JP7033882B2 - 成膜方法および成膜装置 - Google Patents

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Description

本発明は、処理容器内に所定のガスを導入して所定の膜を成膜する成膜方法および成膜装置に関する。
基板である半導体ウエハ(以下「ウエハ」という)に所定の膜を成膜する際に、原子層堆積法(Atomic Layer Deposition;ALD)が用いられる場合がある。ALDでは真空雰囲気とされた処理容器内に、ウエハの表面に吸着する原料ガスと、当該原料ガスと反応する反応ガスと、を交互に複数回供給して、ウエハの表面に反応生成物の原子層を堆積させて成膜する。また、処理容器内においてウエハの表面以外の領域で原料ガスと、反応ガスとが気相反応してパーティクルが発生してしまうことを防ぐために、原料ガスと反応ガスとは互いに間隔を空けて供給され、原料ガスの供給を行う時間帯と反応ガスの供給を行う時間帯との間には、不活性ガスを供給することにより処理容器内のパージが行われ、処理容器内は不活性ガス雰囲気に置換される。このようなALDを行う成膜装置は、例えば特許文献1、2に記載されている。
すなわち、特許文献1には、処理ガス(原料ガスおよび反応ガス)に対するキャリアガスおよびパージガスであるN(窒素)ガスの供給源と処理容器とを接続するガス流路に、上流端および下流端が接続されたバイパス流路を備えたALDを行う成膜装置について記載されている。また、特許文献2には、原料ガスの供給源と処理容器とを接続する原料ガス流路と、当該原料ガス流路から分岐した第1のNガス流路と、原料ガス流路及び第1のNガス流路とは独立して処理容器にパージガスであるNガスを供給する第2のNガス流路とを備えたALDを行う成膜装置について記載されている。
ALDにおいては、上述のように処理容器内を不活性ガスによりパージする必要があり、また、原料ガスまたは反応ガスが供給される間、不活性ガスがキャリアガスとして供給されるため、ALD処理の間、処理容器内に所定の流量で不活性ガスが連続して供給されることとなる。
一方、このようなALDにより所定の膜を成膜する際に所定の機能を有するガスでの処理が必要な場合がある。そのような技術として、特許文献3には、TiN膜を成膜する際に、TiClガスとNHガスとをパージを挟んで交互に供給した後、膜中の塩素ガスを脱離させる機能を有するHガスを供給する技術が記載されている。
特開2016-23324号公報 特開2014-198872号公報 特開2011-6782号公報
ところで配線の微細化が進むことにより、ALDを行うウエハの表面にはアスペクト比が大きい凹部が形成される傾向にあり、そのような凹部が形成されている場合でも良好なステップカバレッジ(被覆性)を確保することができるようにALDを行うことが求められている。そのためには、原料ガスの流量を増加させて、処理容器内における原料ガスの分圧を高くすることが考えられる。
しかし、そのように原料ガスの流量が増加させた場合に、上記のパーティクルの発生を防ぐためにパージを行う時間を延長させると、成膜処理に要する時間が長くなり生産性(スループット)が低下してしまう。
また、ALDにより所定の膜を成膜する際に、所定の機能を有するガスでの処理を特許文献3のようにALD工程の後に行う場合には、十分な効果を得ようとすると、その工程の時間が長くなってしまい、やはり生産性(スループット)が低下してしまう。
したがって、本発明は、原料ガスと反応ガスとを交互に処理容器内の基板に供給してALDにより成膜を行うにあたり、高い生産性を確保しつつ、高い被覆性の膜を得ることができかつ所定の機能を有する添加ガスの供給を行うことができる技術を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明の第1の観点は、被処理基板が収容される処理容器と、被処理基板に所定の膜を成膜するための原料ガスおよび反応ガス、これらを前記処理容器に搬送するキャリアガス、および前記処理容器内をパージするパージガスを供給するガス供給機構と、前記処理容器内を排気し、前記処理容器内を真空雰囲気に保持する排気機構とを有し、前記ガス供給機構は、前記原料ガスを前記処理容器内に供給するための原料ガス流路と、前記反応ガスを前記処理容器内に供給するための反応ガス流路と、前記原料ガス流路および前記反応ガス流路にそれぞれ接続され、前記原料ガスと前記反応ガスのキャリアガスを供給するための第1のキャリアガス流路および第2のキャリアガス流路と、前記第1のキャリアガス流路および前記第2のキャリアガス流路とは別個に設けられ、前記処理容器内をパージするパージガスを、前記第1のキャリアガス流路および前記第2のキャリアガス流路を通流する前記キャリアガスとは別個に流量制御して前記処理容器内に供給するパージガス流路と、前記所定の膜に対して所定の機能を有する添加ガスを供給する添加ガス流路と、前記原料ガス流路、前記反応ガス流路、前記第1および第2のキャリアガス流路、前記パージガス流路、および前記添加ガス流路をそれぞれ独立して開閉する開閉バルブと、前記パージガス流路および前記添加ガス流路に設けられた、前記パージガスおよび前記添加ガスを貯留するガス貯留部とを有する成膜装置を用いて前記所定の膜を成膜する成膜方法であって、前記処理容器内に被処理基板を配置した状態で、前記第1のキャリアガス流路および前記第2のキャリアガス流路を介して前記処理容器内に前記キャリアガスを常時供給する第1工程と、前記原料ガス流路を介して前記処理容器内に前記原料ガスを供給して前記被処理基板の表面に前記原料ガスを吸着する第2工程と、前記原料ガスの供給を停止して、前記パージガス流路を介して前記処理容器内に前記パージガスを供給して原料ガスをパージする第3工程と、前記反応ガス流路を介して前記処理容器内に前記反応ガスを供給して前記原料ガスと前記反応ガスとを反応させる第4工程と、前記反応ガスの供給を停止して、前記パージガス流路を介して前記処理容器内に前記パージガスを供給して反応ガスをパージする第5工程とを含み、前記第2工程から前記第5工程を所定サイクル実施し、前記原料ガスをパージする第3工程および前記反応ガスをパージする第5工程のいずれか、または両方で、前記パージガスの少なくとも一部として前記添加ガス流路を介して前記添加ガスを供給し、前記ガス貯留部に前記パージガスおよび前記添加ガスが貯留されて前記ガス貯留部内が昇圧した後、前記パージガス流路および前記添加ガス流路に設けられた前記バルブが開かれて前記パージガスおよび前記添加ガスが前記処理容器に供給されることを特徴とする成膜方法を提供する。
本発明の第2の観点は、被処理基板が収容される処理容器と、被処理基板に所定の膜を成膜するための原料ガスおよび反応ガス、これらを前記処理容器に搬送するキャリアガス、および前記処理容器内をパージするパージガスを供給するガス供給機構と、前記処理容器内を排気し、前記処理容器内を真空雰囲気に保持する排気機構と、前記ガス供給機構と前記排気機構とを制御する制御部とを有し、前記ガス供給機構は、前記原料ガスを前記処理容器内に供給するための原料ガス流路と、前記反応ガスを前記処理容器内に供給するための反応ガス流路と、前記原料ガス流路および前記反応ガス流路にそれぞれ接続され、前記原料ガスと前記反応ガスのキャリアガスを供給するための第1のキャリアガス流路および第2のキャリアガス流路と、前記第1のキャリアガス流路および前記第2のキャリアガス流路とは別個に設けられ、前記処理容器内をパージするパージガスを、前記第1のキャリアガス流路および前記第2のキャリアガス流路を通流する前記キャリアガスとは別個に流量制御して前記処理容器内に供給するパージガス流路と、前記所定の膜に対して所定の機能を有する添加ガスを供給する添加ガス流路と、前記原料ガス流路、前記反応ガス流路、前記第1および第2のキャリアガス流路、前記パージガス流路、および前記添加ガス流路をそれぞれ独立して開閉する開閉バルブと、前記パージガス流路および前記添加ガス流路に設けられた、前記パージガスおよび前記添加ガスを貯留するガス貯留部とを有し、前記制御部は、前記処理容器内に被処理基板を配置した状態で、前記第1のキャリアガス流路および前記第2のキャリアガス流路を介して前記処理容器内に前記キャリアガスを常時供給する第1工程と、前記原料ガス流路を介して前記処理容器内に前記原料ガスを供給して前記被処理基板の表面に前記原料ガスを吸着する第2工程と、前記原料ガスの供給を停止して、前記パージガス流路を介して前記処理容器内に前記パージガスを供給して原料ガスをパージする第3工程と、前記反応ガス流路を介して前記処理容器内に前記反応ガスを供給して前記原料ガスと前記反応ガスとを反応させる第4工程と、前記反応ガスの供給を停止して、前記パージガス流路を介して前記処理容器内に前記パージガスを供給して反応ガスをパージする第5工程とを含み、前記第2工程から前記第5工程を所定サイクル実施し、前記原料ガスをパージする第3工程および前記反応ガスをパージする第5工程のいずれか、または両方で、前記パージガスの少なくとも一部として前記添加ガス流路を介して前記添加ガスを供給し、前記ガス貯留部に前記パージガスおよび前記添加ガスが貯留されて前記ガス貯留部内が昇圧した後、前記パージガス流路および前記添加ガス流路に設けられた前記バルブが開かれて前記パージガスおよび前記添加ガスが前記処理容器に供給されるように制御することを特徴とする成膜装置を提供する。
