JP7034720B2 - とろみ剤または粉乳入り計量容器 - Google Patents

とろみ剤または粉乳入り計量容器 Download PDF

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Description

本発明は、とろみ剤または粉乳入り計量容器に関する。
従来、とろみ剤または粉乳等の粉粒体を収容するとともに、収容された粉粒体を一定量ずつ繰り返し振り出すことが可能な定量吐出容器が知られている。このような定量吐出容器においては、定量吐出容器を倒立することにより、容器本体内の粉粒体を一旦計量部で受け止め、一定量を計量する。その後、定量吐出容器を正立させることにより、計量部内の粉粒体を容器本体とキャップとの間の保持部に移し、再び定量吐出容器を倒立状態としたときに、保持部内の粉粒体をキャップから振り出すようになっている(例えば特許文献1および2参照)。
特開2006-117262号公報 特開平9-301404号公報
しかしながら、従来の定量吐出容器においては、定量吐出容器を倒立して一定量の粉粒体を計量し、その後、定量吐出容器を正立させた際に、計量部から容器本体内へ一定量の粉粒体が逆流してしまうという問題がある。この場合、計量部で計量された粉粒体の量がばらつくおそれがある。
本発明はこのような点を考慮してなされたものであり、計量部から容器本体内へとろみ剤または粉乳が逆流することを抑え、計量部でのとろみ剤または粉乳の計量を正確に行うことが可能な、とろみ剤または粉乳入り計量容器を提供することを目的とする。
本発明は、とろみ剤または粉乳入り計量容器であって、とろみ剤または粉乳が充填された容器本体と、前記容器本体に取り付けられた計量機構と、を備え、前記計量機構は、底部材と、前記底部材を覆うように配置された中部材と、前記中部材を覆うように配置された上部材とを有し、前記底部材は、第1振り出し開口と、前記第1振り出し開口から末広がり状に延びる傾斜部と、前記傾斜部の周囲に位置する第2計量部と、を有し、前記中部材は、前記第1振り出し開口側に向けて突出する突起部と、前記突起部の周囲に位置するとともに、前記傾斜部との間に隙間を空けて配置された第1計量部と、前記第1計量部の周囲に位置するとともに、周縁開口部を有する周縁部と、を有し、前記上部材は、第2振り出し開口を有する、計量容器である。
本発明は、前記突起部は、頂部と、前記頂部から末広がり状に延びる突起傾斜部とを有する、計量容器である。
本発明は、前記中部材の前記周縁部は、径方向に延びる複数の支柱部を有し、前記周縁開口部は、一対の前記支柱部間に形成されている、計量容器である。
本発明は、前記底部材の前記第2計量部は、内側から外側へ向かうにつれて前記中部材から遠ざかる方向に傾斜する傾斜底面を有する、計量容器である。
本発明によれば、第1計量部から容器本体内へとろみ剤または粉乳が逆流することを抑え、第1計量部でのとろみ剤または粉乳の計量を正確に行うことができる。
図1は、本実施の形態による計量容器を示す斜視図。 図2は、本実施の形態による計量容器を示す正面図。 図3は、本実施の形態による計量容器を示す垂直断面図(図2のIII-III線断面図)。 図4は、本実施の形態による計量容器を示す断面斜視図。 図5(a)-(c)は、本実施の形態による計量容器の使用方法を示す部分垂直断面図。 図6は、比較例による計量容器を示す垂直断面図。
以下、本発明によるとろみ剤または粉乳入り計量容器の一実施の形態について、図1乃至図5を用いて説明する。図1乃至図5は、本発明の一実施の形態を示す図である。
なお、本明細書中、「上」および「下」とは、それぞれ計量容器10を正立させた状態(図1乃至図4)における上方および下方のことをいう。また、「正立」とは、計量容器10の容器本体11を計量機構20よりも鉛直方向下方に配置するとともに、容器本体11の中心軸Aを鉛直軸に対して平行にした状態をいう。「倒立」とは、計量容器10の計量機構20を容器本体11よりも鉛直方向下方に配置するとともに、容器本体11の中心軸Aを鉛直軸に対して平行にした状態をいう。
