JP7027779B2 - 携帯機、認証システム、身体認証データ送信方法 - Google Patents

携帯機、認証システム、身体認証データ送信方法 Download PDF

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本発明は、車両の所有者に携帯されて、車両に搭載された無線通信機に向けて身体認証データを送信する技術に関する。
車両に乗り込む度に鍵を取り出して扉を解錠する煩わしさを解消するために、パッシブエントリおよびパッシブスタートと呼ばれる技術が開発されて、現在では広く使用されている。更に、エンジンを始動させる度に鍵を用いて始動させる煩わしさを解消するために、パッシブスタートと呼ばれる技術も開発されて、パッシブエントリと呼ばれる技術と共に広く使用されている。
このパッシブエントリと呼ばれる技術では、車両に搭載した無線通信機と、車両の使用者が携帯する電子キーなどの携帯機とが無線通信することによって、携帯機が正規の携帯機であるか否かを認証する。また、パッシブスタートと呼ばれる技術では、車両の無線通信機が車室内に存在する携帯機を認証する。そして、正規の携帯機であった場合には、ドアノブに手が掛けられたら扉を解錠し、あるいはエンジンスタートボタンが押されたらエンジンを始動させる。このため、正規の携帯機を携帯するユーザーは、携帯機を用いなくても扉を解錠して車両に乗り込んだり、エンジンを始動させたりすることが可能となる。
もっとも、車両の無線通信機と携帯機とが無線通信によって認証しているために、車両から遠い所にある携帯機と車両との間で電波が中継されて、不正な方法によって認証される可能性がある。その結果、正規の携帯機を携帯していない第三者がドアノブに触れても扉が解錠され、エンジンスタートボタンが押されてエンジンが始動されてしまい、車両が盗難される虞が生じる。
そこで、指紋などの身体情報を用いて認証する機器を車両に搭載しておき、携帯機の認証に加えて、身体情報を用いた認証(以下、身体認証)も行うことで、車両の盗難を防止しようとする技術が提案されている。更には、携帯機に身体認証の機能を搭載することも提案されている(特許文献1)。
特開2017-115439号公報
しかし、上記の提案の技術のように、扉の解錠やエンジンの始動のために身体認証を必要としたのでは、ユーザーに対して鍵の操作の代わりに、身体認証のための動作を強いることになるので、パッシブエントリやパッシブスタートの利便性を損なってしまうという問題があった。
この発明は、従来技術における上述した課題を解決するためになされたものであり、パッシブエントリやパッシブスタートの利便性を損なうことなく、身体認証を利用することによって高い防犯性能を実現することが可能な技術の提供を目的とする。
上述した問題を解決するために本発明の携帯機、認証システム、および身体認証データ送信方法は、車両の使用者が携帯する携帯機を用いて、使用者の身体的な特徴を含んだ身体情報を読み取って記憶する。そして、読み取ってからの経過時間が所定の送信可能時間に達するまでの間に、認証用データの送信要求を受け取った場合には、記憶している身体情報を認証用データとして送信する。更に、車両に搭載された無線通信機から、車両の扉が解錠されたことを示す解錠情報、または車両のエンジンが始動されたことを示す始動情報の少なくとも一方を受け取った場合には、送信可能時間を延長する。
こうすれば、身体情報を携帯機に読み取らせてから送信可能時間が経過した後は、携帯機が認証用データの送信要求を受け取っても、認証用データが送信されることがない。そして、認証用データを送信するためには、再び身体情報を読み取らせなければならないので、不正な手段で認証が成立されてしまい、車両が盗難されることを防止することができる。それでいながら、身体情報を読み取らせてから送信可能時間が経過するまでの間は、携帯機が送信要求を受け取ると認証用データを送信するので、従来通りにパッシブエントリやパッシブスタートを実現することができる。加えて、身体情報を認証用データとして用いているので、たとえ携帯機を紛失あるいは盗難されたりした場合でも、車両の正規の使用者でなければ認証を成立させることができないので、車両が盗難される虞を回避することが可能となる。更に加えて、解錠情報を受け取った場合には送信可能時間が延長されるので、扉の解錠後にエンジンを始動しようとした時に、既に送信可能時間が超過していたために認証用データを送信できない事態が発生することを防止することができる。あるいは、エンジンの始動情報を受け取った場合には送信可能時間が延長されるので、例えば、エンジンを間違えて始動したために一旦、停止した後、再びエンジンを始動しようとした時に、既に送信可能時間が超過していたために認証用データを送信できない事態が発生することを防止することが可能となる。
