1.実施形態
1.1 実施形態1
1.1.1 概要
図1は、本実施形態の入力システムを示す。入力システムは、入力装置100Aと、判定システム200と、を備えている。図2は、入力装置100Aを示す。入力装置100Aは、図3及び図4に示すように、メタルドーム140と、第1、第2、及び第3の圧力センサC1,C2,C3と、を備える。第1及び第2の圧力センサC1,C2は、メタルドーム140の凹面141a側でメタルドーム140を支持している。そのため、メタルドーム140が弾性変形してクリック感を発生する前であっても、メタルドーム140にかかる押圧力(メタルドーム140の凸面141bにかかる押圧力)を第1及第2の圧力センサC1,C2によって検出できる。メタルドーム140が弾性変形してクリック感を発生した後は、メタルドーム140にかかる押圧力を第1~第3の圧力センサC1~C3によって検出できる。つまり、クリック感が発生したかどうかに関係なく(メタルドーム140が弾性変形したかどうかに関係なく)、メタルドーム140にかかる押圧力を検出できる。
1.1.2 入力装置
以下、図1~図8を参照して入力装置100Aについて更に詳細に説明する。なお、図3は、図8のX-X線断面図に対応する。
入力装置100Aは、図5に示すように、第1~第3の導電部材110a,110b,110cと、第1~第3の弾性体120a,120b,120cと、絶縁シート130と、メタルドーム140と、押し子150と、を備える。更に、入力装置100Aは、ハウジング160を備える(図2~図4参照)。
ハウジング160は、図3及び図4に示すように、第1~第3の導電部材110a,110b,110cと、第1~第3の弾性体120a,120b,120cと、絶縁シート130と、メタルドーム140と、押し子150とを収容する。ハウジング160は、ボディ161と、カバー162と、を備える。ボディ161は、扁平な四角形(例えば正方形)の箱状であり、厚み方向の第1面(図3及び図4の上面)に開口を有している。カバー162は、四角形(例えば正方形)の平板状である。カバー162は、ボディ161の第1面の開口を覆うようにしてボディ161の第1面に取り付けられる。ボディ161及びカバー162は、電気絶縁性を有している。例えば、ボディ161及びカバー162は、電気絶縁性を有する樹脂材料により形成される。特に、カバー162は可撓性を有している。これにより、ハウジング160内に収容されたメタルドーム140を、カバー162を介して押圧することが可能である。カバー162におけるメタルドーム140とは反対側の面が、入力装置100Aの操作領域となる。
第1の導電部材110aは、図5に示すように、電極111aと、一対の端子112aとを備える。電極111aは、矩形の平板状である。一対の端子112aは、電極111aの長さ方向の両端から突出している。一対の端子112aが電極111aから突出する方向は、電極111aの長さ方向及び幅方向と交差する方向である。第2の導電部材110bは、電極111bと、一対の端子112bとを備える。電極111bは、矩形の平板状である。一対の端子112bは、電極111bの長さ方向の両端から突出している。一対の端子112bが電極111bから突出する方向は、電極111bの長さ方向及び幅方向と交差する方向である。第3の導電部材110cは、電極111cと、一対の端子112cとを備える。電極111cは、矩形の平板状である。ここで、電極111cの長さ方向の中央部は両端部よりも厚み方向に突出している。一対の端子112cは、電極111cの長さ方向の両端から突出している。一対の端子112cが電極111cから突出する方向は、電極111cの長さ方向及び幅方向と交差する方向である。第1~第3の導電部材110a,110b,110cは、金属の板材により形成され得る。
第1~第3の導電部材110a~110cは、図3及び図4に示すように、インサート成形によって、ボディ161に埋め込まれる。ここで、第1の導電部材110aでは、電極111aがボディ161の底面から露出し、一対の端子112aがボディ161の厚み方向の第2面(図3及び図4の下面)から突出する。第2の導電部材110bでは、電極111bがボディ161の底面から露出し、一対の端子112bがボディ161の厚み方向の第2面から突出する。第3の導電部材110cでは、電極111cの長さ方向の中央部がボディ161の底面から露出し、一対の端子112cがボディ161の厚み方向の第2面から突出する。
第1の弾性体120aは、図5に示すように、矩形の平板状である。第1の弾性体120aの外形形状は、第1の導電部材110aの電極111aの外形形状とほぼ等しい。第1の弾性体120aは、電極111a上に配置される。第2の弾性体120bは、矩形の平板状である。第2の弾性体120bの外形形状は、第2の導電部材110bの電極111bの外形形状とほぼ等しい。第2の弾性体120bは、電極111b上に配置される。第3の弾性体120cは、矩形の平板状である。第3の弾性体120cの外形形状は、第3の導電部材110cの電極111cの長さ方向の中央部の外形形状とほぼ等しい。第3の弾性体120cは、電極111cの長さ方向の中央部上に配置される。本実施形態において、第1~第3の弾性体120a~120cは、いずれも導電性を有している。
また、第1の弾性体120aの厚み方向の第1面は、粗面であり、第1の弾性体120aの厚み方向の第2面は、平面である。一例として、第1の弾性体120aの厚み方向の第1面は、図6及び図7に示すように、複数の突起121を有している。同様に、第2及び第3の弾性体120b,120cの厚み方向の第1面は、粗面であり、第2及び第3の弾性体120b,120cの厚み方向の第2面は、平面である。
絶縁シート130は、図5に示すように、四角形のシート状(例えば正方形状)の絶縁体(誘電体)である。絶縁シート130は、第1~第3の弾性体120a,120b,120cをまとめて覆う大きさである。絶縁シート130は、第1の弾性体120aを覆う第1の部分130aと、第2の弾性体120bを覆う第2の部分130bと、第3の弾性体120cを覆う第3の部分130cと、を含んでいる。
メタルドーム140は、図5及び図8に示すように、全体として四角形(例えば正方形)の板状である。メタルドーム140は、その中央部に、ドーム状の弾性変形部141を有している。図3に示すように、弾性変形部141の厚み方向の一面(図3の下面)は、凹面141aであり、他面(図3の上面)は凸面141bである。弾性変形部141の凸面141bを押圧していくと、図4に示すように弾性変形部141が弾性変形をし、これによって、クリック感が発生する。より詳細には、この弾性変形によって、弾性変形部141の中央部が反転して凸状態から凹状態となる。また、メタルドーム140は、その四隅に、脚部(第1~第4の脚部)142a~142dを有している。第1~第4の脚部142a~142dは、弾性変形部141の突出する方向とは反対の方向に突出している。図8に示すように、第1及び第2の脚部142a,142bは、第1の弾性体120a上に配置される。また、第3及び第4の脚部142c,142dは、第2の弾性体120b上に配置される。
押し子150は、メタルドーム140の弾性変形部141の弾性変形を起こしやすくするための部材である。押し子150は、図5に示すように、円盤状である。また、押し子150の外形形状は、メタルドーム140の弾性変形部141の外形形状よりも小さい。押し子150は、図3に示すように、メタルドーム140の凸面141bの中央部とカバー162との間に配置される。特に、押し子150は、カバー162に固定される。なお、押し子150は、電気絶縁性を有している。
入力装置100Aでは、第1、第2及び第3の導電部材110a,110b,110cと、第1、第2及び第3の弾性体120a,120b,120cと、絶縁シート130と、メタルドーム140とが、静電容量を蓄えるコンデンサとして機能する。つまり、第1、第2及び第3の導電部材110a,110b,110cと、第1、第2及び第3の弾性体120a,120b,120cと、絶縁シート130と、メタルドーム140とが、第1、第2及び第3の圧力センサC1,C2,C3を構成する。図1では、入力装置100Aを等価回路で示している。第1、第2及び第3の圧力センサC1,C2,C3は、メタルドーム140を共通の電極として有しているから、互いに電気的に結合されている。
より詳細には、第1の圧力センサC1は、図3及び図4に示すように、第1の導電部材110aの電極111aと、第1の弾性体120aと、絶縁シート130の第1の部分130aと、メタルドーム140の第1及び第2の脚部142a,142bとで構成される。つまり、第1の圧力センサC1は、電極111aと、メタルドーム140において電極111aで支持される所定部位(第1及び第2の脚部142a,142b)と、電極111aと所定部位との間の絶縁体(第1の部分130a)とで構成されている。第1の圧力センサC1は、更に、絶縁体(第1の部分130a)と電極111aとの間に、弾性体(第1の弾性体120a)を有する。ここで、第1の弾性体120aは複数の突起121を有している。そのため、図7に示すように、第1の弾性体120aがメタルドーム140で押圧された場合、複数の突起121がつぶれる。これによって、第1の弾性体120aの全体的な厚みが減るが、同時に、第1の弾性体120aと絶縁シート130との接触面積が増加する。そのため、単純に、第1の弾性体120aの厚みが変化する場合に比べれば、第1の圧力センサC1に加わる押圧力に対する静電容量の変化の線形性が向上する。なお、絶縁シート130に載せられている前述の所定部位(第1及び第2の脚部142a,142bの絶縁シート130との当接部分)は所定の平面領域を有すると望ましい。この構成であれば、前記平面領域が電極111aに対して近傍位置で対向して位置する構成にでき、前記平面領域によって多くの突起121へメタルドーム140からの作用を加えやすくなるので、静電容量の変化が大きく得られる構成として実現できる。本実施形態では、第1及び第2の脚部142a,142bにおける絶縁シート130側の面は全体が平面領域となっている。
