以下、本発明の実施の形態について図に基づいて説明する。
実施の形態1.
まず本実施の形態の集積装置の構成について図1~図5を用いて説明する。なお、説明の便宜のため、X方向、Y方向、Z方向が導入されている。図1は、本実施の形態の集積装置の構成を示す概略斜視図である。図2は図1の集積装置に用いられる搬送パレットを示す概略斜視図である。図3は図1の集積装置に含まれる乗継ガイド部材の構成の第1例を示す概略平面図である。図4は図1の集積装置に含まれる乗継ガイド部材の構成の第2例を示す概略平面図である。図5は図1のV-V線に沿う部分の概略断面図であり、図1の集積装置を構成する各部材間の配置態様を示している。
図1および図2を参照して、本実施の形態の集積装置100は、搬送コンベア1と、集積コンベア2と、乗継ガイド部材3とを主に有している。なお図1の集積装置100において、対象物はおおむねX方向の正側に向けて(X方向に沿って)、すなわち搬送コンベア1側から集積コンベア2側に向けて流通するものとする。
搬送コンベア1は、搬送後に安定に整列集積しようとする図示されない対象物を載置する搬送パレット4を、集積コンベア2側へ搬送するためのものである。ここで搬送パレット4は、図2に示すように、パレット本体部4aと突起部4bとからなる。パレット本体部4aはたとえば直方体状を有し、対象物を載置可能である。突起部4bはパレット本体部4aの底面(Z方向下側の面)の中央部からZ方向下方に突起した部分である。集積コンベア2は、搬送コンベア1の下流側に配置され、対象物を集積するためのものである。乗継ガイド部材3は搬送コンベア1と集積コンベア2との間に配置され、搬送コンベア1から流れてくる対象物を集積コンベア2上に乗継させる中間媒体としての役割を有している。
搬送コンベア1は、搬送ローラ1aと、搬送ベルト1bとを含んでいる。搬送ローラ1aは、Y方向に沿って延びるたとえば円柱形状を有している。実際には搬送ローラ1aは、図1に示される集積コンベア2側のものよりもX方向負側にも、図1に示される搬送ローラ1aとX方向に関して間隔をあけて配置されており、これらの搬送ローラ1aは対をなしている。しかし図1においては上記対をなす搬送ローラ1aのうちX方向負側のものは省略されている。
搬送ベルト1bは、上記のように対をなす搬送ローラ1aのそれぞれの、Y方向に長く延びる部分の表面上の少なくとも一部に重なるように、搬送ローラ1aの外側に掛け渡された態様を有している。このため搬送ベルト1bはX方向に沿って延びるトラック状の形状を有している。これら1対の搬送ローラ1aのそれぞれが、図1の手前から見て時計回りの方向に、回転速度R1で回転する。これにより、搬送ベルト1bは、図1のZ方向上側においてはX方向正側すなわち搬送コンベア1から集積コンベア2に向かう方向に摺動し、図1のZ方向下側においてはX方向負側すなわち集積コンベア2から搬送コンベア1に向かう方向に摺動する。したがって搬送ローラ1aのZ方向上側の搬送ベルト1b上に載置された対象物は、集積コンベア2に向かう方向に移動することができる。なお搬送ベルト1bはメッシュ形状を有している。言い換えれば搬送ベルト1bは、これを貫通する多数の孔部1hを有する網目形状により形成されている。ただし搬送ベルト1bの態様はこれに限られない。搬送ベルト1bが孔部1hを有することにより、搬送ベルト1b上を流れる搬送パレット4の突起部4bが孔部1hに挿入された状態となり、搬送パレット4が搬送ベルト1b上に安定に載置される。
次に、集積コンベア2は、集積ローラ2aと、集積ベルト2bと、集積孔部としての集積溝2cとを含んでいる。集積ローラ2aは、Y方向に沿って延びるたとえば円柱形状を有している。図1では集積ローラ2aは、X方向に関して間隔をあけて1対配置され、かつこの対がZ方向に関しても間隔をあけて1対配置されている。このため図1の集積コンベア2には集積ローラ2aが合計4つ含まれているが、これに限られない。集積ローラ2aは搬送ローラ1aより小さくなっているが、これに限られない。また図1のZ方向下側の1対の集積ローラ2aよりも、図1のZ方向上側の1対の集積ローラ2aの方が、X方向に関する間隔が広くなっている。しかしこのような態様に限られない。
集積ベルト2bは、上記のようにたとえば4つ配置される集積ローラ2aのそれぞれの、Y方向に長く延びる部分の表面上の少なくとも一部に重なるように、集積ローラ2aの外側に掛け渡された態様を有している。これら2対の集積ローラ2aのそれぞれが、図1の手前から見て時計回りの方向に、回転速度R2で回転する。これにより、搬送ベルト1bは、図1のZ方向上側においてはX方向正側すなわち搬送コンベア1から集積コンベア2に向かう方向に摺動し、図1のZ方向下側においてはX方向負側すなわち集積コンベア2から搬送コンベア1に向かう方向に摺動する。したがって集積ローラ2aのZ方向上側の集積ベルト2b上に載置された対象物は、集積コンベア2のX方向正側に向かうように移動することができる。
図1において、集積ベルト2bはベルト状の平板形状の部材により形成される。この集積ベルト2bの幅方向すなわちY方向に関する中央部には、X方向に沿って延びトラック形状を構成する集積溝2cが形成されている。すなわち集積溝2cの部分においては集積ベルト2bは他の部分より凹んでいる。なお集積溝2cは集積ベルト2bを一方の主表面(たとえばZ方向上側)からこれと反対側の他方の主表面(たとえばZ方向下側)まで貫通していてもよい。また集積コンベア2には、その流通方向であるX方向に沿う方向の終点部の近くに、ストッパ5が備えられている。ストッパ5は、搬送コンベア1から搬送された対象物を整列集積させることが可能となっている。ストッパ5は、集積ベルト2b上を集積溝2cと交差するようにY方向に延びている。これによりストッパ5に到達した搬送パレット4および対象物は、それ以上X方向正側に移動することができなくなり、その位置で整列集積されることが可能となる。
