JP7042076B2 - 工事代金処理装置、工事代金処理方法、および工事代金処理プログラム - Google Patents

工事代金処理装置、工事代金処理方法、および工事代金処理プログラム Download PDF

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Description

本発明は、工事代金処理装置、工事代金処理方法、および工事代金処理プログラムに関する。
従来、例えば、工事請負出来高管理システムとして特許文献1がある。かかる特許文献1の工事請負出来高管理システムは、管理センタ25には、現場16から送信された工事の進捗内容を確認してその承認を行う進捗内容承認手段2と、承認された工事の出来高数量を累計する出来高数量累計手段3と、承認された工事の出来高数量に基づいて出来高率を計算する出来高率計算手段4と、撮影手段により撮影された現場写真を記憶する現場進捗状況写真管理手段5と、ビデオカメラにより撮影された現場状況把握のための映像を放映する映像放映手段6と、少なくとも工事現場16の立体図又は工事現場周辺地域立体図を作成する立体地図作成手段7と、各手段のデータに基づいて所定期間内の累計データを蓄積する累計データ蓄積手段8と、を備えている。
また、特許文献1の段落0013には、「図3(b)は受注者が日々の出来高を入力する画面の一例である。受注者は「出来高数量」「出来高率」を入力する。それにより「出来高金額」と「支払金額」が自動的に計算される。支払金額は出来高金額の90%として計算され、残額10%は保留金ファイルへ保留され、支払は工事完了後に一括で支払われる。例えば、一番上の出来高数量「1」、出来高率「10%」のとき出来高金額が「100円」とすると支払金額はその90%の「90円」が支払われる。また確認・承認欄には受注者と発注者側の欄があり、夫々がチェックして確認・承認を行なう。」と記載されている。
特開2007-47948号公報
しかしながら、上記特許文献1では、元請業者が下請業者に保留金を工事完了時に一括して支払うことに関して記載されているが、下請業者側の保留金を伴う請求管理については何等記載されていない。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、工事代金の保留金に関して、下請業者が保留金を伴う請求管理を簡便に行うことが可能な工事代金処理装置、工事代金処理方法、および工事代金処理プログラムを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、制御部及び記憶部を備えた工事代金処理装置であって、前記制御部は、工事代金に関して保留金が発生する契約の場合に、工事毎に保留金条件を含む契約データを作成して、前記記憶部に登録する契約データ作成手段と、前記記憶部に登録されている保留金条件に基づいて、前記工事代金の当月請求分と保留分の金額を算出する請求・保留分算出手段と、を備えたことを特徴とする。
また、本実施の形態によれば、前記保留金条件は、出来高に対する保留金の割合を示す保留率、端数処理を行う桁とその処理の方法を指定する端数処理、及び保留を解除する条件を指定する解除起算のデータを含むことが望ましい。
また、本実施の形態によれば、前記解除起算は、所定の保留期間が経過した後に請求、工事完成時に請求、又は解除月を個別に指定であることが望ましい。
また、本実施の形態によれば、前記請求・保留分算出手段は、さらに、前記工事代金の当月請求分と保留分の請求予定日及び回収予定日を算出することが望ましい。
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、制御部及び記憶部を備えた情報処理装置で実行される工事代金処理方法であって、前記制御部で実行される、
工事代金に関して保留金が発生する契約の場合に、工事毎に保留金条件を含む契約データを作成して、前記記憶部に登録する契約データ登録ステップと、前記記憶部に登録されている保留金条件に基づいて、前記工事代金の当月請求分と保留分の金額を算出する請求・保留分算出ステップと、を含むことを特徴とする。
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、制御部及び記憶部を備えた情報処理装置に実行させるための工事代金処理プログラムであって、工事代金に関して保留金が発生する契約の場合に、工事毎に保留金条件を含む契約データを作成して、前記記憶部に登録する契約データ登録ステップと、前記記憶部に登録されている保留金条件に基づいて、前記工事代金の当月請求分と保留分の金額を算出する請求・保留分算出ステップと、を前記制御部に実行させるための工事代金処理プログラムであることを特徴とする。
