JP7034862B2 - 高強度かつ低降伏比で溶接性に優れた円形鋼管用鋼板および円形鋼管ならびにそれらの製造方法 - Google Patents
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C :0.110~0.180質量%、
Si:0.10~0.60質量%、
Mn:0.90~1.60質量%、
P :0質量%超、0.015質量%以下、
S :0質量%超、0.008質量%以下、
Al:0.010~0.080質量%、および
N :0.0010~0.0065質量%を満たし、更に、
Cu:0質量%超、0.35質量%以下、Ni:0質量%超、0.35質量%以下、Mo:0質量%超、0.35質量%以下、V:0質量%超、0.050質量%以下、およびNb:0.003~0.030質量%よりなる群から選択される1種以上の元素を含み、
残部が鉄および不可避的不純物からなる円形鋼管用鋼板であって、
板厚が70mm以上であり、
下記式(1)で表されるパラメータKが0.10以上、0.70未満、
下記式(2)で表される溶接割れ感受性組成Pcmが0.27質量%以下であり、
板厚の1/4位置における金属組織が硬質相と軟質相からなり、硬質相の分率が40~78面積%、残部は軟質相であり、軟質相の硬さHv(3gf)が130~200、硬質相の硬さHv(3gf)が200~300であり、
降伏比が79.5%以下であり、降伏強度YSが下記式(3)を満たすと共に、引張強度TSが下記式(4)を満たす円形鋼管用鋼板である。
K=([Cu]+[Ni]+[Mo]+10×[V]+100×[Nb]) …(1)
ただし、上記式(1)中の[Cu]、[Ni]、[Mo]、[V]および[Nb]は、それぞれ、質量%で示したCu、Ni、Mo、VおよびNbの含有量を示し、含まない元素はゼロとする。
Pcm=[C]+[Si]/30+[Mn]/20+[Cu]/20+[Ni]/60+[Cr]/20+[Mo]/15+[V]/10+5×[B]…(2)
ただし、上記式(2)中の[C]、[Si]、[Mn]、[Cu]、[Ni]、[Cr]、[Mo]、[V]および[B]は、それぞれ、質量%で示したC、Si、Mn、Cu、Ni、Cr、Mo、VおよびBの含有量を示し、含まない元素はゼロとする。
YS=(385-385×t/D)~(680-500×t/D)×0.795(MPa)…(3)
TS=(530-170×t/D)~(680-500×t/D)(MPa)…(4)
ただし、上記式(3)および(4)中のDは円形鋼管の外径(mm)、tは円形鋼管の板厚(mm)、t/D=0.033~0.10である。
鋼片を950~1250℃に加熱し、熱間圧延を、860~1000℃の温度域の累積圧下率が30%以上で、仕上圧延温度が840~950℃の条件で行った後、平均冷却速度2~30℃/sで、800℃以上の冷却開始温度から、500℃以下の冷却停止温度まで冷却し、次いで、焼戻し温度:450~720℃、焼戻し時間:5~60分の条件で焼戻しを行う円形鋼管用鋼板の製造方法である。
態様1または2に記載の円形鋼管用鋼板を用い、
D/t=10~30(Dは円形鋼管の外径(mm)、tは円形鋼管の板厚(mm))を満たすよう曲げ加工を行う工程と、
450~650℃で熱処理を施す工程をこの順に含む円形鋼管の製造方法である。
本発明の鋼板は、板厚が70mm以上であることを前提とする。板厚は、更に80mm以上、より更には85mm以上とすることができる。一方、本発明の鋼板に求める特性と、それを実現するための製造条件を考慮すると、板厚の上限は100mm程度となる。
降伏比YR:79.5%以下、降伏強度YS:下記式(3)の範囲内、引張強度TS:下記式(4)の範囲内
YS=(385-385×t/D)~(680-500×t/D)×0.795(MPa)…(3)
TS=(530-170×t/D)~(680-500×t/D)(MPa)…(4)
ただし、上記式(3)および(4)中のDは円形鋼管の外径(mm)、tは円形鋼管の板厚(mm)、t/D=0.033~0.10である。
