本開示の実施形態を説明する前に、本発明者等が見出した知見およびその技術背景を説明する。
図1Aは、チップ状態にあるLDから出射されたレーザ光をコリメートして出力する従来の光源ユニット100Pの構成例を模式的に示す上面図であり、図1Bは、その側面図である。添付図面には、参考のため、互いに直交するX軸、Y軸およびZ軸を基底とするXYZ座標系が模式的に示されている。
図示されている光源ユニット100Pは、レーザ光Lを出射するLD12と、レーザ光Lをコリメートする光学系30Pとを備えている。図の例において、光学系30Pは、LD12に近い位置から光軸上に順番に配置された速軸コリメータレンズFACおよび遅軸コリメータレンズSACを含んでいる。速軸コリメータレンズFACおよび遅軸コリメータレンズSACは、いずれも、シリンドリカルレンズ(例えば円筒面平凸レンズ)である。シリンドリカルレンズは、平行な光線束を直線(焦点)上に収束する曲面を有している。曲面は、円柱の外周表面の一部に相当する形状を有しており、円柱の軸方向における曲率はゼロである。それぞれが図示された構成を備える複数の光源ユニット100Pを用いて空間ビーム結合が実行され得る。空間ビーム結合の詳細については後述する。
図2は、LD12の基本的な構成の一例を示す斜視図である。図示されている構成は、説明のために単純化されている。図2の例において、LD12は、上面に形成されたストライプ状のp側電極12Pと、下面に形成されたn側電極12Nと、端面12Fに位置するエミッタ領域Eとを有している。レーザ光Lはエミッタ領域Eから出射される。LD12は、半導体基板と、半導体基板上に成長した複数の半導体層(半導体積層構造)を有している。半導体積層構造は、レーザ発振を行って発光する発光層を含み、公知の様々な構成を有し得る。この例におけるLD12は、ブロードエリア型であり、エミッタ領域Eは、X軸方向のサイズ(例えば50μm以上)がY軸方向のサイズ(例えば約2μm)よりも格段に大きな形状を有している。エミッタ領域EのY軸サイズは、LD12の半導体積層構造(具体的には導波路およびクラッド層の厚さ、屈折率比など)によって規定される。エミッタ領域EのX軸サイズは、発光層を横ぎる方向に電流が流れる領域のX軸サイズ、具体的にはリッジ構造(不図示)の幅(利得導波路幅)などによって規定される。
図2に示されるように、エミッタ領域Eから出射されるレーザ光Lのビーム形状はX軸方向とY軸方向で非対称になる。図2では、レーザ光Lのファーフィールド(遠方界)パターンが模式的に示される。レーザ光Lは、Y軸方向ではシングルモードのガウシアンビームに近似されるビーム形状を有するが、X軸方向では全体として発散角の小さなマルチモードのビーム形状を有する。Y軸方向の発散半角θy0は、X軸方向の発散半角θx0よりも大きい。Y軸方向におけるレーザ光Lは、ガウシアンビームに近似できるため、Y軸方向のビームウエスト位置におけるビーム半径をωo、レーザ光Lの波長をλとすると、θy0=tan-1(λ/πωo)≒λ/(πωo)ラジアンが成立する。λが可視光域にあるブロードエリア型レーザダイオードの場合、θy0は例えば20度、θx0は例えば5度である。その結果、レーザ光LのY軸サイズは、Z軸方向に沿って伝搬するときに相対的に「速く」発散して拡大する。このため、Y軸は「速軸」、X軸は「遅軸」と呼ばれる。遅軸方向におけるビーム品質は、マルチモードであるため、速軸方向におけるビーム品質に比べて相対的に劣化している。その結果、ビーム品質を規定するビームパラメータ積BPP(Beam Parameter Product)は、速軸方向における値に比べると、遅軸方向で相対的に大きくなる。なお、BPPは、ビームウエスト半径と遠方界における発散半角の積である。
図の例において、Z軸はLD12から出射されるレーザ光Lの伝搬方向(ビーム中心軸)に平行である。単一のLDの動作を説明する場合、XYZ座標系の原点をエミッタ領域Eの中心に一致させることが便利である。しかし、複数のLDについて空間ビーム結合を説明する場合、XYZ座標系の原点は、いずれかのLDに関連づけて定める必要はない。また、空間ビーム結合に用いられる複数のLDの向きは相互に平行である必要はないし、個々のレーザビームが異なるミラーによって反射されて伝搬方向を変える場合もある。このため、本開示における「速軸方向」および「遅軸方向」の用語は、それぞれ、グローバルなXYZ座標系における「Y軸方向」および「X軸方向」に対して平行であるとは限らず、各レーザビームが有するビーム品質の非対称性に依存して決まる。すなわち、レーザビームの伝搬方向に直交する断面において、BPPが最も低い方向が「速軸」であり、速軸に直交する方向が「遅軸」である。
