JP7036630B2 - ドレントラップ及びドレン配管 - Google Patents
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Description
ドレントラップは、トラップ本体と、トラップ部と、上部受け口(受け口)と、を備えている。トラップ本体は、上下方向に沿って延びる円筒状に形成されている。トラップ部は、トラップ本体内に配置される。トラップ部は、ドレン水による結露防止のために、トラップ本体の内周面から離間した状態で配置されている。
上部受け口は、トラップ本体の上端部に設けられている。上部受け口内には、通常の排水管が挿入される。
断熱管は、排水管に比べて熱を径方向に伝達しにくくするために、内径を維持しつつ、外径を大きくしている。断熱管が挿入される上部受け口は、外径が大きくなる。
この場合、トラップ本体内に配置したトラップ部を上部受け口と液密に接続するため、及び、外径が大きいトラップ本体と上部受け口とを接続するために、上部受け口よりも外径が小さい縮径部を設ける場合がある。
本発明のドレントラップは、上下方向に沿って延びる筒状に形成されたトラップ本体と、前記トラップ本体内に、前記トラップ本体の内周面から離間した状態で配置されたトラップ部と、前記トラップ本体の上端部に設けられた縮径部と、前記縮径部の上端部に設けられ、前記縮径部よりも外径が大きく、上下方向に沿って延びる断熱管が挿入される受け口と、前記縮径部の外周面に配置された保温部と、を備える
この発明によれば、ドレン水よりも温度の高い外気が、縮径部の外周面に接触しにくくなるため、外気が冷却されて露点に達し、縮径部の外周面が結露するのを抑制することができる。
本発明のドレントラップを空調装置に適用した場合、空調装置で発生したドレン水の温度が比較的低いことが考えられるため、上記効果が顕著に奏功される。
この発明によれば、保温部は縮径部よりも熱を伝達しにくいため、縮径部の外周面が結露するのを効果的に抑制することができる。
この発明によれば、保温部を備えないドレントラップに、保温部を後付けすることができる。
この発明によれば、保温部がドレントラップの周囲の部材に干渉するのを抑えることができる。
この発明によれば、ドレントラップを使用しているときには、トラップ本体の開口は蓋部により封止されていて、開口から外部にドレン水が漏れない。一方で、ドレントラップを使用していないときには、トラップ部をトラップ本体から外部に取出して、トラップ部を洗浄する等のメンテナンスを行うことができる。
この発明によれば、縮径部の外周面が結露するのを抑制したドレントラップを用いてドレン配管を構成することができる。
図1に示すように、集合住宅やオフィスビルディング等の建築物1には、各階に複数の空調装置11が設置されている。これら複数の空調装置11で発生したドレン水Wを排出するために、本実施形態のドレン配管12が設置されている。ドレン配管12は、同一階に設置された単数又は複数の空調装置11からのドレン水Wを集めるための横管路部13と、各階の横管路部13からのドレン水Wを集めて下方に流すための縦管路部14と、を備えている。
なお、図1に示すように、横管路部13と縦管路部14とは、管継手18を用いて接続されている。
次に、ドレントラップ21の構造の詳細について説明する。
トラップ本体22は、上下方向に沿って延びる円筒状に形成されている。トラップ本体22の上端部には、トラップ本体22の他の部分の外径、内径よりも外径、内径がそれぞれ大きい拡径部22cが設けられている。
例えば、開口22aは、開口22aに対向するように径方向に見たトラップ本体22の側面視で、円形状に形成されている。トラップ本体22における開口22aの周縁部には、雌ネジ22bが形成されている。雌ネジ22bの一部は、後述する上部連結片45にも形成されている。
なお、トラップ本体22は、角筒状等に形成されてもよい。
蓋部23は、トラップ本体22の開口22aにネジ嵌合により着脱可能に取付けられて、トラップ本体22の開口22aを封止している。