本実施例の携帯機100を携帯して車両1に近付くことによってパッシブエントリが実現される様子を例示した説明図である。 本実施例の携帯機100の内部構造を示した説明図である。 無線通信機10を介して携帯機100と無線通信する本実施例の認証装置20の内部構造を示した説明図である。 本実施例の携帯機100が身体認証データを送信する処理の前半部分のフローチャートである。 本実施例の携帯機100が身体認証データを送信する処理の後半部分のフローチャートである。 本実施例の携帯機100から認証装置20に向かって身体認証データが送信される様子を例示した説明図である。 本実施例の携帯機100ではリレーアタックによる車両1の盗難を回避可能な理由を示す説明図である。 第1変形例の携帯機100の内部構造を示した説明図である。 第2変形例の携帯機100の内部構造を示した説明図である。 第2変形例の携帯機100と組み合わせて用いられる第2変形例の認証装置20の内部構造を示した説明図である。 第2変形例の携帯機100が送信可能時間を延長する処理のフローチャートである。
以下では、上述した本願発明の内容を明確にするために実施例について説明する。
A.装置構成 :
図1には、車両1の所有者が、本実施例の携帯機100を携帯して車両1に近付くことによって、パッシブエントリが実現される様子が例示されている。尚、本実施例の携帯機100は、いわゆる電子キーであるものとして説明するが、スマートフォンなどの携帯式端末であっても良い。本実施例の携帯機100には、指紋などの身体情報を読み取る身体情報読取器100dを備えており、車両1の所有者は携帯機100を携帯する際に、身体情報読取器100dを用いて携帯機100に身体情報を読み取らせるようになっている。図1(a)では、車両1の所有者が自宅を出る際に、携帯機100に身体情報を読み取らせている。また、携帯機100に身体情報を読み取らせた後は、その携帯機100は、例えばポケットに入れても良いし、鞄の中にしまっても構わない。
尚、携帯機100に読み取らせる身体情報としては、車両1の所有者を識別可能な情報であれば、指紋に限らず様々な情報とすることができる。例えば、顔の形状とすることもできるし、瞳の虹彩の形状とすることもできる。更には、形状に限らず、例えば声紋を、身体情報として取得しても良い。携帯機100に搭載する身体情報読取器100dには、身体情報として読み取る内容に応じた機器が採用される。
図1(b)に示したように、車両1には、無線通信機10や、携帯機100を認証する認証装置20が搭載されている。無線通信機10には、LF波による電波を送信し、RF波による電波を受信する車載アンテナ10aが接続されている。尚、本実施例では、LF波による送信とRF波による受信とを、1つの車載アンテナ10aで行うものとして説明するが、LF波による送信とRF波による受信とを、それぞれ専用のアンテナで分担しても良い。
認証装置20は、無線通信機10を介して車載アンテナ10aから、携帯機100を呼び出す呼出信号を一定周期で周囲に向かって送信している。また、携帯機100には、LF波による電波を受信して、RF波による電波を送信する送受信アンテナ100aが搭載されている。このため、図1(b)に示したように、車両1の所有者が携帯機100を携帯して車両1に近付いていくと、携帯機100が呼出信号を受信可能となる。そして、車両1からの呼出信号を受信した携帯機100は、その呼出信号に対する応答信号を送信する。尚、本実施例では、携帯機100の送受信アンテナ100aも、LF波による受信とRF波による送信とを、1つの送受信アンテナ100aで行うものとして説明するが、LF波による受信とRF波による送信とを、それぞれ専用のアンテナで分担しても良い。
車両1の認証装置20は、車載アンテナ10aおよび無線通信機10を介して応答信号を受信すると、車両1の周辺に携帯機100が存在することを認識する。そして、今度は、その携帯機100を認証するために、身体認証データを送信するように要求する送信要求信号を送信する。この送信要求信号を受信すると、携帯機100は、身体情報読取器100dを用いて予め読み取って記憶しておいた身体情報を読み出して、身体認証データとして車両1に向かって送信する。身体情報読取器100dで読み取られた身体情報は携帯機100内に記憶されており、身体情報を読み取ってから所定の送信可能時間内であれば、身体情報を読み出して送信することができるが、送信可能時間を経過した後は送信できなくなる。