再び、図1Aおよび図1Bを参照する。これらの図では、簡単のため、レーザ光LおよびコリメートビームBが3本の代表的な光線によって単純化されて表されている。3本の光線のうち、中央の光線はレンズの光軸上にあり、他の2本の光線は、ビーム直径を規定する位置を模式的に示している。ビーム直径は、ビーム中心の光強度に対して例えば1/e2以上の光強度を持つ領域のサイズによって規定され得る。ここで、eはネイピア数(約2.71)である。ビーム直径またはビーム半径は、他の基準によって定義されてもよい。
速軸コリメータレンズFACは、図1Bに示されるように、レーザ光Lの伝搬方向(Z軸)および速軸方向(Y軸)を含む平面(YZ面)内でレーザ光Lをコリメートする。遅軸コリメータレンズSACは、図1Aに示されるように、伝搬方向(Z軸)および遅軸方向(X軸)を含む平面(XZ面)内でレーザ光Lをコリメートする。これらのコリメートを行うため、速軸コリメータレンズFACおよび遅軸コリメータレンズSACは、それぞれの前側焦点にエミッタ領域Eの中心が位置するように配置されている。
図2に模式的に示されているレーザ光Lの断面は、近傍界では、エミッタ領域Eの形状を反映して遅軸方向に比べて速軸方向に短い形状を有している。しかし、速軸方向の発散半角が大きいため、速軸方向のサイズは、エミッタ領域Eから離れるについて急速に拡大する。このため、光学系30Pを通過した後におけるコリメートビームBの断面の形状およびサイズは、レーザ光Lの光路上における速軸コリメータレンズFACおよび遅軸コリメータレンズSACの位置に依存する。より正確には、速軸方向の発散半角θy0(または速軸コリメータレンズFACの開口数)と速軸コリメータレンズFACの焦点距離によってコリメートビームBの速軸サイズが規定される。同様に、遅軸方向の発散半角θx0(または遅軸コリメータレンズSACの開口数)と遅軸コリメータレンズSACの焦点距離によってコリメートビームBの遅軸サイズが規定される。
一般に、速軸コリメータレンズFACがLD12の端面12F、より具体的にはエミッタ領域E、に近いほど、コリメートビームBの速軸サイズを小さくすることができる。言い換えると、速軸コリメータレンズFACがLD12の端面12F(エミッタ領域E)から離れているほど、コリメートビームBの速軸サイズは大きくなる。同様に、遅軸コリメータレンズSACがLD12の端面12F(エミッタ領域E)から離れているほど、コリメートビームBの遅軸サイズも大きくなる。なお、レーザ光Lの光路上における速軸コリメータレンズFACおよび遅軸コリメータレンズSACの位置を変更する場合、コリメータレンズFAC、SACの口径および焦点距離を適切に変更する必要がある。エミッタ領域Eの中心は、常にコリメータレンズFAC、SACのそれぞれの前側焦点に配置される。
上記の構成を有する複数の光源ユニット100Pを用いて空間ビーム結合を行う場合、発振波長が近赤外域よりも短いLD12を採用し、その光出力を高めていくと、光集塵効果によって動作中のエミッタ領域Eに雰囲気中の塵埃などが付着して光出力が低下し得るという問題がある。エミッタ領域に付着する物質は、塵埃に限られず、揮発した有機物がレーザ光Lと化学的に反応して生成される堆積物の可能性もある。レーザ光Lの波長が短くなり、光出力が高くなるほど、付着物に起因する劣化が顕著になる。このような問題を回避するため、複数のLD12を筐体内に収容するとき、筐体内に塵埃が混入しないように留意して筐体の組立を行い、筐体そのものを封止することが考えられる。しかし、空間ビーム結合に必要なレンズ系およびミラーなどの部品に塵埃などが付着していることがあり、また、筐体全体の気密性を高くすることは難しいため、長期にわたって光出力を高く維持することは困難であることがわかった。
他の問題解決手段として、個々のLD12を封止された半導体レーザパッケージ内に収容することが考えられる。LDのパッケージ技術は高度に進んでおり、長期間、信頼性の高い動作が実現している。しかし、半導体レーザパッケージの内部にLD12を収容した場合、速軸コリメータレンズFACをLD12のエミッタ領域に近づけようとしても、半導体レーザパッケージが物理的に干渉するため、十分に近づけることができず、焦点距離が相対的に長い速軸コリメータレンズFACしか採用できなくなる。以下、この点を説明する。
図3Aは、半導体レーザパッケージ10に収容されたLD12から出射されたレーザ光をコリメートして出力する光源ユニット100Qの構成例を示すXZ面に平行な模式断面図であり、図3Bは、そのYZ面に平行な模式断面図である。以下、半導体レーザパッケージを単にパッケージと称する場合がある。