図1および図2に示すように、本実施の形態によるとろみ剤または粉乳入り計量容器10は、全体として有底略円筒形状を有するとともに、とろみ剤または粉乳Cが充填された容器本体11と、容器本体11に取り付けられた計量機構20とを備えている。
このうち容器本体11は、図3および図4に示すように、平面視円形状の底面12と、底面12から上方に向けて延びる円筒状の第1容器側面13と、第1容器側面13から上方に向けて延びる円筒状の第2容器側面14とを有している。第1容器側面13の径は、第2容器側面14の径よりも大きく、第1容器側面13と第2容器側面14との間には、容器側面段部15が形成されている。第2容器側面14の外周面には、上部材50の雌ねじ部56(後述)に螺着される雄ねじ部16が形成されている。
容器本体11の内部には、内容物としてのとろみ剤または粉乳Cが収納されている。ここでとろみ剤とは、液状または流動状の物に添加した場合に当該物の粘度を上昇させる性質を有する粉粒状食品を意味する。このようなとろみ剤は、主に液状または流動状の物にとろみをつけるために使用される。例えば、咀嚼や嚥下が困難な高齢者等がスープや味噌汁等の粘度の低い液状食品を摂食する場合に、その粘度の低い液状食品に添加して粘度を高めて咀嚼や嚥下を容易にする態様を例示することができる。かかる態様としては、えん下困難者用食品、とろみ調整用食品、とろみ調整用粉末などが代表的である。
なお、「液状または流動状」の範囲には、固形状のものを加工して液状または流動状に変化させた状態も含まれ、また「粘度を上昇させる」の範囲には、液状または流動状の物を半固形状や固形状にすることも含まれる。従って、例えば、固形状の食品を咀嚼することが困難な高齢者等のために、固形状の食品と一緒にミキサーにかけて全体を流動状にしてその後その食品全体を半固形状、ゲル状にまとめることができる固形化補助粉末等も、とろみ剤の範囲に包含される。
また、粉乳とは、乳及び乳製品の成分規格等に関する省令(昭和26年12月27日厚生省令第52号)において定義される「乳」、「乳製品」、または「乳又は乳製品を主要原料とする食品」であって粉粒状のものを意味する。なお、粉乳の範囲には、以上の他にさらにインスタントクリーミングパウダー(コーヒー、紅茶、ココア等に添加してその風味をクリーミーにする粉末)も包含される。
以上の粉乳としては、例えば、牛乳、発酵乳、チーズ等を粉粒状にしたものや、全粉乳、脱脂粉乳、クリームパウダー、ホエイパウダー、たんぱく質濃縮ホエイパウダー、バターミルクパウダー、加糖粉乳、調整粉乳等を例示することができる。また、インスタントクリーミングパウダーとしては、コーヒー、紅茶、ココア等に添加する様々なクリーミングパウダーが例示できる。
とろみ剤または粉乳Cの粒径は、例えば2000μm以下が好ましい。また、容器本体11に充填されたとろみ剤または粉乳Cの質量は、例えば5g以上300g以下が好ましい。
次に、図3および図4を用いて、計量機構20について説明する。
図3および図4に示すように、本実施の形態による計量機構20は、底部材(底蓋)30と、底部材30上に設けられた中部材(中蓋)40と、中部材40上に設けられた上部材(上蓋)50と、からなる3つの部材によって構成されている。このうち底部材30は容器本体11の開口を覆うように配置され、中部材40は底部材30を覆うように配置され、上部材50は中部材40を覆うように配置されている。これら底部材30、中部材40および上部材50は、互いに別体に作製された後、容器本体11に取り付ける際に組み合わされて一体化されている。
底部材30は、第1振り出し開口31と、第1振り出し開口31から末広がり状に延びる傾斜部32と、傾斜部32の周囲に位置する第2計量部33と、を有している。
