JP7040191B2 - 綴じ装置および画像処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、綴じ装置および画像処理装置に関する。
特許文献1では、複数のシートを積載するシート積載部と、複数の歯が並んだ第1の歯型部及び前記第1の歯型部に対向して設けられ、複数の歯が並んだ第2の歯型部を有し、前記第1の歯型部及び前記第2の歯型部の少なくとも一方をシートの厚さ方向に移動させ、前記シート積載部に積載された複数のシートを前記第1の歯型部及び前記第2の歯型部の間に噛み込んで綴じ処理する綴じ部と、前記綴じ部の綴じ動作を制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記第1の歯型部及び前記第2の歯型部の間にシートが無い状態で前記第1の歯型部及び前記第2の歯型部の少なくとも一方を移動させ、前記第1の歯型部及び前記第2の歯型部を噛み合わせる空打ち動作を所定のタイミングで行うよう前記綴じ部を制御することを特徴とするシート処理装置が開示されている。
特開2014-91249号公報
紙粉が押圧部に付着することを回避するために、例えば、空打ち動作などにより歯型を有する押圧部の歯を噛み合わせて押圧部に付着した紙粉を取り除く技術が存在しているが、歯を噛み合わせると紙粉が押圧部に留まってしまう可能性がある。紙粉が押圧部に留まると、紙粉同士が固まってしまい、押圧部による綴じ機能が低下するおそれがある。
本発明の目的は、押圧部を空打ちさせて押圧部に付着した紙粉を取り除く場合に比べて、紙粉の取り除き効果を高めることにある。
請求項1に記載の発明は、厚み方向の一方および他方から記録材束を押圧して綴じる一組の押圧部と、前記一組の押圧部のうち少なくとも一つの押圧部が予め定められた綴じ径路に沿って移動する際に、当該押圧部と相対的にスライド移動して当該押圧部を清掃する清掃部とを有する綴じ装置である。
請求項2に記載の発明は、前記押圧部の前記綴じ径路に沿う移動は、記録材束を押圧する方向の押圧方向移動および記録材束を押圧する押圧領域に対して記録材または記録材束が出入する方向の出入方向移動の成分を有し、前記スライド移動では、前記押圧部の前記出入方向移動の成分の方が前記押圧方向移動の成分より多いことを特徴とする請求項1記載の綴じ装置である。
請求項3に記載の発明は、前記清掃部は、前記押圧部に対して清掃を開始する前には当該押圧部と接触せず、当該押圧部との間の相対的なスライド移動によって接触することを特徴とする請求項2記載の綴じ装置である。
請求項4に記載の発明は、前記清掃部は、前記押圧部が記録材束に対して押圧を行なう前には、当該押圧部に対して前記出入方向の入る方向の上流側から下流側に相対的にスライド移動し、前記押圧部が記録材束に対して押圧を行なった後には、当該押圧部に対して前記下流側から前記上流側に相対的にスライド移動することを特徴とする請求項3記載の綴じ装置である。
請求項5に記載の発明は、前記清掃部を取り付ける取付部材を更に備え、前記取付部材は、前記押圧部の移動に連動して移動するとともに、前記清掃部を当該押圧部との間で相対的にスライド移動させることを特徴とする請求項1記載の綴じ装置である。
請求項6に記載の発明は、前記取付部材は、前記押圧部と異なる支点に配置され、当該取付部材と当該押圧部の移動軌跡が異なることを特徴とする請求項5記載の綴じ装置である。
請求項7に記載の発明は、前記取付部材の取付部材支点と前記押圧部の記録材束を押圧する際の押圧作用点との距離は一定であり、前記押圧部の押圧部支点と前記押圧作用点との距離は、当該押圧部の前記綴じ径路に沿う移動に伴って変化することを特徴とする請求項6記載の綴じ装置である。
請求項8に記載の発明は、前記取付部材は、前記取付部材支点を回転中心として回転することを特徴とする請求項7記載の綴じ装置である。
請求項9に記載の発明は、前記押圧部支点は、記録材または記録材束が出入する方向である出入方向に移動成分を有して移動し、前記取付部材支点は、前記押圧部支点が当該押圧部支点の支点移動範囲における前記出入方向の最も下流側に位置する際に当該押圧部支点よりも当該出入方向の上流側に位置することを特徴とする請求項8記載の綴じ装置である。
請求項10に記載の発明は、前記押圧部の前記綴じ径路に沿って移動する移動距離は、前記押圧部支点の前記支点移動範囲における移動距離よりも長いことを特徴とする請求項9記載の綴じ装置である。
請求項11に記載の発明は、前記取付部材は、前記押圧部による記録材束の押圧の前に記録材束を押さえる用紙押さえ部材であることを特徴とする請求項6記載の綴じ装置である。
請求項12に記載の発明は、前記押圧部は、記録材束を綴じるための歯型を有することを特徴とする請求項1記載の綴じ装置である。
請求項13に記載の発明は、前記押圧部の前記歯型は、記録材または記録材束が出入する方向である出入方向に対し平行に延びている歯を有することを特徴とする請求項12記載の綴じ装置である。
請求項14に記載の発明は、前記清掃部は、前記歯型の前記歯の形状に合わせて、当該歯型に食い込むように形成されていることを特徴とする請求項13記載の綴じ装置である。
請求項15に記載の発明は、前記清掃部は、板金であることを特徴とする請求項14記載の綴じ装置である。
請求項16に記載の発明は、前記清掃部は、前記歯型に接触する際に、先端を撓ませて清掃することを特徴とする請求項14記載の綴じ装置である。
請求項17に記載の発明は、前記清掃部は、ブラシであることを特徴とする請求項16記載の綴じ装置である。
請求項18に記載の発明は、移動機構によって記録材束の押圧領域に移動させ、厚み方向の一方および他方から記録材束を押圧して綴じる一組の押圧部と、前記一組の押圧部のうち少なくとも一つの押圧部に連結機構によって連動可能に連結され、当該押圧部とは異なる移動によって当該押圧部を清掃する清掃部と、を有する綴じ装置である。
請求項19に記載の発明は、前記一組の押圧部を支持する筐体を有し、前記移動機構は移動取付部によって前記筐体に可動に取り付けられ、前記連結機構は当該移動取付部と位置が異なる連結取付部によって当該筐体に可動に取り付けられていることを特徴とする請求項18記載の綴じ装置である。
請求項20に記載の発明は、退避位置から綴じ位置まで移動可能に構成され、当該綴じ位置にて記録材束を押圧して綴じる一組の押圧部と、前記一組の押圧部のうち少なくとも一つの押圧部を清掃するために設けられ、当該押圧部が綴じ位置方向に移動することに伴い、当該押圧部とともに当該綴じ位置方向に移動し、当該押圧部が退避位置方向に移動することに伴い、当該押圧部とともに当該退避位置方向に移動する清掃部とを有する綴じ装置である。
請求項21に記載の発明は、前記清掃部は、取付機構によって前記押圧部に移動可能に取り付けられ、当該押圧部の移動に伴い、当該押圧部とともに移動することを特徴とする請求項20記載の綴じ装置である。
請求項22に記載の発明は、前記清掃部は、前記取付機構によって当該清掃部が取り付けられた前記押圧部の移動に連動されてスライド移動することで当該押圧部を清掃することを特徴とする請求項21記載の綴じ装置である。
請求項23に記載の発明は、画像が形成された記録材を搬送する搬送部と、当該搬送部により搬送された記録材を束とした記録材束を収容する収容部と、当該収容部に収容された記録材束を綴じる綴じ装置とを備え、当該綴じ装置が、請求項1乃至22の何れかに記載の綴じ装置により構成された画像処理装置である。
請求項1の発明によれば、押圧部を空打ちさせて押圧部に付着した紙粉を取り除く場合に比べて、清掃部の押圧部に付着した紙粉の取り除き効果を高めることができる。
請求項2の発明によれば、押圧部に対する清掃部のスライド移動距離を長くすることで清掃効果を高めることができる。
請求項3の発明によれば、清掃部の変形を抑制することができる。
請求項4の発明によれば、清掃回数を増やして紙粉の取り除き効果を高めることができる。
請求項5の発明によれば、綴じ動作に連動させて清掃できる。
請求項6の発明によれば、取付部材と押圧部とのそれぞれの移動を妨げない。