図からわかるように、LD12のエミッタ領域Eと速軸コリメータレンズFACとの間にパッケージ10の窓部材14が位置しており、速軸コリメータレンズFACを図示されている状態よりもLD12のエミッタ領域Eに近づけることはできない。前述した光源ユニット100Pの場合、LD12のエミッタ領域Eから速軸コリメータレンズFACまでの距離を、例えば0.3ミリメートル(mm)にすることができる。これに対して、パッケージ10の内部に収容されたLD12のエミッタ領域Eから速軸コリメータレンズFACまでの距離(後述する「光学距離」を意味する)は、例えば1.5mm程度に増加する。エミッタ領域Eの中心は速軸コリメータレンズFACの前側焦点に位置する必要があるため、速軸コリメータレンズFACの焦点距離を長くする必要があり、必然的にコリメートビームBの速軸(Y軸)方向サイズが数倍に増加してしまう。コリメートビームBの速軸サイズが増加すると、空間ビーム結合を行うために使用される収束光学系が大型化するなどの不都合が生じる。この不都合の詳細は後述する。
本開示の実施形態によれば、このような問題を解決することが可能になる。以下、本開示の実施形態における光源ユニット100の基本的な構成例を説明する。
<実施形態>
光源ユニット
図4は、本実施形態における光源ユニット100の基本的な構成例を示す図である。図5は、光源ユニット100における主要部の模式図である。図示されている例において、光源ユニット100は、封止されたパッケージ10と、第1レンズ系20と、第2レンズ系30とを備える。
パッケージ10は、レーザ光Lを出射するエミッタ領域Eを端面12Fに有するLD12と、レーザ光Lを透過する窓部材14とを含む。パッケージ10の構成は特に限定されず、例えばΦ5.6mmまたはΦ9mmなどのTO-CAN型のパッケージであり得る。パッケージ10は、リード端子を有するステムと、ステムに固定されたLDを覆う金属キャップとを備え、金属キャップには透光性を有する窓部材14が取り付けられている。窓部材14の典型例は、光学ガラス(屈折率:1.4以上)から形成された薄板である。パッケージ10の内部は、クリーン度の高い窒素ガスまたは希ガスなどの不活性ガスによって充填され、気密に封止され得る。LD12は、例えば窒化物半導体系材料から形成された近紫外、青紫、青色、または緑色のレーザ光を出力する半導体レーザ素子であり得る。具体的には、LD12の発振波長(中心波長)は、例えば350nm以上550nm以下の範囲にある。LD12は、熱伝導率の高いサブマウントを介してステムに固定され得る。LD12の向きは、図示されている例に限定されず、パッケージ内のミラーによってレーザ光をZ軸方向に反射するよう配置されていてもよい。
第1レンズ系20は、窓部材14を透過したレーザ光Lを受け、エミッタ領域Eの像E’を像面22に形成する。また、図5に示される例においては、窓部材14と同様の構成およびサイズを有する第2窓部材15が第1レンズ系20の光路上に配置されている。第2窓部材15は、第1レンズ系20に関して窓部材14の位置と対称な位置に置かれている。像面22は、エミッタ領域Eの各点から発せられた光線が第1レンズ系20の屈折作用によって一点に収束して結像する面である。エミッタ領域Eと像面22上の像E’は、共役の位置またはその近傍にある。本開示の実施形態において、エミッタ領域Eの中心を通るレーザ光Lの光軸と第1レンズ系20の光軸とは一致している。本開示では、第1レンズ系20の光軸に垂直な平面のうち、エミッタ領域Eの中心から発せられた光線が第1レンズ系20によって収束する点の中心を通る平面を「像面」と定義する。像面22にスクリーンを置いた場合、そのスクリーン上にはエミッタ領域Eの像E’が形成される。しかし、現実には像面22にはスクリーンは配置されていないため、像E’は、自由空間中に位置する仮想光源として機能する。このような仮想光源を、エミッタ領域Eの中間像、再現像または転写像と呼んでもよい。第2窓部材15は、窓部材14がレーザ光Lに及ぼす影響を補償し、像面22に形成される像E’の形状がエミッタ領域Eの形状を正確に再現することに寄与する。第2窓部材15は不可欠ではないが、第1レンズ系20は第2窓部材15または第2窓部材15の機能を発揮し得る光学部材を有していることが好ましい。
第2レンズ系30は、像面22を通過したレーザ光LをコリメートビームBまたは収束ビームに変換して出射する。第2レンズ系30は、像面22に位置するエミッタ領域Eの像(仮想光源)E’から光を取り込むため、パッケージ10の構造による物理的な制約(干渉)を受けることなく、第2レンズ系30の焦点距離を短縮できる。
