JP7038350B2 - 情報提供装置、情報提供方法、および情報提供プログラム - Google Patents

Description

本発明は、情報提供装置、情報提供方法、および情報提供プログラムに関するものであり、具体的には、宿泊施設のユーザからの評価情報を有効活用し、客室販売の機会増大、収益性の改善を図る技術に関する。

ホテルや旅館といった宿泊施設は、自社サイトでの客室販売に加え、いわゆるＯＴＡへの販売委託を行い、販売機会の拡大等を図っている。一方、そうした客室販売を行うＯＴＡでは、販売した客室に関して、各ユーザからの評価を受け付けて集計し、これを当該宿泊施設の総合評価等に反映させる仕組みを備えている。

このような、宿泊施設の評価に関連する従来技術としては、例えば、他装置とネットワークを介して通信する通信装置と、所定宿泊施設および前記所定宿泊施設以外の他宿泊施設に関する、客室販売価格と顧客評価値とを少なくとも含む所定情報を、複数のネットエージェントそれぞれのＷＥＢサイト、前記所定宿泊施設と契約したサイトコントローラ、および各宿泊施設自身が運営する公式ＷＥＢサイトの少なくともいずれかから、所定時間毎に取得する処理と、前記取得した情報に基づき、前記所定宿泊施設と顧客評価値が所定範囲で近しい競合施設たる他宿泊施設、または前記所定宿泊施設の近隣宿泊施設であって所定端末から指定を受けた競合施設たる他宿泊施設と、その客室販売価格を各ネットエージェントのＷＥＢサイトごと又は前記公式ＷＥＢサイトごとに特定し、当該特定した競合施設の顧客評価値と前記所定宿泊施設の顧客評価値との乖離幅と乖離方向に応じ、該当ネットエージェントのＷＥＢサイト又は前記公式ＷＥＢサイトにおける前記所定宿泊施設または前記競合施設の客室販売価格を所定割合で上下させた価格を、前記所定宿泊施設への提案価格として算定する処理と、前記所定宿泊施設の端末への前記提案価格の通知、または該当ネットエージェント或いは前記所定宿泊施設の公式ＷＥＢサイトの所定サーバに対する、前記提案価格を該当ＷＥＢサイトでの客室販売価格とする旨の設定指示、の少なくともいずれかを行う処理を実行する演算装置と、を備えることを特徴とするレベニューマネジメントシステム（特許文献１参照）などが提案されている。

また、ネットワーク通信を通じてホテル端末及び顧客端末と通信するサーバーにより構成され、前記ホテル端末から価格帯別の客室内容データを受信する手段と、受信した前記客室内容データを価格帯別に登録する手段と、前記顧客端末へアンケート入力画面を送信する手段と、前記顧客端末において前記アンケート入力画面に入力されたアンケート結果情報を受信する手段と、前記アンケート結果情報を価格帯別にホテル毎に振り分けて記憶する手段と、前記アンケート結果情報を価格帯別にホテル毎に集計し、集計結果を価格帯別にホテル毎に記憶する手段と、価格帯別にホテル毎に記憶した集計結果に基づいて、価格帯別にホテルの順位付けを行って順位付け表を価格帯別に記憶する手段と、前記順位付け表を価格帯別に表示する手段と、を含むホテル評価システム（特許文献２参照）なども提案されている。

特開２０１６－２７４６１号公報 特開２００５－７０９９１号公報

上述のユーザから寄せられる評価は、例えば、サービス、客室、立地、食事といった項目別の評価点数と、当該宿泊施設に関する総合点数とで構成されるケースが多い。

こうした点数を集計し、星の数や５段階評価などのシンプルな形で公開すれば、上述のＯＴＡのサイトを訪れたユーザらは、当該宿泊施設の一般的な評価を認識し、自身の購買行動の参考とできる。

ところが、こうして公開される情報は、ごく大まかな概念についての簡単な印象程度の意味合いが強い。そのため、ユーザにおける購買行動で漠然と参照される対象ではあっても、宿泊施設やＯＴＡといった事業者側の業務視点で十分な有効活用が図られるものではなかった。

事業者側からすれば、上述のようなユーザビリティ向上の観点とは別に、ユーザからの評価をより具体的な業務や施設の改善に落とし込み、客室販売の機会増大とそれに伴う収益性向上を図る観点が非常に重要となってくる。
そこで本発明の目的は、宿泊施設のユーザからの評価情報を有効活用し、客室販売の機会増大、収益性の改善を図る技術を提供することにある。