本発明によれば、工事代金の保留金に関して、下請業者が保留金を伴う請求管理を簡便に行うことが可能となるという効果を奏する。
図1は、本実施の形態に係る工事代金処理装置の構成の一例を示すブロック図である。 図2は、本実施形態における工事代金処理装置の全体の処理の一例を示すフローチャートである。 図3は、保留金条件の解除起算=「一定期間後」の場合を説明するためのサンプルパターンを示す図である。 図4は、前請求入力画面の一例を示す図である。 図5は、契約データ、前請求データ、及び前請求リンクデータのデータ例を示す図である。 図6は、保留金条件の解除起算=「工事完成時」の場合を説明するためのサンプルパターンを示す図である。
以下に、本発明に係る工事代金処理装置、工事代金処理方法、および工事代金処理プログラムの実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
[1.概要]
工事業界の慣習で、元請業者が下請業者から作業進捗分の請求を受けた際、瑕疵担保等を目的として請求額の一部の支払を留保することがある。その留保された支払を「保留金」といい、保留金は一定期間の後又は工事完成時に解除され、元請業者から下請業者に支払われる。請求額に対する保留金の割合(保留率)や保留金解除の条件などは、元請け毎や契約毎に異なることがある。
下請業者から見た場合、毎月の作業の対価を2回に分けて請求、回収しなければならず、また、その条件も工事によって異なるとなれば、請求金額の算出や請求予定日や入金予定日の管理等が非常に煩雑な作業になる。より具体的には、従来、例えば、(1)保留金条件をシステム外で管理していたため、確認に手間がかかっていた、(2)保留金の計算を手計算でおこなっていたため、煩雑でミスも発生し易かった、(3)当月請求分と保留分で2回の債権入力が必要だった、(4)保留金がいつ解除されていつ回収される予定かを管理するのが難しかった等の問題があった。
本実施の形態では、工事代金の保留金に関して、下請業者が保留金を伴う請求管理をシステムで簡便に行う方法を提案する。
具体的には、本実施の形態では、(1)保留金が発生する契約の場合、契約データとして保留金条件を登録しておき、(2)月々の請求を行う際、登録された保留金条件を元に、当月請求分と保留分をそれぞれの金額、請求予定日、回収予定日を自動的に算出し、(3)当月請求分と保留分を同時に登録し、回収予定の管理帳票等にも即反映させ、保留金を含めた債権管理を簡便に行う。
[2.構成]
本実施形態に係る工事代金処理装置100の構成について、図1を参照して説明する。図1は、工事代金処理装置100の構成の一例を示すブロック図である。本実施の形態に係る工事代金処理装置100は、主として、工事業界の下請業者が使用するものである。
工事代金処理装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、工事代金処理装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
工事代金処理装置100は、図1に示すように、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。工事代金処理装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、工事代金処理装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、工事代金処理装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。なお、後述する記憶部106に格納されるデータは、サーバ200に格納されてもよい。
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、およびマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。また、ユーザが出力装置(モニタ)114の画面に表示して、入力装置112で操作することを、「UIを介したユーザ操作」と記載する場合がある。
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、およびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。
記憶部106は、契約データファイル106a、前請求データファイル106b、及び前請求リンクデータファイル106c等を格納する。ユーザ(オペレータ)は、契約データファイル106a、前請求データファイル106b、及び前請求リンクデータファイル106cに格納されるデータの内容を出力装置114の画面に表示して確認することが可能となっており、また、入力装置112を介して、入力・変更・追加等の編集が可能に構成されている。