図5には、LD12の端面12Fから窓部材14の外側表面14Sまでの距離L0と、像面22から第2レンズ系30までの距離L2が示されている。図5に示される例では、L0>L2となるように、第2レンズ系30の速軸コリメータレンズFACが配置されている。こうして、パッケージ10の構造による物理的な制約を受ける場合に比べて、第2レンズ系30(具体的には速軸コリメータレンズFAC)の焦点距離を短縮し、コリメートビームBの直径を小さくできる。ここでの「距離」は、「光学距離」を意味する。光学距離は、光線の経路に沿って線素dsと屈折率nの積であるn・dsを積分した値であり、「光学的距離」または「光路長」とも呼ばれる。距離L0は、窓部材14の厚さが同じであっても、窓部材14の屈折率に応じて異なり得る。窓部材14の屈折率は空気の屈折率(約1.0)よりも高いため、窓部材14の存在は光学距離を実質的に増加させる。窓部材14の厚さは、典型的には0.25mm程度である。窓部材14が例えば屈折率1.52のガラスから形成されている場合、窓部材14だけで光学距離は0.38(=0.25×1.52)mmに達し得る。更にLD12と窓部材14との間には所定のギャップが存在するため、距離L0は1.0mm以上になることもある。なお、像面22から第2レンズ系30までの距離は、第2レンズ系30に含まれるレンズなどの1個または複数個の光学素子が有する表面のうちで像面22に最も近い位置にある表面と、像面22との間の光学距離を意味する。本実施形態において、像面22から第2レンズ系30までの距離L2は、速軸コリメータレンズFACの「前側焦点距離」、「ワーキングディスタンス」、および「BFL:Back Focal Length」に相当する。
本実施形態によれば、距離L2、すなわち速軸コリメータレンズFACの「前側焦点距離」を1.0mm以下、典型的には0.8mm以下にできるし、0.5mm以下の値(例えば約0.3mm)にすることも可能である。こうして、LD12を、封止されたパッケージ10の内部に収容しながら、コリメートビームBの速軸(Y軸)方向サイズを小さく維持できる。その結果、空間ビーム結合を行うときに収束のための光学系を大型化することなく、長期信頼性を高めることが可能になる。
第1レンズ系20は、1個の単レンズによって構成されている必要はなく、組レンズから構成されていてもよい。また、図6に示すように、第1レンズ系20が対物レンズ系24と結像レンズ系26とを含むリレーレンズであってもよい。対物レンズ系24と結像レンズ系26を用いることにより、無限遠補正光学系を形成することができる。対物レンズ系24および結像レンズ系26も、それぞれ、組レンズであってもよい。組レンズを採用することにより、収差を低減してビーム品質の劣化を抑制することができる。
図6の例において、LD12のエミッタ領域Eは、対物レンズ系24の前側焦点に位置している。像面22は、結像レンズ系26の後側焦点に位置している。本開示の実施形態において、結像レンズ系26の実効焦点距離F2は、対物レンズ系24の実効焦点距離F1以上である。実効焦点距離は、レンズの主点から焦点までの距離を意味する。像面22に形成される像の横倍率は、F2/F1であるため、像面22におけるエミッタ領域Eの像E’の大きさは、エミッタ領域Eの大きさのF2/F1倍である。F2がF1よりも大きいと、拡大されたエミッタ領域Eの像E’が仮想光源として機能する。ここで、仮想光源の速軸方向のサイズ、すなわち像面22における速軸方向ビーム径を2×ωy1とする。また、仮想光源から出射されたビームの速軸方向発散半角(遠方界における発散半角)をθy1とする。一方、実際のエミッタ領域Eの速軸サイズ、すなわちエミッタ領域Eにおける速軸方向ビーム径を2×ωy0とする。また、エミッタ領域Eから出射されたビームの速軸方向発散半角(遠方界における発散半角)をθy0とする。ビーム品質が劣化しない条件のもとでは、ωy0×θy0=ωy1×θy1の関係が成立する。したがって、F2/F1が1より大きいと、ωy0よりもωy1が大きくなり、θy1がθy0よりも小さくなる。その結果、第2レンズ系30(速軸コリメータレンズFACおよび遅軸コリメータレンズSAC)の開口数を小さくして、実効焦点距離を長くすることが可能になる。このことの技術的意義については、後述する。
なお第2レンズ系30は、コリメートビームを出射する光学系に限定されず、収束ビームを出射する光学系であってよい。
本実施形態において、像面22から第2レンズ系30までの距離L2は、像面22から速軸コリメータレンズFACまでの距離によって規定される。ここで、像面22から速軸コリメータレンズFACまでの距離とは、速軸コリメータレンズFACの表面のうちで像面22に最も近い位置にある表面と像面22との間の光学距離を意味する。非球面レンズを用いず、速軸コリメータレンズFACおよび遅軸コリメータレンズSACを用いることにより、速軸および遅軸のそれぞれについて個別に適切なコリメートを実現できる。本開示の実施形態によれば、像面22に近い位置に速軸コリメータレンズFACを配置することにより、速軸コリメータレンズFACの実効焦点距離を短くし、コリメートビームBの速軸サイズを小さくすることができる。
本開示の実施形態において、第2レンズ系30が、像面22の側から順に配置された速軸コリメータレンズFACおよび遅軸コリメータレンズSACを含む場合、速軸コリメータレンズFACの実効焦点距離EFLを1.0mm以下にすることにより、コリメートビームBの速軸サイズを、例えば1.0mm以下(例えば0.8mm程度)にすることが可能になる。コリメートビームBの速軸サイズが小さいと、複数のコリメートビームBを空間的に結合するための光学系および装置(ビームコンバイナ)を小さくすることができる。