弾性膜32,33の上端部は、水平面に沿って互いに離間するように配置され、口部材31に連なっている。弾性膜32,33は、下方に向かうに従って互いに近づいている。弾性膜32,33の下端部は、互いに接触している。弾性膜32,33は、角部の無い滑らかに湾曲した形状に形成されている。弾性膜32,33は、外力が作用しない自然状態で互いに接触して閉じている、いわゆる自己閉鎖膜である。
一方で、図5に示すように、弾性膜32,33上のドレン水Wの質量が所定の量を超えると、ドレン水Wに作用する重力により弾性膜32,33の下端部が互いに離間するように弾性的に変形して、弾性膜32,33上のドレン水Wが下方に排水される。
第1支持部材35は、有底の円筒状に形成されている。第1支持部材35の周壁部の外周面に形成された溝には、シール部材39が嵌め込まれている。シール部材39は、トラップ本体22における開口22aの開口周縁部と第1支持部材35の周壁部との間を水密に封止する。第1支持部材35の底壁部には、蓋部23の係合部23bに係合する被係合部35aが形成されている。第1支持部材35は、蓋部23を水平面に沿う軸線周りに回転可能に支持している。
第2支持部材36の上面は、蓋部23から離間するに従い漸次、下方に向かうように傾斜している。第2支持部材36の上面には、第2支持部材36と同軸に溝が形成されている。この溝には、シール部材41が嵌め込まれている。シール部材41は、第2支持部材36と後述する下部連結片44の下面との間を水密に封止する。
連結片37は、第1支持部材35の底壁部と第2支持部材36の外周面とを接続している。
下部連結片44の径方向外側の端部は、トラップ本体22の拡径部22cの上端部に連なっている。
縮径部25の上端部には、径方向外側に突出する上部連結片45が設けられている。上部連結片45は、水平面に沿って突出している。上部連結片45は、縮径部25の全周にわたって形成されている。
シール部材51を配置することにより、上部連結片45と断熱管15との間でシール部材51が適宜変形し、上部連結片45と断熱管15との間の空間を埋める。このため、断熱管15の端面が断熱管15の軸線に対して直交していなくても、上部連結片45と断熱管15との間にドレン水Wが溜まるのが抑えられる。
後述するようにトラップ本体22に対して水平面に沿って移動するトラップ部24を上部受け口26と液密に接続するために、トラップ本体22と上部受け口26との接続面同士を水平面に対して傾斜させ、一方の接続面に設けたシール部材41を他方の接続面に、トラップ部24を水平面に沿って移動させる際の分力により押し付けている。
また、これらの接続面が水平面に対して傾斜していると、トラップ本体22と上部受け口26との間の少なくとも周方向の一部に、縮径部25が形成される。縮径部25は、主に蓋部23とは反対側に形成されている。
下部受け口54は、円筒状に形成されている。下部受け口54は、連結片53の外縁部から下方に向かって延びている。下部受け口54は、トラップ本体22の下端部よりも外径が大きい。
トラップ本体22の拡径部22c、上部受け口26、及び下部受け口54は、角部が丸みを帯びた形状に形成されている。
トラップ本体22、縮径部25、連結片44,45、上部受け口26、連結片53、及び下部受け口54は、例えば、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)樹脂等で一体に形成されている。
下部受け口54には、断熱管15が挿入される。連結片53と断熱管15との間には、リング状のシール部材55が配置される。
本体57の周方向の中央部の内周面には、スリット57aが形成されていることが好ましい。スリット57aは、平面視で本体57の内周面から外周面の近傍まで径方向外側に延び、本体57を厚さ方向(上下方向)に貫通している。本体57にスリット57aが形成されているため、腕部58,59の後述する隙間を周方向に広げるように本体57を変形させやすくなる。このため、縮径部25に保温部27を着脱させやすくなる。
腕部59は、腕部58と同様に構成されている。すなわち、腕部59は、本体57の周方向の第二端部から腕部58と略平行に延びている。腕部59における径方向外側の面は、平坦に形成されている。
