JP7034876B2 - ストローに対するスポイト機能付与具 - Google Patents
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Description
日常生活において、特に食卓においては、食品に少量の調味料を滴下する際やサラダ野菜にドレッシングをかける際などに、簡易なスポイトが必要な場面があるが、適当な器具が見当たらない。従来のガラス製スポイトは、破損の恐れがあり、食品に対する使用は好ましくない。また、使用の都度、洗浄する手間も煩雑である。
これらのストローは、古くは麦わらなどが使用されたが、現在は殆どがプラスチック材料や紙材料により、使い捨て用途として製造されている。
プラスチックストローは扁平に圧縮しても元の円形断面に戻る復元性を有するので、ストローの上端を指で押さえ(封止し)、その下段部分を他の指で圧縮してストロー内の空気を排出し、その後、先端を液体中に入れ、指の圧縮を緩めれば、ストロー内に液体を吸引できることが知られている。上端の指を放せば、液体を注ぐことができる。ストローのスポイトとしての一種の使用方法であるが、扱いが難しく一般的ではない。
紙製ストローも、液体に触れても復元性を有することに変わりない。
ドレッシング容器が大形化した場合も、容器を傾けて直接サラダに注ぐのは体裁が良くないと考えられる。
しかし、この方法は本来、不自然であり、具だけが醤油中に落下してしまうことも少なくない。特に、粒状の具を載せた軍艦巻きなどを逆さまにするのは、本来的に不可能であり、いずれも上向きの自然な状態で、醤油を滴下するのが好ましい。
このような場合も、微量の醤油を滴下できる適当なスポイト器具があることが好ましい。本発明はこのような問題を解決しようとするものである。
特許文献1は、「スポイトストロー」に関し、細管部とヒートシール部からなるスポイトが記載されている。細管部の一端がヒートシールされているので、本来、ストローの機能はなくスポイト自体である。ヒートシール部を除去することで、ストローの機能を得るようにされているが、ストロー自体を利用するものではない。本願は、汎用ストローにスポイト機能を付与する器具が目的であり、先行特許文献1とは相違している。
特許文献2は、スポイト付きキャップに関する考案である。キャップにスポイト機能が付いているので、ドレッシング容器等には好適に使用できるが、複雑な構造となる問題がある。考案の目的も本願と相違している。
市販ストローのスポイトとしての使用は、ガラススポイトのように、破損することがなく、食品に用いて安全かつ衛生的であり、ある回数反復使用でき、使用後は廃棄できるので、洗浄の手間がかからない。
図1は、第1形態の付与具を説明する図であって、図1(A)は、第1形態の付与具101の斜視図、図1(B)は、上面図、図1(C)は、付与具の板材中央部における断面図である。
ほぼ等しいとは、正確に一致させる必要はないからで、ストローの外径が、該間隔より小さくても有効に機能する。過剰に間隔を大きくはしない趣旨である。
板材11a,11bは、矩形状であって扁平かつ細長のものである。通常、等しい大きさである。細長とするのは、ストローの外径に対して過大な幅にしないためである。
図1(B)のように、板材の幅H1は、外径6mmのストローの場合で、10~14mm程度、外径4mmなら、8~12mm程度で良い。ストローの外径よりも幅H1が大きくなるのは、弾性部材13a,13b,13c,13dが4隅にあるからである。
圧縮長さ(板材の長さ)Lは、吸引する液量により可変である。通常30~100mm程度とする。板材11a,11bの厚みは、材質により異なるが、通常0.5~2.0mm程度である。金属板ではより薄くても良い。
この板材の幅、長さ、厚み、間隔等の寸法は、後述する第2~第4形態の付与具においても同様である。
図1の第1形態の付与具101の場合、板材11a,11bと弾性部材13a,13b,13c,13dを可塑性である同一プラスチック材料からなることを前提としており、板材11a,11b部分は厚肉にして、変形し難い板状とし、4隅の弾性部材13a,13b,13c,13d部分は、薄肉にして弾力性を有するようにしている。
封止部材12は、ゴム栓、木栓、コルク栓、プラスチック栓等を想定しているが、板ばねクリップや蝶番クリップであっても良い。ゴム栓等は、内径が一致するストローに限定されるが、ばねクリップは、ストローの太さに限定されない利点がある。