乗継ガイド部材3は、搬送コンベア1に含まれる搬送ベルト1bの延びるX方向に関して、搬送ベルト1bの延長線上に設けられている。図3を参照して、乗継ガイド部材3は、全体的には矩形状に近い外観形状を有するガイド部材本体部3aにより形成されている。ただし乗継ガイド部材3には、複数のガイド部材溝3bが形成されている。ガイド部材溝3bは、複数のガイド部材溝のうちY方向に関する一方の端部および他方の端部以外の位置に配置されるものである。ガイド部材溝3bは、搬送コンベア1と集積コンベア2とを結ぶ流通方向に沿って延びるX方向に沿って延び、X方向に交差する幅方向としてのY方向に沿って、間隔をあけて並ぶように配置されている。
図1に示すように、乗継ガイド部材3のY方向寸法は、搬送ベルト1bおよび/または集積ベルト2bのY方向寸法と同じであってもよい。しかしこれに限らず、たとえば乗継ガイド部材3のY方向寸法は、搬送ベルト1bおよび/または集積ベルト2bのY方向寸法の95%以上105%以下であることが好ましい。
なお複数のガイド部材溝3bのうち幅方向(Y方向)に関する一方の端部(図3の左端)のもの、およびこれとは異なる幅方向(Y方向)に関する他方の端部(図3の右端)のものは、流通方向(X方向)に沿って延びる部分と、流通方向に対し傾斜する方向に延びる部分とを含むガイド部材溝3cとなっている。すなわち図3の左端のガイド部材溝3cは、X方向に沿って図の上方に延びる部分と、それよりも図の右上方向に傾斜して延びる方向とを含んでいる。また図3の右端のガイド部材溝3cは、X方向に沿って図の上方に延びる部分と、それよりも図の左上方向に傾斜して延びる方向とを含んでいる。同様に図3の左端のガイド部材溝3cは、X方向に沿って図の上方に延びる部分と、それよりも図の右上方向に傾斜して延びる方向とを含んでいる。このようにガイド部材溝3b,3cは、搬送される対象物の流通方向であるX方向に沿って延びる部分を少なくとも部分的に含む。
ガイド部材溝3b,3cは溝状部分である。すなわちガイド部材溝3b,3cの部分においてはガイド部材本体部3aが他の部分より凹んでいる。ただしガイド部材溝3b,3cはガイド部材本体部3aを一方の主表面(たとえばZ方向上側)からこれと反対側の他方の主表面(たとえばZ方向下側)まで貫通していてもよい。
乗継ガイド部材3は、対象物の搬送方向に関する始点としての始点部3E1と、搬送方向に関する終点としての終点部3E2とを有している。つまり乗継ガイド部材3のX方向に関する搬送コンベア1側の端部は始点部3E1であり、X方向に関する集積コンベア2側の端部は終点部3E2である。乗継ガイド部材3の始点部3E1およびこれに隣接する領域には、ガイド部材本体部3aとは異なるガイド部材付属部3dとしての部材が、ガイド部材本体部3aに付属するように接続された態様を有していてもよい。しかしこれに限らず、ガイド部材付属部3dはガイド部材本体部3aと一体として形成されてもよい。図3および図4においては一例としてガイド部材付属部3dがガイド部材本体部3aに接続された態様が示されている。
ガイド部材付属部3dの中でも最も搬送コンベア1に近い側の部分すなわち先端部はガイド部材先端部3d1として形成されている。ガイド部材付属部3dはガイド部材本体部3aと同様に乗継ガイド部材3の本体をなし部材が配置される部分である。複数のガイド部材溝3bのそれぞれは搬送コンベア1側の先端部であるガイド部材先端部3d1から延びている。したがってガイド部材先端部3d1は複数のガイド部材溝3bのうち互いに隣り合う1対のガイド部材溝3bに挟まれた領域に相当する。図3に示すように、ガイド部材先端部3d1はたとえばV字型に尖った平面形状を有していてもよい。これにより、搬送パレット4の突起部4bが、搬送コンベア1の孔部1hからガイド部材溝3b,3cに嵌挿されることで、容易に乗継可能となる。ただし図4に示すように、ガイド部材先端部3d2はたとえば円弧状などの曲面形状を有していてもよい。
Y方向に複数並ぶガイド部材先端部3d1に挟まれた領域は、ガイド部材溝3b,3cよりも幅の広い隙間である広幅ギャップ部3fとして形成される。広幅ギャップ部3fはさらにその上流側が搬送コンベア1の搬送ローラ1aに繋がっている部分である。このため搬送ローラ1aがY方向に関してどの位置から広幅ギャップ部3fに到達したとしても、搬送パレット4の突起部4bはいずれかのガイド部材溝3b,3cに嵌挿することができる。
これは以下の理由による。すなわち、突起部4bがいずれかのガイド部材溝3bの中心を通る場合には、突起部4bはその流通方向に沿ってそのままガイド部材溝3bに嵌挿することができる。しかし突起部4bがいずれのガイド部材溝3bの中心からもY方向に関して離れた位置を通る場合には、X方向に関して広幅ギャップ部3fからガイド部材先端部3d1に移る際に、突起部4bの表面の一部がガイド部材先端部3d1に接する。これによりガイド部材先端部3d1のV字型形状またはガイド部材先端部3d2の円弧形状に誘導されるように、突起部4bはいずれかのガイド部材溝3b,3c内に嵌挿される。ガイド部材先端部3d2は円弧状の曲面形状を有するため、ガイド部材先端部3d1に比べて、これに接触する突起部4bが、広幅ギャップ部3fおよびガイド部材先端部3d2にて引っ掛かりの不具合を生じる可能性を低減できる。
一方、終点部3E2、およびこれに隣接する領域において、複数のガイド部材溝3bおよびガイド部材溝3cのそれぞれが集積される。すなわち終点部3E2およびこれに隣接する領域においては、複数の集積されたガイド部材溝3b,3cはいずれも1つの集積ガイド部材溝3gに通じる態様となっている。集積ガイド部材溝3gはガイド部材溝3b,3cと同様に、その部分においてはガイド部材本体部3aが他の部分より凹んでいる。ただし集積ガイド部材溝3gはガイド部材本体部3aを一方の主表面(たとえばZ方向上側)からこれと反対側の他方の主表面(たとえばZ方向下側)まで貫通していてもよい。
