JP7038896B1 - 空気調和制御装置 - Google Patents

空気調和制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP7038896B1
JP7038896B1 JP2021502916A JP2021502916A JP7038896B1 JP 7038896 B1 JP7038896 B1 JP 7038896B1 JP 2021502916 A JP2021502916 A JP 2021502916A JP 2021502916 A JP2021502916 A JP 2021502916A JP 7038896 B1 JP7038896 B1 JP 7038896B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
unit
air
airflow
space
set temperature
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2021502916A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2022034688A1 (ja
Inventor
遼馬 宇高
美緒 元谷
昌江 澤田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Publication of JPWO2022034688A1 publication Critical patent/JPWO2022034688A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7038896B1 publication Critical patent/JP7038896B1/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F24HEATING; RANGES; VENTILATING
    • F24FAIR-CONDITIONING; AIR-HUMIDIFICATION; VENTILATION; USE OF AIR CURRENTS FOR SCREENING
    • F24F11/00Control or safety arrangements
    • F24F11/70Control systems characterised by their outputs; Constructional details thereof
    • F24F11/72Control systems characterised by their outputs; Constructional details thereof for controlling the supply of treated air, e.g. its pressure
    • F24F11/79Control systems characterised by their outputs; Constructional details thereof for controlling the supply of treated air, e.g. its pressure for controlling the direction of the supplied air
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F24HEATING; RANGES; VENTILATING
    • F24FAIR-CONDITIONING; AIR-HUMIDIFICATION; VENTILATION; USE OF AIR CURRENTS FOR SCREENING
    • F24F11/00Control or safety arrangements
    • F24F11/62Control or safety arrangements characterised by the type of control or by internal processing, e.g. using fuzzy logic, adaptive control or estimation of values
    • F24F11/63Electronic processing
    • F24F11/64Electronic processing using pre-stored data
    • GPHYSICS
    • G05CONTROLLING; REGULATING
    • G05BCONTROL OR REGULATING SYSTEMS IN GENERAL; FUNCTIONAL ELEMENTS OF SUCH SYSTEMS; MONITORING OR TESTING ARRANGEMENTS FOR SUCH SYSTEMS OR ELEMENTS
    • G05B19/00Programme-control systems
    • G05B19/02Programme-control systems electric
    • G05B19/04Programme control other than numerical control, i.e. in sequence controllers or logic controllers
    • G05B19/042Programme control other than numerical control, i.e. in sequence controllers or logic controllers using digital processors
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F24HEATING; RANGES; VENTILATING
    • F24FAIR-CONDITIONING; AIR-HUMIDIFICATION; VENTILATION; USE OF AIR CURRENTS FOR SCREENING
    • F24F2110/00Control inputs relating to air properties
    • F24F2110/10Temperature
    • GPHYSICS
    • G05CONTROLLING; REGULATING
    • G05BCONTROL OR REGULATING SYSTEMS IN GENERAL; FUNCTIONAL ELEMENTS OF SUCH SYSTEMS; MONITORING OR TESTING ARRANGEMENTS FOR SUCH SYSTEMS OR ELEMENTS
    • G05B2219/00Program-control systems
    • G05B2219/20Pc systems
    • G05B2219/26Pc applications
    • G05B2219/2614HVAC, heating, ventillation, climate control

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Signal Processing (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Fuzzy Systems (AREA)
  • Mathematical Physics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Automation & Control Theory (AREA)
  • Air Conditioning Control Device (AREA)

Abstract

開示に係る空気調和制御装置は、室外機および吹出口を有する複数の室内機となる空気調和機器を制御する空気調和制御装置であって、空気調和を行う対象空間に設定される空間設定温度および対象空間の空間位置情報を含む設定入力データを記憶する記憶装置と、設定入力データに基づき、複数の室内機に対し、それぞれの吹出口から送り出される吹出気流を対象空間の真上に位置する空間で衝突させ、空間設定温度の空気を対象空間に到達させる制御を行う演算装置とを備えるものである。