図2のように、ストローSの開口端s1は、封止部材12に差し込まれて封止され、かつ位置が固定される。ストローSは、弾性部材13aと13cの間、および13bと13dの間を通って板材11a,11bの間に挟まれた状態になる。
弾性部材の間を通るので、ストローSが板材11a,11bから外れることはない。ストローSの他方側の開口端s2は液体の吸入口なる。
図3(A)のように、板材11a,11bを手指で圧縮すれば、ストローS内の空気は排出され、図3(C)のように、ストローSは押圧され扁平になる。
この後、ストローSの開口端s2を調味料等の液中に入れて、圧縮を緩めれば、調味料がストローS内に吸い込まれるというものである。調味料を食品に注ぐ場合は、再び、板材部分を圧縮する。使用後、手指の圧縮を解除すれば、ストローSは、ほぼ元の円形断面に戻る。
これらのことは、以下の第2~第4形態において同様である。
図4は、第2形態の付与具を説明する図であって、図4(A)は、上面図、図4(B)は、側面図、図4(C)は、付与具の板材中央部における断面図である。
図4のように、第2形態の付与具102は、第1形態の付与具101と同様に、2枚の板材11a,11bがストローの外径にほぼ等しい間隔を維持するように対面して平行に置かれている。板材11a,11bは、矩形状であって扁平かつ細長であるのも同様である。ただし、第1形態の付与具101と異なり。板材11a,11bの長辺に沿う両縁辺が中央部よりも肉薄となっている。すなわち、板材11a,11bの中央部分11ad,11bdは、第1形態と同等の厚みになっているが、両縁辺部分は肉薄にされている特徴がある。
図4の場合、板材11a,11bの4隅で、巻き線コイルばね14a,14b,14c,14dが使用されている。巻き線コイルばねは、圧縮した場合にも、一定の厚みが残るため、板材11a,11bの両縁辺部が肉薄にされている。
図示してないが、巻き線コイルばね14a,14b,14c,14dに替えて、当該位置に横「V」字状であって、圧縮時に扁平になる板ばねを使っても良いものである。
図5のように、第3形態の付与具103は、第1形態の付与具101と同様に、2枚の板材11a,11bがストローの外径にほぼ等しい間隔を維持するように対面して平行に置かれている。板材11a,11bは、矩形状であって扁平かつ細長であるのも同様である。ただし、第1形態の付与具101と異なり。板材11a,11bの長辺に沿う両縁辺が中央部よりも肉薄となっている。すなわち、板材11a,11bの中央部分11ad,11bdは、第1形態と同等の厚みであるが、両縁辺部分は肉薄にされている特徴がある。
図5の場合、板材11aの左右の2辺に板ばね15a,15bがビス17等で固定されている。板材11bには、ストッパー18a,18bが設けられていて、付与具103を圧縮した場合にも板ばね15a,15bの先端が摺動して板材11bから外れないようにされている。ストッパー18a,18bは金属棒等である。
板ばね15a,15bは、圧縮した場合、一定の厚みが残るため、板材11a,11bの両縁辺部が肉薄にされている。
図6のように、第4形態の付与具104は、第1形態の付与具101と同様に、2枚の板材11a,11bがストローの外径にほぼ等しい間隔を維持するように対面して平行に置かれている。板材11a,11bは、矩形状であって扁平かつ細長であるのも同様である。
ただし、板材11a,11bの長辺に沿う両縁辺が中央部よりも肉薄となっている。すなわち、板材11a,11bの中央部分11ad,11bdは、第1形態と同等の厚みになっているが、両縁辺部分は肉薄にされている特徴がある。
図6の場合、板材11a,11bの左右の2辺にスポンジ状のクッション材16a,16bが使用されている。クッション材16a,16bは、接着剤等により板材11a,11bに貼着されている。
クッション材は、圧縮した場合にも、一定の厚みが残るため、板材11a,11bの両縁辺部が肉薄にされている。
第2形態から第4形態の付与具の使用方法は、第1形態の付与具と同様であり、容易に類推可能なので、図示と説明を省略する。
図7は、封止部材としての封止栓を説明する図である。
封止部材がゴム栓、木栓、コルク栓またはプラスチック栓等の場合である。
これらの封止栓12sの場合は、先端はストローの内径φより細い0.9φ程度として、ストローを差し込み易くし、中段より下方に、1.1φ程度の部分を有するようにして、内径に密着し易くするのが好ましい。
封止栓12sの背面には、差し込み部12skを有していて、付与具の保持棒12hに差し込んで使用するようにもできる。