第1振り出し開口31は、底部材30の径方向略中心であって、山形状の傾斜部32の頂部に位置している。第1振り出し開口31は、とろみ剤または粉乳Cを容器本体11から中部材40の第1計量部42(後述)へ振り出す際、とろみ剤または粉乳Cが通過する開口である。この第1振り出し開口31は、平面視略円形状である。また、第1振り出し開口31の周縁には、略円環形状の開口縁部31aが形成されている。この開口縁部31aは、中部材40の第1計量部42側に進入しており、開口縁部31aは、中部材40の周縁部43(後述)よりも上方(容器本体11の反対側)に位置している。
傾斜部32は、上述したように末広がり状に延びており、第1振り出し開口31から下方(容器本体11側)に向かうにつれて拡径するように形成されている。傾斜部32は、全体として切頭円錐面状かつ断面八の字状であり、周方向全域にわたって形成されている。この傾斜部32は、中部材40の第1計量部42で計量されて第1計量部42に貯留されたとろみ剤または粉乳Cを、第2計量部33側に流入させる役割を果たす。なお、傾斜部32は、断面視で略直線状に延びているが、これに限らず断面視で湾曲していても良い。
傾斜部32と第2計量部33との間には、垂直壁34が形成されている。この垂直壁34は、略円筒形状を有し、傾斜部32の下端から垂下されている。なお、垂直壁34を設けることなく、傾斜部32の下端を直接第2計量部33に接続しても良い。
第2計量部33は、傾斜部32および垂直壁34の周囲に形成されている。この第2計量部33は、中部材40の第1計量部42内で計量されたとろみ剤または粉乳Cを、上部材50の第2振り出し開口51(後述)から振り出す前に貯留しておく貯留部としての役割を果たす。第2計量部33は、垂直壁34の下端に連結された傾斜底面35と、傾斜底面35の外縁に連結された外壁面36とを有している。
傾斜底面35は、径方向内側(傾斜部32側)から径方向外側(外壁面36側)へ向かうにつれて下方(中部材40から遠ざかる方向)に向けて傾斜している。この傾斜底面35は、全体として切頭円錐面状かつ断面八の字状であり、周方向全域にわたって形成されている。このような傾斜底面35を設けたことにより、中部材40の第1計量部42から流れ込んだとろみ剤または粉乳Cが、第2計量部33内の径方向外側に貯まりやすくなっている。これにより、計量容器10を倒立させた際、とろみ剤または粉乳Cが第1計量部42に戻ることを抑制することができる。なお、傾斜底面35は、断面視で略直線状に延びているが、これに限らず断面視で湾曲していても良い。
外壁面36は、傾斜底面35の外縁から上方に延びており、全体として略円筒形状を有している。外壁面36の上端は、傾斜部32の下端よりも上方(容器本体11の反対側)に位置している。また、外壁面36の上端には、周縁フランジ37が連結されている。この周縁フランジ37は、平面視略円環形状を有しており、容器本体11の第2容器側面14上に載置されている。この周縁フランジ37を、中部材40の外周リング48(後述)と容器本体11の第2容器側面14との間に挟持することにより、底部材30が中部材40と容器本体11との間に固定されている。
中部材40は、突起部41と、突起部41の周囲に位置する第1計量部42と、第1計量部の周囲に位置する周縁部43とを有している。
突起部41は、中部材40の径方向略中心に位置しており、上方(容器本体11の反対側)から底部材30の第1振り出し開口31側に向けて突出している。この突起部41は、中心に位置する頂部41aと、頂部41aから末広がり状に延びる突起傾斜部41bとを有する。また、突起部41の上部材50側には、凹部41cが形成されている。頂部41aは、突起部41のうち最も下方(容器本体11側)に位置している。突起傾斜部41bは、頂部41aから上方(容器本体11の反対側)に向かうにつれて拡径するように傾斜して形成されている。また突起傾斜部41bは、断面視で湾曲する形状を有している。このように、突起傾斜部41bを傾斜させたことにより、突起部41上にとろみ剤または粉乳Cが残存しにくくなっている。また、頂部41aは、第1振り出し開口31よりも上方(容器本体11の反対側)に位置している。