上記課題を解決する本発明の情報提供装置は、宿泊施設の顧客による口コミ情報を保持する記憶装置と、前記口コミ情報が含む語彙に基づき、前記宿泊施設に関する所定事象の評価属性を判定し、前記評価属性が所定基準を下回る事象の改善策を予め定めた所定ルールで特定し、当該改善策の情報を所定の端末に出力する演算装置と、を含むことを特徴とする。

なお、上述の情報提供装置において、前記記憶装置は、宿泊施設に関して各顧客による評価を集計した評価結果、および宿泊施設における販売実績の少なくともいずれかの情報を更に保持し、前記演算装置は、前記改善策の情報の出力に際し、当該改善策を導入済みの他宿泊施設又は前記事象に関して評価属性が所定基準以上である他宿泊施設における前記評価結果、および、当該他宿泊施設における販売実績、の少なくともいずれかの情報を更に出力するものである、としてもよい。

また、上述の情報提供装置において、前記演算装置は、前記改善策の情報を出力した後、所定期間における、当該宿泊施設における前記評価属性または前記評価結果の情報、および、当該宿泊施設における販売実績の情報、の少なくともいずれかについて、当該宿泊施設ないし当該宿泊施設の客室販売を行うネットエージェントの所定装置から取得し、当該情報を記憶装置に格納し、以後の前記改善策の情報の出力に際し、前記改善策を導入済みの他宿泊施設又は前記事象に関して評価属性が所定基準以上である他宿泊施設における、前記所定期間における前記評価結果の上昇に関する情報、および、当該他宿泊施設における販売実績の増大に関する情報、の少なくともいずれかの情報を出力するものである、としてもよい。

また、上述の情報提供装置において、前記演算装置は、前記改善策の特定に際し、当該事象に関して保持する他の口コミ情報のうち、前記評価属性が所定基準以上であるものが含む情報を、前記改善策の情報として出力するものである、としてもよい。

また、上述の情報提供装置において、前記演算装置は、前記口コミ情報に対する形態素解析結果が含む各語彙のうち、主語とその他の品詞とのセットに基づくセンチメント分析を実行して、前記主語が示す事象に関する評価として、ポジティブ、ネガティブ、リクエスト、クリティカル、および無関係、の各値を特定し、当該値を所定計算式に適用することで前記事象に関する前記評価属性のスコアを算定するものである、としてもよい。なお、上述のポジティブ、ネガティブ、リクエスト、クリティカル、および無関係に加え、Ｈａｐｐｙ，Ｓａｄ，Ａｎｇｒｙ、といった感情要素に関する値を想定してもよい。この点は、以降の該当記述に関して全て同様に適用される。

また、本発明の情報提供方法は、宿泊施設の顧客による口コミ情報を保持する記憶装置を備える情報処理装置が、前記口コミ情報が含む語彙に基づき、前記宿泊施設に関する所定事象の評価属性を判定し、前記評価属性が所定基準を下回る事象の改善策を予め定めた所定ルールで特定し、当該改善策の情報を所定の端末に出力する、ことを特徴とする。

なお、上述の情報提供方法において、前記情報処理装置が、前記記憶装置にて、宿泊施設に関して各顧客による評価を集計した評価結果、および宿泊施設における販売実績の各情報を更に保持し、前記改善策の情報の出力に際し、当該改善策を導入済みの他宿泊施設又は前記事象に関して評価属性が所定基準以上である他宿泊施設における前記評価結果、および、当該他宿泊施設における販売実績、の少なくともいずれかの情報を更に出力する、としてもよい。

また、上述の情報提供方法において、前記情報処理装置が、前記改善策の情報を出力した後、所定期間における、当該宿泊施設における前記評価属性または前記評価結果の情報、および、当該宿泊施設における販売実績の情報、の少なくともいずれかについて、当該宿泊施設ないし当該宿泊施設の客室販売を行うネットエージェントの所定装置から取得し、当該情報を記憶装置に格納し、以後の前記改善策の情報の出力に際し、前記改善策を導入済みの他宿泊施設又は前記事象に関して評価属性が所定基準以上である他宿泊施設における、前記所定期間における前記評価結果の上昇に関する情報、および、当該他宿泊施設における販売実績の増大に関する情報、の少なくともいずれかの情報を出力する、としてもよい。

また、上述の情報提供方法において、前記情報処理装置が、前記改善策の特定に際し、当該事象に関して保持する他の口コミ情報のうち、前記評価属性が所定基準以上であるものが含む情報を、前記改善策の情報として出力する、としてもよい。