尚、本実施例の身体認証データは、本発明における「認証用データ」に対応する。
車両1の認証装置20は、こうして携帯機100から身体認証データとして送信されてきた身体情報を受け取ると、車両1の正規の使用者として予め登録されている身体情報と照合することによって、携帯機100の携帯者が正規の使用者であるか否かを認証する。その結果、正規の使用者であることが確認されたら、車両1の扉を解錠する。このように、本実施例の携帯機100では、携帯機100に身体情報を読み取らせてから所定の送信可能時間内であれば、一般的な携帯機を用いる場合と同様に、パッシブエントリを実現することができる。その一方で、所定の送信可能時間が経過した後は、車両1の正規の使用者が携帯機100に身体情報を読み取らせなければ、車両1からの送信要求信号を受け取っても身体認証データを送信することがない。このため、リレーアタックなどの不正な方法によって認証されて、車両が盗難される虞を回避することが可能となる。
図2には、このようなことを実現するための本実施例の携帯機100の内部構造が示されている。図示されるように、本実施例の携帯機100は、身体情報読取部101や、特徴量抽出部102、身体情報記憶部103、応答要求受取部104、応答信号送信部105、送信要求受取部106、身体認証データ送信部107、計時部108、到達報知部109、超過報知部110、送信可能時間設定部111などを備えている。
尚、これらの「部」は、身体情報を用いたパッシブエントリ(およびパッシブスタート)を実現するために携帯機100が備える機能に着目して、携帯機100の内部を便宜的に分類した抽象的な概念であり、携帯機100がこれらの「部」に物理的に区分されていることを表すものではない。従って、これらの「部」は、CPUで実行されるコンピュータープログラムとして実現することもできるし、LSIを含む電子回路として実現することもできるし、更にはこれらの組合せとして実現することもできる。
身体情報読取部101は、身体情報読取器100dに接続されており、携帯機100の携帯者が、身体情報読取器100dに対して指の腹をあてるなどの、所定の読み取り動作をすることによって、指紋などの身体情報を読み取ることができる。身体情報読取部101は、読み取った身体情報を特徴量抽出部102に出力すると共に、計時部108で経過時間の計時を開始させる。尚、読み取る身体情報としては指紋に限らず、顔の形状とすることもできるし、音声とすることもできるし、更には音声を解析して得られる声紋とすることもできる。
特徴量抽出部102は、身体情報読取部101で取得した身体情報を解析して、身体情報についての所定の特徴量(例えば、指紋であれば、その指紋を他の指紋と形状的に識別することが可能な特徴を表す数値)を抽出する。
身体情報記憶部103は、特徴量抽出部102で身体情報から抽出した特徴量を記憶しておく。尚、本実施例では、記憶に要するデータ量を抑制する観点から、身体情報ではなく、身体情報から抽出した特徴量を記憶するものとしているが、身体情報を記憶するようにしても良い。
応答要求受取部104は、送受信アンテナ100aに接続されており、車両1が応答を要求してLF波を用いて送信する呼出信号を受信することにより、車両1から応答を要求されていることを認識して、その旨の情報を応答信号送信部105に出力する。
応答信号送信部105は、送受信アンテナ100aに接続されており、車両1から応答を要求されている旨を応答要求受取部104から受け取ると、RF波を用いて応答信号を送信する。車両1では、この応答信号を受信すると、周辺に携帯機100が存在することを認識して、その携帯機100に対して身体認証データの送信を要求する信号(すなわち送信要求信号)を、LF波を用いて送信する(図1参照)。
送信要求受取部106は、送受信アンテナ100aに接続されており、送信要求信号を受け取ると、車両1から身体認証データの送信を要求されていることを認識して、その旨の情報を身体認証データ送信部107に出力する。
身体認証データ送信部107は、身体認証データの送信を要求されている旨の情報を受け取ると、計時部108で計時中の経過時間を取得する。前述したように、計時部108での計時は身体情報読取部101が身体情報を読み取った時点で開始されるので、計時部108から取得する経過時間は、身体情報を読み取った時点からの経過時間となる。そして、この経過時間が、所定の送信可能時間に達しているか否かを判断して、経過時間が送信可能時間に達していない場合は、身体情報記憶部103に記憶されている身体情報(ここでは、身体情報から抽出した特徴量)を、身体認証データとして送受信アンテナ100aから送信する。尚、本実施例の身体認証データ送信部107は、本発明における「認証用データ送信部」に対応する。