突起部41は、一旦第1計量部42に収容されたとろみ剤または粉乳Cが容器本体11側に戻ることを抑制するためのものである。この突起部41は、平面視略円形状かつ断面視で略丸みを帯びた山形状である。また、平面視において、突起部41は第1振り出し開口31よりも大きい。すなわち、突起部41の直径(幅)D2は、第1振り出し開口の直径(幅)D1よりも大きい(D2>D1)。これにより、第1計量部42に収容されたとろみ剤または粉乳Cが容器本体11側に逆流することをより効果的に抑えることが可能となる。ここで、突起部41の直径(幅)D2とは、突起部41の突起傾斜部41bの外周縁における直径(幅)をいう。
第1計量部42は、第1振り出し開口31の周囲において全周にわたって形成されている。この第1計量部42は、計量容器10を倒立した際に、容器本体11から流入したとろみ剤または粉乳Cを計量および一時的に貯留するものである。この第1計量部42は、突起部41の上端に連結された傾斜天面44と、傾斜天面44の外縁に連結された周壁面45とを有している。
傾斜天面44は、径方向内側(突起部41側)から径方向外側(周壁面45側)へ向かうにつれて下方(容器本体11側)に向けて傾斜している。この傾斜天面44は、平面視円環状かつ断面視八の字状であり、周方向全域にわたって形成されている。このように傾斜天面44を設けたことにより、倒立していた計量容器10を正立させた際、とろみ剤または粉乳Cが第1振り出し開口31から容器本体11に戻ることを抑制することができる。なお、傾斜天面44は、断面視で湾曲しているが、これに限らず断面視で直線状に形成されていても良い。なお、傾斜天面44の外縁は、第1振り出し開口31よりも上方(容器本体11の反対側)に位置している。
周壁面45は、傾斜天面44の外縁から下方に延びており、径方向内側(傾斜天面44側)から径方向外側(周縁部43側)へ向かうにつれて下方(容器本体11側)に傾斜している。周壁面45の下端は、底部材30の傾斜部32の下端よりも上方(容器本体11の反対側)に位置している。第1計量部42は、底部材30の傾斜部32との間に隙間Sを空けるようにして配置されている。
また、底部材30の傾斜部32の外側の直径(幅)D3は、中部材40の第1計量部42の内側の直径(幅)D4よりも大きい(D3>D4)。これにより、第2計量部33に収容されたとろみ剤または粉乳Cが第1計量部42側に逆流することをより効果的に抑えることが可能となる。ここで、傾斜部32の外側の直径(幅)D3とは、傾斜部32の外周縁における直径(幅)をいい、第1計量部42の内側の直径(幅)D4とは、周壁面45の内周縁における直径(幅)をいう。
周縁部43は、第1計量部42の周縁に配置されており、全体として円環形状を有している。この周縁部43は、複数(本実施の形態では4つ)の周縁開口部46と、複数(本実施の形態では4つ)の支柱部47とを有している。このうち周縁開口部46は、それぞれ平面視扇形状を有しており、周方向に互いに間隔を空けて配置されている。この周縁開口部46は、計量容器10を倒立させた際、底部材30の第2計量部33に収容されたとろみ剤または粉乳Cを、上部材50の第2振り出し開口51側に向けて移動させる開口である。
支柱部47は、図4に示すように、それぞれ細長い棒形状を有し、第1計量部42から径方向外側に向けて水平方向に延びている。この場合、支柱部47は、平面視で90°ずつの等配に配置され、周縁開口部46は、一対の支柱部47間にそれぞれ形成されている。さらに、周縁開口部46および支柱部47の径方向外側には、平面視円環形状の外周リング48が設けられている。この外周リング48を上部材50の上部材段部55(後述)と底部材30の周縁フランジ37との間に挟持することにより、中部材40が上部材50と底部材30との間に固定されている。
上部材50は、第2振り出し開口51と、第2振り出し開口51の周囲で末広がり状に延びる傾斜面52と、傾斜面52から下方(容器本体11側)に延びる第1上部材側面53と、第1上部材側面53から下方に延びる第2上部材側面54と、を有している。