第2の圧力センサC2は、図3及び図4に示すように、第2の導電部材110bの電極111bと、第2の弾性体120bと、絶縁シート130の第2の部分130bと、メタルドーム140の第3及び第4の脚部142c,142dとで構成される。つまり、第2の圧力センサC2は、電極111bと、メタルドーム140において電極111bで支持される所定部位(第3及び第4の脚部142c,142d)と、電極111bと所定部位との間の絶縁体(第2の部分130b)とで構成されている。第2の圧力センサC2は、絶縁体(第2の部分130b)と電極111bとの間に、弾性体(第2の弾性体120b)を更に有する。ここで、第2の弾性体120bは第1の弾性体120aと同様に複数の突起を有している。そのため、第2の圧力センサC2に加わる押圧力に対する静電容量の変化の線形性が向上する。なお、第3及び第4の脚部142c,142dの絶縁シート130との当接部分についても、所定の平面領域を有すると望ましいことは前述内容と同じである。本実施形態では、第3及び第4の脚部142c,142dにおける絶縁シート130側の面は全体が平面領域となっている。
第1の圧力センサC1及び第2の圧力センサC2の各々は、メタルドーム140の凹面141a側でメタルドーム140を支持する圧力センサである。第1の圧力センサC1及び第2の圧力センサC2は、メタルドーム140の中心軸に交差する所定方向において中心軸に対して反対側に位置する。本実施形態では、所定方向は、メタルドーム140の中心軸に直交する方向であって、第1の脚部142aと第3の脚部142cとが(又は、第2の脚部142bと第4の脚部142dとが)並ぶ方向である。つまり、所定方向は、図8では、左右方向である。また、第1の圧力センサC1及び第2の圧力センサC2の各々は、静電容量式の圧力センサである。
第3の圧力センサC3は、第3の導電部材110cの電極111cと、第3の弾性体120cと、絶縁シート130の第3の部分130cと、メタルドーム140の弾性変形部141とで構成される。第3の圧力センサC3は、絶縁体(絶縁シート130の第3の部分130c)と電極111cとの間に、弾性体(第3の弾性体120c)を更に有する。ここで、第3の弾性体120cは第1の弾性体120aと同様に複数の突起を有している。そのため、第3の圧力センサC3に加わる押圧力に対する静電容量の変化の線形性が向上する。
第3の圧力センサC3は、第1及び第2の圧力センサC1,C2と同様の静電容量式の圧力センサである。しかしながら、第3の圧力センサC3は、図3に示すように、第1及び第2の圧力センサC1,C2とは異なり、メタルドーム140の凹面141a側でメタルドーム140を支持する圧力センサではない。第3の圧力センサC3は、メタルドーム140の凹面141a側にメタルドーム140から離して配置されている。第3の圧力センサC3は、メタルドーム140の凹面141a側にありメタルドーム140の凸面141bの押圧によるメタルドーム140(弾性変形部141)の弾性変形を検出する検出部として機能する。
図9及び図10は、入力装置100Aにおける、メタルドーム140の押し込み量(ストローク)と、メタルドーム140にかかる荷重(押圧力)及び圧力センサC1~C3の静電容量との関係を示す。
図9に示すグラフは、メタルドーム140の所定方向の中央部分(第3の圧力センサC3に対応する部分)を押圧した場合に対応する。図9において、Gc1は、第1の圧力センサC1の静電容量を示し、Gc2は、第2の圧力センサC2の静電容量を示し、Gc3は、第3の圧力センサC3の静電容量を示す。また、GLは、メタルドーム140にかかる荷重を示す。
第1及び第2の圧力センサC1,C2は、メタルドーム140を支持しており、メタルドーム140の中心軸に交差する所定方向において中心軸に対してメタルドーム140の反対側に位置する。そのため、メタルドーム140の中央部分を押圧した場合、第1及び第2の圧力センサC1,C2にほぼ均等に圧力がかかる。よって、メタルドーム140の押し込み量(ストローク)の増加に伴い、第1及び第2の圧力センサC1,C2の静電容量は増加する。一方で、第3の圧力センサC3は、メタルドーム140を支持していないから、第1及び第2の圧力センサC1,C2に比べて静電容量の変化は小さい。メタルドーム140の押し込み量(ストローク)が増加して規定値L1に達すると、メタルドーム140の弾性変形部141において、弾性変形が生じ、クリック感が発生する。メタルドーム140の弾性変形部141は、弾性変形した際に、図4に示すように、第3の部分130cに接触する。つまり、弾性変形部141の弾性変形によって、弾性変形部141の中央部と電極111cとの距離が大きく変化する。このような距離の大きな変化は、第3の圧力センサC3の静電容量の大きな変化として現れる。
図10に示すグラフは、メタルドーム140の所定方向の第1端部(図8の左部分、第1の圧力センサC1に対応する部分)を押圧した場合に対応する。図10においても、Gc1は、第1の圧力センサC1の静電容量を示し、Gc2は、第2の圧力センサC2の静電容量を示し、Gc3は、第3の圧力センサC3の静電容量を示す。また、GLは、メタルドーム140にかかる荷重を示す。
上述したように、第1及び第2の圧力センサC1,C2は、メタルドーム140を支持しており、メタルドーム140の中心軸に交差する所定方向において中心軸に対してメタルドーム140の反対側に位置する。そのため、メタルドーム140の第1の圧力センサC1に対応する部分を押圧した場合、第1の圧力センサC1には第2の圧力センサC2よりも大きな圧力がかかる。メタルドーム140の押し込み量(ストローク)の増加に伴い、第1及び第2の圧力センサC1,C2の静電容量は増加するが、第1の圧力センサC1の静電容量の変化は、第2の圧力センサC2の静電容量の変化よりも大きくなる。逆に、メタルドーム140の所定方向の第2端部(図8の右部分、第2の圧力センサC2に対応する部分)を押圧した場合には、第2の圧力センサC2の静電容量の変化は、第1の圧力センサC1の静電容量の変化よりも大きくなる。したがって、入力装置100Aは、メタルドーム140の中心軸に交差する所定方向において、入力者によるメタルドーム140の押圧場所を検出できる。
ここで、第1~第3の圧力センサC1~C3はいずれも静電容量式の圧力センサであるから、グラウンド電位の物体(例えば入力者の手指)に関しては、近接センサとして利用可能である。この場合、グラウンド電位の物体と圧力センサ(C1~C3)との間に疑似的なコンデンサが形成されることを利用している。一例としては、入力装置100Aは、メタルドーム140の近くに入力者の手指があることを、第1~第3の圧力センサC1~C3により検出することができる。
1.1.3 判定システム
判定システム200は、入力装置100Aからの出力(入力結果)に基づいて入力装置100Aへの入力内容を判定するように構成されている。本実施形態では、入力結果は、入力装置100Aの第1~第3の圧力センサC1~C3の静電容量の値(変化)である。
判定システム200は、図1に示すように、第1~第3の端子200a~200cを有している。第1~第3の端子200a~200cは、入力装置100Aの第1~第3の圧力センサC1~C3にそれぞれ電気的に接続されている。例えば、第1、第2及び第3の端子200a,200b,200cは、第1の導電部材110aの一方の端子112a、第2の導電部材110bの一方の端子112b、及び第3の導電部材110cの一方の端子112cに接続されている。これによって、判定システム200は、第1、第2及び第3の圧力センサC1,C2,C3(電極111a,111b,111c)に電気的に接続される。
判定システム200は、図1に示すように、取得部210と、判定部220と、を有している。
取得部210は、入力装置100Aから第1及び第2の圧力センサC1,C2の静電容量の変化を取得するように構成される。また、取得部210は、入力装置100Aから第3の圧力センサC3の静電容量の変化を取得するように構成される。取得部210は、入力装置100Aから複数の圧力センサC1~C3の静電容量の変化を取得する感度を、第1レベルと第1レベルより高い第2レベルとの間で変更可能である。
圧力センサ(C1,C2,C3)の静電容量を取得する方法としては、従来周知の様々な方法を採用できる。一例としては、スイッチドキャパシタ方式が利用できる。スイッチドキャパシタ方式では、圧力センサを構成するコンデンサに蓄積される電荷の量に基づいて、圧力センサの静電容量(の変化)を検出する。例えば、取得部210は、所定時間の間、圧力センサ(コンデンサ)を充電する充電処理と、圧力センサを放電させて圧力センサに蓄えられた電荷で判定用のコンデンサを充電する放電処理とを交互に繰り返し行う。取得部210は、判定用のコンデンサの両端電圧が規定値に達すると、放電処理を終了して充電処理を開始する。つまり、圧力センサの静電容量が大きいほど所定時間内に判定用のコンデンサの両端電圧が規定値に達した回数が増える。したがって、所定時間内に判定用のコンデンサの両端電圧が規定値に達した回数により、圧力センサの静電容量の変化を判定できる。ここで、規定値が大きくなれば、所定時間内に判定用のコンデンサの両端電圧が規定値に達した回数が減り、規定値が小さくなれば、所定時間内に判定用のコンデンサの両端電圧が規定値に達した回数が増えることになる。よって、この規定値により、感度を調整できる。なお、感度は、充電処理で圧力センサに印加する電圧の大きさによっても調整され得る。あるいは、感度は、充放電にかかる時間、例えば、判定用のコンデンサの充電にかかる時間によっても調整され得る。
判定部220は、第1及び第2の圧力センサC1,C2の静電容量の変化のバランスに基づいて、メタルドーム140の所定方向における押圧箇所(傾き)を判定するように構成される。第1及び第2の圧力センサC1,C2の静電容量の変化のバランスは、第1及び第2の圧力センサC1,C2の静電容量の変化の大小関係により評価される。また、判定部220は、第3の圧力センサC3の静電容量の変化に基づいて、メタルドーム140が弾性変形したかどうか(クリック感が発生したかどうか)を判定するように構成される。更に、判定部220は、複数の圧力センサC1~C3の静電容量の変化に基づいて、メタルドーム140の近傍に検出対象(例えば、入力者の指)が存在しているかどうかを判定するように構成される。判定部220の動作の詳細については図15及び図16のフローチャートを参照して後に説明する。
判定システム200は、取得部210と判定部220とにより、第1の判定動作と第2の判定動作とを行うように構成されている。第1の判定動作は、メタルドーム140の傾きの判定と、メタルドーム140が弾性変形したかどうかの判定とを行う動作である。言い換えれば、第1の判定動作は、メタルドーム140の押し込み量及びクリックの発生を検出する動作である。第2の判定動作は、メタルドーム140の近傍に検出対象(グラウンド電位の物体)が存在しているかどうかを判定する動作である。以下、判定システム200の第1及び第2の判定動作について図15及び図16のフローチャートを参照して説明する。