Description

この技術は、空気調和機器の制御を行う空気調和制御装置に関するものである。
従来から、任意の限定された空間のみを空気調和(以下、「空調」という。)する空調制御技術が提案されている。室内の各利用者がいるエリアに対して空調を行うことで、利用者ごとの温熱環境の感じ方などの個人差を空調制御に反映させて、利用者の個々の快適性を向上させつつ、室内全体を空調する場合よりも省エネルギー効果を期待できることが知られている。
ここで、1つの室内機で複数のエリアを空調する場合、風向調節羽根を用いて吹出空気を所定の方向に導く時間を調整すること、各エリアに送る空気の温度自体を異ならせることなどにより、各エリアに対する吹出空気の処理熱量を調節する技術がある。このため、1つの室内機により、1つの室内空間内に温度の異なる複数のエリアを作り出すことができる(たとえば、特許文献1参照)。
特開2018-040502号公報
しかしながら、特許文献1に開示されている制御方法は、利用者より上方に位置する室内機からの吹出空気による気流(以下、吹出気流という)が、斜め方向から利用者に到達するものである。このため、あるエリアの空間に対して送られた吹出気流が風下側の隣接するエリア内の空間にまで到達する。したがって、風下側の隣接するエリア内の空間に他の利用者がいる場合、他の利用者が、あるエリアの空間に対する吹出気流を不快に感じる可能性がある。また、隣接するエリア内の空間にいる複数の利用者が、それぞれ異なる設定温度を設定した場合、それぞれの吹出気流が風下側の隣接するエリア内の空間に到達すると、各利用者は、自分が設定した設定温度での空間を実現し難くなる。
このような課題を解決するため、あるエリアの空間に対する吹出気流が隣接する他のエリアの空間に到達することを抑制する吹出気流の制御を行う空気調和制御装置を得ることを目的とする。
この開示に係る空気調和制御装置は、室外機および吹出口を有する複数の室内機となる空気調和機器を制御する空気調和制御装置であって、空気調和を行う対象空間に設定される空間設定温度および対象空間の空間位置情報を含む設定入力データを記憶する記憶装置と、設定入力データに基づき、複数の室内機に対し、それぞれの吹出口から送り出される吹出気流を対象空間の真上に位置する空間で衝突させ、空間設定温度の空気を対象空間に到達させる制御を行う演算装置とを備え、記憶装置は、設定入力データと複数の吹出口から送り出される吹出気流の風向と、それぞれの吹出気流に係る物理量をパラメータとして有する計算式とをモデル化した運動量計算モデル並びにそれぞれの吹出口から送り出される吹出気流の風速および風向の設定値、設定入力データに含まれる空間設定温度および複数の対象空間を有する室内における各点の環境との関係をモデル化した室内環境分布モデルをデータとして記憶し、演算装置は、運動量計算モデルに基づいて、吹出気流を送り出す複数の吹出口を決定し、決定した吹出口を有する室内機および室内機に熱供給する室外機の運転状態を決定して運転状態データを出力する気流経路決定部と、気流経路決定部が出力した運転状態データを、空気調和機器に指示を行う制御指令データに変換する制御指令変換部とを有し、気流経路決定部は、設定入力データと複数の室内機が有する吹出口の吹出口位置情報を含む運転条件データとを用いて、複数の室内機が有する吹出口から送り出す吹出気流の風向を決定する空間情報処理部と、室内環境分布モデルを用いて各点の環境に係る計算を行う計算実行部と、計算実行部の計算結果を用いて、複数の室内機における室内機設定温度を選択する設定温度選択部と、複数の吹出口から送り出される吹出気流の風向および風速並びに設定温度選択部が選択した室内機設定温度を、空気調和機器の運転条件データとして決定する運転条件決定部とを有し、設定温度選択部は、複数の対象空間における空間設定温度を実現する室内機設定温度を選択する処理を行うものである。
この開示に係る空気調和制御装置は、記憶装置が記憶する設定入力データに基づき、複数の室内機に対し、それぞれの吹出口から送り出される吹出気流を対象空間の真上に位置する空間で衝突させ、空間設定温度の空気を対象空間に到達させる制御を行う。このため、吹出気流の風下側の隣接した空間に存在する他の利用者に、吹出気流が到達することを極力抑えることができる。
実施の形態1に係る空調制御装置1を含む空調システムの構成を示す図である。 実施の形態1に係る空調システムによって空調を行う室内の一例を示す平面図である。 実施の形態1の空調制御装置1の制御による効果を説明する模式図(その1)である。 実施の形態1の空調制御装置1の制御による効果を説明する模式図(その2)である。 実施の形態1に係る空調制御装置1の構成例を示す図である。 実施の形態1に係る複数の吹出気流の合計運動量および気流衝突点における運動量の保存について説明する図である。 実施の形態1に係る複数の吹出気流における水平方向の運動量の釣り合いについて説明する図である。 実施の形態1に係る空間情報処理部12aおよび運動量計算部12bが行う処理について説明する図である。 実施の形態1に係る空調制御装置1における処理の流れを説明する図である。 実施の形態2において想定する状況を説明する模式図(その1)である。 実施の形態2において想定する状況を説明する模式図(その2)である。 実施の形態2において想定する状況を説明する模式図(その3)である。 実施の形態2に係る空調制御装置1の構成例を示す図である。 実施の形態2に係る空調制御装置1における処理の流れを説明する図である。 実施の形態3において想定する状況を説明する模式図である。 実施の形態3に係る空調制御装置1の構成例を示す図である。 実施の形態3に係る計算実行部12gが実行する計算において、境界条件として用いる空調の設定値例を示す図である。 実施の形態3に係る空調制御装置1における処理の流れを説明する図である。
以下、空気調和制御装置(以下、空調制御装置という)に係る実施の形態について、図面を参照しつつ、説明する。ここで、以下の図面において、同一の符号を付したものは、同一またはこれに相当するものであり、以下に記載する実施の形態の全文において共通することとする。また、明細書全文に示されている構成要素の形態は、あくまで例示であってこれらの記載に限定されるものではない。特に構成要素の組み合わせは、各実施の形態における組み合わせのみに限定するものではなく、他の実施の形態に記載した構成要素を別の実施の形態に適宜、適用することができる。そして、温度などの高低については、特に絶対的な値との関係で高低が定まっているものではなく、システム、装置などにおける状態、動作などにおいて相対的に定まるものとする。また、添字で区別などしている複数の同種の機器などについて、特に区別したり、特定したりする必要がない場合には、添字などを省略して記載する場合がある。そして、空調が行われる室内における高さ方向については、上下方向またはZ軸方向と記載する場合がある。また、室内における水平方向については、左右方向と記載する場合がある。そして、水平方向は、X軸方向またはY軸方向となる。
実施の形態1.
<空調システムの構成>
図1は、実施の形態1に係る空調制御装置1を含む空調システムの構成を示す図である。空調制御装置1は、電気通信回線である制御ネットワーク6を介して、室外機2、リモコン4およびセンサ5と通信可能に接続され、信号の送受信を行うことができる。また、実施の形態1では、室内機3は、室外機2を介して、空調制御装置1と通信可能に接続している。空調制御装置1は、空気調和装置を構成する空気調和機器(以下、空調機器という)となる室外機2および室内機3を制御する装置である。空調制御装置1については、後述する。
室外機2は、冷媒、水などの熱媒体を冷却または加熱して室内機3に送って熱を搬送する空調機器である。室内機3は、室外機2から送られた熱媒体と室内の空気との間で熱交換を行い、室内の温度などを調整して、室内の空調を行う空調機器である。ここで、実施の形態1の室内機3は、複数の室内機31、室内機32、室内機33および室内機34を1つの室内に有する。室内機3は、高さ方向においては、後述するように室内において最も高い位置にある天井面200の位置に配置される。天井面200は、水平方向に平行な面である。また、そして、室内機31は、複数の吹出口31a、吹出口31b、吹出口31cおよび吹出口31dを有する。同様に、室内機32は、吹出口32a、吹出口32b、吹出口32cおよび吹出口32dを有する。また、室内機33は、吹出口33a、吹出口33b、吹出口33cおよび吹出口33dを有する。そして、室内機34は、複数の吹出口34a、吹出口34b、吹出口34cおよび吹出口34dを有する。以下、室内機31~室内機34を区別しなくてもよい場合には、室内機3とし、吹出口30として説明する。
リモートコントローラ(以下、リモコンという)4は、後述する利用者100が各種設定などをデータとして入力する装置である。リモコン4は、入力に係る設定値などのデータを含む信号を空調制御装置1に送って記憶させる。利用者100が入力するデータとしては、たとえば、室内機3のオンまたはオフの切り替え、空間設定温度など、後述する吹出口30からの吹出風向(以下、風向という)および吹出風速(以下、風速という)を除いた空調に関する設定値に関するデータである。また、空調を行うエリアまたは対象空間(以下、対象空間という)に関するデータである。ただし、たとえば、リモコン4が自身の位置に関するデータを取得できるなどの場合は、利用者100は、対象空間に関するデータを入力しなくてもよい。利用者100は、リモコン4を用いて、空調を行う対象空間を選択し、選択した対象空間における空間設定温度などの設定を手動で入力する。ここで、リモコン4の機能が、個人のコンピュータ、タブレット端末などに内蔵されている場合は、個人のコンピュータ、タブレット端末などがリモコン4として機能する。
センサ5は、物理量を計測などする検出装置である。実施の形態1のセンサ5は、複数のセンサ5aおよびセンサ5bを有する。センサ5は、たとえば、温度、湿度、放射温度、熱画像、気流速度などの室内外の環境に関する物理量を計測などする。室外機2または室内機3に内蔵されている温度検出などに用いる装置をセンサ5としてもよい。さらに、物理量を計測するだけでなく、室内の形状情報などのデータを取得するためのカメラ、在室者を検出するための人感センサなどの装置をセンサ5としてもよい。ここで、室内外の環境において、室外の温度については、外部の装置から電気通信回線経由で取得した天気予報などの情報を用いてもよい。
制御ネットワーク6は、前述したように、空調制御装置1、室外機2、リモコン4およびセンサ5を接続する通信用の電気通信回線である。ここで、制御ネットワーク6は、ケーブルの種類、通信プロトコルなどを、特に限定するものではない。たとえば、制御ネットワーク6は、LAN(Local Area Network)などの有線通信であってもよいし、無線通信であってもよい。また、制御ネットワーク6は、一般に公開されている汎用プロトコルを用いたネットワークであってもよい。さらに、制御ネットワーク6は、室外機2または室内機3の製造会社によって規定された専用線と専用プロトコルなどであってもよい。
<対象空間>