第2振り出し開口51は、上部材50の径方向略中心に位置している。第2振り出し開口51は、とろみ剤または粉乳Cを計量容器10から外部へ振り出す際、とろみ剤または粉乳Cが通過する開口である。この第2振り出し開口51は、平面視略円形状である。また、第2振り出し開口51の周縁には、略円筒形状の開口円筒部51aが形成されている。この開口円筒部51aは、傾斜面52の上端に形成されている。なお、第2振り出し開口51は、蓋部材57によって密閉されている。
傾斜面52は、上述したように末広がり状に形成されており、第2振り出し開口51から下方(容器本体11側)に向かうにつれて拡径するように形成されている。この傾斜面52は、全体として切頭円錐面状かつ断面八の字状であり、周方向全域にわたって形成されている。傾斜面52は、底部材30の第2計量部33から中部材40の周縁開口部46を通過して移動してきたとろみ剤または粉乳Cを、第2振り出し開口51から振り出しやすくする役割を果たす。なお、傾斜面52は、断面視で略直線状に延びているが、これに限らず、断面視で湾曲していても良い。
傾斜面52の下端には、第1上部材側面53が形成されている。この第1上部材側面53は、略円筒形状を有し、傾斜面52から垂下されている。なお、第1上部材側面53を設けることなく、傾斜面52の下端を直接第2上部材側面54に接続しても良い。
第1上部材側面53の下端には、第2上部材側面54が形成されている。この第2上部材側面54は、略円筒形状を有し、第1上部材側面53から垂下されている。なお、第2上部材側面54の径は、第1上部材側面53の径よりも大きく、第1上部材側面53と第2上部材側面54との間には、上部材段部55が形成されている。この上部材段部55と容器本体11の第2容器側面14との間で、底部材30の周縁フランジ37および中部材40の外周リング48が挟持される。これにより、上部材50によって底部材30および中部材40が容器本体11に対して固定される。
第2上部材側面54の内周面には、容器本体11の雄ねじ部16に螺着される雌ねじ部56が形成されている。上部材50の雌ねじ部56が容器本体11の雄ねじ部16に螺着されることにより、上部材50が容器本体11に着脱可能に取り付けられる。また、上部材50が容器本体11に取り付けられることにより、中部材40および底部材30が上部材50と容器本体11との間に固定される。なお、これに限らず、上部材50は、容器本体11に対して打栓式に取り付けられるようにしても良い。
上述した容器本体11、底部材30、中部材40および上部材50の材料としては、例えば、ポリプロピレン、ABS樹脂等の合成樹脂材料を用いることができる。容器本体11、底部材30、中部材40および上部材50の材料は互いに同一であっても良く、異なっていても良い。また、容器本体11、底部材30、中部材40および上部材50を作製する方法としては、射出成形法やコンプレッション成形法を挙げることができる。
次に、このような構成からなる本実施の形態について説明する。具体的には、計量容器10を用いて定量のとろみ剤または粉乳Cを振り出す際の作用について、図5(a)-(c)を用いて説明する。
はじめに、容器本体11にとろみ剤または粉乳Cを充填する。この場合、まず上部材50を容器本体11に対して回転することにより、容器本体11と計量機構20とを互いに分離する。具体的には、上部材50の雌ねじ部56を容器本体11の雄ねじ部16から取り外すことにより、上部材50を容器本体11から取り外す。このとき、底部材30および中部材40も容器本体11から取り外される。
次に、容器本体11の開口からとろみ剤または粉乳Cを容器本体11内に充填した後、容器本体11と計量機構20とを互いに螺着する。具体的には、容器本体11上に底部材30および中部材40を載置し、上部材50の雌ねじ部56を容器本体11の雄ねじ部16に螺合する。これにより、底部材30、中部材40および上部材50が容器本体11に対して取り付けられる。その後、第2振り出し開口51を蓋部材57によって密閉することにより、とろみ剤または粉乳入り計量容器10が得られる。