本発明の鋼板には、鋼管製造に必要な溶接性も要求される。更に鋼管にも、溶接構造物の製造時に必要な溶接性が要求される。本発明では、後記のPcmを0.27質量%以下とすることによって、溶接性が優れていると評価した。
本発明の鋼板の金属組織は、板厚の1/4位置において硬質相と軟質相からなる。また、硬質相の分率が40~78面積%、残部は軟質相である。更に、軟質相の硬さHv(3gf)が130~200、硬質相の硬さHv(3gf)が200~300である。以下、この組織について説明する。
鋼板の所望の特性、特に、高い引張強度と低降伏比を確保するには、鋼の全組織に占める硬質相の分率を適正化する必要がある。硬質相の分率を40面積%以上に高めることによって、高い引張強度と低降伏比を確保できる。硬質相の分率は、好ましくは45面積%以上、より好ましくは50面積%以上である。一方、硬質相の分率が高すぎると、引張強度と共に降伏強度も高まって低降伏比の実現が難しくなる。よって硬質相の分率は、78面積%以下とする。好ましくは70面積%以下である。硬質相の分率を上記範囲内とするには、後記するK値を所定範囲内にすると共に、圧延条件を制御することが挙げられる。
更に各相の硬さも適正化することで、高い引張強度と低降伏比をより確実に確保できる。軟質相の硬さHv(3gf)は130以上である。軟質相の硬さHv(3gf)は好ましくは140以上である。また軟質相の硬さHv(3gf)は、200以下であり、好ましくは190以下、より好ましくは180以下である。軟質相の硬さはK値で制御することができる。
本発明では、後記する各成分の範囲を満たした上で、下記式(1)、(2)で示されるパラメータK、溶接割れ感受性組成Pcmを各範囲内とする必要がある。以下、各パラメータについて説明する。
K=([Cu]+[Ni]+[Mo]+10×[V]+100×[Nb]) …(1)
ただし、上記式(1)中の[Cu]、[Ni]、[Mo]、[V]および[Nb]は、それぞれ、質量%で示したCu、Ni、Mo、VおよびNbの含有量を示し、含まない元素はゼロとする。
Pcm=[C]+[Si]/30+[Mn]/20+[Cu]/20+[Ni]/60+[Cr]/20+[Mo]/15+[V]/10+5×[B]…(2)
ただし、上記式(2)中の[C]、[Si]、[Mn]、[Cu]、[Ni]、[Cr]、[Mo]、[V]および[B]は、それぞれ、質量%で示したC、Si、Mn、Cu、Ni、Cr、Mo、VおよびBの含有量を示し、含まない元素は含有量をゼロとする。
Cは、高強度化に寄与する元素であり、一方で溶接性を劣化させる元素でもある。本発明では、所望の組織を得て、必要な母材強度を確保するため、C量を0.110質量%以上とする。C量は好ましくは0.115質量%以上、より好ましくは0.120質量%以上、更に好ましくは0.130質量%以上である。C量が多くなると、強度は確保しやすくなるが、耐溶接割れ性の劣化を招く。本発明では、耐溶接割れ性を確保する観点から、C量を0.180質量%以下とする。C量は好ましくは0.175質量%以下である。
Siは、脱酸材として有効な元素であり、また母材強度の向上にも有効な元素である。よってSi量は、0.10質量%以上とする。Si量は、好ましくは0.15質量%以上であり、より好ましくは0.20質量%以上である。一方、溶接性を確保する観点から、Si量は、0.60質量%以下とする。Si量は、好ましくは0.50質量%以下、より好ましくは0.45質量%以下である。
Mnは、オーステナイトを安定化させ、変態温度を低温化させることで、焼入れ性の向上に寄与する元素である。この効果を発揮させるため、Mnを0.90質量%以上含有させる。Mn量は、好ましくは1.00質量%以上、より好ましくは1.10質量%以上である。一方、Mnを過剰に含有させると、MnSが粗大化し、母材靭性が劣化するため、Mn量の上限を1.60質量%とする。Mn量は、好ましくは1.50質量%以下である。
不可避的不純物であるPは、母材と溶接部の靭性に悪影響を及ぼす。よって、P含有量を0.015質量%以下に抑える必要がある。好ましくは0.014質量%以下である。工業上、P量を0質量%にすることは困難であり、下限は0.002質量%程度である。
