JP7040561B2 - 窒化ガリウム系焼結体及びその製造方法 - Google Patents

窒化ガリウム系焼結体及びその製造方法 Download PDF

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窒化ガリウムは、青色発光ダイオード(LED)の発光層や青色レーザーダイオード(LD)の原料として注目され、近年では薄膜や基板の形態にて白色LEDや青色LDなどの様々な用途に用いられており、また将来的にはパワーデバイスなどの用途の材料としても注目されている。現在、窒化ガリウム薄膜は有機金属化学気相成長(MOCVD)法によって製造されることが一般的である。MOCVD法は、キャリアガスに原料の蒸気を含ませて基板表面に運搬し、加熱された基板との反応で原料を分解させることにより、結晶を成長させる方法である。
MOCVD法以外の薄膜の作製法としてスパッタリング法が挙げられる。このスパッタリング法は陰極に設置したターゲットにArイオンなどの正イオンを物理的に衝突させ、その衝突エネルギーでターゲットを構成する材料を放出させて、対面に設置した基板上にターゲット材料とほぼ同組成の膜を堆積する方法であり、直流スパッタリング法(DCスパッタリング法)と高周波スパッタリング法(RFスパッタリング法)がある。
これまで、スパッタリング法にて窒化ガリウム薄膜を成膜する方法として、金属ガリウムターゲットが用いられてきた(例えば、特許文献1参照)。しかし、金属ガリウムターゲットを用いる場合では、金属ガリウムの融点が約29.8℃であることから、スパッタ時に溶解するため、結晶性や透過性といった特性を高度に安定化させた窒化ガリウム膜を得ることが困難であり、それを防止するために高価な冷却装置を取り付け、さらに低パワーで成膜する手法が提案されているが、生産性が低下するとともに膜中への酸素の取り込みも多くなりやすいという課題があった。
また、高密度窒化ガリウム焼結体も提案されているが(例えば、特許文献2参照)、この実施例によると、58Kbar(5.8GPa)という非常に高圧条件下では緻密化しており、このような圧力をかける装置は非常に高価な装置であり、大型焼結体を作製することができない。そのため、スパッタリング法に用いるスパッタリングターゲット自体が非常に高価となり、かつ大型化が困難なことから均質性に劣る膜となりやすいという課題を有していた。
また、含有酸素量を低減する方法として、酸素を含有する窒化ガリウム焼結体を窒化処理する事で酸素量を低減する方法が提案されている(例えば、特許文献3参照)。しかし、一定以上の酸素量を低減すると焼結体に割れが生じることがあるという問題があった。
また、直流スパッタリング法を用いる場合、スパッタリングターゲットの抵抗率が低いことが求められる。その方法として、窒化ガリウム成形物に金属ガリウムを浸透させることでスパッタリングターゲットの抵抗率を低減する方法が提案されている(例えば、特許文献4参照)。しかし、この手法では、抵抗は低減するがボンディング中やスパッタ中において金属ガリウムが析出することで、インジウムなどのハンダ材と反応し窒化ガリウム成形物が剥離し、放電が安定に行えないという問題があった。その対策として、タングステンの薄膜を裏打ちすることで、金属ガリウムの析出を抑制する方法が提案されているが(例えば、特許文献5参照)、ターゲット作製工程が増え、煩雑になることや、高価なタングステン材料という特殊な材料を用いる必要があるといった課題があった。
特開平11-172424号公報 特開2005-508822号公報 特開2012-144424号公報 特開2014-159368号公報 特開2014-91851号公報
本発明の目的は、低酸素量、高密度、低抵抗であり、金属ガリウムの析出が起こりにくい窒化ガリウム系焼結体及びその製造方法を提供することである。