上記のようにY方向に関する一方および他方の端部以外のガイド部材溝3bはX方向に沿って延びる。またY方向に関する一方および他方の端部のガイド部材溝3cは、最も搬送コンベア1側(ガイド部材付属部3dなど)においてはX方向において延びるが、屈曲することによりX方向に対して傾斜するように延びる部分を含んでいる。複数のガイド部材溝3bのうちY方向中央のものは、始点部3E1から終点部3E2まで一貫してX方向に沿ってまっすぐ延びている。このためY方向中央のガイド部材溝3bは、終点部3E2側に向けてまっすぐ延びたまま集積ガイド部材溝3gに達する。しかしガイド部材溝3bのうちY方向中央以外のものは、始点部3E1から終点部3E2に向けてX方向に沿って延びるが、途中でガイド部材溝3cと交差する場所が終点となっており、そこから終点部3E2側へは延びていない。したがってガイド部材溝3bのうちY方向中央以外を通る突起部4bは、ガイド部材溝3cとぶつかる場所まではガイド部材溝3bに嵌挿された状態でこれに沿って終点部3E2側へ向けて進むが、ガイド部材溝3cとぶつかった時点以降はガイド部材溝3cに嵌挿された状態でこれに沿って終点部3E2側へ向けて進む。ガイド部材溝3cは、集積ガイド部材溝3gと交差する場所までX方向およびY方向に対して傾斜する方向に延びるが、集積ガイド部材溝3gと交差する場所からは延びていない。このためガイド部材溝3cに嵌挿され終点部3E2側へ進む突起部4bは最終的に集積ガイド部材溝3gに達する。以上のようにガイド部材溝3b,3cは、始点部3E1にていずれのガイド部材溝3b,3cに突起部4bが入ったとしても、終点部3E2においては必ずY方向中央にある集積ガイド部材溝3gに達する経路となっている。
本実施の形態においては、乗継ガイド部材3のX方向正側には集積コンベア2が続く。このため集積ガイド部材溝3gの終点部3E2に達した突起部4bは、そこから集積コンベア2の集積溝2cに乗継され、ストッパ5側に向けての進行が可能となる。このため集積溝2cは集積ガイド部材溝3gと隣り合う位置に配置される。すなわち集積溝2cは集積ガイド部材溝3gと、Y方向に関してほぼ同じ位置に配置される。
以上の構成を有する本実施の形態においては、図3、図4に示す乗継ガイド部材3の複数のガイド部材付属部3dの隣り合うガイド部材先端部3d1,3d2のピッチ(Y方向の間隔)w2は、搬送パレット4のY方向寸法w1(図2参照)と同じまたはそれより小さいことが好ましい。このようにすれば、搬送コンベア1から乗継ガイド部材3への乗継時における搬送パレット4および載置される対象物の転倒を抑制することができる。
また本実施の形態においては、図3および図4に示すガイド部材溝3b,3cのY方向に沿う幅w4が、図2に示す搬送パレット4の突起部4bのY方向に沿う幅w3よりも大きい。これにより突起部4bのガイド部材溝3b,3cへの挿入が可能となる。
その他、図1および図5を参照して、本実施の形態においては、搬送コンベア1の搬送ベルト1bは、X方向に関する上流側がZ方向に関して高い位置にあり、X方向に関する下流側がZ方向に関して低い位置にあることが好ましい。このように集積装置100の搬送ベルト1bはX方向に関して傾斜するように延びていてもよい。一方、乗継ガイド部材3はX方向に関して傾斜することなく、ほぼ水平に配置されている。すなわち乗継ガイド部材3のガイド部材先端部3d1,3d2のZ方向の高さは、搬送ベルト1bのうち最もガイド部材先端部3d1,3d2に近い位置とZ方向に関してほぼ同じ高さにあることが好ましい。このようにすれば、搬送コンベア1から乗継ガイド部材3への乗継時に対象物が乗継ガイド部材3上で引っかかったり転倒したりするなどの不具合を抑制することができる。
再度図1を参照して、次に、本実施の形態の集積装置100における搬送コンベア1から集積コンベア2への対象物の搬送時の各部材の動作についてより詳細に説明する。本実施の形態の集積装置100は、上記の搬送コンベア1、集積コンベア2、乗継ガイド部材3の他に、一軸アクチュエータ6およびプッシャー7を有している。一軸アクチュエータ6は、乗継ガイド部材3のZ方向真上に設けられている。一軸アクチュエータ6は、搬送パレット4および搬送される対象物を乗継ガイド部材3上にて図1中の矢印に示すようにX方向に沿って搬送する機能を有している。またプッシャー7は搬送パレット4上の搬送対象物をZ方向下方へ押し込む機能を有している。この他、図示されないが、乗継ガイド部材3のガイド部材先端部3d1,3d2(図3、図4参照)には、搬送パレット4および搬送対象物の到着を検知するセンサが設けられている。さらにプッシャー7には、プッシャー7の昇降動作を行なう図示されない昇降シリンダが設けられている。
搬送ベルト1bの孔部1hに突起部4bが挿入された搬送パレット4は、搬送ローラ1aの回転による搬送ベルト1bの推進により乗継ガイド部材3の始点部3E1に近い広幅ギャップ部3fまで流通される。広幅ギャップ部3fでは搬送パレット4は搬送ベルト1bから得る推力により、上記のようにいずれかのガイド部材溝3b,3cに突起部4bが挿入されるようにX方向に推進する。しかし搬送パレット4は乗継ガイド部材3に乗継が完了した後は搬送ベルト1bからの動力の伝達を失う。このため乗継ガイド部材3上では搬送パレット4はX方向に進み続けることなく、乗継ガイド部材3のガイド部材先端部3d1,3d2に隣接する領域にて停止する。