請求項7の発明によれば、押圧部に対する取付部材の動きを簡略化することができる。
請求項8の発明によれば、押圧部に対する取付部材の動きを簡略化することができる。
請求項9の発明によれば、押圧部の移動を確保できる範囲で綴じ装置を小型化できる。
請求項10の発明によれば、綴じ装置を小型化した場合でも高い押圧力を実現することができる。
請求項11の発明によれば、押さえた後に綴じ処理を行なうことで綴じ処理の安定性を高めることができる。
請求項12の発明によれば、針無しであっても高い押圧力を実現することができる。
請求項13の発明によれば、用紙束への綴じ効果を高めることができる。
請求項14の発明によれば、押圧部に付着した大量な紙粉を取り除くことができる。
請求項15の発明によれば、簡易な構成で押圧部に付着した大量な紙粉を取り除くことができる。
請求項16の発明によれば、押圧部に付着した紙粉を取り除くことができる。
請求項17の発明によれば、押圧部に傷をつけることがなく押圧部に付着した紙粉を取り除くことができる。
請求項18の発明によれば、一つの移動機構によって押圧部および清掃部の動作を実現することができる。
請求項19の発明によれば、取付部材が押圧部と異なる移動を実現することができる。
請求項20の発明によれば、綴じ動作が行われた後、速やかに押圧部に付着した紙粉を清掃することができる。
請求項21の発明によれば、清掃部が押圧部の移動と連動することによって綴じ装置の動作を簡略化することができる。
請求項22の発明によれば、清掃部が簡略化した動作によって押圧部に付着した紙粉を取り除くことができる。
請求項23の発明によれば、押圧部を空打ちさせて押圧部に付着した紙粉を取り除く場合に比べて、清掃部の押圧部に付着した紙粉の取り除き効果を高めることができる。
本実施の形態が適用される記録材処理システムの構成を示した図である。 本実施の形態が適用される後処理装置の構成を説明するための図である。 本実施の形態が適用される綴じ処理装置を上方から眺めた場合を示す図である。 本実施の形態が適用される綴じユニットの斜視図である。 本実施の形態が適用される綴じユニットの押圧部の構成を説明するための図である。 本実施の形態が適用される綴じユニットの記録材束に接触する箇所を説明するための図である。 本実施の形態が適用される綴じユニットの押圧構造を説明するための図である。 本実施の形態が適用される綴じユニットの筐体を説明するための図である。 本実施の形態が適用される綴じユニットの記録材束の厚み方向の一方にある押圧部、取付部材および清掃部の構成を説明するための図である。 本実施の形態が適用される綴じユニットの記録材束の厚み方向の他方にある押圧部、取付部材および清掃部の構成を説明するための図である。 本実施の形態が適用される綴じユニットが記録材束と接触する前の初期状態を説明するための図である。 本実施の形態が適用される綴じユニットの清掃部が押圧部を清掃する状態を説明するための図である。 本実施の形態が適用される綴じユニットの取付部材が記録材束と接触する直前の押圧部、清掃部および取付部材の状態を説明するための図である。 本実施の形態が適用される綴じユニットの取付部材が記録材束と接触するときの押圧部、清掃部および取付部材の状態を説明するための図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
<記録材処理システム200>
図1は、本実施の形態が適用される記録材処理システム200の構成を示した図である。
画像処理装置の一つとして機能する記録材処理システム200には、画像形成部にて用紙などの記録材(シート)に対して電子写真方式等を用いて画像を形成する画像形成装置1、画像形成装置1により画像が形成された複数枚の用紙に対して綴じ処理を施す綴じ装置としての後処理装置2が設けられている。なお、画像形成装置1または後処理装置2を単体として画像処理装置として把握することができるとともに、画像形成装置1と後処理装置2とを含めて画像処理装置として把握することもできる。また、前述のように後処理装置2を単体の綴じ装置として把握することができるとともに、画像形成装置1と後処理装置2とを含めて綴じ装置として把握することもできる。さらに、後処理装置2から綴じを行う機能部分だけを取り出して綴じ装置として把握してもよい。
<画像形成装置1>
画像形成装置1は、各色画像データに基づいて画像形成を行う4つの画像形成ユニット100Y,100M,100C,100K(「画像形成ユニット100」とも総称する)を備える。また、画像形成装置1には、各画像形成ユニット100に設けられた感光体ドラム107を露光し、感光体ドラム107の表面に静電潜像を形成するレーザ露光装置101が設けられている。
また、画像形成装置1には、各画像形成ユニット100にて形成された各色のトナー像が多重転写される中間転写ベルト102、各画像形成ユニット100にて形成された各色トナー像を中間転写ベルト102に順次転写(一次転写)する一次転写ロール103が設けられている。更に、中間転写ベルト102上に転写された各色トナー像を用紙に一括転写(二次転写)する二次転写ロール104、二次転写された各色トナー像を用紙上に定着させる定着装置105、画像形成装置1の動作を制御する本体制御部106が設けられている。
各画像形成ユニット100では、感光体ドラム107の帯電、感光体ドラム107への静電潜像の形成が行われる。そして、静電潜像の現像が行われて、感光体ドラム107の表面には、各色のトナー像が形成される。
感光体ドラム107の表面に形成された各色トナー像は、一次転写ロール103により中間転写ベルト102上に順次転写される。そして、各色トナー像は、中間転写ベルト102の移動に伴って二次転写ロール104が設置された位置へ搬送される。
画像形成装置1の用紙収容部110A~110Dには、異なるサイズや異なる種類の用紙が収容されている。そして、例えば、ピックアップロール111により用紙収容部110Aから用紙が取り出され、搬送ロール112によってレジストロール113まで搬送される。
そして、中間転写ベルト102上の各色トナー像が二次転写ロール104に搬送されるタイミングに合わせて、二次転写ロール104と中間転写ベルト102とが対向する対向部(二次転写部)に対してレジストロール113から用紙が供給される。
そして、中間転写ベルト102上の各色トナー像が、二次転写ロール104により形成された転写電界の作用によって、用紙上に一括して静電転写(二次転写)される。
その後、各色トナー像が転写された用紙は、中間転写ベルト102から剥離されて定着装置105へ搬送される。定着装置105では、熱および圧力による定着処理により、各色トナー像が用紙上に定着され、用紙上に画像が形成される。
そして、画像が形成された用紙は、搬送ロール114によって画像形成装置1の用紙排出部Tから排出され、画像形成装置1に接続された後処理装置2へ供給される。
後処理装置2は、画像形成装置1の用紙排出部Tの下流側に配置され、画像が形成された用紙に対して穴あけや綴じ等の後処理を行う。
<後処理装置2>
図2は、後処理装置2の構成を説明するための図である。
図2に示すように、画像処理装置の一つとして機能する後処理装置2は、画像形成装置1の用紙排出部Tに接続されたトランスポートユニット21、トランスポートユニット21により搬送されてきた用紙に対して予め定められた処理を施すフィニッシャユニット22を備える。トランスポートユニット21や、フィニッシャユニット22の各種搬送経路は、画像が形成された記録材を搬送する搬送部の一つとして機能する。また、画像形成装置1の画像形成前後の搬送路も搬送部の一つとして機能する。
また、後処理装置2は、後処理装置2の各機構部を制御する用紙処理制御部23(図1参照)を備える。用紙処理制御部23は、不図示の信号ラインで本体制御部106(図1参照)に接続され、相互に制御信号等の送受信を行う。また、後処理装置2は、後処理装置2による処理が終了した用紙(用紙束)が積載されるスタッカー部80を備える。
