JP7032177B2 - 軟質ポリウレタンフォーム - Google Patents

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Description

本発明は、軟質ポリウレタンフォームに関する。詳細には、窒素酸化物(NOx)による変色を抑制し、さらに、次亜塩素酸ナトリウム溶液に対して耐性を持つ軟質ポリウレタンフォームに関する。
軟質ポリウレタンフォームは製造後、様々な製品形状へ加工された後、梱包され、出荷・保管されるが、梱包状態が不十分であると、運搬の際に使用するフォークリフトやトラックから発生するNOxガスの影響で軟質ポリウレタンフォームが変色してしまうことがある。
軟質ポリウレタンフォームのNOxガスによる変色を改善するために様々な検討がおこなわれている。(特許文献1、特許文献2)
特開2010-100717 特開2010-150438
NOxガスによる変色を抑制する先行技術としては、軟質ポリウレタンフォームの配合中に変色抑制効果のあるリン系酸化防止剤とヒンダードアミン系光安定剤を添加剤として用いる方法(特許文献1参照)が提案されている。また、原料のポリイソシアネートとしてトルエンジイソシアネートやジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族イソシアネートではなく、脂肪族又は脂環式ポリイソシアネート等の特殊なイソシアネートを使用するといった方法(特許文献2参照)が知られている。
特許文献1の発明は、添加剤による変色抑制がある軟質ポリウレタンフォームあり、ポリウレタンフォームの化学構造自体には耐性はないため、さらなるNOxガスによる変色の抑制が求められる。また、特許文献2の発明は、ポリウレタンフォームの化学構造自体にNOxガスによる変色の抑制効果があるが、原料のイソシアネートとして脂肪族又は脂環式ポリイソシアネートを用いるため、通常のトルエンジイソシアネートやジフェニルメタンジイソシアネートのような芳香族イソシアネートと比べ、反応性が低く、重合に時間がかかり生産性に劣る。また、十分な発泡がされずに、全体的に均一な反応が達成されず、形状が均一なフォームが得られにくく、通常の軟質ポリウレタンフォームに比べ物性面で大きく劣るものであった。
また、軟質ポリウレタンフォームは、その優れた感触および特性等からクリーナーや水処理用担体、マットレス等として用いられる。これらの用途で、消毒などのため、ポリウレタンフォームが次亜塩素酸ナトリウム溶液の影響下に曝されると、軟質ポリウレタンフォームは次亜塩素酸ナトリウム溶液に対して耐性がないため、顕著な劣化を誘発し、変色や溶解してしまうため、軟質ポリウレタンフォームに対して、次亜塩素酸ナトリウム溶液の使用は難しかった。
本発明は上述の課題に鑑みてなされたものである。即ち、本発明は、NOxガスに対しての耐変色性に優れ、また、次亜塩素酸ナトリウム水溶液に対しても耐性がある軟質ポリウレタンフォームを提供する。
本発明の軟質ポリウレタンフォームは、以下を特徴とする。
前記軟質ポリウレタンフォームが、
(1)ポリオールと、イソシアネートを反応させてなる軟質ポリウレタンフォームであって、前記ポリオールが、1,6-ヘキサンジオール由来とカプロラクトン由来の繰り返し単位を含むポリカーボネートジオールを少なくとも1種含み、
前記ポリオールの総量100質量部において、前記ポリカーボネートジオールが60質量部以上100質量部以下の範囲で含有されており、イソシアネートインデックスが100以上130以下であることを特徴とする軟質ポリウレタンフォーム。
(2)有効塩素5.0%の次亜塩素酸ナトリウム水溶液による浸漬下において、20時間経過後で浸漬前の形状を保持する前記(1)に記載の軟質ポリウレタンフォーム。
(3)JIS L 0855:2005の弱試験に準拠して650ppmのNOx雰囲気下に15分間暴露した後に染色堅ろう度試験においてNOxガスの退変色度合いが2級以上である前記(1)または)に記載の軟質ポリウレタンフォーム。
(4)JIS K 6400-5:2012に準拠して測定された伸びが260%以上、引張強さが130kPa以上である前記(1)~()のいずれか一項に記載の軟質ポリウレタンフォーム。