本発明によれば、原料ガスと反応ガスとを交互に処理容器内の基板に供給して成膜を行うにあたり、常時供給されるキャリアガスとは別個の流路で、別個に流量制御してパージガスを供給し、かつパージの際に所定の機能を有する添加ガスを供給するので、高い生産性を確保しつつ、高い被覆性の膜を得ることができかつ所定の機能を有する添加ガスの供給を行うことができる。
本発明の実施形態に係る成膜方法を実施するための装置の一例を示す断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る成膜方法を実施する際のガス供給シーケンスの一例を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る成膜方法を実施する際に供給されるガス量の変化を模式的に示すタイミングチャートである。 従来の成膜方法を実施する際のガス供給シーケンスの一例を示す図である。 第1の実施形態の実験において、ステップS4のNHガスフロー後のパージの際のHガス流量を変化させてステップS1~S4を230サイクル繰り返してTiN膜を成膜した際の比抵抗率と膜厚を示す図である。 第1の実施形態の種々のシーケンスの実験におけるレシピ時間、スループット(ウエハ/h)、比抵抗率(μΩ・cm)、スループット低下枚数を示す図である。 本発明の第2の実施形態に係る成膜方法を実施する際のガス供給シーケンスの一例を示す図である。 本発明の第2の実施形態に係る成膜方法を実施する際に供給されるガス量の変化を模式的に示すタイミングチャートである。 Rough ratioを説明するための図である。 第2の実施形態におけるHガス供給の効果を確認する基礎実験においてHガス流量を変化させた場合のXRF膜厚とRough ratioとの関係を示す図である。 第2の実施形態におけるHガス供給の効果を確認する基礎実験においてHガス流量とRough ratio極小膜厚との関係を示す図である。 第2の実施形態におけるHガス供給の効果を確認する基礎実験において各H流量における膜厚と比抵抗との関係を示す図である。 第2の実施形態の効果を説明するための図である。 TiClガスによるTiN膜のエッチング試験において、温度700℃でTiCl流量を変化させた際の各流量におけるウエハ径方向の位置とTiN膜のエッチング量との関係を示す図である。 TiClガスによるTiN膜のエッチング試験において、TiClガス流量270sccmで温度を400℃、500℃、600℃と変化させた際の、各温度におけるウエハ径方向の位置とTiN膜のエッチング量との関係を示す図である。 TiClガスによるTiN膜のエッチング試験において、TiClガス流量270sccmで温度を625℃、650℃、675℃、700℃と変化させた際の、各温度におけるウエハ径方向の位置とTiN膜のエッチング量との関係を示す図である。 TiClガスによるTiN膜のエッチング試験において、温度700℃、TiClガス流量270sccmでエッチングのサイクルを100サイクル、200サイクル、300サイクルと変化させた際の、各サイクルにおけるウエハ径方向の位置とTiN膜のエッチング量との関係を示す図である。 TiClガスによるTiN膜のエッチング試験において、温度700℃、TiClガス流量270sccmで、エッチング試験の際にHガスを添加しなかった場合と、添加した場合の径方向の位置とTiN膜のエッチング量との関係を示す図である。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について具体的に説明する。
ここでは、成膜原料ガス(前駆体ガス)としてTiClを用い、反応ガスとしてNHガスを用い、改質ガスとしてHガスを用いて、ALDによりTiN膜を形成する例について説明する。
<成膜装置>
図1は本発明の実施形態に係る成膜方法を実施するための装置の一例を示す断面図である。成膜装置1は、被処理基板であるウエハWが収容される扁平な円形状をなす処理容器11を備えている。ウエハWとしては、表面に配線を形成するための凹部が形成されている。
成膜装置1は、ウエハWに対して、原料ガス(前駆体ガス)であるTiCl(四塩化チタン)ガスと、反応ガスであるNH(アンモニア)ガスとキャリアガスおよびパージガスとして用いるNガスと、改質ガスであるHガスとを処理容器11内に供給するガス供給機構2を有している。
処理容器11の側壁には、ウエハWの搬入出口12が形成されており、この搬入出口12はゲートバルブ13により開閉されるようになっている。また、処理容器11内には、ウエハWを水平状態で載置するための載置台21が設けられている。載置台21内には、ウエハWを所定の温度に加熱するヒーター22が埋設されている。また、載置台21の周囲には、載置台21を囲むように筒状のカバー部材23が設けられている。
載置台21は支柱24に支持されている。支柱24は、載置台21の底面中央から処理容器11の底壁に形成された孔部を貫通して処理容器11の下方に延び、その下端が昇降機構25に接続されている。昇降機構25は、載置台21を、図中に実線で示す処理容器11内の上方側における処理位置と、図中に二点鎖線で示す処理容器11内の下方側における受け渡し位置との間で昇降させる。
支柱24における処理容器11の下方位置には、フランジ26が取り付けられており、処理容器11の底面とフランジ26の間には、処理容器11内の雰囲気を外気と区画し、載置台の昇降動作にともなって伸縮するベローズ27が設けられている。
処理容器11の底面近傍には、昇降板20aから上方に突出するように3本(2本のみ図示)のウエハ昇降ピン20が設けられている。ウエハ昇降ピン20は、処理容器11の下方に設けられた昇降機構28により昇降板20aを介して昇降可能になっている。ウエハ昇降ピン20は、受け渡し位置にある載置台21に設けられた貫通孔29に挿通されて載置台21の上面に対して突没可能となっている。このようにウエハ昇降ピン20を昇降させることにより、ウエハ搬送機構(図示せず)と載置台21との間でウエハWの受け渡しが行われる。
処理容器11の天井面は天板15により形成されている。天井面は、中央部から周縁部に向かうにつれて下降するように形成されており、載置台21が処理位置に位置するときに、載置台21の表面、カバー部材23の表面及び当該処理容器11の天井面によって囲まれる扁平な円錐状の処理空間10が形成される。天板15の中央部には、当該天板15を厚さ方向に貫通する2本のガス供給路31、32が形成されており、これらガス供給路31、32の下方には、ガス供給路31、32から吐出されるガスを処理空間10内に分散させるための分散板33が例えば水平に設けられている。
処理容器11の上部には、処理空間10の側面を囲繞するように円環状をなす排気ダクト17が設けられている。排気ダクト17には、内周面に沿ってスリット17aが形成されている。また、排気ダクト17の下部とカバー部材23との間には、環状部材16が形成されている。環状部材16の内周部は、カバー部材23に近接し、環状部材16の外周部は、排気ダクト17の下部に密着されている。カバー部材23と処理容器11の天板15との間には隙間18が形成されている。排気ダクト17の外壁には排気管34の一端が接続されており、排気管34の他端は、排気量を調整して処理空間10の真空圧を調整するための圧力制御バルブ35介して、真空ポンプ37に接続されている。真空ポンプ37を作動させることにより、処理空間10内のガスが、隙間18およびスリット17aを経て排気ダクト17内の排気空間に至り、排気管34を介して排出される。