また、上述の情報提供方法において、前記情報処理装置が、前記口コミ情報に対する形態素解析結果が含む各語彙のうち、主語とその他の品詞とのセットに基づくセンチメント分析を実行して、前記主語が示す事象に関する評価として、ポジティブ、ネガティブ、リクエスト、クリティカル、および無関係、の各値を特定し、当該値を所定計算式に適用することで前記事象に関する前記評価属性のスコアを算定する、としてもよい。

また、本発明の情報提供プログラムは、宿泊施設の顧客による口コミ情報を保持する記憶装置を備える情報処理装置に、前記口コミ情報が含む語彙に基づき、前記宿泊施設に関する所定事象の評価属性を判定し、前記評価属性が所定基準を下回る事象の改善策を予め定めた所定ルールで特定し、当該改善策の情報を所定の端末に出力する処理を実行させる、ことを特徴とする。

本発明によれば、宿泊施設のユーザからの評価情報を有効活用し、客室販売の機会増大、収益性の改善を図ることが可能となる。

本実施形態の情報提供装置を含むネットワーク構成図である。 本実施形態における情報提供装置のハードウェア構成例を示す図である。 本実施形態の口コミＤＢのデータ構成例を示す図である。 本実施形態の分析結果ＤＢのデータ構成例を示す図である。 本実施形態の評価情報ＤＢのデータ構成例を示す図である。 本実施形態の販売実績ＤＢのデータ構成例を示す図である。 本実施形態における情報提供方法のフロー例１を示す図である。 本実施形態における形態素解析結果の例を示す図である。 本実施形態における情報提供方法のフロー例２を示す図である。 本実施形態における画面例１を示す図である。 本実施形態における画面例２を示す図である。 本実施形態における画面例３を示す図である。 本実施形態における情報提供方法のフロー例３を示す図である。 本実施形態における画面例４を示す図である。

－－－ネットワーク構成－－－

以下に本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。図１は、本実施形態の情報提供装置１００を含むネットワーク構成図である。図１に示す情報提供装置１００は、宿泊施設のユーザからの評価情報を有効活用し、客室販売の機会増大、収益性の改善を図るコンピュータ装置である。

より具体的には、情報提供装置１００は、例えば、ＯＴＡ（Ｏｎｌｉｎｅ Ｔｒａｖｅｌ Ａｇｅｎｔ）またはその提携事業者側が運営するサーバ装置を想定できる。

一方、本実施形態の情報提供装置１００が、処理結果である改善策の情報を出力し提示する対象は、当該情報提供装置１００によるサービス提供を享受すべく契約した或る宿泊業者（の宿泊施設端末４００）である。

ただし、これに限定するものではなく、例えば、情報提供装置１００の運用事業者が、ＯＴＡの運用するネットエージェントサーバ３００から口コミ情報等を得て、当該ＯＴＡに改善策の情報を提示・出力する形態も勿論想定可能である。

よって、情報提供装置１００は、インターネットなどの適宜なネットワーク１０を介し、上述の宿泊業者の備える宿泊施設端末４００（や改善策の情報提供先としたＯＴＡのネットエージェントサーバ３００）と通信可能に接続されている。

また、上述の宿泊業者は、自宿泊施設の客室販売（宿泊プランの販売概念も含みうる）のため、上述のＯＴＡすなわちネットエージェントと契約し、このネットエージェントに対して自宿泊施設の客室販売を委託しているものとする。

ただし、これはあくまでも説明のための一例であり、宿泊業者が自らの自社サイトで客室販売を行う形態も含むとしてよい。いずれにしても、販売サイトの種類に関して限定しない。

また、本実施形態の情報提供装置１００は、上述の宿泊業者が契約しているネットエージェントのＷＥＢサイトでの、当該宿泊業者の客室商品（すなわち宿泊施設）に関する顧客からの口コミ情報、当該宿泊施設に関して各顧客による評価を集計した評価結果（例：星の数、５点満点での総合評価点数）、および当該宿泊施設における販売実績、といった情報を、一定時間毎にネットエージェントサーバ３００から取得する。

また、上述のネットエージェントが運営するネットエージェントサーバ３００は、各宿泊業者から委託された客室販売を行うＷＥＢサイトを配信するサーバである。

このネットエージェントサーバ３００は、客室販売先である顧客のユーザ端末２００から、宿泊施設に関する口コミ情報の投稿や、サービス、客室、立地、食事といった項目別の評価点数と、当該宿泊施設に関する総合点数などの評価の投稿を受け付ける。

