本発明は、細胞、組織及び/または対象におけるLDHAの発現及び/またはレベルを低減及び/または阻害する方法及び薬剤に関する。LDHA阻害が少なくともある特定の個体において有害になり得る筋肉及び/または他の組織(複数可)に送達しにくい方法で送達することが可能な送達様式及び/またはLDHA阻害剤を同定し、本明細書に記載する。本発明のある特定の薬剤は、ある特定の実施形態では、治療目的のためにLDHA転写産物の発現をノックダウンする。本明細書で、LDHAは、慢性腎疾患、ピルビン酸デヒドロゲナーゼ複合体欠損を治療するための、またはPH1及び/または任意の他の乳酸デヒドロゲナーゼ関連疾患もしくは障害、例えば、PH2、PH3、及び特発性過シュウ酸尿症、並びに腫瘍学を治療するための治療標的として同定される。ある特定の実施形態では、本発明は、乳酸デヒドロゲナーゼ遺伝子のレベル及び/または発現をインビボまたはインビトロで低減させることが可能な、核酸、例えば、二本鎖NA(「dsNA」)を含有する組成物、及びそれらの調製方法を提供する。いくつかの実施形態では、そのようなdsNA分子は、おおよそ25以上の長さのヌクレオチドの二本鎖領域二本鎖を有する、任意に、Dicer基質dsNAのガイド鎖またはパッセンジャー鎖のいずれかに伸長一本鎖5’オーバーハング領域を有するDicer酵素の基質である。ある特定の実施形態では、本発明のdsNAは、ヌクレオチドリンカーにより結合される二本鎖の第1の鎖及び第2の鎖を有することができ、任意に、そのようなリンカーは、テトラループを含む。関連する実施形態では、dsRNAの鎖の1つは、標的乳酸デヒドロゲナーゼ転写産物の破壊及び/または翻訳阻害を指示可能な19~35の範囲の長さのヌクレオチドを有するヌクレオチド配列の領域を含有する。任意に、本発明のdsNAは、例えば、2’-O-メチル修飾及び/またはGalNAc部分で修飾される。
定義
他に定義しない限り、本明細書で使用するところの全ての技術的かつ科学的用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解される意味を持つ。以下の参照は、本発明で使用される多くの用語の一般的な定義を当業者に提供する。Singleton et al.,Dictionary of Microbiology and Molecular Biology(2nd ed.1994);The Cambridge Dictionary of Science and Technology(Walker ed.,1988);The Glossay of Genetics,5th Ed.,R.Rieger et al.(eds.),Springer Verlag(1991);及びHale&Maham,The Harper Collins Dictionary of Biology(1991)。本明細書で使用するように、以下の用語は、他に特定しない限り、以下のそれらに帰する意味を持つ。
本発明は、乳酸デヒドロゲナーゼ発現を調節(例えば、阻害)可能な1つ以上のDsiRNA分子を特徴とする。本発明のDsiRNAは任意に、乳酸デヒドロゲナーゼ誤調節に関連した疾患もしくは障害(例えば、シュウ酸塩蓄積、PH1、慢性腎疾患、ピルビン酸デヒドロゲナーゼ複合体欠損など)の維持または発展に関連した他の遺伝子及び/または遺伝子産物のモジュレータと組み合わせて使用可能である。本発明のDsiRNA剤は、GenBank受託番号第NM_005566.3号(ヒト乳酸デヒドロゲナーゼA)及び第NM_001136069.2号(マウス乳酸デヒドロゲナーゼA)によって表されるcDNA配列に対応するもののような乳酸デヒドロゲナーゼRNAを調節し、それらは本明細書で一般的に「乳酸デヒドロゲナーゼ」と呼ばれる。
本発明の種々の態様及び実施形態の以下の記述が、本明細書中で一般的に乳酸デヒドロゲナーゼ、LDHまたはLDHA(「A」については、最も顕著に標的化されるアイソフォーム)と呼ばれる例示的な乳酸デヒドロゲナーゼRNAに関して提供される。しかしながら、このような記載は単なる例示を意味するのみであり、本発明の種々の態様及び実施形態はまた、変異体乳酸デヒドロゲナーゼRNAまたはさらなる乳酸デヒドロゲナーゼスプライスバリアントのような、代替的な乳酸デヒドロゲナーゼRNAも対象とする。また、ある特定の態様及び実施形態は乳酸デヒドロゲナーゼ経路に関与する他の遺伝子をも対象とし、その誤調節が乳酸デヒドロゲナーゼの誤調節に関連して作用する(または、乳酸デヒドロゲナーゼの調節に影響されるかまたは影響を与える)ことにより、治療のために標的化され得る表現型効果(例えば、PH1、慢性腎疾患、ピルビン酸デヒドロゲナーゼ複合体欠損など)を産出する遺伝子を含む。例えば、図2の酵素を参照されたい。乳酸デヒドロゲナーゼと共に作用する経路のものを含む、このような追加の遺伝子は、dsRNA及び乳酸デヒドロゲナーゼ標的化dsRNAの使用に関して本明細書で記述された方法を用いて標的とされ得る。したがって、他の遺伝子の阻害及びこのような阻害の効果を、本明細書で記述したように実施できる。
用語「乳酸デヒドロゲナーゼ」は、乳酸デヒドロゲナーゼタンパク質、ペプチド、またはポリペプチドをコードする核酸配列を指す(例えば、乳酸デヒドロゲナーゼGenbank受託番号第NM_005566.3及び第NM_001136069.2号の配列のような、乳酸デヒドロゲナーゼ転写産物)。ある特定の実施形態では、用語「乳酸デヒドロゲナーゼ」はまた、他の乳酸デヒドロゲナーゼアイソフォーム、変異体乳酸デヒドロゲナーゼ遺伝子、乳酸デヒドロゲナーゼ遺伝子のスプライスバリアント、及び乳酸デヒドロゲナーゼ遺伝子多型などの、他の乳酸デヒドロゲナーゼコード配列を含むことも意味する。用語「乳酸デヒドロゲナーゼ」は、乳酸デヒドロゲナーゼ遺伝子/転写産物のポリペプチド遺伝子産物、例えば、乳酸デヒドロゲナーゼGenbank受託番号第NP_005557.1及び第NP_001129541.2号によってコードされたものなどの、乳酸デヒドロゲナーゼタンパク質、ペプチド、またはポリペプチドを指すためにも使用される。
本明細書で使用するように、「乳酸デヒドロゲナーゼノックダウン治療可能な疾患もしくは障害」は、乳酸デヒドロゲナーゼ発現、レベル及び/または活性の変化と関連するものであると当該技術分野で公知の疾患もしくは障害、または、乳酸デヒドロゲナーゼノックダウンが治療的またはあるいは有利であると知られているかまたは予測される、PH1などの疾患もしくは障害、またはPH2、PH3、または特発性過シュウ酸尿症、慢性腎疾患、ピルビン酸デヒドロゲナーゼ複合体欠損、または癌を指す。「乳酸デヒドロゲナーゼノックダウン治療可能な疾患もしくは障害」は、PH1、PH2、PH3、特発性過シュウ酸尿症、慢性腎疾患、ピルビン酸デヒドロゲナーゼ複合体欠損、癌、及びシュウ酸塩蓄積に関する他の技術分野で認識された疾患もしくは障害を含むことに留意されたい。
選択された対照と比較して、本発明の抗乳酸デヒドロゲナーゼdsRNAがある系(例えば、無細胞のインビトロ系)、細胞、組織または生命体に投与された時に乳酸デヒドロゲナーゼRNA(または乳酸デヒドロゲナーゼタンパク質が評価される場合、乳酸デヒドロゲナーゼタンパク質レベル)における統計学的に有意な減少が見られた場合に、本発明の抗乳酸デヒドロゲナーゼdsRNAが「乳酸デヒドロゲナーゼ阻害活性」を有すると見なされる。実験値の分布と実施された再現アッセイ数が、どのレベルの乳酸デヒドロゲナーゼRNAの減少(%または絶対値のいずれかとして)が(当該技術分野で公知の統計学的有意差を決定する標準の方法によって評価されるように)統計学的に有意と判断されるかのパラメータを決定づける傾向にある。しかしながら、ある特定の実施形態では、「乳酸デヒドロゲナーゼ阻害活性」は、系、細胞、組織もしくは生命体における乳酸デヒドロゲナーゼのレベルの減少の%または絶対レベルに基づいて定義される。例えば、ある特定の実施形態では、本発明のdsRNAの存在下で、好適な対照に対して見られる乳酸デヒドロゲナーゼレベルと比較して、乳酸デヒドロゲナーゼRNAの少なくとも5%の減少または少なくとも10%の減少が観察される場合に、本発明のdsRNAは、乳酸デヒドロゲナーゼ阻害活性を有すると見なされる。(例えば、ある特定の実施形態では、対照と比較して、乳酸デヒドロゲナーゼレベルの5%または10%の減少が観察される場合に、組織及び/または対象のインビボでの乳酸デヒドロゲナーゼレベルが、本発明のdsRNA剤によって阻害されると見なすことができる。)ある特定の他の実施形態では、本発明のdsRNAは、乳酸デヒドロゲナーゼRNAレベルが、選択された対照と比較して少なくとも15%、選択された対照と比較して少なくとも20%、選択された対照と比較して少なくとも25%、選択された対照と比較して少なくとも30%、選択された対照と比較して少なくとも35%、選択された対照と比較して少なくとも40%、選択された対照と比較して少なくとも45%、選択された対照と比較して少なくとも50%、選択された対照と比較して少なくとも55%、選択された対照と比較して少なくとも60%、選択された対照と比較して少なくとも65%、選択された対照と比較して少なくとも70%、選択された対照と比較して少なくとも75%、選択された対照と比較して少なくとも80%、選択された対照と比較して少なくとも85%、選択された対照と比較して少なくとも90%、選択された対照と比較して少なくとも95%、選択された対照と比較して少なくとも96%、選択された対照と比較して少なくとも97%、選択された対照と比較して少なくとも98%、または選択された対照と比較して少なくとも99%減少することが観察される場合に、乳酸デヒドロゲナーゼ阻害活性を有すると見なされる。いくつかの実施形態では、乳酸デヒドロゲナーゼの完全阻害が、dsRNAが乳酸デヒドロゲナーゼ阻害活性を有すると見なされるために必要とされる。ある特定のモデル(例えば細胞培養液)において、dsRNAは、好適な対照と比較して乳酸デヒドロゲナーゼレベルの少なくとも50%減少が観察される場合に、乳酸デヒドロゲナーゼ阻害活性を有すると見なされる。ある特定の他の実施形態では、dsRNAは、好適な対照と比較して乳酸デヒドロゲナーゼレベルの少なくとも80%減少が観察される場合に、乳酸デヒドロゲナーゼ阻害活性を有すると見なされる。
特定の例として、以下の実施例2において、一連のDsiRNA標的化乳酸デヒドロゲナーゼをインビトロにてヒトHeLaまたはマウスB16-F10細胞中の乳酸デヒドロゲナーゼmRNAレベルを減少させる能力に関して、このような細胞の環境下及びトランスフェクション試薬(Lipofectamine(商標)RNAiMAX、Invitrogen)の存在下で1nM濃度にて、試験した。以下の実施例2では、アッセイした条件下で乳酸デヒドロゲナーゼmRNAレベルの少なくとも70%の減少に効果があると観察されたDsiRNAに対して乳酸デヒドロゲナーゼ阻害活性があると見なした。また乳酸デヒドロゲナーゼ阻害活性は、以下の実施例2に対して使用したものと比較して、よりストリンジェントであるか、よりストリンジェントではないいずれかの条件下のdsRNAにも起因し得ることが企図され、これは、同一または同様のアッセイ及び条件が使用された場合においてでもである。例えば、ある特定の実施形態では、試験した本発明のdsRNAは、好適な対照と比較した乳酸デヒドロゲナーゼmRNAレベルの、少なくとも10%の減少、少なくとも20%の減少、少なくとも30%の減少、少なくとも40%の減少、少なくとも50%の減少、少なくとも60%の減少、少なくとも75%の減少、少なくとも80%の減少、少なくとも85%の減少、少なくとも90%の減少、または少なくとも95%の減少がインビトロにて哺乳類細胞株で、細胞の環境下で1nM以下のdsRNA濃度で観察された場合に、乳酸デヒドロゲナーゼ阻害活性を有すると見なされる。
本発明の二本鎖RNAが乳酸デヒドロゲナーゼ阻害活性を有するかどうかを決定するための他の評価項目の利用も企図される。特に、1つの実施形態では、乳酸デヒドロゲナーゼmRNAレベルを評価することに加えて、またはこの評価に代えて、試験したdsRNAの乳酸デヒドロゲナーゼタンパク質レベルを減少させる能力を(例えば、インビトロまたはインビボにて、哺乳類細胞を接触させてから48時間後に)評価し、好適な対照と比較して、乳酸デヒドロゲナーゼタンパク質レベルの少なくとも10%の減少、少なくとも20%の減少、少なくとも30%の減少、少なくとも40%の減少、少なくとも50%の減少、少なくとも60%の減少、少なくとも70%の減少、少なくとも75%の減少、少なくとも80%の減少、少なくとも85%の減少、少なくとも90%の減少、または少なくとも95%の減少がインビトロまたはインビボにて、アッセイした二本鎖RNAに接触させた哺乳類細胞内で観察される場合に、試験したdsRNAが乳酸デヒドロゲナーゼ阻害活性を有すると見なされる。さらに企図される評価項目には、例えば、乳酸デヒドロゲナーゼレベルの減少に関する表現型の評価-例えば、シュウ酸塩蓄積及び/またはPH1表現型及び/またはPH1関連表現型(例えば、シュウ酸塩蓄積に関する腎疾患もしくは障害)、またはシュウ酸塩蓄積に関する、他の臓器、例えば、筋肉の疾患もしくは障害の減少が含まれる。
また、投与される濃度及び投与後の持続時間にしたがって調整した乳酸デヒドロゲナーゼ阻害活性を有するdsRNAを構成するものの評価により、乳酸デヒドロゲナーゼ阻害活性を時間(持続時間)及び、濃度範囲(効力)に関して評価することもできる。したがって、ある特定の実施形態では、乳酸デヒドロゲナーゼ活性の少なくとも50%の減少が、dsRNAの細胞または生命体への投与後2時間、5時間、10時間、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日以上の持続期間で観察/持続される場合に、本発明のdsRNAが乳酸デヒドロゲナーゼ阻害活性を有すると見なされる。さらなる実施形態では、乳酸デヒドロゲナーゼ阻害活性(例えば、ある特定の実施形態では、少なくとも50%の乳酸デヒドロゲナーゼ阻害)が、1nM以下、500pM以下、200pM以下、100pM以下、50pM以下、20pM以下、10pM以下、5pM以下、2pM以下、またさらには1pM以下の濃度にて細胞の環境中で、例えば、本明細書で記述したような乳酸デヒドロゲナーゼ阻害活性に関するインビトロアッセイ内で観察された場合、本発明のdsRNAが強力な乳酸デヒドロゲナーゼ阻害剤であると見なされる。ある特定の実施形態では、本発明の強力な乳酸デヒドロゲナーゼ阻害dsRNAは、有効な送達ビヒクル(例えば、有効な脂質ナノ粒子製剤)で対象に投与する場合、10mg/kg以下の製剤化濃度で乳酸デヒドロゲナーゼ阻害活性(例えば、ある特定の実施形態では、少なくとも20%の乳酸デヒドロゲナーゼレベルの減少)を有し得るものとして定義される。好ましくは、本発明の強力な乳酸デヒドロゲナーゼ阻害dsRNAは、効果的な伝達ビヒクルで対象に投与された場合、5mg/kg以下の製剤化濃度で乳酸デヒドロゲナーゼ阻害活性(例えば、ある特定の実施形態では、少なくとも50%の乳酸デヒドロゲナーゼレベルの減少)を有し得るものとして定義される。より好ましくは、本発明の強力な乳酸デヒドロゲナーゼ阻害dsRNAは、効果的な伝達ビヒクルで対象に投与された場合、5mg/kg以下の製剤化濃度にて乳酸デヒドロゲナーゼ阻害活性(例えば、ある特定の実施形態では、少なくとも50%の乳酸デヒドロゲナーゼレベルの減少)を有し得るものとして定義される。任意に、本発明の強力な乳酸デヒドロゲナーゼ阻害dsRNAは、効果的な伝達ビヒクルで対象に投与された場合、2mg/kg以下、またはさらには1mg/kg以下の製剤化濃度にて乳酸デヒドロゲナーゼ阻害活性(例えば、ある特定の実施形態では、少なくとも50%の乳酸デヒドロゲナーゼレベルの減少)を有し得るものとして定義される。本発明の乳酸デヒドロゲナーゼ標的化RNAi剤の例示的な別々の製剤化濃度としては、約5mg/kg、約2mg/kg、約1mg/kg、約500μg/kg、約250μg/kg、約100μg/kg、約50μg/kg、約25μg/kg、約10μg/kg、約5μg/kg、約2.5μg/kg、約1μg/kg、約500ng/kg、約250ng/kg、約100ng/kg、約50ng/kg、約25ng/kg、約10ng/kg、約5ng/kg、約2.5ng/kg、約1ng/kg、及び約500pg/kgが挙げられる。
約:本明細書で使用するところの用語「約」は、記載された値の+/-10%を意味する。「約」の使用は、本明細書に記載される全ての範囲及び値に関連して企図される。
ある特定の実施形態では、語句「から本質的になる」は、本発明の抗乳酸デヒドロゲナーゼdsRNAに関連して使用される。いくつかのこのような実施形態では、「から本質的になる」は、乳酸デヒドロゲナーゼ阻害活性の少なくともある特定のレベル(例えば、少なくとも50%の乳酸デヒドロゲナーゼ阻害活性)を有する本発明のdsRNAを含み、かつ、dsRNAの乳酸デヒドロゲナーゼ阻害活性に有意に影響を与えない1つ以上のさらなる構成要素及び/または修飾をも含む、組成物を指す。例えば、ある特定の実施形態では、本発明のdsRNAの修飾及び/または組成物のdsRNA関連構成要素が、本発明のdsRNA単独と比較して3%超、5%超、10%超、15%超、20%超、25%超、30%超、35%超、40%超、45%超、または50%超(任意に乳酸デヒドロゲナーゼ阻害活性の効力または持続期間を含む)乳酸デヒドロゲナーゼ阻害活性を変えない場合、組成物は、本発明のdsRNA「から本質的になる」。ある特定の実施形態では、乳酸デヒドロゲナーゼ阻害活性のより劇的な減少(例えば、効果、持続期間及び/または効力において80%減少、90%減少など)がさらなる構成要素または修飾の存在下で発生したとしても、まだ乳酸デヒドロゲナーゼ阻害活性がさらなる構成要素及び/または修飾の存在下で有意に上昇しない(例えば、観察される乳酸デヒドロゲナーゼ阻害活性のレベルが、本発明のdsRNAに対して観察されるレベルの10%以内である)場合、組成物は本発明のdsRNAから本質的になると見なされる。
本明細書で使用するところの用語「核酸」は、一本鎖または二本鎖形態のデオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド、または修飾ヌクレオチド、及びそれらのポリマーを指す。本用語は、公知のヌクレオチド類似体または修飾された骨格残基あるいは結合を含む核酸を網羅し、それらは合成の、天然に存在する、及び天然に存在しない核酸であり、参照核酸と同様の結合特性を持ち、かつ参照ヌクレオチドと同様の様式で代謝される。このような類似体の例としては、限定するものではないが、ホスホロチオエート、ホスホルアミデート、メチルホスホネート、キラル-メチルホスホネート、2-O-メチルリボヌクレオチド、ペプチド-核酸(PNA)及びアンロックド核酸(UNAまたはアンロックド核酸塩基類似体;例えば、Jensen et al. Nucleic Acids Symposium Series 52:133-4を参照されたい)、並びにそれらの誘導体が挙げられる。
本明細書で使用するところの「ヌクレオチド」は、当該技術分野で認識されているように天然塩基(標準)、及び当該技術分野でよく知られている修飾塩基を持つヌクレオチドを含んで使用される。このような塩基は一般的に、ヌクレオチド糖部分の1’位に位置している。ヌクレオチドは一般的に、塩基、糖及びリン酸基を含む。ヌクレオチドは非修飾であるか、糖、リン酸及び/または塩基部分にて修飾され得る(またヌクレオチド類似体、修飾ヌクレオチド、非天然ヌクレオチド、非標準ヌクレオチド及びその他としても互換的に指す;例えば、Usman and McSwiggen,supra;Eckstein,et al.,国際特許公開公報第WO92/07065号;Usman et al,国際特許公開公報第WO93/15187号;Uhlman & Peyman,supraを参照されたい、これら全ては参照により本明細書に援用される)。Limbach,et al,Nucleic Acids Res.22:2183,1994によって要約されたような、当該技術分野で公知の修飾核酸塩基の種々の例が存在する。核酸分子内に導入可能な塩基修飾の非限定例のいくつかとしては、ヒポキサンチン、プリン、ピリジン-4-オン、ピリジン-2-オン、フェニル、シュードウラシル、2,4,6-トリメトキシベンゼン、3-メチルウラシル、ジヒドロウリジン、ナフチル、アミノフェニル、5-アルキルシチジン類(例えば、5-メチルシチジン)、5-アルキルウリジン類(例えば、リボチミジン)、5-ハロウリジン(例えば、5-ブロモウリジン)または6-アザピリミジン類または6-アルキルピリミジン類(例えば、6-メチルウリジン)、プロピン、及びその他(Burgin,et al.,Biochemistry 35:14090,1996;Uhlman & Peyman,supra)が挙げられる。本態様において、「修飾塩基」は、1’位でのアデニン、グアニン、シトシン及びウラシルまたはそれらの等価物以外のヌクレオチド塩基を意味する。
本明細書で使用するところの「修飾ヌクレオチド」は、ヌクレオシド、ヌクレオ塩基、ペントース環、またはリン酸基への1つ以上の修飾を持つヌクレオチドを指す。例えば、修飾ヌクレオチドは、アデノシン一リン酸、グアノシン一リン酸、ウリジン一リン酸、及びシチジン一リン酸を含むリボヌクレオチド類並びにデオキシアデノシン一リン酸、デオキシグアノシン一リン酸、デオキシチミジン一リン酸、及びデオキシシチジン一リン酸を含むデオキシリボヌクレオチド類を除外する。修飾には、メチルトランスフェラーゼのようなヌクレオチドを修飾する酵素による修飾に由来する天然に発生するものが含まれる。修飾ヌクレオチドにはまた、合成または天然に発生しないヌクレオチドが含まれる。ヌクレオチドにおける合成のまたは天然に存在しない修飾には、2’修飾、例えば、2’-メトキシエトキシ、2’-フルオロ、2’-アリル、2’-O-[2-(メチルアミノ)-2-オキソエチル]、4’-チオ、4’-CH2-O-2’-架橋、4’-(CH2)2-O-2’-架橋、2’-LNAまたは他の二環もしくは「架橋型」ヌクレオシド類似体、及び2’-O-(N-メチルカルバメート)または塩基類似体を含むものが含まれる。本開示のために記述されたような2’-修飾ヌクレオチドに関しては、「アミノ」によっては2’-NH2または2’-O-NH2が意味され、これらは修飾されてよく、または修飾されなくてよい。このような修飾基は、例えば、Eckstein et al.,米国特許第5,672,695号及びMatulic-Adamic et al.,米国特許第6,248,878号にて記述されている。本発明の「修飾ヌクレオチド」はまた、上述のヌクレオチド類似体を含むことができる。
本開示の核酸分子に関して、修飾は、二本鎖リボ核酸(dsRNA)の1つまたは両方の鎖上のパターンで、これらの薬剤上に存在してもよい。本明細書で使用するところの「交互位置」は、1つおきのヌクレオチドが修飾ヌクレオチドであるか、または定義された長さのdsRNAの鎖にわたる各修飾ヌクレオチド間で非修飾ヌクレオチド(例えば、非修飾リボヌクレオチド)が存在する(例えば5’-MNMNMN-3’、3’-MNMNMN-5’、式中、Mは修飾ヌクレオチドであり、Nは非修飾ヌクレオチドである)パターンを指す。修飾パターンは、例えば、本明細書で記述したような、位置ナンバリングの慣例にしたがって、5’または3’末端のいずれかの第1のヌクレオチド位置から開始する(ある特定の実施形態では、位置1は、本発明のDsiRNA剤の推定されるDicer開裂事象の後の鎖の末端残基に関して指定される;したがって、位置1は毎回本発明の前処理剤の3’末端または5’末端残基を構成するものではない)。交互位置での修飾ヌクレオチドのパターンは、鎖の全長にわたってもよいが、ある特定の実施形態では、それぞれ、少なくとも2、3、4、5、6または7つの修飾ヌクレオチドを含む、少なくとも4、6、8、10、12、14のヌクレオチドが含まれる。本明細書で使用するところの、「位置の交互対」は、2つの連続した修飾ヌクレオチドが、dsRNAの鎖の定義された長さにわたり、2つの連続した非修飾ヌクレオチドによって分離されるパターンを指す(例えば、5’-MMNNMMNNMMNN-3’、3’-MMNNMMNNMMNN-5’、式中、Mは修飾ヌクレオチドであり、Nは非修飾ヌクレオチドである)。修飾パターンは、本明細書で記述したもののような、位置ナンバリングの慣例にしたがって、5’または3’末端いずれかでの、第1のヌクレオチド位置から開始する。交互位置における修飾ヌクレオチドのパターンは、鎖の全長にわたってもよいが、好ましくは、それぞれ、少なくとも4、6、8、10、12または14の修飾ヌクレオチドを含む、少なくとも8、12、16、20、24、28のヌクレオチドが含まれる。上記修飾パターンは例示であり、本発明の範囲における限定は意図されないことが強調される。
本明細書で使用するところの「塩基類似体」は、核酸二本鎖に組み込むことが可能な修飾ヌクレオチド中のヌクレオチド糖部分の1’位(または核酸二本鎖内に組み込むことが可能なヌクレオチド糖部分置換中の等価の位置)に位置するヘテロ環状部分を指す。本発明のdsRNAにおいて、塩基類似体は一般的に、共通塩基グアニン(G)、シトシン(C)、アデニン(A)、チミン(T)及びウラシル(U)を除く、プリンまたはピリミジン塩基のいずれかである。塩基類似体は、dsRNA中で他の塩基または塩基類似体と二本鎖となり得る。塩基類似体には、本発明の化合物及び方法にて有用なもの、例えば、参照によって本明細書に組み込まれる、Bennerに付与された米国特許第5,432,272号及び同第6,001,983号、及びManoharanに付与された米国特許公開第20080213891号に開示されたものが含まれる。塩基の非限定例としては、ハイポキサンチン(I)、キサンチン(X)、3β-D-リボフラノシル-(2,6-ジアミノピリミジン)(K)、3-β-D-リボフラノシル-(1-メチル-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-5,7(4H,6H)-ジオン)(P)、イソ-シトシン(iso-C)、イソ-グアニン(iso-G)、1-β-D-リボフラノシル-(5-ニトロインドール)、1-β-D-リボフラノシル-(3-ニトロピロール)、5-ブロモウラシル、2-アミノプリン、4-チオ-dT、7-(2-チエニル)-イミダゾ[4,5-b]ピリジン(Ds)及びピロール-2-カルボアルデヒド(Pa)、2-アミノ-6-(2-チエニル)プリン(S)、2-オキソピリジン(Y)、ジフルオロトリル、4-フルオロ-6-メチルベンズイミダゾール、4-メチルベンズイミダゾール、3-メチルイソカルボスチリリル、5-メチルイソカルボスチリリル及び3-メチル-7-プロピニルイソカルボスチリリル、7-アザインドリル、6-メチル-7-アザインドリル、イミジゾピリジニル、9-メチル-イミジゾピリジニル、ピロロピリジニル、イソカルボスチリリル、7-プロピニルイソカルボスチリリル、プロピニル-7-アザインドリル、2,4,5-トリメチルフェニル、4-メチルインドリル、4,6-ジメチルインドリル、フェニル、ナフタレニル、アントラセニル、フェナントラセニル、ピレニル、スチルベンジル、テトラセニル、ペンタセニル及びそれらの構造誘導体(Schweitzer et al.,J.Org.Chem.,59:7238-7242(1994);Berger et al.,Nucleic Acids Research,28(15):2911-2914(2000);Moran et al.,J.Am.Chem.Soc.,119:2056-2057(1997);Morales et al.,J.Am.Chem.Soc.,121:2323-2324(1999);Guckian et al.,J.Am.Chem.Soc.,118:8182-8183(1996);Morales et al.,J.Am.Chem.Soc.,122(6):1001-1007(2000);McMinn et al.,J.Am.Chem.Soc.,121:11585-11586(1999);Guckian et al.,J.Org.Chem.,63:9652-9656(1998);Moran et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.,94:10506-10511(1997);Das et al.,J.Chem.Soc.,Perkin Trans.,1:197-206(2002);Shibata et al.,J.Chem.Soc.,Perkin Trans.,1:1605-1611(2001);Wu et al.,J.Am.Chem.Soc.,122(32):7621-7632(2000);O’Neill et al.,J.Org.Chem.,67:5869-5875(2002);Chaudhuri et al.,J.Am.Chem.Soc.,117:10434-10442(1995);及び米国特許第6,218,108号)が挙げられる。塩基類似体はまたユニバーサル塩基であってもよい。
本明細書で使用するところの「ユニバーサル塩基」は、核酸二本鎖中に存在する場合に、二重らせん構造(例えば、リン酸塩骨格の構造)を変化させずに、1超の型の塩基と反対に位置可能な、修飾ヌクレオチド中のヌクレオチド糖部分の1’位、またはヌクレオチド糖部分置換における等価位置に位置するヘテロ環状部分を指す。さらに、ユニバーサル塩基は、一本鎖の核酸の能力を破壊せず、その中に、標的核酸に対して二本鎖を形成するように存在する。ユニバーサル塩基を含む一本鎖核酸が標的核酸に二本鎖形成を行う能力は、当業者に明らかな方法(例えば、UV吸収、円偏光二色性、ゲルシフト、一本鎖ヌクレアーゼ感受性など)によってアッセイ可能である。さらに、二本鎖形成が観察される条件は、二本鎖安定性または形成を決定するために変化してよく、例えば、融解温度(Tm)は、核酸二本鎖の安定性と相関するので、温度を変化させてもよい。標的核酸と正確に相補的である参照一本鎖核酸と比較して、ユニバーサル塩基を含む一本鎖核酸は、相補的核酸で形成された二本鎖よりも低いTmを有する標的核酸と共に二本鎖を形成する。しかしながら、ユニバーサル塩基が単一ミスマッチを生成するために塩基で置換された参照一本鎖核酸と比較して、ユニバーサル塩基を含む一本鎖核酸は、ミスマッチした塩基を持つ核酸で形成された二本鎖よりも、高いTmを有する標的核酸を備える二本鎖を形成する。
いくつかのユニバーサル塩基は、塩基対形成条件下、ユニバーサル塩基と、全ての塩基グアニン(G)、シトシン(C)、アデニン(A)、チミン(T)及びウラシル(U)との間で水素結合を形成することによって塩基対化可能である。ユニバーサル塩基は、単一相補塩基とのみ塩基対を形成する塩基ではない。二本鎖内で、ユニバーサル塩基は、水素結合を形成しなくてよく、また二本鎖の反対の鎖上の塩基と反対の各G、C、A、T及びUと1つの水素結合または1つ超の水素結合を形成してもよい。好ましくは、ユニバーサル塩基は、二本鎖の反対の鎖上の塩基と反対の塩基と相互作用しない。二本鎖において、ユニバーサル塩基間の塩基対化は、リン酸骨格の二重らせん構造を変えずに発生する。ユニバーサル塩基はまた、スタッキング相互作用によって、同一の核酸鎖上の隣接ヌクレオチド中の塩基と相互作用してもよい。このようなスタッキング相互作用は、とりわけ、ユニバーサル塩基が、二本鎖の反対の鎖上の塩基と反対に位置する塩基と任意の水素結合を形成しない条件下で、二本鎖を安定化させる。ユニバーサル-結合ヌクレオチドの非限定例としては、イノシン、1-β-D-リボフラノシル-5-ニトロインドール、及び/または1-β-D-リボフラノシル-3-ニトロピロールが挙げられる(Quayらに付与された米国特許出願公開番号第20070254362号、Van Aerschot et al.,An acyclic 5-nitroindazole nucleoside analogue as ambiguous nucleoside.Nucleic Acids Res.1995 Nov 11;23(21):4363-70;Loakes et al.,3-Nitropyrrole and 5-nitroindole as universal bases in primers for DNA sequencing and PCR.Nucleic Acids Res.1995 Jul 11;23(13):2361-6;Loakes and Brown,5-Nitroindole as an universal base analogue.Nucleic Acids Res.1994 Oct 11;22(20):4039-43)。
本明細書で使用するところの「ループ」は、特定の一本鎖ヌクレオチド領域に隣接する相補領域が、相補領域間の一本鎖ヌクレオチド領域が、二本鎖形成またはワトソン-クリック塩基対化から除外される方法でハイブリダイズする、核酸の一本鎖によって形成される構造を指す。ループは、任意の長さの一本鎖ヌクレオチド領域である。ループの例としては、ヘアピン、ステムループまたは伸長ループのような構造中に存在する、対になっていないヌクレオチドが挙げられる。
本明細書で使用するところの、dsRNAの文脈中の「伸長ループ」は、一本鎖ループ、及びさらに、1、2、3、4、5、6または最大20の塩基対またはループに隣接する二本鎖を指す。伸長ループ中、5’側上のループに隣接するヌクレオチドは、3’側上でループに隣接するヌクレオチドと二本鎖を形成する。伸長ループはヘアピンまたはステムループを形成してもよい。
本明細書で使用するところの、dsRNAの文脈中の「テトラループ」は、隣接するワトソン-クリックハイブリダイズヌクレオチドの安定性に寄与する、安定二次構造を形成する4つのヌクレオチドからなるループ(一本鎖領域)を指す。理論に限定されるものではないが、テトラループは、スタッキング相互作用によって、隣接するワトソン-クリック塩基対を安定化させてもよい。さらに、テトラループ中の4つのヌクレオチド間の相互作用には、非ワトソン-クリック塩基対化、スタッキング相互作用、水素結合、及び接触相互作用が含まれるが、これらに限定されるものではない(Cheong et al.,Nature 1990 Aug 16;346(6285):680-2;Heus and Pardi,Science 1991 Jul 12;253(5016):191-4)。テトラループは、4つの無作為塩基からなる単一モデルループ配列から推測されるものよりも高い隣接二本鎖の融解温度(Tm)における増加をもたらす。例えば、テトラループは、長さにして少なくとも2塩基対の二本鎖を含むヘアピンに、10mM NaHPO4中、少なくとも55℃の融解温度をもたらし得る。テトラループには、リボヌクレオチド、デオキシリボヌクレオチド、修飾ヌクレオチド及びそれらの組み合わせが含まれてもよい。RNAテトラループの例としては、テトラループのUNCGファミリー(例えば、UUCG)、テトラループのGNRAファミリー(例えば、GAAA)、及びCUUGテトラループが挙げられる(Woese et al.,Proc Natl Acad Sci USA.1990 Nov;87(21):8467-71;Antao et al.,Nucleic Acids Res.1991 Nov 11;19(21):5901-5)。DNAテトラループの例としては、テトラループのd(GNNA)ファミリー(例えば、d(GTTA)、テトラループのd(GNRA))ファミリー、テトラループのd(GNAB)ファミリー、テトラループのd(CNNG)ファミリー、テトラループのd(TNCG)ファミリー(例えばd(TTCG))が挙げられる(Nakano et al.Biochemistry,41(48),14281-14292,2002.;SHINJI et al.Nippon Kagakkai Koen Yokoshu VOL.78th;NO.2;PAGE.731(2000).)。
本明細書で使用するところの用語「siRNA」は、各鎖が、RNA、RNA類似体(類)またはRNA及びDNAを含む二本鎖核酸を指す。siRNAは、19~23ヌクレオチドを含み、または21ヌクレオチドを含む。siRNAは、典型的には、siRNA中の二本鎖領域が17~21ヌクレオチド、または19ヌクレオチドを含むように、各鎖の3’末端上に2bpオーバーハングを有する。典型的には、siRNAのアンチセンス鎖は、乳酸デヒドロゲナーゼ遺伝子/RNAの標的配列と十分に相補的である。
第1の配列が、本明細書の第2の配列に関して「実質的に相補的である」配列を指す場合、2つの配列は完全に相補的であってもよく、またはそれらの最終的な用途に最も関連する条件下でハイブリダイズする能力を維持したまま、それら2つの配列は、ハイブリダイゼーションに際して、1つ以上であるが一般的に、4、3または2以下のミスマッチ塩基対を形成してもよい。しかしながら、2つのオリゴヌクレオチドが、ハイブリダイゼーションに際して、1つ以上の一本鎖オーバーハングを形成するようにデザインされる場合、このようなオーバーハングは、相補性の決定に関して、ミスマッチとして見なされるものではない。例えば、1つの21の長さのオリゴヌクレオチド及び別の23の長さのオリゴヌクレオチドを含むdsRNAであって、長い方のオリゴヌクレオチドが、短い方のオリゴヌクレオチドと完全に相補的な21のヌクレオチドの配列を含むdsRNAが、本発明の目的のために「完全に相補的である」と依然として呼ばれてもよい。
本明細書で使用する、用語「二本鎖RNA」または「dsRNA」は、上記で定義したような、2つの逆平行及び実質的に相補的な核酸鎖を含む二本鎖構造を持つ、リボ核酸分子の複合体を指す。二本鎖構造を形成する2つの鎖は、1つの大きなRNA分子の異なる部分であってもよく、または別々のRNA分子であってもよい。別々のRNA分子の場合、このようなdsRNAは、多くの場合siRNA(「短い干渉RNA」)またはDsiRNA(「Dicer基質siRNA」)と呼ばれる。2つの鎖が1つの大きな分子の一部分であり、したがって二本鎖構造を形成する1つの鎖の3’末端と、対応するもう一方の鎖の5’末端との間のヌクレオチドの連鎖によって連結される場合、連結しているRNA鎖は、「ヘアピンループ」、「短ヘアピンRNA」または「shRNA」と呼ばれる。2つの鎖が、二本鎖構造を形成する1つの鎖の3’末端と、対応するもう一方の鎖の5’末端との間のヌクレオチドの連鎖以外の方法によって共有的に連結する場合、連結している構造は、「リンカー」と呼ばれる。RNA鎖は、同一または異なる数のヌクレオチドを有してもよい。塩基対の最大数は、dsRNAの最も短い鎖中のヌクレオチドの数マイナス二本鎖中に存在する任意のオーバーハングである。二本鎖構造に加えて、dsRNAは、1つ以上のヌクレオチドオーバーハングを含んでもよい。さらに、本明細書で使用するところの「dsRNA」は、複数のヌクレオチドにおける実質的修飾を含み、かつ本明細書で開示されたか、当該技術分野で公知の全ての型の修飾を含む、リボヌクレオチド、ヌクレオシド間結合、末端基、キャップ及びコンジュゲート部分への化学修飾が含まれ得る。siRNAまたはDsiRNA型分子内で使用されるような、任意のこのような修飾は、本明細書及び特許請求の範囲の目的のために「dsRNA」によって包含される。
語句「二本鎖領域」は、ワトソン-クリック塩基対化、もしくは相補的であるか、もしくは実質的に相補的であるオリゴヌクレオチド鎖間の二本鎖を許容する他の様式のいずれかによって、互いに塩基対を形成する2つの相補的であるか、または本質的に相補的なオリゴヌクレオチド中の領域を指す。例えば、21ヌクレオチドユニットを有するオリゴヌクレオチド鎖は、別の21ヌクレオチドユニットのオリゴヌクレオチドと塩基対化可能であるが、「二本鎖領域」が19塩基対からなるように、各鎖上の19塩基のみが、相補的であるか、または実質的に相補的である。残りの塩基対は、例えば、5’及び3’オーバーハングとして存在してもよい。さらに、二本鎖領域内で、100%相補性は必要ではなく、実質的な相補性が二本鎖領域内で許容可能である。実質的な相補性は、生物学的条件下でアニーリング可能であるような、鎖間の相補性を指す。2つの鎖が、生物学的条件下でアニーリング可能であるかどうかを実験的に決定するための技術は、当業者によく知られている。あるいは、2つの鎖を、互いにアニールするかどうかを決定するために、合成でき、かつ生物学的条件下で共に添加できる。
本明細書で使用するところの「DsiRNAmm」は、DsiRNAのセンス鎖及びアンチセンス鎖によって形成された二本鎖の1、2、3または4つのミスマッチ塩基対を含む、「ミスマッチ耐性領域」を有するDsiRNAを指し、ここでこのようなミスマッチは、DsiRNAのいずれかの末端の2つの末端塩基対間で横たわっている(したがって末端塩基対を含まない)場所(複数可)で、DsiRNA内に位置する。DsiRNAmm組成物の例示的な形態の構造及びミスマッチ位置は、以下でより詳細に記述されている。
多数の塩基にわたり塩基対を形成する一本鎖核酸が、「ハイブリダイズする」と呼ばれる。ハイブリダイゼーションは、典型的には、生理学的または生物学的に関連のある条件(例えば、細胞内:pH7.2、140mMカリウムイオン、細胞外pH7.4、145mMナトリウムイオン)下で決定される。ハイブリダイゼーション条件は一般的に、一価カチオンと生物学的に許容可能な緩衝液とを含み、二価カチオン、錯アニオン、例えば、グルコン酸カリウム由来のグルコン酸、スクロースのような非荷電種、及び試料中の水の活性を減少させるための不活性ポリマー、例えば、PEGを含んでもよく、または含まなくてもよい。このような条件には、塩基対が形成される条件が含まれる。
ハイブリダイゼーションは、二本鎖を形成している一本鎖核酸を解離させるために必要な温度、すなわち(融解温度;Tm)によって測定される。ハイブリダイゼーション条件はまた、塩基対が形成され得る条件下であり得る。種々のストリンジェンシー条件を使用して、ハイブリダイゼーションを決定可能である(例えば、Wahl,G.M.and S.L.Berger(1987)Methods Enzymol.152:399;Kimmel.A.R.(1987)Methods Enzymol.152:507を参照されたい)。ストリンジェントな温度条件は通常、少なくとも約30℃の、より好ましくは少なくとも約37℃、最も好ましくは少なくとも約42℃の温度を含む。長さにして50塩基対未満であると予想されるハイブリッドに対するハイブリダイゼーション温度は、ハイブリッドの融解温度(Tm)よりも5~10℃低くあるべきであり、ここで、Tmは、以下の等式にしたがって決定される。長さにして18塩基対未満のハイブリッドでは、Tm(℃)=2(A+T塩基の数)+4(G+C塩基の数)。長さにして18~49塩基対のハイブリッドでは、Tm(℃)=81.5+16.6(log10[Na+])+0.41(%G+C)-(600/N)、式中、Nはハイブリッド中の塩基数であり、[Na+]はハイブリダイゼーション緩衝液中のナトリウムイオンの濃度である(1×SSC=0.165Mでの[Na+])。例えば、ハイブリダイゼーション決定緩衝液を表1に示す。
ハイブリダイゼーション条件における有用な変化が、当業者に簡単に明らかになるであろう。ハイブリダイゼーション技術は、当業者によく知られており、例えば、Benton and Davis(Science 196:180,1977);Grunstein and Hogness(Proc.Natl.Acad.Sci.,USA 72:3961,1975);Ausubel et al.(Current Protocols in Molecular Biology,Wiley Interscience,New York, 2001);Berger and Kimmel(Antisense to Molecular Cloning Techniques,1987,Academic Press,New York);及びSambrook et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Press,New Yorkにて記述されている。
本明細書で使用するところの、「オリゴヌクレオチド鎖」は、一本鎖核酸分子である。オリゴヌクレオチドは、リボヌクレオチド、デオキシリボヌクレオチド、修飾ヌクレオチド(例えば、2’修飾、合成塩基類似体などを持つヌクレオチド)またはそれらの組み合わせを含んでもよい。このような修飾オリゴヌクレオチドは、例えば、細胞取込の増強、及びヌクレアーゼの存在下での安定性の増大のような特性のために、天然の形態よりも好まれる。
本明細書で使用するところの用語「リボヌクレオチド」は、天然及び合成の、非修飾及び修飾リボヌクレオチドを包含する。修飾には、オリゴヌクレオチド中の糖部分に対する、塩基部分に対する、及び/またはリボヌクレオチド間の結合に対する変化が含まれる。本明細書で使用するところの用語「リボヌクレオチド」はとりわけ、2’リボース環位置にて、単一プロトン基を有するヌクレオチドである、デオキシリボヌクレオチドを除外する。
本明細書で使用するところの用語「デオキシリボヌクレオチド」は、天然及び合成の、非修飾及び修飾デオキシリボヌクレオチドを包含する。修飾には、オリゴヌクレオチド中の、糖部分に対する、塩基部分に対する、及び/またはデオキシリボヌクレオチド間の結合に対する変化が含まれる。本明細書で使用するところの用語「デオキシリボヌクレオチド」にはまた、dsRNA剤のDicer開裂を許容しない修飾リボヌクレオチド、例えば、このような残基の結合においてDicer開裂が発生することを許容しない、2’-O-メチルリボヌクレオチド、ホスホロチオエート修飾リボヌクレオチド残基なども含まれる。
本明細書で使用するところの用語「PS-NA」は、ホスホロチオエート修飾ヌクレオチド残基を指す。用語「PS-NA」はしたがって、ホスホロチオエート修飾リボヌクレオチド(「PS-RNA」)及びホスホロチオエート修飾デオキシリボヌクレオチド(「PS-DNA」)の両方を包含する。
本明細書で使用するところの「Dicer」は、dsRNAもしくはdsRNA含有分子、例えば、二本鎖RNA(dsRNA)またはプレ-ミクロRNA(miRNA)を、通常3’末端に2塩基オーバーハングを持つ、二本鎖核酸断片19~25ヌクレオチド長に開裂する、RNaseIIIファミリーのエンドリボヌクレアーゼを指す。本発明のある特定のdsRNA(例えば、「DsiRNA」)に関して、本発明の薬剤のdsRNA領域によって形成される二本鎖は、Dicerによって認識され、二本鎖の少なくとも1つの鎖上のDicer基質である。Dicerは、RNA干渉経路中の第一段階を触媒し、結果として、標的RNAの分解をもたらす。ヒトDicerのタンパク質配列が、参照によって本明細書で組み込まれる受託番号第NP_085124号の下、NCBIデータベースにて提供される。
Dicer「開裂」は、以下のように決定できる(例えば、Collingwood et al.,Oligonucleotides 18:187-200(2008)を参照されたい)。Dicer開裂アッセイにおいて、RNA二本鎖(100pmol)を、1ユニットの組換え体ヒトDicer(Stratagene,La Jolla,CA)あり、またはなしで、20μLの20mM Tris pH8.0、200mM NaCl、2.5mM MgCl2中、37℃にて18~24時間インキュベートする。試料を、Performa SR96-ウェルプレート(Edge Biosystems,Gaithersburg,MD)を用いて脱塩する。Dicerでの二本鎖RNAの処理前及び処理後の電子噴霧イオン化液体クロマトグラフィー質量分析(ESI-LCMS)を、ThermoFinnigan TSQ7000、Xcaliburデータシステム、ProMassデータ処理ソフトウェア及びParadigm MS4 HPLC(Michrom BioResources,Auburn,CA)からなるOligo HTCSシステム(Novatia,Princeton,NJ:Hail et al.,2004)を用いて実施する。本アッセイにおいて、Dicer開裂が、少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%またはさらには100%のDicer基質dsRNA(すなわち、25~30bp、dsRNA、好ましくは26~30bp dsRNA)が、より短いdsRNA(例えば、19~23bp dsRNA、好ましくは21~23bp dsRNA)に開裂される場で発生する。
本明細書で使用するところの「Dicer開裂部位」は、DicerがdsRNA(例えば、本発明のDsiRNA剤のdsRNA領域)を開裂する部位を指す。Dicerは、典型的にはdsRNAのセンス鎖及びアンチセンス鎖の両方を開裂する、2つのRNaseIIIドメインを含む。RNaseIIIドメインとPAZドメインとの間の平均距離が、産出する短い二本鎖核酸断片の長さを決定し、この距離は変動可能である(Macrae et al.(2006)Science 311:195-8)。図1で示すように、Dicerは、アンチセンス鎖の3’末端から除去された21番目と22番目とのヌクレオチド間の部位にて、及びセンス鎖の5’末端より除去された21番目と22番目とのヌクレオチド間の対応する部位で、2ヌクレオチド3’オーバーハングを持つアンチセンス鎖を有する、本発明のある特定の二本鎖リボ核酸を開裂すると考えられる。図1にて描写したものと異なる、dsRNA分子に対する、考えられる、及び/または一般的なDicer開裂部位(複数可)は、Macrae et alにて記述されたものを含む、当該技術分野で認識される方法を介して同様に同定されてもよい。図1で描写したDicer開裂事象が、21ヌクレオチドsiRNAを産出する一方で、dsRNA(例えばDsiRNA)のDicer開裂が結果として、長さにして19~23ヌクレオチドのDicer処理したsiRNA長の産出となり得ることが留意される。実際、ある特定の実施形態では、二本鎖DNA領域は、21マーではなく、典型的には好ましくない19マーまたは20マーsiRNAの一般的なDicer切除を指向するために、dsRNA内に含まれてもよい。