図6は、図1の集積装置において搬送パレット4が乗継ガイド部材3上に乗継された状態を示す概略斜視図である。図6を参照して、ガイド部材先端部3d1,3d2に到着した搬送パレット4は、図1に示されない上記のセンサにより検知される。これにより一軸アクチュエータ6およびプッシャー7は、搬送パレット4の真上にプッシャー7が配置される位置まで移動する。一軸アクチュエータ6およびプッシャー7は、Z方向下方へ移動し搬送パレット4(上の搬送対象物)を下方へ押し込みながらX方向下流側へ移動するように駆動する。これにより、搬送パレット4は、突起部4bがいずれかのガイド部材溝3b,3cに挿入された状態を保ちながら、乗継ガイド部材3上をX方向正側へ移動する。なおプッシャー7は、図1に示すように、Y方向の寸法w1が、乗継ガイド部材3のY方向寸法w1(図2参照)と(ほぼ)同じとなるように幅が設けられることが好ましい。より正確には、プッシャー7の寸法w1は、乗継ガイド部材3の寸法w1の95%以上105%以下であることが好ましい。Y方向に関して搬送パレット4が乗継ガイド部材3上に配置される位置は不確定である。このため、プッシャー7と乗継ガイド部材3とのY方向寸法をほぼ等しくすれば、乗継ガイド部材3上の搬送パレット4の配置されるY方向の位置にかかわらず、プッシャー7が搬送パレット4を下方へ押し込み、搬送パレット4を一軸アクチュエータ6でX方向に移動させることが可能となる。Y方向に関する搬送パレット4の位置にかかわらず、必ずプッシャー7が搬送パレット4の真上に重なるように配置される態様となるためである。なおガイド部材溝3cはX方向に対して傾斜する方向に延びる部分を含むが、プッシャー7がガイド部材溝3cに突起部4bが嵌挿された搬送パレット4(上の搬送対象物)を下方へ押し込むことにより、搬送パレット4はガイド部材溝3cに沿って終点部3E2側へ進行可能である。
このように、一軸アクチュエータ6およびプッシャー7は、乗継ガイド部材3上で自力でX方向正側へ移動できない搬送パレット4をX方向正側へ移動させる機能を有する。また一軸アクチュエータ6およびプッシャー7は、搬送パレット4を乗継ガイド部材3上にて下方への押し込みおよび上方への引き込みなどの搬送動作をするものである。
なお搬送パレット4が強磁性体により構成される場合には、上記一軸アクチュエータ6およびプッシャー7の代わりに、以下に述べる構成により搬送パレット4の乗継ガイド部材3上での押し込みおよび引き込みがされてもよい。すなわちマグネットチャックを用いて搬送パレット4を上方へ引き込ませてもよい。あるいは、乗継ガイド部材3のZ方向下部に突起部4bを下方へ押し込みこれを乗継ガイド部材3上にてX方向に沿って搬送可能とするコンベアが設けられてもよい。
搬送パレット4が乗継ガイド部材3上をX方向正側へ移動するためにプッシャー7などによる押し込み動作が継続され、搬送パレット4が集積ガイド部材溝3gに達し、そこから集積コンベア2の集積ベルト2b上に乗継される。このとき突起部4bは集積溝2cに挿入される。集積ローラ2aの回転により推進され集積ベルト2b上にて搬送パレット4がX方向正側へ搬送される。搬送パレット4は、ストッパ5に達したところで集積溝2cが分断されるため突起部4bの進行が遮断される位置にて、搬送が停止される。このとき搬送パレット4は、その底面と集積ベルト2bとの間に滑りが発生した状態で、X方向に関して配置される位置座標が維持される。
次に、本実施の形態の作用効果について説明する。
本実施の形態の乗継ガイド部材3には、搬送コンベア1側の先端部であるガイド部材先端部3d1,3d2から流通方向であるX方向に沿って延び、Y方向に沿って間隔をあけて並ぶ複数のガイド部材溝3b,3cが形成される。このためガイド部材先端部3d1,3d2に接触した搬送パレット4の突起部4bが、ガイド部材先端部3d1,3d2の外周形状に誘導されるようにX方向沿いに進行する。したがってY方向に関してどの位置に突起部4bすなわち搬送パレット4が載置されているかにかかわらず、乗継ガイド部材3に達した突起部4bを確実にいずれかのガイド部材溝3b,3cに挿入するようにガイドすることができる。これにより、たとえ搬送パレット4の底面に突起部4bを有する場合であっても、搬送パレット4をスムーズに予備整列させることができる。
また本実施の形態においては、乗継ガイド部材3の集積コンベア2側の終点部3E2において、複数のガイド部材溝3b,3cのそれぞれが集積ガイド部材溝3gに集積される。このような集積は、複数のガイド部材溝3b,3cのうち特にY方向端部の1対のガイド部材溝3cがX方向に対して傾斜する方向に延びる部分を含み、Y方向中央のガイド部材溝3bを除く各ガイド部材溝3bがガイド部材溝3cと交差する構成を有することにより達成される。これにより、いずれのガイド部材溝3b,3cを経由したかにかかわらず、最終的には突起部4bを集積ガイド部材溝3gに導くことができる。以上より、搬送コンベア1上での配置位置および配置状態等にかかわらず、搬送対象物を確実に集積ガイド部材溝3gまで導くことができる。
ただし、図1のようにたとえば各ガイド部材溝が交差するのではなく、(図示されないが)始点部3E1から終点部3E2の直前の位置までそれぞれ独立に延び、最終的に終点部3E2にてこれらの各ガイド部材溝が集積する構成であってもよい。
本実施の形態においては、集積コンベア2に含まれる集積ベルト2bには集積孔部としての集積溝2cが形成されている。また複数のガイド部材溝3b,3cのそれぞれは、乗継ガイド部材3の終点部3E2において集積溝2cに直接繋がるように集積されている。なおここでの集積溝2cに直接繋がるとは、乗継ガイド部材3の集積ガイド部材溝3gと集積コンベア2の集積溝2cとの間に他の部材を挟まないことを意味し、集積ガイド部材溝3gと集積溝2cとの間に隙間を有する場合も含むものとする。このため、いずれのガイド部材溝3b,3cを経由したかにかかわらず、最終的には集積ガイド部材溝3gに導かれた突起部4bを、そこに直接繋がる集積溝2cに挿入されるように通じさせることができる。以上より、搬送コンベア1上での配置位置および配置状態等にかかわらず、搬送対象物を確実に集積溝2cに挿入させ、集積コンベア2上で安定に搬送させ、整列集積させることができる。
また本実施の形態の集積装置100は、たとえば搬送対象物の画像データをカメラで取得し、その取得した画像データを基に当該搬送物をロボットでピッキングする複雑な構成を有するような比較例の集積装置に比べて、低コストである。
以上のように本実施の形態の集積装置100は、搬送パレット4を搬送コンベア1から乗継ガイド部材3に乗り継がせ、さらにそこから集積コンベア2に乗継させストッパ5の位置まで搬送する動作を繰り返させる。以上の一連の動作を繰り返させることにより、集積コンベア6上には、複数の搬送パレット4を整列した状態にて集積させることができる。
実施の形態2.