なお、像面22の位置に開口絞りを配置してもよい。仮想光源として機能するエミッタ像E’の周辺部における不要な光を開口絞りによって遮断することができる。コリメートビームBが光ファイバに入射するとき、ファイバ結合にとって不要な干渉光(エアリディスクの外側に形成される干渉光)が、上記の開口絞りの働きによって取り除かれる。
レーザ光源モジュール
次に、図7A、図7Bおよび図7Cを参照して、本開示によるレーザ光源モジュールの実施形態を説明する。図7Aは、本実施形態におけるレーザ光源モジュール200のXZ面の法線方向からみた模式的な上面図、図7BはYZ面の法線方向からみた模式的な側面図、図7CはXY面の法線方向からみた模式的な正面図である。図示されている構成は、不図示の筐体(ハウジング)に収容されている。
図示されているレーザ光源モジュール200は、複数のレーザ光源100A、100B、100Cと、ビームコンバイナ120とを備えている。複数のレーザ光源100A、100B、100Cのそれぞれは、前述の光源ユニット100である。以下、簡単のため、レーザ光源100A、100B、100Cを総称して「光源ユニット100」と略記する場合がある。1個のレーザ光源モジュール200に含まれる光源ユニット100の個数は任意である。この例において、光源ユニット100の個数は3であるが、典型的には4以上である。図8は、9個の光源ユニット100を備える他の構成例を模式的に示す斜視図である。光源ユニット100の個数に比例して結合ビームの光出力および光強度を高めることが可能になる。限られた空間内を多数のコリメートビームで充填して充填率を高めるには、コリメートビームの速軸サイズを小さくして、Y軸(速軸)方向におけるコリメートビームBの中心間ピッチSを短縮することが好ましい。
なお、コリメートビームBは、図面において完全な平行光として簡略的に記載されているが、現実のコリメートビームBは、ビームウエストで最小ビーム半径に達した後、所定の発散角で発散する。このため、図8に示される例において、光源ユニット100の個数が多くなりすぎると、収束光学系160から離れた位置にある光源ユニット100からコリメートビームBについては、その光路が長大になってビーム径が大きく発散する可能性がある。一例として、速軸コリメータレンズFACの実効焦点距離が0.3mmの場合、速軸コリメータレンズFACからコリメートビームBのビームウエストまでの距離は例えば50mm程度である。このような例では、光源ユニット100の個数が10を超えて多くなると、最大光路長が50mmを大きく超える。その結果、一部のコリメートビームBの発散が無視できず、コアサイズの小さな光ファイバに対する適切に集光することが難しくなる可能性がある。このため、空間ビーム結合によって結合するべきコリメートビームBの本数は、単純に多ければ多いほどよいわけではなく、条件に応じて適切な範囲に設定されることが望ましい。
ビームコンバイナ120は、複数の光源ユニット100から出射された複数のコリメートビームBを空間的に結合する。本実施形態において、各光源ユニット100から出射されたコリメートビームBは、ほぼ同一の波長(例えば、約465nm±10nm)を有しているが、位相は相互に同期されていない。このため、複数のコリメートビームBは、インコヒーレントに結合される。
本実施形態において、レーザ光源モジュール200は、基準平面Refから複数のコリメートビームBの中心までの距離(高さ)Hがそれぞれ異なるように複数の光源ユニット100を支持する支持基体(サポート)140を備える。サポート140は、図7Bに示されるように、複数の段差を有する載置面140Tを有している。Y軸(速軸)方向におけるコリメートビームBの中心間ピッチSは、サポート140の載置面140Tにおける段差の大きさに相当する。中心間ピッチSは、例えば200μm以上350μmの範囲内に設定され得るが、わかりやすさのため、図7B、図7Cおよび図8では、段差が誇張して大きく記載されている。光源ユニット100は、図7Aに示されるように、Z軸方向に沿って中心間ピッチPで配列されている。
本実施形態におけるビームコンバイナ120は、複数のコリメートビームBをそれぞれ反射する複数のミラーMを有するミラーアレイを含んでいる。具体的には、サポート140の載置面140Tが、光源ユニット100の個数に対応する個数のミラーMを異なる高さ(レベル位置)で支持している。各ミラーMの位置および向きは、対応するコリメートビームBを反射して収束光学系160に向けるようにアライメントされている。典型例において、ミラーMは、Y軸に平行な軸の周りにコリメートビームBを90度回転させる。こうして、本実施形態のミラーMのアレイは、反射された複数のコリメートビームBを基準平面Refに垂直な面(YZ面)に沿って伝搬させる。なお、ミラーMは、不図示の筐体壁に固定されていてもよいし、それぞれのミラーMの位置および向きを調整することが可能な部品を介して固定されていてもよい。なお、ミラーMの反射面は、入射するコリメートビームBの波長において選択的に高い反射率を有する多層膜から形成されていることが望ましい。