図2は、実施の形態1に係る空調システムによって空調を行う室内の一例を示す平面図である。図2の室内は、空調を行う対象空間を含む。図2は、室内機31~室内機34、室内機31~室内機34の吹出口31a~吹出口34d、室内を利用する利用者100a~利用者100xおよび利用者100a~利用者100xが入力用に用いるリモコン4a~リモコン4xの位置関係の例を示す。室内には、複数の吹出口30を有する室内機3が複数設置される。また、利用者100a~利用者100xは、室内に設置された机などを介して隣接し、リモコン4a~リモコン4xをそれぞれ近くに置いている。
<想定する状況>
図3および図4は、実施の形態1の空調制御装置1の制御による効果を説明する模式図である。図3は、高さ方向において天井面200に位置する1台の室内機3の1つの吹出口30から吹出気流を送り出して、利用者100bがいる対象空間の空調を行う場合を示す模式図である。ここでは、利用者100a~利用者100cが在室しており、利用者100bがいる対象空間を含むエリアに隣接するエリアに利用者100aと利用者100cとがいるものとする。
利用者100bが、自身の位置を対象空間に対して所望する空間設定温度を設定する。1台の室内機3の1つの吹出口30から利用者100bがいる対象空間に送った場合、吹出気流は、斜め上となる方向から対象空間に送られる。このため、吹出気流は、対象空間だけでなく、隣接する利用者100aおよび利用者100cがいる空間にも到達する。したがって、利用者100aおよび利用者100cは、自身が所望する温度と異なる温度の空気が到達することで、不快に感じやすい状態となる。
そこで、図4のように、実施の形態1の空調制御装置1は、複数の室内機3における吹出口30から送り出される吹出気流を、利用者100bがいる対象空間の真上に位置する空間で衝突させ、空間設定温度の空気が対象空間に到達するように空調機器を制御する。空間設定温度の空気が、利用者100bに真上の方向から当たることで、隣接する空間にいる利用者100aおよび利用者100cに、周辺気流が到達することを極力抑えるようにする。これにより、利用者100aおよび利用者100cは、図3に示す場合と比較して、不快に感じにくい状態となる。
<空調制御装置1の構成>
図5は、実施の形態1に係る空調制御装置1の構成例を示す図である。前述した空調制御装置1は、メモリなどを有する記憶装置11、プロセッサなどを有する演算装置12、各種信号を受ける受信装置13および各種信号を送る送信装置14を備える。以下、図5を用いて、空調制御装置1の構成の詳細について説明する。
<記憶装置11>
記憶装置11は、設定入力データ11a、運動量計算モデル11b、運転条件データ11c、空調機器運転状態データ11dおよび制御指令データ11eなどを記憶する装置である。記憶装置11は、たとえば、データを一時的に記憶できるランダムアクセスメモリ(RAM)などの揮発性記憶装置(図示せず)、ハードディスクなど、データを長期的に記憶できる不揮発性の補助記憶装置(図示せず)などの装置で構成されている。
記憶装置11に記憶される運転条件データ11cは、演算装置12に含まれる各部が処理を行う際に、必要となる各種条件に関するデータである。たとえば、室外機2および室内機3の台数並びに接続関係などの空気調和装置を構成する空調機器の構成に係る情報が、空調機器に係る運転条件データ11cとなる。他にも、室外機2の制御仕様、各室内機3の室内機設定温度、吹出口30から送られる吹出気流の風速、風向および温度などの制御仕様、各室内機3の吹出口30の吹出口位置情報などが、空調機器に係る運転条件データ11cとなる。また、室内に置かれた机、座席となる椅子などの什器の位置情報、内壁、外壁および窓などの室内の形状情報およびこれらの相対的な距離情報などが室内状況に係る運転条件データ11cとなる。ここで、運転条件データ11cは、複数の室内機3がそれぞれ担当するエリアに基づくゾーン分割に関する情報をデータとして含んでもよい。実施の形態1においては、各室内機3の吹出口30から送り出される吹出気流の温度は同じであるため、室内機設定温度は空間設定温度となる。
また、記憶装置11に記憶される設定入力データ11aは、リモコン4から送られた信号に含まれる空間設定温度、吹出口30からの吹出気流の風向および風速を除いた室内機3に係る設定値、空調を行う対象空間の空間位置情報などを含むデータである。ここで、設定入力データ11aは、個人のコンピュータ、タブレット端末装置などの機器をリモコン4として用いて入力された設定値をデータとしてもよい。
また、記憶装置11は、空調機器運転状態データ11dおよび制御指令データ11eを有する。空調機器運転状態データ11dおよび制御指令データ11eは、それぞれ後述する運転条件決定部12cが決定した空調機器運転状態と、空調機器運転状態を制御指令変換部12eが変換した制御指令とに関するデータである。
<運動量計算モデル11b>
記憶装置11に記憶される運動量計算モデル11bは、運転条件データ11cに含まれるデータ、設定入力データ11aに含まれるデータおよび吹出気流の運動量を計算する計算式の関係をモデル化したデータである。具体的には、運転条件データ11cは、前述したように、室内機3の台数および吹出口位置情報などの空調機器の構成に関する情報、室内機3の吹出口30から送り出される吹出気流の風速および風向などの制御仕様である。また、運転条件データ11cは、室内に設置された什器の位置情報、室内の形状情報およびこれらの相対的な距離情報などである。そして、設定入力データ11aは、対象空間の空間設定温度、空調を行う対象空間の位置情報などである。運動量計算モデル11bは、運転条件データ11cおよび設定入力データ11aのデータと吹出気流の運動量を計算する計算式との関係をモデル化してデータにしたものである。
運転条件データ11cおよび設定入力データ11aを用いて吹出気流の運動量を計算する方法として、たとえば、複数の吹出口30の吹出気流における運動量の総和が吹出時、衝突時および対象空間の到達時において保存される関係に基づいて求める方法がある。さらに、複数の吹出口30から送り出された吹出気流の風速が吹出口30からの距離が大きくなるにつれて減少することを加えて考慮した演算により求める方法などがある。さらに、複数の吹出口30から送り出された吹出気流の風速が、衝突により減少することを加えて考慮した演算によって求める方法などがある。
複数の吹出口30から送り出された吹出気流の吹出時と衝突時および対象空間に到達した空気における運動量の保存の関係を考慮した計算は、たとえば、次に示す式(1)~式(4)を用いる。式(1)~式(4)は、吹出気流の風速と運動量の関係、各吹出気流の運動量の水平方向の成分の釣り合い並びに各吹出気流の吹出時における合計運動量と衝突時および対象空間への到達時における運動量の保存との関係を表す。
Figure 0007038896000001
Figure 0007038896000002
Figure 0007038896000003
Figure 0007038896000004
式(1)は、風速と吹出気流の運動量との関係を表す式である。また、式(2)は、天井面200と垂直な方向において、複数の吹出気流の合計運動量と気流衝突点mにおける気流の運動量および気流衝突点mの直下にある対象空間内の点nにおける気流の運動量が保存されることを表す式である。
ここで、Jiは、吹出口30iから単位時間あたりに吹き出される気流の運動量[kg・m/s]である。また、Sは、吹出口iの面積[m]、ρは吹出口30iからの吹出気流の空気密度[kg/m]である。さらに、vは、吹出口30iからの風速[m/s]である。そして、pは、位置iにおける静圧[Pa]である。
は、気流衝突点mにおける気流の運動量である。また、Jは、気流衝突点mの直下にある対象空間内の点nにおける気流の運動量である。運動量Jは、風速v、吹出気流の空気密度ρ、気流衝突点mを中心とする天井面200に平行な気流が到達した面の面積Sおよび気流衝突点mにおける静圧pを用いて、式(1)から表すことができる。また、運動量Jは、風速v、空気密度ρ、点nを中心とする天井面200に平行な気流が到達した面の面積Sおよび点nにおける静圧pを用いて、式(1)から表すことができる。気流衝突点mおよび対象空間内の点nの高さ方向の位置である室内高さは、利用者100の頭部の位置を代表値とする、一般的に用いられる作業面高さの位置などを用いる。対象空間内の点nにおける風速vは、利用者100に到達する空気の風速である。風速vには、たとえば、事前の実験の結果などで得られた、人が一般に快適と感じる風速の値を用いる。また、空気密度ρおよび空気密度ρ、面積Sおよび面積S、静圧pおよび静圧pは、たとえば、温度などの他の物理量との関係式などにより決定してもよい。また、事前の実験の結果などに基づいて決定してもよい。そして、φは、吹出口30iからの吹出気流が天井面200に平行な面となす角である。θは吹出口30iからの吹出気流がX軸方向(天井面200に平行な面内の任意の方向)となす角である。
図6は、実施の形態1に係る複数の吹出気流の合計運動量および気流衝突点における運動量の保存について説明する図である。図6は、2箇所の吹出口30-1および吹出口30-2から吹出気流を送り出す場合を示している。JおよびJは、それぞれ吹出口30-1および吹出口30-2から風速vおよびv、天井面200から吹出気流が上下風向φおよび上下風向φで送り出されたときの単位時間あたりの運動量である。天井面200と垂直な高さ方向(Z軸方向)の成分であるJsinφおよびJsinφを含めた複数の吹出気流の運動量の和は、Z軸方向における合計運動量となる。Z軸方向における合計運動量は、理論上の最大速度線lを中心軸として気流衝突点mおよび気流衝突点mの直下にある対象空間内の点nまで保存される。ここで、保存されたZ軸方向の合計運動量(Jsinφ+Jsinφ)が、対象空間内の点nにおける空気の運動量J(このとき、風速vである)と等しくなるように、式(2)中のJが、式(3)および式(4)との連立によって求められる。
図7は、実施の形態1に係る複数の吹出気流における水平方向の運動量の釣り合いについて説明する図である。図7は、3箇所の吹出口30-1、吹出口30-2および吹出口30-3から吹出気流を送り出す場合を示している。図7に基づき、式(3)および式(4)について説明する。式(3)は、水平方向において、吹出気流の運動量のX軸方向における釣り合いを表す式である。また、式(4)は、水平方向において、吹出気流の運動量のY軸方向における釣り合いを表す式である。
’、J’およびJ’は、それぞれ吹出口30-1、吹出口30-2および吹出口30-3から風速v、vおよびv、天井面200からの上下風向φ、φおよびφで吹き出された気流の単位時間あたりのXY平面上における気流の運動量である。ここでは、複数の吹出口30からの吹出気流は気流衝突点mで衝突し、衝突した空気が真下に位置する対象空間内の点nに向かって流れる前提とする。このため、吹出気流のX軸方向における合計運動量(図7中のJ’cosθ+J’cosθ+J’cosθ,ただし、J’cosθ<0)は釣り合う。また、吹出気流のY軸方向における合計運動量(図7中のJ’sinθ+J’sinθ+J’sinθ,ただし、J’sinθ<0)についても釣り合う。したがって、それぞれの総和は、ともに0となる。
<演算装置12>