これに対して、経過時間が送信可能時間に達していた場合は、車両1から身体認証データの送信を要求されている旨の情報を受け取っていても、身体認証データは送信しない。従って、身体認証データを送信するためには、携帯機100の携帯者が、再び身体情報読取器100dに対して身体情報を読み取らせるための動作(例えば、指の腹をあてるなどの動作)をする必要がある。
また、このように本実施例の携帯機100では、身体情報を読み取ってからの経過時間が送信可能時間に達するまでは、車両1からの要求に応じて身体認証データが送信されるが、経過時間が送信可能時間に達した後は、身体認証データが送信されなくなってしまう。
そこで、計時部108は、経過時間が送信可能時間に達すると、その旨を到達報知部109に出力し、到達報知部109は、経過時間が送信可能時間に達した旨(従って、身体認証データを送信するためには身体情報を読み取らせる動作が必要である旨)を、携帯機100の携帯者に対して報知する。尚、報知の態様としては、所定の音声あるいは所定の効果音を出力しても良いし、携帯機100を振動させても良い。
また、送信要求受取部106は、車両1からの送信要求信号を受け取ると、その旨を超過報知部110に出力する。すると超過報知部110は、計時部108で計時中の経過時間を取得して、経過時間が送信可能時間を超えているか否かを判断する。そして、送信可能時間を超えている場合は、経過時間が送信可能時間を超えている旨(従って、身体認証データを送信するためには身体情報を読み取らせる動作が必要である旨)を、携帯機100の携帯者に対して報知する。尚、報知の手段には、音声、効果音、あるいは振動などを用いることができる。
図3には、上述した本実施例の携帯機100と無線通信する本実施例の認証装置20の内部構造が示されている。尚、本実施例の携帯機100および本実施例の認証装置20は、認証システム2を形成している。
図示されるように、本実施例の認証装置20は、応答要求出力部21や、応答信号受取部22、送信要求出力部23、身体認証データ受取部24、認証実行部25、正規身体情報記憶部26などを備えている。尚、これらの「部」は、認証装置20が、本実施例の携帯機100との間で無線を用いて認証するための機能に着目して、認証装置20の内部を便宜的に分類した抽象的な概念である。従って、認証装置20がこれらの「部」に物理的に区分されていることを表すものではない。これらの「部」は、CPUで実行されるコンピュータープログラムとして実現することもできるし、LSIを含む電子回路として実現することもできるし、更にはこれらの組合せとして実現することもできる。
応答要求出力部21は、車両1の周囲に存在する携帯機100に対して応答を要求する呼出信号を、無線通信機10を介して出力する。図1を用いて前述したように、呼出信号を受け取った携帯機100は、その呼出信号に対して応答する応答信号を送信する。
応答信号受取部22は、携帯機100から返信されてきた応答信号を、無線通信機10から受け取ると、応答信号を受け取った旨の情報を送信要求出力部23に出力する。
送信要求出力部23は、応答信号を返信してきた携帯機100に向かって、身体認証データの送信を要求する送信要求信号を、無線通信機10を介して出力する。そして、その送信要求信号に対して携帯機100が身体認証データを送信してきた場合には、身体認証データ受取部24が、無線通信機10を介して、その身体認証データを受け取る。図2を用いて前述したように、本実施例の携帯機100は身体認証データとして、携帯機100の携帯者から読み取った指紋などの身体情報を送信してくる。そこで身体認証データ受取部24は、身体認証データとして送信されてきた身体情報を、認証実行部25に出力する。
認証実行部25は、身体認証データ受取部24から身体認証データとして身体情報を受け取ると、予め登録されている正規の身体情報と照合することによって、身体認証データを認証する。正規の身体情報は、正規身体情報記憶部26に予め登録されているので、認証実行部25は、この身体情報を読み出して、身体認証データを認証する。その結果、認証が通った場合は、車両1の扉を解錠する解錠装置30に対して、解錠を許可する解錠許可信号を出力する。あるいは車両1のエンジンを始動させるエンジン始動装置40に対して、エンジンの始動を許可する始動許可信号を出力する。すると、携帯機100の携帯者は、車両1のドアノブに手を掛けることによって解錠装置30に扉を解錠させたり、エンジン始動ボタンを押すことによってエンジン始動装置40にエンジンを始動させたりすることが可能となる。