契約データファイル106aは、契約データを格納するためのファイルである。契約データは、工事番号、受注日、工事期間開始日、工事期間終了日、売上予定日、受注金額、及び保留金条件(請求保留、保留率、端数処理内容、端数処理桁数、解除起算、保留期間月数、解除請求)等のデータを含んでいる(例えば、図5参照)。
ここで、保留金条件について説明する。保留金条件は、各工事の工事代金の保留金を算出するためのパラメータである。保留金条件は、請求保留、保留率、端数処理(端数処理内容、端数処理桁数)、解除起算、保留期間月数、解除請求等である。保留金条件が未設定のものは保留金の計算対象とはならず、出来高をそのまま当月請求分として処理する。
保留率は、出来高に対する保留金の割合である。端数処理は、端数処理桁数と端数処理内容(切り捨て/切り上げ/四捨五入)を指定するための情報である。例えば、端数処理内容が「切り捨て」、端数処理桁数が「100」の場合は、出来高が133,000円、保留率が10%だとすると、計算上の保留金は133,000円×10%=13,000円になるが、設定に従って300円を切り捨て、保留金は13,000円として計上する。当月請求額は133,000円-13,000円=120,000円となる。
解除起算は、一定期間後(保留期間が経過した後に請求)/工事完成時(完工時に請求)/その他(解除月を個別に指定)から選択する。
保留期間は、解除期間が「一定期間後」の場合、保留する月数を指定する。解除起算が「一定期間後」以外の場合は指定しない。解除請求はあり/なしから選択する。無しの場合、保留金は請求書出力の対象としない。
前請求データファイル106bは、前請求データを格納するためのファイルである。
前請求データは、前請求番号、工事番号、請求予定日、回収予定日、前請求本体金額、前請求消費税額、及び備考のデータを含んでいる(例えば、図5参照)。
前請求リンクデータファイル106cは、前請求リンクデータを格納するためのファイルである。前請求リンクデータは、債権データが2つに分かれるため(請求分の債権データと保留分の債権データ)、その紐付きを保持するためのものである。前請求リンクデータは当月請求分前請求番号、保留分前請求番号、出来高本体金額、及び出来高消費税額のデータを含んでいる(例えば、図5参照)。
制御部102は、工事代金処理装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。制御部102は、機能概念的に、契約データ作成部102aと、請求・保留分算出部102bと、請求処理部102cとを備えている。
契約データ作成部102aは、工事代金に関して保留金が発生する契約の場合に、保留金条件を含む契約データを作成して、契約データファイル106aに登録する。保留金条件は、出来高に対する保留金の割合を示す保留率、端数処理を行う桁とその処理の方法を指定する端数処理、及び保留を解除する条件を指定する解除起算のデータを含むことにしてもよい。また、解除起算は、所定の保留期間が経過した後に請求、工事完成時に請求、又は解除月を個別に指定であることにしてもよい。
請求・保留分算出部102bは、契約データファイル106aに登録されている保留金条件に基づいて、工事代金の当月請求分と保留分の金額を算出する。また、請求・保留分算出部102bは、さらに、請求予定日及び回収予定日を算出してもよい。
請求処理部102cは、工事代金の当月請求分と保留分に関して、請求予定日がきたものについて請求書を作成する。
[3.全体の処理の概略]
図1及び図2を参照して、本実施形態における工事代金処理装置100の全体の処理を流れの概略を説明する。図2は、本実施形態における工事代金処理装置100の全体の処理の一例を示すフローチャートである。
図2において、契約データ作成部102aは、契約明細登録処理を実行する(ステップS1)。契約明細登録処理では、工事を受注した場合に、工事代金に関して保留金が発生する契約の場合に、工事毎に、契約入力画面(不図示)でのオペレータの操作に応じて、保留金条件を含む契約データを作成して、契約データファイル106aに登録する。保留金条件は、出来高に対する保留金の割合を示す保留率、端数処理を行う桁とその処理内容(方法)を指定する端数処理、及び保留を解除する条件を指定する解除起算のデータを含むことにしてもよい。また、解除起算は、所定の保留期間が経過した後に請求、工事完成時に請求、又は解除月を個別に指定であることにしてもよい。
