JP7029274B2 - 磁石車輪及び磁石車輪付きドローン - Google Patents

磁石車輪及び磁石車輪付きドローン Download PDF

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Description

本発明は、磁石車輪に関する。特に、磁気吸着して鉄製構造物の下面や垂直面の走行に適した磁石車輪に関する。
日本などの先進国では、橋梁や高架の老朽化対策が求められており、特に下面部分や垂直面の検査手段の検討が求められている。
検査手段は、下面を下からの目視、高所作業車などのムーヴによる接近した目視、あるいは吊り足場による目視、あるいは、撮影などが用いられている。
近頃は、撮影手段を搭載したドローンの採用が検討されている。
例えば、特許文献1(特開平3-260206号公報)には、車両の屋上に、昇降装置を前後方向に移動可能に搭載し、この昇降装置の上端部に設けた基台に、水平方向に折り曲げ可能にしたリンク機構の基端部を水平方向に回動可能に連結し、このリンク機構の先端部に、センサー台を昇降及び水平方向に回転可能に設け、このセンサー台に、レーザヘッドから入射されたレーザ光を所定の振り幅で上方へ向けて走査するレーザスキャナと、このレーザスキャナにて走査されたレーザ光の反射光量を検出する光検出センサーからなるレーザ計測装置を支持したことを特徴とする高架橋点検装置が提案されている。
特許文献2(特開2017-95959公報)には、橋梁などの全体にワイヤを回して、下面側に検査機器を取り付けた点検装置が開示されている。そして、この文献には、ドローンの活用には問題点があるとして次のように指摘している。
構造物の外観点検を行う場合には、作業者やカメラを点検対象面の近くに配置することが困難である場合がある。このような場合には、点検用の足場などを構築することがあるが、足場の構築は時間と労力を要する。また、水上の構造物のように、足場を構築することがそもそも困難であることもあり得る。そこで、近年、ドローンと呼ばれる遠隔操作や自律制御によって飛行できる飛行体などを構造物の点検に利用することが検討されている。カメラなどを搭載した飛行体を飛行させることにより、作業者などが容易に近づけない箇所の点検を、足場などを構築する必要なく行うことができると考えられている。
しかし、飛行体は、雨や風といった天候の影響により、飛行中の姿勢を安定させることが難しく、構造物における点検位置の精度が低下しやすい。また、構造物に囲まれたような場所では、GPSといった衛星測距システムによる位置精度も低下しやすい。これらのような事情により、飛行体による構造物の点検には種々の制約が存在すると考えられている。
一方、特許文献2に開示の点検用ロボットは、構造物に対して物理的に取り付けられるものであるので、飛行体と比べて姿勢の安定性が高くなり、点検位置の精度も向上させやすく、点検用ロボットの運用には、飛行体の操縦のように高い熟練度を必要とせず、さらに、複数のワイヤアームによって本体部が吊り下げられているので、本体部の落下を防止することが容易であり、安全性が高い。
例えば、高架路面の例である特許文献3(特開2017-95980号公報)には、橋脚に架設されたH型鋼製の桁材の上面に床版が載せられている。
特許文献4(特開2017-138162号公報)には、飛行しながら構造物の画像撮影をする点検システムに利用するドローンが開示されている。
特許文献5(特開2017-54486号公報)には、赤外線カメラを備えた検査用ドローンが開示されている。
特許文献6(特開2017-89211号公報)には、吸着固定用の磁石と移動用のローラ及び吸着解除用の梃子を備えた点検用ドローン装置が開示されている。
特許文献7(特開平9-267606号公報)には、車軸と、車軸回りに配置される永久磁石および車輪とを備えるとともに、前記の永久磁石と車軸との間に空隙を設け、さらに前記車輪の内周部に非磁性部材および/または弱磁性部材が配置されるとともに、前記車輪の外周部に強磁性部材が配置された、永久磁石の体積当たりの磁気吸着力が大きく、かつ走行時の機械発生音の小さい磁石車輪が開示されている。