図15は、第1の判定動作のフローチャートを示す。まず、取得部210は、静電容量の変化の検出の感度を第1レベルに設定する(S10)。
次に、取得部210は、静電容量の変化を取得する(S11)。具体的には、取得部210は、第1~第3の端子200a~200cのいずれか一つに電圧を印加し、残りを接地する。これによって、取得部210は、第1~第3の圧力センサC1~C3の静電容量の変化を順番に検出する。
取得部210は、第1の圧力センサC1の静電容量の変化を検出する場合、第1の端子200aに電圧を印加し、第2及び第3の端子200b,200cを接地する。これによって、第1の圧力センサC1に、第2及び第3の圧力センサC2,C3の並列回路が接続された状態となる。図11は、この場合の入力システムの等価回路図である。Caは、第1の圧力センサC1の電極111aと入力装置100A周辺のグラウンドとの間に生じる寄生容量を示す。Cbは、第2の圧力センサC2の電極111bと入力装置100A周辺のグラウンドとの間に生じる寄生容量を示す。Ccは、第3の圧力センサC3の電極111cと入力装置100A周辺のグラウンドとの間に生じる寄生容量を示す。ここで、第2及び第3の圧力センサC2,C3が接地されている場合、寄生容量Cb,Ccの影響は無視できる。また、クリック感が発生する前では、第3の圧力センサC3は無視できる。したがって、図11の等価回路図は、図12のように簡略化できる。取得部210は、第1及び第2の圧力センサC1,C2の直列回路と寄生容量Caの並列回路の静電容量の変化を、第1の圧力センサC1の静電容量の変化として取得する。
取得部210は、第2の圧力センサC2の静電容量の変化を検出する場合、第2の端子200bに電圧を印加し、第1及び第3の端子200a,200cを接地する。これによって、第2の圧力センサC2に、第1及び第3の圧力センサC1,C3の並列回路が接続された状態となる。図13は、この場合の入力システムの等価回路図である。第1及び第3の圧力センサC1,C3が接地されている場合、寄生容量Ca,Ccの影響は無視できる。また、クリック感が発生する前では、第3の圧力センサC3は無視できる。したがって、図13の等価回路図は、図14のように簡略化できる。取得部210は、第1及び第2の圧力センサC1,C2の直列回路と寄生容量Cbの並列回路の静電容量の変化を、第2の圧力センサC2の静電容量の変化として取得する。
取得部210は、第3の圧力センサC3の静電容量の変化を検出する場合、第3の端子200cに電圧を印加し、第1及び第2の端子200a,200bを接地する。これによって、第3の圧力センサC3に、第1及び第2の圧力センサC1,C2の並列回路が接続された状態となる。取得部210は、第1及び第2の圧力センサC1,C2の並列回路と第3の圧力センサC3との直列回路の静電容量の変化を、第3の圧力センサC3の静電容量の変化として取得する。
ステップS11において第1~第3の圧力センサC1~C3の静電容量の変化を取得すると、判定部220は、第1及び第2の圧力センサC1,C2の静電容量の変化のバランスに基づいて、メタルドーム140の所定方向における押圧箇所(傾き)を判定する。まず、判定部220は、第1及び第2の圧力センサC1,C2の静電容量の変化を比較する(S12、S13)。なお、判定部220は、第1及び第2の圧力センサC1,C2の静電容量の変化を比較するにあたって、第1及び第2の圧力センサC1,C2の静電容量の変化を相互に比較可能な大きさとするための処理等を行ってもよい。第1及び第2の圧力センサC1,C2の静電容量の変化の比較結果に基づき、判定部220は、メタルドーム140の所定方向における押圧箇所を判定する。第1の圧力センサC1の静電容量の変化が第2の圧力センサC2の静電容量の変化より大きければ(S12;YES)、判定部220は、メタルドーム140の第1端部(図8の左部分)が押圧されていると判断する(S14)。第2の圧力センサC2の静電容量の変化が第1の圧力センサC1の静電容量の変化より大きければ(S12;NO、S13;YES)、判定部220は、メタルドーム140の第2端部(図8の右部分)が押圧されていると判断する(S15)。第1の圧力センサC1の静電容量の変化が第2の圧力センサC1の静電容量の変化と同じであれば(S12;NO、S13;NO)、判定部220は、メタルドーム140の中央部(図8の中央部分)が押圧されていると判断する(S16)。更に、判定部220は、第1及び第2の圧力センサC1,C2の静電容量の変化のバランスに基づいて、メタルドーム140の所定方向における押圧箇所に加えて、押圧の程度(押し込み量)を判定してもよい。例えば、圧力センサの静電容量の変化が大きければ、押し込み量が大きいと考えられる。よって、判定部220は、圧力センサ(C1,C2)の静電容量の変化に応じて、押し込み量を決定してよい。
ステップS14,S15,S16の後、判定部220は、第3の圧力センサC3の静電容量の変化に基づいて、メタルドーム140が弾性変形したかどうか(クリック感が発生したかどうか)を判定する。具体的には、判定部220は、第3の圧力センサC3の静電容量変化が規定値を超えたかどうかを判定する(S17)。この規定値は、メタルドーム140の弾性変形部141が弾性変形してクリック感が発生したかどうかを判定するための閾値である。第3の圧力センサC3の静電容量変化が規定値を超えている場合(S17;YES)、判定部220は、クリック感が発生したと判断する(S18)。
図16は、第2の判定動作のフローチャートを示す。まず、取得部210は、静電容量の変化の検出の感度を第2レベルに設定する(S20)。上述したように、第2レベルは第1レベルより高く設定されている。つまり、取得部210は、第2の判定動作では、第1の判定動作よりも感度を高くする。第2の判定動作では、グラウンド電位の物体の接近に起因する第1~第3の圧力センサC1~C3の静電容量の変化を検出するため、押圧力に起因する第1~第3の圧力センサC1~C3の静電容量の変化を検出する第1の判定動作よりも感度を高くしている。したがって、メタルドーム140の近傍に検出対象が存在しているかどうかの判定の精度を向上できる。
次に、取得部210は、静電容量の変化を取得する(S21)。具体的には、取得部210は、ステップS11と同様にして、第1~第3の圧力センサC1~C3の静電容量の変化を検出する。
ステップS21の後、判定部220は、複数の圧力センサC1~C3の静電容量の変化に基づいて、メタルドーム140の近傍に検出対象(例えば、入力者の指)が存在しているかどうかを判定する。より詳細には、判定部220は、第1~第3の圧力センサC1~C3の静電容量の変化がそれぞれ規定値を超えたかどうかを判定する(S22~S24)。第1の圧力センサC1の静電容量の変化が規定値を超えていれば(S22;YES)、判定部220は、メタルドーム140の第1端部(図8の左部分、第1の圧力センサC1に対応する部分)の近くに入力者の指があると判断する(S25)。第2の圧力センサC2の静電容量の変化が規定値を超えていれば(S23;YES)、判定部220は、メタルドーム140の第2端部(図8の右部分、第2の圧力センサC2に対応する部分)の近くに入力者の指があると判断する(S26)。第3の圧力センサC3の静電容量の変化が規定値を超えていれば(S24;YES)、判定部220は、メタルドーム140の中央部(図8の中央部分、第3の圧力センサC3に対応する部分)の近くに入力者の指があると判断する(S27)。なお、規定値は、第1~第3の圧力センサC1~C3毎に異なっていてもよいし同じであってもよい。第2の判定動作では、第1の判定動作でも使用している第1~第3の圧力センサC1~C3を利用している。したがって、別途センサを追加しなくてもメタルドーム140の近傍に検出対象が存在しているかどうかを判定することができる。
以上述べたように、判定システム200は、入力装置100Aからの出力に基づいて入力装置100Aへの入力内容を判定する判定システムであって、取得部210と、判定部220と、を備える。取得部210は、入力装置100Aから第1及び第2の圧力センサC1,C2の静電容量の変化を取得する。判定部220は、第1及び第2の圧力センサC1,C2の静電容量の変化のバランスに基づいてメタルドーム140の所定方向における押圧箇所(傾き)を判定する。判定システム200は、例えば、1以上のプロセッサ(マイクロプロセッサ)と1以上のメモリとにより実現され得る。一例として、判定システム200は、マイクロコントロールユニットにより実現され得る。このように、1以上のプロセッサが1以上のメモリに記憶された1以上のプログラムを実行することで、判定システム200として機能する。言い換えれば、1以上のプログラムは、1以上のプロセッサに下記の判定方法を実行させる判定プログラムを含んでいる。判定方法は、入力装置100Aから第1及び第2の圧力センサC1,C2の静電容量の変化を取得することを含む。また、判定方法は、第1及び第2の圧力センサC1,C2の静電容量の変化のバランスに基づいてメタルドーム140の所定方向における押圧箇所(傾き)を判定することを含む。
1.2 実施形態2
図17は、本実施形態の入力システムを示す。入力システムは、入力装置100Bと、判定システム200と、を備えている。
入力装置100Bは、図17に示すように、第1~第3の圧力センサC1~C3に加えて、第4及び第5の圧力センサC4,C5を備えている。
以下、入力装置100Bについて更に図18及び図19を参照して詳細に説明する。入力装置100Bは、図18に示すように、第1~第5の導電部材110d~110hと、第1~第5の弾性体120d~120hと、絶縁シート130と、メタルドーム140と、押し子150と、を備える。更に、入力装置100Bは、ハウジング160を備える(図19参照)。
第1の導電部材110dは、図18に示すように、電極111dと、端子112dとを備える。電極111dは、矩形の平板状である。端子112dは、電極111dの長さ方向の一端から突出している。端子112dが電極111dから突出する方向は、電極111dの長さ方向及び幅方向と交差する方向である。第2、第4及び第5の導電部材110e,110g,110hは、第1の導電部材110dと同じ形状であり、電極111e、111g、111hと、端子112e,112g,112hとをそれぞれ備える。第3の導電部材110fは、入力装置100Aの第3の導電部材110cと同じ形状であり、電極111fと、一対の端子112fとを備える。第1~第5の導電部材110d~110hは、金属の板材により形成され得る。