請求・保留分算出部102bは、前請求入力処理を実行する(ステップS2)。前請求入力処理では、前請求入力画面(図4参照)でのオペレータの操作に応じて、契約データファイル106aに登録されている保留金条件に基づいて、月毎に、工事代金の当月請求分と保留分の金額を算出する。より具体的には、月毎の締め処理時に、保留金条件に従って、工事代金の当月請求分の債権データと保留分の債権データの金額、請求予定日、及び回収予定日を含む前請求データを作成して、前請求データファイル106bに登録する。また、前請求入力処理では、当月請求分の債権データと保留分の債権データを紐付けするための前請求リンクデータを作成して、前請求リンクデータファイル106cに登録する。
請求処理部102cは、請求入力処理を実行する(ステップS3)。請求入力処理では、請求入力画面(不図示)でのオペレータの操作に応じて、前請求データファイル106bに登録されている前請求データについて、請求予定日がきたものについて請求書を作成する。請求書は電子メール又は郵送で元請業者に送付してもよい。
[4.処理の具体例]
本実施形態に係る工事代金処理装置100の処理の具体例について、図1及び図3~図6を参照して詳細に説明する。以下の具体例では、保留金条件の解除起算が、「一定期間後」の場合と、「工事完成時」の場合について説明する。まず、保留金条件の解除起算=「一定期間後」の場合を説明する。
(1)保留金条件の解除起算=「一定期間後」の場合
図3は、保留金条件の解除起算=「一定期間後」の場合を説明するためのサンプルパターンを示す図である。図4は、前請求入力画面の一例を示す図である。図5は、契約データ、前請求データ、及び前請求リンクデータのデータ例を示す図である。図4及び図5は、図3の保留金条件の解除起算=「一定期間後」の場合に対応している。図1及び図3~図5を参照して、保留金条件の解除起算=「一定期間後」の場合の具体例を説明する。
図3において、2017/3に工事を受注すると、契約明細作成処理(ステップS1)を実行し、契約データを作成して契約データファイル106aに格納する。契約の内容は、図3に示すように、受注金額「¥4,560,000」、工事期間「2017/4/1~2017/9/30」、売上予定日「2017/9/30」、保留金条件(保留率「10.0%」、端数処理「1000円未満切り捨て」、解除起算「一定期間後」、保留期間「3ヶ月」、解除請求「必要」)となっている。なお、保留金条件は、初回の請求時までに入力(登録)することにしてもよい。
具体的な契約データは、図5(A)に示すように、例えば、工事番号「K001」、受注日「2017/3/20」、工事期間開始日「2017/4/1」、工事期間終了日「2017/9/30」、売上予定日「2017/9/30」、受注金額「4,560,000」、及び保留金条件(請求保留「1:あり」、保留率「10.0」、端数処理内容「1:切り捨て」、端数処理桁数「1000」、解除起算「1:一定期間後」、保留期間月数「3」、解除請求「1:必要」)となっている。
図3に戻り、2017/4に、工事の作業が20%進捗したとする。2017/5上旬の4月の締処理時に、前請求入力処理(ステップS2)を行い、4月作業の当月請求分と保留分の債権データを含む前請求データを作成して、前請求データファイル106bに登録する。また、4月作業の当月請求分の債権データと保留分の債権データを紐付けるための前請求リンクデータを作成して、前請求リンクデータファイル106cに登録する。
例えば、出来高=受注金額「¥4,560,000」×進捗率「20%」=¥912,000、保留金=出来高「¥912,000」×保留率「10%」=¥91,200→¥91,000(端数処理に従って1000円未満を切り捨てる)、保留分の請求予定日「2017/8/31(保留期間設定に従って、当月の請求予定日+3ヶ月の日付が自動的に算出される)」、当月請求分=出来高「¥912,000」-保留金「¥91,000」=¥821,000、当月請求分の請求予定日「2017/5/31」となる。
図4は前請求入力画面の一例を示しており、図4に示す前請求入力画面400の例では、工事番号に対応する契約内容を表示するための領域401と、当月の出来高を入力するための領域402と、計算ボタン403と、当月請求分の債権データを表示するための領域404と、保留分の債権データを表示するための領域405と、登録ボタン406とが表示されている。
領域401では、工事番号を入力すると対応する契約データが契約データファイル106aから読み出されて表示される。図4に示す例では、オペレータにより工事番号「K001」、入力日「2017/5/1」が入力される。