このような本実施例の携帯機100では、車両1に搭載された認証装置20との間で認証するために、以下のような処理が行われている。その結果、パッシブエントリやパッシブスタートの利便性を損なうことなく、身体情報を利用した認証を利用することによって高い防犯性能を実現することが可能となる。
B.身体認証データ送信処理 :
図4および図5には、本実施例の携帯機100が認証装置20に対して身体認証データを送信する身体認証データ送信処理のフローチャートが示されている。
図4に示されるように、携帯機100は身体認証データ送信処理を開始すると、先ず始めに、身体情報を取得するか否かを判断する(S100)。携帯機100の携帯者が、携帯機100に身体情報を読み取らせようとする際には、携帯機100に搭載された身体情報読取器100dに対して所定の操作を行ったり、あるいは身体情報を読み取るための専用アプリを起動させたりする。従って、それらの操作が行われたか否かに基づいて、身体情報を取得するか否かを判断することができる。
その結果、身体情報を取得すると判断した場合は(S100:yes)、身体情報読取器100dから身体情報を取得する(S101)。例えば、読み取る身体情報が指紋の場合は、携帯機100の携帯者が指の腹の部分を身体情報読取器100dにあてるので、身体情報読取器100dで読み取った指紋の形状を取得する。あるいは、読み取る身体情報が顔の形状である場合は、携帯機100の携帯者が顔の形状を身体情報読取器100dに読み取らせるので、身体情報読取器100dで読み取った顔の形状を取得する。更には、読み取る身体情報が音声の場合は、携帯機100の携帯者が身体情報読取器100dに向かって話し掛けるので、身体情報読取器100dで読み取った音声データ(あるいは音声データを解析して得られる声紋データ)を取得する。
続いて、取得した身体情報を解析することによって、身体情報の特徴量を抽出する(S102)。例えば、身体情報として指紋の形状を読み取る場合は、その指紋を他の指紋と識別することが可能な特徴量を抽出する。また、身体情報として顔の形状を読み取る場合は、その顔を他者の顔と識別することが可能な特徴量を抽出する。更には、身体情報として音声(あるいは声紋)を読み取る場合は、その音声(あるいは声紋)を他者の音声(あるいは声紋)と識別することが可能な特徴量を抽出する。
尚、身体情報として音声(あるいは声紋)を読み取る際には、車両1の正規の使用者が、秘密の言葉などを認証装置20に予め登録しておくことが望ましい。こうすれば、正規の使用者が登録されている言葉を話した場合の特徴量と、第三者が登録されていない言葉を話した場合の特徴量とで、明確な違いが現れるので、認証精度を向上させることが可能となる。
このようにして、携帯機100の携帯者の身体情報から特徴量を抽出したら、その特徴量を携帯機100に内蔵されているメモリに記憶した後(S103)、経過時間の計時を開始する(S104)。尚、本実施例では、携帯機100のメモリ量を節約する観点から、身体情報を記憶するのではなく、身体情報から抽出した特徴量を記憶するものとしているが、メモリ量に余裕があれば、身体情報を記憶しても良い。
以上では、身体情報を取得すると判断した場合に(S100:yes)、携帯機100が内部で実行する一連の動作について説明したが、身体情報を取得しないと判断した場合は(S100:no)、これらの一連の動作(S101~S104)は省略する。
続いて、経過時間が所定の送信可能時間に達したか否かを判断する(S105)。送信可能時間とは、車両1からの要求に対して、身体認証データを送信することができるか否かを判断するための時間である。携帯機100の携帯者の身体情報を読み取ってメモリに記憶してからの経過時間が、送信可能時間に達するまでの間は、車両1からの要求に対して身体認証データを送信することができるが、送信可能時間に達した後は、車両1からの要求があっても身体認証データを送信することができなくなる。本実施例の送信可能時間は、30分~1時間程度の時間に設定されている。