ストローSの開口端s1を板ばねクリップ12bのスリット12bsに挟み固定すれば、ストローSの開口端s1は、封止される。
板ばねクリップ12bは、背面に差し込み部12bkを有していて、保持棒12hに差し込んで使用するようにもできる。
封止栓は、ストローの内径φが限定されるが、板ばねクリップ12bは内径や外径に限定されない利点がある。
蝶番クリップ12tは、共通の軸心12tjで回転する2枚の金属板12t1、12t2を軸心コイル12tcで付勢して、対象物をスリット12tsで挟むようにしたもので、ストローSの開口端s1が、2枚の金属板間に挟まれて封止される。
蝶番クリップ12tは、背面に差し込み部12tkを有していて、保持棒12hに差し込んで使用するようにもできる。
(1)ストロー
ストローは、ポリプロピレンやポリエチレン製のものが多く市販されている。外径6.0mm、長さ250mm、外径5.0mm、長さ190mm、外径4.0mm、長さ160mm、のものなどの各種がある。ストローの肉厚は、20~100μm程度である。
ストローは、その特性から、扁平に圧縮されても元の円形断面に戻る復元性を有している。圧縮を繰り返すと復元性が低下するが、10回程度は使用可能である。
環境上の問題からプラスチックストローを廃止する動きがある。しかし、紙材質にした場合も液体を吸引する用途から、圧縮した後に復元性を失うことは考えられない。
板材には、竹や木材、厚板紙、プラスチック材、ステンレス材や他の金属材を使用できる。手指で圧縮した際に、変形しないで、均等にストローを押圧できる剛性が必要になる。
プラスチック材としては、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート、ナイロン、等の板材(厚み0.5~5.0mm程度)を好適に使用できる。板材の圧縮部長さLは、30~100mm程度で良い。
紙であっても、ファイバー板のような硬質の厚紙であれば、短い圧縮長さには使用できる。
第1形態の付与具は金型を用いて、同一プラスチック材料で一体成型することができる。また、弾性部材13a、13b,13c、13dは共通の形状であるので、これを個別に成型し、板材11a板材11bに接着する方法でも製造できる。
第2形態~第3形態の付与具は、板材11aと板材11b間を、巻き線コイルばね、板ばね、クッション材を取り付けし、あるいは貼着して組み立てすることになる。
外径6.0mmのものは、4.0mmのものの約4倍の液量が採取できる。1~2回目に比較して3回目以降では採取量が低減傾向にある。ストローの元の断面円形への復元力が多少低下するものと考えられる。
12 封止部材
12h 保持棒
12b 板ばねクリップ
12t 蝶番クリップ
13a、13b,13c、13d 弾性部材
14a、14b,14c、14d 巻き線コイルばね
15a、15b 板ばね
16a、16b クッション材
17 ビス
18a,18b ストッパー
101 第1形態の付与具、付与具
102 第2形態の付与具、付与具
103 第3形態の付与具、付与具
104 第4形態の付与具、付与具
S ストロー
s1,s2 ストローの開口端
L 圧縮部長さ(板材の長さ)
φ ストローの内径
H1 板材の幅
Claims (3)
- ストローに対するスポイト機能を付与する器具であって、
2枚の細長の矩形状板材をストローの外径にほぼ等しい間隔を維持するように対面させて平行に保ち、該2枚の板材の4隅において、対面する板材間を圧縮して、装着したストローを押圧可能なように弾性部材で連結し、かつ矩形状板材の何れかの短辺にストローの開口端を封止する封止部材が保持棒を介して取り付けられていることを特徴とするストローに対するスポイト機能付与具。 - ストローに対するスポイト機能を付与する器具であって、
2枚の細長の矩形状板材をストローの外径にほぼ等しい間隔を維持するように対面させて平行に保ち、該2枚の板材の両長辺において、対面する板材間を圧縮して、装着したストローを押圧可能なように弾性部材で連結し、かつ矩形状板材の何れかの短辺にストローの開口端を封止する封止部材が保持棒を介して取り付けられていることを特徴とするストローに対するスポイト機能付与具。 - 弾性部材が、プラスチック材料、巻き線コイルばね、板ばね、スポンジ状体の何れかであることを特徴とする請求項1または請求項2記載のストローに対するスポイト機能付与具。
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