第1~第5の導電部材110d~110hは、インサート成形によって、ボディ161に埋め込まれる。ここで、第1、第2、第4及び第5の導電部材110d,110e,110g,110hの電極111d,111e,111g,111hは、ボディ161の底面の四隅から露出する。一方、第3の導電部材110fの電極111fの中央部は、ボディ161の底面の中央から露出する。第1、第2、第4及び第5の導電部材110d,110e,110g,110hの端子112d,112e,112g,112h、及び第3の導電部材110fの一対の端子112fは、ボディ161の厚み方向の第2面から突出する。
第1~第5の弾性体120d~120hは、図18に示すように、いずれも、矩形の平板状である。第1、第2、第4及び第5の弾性体120d,120e,120g,120hの外形形状は、それぞれ対応する電極111d,111e,111g,111hの外形形状とほぼ等しい。第1、第2、第4及び第5の弾性体120d,120e,120g,120hは、それぞれ対応する電極111d,111e,111g,111h上に配置される。第3の弾性体120fの外形形状は、第3の導電部材110fの電極111fの長さ方向の中央部の外形形状とほぼ等しい。第3の弾性体120fは、電極111fの長さ方向の中央部上に配置される。本実施形態において、第1~第5の弾性体120d~120hは、いずれも導電性を有している。また、第1~第5の弾性体120d~120hの厚み方向の第1面は、粗面であり、厚み方向の第2面は、平面である。一例として、第1~第5の弾性体120d~120hの厚み方向の第1面は、入力装置100Aの第1の弾性体120aと同様に複数の突起121(図6及び図7参照)を有している。
絶縁シート130は、図18に示すように、第1~第5の弾性体120d~120hをまとめて覆う大きさである。絶縁シート130は、第1~第5の弾性体120d~120hをそれぞれ覆う第1~第5の部分130d~130hを含んでいる。
メタルドーム140は、実施形態1と同様に、その四隅に、第1~第4の脚部142a~142dを有している。図19に示すように、第1、第2、第3及び第4の脚部142a,142b,142c,142dは、第1、第2、第4及び第5の弾性体120d,120e,120g,120h上に配置される。
入力装置100Bでは、第1~第5の導電部材110d~110hと、第1~第5の弾性体120d~120hと、絶縁シート130と、メタルドーム140とが、静電容量を蓄えるコンデンサとして機能する。つまり、第1~第5の導電部材110d~110hと、第1~第5の弾性体120d~120hと、絶縁シート130と、メタルドーム140とが、第1~第5の圧力センサC1~C5を構成する。
より詳細には、第1の圧力センサC1は、第1の導電部材110dの電極111dと、第1の弾性体120dと、絶縁シート130の第1の部分130dと、メタルドーム140の第1の脚部142aとで構成される。つまり、第1の圧力センサC1は、電極111dと、メタルドーム140において電極111dで支持される所定部位(第1の脚部142a)と、電極111dと所定部位との間の絶縁体(第1の部分130d)とで構成されている。第1の圧力センサC1は、更に、絶縁体(第1の部分130d)と電極111dとの間に、弾性体(第1の弾性体120d)を有する。
第2の圧力センサC2は、第2の導電部材110eの電極111eと、第2の弾性体120eと、絶縁シート130の第2の部分130eと、メタルドーム140の第3の脚部142cとで構成される。つまり、第2の圧力センサC2は、電極111eと、メタルドーム140において電極111eで支持される所定部位(第3の脚部142c)と、電極111eと所定部位との間の絶縁体(第2の部分130e)とで構成されている。第2の圧力センサC2は、更に、絶縁体(第2の部分130e)と電極111eとの間に、弾性体(第2の弾性体120e)を有する。
第4の圧力センサC4は、第4の導電部材110gの電極111gと、第4の弾性体120gと、絶縁シート130の第4の部分130gと、メタルドーム140の第2の脚部142bとで構成される。つまり、第4の圧力センサC4は、電極111gと、メタルドーム140において電極111gで支持される所定部位(第2の脚部142b)と、電極111gと所定部位との間の絶縁体(第4の部分130g)とで構成されている。第4の圧力センサC4は、更に、絶縁体(第4の部分130g)と電極111gとの間に、弾性体(第4の弾性体120g)を有する。
第5の圧力センサC5は、第5の導電部材110hの電極111hと、第5の弾性体120hと、絶縁シート130の第5の部分130hと、メタルドーム140の第4の脚部142dとで構成される。つまり、第5の圧力センサC5は、電極111hと、メタルドーム140において電極111hで支持される所定部位(第4の脚部142d)と、電極111hと所定部位との間の絶縁体(第5の部分130h)とで構成されている。第5の圧力センサC5は、更に、絶縁体(第5の部分130h)と電極111hとの間に、弾性体(第5の弾性体120h)を有する。
第1、第2、第4及び第5の圧力センサC1,C2,C4,C5の各々は、メタルドーム140の凹面141a側でメタルドーム140を支持する圧力センサである。図19に示すように、メタルドーム140の中心軸に交差する(第1の)所定方向(図19の左右方向)においては、第1の圧力センサC1及び第2の圧力センサC2は、メタルドーム140の中心軸に対して反対側に位置する。逆に、メタルドーム140の中心軸及び第1の所定方向に交差する第2の所定方向においては、第1の圧力センサC1及び第2の圧力センサC2は、メタルドーム140の中心軸に対して同じ側に位置する。本実施形態において、第2の所定方向は、メタルドーム140の中心軸及び第1の所定方向にそれぞれ直交する方向であって、第1の脚部142aと第2の脚部142bとが(又は、第3の脚部142cと第4の脚部142dとが)並ぶ方向である。つまり、第2の所定方向は、図19では、上下方向である。同様に、第1の所定方向(図19の左右方向)においては、第4の圧力センサC4及び第5の圧力センサC5は、メタルドーム140の中心軸に対して反対側に位置する。逆に、第2の所定方向(図19の上下方向)においては、第4の圧力センサC4及び第5の圧力センサC5は、メタルドーム140の中心軸に対して同じ側に位置する。特に、第4の圧力センサC4は、第2の所定方向において、メタルドーム140の中心軸に対して第1の圧力センサC1と第2の圧力センサC2との一方である対象の圧力センサ(この場合は、第1の圧力センサC1)と反対側に位置する追加の圧力センサである。また、第5の圧力センサC5は、第2の所定方向において、メタルドーム140の中心軸に対して第1の圧力センサC1と第2の圧力センサC2との一方である対象の圧力センサ(この場合は、第2の圧力センサC2)と反対側に位置する追加の圧力センサである。したがって、第4の圧力センサC4は、第1の所定方向においてはメタルドーム140の中心軸に対して第1の圧力センサC1と同じ側に位置する。同様に、第5の圧力センサC5は、第1の所定方向においてはメタルドーム140の中心軸に対して第2の圧力センサC2と同じ側に位置する。また、第1、第2、第4、及び第5の圧力センサC1,C2,C4,C5の各々は、静電容量式の圧力センサである。
第3の圧力センサC3は、第3の導電部材110fの電極111fと、第3の弾性体120fと、絶縁シート130の第3の部分130fと、メタルドーム140の弾性変形部141とで構成される。第3の圧力センサC3は、絶縁体(絶縁シート130の第3の部分130f)と電極111fとの間に、弾性体(第3の弾性体120f)を更に有する。
第3の圧力センサC3は、第1、第2、第4及び第5の圧力センサC1,C2,C4,C5と同様の静電容量式の圧力センサである。しかしながら、第3の圧力センサC3は、第1、第2、第4、及び第5の圧力センサC1,C2,C4,C5とは異なり、メタルドーム140の凹面141a側でメタルドーム140を支持する圧力センサではない。第3の圧力センサC3は、実施形態1と同様に、検出部として機能する。
以上述べた入力装置100Bは、第1~第5の圧力センサC1~C5を備えている。第1~第5の圧力センサC1~C5はいずれも静電容量式の圧力センサであるから、グラウンド電位の物体(例えば入力者の手指)に関しては、近接センサとして利用可能である。一例としては、入力装置100Bは、メタルドーム140の近くに入力者の手指があることを、第1~第5の圧力センサC1~C5により検出することができる。
また、入力装置100Bは、メタルドーム140の押し込み量(ストローク)を検出することができる。
メタルドーム140の中央部分を押圧した場合、第1、第2、第4及び第5の圧力センサC1,C2,C4,C5にほぼ均等に圧力がかかる。よって、メタルドーム140の押し込み量(ストローク)の増加に伴い、第1、第2、第4及び第5の圧力センサC1,C2,C4,C5の静電容量は増加する。一方で、第3の圧力センサC3は、メタルドーム140を支持していないから、第1、第2、第4及び第5の圧力センサC1,C2,C4,C5に比べて静電容量の変化は小さい。メタルドーム140の弾性変形部141において弾性変形が生じてクリック感が発生すると、第3の圧力センサC3の静電容量の大きな変化として現れる。
メタルドーム140の第1の所定方向(図19の左右方向)の第1端部(図19の左部分、第1及び第4の圧力センサC1,C4に対応する部分)を押圧した場合、第1の圧力センサC1には第2の圧力センサC2よりも大きな圧力がかかる。また、第4の圧力センサC4には第5の圧力センサC5よりも大きな圧力がかかる。逆に、メタルドーム140の第1の所定方向(図19の左右方向)の第2端部(図19の右部分、第2及び第5の圧力センサC2,C5に対応する部分)を押圧した場合、第2の圧力センサC2には第1の圧力センサC1よりも大きな圧力がかかる。また、第5の圧力センサC5には第4の圧力センサC4よりも大きな圧力がかかる。このような圧力の差は、第1、第2、第4及び第5の圧力センサC1,C2,C4,C5の静電容量の変化により検出できる。よって、入力装置100Bは、メタルドーム140の第1の所定方向において、入力者によるメタルドーム140の押圧場所を検出できる。