実施の形態1の演算装置12は、気流経路決定部12dおよび制御指令変換部12eを備える。演算装置12は、ハードウェアとしては、たとえば、CPU(Central Processing Unit)などの制御演算処理装置、アナログ回路、デジタル回路などを有するマイクロコンピュータなどの装置で構成されている。
<気流経路決定部12d>
気流経路決定部12dは、空調を行う対象空間の真上から吹出気流が到達するように吹出気流の経路を決定する。実施の形態1では、気流経路決定部12dは、空間情報処理部12a、運動量計算部12bおよび運転条件決定部12cなどを有する。
図8は、実施の形態1に係る空間情報処理部12aおよび運動量計算部12bが行う処理について説明する図である。図8は、空間情報処理部12aおよび運動量計算部12bが複数の吹出気流の風向および風速をそれぞれ出力する過程を具体的に説明する室内の平面図の例を示す。図8では、利用者100jが、自身の位置を対象空間とし、対応するリモコン4jを用いて所望の空間設定温度を入力した場合を例として示している。
<空間情報処理部12a>
空間情報処理部12aは、利用者100から空間設定温度が入力された対象空間の空間位置情報、室内機3および吹出口30の吹出口位置情報、室内の什器および形状情報などを用いて、制御に用いる複数の吹出口30を複数の室内機3から選定する。そして、空間情報処理部12aは、各吹出口30について、吹出口30から送り出される吹出気流の風向を決定し、出力する。実施の形態1では、空間情報処理部12aは、利用者100によるリモコン4からの入力などに基づいて、1箇所の対象空間に対する吹出口30の選定および吹出気流の風向決定を行う。
図8では、利用者100jがいる対象空間の対象位置情報、吹出口30の吹出口位置情報、室内の什器や形状情報などを用いて、以下の手順で、対象空間の空調に用いる複数の吹出口30を、異なる室内機3から選定する。そして、選定した各吹出口30の吹出気流の風向を決定し、出力する。まず、空間情報処理部12aは、利用者100jがいる対象空間の空間位置情報に基づき、利用者100jがいる対象空間の真上の空間に、複数の吹出気流による気流衝突点を1点設定する。次に、空間情報処理部12aは、設定した気流衝突点の衝突点位置情報、運転条件データ11cに含まれる室内機3および吹出口30の吹出口位置情報などを用いて、設定した気流衝突点に最も近い吹出口30を、2箇所または3箇所以上選定する。図8の例では、利用者100jがいる対象空間に対して、吹出口31a、吹出口32cおよび吹出口34cの3箇所を選定している。そして、空間情報処理部12aは、選定した各吹出口30から見て、気流衝突点に向かう上下および左右の風向を、各吹出口30について決定し、出力する。
たとえば、異なる2つの吹出口30を結ぶ線上に気流衝突点を設定できる場合、空間情報処理部12aは、2箇所の吹出口30を選定する。また、気流衝突点をそれ以外の位置に設定する場合は、3箇所以上の吹出口30を選定する。また、例外として、空調を行う対象空間の風下側に、壁面や他の障害物が近く存在する場合などのように、風下側へ吹出気流が到達しても問題ない場合には、1箇所の吹出口30を用いた空調など、気流衝突点を設定しない空調を行ってもよいものとする。
<運動量計算部12b>
運動量計算部12bは、空間情報処理部12aによる吹出口30からの吹出気流の風向に基づき、記憶装置11に記憶された運動量計算モデル11bを用いて、各吹出口30から送り出される吹出気流の風速を決定し、出力する。
図8は、空間情報処理部12aが選定および決定した吹出口31a、吹出口32cおよび吹出口34cの風向および運動量計算部12bが決定した風速の吹出気流が、利用者100jがいる対象空間の真上の空間に位置する気流衝突点で衝突することを示す。その後、各吹出気流が衝突した空気が利用者100jがいる対象空間に到達する。対象空間は、利用者100jが所望する温度となる。また、同時に利用者100jの周囲に存在する他の利用者100への空気の流れが抑えられ、他の利用者100が感じる不快感が最小限に抑えられる。
<運転条件決定部12c>
運転条件決定部12cは、設定入力データ11aに含まれる空間設定温度、空間情報処理部12aおよび運動量計算部12bが出力した複数の吹出口30からの吹出気流の風向および風速を、空調機器運転状態データ11dとして記憶装置11に記憶させる。ここでは、空間設定温度は、室内機3に設定される室内機設定温度と同じ温度になる。
<制御指令変換部12e>
制御指令変換部12eは、記憶装置11が記憶した空調機器運転状態データ11dを、制御対象の空調機器となる室外機2および室内機3に対して実際に与える指示となる制御指令データ11eに変換する。
<受信装置13および送信装置14>
受信装置13は、リモコン4およびセンサ5から各種データを含む信号を受信する。受信装置13が受信したデータは、記憶装置11に記憶される。また、送信装置14は、記憶装置11に記憶された制御指令データ11eを含む信号を、室外機2および室内機3に送信する。
図9は、実施の形態1に係る空調制御装置1における処理の流れを説明する図である。空調制御装置1が行う処理は、主として演算装置12が行う。ここでは、空調制御装置1の処理を空調システム全体の流れとともに説明する。
ステップST1で、利用者100がリモコン4から設定を入力した空調を行う対象空間における空間設定温度が空調制御装置1に送られ、受信装置13が受信する。そして、空間設定温度のデータが設定入力データ11aとして記憶装置11に記憶される(ステップST1)。
ステップST2で、演算装置12は、室内機3の制御仕様、台数、位置情報、室内の形状情報などの運転条件データ11cおよび空間設定温度などを含む設定入力データ11aを、記憶装置11から読み込む(ステップST2)。
ステップST3で、演算装置12の空間情報処理部12aが、ステップST2で取得した運転条件データ11cおよび設定入力データ11aに基づいて、気流衝突点を設定する。空間情報処理部12aは、さらに、設定した気流衝突点の位置情報のデータに基づいて、対象空間の空調を行う複数の室内機3の吹出口30を選定する。そして、空間情報処理部12aは、各吹出口30からの気流衝突点に対する上下および左右の風向をそれぞれ演算する(ステップST3)。
ステップST4で、演算装置12の運動量計算部12bが、記憶装置11に記憶された運動量計算モデル11bを用いて、複数の吹出口30からの吹出気流の運動量を演算する。さらに、運動量計算部12bは、各吹出口30から送り出される吹出気流の風速を演算する(ステップST4)。
ステップST5で、演算装置12の運転条件決定部12cが、ステップST3で決定した各吹出口30からの風向、ステップST4で決定した各吹出口30からの風速および設定入力データ11aに含まれる空間設定温度を新たな空調の設定値として決定する。そして、運転条件決定部12cは、決定した空調の設定値を、空調機器運転状態データ11dとして、記憶装置11に記憶する(ステップST5)。
ステップST6で、演算装置12の制御指令変換部12eが、空調機器運転状態データ11dとして記憶装置11に記憶された設定値を変換する。また、制御指令変換部12eは、変換した制御指令データ11eを記憶装置11に記憶する。そして、送信装置14が制御指令データ11eを含む信号を室外機2および室内機3に送り、空調機器運転状態を更新する(ステップST6)。
このように、実施の形態1の空調制御装置1は、設定入力データ11a、運動量計算モデル11b、運転条件データ11c、空調機器運転状態データ11dおよび制御指令データ11eを記憶する記憶装置11を備える。また、空間情報処理部12a、運動量計算部12bおよび運転条件決定部12cを有する気流経路決定部12d並びに制御指令変換部12eを含む演算装置12を備える。そして、実施の形態1の空調制御装置1は、空間設定温度を設定入力した利用者100が存在する空間などの1箇所の対象空間に対して、吹出気流が対象空間の真上から当たるように複数の吹出気流を制御する。このため、吹出気流の風下側の隣接した空間に存在する他の利用者100に対して、吹出気流が到達することを極力抑えることができる。したがって、空調制御装置1は、吹出気流が到達することによって他の利用者100に生じる不快感を少なくする制御を行うことができる。
実施の形態2.
次に、実施の形態2の空調制御装置1について説明する。実施の形態1の空調制御装置1は、1箇所の対象空間に対する空調制御を行うものあった。実施の形態2の空調制御装置1は、2箇所以上の対象空間に対する空調制御を行うものである。そして、実施の形態2の空調制御装置1は、実施の形態1における吹出気流の制御を、2箇所以上の対象空間に対して、1箇所ずつ、所定の順序に従って順番に行う。
これにより、隣接する複数の利用者100が所望する温度がそれぞれ異なっている場合でも、それぞれの吹出気流が風下側の隣接空間に到達しにくくなることを利用して、各利用者100が所望する温度による対象空間をそれぞれ個別に実現することができる。ここで、実施の形態2では、全ての利用者100が異なる空間設定温度である必要はなく、一部または全ての利用者100が、リモコン4を介して同じ空間設定温度を入力してもよい。
図10、図11および図12は、実施の形態2において想定する状況を説明する模式図である。図10は、利用者100bおよび利用者100cが、それぞれ自身の位置を対象として、利用者100b、利用者100cの順で異なる空間設定温度を入力し、それぞれ単一の吹出口30から空調を行った場合の図である。図10では、各利用者100に向けて吹出気流が斜め方向から当たることで、それぞれの周辺気流が、風下側に隣接する利用者100まで到達する。これにより、吹出気流が風下側に存在する他の利用者100に不快感を与える。また、それぞれの対象空間は互いの気流の影響を受けて、所望の温度空間が実現されにくい状態となる。特に、隣接する利用者100同士における設定値の乖離が大きいほど、両者は不快に感じやすい状態となる。ここで、設定値の乖離とは、冷房または暖房などのモードの違い、空間設定温度の差などのことである。
一方、図11および図12は、利用者100bおよび利用者100cがそれぞれ自身の位置を対象として、利用者100b、利用者100cの順で異なる空間設定温度を入力し、実施の形態2の空調制御装置1による空調を行った場合を示す。図11に示すように、リモコン4bから空間設定温度を先に入力した利用者100bの真上で複数の吹出口30からの気流を衝突させ、その後、気流が利用者100bに真上から当たるようにして、対象空間を利用者100bが所望する空間設定温度にする。所定の時間経過後、図12に示すように、利用者100cを対象に利用者100bと同様の手順で、利用者100cに真上から気流が当たるようにして、対象空間を利用者100cが所望する空間設定温度にする。図11および図12に示すように、それぞれの吹出気流が利用者100bおよび利用者100cの真上からの気流が対象空間に流れることで、互いの気流が他の対象空間に到達することを抑制する。このため、利用者100bと利用者100cとの間の設定値の乖離が大きい場合でも、利用者100bと利用者100cとは、図10の場合と比較して、不快に感じにくい状態となる。