このような背景に鑑み、本発明者らは鋭意検討を重ねた。その結果、酸素含有量の少なく、かさ密度の高い粉末物性である窒化ガリウム粉末を利用し、高真空下で高温にてホットプレス処理を行うことにより、低酸素量で高密度、低抵抗な窒化ガリウム系焼結体を作製でき、更に特殊な材料を利用した裏打ち処理を行うことなく導電性のある窒化ガリウム系スパッタリングターゲットを作製できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の態様は以下の通りである。
(1)酸素含有量が1atm%以下であり、抵抗率が1×10Ω・cm以下であり、大気中で250℃の加熱処理を1時間行っても、窒化ガリウム焼結体をスパッタリングターゲトとしたターゲット部材から金属ガリウムの析出が目視で確認できないことを特徴とする窒化ガリウム焼結体。
(2)密度が3.0g/cm以上5.4g/cm以下であることを特徴とする(1)に記載の焼結体。
(3)焼結体の平均粒径が0.5μm以上3μm以下であることを特徴とする(1)又は(2)に記載の焼結体。
(4)焼結体の重量が10g以上であることを特徴とする(1)~(3)のいずれかに記載の焼結体。
(5)(1)~(4)のいずれかに記載の焼結体を用いることを特徴とする窒化ガリウムスパッタリングターゲット。
(6)ターゲット部材とボンディング層の間にタングステンを含む層が存在しないことを特徴とする(5)に記載のスパッタリングターゲット。
(7)ボンディング層がインジウム、錫、亜鉛のうち少なくとも1成分を含むことを特徴とする(5)又は(6)に記載のスパッタリングターゲット。
(8)(5)~(7)に記載のスパッタリングターゲットを用いることを特徴とする窒化ガリウム系薄膜の製造方法。
以下、本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
本発明の窒化ガリウム焼結体は、酸素含有量が1atm%以下であることを特徴とし、0.5atm%以下であることが好ましい。焼結体中の酸素含有量を低減することで、スパッタリングターゲットとして利用した場合、成膜時に不純物としての酸素の混入を低減し、より高い結晶性の膜を得ることが可能となる。
また、本発明の窒化ガリウム系焼結体は、その抵抗率が、1×10Ωcm以下であることを特徴とし、1×10Ωcm以下がより好ましく、1×10Ωcm以下が更に好ましい。低抵抗の焼結体は、スパッタリングターゲットとして利用する際にRFスパッタリングのみならずDCスパッタリングも可能となる。
本発明の窒化ガリウム焼結体は、密度が3.0g/cm以上5.4g/cm以下であることが好ましく、その下限は3.5g/cmがより好ましく、4.0g/cmが更に好ましい。ここで述べている窒化ガリウム焼結体の密度は、開気孔も含めた密度を指し、JISR1634におけるかさ密度の測定結果を指す。そのような窒化ガリウム系焼結体はスパッタリングターゲットとして用いることができる。
本発明の窒化ガリウム焼結体は、その平均粒子径が0.5μm以上3μm以下であることが好ましい。そのような粒子径とすることで、開気孔が少なく、低酸素量であり、なおかつ高強度である焼結体を得ることが可能となる。
次に、窒化ガリウム焼結体の製造方法について説明する。
原料である窒化ガリウム粉末の比表面積(BET)、軽装かさ密度および、一次粒子の粒子径と焼結体強度の関係を詳細に検討した結果、窒化ガリウム粉末の前記の諸物性値を制御することで不純物の酸素混入を低減でき、かつ強度の強い焼結体を得ることができることを見出した。
すなわち、本発明の製造方法は、ホットプレス法による窒化ガリウム系焼結体の製造方法であって、酸素含有量2atm%以下の窒化ガリウム粉末を原料とし、ホットプレス時にチャンバー中の到達真空度が70Pa以下、1060℃以上1300℃未満で加熱することを特徴とする。このような製造方法であれば、重量10g以上の窒化ガリウム系焼結体であっても歩留まり良く製造することが可能である。