Y軸方向におけるコリメートビームBの中心間ピッチSは、個々のミラーMのY軸方向におけるサイズよりも大きい。個々のミラーMのY軸方向におけるサイズは、典型例において、個々のコリメートビームBのY軸方向半径ωy2の2倍以上に設定される。ここで、ωy2は、厳密には、コリメートビームBのビームウエストにおける値であるが、発散半角が充分に小さいため、この例における光路上でコリメートビームBのY軸方向半径はωy2にほぼ等しいと近似してもよい。本実施形態において、S>2×ωy2が成立している。ωy2が例えば100μmのとき、Sは例えば300μm(=2.5×ωy2)に設定され得る。個々のコリメートビームBのY軸方向半径ωy2が小さいほど、中心間ピッチSを小さくすることができる。ここで、本実施形態における光源ユニット100ではなく、図3Bに示すような光源ユニット100Qを採用した場合、個々のコリメートビームBのY軸方向半径ωy2は、1mm程度に達する。そのため、段差の大きさSも1mm程度以上にする必要があり、空間ビーム結合後のビーム径が大きくなりすぎる。また、このような問題は、例えば図8に示すように、光源ユニット100の個数が大きくなるほど、顕著になる。しかし、本実施形態における光源ユニット100を用いることにより、この問題を解決できる。
Y軸方向におけるコリメートビームBの中心間ピッチSを決定するとき、光源ユニット100どうしの物理的な干渉を気にする必要はない。これに対して、Z軸方向における中心間ピッチPは、隣接する2個の光源ユニット100が物理的に干渉しないように決定される。
ビームコンバイナ120は、複数のミラーMによってそれぞれ反射された複数のコリメートビームBを収束する光学系160を含む。本実施形態における光学系160は、複数のコリメートビームBを不図示の光ファイバに光結合する。なお、ミラーMの反射面は平坦である必要はない。ミラーMは、光学系160が有する収束機能の少なくとも一部を担っていてもよい。また、ビームコンバイナ120は、ミラーM以外の光学部品、例えば波長選択性を有するフィルタ、を有していてもよい。
図7A、図7B、図7C、および図8に示されている構成は、不図示の筐体に収容され得る。筐体そのものをパッケージと呼ぶ場合があるが、前述の半導体レーザパッケージに比べると、内部に部品点数が多く、光集塵効果を十分に抑制するほどのクリーン度を達成して気密性を維持することは難しい。
以下、図9Aおよび図9Bを参照して、複数のコリメートビームBを結合する光学系160の構成例について説明する。図9Aおよび図9Bは、それぞれ、速軸(Y軸)方向に沿って中心間ピッチSで並んだn本のコリメートビームBを収束する光学系160の構成例を示している。図9Aの例と図9Bの例との間にある相違点は、速軸コリメータレンズFACの違いにある。
図示されている例において、nは3以上の奇数であるが、nは偶数であってもよい。また、簡単のため、コリメートビームBとして、完全に平行な光線が図面に記載されているが、前述したように、現実のコリメートビームBはビームウエストで最小ビーム半径に達した後、所定の発散角度で発散する。光学系160に入射するn本のコリメートビームBのY軸方向における全体サイズを2×RTYとすると、2×RTY=S×(n-1)+2×ωy2の関係が成立する。この関係は、RTY=S×(n-1)/2+ωy2に書き換えることができる。なお、n本のコリメートビームBは、速軸(Y軸)方向に沿って直線状に並んでいるため、n本のコリメートビームBのX軸方向における全体サイズは、個々のコリメートビームBのX軸方向におけるサイズ2×ωx2に等しい。
図9Aおよび図9Bの光学系160は、その収束点の位置(後側焦点)Qに近い側から順番に遅軸収束レンズSAFおよび速軸収束レンズFAFを含む。これらのレンズは、シリンドリカルレンズである。ここで、Z軸(一点鎖線)は光学系160の光軸に一致するとする。速軸収束レンズFAFは、Z軸および速軸方向(Y軸)を含む平面(YZ面)内で全コリメートビームBを収束させる。遅軸収束レンズSAFは、Z軸および遅軸方向(X軸)を含む平面(紙面に垂直なXZ面)内で各コリメートビームBを収束させる。
速軸収束レンズFAFおよび遅軸収束レンズSAFは、それぞれの後側焦点が一致するように配置されている。結合レーザビームの収束位置QにおけるY軸方向半径ωy3は、仮想光源のY軸方向半径ωy1に倍率(EFLFAF/EFLFAC)を乗算した値を有する。ここで、EFLFACは、速軸コリメータレンズFACの実効焦点距離であり、EFLFAFは、速軸収束レンズFAFの実効焦点距離である。