腕部58,59における本体57とは反対側の端部は、互いに離間していて、これらの端部の間に隙間が形成されている。なお、腕部58,59のこの端部は、互いに接触していてもよい。
保温部27は、本体57を変形させること等により、縮径部25に対して着脱可能である。
なお、保温部27が蓋部23に干渉しにくいため、トラップユニット28の着脱は縮径部25に保温部27を装着した状態で行ってもよい。
まず、トラップ本体22に対して蓋部23を回転させて、雌ネジ22bと雄ネジ23aとの嵌め合わせを解除する。このとき、第1支持部材35に対して蓋部23が回転するため、トラップ本体22に対してトラップ部24は回転しない。
図7に示すように、トラップ本体22に対してトラップユニット28を水平面に沿って引き出すと、トラップ部24及び連結部材34が、トラップ本体22の開口22aを通してトラップ本体22から外部に取出される。外部に取出されたトラップユニット28は、適宜トラップ部24を洗浄する等のメンテナンスが施される。
トラップ本体22に対して蓋部23を回転させ、雌ネジ22bと雄ネジ23aとの嵌め合わせる。トラップ本体22にトラップユニット28を取付ける。
このように、トラップユニット28は、トラップ本体22の開口22aに対して径方向に着脱可能である。
各階の空調装置11を運転すると、各空調装置11からドレン水Wが発生する。各階の空調装置11で発生したドレン水Wは、横管路部13により集められ、さらに管継手18を介して縦管路部14内を下方に向かって流れる。ドレントラップ21の弾性膜32,33上のドレン水Wの質量が前記所定の量以下の場合には、弾性膜32,33よりも下方にドレン水Wが流れ出ない。
弾性膜32,33上のドレン水Wの質量が所定の量を超えると、弾性膜32,33上のドレン水Wが下方に排水される。
本実施形態のドレントラップ21を空調装置11に適用した場合、空調装置11で発生したドレン水Wの温度が比較的低いことが考えられるため、上記効果が顕著に奏功される。
保温部27の熱伝導率は、縮径部25の熱伝導率よりも小さい。このため、縮径部25の外周面が結露するのを効果的に抑制することができる。
保温部27の外径と上部受け口26の外径とは、互いに同等である。これにより、保温部27がドレントラップ21の周囲の部材に干渉するのを抑えることができる。
また、本実施形態のドレン配管12によれば、縮径部25の外周面が結露するのを抑制したドレントラップ21を用いてドレン配管12を構成することができる。
図8に示すドレントラップ61は、本実施形態のドレントラップ21の連結部材34に代えて、連結部材62、操作レバー63、を備えている。なお、図8及び図9に示すドレントラップ61,101では、トラップ部24の弾性膜32,33の角部の無い滑らかに湾曲した形状、及び、トラップ本体22の拡径部22c、上部受け口26、下部受け口54等の角部の丸みを帯びた形状を省略して、角部を有する形状で示している。
図8において、蓋部23、トラップ部24、及び連結部材62で、トラップユニット64を構成する。
第一フランジ部66は、円環状に形成され、第一フランジ部66の内縁部がトラップ本体22の開口22aに連なっている。円筒部67は、第一フランジ部66の外縁部から、径方向外側に延びている。第二フランジ部68は、円筒部67が延びる先端部から円筒部67の径方向外側に向かって突出している。第二フランジ部68は、円筒部67の全周にわたって形成されている。
支持片71は、蓋部23の周壁部の外周面から周壁部の径方向外側に向かって突出している。揺動部材72は、支持片71が突出する先端部から、周壁部の軸線方向に沿ってそれぞれ延びている。揺動部材72は、支持片71に対して揺動できる。
爪部73は、揺動部材72における径方向内側の端部に設けられている。爪部73は、揺動部材72から蓋部23の周壁部の外周面に向かって突出している。爪部73及び支持片71は、トラップ本体22の第二フランジ部68を径方向に挟み込み、爪部73が第二フランジ部68に係合している。蓋部23は、トラップ本体22の開口22aに、いわゆるツメ嵌合により着脱可能に取付けられている。