また、メタルドーム140の第2の所定方向(図19の上下方向)の第1端部(図19の下部分、第1及び第2の圧力センサC1,C2に対応する部分)を押圧した場合、第1の圧力センサC1には第4の圧力センサC4よりも大きな圧力がかかる。また、第2の圧力センサC2には第5の圧力センサC5よりも大きな圧力がかかる。逆に、メタルドーム140の第2の所定方向(図19の上下方向)の第2端部(図19の上部分、第4及び第5の圧力センサC4,C5に対応する部分)を押圧した場合、第4の圧力センサC4には第1の圧力センサC1よりも大きな圧力がかかる。また、第5の圧力センサC5には第2の圧力センサC2よりも大きな圧力がかかる。このような圧力の差は、第1、第2、第4及び第5の圧力センサC1,C2,C4,C5の静電容量の変化により検出できる。よって、入力装置100Bは、メタルドーム140の第2の所定方向において、入力者によるメタルドーム140の押圧場所を検出できる。
入力装置100Bにおいても、第1~第5の圧力センサC1~C5はいずれも静電容量式の圧力センサであるから、グラウンド電位の物体(例えば入力者の手指)に関しては、近接センサとして利用可能である。一例としては、入力装置100Bは、メタルドーム140の近くに入力者の手指があることを、第1~第5の圧力センサC1~C5により検出することができる。
判定システム200は、図17に示すように、第1~第3の端子200a~200cを有している。第1~第3の端子200a~200cは、入力装置100Bの第1~第3の圧力センサC1~C3にそれぞれ電気的に接続されている。例えば、第1、第2及び第3の端子200a,200b,200cは、第1の導電部材110dの端子112d、第2の導電部材110eの端子112e、及び第3の導電部材110fの一方の端子112fに接続されている。これによって、判定システム200は、第1、第2及び第3の圧力センサC1,C2,C3(電極111d,111e,111f)に電気的に接続される。一方、判定システム200は、入力装置100Bの第4及び第5の圧力センサC4,C5には直接的には接続されていない。図17に示すように、第4及び第5の圧力センサC4,C5は、接地されている。
判定システム200は、取得部210と判定部220とにより、第1の判定動作と第2の判定動作とを行うように構成されている。
第1の判定動作において、取得部210は、実施形態1で述べたように、第1の圧力センサC1の静電容量の変化を検出する場合、第1の端子200aに電圧を印加し、第2及び第3の端子200b,200cを接地する。また、第4及び第5の圧力センサC4,C5は接地されている。つまり、取得部210は、第4の圧力センサC4が接地された状態で、第1の圧力センサC1の静電容量の変化を取得する。これによって、第1の圧力センサC1に、第2、第3、第4及び第5の圧力センサC2,C3,C4,C5の並列回路が接続された状態となる。ここで、第1及び第4の圧力センサC1,C4は、第1の所定方向においてメタルドーム140の中心軸に対して同じ側にある。そのため、メタルドーム140の第1の所定方向の第1端部を押圧した場合には、第1の圧力センサC1の静電容量だけでなく第4の圧力センサC4の静電容量が変化する。よって、入力装置100B全体としての静電容量の変化が大きくなる。よって、メタルドーム140の第1の所定方向の第1端部の押圧に関して、検出感度が向上する。その結果、押圧箇所の判定精度を向上できる。
また、第1の判定動作において、取得部210は、実施形態1で述べたように、第2の圧力センサC2の静電容量の変化を検出する場合、第2の端子200bに電圧を印加し、第1及び第3の端子200a,200cを接地する。また、第4及び第5の圧力センサC4,C5は接地されている。つまり、取得部210は、第5の圧力センサC5が接地された状態で、第2の圧力センサC2の静電容量の変化を取得する。これによって、第2の圧力センサC2に、第1、第3、第4及び第5の圧力センサC1,C3,C4,C5の並列回路が接続された状態となる。ここで、第2及び第5の圧力センサC2,C5は、第1の所定方向においてメタルドーム140の中心軸に対して同じ側にある。そのため、メタルドーム140の第1の所定方向の第2端部を押圧した場合には、第2の圧力センサC2の静電容量だけでなく第5の圧力センサC5の静電容量が変化する。よって、入力装置100B全体としての静電容量の変化が大きくなる。よって、メタルドーム140の第1の所定方向の第2端部の押圧に関して、検出感度が向上する。本実施形態では、第4及び第5の圧力センサC4,C5は、常時接地されている。そのため、判定システム200に、第4及び第5の圧力センサC4,C5を接地するための端子を設ける必要がない。
1.3 実施形態3
図20は、本実施形態の入力システムを示す。本実施形態の入力システムは、入力装置100Bと、判定システム201とを備えている。
判定システム201は、入力装置100Bからの出力(入力結果)に基づいて入力装置100Bへの入力内容を判定するように構成されている。本実施形態では、入力結果は、入力装置100Bの第1~第5の圧力センサC1~C5の静電容量の値(変化)である。判定システム201は、判定システム200と同様に、1以上のプロセッサ(マイクロプロセッサ)と1以上のメモリとにより実現され得る。
判定システム201は、図20に示すように、第1~第5の端子200a~200eを有している。第1~第5の端子200a~200eは、入力装置100Bの第1~第5の圧力センサC1~C5にそれぞれ電気的に接続されている。例えば、第1、第2及び第3の端子200a,200b,200cは、第1の導電部材110dの端子112d、第2の導電部材110eの端子112e、及び第3の導電部材110fの一方の端子112fに接続されている。また、第4及び第5の端子200d,200eは、第4の導電部材110gの端子112g、及び第5の導電部材110hの端子112hに接続されている。これによって、判定システム201は、第1~第5の圧力センサC1~C5(電極111d~111h)に電気的に接続される。
判定システム201は、判定システム200と同様に、取得部210と判定部220とにより、第1の判定動作と第2の判定動作とを行うように構成されている。
第1の判定動作では、取得部210は、静電容量の変化の検出の感度を第1レベルに設定する。次に、取得部210は、静電容量の変化を取得する。具体的には、取得部210は、第1~第4の端子200a~200eのいずれか一つに電圧を印加し、残りを接地する。これによって、取得部210は、第1~第4の圧力センサC1~C4の静電容量の変化を順番に検出する。
取得部210が第1~第4の圧力センサC1~C4の静電容量の変化を取得すると、判定部220は、第1及び第2の圧力センサC1,C2の静電容量の変化のバランスに基づいて、メタルドーム140の第1の所定方向における押圧箇所(傾き)を判定する。また、判定部220は、第1及び第4の圧力センサC1,C4の静電容量の変化のバランスに基づいて、メタルドーム140の第2の所定方向における押圧箇所(傾き)を判定する。
具体的には、第1及び第2の圧力センサC1,C2の静電容量の変化の比較結果に基づき、判定部220は、メタルドーム140の第1の所定方向における押圧箇所(傾き)を判定する。判定部220は、メタルドーム140の第1の所定方向においてメタルドーム140の中心軸に対して反対側にある一対の圧力センサを利用する。具体的には、判定部220は、第1及び第2の圧力センサC1,C2の静電容量の変化を比較する。第1の圧力センサC1の静電容量の変化が第2の圧力センサC2の静電容量の変化より大きければ、判定部220は、メタルドーム140の第1端部(図19の左部分、第1及び第4の圧力センサC1,C4に対応する部分)が押圧されていると判断する。第2の圧力センサC2の静電容量の変化が第1の圧力センサC1の静電容量の変化より大きければ、判定部220は、メタルドーム140の第2端部(図19の右部分、第2及び第5の圧力センサC2,C5に対応する部分)が押圧されていると判断する。第1の圧力センサC1の静電容量の変化が第2の圧力センサC1の静電容量の変化と同じであれば、判定部220は、メタルドーム140の中央部(図19の中央部分、第3の圧力センサC3に対応する部分)が押圧されていると判断する。
更に、第1及び第4の圧力センサC1,C4の静電容量の変化の比較結果に基づき、判定部220は、メタルドーム140の第2の所定方向における押圧箇所(傾き)を判定する。判定部220は、メタルドーム140の第2の所定方向においてメタルドーム140の中心軸に対して反対側にある一対の圧力センサを利用する。具体的には、判定部220は、第1及び第4の圧力センサC1,C4の静電容量の変化を比較する。第1の圧力センサC1の静電容量の変化が第4の圧力センサC4の静電容量の変化より大きければ、判定部220は、メタルドーム140の第3端部(図19の下部分、第1及び第2の圧力センサC1,C2に対応する部分)が押圧されていると判断する。第4の圧力センサC4の静電容量の変化が第1の圧力センサC1の静電容量の変化より大きければ、判定部220は、メタルドーム140の第4端部(図19の上部分、第4及び第5の圧力センサC4,C5に対応する部分)が押圧されていると判断する。第1の圧力センサC1の静電容量の変化が第4の圧力センサC4の静電容量の変化と同じであれば、判定部220は、メタルドーム140の中央部(図19の中央部分、第3の圧力センサC3に対応する部分)が押圧されていると判断する。