また、ネットエージェントサーバ３００は、上述の評価の投稿について、その点数等を集計し、星の数や５段階評価などのシンプルな形でＷＥＢサイトで公開する。

なお、ユーザ端末２００は、顧客の操作に応じて上述のＷＥＢサイトにアクセスし、販売中の客室について購入処理等を行う端末である。具体的には、ＰＣ、スマートフォン、タブレット端末、などネットワーク通信可能な一般的な情報処理端末を想定する。

また、宿泊施設端末４００は、宿泊業者が運用する端末で、情報提供装置１００から改善策の情報の提供を受け、これをディスプレイ等に出力させる端末となる。具体的には、ＰＣ、スマートフォン、タブレット端末、などネットワーク通信可能な一般的な情報処理端末を想定する。
－－－ハードウェア構成－－－

また、本実施形態の情報提供装置１００のハードウェア構成は、図２に示すごとくとなる。情報提供装置１００は、記憶装置１０１、メモリ１０３、演算装置１０４、および、通信装置１０５、を少なくとも備える。
このうち記憶装置１０１は、ＳＳＤ（Ｓｏｌｉｄ Ｓｔａｔｅ Ｄｒｉｖｅ）やハードディスクドライブなど適宜な不揮発性記憶素子で構成される。
また、メモリ１０３は、ＲＡＭなど揮発性記憶素子で構成される。

また、演算装置１０４は、記憶装置１０１に保持されるプログラム１０２をメモリ１０３に読み出すなどして実行し装置自体の統括制御を行なうとともに各種判定、演算及び制御処理を行なうＣＰＵである。

また、通信装置１０５は、インターネットなどの適宜なネットワーク１０と接続し、ユーザ端末２００、ネットエージェントサーバ３００、および宿泊施設端末４００といった他装置との通信処理を担う、ネットワークインターフェイスカードを想定できる。

なお、情報提供装置１００は、上述の構成に加え、ユーザからのキー入力や音声入力を受け付けるキーボードやマウスなどの入力装置、演算装置１０４での処理データの表示を行うディスプレイ等の出力装置も備えるとしてよい。

なお、記憶装置１０１には、本実施形態の情報提供装置として必要な機能を実装する為のプログラム１０２において、形態素解析エンジン１１０およびセンチメント分析エンジン１１１を少なくとも具備している。これらエンジンの詳細については後述する。

また、記憶装置１０１は、上述のプログラム１０２に加えて、口コミＤＢ１２５、分析結果ＤＢ１２６、評価情報ＤＢ１２７、および販売実績ＤＢ１２８が少なくとも記憶されている。ただし、これら各ＤＢの詳細については後述する。
－－－データ構造例－－－
続いて、本実施形態の情報提供装置１００が用いるデータベースについて説明する。図３に、本実施形態における口コミＤＢ１２５の一例を示す。

口コミＤＢ１２５は、ネットエージェントサーバ３００で公開するＷＥＢサイトに寄せられた、各宿泊施設に対する顧客からの口コミ情報を蓄積したデータベースである。

そのデータ構造は、例えば、口コミを一意に特定する口コミＩＤをキーとして、当該口コミの投稿日時、投稿者たる顧客の属性（例：年齢層、性別、利用人数など）、該当宿泊施設の施設ＩＤ、利用日、口コミ内容、といったデータを対応付けたレコードの集合体である。

また、図４に、本実施形態における分析結果ＤＢ１２６の一例を示す。本実施形態における分析結果ＤＢ１２６は、上述の口コミ内容であるテキストデータに基づく所定事象に関するセンチメント分析の結果と、このセンチメント分析の結果に基づく当該事象に関する評価属性のスコアを蓄積したデータベースである。

そのデータ構造は、分析対象となった事象の名称をキーとして、対象宿泊施設の施設ＩＤ、分析日、当該事象に関する評価である、ポジティブ、ネガティブ、リクエスト、クリティカル、および無関係、の各値と、当該値を計算式に適用して得た評価属性のスコア、および、分析リソースとなった口コミの口コミＩＤ、といったデータを対応付けたレコードの集合体である。

また、図５に、本実施形態における評価情報ＤＢ１２７の一例を示す。本実施形態における評価情報ＤＢ１２６は、各宿泊施設に関して上述のネットエージェントサーバ３００のＷＥＢサイトで各顧客から取得し集計した評価結果を蓄積したデータベースである。

そのデータ構造は、各宿泊施設を一意に特定する施設ＩＤをキーとして、評価対象期間、総合点数、項目別（例：サービス、客室、立地、食事）の評価点数、といったデータを対応付けたレコードの集合体である。

また、図６に、本実施形態における販売実績ＤＢ１２８の一例を示す。本実施形態における販売実績ＤＢ１２８は、各宿泊施設に関する所定期間ごとの販売実績を蓄積したデータベースである。