領域402では、オペレータは当月の出来高を入力する(1)。図4に示す例では、4月の出来高金額「¥912,000」が入力される。計算ボタン403を押すと(2)、対応する契約データの保留金条件に従って、当月請求分と保留分の金額と、請求予定日、回収予定日が自動計算され(3)、領域404,405に表示される。オペレータが手入力で調整することも可能である。
保留分の請求予定日は、解除起算が「一定期間後」の場合は、入力日の翌締日+指定期間となる(4)。図4に示す例では、保留分の請求予定日は、入力日「2017/5/1」の翌締日+保留金条件の保留期間月数「3ヶ月」により、「2017/8/31」となる。なお、解除起算が「工事完成時」の場合は、売上予定日の翌締日となる。
登録ボタン406を押すと、当月請求分と保留分の2件の債権データが前請求データとして作成されて、前請求データファイル106bに登録される(5)。修正等で再表示する場合も考慮して、上述したように、この2件の債権データを紐付けるための前請求リンクデータを作成して、前請求リンクデータファイル106cに登録して、別ファイル(テーブル)で管理する。
具体的な前請求データは、図5(B)に示すように、例えば、当月請求分の債権データが、前請求番号「M001」、工事番号「K001」、請求予定日「2017/5/31」、回収予定日「2017/6/30」、前請求本体金額「¥821,000」、前請求消費税額「¥65,680」及び備考「2017/04 当月請求分」であり、保留分の債権データが、前請求番号「M002」、工事番号「K001」、請求予定日「2017/8/31」、回収予定日「2017/9/30」、前請求本体金額「¥91,000」、前請求消費税額「¥7,280」、及び備考「2017/04 保留分」となる。
図5(C)に示す前請求リンクデータの例では、当月請求分前請求番号「M001」、保留分前請求番号「M002」、出来高本体金額「¥912,000」、及び出来高消費税額「¥72,960」となっている。前請求リンクデータは、債権データが当月請求分の債権データM001と保留分の債権データM002に分かれるため、その紐付きを保持するためのものである。入力内容を修正する際には、この前請求リンクデータに基づいて、当月請求分の債権データと保留分の債権データを一画面に表示することにしてもよい。
図3に戻り、2017/5に、作業が20%進捗したとする。4月作業分の請求予定日がくると、請求入力処理(ステップS3)を実行して、請求書を発行する。請求予定日「2017/4/30」の債権を対象とするので、4月に発生した保留金は対象とならない。
2017/6上旬の5月の締処理時に、前請求入力処理(ステップS2)を行い、4月と同様に5月作業分の当月請求分と保留分の債権データを含む前請求データを作成して、前請求データファイル106bに登録する。保留分の請求予定日「2017/9/30」、当月請求分の請求予定日「2017/6/30」となる。また、5月作業の当月請求分の債権データと保留分の債権データを紐付けるための前請求リンクデータを作成して前請求リンクデータファイル106cに登録する。
(中略)
2017/8上旬の7月の締処理時に、前請求入力処理(ステップS2)を行い、4月と同様に7月作業分の当月請求分と保留分の債権データを含む前請求データを作成して、前請求データファイル106bに登録する。保留分の請求予定日「2017/11/30」、当月請求分の請求予定日「2017/8/31」となる。また、7月作業の当月請求分の債権データと保留分の債権データを紐付けるための前請求リンクデータを作成して前請求リンクデータファイル106cに登録する。
2017/8に作業が20%進捗したとする。7月作業分の請求予定日がくると、請求入力処理(ステップS3)を実行して、請求書を発行する。7月の当月請求分¥821,000+4月の保留分¥91,000=¥912,000を合わせて請求する。保留分の債権の発生月は登録済みなので、改めて計算する必要はない。以下の説明を省略する。
(2)解除起算=「工事完成時」の場合
図6は、保留金条件の解除起算=「工事完成時」の場合を説明するためのサンプルパターンを示す図である。図6を参照して、保留金条件の解除起算=「工事完成時」の場合の具体例を説明する。
図6において、2017/3に工事を受注すると、契約明細登録処理(ステップS1)を実行し、契約データを作成して契約データファイル106aに格納する。例えば、契約明細は、図6に示すように、受注金額「¥4,560,000」、工事期間「2017/4/1~2017/9/30」、売上予定日「2017/9/30」、保留金条件(保留率「10.0%」、端数処理「100円未満切り上げ」、解除起算「工事完成時」、解除請求「不要」)となっている。保留金条件は、初回の請求時までに入力(登録)することができる。