ある特定の実施形態では、本発明のdsRNAは、Dicer基質siRNA(「DsiRNA」)である。DsiRNAは、dicer基質ではない阻害核酸(「非DsiRNA」)と比較して、ある特定の利点を有し得る。このような利点には、限定するものではないが、非DsiRNAに対して、DsiRNAの効果の持続期間の増強、並びに各阻害核酸が好適に処方され、同一の濃度で、哺乳類細胞内の阻害活性に関して評価される時、非DsiRNA(例えば、19~23マーsiRNA)と比較したDsiRNAの阻害活性の増強が含まれる(後者のシナリオの場合、DsiRNAは、非DsiRNAよりも強力なものとして同定され得る)。非DsiRNAと比べたDsiRNAの効力の増大の検出はしばしば、結果としてDisRNAが、標的RNA(例えば、mRNA)におけるおよそ30~70%のノックダウン活性を誘発することとなる、製剤化濃度(例えば、dsRNAのトランスフェクション濃度)でほとんど容易に達成される。活性DsiRNAに関して、このようなノックダウン活性のレベルは、ほとんどの場合、1nM以下の好適に配合されたインビトロ哺乳類細胞DsiRNAトランスフェクション濃度で達成され、ある特定の例では、200pM以下、100pM以下、50pM以下、20pM以下、10pM以下、5pM以下、またはさらには1pM以下のDsiRNAトランスフェクション濃度で観察される。実際、標的RNAの30~70%ノックダウンが観察される正確な濃度のDsiRNA間の変動に起因して、有効濃度の範囲にわたる、DsiRNA及び非DsiRNAの阻害活性の評価を介したIC50曲線の構築が、非DsiRNA阻害剤と比べたDsiRNAの効力の増強を検出する好ましい方法である。
本明細書で使用するところの、「オーバーハング」は、dsRNAの5’末端または3’末端にて1つ以上の遊離末端を有する二本鎖の文脈において、対になっていないヌクレオチドを指す。ある特定の実施形態では、オーバーハングは、アンチセンス鎖またはセンス鎖上の3’または5’オーバーハングである。いくつかの実施形態では、オーバーハングは、1~6ヌクレオチド、任意に1~5、1~4、1~3、1~2、2~6、2~5、2~4、2~3、3~6、3~5、3~4、4~6、4~5、5~6ヌクレオチド、または1、2、3、4、5または6ヌクレオチドの長さを持つ3’オーバーハングである。「平滑末端化」または「平滑末端」は、dsRNAの末端に対でないヌクレオチドがない、すなわち、ヌクレオチドのオーバーハングがないことを意味する。明確にすると、siRNAの3’末端または5’末端に結合した化学的キャップまたは非ヌクレオチド化学的部分は、siRNAがオーバーハングを有しているかまたは平滑末端化されているかどうかを判定する際に考慮されるものではない。ある特定の実施形態では、本発明は、細胞または哺乳類中の乳酸デヒドロゲナーゼ標的遺伝子の発現を阻害するdsRNA分子であって、dsRNAが乳酸デヒドロゲナーゼ標的遺伝子の発現において形成されるmRNAの少なくとも一部に相補的である相補領域を含むアンチセンス鎖を含み、かつ上記相補領域が35未満の長さのヌクレオチド、任意に19~24の長さのヌクレオチドまたは25~30の長さのヌクレオチドであり、かつdsRNAが、乳酸デヒドロゲナーゼ標的遺伝子を発現する細胞と接触すると、乳酸デヒドロゲナーゼ標的遺伝子の発現を少なくとも10%、25%、または40%阻害する、dsRNA分子を提供する。
本明細書で使用するところの用語「RNA処理」は、siRNA、miRNAまたはRNase H経路の構成要素(例えば、Drosha、Dicer、Argonaute2または他のRISCエンドリボヌクレアーゼ及びRNaseH)によって実施される処理活性を指し、以下でより詳細に記述されている(以下、「RNA処理」項目を参照されたい)。本用語は、RNAの5’キャッピングの転写後プロセスと、非RISCまたは非RNase H媒介プロセスを介したRNAの分解とから明確に区別される。このようなRNAの「分解」は、種々の形態、例えば、脱アデニル化(3’ポリ(A)テールの除去)、及び/または1つ以上の種々のエンドもしくはエキソヌクレアーゼ(例えば、RNaseIII、RNaseP、RNaseT1、RNaseA(1、2、3、4/5)、オリゴヌクレオチダーゼなど)によるRNAの本体の一部または全てのヌクレアーゼ消化、を取り得る。
「相同配列」は、遺伝子、遺伝子転写産物及び/または非コードポリヌクレオチドのような、1つ以上のポリヌクレオチド配列によって共有されるヌクレオチド配列を意味する。例えば、相同配列は、サイトカイン及びそれと対応する受容体のような、遺伝子ファミリーの異なるメンバー、異なるタンパク質エピトープ、異なるタンパク質アイソフォームまたは完全に相違する遺伝子のような、関連するが異なるタンパク質をコードしている2つ以上の遺伝子によって共有されるヌクレオチド配列であり得る。相同配列は、非コードDNAまたはRNA、制御配列、イントロン、及び転写制御または調節の部位のような、2つ以上の非コードポリヌクレオチドによって共有されるヌクレオチド配列であり得る。相同配列はまた、1つ超のポリヌクレオチド配列によって共有される保存配列領域を含み得る。相同性は、部分相同配列(例えば、99%、98%、97%、96%、95%、94%、93%、92%、91%、90%、89%、88%、87%、86%、85%、84%、83%、82%、81%、80%など)もまた本発明で企図されるので、完全相同性(例えば、100%)である必要はない。実際、本発明のdsRNA剤のデザイン及び利用は、本明細書で記述したdsRNA剤と完全な相補性を有する乳酸デヒドロゲナーゼの標的RNAに対してのみでなく、前記dsRNA剤に対して例えば、99%、98%、97%、96%、95%、94%、93%、92%、91%、90%、89%、88%、87%、86%、85%、84%、83%、82%、81%、80%などのみ相補的である配列を有する標的乳酸デヒドロゲナーゼRNAに対しての、このようなdsRNA剤を利用する可能性も企図する。同様に、本明細書で記述された本発明のdsRNA剤は、前記dsRNA剤と標的乳酸デヒドロゲナーゼRNA、例えば、乳酸デヒドロゲナーゼの特定の対立バリアント(例えば、増強された治療的対象の対立遺伝子)のものとの間の相補性の程度を増強するために、当業者によって簡単に変更され得ることが企図される。実際、標的乳酸デヒドロゲナーゼ配列に関する挿入、欠損及び単一点変異を持つdsRNA剤配列がまた、阻害に対して効果的であり得る。あるいは、ヌクレオチド類似体置換または挿入を持つdsRNA剤配列が阻害に対して効果的であり得る。
配列同一性は、当該技術分野で公知の配列比較及びアライメントアルゴリズムによって決定してもよい。2つの核酸配列の(または2つのアミノ酸配列の)パーセント同一性を決定するために、配列を比較の目的でアライメントさせる(例えば、ギャップを、最適整列のために、第1の配列または第2の配列中に導入可能である)。次に、対応するヌクレオチド(またはアミノ酸)位置でのヌクレオチド(またはアミノ酸残基)を比較する。第1の配列中の位置が、第2の配列中の対応する位置と同一の残基によって占有される場合、分子はその位置で同一である。2つの配列間のパーセント同一性は、配列によって共有された同一の位置の数の関数であり(すなわち、相同性%=同一位置の数/位置の合計数×100)、任意に、導入されたギャップの数及び/または導入されたギャップの長さに対するスコアにペナルティーを課す。
配列の比較と、2つの配列間の配列パーセント同一性の決定とを、数学的アルゴリズムを用いて達成可能である。1つの実施形態では、アライメントは、十分な同一性をもってアライメントさせた配列のある特定の部分にわたり、しかし低度の同一性を持つ部分にはわたらず(すなわち、局所アライメント)産出された。配列の比較のために使用した局所アライメントアルゴリズムの好ましい、非限定例は、Karlin and Altschul(1993)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:5873-77にてのように修正された、Karlin and Altschul(1990)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87:2264-68のアルゴリズムである。このようなアルゴリズムは、Altshul,et al.(1990)J.Mol.Biol.215:403-10のBLASTプログラム(バージョン2.0)内に組み込まれる。
別の実施形態では、適切なギャップを導入することによってアライメントが最適化されるギャップアライメントは、パーセント同一性が、アライメントした配列(すなわち、ギャップアライメント)の長さにわたり決定される。比較の目的のためギャップアライメントを得るために、ギャップBLASTを、Altschul et al.,(1997)Nucleic Acids Res.25(17):3389-3402にて記述したように利用可能である。別の実施形態では、適切なギャップを導入することによってアライメントが最適化されるグローバルアライメントが、パーセント同一性が、アライメントした配列の全長(すなわち、グローバルアライメント)にわたり決定される。配列のグローバル比較のために利用される数学的アルゴリズムの好ましい、非限定例は、Myers and Miller,CABIOS(1989)のアルゴリズムである。このようなアルゴリズムは、GCG配列アライメントソフトウェアパッケージの一部である、ALIGNプログラム(バージョン2.0)内に組み込まれる。アミノ酸配列を比較するためにALIGNプログラムを利用する時に、PAM120ウェイト残基表、12のギャップ長ペナルティー、及び4のギャップペナルティーを使用可能である。
dsRNAアンチセンス鎖及び乳酸デヒドロゲナーゼRNA配列の一部の間の80%超の配列同一性、例えば、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはさらには100%の配列同一性が好ましい。あるいは、dsRNAは、乳酸デヒドロゲナーゼRNAの一部とハイブリダイズ可能なヌクレオチド配列(またはオリゴヌクレオチド配列)として機能的に定義してもよい(例えば、400mM NaCl、40mM PIPES pH6.4、1mM EDTA、12~16時間の50℃または70℃ハイブリダイゼーションと続く洗浄)。さらなる好ましいハイブリダイゼーション条件には、1×SSC中70℃、または1×SSC中50℃、50%ホルムアミドでのハイブリダイゼーションと、続く0.3×SSC中70℃での洗浄、または4×SSC中70℃もしくは4×SSC中50℃、50%ホルムアミドでのハイブリダイゼーションと、続く1×SSC中67℃での洗浄が含まれる。長さにして50塩基対未満であると予測されるハイブリッドでのハイブリダイゼーション温度は、ハイブリッドの融解温度(Tm)より5~10℃低いべきであり、Tmは以下の等式にしたがって決定される。長さにして18塩基対より少ないハイブリッドでは、Tm(℃)=2(A+T塩基の数)+4(G+C塩基の数)。長さにして18~49塩基対のハイブリッドでは、Tm(℃)=81.5+16.6(log10[Na+])+0.41(%G+C)-(600/N)、式中、Nはハイブリッド中の塩基数であり、[Na+]はハイブリダイゼーション緩衝液中のナトリウムイオンの濃度である(1×SSC=0.165Mでの[Na+])。ポリヌクレオチドハイブリダイゼーションに対するストリンジェンシー条件のさらなる例が、Sambrook,J.,E.F.Fritsch,and T.Maniatis,1989,Molecular Cloning:A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.,9及び11章、及びCurrent Protocols in Molecular Biology,1995,F.M.Ausubel et al.,eds.,John Wiley & Sons,Inc.,項目2.10及び6.3~6.4にて提供される。同一のヌクレオチド配列の長さは、少なくとも10、12、15、17、20、22、25、27または30塩基であってもよい。
「保存配列領域」は、世代間で、または1つの生物系、対象もしくは生命体から別の生物系、対象もしくは生命体までで有意に変化しないポリヌクレオチドの1つ以上の領域のヌクレオチド配列を意味する。ポリヌクレオチドは、コード及び非コードのDNA及びRNA両方を含み得る。
「センス領域」は、dsRNA分子のアンチセンス領域に相補性を持つdsRNA分子のヌクレオチド配列を意味する。さらに、dsRNA分子のセンス領域は、標的核酸配列と相同性を持つ核酸配列を含み得る。
ある特定の実施形態では、本発明の薬剤は、「アンチセンス化合物」または「アンチセンスオリゴマー化合物」であり、これは、ハイブリダイズして、その発現を調節(増加または減少)する標的核酸分子の領域の少なくとも一部に相補的であるオリゴマー化合物を指す。この用語には、オリゴヌクレオチド、オリゴヌクレオシド、オリゴヌクレオチド類似体、オリゴヌクレオチド模倣体、アンチセンス化合物、アンチセンスオリゴマー化合物、及びこれらのキメラ組み合わせが含まれる。その結果、全てのアンチセンス化合物は、オリゴマー化合物であると言うことができるが、全てのオリゴマー化合物が、アンチセンス化合物ではない。「アンチセンスオリゴヌクレオチド」は、核酸に基づくオリゴマーであるアンチセンス化合物である。アンチセンスオリゴヌクレオチドは、場合によっては、糖、塩基、及び/またはヌクレオシド間結合に対する1つ以上の化学修飾が含まれ得る。アンチセンス化合物の非限定例としては、プライマー、プローブ、アンチセンス化合物、アンチセンスオリゴヌクレオチド、外部ガイド配列(EGS)オリゴヌクレオチド、選択的スプライサー、及びsiRNAが挙げられる。従って、これらの化合物は、一本鎖、二本鎖、環状、分岐鎖またはヘアピンの形態で導入することができ、内部または末端バルジまたはループなどの構造エレメントが含まれ得る。アンチセンス二本鎖化合物は、二本鎖化合物を形成するようにハイブリダイズした2本の鎖である場合も、また、完全なもしくは部分的な二本鎖の化合物のハイブリダイゼーション及び形成を可能にするために十分な自己相補性を有している一本鎖である場合もある。本発明の化合物は、自己触媒性ではない。本明細書で使用するところの「自己触媒性」とは、アクセサリー因子(例えば、タンパク質)が存在しない条件で標的RNAの切断を促進する能力を有している化合物を意味する。
本発明の1つの実施形態では、アンチセンス化合物には、一本鎖のオリゴヌクレオチドが含まれる。本発明のいくつかの実施形態では、アンチセンス化合物には化学修飾が含まれる。ある特定の実施形態では、アンチセンス化合物は、一本鎖のキメラオリゴヌクレオチドであり、この場合、糖、塩基、及びヌクレオシド間結合の修飾は、独立して選択される。
本発明による例示的なアンチセンス化合物には、約12~約35またはそれ以上のヌクレオ塩基(すなわち、約12~約35以上の連結されたヌクレオシド)であるアンチセンス化合物を含んでもよい。言い換えれば、本発明の一本鎖化合物には、約12~約35のヌクレオ塩基が含まれ、本発明の二本鎖アンチセンス化合物(例えば、本明細書の他の場所で記載する通り、siRNAなど)には、それぞれが独立して約12~35以上のヌクレオ塩基である、2つの鎖が含まれる。これには、15~35以上のオリゴヌクレオチド、例えば、15~80の長さのヌクレオ塩基、及び16~35以上の長さのヌクレオ塩基が含まれる。本発明のアンチセンス化合物には、(一本鎖であるか二本鎖であるかは問わず、少なくとも一方の鎖の上に)アンチセンス部分が含まれる。「アンチセンス部分」は、上記のアンチセンス機構の1つによって作用するように設計されたアンチセンス化合物の一部である。当業者は、約12~約35ヌクレオ塩基に、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、または35ヌクレオ塩基が含まれることを理解するであろう。
活性のある標的領域を標的とした少なくとも8、任意に、少なくとも12、例えば、少なくとも15の連続したヌクレオ塩基の並びが含まれている、約12~35の長さのヌクレオ塩基、任意に、約15~35の長さのヌクレオ塩基のアンチセンス化合物が、さらに、好適なアンチセンス化合物であると考えられる。
例えば、本発明のアンチセンス化合物を含む薬剤に対して修飾を行うことができ、修飾には、末端の一方、選択されたヌクレオ塩基位置、糖位置、またはヌクレオシド間結合の1つ以上に付着したコンジュゲート基が含まれ得る。可能な修飾としては、2’-フルオロ(2’-F)、2’-Oメチル(2’-OMe)、2’-メトキシエトキシ(2’-MOE)糖修飾、反転した脱塩基キャップ、デオキシヌクレオ塩基、及び二環式のヌクレオ塩基類似体(例えば、ロックド核酸(LNAを含む)及びENA)が挙げられるが、これらに限定はされない。
「アンチセンス領域」は、標的核酸配列に相補性を持つdsRNA分子のヌクレオチド配列を意味する。さらに、dsRNA分子のアンチセンス領域は、dsRNA分子のセンス領域に相補性を持つ核酸配列を含む。
本明細書で使用するところの「アンチセンス鎖」は、標的RNAの配列に相補的な配列を持つ一本鎖核酸分子を指す。アンチセンス鎖が、塩基類似体を有する修飾ヌクレオチドを含む場合、その全長にわたり相同的である必要はないが、少なくとも標的RNAにハイブリダイズしなければならない。
本明細書で使用するところの「センス鎖」は、アンチセンス鎖の配列に相補的な配列を持つ一本鎖核酸分子を指す。アンチセンス鎖が、塩基類似体を有する修飾ヌクレオチドを含む場合、センス鎖は、アンチセンス鎖の全長にわたり相補的である必要はないが、アンチセンス鎖と少なくとも二本鎖を形成しなければならない。
本明細書で使用するところの「ガイド鎖」は、dsRNAまたはdsRNA含有分子の一本鎖核酸分子を指し、結果としてRNA干渉をもたらす標的RNAの配列と十分に相補的である配列を持つ。DicerによるdsRNAまたはdsRNA含有分子の開裂後、ガイド鎖の断片が、RISCに結合したままとなり、RISC複合体の一成分として標的RNAに結合し、RISCによって標的RNAの開裂を促進する。本明細書で使用するように、ガイド鎖は、連続一本鎖核酸を意味する必要はなく、好ましくはDicerによる開裂の部位で、不連続性を含んでよい。ガイド鎖はアンチセンス鎖である。
本明細書で使用するところの「パッセンジャー鎖」は、dsRNAまたはdsRNA含有分子のオリゴヌクレオチド鎖を指し、ガイド鎖の配列と相補的である配列を持つ。本明細書で使用するように、パッセンジャー鎖は、連続一本鎖核酸を指す必要はなく、好ましくはDicerにより開裂する部位で、不連続性を含んでよい。パッセンジャー鎖はセンス鎖である。
「標的核酸」は、その発現、レベルまたは活性が調整されるべきである核酸配列を意味する。標的核酸は、DNAまたはRNAであり得る。乳酸デヒドロゲナーゼを標的とする薬剤に関して、ある特定の実施形態では、標的核酸は乳酸デヒドロゲナーゼRNA、例えば、ある特定の実施形態では、乳酸デヒドロゲナーゼmRNAである。乳酸デヒドロゲナーゼRNA標的部位はまた、対応するcDNA配列によって互換的に参照され得る。乳酸デヒドロゲナーゼのレベルはまた、乳酸デヒドロゲナーゼの上流エフェクターの標的化を介して標的化されてもよく、または調整されたもしくは誤調節された乳酸デヒドロゲナーゼの効果がまた、乳酸デヒドロゲナーゼシグナル伝達経路中の乳酸デヒドロゲナーゼの下流の分子の標的化によって調整されてもよい。
「相補性」は、核酸が、従来のワトソン-クリック、または他の従来にはない型のいずれかによって、別の核酸配列と水素結合(複数可)を形成可能であることを意味する。本発明の核酸分子に関して、その相補的な配列を備える核酸分子に対する結合自由エネルギーは、核酸の関連ある機能、例えば、RNAi活性を進行できるために十分なエネルギーである。核酸分子に対する結合自由エネルギーの決定が、当該技術分野でよく知られている(例えば、Turner et al.,1987,CSH Symp.Quant.Biol.LII pp.123-133;Frier et al.,1986,Proc.Nat.Acad.Sci. USA 83:9373-9377;Turner et al.,1987,J.Am. Chem.Soc.109:3783-3785を参照されたい)。相補性パーセントは、第2の核酸配列と水素結合(例えば、ワトソン-クリック塩基対化)を形成可能な核酸分子中の近接残基の割合を示唆する(例えば、10ヌクレオチドを持つ第2の核酸配列に対して塩基対形成する第1のオリゴヌクレオチド中の合計10ヌクレオチドのうち5、6、7、8、9または10ヌクレオチドが、それぞれ50%、60%、70%、80%、90%及び100%の相同性を表す)。「完全に相補的」は、核酸配列の近接残基の全てが、第2の核酸配列中の同一の数の近接残基と水素結合することを意味する。1つの実施形態では、本発明のdsRNA分子は、1つ以上の標的核酸分子またはそれらの一部に対して相補的である、19~30(例えば、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29または30以上)のヌクレオチドを含む。
本明細書で使用するように、標的RNAまたはcDNA配列(例えば、乳酸デヒドロゲナーゼmRNA)に「十分に相補的な」配列を有するdsNA、例えば、DsiRNAまたはsiRNAは、dsNAが、RNAi機構(例えば、RISC複合体)またはプロセスによって、標的RNA(cDNA配列が記載される場合、記載されたcDNA配列に相当するRNA配列)の破壊を引き起こすのに十分な配列を持つことを意味する。例えば、RNAi機構またはプロセスによって、標的RNAの破壊を引き起こすための、標的RNAまたはcDNA配列に「十分に相補的な」dsNAは、dsNA活性の適切なアッセイ(例えば、以下の実施例2にて記述したようなインビトロアッセイ)中の標的RNAのレベルにおいて検出可能な減少を引き起こすdsNAとして同定可能であり、またはさらなる実施例において、RNAi機構またはプロセスによって、標的RNAの破壊を引き起こすための標的RNAまたはcDNA配列に十分に相補的なdsNAは、dsNA活性の適切なアッセイ中の標的RNAのレベルにおいて、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%の減少を産出するdsNAとして同定可能である。追加の実施例において、RNAi機構またはプロセスによって標的RNAの破壊を引き起こすための、標的RNAまたはcDNA配列に十分に相補的なdsNAは、細胞または生命体における標的RNAまたはタンパク質レベルに関するある特定レベルの阻害活性の持続時間の評価に基づいて同定可能である。例えば、RNAi機構またはプロセスによって標的RNAの破壊を引き起こすための、標的RNAまたはcDNA配列に十分に相補的なdsNAは、細胞または生命体へのdsNAの投与から少なくとも48時間後において少なくとも20%、標的mRNAレベルを減少可能なdsNAとして同定可能である。好ましくは、RNAi機構またはプロセスによって標的RNAの破壊を引き起こすための、標的RNAまたはcDNA配列に十分に相補的なdsNAは、細胞または生命体への前記dsNAの投与から少なくとも72時間後において少なくとも40%、細胞または生命体への前記dsNAの投与から少なくとも4、5または7日後において少なくとも40%、細胞または生命体への前記dsNAの投与から少なくとも48時間後において少なくとも50%、細胞または生命体への前記dsNAの投与から少なくとも72時間後において少なくとも50%、細胞または生命体への前記dsNAの投与から少なくとも4、5または7日後において少なくとも50%、細胞または生命体への前記dsNAの投与から少なくとも48時間後において少なくとも80%、細胞または生命体への前記dsNAの投与から少なくとも72時間後において少なくとも80%、または細胞または生命体への前記dsNAの投与から少なくとも4、5または7日後において少なくとも80%、標的mRNAレベルを減少可能なdsNAとして同定される。
ある特定の実施形態では、本発明の核酸(例えば、DsiRNAまたはsiRNA)は、標的RNAまたはcDNA配列に対して「ハイブリダイズするのに十分に相補的な」配列を有し、それによって標的RNAに対する阻害効果を達成する。ハイブリダイゼーション、及び2つの配列のハイブリダイゼーションを可能にするために、1つの核酸が別の核酸に十分に相補的であるか否かを決定するのに使用可能な条件を、以下でより詳細に記載する。
当業者には明らかであるように、「十分に相補的な」(例えば、「100%相補的な」と対比される)は、dsNAがRNAi機構(例えば、RISC複合体)またはプロセスにより標的RNAの破壊を起こすのに十分な相補性を有することを条件として、本発明のdsNAと標的RNAまたはcDNA配列(例えば、乳酸デヒドロゲナーゼmRNA)との間に1つ以上のミスマッチが存在することを許容する。ある特定の実施形態では、「十分に相補的な」本発明のdsNAは、dsNA配列及び標的RNAまたはcDNA配列の間に1、2、3または4つ以上ものミスマッチを有することができる(例えば、このようなある特定の実施形態では、dsRNAのアンチセンス鎖は、最大の相補性で標的RNAまたはcDNA配列とアライメントされる際、1、2、3、4、5または6つ以上ものミスマッチを有する)。さらに、本発明のある特定のdsRNA内のこのようなミスマッチの好ましい位置は、以下により詳細に考慮されている。
本明細書で使用するところの「細胞」は、その通常の生物学的意味において使用され、全多細胞生物を指さず、例えば、特にヒトを指すものではない。細胞は、生命体、例えば、鳥類、植物並びにヒト、ウシ、ヒツジ、類人猿、サル、ブタ、イヌ及びネコのような哺乳類中に存在し得る。細胞は、原核生物(例えば、細菌細胞)または真核生物(例えば、哺乳類細胞または植物細胞)であり得る。細胞は、体細胞または生殖細胞由来、全能細胞または多能性細胞、分裂細胞または非分裂細胞であり得る。細胞はまた、配偶子または胚、幹細胞または完全に分化した細胞から得られてもよく、またはそれを含んでもよい。ある特定の態様内で、用語「細胞」は、本開示の1つ以上のdsRNA分子を含むヒト細胞のような哺乳類細胞を特に指す。特定の態様では、細胞は、結果として標的核酸のRNA干渉をもたらす、dsRNAまたはdsRNA含有分子を有し、RNAiに対して必要とされるタンパク質及びタンパク質複合体、例えば、Dicer及びRISCを含む。
「RNA」は、少なくとも1つの、好ましくは少なくとも4、8及び12のリボヌクレオチド残基を含有する分子を意味する。少なくとも4、8または12のRNA残基は近接してもよい。「リボヌクレオチド」は、β-D-リボフラノース部分の2’位でヒドロキシル基を持つヌクレオチドを意味する。本用語には、二本鎖RNA、一本鎖RNA、部分的に精製したRNAのようなRNA、本質的に純粋なRNA、合成RNA、組換え体産出RNA、並びに1つ以上のヌクレオチドの添加、欠損、置換及び/または変質によって天然に存在するRNAとは異なる変質RNAが含まれる。このような変質には、例えば、RNAのうち1つ以上のヌクレオチドでの、dsRNAの末端(複数可)または内部などへの非ヌクレオチド物質の添加が含まれる。本発明のRNA分子中のヌクレオチドはまた、天然に存在しないヌクレオチドまたは化学的に合成されたヌクレオチドもしくはデオキシヌクレオチドのような、非標準ヌクレオチドも含み得る。これらの変質RNAは、類似体または天然に存在するRNAの類似体と呼ばれることができる。
ある特定の実施形態では、本発明のRNAi剤(例えば、dsRNA)は、「単離された」RNAi剤であってもよく、これは、RNAi剤を自然環境から単離する(除去及び/または精製する)ことを意味する。
いくつかの実施形態では、本発明RNAi剤(例えば、dsRNA)は、「合成」RNAi剤であってもよい。用語「合成」または「非天然」は、(i)機械を用いて合成した、または(ii)RNAi剤を天然に産生する細胞または生命体由来ではないRNAi剤(例えば、本開示のdsRNA)を指す。
「対象」は、外植された細胞のドナーもしくはレシピエントまたはこれらの細胞自体である、生命体を意味する。「対象」はまた、本発明のdsRNA剤を投与可能な生命体を指す。対象は、ヒトまたはヒト細胞を含む、哺乳類または哺乳類細胞であり得る。
語句「薬学的に許容可能な担体」は、治療薬剤の投与のための担体を指す。例示的な担体には、生理食塩水、緩衝食塩水、デキストロース、水、グリセロール、エタノール及びこれらの組み合わせが含まれる。経口で投与される薬物に関する薬学的に許容可能な担体には、限定するものではないが、不活性希釈液、崩壊剤、結合剤、潤滑剤、甘味剤、香味料、着色料及び保存料などのような、薬学的に許容可能な賦形剤が含まれる。好適な不活性希釈液には、炭酸ナトリウム及びカルシウム、リン酸ナトリウム及びカルシウム並びにラクトースが含まれ、トウモロコシデンプン及びアルギン酸が好適な崩壊剤である。結合剤には、デンプン及びゼラチンが含まれてよく、潤滑剤は存在するのであれば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸またはタルクが一般的である。望ましい場合、胃腸管での吸収を遅延させるために、錠剤をモノステアリン酸グリセリルまたはジステアリン酸グリセリルのような物質で被覆してもよい。開示されたdsRNA組成物の薬学的に許容可能な担体は、リポソーム、カプシド、カプソイド、ポリマー性ナノカプセルまたはポリマー性ミクロカプセルのようなミセル構造であってもよい。
ポリマー性ナノカプセルまたはマイクロカプセルは、カプセル封入または結合したdsRNAの細胞内への伝達及び放出を促進する。これらには、特に、ポリブチルシアノアクリレートを含む、ポリマー性及び単量体物質が含まれる。物質及び製造法の要約が公開されている(Kreuter,1991を参照されたい)。ポリマー化/ナノ粒子産出段階で単量体及び/またはオリゴマー前駆体から形成されるポリマー性物質は、ナノ粒子を製造する分野の当業者が通常の技術にしたがって好適に選択してもよいポリマー性物質の分子量及び分子量分布であるため、先行技術からそれ自体が公知である。
用語「インビトロ」は、その業界で認識された意味を持ち、例えば、精製された試薬または抽出物、例えば、細胞抽出物を含む。用語「インビボ」はまた、その業界で認識された意味を持ち、例えば、生細胞を含み、例えば、不死化細胞、初代細胞、細胞株及び/または生命体内の細胞を含む。
本明細書で使用するところの「治療」または「治療すること」は、治療薬剤(例えば、dsRNA剤またはそれをコードしているベクターもしくは導入遺伝子)を、疾患もしくは障害、または疾患もしくは障害の症状を治癒、治す、緩和、軽減、変化、治療、改善、改良または影響する目的で、障害を持つ患者への適用もしくは投与、または治療薬剤の患者由来の単離した組織または細胞株への適用もしくは投与として定義される。用語「治療」または「治療する」はまた、予防的に薬剤を投与する文脈でも本明細書で使用される。用語「有効用量(effective dose)」または「有効用量(effective dosage)」は、望ましい効果を達成するか、または少なくとも部分的に達成するための十分な量として定義される。用語「治療上有効用量」は、疾患をすでに患っている患者における疾患またはその合併症を治癒する、または少なくとも部分的に停止させるのに十分な量として定義される。用語「患者」には、予防的治療または治療的治療のいずれかを受けるヒト及び他の哺乳類対象が含まれる。
本明細書で使用するところの「新生物」は、異常に増殖する細胞及び/または組織が存在するヒトまたは動物の病態を意味する。新生物状態としては、癌、肉腫、腫瘍、白血病、リンパ腫などが挙げられるが、これらに限定はされない。新生物状態は、新生物に関する病態を指す。肝細胞癌、大腸癌(例えば、結腸癌)、肺癌、及び卵巣癌は、新生物状態の(非限定)例である。
対象中の「癌」は、無制限増殖、不死、転移の可能性、急速成長、及び増殖速度、及びある特定の特性の形態的特徴などの、癌を引き起こす細胞に特有の特性を有する細胞の存在を指す。癌細胞は、腫瘍の形態であることが多いが、そのような細胞は、対象内にのみ存在してもよく、または白血病細胞などの非腫瘍形成性癌細胞であってもよい。癌の例としては、肝臓癌、結腸癌、大腸癌、乳癌、黒色腫、副腎癌、胆管癌、膀胱癌、脳または中枢神経系の癌、気管支癌、芽細胞腫、癌腫、軟骨肉腫、口腔または咽頭の癌、子宮頸癌、食道癌、消化器癌、神経膠芽腫、ヘパトーマ、腎臓癌、白血病、肝臓癌、肺癌、リンパ腫、非小細胞肺癌、骨肉腫、卵巣癌、膵臓癌、末梢神経系の癌、前立腺癌、肉腫、唾液腺癌、小腸または虫垂癌、小細胞肺癌、扁平上皮癌、胃癌、精巣癌、甲状腺癌、膀胱癌、子宮または子宮内膜癌、及び外陰癌が挙げられるが、これらに限定はされない。
本明細書で使用するところの用語「腫瘍」は、新生物の無制限細胞増殖によって特徴付けられ、かつ血管新生脈管構造を含むことによって少なくとも一部が特徴付けられる形質転換された細胞の塊を意味する。異常な新生物の細胞増殖は、急速であり、新たな増殖を開始した刺激が無くなった後でさえ継続する。用語「腫瘍」は、腫瘍実質細胞、並びに支持間質、例えば、腫瘍実質細胞塊に浸潤する血管新生血管を含むように広く使用される。腫瘍は、一般的に、悪性腫瘍、すなわち、転移する能力を有する癌(すなわち、転移性腫瘍)であるが、腫瘍は、非悪性(すなわち、非転移性腫瘍)でもあり得る。腫瘍は、癌、腫瘍性疾患の顕著な特徴であり、その自然経過は致命的である。癌細胞は、浸潤及び転移の特性を示し、非常に退形成性である。
本発明の種々の方法には、本明細書で「適切な対照」を互換的に指す、「好適な対照」に対して、値、レベル、特徴、特性、性質などを比較することを含む少なくとも1つの段階が含まれる。「好適な対照」または「適切な対照」は、比較の目的のために有用な、当業者によく知られた対照または標準である。1つの実施形態では、「好適な対照」または「適切な対照」は、本明細書で記述したような、RNAi法を実施する前に決定される、値、レベル、特徴、特性、性質などである。例えば、転写率、mRNAレベル、翻訳率、タンパク質レベル、生物学的活性、細胞特性または性質、遺伝子型、表現型などを、本発明のRNAサイレンシング剤(例えば、DsiRNA)を細胞または生命体内に導入する前に決定可能である。別の実施形態では、「好適な対照」または「適切な対照」は、細胞または生物内で決定される値、レベル、特徴、特性、性質などであり、例えば、正常な特質を示している対照または正常細胞または生命体である。さらなる別の実施形態では、「好適な対照」または「適切な対照」は、あらかじめ定義された値、レベル、特徴、特性、性質などである。
RNAi標的としての乳酸デヒドロゲナーゼ
1型原発性高シュウ酸尿症(PH1)
原発性高シュウ酸尿症は、シュウ酸塩の排泄の増加をもたらし、シュウ酸塩石が共通である。これらの一般的な状態におけるシュウ酸塩は、栄養源由来であり、または吸収不良に続発する。一方で、原発性高シュウ酸尿症は、遺伝性の遺伝子欠損から得られる代謝欠陥に起因する特定の型の高シュウ酸尿症を指す。PH1は、セリン-ピルビン酸アミノトランスフェラーゼ(ヒト中では、AGXT遺伝子によってコードされる酵素)の代謝欠陥に関する原発性高シュウ酸尿症の形態を指す。高シュウ酸尿症の型には、2型原発性(GRHPR関連)、3型原発性(DHDPSL関連)、及び特発性形態の高シュウ酸尿症が含まれる。
体内におけるシュウ酸塩の蓄積は、シュウ酸塩の排泄の増加を引き起こし、次いで腎結石及び膀胱結石をもたらす。結石は、尿路閉塞(重篤及び急性疼痛を伴うことが多い)、尿の二次感染、最終的には腎損傷を引き起こす。
原発性高シュウ酸尿症におけるシュウ酸塩石は、重篤になりやすく、比較的早期の腎損傷(例えば、十代から成人初期に発症)をもたらし、シュウ酸塩の排泄を損ない、体内におけるシュウ酸塩の蓄積のさらなる加速をもたらす。
腎不全の発症後、患者は、骨、関節、及び骨髄にシュウ酸塩を蓄積させる場合がある。深刻な場合には、貧血及び血小板減少症などの血液学的問題を発症することがある。体内におけるシュウ酸塩の堆積は、尿中のシュウ酸塩を指す「シュウ酸塩尿」と区別するために「シュウ酸症」と呼ばれることもある。
腎不全は、それ自体で治療を必要とする重篤な合併症である。透析は、腎不全を制御できるが、過剰なシュウ酸塩に対処するには不十分になりやすい。腎移植は、より効果的であり、これは、重篤な高シュウ酸尿症の一次治療である。肝移植(多くの場合に腎移植に加えて)は、代謝欠陥を矯正することで疾患を制御できる場合がある。
1型原発性高シュウ酸尿症を持つ患者の割合では、ピリドキシン治療(ビタミンB6)は、シュウ酸塩の排泄を減少させ、腎結石形成も予防する場合がある。
乳酸デヒドロゲナーゼは、グリオキシル酸塩をシュウ酸塩及びグリコール酸塩に変換するジスムターゼとして作用することが知られている(図2を参照されたい)。理論に束縛されるものではないが、シュウ酸塩の蓄積がPH1を引き起こすことが同定されているため、シュウ酸塩を産生する酵素の阻害は、PH1を治療するための治療戦略を表す。最終酵素は、肝臓のシュウ酸塩合成経路内で作用しているため、LDHは、特に、PH1の治療または予防のためのLNP送達DsiRNAなどの肝臓標的dsRNAに対して魅力的な標的を表す。
2型及び3型原発性(PH2及びPH3)、及び特発性過シュウ酸尿症
LHDは、シュウ酸塩蓄積をもたらす代謝障害を標的とする魅力的な薬物療法である。理論に束縛されるものではないが、PH1及びPH2は、それぞれ、アラニン:グリオキシル酸塩-アミノトランスフェラーゼ(AGT)(Danpure and Jennings,FEBS Lett 1986;201:20-24)及びグリオキシル酸レダクターゼ/ヒドロキシピルビン酸レダクターゼ(GRHPR)(Nephrol.Dial.Transplant.(1995)10(supp8):58-60)の欠損によって引き起こされるグリオキシル酸代謝の遺伝性障害として記載されている。これらの酵素の活性が無いかまたは低下した場合、LDHは、グリオキシル酸塩を過剰な量のシュウ酸塩に変換し得、シュウ酸塩は、分解せずに蓄積する。
HOGA1(以前は、DHDPSL)中の変異によって引き起こされるPH3は、最近同定された(Belostotsky et al Am J Hum Genet 2010;87:392-399)。PH3を持つ患者は、シュウ酸カルシウム結石疾患を若年期に経験することが多く、その50%は、5歳までに腎結石を呈している。稀な腎結石コンソーシアム原発性高シュウ酸尿症レジストリーからのデータは、PH3が公知の型のPHを持つ患者のおおよそ10%を示すことが示唆されている。全ての形態のPH疾患は、LDHにより触媒された反応であるグリオキシル酸塩からシュウ酸塩の過剰産生という共通の特徴を共有している。したがって、本明細書で記述されたdsNAなどのLDH阻害剤は、全ての公知の形態のPHを持つ患者、並びに特発性形態の高シュウ酸尿症を持つ患者に苦痛の軽減をもたらす。
腫瘍学
LHDAは、腫瘍の開始、維持、及び進行に必要であるため、癌療法に対する魅力的な標的でもある(Shi and Pinto,PLOS ONE January 2014,Volume 9,Issue 1,e86365;Le et al.Proc Natl Acad Sci USA 107:2037-2042)。LDHAの上方調節は、例えば、乳癌、リンパ腫、腎癌(腎細胞の癌腫瘍を含む)、遺伝性平滑筋腫症、膵臓癌、肝臓癌(肝細胞癌を含む)、及び他の形態の癌を含む、多くの癌型の特性である(Goldman RD et al.,Cancer Res 24:389-399.;Koukourakis MI,et al.,Br J Cancer 89:877-885.;Koukourakis MI,et al.,LJ Clin Oncol 24:4301-4308.;Kolev Y,et al.,Ann Surg Oncol 15:2336-2344.;Zhuang L,et al.,Mod Pathol 23:45-53)。
癌細胞は、好気性条件下であっても、解糖を優先的に受け、発酵が続き(Warburg O.London:Arnold Constable;1930;Hanahan and Weinberg Cell 144:646-674;Ward and Thompson,CB Cancer Cell 21:297-308;Warburg O,Science 124:269-270)、ピルビン酸塩の乳酸への変換についてはLDHAに依存している。遺伝性平滑筋腫症及び腎癌腫瘍は、LDHAを過剰発現し、LDHA阻害は、これらの細胞中のアポトーシスの増加をもたらすことが示された(Xie H,et al.,Mol Cancer Ther 2009;8(3))。LDHAの阻害は、癌細胞中の細胞生存も損なった(Billiard et al.,Cancer & Metabolism 2013,1:19)。LHDA阻害剤は、リンパ腫後退を誘発することも示された(Le et al.Proc Natl Acad Sci USA 107:2037-2042)。
LDHAは、骨格筋で主に発現され、赤血球細胞中には存在せず、解糖が義務的プロセスであるため、癌療法に対する魅力的な標的である。LDHA欠損症を有する個体は、激しい運動でミオグロビン尿症のみを示す(Kanno T,et al.,Clin Chim Acta 1988;173:89-98;Kanno T,et al.,Clin Chim Acta 1980;108:267-76)。また、LDHAまたはLDHBサブユニットが完全に欠けている個体は、溶血の明白な増加を示さない(Kanno T,et al.,Curr Top Biol Med Res 1983;7:131-50;Miwa S,et al.,Rinsho Byori 1971;19 Suppl:371)。したがって、LDHA阻害剤は、全身に送達した場合であっても、軽度の毒性しか示さない可能性が高く、より標的化した送達形態が、任意の観察された毒性をさらに軽減させると考えられる。
ピルビン酸デヒドロゲナーゼ欠損症
LHDAは、乳酸蓄積をもたらす代謝障害を標的とする魅力的な薬物療法である。ピルビン酸デヒドロゲナーゼ(PDH)欠損症(本明細書中で、ピルビン酸デヒドロゲナーゼ複合体欠損症とも呼ばれる)は、体内における乳酸の蓄積、及び種々の神経学的問題によって特徴付けられる。代謝形態は、血中乳酸濃度が10mmol/lをしばしば超える重篤な乳酸アシドーシスとして提示される。治療は、一般的に、全身の乳酸蓄積を反転させるかまたは最小限にすることを目的とする(Brown et al.,J Med Genet.31(11):875-879)。LDHAは、ピルビン酸塩の乳酸への変換に触媒作用を及ぼす;したがって、その活性を減少させることは、任意に、他の療法または専門的な食事を併用して、PDH患者に苦痛の軽減をもたらす可能性が高い。
慢性腎疾患
本発明のある特定の態様では、驚くべきことに、本発明の薬剤(例えば、RNAi剤)によるLDHAの標的化が、慢性腎疾患を有する対象に治療効果をもたらし得ることが同定された。理論に束縛されるものではないが、RNAiにより可能な肝臓に特異的な方法でLDHAをノックダウンすることは、LDH活性を失う有害な影響が比較的ない治療効果をもたらし得る可能性が高い。特に、さらに理論に束縛されるものではないが、例えば、LDHBによってもたらされる残留LDH活性により、肝臓におけるLDHAノックダウンが、有害な影響を及ぼさせないと考えられ、そうでなければ、肝臓の全てのLDH活性が排除された場合に考えられる。一方、RNAiが現在アクセスすることができない他の組織は、LDHAのRNAi媒介ノックダウンを施さないことで恩恵を得ると考えられる。
慢性腎疾患としても知られている慢性腎疾患(CKD)は、何カ月または何年もの期間にわたる腎機能の進行性消失である。腎機能を悪化させる症状は、具体的ではなく、一般的に体調不良を感じることや、食欲低下を経験することが含まれ得る。慢性腎疾患は、高血圧または糖尿病を有する人々、及びCKDを有する血縁を持つ人々などの腎臓に問題があるリスクが高いと知られている人々のスクリーニングの結果として診断されることが多い。この疾患は、心血管疾患、貧血、または心膜炎などの認識された合併症の1つを引き起こした場合に同定してもよい。腎機能の低下が3ヵ月間を超えて存在しなくてはならない点において、急性腎疾患とは区別される。
慢性腎疾患は、筋肉代謝の分解生成物であるクレアチニンの血液検査によって同定される。高レベルのクレアチニンは、低い糸球体濾過率を示し、その結果、廃棄物を排出する腎臓の能力が低下する。クレアチニンレベルは、早期のCKDでは正常な場合があり、この状態は、腎臓が尿中にタンパク質または赤血球細胞を喪失させていることを検尿(尿試料の検査)が示す場合に発見される。腎損傷の根本的な原因を徹底的に調査するため、種々の形態の医療画像、血液検査、時には腎生検(腎臓組織の少量試料を除去すること)を採用して、腎機能不全の可逆的な原因が存在するかどうかを突き止める。
近年のプロフェッショナルガイドラインは、CKDの重篤度を5つのステージに分類し、ステージ1は、最も軽度であり、通常はほとんどの症状を引き起こさず、ステージ5は、治療しなければ平均余命が僅かな重病である。ステージ5のCKDは、末期腎疾患、末期腎疾患、または末期腎不全と呼ばれることが多く、今や時代遅れの用語である慢性腎不全または慢性腎臓不全と概ね同義であり;通常は、患者が、透析の形態を伴い得るが、理想的には腎臓移植を構成する腎代替療法を必要とすることを意味する。
CKDの悪化を遅らせる治療は何もはっきりとしめされていない。血管炎または閉塞性腎症(腎臓の排水系の閉塞)などの、CKDの根本的な原因が判明した場合、損傷を遅らせるために直接治療してもよい。より進行したステージでは、貧血及び腎骨疾患(腎性骨異栄養症、二次性副甲状腺機能亢進症、または慢性腎疾患-ミネラル骨障害(CKD-MBD)とも呼ばれる)に対する治療が必要な場合がある。慢性腎疾患は、2013年には956,000名の死亡をもたらし、1990年の409,000名の死亡から増加している。
CKDは、初期には具体的な症状はなく、血清クレアチニンまたは尿中タンパク質の増加としてしか一般的に検出されない。腎機能が低下すると:
-体液過剰、及びレニン-アンジオテンシン系を介して腎臓によって作製された血管作動性ホルモンの産生によって血圧が上昇し、高血圧症を発症するリスク、及び/またはうっ血性心不全を罹患するリスクが高まる。
-尿素の蓄積は、高窒素血症をもたらし、最終的には尿毒症に至る(症状は、無気力から心膜炎及び脳症までの範囲である)。高い全身循環により、尿素は、高濃度でエクリン汗中で排泄され、汗が蒸発すると皮膚の上で結晶化する(「結晶性尿汗症」)。
-血中のカリウム蓄積(高カリウム血症は、違和感、及び命に関わる可能性のある心不整脈を含む範囲の症状を有する)。高カリウム血症は、通常、糸球体濾過率が20~25ml/分/1.73m2未満に低下するまで発症せず、その時点で、腎臓はカリウムを排泄する能力が低下する。CKDにおける高カリウム血症は、酸血症(これは、カリウムの細胞外シフトをもたらす)、及びインシュリンの欠如によって悪化し得る。
-エリスロポエチン合成の減少は、貧血を引き起こす。
-流体体積過負荷の症状は、軽度の浮腫から命を脅かす肺水腫にわたる場合がある。
-リン酸排泄の低下による高リン血症は、糸球体濾過の減少を伴う。高リン血症は、心血管リスクの増加と関連し、血管石灰化への直接刺激である。
-1,25-ジヒドロキシビタミンD3欠損による低カルシウム血症は、線維芽細胞増殖因子-23の刺激によって引き起こされる。骨細胞は、FGF23の産生の増加を担い、FGF23は、1-α-ヒドロキシラーゼ酵素(25-ヒドロキシコレカルシフェロールの1,25-ジヒドロキシビタミンD3への変換を担う)の強力な阻害剤である。その後、これは、二次性副甲状腺機能亢進症、腎性骨異栄養症、及び血管石灰化に進行し、心機能をさらに損傷させる。
-代謝性アシドーシス(硫酸塩、リン酸塩、尿酸などの蓄積による)は、酵素に作用する過剰な酸による酵素活性の変化;過剰な酸(酸血症)による高カリウム血症の促進による心膜及び神経細胞膜の興奮性の増加を引き起こし得る。アシドーシスは、近位尿細管の細胞から十分なアンモニアを生成する能力の低下にもよる。
-鉄欠乏性貧血は、腎機能が低下するにつれて罹患率が高まり、特に、血液透析を必要とする腎機能低下で流行する。多因子が原因であるが、炎症の増加、エリスロポエチンの減少、及び骨髄抑制をもたらす高尿酸血症が含まれる。
CKDを有する人々は、加速アテローム性動脈硬化症に悩まされ、一般集団よりも心血管疾患を発症する可能性が高い。CKD及び心血管疾患に罹患した患者は、心血管疾患のみに苦しんでいる患者よりも予後が著しく悪い傾向がある。
性的機能不全は、CKDを有する男性及び女性の両方によく見られる。大多数の男性は、性的欲求の低下、勃起困難、及びオーガズムへの到達困難を有し、それらの問題は、年齢とともに悪化する。大多数の女性は、性的興奮の悩み、及び痛みを伴う月経を有し、セックスを行って楽しむという問題は一般的である。
CKDの診断は、血清クレアチニンレベル(上記を参照されたい)の測定と組み合わせた臨床像に主に基づいている。多くのCKD患者では、既往の腎疾患または他の基礎疾患はすでに知られている。かなりの数は、原因不明のCKDを呈する。これらの患者では、原因を遡及的に同定することが時にはある。
急性腎障害(AKI)は可逆的であり得るため、CKDをAKIと区別することは重要である。腎臓の大きさを測定する腹部超音波が一般的に行われる。CKDを有する腎臓は、正常な腎臓よりも通常小さい(≦9cm)が、早期の糖尿病性腎症及び多発性嚢胞腎疾患などのような注目すべき例外がある。CKDをAKIと区別するのに役立つ別の診断の手掛かりは、血清クレアチニンの急増(数日から数週間)とは反対に血清クレアチニンの緩やかな上昇(数か月または数年にわたる)である。これらのレベルが入手できない場合(患者が良くなっており、何の血液検査もしていないため)、腎機能障害が不可逆的であると確立されるまでは、AKIを有するものとして患者を簡単に治療することが時折必要である。
追加試験には、血流を確認し、2つの腎臓間の差動機能を確立するために、核医学のMAG3スキャンを含んでもよい。ジメルカプトコハク酸(DMSA)スキャンも腎イメージングで使用され;使用しているMAG3及びDMSAの両方は、放射性元素であるテクネチウム-99とキレートされる。
CKDでは、多数の尿毒症毒素が血中に蓄積する。ESKD(CKD5とほぼ同義)を透析で治療した場合であっても、透析がそれほど効果的ではないため、毒素レベルは、正常に戻らない。同様に、腎移植後、移植された腎臓が100%機能しない場合があるため、レベルは、正常に戻らない場合がある。正常に機能すれば、クレアチニンレベルは正常であることが多い。毒素は、血清中の種々の細胞傷害活性を示し、異なる分子量を有し、それらのいくつかは、他のタンパク質、主にアルブミンに結合する。そのような毒性タンパク質が結合した物質は、現在使われている標準の慢性透析手順の改善に興味のある科学者の注目を集めている。