携帯機100が身体情報を読み取って記憶してから暫くの間は、経過時間は送信可能時間に達していない。そこで、この場合は、S105では「no」と判断して、車両1からの呼出信号を受信したか否かを判断する(図5のS108)。ここで、呼出信号とは、車両1から携帯機100に対して応答を要求する信号である。呼出信号は、車両1から離れた所には届かないので、携帯機100が車両1の周辺にいなければ呼出信号を受信することはない。
このため、通常の場合はS108では「no」と判断して、今度は、身体認証データの送信要求信号を受信したか否かを判断する(S112)。送信要求信号も車両1から離れた所には届かないので、携帯機100が車両1の周辺にいない場合は、S112では「no」と判断した後、処理の先頭に戻って、再び身体情報を取得するか否かを判断する(図4のS100)。携帯機100の携帯者は、頻繁に身体情報を読み取らせようとすることは無いから、多くの場合は、S100では「no」と判断し、続いて、経過時間が送信可能時間に達したか否かを判断する(S105)。
前述したように、携帯機100が身体情報を読み取ってから暫くの間は、S105では「no」と判断して、車両1からの呼出信号あるいは送信要求信号を受信したか否かを判断するが(図5のS108、S112)、携帯機100が車両1から離れた所にいる間は、呼出信号を受信することはなく(S108:no)、送信要求信号を受信することもない(S112:no)。このため、再び、処理の先頭に戻って、身体情報を取得するか否かを判断する(図4のS100)。
このようなことを繰り返している間に、経過時間が送信可能時間に達した場合には(S105:yes)、経過時間が送信可能時間に達した旨を、携帯機100の携帯者に報知する(S111)。すなわち、本実施例の携帯機100は、身体情報を読み取ってからの経過時間が送信可能時間に達する前であれば、身体認証データを送信することが可能であるが、送信可能時間に達した後は、身体認証データを送信することができなくなる。そこで、経過時間が送信可能時間に達した旨を報知することによって、身体認証データを送信できなくなったことを、携帯機100の携帯者が認識できるようにしているのである。
続いて、経過時間が送信可能時間に達した旨を報知した後は(S106)、メモリに記憶している身体情報の特徴量を消去する(S107)。この理由は、身体情報は個人情報なので、身体認証データとして送信することができなくなった以上、身体情報は消去しておいた方が、個人情報の漏洩を防ぐ観点からすると望ましいためである。
以上では、携帯機100の携帯者が身体情報を携帯機100に読み取らせた後、車両1からの呼出信号や送信要求信号を受信することなく、送信可能時間が経過した場合について説明した。
これに対して、携帯機100の携帯者が車両1に向かって近付いていれば、やがては、車両1からの呼出信号を受信するので、図5のS108で「yes」と判断して、その呼出信号に対する応答信号を送信する(S109)。
続いて、経過時間が送信可能時間を超えているか否かを判断して(S110)、送信可能時間を超えていない場合は(S110:no)、今度は、身体認証データの送信要求信号を受信したか否かを判断する(S112)。
これに対して、経過時間が送信可能時間を超えている場合は(S110:yes)、経過時間が送信可能時間を超えている旨を、携帯機100の携帯者に報知した後に(S111)、身体認証データの送信要求信号を受信したか否かを判断する(S112)。すなわち、経過時間が送信可能時間を超えている場合は(S110:yes)、車両1からの送信要求信号を受信しても身体認証データを送信できないので、車両1に向かって応答信号を送信した段階で、身体認証データは要求されても送信できない旨を、携帯機100の携帯者に予め認識させておくのである。
そして、身体認証データの送信要求信号を受信したか否かを判断して(S112)、送信要求信号を受信していなかった場合は(S112:no)、再び、処理の先頭に戻って、身体情報を取得するか否かを判断した後(図4のS100)、上述した続く一連の動作を繰り返す。
これに対して、車両1からの送信要求信号を受信した場合は(S122:yes)、経過時間が送信可能時間を超えているか否かを判断する(S113)。そして、経過時間が送信可能時間を超えていない場合は(S113:no)、先のS103でメモリに記憶しておいた身体情報の特徴量を読み出して、身体認証データとして車両1に向けて送信した後(S118)、処理の先頭に戻って、上述した一連の動作を再開する。