続いて、計量容器10内のとろみ剤または粉乳Cを振り出す。この場合、まず第2振り出し開口51から蓋部材57を剥離する。次に、図5(a)に示すように、計量機構20を下方に向けるとともに容器本体11の底面12を上方に向け、計量容器10を倒立状態とする。このとき、容器本体11内のとろみ剤または粉乳Cは、底部材30の第1振り出し開口31を通過して落下し、中部材40の第1計量部42に流入する。その後、第1計量部42内のとろみ剤または粉乳Cの面位が上昇して第1振り出し開口31を塞いだとき、とろみ剤または粉乳Cの落下は自然停止する。したがって、第1計量部42に流入するとろみ剤または粉乳Cの容量は常に略一定となる。
次に、図5(b)に示すように、計量機構20を上方に向けるとともに容器本体11の底面12を下方に向け、計量容器10を正立させる。このとき、第1計量部42内に充填されたとろみ剤または粉乳Cは、傾斜部32と周壁面45との隙間Sを通って、第2計量部33に移動する。第2計量部33内に達したとろみ剤または粉乳Cは、傾斜底面35に沿って外周方向に案内される。
ところで本実施の形態において、中部材40の突起部41が第1振り出し開口31側に向けて突出している。これにより、計量容器10を正立させた際に、第1計量部42から第1振り出し開口31側に逆流するとろみ剤または粉乳Cの量を少なくすることができる。このため、一旦第1計量部42に収容されたとろみ剤または粉乳Cが容器本体11内に戻ることを抑え、第1計量部42においてとろみ剤または粉乳Cを正確かつ安定して計量することが可能となる。
続いて、図5(c)に示すように、計量容器10を再度倒立させる。この場合、第2計量部33に貯められたとろみ剤または粉乳Cは、中部材40の周縁開口部46を通り、傾斜面52を伝わって第2振り出し開口51から振り出される。この際、容器本体11内のとろみ剤または粉乳Cは第1振り出し開口31から流出するが、第1計量部42に蓄積されるので、外部に振り出されることはない。
このように本実施の形態によれば、中部材40は、第1振り出し開口31側に向けて突出する突起部41を有する。これにより、計量容器10を倒立状態から正立させ、第1計量部42で計量されたとろみ剤または粉乳Cを第2計量部33へ移動する際、第1計量部42内のとろみ剤または粉乳Cが第1振り出し開口31へ逆流することを抑制することができる。このため、とろみ剤または粉乳Cを正確かつ安定して計量することができる。
また本実施の形態によれば、突起部41は、頂部41aから末広がり状に延びる突起傾斜部41bを有する。これにより、計量容器10を倒立状態から正立させた際、とろみ剤または粉乳Cが突起部41上に残存しにくくすることができる。このため、第1計量部42におけるとろみ剤または粉乳Cの計量誤差を低減することができる。
また本実施の形態によれば、中部材40の周縁部43は、径方向外側に向けて延びる複数の支柱部47を有し、周縁開口部46は、一対の支柱部47間に形成されている。この場合、支柱部47を用いて第1計量部42を中部材40の中央に支持することができる。また、周縁開口部46を介して第2計量部33内のとろみ剤または粉乳Cを第2振り出し開口51側に移動させることができる。
また本実施の形態によれば、底部材30の第2計量部33は、径方向内側から径方向外側へ向かうにつれて下方(中部材40から遠ざかる方向)に傾斜する傾斜底面35を有する。これにより、第2計量部33に収容されたとろみ剤または粉乳Cを、第2計量部33の径方向外側に貯めることができる。このため、第2計量部33に収容されたとろみ剤または粉乳Cが第1計量部42側に逆流することが抑制されるので、計量精度を向上することができる。