図13は、実施の形態2に係る空調制御装置1の構成例を示す図である。図10において、図5と同じ符号を付している機器などについては、同一または相当部分を示す。図13に示すように、実施の形態2の空調制御装置1は、演算装置12が設定情報処理部12fをさらに有する。
<設定情報処理部12f>
設定情報処理部12fは、気流経路決定部12dが有する。設定情報処理部12fは、設定入力データ11aに含まれる対象空間の空間設定温度および位置情報のデータに基づき、対象空間における制御の継続時間および複数の対象空間における制御の順番を制御手順として決定する。そして、設定情報処理部12fは、空間情報処理部12aに対して、空調を行う対象空間の空間位置情報をデータとして出力する。また、設定情報処理部12fは、運転条件決定部12cに対して、制御の継続時間および空調制御を行う対象空間の順番に係る制御手順に関するデータを出力する。
設定情報処理部12fが行う制御の継続時間の決定方法については、特に限定しない。たとえば、事前に行った実験の結果などによって定めた一定の時間であってもよい。また、対象空間に存在する利用者100がリモコン4を介して入力した所望の温度空間が実現されるまでの時間にするなど、対象空間毎に異なる時間であってもよい。
また、設定情報処理部12fが行う制御する対象空間の順番の決定方法についても、特に限定するものではない。たとえば、リモコン4などに空間設定温度が入力された時刻が早い順番に決定する、各利用者100付近の室温を測定するセンサ5と利用者100が入力した空間設定温度との差が大きい順番に決定するなどの方法がある。
<実施の形態2における運転条件決定部12c>
実施の形態2では、運転条件決定部12cは、実施の形態1で説明した処理に加えて、設定情報処理部12fが出力した空調を行う対象空間の順番および制御の継続時間に基づいて、処理を行う。
運転条件決定部12cは、設定情報処理部12fが出力した対象空間に対する制御の継続時間を入力として、対象空間に対する制御の継続時間が経過後、対象空間に対して制御を終了させる設定値を決定する。運転条件決定部12cは、決定した設定値を、空調機器運転状態データ11dとして、記憶装置11に記憶する。運転条件決定部12cが記憶装置11に記憶した空調機器運転状態データ11dは、実施の形態1と同様に、制御指令変換部12eが、室外機2および室内機3に対する制御指令データ11eに変換する。
運転条件決定部12cは、設定情報処理部12fが出力した空調を行う対象空間の順番および対象空間の空間位置情報のデータを入力として、制御を終了させる設定値を決定する。運転条件決定部12cは、決定した設定値を、空調機器運転状態データ11dとして、記憶装置11に記憶する。運転条件決定部12cは、さらに、選定されていない対象空間が存在するかどうかを判定する。そして、運転条件決定部12cは、選定されていない対象空間が存在すると判定すると、設定情報処理部12fに、次に空調を行う対象空間に関する設定値の決定などを行う。
図14は、実施の形態2に係る空調制御装置1における処理の流れを説明する図である。実施の形態2の空調制御装置1が行う処理についても、主として演算装置12が行う。ここでは、空調制御装置1の処理を空調システム全体の流れとともに説明する。
ステップST11で、複数の利用者100がそれぞれリモコン4から入力した空調の対象空間における空間設定温度が空調制御装置1に送られ、受信装置13が受信する。そして、空間設定温度のデータが設定入力データ11aとして記憶装置11に記憶される(ステップST11)。
ステップST12で、演算装置12は、室内機3の制御仕様、台数、位置情報、室内の形状情報などの運転条件データ11cおよび空間設定温度などを含む設定入力データ11aを、記憶装置11から読み込む(ステップST12)。
ステップST13で、設定情報処理部12fが、各対象空間における制御の継続時間および複数の対象空間における制御の順番を決定する(ステップST13)。
ステップST14で、設定情報処理部12fが、空間情報処理部12aに、空調を行う対象空間の空間位置情報のデータを出力する。また、設定情報処理部12fは、運転条件決定部12cに、制御の継続時間および制御対象とする空間の順番に係るデータを出力する(ステップST14)。
ステップST15で、演算装置12の空間情報処理部12aが、ステップST12で取得した運転条件データ11cおよび設定入力データ11aに基づいて、気流衝突点を設定する。空間情報処理部12aは、さらに、設定した気流衝突点の位置情報のデータに基づいて、対象空間の空調を行う複数の室内機3の吹出口30を選定する。そして、空間情報処理部12aは、各吹出口30からの気流衝突点に対する上下および左右の風向をそれぞれ演算する(ステップST15)。
ステップST16で、演算装置12の運動量計算部12bが、記憶装置11に記憶された運動量計算モデル11bを用いて、複数の吹出口30からの吹出気流の運動量を演算する。さらに、運動量計算部12bは、各吹出口30から送り出される吹出気流の風速を演算する(ステップST16)。
ステップST17で、演算装置12の運転条件決定部12cが、ステップST15で決定した各吹出口30からの風向、ステップST16で決定した各吹出口30からの風速および設定入力データ11aに含まれる空間設定温度を新たな空調の設定値として決定する。そして、運転条件決定部12cは、決定した空調の設定値を、空調機器運転状態データ11dとして、記憶装置11に記憶する(ステップST17)。
ステップST18で、演算装置12の制御指令変換部12eが、空調機器運転状態データ11dとして記憶装置11に記憶された設定値を変換する。また、制御指令変換部12eは、変換した制御指令データ11eを記憶装置11に記憶する。そして、送信装置14が制御指令データ11eを含む信号を室外機2および室内機3に送り、空調機器運転状態を更新する(ステップST18)。
ステップST19で、運転条件決定部12cは、ステップST13で決定した制御の継続時間が経過した後、対象空間に対して制御を終了させる設定値を決定する。運転条件決定部12cは、決定した設定値を、空調機器運転状態データ11dとして、記憶装置11に記憶する。運転条件決定部12cが記憶装置11に記憶した空調機器運転状態データ11dは、実施の形態1と同様に、制御指令変換部12eが、室外機2および室内機3に対する制御指令データ11eに変換する。送信装置14は、対応する室外機2および室内機3に制御指令データ11eを含む信号を送信し、対象空間を空調している空調機器の制御を終了する(ステップST19)。
ステップST20で、運転条件決定部12cが、選定されていない対象空間が存在するかどうかを判定する(ステップST20)。運転条件決定部12cは、選定されていない対象空間が存在すると判定すると、演算装置12においては、ステップST14に戻る。そして、設定情報処理部12fは、他の対象空間に対する空調機器の制御に係る処理を行わせる(ステップST14)。
一方、ステップST20で、運転条件決定部12cが、選定されていない対象空間が存在しない(全ての対象空間が選定された)と判定すると、空調制御装置1の演算装置12は、処理を終了する。
このように、実施の形態2の空調制御装置1では、演算装置12は、空調を行う対象空間における制御の継続時間および複数の対象空間における制御の順番を決定する設定情報処理部12fをさらに有する。このため、実施の形態2の空調制御装置1は、空調を行う2箇所以上の対象空間に対し、所定の順番に1箇所ずつ空調を行うように空調機器を制御することができる。したがって、複数の利用者100がそれぞれ異なる空間で異なる温度を設定しても、複数の利用者100が所望する温度で、複数の対象空間を空調することができる。
実施の形態3.
次に、実施の形態3の空調制御装置1について説明する。実施の形態2の空調制御装置1は、2箇所以上の対象空間に対して、1箇所ずつ所定の順番に従って吹出気流を送り出し、対象空間毎に空調の制御を行うものであった。実施の形態3の空調制御装置1は、2箇所以上の対象空間の真上に位置する空間において、室内機設定温度が異なる吹出気流をそれぞれ衝突させ、衝突により混合した空気を対象空間に到達させて、複数の対象空間を一度に空調するものである。ここで、実施の形態3では、各室内機3の室内機設定温度が空間設定温度と異なる場合がある。
これにより、2箇所以上の対象空間で異なる空間設定温度が設定された場合でも、各吹出気流が隣接する空間まで到達することを極力防ぎつつ、各対象空間を空間設定温度にする空調を一度に行うことができる。
たとえば、実施の形態2で説明した図11および図12のように、複数の利用者100bおよび利用者100cが、それぞれ異なる空間に対して異なる空間設定温度を同時に入力して設定した場合について考える。実施の形態2のように、1箇所ずつ順番に対象空間の空調を行うと、対象空間の数が極端に多い場合など、一部の利用者100周辺の温度と空間設定温度との差が著しく大きい場合などに、すべての対象空間を空間設定温度にするために多くの時間を要する。このような状況では、一部の利用者100においては、所望する空間設定温度による空間を得ることが難しくなる可能性がある。
図15は、実施の形態3において想定する状況を説明する模式図である。図15は、利用者100aおよび利用者100bが、それぞれ自身の位置を対象として同時に異なる空間設定温度を設定した場合を示す。実施の形態3においては、室内機3は、複数の吹出口30から吹出気流を送り出すことにより、複数の対象空間に対して同時に空調を行うものである。
図15のように、実施の形態3の空調制御装置1は、利用者100aがいる対象空間および利用者100bがいる対象空間を空調する吹出気流を送り出す共通の室内機3を1台選定する。さらに、共通の室内機3の周辺の室内機3から、各対象空間に対応して吹出気流を送り出す複数の室内機3を選定する。
次に、利用者100aがいる対象空間および利用者100bがいる対象空間に対する空調制御として、共通の室内機3と各対象空間に対応した室内機3から、室内機設定温度の異なる吹出気流を、各対象空間の真上に位置する気流衝突点で衝突させ、混合させる。このとき、各室内機3における室内機設定温度は、吹出気流を混合した空気の温度が、各利用者100が対象空間の温度として設定した空間設定温度となるように決定される。衝突した空気が各利用者100に真上から到達することで、対象空間は、各利用者100が所望する温度となる。このとき、共通の室内機3の室内機設定温度は同じであるため、吹出気流は同じ温度となる。そして、空調制御装置1は、各対象空間の真上に位置する気流衝突点において、共通の室内機3の吹出気流と衝突し、混合した空気の温度が空間設定温度となるように、各対象空間に対応した室内機3の室内機設定温度を決定する。
空調を行う対象空間および空調に用いる室内機3の決定は、後述するように、空間情報処理部12aが行う。また、共通の室内機3と各対象空間に対応した室内機3とにおける室内機設定温度は、後述するように、記憶装置11が有する室内環境分布モデル11fを用いて、設定温度選択部12hが決定する。
図16は、実施の形態3に係る空調制御装置1の構成例を示す図である。図16において、図5および図13と同じ符号を付している機器などについては、同一または相当部分を示す。図16に示すように、実施の形態3の空調制御装置1では、記憶装置11が、室内環境分布モデル11fをさらに有する。また、演算装置12が、設定温度選択部12hをさらに有する。
