JP7032146B2 - 壁構造 - Google Patents
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Description
また、大中規模の木造建築物において、CLTを使用した壁構造として、CLTにより形成されたCLT壁と、当該CLT壁と壁面同士が対向するように配置された付加壁と備え、CLT壁の壁面と付加壁の壁面との間にグラスウール等の吸音材を設置した構成の壁構造、あるいは、CLTにより形成された一方のCLT壁と、当該一方のCLT壁と壁面同士が対向するように配置された他方のCLT壁とを備え、一方のCLT壁の壁面と他方のCLT壁の壁面との間にグラスウール等の吸音材を設置した構成の壁構造が知られている(非特許文献1参照)。
尚、大中規模の木造建築物とは、軸組構造又は壁組構造で構築された学校、ホテル、集合住宅、老人ホーム、役所などの比較的大型の木造建築物のことである。
本発明は、CLTを使用した壁構造において、遮音性能を向上させることができる壁構造を提供するものである。
また、CLTにより形成された一方のCLT壁と、当該一方のCLT壁と壁面同士が対向するように配置された他方のCLT壁と、互いに対向する一方のCLT壁の壁面及び他方のCLT壁の壁面のうちの一方の壁面に設けられた反射層と、互いに対向する一方のCLT壁の壁面及び他方のCLT壁の壁面のうちの他方の壁面側に設けられた吸音層と、反射層と吸音層との間に形成された空気層とを備えたことを特徴とする。
また、CLTにより形成されたCLT壁と、当該CLT壁の一方の壁面と壁面同士が対向するように配置された第1の付加壁と、互いに対向するCLT壁の一方の壁面及び第1の付加壁の壁面のうちの一方の壁面に設けられた第1の反射層と、互いに対向するCLT壁の一方の壁面及び第1の付加壁の壁面のうちの他方の壁面側に設けられた第1の吸音層と、第1の反射層と第1の吸音層との間に設けられた第1の空気層と、当該CLT壁の他方の壁面と壁面同士が対向するように配置された第2の付加壁と、互いに対向するCLT壁の他方の壁面及び第2の付加壁の壁面のうちの一方の壁面に設けられた第2の反射層と、互いに対向するCLT壁の他方の壁面及び第2の付加壁の壁面のうちの他方の壁面側に設けられた第2の吸音層と、第2の反射層と第2の吸音層との間に設けられた第2の空気層とを備えたことを特徴とする。
当該壁構造によれば、音が反射層で反射して吸音層で吸音されるようになるので、CLTを使用した壁構造において、遮音効果の高い壁構造となる。
また、反射層と吸音層との間に空気層を備えているので、吸音層での吸音効果がさらに高まる。
また、空気層を介して吸音層と対向する反射層の表面が凹凸部を備えたことを特徴とするので、反射層の表面で音が斜めに反射して吸音層に入射するので、反射した音が吸音層を通過する距離が長くなるため、吸音層での吸音効果をより一層高めることができる。
また、反射層は遮蔽性能を有した材料により形成されたので、遮音効果がさらに向上する。
また、反射層はCLT壁の壁面に設けられたことを特徴とする。
また、CLT壁の壁面に設けられた反射層は、CLT壁の壁面に貼り付けられたアスファルト系シート、又は、アルミ箔、あるいは、CLT壁の壁面に塗装された反射遮蔽機能を有した塗料により形成されたことを特徴とする。
また、空気層の厚さは、5mm~50mmに設定されたことを特徴とする。
さらに、CLT壁は、CLTにより形成された複数のCLTパネルの端面同士が所定の隙間を隔てて隣り合うように配置されたCLTパネル壁と、複数のCLTパネルの端面間の所定の隙間に充填された当該隙間の伸縮変形に追従して変形可能な遮音材とを備えて構成されたことを特徴とするので、CLT壁自体の遮音効果が高まる。
実施形態1に係る壁構造としては、CLTにより形成されたCLT壁と付加壁とを備えてCLT壁と付加壁との間に、吸音層、反射層、空気層を備えて構成されたAタイプの壁構造と、一方のCLT壁と他方のCLT壁とを備えて一方のCLT壁の壁面と他方のCLT壁の壁面との間に、吸音層、反射層、空気層を備えて構成されたBタイプの壁構造とがある。
Aタイプの壁構造としては、図1に示すように、CLT壁1の一方の壁面1aと付加壁2の壁面(裏壁面、即ち、後述する壁下地板21の裏面)2aとが対向し、CLT壁1の他方の壁面1bが露出した現し壁と呼ばれる状態となっている壁構造と、図3に示すように、CLT壁1の一方の壁面1aと一方の付加壁2Aの壁面(裏壁面)2aとが対向するとともに、CLT壁1の他方の壁面1bと他方の付加壁2Bの壁面(裏壁面)2aとが対向した状態となっている壁構造とがある。
具体的には、図2に示すように、一方のCLT壁1Aと、当該一方のCLT壁1Aと壁面1a,1a同士が対向するように配置された他方のCLT壁1Bと、一方のCLT壁1Aの壁面1aに設けられた反射層3と、当該反射層3と他方のCLT壁1Bの壁面1aとの間に設けられた吸音層4とを備え、反射層3と吸音層4との間に空気層5を備えた構成である。
即ち、CLTは、張り合わせる板の繊維方向が直交するように複数の板を張り合わせて構成された木材であり、直交集成板と呼ばれている。