特許文献8(特開平10-157403号公報)車軸回りに配置されるとともに永久磁石とヨークとを備えた磁石車輪であって、前記の永久磁石からの発生磁束を通すヨークが曲面状の吸着面を設けた曲面走行路での安定走行が可能な磁石車輪が開示されている。
特許文献9(特開2016-78466号公報)には、磁石の吸着力が不足することを回避するために、車体ベース7と、車体ベース7に回転自在に設けられている車輪本体部9と、平面状部13とこの平面状部13の端に形成された直線状の稜部15とを備え車輪本体部9が回転することで構造物17に平面状部13もしくは直線状の稜部15が吸着するように車輪本体部9の外周に設けられている磁石11とを有する磁気式吸着走行車3が開示されている。
特開平03-260206号公報 特開2017-095959公報 特開2017-095980号公報 特開2017-138162号公報 特開2017-054486号公報 特開2017-089211号公報 特開平09-267606号公報 特開平10-157403公報 特開2016-078466号公報
本発明は、磁気吸着走行用の磁石車輪を提供することを目的とする。特に、ドローン駆動用の懸垂駆動用の磁力吸着走行用の磁石車輪を提供することを目的とする。
本発明は、高架や橋梁の下面や壁面の鉄部に磁力で吸着して走行用するために適した磁石車輪である。
本発明は、次の構成を要旨とするものである。
1.車軸の周囲に磁石を配置した磁石車輪において、
車軸と、車軸の中央から両側に向かってゴム製リング、磁石固定板、ヨーク、外側面板が配置されており、
ゴム製リングと磁石固定板には、複数の磁石挿入用孔が設けられており、該磁石挿入用孔に、任意数の磁石が挿入されており、
車軸回りに配置されている各要素の径は、ゴム製リングが最大径、ヨークが最小径、磁石固定板と外側面板が中間径であることを特徴とする磁石車輪。
2.ゴム製リングは、薄厚ゴム製リングが積層された構成であり、
ヨークは、薄厚ヨーク板が積層された構成であることを特徴とする1.記載の磁石車輪。
.車軸の膨径部に設けられた雌ネジ部と外側面板に設けられた接合穴とをねじで接合したことを特徴とする1.又は2.記載の磁石車輪。
.駆動装置が取り付けられた1.~.のいずれかに記載の磁石車輪。
.1.~.のいずれかに記載された磁石車輪を取り付けたドローン。
1.本発明は、鉄部に磁気吸着して走行するために適した磁石車輪を実現した。
ゴム製リングに設けた孔に磁石を差し込んで固定可能としたので、接着などの磁石固定手段が不必要である。また、ゴム製リングは、H型鋼などの接合部に生じている段差を乗り越えるために必要なトラクションを発生させる。
2.ゴム製リング及びヨークを薄厚としたので、使用する枚数を調整することによって、磁力調整と磁石車輪の幅を調整することができる。また、磁石固定板、外側面板も含めて薄板を用いたので、車輪径の変更も容易である。車輪径を変更することにより、走行面となる鉄部にある突起部の高さに対する対応が容易である。積層構造とすることで個別部品の製造コストを抑えることができ、また、各部材の枚数を変えることにより設計変更にも対応できるので、全体としてもコストを低減できる。
3.ヨークを最小径としたので、ヨークが直接吸着鉄部に接触しないようにした。ヨークが被吸着面である鉄部材に直に接触すると鉄部材表面に傷がつくリスクがあり、鉄部の塗装などの被膜を剥ぎ、錆や腐蝕の原因となる。老朽化調査行為が老朽化原因となることは避けなければならない。
また、本発明の磁石車輪はゴム面が通常接触面となるが、ゴム面がへこんだ場合でも、磁石固定板と外側面板が被吸着鉄部材に接触するので、ヨークの接触が回避できる。
4.ゴム製リング、磁石固定板、ヨーク、外側面板と積層された各板を外側面板から車軸に向けてねじで通してまとめて取付け固定したので、個別に固定する必要も無く、ヨークの枚数、ゴム製リングの枚数等の交換が容易である。
5.駆動装置を磁石車輪に設けることにより、磁石車輪を取り付ける本体側から駆動力を受ける必要がない。
6.この磁石車輪をドローンに取り付けることにより、アクセス困難な高架の下面等に吸着した状態で計測データを得ることができる。不安定な飛行状態で計測することがないので、データの補正処理が必要ないか簡単にできる。