本発明の軟質ポリウレタンフォームは、ポリオール成分として特定のポリカーボネートジオールを使用することで、NOxガスに対して優れた耐変色性を示し、さらに次亜塩素酸ナトリウム水溶液に対しても耐性を備える。さらに、優れた引張強さと伸びを有する。
このような本発明の軟質ポリウレタンフォームは、例えば、ブラジャーカップに代表される白度を重要視するような衣料用途や、クリーナーや水着部材等の次亜塩素酸ナトリウム溶液に曝されるような用途に好適である。
以下に本発明の軟質ポリウレタンフォームの実施形態について説明する。
尚、以下の説明において、適宜、本発明の好ましい数値範囲に関し上限と下限を示す場合がある。この場合に、数値範囲の好ましい範囲は、示される上限および下限の全ての組み合わせから決定することができる。
本発明の軟質ポリウレタンフォームは、特定のポリオール成分と、イソシアネート成分、発泡剤、触媒、整泡剤を含むポリウレタン材料を反応させてなり、染色堅ろう度試験においてNOxガスによる退変色度合いが2級以上であり、次亜塩素酸ナトリウム水溶液への浸漬において優れた形状保持性を有する。
(ポリオール成分)
前記ポリオール成分は、少なくとも、ポリカーボネートジオールを1種含む。
前記ポリカーボーネートジオールは、ジオール由来とラクトン由来の繰り返し単位を含むものを使用する。前記ジオール由来成分としては、1,6-ヘキサンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール等があり、また、ラクトン由来成分としてはカプロラクトン、α-アセトラクトン、β-プロピオラクトン、γ-ブチロラクトンおよびδ-バレロラクトン等である。結晶性、粘度、ポリエーテルポリオールやポリエステルポリオールとの相溶性、フォーム化のし易さ、効果の観点から、1,6-ヘキサンジオールやカプロラクトンを使用したものが好ましい。1,6-ヘキサンジオール由来とカプロラクトン由来の繰り返し単位を含むポリカーボネートジオールを用いることで、低粘度の常温液体状態となり使い回しも良く、従来のポリウレタンフォームに使用されているポリエーテルポリオールやポリエステルポリオールとも相溶し、混合使用が可能になる。また、フォーム化も容易で引張強さや伸びが良好なフォームが得られる。また、従来のポリエーテルポリオールやポリエステルポリオールのみを使用したフォームに比べ、NOxガスに対する耐変色性や次亜塩素酸ナトリウム水溶液に対する耐性にも優れる。
前記ポリカーボネートジオールの数平均分子量および水酸基価は特に限定されないが、数平均分子量が500以上2000以下であることが好ましく、また平均水酸基価が56mgKOH/g以上224mgKOH/g以下であることが好ましい。数平均分子量が500未満や、水酸基価が224mgKOH/gを超える場合は得られる軟質ポリウレタンフォームは崩壊してしまい、良好なフォームが得られない。数平均分子量が2000を超えたり、水酸基価が56mgKOH/g未満の場合はポリカーボネートジオール自体が高粘度液体や固体状態になり、イソシアネートと反応させることすら難しくなる。
前記ポリカーボネートジオールの平均官能基数は、1.5以上、2.4以下であり、好ましくは平均官能基数が2である。上記平均官能基数が、1.5未満であると、フォームが崩壊し、形成が困難になる。また、平均官能基数が2.4を超えると、反応の際に発生する内部蓄熱温度が高くなり、ブロック品製造の場合、スコーチ(焦げ)が発生する。尚、本発明における平均官能基数とは、ポリオール1分子当たりの水酸基の数の平均値である。
前記ポリオール成分としては、ポリカーボネートジオールを単独で使用しても、一般に軟質ポリウレタンフォームに用いられる公知のポリオールを併用してもいい。公知のポリオールとしては例えば、ポリエーテルポリオールやポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール等が挙げられる。特に限定されないが、ポリエーテルポリオールとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなど、ポリエステルポリオールとしては、ポリエチレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリ-ε-カプロラクトンなどが挙げられる。これらのポリオールは1種、又は2種以上を組み合わせて用いて使用することができる。