以下に、この製造方法について更に詳細に説明する。
まず、原料となる窒化ガリウム粉末は、その酸素含有量が2atm%以下であることを必要とする。酸素を低減させるためには、表面の酸化を抑制する必要があるために、粉末の比表面積は小さい方が望ましく、1.5m/g以下であることが好ましく、さらに好ましくは0.8m/g未満である。そうした粉末を用いることで粉末からの酸素混入量を軽減することが可能となる。下限としては0.1m/gより大きいことが望ましい。それよりも比表面積が小さい場合、結晶粒子が大きすぎるため、粒子同士の接着力が弱く、最終的に焼成する際に保形することが困難であること、更には、比表面積が小さい場合、一般的に焼結性が低下するため、焼成が困難となる。
また、スパッタリングターゲットとして十分な強度を持った焼結体を得るために、原料である窒化ガリウムの軽装かさ密度は0.8g/cm以上であることが好ましく、より好ましくは1.0g/cm以上である。なお、軽装かさ密度とは、一定の容積を有する容器に振動などの負荷を与えずに粉末を充填し、充填した粉末の容量を容器の体積で除して求められる値である。軽装かさ密度として2.5g/cm未満であることが好ましい。それよりも軽装かさ密度を高めると、粉末を構成する顆粒の強度が高くなりすぎ、成型、焼成の際に顆粒がつぶれずに残るため焼結体の強度が著しく低下する。
また、原料として用いる窒化ガリウムの平均粒子径は0.5μm以上3μm以下であることが好ましい。そうした粉末を利用することで、焼結性と低酸素化を両立した焼結体を作製することが可能となる。特に窒化ガリウムにおいては焼結開始温度と分解温度が近く、焼結温度域が狭く、焼結時に大きく粒成長することはないため、焼結前の一次粒子の分布が焼結体に大きな影響を与える。なお、一次粒子の粒子径はSEMにより観察された最小単位の粒子の直径を指し、平均粒子径は直径法により測定し、少なくとも100以上の粒子について測定した上で、50%粒径での数値を指す。この範囲にある粉末を用いた成型物の場合、従来よりも粒子径が大きく付着力が小さくなるため、浸漬できる程度に開気孔が存在すると粒子同士の結合力が比較的弱いために、Gaの浸漬を行った場合、浸漬時に発生する応力や、加熱及びスパッタリングによって生じる熱膨張率差によって割れが生じてしまう。
なお、スパッタリング膜の高い結晶性を得ることや、元素を添加することにより半導体特性の変化が起きるため、原料となる窒化ガリウム粉末は不純物を極力含まないものを用いる事が望ましい。
焼成方法は、ホットプレス法を用いる。ホットプレス法は粉末を加圧しながら温度を与えることで焼結を進める方法であり、加熱時に一軸加圧を行なうことで焼成時の拡散を補助し、拡散係数が低く、焼結しにくい材料を焼結できるようにする焼成法である。
焼成温度は1060℃以上1300℃未満とする。窒化ガリウムの焼結を進ませるために1060℃以上が必要であり、窒化ガリウムの窒素及び金属ガリウムへの分解を一定量に抑えるために1300℃未満にしなければならない。また、焼結体の密度を向上させるために焼成時の圧力を30MPa以上100Mpa以下とすることが好ましく、さらに好ましくは50MPa以上90MPa以下である。
ホットプレスでの雰囲気は真空下で行う。加熱開始時における真空度は70Pa以下とし、10Pa以下が好ましく、10-1Paがより好ましく、10-2Pa以下であることが特に好ましい。これにより雰囲気から混入する、酸素や、水などの酸素元素を低減し、焼成時の酸化を抑制することが可能となる。