図7は、本実施の形態の集積装置の構成を示す概略斜視図である。図8は図7のVIII-VIII線に沿う部分の概略断面図であり、図7の集積装置を構成する各部材間の配置態様を示している。
図7および図8を参照して、本実施の形態の集積装置200は、基本的に実施の形態1の集積装置100と同様の構成を有している。このため同一の構成要素には同一の符号を付しその説明を繰り返さない。ただし集積装置200においては、搬送コンベア1の搬送ベルト1bが、X方向に関して上流側から下流側までほぼ同じ高さ位置にある。すなわち集積装置200の搬送ベルト1bは、X方向に関して傾斜することなく、ほぼ水平に延びている。この点において集積装置200は、搬送ベルト1bは、X方向に関する上流側がZ方向に関して高い位置にあり、X方向に関する下流側がZ方向に関して低い位置にある集積装置100と異なっている。
このように集積装置200の搬送ベルト1bはX方向に関して傾斜する場合に限られない。本実施の形態によれば、搬送対象物が図8に示す直線Lに接するように水平に流れながら乗継ガイド部材3に乗り継がれる。このため、乗継時に対象物が乗継ガイド部材3上で引っかかったり転倒したりするなどの不具合を抑制することができる。
実施の形態3.
図9は、本実施の形態の集積装置の構成を示す概略斜視図である。図10は図9のX-X線に沿う部分の概略断面図であり、図9の集積装置を構成する各部材間の配置態様を示している。
図9および図10を参照して、本実施の形態の集積装置300は、基本的に実施の形態1の集積装置100と同様の構成を有している。このため同一の構成要素には同一の符号を付しその説明を繰り返さない。ただし集積装置300においては、集積コンベア2の集積ベルト2bは、X方向に関する上流側がZ方向に関して低い位置にあり、X方向に関する下流側がZ方向に関して高い位置にある。このように集積装置300の集積ベルト2bはX方向に関して傾斜するように延びている。この点において集積装置300は、集積ベルト2bはX方向に関して上流側から下流側までほぼ同じ高さ位置にあるように水平に延びる集積装置100と構成上異なっている。
図9および図10に示すように、集積ベルト2bはX方向に関して、水平方向に対して傾斜する角度αが10°以下であることが好ましい。ただし乗継ガイド部材3の終点部3E2(図3、図4参照)のZ方向の高さは、集積ベルト2bのうち最も乗継ガイド部材3に近い位置とZ方向に関してほぼ同じ高さにあることが好ましい。すなわち本実施の形態においては、乗継ガイド部材3は集積コンベア2(への乗り継ぎ位置)と同一高さの位置に配置されることが好ましい。なおここで同一高さとは、完全に同一である場合に限らず、たとえば乗継ガイド部材3と集積コンベア2とのZ方向の高さの差が±0.5mm以下である場合を含む。このように実質的に同一高さとみなされる範囲内の微小な差は許容される。
このようにすれば、乗継ガイド部材3から集積コンベア2への乗継時に対象物が集積コンベア2上で引っかかったり転倒したりするなどの不具合を抑制することができる。また乗継ガイド部材3の集積ガイド部材溝3g(図3、図4参照)と集積溝2cとのZ方向高さがほぼ等しく両者間に段差がほとんど存在しない。このため、集積ガイド部材溝3gに嵌挿された突起部4bを集積溝2cに乗継させる際に、対象物を落下させるなどの整列に影響を及ぼすような工程を経ることなく、スムーズに乗継させることができる。
本実施の形態のように、集積ベルト2bをX方向に関する上流側が低く、X方向に関する下流側が高くなるよう傾斜させる。これにより、搬送パレット4の突起部4bを、集積ガイド部材溝3gから集積溝2cにスムーズに乗継させることができる。
実施の形態4.
図11は、本実施の形態の集積装置の構成を示す概略斜視図である。図11を参照して、本実施の形態の集積装置400は、基本的に実施の形態1の集積装置100と同様の構成を有している。このため同一の構成要素には同一の符号を付しその説明を繰り返さない。
集積装置400においては、集積コンベア2は、集積ローラ2dと、集積ベルト2eとを含んでいる。ただし集積ローラ2dは搬送ローラ1aと同様の形状およびサイズであり、集積ベルト2eは搬送ベルト1bと同様の形状およびサイズである。すなわち集積ローラ2dは、X方向に関して間隔をあけて対をなすように配置されているが、それらのうちX方向正側のものは図示省略されている。また集積ベルト2eは、上記のように対をなす集積ローラ2dのそれぞれの、Y方向に長く延びる部分の表面上の少なくとも一部に重なるように、集積ローラ2dの外側に掛け渡された態様を有している。これら1対の集積ローラ2dのそれぞれが、図11の手前から見て時計回りの方向に、回転速度R3で回転する。これにより、集積ベルト2eは、図11のZ方向上側においてはX方向正側すなわち搬送コンベア1から集積コンベア2に向かう方向に摺動し、図11のZ方向下側においてはX方向負側すなわち集積コンベア2から搬送コンベア1に向かう方向に摺動する。したがって集積ローラ2dのZ方向上側の集積ベルト2e上に載置された対象物は、集積コンベア2のストッパ5(図1参照)に向かう方向に移動することができる。なお集積ベルト2eは実施の形態1のようにX方向に水平に延びてもよいし、実施の形態3のようにX方向に傾斜角αを有するように延びてもよい。
また集積ベルト2eは、搬送ベルト1bと同様にメッシュ形状を有している。言い換えれば本実施の形態の集積ベルト2eは、これを貫通する多数の孔部2hを有する網目形状により形成されている。このため本実施の形態においては当該網目形状を形成する孔部2hが集積孔部として機能する。集積溝2c(図1参照)と同様に、複数のガイド部材溝3b,3cのそれぞれは、乗継ガイド部材3の終点部3E2において集積ベルト2eの多数の孔部2hのいずれかに繋がるように集積されている。このため実施の形態1と同様に、いずれのガイド部材溝3b,3cを経由したかにかかわらず、最終的には集積ガイド部材溝3gに導かれた突起部4bを、集積ベルト2eの孔部2hに挿入されるように通じさせることができる。
実施の形態5.