CKDの症状もリスク因子もない人々をスクリーニングすることは推奨されない。スクリーニングすべき人々には、高血圧症または心血管疾患の既往歴を持つ人々、糖尿病または著しい肥満の人々、60歳を超える年齢の人々、生来の人種的起源を持つ対象、過去に腎疾患の既往歴がある人々、及び透析を必要とする腎疾患を罹患した親族を持つ対象が含まれる。スクリーニングには、血清クレアチニンレベルから推定GFRの算出、及び朝一の尿検体中の尿中アルブミン/クレアチニン比(ACR)の測定(これは、尿中のアルブミンと呼ばれるタンパク質の量を反映している)、血尿の尿中ディップスティックスクリーニングが含まれるべきである。GFR(糸球体濾過率)は、血清クレアチニン由来であり、1/クレアチニンに比例しており、すなわち、相互関係にある(クレアチニンが高いほど、GFRは低くなる)。これは、糸球体(濾過ユニット)がどう効率的に機能しているかという腎機能の1つの側面を反映している。しかし、それらは腎臓の質量の5%未満しか占めないため、GFRは、腎臓の健康及び機能の全ての側面について教えてくれるわけではない。これは、GFRレベルを患者(特に、流体状態)の臨床評価を組み合わせて、ヘモグロビン、カリウム、リン酸塩、及び副甲状腺ホルモン(PTH)のレベルを測定することによって行うことができる。正常なGFRは、90~120ml/分である。クレアチニンの単位は、国によって異なる。
腎臓専門医に紹介するためのガイドラインは、国家間で異なる。腎臓医への紹介は、ステージ4のCKDで必要とされる(eGFR/1.73m2が、30ml/分未満である;または3ml/分/年以上減少している場合)とほとんどが同意するであろうが、尿中アルブミン/クレアチニン比が30mg/mmolを超える場合、血圧が制御困難な場合、または血尿または他の調査結果が原発性糸球体障害または特定の治療に従順な二次疾患のいずれかを示唆した場合などのより早期のステージ(例えば、CKD3)で有用であり得る。早期の腎臓医への紹介の他の利点には、腎代替療法並びに先行的移植の選択肢、タイムリーな精密検査、将来の血液透析を選択する患者における動静脈瘻の配置に関する適切な患者指導が含まれる。
糸球体濾過率(GFR)が3ヵ月間60ml/分/1.73m2未満である全ての個体は、腎損傷の有無に関係なく慢性腎疾患を有するものとして分類される。これらの個体を含める根拠は、腎機能がこのレベル以下に低下したことは、成人レベルの正常な腎機能の半分以上が失われたことを表し、心血管疾患の発症などの多くの合併症と関連付けられ得る。
尿中のタンパク質の損失は、腎機能及び心血管疾患の悪化に対する独立したマーカーとして見なされる。そのため、タンパク質の損失が著しい場合、英国ガイドラインは、慢性腎疾患のステージに「P」の文字を付け加える。
ステージ1
僅かに減少した機能;正常または比較的高いGFR(≧90ml/分/1.73m2)を持つ腎損傷。腎損傷は、病理学的な異常として、または血液中もしくは尿検査もしくは画像診断での異常を含む損傷のマーカーとして定義される。
ステージ2
腎損傷がある状態でのGFRの軽度の減少(60~89ml/分/1.73m2)。腎損傷は、病理学的な異常として、または血液中もしくは尿検査もしくはイメージング研究の異常を含む損傷のマーカーとして定義される。
ステージ3
GFRの中程度の減少(30~59ml/分/1.73m2)。英国ガイドラインは、スクリーニング及び紹介の目的のために、ステージ3A(GFR45~59)とステージ3B(GFR30~44)に区別している。
ステージ4
GFRの深刻な減少(15~29ml/分/1.73m2)。腎代替療法を準備。
ステージ5
確定された腎不全(GFR<15ml/分/1.73m2)、永続的な腎代替療法、または末期腎疾患。
用語「非透析依存性CKD(NDD-CKD)」は、腎代替療法(維持透析または腎移植を含むRRT)として知られる腎不全の生命維持治療をまだ必要としない、確定されたCKDを有する人々の状態を包含するために使用する呼称である。2種類の腎代替療法(透析または移植)のいずれかを必要とするCKDを有する個体の状態は、末期腎疾患(ESRD)と呼ばれる。従って、ESRDの開始は、NDD-CKDを事実的に不可逆に結論づけるものである。NDD-CKD状態は、より早期のCKD(ステージ1~4)を有する人々の状態を指すが、腎代替療法をまだ開始していない、進行期のCKD(ステージ5)を持つ患者は、NDD-CKDとも呼ばれる。
CKDの存在は、心血管疾患の顕著に増加したリスクを与え、CKDを持つ人々は、高い血中脂質などの心疾患の他のリスク因子を持つことが多い。CKDを持つ人々の死の最も一般的な原因は、腎不全よりも心血管疾患である。高脂血症の積極的な治療は保証されている。
他のリスク因子を制御することとは別に、治療の目標は、CKDのステージ5への進行を遅らせるかまたは停止させることである。血圧の制御、及び原因となる疾患の治療は、実現可能な場合はいつでも、管理の広範な原則である。一般的に、アンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACEI)またはアンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)は、尿中タンパク質のレベルが増加した疾患の形態でCKDの進行を遅らせることがわかっているため使用される。ACE阻害剤及びARBの使用は、CKDを持つ人々に対する現在の標準治療を表すが、これらの従来の方法で治療した人々の推定GFR(K/DOQIガイドラインに詳述してあるように、CKD進行の正確な測定)が時間の経過とともに減少したことが報告されたIDNT及びRENAL研究で見られるように、人々は、これらの薬物治療中に腎機能を徐々に失う。
腎臓によって処理される2つのホルモンであるエリスロポエチン及びカルシトリオールの交換は、進行した疾患を持つ人々で必要とされることが多い。ガイドラインは、エリスロポエチンによる治療前に非経口鉄での治療を推奨している。9~12g/dlの標的ヘモグロビンレベルが推奨される。ヘモグロビンの正常化が、有益であるかは判明していない。アンドロゲンが貧血に役立つかは不明である。また、リン酸塩結合剤は、進行した慢性腎疾患では通常上昇している血清リン酸塩レベルを制御するために使用される。これらの証拠は限定されているが、ホスホジエステラーゼ-5阻害剤及び亜鉛は、性的機能不全を持つ男性に役立つ可能性を示している。
ステージ5のCKDで、腎代替療法は、通常、透析または移植のいずれかの形態で必要とされる。
慢性腎疾患を持つ患者の予後は、疫学データとして保護され、腎機能が減少すると全死因死亡(全体の死亡率)が増えることが示されている。慢性腎疾患を持つ患者の主な死亡原因は、ステージ5に進行しているかどうかにかかわらず心血管疾患である。
腎代替療法は、患者を無期限に維持し、寿命を延ばすことができるが、生活の質に深刻な影響を及ぼす。腎移植は、他の治療選択肢と比較した場合に、ステージ5のCKDを持つ患者の生存率を著しく増加させるが、手術の合併症による短期の死亡率の増加に関連している。移植とは別に、高強度の家庭血液透析は、従来の週3回の血液透析及び腹膜透析と比較した場合に、生存率の改善及びより良い生活の質と関連していると思われる。
ESKDを持つ患者は、癌の全体的なリスクが高い。このリスクは、若い患者でとりわけ高く、年齢とともに徐々に減少する。医療専門の専門家組織は、ESKDによる限られた余命の患者にルーチンの癌スクリーニングを医師が行わないことを推奨しており、これは、そのような検査が患者の転帰の改善をもたらすことを証拠は示していないためである。
慢性腎疾患は、1990年の409,000名の死亡から増加して、2013年には956,000名の死亡をもたらした。
カナダでは、190~230万人の人々がCKDを有する。[23]米国では、疾病管理予防センターによって、CKDが1999年から2004年の間に20歳以上の成人の推定16.8%に影響を及ぼしたことが判明した。英国の推定では、グレートブリテン及び北アイルランドの人口の8.8%が症候性のCKDを持つことが示唆されている。
CKDは、主に高血圧症の有病率の増加により、アフリカ系アメリカ人の主要な関心事である。一例として、アフリカ系アメリカ人におけるESKDケースの37%は、白人のうちの19%と比較して、高血圧に起因し得る。治療の有効性も人種集団間で異なる。抗高血圧症薬の投与は、一般的に、白人では疾患の進行を停止させるが、黒人では腎疾患を減速させる効果はほとんどなく、重炭酸塩療法などのさらなる治療を必要とすることが多い。社会経済的地位の低さはCKDの有病率に寄与するが、環境因子を制御した場合には、アフリカ系アメリカ人と白人の間のCKD有病率の有意差はそれでも明らかである。研究は、一等親または二等親の慢性腎疾患の既往歴と疾患のリスクの間には真の関連性を示している。さらに、アフリカ系アメリカ人は、ヒト白血球抗原(HLA)の高い血清レベルを有し得る。高いHLA濃度は、全身性炎症の増加に寄与することがあり、腎疾患の発症しやすさを間接的に高めることがある。アフリカ系アメリカ人の群のうち血圧における夜行性減少の欠如は、CKD人種的格差の遺伝的病因にさらなる信用を与える説明としても提供される。
メソアメリカ腎症と呼ばれる、発生率が高くていまだ原因不明のCKDが、中米、主に、エルサルバドル及びニカラグアの低地のサトウキビ畑における男性労働者の間で注目されている。高い平均温度(96°Fの範囲)での長時間の出来高払いの作業による熱ストレスが、農薬及び他の因子と同様に疑われている。スリランカでは、病因不明のCKDの別の伝染病が、深刻な公衆衛生上の懸念になっている。
現在、いくつかの化合物が、CKDのために開発中である。これらには、バルドキソロンメチル、オルメサルタンメドキソミル、スロデキシド、及びアボセンタンが含まれる。本明細書に記載の薬剤は、例えば、慢性腎疾患を治療するために単独でもしくはそのような療法と併用して使用できることが考慮される。
上述の疾患及び/または障害は、LDHAノックダウンの標的として本明細書で具体的に同定されるが、全身性であるかまたは、例えば、肝臓及び/または新生物組織(例えば、筋肉組織をも含む)以外の組織に対して選択的であるかのいずれかであるLDHAノックダウンは、正確な患者集団(複数可)内に治療上の恩恵を発揮し得ることも企図する。したがって、全身的かまたは、LNPに最もアクセス可能な組織(肝臓、膵臓、腎臓、新生物、及び/または血液組織など)以外の組織に優先的に標的にする方法で本発明の薬剤の送達も企図する。したがって、本発明のLDHAノックダウン剤は、肺、脳、リンパ、筋肉などの組織を任意に標的とすることができる。
例示のdsNA構造
本発明のある特定の態様では、細胞及び/または対象中のLDHA標的をノックダウンするためにdsNA構造を採用する。例示的なdsNA構造としては、以下のものが挙げられる:
本発明のある特定の実施形態では、例えば、US2011/0288147に記載されているような、テトラループ及び修飾ヌクレオチド含有dsNAが企図される。そのようなある実施形態では、本発明のdsNAは、第1の鎖及び第2の鎖を有し、第1の鎖及び第2の鎖が19~25の長さのヌクレオチドの二本鎖領域を形成し、第1の鎖が、第1の鎖-第2の鎖の二本鎖領域を超えて伸長する3’領域を含み、一連の結合ヌクレオチド、任意にテトラループを含み、dsNAが第1の鎖の3’末端と第2の鎖の5’末端との間に不連続性を含む。任意に、不連続性は、テトラループ含有dsNAの予想されるdicer開裂部位に位置する。
いくつかの実施形態では、本発明のDsiRNAは、本発明のdsNA、例えば、DNA:DNA伸長DsiRNA剤のセンス鎖及びアンチセンス鎖を連結する結合部分またはドメインをさらに含む。任意に、このような結合部分ドメインは、センス鎖の3’末端と、アンチセンス鎖の5’末端とを連結する。結合部分は、オリゴメチレンジオールリンカー、オリゴエチレングリコールリンカー、または他の当該技術分野で認識されるリンカー部分のような、化学的(非ヌクレオチド)リンカーであってもよい。あるいは、リンカーは、任意に伸長ループ及び/またはテトラループを含む、ヌクレオチドリンカーであり得る。
本発明の1つの実施形態では、本発明のDsiRNA分子の各オリゴヌクレオチドは、独立して19~80の長さのヌクレオチド、特定の実施形態では、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79または80以上の長さのヌクレオチドである。30の長さのヌクレオチドを超える鎖を有するdsNAに関して、使用可能な構造としては、1つの鎖のみが30の長さのヌクレオチドを超えるようなもの(例えば、US8,349,809を参照されたい、ここで、例示的な二本鎖核酸は、5’末端及び3’末端を有する第1のオリゴヌクレオチド鎖並びに5’末端及び3’末端を有する第2のオリゴヌクレオチド鎖を有し、5’末端の各々が5’末端ヌクレオチドを有し、3’末端の各々が3’末端ヌクレオチドを有し、第1の鎖が15~30の長さのヌクレオチド残基であり、5’末端ヌクレオチド(位置1)から開始して、第1の鎖の位置1~15が、少なくとも8のリボヌクレオチドを含み;第2の鎖が36~80の長さのヌクレオチド残基であり、3’末端ヌクレオチドから開始して、二本鎖を形成するために第1の鎖の位置1~15と対を形成する位置に少なくとも8のリボヌクレオチドを含み;第2の鎖の少なくとも3’末端ヌクレオチドが第1の鎖と対になっておらず、最大6の連続した3’末端ヌクレオチドが第1の鎖と対になっておらず、それによって1~6ヌクレオチドの3’一本鎖オーバーハングを形成し;第2の鎖の5’末端が、第1の鎖と対になっていない5~64の連続したヌクレオチドを含み、それによって5~64ヌクレオチドの一本鎖5’オーバーハングを形成し;第1の鎖及び第2の鎖が最大の相補性でアライメントされる場合、少なくとも第1の鎖の5’末端及び3’末端ヌクレオチドが、第2の鎖のヌクレオチドと塩基対を形成し、それによって第1の鎖と第2の鎖との間で実質的に二本鎖の領域を形成し;第2の鎖が、二本鎖核酸が哺乳類細胞内に導入される際に標的遺伝子発現を低減するように、第2の鎖のうち少なくとも19の長さのリボヌクレオチドに沿って標的RNAと十分に相補的である)が挙げられる。
本発明のdsNA構造の別の例示的な実施形態では、第1の鎖は、二本鎖形成を可能にする第1の鎖と第2の鎖との間で十分に相補的である二本鎖領域に隣接する、5~61の長さのヌクレオチドの5’オーバーハング領域を有し、第1の鎖の3’末端及び第2の鎖の5’末端は、平滑構造を形成するかまたは(例えば、1~6の長さのヌクレオチドの)第1の鎖の第2の鎖5’オーバーハングを形成し、第2の鎖は、哺乳類細胞内に導入される際にLDHAのノックダウンに効果をもたらすように標的LDHA転写産物に十分に相補的である少なくとも19ヌクレオチドの配列を含む。
RNAi療法が、とりわけ肝臓におけるLDHレベルの減少が分子レベルで治療的またはそれ以外に有利であると証明できるPH1、PH2、PH3、特発性過シュウ酸尿症、ピルビン酸デヒドロゲナーゼ欠損、慢性腎疾患、癌、及び他の状態、疾患もしくは障害を治療するための魅力的な標的手段を提供するために新たに明らかにされる。本明細書で具体的に例示されるdsRNAなどのRNAi療法は、(例えば、脂質ナノ粒子及び/またはダイナミックポリコンジュゲートまたはGalNAcコンジュゲートなどのコンジュゲートを介して)インビボで肝臓の細胞に送達するために特に優れた能力が実証されていることに留意されたい。ある特定の例示的な実施形態では、GalNAcは、dsNAの3’及び/または5’オーバーハング領域、任意に、dsNAの「伸長」オーバーハング領域(例えば、そのようなオーバーハングの例として5以上ヌクレオチド、8以上ヌクレオチドなど)にコンジュゲートすることができ;さらに、及び/またはあるいは、GalNAcは、dsNAのds伸長領域(例えば、dsNAのガイド/アンチセンス鎖の5’末端領域及びdsNAのパッセンジャー/センス鎖の対応する3’末端領域によって形成された二本鎖領域、及び/またはdsNAのガイド/アンチセンス鎖の3’末端領域及びdsNAのパッセンジャー/センス鎖の対応する5’末端領域によって形成された二本鎖領域)にコンジュゲートすることができる。したがって、本明細書で記述されたものなどの配合RNAi療法は、肝臓に存在する、に由来する、またはそれ以外に肝臓に関わる疾患もしくは障害(例えば、PH1、シュウ酸塩蓄積及び/または他の乳酸デヒドロゲナーゼ関連疾患もしくは障害)を治療または予防するための魅力的なモダリティである。
本発明の多くの実施形態は、抗乳酸デヒドロゲナーゼdsRNAの肝臓標的送達を対象としているが、他の組織中の分子レベルで乳酸デヒドロゲナーゼを標的にするためのRNAi療法の使用も企図する。
本発明のdsRNA剤は、当該技術分野で公知の送達ビヒクル、例えば、脂質ナノ粒子(LNP)中で配合される際に、他の臓器の細胞よりも容易に肝臓細胞を標的とすることが知られている。この効果は、LDHを肝臓特異的に標的している間に、非肝臓細胞中で乳酸デヒドロゲナーゼ欠損の誘導を回避することによって治療上の利点に使用することができる。乳酸デヒドロゲナーゼ欠損は、どのように身体が糖を壊して、細胞、主に、筋肉細胞中のエネルギーとして使用するのかに影響を及ぼす状態である。この状態には2種類が存在する:乳酸デヒドロゲナーゼA欠損症(糖原病XI型とも呼ばれる)及び乳酸デヒドロゲナーゼB欠損症である。乳酸デヒドロゲナーゼA欠損症を持つ人々は、運動中に疲労、筋肉痛、及び痙攣を経験する(運動不耐症)。乳酸デヒドロゲナーゼA欠損症を持つ人々によっては、高強度の運動または他の激しい活動は、筋肉組織の分解(横紋筋融解症)をもたらす。筋肉組織の破壊は、ミオグロビンと呼ばれるタンパク質を放出し、腎臓によって処理され、尿中に放出される(ミオグロビン尿症)。ミオグロビンは、尿を赤色または茶色に変色させる。このタンパク質は、腎臓を損傷することもあり、場合によっては、命を脅かす腎不全につながる。乳酸デヒドロゲナーゼA欠損症を持つ人々によっては、皮膚の発疹を発症する。乳酸デヒドロゲナーゼA欠損症を持つ個体間の兆候及び症状の重篤度は大きく変わる。乳酸デヒドロゲナーゼB欠損症を持つ人々は、典型的には、状態の兆候または症状のいずれも持たない。それらの人々は、身体的活動の困難、または状態に関する任意の具体的な身体的特徴を有さない。罹患した個体は、通常、定期的な血液検査により乳酸デヒドロゲナーゼ活性の低下が明らかになった場合にのみ発見される。
乳酸デヒドロゲナーゼcDNA及びポリペプチド配列
公知のヒト及びマウス乳酸デヒドロゲナーゼ(乳酸デヒドロゲナーゼAまたはLDHA)cDNA及びポリペプチド配列には、以下のもの:ヒト乳酸デヒドロゲナーゼNM_005566.3及び対応するヒト乳酸デヒドロゲナーゼポリペプチド配列GenBank受託番号第NP_005557.1号;及びマウス野生型乳酸デヒドロゲナーゼ配列GenBank受託番号第NM_001136069.2号(ハツカネズミC57BL/6 Ldha、転写産物バリアント2)及び対応するマウスLdhaポリペプチド配列GenBank受託番号第NP_001129541.2号が含まれる。哺乳類の乳酸デヒドロゲナーゼの他の形態には、LDHB(NM_002300.6及びNM_008492.2;NP_002291.1及びNP_032518.1)及びLDHC(NM_002301.4及びNM_013580.4;NP_002292.1及びNP_030698.1)が含まれる。場合によっては、治療上の利益のために、本発明のある特定のLDHA標的化核酸を、LDHのこれらのさらなる形態の1つ以上を標的とするために使用できることが企図される。さらに、及び/またはあるいは、場合によっては、さらなる治療上の利益のために、本発明のLDHA標的化核酸、及びLDHB及び/またはLDHCの1つ以上の阻害剤の両方を含む組み合わせ療法が企図される。
乳酸デヒドロゲナーゼレベルの評価
ある特定の実施形態では、乳酸デヒドロゲナーゼ標的配列のdsRNA媒介阻害を評価する。そのような実施形態では、乳酸デヒドロゲナーゼRNAレベルは、任意に、本発明の抗乳酸デヒドロゲナーゼdsRNAの不在に対するそのような抗乳酸デヒドロゲナーゼdsRNAの存在における乳酸デヒドロゲナーゼレベルの比較を介して、当該技術分野で認識される方法(例えば、RT-PCR、ノーザンブロット、発現アレイなど)によって評価することができる。ある特定の実施形態では、非関連標的RNAに対して指向したdsRNAの存在、または任意の治療の不在において、抗乳酸デヒドロゲナーゼdsRNAの存在における乳酸デヒドロゲナーゼレベルを、ビヒクルのみの存在において観察されたものと比較する。
乳酸デヒドロゲナーゼタンパク質のレベルを評価することができ、乳酸デヒドロゲナーゼタンパク質レベルは、異なる条件下で、乳酸デヒドロゲナーゼRNAレベルに直接または間接的のいずれかで、及び/またはdsRNAが乳酸デヒドロゲナーゼ発現を阻害する程度に関連し、したがって、乳酸デヒドロゲナーゼタンパク質レベル(例えば、ウエスタンブロット法、免疫沈降、他の抗体に基づく方法など)を評価する当該技術分野で認識される方法を採用して、本発明のdsRNAの阻害効果を調査することもできることも認識される。
ある特定の実施形態では、本発明のdsRNAの効力は、ある特定のレベルの標的遺伝子ノックダウンを達成するために必要な、標的細胞の細胞質中に存在するdsRNAのコピー数を参照して決定される。例えば、ある特定の実施形態では、強力なdsRNAは、1000またはそれ以下のRISC-ロードアンチセンス鎖のコピー数/細胞にて標的細胞の細胞質内に存在した場合に、標的mRNAの50%またはそれより大きなノックダウンを引き起こし得るものである。より好ましくは、強力なdsRNAは、500またはそれ以下のRISC-ロードアンチセンス鎖のコピー数/細胞にて標的細胞の細胞質内に存在した場合に、標的mRNAの50%またはそれより大きなノックダウンを引き起こし得るものである。任意に、強力なdsRNAは、300またはそれ以下のRISC-ロードアンチセンス鎖のコピー数/細胞にて標的細胞の細胞質内に存在した場合に、標的mRNAの50%またはそれより大きなノックダウンを引き起こし得るものである。
さらなる実施形態では、本発明のDsiRNAの効力は、同一の標的遺伝子内の同一の標的配列を指向した19~23マーのdsRNAに対する参照で定義可能である。例えば、相当する19~23マーのdsRNAに対して増強した効力を有する本発明のDsiRNAは、効力の差の検出を許容するのに十分低い濃度(例えば、本明細書で記述したようなインビトロアッセイ中、細胞の環境中1nMまたはそれ以下、細胞の環境中100pMまたはそれ以下、細胞の環境中10pMまたはそれ以下、細胞の環境中1nMまたはそれ以下のトランスフェクション濃度;とりわけ効力の差は、用量応答曲線を作成し、DsiRNA/dsRNAに関連したIC50値を同定する目的のための濃度範囲、例えば0.1pM~10nMにわたり、そのようなアッセイを実施することを介してもっともよく検出可能であることが認識される)にて、本明細書で記述したインビトロアッセイでアッセイした時に、相当する19~23マーのdsRNAと比較して、さらに5%以上、さらに10%以上、さらに20%以上、さらに30%以上、さらに40%以上、またはさらに50%以上標的遺伝子を減少させるDsiRNAであり得る。
ある特定の実施形態では、本発明の核酸は、核酸が哺乳類細胞内に導入される際に乳酸デヒドロゲナーゼ標的のmRNA発現を低減するように十分な量で投与される。例示的な実施形態では、乳酸デヒドロゲナーゼ標的mRNAの発現の減少は、本発明の乳酸デヒドロゲナーゼ標的化核酸を含まない適切な対照を投与した相当する哺乳類細胞と比較して、乳酸デヒドロゲナーゼ標的mRNAレベルを少なくとも5%以上、10%以上、20%以上、30%以上、40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、または90%以上減少させる場合に生じたと評価される。例示的な実施形態では、乳酸デヒドロゲナーゼ標的mRNAの発現の減少が適切な対照に対して生じたかどうかを決定するのに使用した哺乳類細胞は、HeLa細胞であり、本発明の乳酸デヒドロゲナーゼ標的化核酸は、本明細書で記述したようなインビトロアッセイ中、細胞の環境中1nMまたはそれ以下、細胞の環境中100pMまたはそれ以下、細胞の環境中10pMまたはそれ以下、細胞の環境中1nMまたはそれ以下の濃度でトランスフェクション(例えば、リポフェクタミン(登録商標)を使用)を介して任意に投与される。
乳酸デヒドロゲナーゼ阻害レベル及び/または乳酸デヒドロゲナーゼレベルは、間接的に評価してもよく、例えば、シュウ酸塩蓄積に関するPH1、及び/または関連表現型、及び/または他の表現型のレベルの減少の測定は、本発明の二本鎖核酸の乳酸デヒドロゲナーゼ阻害効果を示し得る。
乳酸デヒドロゲナーゼmRNAレベル及び発現の下方調節を評価するのに有用なモデル
治療薬剤を、選択した動物モデル(複数可)で試験可能である。例えば、本明細書で記述したようなdsRNA剤(またはそれをコードしている発現ベクターもしくは導入遺伝子)は、前記薬剤での治療の有効性、毒性または副作用を決定するために、動物モデルにて使用可能である。あるいは、薬剤(例えば、治療薬剤)を、このような薬剤の作用機序を決定するために、動物モデルにて使用可能である。
細胞培養
本発明のdsRNA剤を、インビボにて、例えば、以下の手順を用いて、開裂活性に対して試験可能である。本発明のdsRNA剤によって標的化された乳酸デヒドロゲナーゼcDNA内のヌクレオド配列を、上記の乳酸デヒドロゲナーゼ配列中に示す。
本発明のdsRNA試薬を、乳酸デヒドロゲナーゼRNA及び/または乳酸デヒドロゲナーゼタンパク質阻害の程度を決定するために、HeLaまたは他の哺乳類細胞(例えば、ヒト細胞株Hep3B、HepG2、DU145、Calu3、SW480、T84、PL45、Huh7など、及びマウス細胞株B16-F10、AML12、Neuro2aなど)を用いて、細胞培養液中で試験できる。ある特定の実施形態では、DsiRNA試薬(例えば、図1及び本明細書の他所に記載される例示的な構造を参照されたい)を、本明細書で記述したように、乳酸デヒドロゲナーゼ標的に対して選択する。乳酸デヒドロゲナーゼRNA阻害は、例えば、培養HeLa細胞、または培養液中の他の形質転換されたか、形質転換されていない哺乳類細胞への、好適なトランスフェクション薬剤によるこれらの試薬の送達後に測定する。標的乳酸デヒドロゲナーゼRNAの相対量を、増幅のリアルタイムPCRモニタリング(例えば、ABI7700TAQMAN(登録商標))を用いて、HPRT1、アクチンもしくは他の適切な対照に対して測定する。比較を、関係しない標的、または同一の総長及び化学式を持つ無作為化DsiRNA対照、または単に適切なビヒクル処理もしくは未処理の対照に対して実施したオリゴヌクレオチド配列の活性に対して実施する。第一及び第二リード試薬を、標的に対して選択し、最適化を実施する。
TAQMAN(登録商標)(増幅のリアルタイムPCRモニタリング)及びmRNAのライトサイクラー定量化
総RNAを、例えば、大規模抽出用のAmbion Rnaqueous 4-PCR精製キット、または96-ウェルアッセイ用のPromega SV96を用いて、DsiRNA送達後の細胞から調製する。Taqman解析のために、二重標識化プローブを、例えば、5’末端にて共有結合したレポーター色素FAMまたはVICと3’末端にコンジュゲートしたクエンチャー色素TAMRAで合成する。PCR増幅を、例えば、10uL総RNA、100nMフォワードプライマー、100mMリバースプライマー、100nMプローブ、1×TaqMan PCR反応緩衝液(PE-Applied Biosystems)、5.5mM MgCl2、100uMの各dATP、dCTP、dGTP及びdTTP、0.2U RNase阻害剤(Promega)、0.025U AmpliTaq Gold(PE-Applied Biosystems)及び0.2U M-MLV逆転写酵素(Promega)からなる50uL反応液を用いて、ABI PRISM 7700配列検出器上で実施する。温度サイクル条件は、48℃にて30分間、95℃にて10分間、続いて95℃にて15秒間の40サイクル、及び60℃で1分間からなることができる。標的乳酸デヒドロゲナーゼmRNAレベルの定量を、段階希釈した総細胞RNA(300、100、30、10ng/rxn)から産出した標準物質に対して決定し、例えば、平行または同一のいずれかのチューブTaqMan反応におけるHPRT1 mRNAに対して正規化する。
ウェスタンブロッディング
細胞タンパク質抽出物は、標準マイクロ調製技術を用いて(例えば、RIPA緩衝液を使用して)、または好ましくは、NE-PER核及び細胞質抽出用キット(Thermo-Fisher Scientific)などの方法によって核タンパク質を抽出することで調製可能である。細胞タンパク質抽出物を、Tris-Glycineポリアクリルアミドゲル上で泳動し、膜上に移す。非特異的結合を、例えば、5%無脂肪ミルクとの1時間のインキュベーション、続いて4℃にて16時間一次抗体とのインキュベーションにて阻害できる。洗浄後、二次抗体を、例えば、室温にて1時間(1:10,000希釈)適用し、シグナルを、VersaDocイメージングシステム上で検出する。
いくつかの細胞培養系において、カチオン性脂質が、培養液中の細胞に対するオリゴヌクレオチドのバイオアベイラビリティを増強することが示されてきた(Bennet,et al.,1992,Mol.Pharmacology,41,1023-1033)。1つの実施形態では、本発明のdsRNA分子を、細胞培養実験のために、カチオン性脂質と複合体化する。dsRNAとカチオン性脂質との混合物を、細胞への添加の直前に、血清を含まないOptimMEM(InVitrogen)中で調製する。OptiMEMを室温(約20~25℃)まで温め、カチオン性脂質を最終の所望濃度まで加える。dsRNA分子をOptiMEMに、所望の濃度まで加え、溶液を希釈したdsRNAに加え、15分間室温にてインキュベートする。用量応答実験において、RNA複合体を、カチオン性脂質の添加前に、OptiMEMで段階希釈する。
動物モデル
抗乳酸デヒドロゲナーゼdsRNA剤の有効性を、動物モデルにおいて評価してもよい。当該技術分野で公知のようなPH1、及び/または、シュウ酸塩蓄積またはLDHA過剰発現に関する疾患、状態、または障害の動物モデルを、抗乳酸デヒドロゲナーゼdsRNAの有効性、効力、毒性などの評価のために使用可能である。PH1の例示的な動物モデルとしては、例えば、Agxt1ノックアウトマウスが挙げられる。動物モデルは、本発明の組成物のアッセイのための、供給源細胞または組織としても使用できる。このようなモデルはまた、治療的使用に向けて乳酸デヒドロゲナーゼ遺伝子発現の調節における、本発明のdsRNA組成物の有効性の前臨床評価のために使用できるか、または使用のために適合できる。
このようなモデル及び/または野生型マウスを、乳酸デヒドロゲナーゼレベル、発現、乳酸デヒドロゲナーゼ関連表現型、疾患または障害の発症などを阻害する本発明のdsRNA分子の有効性の評価において使用できる。これらのモデル、野生型マウス及び/または他のモデルを同様に、前臨床設定にて、本発明のdsRNA分子の安全性/毒性及び有効性を評価するために使用できる。
本発明の乳酸デヒドロゲナーゼ標的化dsRNAの評価に有用な動物モデル系の具体的な例としては、野生型マウス及びAgxt1ノックアウトマウスが挙げられる(例えば、Hernandez-Fernaud and Salido(FEBS Journal 277:4766-74)を参照されたい)。インビボ実験における例において、本発明のdsRNAを、このようなマウスモデルに、1~10mg/kgの範囲の用量で尾静脈注射するか、またはあるいは、繰り返し用量を、単一用量のIC50レベルで投与し、臓器試料(例えば、肝臓、ただし前立腺、腎臓、肺、膵臓、結腸、皮膚、脾臓、骨髄、リンパ節、乳腺脂肪体なども含み得る)を、最終用量を投与してから24時間後に回収する。次いで、このような臓器を、使用するモデルに応じて、マウス及び/またはヒト乳酸デヒドロゲナーゼレベルに関して評価する。活性期間も最終dsRNA投与から、例えば、1、4、7、14、21日以上で試験できる。
乳酸デヒドロゲナーゼ標的化dsRNA
ある特定の実施形態では、本発明の抗乳酸デヒドロゲナーゼDiRNAは、少なくとも25ヌクレオチドの鎖長を有する。したがって、ある特定の実施形態では、抗乳酸デヒドロゲナーゼDsiRNAは、1つのオリゴヌクレオチド配列、少なくとも25の長さのヌクレオチドであり、長くても35、または最大50以上のヌクレオチドである、第1の配列を含む。このRNA配列は、26~35、26~34、26~33、26~32、26~31、26~30、26~29の長さのヌクレオチドであり得る。この配列は、27または28の長さのヌクレオチドであり得、または27の長さのヌクレオチドであり得る。DsiRNA剤の第2の配列は、真核細胞の細胞質内のような生物学的条件下で第1の配列にアニールする配列であり得る。一般的に、第2のオリゴヌクレオチド配列は、第1のオリゴヌクレオチドと少なくとも19の相補塩基対を持ち、より典型的には、第2のオリゴヌクレオチド配列は、第1のオリゴヌクレオチド配列と、21以上の相補塩基対を持ち、または25以上の相補塩基対を持つ。1つの実施形態では、第2の配列は、第1の配列と同一の長さであり、DsiRNA剤は平滑末端である。別の実施形態では、DsiRNA剤の末端は1つ以上のオーバーハングを有する。
ある特定の実施形態では、DsiRNA剤の第1及び第2のオリゴヌクレオチド配列は、化学的に合成可能で、典型的に化学的に合成される別のオリゴヌクレオチド鎖上に存在する。いくつかの実施形態では、両方の鎖は、26~35の長さのヌクレオチドである。他の実施形態では、両方の鎖は、25~30または26~30の長さのヌクレオチドである。1つの実施形態では、両方の鎖は、27の長さのヌクレオチドであり、完全に相補的であり、平滑末端を有する。本発明のある特定の実施形態では、抗乳酸デヒドロゲナーゼDsiRNAの第1及び第2の配列は、別のRNAオリゴヌクレオチド(鎖)上に存在する。1つの実施形態では、1つまたは両方のオリゴヌクレオチド鎖は、Dicerに対する基質として働くことが可能である。他の実施形態では、少なくとも1つの修飾が、遺伝子発現を阻害することにおいて、二本鎖RNA構造の有効性を最大化する方向で、Dicerが二本鎖RNA構造に結合することを促進して存在する。本発明のある特定の実施形態では、抗乳酸デヒドロゲナーゼDsiRNA剤は、第1の鎖(センス鎖)の3’末端で平滑末端を有し、第2の鎖(アンチセンス鎖)の3’末端で3’オーバーハングを有する抗乳酸デヒドロゲナーゼDsiRNAと、異なる長さの2つのオリゴヌクレオチド鎖からなる。DsiRNAはまた、1つ以上のデオキシリボ核酸(DNA)塩基置換を含んでもよい。
2つの別のオリゴヌクレオチドを含む好適なDsiRNA組成物は、化学結合基によって、それらのアニーリング領域外で化学的に連結可能である。多くの好適な化学連結基が、当該技術分野で公知であり、使用可能である。好適な基は、DsiRNAにおけるDicer活性を妨げず、標的遺伝子から転写されたRNAの指向性破壊と干渉しない。あるいは、2つの別のオリゴヌクレオチドは、ヘアピン構造が、DsiRNA組成物を構成する2つのオリゴヌクレオチドのアニーリングに際して産生されるように、第3のオリゴヌクレオチドによって連結可能である。ヘアピン構造は、DsiRNA上のDicer活性を妨げず、標的RNAの指向性破壊と干渉しない。
dsRNA分子は、アンチセンス鎖の全ての残基が、標的分子内の残基に相補的であるようにデザイン可能である。あるいは、置換を、前記分子の安定性を増大させ、及び/または処理活性を増強するために、分子内で実施可能である。置換は、鎖内にて実施可能であり、または鎖の末端での残基にて実施可能である。ある特定の実施形態では、置換及び/または修飾は、DsiRNA剤内の特定の残基にて実施される。このような置換及び/または修飾には、例えば、DsiRNA剤のセンス鎖の3’末端位置からナンバリングした場合、位置1、2及び3の残基の1つ以上でのデオキシ修飾、並びにDsiRNA剤のアンチセンス鎖の3’末端残基での、2’-O-アルキル(例えば、2’-O-メチル)修飾の導入が含まれ、このような修飾はまた、アンチセンス鎖の3’部分のオーバーハング位置、及び活性siRNA剤を形成するために処理されるDsiRNA剤の領域内に含まれるDsiRNAのアンチセンス鎖の交互残基にて実施される。以上の修飾は、例示的なものとして提供され、任意の様式にて限定されるよう意図するものではない。本発明の抗乳酸デヒドロゲナーゼDsiRNA剤において実施可能な修飾及び置換のさらなる記述を含む、好ましいDsiRNA剤の構造のさらなる考慮を以下で見ることが可能である。
本発明のdsRNAは、二本鎖構造を形成するためにハイブリダイズするのに十分に相補的である2つのRNA鎖を含む。dsRNAの1つの鎖(アンチセンス鎖)は、乳酸デヒドロゲナーゼ標的遺伝子の発現の間に形成されたmRNAの配列から誘導された、標的配列に実質的に相補的な、一般的には完全に相補的な相補性の領域を含み、他の鎖(センス鎖)は、アンチセンス鎖に相補的な領域を含み、それによって2つの鎖は、好適な条件下で混合した時に、ハイブリダイズし、二本鎖構造を形成する。一般的に、二本鎖構造は、15~35、任意に25~30、26~30、18~25、19~24または19~21の長さの塩基対である。同様に、標的配列に相補的な領域は、15~35、任意に18~30、25~30、19~24または19~21の長さのヌクレオチドである。本発明のdsRNAは、1つ以上の一本鎖ヌクレオチドオーバーハング(複数可)をさらに含んでよい。(一般的に少なくとも25の長さの塩基対の)DsiRNA及びsiRNA(ある特定の実施形態では、siRNAの二本鎖構造は、20~23、任意に特に21塩基対)を含む(Elbashir et al.,EMBO 20:6877-6888))、15~35の長さの塩基対の二本鎖構造を含むdsRNAが、RNA干渉を誘導することにおいて効果的であり得ることが同定されている。また、20塩基対より短い二本鎖(例えば、15、16、17、18または19塩基対二本鎖)を有するdsRNAも同様に効果的であり得ることが同定されている。ある特定の実施形態では、本発明のdsRNAは、19以上の長さのヌクレオチドのうち少なくとも1つの鎖を含み得る。ある特定の実施形態では、表4、6、9または11の配列の1つに相補的な配列マイナス1つまたは両方の末端上の数個のヌクレオチドを含む、より短いdsRNAが、上記及び表2~3、7~8、及び12にて記述したdsRNAと比較して同様に効果的であり得ることが合理的に予測できる。したがって、表4、6、9または11の配列の1つに十分に相補的な、少なくとも15、16、17、18、19、20またはそれ以上の隣接ヌクレオチドの部分配列を含み、完全配列を含むdsRNAから最高5、10、15、20、25または30%の阻害まで、本発明で記述したアッセイにて、乳酸デヒドロゲナーゼ標的遺伝子の発現を阻害するそれらの能力において異なるdsRNAが、本発明によって企図される。1つの実施形態では、dsRNAの少なくとも1つの末端が、1~5、任意に1~4、ある特定の実施形態では、1または2ヌクレオチドの一本鎖ヌクレオチドオーバーハングを有する。少なくとも1つのヌクレオチドオーバーハングを有するある特定のdsRNA構造は、dsRNA分子の両方の間端にて、塩基対形成平滑末端を有する同等のものと比較して、優れた阻害特性を有する。
1つの実施形態では、乳酸デヒドロゲナーゼ遺伝子発現を下方制御または低減させる本発明のdsRNA分子を、対象または生命体内の乳酸デヒドロゲナーゼ関連疾患または障害(例えば、PH1、またはシュウ酸塩蓄積に関連する他の疾患もしくは障害及び/または腫瘍学またはピルビン酸デヒドロゲナーゼ欠損)を治療、予防または減少させるために使用する。
または両方の鎖が30の長さのヌクレオチドを超えるようなもの(例えば、US8,513,207を参照されたい、ここで、例示的な二本鎖核酸(dsNA)は、5’末端及び3’末端を有する第1のオリゴヌクレオチド鎖並びに5’末端及び3’末端を有する第2のオリゴヌクレオチド鎖を有し、第1の鎖が31~49の長さのヌクレオチド残基であり、第1の鎖の5’末端での第1のヌクレオチド(位置1)から開始して、第1の鎖の位置1~23がリボヌクレオチドであり;第2の鎖が31~53の長さのヌクレオチド残基であり、かつ二本鎖を形成するために第1の鎖の位置1~23のリボヌクレオチドと塩基対を形成する、23の連続したリボヌクレオチドを含み;第1の鎖の5’末端及び第2の鎖の3’末端が、平滑末端または1~4ヌクレオチドの3’オーバーハングを形成し;第1の鎖の3’末端及び第2の鎖の5’末端が、二本鎖平滑末端、5’オーバーハングまたは3’オーバーハングを形成し;任意に第1の鎖の24から3’末端ヌクレオチド残基までの位置のうち少なくとも1つが、任意に前記第2の鎖のデオキシリボヌクレオチドと塩基対を形成するデオキシリボヌクレオチドであり;第2の鎖が、二本鎖核酸が哺乳類細胞内に導入される際に標的遺伝子発現を低減するため、第2の鎖のうち少なくとも19の長さのリボヌクレオチドに沿って標的RNAと十分に相補的である)が挙げられる。
ある特定の実施形態では、本発明の活性dsNAは、2~50(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50)以上の長さのヌクレオチドを持つ第2の鎖(任意に、ガイド鎖)に対して、第1の鎖(任意に、パッセンジャー鎖)の5’オーバーハングを有し得る。関連する実施形態では、このようなdsNAの第1の鎖及び第2の鎖により形成された二本鎖領域は、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25以上の長さの塩基対である。第1の鎖の5’オーバーハング「伸長」領域は、1つ以上の残基にて(任意に、交互残基、全ての残基、または任意の他の種類の残基にて)任意に修飾される。
ある特定の実施形態では、本発明の活性dsNAは、2~50(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50)以上の長さのヌクレオチドを持つ第2の鎖(任意に、ガイド鎖)に対して、第1の鎖(任意に、パッセンジャー鎖)の3’オーバーハングを有し得る。関連する実施形態では、このようなdsNAの第1の鎖及び第2の鎖により形成された二本鎖領域は、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25以上の長さの塩基対である。第1の鎖の3’オーバーハング「伸長」領域は、1つ以上の残基にて(任意に、交互残基、全ての残基、または任意の他の種類の残基にて)任意に修飾される。
本発明の別の実施形態では、本発明のDsiRNA分子の各配列は、独立して25~35の長さのヌクレオチド、特定の実施形態では、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34または35の長さのヌクレオチドである。別の実施形態では、本発明のDsiRNA二本鎖は、独立して25~30の塩基対(例えば、25、26、27、28、29、または30)を含む。別の実施形態では、本発明のDsiRNA分子の1つ以上の鎖は、独立して標的(乳酸デヒドロゲナーゼ)核酸分子に相補的な19~35ヌクレオチド(例えば、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34または35)を含む。ある特定の実施形態では、本発明のDsiRNA分子は、25~34の長さのヌクレオチド(例えば、25、26、27、28、29、30、31、32、33または34の長さのヌクレオチド;任意に、全てのこのようなヌクレオチドは、反対の鎖の同種ヌクレオチドと塩基対を形成する)の二本鎖ヌクレオチドの長さを有する。(本発明の例示的なDsiRNA分子は、図1及び以下に示す)。
安定化修飾(例えば、dNTP塩基対、2’-Fなどを含む、2’-O-メチル、ホスホロチオエート、デオキシリボヌクレオチド)を本発明の任意の二本鎖核酸内に組み込むことができ、特に、30の長さのヌクレオチドを超える1つまたは両方の鎖を有するDsiRNA内で特に、大量に使用することができる。
ある特定の実施形態では、本発明の核酸のヌクレオチド残基の少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%またはそれ以上が、修飾残基である。本発明のdsNAについては、第1の鎖のヌクレオチド残基の少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%またはそれ以上が、修飾残基である。さらに、及び/またはあるいは、本発明のdsNAについて、第2の鎖のヌクレオチド残基の少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%またはそれ以上が、修飾残基である。本発明のdsNAについては、二本の鎖(二本鎖)領域及びオーバーハング(一本鎖)領域の両方の修飾が企図される。したがって、ある特定の実施形態では、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%またはそれ以上(例えば、全て)の二本鎖ヌクレオチド残基が、修飾残基である。さらに、及び/またはあるいは、1つまたは両方の鎖の少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%またはそれ以上(例えば、全て)のオーバーハングヌクレオチド残基が、修飾残基である。任意に、本発明のdsNAの修飾は、逆脱塩基(例えば、逆デオキシ脱塩基)または逆dT末端保護基を含まない。あるいは、本発明のdsNAは、末端キャップ部分(例えば、逆デオキシ脱塩基及び/または逆dT末端保護基)を含む。任意に、このような末端キャップ部分は、第1の鎖の、第2の鎖の、または第1の鎖及び第2の鎖の両方の5’末端に、3’末端に、または5’末端及び3’末端の両方に位置する。
本発明の二本鎖核酸のガイド鎖は、標的RNA(例えば、mRNA)に相補的な、例えば、15、16、17、18または19ヌクレオチドの配列を有していなければならないが、ガイド鎖の追加の配列(複数可)は標的RNAに相補的である必要はない。30ヌクレオチドを超える少なくとも1つの鎖の長さを有する二本鎖核酸の末端構造はまた、変動可能でありながら機能的dsNAを生成し続け、このdsNAでは例えば、ガイド鎖の5’末端及びパッセンジャー鎖の3’末端が、5’オーバーハング、平滑末端または3’オーバーハングを形成し得(ある特定のdsNA、例えば「一本鎖伸長」dsNAについては、このような5’または3’オーバーハングの長さは、1~4、1~5、1~6、1~10、1~15、1~20あるいはさらには1~25以上のヌクレオチドであり得る);同様に、ガイド鎖の3’末端及びパッセンジャー鎖の5’末端が、5’オーバーハング、平滑末端または3’オーバーハングを形成し得る(ある特定のdsNA、例えば「一本鎖伸長」dsNAについては、このような5’または3’オーバーハングの長さは、1~4、1~5、1~6、1~10、1~15、1~20あるいはさらには1~25以上のヌクレオチドであり得る)。ある特定の実施形態では、パッセンジャー鎖の長さが31~49ヌクレオチドである一方で、ガイド鎖の長さは31~53ヌクレオチドであって、任意にガイド鎖の5’末端が、パッセンジャー鎖の3’末端と平滑末端(任意に、塩基対平滑末端)を形成する一方で、任意にガイド鎖の3’末端及びパッセンジャー鎖の5’末端が、1~4の長さのヌクレオチドを持つ3’オーバーハングを形成する。例示的な「伸長」Dicer基質構造は、例えば、US2010/0173974、及びUS8,349,809に記載され、その両方が参照により本明細書に援用される。ある特定の実施形態では、本発明のdsNA分子の1つ以上の鎖は、独立して標的(乳酸デヒドロゲナーゼ)核酸分子に相補的な19~35ヌクレオチド(例えば、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34または35)を含む。ある特定の実施形態では、本発明のDsiRNA分子は、25~66の長さのヌクレオチド、任意に25~49の長さのヌクレオチド(例えば、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48または49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80の長さのヌクレオチド;任意に、全てのこのようなヌクレオチドは、反対の鎖の同種ヌクレオチドと塩基対を形成する)の二本鎖ヌクレオチドの長さを有する。関連する実施形態では、本発明のdsNAは、独立して19~80の長さのヌクレオチド、任意に25~53の長さのヌクレオチド、例えば、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48または49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80の長さのヌクレオチドである鎖の長さを有する。ある特定の実施形態では、1つの鎖の長さは、19~35の長さのヌクレオチドであるが、もう一方の鎖の長さは、30~80の長さのヌクレオチドであり、少なくとも1つの鎖が、もう一方の鎖に対して少なくとも5の長さのヌクレオチドを持つ5’オーバーハングを有する。ある特定の関連する実施形態では、第1の鎖の3’末端及び第2の鎖の5’末端は、平滑末端または1~6ヌクレオチドの3’オーバーハングである構造を形成するが、第1の鎖の5’末端は、第2の鎖の3’末端に対して5~60ヌクレオチドのオーバーハングを形成する。任意に、5~60ヌクレオチドのオーバーハングのうち1~全てのヌクレオチドが、修飾ヌクレオチド(任意に、デオキシリボヌクレオチド及び/または修飾リボヌクレオチド)である。
いくつかの実施形態では、本発明のdsNAは、少なくとも8の隣接リボヌクレオチドを有する第1の鎖または第2の鎖を有する。ある特定の実施形態では、本発明のdsNAは、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23以上(例えば、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、26以上、最大で鎖の全長)のリボヌクレオチドを有し、任意に修飾リボヌクレオチド(2’-O-メチルリボヌクレオチド、ホスホロチオエート結合など)を含む。ある特定の実施形態では、リボヌクレオチドまたは修飾リボヌクレオチドは隣接している。