前述したように、本開示の実施形態において、結像レンズ系26の実効焦点距離F2を対物レンズ系24の実効焦点距離F1よりも長くすると、像面22に形成される像の横倍率は、F2/F1であるため、像面22におけるエミッタ領域Eの像E’の大きさは、実際のエミッタ領域Eの大きさのF2/F1倍に拡大する。また、仮想光源から出射されたビームの速軸方向発散半角(遠方界における発散半角)θy1は、F2/F1が大きいほど、小さくなる。仮想光源から出射されたビームの速軸方向発散半角(遠方界における発散半角)θy1が小さくなると、速軸コリメータレンズFACの開口数を小さくして、実効焦点距離を長くすることが可能になる。図9Bの構成例は、図9Aの構成例に比べてθy1が相対的に小さい。より実効焦点距離EFLFACが長い速軸コリメータレンズFACを採用すると、速軸コリメータレンズFACおよび速軸収束レンズFAFによる収束位置Qにおける横倍率(EFLFAF/EFLFAC)が小さくなる。このように、収束位置Qにおける横倍率が小さくなると、光ファイバのコアに対する収束ビームスポットの位置ズレ許容度を上げることができる。
なお、一例として、ωy1=2.0μm、EFLFAC=0.3mm、EFLFAF=10.0mmの場合、ωy3=66.7μmである。また、ωy1=4.0μm、EFLFAC=0.6mm、EFLFAF=10.0mmの場合、ωy3=66.7μmである。また、遅軸コリメータレンズSACの実効焦点距離をEFLSAC、遅軸収束レンズSAFの実効焦点距離EFLSAFとするとき、結合レーザビームの収束位置QにおけるX軸方向半径ωx3は、仮想光源のX軸方向半径ωx1に倍率(EFLSAF/EFLSAC)を乗算した値を有する。例えばωx1=80μm、EFLSAC=5.0mm、EFLSAF=4.0mmの場合、ωx3=64μmである。
本実施形態によれば、例えば開口数が0.2程度でコア径が100μmの多モード光ファイバにレーザビームを集光することができる。n本のレーザビームがインコヒーレントに結合するため、光強度はn倍に増大する。なお、図3Bの構成では、SおよびRTYが増大するため、収束光学系160を大型化する必要がある。
図10A、図10B、および図10Cは、それぞれ、5本、9本、および9本×2列のコリメートビームBが速軸収束レンズFAFに入射する場合におけるビーム断面形状を模式的に示している。図10Cの形態は、図11に示すように、複数の光源ユニット100を2列に並べることによって得られる。
光源ユニット100の配列の形態は、前述した例に限定されない。図12は、更に他の例を示す上面模式図である。複数の光源ユニット100から出力されるビームが3列に並ぶように構成されてもよい。また、複数の光源ユニット100および/またはミラーMは、相互に平行である必要はなく、傾斜していてもよい。
本開示の実施形態によれば、LD12がパッケージ内に収められているため、高出力短波長のレーザビームが引き起こし得る光集塵効果に起因するLD12の光出力低下が抑制され、信頼性が向上する。また、複数のコリメートビームBを高い空間密度で結合することが可能になるため、光出力を効果的に高めることができる。更に、コリメートビームBの速軸サイズの増加を抑えられるため、光源ユニット100の空間配置の自由度が高まり、多数のコリメートビームBを密に並べることが可能になる。その結果、高出力のレーザビームを光ファイバに高い効率で結合することが可能になる。
上記の実施形態において、個々のパッケージ10には1個のLD12が収容されているが、各パッケージ10に複数のLD12が収容されていてもよい。また、各実施形態において、個々のLD12は、1個のエミッタ領域Eを有しているが、1つのLD12が複数のエミッタ領域Eを有していてもよい。このように、1個のパッケージ10の内部に複数のエミッタ領域E(エミッタアレー)が位置していても、本開示の実施形態による効果を得ることができる。すなわち、各パッケージ10の内部に位置するエミッタアレーの像を第1レンズ系20の像面22に転写することにより、自由空間中に仮想光源を形成すれば、パッケージ構造に制約されずに、第2レンズ系30を設計することが可能になる。
ダイレクトダイオードレーザ装置
次に、図13を参照して、本開示によるダイレクトダイオードレーザ(DDL)装置の実施形態を説明する。図13は、本実施形態におけるDDL装置1000の構成例を示す図である。
図示されているDDL装置1000は、4個のレーザ光源モジュール200と、加工ヘッド400と、レーザ光源モジュール200を加工ヘッド400に接続する光伝送ファイバ300とを備える。レーザ光源モジュール200の個数は、1個または複数個であり、4個に限られない。