また本実施の形態によれば、容器本体11に充填されている内容物として、とろみ剤または粉乳Cを用いていることにより、例えば、計量容器10からとろみ剤を正確かつ一定の量で振り出すことができるため、液状または流動状の物を適正な粘度にすることができるとともに、使用する度に粘度がばらつくことが少ない、という効果が得られる。また、計量容器10から粉乳を正確かつ一定の量で振り出すことができるため、使用する度に、溶解した粉乳の成分濃度がばらつくことが少ない、という効果が得られる。
次に、上記実施の形態における具体的実施例について説明する。
(実施例)
図1乃至図4に示す計量容器10(実施例)を準備した。
(比較例)
市販されている計量容器100(比較例)を準備した。この計量容器100は、図6に示すように、計量機構101と、計量機構101に取り付けられた容器本体102とを備えている。計量機構101は、底部材104と、中部材107と、上部材109とを有している。このうち底部材104は、第1振り出し開口103を有している。また中部材107は、底部材104を覆うように配置されており、計量部105と、計量部105の周囲に位置する貯留部106とを有している。さらに上部材109は、中部材107を覆うように配置されるとともに、第2振り出し開口108を有している。
次に、計量容器10(実施例)と計量容器100(比較例)とに対してそれぞれとろみ剤を50gずつ充填した。とろみ剤としては「つるりんこQuickly」(商品名・株式会社クリニコ製)を用いた。続いて、計量容器10(実施例)と計量容器100(比較例)とに対してそれぞれ振り出し作業を複数回行い、このときの毎回の振出量を測定した。とろみ剤が安定して振り出せなくなるまで繰り返し、振出量の平均値を算出した。この結果を以下に示す。
Figure 0007034720000001
この結果、計量容器100(比較例)と比べて、計量容器10(実施例)の方が、とろみ剤の振出量のレンジ(最大値-最小値)が小さくなった。このことから、計量容器10(実施例)の方が、計量容器100(比較例)よりもとろみ剤の振出量のばらつきを抑えられると考えられる。
本発明は上記実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
10 計量容器
11 容器本体
20 計量機構
30 底部材
31 第1振り出し開口
32 傾斜部
33 第2計量部
35 傾斜底面
40 中部材
41 突起部
41a 頂部
41b 突起傾斜部
42 第1計量部
43 周縁部
46 周縁開口部
47 支柱部
50 上部材
51 第2振り出し開口
52 傾斜面

Claims (3)

  1. とろみ剤または粉乳入り計量容器であって、
    とろみ剤または粉乳が充填された容器本体と、
    前記容器本体に取り付けられた計量機構と、を備え、
    前記計量機構は、底部材と、前記底部材を覆うように配置された中部材と、前記中部材を覆うように配置された上部材とを有し、
    前記底部材は、第1振り出し開口と、前記第1振り出し開口から末広がり状に延びる傾斜部と、前記傾斜部の周囲に位置する第2計量部と、前記傾斜部と前記第2計量部との間に形成された垂直壁と、を有し、
    前記中部材は、前記第1振り出し開口側に向けて突出する突起部と、前記突起部の周囲に位置するとともに、前記傾斜部との間に隙間を空けて配置された第1計量部と、前記第1計量部の周囲に位置するとともに、周縁開口部を有する周縁部と、を有し、
    前記上部材は、第2振り出し開口を有し、
    前記底部材の前記第2計量部は、内側から外側へ向かうにつれて前記中部材から遠ざかる方向に傾斜する傾斜底面と、前記傾斜底面の外縁から前記中部材側に延びる外壁面とを有する、計量容器。
  2. 前記突起部は、頂部と、前記頂部から末広がり状に延びる突起傾斜部とを有する、請求項1記載の計量容器。
  3. 前記中部材の前記周縁部は、径方向に延びる複数の支柱部を有し、前記周縁開口部は、一対の前記支柱部間に形成されている、請求項1または2記載の計量容器。
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