そして、判定部220は、メタルドーム140の第1及び第2の所定方向それぞれの押圧箇所に基づいて、メタルドーム140の押圧箇所を判断する。例えば、第1の所定方向における押圧箇所が第1端部であり、第2の所定方向における押圧箇所が第3端部であれば、判定部220は、メタルドーム140の第1隅部(図19の左下部分、第1の圧力センサC1に対応する部分)が押圧されていると判断する。例えば、第1の所定方向における押圧箇所が第2端部であり、第2の所定方向における押圧箇所が第3端部であれば、判定部220は、メタルドーム140の第2隅部(図19の右下部分、第2の圧力センサC2に対応する部分)が押圧されていると判断する。例えば、第1の所定方向における押圧箇所が第1端部であり、第2の所定方向における押圧箇所が第4端部であれば、判定部220は、メタルドーム140の第3隅部(図19の左上部分、第4の圧力センサC4に対応する部分)が押圧されていると判断する。例えば、第1の所定方向における押圧箇所が第2端部であり、第2の所定方向における押圧箇所が第4端部であれば、判定部220は、メタルドーム140の第4隅部(図19の右上部分、第5の圧力センサC5に対応する部分)が押圧されていると判断する。例えば、第1の所定方向における押圧箇所が第1端部であり、第2の所定方向における押圧箇所が中央部であるとする。この場合、判定部220は、メタルドーム140の第1端部の中央(図19の左側の中央部分、第1及び第4の圧力センサC1,C4の間の部分)が押圧されていると判断する。例えば、第1の所定方向における押圧箇所が第2端部であり、第2の所定方向における押圧箇所が中央部であるとする。この場合、判定部220は、メタルドーム140の第2端部の中央(図19の右側の中央部分、第2及び第5の圧力センサC2,C5の間の部分)が押圧されていると判断する。例えば、第1の所定方向における押圧箇所が中央部であり、第2の所定方向における押圧箇所が第3端部であるとする。この場合、判定部220は、メタルドーム140の第3端部の中央(図19の下側の中央部分、第1及び第2の圧力センサC1,C2の間の部分)が押圧されていると判断する。例えば、第1の所定方向における押圧箇所が中央部であり、第2の所定方向における押圧箇所が第4端部であるとする。この場合、判定部220は、メタルドーム140の第4端部の中央(図19の上側の中央部分、第4及び第5の圧力センサC4,C5の間の部分)が押圧されていると判断する。例えば、第1及び第2の所定方向における押圧箇所がいずれも中央部であれば、判定部220は、メタルドーム140の中央(図19の中央部分、第3の圧力センサC3)が押圧されていると判断する。
また、判定部220は、第3の圧力センサC3の静電容量変化が規定値を超えたかどうかを判定する。第3の圧力センサC3の静電容量変化が規定値を超えている場合、判定部220は、クリック感が発生したと判断する。
第2の判定動作では、取得部210は、静電容量の変化の検出の感度を第2レベルに設定する。第2レベルは第1レベルより高く設定されている。次に、取得部210は、静電容量の変化を取得する。取得部210が第1~第5の圧力センサC1~C5の静電容量の変化を取得すると、判定部220は、第1~第5の圧力センサC1~C5の静電容量の変化がそれぞれ規定値を超えたかどうかを判定する。第1の圧力センサC1の静電容量の変化が規定値を超えていれば、判定部220は、メタルドーム140の第1隅部(図19の左下部分、第1の圧力センサC1に対応する部分)の近くに入力者の指があると判断する。第2の圧力センサC2の静電容量の変化が規定値を超えていれば、判定部220は、メタルドーム140の第2隅部(図19の右下部分、第2の圧力センサC2に対応する部分)の近くに入力者の指があると判断する。第3の圧力センサC3の静電容量の変化が規定値を超えていれば、判定部220は、メタルドーム140の中央部(図19の中央部分、第3の圧力センサC3に対応する部分)の近くに入力者の指があると判断する。第4の圧力センサC4の静電容量の変化が規定値を超えていれば、判定部220は、メタルドーム140の第3隅部(図19の左上部分、第4の圧力センサC4に対応する部分)の近くに入力者の指があると判断する。第5の圧力センサC5の静電容量の変化が規定値を超えていれば、判定部220は、メタルドーム140の第4隅部(図19の右上部分、第5の圧力センサC5に対応する部分)の近くに入力者の指があると判断する。なお、規定値は、第1~第5の圧力センサC1~C5毎に異なっていてもよいし同じであってもよい。
1.4 実施形態4
図21は、本実施形態の入力システムに用いられる入力装置100を示す。入力装置100は、図27及び図28に示すように、基板10と、基板10上に配置された圧力センサ(第1の圧力センサC1、第2の圧力センサC2、及び第3の圧力センサ)と、圧力センサC1,C2,C3上に配置されたメタルドーム60とを有する。本実施形態の入力装置100によれば、圧力センサC1,C2,C3に加わる押圧力は、メタルドーム60を介して圧力センサC1,C2,C3へ伝達される。メタルドーム60は、押圧力によって弾性変形し、クリック感を発生できる。したがって、押圧時にクリック感を得られる圧力センサC1,C2,C3を用いた入力装置100を提供できる。
更に、入力装置100では、3つの圧力センサC1,C2,C3のうちの特定の圧力センサC1,C2が、メタルドーム60の凹面60a側でメタルドーム60を支持している。そのため、メタルドーム60が弾性変形してクリック感を発生する前であっても、メタルドーム60にかかる押圧力(メタルドーム60の凸面60bにかかる押圧力)を圧力センサC1,C2によって検出できる。メタルドーム60が弾性変形してクリック感を発生した後は、メタルドーム60にかかる押圧力を圧力センサC1,C2,C3によって検出できる。つまり、クリック感が発生したかどうかに関係なく(メタルドーム60が弾性変形したかどうかに関係なく)、メタルドーム60にかかる押圧力を検出できる。
以下、図21から図28を用いて、入力装置100について説明する。図21に示すように、入力装置100は、基板10と、プリント基板20と、絶縁シート30と、導電シート40と、保護シート50と、メタルドーム60と、押し子70とを有する。また、入力装置100は、基板10に取り付けられて、基板10とともにハウジングを構成するカバーを有する。カバーは、押し子70を操作可能に露出させる。図22に示すように、プリント基板20は、基板10上に配置されている。特に、基板10は、矩形の平板状である。プリント基板20は、基板10の厚み方向の一面(図21の上面)に配置されている。
プリント基板20は、図23に示すように、電極21と、電極21と電気的に接続されている導線22とを有する。例えば、電極21と導線22とは、絶縁基板上に形成された導体パターンである。
電極21は、図23に示すように、第1の電極21aと、第2の電極21bと、第3の電極21cとを有する。第1の電極21aと第2の電極21bとは、弧状に形成されている。第1の電極21aと第2の電極21bとは、互いに対向するように配置されている。そして、第3の電極21cは、円形に形成されている。第3の電極21cは、第1の電極21aと第2の電極21bとの間に配置されている。なお、図23に示すように、第1の電極21aと、第2の電極21bと、第3の電極21cとは、別体である。
導線22は、図23に示すように、第1の電極21aと電気的に接続された第1の導線22aと、第2の電極21bと電気的に接続された第2の導線22bと、第3の電極21cと電気的に接続された第3の導線22cとを有する。そして、第1の導線22aと、第2の導線22bと、第3の導線22cとは、それぞれマイクロコントロールユニットに接続されている。なお、図23に示すように、第1の導線22aと、第2の導線22bと、第3の導線22cとは、別体である。
絶縁シート30は、プリント基板20上に配置されている。そして、絶縁シート30は、プリント基板20を被覆している。特に、絶縁シート30は電気絶縁性を有する。絶縁シート30は、少なくとも、プリント基板20の第1の電極21a、第2の電極21b、及び第3の電極21cを覆う。また、絶縁シート30は、導線22の電極21とは反対側の端部を覆っていない。
導電シート40は、絶縁シート30上に配置されている。また、導電シート40は、電極21と絶縁シート30を挟んで対応する位置に配置されている。導電シート40は、第1の導電部41aと、第2の導電部41bと、第3の導電部41cとを有している。なお、図21に示すように、第1の導電部41aと、第2の導電部41bと、第3の導電部41cとは、別体である。
第1の導電部41aは、第1の電極21aと対応する位置に配置されている。第2の導電部41bは、第2の電極21bと対応する位置に配置されている。第3の導電部41cは、第3の電極21cと対応する位置に配置されている。
すなわち、第1の導電部41aと第2の導電部41bとは対向するように配置されている。そして、第1の導電部41aと第2の導電部41bとの間に第3の導電部41cが配置されている。
保護シート50は、導電シート40上に配置されている。そして、保護シート50は、導電シート40を被覆している。特に、保護シート50は、第1の導電部41aと、第2の導電部41bと、第3の導電部41cとをまとめて覆っている。
メタルドーム60は、厚み方向において湾曲した金属板である。図27に示すように、メタルドーム60の厚み方向の一面(図27の下面)は、凹面60aであり、他面(図27の上面)は凸面60bである。メタルドーム60の凸面60bを押圧していくと、図28に示すようにメタルドーム60が弾性変形をし、これによって、クリック感が発生する。
図27に示すように、メタルドーム60は、上方に向かって凸となるように保護シート50上に配置されている。また、メタルドーム60は、導電シート40と対応する位置に配置されている。
メタルドーム60は、第1の縁部61aと、第2の縁部61bと、頂部62とを有する。第1の縁部61aは、第1の導電部41aと対応する位置に配置されて保護シート50と接触している。第2の縁部61bは、第2の導電部41bと対応する位置に配置されて保護シート50と接触している。頂部62は、第1の縁部61aと、第2の縁部61bとの間に、上方に向かって凸状となるように形成されている。そして、頂部62は、第3の導電部41cと対応する位置に配置されている。例えば、第1の縁部61a及び第2の縁部61bは、メタルドーム60の長さ方向の両縁部であり、頂部62は、メタルドーム60の長さ方向の中央部である。
押し子70は、メタルドーム60上に配置されている。そして、押し子70は、頂部62と接触している。特に、押し子70は、電気絶縁性を有する。押し子70は、長さのある矩形板状である。押し子70の外形形状はメタルドーム60の外形形状より大きい。押し子70の厚み方向の一面がメタルドーム60の凸面60bに接触している。