ガス供給機構2は、上述したガス供給路31、32に、それぞれ一端が接続されたTiClガスライン41およびNHガスライン61を有している。TiClガスライン41には、原料ガスであるTiClガスが供給され、NHガスライン61には、反応ガスであるNHガスが供給される。
TiClガスライン41には、下側から順にバルブV1、ガス貯留タンク42、流量調整部43が介装され、その他端には処理ガスであるTiClガスを供給するTiClガス供給源44が接続されている。TiClガス供給源44は、液体の状態でTiClを貯留するタンクと、当該タンクをヒーティング(加熱)してタンク内のTiClを気化させ、TiClガス供給源44からTiClガスライン41へは、このように気化したTiClが供給される。
TiClガスライン41におけるバルブV1の下流側には、第1パージガスライン45の一端が接続されている。第1パージガスライン45には、下側から順にバルブV2、ガス貯留タンク46、流量調整部47が介装され、第1パージガスライン45の他端には、パージ用のNガスを供給する第1パージガス供給源48が接続されている。
さらに、第1パージガスライン45におけるバルブV2の下流側には、TiClガスのキャリアガスとしてのNガスを供給する第1キャリアガスライン51の一端が接続されている。第1キャリアガスライン51には、下側から順にバルブV3、流量調整部52が介装され、第1キャリアガスライン51の他端にはTiClガスのキャリアガスとしてのNガスの供給源である第1キャリアガス供給源53が接続されている。この第1キャリアガスライン51におけるバルブV3の下流側には、オリフィス54が形成されている。第1キャリアガスライン51におけるバルブV3の下流側の径は、第1キャリアガスライン51におけるバルブV3の上流側およびガスライン41、45の径よりも小さいため、ガス貯留タンク42、46によって、ガスライン41、45には比較的大きい流量でガスが供給されるが、オリフィス54によってこれらガスライン41、45に供給されたガスが、ガスライン51を逆流することが抑制される。
第1キャリアガス供給源53からのキャリアガスは、ウエハWの処理中は連続して処理容器11内に供給され、パージを行う際にはパージガスとして機能する。なお、このキャリアガスは、TiClガスが第1キャリアガスライン51を逆流することを防止するための逆流防止用のガスとしても機能する。
NHガスライン61は、上流側で2ラインに分岐した後、分岐ラインが合流する構成となっている。合流した後のNHガスライン61には、下側から順にガス貯留タンク62、流量調整部63が介装され、合流した後のNHガスライン61の端部にはNHガス供給源64が接続されており、NHガス供給源64から処理容器11内にNHガスが供給される。2つの分岐ラインには、それぞれバルブV4、V5が設けられている。このようにガス貯留タンク62の下流側において分岐した流路を形成することにより、コンダクタンスが大きくなって、大流量のNH3ガスを処理容器11に供給することができる。
NHガスライン61における分岐した部分のバルブV5の下流側には、第2パージガスライン65の一端が接続されている。第2パージガスライン65には、下側から順にバルブV6、ガス貯留タンク66、流量調整部67が介装され、第2パージガスライン65の他端にはパージ用のNガスを供給する第2パージガス供給源68が接続されている。
さらに、第2パージガスライン65におけるバルブV6の下流側には、NHガスのキャリアガスとしてのNガスを供給する第2キャリアガスライン71の一端が接続されている。第2キャリアガスライン71には、下側から順にバルブV7、流量調整部72が介装され、第2キャリアガスライン71の他端にはNHガスのキャリアガスとしてのNガスの供給源である第2キャリアガス供給源73が接続されている。この第2キャリアガスライン71におけるバルブV7の下流側には、オリフィス74が形成されている。第2キャリアガスライン71におけるバルブV7の下流側の径は、第2キャリアガスライン71におけるバルブV7の上流側およびガスライン61、65の径よりも小さいため、ガス貯留タンク62、66によって、ガスライン61、65には比較的大きい流量でガスが供給されるが、オリフィス74によってこれらガスライン61、65に供給されたガスが、ガスライン71を逆流することが抑制される。
第2キャリアガス供給源73からのキャリアガスは、ウエハWの処理中は連続して処理容器11内に供給され、パージを行う際にはパージガスとして機能する。なお、このキャリアガスは、NHガスが第2キャリアガスライン71を逆流することを防止するための逆流防止用のガスとしても機能する。
TiClガスライン41における第1パージガスライン45の接続部より下流側には、所定の機能を有する添加ガスとしてのHガスを供給するためのHガスライン81の一端が接続されている。Hガスライン81には、下側から順にバルブV8、ガス貯留タンク82、流量調整部83が介装され、Hガスライン81の他端には、Hガスを供給するHガス供給源84が接続されている。
ガスライン81におけるバルブV8の下流側には、HガスのキャリアガスとしてのNガスを供給する第3キャリアガスライン91の一端が接続されている。第3キャリアガスライン91には、下側から順にバルブV9、流量調整部92が介装され、第3キャリアガスライン91の他端にはHガスのキャリアガスとしてのNガスの供給源である第3キャリアガス供給源93が接続されている。この第3キャリアガスライン91におけるバルブV9の下流側には、逆流防止用のオリフィス94が形成されている。なお、このキャリアガスは、Hガスが第3キャリアガスライン91を逆流することを防止するための逆流防止用のガスとしても機能する。
なお、HガスラインおよびHガス供給源は、キャリアガスラインおよびキャリアガス供給源とともに、NHガスライン61側に接続されていてもよく、TiClガスライン41側およびNHガスライン61側の両方に接続されていてもよい。
流量調整部43、47、52、63、67、72、83、92は、マスフローコントローラにより構成され、それぞれに対応するガスラインを流れるガスの流量を調整・制御する。なお、各流量調整部は、流量を調整するガスの温度に応じて適切なものが用いられる。TiClガス用の流量調整部43については、加熱されて高温になったTiClガスの流量を調整することができるように設計されたものが用いられる。
ガス貯留タンク42、46、62、66、82は、対応するガスラインに接続されたガス供給源から供給されたガスを処理容器11内に供給する前に一旦貯留するものであり、ガスを貯留することによりその中を所定の圧力に昇圧した後で、各ガス貯留タンクから処理容器11へ各ガスを供給する。これにより、大流量のガスを安定的に処理容器に供給することができる。これらガス貯留タンク42、46、62、66、82から処理容器11への各ガスの給断は、対応するバルブの開閉により行われる。
このように、ガス供給機構2において、第1キャリアガスライン51は、キャリアガスの供給制御機器としてバルブV3および流量調整部52を備えており、第1パージガスライン45にはこれらバルブV3および流量調整部52とは別個に、パージガスの供給制御機器として、バルブV2および流量調整部47が設けられていることになる。また、第2キャリアガスライン71は、キャリアガスの供給制御機器としてバルブV7および流量調整部72を備えており、第2パージガスライン65にはこれらバルブV7および流量調整部72とは別個に、パージガスの供給制御機器としてバルブV6および流量調整部67が設けられていることになる。
また、パージガスは第1パージガスライン45および第2パージガスライン65から、それぞれ、TiClガスライン41およびNHガスライン61ガスを経て処理容器11に供給されるように構成されているので、処理容器11内に残留するTiCl4ガスおよびNH3ガスだけではなく、TiClガスライン41およびNHガスライン61において、バルブV1の下流側に残留するTiCl4
ガス、ならびにバルブV4およびV5の下流側に残留するNH3ガスについてもパージすることができる。
成膜装置1は制御部100を備えている。制御部100はコンピュータで構成されており、CPUを備えた主制御部と、入力装置(キーボード、マウス等)、出力装置(プリンタ等)、表示装置(ディスプレイ等)、記憶装置(記憶媒体)を有している。主制御部は、例えば、バルブV1~V9の開閉、流量調整部43、47、52、63、67、72、83、92によるガスの流量の調整、圧力制御バルブ35による処理容器11内の圧力の調整、ヒーター22によるウエハWの温度の調整などの各構成部の動作を制御する。これらの動作の制御は、記憶装置に内蔵された記憶媒体(ハードディスク、光デスク、半導体メモリ等)に記憶された制御プログラムである処理レシピにより実行される。