ある特定の実施形態では、dsNAは第1の鎖及び第2の鎖を含み、各鎖が独立して5’末端及び3’末端を有し、独立して25~53の長さのヌクレオチドを持つそれぞれの鎖の長さを有して、十分なほど多く修飾され、例えば、1つ及び/または両方の鎖の少なくとも10%以上、少なくとも20%以上、少なくとも30%以上、少なくとも40%以上、少なくとも50%以上、少なくとも60%以上、少なくとも70%以上、少なくとも80%以上、少なくとも90%以上、少なくとも95%以上の残基が修飾されて、dsNAのdicer開裂を防止するようにする(任意に、修飾残基は、dsNAの1つまたは全ての予測されるdicer開裂部位に、及び/またはその部位に隣接して生成される)。このような非dicer開裂dsNAは、LDH阻害活性を保持し、任意に非dicerヌクレアーゼにより切断されて、哺乳類細胞中でLDHを阻害できる、例えば、15~30の長さ、または特定の実施形態では、19~23の長さのヌクレオチド鎖dsNAを得る。ある特定の関連する実施形態では、このようなdsNAのdicer開裂をブロックするために十分に広範囲な修飾を有するdsNAは、非DicerヌクレアーゼによるこのようなdsNAの開裂を可能にする、及び/または促進させる非修飾ヌクレオチド残基(例えば、修飾パターン中に「ギャップ」または「ウィンドウ」を形成する1または2以上の連続したヌクレオチド)の領域を任意に有する。他の実施形態では、本発明のDicer開裂dsNAは、修飾中にこのような「ウィンドウ」または「ギャップ」を有する広範囲な修飾パターンを含み、Dicer開裂がこのような部位で(このようなdsNA内の大幅に修飾された領域と比較して)優先的に生成されるようにすることができる。
ある特定の実施形態では、(Dicer開裂前、最初に形成されたような状態での)DsiRNAは、その中に含まれる19、20、21、22または23の塩基対配列よりも、哺乳類細胞中の乳酸デヒドロゲナーゼ標的遺伝子発現を低減させる際により効力がある。ある特定のこのような実施形態では、dicer開裂前のDsiRNAは、その中に含まれる19~21マーよりもより強力である。任意に、dicer開裂前のDsiRNAは、(dTdTオーバーハングを持つ21ヌクレオチド鎖長を有するsiRNAを形成する)対称dTdTオーバーハングで合成される配列中に含まれた19塩基対二本鎖よりも強力である。ある特定の実施形態では、DsiRNAは、本発明のDsiRNAに関して記載される21ヌクレオチド標的配列の少なくとも19ヌクレオチドを標的とする、19~23マーsiRNA(例えば、dTdTオーバーハングを持つ19塩基対二本鎖)よりも強力である(いかなる理論にも拘束されることを望むものではないが、このようなDsiRNAに対する標的部位の同一性は、DsiRNAに対するAgo2開裂部位の同定を介して同定される。いったんDsiRNAのAgo2開裂部位がDsiRNAに対して決定されたならば、任意の他の阻害dsRNAに対するAgo2開裂部位の同定が実施され、これらのAgo2開裂部位をアライメント可能であり、それによって多数のdsRNAに対して考えられる標的ヌクレオチド配列のアライメントが決定される)。ある特定の関連した実施形態では、DsiRNAは、本発明のDsiRNAに関して記載される21ヌクレオチド標的配列のうち少なくとも20ヌクレオチドを標的とする、19~23マーsiRNAよりも強力である。任意に、DsiRNAは、本発明のDsiRNAに関して記載される同一の21ヌクレオチド標的配列を標的とする、19~23マーsiRNAよりも強力である。ある特定の実施形態では、DsiRNAは、本発明のDsiRNAに関して記載される同一の21ヌクレオチド標的配列を標的とする、任意の21マーsiRNAよりも強力である。任意に、DsiRNAは、本発明のDsiRNAに関して記載される同一の21ヌクレオチド標的配列を標的とする、任意の21または22マーsiRNAよりも強力である。ある特定の実施形態では、DsiRNAは、本発明のDsiRNAに関して記載される同一の21ヌクレオチド標的配列を標的とする任意の21、22または23マーsiRNAより強力である。上述のように、このような効力の評価は、1nM以下の濃度で、好適に製剤化(例えば、適切なトランスフェクト試薬で製剤化された)dsRNAにおいて最も効果的に実施される。任意に、IC50評価を、効果的な阻害濃度の範囲にわたる活性を評価するために実施し、それによって、アッセイされたdsRNAの相対効力の確固とした比較が可能となる。
本発明のdsRNA分子は、直接加えられ、または脂質(例えば、カチオン性脂質)と複合体化、リポソーム内にパッケージでき、またはそれ以外の方法で標的細胞もしくは組織に送達可能である。核酸または核酸複合体を、バイポリマー内への組み込みを用い、またはこの組み込みを用いることなく、直接的な皮膚適用、経皮適用、または注射を介して、エクスビボまたはインビボで、関連する組織に局所投与できる。特定の実施形態では、本発明の核酸分子は、図1で示す配列と、以下の例示的構造を含む。このような核酸分子の例は、これらの図面及び例示的構造にて定義した配列から本質的になる。さらに、このような薬剤を、DsiRNA剤の修飾パターン化の以下の記述にしたがって修飾する場合、図1にて記述された構造物の化学的に修飾された形態、及び以下の例示的構造を、図1及び以下の例示的構造のDsiRNA剤に対して記述した全ての使用において使用可能である。
別の態様では、本発明は、本発明の1つ以上のdsRNAを含む哺乳類細胞を提供する。1つ以上のdsRNA分子は独立して、同一または異なる部位を標的とすることが可能である。
抗乳酸デヒドロゲナーゼDsiRNA剤の修飾構造
ある特定の実施形態では、本発明の抗乳酸デヒドロゲナーゼDsiRNA剤は以下の構造を持つことができる:
1つのこのような実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインである。関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、「D」=DNAである。1つの実施形態では、上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。あるいは、下鎖はセンス鎖であり、上鎖はアンチセンス鎖である。
本発明のDsiRNAは、広範囲の修飾パターン(例えば、2’-O-メチルRNAパターン、例えば、伸長DsiRNA剤内)を持ち得る。本発明のDsiRNAの第2の鎖のある特定の修飾パターンを以下に示す。
1つの実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーである。関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーであり、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。
別のこのような実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーである。関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーであり、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。
別のこのような実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーである。関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーであり、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。
さらなる実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーである。関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーであり、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。1つの関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNAである。さらなる関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。また、この修飾パターンは、本明細書中で「AS-M7」または「M7」修飾パターンと称される。
さらなる実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーである。関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーであり、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。別の関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。また、この修飾パターンは、本明細書中で「AS-M6」または「M6」修飾パターンと称される。
他の実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーであり、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。1つの関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。別の関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。また、この修飾パターンは、本明細書中で「AS-M5」または「M5」修飾パターンと称される。
さらなる実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーであり、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。1つの関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。また、この修飾パターンは、本明細書中で「AS-M4」または「M4」修飾パターンと称される。
さらなる実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーであり、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。別の関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。また、この修飾パターンは、本明細書中で「AS-M8」または「M8」修飾パターンと称される。
他の実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。1つの関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーであり、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。別の関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。また、この修飾パターンは、本明細書中で「AS-M3」または「M3」修飾パターンと称される。
さらなる実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーであり、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。別の関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。また、この修飾パターンは、本明細書中で「AS-M2」または「M2」修飾パターンと称される。
さらなる実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーであり、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。別の関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。また、この修飾パターンは、本明細書中で「AS-M1」または「M1」修飾パターンと称される。
さらなる実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。1つの関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーであり、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。別の関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。また、この修飾パターンは、本明細書中で「AS-M9」または「M9」修飾パターンと称される。
他の実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーであり、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。別の関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。また、この修飾パターンは、本明細書中で「AS-M10」または「M10」修飾パターンと称される。
さらなる実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。1つの関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーであり、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。別の関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。また、この修飾パターンは、本明細書中で「AS-M11」または「M11」修飾パターンと称される。
さらなる実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。1つの関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーであり、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。別の関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。また、この修飾パターンは、本明細書中で「AS-M12」または「M12」修飾パターンと称される。
さらなる実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。1つの関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーであり、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。別の関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。また、この修飾パターンは、本明細書中で「AS-M13」または「M13」修飾パターンと称される。
他の実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。別の関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーであり、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。別の関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。また、この修飾パターンは、本明細書中で「AS-M21」または「M21」修飾パターンと称される。
さらなる実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。1つの関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーであり、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。別の関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。また、この修飾パターンは、本明細書中で「AS-M14」または「M14」修飾パターンと称される。
さらなる実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。1つの関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーであり、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。別の関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。また、この修飾パターンは、本明細書中で「AS-M15」または「M15」修飾パターンと称される。
さらなる実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーであり、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。別の関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。また、この修飾パターンは、本明細書中で「AS-M16」または「M16」修飾パターンと称される。
さらなる実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。1つの関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーであり、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。別の関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。また、この修飾パターンは、本明細書中で「AS-M17」または「M17」修飾パターンと称される。
さらなる実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。1つの関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーであり、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。別の関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。また、この修飾パターンは、本明細書中で「AS-M18」または「M18」修飾パターンと称される。
さらなる実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。1つの関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーであり、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。別の関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。また、この修飾パターンは、本明細書中で「AS-M19」または「M19」修飾パターンと称される。
さらなる実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。1つの関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーであり、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。別の関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。また、この修飾パターンは、本明細書中で「AS-M20」または「M20」修飾パターンと称される。
さらなる実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。1つの関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーであり、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。別の関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。また、この修飾パターンは、本明細書中で「AS-M22」または「M22」修飾パターンと称される。
さらなる実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。1つの関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーであり、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。別の関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。また、この修飾パターンは、本明細書中で「AS-M24」または「M24」修飾パターンと称される。
さらなる実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。1つの関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーであり、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。別の関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。また、この修飾パターンは、本明細書中で「AS-M25」または「M25」修飾パターンと称される。
さらなる実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。1つの関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーであり、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。別の関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。また、この修飾パターンは、本明細書中で「AS-M26」または「M26」修飾パターンと称される。
さらなる実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。1つの関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーであり、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。別の関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。また、この修飾パターンは、本明細書中で「AS-M27」または「M27」修飾パターンと称される。
さらなる実施形態では、DsiRNAは、
-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。1つの関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーであり、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。別の関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。また、この修飾パターンは、本明細書中で「AS-M28」または「M28」修飾パターンと称される。
さらなる実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。1つの関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーであり、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。別の関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。また、この修飾パターンは、本明細書中で「AS-M29」または「M29」修飾パターンと称される。
さらなる実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。また、この修飾パターンは、本明細書中で「AS-M30」または「M30」修飾パターンと称される。
さらなる実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。また、この修飾パターンは、本明細書中で「AS-M31」または「M31」修飾パターンと称される。
さらなる実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。また、この修飾パターンは、本明細書中で「AS-M32」または「M32」修飾パターンと称される。
さらなる実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。1つの関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーであり、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。別の関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。また、この修飾パターンは、本明細書中で「AS-M34」または「M34」修飾パターンと称される。
さらなる実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。1つの関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーであり、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。別の関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。また、この修飾パターンは、本明細書中で「AS-M35」または「M35」修飾パターンと称される。
さらなる実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。1つの関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーであり、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。別の関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。また、この修飾パターンは、本明細書中で「AS-M37」または「M37」修飾パターンと称される。
さらなる実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。1つの関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーであり、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。別の関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。また、この修飾パターンは、本明細書中で「AS-M38」または「M38」修飾パターンと称される。
さらなる実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。1つの関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーであり、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。別の関連実施形態では、DsiRNAは、
鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。また、この修飾パターンは、本明細書中で「AS-M40」または「M40」修飾パターンと称される。
さらなる実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。1つの関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーであり、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。別の関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。また、この修飾パターンは、本明細書中で「AS-M41」または「M41」修飾パターンと称される。
さらなる実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。1つの関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーであり、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。別の関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。また、この修飾パターンは、本明細書中で「AS-M36」または「M36」修飾パターンと称される。
さらなる実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。1つの関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーであり、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。別の関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。また、この修飾パターンは、本明細書中で「AS-M42」または「M42」修飾パターンと称される。
さらなる実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。1つの関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーであり、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。別の関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。また、この修飾パターンは、本明細書中で「AS-M43」または「M43」修飾パターンと称される。
さらなる実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。1つの関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーであり、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。別の関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。また、この修飾パターンは、本明細書中で「AS-M44」または「M44」修飾パターンと称される。
さらなる実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。1つの関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーであり、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。別の関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。また、この修飾パターンは、本明細書中で「AS-M45」または「M45」修飾パターンと称される。
さらなる実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。1つの関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーであり、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。別の関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。また、この修飾パターンは、本明細書中で「AS-M46」または「M46」修飾パターンと称される。
さらなる実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。1つの関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーであり、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。別の関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。また、この修飾パターンは、本明細書中で「AS-M47」または「M47」修飾パターンと称される。
さらなる実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。1つの関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーであり、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。別の関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。また、この修飾パターンは、本明細書中で「AS-M48」または「M48」修飾パターンと称される。
さらなる実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。1つの関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーであり、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。別の関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。また、この修飾パターンは、本明細書中で「AS-M52」または「M52」修飾パターンと称される。
さらなる実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。1つの関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーであり、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。別の関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。また、この修飾パターンは、本明細書中で「AS-M54」または「M54」修飾パターンと称される。
さらなる実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。1つの関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーであり、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。別の関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。また、この修飾パターンは、本明細書中で「AS-M55」または「M55」修飾パターンと称される
さらなる実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。1つの関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーであり、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。別の関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。また、この修飾パターンは、本明細書中で「AS-M56」または「M56」修飾パターンと称される。
さらなる実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。1つの関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーであり、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。別の関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。また、この修飾パターンは、本明細書中で「AS-M57」または「M57」修飾パターンと称される。
さらなる実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。1つの関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーであり、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。別の関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。また、この修飾パターンは、本明細書中で「AS-M58」または「M58」修飾パターンと称される。
さらなる実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。1つの関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーであり、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。別の関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。また、この修飾パターンは、本明細書中で「AS-M59」または「M59」修飾パターンと称される。
さらなる実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。1つの関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーであり、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。別の関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。また、この修飾パターンは、本明細書中で「AS-M60」または「M60」修飾パターンと称される。
さらなる実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。1つの関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーであり、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。別の関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。また、この修飾パターンは、本明細書中で「AS-M61」または「M61」修飾パターンと称される。
さらなる実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。1つの関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーであり、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。別の関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。また、この修飾パターンは、本明細書中で「AS-M62」または「M62」修飾パターンと称される。
さらなる実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。1つの関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーであり、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。別の関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。また、この修飾パターンは、本明細書中で「AS-M63」または「M63」修飾パターンと称される。
さらなる実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。1つの関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーであり、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。別の関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。また、この修飾パターンは、本明細書中で「AS-M64」または「M64」修飾パターンと称される。
さらなる実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。1つの関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーであり、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。別の関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。また、この修飾パターンは、本明細書中で「AS-M65」または「M65」修飾パターンと称される。
さらなる実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。1つの関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーであり、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。別の関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。また、この修飾パターンは、本明細書中で「AS-M66」または「M66」修飾パターンと称される。
さらなる実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。1つの関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーであり、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。別の関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。また、この修飾パターンは、本明細書中で「AS-M67」または「M67」修飾パターンと称される。
さらなる実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。1つの関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーであり、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。別の関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。また、この修飾パターンは、本明細書中で「AS-M68」または「M68」修飾パターンと称される。
さらなる実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。1つの関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーであり、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。別の関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。また、この修飾パターンは、本明細書中で「AS-M69」または「M69」修飾パターンと称される。
さらなる実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。1つの関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーであり、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。別の関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。また、この修飾パターンは、本明細書中で「AS-M70」または「M70」修飾パターンと称される。
さらなる実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。1つの関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーであり、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。別の関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。また、この修飾パターンは、本明細書中で「AS-M71」または「M71」修飾パターンと称される。
さらなる実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。1つの関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーであり、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。別の関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。また、この修飾パターンは、本明細書中で「AS-M72」または「M72」修飾パターンと称される。
さらなる実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。1つの関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーであり、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。別の関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。また、この修飾パターンは、本明細書中で「AS-M73」または「M73」修飾パターンと称される。
さらなる実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNAである。さらなる関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。また、この修飾パターンは、本明細書中で「AS-M7
*」または「M7
*」修飾パターンと称される。
さらなる実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。また、この修飾パターンは、本明細書中で「AS-M6
*」または「M6
*」修飾パターンと称される。
他の実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。別の関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。また、この修飾パターンは、本明細書中で「AS-M5
*」または「M5
*」修飾パターンと称される。
さらなる実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。また、この修飾パターンは、本明細書中で「AS-M4
*」または「M4
*」修飾パターンと称される。
さらなる実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。また、この修飾パターンは、本明細書中で「AS-M8
*」または「M8
*」修飾パターンと称される。
さらなる実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。また、この修飾パターンは、本明細書中で「AS-M2
*」または「M2
*」修飾パターンと称される。
他の実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。また、この修飾パターンは、本明細書中で「AS-M10
*」または「M10
*」修飾パターンと称される。
さらなる実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。また、この修飾パターンは、本明細書中で「AS-M11
*」または「M11
*」修飾パターンと称される。
さらなる実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。また、この修飾パターンは、本明細書中で「AS-M13
*」または「M13
*」修飾パターンと称される。
さらなる実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。また、この修飾パターンは、本明細書中で「AS-M14
*」または「M14
*」修飾パターンと称される。
さらなる実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。また、この修飾パターンは、本明細書中で「AS-M15
*」または「M15
*」修飾パターンと称される。
さらなる実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。また、この修飾パターンは、本明細書中で「AS-M16