図2に示すように、後処理装置2のトランスポートユニット21には、2穴や4穴等の穴あけ(パンチ)を施すパンチ機能部30が設けられている。更に、トランスポートユニット21には、画像形成装置1にて画像形成された後の用紙をフィニッシャユニット22に向けて搬送する複数の搬送ロール211が設けられている。
フィニッシャユニット22には、記録材束の一例としての用紙束に対する綴じ処理を行う綴じ処理装置300が設けられている。本実施形態の綴じ処理装置300は、ステープル(針)を用いずに用紙を構成する繊維同士を絡ませ、用紙束に対する綴じ処理を行う。なお、綴じ処理装置300を綴じ装置の一つとして把握することもできる。
綴じ処理装置300には、用紙を下方から支持するとともに用紙を必要枚数だけ集積させて用紙束を生成する用紙集積部70が設けられている。用紙集積部70は、搬送部により搬送された記録材を束とした記録材束を収容する収容部の一つとして機能する。また、綴じ処理装置300には、用紙束に対して綴じ処理を行う綴じユニット500が設けられている。なお、用紙集積部70には、用紙が一枚ずつ収容されて用紙束を収容する態様の他、用紙束として一括して収容される態様がある。
また、綴じ処理装置300には、搬出ロール71および移動ロール72が設けられている。搬出ロール71は、図中時計回り方向に回転し、用紙集積部70上の用紙束をスタッカー部80へ送る。移動ロール72は、回転軸72aを中心に移動可能に設けられ、用紙を用紙集積部70に集積させる際には搬出ロール71から退避した箇所に位置する。また、生成された用紙束をスタッカー部80へ送る際には、用紙集積部70上の用紙束に押し当てられる。
後処理装置2は、用紙処理制御部23が本体制御部106からの用紙に対する処理を実行する旨の指示信号を受信した後に、用紙に対する処理を実行する。そして、後処理装置2は、まずトランスポートユニット21に対し、画像形成装置1により画像形成が行われた用紙が供給される。トランスポートユニット21では、用紙処理制御部23からの指示信号に応じてパンチ機能部30による穴あけが行われた後、搬送ロール211によって、フィニッシャユニット22に向けて用紙が搬送される。一方、用紙処理制御部23からの穴あけ指示が無い場合、用紙は、パンチ機能部30による穴あけ処理は行われずにフィニッシャユニット22へ送られる。
フィニッシャユニット22に送られた用紙は、綴じ処理装置300に設けられた用紙集積部70へ搬送される。そして、用紙は、用紙集積部70に付与された傾斜角も利用して用紙集積部70の上をスライド移動し、用紙集積部70の端部に設けられた用紙規制部74に突き当たって停止する。用紙規制部74に用紙が突き当たることで、用紙の後端部が揃えられた状態の用紙束が用紙集積部70上に生成される。なお、本実施形態では、用紙を用紙規制部74に向けて移動させる回転パドル73が設けられている。
図3は、綴じ処理装置300を上方から眺めた場合の図である。
用紙集積部70の幅方向における両端部には、第1移動部材81が設けられている。
第1移動部材81は、用紙束を構成する用紙の側辺を押し当て、用紙束を構成する用紙の端部の位置を揃える。また、第1移動部材81は、用紙束の幅方向に移動し、用紙束の幅方向へ用紙束を移動させる。用紙が用紙集積部70に集積される際、用紙の側辺に第1移動部材81が押し当てられ、用紙の側辺の位置が揃えられる。また、用紙束の綴じ位置が変更される場合には、第1移動部材81によって用紙束が押圧され、用紙束の幅方向に用紙束が移動する。
また、綴じ処理装置300には、図の上下方向に移動し用紙束の幅方向と直交する方向に用紙束を移動させる第2移動部材82と、第1移動部材81および第2移動部材82を移動させる移動用モータM1とが設けられている。
図3の矢印4Aで示すように、綴じユニット500は、用紙の幅方向に移動可能に設けられている。そして、綴じユニット500は、例えば、用紙束の幅方向において異なる箇所に位置する2点((A)位置と(B)位置)にて、綴じ処理(2点綴じ処理)を行う。
また、綴じユニット500は、図3の(C)位置へ移動し、用紙束の角部にて綴じ処理(1点綴じ)を行う。(A)位置と(B)位置との間では、綴じユニット500は直線的に移動するが、(A)位置と(C)位置との間では、綴じユニット500は、例えば45°の回転を伴いながら移動する。
用紙規制部74は、底板70Aに対向配置される対向部70Cを有している。この対向部70Cは、用紙束のうちの最も上に重ねられた用紙に接触して、用紙束の厚み方向における用紙の移動を規制する。また、本実施形態では、用紙規制部74および第2移動部材82が設けられていない箇所にて、綴じユニット500による綴じ処理が行われる。具体的には、図3に示すように、図の左側に位置する用紙規制部74と第2移動部材82との間、および、図の右側に位置する用紙規制部74と第2移動部材82との間にて、綴じユニット500による綴じ処理が行われる。また、図の右側の用紙規制部74に隣接する箇所(用紙束の角部)にて綴じ処理が行われる。
なお、図3に示すように、底板70Aには、3つの切り欠き70Dが設けられている。これにより、用紙集積部70と綴じユニット500との干渉が避けられる。また、綴じユニット500が移動する際、第2移動部材82は、図3の符号4Bに示す位置へ移動する。これにより、綴じユニット500と第2移動部材82との干渉が避けられる。
<綴じユニット500の構造>
次に、本実施の形態が適用される綴じユニット500について説明する。
本実施の形態が適用される綴じユニット500は、針を用いずに記録材束(用紙束)を綴じる綴じ装置として機能しており、例えば2枚~10枚の用紙束について、上歯と下歯とを用いて押圧することで用紙束を綴じる。このとき、特に多数枚からなる用紙束を良好に綴じるためには、非常に大きな押圧力がかけられる。この押圧力によって、用紙束を綴じる際に、紙粉が押圧部に付着する。また、紙粉の付着によって、押圧部の噛み合わせに影響を及ぼし、予め定められた押圧力を得られなくなることがある。更に紙粉が押圧部に留まると、紙粉同士が固まってしまい、押圧部による綴じ機能が低下するおそれがある。
本実施の形態が適用される綴じユニット500では、後述するような構成により、紙粉を効果的に取り除いている。
まず、綴じユニット500の構造について、図4~図10を用いて説明する。図4は本実施の形態が適用される綴じユニット500の斜視図である。図5は綴じユニット500の綴じ部50を説明するための図、図6は綴じユニット500の綴じ補助部700を説明するための図である。また、図7は綴じユニット500の綴じ部50における押し出しリンク60を説明するための図、図8は綴じユニット500の筐体90を説明するための図である。更に、図9は、綴じユニット500の上方当接部710およびその周囲の構成を説明するための図、図10は、綴じユニット500の下方当接部720およびその周囲の構成を説明するための図である。
本実施の形態が適用される綴じユニット500は、図4に示すように、針無しで用紙束を綴じる綴じ部50と、綴じ部50の綴じ動作を行う前に用紙集積部70(図2参照)に置かれた用紙束を押え、かつ綴じ部50の綴じ動作を行う前後に綴じ部50に付着されている紙粉を清掃する綴じ補助部700と、綴じ部50および綴じ補助部700の動作を駆動する駆動部800と、綴じ部50、綴じ補助部700および駆動部800を支持する筐体90とを備えている。
なお、以下の説明において、図3に示した用紙束の幅方向を単に「幅方向」とし、用紙束の厚み方向を「上下方向」として説明する。また、搬送される用紙束の搬送方向を「出入方向」とし、綴じ部50が用紙束の厚み方向の一方および他方から用紙束を押圧する方向を単に「押圧方向」として説明する。ここで、「押圧方向」は、「上下方向」に押圧するときの方向である。
まず、綴じ部50について、図4、図5および図7を用いて説明する。