磁石車輪の概略図 磁石車輪の例を示す図 駆動部付き磁石車輪の例 磁石車輪付きドローンの例を示す図 カメラ付き磁石車輪付きドローンの例を示す図 点検箇所の例(橋梁下面部)を示す図 磁石車輪の従来例を示す図(特許文献7) 吸着固定用の磁石と移動用ローラを備えた従来例を示す図(特許文献6)
本発明は、磁石車輪である。社会インフラである橋梁、鉄道や道路用の高架、送電線用の鉄塔などが老朽化しており、点検作業を早急に行う必要がある。橋梁や高架の裏面や鉄塔などは容易に近づけず、登攀やゴンドラ等を使用しても危険を伴う。また、熟練作業員も人手不足である。ドローン等を飛翔させて点検用情報を入手する方法も検討されているが、飛行姿勢は傾きや接近距離が一定しないので、入手データの補正処理が難しい。
本発明は、磁気吸着して鉄製構造物の下面や垂直面の走行に適した磁石車輪を提案する。
本発明は、磁石車輪の車軸に中央から両側に向かってゴム製リング、磁石固定板、ヨーク、外側面板を配置してあり、ゴム製リングは複数の磁石挿入用孔を設け、磁石挿入用孔に、任意数の磁石が挿入されている。ゴム製リングに設けた孔に磁石を差し込んで固定可能としたので、接着などの磁石固定手段が不必要である。挿入する磁石の数を変更することができる。磁石固定板には、ゴム製リングと同様の磁石挿入孔が設けられている。磁石固定板左右両側に配置されていて、磁石が安定する。また、ゴム製リングは、H型鋼などの接合部に生じている段差をクッションとなって乗り越えが可能である。ゴムは、天然ゴム、ウレタンなどの樹脂製ゴムを使用する。本例では、ウレタン製ゴムを用いている。
高架や橋梁の桁材にはH型鋼が使用されることが多い。H型鋼は図6に模式するように、縦部材のウェヴWと平面材のフランジFで構成され、複数のH型鋼を接続して桁材が構成されている。接続部には接合板Jがあって、ネジでフランジ部に接合されている。H型鋼の桁材には接合板Jの厚さ分の段差が発生している。また、フランジに接合されている接合板JにはH型鋼の中央部にあるウェヴによってネジを設けることができず平坦であり、磁石車輪が通過できる平らな部分は中央部のみである。
本発明の磁石車輪にはゴムリングがあるので、この段差を乗り越えるのが容易である。
本発明は、さらにゴム製リングとヨークを薄層板として、積層枚数を変更可能にすることにより、磁石車輪の幅を調整することができる。また、磁力も調整することができる。枚数調整によって磁石車輪の重量も調整することができる。
また、直径の異なる薄層板を備えておくことにより、磁石車輪の直径も調整することができる。直径変更については、磁石固定板、外側面板も複数種類に対応する径を備えておく。磁石固定板と外側面板には、例えば、ポリカーボネートなどの合成樹脂板を使用する。
この構成によって、走行路にある段差部や障害物の高さを回避できる大きさの磁石車輪に容易に調整することができる。
なお、磁石車輪の直径は、後述するドローンなどに点検用の測定装置を取り付ける空間を確保するためにも重要になる。
また、磁石車輪は、ゴム製リングが最大径、ヨークが最小径、磁石固定板と外側面板が中間径とすることにより、最小径であるヨークが直接吸着対象の鉄部に接触しない。
磁性部材としては、ヨークが被吸着面の鉄部に近接しているので、接触はしないものの、ヨーク径と磁石固定板や外側面板との径差は小さくして、被吸着面に接近するように設計する。
ゴム製リングを最大径にして、磁石車輪の接触面がゴム面になる。ゴム面は弾力と摩擦があって走行が安定する。磁石車輪の接触面が鉄部材であると吸着面も鉄部材であるので摩擦が小さくなり、走行安定性に欠ける。鉄部材同士の接触では、吸着面に傷を付ける恐れがある。ゴム面を設けない実機試験では、進路変更などの操行コントロール時に特に塗装の剥がれ等が発生することが見られた。
ヨークが鉄部と接触する状態とすると、段差部で空転する現象が観察され、ヨークの径を小さくすると、これが解消できた。
また、車軸に取り付けられる各構成部材を外側面板から車軸に向けてボルトで固定することにより、それぞれを車軸に取り付けずに一体化でき、各部材の調整が容易にできる。
そして、さらに駆動装置を磁石車輪に設けることにより、磁石車輪を取り付ける本体側に備えてある駆動系を変更する必要がない。
また、磁石車輪には、操行制御系を設けることができる。磁石車輪の前方側にカメラとレーザセンサなどを配置することにより、周囲の状況及び障害物や走行した距離などを把握して、自立走行を可能とすることができる。