*」または「M16
*」修飾パターンと称される。
さらなる実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。また、この修飾パターンは、本明細書中で「AS-M17
*」または「M17
*」修飾パターンと称される。
さらなる実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。また、この修飾パターンは、本明細書中で「AS-M18
*」または「M18
*」修飾パターンと称される。
さらなる実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。また、この修飾パターンは、本明細書中で「AS-M19
*」または「M19
*」修飾パターンと称される。
さらなる実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、下線残基は2’-O-メチルRNAモノマーであり、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。別の関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。また、この修飾パターンは、本明細書中で「AS-M20
*」または「M20
*」修飾パターンと称される。
さらなる実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。また、この修飾パターンは、本明細書中で「AS-M22
*」または「M22
*」修飾パターンと称される。
さらなる実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。また、この修飾パターンは、本明細書中で「AS-M24
*」または「M24
*」修飾パターンと称される。
さらなる実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。また、この修飾パターンは、本明細書中で「AS-M25
*」または「M25
*」修飾パターンと称される。
さらなる実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。また、この修飾パターンは、本明細書中で「AS-M26
*」または「M26
*」修飾パターンと称される。
さらなる実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。また、この修飾パターンは、本明細書中で「AS-M27
*」または「M27
*」修飾パターンと称される。
さらなる実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。また、この修飾パターンは、本明細書中で「AS-M28
*」または「M28
*」修飾パターンと称される。
さらなる実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。また、この修飾パターンは、本明細書中で「AS-M29
*」または「M29
*」修飾パターンと称される。
さらなる実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。また、この修飾パターンは、本明細書中で「AS-M34
*」または「M34
*」修飾パターンと称される。
さらなる実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。また、この修飾パターンは、本明細書中で「AS-M35
*」または「M35
*」修飾パターンと称される。
さらなる実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。また、この修飾パターンは、本明細書中で「AS-M37
*」または「M37
*」修飾パターンと称される。
さらなる実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。また、この修飾パターンは、本明細書中で「AS-M38
*」または「M38
*」修飾パターンと称される。
さらなる実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。また、この修飾パターンは、本明細書中で「AS-M40
*」または「M40
*」修飾パターンと称される。
さらなる実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。また、この修飾パターンは、本明細書中で「AS-M41
*」または「M41
*」修飾パターンと称される。
さらなる実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。また、この修飾パターンは、本明細書中で「AS-M36
*」または「M36
*」修飾パターンと称される。
さらなる実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。また、この修飾パターンは、本明細書中で「AS-M42
*」または「M42
*」修飾パターンと称される。
さらなる実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。また、この修飾パターンは、本明細書中で「AS-M43
*」または「M43
*」修飾パターンと称される。
さらなる実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。また、この修飾パターンは、本明細書中で「AS-M44
*」または「M44
*」修飾パターンと称される。
さらなる実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。また、この修飾パターンは、本明細書中で「AS-M46
*」または「M46
*」修飾パターンと称される。
さらなる実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。また、この修飾パターンは、本明細書中で「AS-M47
*」または「M47
*」修飾パターンと称される。
さらなる実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。また、この修飾パターンは、本明細書中で「AS-M48
*」または「M48
*」修飾パターンと称される。
さらなる実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。また、この修飾パターンは、本明細書中で「AS-M52
*」または「M52
*」修飾パターンと称される。
さらなる実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。また、この修飾パターンは、本明細書中で「AS-M54
*」または「M54
*」修飾パターンと称される。
さらなる実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。また、この修飾パターンは、本明細書中で「AS-M55
*」または「M55
*」修飾パターンと称される。
さらなる実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。また、この修飾パターンは、本明細書中で「AS-M56
*」または「M56
*」修飾パターンと称される。
さらなる実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。また、この修飾パターンは、本明細書中で「AS-M57
*」または「M57
*」修飾パターンと称される。
さらなる実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。また、この修飾パターンは、本明細書中で「AS-M58
*」または「M58
*」修飾パターンと称される。
さらなる実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。また、この修飾パターンは、本明細書中で「AS-M59
*」または「M59
*」修飾パターンと称される。
さらなる実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。また、この修飾パターンは、本明細書中で「AS-M60*」または「M60*」修飾パターンと称される。
さらなる実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。また、この修飾パターンは、本明細書中で「AS-M61
*」または「M61
*」修飾パターンと称される。
さらなる実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。また、この修飾パターンは、本明細書中で「AS-M62
*」または「M62
*」修飾パターンと称される。
さらなる実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。また、この修飾パターンは、本明細書中で「AS-M63
*」または「M63
*」修飾パターンと称される。
さらなる実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。また、この修飾パターンは、本明細書中で「AS-M64
*」または「M64
*」修飾パターンと称される。
さらなる実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。また、この修飾パターンは、本明細書中で「AS-M65
*」または「M65
*」修飾パターンと称される。
さらなる実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。また、この修飾パターンは、本明細書中で「AS-M66
*」または「M66
*」修飾パターンと称される。
さらなる実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。また、この修飾パターンは、本明細書中で「AS-M67
*」または「M67
*」修飾パターンと称される。
さらなる実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。また、この修飾パターンは、本明細書中で「AS-M68
*」または「M68
*」修飾パターンと称される。
さらなる実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。また、この修飾パターンは、本明細書中で「AS-M69
*」または「M69
*」修飾パターンと称される。
さらなる実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。また、この修飾パターンは、本明細書中で「AS-M70
*」または「M70
*」修飾パターンと称される。
さらなる実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。また、この修飾パターンは、本明細書中で「AS-M71
*」または「M71
*」修飾パターンと称される。
さらなる実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。また、この修飾パターンは、本明細書中で「AS-M72
*」または「M72
*」修飾パターンと称される。
さらなる実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。さらなる関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNAである。上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。また、この修飾パターンは、本明細書中で「AS-M73
*」または「M73
*」修飾パターンと称される。
追加の例示的なアンチセンス鎖の修飾としては、以下のものが挙げられる:
式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNA、「F」=2’-フルオロNA及び「p」=ホスホロチオエート結合である。
ある特定の追加的な実施形態では、本発明の選択されたdsRNAのアンチセンス鎖は、任意に5’末端で伸長され、塩基「AS-M8」、「AS-M17」及び「AS-M48」修飾パターンの例示的な5’伸長を、それぞれ以下に示す:
ある特定の実施形態では、本発明のDsiRNAのセンス鎖は修飾されており、センス鎖修飾の具体的かつ例示的な形態を以下に示す。このような修飾センス鎖は上記に示すDsiRNAのいずれかのセンス鎖に代わって上述のアンチセンス鎖とアニールする以下に記載のセンス鎖を含むDsiRNAを作製することが考えられる。例示的なセンス鎖修飾パターンとしては、以下のものが挙げられる:
式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNA、「F」=2’-フルオロNA及び「p」=ホスホロチオエート結合である。
上記の修飾パターンをまた、例えば、以下に記述した伸長DsiRNA構造及びミスマッチ及び/またはほころびたDsiRNA構造内に組み込むことも可能である。
別の実施形態では、DsiRNAは、Dicer開裂を正しい方向にするように働く、1~3ミスマッチ残基を有する等しい長さを持つ鎖を含む(特に、3’末端残基からナンバリングした時に、DsiRNAの第1の鎖上の位置1、2または3のうちの1つ以上が、第1の鎖及び第2の鎖が互いにアニールする時に、第2の鎖上の5’末端領域の対応する残基とミスマッチする)。2つの末端ミスマッチ残基を持つ例示的27マーDsiRNA剤を
に示し、
式中、「X」=RNA、「M」=鎖がアニールする時、他の相補的鎖の対応する「M」残基と塩基対を形成しない(水素結合しない)核酸残基(RNA、DNAまたは非天然または修飾核酸)である。このような薬剤の任意の残基は任意に、2’-O-メチルRNAモノマーであり得、上記の非対称薬剤に関して示したように、下(第2の)鎖の3’末端残基から始まる2’-O-メチルRNAモノマーの交互位置が上記「平滑/ほつれ」DsiRNA剤中でも使用可能である。1つの実施形態では、上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。あるいは、下鎖はセンス鎖であり、上鎖はアンチセンス鎖である。
ある特定のさらなる実施形態では、本発明は、推定されるセンス鎖Dicer開裂部位の3’と、推定されるアンチセンス鎖Dicer開裂部位の対応する5’とに位置する、二本鎖リボ核酸(dsRNA)の領域内に1つ以上の塩基対化デオキシリボヌクレオチドを有するRNA干渉(RNAi)に関する組成物を提供する。本発明の組成物は、前駆体分子であるdsRNAを含み、すなわち、本発明のdsRNAが、活性小干渉核酸(siRNA)を産生するようにインビボで処理される。dsRNAは、Dicerによって、RISC内に組み込まれる活性siRNAに処理される。
ある特定の実施形態では、本発明のDsiRNA剤は、以下の例示的構造を持ち得る(以下の例示的構造のいずれかは、例えば、上述の構造の下鎖修飾パターンと組み合わせ可能であることに留意のこと-1つの特定の例では、上記構造のいずれかで示した下鎖修飾パターンが、以下の構造のいずれかの下鎖の最も3’側の27の残基に適用される;別の特定の例では、下鎖の最も3’側の23の残基における、上記構造のいずれかにて示した下鎖修飾パターンが、以下の構造のいずれかの下鎖の最も3’側の23の残基に適用される):
1つのこのような実施形態では、DsiRNAは、以下の(例示的「右伸長」、「DNA伸長」DsiRNA)、
を含み、
式中、「X」=RNA、「Y」は、任意に2’-O-メチルRNAモノマーである0~10RNAモノマーからなる任意のオーバーハングドメインであり、ある特定の実施形態では、「Y」は、任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、「D」=DNA、及び「N」=1~50以上であるが、任意に1~8または1~10である。「N
*」=0~15以上であるが任意に0、1、2、3、4、5または6である。1つの実施形態では、上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。あるいは、下鎖はセンス鎖であり、上鎖はアンチセンス鎖である。
関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「Y」は、任意に2’-O-メチルRNAモノマーである0~10RNAモノマーからなる任意のオーバーハングドメインであり、ある特定の実施形態では、「Y」は、任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、「D」=DNA、及び「N」=1~50以上であるが、任意に1~8または1~10である。「N
*」=0~15以上であるが任意に0、1、2、3、4、5または6である。1つの実施形態では、上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。あるいは、下鎖はセンス鎖であり、上鎖はアンチセンス鎖である。
さらなる実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は、任意に2’-O-メチルRNAモノマーである0~10RNAモノマーからなる任意のオーバーハングドメインであり、ある特定の実施形態では、「Y」は、任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、「D」=DNA、「Z」=DNAまたはRNA、及び「N」=1~50以上であるが、任意に1~8または1~10である。「N
*」=0~15以上であるが任意に0、1、2、3、4、5または6である。1つの実施形態では、上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。あるいは、下鎖はセンス鎖であり、上鎖はアンチセンス鎖であり、2’-O-メチルRNAモノマーが、上記模式図中において本明細書で描写した下鎖ではなく、上鎖に沿って交互残基に局在する。
別のこのような実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は、任意に2’-O-メチルRNAモノマーである0~10RNAモノマーからなる任意のオーバーハングドメインであり、ある特定の実施形態では、「Y」は、任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、「D」=DNA、「Z」=DNAまたはRNA、及び「N」=1~50以上であるが、任意に1~8または1~10である。「N
*」=0~15以上であるが任意に0、1、2、3、4、5または6である。1つの実施形態では、上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。あるいは、下鎖はセンス鎖であり、上鎖はアンチセンス鎖であり、2’-O-メチルRNAモノマーが、上記模式図中において本明細書で描写した下鎖ではなく、上鎖に沿って交互残基に局在する。
別のこのような実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「Y」は、任意に2’-O-メチルRNAモノマーである0~10RNAモノマーからなる任意のオーバーハングドメインであり、ある特定の実施形態では、「Y」は、任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、「D」=DNA、「Z」=DNAまたはRNA、及び「N」=1~50以上であるが、任意に1~8または1~10である。「N
*」=0~15以上であるが任意に0、1、2、3、4、5または6である。1つの実施形態では、上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。あるいは、下鎖はセンス鎖であり、上鎖はアンチセンス鎖であり、2’-O-メチルRNAモノマーが、上記模式図中において本明細書で描写した下鎖ではなく、上鎖に沿って交互残基に局在する。
別の実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「Y」は、任意に2’-O-メチルRNAモノマーである0~10RNAモノマーからなる任意のオーバーハングドメインであり、ある特定の実施形態では、「Y」は、任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、「D」=DNA、「Z」=DNAまたはRNA、及び「N」=1~50以上であるが、任意に1~8または1~10であり、少なくとも1つのD1
Nが上鎖中に存在し、下鎖中の対応するD2
Nと塩基対を形成する。任意に、D1
NとD1
N+1は、対応するD2
NとD2
N+1と塩基対を形成し;D1
N、D1
N+1、及びD1
N+2は、対応するD2
N、D1
N+1及びD1
N+2などと塩基対を形成する。「N
*」=0~15以上であるが任意に0、1、2、3、4、5または6である。1つの実施形態では、上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。あるいは、下鎖はセンス鎖であり、上鎖はアンチセンス鎖であり、2’-O-メチルRNAモノマーが、上記模式図中において本明細書で描写した下鎖ではなく、上鎖に沿って交互残基に局在する。
本明細書で描写した構造において、センス鎖またはアンチセンス鎖いずれかの5’末端が任意にリン酸基を含む。
別の実施形態では、DNA:DNA伸長DsiRNAは、Dicer開裂を正しい方向にするように働く、1~3ミスマッチ残基を有する等しい長さを持つ鎖を含む(特に、3’末端残基からナンバリングした時に、DsiRNAの第1の鎖上の位置1、2または3のうちの1つ以上が、第1の鎖及び第2の鎖が互いにアニールする時に、第2の鎖上の5’末端領域の対応する残基とミスマッチする)。2つの末端ミスマッチ残基を持つ例示的DNA:DNA伸長DsiRNA剤が
に示され、
式中、「X」=RNA、「M」=鎖がアニールする時、他の相補的鎖の対応する「M」残基と塩基対を形成しない(水素結合しない)核酸残基(RNA、DNAまたは非天然または修飾核酸)、「D」=DNA、「N」=1~50以上であるが、任意に1~15、または任意に1~8であり、「N
*」=0~15以上であるが任意に0、1、2、3、4、5または6である。このような薬剤の任意の残基は任意に、2’-O-メチルRNAモノマーであり得、上記の非対称薬剤に関して示したように、下(第2の)鎖の3’末端残基から始まる2’-O-メチルRNAモノマーの交互位置が、上記「平滑/ほつれ」DsiRNA剤中でも使用可能である。1つの実施形態では、上鎖(第1の鎖)はセンス鎖であり、下鎖(第2の鎖)はアンチセンス鎖である。あるいは、下鎖はセンス鎖であり、上鎖はアンチセンス鎖である。非対称/オーバーハング薬剤に関して上述のものと並行する修飾パターン及びDNA:DNA伸長パターンもまた、このような「平滑/ほつれ」薬剤内に組み込むことが可能である。
1つの実施形態では、伸長したDsiRNA剤が、dsRNA構造中の塩基対を形成するデオキシリボヌクレオチドの存在を必要としない、Dicer開裂の特定の方向を介して機能するようにモデル化された部位に位置するデオキシリボヌクレオチドを含むように提供される。このような分子の例示的な構造を、
に示し、
式中、「X」=RNA、「Y」は、任意に2’-O-メチルRNAモノマーである0~10RNAモノマーからなる任意のオーバーハングドメインであり、ある特定の実施形態では、「Y」は、任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、「D」=DNAである。1つの実施形態では、上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。あるいは、下鎖はセンス鎖であり、上鎖はアンチセンス鎖である。上記の構造は、Dicerがその第一処理後形態として、最低21マーの二本鎖を開裂するようにさせるようにモデル化されている。上記構造の下鎖がアンチセンス鎖である実施形態では、アンチセンス鎖の5’末端の最後及び最後から2番目の残基で2つのデオキシリボヌクレオチド残基が存在することが、的外れの効果の低減を支援する(先行研究では、的外れの効果を低減させるために、アンチセンス鎖の5’末端から少なくとも最後から2番目の2’-O-メチル修飾が示される。例えば、US2007/0223427を参照されたい)。
1つの実施形態では、DsiRNAは、以下のものを含み(例示的「左伸長」、「DNA伸長」DsiRNA)、
式中、「X」=RNA、「Y」は、任意に2’-O-メチルRNAモノマーである0~10RNAモノマーからなる任意のオーバーハングドメインであり、ある特定の実施形態では、「Y」は、任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、「D」=DNA、及び「N」=1~50以上であるが、任意に1~8または1~10である。「N
*」=0~15以上であるが任意に0、1、2、3、4、5または6である。1つの実施形態では、上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。あるいは、下鎖はセンス鎖であり、上鎖はアンチセンス鎖である。
関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、任意に2’-O-メチルRNAモノマー、「D」=DNA、「N」=1~50以上であるが、任意に1~8または1~10である。「N
*」=0~15以上であるが任意に0、1、2、3、4、5または6である。1つの実施形態では、上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。あるいは、下鎖はセンス鎖であり、上鎖はアンチセンス鎖である。
さらなる実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、任意に2’-O-メチルRNAモノマー、「D」=DNA、「N」=1~50以上であるが、任意に1~8または1~10である。「N
*」=0~15以上であるが任意に0、1、2、3、4、5または6である。「Z」=DNAまたはRNA。1つの実施形態では、上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。あるいは、下鎖はセンス鎖であり、上鎖はアンチセンス鎖であり、2’-O-メチルRNAモノマーが、上記模式図中において本明細書で描写した下鎖ではなく、上鎖に沿って交互残基に局在する。
別のこのような実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、任意に2’-O-メチルRNAモノマー、「D」=DNA、「N」=1~50以上であるが、任意に1~8または1~10である。「N
*」=0~15以上であるが任意に0、1、2、3、4、5または6である。「Z」=DNAまたはRNA。1つの実施形態では、上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。あるいは、下鎖はセンス鎖であり、上鎖はアンチセンス鎖であり、2’-O-メチルRNAモノマーが、上記模式図中において本明細書で描写した下鎖ではなく、上鎖に沿って交互残基に局在する。
別のこのような実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNA、「Z」=DNAまたはRNA、及び「N」=1~50以上であるが、任意に1~8または1~10である。「N
*」=0~15以上であるが任意に0、1、2、3、4、5または6である。1つの実施形態では、上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。あるいは、下鎖はセンス鎖であり、上鎖はアンチセンス鎖であり、2’-O-メチルRNAモノマーが、上記模式図中において本明細書で描写した下鎖ではなく、上鎖に沿って交互残基に局在する。
別のこのような実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「
X」=2’-O-メチルRNA、「D」=DNA、「Z」=DNAまたはRNA、及び「N」=1~50以上であるが、任意に1~8または1~10である。「N
*」=0~15以上であるが任意に0、1、2、3、4、5または6である。「Y」は、任意に2’-O-メチルRNAモノマーである0~10RNAモノマーからなる任意のオーバーハングドメインであり、ある特定の実施形態では、「Y」は、任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインである。1つの実施形態では、上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。あるいは、下鎖はセンス鎖であり、上鎖はアンチセンス鎖であり、2’-O-メチルRNAモノマーが、上記模式図中において本明細書で描写した下鎖ではなく、上鎖に沿って交互残基に局在する。
別の実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「D」=DNA、「Z」=DNAまたはRNA、及び「N」=1~50以上であるが、任意に1~8または1~10であり、ここで少なくとも1つのD1
Nが上鎖中に存在し、下鎖中の対応するD2
Nと塩基対を形成する。任意にD1
NとD1
N+1は、対応するD2
NとD2
N+1と塩基対を形成し、D1
N、D1
N+1、D1
N+2は、対応するD2
N、D1
N+1及びD1
N+2などと塩基対を形成する。「N
*」=0~15以上であるが任意に0、1、2、3、4、5または6である。1つの実施形態では、上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。あるいは、下鎖はセンス鎖であり、上鎖はアンチセンス鎖であり、2’-O-メチルRNAモノマーが、上記模式図中において本明細書で描写した下鎖ではなく、上鎖に沿って交互残基に局在する。
関連実施形態では、DsiRNAは、
を含み、式中、「X」=RNA、「D」=DNA、「Y」は、任意に2’-O-メチルRNAモノマーである0~10RNAモノマーからなる任意のオーバーハングドメインであり、ある特定の実施形態では、「Y」は、任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、及び「N」=1~50以上であるが、任意に1~8または1~10であり、ここで少なくとも1つのD1
Nが上鎖中に存在し、下鎖中の対応するD2
Nと塩基対を形成する。任意にD1
NとD1
N+1は、対応するD2
NとD2
N+1と塩基対を形成し、D1
N、D1
N+1、D1
N+2は、対応するD2
N、D1
N+1及びD1
N+2などと塩基対を形成する。「N
*」=0~15以上であるが任意に0、1、2、3、4、5または6である。1つの実施形態では、上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。あるいは、下鎖はセンス鎖であり、上鎖はアンチセンス鎖であり、2’-O-メチルRNAモノマーが、上記模式図中において本明細書で描写した下鎖ではなく、上鎖に沿って交互残基に局在する。
別の実施形態では、DNA:DNA伸長DsiRNAは、Dicer開裂を正しい方向にするように働く、1~3ミスマッチ残基を有する等しい長さを持つ鎖を含む(特に、3’末端残基からナンバリングした時に、DsiRNAの第1の鎖上の位置1、2または3のうちの1つ以上が、第1の鎖及び第2の鎖が互いにアニールする時に、第2の鎖上の5’末端領域の対応する残基とミスマッチする)。2つの末端ミスマッチ残基を持つ例示的DNA:DNA伸長DsiRNA剤が、
に示され、
式中、「X」=RNA、「M」=鎖がアニールする時、他の相補的鎖の対応する「M」残基と塩基対を形成しない(水素結合しない)核酸残基(RNA、DNAまたは非天然または修飾核酸)、「D」=DNA、「N」=1~50以上であるが、任意に1~8、または任意1~10であり、「N
*」=0~15以上であるが任意に0、1、2、3、4、5または6である。このような薬剤の任意の残基は任意に、2’-O-メチルRNAモノマーであり得、上記の非対称薬剤に関して示したように、下(第2の)鎖の3’末端残基から始まる2’-O-メチルRNAモノマーの交互位置が、上記「平滑/ほつれ」DsiRNA剤中でも使用可能である。1つの実施形態では、上鎖(第1の鎖)はセンス鎖であり、下鎖(第2の鎖)はアンチセンス鎖である。あるいは、下鎖はセンス鎖であり、上鎖はアンチセンス鎖である。非対称/オーバーハング薬剤に関して上述のものと並行する修飾パターン及びDNA:DNA伸長パターンもまた、このような「平滑/ほつれ」薬剤内に組み込むことが可能である。
別の実施形態では、伸長したDsiRNA剤が、dsRNA構造中の塩基対を形成するデオキシリボヌクレオチドの存在を必要としない、Dicer開裂の特定の方向を介して機能するようにモデル化された部位に位置するデオキシリボヌクレオチドを含むように提供される。このような分子の例示的な構造が、
に示され、
式中、「X」=RNA、「Y」は、任意に2’-O-メチルRNAモノマーである0~10RNAモノマーからなる任意のオーバーハングドメインであり、ある特定の実施形態では、「Y」は、任意に2’-O-メチルRNAモノマーである、1~4RNAモノマーからなるオーバーハングドメインであり、「D」=DNAである。「N
*」=0~15以上であるが任意に0、1、2、3、4、5または6である。1つの実施形態では、上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。あるいは、下鎖はセンス鎖であり、上鎖はアンチセンス鎖である。
上記構造の下鎖がアンチセンス鎖である上記のいずれかの実施形態では、アンチセンス鎖の5’末端の最後及び最後から二番目の残基での2つのデオキシリボヌクレオチド残基の位置づけが、的外れの効果の低減を支援する(先行研究では、的外れの効果を低減させるために、アンチセンス鎖の5’末端から少なくとも最後から二番目の2’-O-メチル修飾が示される。例えば、US2007/0223427を参照されたい)。
ある特定の実施形態では、上記構造の「D」残基には、少なくとも1つのPS-DNAまたはPS-RNAが含まれる。任意に、上記構造の「D」残基には、Dicer開裂を阻害する少なくとも1つの修飾ヌクレオチドが含まれる。
上記「DNA伸長」DsiRNA剤は、「左伸長」または「右伸長」のいずれかとして分類されることができる一方で、単剤内で左及び右の両方の伸長DNA含有配列を含むDsiRNA剤(例えば、コアdsRNA構造を取り囲むフランキングがdsDNA伸長である)をまた、「右伸長」及び「左伸長」剤に関して本明細書で記述したものと同様の様式で、作製し、かつ使用できる。
いくつかの実施形態では、本発明のDsiRNAは、本発明のdsNA、例えば、DNA:DNA伸長DsiRNA剤のセンス鎖及びアンチセンス鎖を連結する結合部分またはドメインをさらに含む。任意に、このような結合部分ドメインは、センス鎖の3’末端と、アンチセンス鎖の5’末端とを連結する。結合部分は、オリゴメチレンジオールリンカー、オリゴエチレングリコールリンカー、または他の当該技術分野で認識されるリンカー部位のような、化学的(非ヌクレオチド)リンカーであってもよい。あるいは、リンカーは、任意に伸長ループ及び/またはテトラループを含む、ヌクレオチドリンカーであり得る。
1つの実施形態では、DsiRNA剤は、25塩基対長を持つセンス鎖と、1~4塩基3’-オーバーハング(例えば、1塩基3’オーバーハング、2塩基3’-オーバーハング、3塩基3’-オーバーハングまたは4塩基3’-オーバーハング)を持つ27塩基対長を持つアンチセンス鎖を持つ、非対称構造を有する。別の実施形態では、このDsiRNA剤は、センス鎖の3’末端にて、2つのデオキシヌクレオチドをさらに含む、非対称構造を有する。
別の実施形態では、DsiRNA剤は、25塩基対長を持つアンチセンス鎖と、1~4塩基3’-オーバーハング(例えば、1塩基3’オーバーハング、2塩基3’-オーバーハング、3塩基3’-オーバーハングまたは4塩基3’-オーバーハング)を持つ27塩基対長を持つセンス鎖を持つ、非対称構造を有する。別の実施形態では、DsiRNA剤は、アンチセンス鎖の3’末端にて、2つのデオキシヌクレオチドをさらに含む、非対称構造を有する。
本発明の例示的な乳酸デヒドロゲナーゼ標的化DsiRNA剤、及びそれらの関連する乳酸デヒドロゲナーゼ標的配列としては、下の一連の表に示される以下のものが挙げられる:
表番号:
(2)選択したヒト抗乳酸デヒドロゲナーゼDsiRNA剤(非対称);
(3)選択したヒト抗乳酸デヒドロゲナーゼDsiRNA、非修飾の二本鎖(非対称);
(4)ヒト乳酸デヒドロゲナーゼmRNA中のDsiRNA標的配列(21マー);
(5)選択したヒト抗乳酸デヒドロゲナーゼ「平滑/平滑」DsiRNA;
(6)ヒト乳酸デヒドロゲナーゼmRNA中のDsiRNA成分である19のヌクレオチド標的配列;
(7)選択したマウス抗乳酸デヒドロゲナーゼDsiRNA剤(非対称);
(8)選択したマウス抗乳酸デヒドロゲナーゼDsiRNA、非修飾の二本鎖(非対称);
(9)マウス乳酸デヒドロゲナーゼmRNA中のDsiRNA標的配列(21マー);
(10)選択したマウス抗乳酸デヒドロゲナーゼ「平滑/平滑」DsiRNA;
(11)マウス乳酸デヒドロゲナーゼmRNA中のDsiRNA成分である19のヌクレオチド標的配列;及び
(12)選択したさらなるヒト抗乳酸デヒドロゲナーゼDsiRNA剤(非対称)
上記の表2、3、5、7、8、10及び12内で、下線残基は、2’-O-メチル残基を示し、大文字はリボヌクレオチド類を示し、小文字はデオキシリボヌクレオチド類を示す。上記の表2~3、7~8及び12のDsiRNA剤は、平滑末端を有する25/27マーの薬剤である。上記の表2~3、7~8及び12の薬剤の構造及び/または修飾パターンを、上記の遺伝的配列構造に対して容易に適合でき、例えば、第2の鎖の3’オーバーハングを伸長させるか、または短縮させることが可能であり、第2の鎖の2’-O-メチル化を第2の鎖の5’末端に向かって、任意に交互部位などにて拡大させることが可能である。このような修飾をもつ25/27マーDsiRNAをまた、上記DsiRNA剤から簡単にデザイン可能であり、乳酸デヒドロゲナーゼ発現の機能的阻害剤としても予測されるため、このようなさらなる修飾は任意である。同様に、上記の表5及び10の薬剤の、27マー「平滑/平滑」DsiRNA構造及び/または修飾パターンを、例えば、このような構造に対するアンチセンス鎖の修飾パターンの適用、及び/またはこのような配列の上記遺伝的構造への適用のために、上記遺伝的配列構造に容易に適用できる。
ある特定の実施形態では、各27ヌクレオチドの独立した鎖長を有する27マーDsiRNAを、本明細書の表2~3、7~8及び12にて示した、非対称「25/27」構造と同一の乳酸デヒドロゲナーゼ転写産物内の部位の標的化のために、デザインし、合成する。例示的「27/27」DsiRNAは、上記の表5及び10のDsiRNAに関して示したような「平滑/平滑」構造で、任意にデザインされる。
ある特定の実施形態では、本発明のdsRNA剤は、第1の鎖の、例えば、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25または少なくとも26の残基が、第2の鎖の対応する残基に相補的であることを必要とする。ある特定の関連実施形態では、第2の鎖の対応する残基に相補的なこれらの第1の鎖残基は任意に連続した残基である。
本発明のある特定のDsiRNAmm(「DsiRNAミスマッチ」)実施形態では、ミスマッチ塩基対は、対応する標的核酸の推定されるAgo2切断部位の位置に関して本明細書で定義した、「ミスマッチ耐性領域」内に位置する。ミスマッチ耐性領域は、標的鎖の推定Ago2切断部位「の上流」に位置する。本文脈中の「上流」は、DsiRNAmm二本鎖の最も5’側として理解され、5’はDsiRNA二本鎖のセンス鎖の方向を指す。したがって、ミスマッチ耐性領域は、標的核酸の推定Ago2切断部位に対応するセンス(パッセンジャー)鎖上の塩基の上流であり(図1を参照されたい)、あるいは、DsiRNAmmのアンチセンス(ガイド)鎖を指す場合、ミスマッチ耐性領域は、標的核酸の推定Ago2切断部位に相補的な塩基の下流に位置すると記述することも可能であり、すなわち、DsiRNAmmのアンチセンス鎖の最も3’側と記述可能である(アンチセンス鎖の位置1は、アンチセンス鎖の5’末端ヌクレオチドである、図1を参照されたい)。
1つの実施形態では、例えば、図1にて描写したようなナンバリングで、ミスマッチ耐性領域は、二本鎖のセンス鎖の5’末端で開始したヌクレオチドからナンバリングした場合、塩基対3~9の間及び塩基対3~9を含んで位置する。したがって、本発明のDsiRNAmmは、右手伸長DsiRNAのセンス鎖の位置3、4、5、6、7、8または9のいずれか1つにおいて、単一のミスマッチ塩基対を有する(位置1は、センス鎖の5’末端ヌクレオチドであり、位置9は、センス鎖配列に対応する標的乳酸デヒドロゲナーゼRNA配列の推定Ago2切断部位の5’に接したセンス鎖のヌクレオチド残基である)。ある特定の実施形態では、センス鎖の位置3、4、5、6、7、8または9の任意の位置でミスマッチ塩基対ヌクレオチドを有するDsiRNAmmでは、アンチセンス鎖の対応するミスマッチ塩基対ヌクレオチドは、DsiRNAmmのセンス鎖配列とミスマッチ塩基対を形成するだけでなく、DsiRNAmm標的乳酸デヒドロゲナーゼRNA配列ともミスマッチ塩基対を形成する(したがって、アンチセンス鎖配列とセンス鎖配列との間の相補性は、DsiRNAmm内のミスマッチ塩基対にて中断され、相補性は、DsiRNAmmのアンチセンス鎖配列と標的乳酸デヒドロゲナーゼRNA配列との間で同様に中断される)。代替的な実施形態では、DsiRNAmmのアンチセンス鎖のミスマッチ塩基対ヌクレオチドは、DsiRNAmmのセンス鎖配列の対応するヌクレオチドとミスマッチ塩基対を形成するだけでなく、その対応する標的乳酸デヒドロゲナーゼRNA配列ヌクレオチドとも塩基対を形成する(したがって、アンチセンス鎖配列とセンス鎖配列との間の相補性は、DsiRNAmm内のミスマッチ塩基対にて中断され、また相補性は、DsiRNAmmのアンチセンス鎖配列と標的乳酸デヒドロゲナーゼRNA配列との間で維持される)。
上述のように、ミスマッチ耐性領域(ミスマッチ領域)内で単一のミスマッチ塩基対を有する本発明のDsiRNAmm(例えば、センス鎖の位置3、4、5、6、7、8または9のいずれか1つにてミスマッチヌクレオチド残基をもつDsiRNAmm)はさらに、1、2または3つのさらなるミスマッチ塩基対を含み得る。好ましい実施形態では、これらDsiRNAmmの1、2または3つのさらなるミスマッチ塩基対は、センス鎖位置(複数可)3、4、5、6、7、8及び/または9にて(及びアンチセンス鎖の対応する残基にて)発生する。1つのさらなるミスマッチ塩基対が、DsiRNAmm内に存在する1つの実施形態では、センス鎖の2つのミスマッチ塩基対が、例えば、(アンチセンス鎖の対応するヌクレオチド残基にて発生もするミスマッチとともに)センス鎖の位置4及び位置6両方のヌクレオチドで発生可能である。
2つのミスマッチ塩基対を有するDsiRNAmm剤では、ミスマッチは、連続して(例えば、センス鎖ヌクレオチド配列に沿った連続位置にて)発生可能である。あるいは、アンチセンス鎖配列とミスマッチ塩基対を形成するセンス鎖のヌクレオチドが、アンチセンス鎖配列と塩基対を形成するヌクレオチドによって散在し得る(例えば、位置4及び5ではなく、位置3及び6にてミスマッチヌクレオチドを有するDsiRNAmmに関して、センス鎖の位置3及び6のミスマッチ残基は、アンチセンス鎖の対応する残基とマッチした塩基対を形成する2つのヌクレオチドによって散在される)。例えば、対応するアンチセンス鎖配列とミスマッチ塩基対を形成する(センス鎖のミスマッチ耐性領域内に位置する)センス鎖の2つの残基が、これらのミスマッチ塩基対間に位置する、0、1、2、3、4または5のマッチした塩基対で発生可能である。
3つのミスマッチ塩基対を有するある特定のDsiRNAmm剤では、ミスマッチは、連続して発生可能である(例えば、センス鎖ヌクレオチド配列に沿って三重に発生可能である)。あるいは、アンチセンス鎖配列とミスマッチ塩基対を形成するセンス鎖のヌクレオチドが、アンチセンス鎖配列とマッチした塩基対を形成するヌクレオチドによって散在し得る(例えば、位置5、6及び7ではなく、位置3、4及び8にてミスマッチヌクレオチドを有するDsiRNAmmに関して、センス鎖位置3及び4のミスマッチ残基は、互いに隣接し、センス鎖位置4及び8のミスマッチ残基は、アンチセンス鎖の対応する残基とマッチした塩基対を形成する3つの残基によって散在される)。例えば、対応するアンチセンス鎖配列とミスマッチ塩基対を形成する(センス鎖のミスマッチ耐性領域内に位置する)センス鎖の3つの残基が、これらのミスマッチ塩基対の任意の2つの間に位置する、0、1、2、3または4つのマッチした塩基対で発生可能である。
4つのミスマッチ塩基対を有するある特定のDsiRNAmm剤では、ミスマッチは、連続して発生可能である(例えば、センス鎖ヌクレオチド配列に沿って四重に発生可能である)。あるいは、アンチセンス鎖配列とミスマッチ塩基対を形成するセンス鎖のヌクレオチドが、アンチセンス鎖配列とマッチした塩基対を形成するヌクレオチドによって散在し得る(例えば、位置4及び6ではなく、位置3、5、7及び8にてミスマッチヌクレオチドを有するDsiRNAmmに関して、センス鎖位置7及び8のミスマッチ残基は、互いに隣接し、センス鎖位置3及び5のミスマッチ残基は、アンチセンス鎖の対応する残基とマッチした塩基対を形成する1つのヌクレオチドによって散在される。同様に、センス鎖位置5及び7のミスマッチ残基がまた、アンチセンス鎖の対応する残基とマッチした塩基対を形成する1つのヌクレオチドによっても散在される)。例えば、対応するアンチセンス鎖配列とミスマッチ塩基対を形成する(センス鎖のミスマッチ耐性領域内に位置する)センス鎖の4つの残基が、これらのミスマッチ塩基対の任意の2つの間に位置する、0、1、2または3つのマッチした塩基対で発生可能である。
例えば、図1でまた描写したようなナンバリングで、別の実施形態では、本発明のDsiRNAmmは、DsiRNAのアンチセンス鎖の位置17、18、19、20、21、22または23のいずれか1つにて、単一のミスマッチ塩基対ヌクレオチドを有するミスマッチ耐性領域を含む(位置1はアンチセンス鎖の5’末端ヌクレオチドであり、位置17は、アンチセンス鎖配列に十分に相補的な標的乳酸デヒドロゲナーゼRNA配列の推定Ago2切断部位のアンチセンス鎖中の3’(下流)隣接であるアンチセンス鎖のヌクレオチド残基である)。ある特定の実施形態では、DsiRNAmmのセンス鎖に関して、アンチセンス鎖の位置17、18、19、20、21、22または23のいずれかにミスマッチ塩基対ヌクレオチドを有するDsiRNAmmでは、アンチセンス鎖のミスマッチ塩基対ヌクレオチドは、DsiRNAmmセンス鎖配列とミスマッチ塩基対を形成するだけでなく、DsiRNAmm標的乳酸デヒドロゲナーゼRNA配列ともミスマッチ塩基対を形成する(したがって、アンチセンス鎖配列とセンス鎖配列との間の相補性は、DsiRNAmm内のミスマッチ塩基対にて中断され、相補性は同様に、DsiRNAmmのアンチセンス鎖配列と標的乳酸デヒドロゲナーゼRNA配列との間で中断される)。代替的な実施形態では、DsiRNAmmのアンチセンス鎖のミスマッチ塩基対ヌクレオチドは、DsiRNAmmのセンス鎖配列の対応するヌクレオチドとミスマッチ塩基対を形成するだけであるが、その対応する標的乳酸デヒドロゲナーゼRNA配列ヌクレオチドと塩基対を形成する(したがって、アンチセンス鎖配列とセンス鎖配列との間の相補性は、DsiRNAmm内のミスマッチ塩基で中断されるが、相補性は、DsiRNAmmのアンチセンス鎖配列と標的乳酸デヒドロゲナーゼRNA配列との間で維持される)。
上述のように、ミスマッチ耐性領域内で単一ミスマッチ塩基対を有する本発明のDsiRNAmm(例えば、アンチセンス鎖の位置17、18、19、20、21、22または23にてミスマッチヌクレオチド残基を持つDsiRNAmm)はさらに、1、2または3つのさらなるミスマッチ塩基対を含み得る。好ましい実施形態では、これらDsiRNAmmのさらなる1、2または3つのミスマッチ塩基対が、アンチセンス鎖の位置(複数可)17、18、19、20、21、22及び/または23で(及びセンス鎖の対応する残基にて)発生する。1つのさらなるミスマッチ塩基対がDsiRNAmm内に存在する1つの実施形態では、アンチセンス鎖の2つのミスマッチ塩基対が、例えば、(センス鎖の対応するヌクレオチド残基にて同様に発生しているミスマッチと共に)アンチセンス鎖の位置18及び位置20の両方のヌクレオチドで発生可能である。
2つのミスマッチ塩基対を有するDsiRNAmm剤では、ミスマッチは連続して(例えば、アンチセンス鎖ヌクレオチド配列に沿った連続位置にて)発生可能である。あるいは、センス鎖配列とミスマッチ塩基対を形成するアンチセンス鎖のヌクレオチドは、センス鎖配列と塩基対を形成するヌクレオチドによって散在し得る(例えば、位置18及び19ではなく、位置17及び20でミスマッチヌクレオチドを有するDsiRNAmmでは、アンチセンス鎖位置17及び20のミスマッチ残基が、センス鎖の対応する残基とマッチした塩基対を形成する2つのヌクレオチドによって散在する)。例えば、対応するセンス鎖配列とミスマッチ塩基対を形成する(センス鎖のミスマッチ耐性領域内に位置する)アンチセンス鎖の2つの残基は、これらのミスマッチ塩基対間に位置する0、1、2、3、4、5、6または7のマッチした塩基対で発生可能である。
3つのミスマッチ塩基対を有するある特定のDsiRNAmm剤では、ミスマッチは連続して発生可能である(例えば、アンチセンス鎖ヌクレオチド配列に沿って三重に起こり得る)。あるいは、センス鎖配列とミスマッチ塩基対を形成するアンチセンス鎖のヌクレオチドが、センス鎖配列とマッチした塩基対を形成するヌクレオチドによって散在し得る(例えば、位置19、20及び21ではなく、位置17、18及び22にてミスマッチヌクレオチドを有するDsiRNAmmでは、アンチセンス鎖位置17及び18のミスマッチ残基は、互いに隣接し、一方アンチセンス鎖位置18及び122のミスマッチ残基は、センス鎖の対応する残基とマッチした塩基対を形成する3つのヌクレオチドによって散在される)。例えば、対応するセンス鎖配列とミスマッチ塩基対を形成する(アンチセンス鎖のミスマッチ耐性領域内に位置する)アンチセンス鎖の3つの残基が、これらのミスマッチ塩基対の任意の2つの間に位置する、0、1、2、3、4、5または6のマッチした塩基対で発生可能である。