まず、揺動部材72を操作して、第二フランジ部68と爪部73との係合を解除する。トラップ本体22に対してトラップユニット64を水平面に沿って引き出すと、トラップユニット64のトラップ部24及び連結部材62が、トラップ本体22の開口22aを通してトラップ本体22から外部に取出される。
一方で、トラップ本体22内にトラップユニット64を押し込むと、第二フランジ部68に支持片71が突き当たる。このとき、第二フランジ部68に爪部73が係合し、トラップ本体22にトラップユニット64が取付けられる。
トラップ部102は、案内管92と、封止板106と、錘107と、を備えている。
案内管92は、第2支持部材36の内部空間の周縁部から下方に向かって延びている。案内管92の下面は、蓋部23から離間するに従い漸次、下方に向かうように傾斜している。案内管92は、トラップ本体22から径方向内側に離間して配置されている。
封止板106は、封止板106上に所定の量を超える質量のドレン水Wがない場合には、案内管92の下面に接触し、案内管92の下端部の開口を液密に封止している。封止板106は錘107と一体となって、案内管92の下端部に設けられたヒンジ等の軸部材109周りに回転可能に支持されている。
錘107は、封止板106に固定されている。封止板106上に所定の量を超える質量のドレン水Wがない場合に案内管92の下面に封止板106を接触させるように、錘107の質量が設定されている。
一方で、封止板106上のドレン水Wの質量が所定の量を超える場合には、封止板106が案内管92の下面から離間し、案内管92内のドレン水Wが下方に排水される。
なお、トラップ本体22に対してトラップユニット103が着脱される手順は、変形例のドレントラップ61と同様である。
例えば、前記実施形態では、保温部27の熱伝導率は、縮径部25の熱伝導率と同等、又は大きくてもよい。
トラップ本体22は、円筒状に限定されず、角筒状や、平面視で楕円の筒状に形成されてもよい。保温部27の外径は、上部受け口26の外径よりも大きくてもよいし、上部受け口26の外径よりも小さくてもよい。
ドレントラップ21は、連結片53及び下部受け口54を備えなくてもよい。ドレントラップ61,101についても、同様である。
本実施形態のドレントラップは、空調装置だけでなく、空気を圧縮させる圧縮機やボイラー等にも用いることができる。
15 断熱管
21,61,101 ドレントラップ
22 トラップ本体
22a 開口
23 蓋部
24,102 トラップ部
25 縮径部
26 上部受け口(受け口)
27 保温部
34,62 連結部材
W ドレン
Claims (6)
- 上下方向に沿って延びる筒状に形成されたトラップ本体と、
前記トラップ本体内に、前記トラップ本体の内周面から離間した状態で配置されたトラップ部と、
前記トラップ本体の上端部に設けられた縮径部と、
前記縮径部の上端部に設けられ、前記縮径部よりも外径が大きく、上下方向に沿って延びる断熱管が挿入される受け口と、
前記縮径部の外周面に配置された保温部と、
を備えるドレントラップ。 - 前記保温部の熱伝導率は、前記縮径部の熱伝導率よりも小さい請求項1に記載のドレントラップ。
- 前記保温部は、前記縮径部に対して着脱可能である請求項1又は2に記載のドレントラップ。
- 前記保温部の外径と前記受け口の外径とは、互いに同等である請求項1から3のいずれか一項に記載のドレントラップ。
- 前記トラップ本体の側面に形成された開口に着脱可能に取付けられて、前記開口を封止する蓋部と、
前記蓋部と前記トラップ部とを接続する連結部材と、
を備え、
前記縮径部の外径は、前記トラップ本体の上端部の外径よりも小さく、
前記トラップ部及び前記連結部材は、前記トラップ本体の前記開口を通して前記トラップ本体から取出し可能である請求項1から4のいずれか一項に記載のドレントラップ。 - 請求項1から5のいずれか一項に記載のドレントラップと、
前記断熱管と、
を備えるドレン配管。
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