また、真空下で焼結する場合、1060℃付近より徐々に窒化ガリウム粉末の分解が進行するが、真空下で焼結することで、分解生成する金属ガリウムの一部が分解ガスである窒素と共に焼結体から外部へ排出される。このため、ホットプレス型において、ダイスと上パンチのクリアランスが0.2mm以上ある事が好ましい。または、粉末と上下パンチとの間にカーボンフェルト等密度の低い材料を用いることが好ましい。
上述した条件でホットプレス処理を行うと、焼結時に金属ガリウムが阻害剤とならず、適度な量が含有されるため、焼結が進行することで、高密度でかつ、酸化の抑制された窒化ガリウム焼結体を得ることが可能となる。特に1060℃以上1300℃以下の領域においては部分的に金属ガリウムが分解するが、窒化ガリウムの焼結も進行するため、高真空化で加圧焼結を施すことで金属ガリウムに阻害されることなく窒化ガリウムの焼結が進行することで密度が向上する。窒化ガリウムをスパッタリングターゲットとして利用する場合、焼結体に導電性があると好ましく、そのためには金属ガリウムが存在していることが好ましい。窒化ガリウム中に金属ガリウムが内包しているかどうかは焼結体の抵抗率を確認すれば明確であり、窒化ガリウム単結晶に代表されるように基材は抵抗率が高いが、本発明のような焼結体は抵抗率が10Ω・cm以下と低くなる。同じ原料を用いても窒化ガリウムの分解が進んでいないような成型物や焼結体は抵抗率が高い。窒化ガリウム焼結体中への金属ガリウムの含有方法は種々考えられるが、均一に少量存在させるためには、窒化ガリウム原料粉末中に金属ガリウムを分散させる方法や、焼結時に窒化ガリウムを分解することで窒化ガリウムを生成する手法が好ましい。そうすることで、少量の金属ガリウムを均一に焼結体中に分散させることが可能となる。その含有量は30wt%未満であることが好ましく、更に好ましくは10wt%未満である。
得られた焼結体は、スパッタリングターゲット等の用途に応じて所定の寸法に加工してもよい。加工方法は特に限定されないが、平面研削法、ロータリー研削法または円筒研削法等を用いることができる。
窒化ガリウム焼結体は、必要に応じて平板状または円筒状の支持体にハンダ材等の接着剤により固定(ボンディング)し、スパッタリングターゲットとしても良い。スパッタリングターゲットは、ターゲット部材とボンディング層の間にタングステンを含む層が存在しないことが好ましい。高価な金属タングステンターゲットを用いないことでコストを低減し、タングステンの成膜工程が不要になるため、生産性が向上する。
また、本発明のスパッタリングターゲットは、ボンディング層としてスズ系ハンダ材またはインジウム系のハンダ材、亜鉛系のハンダ材を用いることが好ましい。その中でも特に導電性、熱伝導性が高く、かつ柔らかく変形しやすいインジウムハンダが好ましい。
また、本発明のスパッタリングターゲットは、支持体として熱伝導率が高く強度が高いことからCu、SUSまたはTiなどの金属が望ましい。支持体の形状は平板形状の成形物には平板形状の支持体を用い、円筒形状の成形物には円筒形状の支持体を用いることが好ましい。
次に、本発明のスパッタリングターゲットの製造方法について説明する。
窒化ガリウム焼結体は、ボンディング層を介して支持体に接合する。ボンディング層にはスズ系ハンダ材、インジウム系のハンダ材、亜鉛系のハンダ材等を用いることができるが、インジウム系のハンダ材を使用する場合は、窒化ガリウム焼結体へのインジウム濡れ性を改善するために、焼結体とハンダ材の間に、濡れ性を改善する層を形成しても良い。その層の材質は安価なもので且つインジウムへの濡れ性が高いことが好ましく、例えばニッケル系やクロム系を用いるのが好ましい。この層はハンダ材との界面全体に渡り、均一に形成されていることが好ましい。このようなバリア層の形成方法は、特に限定されないが、スパッタリングや蒸着、塗布などを用いられる。