ポリエーテルポリオールやポリエステルポリオールの数平均分子量および水酸基価は特に限定されないが、例えば数平均分子量が2000以上4000以下であることが好ましく、また水酸基価が42以上84以下であることが好ましい。
前記ポリカーボネートジオールの配合比率は、ポリオール成分の総量100質量部において、前記ポリカーボネートジオールが60質量部以上100質量部以下の配合範囲であれば、得られるポリウレタンフォームは、NOxガスの耐変色性及び次亜塩素酸ナトリウム水溶液への耐性を発現するとともに良好な引張強さ及び伸びを示す。前記ポリカーボネートジオールの含有量が60質量部未満では、得られるポリウレタンフォームはNOxガスにより変色したり、次亜塩素酸ナトリウム水溶液により溶解し、所望の性能が得られない。
(イソシアネート)
前記イソシアネートとしては、イソシアネート基を2以上有する化合物であって、ポリウレタンフォームを製造するために用いられ得るものであればよい。具体的には、トルエンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、1,5-ナフタレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、水添ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート、およびイソホロンジイソシアネート等が挙げられ、これらは1種、または2種以上を混合して使用することができる。
ポリオール成分とイソシアネート成分の配合比率としては、イソシアネートインデックスが100以上130以下であることが好ましく、110以上120以下であることがさらに好ましい。イソシアネートインデックスが100未満の場合は、得られる軟質ポリウレタンフォームはNOxガスによる変色があり、また、次亜塩素酸ナトリウム溶液への浸漬では形状は保持するが変色がみられる。また、イソシアネートインデックスが130を超えると収縮が起こり良好な軟質ポリウレタンフォームが得られない。イソシアネートインデックスが100以上130以下であれば、軟質ポリウレタンフォームの発泡も良好であり、かつNOxガスによる変色や次亜塩素酸ナトリウム水溶液への浸漬でも形状を保持し変色も抑制される。
触媒としては、一般的な軟質ポリウレタンフォームの製造に用いられる触媒を1種または2種以上混合して用いることができる。例えば、触媒として、オクチル酸スズなどの金属触媒、ならびにトリエチレンジアミン、ビスジメチルアミノエチルエーテル、ペンタメチルジエチレントリアミンおよびN-アルキルモルホリン類などの第3級アミン類から選ばれた少なくとも1種を含むものが用いられる。触媒は、一般にイソシアネート成分およびポリオール成分の総量100質量部に対し0.05質量部以上2質量部以下で含有させることができる。
発泡剤としては、例えば、水、ジクロロメタン、炭酸ガスなどのウレタン発泡に用いられる発泡剤から選ばれた少なくとも1種を含むものが用いられる。発泡剤は、一般にイソシアネート成分およびポリオール成分の総量100質量部に対し10質量部以下で含有させることができる。
整泡剤としては、例えば、ポリアルキルシロキサン、およびポリアルキルシロキサン-ポリオキシアルキルブロックコポリマーなどの一般的な軟質ポリウレタンフォームの製造に用いられる少なくとも1種のシロキサン化合物(シリコーン化合物)を用いることができる。整泡剤は、一般にイソシアネート成分とポリオール成分との総量100質量部に対し0.3質量部以上2質量部以下の範囲で含有させることができる。
その他助剤として、難燃剤、顔料、染料などの着色剤、可塑剤、および、その他の無機充填剤などを1種または2種以上使用してもよい。また、その添加量は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜設定するこができる。