これに対して、経過時間が送信可能時間を超えている場合は(S113:yes)、経過時間が送信可能時間を超えている旨を報知した後(S114)、処理の先頭に戻って、上述した一連の動作を再開する。経過時間が送信可能時間を超えている旨を報知すれば、携帯機100の携帯者は、身体認証データを送信できないことを認識して、携帯機100に身体情報を読み取らせようとするので、携帯機100は、身体情報を取得すると判断する(図4のS100:yes)。
そして、身体情報を取得すると(S101)、特徴量を抽出してメモリに記憶した後(S102、S103)、新たに経過時間の計時を開始する(S104)。その結果、経過時間は送信可能時間に達していないと判断されて(S105:no)、呼出信号を受信したか否かを判断した後(図5のS108)、続いて、身体認証データの送信要求信号を受信したか否かを判断する(S112)。送信要求信号は既に受信しているので、S112では「yes」と判断して、経過時間が送信可能時間を超えているか否かを判断する(S113)。そして、新たに計時を開始した経過時間は送信可能時間を超えていないので、S113では、今度は「no」と判断して、メモリに記憶されている身体情報の特徴量を、身体認証データとして車両1に向けて送信する(S118)。
図6には、上述した身体認証データ送信処理を実行する携帯機100から、車両1に搭載された認証装置20に向かって、身体認証データが送信される様子が示されている。図示されるように、本実施例の携帯機100は、身体情報を読み取ることによって身体認証データを送信可能となる。
その後、携帯機100の携帯者が車両1に近付いて行き、身体認証データの送信を要求する送信要求信号を受け取ると、読み取って記憶しておいた身体情報を身体認証データとして送信する。尚、図4および図5を用いて前述したように、車両1からの送信要求信号を受信する前に、携帯機100は車両1からの呼出信号を受信して応答信号を返信しているが、図示が煩雑となることを避けるため、図6では図示を省略している。
車両1の認証装置20は、携帯機100から送信されてきた身体認証データを受け取ると、その身体認証データを、予め登録されている正規の使用者の身体情報と照合することによって認証する。その結果、認証が通った場合は、その身体認証データが車室外または車室内の何れから送信されてきたものであるかを判断する。そして、車室外から送信されてきたものであった場合は、解錠装置30に向かって解錠許可信号を送信する。解錠許可信号を受け取った解錠装置30は、車両1のドアノブに手が掛けられたことを検出すると直ちに扉を解錠する。こうすることによってパッシブエントリが実現される。
また、携帯機100の携帯者が車両1に乗り込んだ後は、車室内に向かって送信要求信号が送信される。そして、その送信要求信号を携帯機100が受け取った時に、身体情報を読み取ってからの経過時間が未だ送信可能時間に達していなければ、身体認証データを送信する。車両1の認証装置20は、送信されてきた身体認証データを用いて認証し、認証が通っていれば、その身体認証データが車室外または車室内の何れから送信されてきたものであるかを判断する。その結果、車室内から送信されてきたものであった場合は、エンジン始動装置40に向かって始動許可信号を送信する。すると、エンジン始動装置40は、車室内の運転席側に設けられたエンジン始動ボタンが押されたことを検出すると直ちにエンジンを始動するようになる。こうすることによってパッシブスタートが実現される。
このように、本実施例の携帯機100では、携帯機100に身体情報を読み取らせる必要があるものの、一度、読み取らせてしまえば、送信可能時間が経過するまでの間は、通常のパッシブエントリ、パッシブスタートと同様な使い方をすることができる。
その一方で、送信可能時間が経過した後は、送信要求信号を受け取っても身体認証データを送信することはない。このため、図7に例示したように、車両1の使用者が帰宅して、玄関先に携帯機100を放置した場合でも、やがて送信可能時間を超えてしまうので、中継器5を用いて送信要求信号などの電波が中継されても、携帯機100が身体認証データを送信することはない。その結果、いわゆるリレーアタックなどの不正な方法で認証が成立してしまい、車両1が盗難される事態を防止することができる。
加えて、身体情報を身体認証データとして用いるので、たとえ携帯機100が盗難された場合でも、車両1が盗難される事態を防止することが可能となる。
C.変形例 :
上述した本実施例の携帯機100には、幾つかの変形例を考えることができる。以下では、これらの変形例について、本実施例との相違点に焦点をあてて説明する。尚、変形例の説明では、本実施例と共通する部分については、本実施例と同じ番号を付すこととして、対応する説明は省略する。