<成膜方法の第1の実施形態>
次に、以上のように構成される成膜装置1における成膜方法の第1の実施形態について説明する。以下の処理動作は制御部100における記憶媒体に記憶された処理レシピに基づいて実行される。
本実施形態に係る成膜方法は、微細な凹部を有する絶縁膜が形成されたウエハWの表面に比較的高温で比抵抗の低いTiN膜を成膜するものである。TiN膜としては、比抵抗が低いものが求められており、従来、ALDにより700℃程度の高温で成膜したTiN膜において膜厚10nmで130μΩ・cmという値が得られていたが、さらに低い比抵抗が求められつつある。本実施形態では、より低い比抵抗が得られるTiN膜を成膜するものである。
まず、バルブV1~V9を閉じ、載置台21を受け渡し位置に下降させた状態で、ゲートバルブ13を開放して搬送装置(図示せず)により真空搬送室(図示せず)から搬入出口12を介して処理容器11内にウエハWを搬入し、昇降ピン20上に載置し、搬送装置を退避させ、ゲートバルブ13を閉じる。そして、載置台21を処理位置まで上昇させることによりウエハWが載置台21上に載置される。載置台21はヒーター22により400~750℃の範囲の温度に加熱されている。そして、バルブV3、V7、V9を開いて第1~第3キャリアガス供給源53、73、93から第1~第3キャリアガスライン51、71、91を介して処理容器11内にキャリアNガスを供給しつつ所定の減圧状態に保持し、ウエハWの温度を400~750℃の範囲、例えば700℃に制御する(実際には、載置台21の温度はウエハWの温度よりも10℃程度高い)。このとき、バルブV1、V2、V4、V5、V6、V8は閉じたままである。一方、TiClガス供給源44およびNHガス供給源64からTiClガスおよびNHガスが、それぞれTiClガスライン41およびNHガスライン61に供給されるが、バルブV1、V4、V5が閉じられていることで、TiClガスおよびNHガスが、貯留タンク42および62に貯留され、ガス貯留タンク42および62内が昇圧する。
この状態で、ALDによるTiN膜の成膜を開始する。図2は、ALDによるTiN膜の成膜の際のガス供給シーケンスの一例を示す図であり、図3は、ALDによるTiN膜の成膜の際に供給されるガス量の変化を模式的に示すタイミングチャートである。
図2、図3に示すように、ALDによるTiN膜の成膜においては、最初に、バルブV3、V7、V9を開いた状態のまま、第1~第3キャリアガス供給源53、73、93から第1~第3キャリアガスライン51、71、91を介してキャリアNガスを供給し続けた状態で、バルブV1を開き、ガス貯留タンク42に貯留されたTiClガスを処理容器11(処理空間10)に供給し、ウエハWの表面に吸着させる(ステップS1)。
このとき、第1~第3キャリアガスライン51、71、91を介して供給されるキャリアガスであるNガスの流量は、それぞれ200~10000sccm、合計で600~30000sccmとすることが好ましく、例えば、333sccmずつ合計で1000sccmとすることができる。また、処理容器11内(処理空間10)の圧力は、1~9Torr(113.3~1199.7Pa)が好ましく、例えば5Torr(666.5Pa)とする。
TiClガスの流量は、50~300sccmが好ましく、例えば150sccmとすることができる。ステップS1の時間は0.03~30secの範囲が好ましく、例えば0.1secとすることができる。
このステップS1と並行して、第1パージガス供給源48および第2パージガス供給源68から第1パージガスライン45および第2パージガス供給ライン65にパージガスが供給されるが、バルブV2およびV6が閉じられていることで、パージガスはガス貯留タンク46および66に貯留され、ガス貯留タンク46および66内が昇圧する。
次に、バルブV3、V7、V9を開いた状態のまま、第1~第3キャリアガス供給源53、73、93から第1~第3キャリアガスライン51、71、91を介してキャリアNガスを同じ流量で供給し続けた状態で、バルブV1を閉じてTiClガスを停止し、バルブV2、V6を開き、ガス貯留タンク46および66に貯留されたパージガスを処理容器11内(処理空間10)に供給するとともに、真空ポンプ37により排気管34を介して排気し、処理容器11内(処理空間10)をパージする(ステップS2)。
このように、キャリアガスとは別ラインで、かつ圧力が上昇した状態のガス貯留タンク46および66から供給されることにより、処理容器11内(処理空間10)には大きな流量、例えばキャリアガスの流量よりも大きい流量でパージガスとしてのNガスを供給して、短時間で処理容器11内のTiClガスをパージすることができる。
このとき、第1および第2パージガスライン45および65を介して供給されるパージガスの流量は、それぞれ200~10000sccm、合計で400~20000sccmとすることが好ましく、例えば、9000sccmずつ合計で18000sccmとすることができる。ステップS2の時間は0.03~30secの範囲が好ましく、例えば0.2secとすることができる。
このステップS2と並行して、TiClガス供給源44からTiClガスライン41にTiClガスが供給されるが、バルブV1が閉じられていることで、TiClガスはガス貯留タンク42に貯留され、ガス貯留タンク42内が昇圧する。
次に、バルブV3、V7、V9を開いた状態のまま、第1~第3キャリアガス供給源53、73、93から第1~第3キャリアガスライン51、71、91を介してキャリアNガスを同じ流量で供給し続けた状態で、バルブV2およびV6を閉じてパージガスを停止し、バルブV4およびV5を開き、ガス貯留タンク62に貯留されたNHガスを処理容器11(処理空間10)に供給し、ウエハW表面のTiClガスと反応させる(ステップS3)。これによりTiNの分子層が形成される。
このときNHガスの流量は、200~10000sccmが好ましく、例えば3800sccmとすることができる。ステップS3の時間は0.03~30secの範囲が好ましく、例えば0.25secとすることができる。
このステップS3と並行して、第1パージガス供給源48および第2パージガス供給源68から第1パージガスライン45および第2パージガス供給ライン65にパージガスが供給され、Hガス供給源84からHガスライン81にHガスが供給されるが、バルブV2、V6およびV8が閉じられていることで、パージガスはガス貯留タンク46および66に貯留され、Hガスはガス貯留タンク82に貯留され、ガス貯留タンク46、66、および82内が昇圧する。
次に、バルブV3、V7、V9を開いた状態のまま、第1~第3キャリアガス供給源53、73、93から第1~第3キャリアガスライン51、71、91を介してキャリアNガスを同じ流量で供給し続けた状態で、バルブV4およびV5を閉じてNHガスを停止し、バルブV2、V6およびV8を開き、ガス貯留タンク46および66に貯留されたパージガス、ならびにガス貯留タンク82に貯留されたHガスを処理容器11内(処理空間10)に供給するとともに、真空ポンプ37により排気管34を介して排気し、処理容器11内(処理空間10)をパージする(ステップS4)。
ステップS2と同様、キャリアガスとは別ラインで、かつ圧力が上昇した状態のガス貯留タンク46および66から供給されることにより、処理容器11内(処理空間10)には大きな流量、例えばキャリアガスの流量よりも大きい流量でパージガスとしてのNガスを供給して、短時間で処理容器11内のNHガスをパージすることができる。また、このパージの際にHガスを供給することにより、TiNの分子層がHガスにより改質される。また、パージの際にHガスによる処理を行うため、スループットを低下させずに改質処理を行うことができる。また、Hガスの流量を任意の流量で供給することができ、大流量のHガスを供給することにより短時間のパージ工程でHによる改質を行うことが可能となる。