また本発明は、酸化防止剤に代表される変色防止剤の使用に関わらず、耐NOxガス変色性に優れる軟質ポリウレタンフォームを提供するものであるが、本発明は、所定の構成を備える範囲において、酸化防止剤等の使用を何ら禁止するものではない。
本発明の軟質ポリウレタンフォームの望ましい物性について説明する。
NOxガスの耐変色性:
本発明の軟質ポリウレタンフォームは、JIS L0855:2005の弱試験に準拠し、650ppmのNOx雰囲気下に15分間暴露した後の変色堅ろう度試験において、退変色度合いが2級以上であることが好ましい。上記退変色度合いは、変色の少ないほうから5級から1級で判定される。
次亜塩素酸ナトリウム水溶液に対する耐性:
本発明の軟質ポリウレタンフォームは、有効塩素5%の次亜塩素酸ナトリウム水溶液による浸漬下において20時間経過後でも浸漬前の形状を保持することができる。
密度(kg/m):
本発明の軟質ポリウレタンフォームの密度は、特に限定されないが、20kg/m以上50kg/m以下であることが好ましい。上記密度は、JIS K 7222:2005に準拠して測定される。
伸び(%):
本発明の軟質ポリウレタンフォームは、良好な伸びを示し、機械的強度という観点からは260%以上であることが好ましい。伸びの上限は特に限定されず、軟質ポリウレタンフォームの用途に応じて適宜調整されるが、一般的には700%以下である。上記伸びは、JIS K 6400-5A法:2012に準拠して測定される。
引張強さ(kPa):
本発明の軟質ポリウレタンフォームは、良好な引張強さを示し、機械的強度という観点からは130kPa以上であることが好ましい。引張強さの上限は特に限定されず、軟質ポリウレタンフォームの用途に応じて適宜調整されるが、一般的には500kPa以下である。上記引張強さは、JIS K 6400-5A法:2012に準拠して測定される。
本発明の軟質ポリウレタンフォームの製造方法は、一般的な軟質ポリウレタンフォームの製造方法に適宜倣って製造することができる。例えば一例として、ポリオール成分と、イソシアネート成分と整泡剤、触媒、発泡剤と、任意で用いられる添加剤とを、発泡容器内に注入し、所定条件下で発泡させ、次いで加熱により硬化(架橋)させることで本発明の軟質ポリウレタンフォームを製造することができる。
以下に本発明の実施例について説明する。但し、本発明は、以下に示す実施例に限定されるものではない。尚、各実施例および各比較例を製造するために用いた成分および配合比率は表1に示す。表1に示す各成分の配合比率の数値は、質量部を示している。
(試料)
ポリオール(A):1,6-ヘキサンジオール由来とカプロラクトン由来の繰り返し単位を含むポリカーボネートジオール(ETERNACOLL UHC50-100、宇部興産株式会社製)、水酸基価112
ポリオール(B):1,6-ヘキサンジオール由来と3-メチル-1,5-ペンタンジオール由来の繰り返し単位を含むポリカーボネートジオール(クラレポリオール C-1090、クラレ株式会社製)、水酸基価112
ポリオール(C):3官能ポリエーテルポリオール(アクトコールT-3000、三井化学SKCポリウレタン株式会社製)、水酸基価56
ポリオール(D):2官能ポリエステルポリオール(クラレポリオールP-2050、クラレ株式会社製)、水酸基価56
イソシアネート:トルエンジイソシアネート(コスモネートT-80、三井化学SKCポリウレタン株式会社製)
整泡剤:シリコーン整泡剤(SF-2904、東レ・ダウコーニング株式会社製)
触媒A:第3級アミン触媒(TOYOCAT-TEDA L-33、東ソー株式会社製)
触媒B:オクチル酸スズ(ネオスタンU-28、日東化成株式会社製)
発泡剤:水
(実施例1~9、比較例1~7、参考例1~2)
表1に記載の配合比率にて、ポリオール成分に、整泡剤、触媒、および発泡剤を混合した後、表1に記載のイソシアネートと、混合し撹拌調製した混合物を、ベルトコンベア上に吐出した。ベルトコンベアを移動させ、常温、大気圧下において、上記混合物を自然発泡させウレタン反応させることにより、軟質ポリウレタンフォームを連続的に製造した。