入力装置100は、以上のように形成されている。電極21と、導電シート40と、電極21と導電シート40との間に配置された絶縁シート30とは、静電容量を蓄えるコンデンサとして機能する。すなわち、プリント基板20、絶縁シート30、導電シート40とは、静電容量型の圧力センサ(第1の圧力センサC1、第2の圧力センサC2、及び第3の圧力センサC3)を構成している。より詳細には、図27及び図28に示すように、第1の圧力センサC1は、第1の電極21aと、第1の導電部41aと、絶縁シート30の第1の部分30aとで構成される。絶縁シート30の第1の部分30aは、絶縁シート30において第1の電極21aと第1の導電部41aとで挟まれた部分である。また、第2の圧力センサC2は、第2の電極21bと、第2の導電部41bと、絶縁シート30の第2の部分30bとで構成される。絶縁シート30の第2の部分30bは、絶縁シート30において第2の電極21bと第2の導電部41bとで挟まれた部分である。また、第3の圧力センサC3は、第3の電極21cと、第3の導電部41cと、絶縁シート30の第3の部分30cとで構成される。絶縁シート30の第3の部分30cは、絶縁シート30において第3の電極21cと第3の導電部41cとで挟まれた部分である。
入力者(ユーザ)が、押し子70を軽く触れる程度に押圧すると、押し子70は、メタルドーム60を僅かに押圧する。この押圧力は、第1の縁部61aと第2の縁部61bとを介して、第1の導電部41aと第2の導電部41bとを押圧する。これにより、電極21と、導電シート40と、電極21と導電シート40との間に配置された絶縁シート30との蓄える静電容量は変化する。特に、第1の圧力センサC1及び第2の圧力センサC2の静電容量が変化する。この静電容量変化を入力装置100に導線22を介して接続されるマイクロコントロールユニットで検出している。
この場合、押圧力によってクリック感は発生しないが、押圧力は検出されている。すなわち、入力装置100は、タッチ(入力者による押し子70のタッチ)を検出できる。言い換えれば、メタルドーム60が弾性変形してクリック感を発生する前であっても、メタルドーム60にかかる押圧力(メタルドーム60の凸面60bにかかる押圧力)を圧力センサC1,C2によって検出できる。
入力者が、さらに押し子70を押圧すると、クリック感の発生とともにメタルドーム60は弾性変形を生じる。そして、メタルドーム60の発生したクリック感は、押し子70を介して入力者へと伝わる。よって、入力者は、クリック感を得られる。
メタルドーム60の弾性変形によって、図28に示すように、頂部62が、第3の電極21cを押圧する。この状態において、第1の縁部61aと第2の縁部61bと頂部62とを介して、第1の導電部41aと第2の導電部41bと第3の導電部41cとを押圧する。つまり、第1の圧力センサC1及び第2の圧力センサC2の静電容量に加えて、第3の圧力センサC3の静電容量が変化する。したがって、メタルドーム60が弾性変形してクリック感を発生した後は、メタルドーム60にかかる押圧力を圧力センサC1,C2,C3によって検出できる。すなわち、メタルドーム60を用いることで、静電容量の変化をより大きくできる。
また、メタルドーム60の弾性変形時の押圧力を閾値として用いることで、第3の導電部41cと、第3の電極21cと(つまり、第3の圧力センサC3)を閾値以上の押圧力が入力装置100に加わった場合のセンサとして用いることができる。メタルドーム60の弾性変形時の押圧力は、メタルドーム60の弾性変形を生じさせるのにメタルドーム60に加える必要のある押圧力に等しい。したがって、第3の圧力センサC3の静電容量の変化によって、クリック感が発生したかどうかを判定することができる。
そして、この静電容量変化(圧力センサC1,C2,C3の各々の静電容量変化)は、マイクロコントロールユニットによって検出される。そして、マイクロコントロールユニットは検出結果に基づき入力信号を出力する。ここで、マイクロコントロールユニットの代わりに、実施形態1の判定システム200を利用してよい。つまり、入力装置100と判定システム200とで入力システムを構築してよい。
2.変形例
以上説明した上記実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。また、上記実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。以下に、上記実施形態の変形例を列挙する。
図9に示されているように、第1及び第2の圧力センサC1,C2においても、メタルドーム140の弾性変形に起因する静電容量の変化が見られる。よって、第1及び第2の圧力センサC1,C2を利用してクリック感の発生を検出してもよい。この場合、入力装置(100;100A;100B)は、第3の圧力センサC3を有していなくてもよい。
入力装置(100;100A;100B)において、圧力センサの数は特に限定されない。例えば、入力装置100Bでは、第1の所定方向に、2つの圧力センサC1,C2(又はC4,C5)が並んでいるが、3以上の圧力センサが並んでいてもよい。また、入力装置100Bでは、第2の所定方向に、2つの圧力センサC1,C4(又はC2,C5)が並んでいるが、3以上の圧力センサが並んでいてもよい。また、入力装置(100;100A;100B)において、複数の圧力センサがマトリクス状(例えば、2×2、2×3、3×3等)に並んでいてもよい。
入力装置(100;100A;100B)は少なくとも一つの圧力センサを有していればよい。例えば、入力装置100Aは、第1の圧力センサC1だけを有していてもよい。ここで、入力装置100Aにおいて、第2及び第3の導電部材110b,110cの電極111b,111cを絶縁シート130から露出させてもよい。この場合、第2及び第3の圧力センサC2,C3は構成されない。その代わりに、電極111bは常時メタルドーム140と接触される。そして、電極111cは、メタルドーム140の弾性変形時のみメタルドーム140に接触する。したがって、第2及び第3の導電部材110b,110c間が導通するかどうかによって、クリック感の発生を検出できる。
入力装置100Aにおいて、第1~第3の弾性体120a~120cは、導電性を有していなくてもよい。また、第1~第3の弾性体120a~120cの各々は、厚み方向の両面が粗面であってもよいし、平面であってもよい。また、第1~第3の弾性体120a~120cを省略してもよい。このような点は、入力装置100Bにおいても同様である。
また、入力装置(100;100A;100B)の各構成部材の形状は上記実施形態の形状に限定されない。例えば、メタルドーム140は、前述した外形形状に限定されることはなく、弾性変形部141の形状も限定されない。メタルドーム140は、弾性変形部141のみで構成されていてもよい。ただし、脚部142a~142bがあるほうが、メタルドーム140を安定して配置できる。また、押し子150の形状も円盤状以外の形状(例えば矩形板状)であってもよい。また、ハウジング160の形状も扁平な四角形の箱状以外の形状(例えば円筒形状)であってもよい。
また、入力装置(100;100A;100B)において、電極(21a~21c;111a~111c;111d~111h)の形状は、上記実施形態の形状に限定されず、例えば、メタルドーム(60;140)の形状や圧力センサの用途に応じて適宜変更され得る。
例えば、図29は、実施形態1における入力装置100Aの第1、第2及び第3の導電部材110a~110cの電極111a~111cの変形例を示す。図29では、電極111cは、正方形の板状である。電極111a,111bは、長方形の板状であるが、電極111c側の辺には、電極111cとの干渉を避けるための三角形状の切り欠き113a,113bが形成されている。
例えば、実施形態2の入力システムでは、入力装置100Bの第4及び第5の圧力センサC4,C5は接地される。そのため、第4及び第5の導電部材110g,110hの電極111g,111hは、相互に電気的に接続されていてもよい。図30は、実施形態2の入力システムの入力装置100Bの変形例を示す。図30の変形例では、電極111fは、正方形の板状である。また、変形例では、第4及び第5の導電部材110g,110hの代わりに、第6の導電部材110iが用いられている。第6の導電部材110iは、電極111iと一対の端子112iとを有している。電極111iは長方形の板状であるが、電極111f側の辺には、電極111fとの干渉を避けるための三角形状の切り欠き113iが形成されている。一対の端子112iは電極111iの長さ方向の両端から突出している。なお、電極111d,111eは、電極111fとの干渉を避けるために電極111f側の角がテーパ状となっている。
また、入力装置100Aにおいて、一対の端子112a、一対の端子112b、及び一対の端子112cは、ハウジング160のボディ161の厚み方向の第2面からではなく、側面から突出してもよい。このようにすれば、入力装置100Aの実装時のフラックスによる影響を抑制しやすくなる。これは、入力装置100Bにおいても同様であり、端子112d,112e,112f,112g,112hも、ハウジング160のボディ161の厚み方向の第2面からではなく、側面から突出してよい。
入力装置100において、絶縁シート30は、導電シート40と電極21との直接的な接触を防止できればよく、図21のようにプリント基板20を覆う必要はない。同様に、保護シート50も、メタルドーム60と導電シート40との直接的な接触を防止できる形状及び大きさであればよい。
同様に、入力装置100Aにおいて、絶縁シート130は、必ずしも、第1~第3の弾性体120a,120b,120cをまとめて覆う大きさである必要はない。絶縁シート130は、メタルドーム140と第1~第3の導電部材110a~110cとの直接的な接触を防止できればよい。したがって、入力装置100Aでは、絶縁シート130は、少なくとも第1~第3の部分130a~130cを有していればよい。この点は、入力装置100Bにおいても同様であり、絶縁シート130は、少なくとも、第1~第5の部分130d~130hを有していればよい。ここで、メタルドーム140において第1~第3の弾性体120a,120b,120cに対応する面に絶縁層が形成されるか、絶縁処理がされていてもよく、この場合には、絶縁シート130を省略できる。この点は、入力装置100Bにおいても同様である。
判定システム201において、判定部220は、第5の圧力センサC5を押圧箇所の判定に利用してもよい。例えば、判定部220は、第4及び第5の圧力センサC4,C5の静電容量の変化のバランスに基づいて、メタルドーム140の第1の所定方向における押圧箇所(傾き)を判定してもよい。また、判定部220は、第2及び第5の圧力センサC2,C5の静電容量の変化のバランスに基づいて、メタルドーム140の第2の所定方向における押圧箇所(傾き)を判定してもよい。これらの判定の結果を利用して判定部220は、メタルドーム140の押圧箇所を判定すれば、判定精度の向上が図れる。