<実施の形態3における空間情報処理部12a>
実施の形態3の空間情報処理部12aは、実施の形態1および実施の形態2で行う処理に加えて、設定入力データ11aに含まれる利用者100が設定した空間設定温度、対象空間の位置情報などから、空調を同時に行う複数の対象空間を選定する処理を行う。空間情報処理部12aが行うその他の処理は、実施の形態1および実施の形態2で説明した処理と同様である。
ここで、空間情報処理部12aが複数の対象空間を選定する方法については、特に限定しない。たとえば、空間設定温度が比較的近い対象空間同士を選定する方法、距離が比較的近い対象空間同士を選定する方法などがある。
<室内環境分布モデル11f>
室内環境分布モデル11fは、室内機3からの吹出気流の風向、風速などの値、設定入力データ11aに含まれる空間設定温度、センサ5が計測したデータおよび運転条件データ11cなどと、室内各点における環境との関係をモデル化したデータである。室内各点における環境としては、温度、放射温度、相対湿度および風速などがある。
室内各点における環境の計算方法は、たとえば、あらかじめ室の形状情報に基づいて室内の空間を複数領域に分割し、各領域における温度や流速をCFD(Computational Fluid Dynamics:数値流体力学)解析して求める方法がある。CFD解析に用いる流体の支配方程式は、たとえば、式(5)~式(7)で表すことができる。
Figure 0007038896000005
Figure 0007038896000006
Figure 0007038896000007
ここで、uは、3次元の速度ベクトル[m/s]である。また、tは、時間[s]、pは、圧力[Pa]、ρは、密度[kg/m]およびμは、粘性係数[Pa・s]、ρは、基準密度[kg/m]およびgは、重力加速度[m/s]である。そして、Cは、定圧比熱[Pa・s]または[(W・s)/(kg・℃)]、Tは、温度[℃]、kは、熱伝導率[W/(m・℃)]およびQは、内部発熱量[W/m]である。
式(5)は、流体の質量保存を表す連続の式である。また、式(6)は、運動量保存を表す非圧縮性ナビエ・ストークス方程式である。そして、式(7)は、エネルギー方程式である。計算実行部12gは、式(5)~式(7)を、適当な初期値、境界条件の下で解くことにより、分割した各領域の温度、風速などを算出する。この場合、室内機3の設定値、運転条件データ11c、設定入力データ11a、センサ5の計測に係るデータを、解析における初期値および境界条件値として用いる。
<計算実行部12g>
計算実行部12gは、気流経路決定部12dが有する。計算実行部12gは、室内環境分布モデル11fを用いて、各室内機3から送り出される室内機設定温度の吹出気流の衝突および混合後における空気の温度を、空調を行う対象空間毎に計算する。計算実行部12gが行う計算には、運転条件データ11cに含まれる室内機3の室内機設定温度などの制御仕様が用いられる。また、設定入力データ11aに含まれる各利用者100がリモコン4を介して入力した対象空間における空間設定温度が用いられる。また、空間情報処理部12aおよび運動量計算部12bが出力した複数の吹出口30から送り出される吹出気流の風向および風速などの条件が用いられる。
図17は、実施の形態3に係る計算実行部12gが実行する計算において、境界条件として用いる空調の設定値例を示す図である。図17は、各室内機3の使用可能な室内機設定温度、吹出気流の風速および風向の値を示している。吹出気流の風向および風速については、それぞれ空間情報処理部12aおよび運動量計算部12bが出力した値を用いる。図17では、風速v~風速v、上下風向φ~上下風向φ、左右風向θ~左右風向θで表される。また、各室内機3の室内機設定温度をパラメータとして、各室内機3の室内機設定温度の組合せ1つに対して、吹出気流の衝突および混合後における空気の温度の計算結果を、各対象空間で1つ計算する。図17の最後列に示す値は、各条件において出力された対象空間における空気の温度である。図17では、例として、利用者100aがいる対象空間Aおよび利用者100bがいる対象空間Bの計算結果を示している。
<設定温度選択部12h>
設定温度選択部12hは、気流経路決定部12dが有する。設定温度選択部12hは、計算実行部12gが計算した各対象空間における温度の結果から、複数の対象空間における所望の空間設定温度をそれぞれ実現する室内機3の室内機設定温度の組合せを1つ選択する。設定温度選択部12hは、各室内機3の室内機設定温度の組合せを選択した後、選択後の室内機設定温度を運転条件決定部12cに出力する。
各室内機3の室内機設定温度の選択方法には、各対象空間における温度計算結果の値と各利用者100が入力した空間設定温度の差が最も小さくなるように、各室内機3の室内機設定温度を選択するなどの方法がある。
図18は、実施の形態3に係る空調制御装置1における処理の流れを説明する図である。空調制御装置1が行う処理は、主として演算装置12が行う。ここでは、空調制御装置1の処理を空調システム全体の流れとともに説明する。
ステップST21で、利用者100がリモコン4から入力した空調の対象空間における空間設定温度が空調制御装置1に送られ、受信装置13が受信する。そして、空間設定温度のデータが設定入力データ11aとして記憶装置11に記憶される(ステップST21)。
ステップST22で、演算装置12は、室内機3の制御仕様、台数、位置情報、室内の形状情報などの運転条件データ11cおよび空間設定温度などを含む設定入力データ11aを、記憶装置11から読み込む(ステップST22)。
ステップST23で、設定情報処理部12fが、空調を行う対象空間における制御の継続時間および複数の対象空間における制御の順番を決定する(ステップST23)。
ステップST24で、設定情報処理部12fが、空間情報処理部12aに、空調を行う対象空間におけるそれぞれの空間位置情報のデータを出力する。また、設定情報処理部12fは、運転条件決定部12cに、制御の継続時間および制御対象とする空間の順番に係るデータを出力する(ステップST24)。
ステップST25で、演算装置12の空間情報処理部12aが、ステップST22で取得した運転条件データ11cおよび設定入力データ11aに基づいて、気流衝突点を設定する。空間情報処理部12aは、さらに、設定した気流衝突点の位置情報のデータに基づいて、対象空間の空調を行う複数の室内機3の吹出口30を選定する。そして、空間情報処理部12aは、各吹出口30からの気流衝突点に対する上下および左右の風向をそれぞれ演算する(ステップST25)。
ステップST26で、演算装置12の運動量計算部12bが、記憶装置11に記憶された運動量計算モデル11bを用いて、複数の吹出口30からの吹出気流の運動量を演算する。さらに、運動量計算部12bは、各吹出口30から送り出される吹出気流の風速を演算する(ステップST26)。
ステップST27で、演算装置12の計算実行部12gが、室内環境分布モデル11fを用いて、各室内機3の使用可能な室内機設定温度に基づき、吹出気流を衝突および混合させた後における空気の温度を空調を行う対象空間毎に計算する(ステップST27)。
ステップST28で、演算装置12の設定温度選択部12hが、計算実行部12gが計算した各対象空間の空気の温度から、複数の対象空間の空間設定温度をそれぞれ実現するような複数の室内機3の室内機設定温度の組合せを1つ選択する(ステップST28)。
ステップST29で、演算装置12の運転条件決定部12cが、ステップST25で決定した各吹出口30からの吹出気流の風向、ステップST26で決定した各吹出口30からの吹出気流の風速および室内機設定温度を新たな空調の設定値として決定する。そして、運転条件決定部12cは、決定した空調の設定値を、空調機器運転状態データ11dとして、記憶装置11に記憶する(ステップST29)。
ステップST30で、演算装置12の制御指令変換部12eが、空調機器運転状態データ11dとして記憶装置11に記憶された設定値を変換する。また、制御指令変換部12eは、変換した制御指令データ11eを記憶装置11に記憶する。そして、送信装置14が制御指令データ11eを含む信号を室外機2および室内機3に送り、空調機器運転状態を更新する(ステップST30)。
ステップST31で、運転条件決定部12cは、ステップST23で決定した制御の継続時間が経過した後、対象空間に対して制御を終了させる設定値を決定する。運転条件決定部12cは、決定した設定値を、空調機器運転状態データ11dとして、記憶装置11に記憶する。運転条件決定部12cが記憶装置11に記憶した空調機器運転状態データ11dは、実施の形態1と同様に、制御指令変換部12eが、室外機2および室内機3に対する制御指令データ11eに変換する。送信装置14は、対応する室外機2および室内機3に制御指令データ11eを含む信号を送信し、対象空間を空調している空調機器の制御を終了する(ステップST31)。
ステップST32で、運転条件決定部12cが、選定されていない対象空間が存在するかどうかを判定する(ステップST32)。運転条件決定部12cは、選定されていない対象空間が存在すると判定すると、演算装置12においては、ステップST24に戻る。そして、設定情報処理部12fは、他の対象空間に対する空調機器の制御に係る処理を行わせる(ステップST24)。
一方、ステップST32で、運転条件決定部12cが、選定されていない対象空間が存在しない(全ての対象空間が選定された)と判定すると、空調制御装置1の演算装置12は、処理を終了する。
このように、実施の形態3の空調制御装置1では、記憶装置11が室内環境分布モデル11fをさらに有する。また、演算装置12は、計算実行部12gおよび設定温度選択部12hをさらに有する。このため、実施の形態3の空調制御装置1は、空調を行う2箇所以上の対象空間に対し、複数の室内機3から温度の異なる吹出気流を送り出し、各対象空間の真上に位置する空間で衝突および混合させ、空間設定温度の空気を送る。これにより、一度に空調を行うことができる。したがって、複数の利用者100がそれぞれ異なる空間で異なる温度を設定しても、複数の利用者100が所望する温度で、複数の対象空間を一度に空調することができる。
1 空調制御装置、2 室外機、3,31,32,33,34 室内機、4,4a~4x リモコン、5,5a,5b センサ、6 制御ネットワーク、11 記憶装置、11a 設定入力データ、11b 運動量計算モデル、11c 運転条件データ、11d 空調機器運転状態データ、11e 制御指令データ、11f 室内環境分布モデル、12 演算装置、12a 空間情報処理部、12b 運動量計算部、12c 運転条件決定部、12d 気流経路決定部、12e 制御指令変換部、12f 設定情報処理部、12g 計算実行部、12h 設定温度選択部、13 受信装置、14 送信装置、30,30-1,30-2,30-3,30i,31a,31b,31c,31d,32a,32b,32c,32d,33a,33b,33c,33d,34a,34b,34c,34d 吹出口、100,100a~100x 利用者、200 天井面。