このとき、第1および第2パージガスライン45および65を介して供給されるパージガスの流量は、それぞれ200~10000sccm、合計で400~20000sccmとすることが好ましく、例えば、9000sccmずつ合計で18000sccmとすることができる。また、Hガスライン81を介して供給されるHガスの流量は、200~10000sccmとすることが好ましく、例えば、7000sccmとすることができる。ステップS4の時間は0.03~30secの範囲が好ましく、例えば0.3secとすることができる。
このステップS4と並行して、NHガス供給源64からNHガスライン61にNHガスが供給されるが、バルブV4およびV5が閉じられていることで、NHガスはガス貯留タンク62に貯留され、ガス貯留タンク62内が昇圧する。
以上のようなステップS1~S4を1サイクル以上の所定サイクル行うことにより、所定の膜厚の改質されたTiN膜を得ることができる。すなわち、本実施形態では、TiNの分子層が形成された後のパージ工程(ステップS4)で、Hガス雰囲気でアニールされることになるので、TiN結晶粒が大きくなり、上記ステップS1~S4を所定サイクル行うことにより、TiN膜の結晶粒を大きくすることができる。このため、比抵抗率の低いTiN膜を得ることができる。
このようにして、所定の膜厚のTiN膜を成膜した後、処理容器11内をパージガスによりパージし、載置台21を受け渡し位置まで下降させ、次いでゲートバルブ13を開放し、搬送装置(図示せず)により搬入出口12を介して処理後のウエハWを真空搬送室(図示せず)に搬出する。
従来は、図4に示すように、TiClガスおよびNHガスのキャリアガスを連続的に供給し、キャリアガスをパージガスとして用いていたが、キャリアガスを処理容器のパージに必要な量供給しなければならず、キャリアガスの供給量が多くなってしまう。一方、良好なステップカバレッジ(被覆性)を確保する場合、原料ガスであるTiClガスの供給量を増加させて、処理容器内における原料ガスの分圧を高くすることが求められるが、パージガスとして供給されるキャリアガスの流量が多いため、TiClガスの分圧を高くしようとすると、TiClガスの供給量を極めて多くする必要があり、パージ時間が長くなってスループット、すなわち生産性が低下してしまう。また、TiClガスの供給量を多くした場合には、処理容器や配管へのTiClガスの付着量が多くなるため、メンテナンス頻度も高くなる。さらに、特許文献3に示すように、Hガスによる処理をALDプロセスとは別個に行っているため、その分さらに生産性(スループット)が低下してしまう。
これに対し、本実施形態では、TiClガスおよびNHガスのキャリアガスを供給するための第1および第2キャリアガスライン51および71とは別個に第1および第2パージガスライン45および65を設け、第1および第2パージガスライン45および65には、第1および第2キャリアガスライン51および71のバルブV3、V7、および流量調整部52、72とは別個に、バルブV2、V6、および流量調整部47、67が設けられているので、パージのときだけパージガスの流量を増加させることができ、キャリアガスの流量を増加させる必要がない。このため、原料ガスであるTiClガスの流量を大きく増加させることなく被覆性(ステップカバレッジ)を高めることができ、生産性を低下させずに90%以上という良好な被覆性(ステップカバレッジ)を得ることができる。また、比抵抗を低下させるためのHガスによる処理をNHガス供給後のパージの際に行うので、ALDに影響を与えず、かつHガス処理による生産性(スループット)の低下をほとんど生じさせることがない。また、パージの際にキャリアガスを少なくしてパージガスおよびHガスを供給することができるので、大流量のHガスを供給することにより短時間のパージ工程でHによる改質を行うことが可能となる。
さらに、パージガスは、圧力が上昇した状態のガス貯留タンク46および66から供給されることにより、処理容器11内(処理空間10)には大きな流量、例えばキャリアガスの流量よりも大きい流量でパージガスを供給して、短時間で処理容器11内のTiClガスまたはNHガスをパージすることができる。このため、さらにスループットを高めることができる。
なお、本実施形態においては、ステップS1~S4を複数サイクル行い、最終サイクルのステップS4の時間を長時間化してもよい。このときの時間は60sec以下が好ましい。これにより、スループットが多少低下するものの、Hガス処理の効果をより高めることができ、比抵抗をより低下させることができる。
また、ステップS1~S4を複数回行う際に、所定周期的にステップS4の時間を長時間化してもよい。この場合は、さらにスループットが低下するが、Hガス処理の効果をさらに高めることができ、比抵抗をさらに低下させることができる。
さらに、ステップS4において、パージガスとHガスを両方用いたが、Hガスもパージガスと機能するため、パージガスとHガスの割合は任意であり、全てがHガスであってもよい。
さらにまた、本実施形態では、TiClガス供給後のパージ工程であるステップS2においてもHガスを供給するようにしてもよい。
次に、本実施形態の実験結果について説明する。
図5は、ステップS4のNHガスフロー後のパージの際のHガス流量を変化させてステップS1~S4を230サイクル繰り返してTiN膜を成膜した際の比抵抗率と膜厚を示す図である。この図に示すように、Hガス流量が2000sccm以上で比抵抗が低下していることがわかる。
次に、種々のシーケンスの実験におけるレシピ時間、スループット、比抵抗率、を求めた。ここでは、TiClガスおよびNHガスのキャリアガスであるNガスの流量を500sccmずつ連続して供給し、ステップS1のTiClガス流量を150sccm、ステップS2およびS4のパージガスであるNガスの流量を9000sccmずつとし、ステップS3のNHガスの流量を3800sccmとし、ステップS4のHガス流量を7000sccmとし、ステップS1、S2、S3、S4の標準の時間を、それぞれ0.1sec、0.2sec、0.25sec、0.3secとした。そして、Hガスを添加せずにステップS1~S4を230サイクル繰り返した場合(シーケンス1)、ステップS4にHガスを添加してステップS1~S4を230サイクル繰り返した場合(シーケンス2)、ステップS4にHガスを添加してステップS1~S4を229サイクル繰り返し、最終サイクルのみステップS4の時間を15secにした場合(シーケンス3)、ステップS4にHガスを添加してステップS1~S4を229サイクル繰り返し、最終サイクルのみステップS4の時間を60secにした場合(シーケンス4)、ステップS4にHガスを添加してステップS1~S4を46サイクル繰り返し、47サイクル目のステップS4の時間を15secとし、この47サイクルを5回繰り返した場合(シーケンス5)について行った。結果を図6に示す。
図6では、各シーケンスにおけるレシピ時間、スループット(ウエハ/h)、比抵抗率(μΩ・cm)、スループット低下枚数を示している。この図に示すように、ステップS4にHガスを添加したシーケンス2では、Hガスを添加しないシーケンス1に対し、スループットを低下させることなく、比抵抗を131μΩ・cmから117μΩ・cmまで低下することが確認された。また、最終サイクルのステップS4の時間を長くしたシーケンス3,4については、その時間に応じて、スループットはやや低下するものの、比抵抗は109μΩ・cm、104μΩ・cmとさらに低下することが確認された。また、周期的にステップS4の時間を長くしたシーケンス5についても比抵抗が105μΩ・cmと低下したが、スループットの低下が見られた。ただし、シーケンス3~5ではスループットは低下するものの、許容範囲であった。また、ステップカバレッジについてはいずれも90%以上の良好な値が得られた。
<成膜方法の第2の実施形態>
次に、成膜方法の第2の実施形態について説明する。
本実施形態に係る成膜方法は、ロジックなどに適用される低温成膜プロセスにより微細パターンに2nm以下、さらには1nm以下の極めて薄いTiN膜を高い被覆性のみならず高い連続性で成膜するものである。
まず、第1の実施形態と同様、バルブV1~V9を閉じ、載置台21を受け渡し位置に下降させた状態で、ゲートバルブ13を開放して搬送装置(図示せず)により真空搬送室(図示せず)から搬入出口12を介して処理容器11内にウエハWを搬入し、昇降ピン20上に載置し、搬送装置を退避させ、ゲートバルブ13を閉じる。そして、載置台21を処理位置まで上昇させることによりウエハWが載置台21上に載置される。本実施形態では、載置台21はヒーター22により400~500℃の範囲の温度に加熱される。そして、バルブV3、V7、V9を開いて第1~第3キャリアガス供給源53、73、93から第1~第3キャリアガスライン51、71、91を介して処理容器11内にキャリアNガスを供給しつつ所定の減圧状態に保持し、ウエハWの温度を400~500℃の範囲、例えば450℃に制御する。そして、第1の実施形態と同様、ガス貯留タンク42および62内の昇圧を行う。