4つのミスマッチ塩基対を有するある特定のDsiRNAmm剤では、ミスマッチは、連続して発生可能である(例えば、アンチセンス鎖ヌクレオチド配列に沿って四重に発生可能である)。あるいは、センス鎖配列とミスマッチ塩基対を形成するアンチセンス鎖のヌクレオチドが、センス鎖配列とマッチした塩基対を形成するヌクレオチドによって散在し得る(例えば、位置19及び21ではなく、位置18、20、22及び23にてミスマッチヌクレオチドを有するDsiRNAmmでは、アンチセンス鎖位置22及び23のミスマッチ残基は、互いに隣接し、一方アンチセンス鎖位置18及び20のミスマッチ残基は、センス鎖の対応する残基とマッチした塩基対を形成する1つのヌクレオチドによって散在される-同様に、アンチセンス鎖位置20及び22のミスマッチ残基がまた、センス鎖の対応する残基とマッチした塩基対を形成する1つのヌクレオチドによって散在される)。例えば、対応するセンス鎖配列とミスマッチ塩基対を形成する(アンチセンス鎖のミスマッチ耐性領域内に位置する)アンチセンス鎖の4つの残基が、これらのミスマッチ塩基対の任意の2つの間に位置する、0、1、2、3、4または5のマッチ塩基対で発生可能である。
明確化の理由のために、上記DsiRNAmm剤内のミスマッチヌクレオチド残基の配置(複数可)を、DsiRNAmmのセンス鎖またはアンチセンス鎖のいずれかの5’末端残基に関してナンバリングする。アンチセンス鎖のミスマッチ耐性領域(ミスマッチ領域)内に配置される位置のナンバリングが、推定Ago2開裂部位に対するセンス鎖またはアンチセンス鎖の5’末端の近位での変動を伴ってシフト可能である。したがって、アンチセンス鎖またはセンス鎖内のいずれかの好ましいミスマッチ部位の配置(複数可)をまた、推定Ago2切断部位に対して、このようなミスマッチの許容される近位にあると同定可能でもある。したがって、1つの好ましい実施形態では、DsiRNAmmのセンス鎖のミスマッチヌクレオチドの位置は、対応する標的乳酸デヒドロゲナーゼRNA配列の推定Ago2開裂部位のすぐ5’(上流)側に配置されるセンス鎖のヌクレオチド残基である。他の好ましい実施形態では、DsiRNAmmのセンス鎖のミスマッチヌクレオチドは、推定Ago2開裂部位の2ヌクレオチド5’(上流)側、推定Ago2開裂部位の3ヌクレオチド5’(上流)側、推定Ago2開裂部位の4ヌクレオチド5’(上流)側、推定Ago2開裂部位の5ヌクレオチド5’(上流)側、推定Ago2開裂部位の6ヌクレオチド5’(上流)側、推定Ago2開裂部位の7ヌクレオチド5’(上流)側、推定Ago2開裂部位の8ヌクレオチド5’(上流)側または推定Ago2開裂部位の9ヌクレオチド5’(上流)側に位置するセンス鎖のヌクレオチド残基に位置する。
例示的な単一ミスマッチ含有25/27マーDsiRNA(DsiRNAmm)としては、以下の構造が挙げられる(このようなミスマッチ含有構造はまた、本明細書で示した他の例示的なDsiRNA構造内に組み込んでもよい)。
式中、「X」=RNA、「D」=DNA及び「M」=鎖がアニールする時に、他の相補的鎖の対応する「M」残基と塩基対(水素結合)を形成しない核酸残基(RNA、DNAまたは天然に存在しないまたは修飾核酸)である。このような薬剤の任意の残基は、任意に2’-O-メチルRNAモノマーであり得、-上記で示したように、下(第2の)鎖の3’末端残基から始まる2’-O-メチルRNAモノマーの交互配置を、上記のDsiRNAmm剤中で使用可能でもある。上記のミスマッチ構造では、上鎖はセンス鎖であり、下鎖はアンチセンス鎖である。
ある特定の実施形態では、本発明のDsiRNAは、DsiRNAの2つの鎖内のミスマッチ塩基対として必ずしも存在せず、標的乳酸デヒドロゲナーゼRNA配列に関して存在するミスマッチを含み得る-したがって、DsiRNAは、DsiRNAの第1の鎖及び第2の鎖間で完全な相補性を有してよいが、標的乳酸デヒドロゲナーゼRNAに関してミスマッチ残基を有し得る(これは、ある特定の実施形態では、有効性及び/または効力及び/または効果の持続期間を促進することにおいて有益であり得る)。ミスマッチが、アンチセンス鎖と標的乳酸デヒドロゲナーゼRNA配列との間で発生するある特定の実施形態では、ミスマッチの位置が、標的領域の推定Ago2切断部位の5’に配置されたセンス鎖の配列に対応する位置(複数可)で、-例えば、標的配列の推定Ago2切断部位に相補的であるアンチセンス残基の3’に対して、アンチセンス鎖内に位置するアンチセンス鎖残基(複数可)で、アンチセンス内に配置される。
標的配列に関する単一ミスマッチ残基を持つ例示的な25/27マーDsiRNAとしては、以下の構造が挙げられる。
式中、「X」=RNA、「D」=DNA及び「E」=鎖がアニールする時に、他の相補的(標的)鎖の対応する「A」RNA残基と塩基対(水素結合)を形成しないが、任意に対応する「B」残基と塩基対を形成する(「B」残基はまた、RNA、DNAまたは天然に存在しないまたは修飾核酸)核酸残基(RNA、DNAまたは天然に存在しないまたは修飾核酸)である。このような薬剤の任意の残基は、任意に2’-O-メチルRNAモノマーであり得、-上記で示したように、下(第2の)鎖の3’末端残基から始まる2’-O-メチルRNAモノマーの交互配置をまた、上記のDsiRNA剤中で使用可能でもある。
ある特定の実施形態では、標的遺伝子発現を低減するよう標的遺伝子配列の少なくとも19のヌクレオチドに沿った標的RNA(例えば、mRNA)に十分に相補的である、本発明のdsRNAのガイド鎖は、少なくとも19のヌクレオチドである長い標的遺伝子配列に完全に相補的ではない。むしろ、標的遺伝子発現を低減するよう標的遺伝子配列の少なくとも19のヌクレオチドに沿った標的mRNAに十分に相補的である本発明のdsRNAのガイド鎖が、19以上の長さのヌクレオチドである標的鎖配列とミスマッチを形成する1、2、3、または4つ以上ものヌクレオチドを有することができることが理解される。したがって、19のヌクレオチドの標的RNA配列では、本発明のdsRNAのガイド鎖は、標的遺伝子レベルを低減するよう標的RNA配列に十分に相補的であり、その一方で例えば、ガイド鎖及び標的RNA配列の間に15/19、16/19、17/19、または18/19のみがマッチしたヌクレオチド残基を有することができる。
上記で例示した構造に加えて、本発明のdsRNAはまた、標的乳酸デヒドロゲナーゼRNA配列とさらなるミスマッチを形成する、1、2または3つのさらなる残基を有し得る。このようなミスマッチは連続であってよく、または標的乳酸デヒドロゲナーゼRNA配列とマッチした塩基対を形成するヌクレオチドによって散在し得る。マッチした塩基対を形成するヌクレオチドによって散在される場合、ミスマッチ残基は、このようなミスマッチ形成残基間の1、2、3、4、5、6、7または8つの塩基対形成ヌクレオチドの間隔にて一本鎖内で互いに離れて隔たり得る。
上述のDsiRNAmm剤に関しては、標的乳酸デヒドロゲナーゼRNA配列とミスマッチ塩基対を形成する(が、対応するセンス鎖ヌクレオチドとミスマッチを形成してよく、または形成しなくてよい)アンチセンス鎖ヌクレオチドに関して、dsRNA(例えば、DsiRNA)内の好ましい配置は、DsiRNAの推定Ago2切断部位に相補的なアンチセンス鎖配列の3’(下流)側に位置するアンチセンス鎖領域内である(例えば、図1において、推定Ago2切断部位の3’側であるアンチセンス鎖の領域は、ミスマッチ形成残基に関して好ましく、図1で示した25/27マー薬剤に対するアンチセンス鎖の位置17~23に位置する)。したがって、1つの実施形態では、DsiRNAmmのアンチセンス鎖の(標的乳酸デヒドロゲナーゼRNA配列に関する)ミスマッチヌクレオチドの位置は、対応する標的乳酸デヒドロゲナーゼRNA配列の推定Ago2開裂部位のアンチセンス鎖配列内のすぐ3’(下流)側に位置するアンチセンス鎖のヌクレオチド残基である。他の好ましい実施形態では、(標的乳酸デヒドロゲナーゼRNA配列に関する)DsiRNAmmのアンチセンス鎖のミスマッチヌクレオチドは、対応する推定Ago2開裂部位の2ヌクレオチド3’(下流)側、対応する推定Ago2開裂部位の3ヌクレオチド3’(下流)側、対応する推定Ago2開裂部位の4ヌクレオチド3’(下流)側、対応する推定Ago2開裂部位の5ヌクレオチド3’(下流)側、対応する推定Ago2開裂部位の6ヌクレオチド3’(下流)側、対応する推定Ago2開裂部位の7ヌクレオチド3’(下流)側、対応する推定Ago2開裂部位の8ヌクレオチド3’(下流)側または対応する推定Ago2開裂部位の9ヌクレオチド3’(下流)側に位置するアンチセンス鎖のヌクレオチド残基に位置する。
アンチセンス鎖の2つのミスマッチ形成ヌクレオチドを有するdsRNA剤では(ミスマッチ形成ヌクレオチドは、標的乳酸デヒドロゲナーゼRNA配列に関してミスマッチ形成している)、ミスマッチは連続して発生可能である(例えば、アンチセンス鎖ヌクレオチド配列に沿って連続した位置で発生可能である)。あるいは、標的乳酸デヒドロゲナーゼRNA配列とミスマッチ塩基対を形成するアンチセンス鎖のヌクレオチドは、標的乳酸デヒドロゲナーゼRNA配列と塩基対を形成するヌクレオチドによって散在し得る(例えば、(図1に示した25/27マー薬剤のアンチセンス鎖の5’末端(位置1)から開始して)位置18及び19ではなく、位置17及び20でミスマッチ形成ヌクレオチドを有するDsiRNAでは、センス鎖位置17及び20のミスマッチ残基は、標的乳酸デヒドロゲナーゼRNA配列の対応する残基とマッチした塩基対を形成する2つのヌクレオチドによって散在する)。例えば、対応する標的乳酸デヒドロゲナーゼRNA配列とミスマッチ塩基対を形成する(アンチセンス鎖のミスマッチ耐性領域内に位置する)アンチセンス鎖の2つの残基は、これらのミスマッチ形成塩基対間に位置する(標的乳酸デヒドロゲナーゼRNA配列に関する)0、1、2、3、4または5つのマッチした塩基対で発生可能である。
(標的乳酸デヒドロゲナーゼRNA配列に関してミスマッチを形成している)3つのミスマッチ形成塩基対を有するある特定のdsRNAでは、ミスマッチ形成ヌクレオチドは、連続して発生可能である(例えば、アンチセンス鎖ヌクレオチド配列に沿って三重に発生可能である)。あるいは、標的乳酸デヒドロゲナーゼRNA配列とミスマッチ塩基対を形成するアンチセンス鎖のヌクレオチドは、標的乳酸デヒドロゲナーゼRNA配列とマッチした塩基対を形成するヌクレオチドによって散在し得る(例えば、位置19、20及び21ではなく、位置17、18及び22にてミスマッチヌクレオチドを有するDsiRNAでは、アンチセンス鎖位置17及び18のミスマッチ形成残基は、互いに隣接し、一方アンチセンス鎖位置18及び22のミスマッチ形成残基は、標的乳酸デヒドロゲナーゼRNA配列の対応する残基とマッチした塩基対を形成する3つのヌクレオチドによって散在される)。例えば、対応する標的乳酸デヒドロゲナーゼRNA配列とミスマッチ塩基対を形成する(アンチセンス鎖のミスマッチ耐性領域内に位置する)アンチセンス鎖の3つの残基は、これらのミスマッチ塩基対の任意の2つの間に位置する、0、1、2、3または4つのマッチ塩基対で発生可能である。
(標的乳酸デヒドロゲナーゼRNA配列に関してミスマッチを形成している)4つのミスマッチ形成塩基対を有するある特定のdsRNAでは、ミスマッチ形成ヌクレオチドは、連続して発生可能である(例えば、センス鎖ヌクレオチド配列に沿って四重に発生可能である)。あるいは、標的乳酸デヒドロゲナーゼRNA配列とミスマッチ塩基対を形成するアンチセンス鎖のヌクレオチドは、標的乳酸デヒドロゲナーゼRNA配列とマッチした塩基対を形成するヌクレオチドによって散在し得る(例えば、位置18及び20ではなく、位置17、19、21及び22にてミスマッチ形成ヌクレオチドを有するDsiRNAでは、アンチセンス鎖位置21及び22のミスマッチ形成残基は、互いに隣接し、一方アンチセンス鎖位置17及び19のミスマッチ形成残基は、標的乳酸デヒドロゲナーゼRNA配列の対応する残基とマッチした塩基対を形成する1つのヌクレオチドによって散在される-同様に、アンチセンス鎖位置19及び21のミスマッチ形成残基はまた、標的乳酸デヒドロゲナーゼRNAの対応する残基とマッチした塩基対を形成する1つのヌクレオチドによって散在される)。例えば、対応する標的乳酸デヒドロゲナーゼRNA配列とミスマッチ塩基対を形成する(アンチセンス鎖のミスマッチ耐性領域内に位置する)アンチセンス鎖の4つの残基は、これらのミスマッチ形成塩基対の任意の2つの間に位置する、0、1、2または3つのマッチした塩基対で発生可能である。
上記のDsiRNAmmと他のdsRNA構造を、DsiRNAmmとdsRNA剤とのある特定の構造を例示するために記述する。上記のDsiRNAmmとdsRNA構造とのデザインを、例えば、以下に示した他のDsiRNA構造のDsiRNAmm形態を作成するために適合可能である。上記で例示したように、dsRNAはまた、dsRNAのアンチセンス鎖と標的配列との間の単一ミスマッチ(または2、3または4つのミスマッチ)を有するようにデザイン可能であるが、任意に、dsRNAのセンス鎖及びアンチセンス鎖配列間の完全な相補性を維持可能である。
以下で例示するdsRNA剤はまた、それらの二本鎖及び/または標的乳酸デヒドロゲナーゼRNA-整列構造内に、挿入/欠損(in/del)構造を有し得ることにも留意されたい。したがって、本発明のdsRNAは、例えば、ミスマッチ及び/またはミスマッチ形成塩基対の配置に関して上述のそれらの配置に対応する、このようなin/delヌクレオチドの配置に対して好ましい配置(複数可)で、標的乳酸デヒドロゲナーゼRNA配列と比較したアンチセンス配列、及び/またはセンス鎖配列と比較したアンチセンス配列中、in/del変化を有するようにデザイン可能である。
センス鎖の3’末端領域/アンチセンス鎖の5’末端領域はDicerによって処理され、RISCへ積み込むガイド鎖配列から自由であるようにモデル化されるので、本発明のDsiRNAは、この領域内でもミスマッチを許容可能であることにも留意されたい。このようなミスマッチを持つ本発明の例示的なDsiRNA構造としては、以下のものが挙げられる:
式中、「X」=RNA、「D」=DNA及び「I」及び「J」=互いに塩基対(水素結合)を形成しない核酸残基(RNA、DNAまたは天然に存在しない核酸もしくは修飾核酸)であるが、任意に「J」は、標的RNA配列ヌクレオチド「H」に相補的である。このような薬剤の任意の残基は、任意に2’-O-メチルRNAモノマーであり得、-上記で示したように、下(第2の)鎖の3’末端残基から始まる2’-O-メチルRNAの交互配置-または上述のいずれかのメチル化パターン-は、上記のDsiRNA剤中で使用可能でもある。上記ミスマッチは、本発明のDsiRNA内で組み合わせ可能でもある。
以下の例示的な構造では、このようなミスマッチは、非対称LDHA-1287 DsiRNA(新規に導入されたミスマッチ残基はイタリック体である)内に導入される:
LDHA-1287 25/27マーのDsiRNA、ミスマッチ位置=センス鎖の19(5’末端より)
任意に、センス鎖の位置19のミスマッチ「U」残基は、あるいは「C」または「G」である。
LDHA-1287 25/27マーのDsiRNA、ミスマッチ位置=センス鎖の20(5’末端より)
任意に、センス鎖の位置20のミスマッチ「A」残基は、あるいは「C」または「G」である。
LDHA-1287 25/27マーのDsiRNA、ミスマッチ位置=センス鎖の21(5’末端より)
任意に、センス鎖の位置21のミスマッチ「A」残基は、あるいは「U」または「C」である。
LDHA-1287 25/27マーのDsiRNA、ミスマッチ位置=センス鎖の22(5’末端より)
任意に、センス鎖の位置22のミスマッチ「G」残基は、あるいは「A」または「C」である。
LDHA-1287 25/27マーのDsiRNA、ミスマッチ位置=センス鎖の23(5’末端より)
任意に、センス鎖の位置23のミスマッチ「A」残基は、あるいは「U」または「G」である。
LDHA-1287 25/27マーのDsiRNA、ミスマッチ位置=センス鎖の24(5’末端より)
任意に、センス鎖の位置24のミスマッチ「g」残基は、あるいは「t」または「c」である。
LDHA-1287 25/27マーのDsiRNA、ミスマッチ位置=センス鎖の25(5’末端より)
任意に、センス鎖の位置25のミスマッチ「a」残基は、あるいは「c」または「g」である。
LDHA-1287 25/27マーのDsiRNA、ミスマッチ位置=アンチセンス鎖の1(5’末端より)
任意に、アンチセンス鎖の位置1のミスマッチ「U」残基は、あるいは「G」または「C」である。
LDHA-1287 25/27マーのDsiRNA、ミスマッチ位置=アンチセンス鎖の2(5’末端より)
任意に、アンチセンス鎖の位置2のミスマッチ「C」残基は、あるいは「A」または「G」である。
LDHA-1287 25/27マーのDsiRNA、ミスマッチ位置=アンチセンス鎖の3(5’末端より)
任意に、アンチセンス鎖の位置3のミスマッチ「U」残基は、あるいは「A」または「C」である。
LDHA-1287 25/27マーのDsiRNA、ミスマッチ位置=アンチセンス鎖の4(5’末端より)
任意に、アンチセンス鎖の位置4のミスマッチ「C」残基は、あるいは「U」または「G」である。
LDHA-1287 25/27マーのDsiRNA、ミスマッチ位置=アンチセンス鎖の5(5’末端より)
任意に、アンチセンス鎖の位置5のミスマッチ「U」残基は、あるいは「A」または「G」である。
LDHA-1287 25/27マーのDsiRNA、ミスマッチ位置=アンチセンス鎖の6(5’末端より)
任意に、アンチセンス鎖の位置6のミスマッチ「U」残基は、あるいは「C」または「G」である。
LDHA-1287 25/27マーのDsiRNA、ミスマッチ位置=アンチセンス鎖の7(5’末端より)
任意に、アンチセンス鎖の位置7のミスマッチ「A」残基は、あるいは「C」または「G」である。
上記のオリゴヌクレオチド鎖配列では、描写される1つの二本鎖のセンス鎖配列を描写される別の二本鎖のアンチセンス鎖と組み合わせることができ、これにより異なる二本鎖を形成でき、ある特定の例では、このような二本鎖は、乳酸デヒドロゲナーゼ標的転写配列に関するミスマッチ残基を含み、その一方でこのようなセンス鎖及びアンチセンス鎖は、お互いに関してこの残基でのミスマッチを示さないことが企図される(例えば、配列番号7127及び7140;配列番号7128及び7139;配列番号7129及び7138などを含む二本鎖が、このような二本鎖の例として企図される)。
さらなる例示的な構造では、ミスマッチは、非対称LDHA-370 DsiRNA(新規に導入されたミスマッチ残基はイタリック体である)内に導入される:
LDHA-370 25/27マーのDsiRNA、ミスマッチ位置=センス鎖の19(5’末端より)
任意に、センス鎖の位置19のミスマッチ「A」残基は、あるいは「C」または「G」である。
LDHA-370 25/27マーのDsiRNA、ミスマッチ位置=センス鎖の20(5’末端より)
任意に、センス鎖の位置20のミスマッチ「A」残基は、あるいは「C」または「G」である。
LDHA-370 25/27マーのDsiRNA、ミスマッチ位置=センス鎖の21(5’末端より)
任意に、センス鎖の位置21のミスマッチ「A」残基は、あるいは「U」または「C」である。
LDHA-370 25/27マーのDsiRNA、ミスマッチ位置=センス鎖の22(5’末端より)
任意に、センス鎖の位置22のミスマッチ「U」残基は、あるいは「A」または「C」である。
LDHA-370 25/27マーのDsiRNA、ミスマッチ位置=センス鎖の23(5’末端より)
任意に、センス鎖の位置23のミスマッチ「A」残基は、あるいは「U」または「G」である。
LDHA-370 25/27マーのDsiRNA、ミスマッチ位置=センス鎖の24(5’末端より)
任意に、センス鎖の位置24のミスマッチ「g」残基は、あるいは「t」または「c」である。
LDHA-370 25/27マーのDsiRNA、ミスマッチ位置=センス鎖の25(5’末端より)
任意に、センス鎖の位置25のミスマッチ「a」残基は、あるいは「c」または「g」である。
LDHA-370 25/27マーのDsiRNA、ミスマッチ位置=アンチセンス鎖の1(5’末端より)
任意に、アンチセンス鎖の位置1のミスマッチ「U」残基は、あるいは「G」または「C」である。
LDHA-370 25/27マーのDsiRNA、ミスマッチ位置=アンチセンス鎖の2(5’末端より)
任意に、アンチセンス鎖の位置2のミスマッチ「C」残基は、あるいは「A」または「G」である。
LDHA-370 25/27マーのDsiRNA、ミスマッチ位置=アンチセンス鎖の3(5’末端より)
任意に、アンチセンス鎖の位置3のミスマッチ「U」残基は、あるいは「A」または「C」である。
LDHA-370 25/27マーのDsiRNA、ミスマッチ位置=アンチセンス鎖の4(5’末端より)
任意に、アンチセンス鎖の位置4のミスマッチ「A」残基は、あるいは「U」または「G」である。
LDHA-370 25/27マーのDsiRNA、ミスマッチ位置=アンチセンス鎖の5(5’末端より)
任意に、アンチセンス鎖の位置5のミスマッチ「U」残基は、あるいは「A」または「G」である。
LDHA-370 25/27マーのDsiRNA、ミスマッチ位置=アンチセンス鎖の6(5’末端より)
任意に、アンチセンス鎖の位置6のミスマッチ「U」残基は、あるいは「C」または「G」である。
LDHA-370 25/27マーのDsiRNA、ミスマッチ位置=アンチセンス鎖の7(5’末端より)
任意に、アンチセンス鎖の位置7のミスマッチ「U」残基は、あるいは「C」または「G」である。
別の例として、以下の構造では、このようなミスマッチは、非対称LDHA-402 DsiRNA(新規に導入されたミスマッチ残基はイタリック体である)内に導入される:
LDHA-402 25/27マーのDsiRNA、ミスマッチ位置=センス鎖の19(5’末端より)
任意に、センス鎖の位置19のミスマッチ「U」残基は、あるいは「C」または「G」である。
LDHA-402 25/27マーのDsiRNA、ミスマッチ位置=センス鎖の20(5’末端より)
任意に、センス鎖の位置20のミスマッチ「U」残基は、あるいは「C」または「G」である。
LDHA-402 25/27マーのDsiRNA、ミスマッチ位置=センス鎖の21(5’末端より)
任意に、センス鎖の位置21のミスマッチ「A」残基は、あるいは「U」または「C」である。
LDHA-402 25/27マーのDsiRNA、ミスマッチ位置=センス鎖の22(5’末端より)
任意に、センス鎖の位置22のミスマッチ「U」残基は、あるいは「A」または「C」である。
LDHA-402 25/27マーのDsiRNA、ミスマッチ位置=センス鎖の23(5’末端より)
任意に、センス鎖の位置23のミスマッチ「U」残基は、あるいは「C」または「G」である。
LDHA-402 25/27マーのDsiRNA、ミスマッチ位置=センス鎖の24(5’末端より)
任意に、センス鎖の位置24のミスマッチ「t」残基は、あるいは「a」または「g」である。
LDHA-402 25/27マーのDsiRNA、ミスマッチ位置=センス鎖の25(5’末端より)
任意に、センス鎖の位置25のミスマッチ「a」残基は、あるいは「c」または「g」である。
LDHA-402 25/27マーのDsiRNA、ミスマッチ位置=アンチセンス鎖の1(5’末端より)
任意に、アンチセンス鎖の位置1のミスマッチ「U」残基は、あるいは「G」または「C」である。
LDHA-402 25/27マーのDsiRNA、ミスマッチ位置=アンチセンス鎖の2(5’末端より)
任意に、アンチセンス鎖の位置2のミスマッチ「A」残基は、あるいは「U」または「C」である。
LDHA-402 25/27マーのDsiRNA、ミスマッチ位置=アンチセンス鎖の3(5’末端より)
任意に、アンチセンス鎖の位置3のミスマッチ「A」残基は、あるいは「C」または「G」である。
LDHA-402 25/27マーのDsiRNA、ミスマッチ位置=アンチセンス鎖の4(5’末端より)
任意に、アンチセンス鎖の位置4のミスマッチ「A」残基は、あるいは「U」または「G」である。
LDHA-402 25/27マーのDsiRNA、ミスマッチ位置=アンチセンス鎖の5(5’末端より)
任意に、アンチセンス鎖の位置5のミスマッチ「U」残基は、あるいは「A」または「G」である。
LDHA-402 25/27マーのDsiRNA、ミスマッチ位置=アンチセンス鎖の6(5’末端より)
任意に、アンチセンス鎖の位置6のミスマッチ「A」残基は、あるいは「C」または「G」である。
LDHA-402 25/27マーのDsiRNA、ミスマッチ位置=アンチセンス鎖の7(5’末端より)
任意に、アンチセンス鎖の位置7のミスマッチ「A」残基は、あるいは「C」または「G」である。
さらなる例として、以下の構造では、このようなミスマッチは、非対称LDHA-723 DsiRNA(新規に導入されたミスマッチ残基はイタリック体である)内に導入される:
LDHA-723 25/27マーのDsiRNA、ミスマッチ位置=センス鎖の19(5’末端より)
任意に、センス鎖の位置19のミスマッチ「U」残基は、あるいは「C」または「G」である。
LDHA-723 25/27マーのDsiRNA、ミスマッチ位置=センス鎖の20(5’末端より)
任意に、センス鎖の位置20のミスマッチ「U」残基は、あるいは「C」または「G」である。
LDHA-723 25/27マーのDsiRNA、ミスマッチ位置=センス鎖の21(5’末端より)
任意に、センス鎖の位置21のミスマッチ「A」残基は、あるいは「U」または「C」である。
LDHA-723 25/27マーのDsiRNA、ミスマッチ位置=センス鎖の22(5’末端より)
任意に、センス鎖の位置22のミスマッチ「G」残基は、あるいは「U」または「C」である。
LDHA-723 25/27マーのDsiRNA、ミスマッチ位置=センス鎖の23(5’末端より)
任意に、センス鎖の位置23のミスマッチ「A」残基は、あるいは「C」または「G」である。
LDHA-723 25/27マーのDsiRNA、ミスマッチ位置=センス鎖の24(5’末端より)
任意に、センス鎖の位置24のミスマッチ「g」残基は、あるいは「t」または「c」である。
LDHA-723 25/27マーのDsiRNA、ミスマッチ位置=センス鎖の25(5’末端より)
任意に、センス鎖の位置25のミスマッチ「t」残基は、あるいは「c」または「g」である。
LDHA-723 25/27マーのDsiRNA、ミスマッチ位置=アンチセンス鎖の1(5’末端より)
任意に、アンチセンス鎖の位置1のミスマッチ「A」残基は、あるいは「G」または「C」である。
LDHA-723 25/27マーのDsiRNA、ミスマッチ位置=アンチセンス鎖の2(5’末端より)
任意に、アンチセンス鎖の位置2のミスマッチ「C」残基は、あるいは「A」または「G」である。
LDHA-723 25/27マーのDsiRNA、ミスマッチ位置=アンチセンス鎖の3(5’末端より)
任意に、アンチセンス鎖の位置3のミスマッチ「U」残基は、あるいは「C」または「G」である。
LDHA-723 25/27マーのDsiRNA、ミスマッチ位置=アンチセンス鎖の4(5’末端より)
任意に、アンチセンス鎖の位置4のミスマッチ「C」残基は、あるいは「A」または「G」である。
LDHA-723 25/27マーのDsiRNA、ミスマッチ位置=アンチセンス鎖の5(5’末端より)
任意に、アンチセンス鎖の位置5のミスマッチ「U」残基は、あるいは「A」または「G」である。
LDHA-723 25/27マーのDsiRNA、ミスマッチ位置=アンチセンス鎖の6(5’末端より)
任意に、アンチセンス鎖の位置6のミスマッチ「A」残基は、あるいは「C」または「G」である。
LDHA-723 25/27マーのDsiRNA、ミスマッチ位置=アンチセンス鎖の7(5’末端より)
任意に、アンチセンス鎖の位置7のミスマッチ「A」残基は、あるいは「C」または「G」である。
上述のように、ミスマッチの導入は本明細書で記述した任意のDsiRNA上で実施可能である。
このようなDsiRNA構造のミスマッチを組み合わせて、例えば、センス鎖の3’末端の4~7のヌクレオチド/アンチセンス鎖の5’末端の4~7のヌクレオチド内に2、3またはさらには4つミスマッチを有するDsiRNAを産出することができる。
実際、センス鎖の3’末端残基/アンチセンス鎖の5’末端残基にてDsiRNA内に組み込み可能な配列の柔軟性に関して、ある特定の実施形態では、本発明の非対称DsiRNAの配列の必要条件を以下の(例示的な乳酸デヒドロゲナーゼ-1365 DsiRNA配列に関して示した)(ミニマリスト)構造で表すことができる。
式中、n=1~5、1~10、1~20、1~30、1~50、または1~80以上である。
乳酸デヒドロゲナーゼ標的部位はまた、その相補的標的部位が、規定された標的部位と重なる、1つ以上の種々のオリゴヌクレオチドによって標的とされる部位であり得る。例えば、例示的な乳酸デヒドロゲナーゼ-1365 DsiRNAに関して、乳酸デヒドロゲナーゼ配列に重なり、わずかばかりずれた乳酸デヒドロゲナーゼ配列を標的としているある特定のDsiRNAは、乳酸デヒドロゲナーゼ-1635のものと同様の活性レベルを示し得る(例えば、上記の表2の乳酸デヒドロゲナーゼ-1359~1372)ことに留意されたい。したがって、ある特定の実施形態では、指定された標的配列領域は、広く重なっている配列を有する一連のDsiRNAによって効果的に標的とされる場合がある(例えば、乳酸デヒドロゲナーゼ-1359~乳酸デヒドロゲナーゼ-1372標的部位(複数可)のDsiRNAを考慮する場合、より包括的な乳酸デヒドロゲナーゼ転写産物標的配列は、例えば、5’-UGCAUGUUGUCCUUUUUAUCUGAUCUGUGAUUAAAGCAGU-3’(配列番号7144)を指してもよく、ここで所定のいずれかのDsiRNA(例えば、乳酸デヒドロゲナーゼ-1359~乳酸デヒドロゲナーゼ-1372から選択されるDsiRNA)が、このような配列領域内のサブ配列を標的とするだけであるが、全配列は、このような一連のDsiRNAに対する実行可能な標的と考慮可能である)。
さらに、及び/またはあるいは、センス鎖の3’末端の7ヌクレオチド/アンチセンス鎖の5’末端の7ヌクレオチド内のミスマッチを、上述のように、他のミスマッチ耐性位置にて配置されるミスマッチと組み合わせることができる。
特定の乳酸デヒドロゲナーゼ配列の標的化を介して、乳酸デヒドロゲナーゼレベルの阻害剤としての、上述のDicer基質剤(DsiRNA)の本同定を考慮して、本明細書で記述したものと同様の構造を持つdsRNAがまた、NM_005566.3の乳酸デヒドロゲナーゼ配列内、またはそれらの変異体(例えば、NM_005566.3の配列に対して、80%の同一性、90%の同一性、95%の同一性、96%の同一性、97の%同一性、98%の同一性、99%の同一性またはそれ以上の同一性を有する標的配列)内の他の配列を標的とするように合成可能であることを認識されたい。
抗乳酸デヒドロゲナーゼDsiRNAデザイン/合成
25~35ヌクレオチド、とりわけ25~30ヌクレオチドのより長いdsRNA種(DsiRNA)が、19~23マーsiRNA剤と比較して、活性の効力及び持続期間に関して、予期せぬ効果的な結果を与えることが、実験的にわかってきた。dsRNA処理機構の根本的な理論に拘束されることを望むものではないが、より長いdsRNA種が細胞の細胞質中のDicer酵素に対する基質として働くことが考えられる。本発明のdsRNAをより短いセグメントに切断することに加えて、Dicerは、切断されたdsRNA由来の一本鎖開裂産物の、標的遺伝子乳酸デヒドロゲナーゼ(または乳酸デヒドロゲナーゼ関連疾患もしくは障害と関連する他の遺伝子)の、または由来の細胞質RNA(例えば、乳酸デヒドロゲナーゼRNA)の崩壊に関与するRISC複合体内への組み込みを促進すると考えられる。先行する研究(Rossi et al.,米国特許出願第2007/0265220号)は、DicerによるdsRNA種(特に、DsiRNA剤)の開裂性が、dsRNA種の活性の効力及び持続期間の増大と一致することを示した。
ある特定の好適な抗乳酸デヒドロゲナーゼDsiRNA剤を、プレスクリーニングした集合から選択した。DsiRNAのデザインは任意に、配列の領域に広がっている可能性のある多数のDsiRNA剤の推定有効性/効果のインシリコ評価にて実施する予測スコアリングアルゴリズムの利用を含み得る。このようなスコアリングアルゴリズムのデザインに関する情報は、例えば、Gong et al.(BMC Bioinformatics 2006,7:516)で見ることができるが、より最近の「v4.3」アルゴリズムは、当該技術分野ですでに利用可能なsiRNAスコアリングアルゴリズムに対して理論的に改善されたアルゴリズムを表す。(例えば「v3」及び「v4」スコアリングアルゴリズムは、ヒト配列中の任意のバイアスに依存していない機械学習アルゴリズムである。さらに、「v3」及び「v4」アルゴリズムは、Gongらにて記述されたデバイスのような、より古い「v2」アルゴリズムからのものよりも、複数倍大きいデータ組に由来する。)
本発明のDsiRNA剤の第1及び第2のオリゴヌクレオチドは、完全に相補的であることを必要としない。実際、1つの実施形態では、センス鎖の3’末端は、1つ以上のミスマッチを含む。一態様では、2つのミスマッチが、センス鎖の3’末端に組み込まれる。別の実施形態では、本発明のDsiRNAは、それぞれが27の長さのヌクレオチドであり、互いにアニールした時に、センス鎖の3’末端(アンチセンス鎖の5’末端)上に平滑末端と2つのヌクレオチドミスマッチとを持つ、2つのRNAオリゴヌクレオチドを含む二本鎖RNA分子である。(特に、3’-センス/5’-アンチセンス位置での)ミスマッチまたは減少した熱力学的安定性の利用が、おそらくsiRNAのRISCへの進入とともに発生する速度が限定されたいくつかの巻き戻し段階に影響を与えることによって、アンチセンス鎖のRISCへの進入を促進するまたは有利に働かせることが提案されてきた(Schwarz et al.,2003,Cell 115:199-208;Khvorova et al.,2003,Cell 115:209-216)。したがって、末端塩基組成物は、活性21マーsiRNA二本鎖を選択するためのデザインアルゴリズムに含まれてきた(Ui-Tei et al.,2004,Nucleic Acids Res 32:936-948;Reynolds et al.,2004,Nat Biotechnol 22:326-330)。本実施形態のdsRNAのDicer開裂で、ミスマッチを含む小さな最終末端配列は、アンチセンス鎖と対を形成しないままである(3’-オーバーハングの一部となる)か、または最終21-マーsiRNAを完全に開裂して除去される。これらの「ミスマッチ」はしたがって、RISCの最終RNA成分中のミスマッチとして持続しない。Dicer基質のセンス鎖の3’末端での塩基ミスマッチまたはセグメントの不安定化が、おそらくDicerによる処理を促進することによって、RNAi中の合成二本鎖の効力を改善したという発見は、25~30マーdsRNA(また本明細書で「DsiRNA」と呼ぶ;Rossi et al.,米国特許出願第2005/0277610号、同第2005/0244858号、及び同第2007/0265220号)のデザインと利用を記述している過去の研究の驚くべき発見であった。
抗乳酸デヒドロゲナーゼdsRNAの修飾
二本鎖RNA(「dsRNA」)の効果を阻害する1つの主要な因子は、ヌクレアーゼによるdsRNA(例えば、siRNA及びDsiRNA)の分解である。3’-エキソヌクレアーゼは、血清中に存在する第一ヌクレアーゼ活性であり、アンチセンスDNAオリゴヌクレオチドの3’末端の修飾が、分解を防止するために重要である(Eder et al.,1991,Antisense Res Dev,1:141-151)。RNase-Tファミリーヌクレアーゼは同定され、siRNAの制御及び分解に関与する3’から5’エキソヌクレアーゼ活性を持つERI-1と呼ばれている(Kennedy et al.,2004,Nature 427:645-649;Hong et al.,2005,Biochem J,390:675-679)。この遺伝子はまた、マウスのThex1(NM_02067)またはヒトのTHEX1(NM_153332)として知られ、ヒストンmRNAの分解に関与し、siRNA中の3’-オーバーハングの分解を媒介するが、二本鎖RNAを分解しない(Yang et al.,2006,J Biol Chem,281:30447-30454)。したがって、本発明のDsiRNAを含む、dsRNAの3’末端-安定化が安定性を改善すると予測することが合理的である。
XRN1(NM_019001)は、P-体中に存在し、miRNAによって標的化されたmRNAの分解に関与してきた5’から3’エキソヌクレアーゼであり(Rehwinkel et al.,2005,RNA 11:1640-1647)、siRNAによって指向されるような内部開裂によって開始される分解を完了するのに関与し得る。XRN2(NM_012255)は、核RNA処理に関与する異なる5’から3’エキソヌクレアーゼである。
RNase Aは、RNAを分解する哺乳類における主要なエンドヌクレアーゼ活性である。ssRNAに対して特異的であり、ピリミジン塩基の3’末端で開裂する。RNase A開裂と一致するsiRNA分解産物は、血清中でのインキュベーション後、質量分析によって検出可能である(Turner et al.,2007,Mol Biosyst 3:43-50)。3’-オーバーハングは、RNase分解に対するsiRNAの感受性を増強する。血清からのRNase Aの枯渇が、siRNAの分解を減少させ、この分解が配列優先傾向を見せ、末端上でポリA/U配列を持つ配列に対してより悪い(Haupenthal et al.,2006 Bichem Pharmacol 71:702-710)。このことは、二本鎖のより安定性の低い領域が、「呼吸をし」て、RNase Aによる分解に対して利用可能な一時的な一本鎖種を提供し得る可能性があることを示唆している。RNase A阻害剤を血清に加え、siRNA寿命及び効力を改善することができる(Haupenthal et al.,2007,Int J.Cancer 121:206-210)。
21マー中、ホスホロチオエートまたはボラノホスフェート修飾が、ヌクレオチド内リン酸結合を直接安定化させる。ボラノホスフェート修飾RNAは、ヌクレアーゼ耐性が高く、サイレンシング剤として強力であり、比較的無毒性である。ボラノホスフェート修飾RNAは、標準的な化学合成方法を用いて製造できず、代わりにインビトロ転写(IVT)によって作製される(Hall et al.,2004,Nucleic Acids Res 32:5991-6000;Hall et al.,2006,Nucleic Acids Res 34:2773-2781)。ホスホロチオエート(PS)修飾は、任意の所望の位置で、RNA二本鎖中に容易に配置可能であり、標準的な化学合成方法を用いて作製可能である。PS修飾は、用量依存毒性を示し、それにより、ほとんどの研究者は、siRNA内への限定した組み込みを推奨し、ここでヌクレアーゼからの保護が最も重要な3’末端が好まれる(Harborth et al.,2003,Antisense Nucleic Acid Drug Dev 13:83-105;Chiu and Rana,2003,Mol Cell 10:549-561; Braasch et al.,2003,Biochemistry 42:7967-7975;Amarzguioui et al.,2003,Nucleic Acids Research 31:589-595)。より広範囲のPS修飾が、強力なRNAi活性と適合性があるが、しかしながら、(2’-O-メチルRNAのような)糖修飾の利用がよりすぐれている可能性がある(Choung et al.,2006,Biochem Biophys Res Commun 342:919-927)。
種々の置換基を、一般的に二本鎖安定性(Tm)を増大させ、ヌクレアーゼ耐性を大きく改善できるリボースの2’位置に配置可能である。2’-O-メチルRNAは、哺乳類リボソームRNA及び転写RNAにて見られる、天然に存在する修飾である。siRNA中の2’-O-メチル修飾は公知であるが、二本鎖内の修飾塩基の精確な位置が、効力を保つために重要であり、RNAに対する2’-O-メチルRNAの完全な置換は、siRNAを不活性化する。例えば、交互2’-O-メチル塩基を使用するパターンは、修飾されていないRNAと等価の効力を有することができ、血清中で極めて安定である(Choung et al.,2006,Biochem Biophys Res Commun 342:919-927;Czauderna et al.,2003,Nucleic Acids Research 31:2705-2716)。
2’-フルオロ(2’-F)修飾はまた、dsRNA(例えば、siRNA及びDsiRNA)機能と適合性があり、(試薬コスト及び利用可能性のため)最も一般的にはピリミジン部位に位置し、プリン位置にて2’-O-メチル修飾と組み合わせ可能であり、2’-Fプリンが利用でき、使用可能でもある。この種類の非常に修飾された二本鎖は、インビトロにて、RNAiの強力なトリガーであり得(Allerson et al.,2005,J Med Chem 48:901-904;Prakash et al.,2005,J Med Chem 48:4247-4253;Kraynack and Baker,2006,RNA 12:163-176)、インビボで使用した時に、活性の性能を改善し、持続期間を延長できる(Morrissey et al.,2005,Hepatology 41:1349-1356;Morrissey et al.,2005,Nat Biotechnol 23:1002-1007)。非常に強力で、ヌクレアーゼ安定である、交互2’-F及び2’-O-Me塩基を含む平滑19マーの二本鎖が、Alleronによって教示された。このデザインでは、交互2’-O-Me残基は、Czaudernaによって使用されたものと同一のパターンで配置されるが、残りのRNA残基は、2’-F修飾塩基に変換される。Morrisseyによって使用された、非常に強力な、ヌクレアーゼ耐性のsiRNAは、インビボにおいて、非常に強力な、ヌクレアーゼ耐性siRNAを使用した。2’-O-Me RNA及び2’-F RNAに加えて、この二本鎖は、DNA、RNA、逆脱塩基残基、及び3’末端PSヌクレオシド間結合を含む。広範囲の修飾は、ある特定の利点を持つ一方で、より限定される二本鎖の修飾もまた、インビボで性能を改善し、製造がより単純で、よりコストがかからなくすることができる。Soutschek et al.(2004,Nature 432:173-178)は、インビボで二本鎖を使用し、主に2つの2’-O-Me RNA塩基及び限定された3’末端PSヌクレオシド間結合を持つRNAであった。
ロックド核酸(LNA)は、dsRNA(例えば、siRNA及びDsiRNA)を安定させるために使用可能な異なる種類の2’-修飾である。効力を維持するLNA組み込みのパターンは、2’-O-メチルまたは2’-F-塩基よりも制限されるため、限定された修飾が好ましい(Braasch et al.,2003,Biochemistry 42:7967-7975;Grunweller et al.,2003,Nucleic Acids Res 31:3185-3193;Elmen et al.,2005,Nucleic Acids Res 33:439-447)。限定された組み込みでさえ、LNA修飾の利用は、インビボにてdsRNAの性能を改善可能であり、オフターゲット効果特性を変えるか、または改善し得る(Mook et al.,2007,Mol Cancer Ther 6:833-843)。
細胞内または生動物内に導入された合成核酸は、「外来」として認識され、免疫応答を引き起こし得る。免疫刺激は、劇的に実験結果を変化させ、細胞死を導きさえするオフターゲット効果の主な種類を構成する。生来の免疫系には、これらの応答を媒介するDNA及びRNAと特異的に相互作用する受容体分子の集合が含まれ、その幾つかは、細胞質内に位置し、その幾つかはエンドソーム内に存在する(Marques and Williams,2005,Nat Biotechnol 23:1399-1405;Schlee et al.,2006,Mol Ther 14:463-470)。カチオン性脂質またはリポソームによるsiRNAの伝達は、siRNAを、細胞質及びエンドソーム区画の両方へ曝露させ、インビトロ及びインビボ両方で、1型インターフェロン(IFN)応答を引き起こすリスクを最大化する(Morrissey et al.,2005,Nat Biotechnol 23:1002-1007;Sioud and Sorensen,2003,Biochem Biophys Res Commun 312:1220-1225;Sioud,2005,J Mol Biol 348:1079-1090;Ma et al.,2005,Biochem Biophys Res Commun 330:755-759)。細胞内に転写されたRNAは免疫原性が少なく(Robbins et al.,2006 Nat Biotechnl 24:566-571)、脂質に基づく方法を用いて送達した時に免疫原性である合成RNAは、インビボでさえ、機械的手段によって細胞内に導入された時の免疫刺激を回避する可能性がある(Heidel et al.,2004,Nat Biotechnol 22:1579-1582)。しかしながら、脂質に基づく送達方法は、簡便でかつ効果的であり、広く使用される。とりわけ、全ての細胞型が存在し、免疫応答が産出されるリスクが最も高いインビボ適用に対して、免疫応答を防止するためのいくつかの一般的な戦略が必要である。化学的に修飾したRNAの利用が、これらの問題のほとんどまたは全てを解決し得る。
ある特定の実施形態では、修飾が乳酸デヒドロゲナーゼ阻害活性を有することからdsRNA剤を阻害しない限り、修飾を本発明の抗乳酸デヒドロゲナーゼdsRNA剤中に含めることができる。1つの実施形態では、1つ以上の修飾が、DsiRNA剤のDicer処理を増強するように実施される(DsiRNAのDicer処理を判定するためのアッセイが本明細書中の他の部分に記されている)。第2の実施形態では、1つ以上の修飾が、より効果的な乳酸デヒドロゲナーゼ阻害をもたらすように作製される(本明細書で記述したように、dsRNAの乳酸デヒドロゲナーゼ阻害/乳酸デヒドロゲナーゼ阻害活性は、RNAレベルを判定、または乳酸デヒドロゲナーゼポリペプチドレベルを判定するための当該技術分野で認識されている方法を介してアッセイ可能であり、このようなレベルは、例えば、乳酸デヒドロゲナーゼmRNAレベルの評価の代わりに、またはこの評価に加えて評価されるべきである)。第3の実施形態では、1つ以上の修飾が、より大きな乳酸デヒドロゲナーゼ阻害活性を支持するように作製される(乳酸デヒドロゲナーゼ阻害活性を判定する方法は上記されている)。第4の実施形態では、1つ以上の修飾が、細胞に送達されるべき各dsRNA剤分子当たりの乳酸デヒドロゲナーゼ阻害活性のより強力な効力をもたらすように作製される(乳酸デヒドロゲナーゼ阻害活性の効力は上記されている)。修飾は、配列内の3’末端領域、5’末端領域にて、3’末端領域と5’末端領域の両方にて、または場合によっては種々の位置に組み込むことができる。上述の限定を考慮して、修飾の数及び組み合わせをdsRNA剤内に組み込むことが可能である。多数の修飾が存在する場合、それらは同一であるか、または異なってもよい。塩基、糖部分、リン酸骨格、及びそれらの組み合わせに対する修飾が企図される。いずれかの5’末端がリン酸化可能である。
リン酸骨格に関して企図される修飾の例としては、メチルホスホネート、ホスホロチオエートを含むホスホン酸塩、及びアルキルホスホトリエステルのようなホスホトリエステル修飾などを含むリン酸塩が挙げられる。糖部分に関して企図される修飾の例としては、2’-O-メチルなどの2’-アルキルピリミジン、2’-フルオロ、アミノ、及びデオキシ修飾などが挙げられる(例えば、Amarzguioui et al.,2003,Nucleic Acids Research 31:589-595を参照されたい)。塩基に関して企図される修飾の例としては、脱塩基糖、2-O-アルキル修飾ピリミジン類、4-チオウラシル、5-ブロモウラシル、5-ヨードウラシル、及び5-(3-アミノアリル)-ウラシルなどが挙げられる。ロックド核酸すなわちLNAも組み込むことが可能である。多くの他の修飾が公知であり、上記の基準を満たす限り使用可能である。修飾の例はまた、米国特許題5,684,143号、同第5,858,988号、及び同第6,291,438号、及び米国公開特許出願第2004/0203145A1号に開示されている。他の修飾は、Herdewijn(2000,Antisense Nucleic Acid Drug Dev 10:297-310),Eckstein(2000,Antisense Nucleic Acid Drug Dev 10:117-21)、Rusckowski et al.(2000,Antisense Nucleic Acid Drug Dev 10:333-345)、Stein et al.(2001,Antisense Nucleic Acid Drug Dev 11:317-25)、Vorobjev et al.(2001,Antisense Nucleic Acid Drug Dev 11:77-85)にて開示されている。
企図される1つ以上の修飾をいずれかの鎖の中に組み込むことが可能である。dsRNA剤中の修飾の位置は、より強力な効力及び安定性の授与、毒性の低減、Dicer処理の増強、及び免疫応答の最小化を含む、dsRNA剤の特徴に大きく影響を与えることができる。1つの実施形態では、アンチセンス鎖もしくはセンス鎖、または両方の鎖は、1つ以上の2’-O-メチル修飾ヌクレオチドを有する。別の実施形態では、アンチセンス鎖は、2’-O-メチル修飾ヌクレオチドを含む。別の実施形態では、アンチセンス鎖は、2’-O-メチル修飾ヌクレオチドからなる3’オーバーハングを含む。アンチセンス鎖はまた、さらなる2’-O-メチル修飾ヌクレオチドを含むことができる。