磁石は、永久磁石を使用する。例えば、希土類磁石およびフェライト磁石、アルニコ磁石、Mn-Al-C磁石等の公知の永久磁石材である。希土類磁石としては、R-Fe-B系、R-C05系、R2017系(RはYを含む希土類元素の1種または2種以上)がある。
例えば、R-Fe-B系の永久磁石(R:Nd、Pr等の希土類元素の1種以上)を使用できる。
ヨークは、公知の軟質磁性材料を使用する。例えば、公知の鉄鋼材料である、純鉄、軟鉄、炭素鋼や低合金鋼等の普通鋼、構造用の特殊鋼、工具鋼、フェライト系やマルテンサイト系のステンレス鋼等を挙げることができる。また、鋳鉄や鋳鋼等の公知の鉄系鋳物も挙げることができる。Mn-Zn系フェライト等の公知のソフトフェライトおよびパーマロイ等のFe-Ni系合金、コバール等のFe-Ni-Co系合金およびこれらの公知の軟質磁性材料粉末を熱可塑性樹脂もしくは熱硬化性樹脂で結合させたボンド型の軟質磁性材料も使用することができる。
この磁石車輪をドローンなどの本体に取り付けた点検用機器は、高架や橋梁等の裏面や鉄塔などの鉄材に磁力吸着して走行することができる。測定センサーと被点検部材との距離を安定させることができ、精度の良いデータを得ることができる。
特に、H型鋼や鉄塔用の幅の狭い鉄鋼材に磁気吸着して走行する場合、2つの磁石車輪を縦列に配置して、ボルトの頭等の障害物の無い場所を選んで走行できる。薄板の積層数を変更できるので、走行可能な幅に応じて磁石車輪の幅を調整できる。また、走行路に存在する突起物やセンサー装置に応じて、磁石車輪の径を変更できるので、調査対象に応じて柔軟に対応できる。そして、本発明の磁石車輪はゴム部材が走行用の鉄鋼材に接触するので、鉄鋼材の繋ぎ部にある接合板の段差部を容易に乗り越えることができる。
ドローンなどには、本体制御用のカメラや距離センサーを装着して、映像情報や障害物などの間隔に基づいて自動制御することができる。また、映像情報を操縦用のモニターに出力して、有線制御することもできる。
特に、ドローンの操縦をマニュアル制御として、ケーブルに電力ラインも含めて、地上から電力を供給する構成とすることにより、ドローン飛翔用のバッテリーと磁石車輪用のバッテリーをドローン本体に搭載する必要がなく、飛翔体の重量を軽量化でき、磁石車輪の負荷を軽減できる。橋梁や高架の高さは通常数十メートルであるので、ケーブルの長さは十分である。
また、磁気吸着走行時にドローンのロータの回転数を弱くしておくことにより、段差部や障害物などに接触して、磁石車輪が離れそうなリスクを回避するための補助力となる。
計測機器用センサーは、撮影装置、集音装置、レーザ距離センサ等を使用することができる。
本発明の磁石車輪Aの例を図1、図2に基づいて示す。磁石車輪の概略を図1に、磁石車輪の例を図2に示す。
図1は外側面板を取り除いて分かり易くした磁石車輪Aの斜視図である。
円盤状に形成されたゴム製リング1、磁石固定板2、ヨーク3、外側面板4が車軸9に装着されている。ゴム製リング1には、磁石挿入用孔12、12、・・・が放射状に形成されており、この磁石挿入用孔に磁石5が任意数挿入されている。
磁石5はゴム製リング1に設けられた磁石挿入用孔12に挿入されて安定するので、磁石固定用の冶具は必要ないし、磁石交換やどの挿入孔を使用するか容易に選択することができる。
磁石車輪Aの接触面は、ゴム面13となるので、被接触面にやわらく当接し、磁力吸着走行面の段差部乗り越えが容易である。
磁石車輪Aの正面図(a)、側面図(b)、断面図(c)を図2に示す。
各部材の配置が断面図(c)に良く示されている。車軸9に対して、中央部から外側に向かって、円盤状の各部材が積層されている。薄厚ゴム製リング11が4枚中央部にあり、両側に向かって、ゴム製薄厚リング11より小さい径である磁石固定板2があって、その外側に磁石固定板2よりもやや小径の薄厚ヨーク板31が4枚あって、最外側に磁石固定板2と同径の外側面板4が積層されており、外側面板4の車軸9よりには、これらの積層体を車軸に固定するねじ93が取り付けられている。
本磁石車輪が被吸着面と接触する面は、最大径であって、弾力性のゴム製リングの外周面となる。