図12は、本実施の形態の集積装置の構成を示す概略斜視図である。図12を参照して、本実施の形態の集積装置500は、基本的に実施の形態1の集積装置100と同様の構成を有している。このため同一の構成要素には同一の符号を付しその説明を繰り返さない。ただし集積装置500においては、X方向に関して乗継ガイド部材3と集積コンベア2との間に、切替部としての分岐切替ブロック8を有している。また集積装置500においては、分岐切替ブロック8の集積コンベア2側(X方向正側)に分岐ブロック9を有している。また乗継ガイド部材3のガイド部材本体部3aの一部の位置、特に乗継ガイド部材3の終点部3E2に隣接する位置には、品種判別センサ10が設置されている。
本実施の形態においては、集積ベルト2bの幅方向すなわちY方向に関して互いに間隔をあけて、たとえばY方向中央よりも右側および左側に、2本の集積溝2c1,2c2が形成されている。これらの集積溝2cはいずれもX方向に沿って延びトラック形状を構成し、集積孔部として機能する。以上において集積装置500は、集積装置100と構成上異なっている。
分岐切替ブロック8および分岐ブロック9はいずれもたとえば平面視において長方形状を有する平板部材である。図12においては分岐切替ブロック8は分岐ブロック9より搬送方向であるX方向およびこれに交差するY方向ともに寸法が小さい。しかしこのような構成に限らず、たとえば分岐切替ブロック8のX方向寸法およびY方向寸法が分岐ブロック9のX方向寸法およびY方向寸法と同じであってもよい。また分岐ブロック9のY方向寸法は、搬送ベルト1bおよび/または集積ベルト2bのY方向寸法と同じであってもよい。しかしこれに限らず、たとえば乗継ガイド部材3のY方向寸法は、搬送ベルト1bおよび/または集積ベルト2bのY方向寸法の95%以上105%以下であることが好ましい。
分岐切替ブロック8には複数の第1の分岐溝8aおよび第1の分岐溝8bが形成されている。また分岐ブロック9には複数の第2の分岐溝9aおよび第2の分岐溝9bが形成されている。これらの各溝は、ガイド部材溝3b,3cなどと同様に、他の部分より凹んだ形状であっても、各ブロックを貫通する形状であってもよい。また第1の分岐溝の数は複数である限り任意であり、図12のように2つに限らず、3つ以上備えていてもよい。第2の分岐溝についても同様である。ただし第1の分岐溝および第2の分岐溝の数は集積溝の数と等しいことが好ましい。このため、第1および第2の分岐溝が3つ以上備えられる場合には、これに伴い集積溝も3つ以上形成される。
第1の分岐溝8aおよび第1の分岐溝8bは、搬送対象物の流通方向であるX方向に対して傾斜するように沿う方向であり、互いに異なる方向に延びている。具体的には、たとえば図12においては、第1の分岐溝8aは左上から右下に向かうように延びているのに対し、第1の分岐溝8bは右上から左下に向かうように延びている。
第2の分岐溝9aおよび第2の分岐溝9bは、搬送対象物の流通方向であるX方向に対して傾斜するように沿う方向であり、互いに異なる方向に延びている。具体的には、たとえば図12においては、第2の分岐溝9aは左上から右下に向かうように延びているのに対し、第2の分岐溝9bは右上から左下に向かうように延びている。
なおこれらの第1の分岐溝8a,8bはX方向に関する全体に延びるように形成され、集積ガイド部材溝3gと直接繋がることが好ましい。ここで直接繋がるとは両者間に隙間が存在することを許容するが少なくとも他の部材を挟まないことを意味する。
第2の分岐溝9a,9bについても同様にX方向に関する全体に延びるように形成されており、第1の分岐溝8a,8bおよび集積溝2c1,2c2と(間に部材を挟まず直接)繋がることが好ましい。言い換えれば、複数のうち1つの第2の分岐溝9aは複数の集積溝2c1,2c2のうちの1つ(図12では集積溝2c1)に(直接)繋がる。複数のうち上記1つの第2の分岐溝9aとは異なる他の第2の分岐溝9bは複数の集積溝2c1,2c2のうちの上記と異なる他の1つ(図12では集積溝2c2)に(直接)繋がる。
以上をまとめると、分岐切替ブロック8が図12中の矢印に示すように流通方向に交差し複数の第1の分岐溝8a,8bが並ぶY方向に沿って移動する。これにより、複数の第1の分岐溝のうち1つの第1の分岐溝8aと、複数の第2の分岐溝のうちの1つの第2の分岐溝9aとが直接繋がることが可能となっている。上記と同様に、複数の第1の分岐溝のうち他の1つの第1の分岐溝8bと、複数の第2の分岐溝のうちの他の1つの第2の分岐溝9bとが直接繋がることが可能となっている。図12においては一例として、分岐切替ブロック8は、第1の分岐溝8bと第2の分岐溝9bとが直接繋がった状態が示されている。