綴じ部50は、上歯61を一端に有し、厚み方向において用紙束を押圧して変形させるためのアッパーアーム51と、上歯61に対峙する下歯62を一端に有し、厚み方向において用紙束を押圧して変形させるためのロウアーアーム52とを有している。また、綴じ部50は、アッパーアーム51およびロウアーアーム52を連結するシャフトアーム53を有している。更に、綴じ部50は、ロウアーアーム52を上下方向に移動させる押し出しリンク60を有している。ここで、上歯61および/またはアッパーアーム51は、上方側(一方側)にある押圧部および/または歯型として機能し、下歯62および/またはロウアーアーム52は、下方側(他方側)にある押圧部および/または歯型として機能する。また、シャフトアーム53は、移動機構を構成する一部および移動取付部として機能する。
なお、以下の説明において、上歯61および下歯62が用紙束を押圧する領域を「押圧領域」とし、上歯61および下歯62が噛み合い、用紙束を押圧して綴じる際の作用点を「押圧作用点」として説明する。
アッパーアーム51は、上歯61を有する一端部511と、この一端部511から一体的に屈曲してC字状に延びる他端部512とを有する。また、アッパーアーム51は、屈曲する一端部511と他端部512との間の屈曲点の近傍にてアッパーアーム51を支持する支持部513を有している。
他端部512には、アッパーアーム51に向けて押し出しリンク60によりロウアーアーム52を押し出すための起点となるリンク連結穴515を有している。リンク連結穴515には、シャフトレバーロウアー64(後述)が挿入される。このリンク連結穴515およびシャフトレバーロウアー64は、押し出しリンク60の動きの起点部となる。また、支持部513には、アッパーアーム51の回転中心となる回転中心穴516(図9参照)が設けられている。
ロウアーアーム52は、アーム構造を有し、下歯62を有する一端部521と、この一端部521からほぼ一方向に延びる他端部522とを有している。
下歯62を有する一端部521側には、ロウアーアーム52をアッパーアーム51に向けて押し出すための押し出しリンク60の作用点に対峙する凹部523が設けられている。押し出しリンク60の作用点には、後述するシャフトレバーアッパー63が設けられている。そして、この凹部523の断面は、このシャフトレバーアッパー63よりも径が同等か大きい湾曲形状を形成しており、ロウアーアーム52の一端部521にて、下歯62を有する箇所の略鉛直下方に設けられている。この凹部523およびシャフトレバーアッパー63は、押し出しリンク60の動きの作用点である。
ロウアーアーム52の他端部522には、ロウアーアーム52の回転中心となる回転中心穴526が設けられており、アッパーアーム51の回転中心である回転中心穴516(図9参照)と同軸にてシャフトアーム53によりロウアーアーム52を回転可能に保持している。そして、シャフトアーム53は、この両端部に径小部531を有しており、この径小部531が筐体90(左側ガイド91および右側ガイド92)に設けられた長穴状の切り欠き(アームガイド953)に係合している。
これによって、シャフトアーム53は、後述する出入方向移動の成分を有して移動可能に構成され、アッパーアーム51とロウアーアーム52とを出入方向(用紙束が出入する方向)に移動可能に保持している。また、このシャフトアーム53は、押圧部支点として機能する。
なお、以下の説明において、アッパーアーム51および上歯61と、ロウアーアーム52および下歯62とが、シャフトアーム53の移動によって綴じ径路に沿う移動する軌跡を単に「移動軌跡」とする。また、アッパーアーム51および上歯61と、ロウアーアーム52および下歯62とが綴じ径路に沿う移動の中、用紙束を押圧する方向の押圧方向の移動を「押圧方向移動」とし、用紙束を押圧する押圧領域に対して出入方向にての移動を「出入方向移動」として説明する。
次に、アッパーアーム51に設けられるリンク連結穴515(図5参照)を起点として動作する押し出しリンク60について、図4、図5および図7を用いて説明する。
綴じ部50における押し出しリンク60は、レバー56とリンク57との伸縮動作によって、ロウアーアーム52を上下方向に移動させている。レバー56とリンク57との連結箇所(ジョイント)にはスピンドル58が設けられている。
レバー56は、スピンドル58と連結する連結部561と、連結部561から延びる本体部562とを有している。本体部562の一端には、後述するカム54と接触する接触面563が設けられ、本体部562の他端には、ロウアーアーム52を押し上げる押し上げ部564が設けられている。押し上げ部564には、ロウアーアーム52に接触するシャフトレバーアッパー63が取り付けられている。シャフトレバーアッパー63は円筒形状を有しており、この両端部には、径が小さい径小部631が形成され、ガイド部材(後述する左側ガイド91および右側ガイド92)に設けられた切り欠き(後述する押し上げガイド963)に係合している。円筒形状であるシャフトレバーアッパー63は、ロウアーアーム52の湾曲形状である凹部523(図5参照)に接触している、円筒形状と湾曲形状とで接触することで、接触箇所に自由度を持たせている。
リンク57は、スピンドル58と連結する連結部571を一端に有し、シャフトレバーロウアー64によって、アッパーアーム51のリンク連結穴515と連結する起点連結部572を他端に有している。この起点連結部572は、押し出し部である押し出しリンク60の起点として機能し、シャフトレバーアッパー63は、押し出しリンク60の作用点として機能する。押し出し部である押し出しリンク60は、押し出しの起点となる起点部から作用点までの距離を変化させてロウアーアーム52の一端部521をアッパーアーム51の一端部511に向けて押し出している。
スピンドル58は円筒形状を有しており、この両端部に設けられ平面部を有する板状部581は、ガイド部材(左側ガイド91および右側ガイド92)に設けられた切り欠き(スピンドルガイド958)に係合している。
アッパーアーム51および押し出しリンク60を連結するシャフトレバーロウアー64は、円筒形状であり、この円筒の両端部に径小部641が設けられ、ガイド部材(左側ガイド91および右側ガイド92)に設けられた切り欠き(ロウアーガイド964)に係合している。
次に、綴じ補助部700について、図4および図6を用いて説明する。
綴じ補助部700は、用紙束の厚み方向の上方から用紙束を押える上方当接部710と、用紙束の厚み方向の下方から用紙束を支持する下方当接部720とを備えている。上方当接部710には、上歯61を清掃する上歯清掃部810が設けられ、下方当接部720には、下歯62を清掃する下歯清掃部820が備えられている。上歯清掃部810は、清掃先端の向きが上方成分を有するように上方当接部710に取り付けられ、下歯清掃部820は、清掃先端の向きが下方成分を有するように下方当接部720に取り付けられている。
上方当接部710は、アッパーアーム51に固定されている上方連結部750により、アッパーアーム51の動きに対して連動可能であるとともに、アッパーアーム51に対してスライド可能に連結されている。すなわち、この上方連結部750は、上方当接部710とアッパーアーム51との連結機構として機能している。また、上方当接部710は、その他端が、回転中心軸717によってガイド部材(左側ガイド91および右側ガイド92)に設けられた穴(ガイド971)に対して回転可能に設けられている。この回転中心軸717は、上方当接部710の取付部材支点(回転支点)である。
また、下方当接部720は、ロウアーアーム52に固定されている下方連結部770により、ロウアーアーム52の動きに対して連動可能であるとともに、ロウアーアーム52に対してスライド可能に連結されている。すなわち、この下方連結部770は、下方当接部720とロウアーアーム52との連結機構として機能している。また、下方当接部720は、その他端が、回転中心軸727によってガイド部材(左側ガイド91および右側ガイド92)に設けられた穴(ガイド972)に対して回転可能に設けられている。この回転中心軸727は、下方当接部720の取付部材支点(回転支点)である。