Claims (1)

  1. 室外機および吹出口を有する複数の室内機となる空気調和機器を制御する空気調和制御装置であって、
    空気調和を行う対象空間に設定される空間設定温度および前記対象空間の空間位置情報を含む設定入力データを記憶する記憶装置と、
    前記設定入力データに基づき、複数の前記室内機に対し、それぞれの前記吹出口から送り出される吹出気流を前記対象空間の真上に位置する空間で衝突させ、前記空間設定温度の空気を前記対象空間に到達させる制御を行う演算装置とを備え、
    前記記憶装置は、
    前記設定入力データと複数の前記吹出口から送り出される前記吹出気流の風向と、それぞれの前記吹出気流に係る物理量をパラメータとして有する計算式とをモデル化した運動量計算モデル並びにそれぞれの前記吹出口から送り出される前記吹出気流の風速および風向の設定値、前記設定入力データに含まれる前記空間設定温度および複数の前記対象空間を有する室内における各点の環境との関係をモデル化した室内環境分布モデルをデータとして記憶し、
    前記演算装置は、
    前記運動量計算モデルに基づいて、前記吹出気流を送り出す複数の前記吹出口を決定し、決定した前記吹出口を有する前記室内機および前記室内機に熱供給する前記室外機の運転状態を決定して運転状態データを出力する気流経路決定部と、前記気流経路決定部が出力した前記運転状態データを、前記空気調和機器に指示を行う制御指令データに変換する制御指令変換部とを有し、
    前記気流経路決定部は、
    前記設定入力データと複数の前記室内機が有する前記吹出口の吹出口位置情報を含む運転条件データとを用いて、複数の前記室内機が有する前記吹出口から送り出す前記吹出気流の風向を決定する空間情報処理部と、
    前記室内環境分布モデルを用いて前記各点の環境に係る計算を行う計算実行部と、
    前記計算実行部の計算結果を用いて、複数の前記室内機における室内機設定温度を選択する設定温度選択部と、
    複数の前記吹出口から送り出される前記吹出気流の風向および風速並びに前記設定温度選択部が選択した前記室内機設定温度を、前記空気調和機器の運転条件データとして決定する運転条件決定部とを有し、
    前記設定温度選択部は、
    複数の前記対象空間における前記空間設定温度を実現する前記室内機設定温度を選択する処理を行う空気調和制御装置。
JP2021502916A 2020-08-14 2020-08-14 空気調和制御装置 Active JP7038896B1 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/JP2020/030899 WO2022034688A1 (ja) 2020-08-14 2020-08-14 空気調和制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2022034688A1 JPWO2022034688A1 (ja) 2022-02-17
JP7038896B1 true JP7038896B1 (ja) 2022-03-18