その後、得られた軟質ポリウレタンフォームを、120℃の温度に維持された乾燥炉内に移動させ、硬化(キュア)させ、幅が約1000mm、高さが約500mmである長尺ブロック状の軟質ポリウレタンフォームとした。
得られた軟質ポリウレタンフォームを、適切な寸法に裁断し、以下のとおり評価した。評価結果は、表2に示す。尚、特段の断りのない場合には、適宜の寸法に裁断された試験片である軟質ポリウレタンフォームの厚み方向は、ベルトコンベア上において発泡した状態の軟質ポリウレタンフォームの厚み方向と同方向とする。
[形状]
得られたブロック状の軟質ポリウレタンフォームを所定長さに切り出し、24時間放置した後、軟質ポリウレタンフォーム裁断面を目視により観察し、以下のとおり評価した。
良好:正常な軟質ポリウレタンフォームが形成され、セルの大きさが均一で整っている。
収縮:セルの大きさが不均一で一部が収縮している。
崩壊:セルの安定化が不十分なため、軟質ポリウレタンフォームが形成される前に崩壊する。
[密度]
軟質ポリウレタンフォームを、スキン層を除き、縦380mm×横380mm×厚み50mmの寸法に裁断してブロック体を作成した。上記ブロック体を用い、JIS K7222:2005に準拠して、軟質ポリウレタンフォームの見掛け密度(kg/m)を測定した。
[引張強さ及び伸び]
JIS K 6400-5:2012に準拠して軟質ポリウレタンフォームの引張強さ(kPa)及び伸び(%)を測定した。具体的には軟質ポリウレタンフォームを、JIS K 6400-5:2012で規定している2号形ダンベル形状の寸法に裁断して試験片を作成し、当該試験片の両端部を固定具に挟み、引張速度500mm/分で長さ方向に引っ張り、破断したときの最大力と標線間距離を測定し、下記(式1)及び(式2)にて求めた。
(式1)
引張強さ(kPa)
=(破断時の最大力/測定前断面積の平均値)×1000
(式2)
伸び(%)
=((破断時の標線間距離-破断前の標線間距離)/破断前の標線間距離)×100
[化学特性1:NOxガスの耐変色性]
得られた軟質ポリウレタンフォームを用い、スキン層を除いて30mm×40mm×10mmの試験片を作製した。その試験片を、JIS L0855:2005の弱試験に準拠し、650ppmのNOx雰囲気下に15分間暴露した後の変色具合を評価した。判定は、JIS L0805に基づく、変退色用グレースケールを用いて、級数を判定した。
[化学特性2:次亜塩素酸ナトリウム水溶液に対する耐性]
化学特性1の試験と同様、30mm×40mm×10mmに切り出した試験片を、有効塩素5%の次亜塩素酸ナトリウム水溶液(関東化学株式会社製)に完全浸漬した状態にて20時間静置した。その後、試験片を良く水洗いし、乾燥させた後の状態を確認し、形状を○、△、×で評価した。
○:形状保持した △:形状保持したが変色した ×:溶解した
Figure 0007032177000001
Figure 0007032177000002
実施例1~9
本発明の軟質ポリウレタンフォームは、染色堅ろう度試験において、NOxガスによる退変色度合いが2級以上で、次亜塩素酸ナトリウム水溶液の浸漬において形状保持された。
実施例1、4、8においては、NOxガスによる退変色度合いが3級であった。
比較例1
ポリオール成分として、ポリオールA50質量部とポリオールC50質量部の配合割合で使用した。軟質ポリウレタンフォームは得られたが、NOxガスによる退変色度合いは1級で、次亜塩素酸ナトリウム水溶液の浸漬において溶解した。
比較例2
ポリオール成分として、ポリオールA50質量部とポリオールD50質量部の配合割合で使用した。軟質ポリウレタンフォームは得られたが、NOxガスによる退変色度合いは1級で、次亜塩素酸ナトリウム水溶液の浸漬において溶解した。
比較例3
イソシアネートインデックスを90とした。軟質ポリウレタンフォームは得られたが、NOxガスによる退変色度合いは1級で、次亜塩素酸ナトリウム水溶液の浸漬において溶解した。
比較例4