次に、図4および図8を用いて、筐体90について説明する。
筐体90は、綴じユニット500の各構造物の動きをガイドする左側ガイド91および右側ガイド92と、左側ガイド91および右側ガイド92のそれぞれの外側に配置され、これらを固定する左側筐体93および右側筐体94を有している。
左側ガイド91および右側ガイド92は、スピンドル58の板状部581(図7参照)の動きをガイドするスピンドルガイド958と、シャフトレバーアッパー63の径小部631の動きをガイドする押し上げガイド963を有している。また、シャフトレバーロウアー64の径小部641の動きをガイドするロウアーガイド964と、シャフトアーム53の径小部531の動きをガイドするアームガイド953とを有している。また、上方当接部710の回転中心軸717を回転可能に支持するガイド971と、下方当接部720の回転中心軸727を回転可能に支持するガイド972とを有している。更に、後述するカム54の回転軸を回転可能に支持するカム回転軸穴959,969を有している。
スピンドルガイド958、押し上げガイド963、ロウアーガイド964、およびアームガイド953は、長穴の形状を有し、この長穴の形状に沿った方向への部材の移動を許容する。それぞれの長穴は、出入方向成分および/または押圧方向(上下方向)成分を有しているが、押し上げガイド963とロウアーガイド964とは特に上下方向成分の部材の移動を許容し、スピンドルガイド958とアームガイド953とは特に出入方向成分の部材の移動を許容している。
ガイド971およびガイド972は、円形の穴であり、ガイド971は上方当接部710の回転中心軸717を回転可能に支持し、ガイド972は下方当接部720の回転中心軸727を回転可能に支持している。また、本実施の形態では、ガイド971およびガイド972はアームガイド953の近傍に形成されている。具体的には、ガイド971は、アームガイド953の上方、かつ出入方向にてアームガイド953の両端の間に形成され、ガイド972は、アームガイド953の下方、かつ出入方向にてアームガイド953の最も上流側の端よりも上流側に形成されている。よって、アームガイド953に係合している回転中心軸717および回転中心軸727(回転支点)は、シャフトアーム53(押圧支点)がアームガイド953の出入方向の最も下流側に位置する際にシャフトアーム53よりも出入方向の上流側に位置する。
このように、円形の穴であるガイド971およびガイド972によって回転運動を行なう上方当接部710および下方当接部720は、長穴の形状を有するアームガイド953によって移動するアッパーアーム51およびロウアーアーム52とは移動軌跡が異なる。この結果、後述する清掃部を取り付ける取付部材である上方当接部710および下方当接部720は、上歯61および下歯62を有する押圧部の移動軌跡とは異なることとなる。この移動軌跡の異なりを利用して、上歯61および下歯62の清掃を可能としている。
駆動部800は、移動機構の一部の構成として機能し、図4に示すように、駆動源となるモータ83と、駆動を伝達するギア類84とを有している。また、綴じユニット500は、一律ではない運動を生み出すためのカム54と、モータ83からギア類84を介して得た駆動力をカム54に伝達する回転軸59とを有している。本実施の形態では、カム54に、シャフトアーム53と、押し出しリンク60(レバー56の接触面563)と接触し、これらがカム54の形状に合わせて予め定められた運動を行なっている。
カム54は、図4に示すように、幅方向(カム54の厚み方向)にて外径形状の異なる2つの偏心カムが同一軸で形成されている。この2つの偏心カムは、偏心量が共通するカム谷部と、偏心量が異なるカム山部とを有している。
<綴じ補助部700の更に詳細な説明>
続いて、図4~図6、図9および図10を参照して綴じ補助部700の構成について更に詳細に説明する。
綴じ補助部700を構成する上方当接部710は、用紙押さえ部材として機能するとともに、上歯清掃部810を取り付ける取付部材、取付機構および連結機構として機能する。この上方当接部710は、アーム構造を有し、上歯清掃部810を支持する一端部711と、この一端部711からほぼ一方向に延びる他端部712と、一端部711および他端部712を連結する中央部713とを有している。また、上方当接部710には、図6に示すように、幅方向の中央部に、綴じ部50の上下方向の動きを許容する切り欠き714が設けられている。
図6に示すように、上方当接部710の一端部711は、用紙束を上方から押付けることができるように、幅方向および出入方向に延びる平面が形成されている。そして、一端部711の出入方向の下流側に上歯清掃部810が設けられ、一端部711の出入方向の上流側に、上歯61の上下方向への移動を許容する切り欠き715が設けられている。
上方当接部710の他端部712には、上方当接部710の回転中心(回転支点)となる回転中心軸717が設けられている。この回転中心軸717は、連結取付部および取付部材支点として機能する。
ここで、上方当接部710は、一端部711から他端部712に向けて一直線状に形成されているのではなく、中央部713が複数の屈曲点を備え、略M字状に形成されている。そして、この中央部713の出入方向の上流側部分(一端部711に近い部分)に連動溝730が形成されている。上方連結部750は、アッパーアーム51の一端部511に固定されているが、この上方連結部750に設けられ円筒形状を有する径小部751が、この連動溝730に挿入されている。これによって、上方当接部710は、アッパーアーム51の移動に対して連動可能となるように、アッパーアーム51に連結されている。
連動溝730は、上方連結部750の径小部751を挿入するための溝である取付溝731と、この取付溝731から一端部711側に延び、この一端部711の出入方向に延びる平面とほぼ平行に形成されている溝である平行溝732と、この平行溝732から一端部711側にて屈曲して延び、一端部711の平面に対してほぼ直交方向に形成されている溝である直交溝733とを有している。上方連結部750の径小部751は、連動溝730の取付溝731と、平行溝732と、直交溝733とに沿って移動する。
下方当接部720は、用紙押さえ部材として機能するとともに、下歯清掃部820を取り付ける取付部材、取付機構および連結機構として機能する。下方当接部720は、アーム構造を有し、下歯清掃部820を支持する一端部721と、この一端部721から一方向に延びる他端部722と、一端部721および他端部722を連結する中央部723とを有している。また、下方当接部720には、図6に示すように、幅方向の中央部に、綴じ部50の上下方向の動きを許容する切り欠き724が設けられている。
図6に示すように、下方当接部720の一端部721は、用紙束を下方から押付けることができるように、幅方向および出入方向に延びる平面が形成されている。そして、一端部721の出入方向の下流側に下歯清掃部820が設けられ、一端部721の出入方向の上流側に、下歯62の上下方向への移動を許容する切り欠き725が設けられている。
下方当接部720の他端部722には、下方当接部720の回転中心(回転支点)となる回転中心軸727が設けられている。この回転中心軸727は、連結取付部および取付部材支点として機能する。
下方当接部720の中央部723には、出入方向の上流側部分(一端部721に近い部分)に連動溝740が形成されている。下方連結部770は、ロウアーアーム52の一端部521に固定されているが、この下方連結部770に設けられ円筒形状を有する径小部771が、この連動溝740に挿入されている。これによって、下方当接部720は、ロウアーアーム52の移動に対して連動可能となるように、ロウアーアーム52に連結されている。