磁石5は、永久磁石であって、薄厚ゴム製リング11に設けられた磁石挿入用孔12に挿入される。磁石固定板2にも、磁石が通過する挿入孔が設けられていて、磁石5は磁性体であるヨークに接触する。磁石固定板に形成される孔は、磁石5よりも大きく形成されていればよい。磁石5は、一体物でも薄厚ゴム製リング11の厚さに応じた薄膜リングを積層してもよい。
磁石車輪の車軸9の中央部が大きな径を備えた膨径部91となっており、この膨径部91の側面には雌ネジ部92が形成されている。この雌ネジ部92に対して、外側面板4からねじ93を螺合させて全体を締め付けて固定する。なお、ねじ93の通孔が外側面板4とヨーク3と磁石固定板2に形成されている。車軸9は円筒径であって、内面にはシャフトと結合するためのキー結合欠き部95が設けられており、外面にはベアリング凹部96が設けられている。この磁石車輪は、枠体にベアリングを介して取り付けられ、車軸にシャフト通して自由回動、あるいは駆動される。
また、この例では薄厚ゴム製リング11は4枚を最小積層枚数とし、増やすことができる例としている。薄厚ゴム製リングの枚数及び薄厚ヨークの枚数を増やした場合でも、薄厚ゴム製リングは磁石固定板を介して、またさらに薄厚ヨーク板は外側面板によって、ねじ93で締められて固定されることとなる。
この磁石車輪Aは、薄厚ゴム製リングの枚数と薄厚ヨーク板の枚数を調整することにより、磁石車輪の幅と磁石の磁力を調整することができる。また、ゴム製リング1、磁石固定板2、ヨーク3、外側面板4は径の異なる組合せを複数種類揃えておいて、磁石車輪径の設計変更も容易にする。
駆動制御装置付き磁石車輪Bの例を図3に示す。
磁石車輪Aの側面と底面側にコ字状に配置した枠体63に取付け、枠体63の底面枠63aに操舵用サーボモータ62を取付けた枠体63を回転制御して、磁石車輪Aの角度を調整して、操舵する。
磁石車輪Aの車軸9は、側枠63bにベアリングを介して回動自由に取り付けられている。
側枠63bの一方には、ギアヘッド65が取り付けられ、走行モータ61が装着されている。走行モータ61の出力軸は、磁石車輪Aのパイプ状車軸9を貫通し、車軸とキー結合して、走行モータ61で駆動される。
制御枠体63は、本体取付け部67に連結して、ドローンなどの移動体に取り付けられている。枠体63の底面枠63aの下部側に設けられた操舵用サーボモータ62によって、駆動車輪Aの中心軸を操舵中心軸66として枠体63を回転制御して、操舵する。
さらに、磁石車輪に取り付ける走行用カメラとレーザセンサの例を図3(c)に示す。駆動装置付き磁石車輪Bの前方に取り付けた走行用カメラ71、とレーザセンサ72である。これを取り付けることによって、前方にある橋脚までの距離、あるいは、後方にある橋脚までの距離がわかる。H型鋼のフランジの側縁などがわかり、走行路の確認ができる。
ドローンに磁石車輪を装着した実施例である。
ドローン本体の上面に実施例1又は実施例2の磁石車輪を取り付けて、高架や橋梁の下面の鉄部に磁気吸着して走行する例である。本体部と、ロータを備えたドローンであって、建造物の鉄部に磁力吸着して走行する懸垂型ドローンである。このドローンは、点検用の検査機器装着に適している。
吸着対象は、建造物の下面である鋼板は、H型鋼、ボックス型鋼、鋼製桁材、橋脚の鉄部、トンネル内面鉄部等である。建造物は、高架、橋梁、トンネル、建物庇、倉庫、運動施設などの、手が届かず、上方からのぞき込むことができない部位の点検に適している。
点検用の検査機器は、カメラなど撮影装置、打音や交通震動を拾うマイク、赤外線カメラ、レーザ距離計などである。
ドローンの操作は無線あるいは有線で行うことができる。ドローンには、飛翔中あるいは磁気吸着時に周囲情報を取得するため点検用とは別のカメラが本体に取り付けられている。H型鋼のフランジなどを走行する場合は、フランジを検出して、自動走行ができる。また、このカメラによる情報を、コントローラのモニターに写して操作することもできる。
本実施例は、磁石車輪を2つ縦列に配置している。高架や橋梁の桁にはH型鋼材が用いられることが多い。2輪ぶら下がっているので鉛直方向に姿勢が安定する。機体が安定するので、搭載する計測機器の姿勢も安定し、質の良いデータを得ることができる。