そのデータ構造は、各宿泊施設を一意に特定する施設ＩＤをキーとして、対象期間、販売単価、販売額、および販売回数、といったデータを対応付けたレコードの集合体である。
－－－フロー例１－－－

以下、本実施形態における情報提供方法の実際手順について図に基づき説明する。以下で説明する情報提供方法に対応する各種動作は、情報提供装置１００がメモリ等に読み出して実行するプログラムによって実現される。そして、このプログラムは、以下に説明される各種の動作を行うためのコードから構成されている。

図７は、本実施形態における情報提供方法のフロー例１を示す図である。ここではまず、口コミ情報の分析を行い、図４で例示した分析結果ＤＢ１２６における各値を算出する処理について説明する。

この場合、情報提供装置１００は、口コミＤＢ１２５を参照し、例えば投稿日時（または利用日）が直近１ヶ月といった所定期間に関する各レコードを施設ＩＤごとにグルーピングする（ｓ１０）。

また、情報提供装置１００は、ｓ１０で得た各グループごと、すなわち宿泊施設ごとのレコード各々から、口コミ内容の値を抽出する（ｓ１１）。ここで抽出される値は、口コミ内容を記述したテキストデータとなる。
続いて、情報提供装置１００は、ｓ１１で得た口コミ内容の値を、形態素解析エンジン１１０に入力し、形態素解析を実行する（ｓ１２）。

ここでの形態素解析は、一般的な形態素解析アルゴリズムに基づくもので、その結果８００は図８にて示すように、所定期間において該当宿泊施設に関して寄せられた各口コミの記述が含む、主語、述語、補語（形容詞含む）、といった品詞を語彙ごとに特定した情報が該当することになる。

また、情報提供装置１００は、ｓ１２で得た上述の形態素解析結果８００を、センチメント分析エンジン１１１に入力し、主語とその他の品詞とのセットに基づくセンチメント分析を実行する（ｓ１３）。このセンチメント分析自体は、既存技術を適宜に適用すればよい。

情報提供装置１００は、ｓ１３のセンチメント分析により、主語が示す事象に関する評価として、ポジティブ、ネガティブ、リクエスト、クリティカル、および無関係、の各値の情報を得る。そうした値の例としては、図４にて既に示したように、事象「風呂」について、ポジティブ：１５％、ネガティブ：５０％、リクエスト：１１％、クリティカル：２２％、無関係：２％、といった値をとる。
なお、「ポジティブ」の値は、当該宿泊施設における該当事象に関して、各口コミが示す肯定的要素（例：素晴らしい）の占める割合である。
また、「ネガティブ」の値は、当該宿泊施設における該当事象に関して、各口コミが示す否定的要素（例：不満足だ）の占める割合である。
また、「リクエスト」の値は、当該宿泊施設における該当事象に関して、各口コミが示す要求要素（例：改善して欲しい）の占める割合である。
また、「クリティカル」の値は、当該宿泊施設における該当事象に関して、各口コミが示す危機的要素（例：以後絶対に利用しない）の占める割合である。
また、「無関係」の値は、当該宿泊施設における該当事象に関して、各口コミが示す宿泊施設に無関係な要素（例：晴れていた）の占める割合である。

続いて、情報提供装置１００は、ｓ１３のセンチメント分析で得た結果を、予め定めた所定の計算式に適用し、当該事象に関する評価属性のスコア（例：６２点）を算定する（ｓ１４）。

例えば、スコア＝ポジティブ値×ａ－ネガティブ値×ｂ－リクエスト値×ｃ－クリティカル値×ｄ、といった計算式（ａ～ｄは定数）を想定できるが、勿論これに限定するものではなく、種々の算定式や、或いは人工知能システムによる算定方式なども適宜に採用できる。

また、情報提供装置１００は、上述の事象に関して各施設について得てきた、センチメント分析結果と評価属性のスコアを含むレコードを生成し、これを分析結果ＤＢ１２６に格納し（ｓ１５）、本フローを終了する。
－－－フロー例２－－－

続いて、上述のフロー例１で得た結果に基づき、当該宿泊施設に関する改善策の情報提供の処理について説明する。図９は、本実施形態における情報提供方法のフロー例２を示す図である。
この場合、情報提供装置１００は、分析結果ＤＢ１２６を参照し、例えば、「スコア」欄の値が所定の基準を下回っているレコードを特定する（ｓ２０）。

そうしたスコアの基準が例えば「５０」であったとして、図４の分析結果ＤＢ１２６の各レコードを参照すると、事象「風呂」に関する施設「ｆ０２０１」のレコードが特定されることとなる。