連動溝740は、下方連結部770の径小部771を挿入するための溝である取付溝741と、この取付溝741から一端部721側に延び、この一端部721の出入方向に延びる平面とほぼ平行に形成されている溝である平行溝742と、この平行溝742から一端部721側にて屈曲して延び、一端部721の平面に対してほぼ直交方向に形成されている溝である直交溝743とを有している。下方連結部770の径小部771は、連動溝740の取付溝741と、平行溝742と、直交溝743とに沿って移動する。
<上歯清掃部810および下歯清掃部820の構成>
上歯清掃部810は、上歯61を清掃するための先端811と、上方当接部710の一端部711に取り付けるための取付端812とを有している。本実施の形態では、上歯清掃部810はブラシ構造によって形成され、上歯清掃部810の先端811は上方を向き、下方に向いて出入方向に対し平行に延びている歯を有する歯型が形成される上歯61の歯を清掃する。清掃に際し、ブラシ構造である上歯清掃部810の先端811が上歯61との接触によって撓み、上歯61に付着した紙粉を取り除く。
上歯清掃部810は、用紙束が搬送される前であって、アッパーアーム51とロウアーアーム52とが開いている状態では上歯61よりも出入方向の上流側に位置している。そして、アッパーアーム51とロウアーアーム52とが綴じ動作を行なう途中で上歯61と接触する。その後、上方当接部710と下方当接部720によって用紙束を押さえる際には、上歯61よりも出入方向の下流側に位置している。
下歯清掃部820は、下歯62を清掃するための先端821と、下方当接部720の一端部721に取り付けるための取付端822とを有している。本実施の形態では、下歯清掃部820はブラシ構造によって形成され、下歯清掃部820の先端821は下方を向き、上方に向いて出入方向に対し平行に延びている歯を有する歯型が形成される下歯62の歯を清掃する。清掃に際し、ブラシ構造である下歯清掃部820の先端821が下歯62との接触によって撓み、下歯62に付着した紙粉を取り除く。
下歯清掃部820は、用紙束が搬送される前であって、アッパーアーム51とロウアーアーム52とが開いている状態では下歯62よりも出入方向の上流側に位置している。そして、アッパーアーム51とロウアーアーム52とが綴じ動作を行なう途中で下歯62と接触する。その後、上方当接部710と下方当接部720によって用紙束を押さえる際には、下歯62よりも出入方向の下流側に位置している。
なお、本実施の形態では、上歯清掃部810および下歯清掃部820は、ブラシ構造によって形成したが、ブラシ構造に変えて、例えば、歯型に合わせて曲げが形成された板金構造によって形成することもできる。この板金構造によれば、清掃に際し、上歯清掃部810の先端811が上歯61の歯の形状に合わせて上歯61に食い込むことによって、上歯清掃部810が上歯61に付着した紙粉を取り除き、また、下歯清掃部820の先端821が下歯62の歯の形状に合わせて下歯62に食い込むことによって、下歯清掃部820が下歯62に付着した紙粉を取り除く。
<綴じユニット500の動作>
続いて、本実施の形態が適用される綴じユニット500の動作について説明する。
綴じユニット500の動作は、用紙処理制御部23の制御のもと、モータ83の駆動をギア類84を介して受けたカム54の動きによってなされる。本実施の形態では、カム54による単一カムの回転によって、綴じユニット500の動き、すなわち、綴じ部50および綴じ補助部700の動きが可能となっている。
具体的には、カム54の回転によって、カム54はシャフトアーム53および押し出しリンク60と接触する。この過程において、カム54がまずシャフトアーム53と接触し、シャフトアーム53が、カム54の形状の変化に従ってアームガイド953(図8参照)の出入方向の下流側から上流側に向けて移動する。この移動によってアッパーアーム51およびロウアーアーム52は退避位置から突出位置(綴じ位置)に移動し、すなわち出入方向の下流側から上流側に向けての移動を行う。その後、カム54はシャフトアーム53との接触を解消し、押し出しリンク60と接触し始める。この押し出しリンク60との接触によって、押し出しリンク60は圧縮された状態から伸び上がり、ロウアーアーム52に取り付けられている下歯62がアッパーアーム51に取り付けられている上歯61に向けて押し出される。一方、上歯61が取り付けられているアッパーアーム51の一端部511は、アッパーアーム51の他端部512がシャフトレバーロウアー64の動きによって下方に移動することで、ロウアーアーム52に向けて押し出される。このようにして、アッパーアーム51およびロウアーアーム52は上下方向の移動を行う。
<綴じ補助部700の動作>
続いて、綴じ補助部700の動作を図11-1~11-4を用いて詳細に説明する。図11-1は、綴じ補助部700が用紙束と接触する前の初期状態を説明するための図であり、図11-2は、綴じ補助部700の上歯清掃部810及び下歯清掃部820が上歯61および下歯62を清掃する状態を説明するための図である。また、図11-3は、綴じ補助部700の上方当接部710および下方当接部720が用紙束と接触する直前の綴じ補助部700の各構成部品の状態を説明するための図であり、図11-4は、綴じ補助部700の上方当接部710および下方当接部720が用紙束と接触するときの綴じ補助部700の各構成部品を説明するための図である。
綴じ補助部700は、上述したアッパーアーム51およびロウアーアーム52の移動に連動する。カム54の回転が開始する前の、綴じ補助部700の初期状態では、図11-1に示すように、カム54の山部(長径部)は、シャフトアーム53とは接触しているが、押し出しリンク60とは接触していない状態にある。この初期状態において、シャフトアーム53がカム54に押し付けられ、シャフトアーム53はアームガイド953の出入方向の最も下流側に位置する。よって、シャフトアーム53に支持されているアッパーアーム51およびロウアーアーム52も、出入方向の最も下流側の退避位置にある。
また、カム54の山部(長径部)と押し出しリンク60とが接触していないことによって、押し出しリンク60が最も圧縮された状態にある。このとき、ロウアーアーム52は押し出しリンク60と接触していない状態にあるため、ロウアーアーム52は自らの可動範囲の最も下方に位置する。一方で、このとき、シャフトレバーロウアー64(アッパーアーム51の他端部512)がロウアーガイド964の上下方向の最も上方側に位置しており、アッパーアーム51の一端部511も自らの可動範囲の最も上方側に位置している。このようにして、アッパーアーム51とロウアーアーム52との開口が最大となっている。
更に、このとき、アッパーアーム51と連結している上方当接部710は、アッパーアーム51とともに、自らの可動範囲の最も上方側に位置する。また、上方当接部710の回転中心軸717は出入方向および上下方向にて移動しないため、シャフトアーム53がアームガイド953の出入方向の最も下流側の端に位置した状態にて、上方連結部750の径小部751も上方当接部710の平行溝732の最も下流側に位置する。そして、上方当接部710の一端部711は、上歯61(一端部511)に対して出入方向の最も上流側に位置する。この場合において、一端部711に取り付けられている上歯清掃部810は、アッパーアーム51の一端部511に取り付けられている上歯61によりも出入方向の上流側に位置している。なお、このときは清掃を開始する前であり、上歯清掃部810は、上歯61と接触しない。
同様に、このとき、ロウアーアーム52と連結している下方当接部720は、ロウアーアーム52とともに、自らの可動範囲の最も下方側に位置する。また、下方当接部720の回転中心軸727は出入方向および上下方向にて移動しないため、シャフトアーム53がアームガイド953の出入方向の最も下流側の端に位置した状態にて、下方連結部770の径小部771も下方当接部720の平行溝742の最も下流側に位置する。そして、下方当接部720の一端部721は、下歯61(一端部521)に対して出入方向の最も上流側に位置する。この場合において、一端部721に取り付けられている下歯清掃部820は、ロウアーアーム52の一端部521に取り付けられている下歯62によりも出入方向の上流側に位置している。なお、このときは清掃を開始する前であり、下歯清掃部820は、下歯62と接触しない。