この状態で、例えば図7のガス供給シーケンス、および図8のタイミングチャートに示すようにALDによりTiN膜を成膜する。
本実施形態では、第1の実施形態のステップS1~S4に対応してステップS11~S14を行う。ステップS11~S14のうち、ステップS11、S13、S14は基本的に第1の実施形態のステップS1、S3、S4と同様に行われるが、ステップS12のTiClガスのパージステップでは、パージガスの他にHガスを供給する。すなわち、本実施形態では、TiClガスのパージ工程であるステップS12およびNHガスのパージ工程であるステップS14の両方でHガスの供給を行う。
ステップS12およびS14のHガスの流量は、200~30000sccmとすることが好ましく、例えば、7000sccmとすることができる。
TiClガス、NHガス、キャリアガス、パージガスの流量は第1の実施形態と同様であり、ステップS11~S14の時間も、第1の実施形態のステップS1~S4と同じである。
以上のようなステップS11~S14を1サイクル以上の所定サイクル行うことにより、所定の膜厚の改質されたTiN膜を得ることができる。
ロジックに用いられるTiN膜は、低温成膜で2nm以下、さらには1nm以下の極めて薄いTiN膜を、高い被覆性のみならず高い連続性で成膜することが求められている。しかし、成膜原料としてTiClガスを用いてTiN膜を成膜する場合、TiClどうしが電気的に反発するため、下地において本来吸着すべきところにTiClが吸着されず、膜の連続性を高めることが困難となる。これに対して、Hガスを添加することにより、以下の(1)、(2)式の反応によりTiClが還元されることにより、1価のイオンである(TiCl或いは2価のイオンである(TiCl++となる。
2TiCl+H→2(TiCl+2HCl ……(1)
TiCl+H→(TiCl+++2HCl ……(2)
この(TiClおよび(TiCl++は、イオン化することにより活性化しているため、TiClに比べて下地に対する吸着力は高くなり、連続性の高いTiN膜を得ることができる。
本実施形態においても、TiClガスおよびNHガスのキャリアガスを供給するための第1および第2キャリアガスライン51および71とは別個に第1および第2パージガスライン45および65を設け、第1および第2パージガスライン45および65には、第1および第2キャリアガスライン51および71のバルブV3、V7、および流量調整部52、72とは別個に、バルブV2、V6、および流量調整部47、67が設けられているので、パージのときだけパージガスの流量を増加させることができ、キャリアガスの流量を増加させる必要がない。このため、原料ガスであるTiClガスの流量を増加大きく増加させることなく被覆性(ステップカバレッジ)を高めることができ、生産性を低下させずに90%以上という良好な被覆性(ステップカバレッジ)を得ることができる。また、膜の連続性を高めるためのHガスによる処理をTiClガス供給後およびNHガス供給後のパージの際に行うので、ALDに影響を与えず、かつHガス処理による生産性(スループット)の低下をほとんど生じさせることがない。また、パージの際にキャリアガスを少なくしてパージガスおよびHガスを供給することができるので、大流量のHガスを供給することにより短時間のパージ工程でHによる改質を行うことが可能となる。
もちろん、本実施形態においても、パージガスは、圧力が上昇した状態のガス貯留タンク46および66から供給されることにより、処理容器11内(処理空間10)には大きな流量、例えばキャリアガスの流量よりも大きい流量でパージガスを供給して、短時間で処理容器11内のTiClガスまたはNHガスをパージすることができる。このため、さらにスループットを高めることができる。
なお、上記例では、TiClガス供給後のパージ工程およびNHガス供給後のパージ工程の両方においてHガスを供給したが、本実施形態では、TiClガス供給後のパージ工程のみにHガスを供給してもよい。
次に、本実施形態の実験結果について説明する。
最初に、Hガス供給の効果を確認する基礎実験を行った。ここでは、成膜温度を460℃にして、連続的に供給するキャリアガスのNガスをパージガスとして用い、TiClガスとNHガスのALDによりTiN膜の成膜を行う際に、Hを連続的に供給してHガスの効果を確認した。なお、ここでは、TiClガス供給時間を0.05sec、TiClガスのパージ時間を0.2sec、NHガス供給時間を0.3sec、NHガスのパージ時間を0.3secとした。
膜の連続性は、Rough Ratioを用いて把握した。Rough Ratioは、分光エリプソメトリにより、図9に示す密度の異なるBulk層およびRoughness層の2層の膜厚を測定し、全体の膜厚(Roughness層+bulk層)に対する密度の小さいRoughness層の膜厚の割合を示すものである。
ガス流量を変化させてRough Ratio極小膜厚を求めた結果を図10および図11に示す。図10は、横軸にXRF膜厚をとり、縦軸にRough Ratioをとって、これらの関係を示した図である。Rough Ratioは0から核生成が始まった時点で増加して極大値となり、そこから徐々に低下する部分で膜の連続性が増加する。Rough Ratioが極小値となった膜厚であるRough Ratio極小膜厚が、連続性の程度を示す1つの指標である。図11は、Hガス流量とRough Ratio極小膜厚との関係を示す図であり、縦軸はHガスを供給しない場合を基準としてRough Ratio極小膜厚の変化量として示している。これらの図に示すように、Hガスの流量が増加するに従い、Rough Ratio極小膜厚が減少し、膜の連続性が改善することが確認された。
図12は、各H流量における膜厚と比抵抗との関係を示す図であるが、Hガスの供給量を増加させることにより、比抵抗も低下することが確認された。
次に、成膜温度を460℃にして、連続的に供給するキャリアガスであるNガスをパージガスとして用い、TiClガスとNHガスのALDによりHガスを添加せずにTiN膜を成膜した場合(サンプル1)、連続的に供給するキャリアガスであるNの他に、パージの際にパージガスであるNを供給し、TiClガスとNHガスのALDによりHガスを添加せずにTiN膜を成膜した場合(サンプル2)、連続的に供給するキャリアガスであるNの他に、パージの際にパージガスであるNを供給し、パージの際にHガスを供給してTiClガスとNHガスのALDによりTiN膜を成膜した場合(サンプル3)について、Rough Ratio極小膜厚を求めた。なお、ここでは、TiClガス供給時間を0.05sec、TiClガスのパージ時間を0.2sec、NHガス供給時間を0.3sec、NHガスのパージ時間を0.3secとした。
サンプル1では、TiClガスの流量を50sccm、NHガスの流量を2700sccmとし、キャリアガスであるNガスの流量をそれぞれ3000sccmとした。サンプル2では、TiClガスの流量を140sccm、NHガスの流量を7000sccmとし、キャリアガスであるNガスの流量をそれぞれ3000sccmとし、パージガスであるNガスの流量をそれぞれ9000sccmとした。サンプル3では、Hガスの流量を10000sccmとした他はサンプル2と同様とした。
その結果を図13に示す。キャリアガスをパージガスとして用い、Hガスを添加しないサンプル1、およびキャリアガスとは別個にパージガスを用い、Hガスを添加しないサンプル2は、Rough Ratio極小膜厚がそれぞれ2.13nm、1.88nmであったのに対し、パージの際にHガスを添加したサンプル3ではRough Ratio極小膜厚が1.8nmとさらに減少した。これにより、本実施形態において、膜の連続性が改善されたことが確認された。
<第3の実施形態>
次に、成膜方法の第3の実施形態について説明する。
本実施形態に係る成膜方法は、Hガスの添加により、TiClガスによるTiN膜自身のエッチングを抑制して、膜厚均一性を図るものである。
比抵抗の低いTiN膜を得ることを目的として、例えば700℃程度の高温でTiN膜を成膜することが要求される場合があるが、このような高温では、高ステップカバレッジを得るために、Ti原料であるTiClガスの流量を