さらに、特許文献1や特許文献3、図6(a)(c)に示されるようにH型鋼のフランジは幅が狭いうえ、接合用鋼板にはボルトの頭が飛び出ており、磁気吸着できる場所は中央部になるので、直列2輪とすることが適している。
なお、本実施例では、ロータを弱回転しておくと、接合用鋼板との段差などで吸着力が弱くなっても、離れることを防止することができる。
ドローンのロータは、本体の上面側に磁石車輪や計測機器が搭載されているので、これらと干渉しない下方側に取り付けられる。
ドローンの駆動源は、バッテリーあるいは地上から電線ケーブルで供給する。
ドローンの操行制御は、ラジコンあるいは有線による。
高架や橋梁下面の点検では、高さが数十メートルよりも低いので、有線操作が可能である。有線とした場合、操縦用ラインと電力ライン及び計測機器の制御、計測データ用のラインをまとめて一体としてケーブルをドローンに繋げることができる。これによって、ドローンにバッテリーを積む必要がなく、ドローンの重量を軽量化できる。軽量化できるので、磁石車輪による吸着を安定化することができる。あるいは、搭載する計測機器の重量制限が緩和される。
また、ドローンの活動時間の制限がなくなる。仮に、磁気吸着中にバッテリー切れになると、ドローンは吸着した状態となって、回収が困難になる。
計測データで得られた情報もモニターで確認しながら操縦でき、注意すべき個所では測定機器の操作を重点的に行うことができる。
本実施例3の磁石車輪を装着したドローン100の例を図4に示す。
ドローン100は、通常のドローンと同様に本体110から水平方向に延出したロータ杆121にロータ120を取り付けている。本例では、ロータは6つである。ロータ杆121には脚130を取り付けている。
本体には、操縦用、電力、情報、点検装置操作用のケーブル180が取り付けられており、地上から操縦、操作と電力供給ができるようになっている。また、ドローンの本体には本体カメラ111が4個取り付けられており、飛翔中及び吸着時に周囲の状況が確認できると供に、自動走行が可能になっている。
ドローン100の本体110の上面に2つの支持部材170、170を設けて、該支持部材に取り付け杆160を取付け、該取付け杆に磁石車輪Bを取り付けている。磁石車輪Bは、ロータ120の上方に位置して、緩衝しない位置関係に配置されている。また、本例では、取付け杆160は、直杆であって、本体よりも長く設定されており、磁石車輪Bは、取付け位置は、取付け杆の長手方向に調整できる。
また、本例では点検機器300として、カメラ310を搭載している。本体110の上面に2本の支柱220を取付け、この支柱に横杆230を取り付けて、センサー装着部200を形成している。本例ではセンサーとして、カメラ310を横杆に装着している。さらに、図面には記載していないが、本体の前後にレーザ距離計を備えており、レーザ距離計で前後の橋脚との距離を把握して、橋脚間におけるドローンの位置を特定して、写真測定している箇所を正確に特定している。例えば、図3(c)に示す、カメラやレーザセンサを磁石車輪に取り付ける。これを取り付けることによって、前方にある橋脚までの距離、あるいは、後方にある橋脚までの距離がわかる。H型鋼のフランジの側縁などがわかり、自律操行ができるようになる。
本例では、点検用であるカメラ310は、磁石車輪Bの先端より低くして、磁石車輪の吸着の障害にならないようにしている。横杆230は取付け杆160の上方をクロスしているが、下方を通しても良く、あるいは、左右分割しても良い。肝心なことは、点検機器が、磁石車輪の吸着高さよりも低い位置になるようにすることである。点検機器の種類によっては、磁石車輪の径を調整して、点検機器を装着する余裕を確保する。
なお、本例では、横杆230の先端はロータ120よりも外側に位置しているが、H型鋼製の桁材を走行して点検する装置を想定しており、桁と桁の間はH型鋼の高さ分の空間があって、多少左右に傾いても、カメラが接触せず、桁間隔を撮影範囲に納めることができるような長さに設定している。
図5に本実施例のドローンのテスト機を示す。図6はテストドローンを橋桁や高架の桁材に模したH型鋼の下面に吸着走行及びカメラを操作した試験状態を示している。本試験機では、20mm厚の接合板を走破することができた。
1・・・ ゴム製リング
11・・・薄厚ゴム製リング
12・・・磁石挿入用孔
13・・・ゴム面