本実施の形態においても図6と同様に、搬送パレット4が乗継ガイド部材3に乗継されたところで、一軸アクチュエータ6およびプッシャー7により搬送パレット4の突起部4b(図2参照)が集積ガイド部材溝3gに達するまでX方向正側に移動する。突起部4bが集積ガイド部材溝3gに達したところでいったん搬送パレット4を停止させる。搬送パレット4の乗継ガイド部材3上での停止位置にて、品種判別センサ10により搬送パレット4上に載置された搬送対象物がは品種判別される。品種判別センサ10における判別手段としては、画像処理による対象物の形状判別、文字認識および変位センサによる寸法判別などいずれの手段が用いられてもよい。あるいは搬送パレット4に品種判別可能とするための指標が設けられ、それを品種判別センサ10に認識させる態様であってもよい。
品種判別センサ10により判別された搬送パレット4上の搬送対象物の種類に応じて、分岐切替ブロック8をY方向に沿って移動させる。これにより、集積溝2c1,2c2のいずれかと、第1および第2の分岐溝(複数あるうちのいずれか)とが直接繋がるように切替られる。これにより搬送パレット4の分岐ブロック9上での搬送経路が切替られる。この分岐切替ブロック8の移動による搬送経路の切替は、図示されないシリンダおよびアクチュエータを駆動することによりなされることが好ましい。たとえば良品はガイド部材溝3c1、第1の分岐溝8a、第2の分岐溝9aを経由して集積溝2c1側に分別し、不良品はガイド部材溝3c2、第1の分岐溝8b、第2の分岐溝9bを経由して集積溝2c2側に分別することが考えられる。上記のように搬送経路が切替られた状態で、再度図6と同様に一軸アクチュエータ6およびプッシャー7により搬送パレット4が分岐切替ブロック8、分岐ブロック9上をX方向正側へ移動する。これにより搬送パレット4は、集積溝2c1側または集積溝2c2側に搬送され実施の形態1と同様に整列集積される。
なお本実施の形態においては、集積溝2c1,2c2が第1の分岐溝8a,8bの数と同じ数だけ(2つ)形成されている。しかし単一の集積溝2cのみが形成された集積コンベア2が、第1の分岐溝8a,8bの数と同じ数だけ(2つ)たとえばY方向に沿って間隔をあけて並ぶように形成されてもよい。また図12においては乗継ガイド部材3と集積コンベア2との間に設けられた分岐切替ブロック8および分岐ブロック9により搬送経路が切替えられる。しかしこれに限らず、たとえば分岐切替ブロック8および分岐ブロック9を設けず、複数の集積溝を有する集積コンベア2がそのY方向位置を切替えることにより、乗継ガイド部材3から集積コンベア2の複数の集積溝間の搬送経路が切替えられる態様であってもよい。つまり本実施の形態においては、集積ベルト2bに第1の集積孔部(たとえば集積溝2c1)および第2の集積孔部(たとえば集積溝2c2)を含む。当該第1の集積孔部および第2の集積孔部のいずれかが乗継ガイド部材3の終点部3E2における複数のガイド部材溝3b,3cと繋がるように切替えるべく、その位置を切替え可能な位置切替部材を備える構成であればよい。ここでの位置切替部材とは上記文章で示した例においては集積コンベア2であり、図12の集積装置500においては分岐切替ブロック8となる。またここで集積孔部とガイド部材溝とが「繋がる」とは、上記文章で示した例のように両者間に他の部材を挟まず直接繋がる場合と、図12のように両者間に他の部材である分岐切替ブロック8等を挟むように間接的に繋がる場合との双方を含むものとする。
平面視における第1の分岐溝8aおよび第2の分岐溝9aの延びる方向のX方向およびY方向に対する傾斜角度は、1対のガイド部材溝3cのうち平面視における右側のガイド部材溝3c1の同傾斜角度と等しいことが好ましいが、たとえば±5°以内の範囲で異なっていてもよい。仮にこれらの傾斜角度がすべて等しければ、ガイド部材溝3c1、第1の分岐溝8aおよび第2の分岐溝9aは一直線状に並ぶように直接繋がる。同様に、平面視における第1の分岐溝8bおよび第2の分岐溝9bの延びる方向のX方向およびY方向に対する傾斜角度は、1対のガイド部材溝3cのうち平面視における左側のガイド部材溝3c2の同傾斜角度と等しいことが好ましいが、たとえば±5°以内の範囲で異なっていてもよい。仮にこれらの傾斜角度がすべて等しければ、ガイド部材溝3c2、第1の分岐溝8bおよび第2の分岐溝9bは一直線状に並ぶように直接繋がる。
また図12においては上記のガイド部材溝3c1、第1の分岐溝8aおよび第2の分岐溝9aは一直線状に並ぶように、ガイド部材溝が乗継ガイド部材3の終点部3E2においてもX方向に対して傾斜方向に延びている。しかしこれに限らず、本実施の形態においてもたとえば図3、図4のように集積ガイド部材溝3gはX方向に延びてもよい。
次に、本実施の形態の作用効果について説明する。以上の構成を有する本実施の形態によれば、実施の形態1~4と同様の作用効果の他に、搬送対象物を、その品種間または良品不良品間で分別するように、低コストで整列集積することができる。
なお本実施の形態は以上の点において実施の形態1~4と異なるが、他の点においては基本的に実施の形態1~4と同じである。このため特に技術的な矛盾が無ければ実施の形態1~4と本実施の形態とを適宜組み合わせて適用することができる。
実施の形態6.