次に情報提供装置１００は、ｓ２０で特定したレコードの事象「風呂」に関して保持する他の口コミ情報のうち、上述の「スコア」が所定の基準（例：６０）以上であるものを特定する（ｓ２１）。

図４の分析結果ＤＢ１２６の例であれば、事象「風呂」に関するレコードで、スコアが「６０」以上のものとして施設「ｆ０００１」のレコードが特定され、このレコードの「対象口コミＩＤ」欄から、「ｒ０００１、ｒ０００３、・・・」の各口コミ情報を特定できることになる。

そこで情報提供装置１００は、ｓ２１で特定した口コミＩＤのうち例えば「ｒ０００４」をキーに、口コミＤＢ１２５を検索し、該当レコードにおける「口コミ内容」の値「内風呂での檜の香りに感動し・・・」を取得する（ｓ２２）。

なお、ここでは口コミＤＢ１２５を検索して口コミ内容の値を取得する例を示したが、形態素解析結果８００にて該当口コミＩＤをキーに検索を行って、主語、述語、補語、の各語彙の値を取得するとしてもよい。

続いて、情報提供装置１００は、ｓ２２で得た口コミ内容の値から、例えば、主語「内風呂」と補語「檜の香りに」の各語彙を抽出し、これを所定のフォーマットにセットすることで、「お風呂を檜にすることをお薦めします」といった、改善策の情報を生成する（ｓ２３）。

情報提供装置１００は、ｓ２３で生成した改善策の情報（図１０の画面１０００参照）を、ｓ２０でレコードを特定した宿泊施設「ｆ０２０１」の宿泊施設端末４００に向けて配信し（ｓ２４）、処理を終了する。

なお、この改善策の情報の配信に際し、情報提供装置１００は、当該改善策を導入済みの他宿泊施設、又は当該事象「風呂」に関して上述のスコアが所定基準以上である他宿泊施設、における評価結果（評価情報ＤＢ１２７の格納されている）の情報を更に出力するとすれば更に好適である（図１１の画面１１００参照）。

上述の具体例の場合、該当改善策である「風呂」が「檜」である他宿泊施設は、口コミＤＢ１２５の「口コミ内容」欄に当語彙の値に含まれる「ｆ０００１」であり、また、当該事象「風呂」に関して上述のスコアが基準の「６０」以上である他宿泊施設も「ｆ０００１」である。よって、情報提供装置１００は、この宿泊施設「ｆ０００１」、における評価結果の情報を、評価情報ＤＢ１２７から取得する。

図５に示した評価情報ＤＢ１２７の例であれば、この宿泊施設「ｆ０００１」に関して、評価対象期間「２０１８０９」について、総合点数「３．９」、項目別の評価点数のうち「サービス」が３．８点、「客室」が４．５点、「立地」が４．３点、「食事」が３．９点、といった値が得られる。また同様に、評価対象期間「２０１８１０」について、総合点数「４．６」、項目別の評価点数のうち「サービス」が４．８点、「客室」が４．５点、「立地」が４．４点、「食事」が４．９点、といった値が得られる。

つまり、これら総合点数や項目別の評価点数の情報が、改善策の情報と共に宿泊施設端末４００に配信されることとなる。その情報を閲覧する宿泊施設の担当者らは、事象「風呂」に関しての改善策と共に、その事象に関して優れている他宿泊施設に対して、顧客らが与えている評価についても認識可能となる。換言すれば、該当事象に関して改善を行えば、顧客からの評価がどの程度高まる可能性が見込めるか、概要を把握できるのである。
或いは更に、当該他宿泊施設における販売実績の情報も更にあわせて出力するとしてもよい（図１２の画面１２００参照）。
この場合、情報提供装置１００は、上述の他宿泊施設「ｆ０００１」、における販売実績の情報を、販売実績ＤＢ１２８から取得する。

図６で示した販売実績ＤＢ１２８の例であれば、この宿泊施設「ｆ０００１」に関して、対象期間「２０１８０９」について、販売単価「２４，５００」円、販売額「１，７１５，０００」円、販売回数「７０」回、といった値が得られる。また同様に、対象期間「２０１８１０」について、販売単価「２５，８００」円、販売額「２，７９０，０００」円、販売回数「１０５」回、といった値が得られる。