CLTパネル1Pは、例えば厚さ寸法90mm~150mm程度(ラミナ3層~5層の厚さ寸法に相当)、縦寸法10m~12m程度、横寸法3m~4m程度に形成されたパネルである。
実施形態1によれば、当該隙間に設けられる、当該隙間の伸縮変形に追従して変形可能な遮音材6として、例えば、ゴム、シリコン系シーリング材、セルロースナノファイバー等を使用した。従って、この遮音材6が設けられた隙間の上に、反射層3を設けることで、CLT壁1,1A,1B自体の遮音効果が高まる。
即ち、Aタイプの壁構造の場合、複数のスタッド及び壁下地板21の裏面を覆うように吸音材をスタッド等に取付けて設置することにより、吸音層4が形成される。
また、Bタイプの壁構造の場合、例えば他方のCLT壁1Bの壁面1aに吸音材を取付けて設置することにより、吸音層4が形成される。
吸音層4の厚さは、例えば、50mm程度とする。
また、反射層3を、遮音性能を有した材料により形成したので、吸音層4での吸音効果がより高まる。
さらに、反射層3と吸音層4との間に空気層5を備えたので、吸音層4での吸音効果がさらに高まる。
図5に示すように、吸音層4と対向する反射層3の表面31が例えば波形等のような凹凸部を備えた構成とすることにより、反射層3の表面31で音が矢印aに示すように斜めに反射して吸音層4に入射するので、反射した音が吸音層4を通過する距離Lが長くなるため、吸音層4での吸音効果をより一層高めることができる。
即ち、CLT壁と、当該CLT壁と壁面同士が対向するように配置された付加壁と、互いに対向するCLT壁の壁面及び付加壁の壁面のうちの一方の壁面側に設けられた反射層と、互いに対向するCLT壁の壁面及び付加壁の壁面のうちの他方の壁面側に設けられた吸音層とを備えた壁構造としてもよい。
2a 付加壁の壁面、3 反射層、4 吸音層、5 空気層、6 遮音材、
31 反射層の表面。
Claims (9)
- CLTにより形成されたCLT壁と、当該CLT壁と壁面同士が対向するように配置された付加壁と、互いに対向するCLT壁の壁面及び付加壁の壁面のうちの一方の壁面に設けられた反射層と、互いに対向するCLT壁の壁面及び付加壁の壁面のうちの他方の壁面側に設けられた吸音層と、反射層と吸音層との間に設けられた空気層とを備えたことを特徴とする壁構造。
- CLTにより形成された一方のCLT壁と、当該一方のCLT壁と壁面同士が対向するように配置された他方のCLT壁と、互いに対向する一方のCLT壁の壁面及び他方のCLT壁の壁面のうちの一方の壁面に設けられた反射層と、互いに対向する一方のCLT壁の壁面及び他方のCLT壁の壁面のうちの他方の壁面側に設けられた吸音層と、反射層と吸音層との間に形成された空気層とを備えたことを特徴とする壁構造。
- CLTにより形成されたCLT壁と、
当該CLT壁の一方の壁面と壁面同士が対向するように配置された第1の付加壁と、互いに対向するCLT壁の一方の壁面及び第1の付加壁の壁面のうちの一方の壁面に設けられた第1の反射層と、互いに対向するCLT壁の一方の壁面及び第1の付加壁の壁面のうちの他方の壁面側に設けられた第1の吸音層と、第1の反射層と第1の吸音層との間に設けられた第1の空気層と、
当該CLT壁の他方の壁面と壁面同士が対向するように配置された第2の付加壁と、互いに対向するCLT壁の他方の壁面及び第2の付加壁の壁面のうちの一方の壁面に設けられた第2の反射層と、互いに対向するCLT壁の他方の壁面及び第2の付加壁の壁面のうちの他方の壁面側に設けられた第2の吸音層と、第2の反射層と第2の吸音層との間に設けられた第2の空気層とを備えたことを特徴とする壁構造。 - 空気層を介して吸音層と対向する反射層の表面が凹凸部を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の壁構造。
- 反射層は遮蔽性能を有した材料により形成されたことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の壁構造。
- 反射層はCLT壁の壁面に設けられたことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の壁構造。
- CLT壁の壁面に設けられた反射層は、CLT壁の壁面に貼り付けられたアスファルト系シート、又は、アルミ箔、あるいは、CLT壁の壁面に塗装された反射遮蔽機能を有した塗料により形成されたことを特徴とする請求項6に記載の壁構造。
- 空気層の厚さは、5mm~50mmに設定されたことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の壁構造。
- CLT壁は、CLTにより形成された複数のCLTパネルの端面同士が所定の隙間を隔てて隣り合うように配置されたCLTパネル壁と、複数のCLTパネルの端面間の所定の隙間に充填された当該隙間の伸縮変形に追従して変形可能な遮音材とを備えて構成されたことを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載の壁構造。
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