図13は、本実施の形態の集積装置の構成を示す概略斜視図である。図13を参照して、本実施の形態の集積装置600は、基本的に実施の形態1の集積装置100と同様の構成を有している。また乗継ガイド部材3については図12の集積装置500のそれと同様の構成を有している。このため同一の構成要素には同一の符号を付しその説明を繰り返さない。ただし集積装置600においては、集積コンベア2が、搬送対象物の流通方向であるX方向およびそれに交差する幅方向であるY方向の双方に交差する鉛直方向であるZ方向に沿って互いに間隔をあけて複数配置されている。具体的には、集積コンベア2として、2つの第1の集積コンベア21および第2の集積コンベア22が配置されている。なお第1の集積コンベア21および第2の集積コンベア22のX方向に関する配置位置は他の実施の形態と同様であり、乗継ガイド部材3のX方向正側に配置される。第1の集積コンベア21および第2の集積コンベア22は平面視においてほぼ重なるように、すなわちX方向およびY方向に関してほぼ同じ位置に配置されることが好ましい。
集積装置600においては、X方向に関して乗継ガイド部材3と第1の集積コンベア21および第2の集積コンベア22との間に昇降ブロック11をさらに備えている。昇降ブロック11は、実施の形態5の集積装置500における分岐切替ブロック8および分岐ブロック9の配置位置に対応する位置に配置されている。
本実施の形態における第1の集積コンベア21および第2の集積コンベア22のそれぞれの構成は、図1の集積コンベア2と同様であり、それぞれに1つずつの集積溝2cが形成されている。ただし必要に応じて第1の集積コンベア21および第2の集積コンベア22にも図12と同様に複数の集積溝が形成されてもよい。
昇降ブロック11には図のX方向に沿って延びる、昇降溝11cが形成されている。昇降溝11cは、複数のガイド部材溝3b,3c(集積ガイド部材溝3g)と集積コンベア2の集積孔部であるたとえば集積溝2cとを繋げる機能を有している。なお上記各溝間は直接繋がることが好ましい。
昇降ブロック11は、複数の集積コンベア21,22のそれぞれの集積溝2cと、昇降溝11cとが繋がるように、Z方向に沿って昇降可能である。すなわち昇降ブロック11には図示されない昇降シリンダが接続されている。これにより図13中の矢印が示すようにZ方向に移動する。これにより昇降ブロック11は、昇降溝11cのZ方向高さが第1の集積コンベア21の集積溝2cのZ方向高さに等しくなるようにセットすることも、第2の集積コンベア22の集積溝2cのZ方向高さに等しくなるようにセットすることも可能となっている。両溝のZ方向高さが等しくなることにより、ガイド部材溝3b,3c(集積ガイド部材溝3g)、昇降溝11cおよびいずれかの集積コンベアの集積溝2cがたとえば一直線状に並ぶように繋がる。
また昇降ブロック11上には、集積装置500のものと同様の品種判別センサ10が設置されている。以上において集積装置600は、集積装置100と構成上異なっている。
本実施の形態においても図6および実施の形態5と同様に一軸アクチュエータ6およびプッシャー7により、搬送パレット4の突起部4b(図2参照)が昇降溝11cに達するまでX方向正側に移動する。そこでいったん搬送パレット4の搬送が停止され、品種判別センサ10により搬送パレット4上に載置された搬送対象物がは品種判別される。
品種判別センサ10により判別された搬送パレット4上の搬送対象物の種類に応じて、図示されない昇降シリンダの駆動により、昇降ブロック11をZ方向に沿って昇降させる。これにより、第1の集積コンベア21および第2の集積コンベア22のいずれかの集積溝2cと、昇降溝11cとが直接繋がるように切替られる。これにより搬送パレット4の昇降溝11cよりX方向正側での搬送経路が切替られる。上記のように搬送経路が切替られた状態で、再度図6と同様に一軸アクチュエータ6およびプッシャー7により搬送パレット4が第1の集積コンベア21および第2の集積コンベア22のいずれかまで移動される。以降の動作は他の実施の形態と同様であり、対象物が整列集積される。
次に、本実施の形態の作用効果について説明する。以上の構成を有する本実施の形態によれば、実施の形態5と同様に、搬送対象物を、その品種間または良品不良品間で分別するように、低コストで整列集積することができる。また本実施の形態においては複数の集積コンベア21,22がZ方向に重畳するように配置される。このため平面視におけるスペースの増加を抑制しながら上記のように高効率な整列集積を可能とする。
なお本実施の形態は以上の点において実施の形態1~5と異なるが、他の点においては基本的に実施の形態1~5と同じである。このため特に技術的な矛盾が無ければ実施の形態1~5と本実施の形態とを適宜組み合わせて適用することができる。
実施の形態7.
図14は、以上に述べた各実施の形態において、搬送パレットが搬送コンベアの搬送ベルト上に載置された状態を示す概略断面図である。図14を参照して、以上に述べた各実施の形態においては、上記のように搬送パレット4のパレット本体部4aの底面の中央部に突起部4bが設けられるとともに、同底面の外周部に面取り部4cが形成されていることが好ましい。面取り部4cは図14に示すように底面および側面に対してたとえば約45°の角度を有する平面として形成されてもよいがこれに限られない。
また図14に示すように、搬送コンベア1の搬送ベルト1bは、1本1本の網目形状を構成する横桟1cのZ方向最上部と中央部1dとの間に、突起部4bの付け根と反対側のZ方向最下である突起先端部4dが配置されることが好ましい。さらに当該突起部4bの付け根と反対側の突起先端部4dは曲面形状を有することが好ましい。より具体的には、突起先端部4dは半球面形状を有することが好ましい。なお図14中の矢印はX方向正側を向いており、搬送パレット4の搬送される方向である。
以上のように突起先端部4dが曲面形状を有することにより、搬送ベルト1b上に搬送パレット4が載置され孔部1hに突起部4bが嵌挿された状態において、突起先端部4dと横桟1cとの間に引っ掛かりが生じる可能性を低減することができる。また以上の構成を有することにより、仮に突起先端部4dと横桟1cとの間に引っ掛かりが生じる場合においても、突起先端部4dと横桟1cとの表面同士の接触によりZ方向に関する上側へと両者間の応力が逃げる。これにより、たとえば搬送コンベア1から乗継ガイド部材3への搬送パレット4の乗継時には、孔部1hに嵌挿された突起部4bを孔部1hからスムーズに抜けさせることができる。したがって搬送コンベア1から乗継ガイド部材3への搬送パレット4の乗継の動作をよりスムーズにすることができる。
また、搬送パレット4の底面外周部に面取り部4cを設けることにより、たとえばこの部分と乗継ガイド部材3のガイド部材先端部3d1,3d2(図3,図4参照)とが接触した際に、上記と同様にZ方向に関する上側へと両者間の応力が逃げる。これにより、搬送コンベア1から乗継ガイド部材3への搬送パレット4の乗継の動作をよりスムーズにすることができる。
以上に述べた各実施の形態(に含まれる各例)に記載した特徴を、技術的に矛盾のない範囲で適宜組み合わせるように適用してもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。