Sは、MnSを形成して衝撃特性を劣化させるため少ない方が好ましい。よって、S含有量は0.008質量%以下に抑制する必要がある。S量は、好ましくは0.005質量%以下、より好ましくは0.0030質量%以下である。工業上、S量を0質量%にすることは困難であり、下限は0.001質量%程度である。
Alは脱酸に必要な元素である。この効果を発揮させるため、Al量を0.010質量%以上とする。Al量は、好ましくは0.015質量%以上であり、より好ましくは0.020質量%以上である。一方、Alを過剰に含有させると、アルミナ系の粗大な介在物を形成し衝撃特性が低下する。よってAl量の上限を0.080質量%とする。Al量は、好ましくは0.060質量%以下、より好ましくは0.055質量%以下である。
Nは、AlNを生成し、熱間圧延前の加熱時、および溶接時におけるγ粒の粗大化を防止し、母材靭性やHAZ靭性を向上させるのに有効な元素である。この効果を発揮させるため、Nを0.0010質量%以上含有させる。N量は、好ましくは0.0020質量%以上である。一方、Nを過剰に含有させると、固溶Nの増大により、母材靭性が劣化する。よってN量は0.0065質量%以下とする。N量は、好ましくは0.0060質量%以下である。
Ni:0質量%超、0.35質量%以下、
Mo:0質量%超、0.35質量%以下、
V :0質量%超、0.050質量%以下、および
Nb:0.003~0.030質量%よりなる群から選択される1種以上の元素
Caは、MnSの球状化に寄与し、母材靭性や板厚方向の延性の改善に有効な元素である。該効果を発揮させるには、Ca量を、0質量%超とすることが好ましく、0.0005質量%以上とすることがより好ましい。一方、Ca量が過剰になると、介在物が粗大化し、割れの原因となる。よってCa量は、0.0030質量%以下とすることが好ましい。
本発明には、上記鋼板を用いて得られた円形鋼管も含まれる。円形鋼管として、後記する方法で製造された冷間円形鋼管が挙げられる。円形鋼管に求められる特性は、前述の通り、YS≧385MPa、550MPa≦TS≦670MPa、およびYR≦85%である。また、円形鋼管の外径Dの範囲は、700~3000mmであり、円形鋼管の板厚tの範囲は、70mm以上、100mm以下である。円形鋼管の板厚tは、円形鋼管の製造に供する鋼板の板厚とほぼ同じである。本発明において、前述の通りD/tは10~30の範囲内であり、t/Dは0.033~0.10の範囲内である。
次に本発明に係る鋼板の製造方法について説明する。該方法では、前記成分組成を満たす鋼片を950~1250℃に加熱し、熱間圧延を、860~1000℃の温度域の累積圧下率が30%以上、かつ仕上圧延温度が840~950℃の条件で行った後、平均冷却速度2~30℃/sで、800℃以上の冷却開始温度から、500℃以下の冷却停止温度まで冷却し、次いで、焼戻し温度:450~720℃、焼戻し時間:5~60分の条件で焼戻しを行う。これらの製造条件を規定した理由について説明する。
加熱温度が低いと、元素が固溶し難く、特に炭化物が再固溶せず、圧延やその後の熱処理で粗大化してしまう。そのため加熱温度は950℃以上とした。好ましくは990℃以上である。一方、加熱温度が高すぎると、γが粗大となってしまい、焼入れ性が高くなり軟質相の分率が低下する。よって、加熱温度は1250℃以下とする。好ましくは1200℃以下である。
本発明で求める特性を得るには、組織を均質化させることが重要である。そのためには、再結晶温度域での圧延を行って、オーステナイト粒を繰り返し再結晶させる必要がある。よって、860~1000℃の温度域における累積圧下率を30%以上とする。累積圧下率は、好ましくは35%以上である。なお、累積圧下率の上限は、おおよそ70%である。