各レーザ光源モジュール200は、前述した構成と同様の構成を有している。各レーザ光源モジュール200に搭載されているLDの個数は特に限定されず、必要な光出力または放射照度に応じて決定される。各LDから放射されるレーザ光の波長も、加工対象の材料に応じて選択され得る。例えば、銅、真鍮、アルミニウムなど加工する場合、中心波長が350nm以上550nm以下の範囲に属するLDが好適に採用され得る。各LDから放射されるレーザ光の波長は同一である必要はなく、中心波長が異なるレーザ光が重畳されてもよい。また、中心波長が350nm以上550nm以下の範囲外にあるレーザ光を用いる場合にも、本発明による効果を得ることは可能である。
図示されている例において、複数のレーザ光源モジュール200のそれぞれから延びる光ファイバ220が光ファイバ結合器230によって光伝送ファイバ300に結合されている。加工ヘッド400は、光伝送ファイバ300の先端から出射されたレーザビームを不図示の光学系によって対象物500に収束して照射する。1台のDDL装置1000がM個のレーザ光源モジュール200を備え、個々のレーザ光源モジュール200がN個のLDを搭載している場合において、1個のLDの光出力がPワットであれば、最大でP×N×Mワットの光出力を持ったレーザビームを対象物500上に収束させることができる。ここで、Nは2以上の整数、Mは正の整数である。例えばP=10ワット、N=9、M=12であれば、1キロワットを超える光出力が実現する。
本実施形態によれば、レーザ光源モジュール内のLDが半導体レーザパッケージ内に収められているため、光集塵効果などに起因する光出力低下が抑制され、信頼性が向上する。また、ビーム径の小さな多数のコリメートビームを限られた空間内に充填できるため、小型の装置で高い光出力を達成でき、光ファイバにも結合しやすい。
ファイバレーザ装置
次に、図14を参照して、本開示によるファイバレーザ装置の実施形態を説明する。図14は、本実施形態におけるファイバレーザ装置2000の構成例を示す図である。
図示されているファイバレーザ装置2000は、励起光源として機能するレーザ光源モジュール200と、レーザ光源モジュール200から出射された励起光によって励起される希土類添加光ファイバ600とを備える。図示されている例において、複数のレーザ光源モジュール200のそれぞれから延びる光ファイバ220が光ファイバ結合器230によって希土類添加光ファイバ600に結合されている。希土類添加光ファイバ600は、共振器を規定する一対のファイバブラッググレーティングで挟まれている。希土類添加光ファイバ600にYbイオンがドープされている場合、波長が例えば915nmの励起光を生成するレーザ光源モジュール200が使用される。本開示の実施形態によるレーザ光源モジュール200では、LDが半導体レーザパッケージに収容されているため、前述したように、特に青または緑色のレーザ光を出射するLDを採用するときに優れた効果を発揮し得る。また、例えばプラセオジム(Pr)がドープされたフッ化物ガラスから形成された希土類添加光ファイバ600を使用する場合、青色の励起光による可視光レーザ発振を実現することが可能である。本開示の実施形態によるレーザ光源モジュール200は、そのような励起光源として有用である。
加工ヘッド400は、希土類添加光ファイバ600の先端から出射されたレーザビームを不図示の光学系によって対象物500に収束して照射する。
このように、本開示のレーザ光源モジュールは、非限定的で例示的な実施形態において、それぞれが前記光源ユニットである複数のレーザ光源と、前記複数のレーザ光源からそれぞれ出射された複数のコリメートビームを空間的に結合するビームコンバイナとを備える。
ある実施形態において、基準平面から前記複数のコリメートビームの中心までの高さがそれぞれ異なるように前記複数のレーザ光源を支持するサポートを備える。前記ビームコンバイナは、前記複数のコリメートビームをそれぞれ反射する複数のミラーを有するミラーアレイであって、反射された前記複数のコリメートビームを前記基準平面に垂直な面に沿って伝搬させる、ミラーアレイと、前記複数のミラーによって反射された前記複数のコリメートビームを収束する光学系とを含む。
また、本開示のダイレクトダイオードレーザ装置は、非限定的で例示的な実施形態において、少なくともひとつの前記レーザ光源モジュールと、前記レーザ光源モジュールから出射されたレーザビームを伝搬させ、前記レーザビームを出射する光ファイバと、前記光ファイバに結合された加工ヘッドであって、前記光ファイバから出射された前記レーザビームで対象物を照射する加工ヘッドとを備える。
更に、本開示のファイバレーザ装置は、非限定的で例示的な実施形態において、少なくともひとつの前記レーザ光源モジュールと、前記レーザ光源モジュールから出射されたレーザビームによって励起される希土類添加光ファイバとを備える。