬質塩ビ、ポリスチレン、発泡スチロール、PMMA、ポリプロピレン、ポリエチレン、PET、ポリカーボネート等のプラスチック基材やこれらの混合品または変性品、上質紙、アート紙、コート紙、キャストコート紙等の紙基材、ガラス、ステンレス等の金属基材等である。これらの中でも、本実施形態のインク組成物は、架橋密度が高すぎず、塗膜柔軟性が付与るという理由から、ラベル用基材(コート紙、PEなど)に対して付与される場合に、特に好適である。
以上、本実施形態のインク組成物は、たとえばラベル用基材(コート紙、PEなど)に印刷される場合において、優れた屈曲性および画質を両立し得る。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明する。本発明は、これら実施例に何ら限定されない。なお、特に制限のない限り、「%」は「質量%」を意味し、「部」は「質量部」を意味する。
使用した原料を以下に示す。
<着色剤>
PB15:4
PR122
PY150
PBk7
PW6
<顔料分散剤>
分散剤1:PX4701、BASF社製
分散剤2:S56000、日本ルーブリゾール(株)製
分散剤3:BYKJET9151、ビックケミー社製
分散剤4:PB821、味の素ファインテクノ(株)製
<(A)多官能アミン変性オリゴマー>
アミン変性オリゴマー:分子内に2個の光重合性官能基と2個のアミノ基とを有するアクリル化アミン化合物、CN371NS:サートマー社製
<(C)芳香環含有モノマーおよびその他のモノマー>
ベンジルアクリレート:Miramer M1182HP、MIWON社製
フェノキシエチルアクリレート:Miramer M140、MIWON社製
イソボルニルアクリレート:IBXA、大阪有機化学工業(株)製
エチルカルビトールアクリレート:ビスコート#190、大阪有機化学工業(株)製
t-ブチルシクロヘキシルアクリレート:SR217、サートマー社製
<(D)多官能モノマー>
ジプロピレングリコールジアクリレート:Agisyn2833、DSM-AGI社製
1,6-ヘキサンジオールジアクリレート:SR238NS、サートマー社製
(EO)TMPTA(エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート):Miramer M3110、MIWON社製
<(B)窒素含有モノマー>
アクロイルモルフォリン:ACMO、KJケミカルズ(株)製
ビニルカプロラクタム:VCAP、ISPジャパン(株)製
<光重合開始剤>
TPO:2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル-フォスフィンオキサイド、Lambson社製
<増感剤>
DETX:2,4-ジエチルチオキサントン、Lambson社製
<重合禁止剤>
MEHQ:ヒドロキノンモノメチルエーテル
UV22:キノン系重合禁止剤、クロマケム社製
<レベリング剤>
BYK-315N:シリコーン系表面調整剤、固形分100%、ビックケミー・ジャパン(株)製
<基材>
PVC:IJ180、3M社製、屋外・屋内サイングラフィックス用途。
コート紙:特菱アート紙、三菱製紙(株)製、白色度、平滑性、高光沢が優れる。
PET:ルミラーT60、東レ(株)製、強靭性、化学薬品耐性、電気絶縁性が優れる。
(紫外線硬化型インクジェット印刷用インク組成物)
光重合開始剤、増感剤、重合禁止剤、レベリング剤以外の各原料を表1の配合組成(質量%)となるように配合した混合物を、アイガーミル(メディアとして直径0.5mmのジルコニアビーズを使用)を用いて分散させてコンクベースを得た。得られたコンクベースを用いて、光重合開始剤と増感剤と重合禁止剤とレベリング剤とを表1の配合組成(質量%)となるように配合し、実施例1~14および比較例1~7の紫外線硬化型インクジェット印刷用インク組成物を得た。
<紫外線硬化型インクジェット印刷用インク組成物および印刷物の評価>
実施例1~14および比較例1~7の紫外線硬化型インクジェット印刷用インク組成物を用いて、以下の評価方法および評価基準にしたがって、インク組成物の比重、粘度、表面張力、密着性、屈曲性、LED硬化性、画質およびヘッド吐出性を評価した。結果を表1に示す。
Figure 0007042957000001