つまり、これら販売実績の情報が、改善策や評価結果の情報と共に宿泊施設端末４００に配信されることとなる。その情報を閲覧する宿泊施設の担当者らは、事象「風呂」に関しての改善策と共に、その事象に関して優れている他宿泊施設に対して、顧客らが与えている評価と、実際に達成している販売単価、販売額、販売回数といった経済的実績についても認識可能となる。換言すれば、該当事象に関して改善を行えば、顧客からの評価や収益性がどの程度高まる可能性が見込めるか、概要を把握できるのである。

上述の例では、改善策の特定手法として、スコアが基準以上の他施設に関する口コミから該当情報を特定する構成を例示したが、この他にも、例えば、知見ある者による施設やサービスの改善策リストといったものの中から、該当事象に紐付くものを情報提供装置１００が検索して宿泊施設端末４００に配信する形態も想定できる。或いは、そうした知見ある者による改善策の情報入力を都度受けて、これを宿泊施設端末４００に配信する形態も想定できる。
－－－フロー例３－－－

続いて、上述の改善策の情報等を宿泊施設端末４００に配信した以後の処理について説明する。図１３は、本実施形態における情報提供方法のフロー例３を示す図である。

この場合、情報提供装置１００は、例えば、改善策の情報配信から１ヶ月経過までの期間における、当該宿泊施設（改善策の情報配信対象）における、評価属性または評価結果の情報、および、当該宿泊施設における販売実績の情報、の少なくともいずれかについてネットエージェントサーバ３００から取得し、対応する情報を、評価情報ＤＢ１２７、販売実績ＤＢ１２８にそれぞれ格納する（ｓ３０）。

また、情報提供装置１００は、ｓ３０の実行以後に、改善策の情報配信を行う際、該当改善策を導入済みの他宿泊施設又は当該事象に関して評価属性が所定基準以上である他宿泊施設における、例えば、直近２ヶ月の各月における評価結果および販売実績の各情報を、評価情報ＤＢ１２７および販売実績ＤＢ１２８から取得する（ｓ３１）。

例えば、２０１８年９月に関して、評価結果として総合点数「３．８」点、販売実績として販売額「１，７１５，０００」円の各情報が、また、２０１８年１０月に関して、総合点数「４．６」点、販売実績として販売額「２，７９０，０００」円の各情報が得られたとする。

続いて、情報提供装置１００は、ｓ３１で各月に関して得た評価結果および販売実績の各情報に基づき、直近月とその前の月とでの評価結果の上昇幅、および、販売実績の増大幅、を算定する（ｓ３２）。
上述の具体例の場合、評価結果の上昇幅は「０．８」、販売実績の増大幅は「１，０７５，０００」円 と算定できる。

続いて、情報提供装置１００は、ｓ３１およびｓ３２で得た情報、すなわち、例えば、直近２ヶ月の各月における評価結果および販売実績の各情報と、直近月とその前の月とでの評価結果の上昇幅および販売実績の増大幅の各情報を、宿泊施設端末４００に配信（図１４の画面１４００参照）して（ｓ３３）、処理を終了する。

こうした情報を閲覧する宿泊施設の担当者らは、事象「風呂」に関しての改善策と共に、その事象に関して優れている他宿泊施設に対して、顧客らが与えている評価、および、実際に達成している販売単価、販売額、販売回数といった経済的実績、の推移についても認識可能となる。換言すれば、該当事象に関して改善を行えば、顧客からの評価や収益性がどの程度高まる可能性が見込めるか、より具体的に把握できるのである。

以上、本発明を実施するための最良の形態などについて具体的に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
こうした本実施形態によれば、宿泊施設のユーザからの評価情報を有効活用し、客室販売の機会増大、収益性の改善を図ることが可能となる。

１０ ネットワーク
１００ 情報提供装置
１０１ 記憶装置
１０２ プログラム
１０３ メモリ
１０４ 演算装置
１０５ 通信装置
１１０ 形態素解析アルゴリズム
１１１ センチメント分析アルゴリズム
１２５ 口コミＤＢ
１２６ 分析結果ＤＢ
１２７ 評価情報ＤＢ
１２８ 販売実績ＤＢ
２００ ユーザ端末
３００ ネットエージェントサーバ
４００ 宿泊施設端末

Claims (7)