ある特定の実施形態では、本発明の抗乳酸デヒドロゲナーゼDsiRNA剤は、Dicerによるその処理を増強する種々の特性を持つ。このような実施形態にしたがって、DsiRNA剤は、siRNAを産出するためにDicerにより処理され、以下の特徴の少なくとも1つを有するように十分な長さを有する:(i)DsiRNA剤は非対称であり、例えば、センス鎖上に3’オーバーハングを有し、(ii)DsiRNA剤は、活性siRNAへのdsRNAのDicer結合と処理の方向を指向するために、アンチセンス鎖上に修飾3’末端を有する。これらの実施形態にしたがって、DsiRNA剤において最も長い鎖は、25~35ヌクレオチドを含む。1つの実施形態では、センス鎖は、25~30ヌクレオチドを含み、アンチセンス鎖は、25~28ヌクレオチドを含む。したがって、得られたdsRNAは、センス鎖の3’末端上にオーバーハングを有する。オーバーハングは、2ヌクレオチドなどの1~4ヌクレオチドである。アンチセンス鎖は、5’リン酸塩を有していてもよい。
ある特定の実施形態では、DsiRNA剤のセンス鎖を、センス鎖の3’末端に位置する好適な修飾因子によるDicer処理のために修飾し、すなわち、DsiRNA剤は、Dicer結合及び処理の方向を指向するようにデザインされる。好適な修飾因子としては、デオキシリボヌクレオチド、ジデオキシリボヌクレオチド、アシクロヌクレオチドなどのヌクレオチド類、及び蛍光分子などのような立体的に妨害された分子が挙げられる。アシクロヌクレオチドは、dNMP中に通常存在する2’-デオキシリボフラノシル糖を、2-ヒドロキシエトキシメチル基と置き換える。他のヌクレオチド修飾因子には、3’-デオキシアデノシン(コルジセピン)、3’-アジド-3’-デオキシチミジン(AZT)、2’,3-ジデオキシイノシン(ddI)、2’,3’-ジデオキシ-3’-チアシチジン(3TC)、2’,3’-ジデヒドロ-2’,3-ジデオキシチミジン(d4T)、並びに3’-アジド-3’-デオキシチミジン(AZT)、2’,3-ジデオキシ-3’-チアシチジン(3TC)、及び2’,3’-ジデヒドロ-2’,3’-ジデオキシチミジン(d4T)の一リン酸ヌクレオチドが含まれ得る。1つの実施形態では、デオキシヌクレオチドを修飾因子として使用する。ヌクレオチド修飾因子を使用する時に、1~3ヌクレオチド修飾因子、または2ヌクレオチド修飾因子を、センス鎖の3’末端上のリボヌクレオチドと置き換える。立体的に妨害された分子を使用する場合、それらは、アンチセンス鎖の3’末端にてリボヌクレオチドに付着する。したがって、鎖の長さは、修飾因子の組み込みに伴って変化するものではない。別の実施形態では、本発明は、Dicer処理の方向を指向するために、dsRNA中の2つのDNA塩基を置換することを企図する。さらなる本発明では、アンチセンス鎖の5’末端及びセンス鎖の3’末端上の二本鎖の平滑末端を形成する2つのリボヌクレオチドの代わりに、2つの末端のDNA塩基を、センス鎖の3’末端上に配置し、2ヌクレオチドRNAオーバーハングをアンチセンス鎖の3’末端上に配置する。これは、平滑末端上にDNA、オーバーハング末端上にRNA塩基を持つ、非対称組成物である。
ある特定の他の実施形態では、DsiRNA剤のアンチセンス鎖を、アンチセンス鎖の3’末端に位置する好適な修飾因子によりDicer処理のために修飾し、すなわち、DsiRNA剤は、Dicer結合及び処理の方向を指向するようにデザインされる。好適な修飾因子としては、デオキシリボヌクレオチド、ジデオキシリボヌクレオチド、アシクロヌクレオチドなどのヌクレオチド類、及び蛍光分子などのような立体的に妨害された分子が挙げられる。アシクロヌクレオチドは、dNMP中に通常存在する2’-デオキシリボフラノシル糖を、2-ヒドロキシエトキシメチル基と置き換える。他のヌクレオチド修飾因子には、3’-デオキシアデノシン(コルジセピン)、3’-アジド-3’-デオキシチミジン(AZT)、2’,3’-ジデオキシイノシン(ddI)、2’,3’-ジデオキシ-3’-チアシチジン(3TC)、2’,3’-デヒドロ2’,3-ジデオキシチミジン(d4T)、並びに3’-アジド-3’-デオキシチミジン(AZT)、2’,3’-ジデオキシ-3’-チアシチジン(3TC)及び2’、3’-ジデヒドロ-2’,3’-ジデオキシチミジン(d4T)の一リン酸ヌクレオチドが含まれ得る。1つの実施形態では、デオキシヌクレオチドを修飾因子として使用する。ヌクレオチド修飾因子を使用する時に、1~3ヌクレオチド修飾因子、または2ヌクレオチド修飾因子を、センス鎖の3’末端上のリボヌクレオチドと置き換える。立体的に妨害された分子を使用する場合、それらは、アンチセンス鎖の3’末端にてリボヌクレオチドに付着する。したがって、鎖の長さは、修飾因子の組み込みに伴い変化するものではない。別の実施形態では、本発明は、Dicer処理の方向を指向するために、dsRNA中の2つのDNA塩基を置換することを企図する。さらなる発明において、2つの末端DNA塩基を、センス鎖の5’末端とアンチセンス鎖の3’末端上で、二本鎖の平滑末端を形成している2つのリボヌクレオチドの代わりにアンチセンス鎖の3’末端上に配置し、2ヌクレオチドRNAオーバーハングをセンス鎖の3’末端上に配置する。これはまた、平滑末端上にDNA、オーバーハング末端上にRNA塩基を持つ、非対称組成物である。
センス鎖及びアンチセンス鎖は、細胞の細胞質中で見られる条件のような、生物学的条件下でアニールする。さらに、dsRNAの、とりわけアンチセンス鎖の、1つの配列の一領域が、少なくとも19ヌクレオチドの配列長を有し、ここでこれらのヌクレオチドは、アンチセンス鎖の3’末端に隣接し、標的乳酸デヒドロゲナーゼRNAのヌクレオチド配列に十分に相補的である。
さらに、DsiRNA剤の構造は、Dicerの開裂から産出されるオリゴヌクレオチドセグメントが、遺伝子発現を阻害することにおいて最も効果的であるオリゴヌクレオチドの部分であることを確かにするために最適化することができる。例えば、本発明の1つの実施形態では、DsiRNA剤構造の27bpオリゴヌクレオチドが合成され、ここで遺伝子発現を阻害する21~22bpセグメントが、アンチセンス鎖の3’末端上に位置することが予想される。アンチセンス鎖の5’末端上に位置する残りの塩基は、Dicerによって開裂され、廃棄される。この開裂された部分は均一であるか(すなわち、標的配列の配列に基づく)、または不均一であり、核酸鎖を伸長するために添加される。
US2007/0265220は、27マーDsiRNAが、化学修飾がない場合でさえ、対応する21マーsiRNA組成物に対して、血清中での改善された安定性を示したことを開示している。5’リン酸塩の添加と組み合わせた時に、上述のようなパターンで、アンチセンス鎖中の2’-O-メチルRNAの包含などの、DsiRNAの修飾は、DsiRNA剤の安定性を改善できる。合成RNA二本鎖中の全ての鎖への5’-リン酸塩の添加は、ある程度限定したヌクレアーゼ安定性を与えるための、高額でない、生理学的方法であり得る。
本発明のdsRNA剤の化学修飾パターンは、このような薬剤の有効性を増強するようにデザインする。したがって、このような修飾は、dsRNA剤の効力の低減を避けるため、DsiRNA剤のDicer処理との干渉を避けるよう、dsRNA剤の生物学的流体中の安定性を改善するよう(ヌクレアーゼ感受性を低減させるよう)、または自然免疫系による検出を阻害もしくは回避するようにデザインされる。このような修飾はまた、毒性であることを避けるように、かつ本発明の即時dsRNA剤の製造コストの上昇を避けるよう、またはその簡便さに影響を与えるようにもデザインされる。
本発明のある特定の実施形態では、抗乳酸デヒドロゲナーゼDsiRNA剤は、以下のうち1つ以上の特徴を有する:(i)DsiRNA剤は非対称であり、例えば、アンチセンス鎖上に3’オーバーハングを有し、(ii)DsiRNA剤は、活性siRNAへのdsRNAのDicer結合と処理の方向を指向するために、センス鎖上に修飾3’末端を有する。本実施形態によれば、dsRNAにおける最も長い鎖は、25~35ヌクレオチド(例えば、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、または35ヌクレオチド)を含む。ある特定のこのような実施形態では、DsiRNA剤は、センス鎖が25~34ヌクレオチドを含み、センス鎖の3’末端がアンチセンス鎖の5’末端と平滑末端を形成し、一方アンチセンス鎖が26~35ヌクレオチドを含み、アンチセンス鎖の3’末端上にオーバーハングを形成するように非対称である。1つの実施形態では、DsiRNA剤は、センス鎖が25~28ヌクレオチドを含み、アンチセンス鎖が25~30ヌクレオチドを含むように非対称である。したがって、得られたdsRNAは、アンチセンス鎖の3’末端上にオーバーハングを有する。オーバーハングは、1~4ヌクレオチド、例えば、2ヌクレオチドである。センス鎖はまた、5’リン酸塩を有してもよい。
DsiRNA剤はまた、以下のうち1つ以上の特徴をさらに有することができる:(a)アンチセンス鎖は、典型的な21マーから右シフトを持つ(例えば、DsiRNAは、DsiRNA内の推定Dicer開裂部位の5’まで伸長するアンチセンス鎖ヌクレオチド長を含み、このようなアンチセンス鎖ヌクレオチドは、センス鎖中の推定Dicer開裂の3’を伸長しているセンス鎖の対応するヌクレオチドと塩基対を形成する)、(b)鎖は、完全に相補的でなくてよく、すなわち、この鎖は、単一のミスマッチ塩基対を含んでもよい(ミスマッチ塩基対を有するDsiRNAの乳酸デヒドロゲナーゼ阻害活性が、十分なレベルで維持される(例えば、ミスマッチ塩基対を有しない対応するDsiRNAと比較して、少なくとも50%以上の乳酸デヒドロゲナーゼ阻害活性、少なくとも60%以上の乳酸デヒドロゲナーゼ阻害活性、少なくとも70%以上の乳酸デヒドロゲナーゼ阻害活性、少なくとも80%以上の乳酸デヒドロゲナーゼ阻害活性、少なくとも90%以上の乳酸デヒドロゲナーゼ阻害活性または少なくとも95%以上の乳酸デヒドロゲナーゼ阻害活性を維持する)という条件で、ある特定の実施形態では、本発明のDsiRNAは、1、2、3、4または5以上のミスマッチ塩基対を有する。ある特定の実施形態では、ミスマッチ塩基対は、DsiRNAのアンチセンス鎖とセンス鎖との間に存在する。いくつかの実施形態では、ミスマッチ塩基対は、アンチセンス鎖と標的RNAとの間に存在する(または存在すると予想される)。ある特定の実施形態では、アンチセンス鎖残基と、推定Ago2開裂部位の標的RNA配列中の3’に位置する標的RNA内の対応する残基との間でのミスマッチ塩基対(複数可)の存在が維持され、本発明のDsiRNAの乳酸デヒドロゲナーゼ阻害活性を増強さえしてもよい)、(c)ロックド核酸(複数可)などの塩基修飾が、センス鎖の5’末端に含まれてよい。「典型的な」21マーsiRNAは、従来の技術を用いてデザインされる。1つの技術では、種々の部位が、並行して、または試薬の1つが効果的であるという希望とともに、同一の標的に特異的な種々の異なるsiRNA二本鎖を含むプール中で一般に試験される(Ji et al.,2003,FEBS Lett 552:247-252)。他の技術は、活性RNAiエフェクター分子を得る可能性を上げるためのデザインルール及びアルゴリズムを使用する(Schwarz et al.,2003,Cell 115:199-208;Khvorova et al.,2003,Cell 115:209-216;Ui-Tei et al.,2004,Nucleic Acids Res 32:936-948;Reynolds et al.,2004,Nat Biotechnol 22:326-330;Krol et al.,2004,J Biol Chem 279:42230-42239;Yuan et al.,2004,Nucl Acids Res 32(ウェブ発行):W130-134;Boese et al.,2005,Methods Enzymol 392:73-96)。siRNAのハイスループット選別もまた開発されてきた(米国公開特許出願第2005/0042641 A1号)。潜在的標的部位をまた、二次構造予測によって解析できる(Heale et al.,2005,Nucleic Acids Res 33(3):e30)。ついで、この21マーを使用して右シフトをデザインし、21マーの5’末端上に3~9のさらなるヌクレオチドを含める。これらのさらなるヌクレオチドの配列は制限されない。1つの実施形態では、追加したリボヌクレオチドは、標的遺伝子の配列に基づく。本実施形態においてさえ、標的配列とアンチセンスsiRNAとの間の完全な相補性は必要とされるものではない。
本発明のDsiRNA剤の第1及び第2のオリゴヌクレオチドは、完全な相補性を必要とするものではない。これらは、生物学的条件下でアニールし、かつ標的配列に対して十分に相補的なsiRNAを産出するDicerに対する基質を提供するために十分に相補的であることのみが必要である。ロックド核酸すなわちLNAは当業者によく公知である(Elmen et al.,2005,Nucleic Acids Res 33:439-447;Kurreck et al.,2002,Nucleic Acids Res 30:1911-1918;Crinelli et al.,2002,Nucleic Acids Res 30:2435-2443;Braasch and Corey, 2001,Chem Biol 8:1-7;Bondensgaard et al.,2000,Chemistry 6:2687-2695;Wahlestedt et al.,2000,Proc Natl Acad Sci USA 97:5633-5638)。1つの実施形態では、LNAをセンス鎖の5’末端に組み込む。別の実施形態では、LNAを、アンチセンス鎖上に3’オーバーハングを含むようにデザインされた二本鎖中のセンス鎖の5’末端に組み込む。
ある特定の実施形態では、本発明のDsiRNA剤は、25塩基対長を有するセンス鎖と、2塩基3’-オーバーハングを持つ27塩基対長を有するアンチセンス鎖の非対称構造を有する。他の実施形態では、非対称構造を有するこのDsiRNA剤は、2つのリボヌクレオチドの代わりに、センス鎖の3’末端にて2-デオキシヌクレオチドをさらに含む。
2つの別々のオリゴヌクレオチドを含む、ある特定のDsiRNA剤組成物は、三次構造によって連結可能である。三次構造は、DsiRNA剤上のDicer活性を阻害せず、標的遺伝子から転写されたRNAの指向された崩壊と干渉するものではない。1つの実施形態では、三次構造は、化学連結基であってもよい。多くの好適な化学連結基が当該技術分野で公知であり、使用可能である。あるいは、三次構造は、ヘアピン構造が、dsRNA組成物を作製している2つのオリゴヌクレオチドのアニーリングに際して産出されるような様式で、DsiRNA剤の2つのオリゴヌクレオチドを結合させるオリゴヌクレオチドであってもよい。ヘアピン構造は、DsiRNA剤上のDicer活性を阻害せず、乳酸デヒドロゲナーゼRNAの指向された崩壊と干渉しない。
dsRNA乳酸デヒドロゲナーゼ阻害活性を評価するためのインビトロアッセイ
無細胞系でのRNAiを繰り返すインビトロアッセイを使用して、乳酸デヒドロゲナーゼRNA配列(類)を標的化しているdsRNA構築物を評価し、したがって、dsRNAの乳酸デヒドロゲナーゼ特異的遺伝子阻害活性(また本明細書中で乳酸デヒドロゲナーゼ阻害活性を指す)を評価できる。このアッセイには、乳酸デヒドロゲナーゼRNAに対して指向したdsRNA(例えば、DsiRNA)剤との利用に適合した、Tushl et al.,1999,Genes and Development,13,3191-3197及びZamore et al.,2000,Cell,101,25-33によって記述された系が含まれる。合胞体胚盤葉由来のDrosophila抽出物を、インビトロにてRNAi活性を再構築するために使用する。標的RNAは、T7 RNAポリメラーゼを用いる選択された乳酸デヒドロゲナーゼ発現プラスミドからのインビトロ転写を介して、または化学合成を介して産出される。センス及びアンチセンスのdsRNA鎖(例えば、各20uM)を、90℃で1分間、ついで37℃で1時間(100mM酢酸カリウム、30mM HEPES-KOH、pH7.4、2mM酢酸マグネシウムなどの)緩衝液中でのインキュベーションによってアニールし、ついで溶解緩衝液(例えば、100mM 酢酸カリウム、pH7.4での30mM HEPES-KOH、2mM酢酸マグネシウム)中で希釈する。アニーリングをTBE緩衝液中アガロースゲル上のゲル電気泳動によってモニターし、臭化エチジウムで染色できる。Drosophila溶解物を、脱漿膜し、溶解した酵母糖蜜寒天上で回収したOregon Rハエ由来の0~2時間齢胚を用いて調製する。溶解物を遠心し、上清を単離する。本アッセイには、50%溶解物[vol/vol]、RNA(10~50pM最終濃度)、及びdsRNA(10nM最終濃度)を含む10%[vol/vol]溶解緩衝液を含む反応混合物が含まれる。反応混合物はまた、10mMリン酸クレアチン、10ug/mlクレアチンホスホキナーゼ、100um GTP、100uM UTP、100uM CTP、500uM ATP、5mM DTT、0.1U/uL RNasin(Promega)、及び100uMの各アミノ酸を含む。酢酸カリウムの最終濃度を100mMに調節する。反応を氷上でプレアセンブルし、RNA添加する前に10分間、25℃にてプレインキュベートし、25℃にてさらに60分間インキュベートする。反応を4体積の1.25×Passive Lysis Buffer(Promega)で急冷する。標的RNA開裂をRT-PCR解析または当該技術分野で公知の他の方法によってアッセイし、dsRNAが反応より除外された対照反応と比較する。
あるいは、アッセイのために内部標識した標的RNAを、[α-32P]CTPの存在下、インビトロ転写によって調製し、スピンクロマトグラフィーによるG50 Sephadexカラムを通し、さらに精製することなく標的RNAとして使用する。任意に、標的RNAを、T4ポリヌクレオチドキナーゼ酵素を用いて、5’-32P末端標識する。アッセイを、上記のように実施し、標的RNAとRNAiによって産出される特定のRNA開裂産物を、ゲルのオートラジオグラフィー上で可視化する。開裂の割合を、未処置の対照RNAまたはdsRNAなしの対照反応由来のRNA、及びアッセイによって産出された開裂産物を表すバンドのPHOSPHOR IMAGER(登録商標)(オートラジオグラフィー)定量によって決定する。
1つの実施形態では、本アッセイを、dsRNA媒介RNAi開裂に対する乳酸デヒドロゲナーゼRNA標的中の標的部位を決定するために使用し、ここで複数のdsRNA構築物を、例えば、標識化標的RNAの電気泳動またはノザンブロットによって、並びに当該技術分野でよく知られている他の方法論によってアッセイ反応を解析することで、乳酸デヒドロゲナーゼRNA標的のRNAi媒介開裂に関してスクリーニングする。
ある特定の実施形態では、好適な対照に対して、例えば、乳酸デヒドロゲナーゼレベルにおける50%減少が系、細胞、組織または生命体にて観察された場合、本発明のdsRNAは乳酸デヒドロゲナーゼRNA阻害活性を有すると見なされる。本発明のdsRNAの乳酸デヒドロゲナーゼ阻害活性の決定に対するさらなる境界(metes and bounds)は上に記載されている。
抗乳酸デヒドロゲナーゼdsRNA剤の共役と送達
ある特定の実施形態では、本発明は、シュウ酸塩蓄積、PH1及び/または他の乳酸デヒドロゲナーゼ関連疾患もしくは障害を有する、またはシュウ酸塩蓄積、PH1及び/または他の乳酸デヒドロゲナーゼ関連疾患もしくは障害を発症させるリスクを有する対象を治療する方法に関する。このような実施形態では、dsRNAは、シュウ酸塩蓄積、PH1及び/または他の乳酸デヒドロゲナーゼ関連疾患もしくは障害を制御するための新規治療薬剤として働き得る。本方法は、本発明の医薬組成物を患者(例えば、ヒト)に投与し、それによって、乳酸デヒドロゲナーゼRNAの発現、レベル及び/または活性が低減することを含む。乳酸デヒドロゲナーゼRNAによってコードされたポリペプチドの発現、レベル及び/または活性はまた、dsRNAが乳酸デヒドロゲナーゼ転写産物の非コード領域に対して指向する場合(例えば、標的化5’UTRまたは3’UTR配列)でさえ、本発明のdsRNAによって低減してもよい。これらの高い特異性のために、本発明のdsRNAは、任意に多型対立遺伝子が個々及び/または集団内で存在する対立遺伝子特異的様式であっても、細胞及び組織の乳酸デヒドロゲナーゼ配列を特に標的化できる。
シュウ酸塩蓄積、PH1、及び/または他の乳酸デヒドロゲナーゼ関連疾患もしくは障害の治療では、対象の細胞または組織、例えば、乳酸デヒドロゲナーゼレベルの減少の標的とされる対象の細胞または組織にdsRNAを接触させることができる。抗LDHA剤(例えば、本発明のdsRNA)の投与を介して治療可能または予防可能な、シュウ酸塩蓄積のPH1または他の疾患もしくは障害などの疾患では、肝臓に優先的に送達されるLDHAの標的阻害は、本明細書で開示された治療、及び当該技術分野で公知のdsRNAの送達モダリティ(例えば、dsRNAを肝臓に優先的に送達する脂質ナノ粒子及び他の部分)などのdsRNA治療の使用を介して実施可能である。例えば、乳酸デヒドロゲナーゼRNA配列の全てまたは一部に実質的に同一であるdsRNAを、細胞にインビボまたはインビトロのいずれかで接触させてもよく、または導入してもよい。同様に、乳酸デヒドロゲナーゼRNA配列の全てまたは一部に実質的に同一であるdsRNAを、抗LDHA剤の投与を介して予防または治療可能な疾患もしくは障害を有する対象、または該疾患もしくは障害を発症するリスクがある対象に直接投与してもよい。
本発明のdsRNA剤の治療的利用は、多数の異なるdsRNA剤配列を含むdsRNA剤の製剤の利用を含み得る。例えば、2以上、3以上、4以上、5以上などの本明細書で記述した薬剤を、例えば、乳酸デヒドロゲナーゼRNAの多数の異なる領域を標的とする、または標的乳酸デヒドロゲナーゼRNAだけでなく、例えば、乳酸デヒドロゲナーゼの阻害が、乳酸デヒドロゲナーゼ関連疾患もしくは障害と関連した細胞性標的遺伝子といった標的をも標的とする製剤を産出するように組み合わせることができる。本発明のdsRNA剤をまた、dsRNA剤のいずれかの鎖が、2以上の乳酸デヒドロゲナーゼRNAの領域を独立して標的するように、またはdsRNA剤の鎖の1つが、当該技術分野で公知の乳酸デヒドロゲナーゼの細胞性標的遺伝子を標的とするように構築してもよい。
標的核酸分子の1超の領域を標的とする多機能dsRNA分子の利用がまた、乳酸デヒドロゲナーゼRNAレベル及び発現の強力な阻害を提供できる。例えば、本発明の単一多機能dsRNA構築物は、乳酸デヒドロゲナーゼ-402と乳酸デヒドロゲナーゼ-723の部位の両方を同時に標的とすることができ、さらに、及び/またはあるいは、本発明の単一または多機能薬剤を、乳酸デヒドロゲナーゼの1つのスプライスバリアントを他よりも選択的に標的とするようにデザインできる。
したがって、本発明のdsRNA剤は個々に、または他の薬剤との組み合わせまたは併せて、乳酸デヒドロゲナーゼ関連疾患もしくは障害を治療、阻害、低減、または予防するために使用できる。例えば、dsRNA分子を、治療に好適な条件下、単独で、または1つ以上の薬剤との組み合わせで、対象に投与可能であり、当業者にとって明白な他の適切な細胞に投与可能である。
dsRNA分子をまた、対象または生命体におけるPH1または他の乳酸デヒドロゲナーゼ関連疾患もしくは障害を治療する、阻害、低減、または予防するための他の公知の治療との組み合わせで使用できる。例えば、記述した分子を、当該技術分野で公知のように、対象または生命体におけるPH1または他の乳酸デヒドロゲナーゼ関連疾患もしくは障害を治療、阻害、低減、または予防するために、1つ以上の公知の化合物、治療、または手順と組み合わせて使用できる。
本発明のdsRNA剤は、別の部分(例えば、ペプチドなどの非核酸部分)、有機化合物(例えば、染料、コレステロールなど)と(例えば、そのセンス鎖またはアンチセンス鎖のその5’または3’末端で)共役可能であり、または共役していなくてもよい。この方法でdsRNA剤を修飾することは、対応する非共役dsRNA剤と比較して細胞取込を改善し、得られるdsRNA剤誘導体の細胞標的化活性を増強してもよく、細胞内のdsRNA剤誘導体をトレースするために有用であり、または対応する非共役dsRNA剤と比較してdsRNA剤誘導体の安定性を改善する。
核酸、ベクター、及び宿主細胞を導入する方法
本発明のdsRNA剤を、直接細胞に(すなわち、細胞内に)導入してもよく、または空洞、間質腔内、生命体の循環中に細胞外で導入してもよく、経口で導入してもよく、または核酸を含む溶液で細胞または生命体を浴させることによって導入してもよい。血管または血管外の循環、血液またはリンパ系、及び脳脊髄液が、核酸を導入してもよい部位である。
本発明のdsRNA剤を、核酸を含む溶液の注射、核酸によって覆われた粒子の照射、核酸溶液中の細胞または生命体の浸漬、または核酸の存在下での細胞膜のエレクトロポレーションを含む、当該技術分野で公知の核酸送達方法を用いて導入可能である。脂質媒介担体伝達、化学媒介伝達、リン酸カルシウムなどのカチオン性リポソームトランスフェクションなどのような核酸を細胞に導入するための当該技術分野で公知の他の方法を使用してもよい。核酸を、以下の、細胞による核酸取込を増強する、またはそれ以外で標的乳酸デヒドロゲナーゼRNAの阻害を増加させる、といった活性の1つ以上を実施する他の成分と一緒に導入してもよい。
標的乳酸デヒドロゲナーゼRNAを有する細胞は、生殖系または体性、分化全能性または多能性、分裂または非分裂、柔組織または上皮、不死化または形質導入した系などが由来であってもよい。細胞は、幹細胞または分化細胞であってもよい。分化した細胞型には、脂肪細胞、繊維芽細胞、筋細胞、心筋細胞、内皮細胞、ニューロン、グリア細胞、血液細胞、巨核球、リンパ球、マクロファージ、好中球、好酸球、好塩基球、マスト細胞、白血球、顆粒球、ケラチノサイト、コンドロサイト、骨芽細胞、破骨細胞、肝細胞、内分泌または外分泌腺の細胞が含まれる。
特定の標的乳酸デヒドロゲナーゼRNA配列と、送達されたdsRNA剤物質の用量に依存して、本プロセスは、乳酸デヒドロゲナーゼRNAに対しての部分的または完全な機能の欠損を提供し得る。標的細胞の少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%または99%以上でのRNAレベルまたは発現(乳酸デヒドロゲナーゼRNA発現またはコードされたポリペプチド発現のいずれか)の減少または欠損が例として挙げられる。乳酸デヒドロゲナーゼRNAレベルまたは発現の阻害は、乳酸デヒドロゲナーゼRNAまたは乳酸デヒドロゲナーゼRNAコードタンパク質のレベルの欠如(または観察可能な減少)を指す。特異性は、細胞の他の遺伝子における明らかな効果なしに、乳酸デヒドロゲナーゼRNAを阻害する能力を指す。この阻害の結果は、細胞または生命体の外部特性の試験によって、またはRNA溶液ハイブリダイゼーション、ヌクレアーゼ保護、ノザンハイブリダイゼーション、逆転写、マイクロアレイでの遺伝子発現モニタリング、抗体結合、酵素免疫測定法(ELISA)、ウェスタンブロッティング、放射免疫アッセイ(RIA)、他の免疫アッセイ、及び蛍光活性化細胞解析(FACS)などの生化学的技術によって確認可能である。本発明のdsRNA剤による標的乳酸デヒドロゲナーゼRNA配列(複数可)の阻害は、インビボまたはインビトロのいずれかで、PH1または他の乳酸デヒドロゲナーゼ関連疾患もしくは障害の発症/進行における、このようなdsRNA剤の投与の効果に基づいて測定可能でもある。これらの状態のいずれかの治療は、PH1及び/または腎機能のための当該技術分野で認識される試験、例えば、適切な対照集団の平均の健康な腎機能及び/または腎結石形成と比べて達成されている腎機能及び/または腎結石形成(例えば、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、またはそれ以上)のパーセンテージの決定によって評価することができる。ある特定の実施形態では、治療の成功は、結石形成の減少もしくは停止、またはPH1または他の乳酸デヒドロゲナーゼ関連疾患もしくは障害に関連する総腎機能の低下の減少もしくは停止をもたらす。いくつかの実施形態では、腎機能は、治療の成功によって改善する。
細胞株または全生命体でのRNA媒介阻害では、そのタンパク質産物が容易にアッセイされる、レポーターまたは薬物耐性遺伝子の発現を測定できる。このようなレポーター遺伝子には、アセトヒドロキシ酸シンターゼ(AHAS)、アルカリホスファターゼ(AP)、βガラクトシダーゼ(LacZ)、ベータグルコロニダーゼ(GUS)、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)、緑色蛍光タンパク質(GFP)、西洋わさびペルオキシダーゼ(HRP)、ルシフェラーゼ(Luc)、ノパリンシンターゼ(NOS)、オクトピンシンターゼ(OCS)、及びそれらの誘導体が含まれる。多数の選別可能なマーカーが利用可能であり、アンピシリン、ブレオマイシン、クロラムフェニコール、ゲンタマイシン、ヒグロマイシン、カナマイシン、リンコマイシン、メトトレキセート、ホスフィノリシン、ピューロマイシン、及びテトラサイクリンに対する耐性を供与する。アッセイに応じて、遺伝子発現の量の定量化により、本発明に従って処理されない細胞と比較して、10%、33%、50%、90%、95%、または99%超程度の阻害を判定できる。
注射物質の用量が少なくなり、RNAサイレンシング薬剤の投与後の時間が長くなると、より小さな割合の細胞における阻害がもたらされ得る(例えば、標的細胞の少なくとも10%、20%、50%、75%、90%、または95%)。細胞内での遺伝子発現の定量化は、標的乳酸デヒドロゲナーゼRNAの蓄積または標的タンパク質の翻訳のレベルにて同様の量の阻害を示してもよい。例として、阻害の効果を、細胞内の遺伝子産物の量を評価することによって判定してもよく、RNAは、阻害dsRNAのために使用した領域の外側にヌクレオチド配列を有するハイブリダイゼーションプローブで検出してもよく、または翻訳されたポリペプチドは、その領域のポリペプチド配列に対して作製された抗体で検出してもよい。
dsRNA剤は、少なくとも1つのコピー/細胞の送達を許容する量で導入してもよい。物質のより大きな用量(例えば、少なくとも5、10、100、500、または1000コピー/細胞)が、より効果的な阻害を産出してもよく、より低い用量がまた、特定の適用のために有用であってもよい。
医薬組成物
ある特定の実施形態では、本発明は、本発明のdsRNA剤を含む医薬組成物を提供する。dsRNA剤試料は、好適に製剤化され、十分な量の試料が、遺伝子サイレンシングを、それが起こるのであれば誘導するために細胞内に入ることを許容する任意の方法によって細胞の環境内に導入可能である。dsRNAに関する多くの製剤は、当該技術分野で公知であり、dsRNAが標的細胞内に入り、作用することができる限り使用可能である。例えば、米国公開特許出願第2004/0203145 A1号及び同第2005/0054598 A1号を参照されたい。例えば、本発明のdsRNA剤を、リン酸緩衝食塩水溶液、リポソーム、ミセル構造、及びカプシドなどの緩衝溶液中に製剤化できる。カチオン性脂質を備えたdsRNA剤の製剤を、dsRNA剤の細胞内へのトランスフェクションを促進するために使用可能である。例えば、リポフェクチン(米国特許第5,705,188号)などのカチオン性脂質、カチオン性グリセロール誘導体、及びポリリシン(PCT国際出願第WO97/30731号)などのポリカチオン性分子を使用できる。好適な脂質には、オリゴフェクタミン、リポフェクタミン(Life Technologies)、NC388(Ribozyme Pharmaceuticals,Inc.Boulder,Colo.)、またはFuGene6(Roche)が含まれ、これら全ては製造業者の取扱説明書に従って使用できる。
このような組成物には、典型的には、核酸分子と薬学的に許容可能な担体が含まれる。本明細書で使用するところの語句「薬学的に許容可能な担体」には、薬学的投与に適合可能な食塩水、溶媒、分散培地、コーティング剤、抗菌剤、抗真菌剤、等張剤、及び吸収遅延剤などが含まれる。補助的な活性化合物もまた組成物内に組み込むことができる。
医薬組成物を、その意図する投与経路に適合するように製剤化する。投与経路の例としては、非経口、例えば、静脈内、皮膚内、皮下、経口(例えば、吸入)、経皮(局所)、経粘膜、及び腸投与が挙げられる。非経口、皮膚内、または皮下適用のために使用される溶液または懸濁液には、以下の、注射用水、生理食塩水溶液、固定油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコールまたは他の合成溶媒などの無菌希釈液、ベンジルアルコールまたはメチルパラベン類などの抗菌剤、アスコルビン酸または二硫化ナトリウムなどの抗酸化剤、エチレンジアミンテトラ酢酸などのキレート剤、酢酸塩、クエン酸塩またはリン酸塩などの緩衝液、及び塩化ナトリウム、デキストロースなどの浸透圧の調節のための薬剤といった成分を含むことができる。pHを、塩酸または水酸化ナトリウムなどの酸または塩基で調節可能である。非経口調製物は、ガラスまたはプラスチックからなるアンプル、使い捨てシリンジまたは多重用量バイアル内に同封可能である。
注射可能な用途に好適な医薬組成物には、無菌水溶液(水溶性である場合)または分散液、及び無菌注射可能な溶液または分散液の即時調製のための無菌粉末が含まれる。静脈内投与のために、好適な担体には、生理学的食塩水、静菌水、Cremophor EL.(商標)(BASF、Parsippany,N.J.)またはリン酸緩衝食塩水(PBS)が含まれる。全ての場合で、本組成物は無菌でなければならず、簡単にシリンジ注入可能な程度まで流動的であるべきである。製造及び保存の条件下で安定であるべきであり、細菌及び真菌などの微生物の汚染作用に対して保存されなければならない。担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、及び液体ポリエチレンングリコールなど)、並びにこれらの好適な混合物を含む、溶媒または分散培地とすることができる。適切な流動性は、例えば、レシチンなどのコーティングの利用によって、分散液の場合、要求される粒子の大きさの維持によって、かつ界面活性剤の利用によって、維持可能である。微生物の活性の防止は、種々の抗菌剤及び抗真菌剤、例えば、パラベン類、クロロブタノール、フェノール、アスコルビン酸、チメロサールなどによって達成可能である。多くの場合、組成物中に等張剤、例えば、糖類、マンニトール、ソルビトールなどのポリアルコール類、塩化ナトリウムを含めることが好ましい。注射可能組成物の長期間の吸収を、組成物内に、吸収を遅延させる薬剤、例えば、アルミニウムモノステアリン酸及びゼラチンを加えることによって達成可能である。
無菌注射可能溶液は、必要に応じて、上記に列挙した成分のうち1つまたは組み合わせと、選択した溶媒中の必要量の活性化合物を組み込み、続いて濾過滅菌することにより調製できる。一般的に、分散液は、基礎分散培地と上記に列挙した必要な他の成分とを含む、無菌ビヒクル内に活性化合物を組み込むことによって調製する。無菌注射可能溶液の調製のための無菌粉末の場合、好適な調製方法は、前もって濾過滅菌したその溶液から活性成分+任意の所望な成分の粉末が得られる吸引乾燥及び凍結乾燥である。
経口組成物は一般的に、不活性希釈液または食用担体を含む。経口治療投与の目的のために、活性化合物を、賦形剤と組み込み、錠剤、トローチ、または、例えば、ゼラチンカプセルのようなカプセルの形態で使用可能である。経口組成物はまた、マウスウォッシュとしての使用のために流体の担体を用いて調製可能である。薬学的に適合可能な結合剤、及び/またはアジュバント物質を、組成物の一部として含めることが可能である。錠剤、ピル、カプセル、トローチなどは、以下の、結晶セルロース、ガムトラガカントもしくはゼラチンなどの結合剤、デンプンもしくはラクトースなどの賦形剤、アルギン酸、プリモゲルもしくはトウモロコシデンプンなどの崩壊剤、ステアリン酸マグネシウムもしくはステロートなどの滑沢剤、二酸化コロイドシリコンなどの流動促進剤、スクロースもしくはサッカリンなどの甘味剤、またはペパーミント、サリチル酸メチルもしくはオレンジ香味料などの香味料、といった成分または同様の性質の化合物のいずれかを含んでもよい。
吸入による投与のために、化合物を、例えば、二酸化炭素などの気体といった適当な推進剤を含む加圧容器もしくはディスペンサー、またはネブライザー由来のエアゾルスプレーの形態で送達する。このような方法には、米国特許第6,468,798号に記述されたものが含まれる。
全身投与がまた、経粘膜または経皮的手段によって可能でもある。経粘膜投与または経皮投与では、浸潤されるべきバリアに対して適切な浸透剤が製剤で使用される。このような浸透剤は一般的に、当該技術分野で公知であり、例えば、経粘膜投与では、界面活性剤、胆汁酸塩、及びフシジン酸誘導体が含まれる。経粘膜投与は、経鼻スプレーまたは座薬の使用を介して達成可能である。経皮投与では、活性化合物を、当該技術分野で一般的に公知の軟膏(ointments)、軟膏(salves)、ジェルまたはクリームに製剤化する。
本化合物をまた、(例えば、ココアバター及び他のグリセリド類などの従来の座薬基体を備えた)座薬、または直腸送達のための停留かん腸の形態で調製可能である。
本化合物はまた、限定するものではないが、McCaffrey et al.(2002),Nature,418(6893),38-9(流体力学トランスフェクション);Xia et al.(2002),Nature Biotechnol.,20(10),1006-10(ウイルス媒介送達);またはPutnam(1996),Am.J.Health Syst.PhARm.53(2),151-160,erratum at Am.J.Health Syst.Pharm.53(3),325(1996)にて記述された方法を含む、当該技術分野で公知の方法を用いてトランスフェクションまたは感染によって投与可能である。
また、本化合物を、DNAワクチンなどの核酸剤の投与に好適な方法によって投与可能である。これらの方法には、遺伝子銃、生物注入器、及び皮膚パッチ、並びに米国特許第6,194,389号にて開示されたマイクロ粒子DNAワクチン技術などのニードルフリー方法、及び米国特許第6,168,587号にて開示されたような粉末形状ワクチンによる哺乳類経皮ニードルフリーワクチン化が含まれる。さらに、とりわけHamajima et al.(1998),Clin.Immunol.Immunopathol.,88(2),205-10.Liposomesに記載されるように(例えば、米国特許第6,472,375号にて記述されたような)、経鼻伝達が可能であり、マイクロカプセル化も使用可能である。(例えば、米国特許第6,471,996号にて記述されたような)生物分解性、標的化可能マイクロ粒子送達系もまた使用可能である。
1つの実施形態では、活性化合物を、インプラント及びマイクロカプセル化送達系を含む、徐放製剤などの、身体からの急速な消失に対して化合物を保護する担体で調製する。酢酸エチレンビニル、ポリ酸無水物類、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルソエステル類、及びポリ酢酸などの生物分解性、生物適合性ポリマーを使用可能である。このような製剤は、標準技術を用いて調製可能である。物質はまた、Alza Corporation及びNova Pharmaceuticals,Inc.から商業的に入手可能である。リポソーム懸濁液は、薬学的に許容可能な担体として使用可能でもある。これらは、例えば、米国特許第4,522,811号にて記述されたような、当業者に公知の方法に従って調製可能である。
このような化合物の毒性及び治療効果は、例えば、LD50(集団の50%が致死する用量)及びED50(集団の50%の治療上有効量)を決定するために、細胞培養液または実験動物における標準薬学的手順によって決定できる。毒性及び治療効果の間の用量比が治療指数であり、比率LD50/ED50として表すことができる。高い治療指数を表す化合物が好ましい。毒性副作用を表す化合物を使用してもよい一方で、感染していない細胞への損傷の可能性を最小限にし、それによって副作用を低減させるために、罹患組織の部位へ、このような化合物を標的化する送達系をデザインすることに注意が払われるべきである。
細胞培養アッセイ及び動物試験から得たデータを、ヒトにおける使用のための投与量の範囲を定式化する際に使用可能である。このような化合物の投与量は、好ましくは毒性がほとんどないか、全くないED50を含む循環濃度範囲内にある。投与量は、使用する用量形態及び利用する投与経路に応じてこの範囲内で変化してもよい。本発明の方法にて使用される化合物では、治療上有効用量は、細胞培養アッセイからまず推定可能である。投与量を、細胞培養液中で測定したようなIC50(すなわち、症状の最大半減阻害を達成する試験化合物の濃度)を含む、循環血漿濃度範囲を達成するように、動物モデルにて定式化してもよい。このような情報を使用して、ヒトに有用な用量をより正確に決定するできる。血漿中のレベルを、例えば、高速液体クロマトグラフィーによって測定してもよい。
本明細書で定義したように、治療的有効量の核酸分子(すなわち、有効用量)は、選択した核酸に依存する。例えば、dsRNA(または、例えば、このようなdsRNAをコードする構築物(複数可))を、おおよそ1pg~1000mgの範囲の単一投与用量で投与してもよく、いくつかの実施形態では、10、30、100、もしくは1000pg、または10、30、100、もしくは1000ng、または10、30、100、もしくは1000μg、または10、30、100、もしくは1000mgを投与してもよい。いくつかの実施形態では、1~5gの組成物を投与可能である。本組成物は、2日に1回を含む、1以上の回数/日~1以上の回数/週投与可能である。当業者は、限定するものではないが、疾患または障害の重症度、先行治療、対象の一般的健康及び/または年齢、他の疾患の存在を含むある特定の要因が、対象を効果的に治療するために要求される投与量及びタイミングに影響を与え得ることを理解するであろう。さらに、治療的有効量の核酸(例えば、dsRNA)、タンパク質、ポリペプチド、または抗体による対象の治療には、単一治療が含まれてもよく、または好ましくは一連の治療が含まれてもよい。
本発明の核酸分子は、限定するものではないが、例えば、Xiaらにより(2002)上記にて記述されたものを含む、当該技術分野で公知の方法を用いて、発現構築物、例えば、ウイルスベクター、レトロウイルスベクター、発現カセット、またはプラスミドウイルスベクター内に挿入可能である。発現構築物は、例えば、吸入、経口、静脈内注射、局所投与によって(米国特許第5,328,470号を参照されたい)、または定位注射によって(例えば、Chen et al.(1994)Proc.Natl.Acad.Sci.USA,91,3054-3057を参照されたい)対象に送達可能である。送達ベクターの薬学的調製物には、適切な希釈液中のベクターを含むことができ、または送達ビヒクルが埋め込まれる徐放マトリックスを含むことができる。あるいは、完全な送達ベクター、例えば、レトロウイルスベクターを、組換え細胞から完全なまま産出可能である場合、薬学的調製物は、遺伝子送達系を産出する1つ以上の細胞を含むことができる。
発現構築物は、適切な発現系での使用に好適な構築物であってもよく、限定するものではないが、当該技術分野で公知のような、レトロウイルスベクター、直線発現カセット、プラスミド、及びウイルスまたはウイルス由来ベクターを含んでもよい。このような発現構築物には、1つ以上の誘導可能なプロモーター、U6 snRNAプロモーターまたはH1 RNAポリメラーゼIIIプロモーターなどの、RNA Pol IIIプロモーター系、または当該技術分野で公知の他のプロモーターを含んでもよい。本構築物は、siRNAの1つまたは両方の鎖を含み得る。両方の鎖を発現している発現構築物には、両方の鎖を連結しているループ構造も含むことができ、または各鎖は、同一の構築物内の別々のプロモーターから別々に転写され得る。各鎖は、別々の発現構築物、例えば、Tuschl(2002,Nature Biotechnol 20:5005-505)から転写可能でもある。
細胞の環境内にdsRNA剤を導入する方法は、細胞の型、及びその環境の構成に依存し得ることが理解できる。例えば、細胞が液体内で見られる時に、1つの好ましい製剤は、リポフェクタミン中でのような脂質製剤によるものであり、dsRNA剤を細胞の液体環境に直接添加できる。脂質製剤をまた、静脈内、筋肉内、または腹腔内注射によって、または経口で、または吸入または当該技術分野で公知のような他の方法によって動物に投与できる。本製剤が、哺乳類、とりわけヒトなどの動物内への投与に好適である場合、本製剤は薬学的に許容可能でもある。オリゴヌクレオチドを投与するための薬学的に許容可能な製剤が公知であり、利用可能である。いくつかの例では、dsRNA剤を緩衝液または生理食塩水溶液中で製剤化し、製剤化したdsRNA剤を、卵母細胞での研究でのように、直接細胞内に注入することが好ましい場合がある。dsRNA剤二本鎖の直接注射もまた実施され得る。dsRNA(例えば、DsiRNA剤)を導入する好適な方法に関して、米国公開特許出願第2004/0203145 A1号を参照されたい。
好適な量のdsRNA剤を導入しなければならず、これらの量は、標準方法を用いて実験的に決定できる。概して、細胞の環境中の個々のdsRNA剤種の有効濃度は、50ナノモル以下、10ナノモル以下であり、または1ナノモル以下の濃度での組成物を使用できる。別の実施形態では、200ピコモル以下、100ピコモル以下、50ピコモル以下、20ピコモル以下、及びさらには10ピコモル以下、5ピコモル以下、2ピコモル以下、または1ピコモル以下の濃度を用いる方法を、多くの環境で使用できる。
十分な量のdsRNA剤が細胞に入りその効果を発揮するようにdsRNA剤組成物が製剤化される場合、本方法は、細胞が生存可能な細胞外マトリックスにdsRNA剤組成物を添加することにより実行できる。例えば、本方法は、液体培養液または細胞増殖培地などの液体中、組織外植片中、または哺乳類、とりわけヒトなどの動物を含む全生命体中に存在する細胞を用いて使用できる。
乳酸デヒドロゲナーゼRNAのレベルまたは活性は、現在当該技術分野で公知の、または後に開発される好適な方法によって決定できる。標的RNA及び/または標的RNAの発現を測定するために使用する方法は、標的RNAの性質に依存し得ることが理解できる。例えば、標的乳酸デヒドロゲナーゼRNA配列がタンパク質をコードする場合、用語「発現」は、乳酸デヒドロゲナーゼ遺伝子(ゲノムまたは外来源由来のいずれか)から由来する、タンパク質または乳酸デヒドロゲナーゼRNA/転写産物を指すことができる。このような例では、標的乳酸デヒドロゲナーゼRNAの発現を、乳酸デヒドロゲナーゼRNA/転写産物の量を直接測定することによって、または乳酸デヒドロゲナーゼタンパク質の量を測定することによって決定可能である。タンパク質を、染色または免疫ブロッティングによって、またはタンパク質が測定可能な反応を触媒する場合、反応速度を測定することによってなどのタンパク質アッセイにて測定可能である。全てのこのような方法が、当該技術分野で公知であり、使用可能である。標的乳酸デヒドロゲナーゼRNAレベルが測定されるべきである場合、RNAレベルを検出するための当該技術分野で認識された方法を使用可能である(例えばRT-PCR、ノーザンブロッディングなど)。本発明のdsRNA剤での乳酸デヒドロゲナーゼRNAの標的化で、対象中、組織中、インビトロまたはインビボいずれかでの細胞中、または細胞抽出物中の、乳酸デヒドロゲナーゼRNAまたはタンパク質のレベルを減少させる際の、dsRNA剤の有効性の測定をまた、PH1、シュウ酸塩蓄積、または他の乳酸デヒドロゲナーゼ関連疾患もしくは障害表現型(例えば、腎機能、腎結石など)の低減の程度を決定するために使用可能でもある。上記測定は、細胞、細胞抽出物、組織、組織抽出物または他の好適な供給源物質で実施できる。
乳酸デヒドロゲナーゼRNAの発現が低減したかどうかの決定は、RNAレベルにおける変化を正確に検出可能な好適な方法によるものとすることができる。概して、この決定は、dsRNA剤の少なくとも一部が細胞質に入るように未消化のdsRNAを細胞環境に導入し、その後標的RNAのレベルを測定することによって実施される。同一の測定を、同一の未処理細胞上で行い、それぞれの測定から得られた結果を比較する。
dsRNA剤は、薬理学的に有効量のdsRNA剤と、薬学的に許容可能な担体を含む、医薬組成物として製剤化できる。薬学的、または治療的に有効な量は、意図する薬理学的、治療上、または予防上の結果を産出するのに効果的なdsRNA剤の量を指す。語句「薬理学的有効量」及び「治療上有効量」または単に「有効量」は、意図する薬理学的、治療上、または予防上の結果を産出するのに効果的なRNAの量を指す。例えば、当該臨床治療が、疾患または疾病に関連した測定可能なパラメータにおいて、少なくとも20%の減少が見られた時に有効とされる場合、当該疾患または障害の治療に対する薬物の治療上有効量は、当該パラメータにおける少なくとも20%減少に影響を与えるのに必要な量である。
本発明の好適に製剤化された医薬組成物を、静脈内、筋肉内、腹腔内、皮下、経皮、空路(エアロゾル)、腸、膣、及び(頬側及び舌下を含む)局所投与を含む、非経口経路などによるような、当該技術分野で公知の方法によって投与可能である。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、静脈内または非経口内点滴または注射によって投与される。