2・・・磁石固定板

3・・・ヨーク
31・・・薄厚ヨーク板

4・・・外側面板

5・・・磁石

6・・・走行駆動機構
61・・・走行モータ
62・・・操舵用サーボモータ
63・・・枠体
63a・・底面枠
63b・・側枠
65・・・ギアヘッド
66・・・操舵中心軸
67・・・本体取付け部

71・・・走行用カメラ
72・・・レーザセンサ

9・・・車軸
91・・・膨径部
92・・・雌ネジ部
93・・・ねじ
94・・・シャフト
95・・・キー結合欠き部
96・・・ベアリング凹部

100・・ドローン
110・・本体
111・・本体カメラ
120・・ロータ
121・・ロータ杆
130・・脚
150・・走行装置
160・・取り付け杆
170・・支持部材
180・・ケーブル

200・・センサー装着部
220・・支柱
230・・横杆

300・・点検機器
310・・カメラ

A・・・磁石車輪
B・・・駆動制御装置付き磁石車輪
F・・・フランジ
H・・・H型鋼
W・・・ウェヴ
J・・・接合板

Claims (5)

  1. 車軸の周囲に磁石を配置した磁石車輪において、
    車軸と、車軸の中央から両側に向かってゴム製リング、磁石固定板、ヨーク、外側面板が配置されており、
    ゴム製リングと磁石固定板には、複数の磁石挿入用孔が設けられており、該磁石挿入用孔に、任意数の磁石が挿入されており
    車軸回りに配置されている各要素の径は、ゴム製リングが最大径、ヨークが最小径、磁石固定板と外側面板が中間径であることを特徴とする磁石車輪。
  2. ゴム製リングは、薄厚ゴム製リングが積層された構成であり、
    ヨークは、薄厚ヨーク板が積層された構成であることを特徴とする請求項1記載の磁石車輪。
  3. 車軸の膨径部に設けられた雌ネジ部と外側面板に設けられた接合穴とをねじで接合したことを特徴とする請求項1又は2記載の磁石車輪。
  4. 駆動装置が取り付けられた請求項1~のいずれかに記載の磁石車輪。
  5. 請求項1~のいずれかに記載された磁石車輪を取り付けたドローン。
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