イソシアネートインデックスを140としたが、収縮し良好な軟質ポリウレタンフォームは得られなかった。
比較例5
ポリオール成分として、ポリオール原料にカプロラクトンを含まないポリカーボネートジオールであるポリオールBのみを使用したが、セルが安定化せず軟質ポリウレタンフォームは崩壊した。
比較例6
ポリオール成分として、ポリオール原料にカプロラクトンを含まないポリカーボネートジオールであるポリオールBとポリエーテルポリオールであるポリオールCを使用した。軟質ポリウレタンフォームは得られたが、NOxガスによる退変色度合いは1級で、次亜塩素酸ナトリウム水溶液の浸漬において溶解した。
比較例7
ポリオール成分として、ポリオール原料にカプロラクトンを含まないポリカーボネートジオールであるポリオールBとポリエステルポリオールであるポリオールDを使用した。軟質ポリウレタンフォームは得られたが、NOxガスによる退変色度合いは1級で、次亜塩素酸ナトリウム水溶液の浸漬において溶解した。
参考例1、2
ポリオール成分としてポリカーボネートポリオールを含まないポリオールCまたは、ポリオールDを使用した。軟質ポリウレタンフォームは得られたが、NOxガスによる退変色度合いは1級で、次亜塩素酸ナトリウム水溶液の浸漬において溶解した。
上記実施形態は、以下の技術思想を包含するものである。
軟質ポリウレタンフォームが、
(1)ポリオールと、イソシアネートを反応させてなる軟質ポリウレタンフォームであって、前記ポリオールが、1,6-ヘキサンジオール由来とカプロラクトン由来の繰り返し単位を含むポリカーボネートジオールを少なくとも1種含み、
前記ポリオールの総量100質量部において、前記ポリカーボネートジオールが60質量部以上100質量部以下の範囲で含有されており、イソシアネートインデックスが100以上130以下であることを特徴とする軟質ポリウレタンフォーム。
(2)有効塩素5.0%の次亜塩素酸ナトリウム水溶液による浸漬下において、20時間経過後で浸漬前の形状を保持する前記(1)に記載の軟質ポリウレタンフォーム。
(3)JIS L 0855:2005の弱試験に準拠して650ppmのNOx雰囲気下に15分間暴露した後に染色堅ろう度試験においてNOxガスの退変色度合いが2級以上である前記(1)または)に記載の軟質ポリウレタンフォーム。
(4)JIS K 6400-5:2012に準拠して測定された伸びが260%以上、引張強さが130kPa以上である前記(1)~()のいずれか一項に記載の軟質ポリウレタンフォーム。

かかる構成を備える本発明は、酸化防止剤に代表される各種変色防止剤の使用に関わらず、NOxガスに対して優れた耐変色性を示し、通常の軟質ポリウレタンフォームの弱点とされていた次亜塩素酸ナトリウム水溶液に対しても耐性を示す。また、本発明の軟質ポリウレタンフォームは、引張強さと伸びが優れ、良好な物性を発現する。

Claims (4)

  1. ポリオールと、イソシアネートを反応させてなる軟質ポリウレタンフォームであって、前記ポリオールが、1,6-ヘキサンジオール由来とカプロラクトン由来の繰り返し単位を含むポリカーボネートジオールを少なくとも1種含み、
    前記ポリオールの総量100質量部において、前記ポリカーボネートジオールが60質量部以上100質量部以下の範囲で含有されており、イソシアネートインデックスが100以上130以下であることを特徴とする軟質ポリウレタンフォーム。
  2. 有効塩素5.0%の次亜塩素酸ナトリウム水溶液による浸漬下において、20時間経過後で浸漬前の形状を保持する請求項1に記載の軟質ポリウレタンフォーム。
  3. JISL 0855:2005の弱試験に準拠して650ppmのNOx雰囲気下に15分間暴露した後の染色堅ろう度試験においてNOxガスの退変色度合いが2級以上である請求項1または2に記載の軟質ポリウレタンフォーム。
  4. JIS K 6400-5:2012に準拠して測定された伸びが260%以上、引張強さが130kPa以上である請求項1~のいずれか一項に記載の軟質ポリウレタンフォーム。
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