Family

ID=80247052

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021502916A Active JP7038896B1 (ja) 2020-08-14 2020-08-14 空気調和制御装置

Country Status (3)

Country Link
US (1) US20230250990A1 (ja)
JP (1) JP7038896B1 (ja)
WO (1) WO2022034688A1 (ja)

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62202953A (ja) * 1985-11-11 1987-09-07 Hitachi Ltd 空気調和方法とその装置
JPH04297740A (ja) * 1991-03-15 1992-10-21 Mitsubishi Electric Corp 空気調和機
JP2006226578A (ja) * 2005-02-16 2006-08-31 Daikin Ind Ltd 空調システム及び制御方法
WO2016117088A1 (ja) * 2015-01-22 2016-07-28 三菱電機株式会社 空気調和機の室内機及び空気調和機及び気流制御方法
JP2019020096A (ja) * 2017-07-21 2019-02-07 ダイキン工業株式会社 空気調和装置
WO2019235109A1 (ja) * 2018-06-06 2019-12-12 三菱電機株式会社 空調制御装置、空調制御方法、及び空調制御システム

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62202953A (ja) * 1985-11-11 1987-09-07 Hitachi Ltd 空気調和方法とその装置
JPH04297740A (ja) * 1991-03-15 1992-10-21 Mitsubishi Electric Corp 空気調和機
JP2006226578A (ja) * 2005-02-16 2006-08-31 Daikin Ind Ltd 空調システム及び制御方法
WO2016117088A1 (ja) * 2015-01-22 2016-07-28 三菱電機株式会社 空気調和機の室内機及び空気調和機及び気流制御方法
JP2019020096A (ja) * 2017-07-21 2019-02-07 ダイキン工業株式会社 空気調和装置
WO2019235109A1 (ja) * 2018-06-06 2019-12-12 三菱電機株式会社 空調制御装置、空調制御方法、及び空調制御システム

Also Published As

Publication number Publication date
JPWO2022034688A1 (ja) 2022-02-17
WO2022034688A1 (ja) 2022-02-17
US20230250990A1 (en) 2023-08-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6052466B1 (ja) 空調制御システム
JP6782744B2 (ja) 空調制御装置
WO2020135833A1 (zh) 空调的控制方法、装置、存储介质及计算机设备
WO2020135841A1 (zh) 空调的控制方法、装置、存储介质及计算机设备
WO2020135845A1 (zh) 空调的控制方法、装置、存储介质及计算机设备
AU2008205868B2 (en) Air conditioning blow-out panel, air conditioning control system including the same and air conditioning control method
WO2020135834A1 (zh) 空调的控制方法、装置、存储介质及计算机设备
WO2020135821A1 (zh) 空调的控制方法、装置、存储介质及计算机设备
WO2020135844A1 (zh) 空调的控制方法、装置、存储介质及计算机设备
WO2020135819A1 (zh) 空调的控制方法、装置、存储介质及计算机设备
WO2020135820A1 (zh) 空调的控制方法、装置、存储介质及计算机设备
WO2020135837A1 (zh) 空调的控制方法、装置、存储介质及计算机设备
WO2020135835A1 (zh) 空调的控制方法、装置、存储介质及计算机设备
WO2020135836A1 (zh) 空调的控制方法、装置、存储介质及计算机设备
WO2021199381A1 (ja) 空気調和システムおよび空気調和装置の制御方法
WO2019235109A1 (ja) 空調制御装置、空調制御方法、及び空調制御システム
KR20210100355A (ko) 공기 조화기 및 이의 제어 방법
KR102130402B1 (ko) 열화상 카메라를 이용한 실내 온열 환경 평가 장치 및 그 방법
JP5411063B2 (ja) 作業エリア温度コントロールシステム
CN112178785A (zh) 一种空调器除湿控制方法及除湿控制设备
JP7038896B1 (ja) 空気調和制御装置
JP6280456B2 (ja) 空調システムおよび空調制御方法
KR20210027868A (ko) 열화상 카메라를 이용한 실내 표면 온도 측정 장치 및 그 방법
JP2003503689A (ja) 空間中の流体のフローパターンを決定するための方法および装置
JP7458933B2 (ja) 空調システム

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210118

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210118

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20210118

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20210430

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210511

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210623

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20210921

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20211208

C60 Trial request (containing other claim documents, opposition documents)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C60

Effective date: 20211208

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20211220

C21 Notice of transfer of a case for reconsideration by examiners before appeal proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C21

Effective date: 20211221

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220301

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220308

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7038896

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150