仕上圧延を上記範囲で行うことによって組織分率を制御できる。仕上圧延温度が高すぎると、ベイナイト分率が増加して強度が必要以上に高くなり、YRも大きくなる。よって、仕上圧延温度は950℃以下とする。好ましくは920℃以下である。一方、仕上圧延温度が低いと、熱間圧延時にオーステナイトが再結晶しない、いわゆる未再結晶域での圧延となる。未再結晶域での圧下を増大させると、音響異方性が大きくなることから、仕上圧延温度の下限を840℃とした。仕上圧延温度は、好ましくは850℃以上である。
前記熱間圧延後は、平均冷却速度2~30℃/sで、下記の冷却開始温度から冷却停止温度まで冷却する。熱間圧延後の冷却時の平均冷却速度が遅いと、軟質相の硬さと、硬質相の分率が低下し、降伏強度が不足する。よって上記平均冷却速度は、2℃/s以上とする。好ましくは3℃/s以上である。一方、平均冷却速度が過度に大きいと、硬質相の分率が必要以上に増加し、降伏比が上昇する。よって上記平均冷却速度は、30℃/s以下とする。好ましくは20℃/s以下である。
上記平均冷却速度での冷却開始温度が、鋼板の表面温度で800℃を下回ると、軟質なポリゴナルフェライトが生成し、母材強度の低下を招く。よって、上記平均冷却速度での冷却は、800℃以上の温度から開始する。冷却開始温度は、好ましくは820℃以上、より好ましくは840℃以上である。なお、冷却開始温度の上限は特に限定されず、おおよそ、仕上圧延温度と同程度である。
上記平均冷却速度での冷却を500℃よりも高い温度域で停止すると、変態が完了せず、硬質相の硬さが低下し、強度、特に降伏強度が不足する。よって、冷却停止温度は500℃以下とする。冷却停止温度は好ましくは400℃以下であり、更に200℃以下、より更には100℃以下とすることもできる。尚、冷却停止温度の下限は特に限定されず、室温付近まで上記平均冷却速度で冷却してもよい。
[焼戻し時間:5~60分]
所望の強度と低降伏比を実現するため焼戻しを行う。焼戻し温度が低温では、硬質相が硬くなりすぎて強度が必要以上に高くなる。よって、焼戻し温度の下限は450℃とする。焼戻し温度は、好ましくは460℃以上である。一方、焼戻し温度が高温になると、硬質相の硬さが低下し、強度不足となりやすく、軟質相と硬質相の硬さ比が低下して降伏比が上昇する。よって、焼戻し温度は720℃以下とする。好ましくは710℃以下である。また、焼戻しの効果を得るため、焼戻し時間は5分以上とする。好ましくは10分以上である。一方、生産性の観点から、焼戻し時間は60分以下とする。
本発明の円形鋼管の製造方法について説明する。該方法では、前記鋼板を用いて、D/t=10~30(ただし、D:円形鋼管の外径(mm)、t:円形鋼管の板厚(mm))を満たすよう曲げ加工を行う工程と、450~650℃で熱処理(SR)を施す工程をこの順に含む。本発明では、前記曲げ加工として冷間曲げ加工を行う。該曲げ加工の方法として、プレスベンド法が挙げられる。前記熱処理(SR)は、前記曲げ加工で導入された歪を除去するために行う。
金属組織の観察は以下のようにして実施した。
(1)圧延方向(鋼管の軸方向)に平行でかつ鋼板表面に対して垂直な、鋼板表裏面を含む板厚断面を観察できるよう上記鋼板からサンプルを採取した。
(2)湿式エメリー研磨紙(#150~#1000)での研磨、またはそれと同等の機能を有する研磨方法(ダイヤモンドスラリー等の研磨剤を用いた研磨等)により、観察面の鏡面仕上を行った。
(3)研磨されたサンプルを、目的に応じて3%ナイタール溶液を用いて腐食し、硬質相および軟質相を現出させた。
(4)板厚tの1/4の部位において、現出させた組織から各相分率を算出した。
軟質相と硬質相の各相の硬さHv(3gf)は、上記腐食されたサンプルを用い、マイクロビッカース硬度計を用いて測定した。測定荷重は0.03Nとした。軟質相の硬さは、セメンタイトが存在しない部分の硬さを測定し、硬質相の硬さはセメンタイトが凝集している部分の硬さを測定した。この測定は、板厚の1/4の位置で少なくとも各相5点以上行った。