Figure 0007042957000002
(紫外線硬化型インクジェット印刷用インク組成物の粘度)
紫外線硬化型インクジェット印刷用インク組成物の粘度は、E型粘度計(RE100L型粘度計、東機産業(株)製)を使用して、温度25℃、ローター回転速度20rpmの条件で測定した。
(紫外線硬化型インクジェット印刷用インク組成物の比重)
紫外線硬化型インクジェット印刷用インク組成物の比重は、ゲーリュサック型比重瓶(ピクノメーター)で測定した。
(表面張力)
紫外線硬化型インクジェット印刷用インク組成物の表面張力は、動的濡れ性試験機(WET-6000、(株)レスカ製)を使用して、温度25℃で測定した。
(密着性)
紫外線硬化型インクジェット印刷用インク組成物の密着性は、クロスカット試験により評価した。試験片は、活性エネルギー線硬化型インクジェット用インク組成物を、PVC、コート紙、PETの各基材上にベタ塗りをし、次いで紫外線を照射して硬化させることにより作成した。基材上に形成した硬化塗膜をカッターナイフでクロスカットし、100個正方形の小片の硬化塗膜とし、このカットした部分にセロハンテープ(セロテープ(登録商標)、ニチバン(株)製)を貼り、これを引き剥がして、セロハンテープに粘着して剥離せずに、基材上に残った正方形の小片の数を数えることで評価した。表1の100/100は1つも剥離せずに全ての小片が基材に残ったことを示しており、密着性は良好であることを示している。
(屈曲性)
コート紙上に紫外線硬化型インクジェット印刷用インク組成物を印字し、印字された資料を180°折り曲げ、下記評価基準に沿って評価した。
○:折り曲げた際に、塗膜に罫線割れや細かなクラックが生じなかった。
△:折り曲げた際に、細かなクラックが生じた。
×:折り曲げた際に、罫線割れを生じた。
(LED硬化性)
25℃の雰囲気温度下に、インクジェット記録装置と、紫外線硬化型インクジェット印刷用インク組成物とを24時間置き、インクジェット記録装置および紫外線硬化型インクジェット印刷用インク組成物の温度を25℃とした。その後、25℃で、紫外線硬化型インクジェット印刷用インク組成物をPCVシート上に、連続的に印刷(印字)した後、フォセオン・テクノロジー社製UV-LED光ランプにて、ランプとインクの塗布面との距離2cm下で、UV積算光量180mJ/cm2で硬化させた。得られた硬化性塗膜を綿棒でこすり、下記評価基準に従ってその取られ具合により硬化性を評価した。
○:取られがなかった。
×:取られがあった。
(画質)
紫外線硬化型インクジェット印刷用インク組成物の密着性は、コート紙印刷物を作成して目視にて、コート紙印刷物の印字率70%濃度の部分を確認し、ムラがなければ○とした。
(吐出安定性)
25℃の雰囲気温度下に、インクジェットノズルを備えたインクジェット記録装置と、紫外線硬化型インクジェット印刷用インク組成物とを24時間置き、インクジェット記録装置および紫外線硬化型インクジェット印刷用インク組成物の温度を25℃とした。その後、25℃で、紫外線硬化型インクジェット印刷用インク組成物を用いてPCVシート上に、連続的に印刷(印字)して、吐出安定性を以下の評価基準にしたがって評価した。
○:インク組成物は、印刷の乱れがなく、安定して吐出できた。
△:インク組成物は、印刷の乱れが若干あったが、ほぼ安定して吐出できた。
×:インク組成物は、印刷の乱れがあったか、または、安定して吐出できなかった。
表1に示されるように、本発明の実施例1~14の紫外線硬化型インクジェット印刷用インク組成物は、吐出しやすく、硬化しやすく、密着性が優れ、コート紙における屈曲性が優れた。また、得られたインクジェット画像は、画質が優れた。一方、(C)芳香環含有モノマーとしてベンジルアクリレートおよびフェノキシエチルアクリレートの両方を含んでいなかった比較例1~3の紫外線硬化型インクジェット印刷用インク組成物は、画質やヘッド吐出性が劣った。また、(D)多官能モノマーの含有量が本発明の範囲外であった比較例4~5の紫外線硬化型インクジェット印刷用インク組成物は、屈曲性やLED硬化性が劣った。さらに、(A)多官能アミン変性オリゴマーの含有量が本発明の範囲外であった比較例6~7の紫外線硬化型インクジェット印刷用インク組成物は、屈曲性やLED硬化性が劣った。

Claims (1)

  1. 重合成分と、光重合開始剤とを含み、
    前記重合成分は、(A)多官能アミン変性オリゴマーと、(B)窒素含有モノマーと、(C)芳香環含有モノマーと、(D)多官能モノマーと、を含み、
    前記(A)多官能アミン変性オリゴマーは、分子内に2個の光重合性官能基と2個のアミノ基とを有するアクリル化アミン化合物を含み、
    前記(B)窒素含有モノマーは、アクロイルモルホリンまたはビニルカプロラクタムのうち少なくともいずれか1種を含み、
    前記(C)芳香環含有モノマーは、ベンジルアクリレートおよびフェノキシエチルアクリレートを含み、
    前記(D)多官能モノマーは、ジプロピレングリコールジアクリレート、1,6-ヘキサンジオールジアクリレートまたはエトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレートのうち少なくともいずれか1種を含み、
    前記(A)多官能アミン変性オリゴマーの含有量は、0.8~11.0質量であり、
    前記(B)窒素含有モノマーのうち、アクロイルモルホリンまたはビニルカプロラクタムのうち少なくともいずれか1種の合計含有量は、10.0質量%~33.0質量%であり、
    前記(C)芳香環含有モノマーのうち、ベンジルアクリレートおよびフェノキシエチルアクリレートの合計含有量は、32.0~75.0質量%であり、
    前記(D)多官能モノマーのうち、ジプロピレングリコールジアクリレート、1,6-ヘキサンジオールジアクリレートまたはエトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレートのうち少なくともいずれか1種の合計含有量は、1.5~14.0質量%である、紫外線硬化型インクジェット印刷用インク組成物。
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