2017/4に、工事の作業が20%進捗したとする。2017/5上旬の4月の締処理時に、前請求入力処理(ステップS2)を行い、4月作業の当月請求分と保留分の債権データを含む前請求データを作成して、前請求データファイル106bに登録する。また、また、4月作業の当月請求分の債権データと保留分の債権データを紐付けるための前請求リンクデータを前請求リンクデータファイル106cに登録する。例えば、出来高=受注金額「¥4,560,000」×進捗率「20%」=¥912,000、保留金=出来高「¥912,000」×保留率「10%」=¥91,200(端数処理設定に該当しない)、保留分の請求予定日「2017/9/30(工事完成時に請求するため、売上予定日の翌締日が請求予定日となる)」、当月請求分=出来高「¥912,000」-保留金「¥91,200」=¥820,000、当月請求分の請求予定日「2017/5/31」となる。
2017/5に、作業が20%進捗したとする。4月作業分の請求予定日がくると、請求入力処理(ステップS3)を実行して、請求書を発行する。請求予定日「2017/4/30」の債権を対象とするので、当月発生した保留金は請求対処とならない。
2017/6上旬の5月の締処理時に、2017/6上旬の5月の締処理時に、前請求入力処理(ステップS2)を行い、4月と同様に5月作業分の当月請求分と保留分の債権データを含む前請求データを作成して、前請求データファイル106bに登録する。保留分の請求予定日「2017/9/30」、当月請求分の請求予定日「2017/6/30」となる。また、5月作業の当月請求分の債権データと保留分の債権データを紐付けるための前請求リンクデータを作成して前請求リンクデータファイル106cに登録する。
2017/6に、さらに、作業が20%進捗したとする。5月作業分の請求予定日がくると、請求入力処理(ステップS3)を実行して、請求書を発行する。
(中略)
2017/9に作業が20%進捗し、月中に工事が完了した。当月請求分(受注金額からこれまでの請求分の累計を引いた額)と保留分を登録するが、請求予定日は同じになる(保留分の請求予定日「2017/9/30」、当月請求分の請求予定日「2017/9/30」)。また、4月~9月の保留分も全てこの月に解除されるので、併せて請求を行うが(9月の当月請求分¥820,000+4月~9月の保留分¥91,200×6=¥1,367,800を併せて請求する。)、解除請求=不要となっている場合、保留分は請求書に反映されない。
以上説明したように、本実施の形態によれば、契約データ作成部102aは、工事代金に関して保留金が発生する契約の場合に、工事毎に保留金条件を含む契約データを作成して、契約データファイル106aに登録する契約データ作成部102aと、請求・保留分算出部102bは、契約データファイル106aに登録されている保留金条件に基づいて、月毎に工事代金の当月請求分と保留分の金額を算出することとしたので、登録した保留金条件に基づいて、工事代金の当月請求分と保留分の金額を自動的に算出することができ、工事代金の保留金に関して、下請業者が保留金を伴う請求管理を簡便に行うことが可能となる。
また、保留金条件は、出来高に対する保留金の割合を示す保留率、端数処理を行う桁とその処理の方法を指定する端数処理、及び保留を解除する条件を指定する解除起算のデータを含むこととしたので、各種の保留金条件を設定して管理することが可能となる。
また、解除起算は、所定の保留期間が経過した後に請求、工事完成時に請求、又は解除月を個別に指定であることとしたので、保留金の各種の解除条件を設定することが可能となる。
また、請求・保留分算出部102bは、さらに、工事代金の当月請求分と保留分の請求予定日及び回収予定日を算出することとしたので、工事代金の当月請求分と保留分の請求予定日及び回収予定日を自動的に算出することが可能となる。
[5.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
また、工事代金処理装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
例えば、工事代金処理装置100が備える処理機能、特に制御部102にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて工事代金処理装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
また、このコンピュータプログラムは、工事代金処理装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
記憶部106に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