50~270sccm、例えば270sccmと比較的大流量にする必要がある。
しかし、大流量でTiClガスを供給すると、TiN膜の膜厚は中央部で薄くなり、膜厚面内均一性が悪化する現象が見られた。この原因を検討した結果、TiClガスはエッチング性の高いガスであり、上記のような大流量でTiClガスを供給することにより、TiClガスにより成膜されたTiN膜自身のエッチングが進行し、そのエッチング効果がウエハWの中央部において大きくなるためであることが判明した。
実際に、図1の装置を用い、温度:700℃、圧力:5Torr(666Pa)、TiClガス流量:50sccm、NHガス流量:3500sccmの条件でTiN膜を成膜後、700℃でTiClガスの流量を50sccm、80sccm、180sccm、270sccmと変化させ、TiClガス供給0.05sec、パージ(Nガス流量:各ライン7000sccm)0.8secのサイクルを300サイクル繰り返してTiN膜をエッチングした。その結果を図14に示す。図14は、各TiCl流量における、ウエハ径方向の位置とTiN膜のエッチング量との関係を示す図である。この図に示すように、TiClガスの流量が増大するに従って、エッチング量が増加するとともに、中心部が多くエッチングされることが確認された。このことから、TiClガス流量を大流量化したときの膜厚面内均一性の悪化は、TiClガスのエッチングの影響であると考えられる。
次に、同じ条件でTiN膜を成膜後、エッチングの際のTiClガスの流量を270sccmに固定し、温度を400℃、500℃、600℃、700℃と変化させ、同様のエッチングサイクルを300サイクル行ってエッチング量を確認した。図15はその際のウエハ径方向の位置とTiN膜のエッチング量との関係を示す図である。この図から、700℃のときのみエッチングが顕著であり、600℃まではエッチングは生じておらず、むしろ増膜していることが確認された。
次に、装置構成を一部変更した他は同じ条件でTiN膜を成膜後、エッチングの際のTiClガスの流量を270sccmに固定し、温度を625℃、650℃、675℃、700℃と変化させ、同様のエッチングサイクルを300サイクル行ってエッチング量を確認した。図16はその際のウエハ径方向の位置とTiN膜のエッチング量との関係を示す図である。この図から、TiClガスによるエッチングの影響は625℃から生じ、温度が上昇するに従って増大することがわかる。
次に、図16の場合と同じ装置を用い、同様の条件でTiN膜を成膜した後、温度:700℃、TiClガスの流量:270sccmとして、上述したエッチングのサイクルを100サイクル、200サイクル、300サイクルと変化させた際のエッチング量を確認した。図17はその際のウエハ径方向の位置とTiN膜のエッチング量との関係を示す図である。この図から、TiClガスのエッチングの影響はサイクル数が少ない場合は小さいが、サイクル数が増加するに従って大きくなることがわかる。
本実施形態では、このようなTiClガス流量の増大にともなうエッチング作用をHガス添加により抑制する。
このことを確認した実験結果について説明する。
ここでは、図16の場合と同じ装置を用い、同様の条件でTiN膜を成膜した後、温度:700℃、TiClガスの流量;270sccmで、TiClガス供給0.05sec、パージ(Nガス流量:各ライン7000sccm)0.8secのサイクルを300サイクル繰り返してTiN膜をエッチングした場合(TiN膜成膜時H添加なし)と、パージの際に、Nガス(流量:各ライン7000sccm)に、さらにHガス(流量:7000sccm)を添加した以外は同様の条件で成膜したTiN膜を、温度:700℃、TiClガスの流量;270sccmで、TiClガス供給0.05sec、パージ(Nガス流量:各ライン7000sccm)0.85secのサイクルを300サイクル繰り返してTiN膜をエッチングした場合(TiN膜成膜時H添加あり)について、エッチング量を確認した。図18はその際のウエハ径方向の位置とTiN膜のエッチング量との関係を示す図である。この図から、TiN膜成膜時にHガスを添加することにより、TiN膜のエッチングを抑制することができることが確認された。
以上の実験結果を踏まえて、本実施形態では、好ましくは、温度:625℃以上、TiClガス流量:50~270sccmの条件で、第1の実施形態または第2の実施形態と同様のシーケンスでHガスを添加してTiN膜を成膜する。
具体的には、まず、第1および第2の実施形態と同様、バルブV1~V9を閉じ、載置台21を受け渡し位置に下降させた状態で、ゲートバルブ13を開放して搬送装置(図示せず)により真空搬送室(図示せず)から搬入出口12を介して処理容器11内にウエハWを搬入し、昇降ピン20上に載置し、搬送装置を退避させ、ゲートバルブ13を閉じる。そして、載置台21を処理位置まで上昇させることによりウエハWが載置台21上に載置される。本実施形態では、載置台21はヒーター22により625~740℃の範囲に加熱される。そして、バルブV3、V7、V9を開いて第1~第3キャリアガス供給源53、73、93から第1~第3キャリアガスライン51、71、91を介して処理容器11内にキャリアNガスを供給しつつ所定の減圧状態に保持し、ウエハWの温度を625~740℃の範囲、例えば700℃に制御する。そして、第1および第2の実施形態と同様、ガス貯留タンク42および62内の昇圧を行う。
この状態で、例えば、第1の実施形態における図2のガス供給シーケンスおよび図3のタイミングチャート、または第2の実施形態における図7のガス供給シーケンスおよび図8のタイミングチャートに示すようにALDによりTiN膜を成膜する。すなわち、本実施形態では、TiClガスの供給、TiClガスのパージ、NHガスの供給、NHガスのパージを繰り返して所定膜厚のTiN膜を成膜するが、この際に、NHガス供給後のパージステップのみでHガスの供給を行ってもよいし、TiClガス供給後およびNHガス供給後の両方のパージステップでHガスを供給してもよい。
このときのHガスの流量は、200~30000sccmとすることが好ましく、例えば、7000sccmとすることができる。
TiClガス、NHガス、キャリアガス、パージガスの流量は第1の実施形態および第2の実施形態と同様であり、これら工程の時間も第1の実施形態および第2の実施形態のステップS1~S4およびステップS11~S14と同じである。
本実施形態では、以上のような工程により、成膜温度が高く、TiClガス流量が大流量の場合でも、パージの際に、Hガスを供給してTiClガスのエッチング作用を抑制するので、高い生産性を確保しつつ、高い被覆性の膜を得ることができかつTiN膜の膜厚を均一にすることができる。
<他の適用>
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されることなく、本発明の技術思想の範囲内で種々変形可能である。
例えば、上記実施形態では、原料ガスとしてTiClガスを用い、反応ガスとしてNHガスを用いてTiN膜を成膜する場合について説明したが、Ti原料ガスおよび反応ガスはこれに限るものではない。
また、上記実施形態では、Ti原料ガスおよび反応ガスとしての窒化ガスによりTiN膜を成膜する場合について説明したが、成膜する膜は、原料ガスと反応ガスにより膜形成するものであれば特に限定されず、例えばWN膜、W膜、TiON膜、SiN膜、SiO膜等、種々の膜の成膜に適用することができる。
さらに、本実施形態ではキャリアガスやパージガスとして用いる不活性ガスとしてNガスを用いた例について示したが、Nガスに限らず、ArガスやHeガスのような希ガス等、他の不活性ガスを用いてもよい。
さらにまた、上記実施形態では、TiN膜に対し比抵抗を低下させる機能、膜の連続性を改善する機能を有する添加ガスとしてHガスを用いた例を示したが、これに限らず、膜に対して所定の機能を及ぼす添加ガスであればよく、Hガスに限らず、Oガス、NHガス、BClガス、SiHガス、SiHClガス等、種々のガスを用いることができる。
1;成膜装置
2;ガス供給機構
10;処理空間
11;処理容器
17;排気ダクト
21;載置台
34;排気管
37;真空ポンプ
41;TiClガスライン
42,46,62,66,82;ガス貯留タンク
44;TiClガス供給源
45,65;パージガスライン
48,68;パージガス供給源
51,71,91;キャリアガスライン
53,73;キャリアガス供給源
61;NHガスライン