1. 宿泊施設の顧客による口コミ情報と、宿泊施設に関して各顧客による評価を集計した評価結果および宿泊施設における販売実績の少なくともいずれかの情報と、を保持する記憶装置と、
   前記口コミ情報が含む語彙に基づき、前記宿泊施設に関する所定事象の評価属性を判定し、前記評価属性が所定基準を下回る事象の改善策を予め定めた所定ルールで特定し、当該改善策の情報を所定の端末に出力した後、所定期間における、当該宿泊施設における前記評価属性または前記評価結果の情報、および、当該宿泊施設における販売実績の情報、の少なくともいずれかについて、当該宿泊施設ないし当該宿泊施設の客室販売を行うネットエージェントの所定装置から取得し、当該情報を記憶装置に格納する処理と、以後の前記改善策の情報の出力に際し、前記改善策を導入済みの他宿泊施設又は前記事象に関して評価属性が所定基準以上である他宿泊施設における、前記所定期間における前記評価結果の上昇に関する情報、および、当該他宿泊施設における販売実績の増大に関する情報、の少なくともいずれかの情報を出力する処理を実行する演算装置と、
   を含むことを特徴とする情報提供装置。
2. 前記演算装置は、
   前記改善策の特定に際し、当該事象に関して保持する他の口コミ情報のうち、前記評価属性が所定基準以上であるものが含む情報を、前記改善策の情報として出力するものである、
   ことを特徴とする請求項１に記載の情報提供装置。
3. 前記演算装置は、
   前記口コミ情報に対する形態素解析結果が含む各語彙のうち、主語とその他の品詞とのセットに基づくセンチメント分析を実行して、前記主語が示す事象に関する評価として、ポジティブ、ネガティブ、リクエスト、クリティカル、および無関係、の各値を特定し、当該値を所定計算式に適用することで前記事象に関する前記評価属性のスコアを算定するものである、
   ことを特徴とする請求項１または２に記載の情報提供装置。
4. 宿泊施設の顧客による口コミ情報と、宿泊施設に関して各顧客による評価を集計した評価結果および宿泊施設における販売実績の少なくともいずれかの情報と、を保持する記憶装置を備える情報処理装置が、
   前記口コミ情報が含む語彙に基づき、前記宿泊施設に関する所定事象の評価属性を判定し、前記評価属性が所定基準を下回る事象の改善策を予め定めた所定ルールで特定し、当該改善策の情報を所定の端末に出力した後、所定期間における、当該宿泊施設における前記評価属性または前記評価結果の情報、および、当該宿泊施設における販売実績の情報、の少なくともいずれかについて、当該宿泊施設ないし当該宿泊施設の客室販売を行うネットエージェントの所定装置から取得し、当該情報を記憶装置に格納する処理と、以後の前記改善策の情報の出力に際し、前記改善策を導入済みの他宿泊施設又は前記事象に関して評価属性が所定基準以上である他宿泊施設における、前記所定期間における前記評価結果の上昇に関する情報、および、当該他宿泊施設における販売実績の増大に関する情報、の少なくともいずれかの情報を出力する処理を実行する、
   ことを特徴とする情報提供方法。
5. 前記情報処理装置が、
   前記改善策の特定に際し、当該事象に関して保持する他の口コミ情報のうち、前記評価属性が所定基準以上であるものが含む情報を、前記改善策の情報として出力する、
   ことを特徴とする請求項４に記載の情報提供方法。
6. 前記情報処理装置が、
   前記口コミ情報に対する形態素解析結果が含む各語彙のうち、主語とその他の品詞とのセットに基づくセンチメント分析を実行して、前記主語が示す事象に関する評価として、ポジティブ、ネガティブ、リクエスト、クリティカル、および無関係、の各値を特定し、当該値を所定計算式に適用することで前記事象に関する前記評価属性のスコアを算定する、
   ことを特徴とする請求項４または５に記載の情報提供方法。
7. 宿泊施設の顧客による口コミ情報と、宿泊施設に関して各顧客による評価を集計した評価結果および宿泊施設における販売実績の少なくともいずれかの情報と、を保持する記憶装置を備える情報処理装置に、
   前記口コミ情報が含む語彙に基づき、前記宿泊施設に関する所定事象の評価属性を判定し、前記評価属性が所定基準を下回る事象の改善策を予め定めた所定ルールで特定し、当該改善策の情報を所定の端末に出力した後、所定期間における、当該宿泊施設における前記評価属性または前記評価結果の情報、および、当該宿泊施設における販売実績の情報、の少なくともいずれかについて、当該宿泊施設ないし当該宿泊施設の客室販売を行うネットエージェントの所定装置から取得し、当該情報を記憶装置に格納する処理と、以後の前記改善策の情報の出力に際し、前記改善策を導入済みの他宿泊施設又は前記事象に関して評価属性が所定基準以上である他宿泊施設における、前記所定期間における前記評価結果の上昇に関する情報、および、当該他宿泊施設における販売実績の増大に関する情報、の少なくともいずれかの情報を出力する処理を実行させる、
   ことを特徴とする情報提供プログラム。

Images