本発明の窒化ガリウム焼結体は、低酸素量、高密度、低抵抗であり、金属ガリウムの析出が起こりにくいため、スパッタリングターゲットとして用いるのに好適である。
以下、実施例をもって説明するが、これに限定されるものではない。
(比表面積)
粉末の比表面積はMicrometrics Tristarを用いて測定した。
(軽装かさ密度)
パウダーテスターPT-N型(ホソカワミクロン製)を用いて測定を行った。
(焼結体のかさ密度)
焼結体のかさ密度は、JISR1634におけるかさ密度測定の方法に準じて行なった。
(酸素含有量)
焼結体の酸素含有量は、酸素・窒素分析装置(LECO製)により測定した。
(加熱試験)
焼結体を大気中でホットプレートを用いて250℃の加熱処理を1時間行い、焼結体から金属ガリウムの析出の有無について目視で確認した。
(粒子径の測定)
粉末及び焼結体の粒子径の測定は、SEMでの観察像から直径法にて少なくとも2視野以上について測定し、100以上の粒子を測定した上で50%粒径を平均粒子径とした。
(結晶面の確認、半価幅、強度比の測定方法)
通常の測定は一般的な粉末X線回折装置(装置名:UltimaIII、リガク社製)を用いた。XRD測定の条件は以下のとおりである。
線源 : CuKα線(λ=0.15418nm)
測定モード : 2θ/θスキャン
測定間隔 : 0.01°
発散スリット: 0.5deg
散乱スリット: 0.5deg
受光スリット: 0.3mm
計測時間 : 1.0秒
測定範囲 : 2θ=20°~80°
XRDパターンの同定分析には、XRD解析ソフトウェア(商品名:JADE7、MID社製)を用いた。六方晶はJCPDSNo.00-050-0792を参考として窒化ガリウム結晶面を確認し、(002)面についてその半価幅を測定し、強度比はI(002)とI(101)について下記の式を用いて算出する。
強度比=I(002)/I(101)
(101)面と思われるピークが検出されない場合は、36~37°のバックグラウンドピーク強度をI(101)とみなし計算を実施する。
高精度な測定はXRD装置(ブルカー製D8 DISCOVER)の下記の構成とし、40kV,40mAの条件にて、HIGH RESOLUTIONモード、Ge(220)モノクロメーターを使用しCuKα2を除去し、ωスキャンを実施した。
線源 : CuKα線(λ=0.15418nm)
モノクロメーター: Ge(220)
パスファインダー: Crystal3B
測定モード : ωスキャン
測定間隔 : 0.01°
(半価幅が0.1°以下の場合は0.0005°)
計測時間 : 0.5秒
測定範囲 : ω=0°~35°
(膜中の酸素含有量測定)
膜中の酸素含有量はSIMS(二次イオン質量分析計)を用いて測定した。膜の深さ方向に対し酸素の含有量を測定し、基板と想定される場所に対して、その界面から5nm~30nmの間の最低含有量を算出した。
(実施例1~4)
表1に示される窒化ガリウム粉末を30g用いて51mmφのカーボン製の金型に投入しホットプレスに投入した。昇温開始前の到達真空度は表1に示された条件にて焼成を開始し、温度は200℃/hにて昇温し、最終的に表1の温度まで増加させ、その際の加圧条件は最高温度保持の際に表1の圧力まで上昇させ、温度並びに圧力の保持時間1時間にてホットプレス処理を行った。降温は5時間で約50℃まで降温し、金型を取り出し、焼結体の回収を行なった。いずれも10g以上の焼結体であった。得られた多結晶窒化ガリウム焼結体の重量、密度、含有酸素量、抵抗率、平均粒径及び加熱試験の結果を表2に示す。
更に焼結体を加工し、バッキングプレートへボンディング後、スパッタリングターゲットとして上でDCもしくはRFにて成膜可能かどうか確認を行ったところ、全てのサンプルについて、問題なくボンディングし、DC/RFにて成膜可能であることを確認した。
(実施例5)