また、工事代金処理装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、工事代金処理装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
100 工事代金処理装置
102 制御部
102a 契約データ作成部
102b 請求・保留分算出部
102c 請求処理部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a 契約データファイル
106b 前請求データファイル
106c 前請求リンクデータファイル
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 サーバ
300 ネットワーク

Claims (6)

  1. 制御部及び記憶部を備えた工事代金処理装置であって、
    前記制御部は、
    工事毎に、工事番号と、受注日と、売上予定日と、受注金額と、並びに、工事代金の保留金の保留率及び保留金を解除する条件である解除起算を含む保留金条件と、を含む契約データを作成して、前記記憶部に登録する契約データ作成手段と、
    月毎の締め処理時に、前記契約データに基づいて、前請求番号、工事番号、当月の請求予定日、(前記受注金額×当月の進捗率で算出される当月出来高)-(当該当月出来高×前記保留率で算出される保留金額)により算出される前請求金額を含む当月請求分の債権データと、前請求番号、工事番号、前記解除起算に基づいて算出される請求予定日、前記保留金額である前請求金額を含む保留分の債権データと、を含む前請求データを作成して前記記憶部に登録する請求・保留分算出手段と、
    を備えたことを特徴とする工事代金処理装置。
  2. 前記請求・保留分算出手段は、前記保留分の債権データについて、前記解除起算が、保留期間を指定した一定期間後の場合は、前記解除起算に基づいて算出される請求予定日を、当月の請求予定日+前記保留期間とすることを特徴とする請求項1に記載の工事代金処理装置。
  3. 前記請求・保留分算出手段は、前記保留分の債権データについて、前記解除起算が、工事完成時の場合は、前記解除起算に基づいて算出される請求予定日を、前記契約データの売上予定日とすることを特徴とする請求項1又は2に記載の工事代金処理装置。
  4. 前記請求・保留分算出手段は、前記当月請求分の債権データと前記保留分の債権データとを紐付けするための前請求リンクデータを作成して、前記記憶部に登録することを特徴とする請求項1~3のいずれか1つに記載の工事代金処理装置。
  5. 制御部及び記憶部を備えた情報処理装置で実行される工事代金処理方法であって、
    前記制御部で実行される、
    工事毎に、工事番号と、受注日と、売上予定日と、受注金額と、並びに、工事代金の保留金の保留率及び保留金を解除する条件である解除起算を含む保留金条件と、を含む契約データを作成して、前記記憶部に登録する契約データ作成ステップと、
    月毎の締め処理時に、前記契約データに基づいて、前請求番号、工事番号、当月の請求予定日、(前記受注金額×当月の進捗率で算出される当月出来高)-(当該当月出来高×前記保留率で算出される保留金額)により算出される前請求金額を含む当月請求分の債権データと、前請求番号、工事番号、前記解除起算に基づいて算出される請求予定日、前記保留金額である前請求金額を含む保留分の債権データと、を含む前請求データを作成して前記記憶部に登録する請求・保留分算出ステップと、
    を含むことを特徴とする工事代金処理方法。
  6. 制御部及び記憶部を備えた情報処理装置に実行させるための工事代金処理プログラムであって、
    工事毎に、工事番号と、受注日と、売上予定日と、受注金額と、並びに、工事代金の保留金の保留率及び保留金を解除する条件である解除起算を含む保留金条件と、を含む契約データを作成して、前記記憶部に登録する契約データ作成ステップと、
    月毎の締め処理時に、前記契約データに基づいて、前請求番号、工事番号、当月の請求予定日、(前記受注金額×当月の進捗率で算出される当月出来高)-(当該当月出来高×前記保留率で算出される保留金額)により算出される前請求金額を含む当月請求分の債権データと、前請求番号、工事番号、前記解除起算に基づいて算出される請求予定日、前記保留金額である前請求金額を含む保留分の債権データと、を含む前請求データを作成して前記記憶部に登録する請求・保留分算出ステップと、
    を前記制御部に実行させるための工事代金処理プログラム。
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