板厚の1/4の位置から圧延方向すなわち管軸方向(L方向)に丸棒引張試験片(JIS4号試験片と同じ)を採取して、JIS Z 2201の要領で引張試験を行い、降伏強度YSと引張強度TSを測定し、降伏比YRを求めた。そして本実施例では、降伏強度YSが347~490MPa、引張強度TSが513~630MPa、降伏比が79.5%以下のものを、高強度かつ低降伏比を示すと評価した。尚、下記表3-1、表3-2では、降伏強度、引張強度、降伏比をそれぞれ、YS、TS、YRと示す。これらの結果を表3-1、表3-2に示す。尚、表3-1、表3-2では、上記引張試験により求められたEL(全伸び)とUE(一様伸び)もあわせて示す。
Claims (5)
- 成分組成が、
C :0.110~0.180質量%、
Si:0.10~0.60質量%、
Mn:0.90~1.60質量%、
P :0質量%超、0.015質量%以下、
S :0質量%超、0.008質量%以下、
Al:0.010~0.080質量%、および
N :0.0010~0.0065質量%を満たし、更に、
Cu:0質量%超、0.35質量%以下、Ni:0質量%超、0.35質量%以下、Mo:0質量%超、0.35質量%以下、V:0質量%超、0.050質量%以下、およびNb:0.003~0.005質量%よりなる群から選択される1種以上の元素を含み、
残部が鉄および不可避的不純物からなる円形鋼管用鋼板であって、
板厚が70mm以上であり、
下記式(1)で表されるパラメータKが0.10以上、0.70未満、
下記式(2)で表される溶接割れ感受性組成Pcmが0.27質量%以下であり、
板厚の1/4位置における金属組織が硬質相である焼戻しベイナイト組織と軟質相であるフェライトからなり、硬質相の分率が40~78面積%、残部は軟質相であり、軟質相の硬さHv(3gf)が130~200、硬質相の硬さHv(3gf)が200~300であり、
降伏比が79.5%以下であり、降伏強度YSが下記式(3)を満たすと共に、引張強度TSが下記式(4)を満たす円形鋼管用鋼板。
K=([Cu]+[Ni]+[Mo]+10×[V]+100×[Nb]) …(1)
ただし、上記式(1)中の[Cu]、[Ni]、[Mo]、[V]および[Nb]は、それぞれ、質量%で示したCu、Ni、Mo、VおよびNbの含有量を示し、含まない元素はゼロとする。
Pcm=[C]+[Si]/30+[Mn]/20+[Cu]/20+[Ni]/60+[Cr]/20+[Mo]/15+[V]/10+5×[B]…(2)
ただし、上記式(2)中の[C]、[Si]、[Mn]、[Cu]、[Ni]、[Cr]、[Mo]、[V]および[B]は、それぞれ、質量%で示したC、Si、Mn、Cu、Ni、Cr、Mo、VおよびBの含有量を示し、含まない元素はゼロとする。
YS=(385-385×t/D)~(680-500×t/D)×0.795(MPa)…(3)
TS=(530-170×t/D)~(680-500×t/D)(MPa)…(4)
ただし、上記式(3)および(4)中のDは円形鋼管の外径(mm)、tは円形鋼管の板厚(mm)、t/D=0.033~0.10である。 - 更に、Ca:0質量%超、0.0030質量%以下を含む請求項1に記載の円形鋼管用鋼板。
- 請求項1または2に記載の円形鋼管用鋼板で形成された円形鋼管であって、円形鋼管の外径Dと円形鋼管の板厚tの比率D/tが10~30の範囲内にある円形鋼管。
- 請求項1または2に記載の円形鋼管用鋼板の製造方法であって、
鋼片を950~1250℃に加熱し、熱間圧延を、860~1000℃の温度域の累積圧下率が30%以上で、仕上圧延温度が840~950℃の条件で行った後、平均冷却速度2~30℃/sで、800℃以上の冷却開始温度から、500℃以下の冷却停止温度まで冷却し、次いで、焼戻し温度:450~720℃、焼戻し時間:5~60分の条件で焼戻しを行う円形鋼管用鋼板の製造方法。 - 請求項3に記載の円形鋼管を製造する方法であって、
請求項1または2に記載の円形鋼管用鋼板を用い、
D/t=10~30(Dは円形鋼管の外径(mm)、tは円形鋼管の板厚(mm))を満たすよう曲げ加工を行う工程と、
450~650℃で熱処理を施す工程をこの順に含む円形鋼管の製造方法。
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