表1に示される窒化ガリウム粉末を250g用いて130mmφのカーボン製の金型に投入しホットプレスに投入した。昇温開始前の到達真空度は表1に示された条件にて焼成を開始し、温度は200℃/hにて昇温し、最終的に表1の温度まで増加させ、その際の加圧条件は最高温度保持の際に表1の圧力まで上昇させ、温度並びに圧力の保持時間2時間にてホットプレス処理を行った。降温後金型を取り出し、焼結体の回収を行なった。得られた多結晶窒化ガリウム焼結体の重量、密度、含有酸素量、抵抗率、平均粒径及び加熱試験の結果を表2に示す。
(比較例1~3)
表1に示す窒化ガリウム粉末を用いて、表1の真空度、焼成温度、荷重とした以外は実施例1と同様の昇温速度、保持時間、降温条件でホットプレス処理を行ったところ、得られた多結晶窒化ガリウム焼結体の重量、密度、含有酸素量、抵抗率、平均粒径及び加熱試験の結果は表2のようになった。比較例2では保形できず、焼結体を得ることができなかった。
(比較例4)
比較例1と同様の条件にて作製した窒化ガリウム焼結体に対し、加工した窒化ガリウム焼結体24.5gに対して、金属ガリウム(純度6N、酸素含有量0.0174atm%、DOWAエレクトロニクス株式会社製)を焼結体に対し1.35倍量用意し、共に真空包装袋に投入し、1000Paにて真空包装を行った。包装容器を50℃程度まで加熱し、金属ガリウムを完全に溶解させた後、CIPに投入し、100MPaで60秒間加圧を行なった。取り出した後に50℃程度で加熱した後に周辺に残った金属ガリウムを除去し、金属ガリウム浸透窒化ガリウム焼結体を得た。それに対して250℃で加熱試験を実施したところGa金属の析出が見られた。なお、表2に記載の平均粒径の値は、金属ガリウムを浸透させる前の焼結体の平均粒径に関するものであり、重量、密度、含有酸素量、抵抗率及び加熱試験の結果については金属ガリウム浸透窒化ガリウム焼結体に関するものである。
(参考例)
実施例1と同様の方法で作製した焼結体に対し、比較例4と同様の手法にて金属ガリウム浸透体の作製を試みたが、浸透の際に割れを生じてしまった。
Figure 0007040561000001
Figure 0007040561000002
実施例5と比較例1について下記の条件にて成膜を実施したところ、本発明により膜中の酸素量、膜の結晶性、配向性が大きく改善することを確認した。
(スパッタ成膜条件)
ターゲットサイズ:120mmφ
放電電力 :125W
スパッタガス圧 :0.07Pa
スパッタガス :窒素のみ
成膜温度 :600℃
膜厚 :約300nm
Figure 0007040561000003

Claims (7)

  1. 酸素含有量が0.3atm%以上1atm%以下であり、抵抗率が1×10Ω・cm以下であり、焼結体の平均粒径が0.5μm以上3μm以下であることを特徴とする窒化ガリウム焼結体。
  2. 密度が3.0g/cm以上5.4g/cm以下であることを特徴とする請求項1に記載の焼結体。
  3. 焼結体の重量が10g以上243g以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の焼結体。
  4. 請求項1~のいずれかに記載の焼結体を用いることを特徴とする窒化ガリウムスパッタリングターゲット。
  5. ターゲット部材とボンディング層の間にタングステンを含む層が存在しないことを特徴とする請求項に記載のスパッタリングターゲット。
  6. ボンディング層がインジウム、錫、亜鉛のうち少なくとも1成分を含むことを特徴とする請求項又はに記載のスパッタリングターゲット。
  7. 請求項のいずれかに記載のスパッタリングターゲットを用いることを特徴とする窒化ガリウム薄膜の製造方法。
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