一般に、dsRNAの好適な用量単位は、0.001~0.25ミリグラム/レシピエントのキログラム体重/日の範囲、または0.01~20マイクログラム/キログラム体重/日の範囲、または0.001~5マイクログラム/キログラム体重/日の範囲、または1~500ナノグラム/キログラム体重/日の範囲、または0.01~10マイクログラム/キログラム体重/日の範囲、または0.10~5マイクログラム/キログラム体重/日の範囲、または0.1~2.5マイクログラム/キログラム体重/日の範囲である。dsRNAを含む医薬組成物は、1日1回投与可能である。しかしながら、治療薬剤はまた、1日を通して適切な間隔で投与される、2、3、4、5、6またはそれ以上のサブ用量を含む用量単位で投与されてもよい。この場合、各サブ用量に含まれるdsRNAは、総一日投与量単位を達成するために相応により小さくなければいけない。投与量単位はまた、例えば、数日の間隔にわたり、dsRNAの持続しかつ一定した放出を提供する従来の徐放製剤を用いて、数日にわたる単一用量のために合成可能である。徐放製剤は当該技術分野でよく知られている。本実施形態では、投与量単位は、対応する複数の一日用量を含む。製剤に関係なく、医薬組成物は、治療される動物またはヒトの標的遺伝子の発現を阻害するのに十分な量で、dsRNAを含まなければいけない。組成物は、dsRNAの複数単位の合計が、まとめて十分な用量を含む方法で合成可能である。
ヒトに好適な投与量範囲を製剤化するために、データを細胞培養アッセイと動物研究から得ることができる。本発明の組成物の投与量は、毒性がほとんどまたは全くない、(公知の方法によって決定したような)ED50を含む、循環濃度の範囲内である。投与量は、使用した剤形及び利用した投与経路に応じて、この範囲内で変化してもよい。本発明の方法にて使用する化合物では、治療上有効用量は、まず細胞培養アッセイより推定できる。細胞培養中で決定したような、IC50(すなわち、症状の最大半減阻害を達成する試験化合物の濃度)を含む化合物の循環血漿濃度範囲を達成するために、動物モデルにて用量を定式化してもよい。このような情報は、ヒトに有用な用量をより正確に決定するために使用できる。血漿中のdsRNAのレベルを、標準方法によって、例えば、高速液体クロマトグラフィーによって測定してもよい。
医薬組成物は、投与のための取扱説明書とともに、キット、容器、パック、またはディスペンサー内に含まれることができる。
製剤は、皮膚の栄養を生じ得、それにはある特定の利点がある。LDHA、LDHB、LDHCの特異性は有利である。[[組織特異性に関する文言の撤回-筋肉に送達して負の影響を及ぼさない場合どうなるか]]。
治療方法
本発明は、乳酸デヒドロゲナーゼ(例えば、乳酸デヒドロゲナーゼ転写産物及び/または乳酸デヒドロゲナーゼタンパク質レベルの誤調節及び/または上昇)によって、全体としてもしくは部分的に引き起こされる、もしくは乳酸デヒドロゲナーゼの選択的標的化を介して治療可能な疾患または障害のリスクのある(または受けやすい)対象を治療する予防的及び治療的方法の両方を提供する。
ある特定の態様では、本発明は、対象に治療薬剤(例えば、dsRNA剤またはそれをコードしているベクターもしくは導入遺伝子)を投与することによって、対象中で、(例えば、乳酸デヒドロゲナーゼ発現の阻害を介して対象内での、例えば、PH1の防止を含む)本明細書で記述した疾患または障害を予防する方法を提供する。疾患に対してリスクを有する対象を、例えば、当該技術分野で公知の診断または予後アッセイ(例えば、対象における、AGTの機能低下、またはシュウ酸塩産生経路の他の機能変化の同定)の1つまたは組み合わせによって同定可能である。予防的薬剤の投与は、例えば、対象中のPH1の検出、または疾患もしくは障害の特徴的な症状の顕在化の前に実施可能であり、それによって疾患または障害が予防され、あるいはその進行が遅延する。
本発明の別の態様は、対象を治療的に治療する方法、すなわち、疾患または障害の症状の開始を変更する方法に関する。これらの方法は、インビトロ(例えば、dsRNA剤とともに細胞を培養することによって)、あるいはインビボ(例えば、対象にdsRNA剤を投与することによって)で実施可能である。
治療の予防的及び治療的方法の両方に関して、このような治療はとりわけ、ファーマコジェノミクスの領域から得られた知識に基づいてあつらえ、または修飾してもよい。本明細書で使用するところの「ファーマコジェノミクス」は、遺伝子シークエンシング、統計学的遺伝学、及び臨床試験及び市場における薬物に対する遺伝子発現解析などの、ゲノミクス技術の適用を指す。より具体的には、本用語は、どのようにして患者の遺伝子が、患者の薬物に対する応答を決定するか(例えば、患者の「薬物応答表現型」または「薬物応答遺伝子型」)の研究を指す。したがって、本発明の別の態様は、個々の薬物応答遺伝子型に従って、本発明の標的乳酸デヒドロゲナーゼRNA分子または標的乳酸デヒドロゲナーゼRNAモジュレータのいずれかでの個々の予防的または治療的治療をあつらえるための方法を提供する。ファーマコジェノミクスは、臨床医または医師が、治療により最も利益を得る患者へ、予防的または治療的処置を標的化し、毒性薬物関連副作用を経験する患者の治療を避けることを可能にする。
本発明の実施は、他に指摘がない限り、当業者の技術内である、化学、分子生物学、微生物学、組換えDNA、遺伝学、免疫学、細胞生物学、細胞培養、及びトランスジェニック生物学の従来の技術を使用する。例えば、Maniatis et al.,1982,Molecular Cloning(Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor,N.Y.);Sambrook et al.,1989,Molecular Cloning,2nd Ed.(Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.);Sambrook and Russell,2001,Molecular Cloning,3rd Ed.(Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.);Ausubel et al.,1992),Current Protocols in Molecular Biology(John Wiley & Sons,including periodic updates);Glover,1985,DNA Cloning(IRL Press,Oxford);Anand,1992;Guthrie and Fink,1991;Harlow and Lane,1988,Antibodies,(Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.);Jakoby and Pastan,1979;Nucleic Acid Hybridization(B.D.Hames & S.J.Higgins eds.1984);Transcription And Translation(B.D.Hames & S.J.Higgins eds.1984);Culture Of Animal Cells(R.I.Freshney,Alan R.Liss,Inc.,1987);Immobilized Cells And Enzymes(IRL Press,1986);B.Perbal,A Practical Guide To Molecular Cloning(1984);the treatise,Methods In Enzymology(Academic Press,Inc.,N.Y.);Gene Transfer Vectors For Mammalian Cells(J.H.Miller and M.P.Calos eds.,1987,Cold Spring Harbor Laboratory);Methods In Enzymology,Vols.154 and 155(Wu et al.eds.),Immunochemical Methods In Cell And Molecular Biology(Mayer and Walker,eds.,Academic Press,London,1987);Handbook Of Experimental Immunology,Volumes I-IV(D.M.Weir and C.C.Blackwell,eds.,1986);Riott,Essential Immunology,6th Edition,Blackwell Scientific Publications,Oxford,1988;Hogan et al.,Manipulating the Mouse Embryo,(Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.,1986);Westerfield,M.,The zebrafish book.A guide for the Laboratory use of zebrafish(Danio rerio),(4th Ed.,Univ.of Oregon Press,Eugene,2000)を参照されたい。
他に定義しない限り、本明細書で使用した全ての技術的かつ化学的語句は、本発明の属する技術分野の当業者によって一般に理解されるものと同一の意味を持つ。本明細書で記述したものと同様または等価の方法及び物質を、本発明の実施または試験で使用できるが、好適な方法及び物質が以下で記述されている。全ての発行物、特許出願、特許、及び本明細書で言及された他の参考文献は、それらの内容全体を参照により本明細書に援用する。矛盾がある場合、定義を含む本明細書が制御する。さらに、物質、方法、及び実施例は単なる例示であり、限定する意図はない。
本発明は、以下の実施例を参照して記述され、これらは例示するために提供されるものであり、任意の方法で本発明の限定を意図するものではない。当該技術分野でよく知られている標準技術、または以下で特に記述される技術を使用した。
実施例1:二本鎖RNAオリゴヌクレオチドの調製
オリゴヌクレオチド合成及び精製
DsiRNA分子は、RNAメッセージ中の種々の部位、例えば、本明細書で記述したRNA配列内の標的配列と相互作用するようにデザインすることができる。本例示の薬剤では、ヒト乳酸デヒドロゲナーゼ(LDHA)配列を一意的に標的にする相同性に基づいて予測された48のDsiRNA、マウス乳酸デヒドロゲナーゼ配列を一意的に標的にする相同性に基づいて予測された48のDsiRNA、及びヒト及びマウス乳酸デヒドロゲナーゼ配列の両方を標的にするように予測されたさらなる24のDsiRNAを評価のために選択した。DsiRNA分子の1つの鎖の配列は、標的乳酸デヒドロゲナーゼ部位配列と相補的であった。DsiRNA分子は、本明細書で記述した方法を用いて化学的に合成した。一般的に、DsiRNA構築物を、19~23マーsiRNAに対して記述したような固相オリゴヌクレオチド合成法を用いて合成した(例えば、Usmanらの米国特許第5,804,683号;同第5,831,071号;同第5,998,203号;同第6,117,657号;同第6,353,098号;同第6,362,323号;同第6,437,117号;同第6,469,158号;Scaringeらの米国特許第6,111,086号;同第6,008,400号;同第6,111,086号を参照されたい)。
個々のRNA鎖を合成し、標準の方法に従ってHPLC精製した(Integrated DNA Technologies,Coralville,Iowa)。例えば、RNAオリゴヌクレオチドを、標準技術(Damha and Olgivie, 1993, Methods Mol Biol 20:81-114;Wincott et al.,1995,Nucleic Acids Res 23:2677-84)を用いて、固相ホスホロアミダイト化学反応を用いて合成し、脱保護し、NAP-5カラム(Amersham Pharmacia Biotech,Piscataway,N.J.)上で脱塩した。オリゴマーを、15分間段階直線勾配を用いて、Amersham Source 15Qカラム(1.0cm×25cm;Amersham Pharmacia Biotech,Piscataway,N.J.)上のイオン交換高速液体クロマトグラフィー(IE-HPLC)を用いて精製した。勾配は、90:10 緩衝液A:B~52:48 緩衝液A:Bで変化し、ここで緩衝液Aは100mM Tris pH8.5であり、緩衝液Bは100mM Tris pH8.5、1M NaClであった。試料を260nmでモニタし、全長オリゴヌクレオチド種に対応するピークを回収し、プールし、NAP-5カラム上で脱塩し、凍結乾燥した。
各オリゴマーの純度を、Beckman PACE 5000(Beckman Coulter,Inc.,Fullerton,Calif.)上でのキャピラリー電気泳動(CE)によって決定した。CEキャピラリーは、100μm内径を持ち、ssDNA 100R Gel(Beckman-Coulter)を含有した。概して、約0.6nmolのオリゴヌクレオチドをキャピラリー内に注入し、444V/cmの電場中で走らせ、260nmでのUV吸光度によって検出した。変性Tris-ホウ酸塩-7M-尿素ランニング緩衝液をBeckman-Coulterから購入した。オリゴリボヌクレオチドを、以下に記述する実験での使用のために、CEによって評価したように、少なくとも90%純度で得た。化合物同一性を、製造業者の推奨プロトコルに従って、Voyager DE.(商標)Biospectometry Work Station(Applied Biosystems,Foster City,Calif.)上での、マトリックス補助レーザー吸収イオン化飛行時間(MALDI-TOF)質量分析によって確認した。しばしば0.2%の予測分子量内で、全てのオリゴマーの相対分子量を得た。
二本鎖の調製
一本鎖RNA(ssRNA)オリゴマーを、例えば、100mM酢酸カリウム、30mM HEPES pH7.5からなる二本鎖緩衝液中100μM濃度で、再懸濁した。相補的センス鎖及びアンチセンス鎖を等モル量で混合し、例えば、50μM二本鎖の最終溶液を得た。試料をRNA緩衝液(IDT)中で5分間100℃まで加熱し、使用前に室温まで冷却した。二本鎖RNA(dsRNA)オリゴマーを-20℃で保存した。一本鎖RNAオリゴマーを、凍結乾燥または-80℃にてヌクレアーゼ無しの水中で保存した。
命名法
一貫性のために、以下の命名法を本明細書で使用した。二本鎖に与えた名前は、オリゴマーの長さと、オーバーハングの有無とを示唆する。「25/27」は、2-塩基3’-オーバーハングを含む、25塩基センス鎖と、27塩基アンチセンス鎖とを有する非対称二本鎖である。「27/25」は、27塩基センス鎖と25塩基アンチセンス鎖とを有する非対称二本鎖である。
細胞培養及びRNAトランスフェクション
HeLa細胞を得て、5%CO2下、37℃にて、10%ウシ胎児血清(HyClone)を補充したDMEM(HyClone)中で維持した。RNAトランスフェクションでは、細胞を、リポフェクタミン(商標)RNAiMAX(Invitrogen)を用いて、製造業者の取り扱い説明書に従って、1nM、0.1nM、または0.03nMの最終濃度でDsiRNAでトランスフェクトした。簡単に言えば、例えば、以下の実施例3の0.1nMのトランスフェクションでは、各DsiRNAのストック溶液の一定分量を、Opti-MEM I(Invitrogen)及びリポフェクタミン(商標)RNAiMAXと、150μL(0.3nM DsiRNAを備える)の体積に達するまで混合した。得られた150μL混合液を、室温にて20分間インキュベートして、DsiRNA:リポフェクタミン(商標)RNAiMAX複合体を形成させた。一方、標的細胞をトリプシン処理し、培地中に再懸濁させた。20分間の複合体形成の終わりに、ウェルあたり50uLのDsiRNA:RNAiMAX混合物を、96ウェルプレート中の3組のウェルに添加した。最後に、細胞懸濁液100μLを各ウェルに加え(最終体積150μL)、プレートを24時間インキュベーター内に配置した。
LDHA阻害の評価
HPRT及びSFRS9ハウスキーピング遺伝子に対して、及び対照DsiRNA及び/またはモックトランスフェクション対照でのトランスフェクションに対して正規化した値を用いて、乳酸デヒドロゲナーゼ標的遺伝子ノックダウンをqRT-PCRによって決定した。
RNA単離及び解析
培地を吸引し、総RNAをSV96キット(Promega)を用いて抽出した。総RNAを、製造業者の取扱説明書に従って、SuperscriptII、オリゴdT、及びランダムヘキサマーを用いて逆転写した。概して、得られたcDNAを、乳酸デヒドロゲナーゼ遺伝子並びにヒト遺伝子HPRT-1及びSFRS9の両方に特異的なプライマーとプローブとを用いて、qPCRによって解析した。ABI7700を、増幅反応のために使用した。各試料を三重で試験した。相対LDHA RNAレベルを、HPRT1及びSFRS9 RNAレベルに対して正規化し、トランスフェクション対照試料中で得たRNAレベルと比較した。
実施例2:LDHAのDsiRNA阻害
LDHAを標的としているDsiRNA分子を、上述のようにデザインして合成し、阻害効果に関してヒトHeLa細胞(あるいは、HepG2または他のヒト細胞を使用できただろう)及び/またはマウスB16-F10細胞中で試験した。トランスフェクションでは、アニールしたDsiRNAを、トランスフェクション試薬(リポフェクタミン(商標)RNAiMAX、Invitrogen)と混合し、室温にて20分間インキュベートした。HeLa(ヒト)またはB16-F10(マウス)細胞(あるいは、マウスHepa1-6または他のマウス細胞を使用できただろう)をトリプシン処理し、培地中で再懸濁し、ウェルに加え(100μL/ウェル)、150μlの体積で、1nMの最終DsiRNA濃度を得た。各DsiRNAトランスフェクション混合物を、三重DsiRNA処理のために3つのウェルに加えた。細胞を37℃にて24時間、DsiRNAトランスフェクション混合物の継続存在下、インキュベートした。24時間の時点で、RNAを、処理細胞の各ウェルから調製した。トランスフェクション混合物を含む上清をまず除去して廃棄し、ついで細胞を溶解し、各ウェルからRNAを調製した。処理後の標的LDHA RNAレベルを、対照から得られた値に対して正規化した値を用いて、LDHA標的遺伝子に対してqRT-PCRによって評価した。三重のデータを平均し、エラー%を処置ごとに決定した。正規化データを表にしてグラフ化し、対照との比較で、活性DsiRNAによる標的mRNAの減少を決定した(以下の表13及び図3A~3Jを参照されたい)。
実施例3:乳酸デヒドロゲナーゼ標的化DsiRNAは、インビボでLDHA mRNA及びタンパク質の両方の有効な阻害剤であった。
LDHA mRNA及びタンパク質レベルの両方を阻害するためのLDHA標的化DsiRNAの有効性をマウスで調べた。図4A~4Cに示すように、LDHA標的化DsiRNAは、マウスの肝臓中でmRNA及びタンパク質の発現を強力に阻害した(ヒト-マウス交差反応性DsiRNA:M107/M48修飾を有するLDHA-402、LDHA-723、及びLDHA-370をmRNAノックダウンについて試験した一方で、GAPDH対照に対するLDHA-402タンパク質レベルを図4Aの右パネルに示す)。具体的には、LDHA mRNAレベルのロバストノックダウンは、DsiRNA注入の24時間後に観察された。一方、劇的に減少したLDHAタンパク質レベルが、1mg/kgでの静脈内注射の14日後であっても、LDHA-402 DsiRNAを投与したマウスで観察された。
実施例4:乳酸デヒドロゲナーゼ標的化DsiRNAは、PH1モデルマウス中のシュウ酸塩排泄の低減、及びエチレングリコール誘発の腎損傷及びシュウ酸カルシウム結晶の防止において表現型の有効性を示した。
PH1のマウスモデル内の乳酸デヒドロゲナーゼレベルを低減させる活性乳酸デヒドロゲナーゼ標的化DsiRNAの能力について調べ、AGXT標的化DsiRNAによるマウスの前処置に依存する特定モデルを使用した(図5A~5Dの上矢印のタイミングで投与した;あるいは、Hernandez-Fernaud and Salido(FEBS Journal 277:4766-74)にて記述したようなAGXTノックアウトマウス、またはPH1もしくは他のシュウ酸塩蓄積疾患の他のモデルを使用することができた)。
動物を無作為化し、マーカーレベルに基づいて群に割り当てた。示したDsiRNA(EnCore-2072という名称のLNP製剤を用いた)を含有する脂質ナノ粒子(LNP)による動物への投与を行った。動物には、示した時点で5mg/kgを静脈内に投与した(図5Aの各パネルに示したように、上矢印は、AGXT DsiRNA注入またはPBSである一方、下矢印は、LDHA DsiRNA注入、PBS注入、PRODH2 DsiRNA注入、またはHAO1 DsiRNA注入を示す)。動物は、シュウ酸排泄レベルについて評価し、シュウ酸排泄の減少は、PH1症状の改善/減少を示した。図5A~5Dに示すように、LDHA標的化DsiRNAの静脈内注射は、PBS注入の対照PH1モデルマウスと比較して、DsiRNA標的化シュウ酸塩代謝経路成分であるグリコール酸オキシダーゼ(HAO1)またはPRODH2(プロリンデヒドロゲナーゼ(オキシダーゼ)2;図6を参照)を投与したPH1モデルマウスとさらに比較して、PH1モデルマウス(PH1をシミュレートするためにAGXT DsiRNAで前処置したマウス)のシュウ酸排泄を減少させた。図5A~5Dの各々では、マウス(n=5/群)に、AGXT標的化DsiRNA(各シリーズの上矢印)を0日目及び14日目に注入した。図5B及び5Dに提示した結果では、AGXT標的化DsiRNAの投与を、28日目、35日目、及び42日目にさらに行った。次いで、AGXT標的化DsiRNAで処置したマウスに、PBS(図5A~5Dの黒丸、図5A及び5Dの左上パネル)、抗PRODH2 DsiRNA(図5A~5Dの黒四角、図5A及び5Dの右上パネル)、抗HAO1 DsiRNA(図5A~5Dの黒菱形、図5Aの左下パネル;図5Dの右下パネル)、または抗LDHA DsiRNA(図5A~5Dの黒三角、図5Aの右下パネル;図5Dの左下パネル)の静脈内注射をそれぞれ3日目、10日目、17日目、及び24日目に施し、図5B及び5Dは、このようなDsiRNAを31日目及び38日目(抗PRODH2 DsiRNA)または38日目(抗LDHA DsiRNAまたは抗HAO1 DsiRNA)にさらに投与した影響を示している。図5A及び5Cでは、PBS処置PH1モデルマウスにおけるシュウ酸排泄は、0日目、7日目、及び14日目に測定した一方、DsiRNA処置マウスにおけるシュウ酸排泄レベルは、-4日目、7日目、14日目、21日目、及び28日目に評価した。図5B及び5Dに示すように、図5A及び5Cにそれぞれ示す拡張研究を行い、DsiRNA処置マウスにおけるシュウ酸排泄レベルの測定も37日目及び44日目に行った。PBS処置群及びPRODH2 DsiRNA処置群の両方のマウスは、AGXT DsiRNA注入の7日後にアッセイされる際に、劇的に上昇したシュウ酸排泄レベルを呈することが観察された。また、PRODH2 DsiRNA処置群のマウスは、最初のAGXT DsiRNA注入の21日後にアッセイされる際に、シュウ酸排泄レベルのさらなる上昇を呈することが観察された(一方、PBS処置マウスは、14日目までしか維持しなかった;図5A)。また、HAO1 DsiRNA処置群のマウスは、最初のAGXT DsiRNA注入の7日後または21日後にアッセイされる際に、シュウ酸排泄レベルの上昇を呈することが観察されたが、このような上昇レベルは、PBS処置またはPRODH2 DsiRNA処置PH1モデルマウスと比較して減少するように見えたが(図5A)。これらの結果は、拡張評価を通じて概ね持続した;しかしながら、抗HAO1 DsiRNA処置は、拡張時点にて抗LDHA DsiRNA処置とより密接に似ていた(図5B)。
驚くべきことに、上述の同一注射スケジュール(LNP 2185中のLDHA-402-M107/M48 DsiRNAは、静脈内注射で投与し、ここで、LNP 2185中のAGXT-m1533-M107/M48も1mg/kgで静脈内注射で投与した)下でのLDHA標的化DsiRNAによるPH1モデルマウスの処置は、最初のAGXT DsiRNA注入の7日後、21日後、及び後の時点でシュウ酸塩上昇の劇的な阻害をもたらした。したがって、(上の図4A~4Cに示したように)LDHA mRNA及びタンパク質レベルの減少は、PH1モデルマウスにおけるシュウ酸排泄上昇を阻害する表現型効果に変換された。図5C及び5Dは、PH1モデルマウスで試験した全てのDsiRNA(PRODH2、HAO1及びLDHA標的化DsiRNA)が、シュウ酸濃度に少なくともある程度の阻害効果を示した(例えば、図5Cの左パネル)ことを示す。しかしながら、LDHA標的化DsiRNAは、HAO1標的化DsiRNAと比較してもシュウ酸排泄を最も減少させたことを示した。このような結果は、シュウ酸濃度の減少は必要であるが、シュウ酸排泄の下方調節を観察するには十分ではないことを示した。
Agxt-/-マウスにおける抗LDHA DsiRNA処置の影響を、エチレングリコールでチャレンジした後に評価した(PH1モデル)。図5Eに示すように、Agxt-/-マウスをエチレングリコールでチャレンジした場合、LDHA DsiRNA投与(特に、2185 LNP中のLDHA-718-M24/M527(DP2685P:DP2692G))により尿中シュウ酸レベルが減少することが観察された。図5F及び5Gに示すように、LDHA DsiRNA(2185 LNP中のLDHA-718-M24/M527(DP2685P:DP2692G))の投与が、Agxt-/-マウスにおけるエチレングリコール誘発の腎損傷を防止し、かつエチレングリコール誘発のシュウ酸カルシウム結晶を防止することが観察された。
したがって、PH1モデルマウスにおけるインビボ結果により、LDHAが、PH1に対してだけでなく、全ての型のPHに対して遺伝子サイレンシングアプローチ(例えば、RNAiアプローチ)の有望な治療標的として確認された。
実施例5:乳酸デヒドロゲナーゼ標的化DsiRNAは、PH2モデルマウスにおける尿中シュウ酸レベルも効果的に減少させた。
PH2のマウスモデルは、GrhprのDsiRNA媒介ノックダウンを介して作製された(Grhprの役割については図6を参照されたい)。PH2モデル系におけるPH2の抗LDHA DsiRNA処置の有効性を調べるため、並びに抗LDHA DsiRNA処置が、グリオキシル酸塩/シュウ酸塩経路の他の成分を標的とするDsiRNAよりもPH2により顕著な影響を及ぼすかどうかを評価するため、抗LDHA DsiRNA注入を、抗PRODH2 DsiRNA注入及び抗HAO1 DsiRNA注入と比較した。図5Hに示すように、LDHA標的化DsiRNAの静脈内注射は、PH2モデルマウスにおける尿中シュウ酸レベルを減少させなかったHAO1-及びPRODH2標的化DsiRNAとは対照的に、PH2モデルマウスにおける尿中シュウ酸レベルを著しく減少させた。したがって、PH2は、抗LDHA DsiRNA処置は、グリオキシル酸塩/シュウ酸塩経路の他の成分を標的とするDsiRNAと比較して特に効果的であった。
実施例6:LDHA標的化Dicer基質のテトラループ伸長形態の有効性
上記の実施例で同定された活性DsiRNAの選択を使用して、このようなDicer基質分子の相当するテトラループを有する形態を合成した。図7Aは、このような実験で用いたテトラループ配列及び修飾パターンを示す。4つの修飾及びテトラループを有する構築物の構造のこのミニセットは、HAO1標的化構築物におけるインビボ有効性について確認されている。同定された修飾パターン及びテトラループを有する構築物を、(ヒト、アカゲザル、及びマウスに共通する標的配列を有し、それぞれ、配列番号7214及び7215のテトラループを有するパッセンジャー及びガイド鎖配列を持つ)DsiRNA LDHA-718、(ヒト、アカゲザル、及びマウスに共通する標的配列を有する)LDHA-723、及び(ヒト及びアカゲザルに共通する標的配列を有する)LDHA-1360について合成した。
テトラループ構築物のインビトロ活性をHeLa細胞で調べた。図7Bに示すように、「M576/M491」修飾パターンDsiRNA含有テトラループ配列は、LDHA-718、LDHA-723、及びLDHA-1360標的の各々にわたってインビトロでロバストLDHAノックダウン特性を有するものとして同定され、おおよそ50%またはそれ以上のノックダウンが、非常に低い(0.01nM)濃度であってもLDHA-723及びLDHA-1360構築物について観察された。図7Cに示すように、用量-反応曲線は、LDHA-723及びLDHA-1360 DsiRNA由来のテトラループを有する構築物についても得られた。IC50値を算出し、ロバストテトラループを有するLDHA-723及びLDHA-1360構造を同定した。20pMのIC50を有すると同定されたLDHA-723-M576/M491修飾テトラループ剤は、強力かつ安定しているため、スケールアップ及び(例えば、GalNAc部分への)共役のために選択した。(ヒト及びアカゲザルに共通する標的配列を有する)LDHA-1360テトラループ構築物は、全ての修飾パターンに耐容性があったことも確認された。
活性かつ安定なテトラループを有する薬剤のより広範なスクリーニングも行った。このような実験では、25/27マー修飾パターン内の予め修飾されていない残基を2’-F修飾残基に変換し、ホスホロチオエート結合及びテトラループ構造を「2’-F充填テトラループスクリーニング」に添加した。このようなスクリーニングの目標の1つは、2’-O-メチル修飾パターンスクリーニング結果を使用して、強力かつ安定なLDHAテトラループ構築物を得ることであった。この目的のため、LDHA-718に対して最も活性な2’-O-メチル修飾パターンに、2’-F修飾、並びにホスホロチオエート結合及びテトラループ構造を充填した。全部で96の異なるテトラループ構築物(12の配列にわたって8つの修飾パターン)をHeLa細胞中で試験した。25/27マーDsiRNAの2’-O-メチル修飾パターンの、テトラループを有する薬剤への変換は、図8Aに示す方法で行った。図8D~8Eに示すように、多くの高度に修飾されたテトラループを有する構築物は、HeLa細胞アッセイにおいて強力なものとして同定され、スケールアップ合成のために選択された。したがって、複数のパターンを持つ複数の配列は、テトラループ構築物として活性であった。M660/M594及びM660/M604修飾パターンは、ほとんどの試験した配列によって耐容性があったことが確認された。以下の構築物は、スケールアップ及びインビボ検査のために選択された:LDHA-355-M650/M595;LDHA-355-M624/M596;LDHA-402-M650/M595;LDHA-718-M660/M604;LDHA-723-M624/M595;LDHA-723-M649/M595;LDHA-892-M660/M594;並びにLDHA-1360-M624/M595。用量曲線及び安定性分析は、このような構築物に任意に行われる。
LDHA-723 M576/M491テトラループ構築物はまた、GalNAc部分に共役し、インビボ有効性について試験した。図9Aに示すように、この薬剤は、調べた2つの投与計画(10mg/kgでの単回用量、または4×2.5mg/kg用量)のいずれでも肝臓中でマウスLdha遺伝子をノックダウンするのに非常に効果的であった。特に、全ての処置動物において、肝臓中のLdhaのおおよそ30%~60%またはそれ以上のノックダウンが観察された。単回用量の動物のノックダウンの平均レベルは、投与の3日後に50%を超えた。したがって、LDHA-723 M576/M491のテトラループ及びGalNAc共役形態は、肝臓組織中で非常に活性であることが確認された。
LDHA-723 M576/M491のテトラループ及びGalNAc共役形態は、PH1モデルマウス中の尿中シュウ酸レベルに対する影響についても評価した。このような実験では、C57BL/6雄マウスにAgxt DsiRNA(LNP2185製剤中)を週1回静脈内に注射し、PH1モデルを誘発した。次いで、LDHA標的化DsiRNA構築物の注入は、図9Bの矢印で示す投与スケジュールによって行った(LNP製剤化されたDsiRNALDHA-718-M24/M527(DP2685P:DP2692G)については静脈内注射を行った一方、LDHA-723 M576/M491のテトラループ及びGalNAc共役形態については皮下注射を行った)。尿試料を示した時点にて手作業で回収し、10mg/kgのLDHA-723 M576/M491のテトラループ及びGalNAc共役形態は、PH1モデル系マウス中の尿中シュウ酸レベルを著しく減少させることが同定された。
LDHA-723 M576/M491のテトラループ及びGalNAc共役形態の尿中シュウ酸塩を低減させる有効性は、図9Cでさらに示したように、用量依存的であるように見えた。具体的には、LNP製剤化LDHA-718またはLDHA-723 M576/M491のテトラループ及びGalNAc共役形態のいずれかの用量を変えながら、Agxt DsiRNA(LNP2185製剤化)で予め処置されている(かつ処置され続けている)C57BL/6雄マウス中に週1回静脈内注射し、尿試料を得て、最終投与の7日後に評価した。LNP製剤化LDHA-718、及びLDHA-723 M576/M491のテトラループ及びGalNAc共役形態の両方とも、Ldha mRNAノックダウン及び尿中シュウ酸レベルの低減の両方において用量依存効果を呈することが観察された(図9C)。LDHA標的化DsiRNAのさらなるテトラループ及びGalNAc共役形態を作製し、試験し、おおよそ3.0mg/kgの単回用量IC50値を有するLDHA標的化DsiRNAのある特定のテトラループ及びGalNAc共役形態の同定がもたらされた(データ不図示)。したがって、LDHA標的化DsiRNAの非常に活性なテトラループ及びGalNAc共役形態が同定された。
実施例7:腫瘍細胞中のインビボでのLNP製剤化LDHA標的化DsiRNAノックダウンLDHAレベル
ヌードマウスにおけるHep3B腫瘍モデル中のLNP製剤化LDHA RNAi剤(とりわけ、LDHA-718-M571/M550 25/27マーDsiRNA)の効果について調べた。
LDHA-718-M571/M550は、EnCore脂質ナノ粒子(LNP2540)中で製剤化し、Hep3B腫瘍担持マウスで試験した。腫瘍モデルを作成するため、ヌードマウスに5e6 Hep3B細胞及びマトリゲルを皮下移植した。腫瘍が200mm3の平均サイズに到達すると、3つの群(n=6)に分類し、その結果、各群は同様の平均腫瘍サイズを有した。次いで、これらの群を、3日間3mpkで毎日、PBS、LNP2540/対照DsiRNA、またはLNP2540/LDHA DsiRNAのいずれかで処置した。4日間の休憩後、同一の処置スケジュールをもう一週間継続した。腫瘍サイズを週2回測定し、LDHA処置中の腫瘍成長を監視した。腫瘍サイズの監視に加えて、腫瘍を持つさらなる一連のマウス(n=3)を本研究のために保持し、標的ノックダウンを監視した。最初の投与ラウンドから24時間後、サテライトマウスからの腫瘍を回収し、LDHA mRNAノックダウン(KD)を決定した。
図10A及び10Bに示すように、LNP2540/LDHA-718-M571/M550は、高レベルの抗腫瘍有効性(78%のTGI;図10A)を有し、LNP/ LDHA-718-M571/M550 DsiRNAによる単一の投与ラウンド後に、平均で、処置動物のHep3B腫瘍中のLDHAの>75%のノックダウンをもたらした(図10B)。
したがって、LNP製剤化LDHA DsiRNAは、インビボで肝臓腫瘍のロバストな阻害剤であると同定され、このような肝臓腫瘍組織中でLDHAの劇的なノックダウンをもたらしたことも確認された。
実施例8:野生型マウスにおける肝臓特異的なLdha DsiRNAノックダウンは、良好な耐容性であった。
血漿乳酸を処理するための肝臓LDHAの役割を考慮して、肝臓中のLDHAノックダウンが血漿乳酸レベルの有害な蓄積をもたらす可能性があった。LNP製剤化LDHA標的化DsiRNAが毒性を示したかどうかを調べるために(例えば、肝臓中のLDHAの著しいノックダウンが血漿乳酸の蓄積を引き起こした場合に起こり得るため)、野生型マウスに静脈内注射を介して、LNP2185中のLDHA-718-M24/M527 DsiRNAを3mg/kgの濃度で週1回投与した。図11に示したように、LNP製剤化LDHA標的化DsiRNAは、研究の終わりに、肝臓組織中のmRNAの発現を対照レベルの2%未満に減少させることが観察された(図11、左)。一方、処置動物において血漿乳酸レベルの上昇は観察されなかった(図11、中央及び右)。さらに、肝臓酵素、血液化学、体重、及び全身乳酸は、全て正常であると観察された。したがって、LNP製剤化LDHA標的化DsiRNAは、インビボで良好な耐容性を示した。
実施例9:LDHAのDsiRNA阻害-二次スクリーニング
上記実験(例えば、実施例2~4)の非対称DsiRNAの選択(Hs LDHAを標的とする24のうち、Mm乳酸デヒドロゲナーゼも標的とするものを選択)を、二次アッセイでも調べた(「フェーズ2」)。特に、上記で試験したものから選択した非対称DsiRNAを、ヒトHeLa細胞の環境中1nM、0.1nM、及び0.03nMにてヒト乳酸デヒドロゲナーゼの阻害に関して評価した。次いで、これらの非対称DsiRNAを、マウスB16-F10細胞の環境中1nM、0.1nM、及び0.03nMにて、マウスLDHAの阻害に関しても評価した。最も非対称なDsiRNAは、HeLa細胞の環境中でアッセイされる際に、サブナノモル濃度で著しいLDHA阻害効果を再現性良く示すことが考えられる。さらに、マウスB16-F10細胞の環境中でアッセイした場合にサブナノモル濃度で著しいマウス乳酸デヒドロゲナーゼ阻害効果を有する、選択された数の非対称DsiRNAが同定されることが考えられる。
実施例10:乳酸デヒドロゲナーゼレベルをインビトロで低減させるLDHA標的化DsiRNAの追加的修飾形態の同定
上記の最初のスクリーニングから選択した(例えば、12~24)の乳酸デヒドロゲナーゼ標的化DsiRNAを、上記のような2’-O-メチルガイド鎖及びパッセンジャー鎖修飾パターンで調製する(例示的な修飾としては、「M107」修飾パッセンジャー鎖、及び上記のガイド鎖修飾パターン「M8」、「M17」、「M35」、及び「M48」が挙げられる)。これらのDsiRNA配列の各々に関して、4つのガイド鎖修飾パターンのM8、M17、M35、及びM48の各々を有するDsiRNAを、HeLa細胞の環境において1.0nM、0.1nM、及び0.03nM濃度での、ヒトHeLa細胞中のLDHA阻害についてアッセイする。したがって、DsiRNAがインビトロで著しい乳酸デヒドロゲナーゼ阻害効果を保持することができる修飾パターンの同定が達成され、修飾パターンを有するこのような高活性な修飾DsiRNA配列は、このようなDsiRNAを安定化させ、及び/または対象にインビボで治療的に投与した場合にこのようなDsiRNAの免疫原性を低減させることが可能であると考えられる。
実施例11:ガイド鎖及びパッセンジャー鎖の両方の修飾を有するLDHA標的化DsiRNAのさらなる形態
上記の実験のさらなるLDHA標的化DsiRNAは、例えば、上に記載されるように、2’-O-メチルパッセンジャー鎖及びガイド鎖修飾パターンで調製される(例えば、パッセンジャー鎖修飾パターン「SM14」、「SM24」、「SM107」、「SM250」、「SM251」、及び「SM252」、及びガイド鎖修飾パターン「M48」、「M8」、及び「M17」が挙げられる)。DsiRNA配列の各々では、6つのパッセンジャー鎖修飾パターンM14、M24、M107、M250、M251、及びM252の各々と、(ガイド鎖修飾パターンM48、M8、及びM17の中から選択される)1つの好適なガイド鎖修飾パターンとを有するDsiRNAを、HeLa細胞の環境中で1.0nM、0.1nM、及び0.03nM(30ピコモル)濃度にてヒトHeLa細胞中の乳酸デヒドロゲナーゼ阻害について評価する。DsiRNAが依然としてインビトロで著しい乳酸デヒドロゲナーゼ阻害効果を保持することができる、両方のガイド鎖及びパッセンジャー鎖の両方の広範囲な修飾を有する二本鎖が同定される。このように同定された高活性の修飾DsiRNA配列は、このようなDsiRNAを安定化させ、及び/または対象にインビボで治療的に投与した場合にこのようなDsiRNAの免疫原性を低減させることが可能であると考えられる修飾パターンを有する。
実施例12:適応症
乳酸デヒドロゲナーゼ研究における本知識体系は、乳酸デヒドロゲナーゼ活性をアッセイする方法、並びに研究、診断、及び治療的使用のために乳酸デヒドロゲナーゼ発現を制御できる化合物の必要性を示す。本明細書に記載されるように、本発明の核酸分子をアッセイで使用し、乳酸デヒドロゲナーゼ標的化薬剤によって治療される可能性を有する病態を診断及び/または監視することができる。さらに、核酸分子を使用し、このような病態(例えば、PH1)を治療することができる。
他の治療薬剤を、本発明の核酸分子(例えば、DsiRNA分子)と組み合わせて、またはそれらと併用して使用することができる。例えば、PH1を治療する目的で、抗LDHA及び抗グリコール酸オキシダーゼdsRNA(例えば、DsiRNA)の両方を組み合わせて、シュウ酸塩産生を妨げることができる。当業者は、本明細書に記載される疾患及び状態を治療するために使用される他の化合物及び療法を、本発明の核酸分子(例えば、siNA分子)と組み合わせることができるため、本発明の範囲内であると理解するだろう。例えば、併用療法に関して、本発明の核酸を少なくとも2つの方法のうち1つで調製することができる。第1に、薬剤を、核酸及び他の薬剤の調製において物理的に混合させ(例えば、静脈内投与用に、リポソーム内にカプセル化された本発明の核酸と他の薬剤との溶液中での混合物など)、ここで両方の薬剤は、治療上有効な濃度で存在する(例えば、溶液中の他の薬剤を1000~1250mg/m2/日で送達し、同じ溶液中の本発明のリポソーム付随核酸を0.1~100mg/kg/日で送達する)。あるいは、薬剤を、別々ではあるが同時にまたは順次それら各々の有効量(例えば、1000~1250mg/m2/日での他の薬剤及び0.1~100mg/kg/日での本発明の核酸)で投与する。
実施例13:DsiRNAの血清安定性
DsiRNA剤の血清安定性を、37℃での様々な時間(最大で24時間)の50%ウシ胎児血清中におけるDsiRNA剤のインキュベーションを介して評価する。血清を抽出し、核酸を20%非変性PAGE上で分離して、Gelstar染色で視覚化できる。ヌクレアーゼ分解からの保護の相対レベルを、DsiRNA(任意に修飾し、及び修飾することなく)について評価する。
実施例14:PHモデルマウスにおける肝臓標的LDHAノックダウン効果
本発明の大きく肝臓特異的なLDHA標的化薬剤及び製剤を用いて、慢性腎結石形成及び慢性腎疾患の病因について試験した。PH1、PH2、及びPH3を組み合わせたモデル(例えば、PH2/PH3、PH1/PH3、PH1/PH2、及び/またはPH1/PH2/PH3モデル)は、大群のマウスで作成され、モノ-及びジ-カルボン酸代謝の複数の同時及び相互作用の破壊を引き起こした。LNP製剤化LDHA標的化DsiRNA及び対照は、これらの動物で試験し、処置し、調べた各モデルに対してLDHAノックダウンが有益/修正的であることを証明することが期待される。
実施例15:診断的使用
本発明のDsiRNA分子を、多様な診断用途、例えば、多様な用途における、例えば、臨床、工業、環境、農業、及び/または研究環境における分子標的(例えば、RNA)の同定などで使用することができる。このようなDsiRNA分子の診断的使用は、例えば、細胞溶解物または部分的に精製した細胞溶解物を使用する再構成RNAi系を利用することを含む。本発明のDsiRNA分子は、異常細胞内の遺伝的浮動及び変異を試験するための診断ツールとして使用することができる。DsiRNA活性と標的乳酸デヒドロゲナーゼRNAの構造との間の密接な関係によって、標的乳酸デヒドロゲナーゼRNAの塩基対形成及び3次元構造を変化させる、乳酸デヒドロゲナーゼ分子領域内での変異の検出が可能となる。本発明に記載される複数のDsiRNA分子を使用することにより、インビトロの、加えて細胞及び組織中のRNA構造及び機能に重要なヌクレオチド変化をマッピングすることができる。DsiRNA分子による標的乳酸デヒドロゲナーゼRNAの開裂を使用して、遺伝子発現を阻害し、PH1または他の乳酸デヒドロゲナーゼ関連疾患もしくは障害の進行における特定の遺伝子産物の役割を定義することができる。このようにして、他の遺伝子標的を疾患の重要なメディエーターとして定義することができる。これらの実験は、併用療法(例えば、異なる遺伝子を標的とする複数のDsiRNA分子、既知の小分子阻害剤と一体になったDsiRNA分子、またはDsiRNA分子及び/または他の化学分子もしくは生体分子の組み合わせによる間欠的治療)の可能性を提供することにより、疾患進行の良好な治療をもたらすだろう。本発明のDsiRNA分子の他のインビトロ使用は、当該技術分野で周知であり、疾患または関連状態に関連するRNAの存在の検出を含む。このようなRNAを、標準的手法、例えば、蛍光共鳴発光移動(FRET)を使用して、DsiRNAによる処理後の開裂産物の存在を決定することにより検出する。
本明細書で言及された全ての特許及び公開公報は、本発明が属する当該技術分野の当業者のレベルの指標である。本開示で引用した全ての参考文献は、各参考文献が、個々に全体にわたり援用されたものと同様の程度まで、参照により援用される。
当業者は、本発明が目的を実行し、かつ、言及した結果及び利点並びにその中の固有のものを得るために適合されていることを容易に認識するものである。好適な実施形態の代表例として本明細書に記載の方法及び組成物は、例示的なものであり、本発明の範囲を限定するように意図するものではない。当業者は本明細書の変化及び他の利用に想到するものであり、これらは本発明の精神の範囲内に含まれ、かつ特許請求の範囲により定義される。
種々の置換及び修正が、本発明の範囲及び精神から逸脱することなく本明細書で開示された本発明に対して実施可能であることが、当業者に簡単に理解されるであろう。したがって、このような追加的な実施形態は、本発明及び以下の特許請求の範囲内である。本発明は、RNAi活性を媒介するために、改善された活性をもつ核酸構築物を産出することを目的とする、本明細書で記述した化学修飾の種々の組み合わせ及び/または置換を試験することを当業者に教示する。このような改善された活性は、改善された安定性、改善されたバイオアベイラビリティ、及び/またはRNAiを媒介する細胞応答の改善された活性を含み得る。したがって、本明細書で記述した特定の実施形態は、限定ではなく、かつ改善されたRNAi活性を持つDsiRNA分子を同定するために、本明細書で記述した修飾の特定の組み合わせが過度に実験を行うことなく試験できることを当業者は容易に理解するものである。
本明細書で例示的に記述された発明は、本明細書で特に開示されていない、任意の要素または要素類、制限または制限類なしに好適に実施可能である。したがって、例えば、本明細書中の各例において、任意の用語「を含む」、「から本質的になる」、及び「からなる」は、他の2つの用語のいずれかと置き換えてもよい。使用された用語及び表現は、記述のために使用される用語であり、限定を意味するものではなく、かつ、示し、このような用語及び表現の利用において記述した特徴の任意の等価物またはそれらの一部を除外することは意図しておらず、種々の修飾が、請求された本発明の目的の範囲内で可能であることが認識される。したがって、本発明が、好適な実施形態によって特に開示されているが、本明細書で開示された概念の任意の特徴、修飾、及びバリエーションが、当業者によって用いられてもよく、このような修飾及びバリエーションが、記述並びに付随する特許請求の範囲によって定義されたように、本発明の範囲内であるとみなされることが理解されるべきである。
さらに、本発明の特徴または態様が、Markushグループまたは他の代替グルーピングの観点で記述される場合、当業者は、それにより本発明がMarkushグループまたは他のグループの任意の個々のメンバー、またはメンバーのサブグループに関して記述もされることを理解するものである。
本発明を記述する文脈(特に、以下の特許請求の範囲の文脈)における用語「a」、「an」及び「the」並びに同様の指示対象の使用は、本明細書で他の指摘がある、または文脈によって明らかに矛盾しない限り、単数及び複数の両方を包含すると解釈されるべきである。用語「含む(comprising)」、「有する(having)」、「含む(including)」、及び「含む(containing)」は、他に言及しない限り、無制限用語として解釈されるべきである(すなわち、「含むが、限定されない」と意味する)。本明細書の値の範囲の記載は、本明細書で他の指摘がない限り、その範囲内にあるそれぞれ別々の値を個々に指す単なる省略表現方法を意図するものであり、それぞれ別々の値は、本明細書で個々に記載されるものとして、本明細書内に組み込まれる。本明細書で記述された全ての方法を、本明細書中で他の指摘がない限り、または文脈において明確に矛盾しない限り、任意の好適な順番で実施できる。本明細書で提供される任意かつ全ての例、または例示的言語(「例えば、「などの」)の利用は、単に本発明をよりよく例示することを意図するものであり、他に請求しない限り、本発明の範囲に限定を課すものではない。本明細書中で言及されるものは、どれも、本発明の実施に必須であるような、任意の非請求要素を表すとして解釈されるべきではない。
本発明の実施形態が本明細書で記述されており、本発明を実行するために本発明者らに公知の最適な様式が含まれる。これらの実施形態のバリエーションは、上記の記述を読むことにより当業者に明らかになるであろう。
本発明者らは、当業者が、適切にこのようなバリエーションを利用することを予測しており、当業者は、本発明が、本明細書で特に記述したもの以外の方法で実施されると意図している。したがって、本発明は、適用可能な法律によって許可されるように、本明細書に付随する特許請求の範囲にて記載される対象の全ての修正及び等価物を含む。さらに、上記要素の全ての可能性あるそれらのバリエーションにでの任意の組み合わせは、本発明で他に指摘されない限り、または文脈によって明確に矛盾しない限り、本発明に包含される。当業者は、単なる通常の実験を使用して、本明細書で記述される本発明の特定の実施形態に対する多くの等価物を認識するか、または究明することができる。このような等価物は、以下の特許請求の範囲に包含されると意図される。