64;NHガス供給源
81;Hガスライン
84;Hガス供給源
100;制御部
V1~V9;バルブ
W;半導体ウエハ

Claims (12)

  1. 被処理基板が収容される処理容器と、
    被処理基板に所定の膜を成膜するための原料ガスおよび反応ガス、これらを前記処理容器に搬送するキャリアガス、および前記処理容器内をパージするパージガスを供給するガス供給機構と、
    前記処理容器内を排気し、前記処理容器内を真空雰囲気に保持する排気機構と
    を有し、
    前記ガス供給機構は、前記原料ガスを前記処理容器内に供給するための原料ガス流路と、
    前記反応ガスを前記処理容器内に供給するための反応ガス流路と、
    前記原料ガス流路および前記反応ガス流路にそれぞれ接続され、前記原料ガスと前記反応ガスのキャリアガスを供給するための第1のキャリアガス流路および第2のキャリアガス流路と、
    前記第1のキャリアガス流路および前記第2のキャリアガス流路とは別個に設けられ、前記処理容器内をパージするパージガスを、前記第1のキャリアガス流路および前記第2のキャリアガス流路を通流する前記キャリアガスとは別個に流量制御して前記処理容器内に供給するパージガス流路と、
    前記所定の膜に対して所定の機能を有する添加ガスを供給する添加ガス流路と、
    前記原料ガス流路、前記反応ガス流路、前記第1および第2のキャリアガス流路、前記パージガス流路、および前記添加ガス流路をそれぞれ独立して開閉する開閉バルブと、
    前記パージガス流路および前記添加ガス流路に設けられた、前記パージガスおよび前記添加ガスを貯留するガス貯留部と
    を有する成膜装置を用いて前記所定の膜を成膜する成膜方法であって、
    前記処理容器内に被処理基板を配置した状態で、
    前記第1のキャリアガス流路および前記第2のキャリアガス流路を介して前記処理容器内に前記キャリアガスを常時供給する第1工程と、
    前記原料ガス流路を介して前記処理容器内に前記原料ガスを供給して前記被処理基板の表面に前記原料ガスを吸着する第2工程と、
    前記原料ガスの供給を停止して、前記パージガス流路を介して前記処理容器内に前記パージガスを供給して原料ガスをパージする第3工程と、
    前記反応ガス流路を介して前記処理容器内に前記反応ガスを供給して前記原料ガスと前記反応ガスとを反応させる第4工程と、
    前記反応ガスの供給を停止して、前記パージガス流路を介して前記処理容器内に前記パージガスを供給して反応ガスをパージする第5工程と
    を含み、前記第2工程から前記第5工程を所定サイクル実施し、
    前記原料ガスをパージする第3工程および前記反応ガスをパージする第5工程のいずれか、または両方で、前記パージガスの少なくとも一部として前記添加ガス流路を介して前記添加ガスを供給し、
    前記ガス貯留部に前記パージガスおよび前記添加ガスが貯留されて前記ガス貯留部内が昇圧した後、前記パージガス流路および前記添加ガス流路に設けられた前記バルブが開かれて前記パージガスおよび前記添加ガスが前記処理容器に供給されることを特徴とする成膜方法。
  2. 前記パージガス流路は、前記原料ガス流路に接続された第1のパージガス流路と、前記反応ガス流路に接続された第2のパージガス流路とを有し、前記原料ガスをパージする第3工程および前記反応ガスをパージする第5工程の際に、前記第1のパージガス流路および前記第2のパージガス流路を介して前記パージガスを供給することを特徴とする請求項1に記載の成膜方法。
  3. 前記原料ガスはTiClガスであり、前記反応ガスはNHガスであり、前記所定の膜はTiN膜であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の成膜方法。
  4. 前記添加ガスはHガスであることを特徴とする請求項に記載の成膜方法。
  5. 成膜の際の温度が400~750℃であり、前記添加ガスとしてのHガスを、前記反応ガスをパージする第5工程の際に供給し、前記Hガスは前記TiN膜の比抵抗を低下させる機能を有することを特徴とする請求項に記載の成膜方法。
  6. 前記第2工程から前記第5工程を複数サイクル繰り返し、最終サイクルの前記第5工程の時間を長時間化することを特徴とする請求項に記載の成膜方法。
  7. 前記第2工程から前記第5工程を複数サイクル繰り返し、前記第5工程を周期的に長時間化することを特徴とする請求項に記載の成膜方法。
  8. 成膜の際の温度が400~500℃であり、前記添加ガスとしてのHガスを、原料ガスをパージする第3工程および前記反応ガスをパージする第5工程の両方の際に供給し、前記Hガスは前記TiN膜の連続性を改善する機能を有することを特徴とする請求項に記載の成膜方法。
  9. 前記添加ガスとしてのHガスは、前記反応ガスをパージする第5工程の際のみ、または原料ガスをパージする第3工程および前記反応ガスをパージする第5工程の両方の際に供給し、前記Hガスは、TiClのエッチング作用を抑制する機能を有することを特徴とする請求項に記載の成膜方法。
  10. 成膜の際の温度が625~740℃の範囲であることを特徴とする請求項に記載の成膜方法。
  11. TiClガスの流量が50~270sccmの範囲であることを特徴とする請求項または請求項10に記載の成膜方法。
  12. 被処理基板が収容される処理容器と、
    被処理基板に所定の膜を成膜するための原料ガスおよび反応ガス、これらを前記処理容器に搬送するキャリアガス、および前記処理容器内をパージするパージガスを供給するガス供給機構と、
    前記処理容器内を排気し、前記処理容器内を真空雰囲気に保持する排気機構と、
    前記ガス供給機構と前記排気機構とを制御する制御部と
    を有し、
    前記ガス供給機構は、前記原料ガスを前記処理容器内に供給するための原料ガス流路と、
    前記反応ガスを前記処理容器内に供給するための反応ガス流路と、
    前記原料ガス流路および前記反応ガス流路にそれぞれ接続され、前記原料ガスと前記反応ガスのキャリアガスを供給するための第1のキャリアガス流路および第2のキャリアガス流路と、
    前記第1のキャリアガス流路および前記第2のキャリアガス流路とは別個に設けられ、前記処理容器内をパージするパージガスを、前記第1のキャリアガス流路および前記第2のキャリアガス流路を通流する前記キャリアガスとは別個に流量制御して前記処理容器内に供給するパージガス流路と、
    前記所定の膜に対して所定の機能を有する添加ガスを供給する添加ガス流路と、
    前記原料ガス流路、前記反応ガス流路、前記第1および第2のキャリアガス流路、前記パージガス流路、および前記添加ガス流路をそれぞれ独立して開閉する開閉バルブと、
    前記パージガス流路および前記添加ガス流路に設けられた、前記パージガスおよび前記添加ガスを貯留するガス貯留部と
    を有し、
    前記制御部は、
    前記処理容器内に被処理基板を配置した状態で、
    前記第1のキャリアガス流路および前記第2のキャリアガス流路を介して前記処理容器内に前記キャリアガスを常時供給する第1工程と、
    前記原料ガス流路を介して前記処理容器内に前記原料ガスを供給して前記被処理基板の表面に前記原料ガスを吸着する第2工程と、
    前記原料ガスの供給を停止して、前記パージガス流路を介して前記処理容器内に前記パージガスを供給して原料ガスをパージする第3工程と、
    前記反応ガス流路を介して前記処理容器内に前記反応ガスを供給して前記原料ガスと前記反応ガスとを反応させる第4工程と、
    前記反応ガスの供給を停止して、前記パージガス流路を介して前記処理容器内に前記パージガスを供給して反応ガスをパージする第5工程と
    を含み、前記第2工程から前記第5工程を所定サイクル実施し、
    前記原料ガスをパージする第3工程および前記反応ガスをパージする第5工程のいずれか、または両方で、前記パージガスの少なくとも一部として前記添加ガス流路を介して前記添加ガスを供給し、
    前記ガス貯留部に前記パージガスおよび前記添加ガスが貯留されて前記ガス貯留部内が昇圧した後、前記パージガス流路および前記添加ガス流路に設けられた前記バルブが開かれて前記パージガスおよび前記添加ガスが前記処理容器に供給されるように制御することを特徴とする成膜装置。
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