その後、カム54の回転によって、図11-2に示すように、カム54とシャフトアーム53との接触位置が変わり、シャフトアーム53はアームガイド953に沿ってアームガイド953の出入方向の上流側に向けて移動する。そして、アッパーアーム51およびロウアーアーム52は、綴じ径路に沿って移動する。具体的には、アッパーアーム51およびロウアーアーム52は、出入方向の最も下流側の退避状態から上流側に向けて移動するとともに、向かい合う両者の距離が次第に短くなる。そのとき、カム54は押し出しリンク60と接触せず、ロウアーアーム52は押し出しリンク60とも接触していない。
また、このとき、上方当接部710の回転中心軸717は出入方向および上下方向にて移動しないため、アッパーアーム51が出入方向の上流側に向け移動すると、上方連結部750の径小部751は、上方当接部710の平行溝732に沿って平行溝732の上流側に向けて移動し、上方当接部710の一端部711は、アッパーアーム51の一端部511と相対的にスライド移動する。このとき、上歯清掃部810は、上方当接部710の一端部711に取り付けられていることから、アッパーアーム51の一端部511に取り付けられている上歯61に対して出入方向の入る方向の上流側から下流側に相対的にスライド移動し、上歯61と接触して、更にスライド移動する。この上歯清掃部810と上歯61とが接触して更にスライド移動する過程において、上歯清掃部810の先端811が上歯61に当接し、この先端811が撓んで上歯61を清掃する。
同様に、下方当接部720の回転中心軸727は出入方向および上下方向にて移動しないため、ロウアーアーム52が出入方向の上流側に向け移動すると、下方連結部770の径小部771は、下方当接部720の平行溝742に沿って平行溝742の上流側に向けて移動し、下方当接部720の一端部721は、ロウアーアーム52の一端部521と相対的にスライド移動する。このとき、下歯清掃部820は、下方当接部720の一端部721に取り付けられていることから、ロウアーアーム52の一端部521に取り付けられている下歯62に対して相対的にスライド移動し、下歯62と接触して、更にスライド移動する。この下歯清掃部820と下歯62と接触して更にスライド移動する過程において、下歯清掃部820の先端821が下歯62に当接し、先端821が撓んで下歯62を清掃する。
その後、カム54の回転によって、図11-3に示すように、カム54とシャフトアーム53との接触位置が更に変わり、シャフトアーム53はアームガイド953に沿ってアームガイド953の出入方向の更に上流側に移動する。アッパーアーム51およびロウアーアーム52も、図11-2に示す位置から更に上流側に向けて移動し、向かい合う両者の距離が更に短くなる。
また、アッパーアーム51が出入方向の上流側に向けて移動すると、アッパーアーム51と一体である上方連結部750の径小部751は、上方当接部710の平行溝732に沿って平行溝732の更に出入方向の上流側に向けて移動する。このため、上方当接部710の一端部711は、アッパーアーム51の一端部511と相対的にスライド移動し続ける。よって、この一端部711に取り付けられている上歯清掃部810は、アッパーアーム51の一端部511に取り付けられている上歯61に対して相対的にスライド移動し続け、上歯61に対して接触状態から離間状態に移行し、上歯61と下歯62との綴じ処理前における上歯61の清掃が終了する。
同様に、ロウアーアーム52が出入方向の上流側に向けて移動すると、ロウアーアーム52と一体である下方連結部770の径小部771は、下方当接部720の平行溝742に沿って平行溝742の更に出入方向の上流側に向けて移動する。このため、下方当接部720の一端部721は、ロウアーアーム52の一端部521と相対的にスライド移動し続ける。よって、この一端部721に取り付けられている下歯清掃部820は、ロウアーアーム52の一端部521に取り付けられている下歯62に対して相対的にスライド移動し続け、下歯62に対して接触状態から離間状態に移行し、上歯61と下歯62との綴じ処理前における下歯62の清掃が終了する。
その後、カム54の更なる回転によって、図11-4に示すように、カム54の山部(長径部)は、シャフトアーム53と接触しない状態となり、シャフトアーム53は、アームガイド953の出入方向の最も上流側に位置し、アッパーアーム51およびロウアーアーム52は出入方向の上流側に最も突出する状態となる。一方で、カム54の山部(長径部)は、押し出しリンク60と接触する状態となり、カム54と押し出しリンク60との接触によって、押し出しリンク60は圧縮状態から伸張状態に移行し、伸張の途中にてロウアーアーム52と連結(接触)し、その後、伸張動作を続けることで、このロウアーアーム52を上方に向けて押し出す。押し出しリンク60がロウアーアーム52と連結(接触)した後の伸張の途中にて、下方当接部720は、ロウアーアーム52と連動して上方向(用紙束の下方の面)に向けて移動する。
この押し出しリンク60が伸張することで、このタイミングにて、シャフトレバーロウアー64(アッパーアーム51の他端部512)がロウアーガイド964の上下方向の下方に向けて移動し、アッパーアーム51の一端部511も下方に向けて移動する。このアッパーアーム51の一端部511の下方向の移動過程にて、上方当接部710は、アッパーアーム51と連動して下方向(用紙束の上方の面)に向けて移動する。
そして、カム54の更なる回転によって、上方当接部710の一端部711および下方当接部720の一端部721は、アッパーアーム51の一端部511に取り付けられている上歯61およびロウアーアーム52の一端部521に取り付けられている下歯62よりも先に、用紙束に接触して、用紙束を押える状態になっている。
その後、カム54の回転が続くと、押し出しリンク60の伸張の途中状態から最も伸張した状態まで、上歯61および下歯62(アッパーアーム51およびロウアーアーム52)が、更に開口を閉じる方向に、すなわち、上歯61が下方へ、下歯62が上方へ、移動する。
この上歯61(アッパーアーム51)の下方への移動に際し、上方連結部750の径小部751は、上方当接部710の直交溝733に沿って移動する。これによって、上方当接部710が用紙束に当接した状態で、上歯61が、更に用紙束に向かって移動することとなる。そして、上歯61が更に下方に向けて移動し、上方当接部710の一端部711に形成されている切り欠き715(図6参照)を通過して、用紙束の綴じ動作を開始する。
同様に、下歯62(ロウアーアーム52)の上方への移動に際し、下方連結部770の径小部771は、下方当接部720の直交溝743に沿って移動する。これによって、下方当接部720が用紙束に当接した状態で、下歯62が、更に用紙束に向かって移動することとなる。そして、下歯62が更に上方に向けて移動し、下方当接部720の一端部721に形成されている切り欠き725(図6参照)を通過して、用紙束の綴じ動作を開始する。
その後、カム54の更なる回転によって、上歯61と下歯62が噛み合い、用紙束を押圧して綴じる。
このようにして用紙束に対する綴じ動作を終えた後、カム54が更に回転すると、カム54と押し出しリンク60との接触位置が変わり、押し出しリンク60が伸張状態から圧縮状態へと移行し始める。そして、上歯61と下歯62との押圧が解除されて、図11-3の状態に戻る。その後、カム54が回転を続けると、アッパーアーム51とロウアーアーム52とが出入方向の下流側へ移動し、図11-2に示す状態となって、アッパーアーム51とロウアーアーム52との開口が広がる。このとき、上歯61と下歯62とが出入方向の下流側へ退避する動作を行なう際に、上歯61と上歯清掃部810とが接触し、上歯清掃部810が上歯61に対して更に出入方向の下流側から上流側にスライド移動する過程において、上歯清掃部810の先端811が上歯61に当接し、撓んで上歯61を清掃する。同様に、下歯62と下歯清掃部820とが接触し、下歯清掃部820が下歯62に対して更に出入方向の下流側から上流側にスライド移動する過程において、下歯清掃部820の先端821が下歯62に接触し、撓んで下歯62を清掃する。その後、アッパーアーム51とロウアーアーム52が出入方向の下流側へ移動し、図11-1に示す初期状態に戻って、次の綴じ動作の開始まで待機する。