判定システム(200;201)では、取得部210は、複数の圧力センサから個々に静電容量の変化を取得しているが、複数の圧力センサのうちの2以上を一つの圧力センサとして静電容量の変化を取得してもよい。
例えば、判定システム200は、複数の圧力センサC1~C3毎に、メタルドーム140の近傍に検出対象(例えば、入力者の指)が存在しているかどうかを判定している。ここで、判定システム200は、2以上の圧力センサを一つの圧力センサとして用いて、メタルドーム140の近傍に検出対象(例えば、入力者の指)が存在しているかどうかを判定してもよい。例えば、判定システム200は、ステップS21において、第1~第3の端子200a~200cのすべてに電圧を印加してよい。このようにすれば、第1~第3の圧力センサC1~C3が1つの圧力センサとして機能する。これにより、判定システム200は、第1~第3の圧力センサC1~C3の静電容量の変化の合計値を取得でき、この合計値に基づいて、検出対象が近付いているかどうかを判定できる。つまり、複数の圧力センサのどの圧力センサに検出対象が近付いているかを判定する代わりに、検出対象が近付いているかどうかの判定の精度を向上できる。この点は、判定システム201の判定部220においても同様である。なお、複数の圧力センサのすべてを一つの圧力センサとして用いる必要はなく、複数の圧力センサのうちの2以上を一つの圧力センサとして用いれば、感度の向上が図れる。
例えば、判定システム201は、第1の所定方向における押圧箇所及び押し込み量を判定する場合に、第1及び第4の圧力センサC1,C4を一つの圧力センサとして利用し、第2及び第5の圧力センサC2,C5を一つの圧力センサとして利用してよい。つまり、第1及び第4の圧力センサC1,C4の静電容量の変化の合計と第2及び第5の圧力センサC2,C5の静電容量の変化の合計との比較結果に基づき、判定部220は、メタルドーム140の第1の所定方向における押圧箇所(傾き)及び押し込み量を判定してよい。この場合、取得部210は、端子112d,112gに電圧を印加し、端子112e,112f,112hを接地することで、第1及び第4の圧力センサC1,C4の静電容量の変化の合計を取得する。同様に、取得部210は、端子112e,112hに電圧を印加し、端子112d,112f,112gを接地することで、第2及び第5の圧力センサC2,C5の静電容量の変化の合計を取得する。このようにすれば、第1の所定方向における押圧箇所及び押し込み量の検出精度を高めることができる。同様に、判定システム201は、第2の所定方向における押圧箇所及び押し込み量を判定する場合に、第1及び第2の圧力センサC1,C2を一つの圧力センサとして利用し、第4及び第5の圧力センサC4,C5を一つの圧力センサとして利用してよい。つまり、第1及び第2の圧力センサC1,C2の静電容量の変化の合計と第4及び第5の圧力センサC4,C5の静電容量の変化の合計との比較結果に基づき、判定部220は、メタルドーム140の第2の所定方向における押圧箇所(傾き)及び押し込み量を判定してよい。この場合、取得部210は、端子112d,112eに電圧を印加し、端子112f,112g,112hを接地することで、第1及び第2の圧力センサC1,C2の静電容量の変化の合計を取得する。同様に、取得部210は、端子112g,112hに電圧を印加し、端子112d,112e,112fを接地することで、第4及び第5の圧力センサC4,C5の静電容量の変化の合計を取得する。このようにすれば、第2の所定方向における押圧箇所及び押し込み量の検出精度を高めることができる。
3.態様
上記実施形態及び変形例から明らかなように、第1の態様の入力装置(100;100A;100B)は、メタルドーム(60;140)と圧力センサ(C1,C2,C4,C5)と、を備える。前記圧力センサ(C1,C2,C4,C5)は、前記メタルドーム(60;140)の凹面側で前記メタルドーム(60;140)を支持する。第1の態様によれば、押圧時にクリック感を得られる、圧力センサを用いた入力装置が得られる。
第2の態様の入力装置(100;100A;100B)は、第1の態様との組み合わせにより実現され得る。第2の態様では、前記圧力センサ(C1,C2,C4,C5)は、静電容量式の圧力センサである。第2の態様によれば、入力装置(100;100A;100B)の構造を簡素化でき、近接センサとしての利用も可能になる。
第3の態様の入力装置(100;100A;100B)は、第2の態様との組み合わせにより実現され得る。第3の態様では、前記圧力センサ(C1,C2,C4,C5)は、電極(21;111a,111b;111d,111e,111g,111h)を含む。前記圧力センサ(C1,C2,C4,C5)は、更に、前記メタルドーム(60;140)の所定部位(61a,61b;142a~142d)と、絶縁体(30;130)とを含む。前記絶縁体(30;130)は、前記電極(21;111a,111b;111d,111e,111g,111h)と前記所定部位(61a,61b;142a~142d)との間にある。前記所定部位(61a,61b;142a~142d)は、前記メタルドーム(60;140)において前記電極(21;111a,111b;111d,111e,111g,111h)で支持される部位である。第3の態様によれば、入力装置(100;100A;100B)の構造を簡素化できる。
第4の態様の入力装置(100;100A;100B)は、第3の態様との組み合わせにより実現され得る。第4の態様では、前記圧力センサ(C1,C2,C4,C5)は、弾性体(40;120a,120b;120d,120e,120g,120h)を更に有する。前記弾性体(40;120a,120b;120d,120e,120g,120h)は、前記絶縁体(30;130)と前記電極(21;111a,111b;111d,111e,111g,111h)又は前記所定部位(142a~142d)との間にある。第4の態様によれば、圧力センサ(C1,C2,C4,C5)の感度の向上が図れる。
第5の態様の入力装置(100;100A;100B)は、第4の態様との組み合わせにより実現され得る。第4の態様では、前記弾性体(40;120a,120b;120d,120e,120g,120h)は、導電性を有する。第5の態様によれば、圧力センサ(C1,C2,C4,C5)の感度の向上が図れる。
第6の態様の入力装置(100A;100B)は、第5の態様との組み合わせにより実現され得る。第6の態様では、前記弾性体(120a,120b;120d,120e,120g,120h)における前記絶縁体(130)側の面は、粗面である。第6の態様によれば、静電容量の変化の線形性が向上する。
第7の態様の入力装置(100;100A;100B)は、第1~第6の態様のいずれか一つとの組み合わせにより実現され得る。第7の態様では、前記圧力センサ(C1,C2,C4,C5)を複数備える。第7の態様によれば、メタルドーム(60;140)の押圧箇所の判定が可能になる。
第8の態様の入力装置(100B)は、第7の態様との組み合わせにより実現され得る。第8の態様では、前記複数の圧力センサ(C1,C2,C4,C5)は、前記メタルドーム(140)の中心軸に交差する所定方向において前記中心軸に対して同じ側に位置する一対の圧力センサ(C1,C4;C2,C5)を含む。第8の態様によれば、感度の向上が図れる。
第9の態様の入力装置(100;100A;100B)は、第7又は第8の態様との組み合わせにより実現され得る。第9の態様では、前記複数の圧力センサ(C1,C2,C4,C5)は、前記メタルドーム(60;140)の中心軸に交差する所定方向において前記中心軸に対して反対側に位置する一対の圧力センサ(C1,C2;C4,C5)を含む。第9の態様によれば、所定方向においてメタルドーム(60;140)の押圧箇所の判定が可能になる。
第10の態様の入力装置(100;100A;100B)は、第1~第9の態様のいずれか一つとの組み合わせにより実現され得る。第10の態様では、前記入力装置(100;100A;100B)は、検出部(C3)を、更に備える。前記検出部(C3)は、前記メタルドーム(60;140)の凹面(60a;141a)側にある。前記検出部(C3)は、前記メタルドーム(60;140)の凸面(60b;141b)の押圧による前記メタルドーム(60;140)の弾性変形を検出するように構成される。第10の態様によれば、クリック感の発生を検出できる。
第11の態様の入力装置(100;100A;100B)は、第10の態様との組み合わせにより実現され得る。第11の態様では、前記検出部(C3)は、対向電極(21c;111c,111f)と、誘電体(30;130)と、を有する。前記対向電極(21c;111c,111f)は、前記メタルドーム(60;140)の凹面(60a;141a)と対向する。前記誘電体(30;130)は、前記対向電極(21c;111c,111f)において前記メタルドーム(60;140)と対向する面にある。第11の態様によれば、クリック感の発生の検出精度を向上できる。
第12の態様の入力装置(100;100A;100B)は、第1~第11の態様のいずれか一つとの組み合わせにより実現され得る。第12の態様では、前記入力装置(100;100A;100B)は、押し子(150)と、ハウジング(160)と、を更に備える。前記押し子(150)は、前記メタルドーム(60;140)の凸面(60b,141b)側に配置される。前記ハウジング(160)は、前記圧力センサ(C1,C2,C4,C5)、前記メタルドーム(60;140)、及び前記押し子(150)を収容する。第12の態様によれば、入力装置(100;100A;100B)の操作性及び取扱性の向上が図れる。
第13の態様の入力システムは、第1~第12の態様のいずれか一つの入力装置(100;100A;100B)と、判定システム(200;201)と、を備える。前記判定システム(200;201)は、前記入力装置(100;100A;100B)からの出力に基づいて、前記入力装置(100;100A;100B)への入力内容を判定するように構成される。第13の態様によれば、押圧時にクリック感を得られる、圧力センサを用いた入力システムが得られる。