このように、本実施の形態では、アッパーアーム51に対してスライド可能に連結されている上方当接部710に上歯清掃部810を設け、また、ロウアーアーム52に対してスライド可能に連結されている下方当接部720に下歯清掃部820を設けた。アッパーアーム51およびロウアーアーム52に設けられている上歯61および下歯62が予め定められた綴じ径路に沿って移動する際(アッパーアーム51とロウアーアーム52との開口が閉じる際およびこの開口が広がる際)に、上方当接部710に取り付けられている上歯清掃部810はアッパーアーム51に設けられている上歯61と接触して相対的にスライド移動し、および下方当接部720に取り付けられている下歯清掃部820はロウアーアーム52に設けられている下歯62と接触して相対的にスライド移動する。この上歯清掃部810と上歯61とが相対的にスライド移動し、および下歯清掃部820と下歯62とが相対的にスライド移動することによって、上歯清掃部810および下歯清掃部820は綴じ動作を行う前および綴じ動作を行った後に、上歯61および下歯62を掃除する。これによって、上歯61および下歯62に付着した紙粉を効果的に取り除くことができる。
1…画像形成装置、2…後処理装置、21…トランスポートユニット、22…フィニッシャユニット、50…綴じ部、51…アッパーアーム、53…シャフトアーム、54…カム、56…レバー、57…リンク、70…用紙集積部、80…スタッカー部、90…筐体、100…画像形成ユニット、500…綴じユニット、511…一端部、512…他端部、513…支持部、515…リンク連結穴、516…回転中心穴、52…ロウアーアーム、521…一端部、522…他端部、300…綴じ処理装置、700…綴じ補助部、710…上方当接部、717…回転中心軸、720…下方当接部、727…回転中心軸、800…駆動部、810…上歯清掃部、811…先端、820…下歯清掃部、821…先端、953…アームガイド

Claims (23)

  1. 厚み方向の一方および他方から記録材束を押圧して綴じる一組の押圧部と、
    前記一組の押圧部のうち少なくとも一つの押圧部が予め定められた綴じ径路に沿って移動する際に、当該押圧部と相対的にスライド移動して当該押圧部を清掃する清掃部と
    を有する綴じ装置。
  2. 前記押圧部の前記綴じ径路に沿う移動は、記録材束を押圧する方向の押圧方向移動および記録材束を押圧する押圧領域に対して記録材または記録材束が出入する方向の出入方向移動の成分を有し、
    前記スライド移動では、前記押圧部の前記出入方向移動の成分の方が前記押圧方向移動の成分より多いことを特徴とする請求項1記載の綴じ装置。
  3. 前記清掃部は、前記押圧部に対して清掃を開始する前には当該押圧部と接触せず、当該押圧部との間の相対的なスライド移動によって接触することを特徴とする請求項2記載の綴じ装置。
  4. 前記清掃部は、前記押圧部が記録材束に対して押圧を行なう前には、当該押圧部に対して前記出入方向の入る方向の上流側から下流側に相対的にスライド移動し、
    前記押圧部が記録材束に対して押圧を行なった後には、当該押圧部に対して前記下流側から前記上流側に相対的にスライド移動することを特徴とする請求項3記載の綴じ装置。
  5. 前記清掃部を取り付ける取付部材を更に備え、
    前記取付部材は、前記押圧部の移動に連動して移動するとともに、前記清掃部を当該押圧部との間で相対的にスライド移動させる
    ことを特徴とする請求項1記載の綴じ装置。
  6. 前記取付部材は、前記押圧部と異なる支点に配置され、当該取付部材と当該押圧部の移動軌跡が異なることを特徴とする請求項5記載の綴じ装置。
  7. 前記取付部材の取付部材支点と前記押圧部の記録材束を押圧する際の押圧作用点との距離は一定であり、
    前記押圧部の押圧部支点と前記押圧作用点との距離は、当該押圧部の前記綴じ径路に沿う移動に伴って変化する
    ことを特徴とする請求項6記載の綴じ装置。
  8. 前記取付部材は、前記取付部材支点を回転中心として回転することを特徴とする請求項7記載の綴じ装置。
  9. 前記押圧部支点は、記録材または記録材束が出入する方向である出入方向に移動成分を有して移動し、
    前記取付部材支点は、前記押圧部支点が当該押圧部支点の支点移動範囲における前記出入方向の最も下流側に位置する際に当該押圧部支点よりも当該出入方向の上流側に位置する
    ことを特徴とする請求項8記載の綴じ装置。
  10. 前記押圧部の前記綴じ径路に沿って移動する移動距離は、前記押圧部支点の前記支点移動範囲における移動距離よりも長いことを特徴とする請求項9記載の綴じ装置。
  11. 前記取付部材は、前記押圧部による記録材束の押圧の前に記録材束を押さえる用紙押さえ部材であることを特徴とする請求項6記載の綴じ装置。
  12. 前記押圧部は、記録材束を綴じるための歯型を有することを特徴とする請求項1記載の綴じ装置。
  13. 前記押圧部の前記歯型は、記録材または記録材束が出入する方向である出入方向に対し平行に延びている歯を有することを特徴とする請求項12記載の綴じ装置。
  14. 前記清掃部は、前記歯型の前記歯の形状に合わせて、当該歯型に食い込むように形成されていることを特徴とする請求項13記載の綴じ装置。
  15. 前記清掃部は、板金であることを特徴とする請求項14記載の綴じ装置。
  16. 前記清掃部は、前記歯型に接触する際に、先端を撓ませて清掃することを特徴とする請求項14記載の綴じ装置。
  17. 前記清掃部は、ブラシであることを特徴とする請求項16記載の綴じ装置。
  18. 移動機構によって記録材束の押圧領域に移動させ、厚み方向の一方および他方から記録材束を押圧して綴じる一組の押圧部と、
    前記一組の押圧部のうち少なくとも一つの押圧部に連結機構によって連動可能に連結され、当該押圧部とは異なる移動によって当該押圧部を清掃する清掃部と、
    を有する綴じ装置。
  19. 前記一組の押圧部を支持する筐体を有し、
    前記移動機構は移動取付部によって前記筐体に可動に取り付けられ、前記連結機構は当該移動取付部と位置が異なる連結取付部によって当該筐体に可動に取り付けられていることを特徴とする請求項18記載の綴じ装置。
  20. 退避位置から綴じ位置まで移動可能に構成され、当該綴じ位置にて記録材束を押圧して綴じる一組の押圧部と、
    前記一組の押圧部のうち少なくとも一つの押圧部を清掃するために設けられ、当該押圧部が綴じ位置方向に移動することに伴い、当該押圧部とともに当該綴じ位置方向に移動し、当該押圧部が退避位置方向に移動することに伴い、当該押圧部とともに当該退避位置方向に移動する清掃部と
    を有する綴じ装置。
  21. 前記清掃部は、取付機構によって前記押圧部に移動可能に取り付けられ、当該押圧部の移動に伴い、当該押圧部とともに移動することを特徴とする請求項20記載の綴じ装置。
  22. 前記清掃部は、前記取付機構によって当該清掃部が取り付けられた前記押圧部の移動に連動されてスライド移動することで当該押圧部を清掃することを特徴とする請求項21記載の綴じ装置。
  23. 画像が形成された記録材を搬送する搬送部と、当該搬送部により搬送された記録材を束とした記録材束を収容する収容部と、当該収容部に収容された記録材束を綴じる綴じ装置とを備え、当該綴じ装置が、請求項1乃至22の何れかに記載の綴じ装置により構成された画像処理装置。
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