C-1.第1変形例 :
上述した本実施例の携帯機100は、送信可能時間は予め設定された固定の時間であるものとして説明した。しかし、送信可能時間を変更可能としても良い。
例えば、自宅を出てから車両1に乗り込むまでの所要時間は、ユーザーによって異なっている。従って、自宅を出るときに携帯機100に身体情報を読み取らせても、車両1に近付いたときには送信可能時間が経過していることも起こり得る。このようなユーザーに対しては、送信可能時間をユーザーが変更可能としておくことが望ましい。
そこで、第1変形例の携帯機100では、次のような内部構造が採用されている。
図8には、送信可能時間を変更可能な第1変形例の携帯機100の内部構造が示されている。図示した第1変形例の携帯機100は、図2を用いて前述した本実施例の携帯機100に対して、送信可能時間設定部111が追加されている点が異なっている。
送信可能時間設定部111は、携帯機100に設けられた設定スイッチ100sに接続されており、設定スイッチ100sを用いて指定された送信可能時間を、計時部108に対して設定することが可能となっている。
こうすれば、ユーザーが、自らの使用状況に応じて適切な送信可能時間を設定することができる。その結果、携帯機100に身体情報を読み取らせてから送信可能時間が経過したために、再度、身体情報を読み取らせる必要が生じて、パッシブエントリやパッシブスタートの利便性が損なわれる事態を防止することが可能となる。
C-2.第2変形例 :
上述した本実施例あるいは第1変形例の携帯機100では、認証が成立して車両1の扉が解錠されても、そのことによって携帯機100の送信可能時間が延長されることは無いものとして説明した。しかし、車両1側で扉が解錠された場合には、携帯機100の送信可能時間が一定時間、延長されるようにしても良い。同様に、車両1側でエンジンが始動された場合にも、送信可能時間が一定時間、延長されるようにしても良い。
例えば、車両1に乗り込む時点では、未だ送信可能時間に達していなかったが、車両1に乗り込んでからエンジン始動ボタンを押すまでの間に送信可能時間を超えてしまい、エンジン始動ボタンを押してもエンジンを始動させることができない事態が起こり得る。車両1の扉が解錠されたと言うことは、続いて、エンジン始動ボタンが押される可能性が高いと考えられる。従って、扉が解錠されてからエンジン始動ボタンが押されるまでの間に、送信可能時間を超えてしまわないようにしておくことが望ましい。
そこで、第2変形例の携帯機100、および第2変形例の携帯機100と組み合わせて用いられる認証装置20では、次のような内部構造が採用されている。
図9には、第2変形例の携帯機100の内部構造が示されている。図示した第2変形例の携帯機100は、図2を用いて前述した本実施例の携帯機100に対して、解錠情報受取部112と、始動情報受取部113と、送信可能時間延長部114とが追加されている点が異なっている。
解錠情報受取部112は、送受信アンテナ100aに接続されており、車両1の扉が解錠されたことを示す解錠情報を受け取ると、その旨の情報を送信可能時間延長部114に出力する。
始動情報受取部113も送受信アンテナ100aに接続されており、車両1のエンジンが始動されたことを示す始動情報を受け取ると、その旨の情報を送信可能時間延長部114に出力する。
送信可能時間延長部114は、解錠情報あるいは始動情報を受け取ると、計時中の経過時間が送信可能時間に達しているか否かを判断する。そして、送信可能時間に達していない場合は、送信可能時間を延長する。このとき、解錠情報を受け取った場合と、始動情報を受け取った場合とで、送信可能時間を延長する時間を異ならせても良い。
尚、本実施例の送信可能時間延長部114は、本発明における「時間延長部」に対応する。
図10には、第2変形例の携帯機100と組み合わせて用いられる認証装置20の内部構造が示されている。図示した第2変形例の認証装置20は、図3を用いて前述した本実施例の認証装置20に対して、情報出力部27が追加されている点が異なっている。
情報出力部27は、解錠装置30が車両1の扉を解錠すると、その旨を示す解錠情報を取得して、無線通信機10を介して携帯機100に送信する。同様に、エンジン始動装置40が車両1のエンジンを始動させると、その旨を示す始動情報を受け取って、無線通信機10を介して携帯機100に送信する。
このように情報出力部27が無線通信機10を介して解錠情報あるいは始動情報を送信するので、図9に示した第2変形例の携帯機100は、これら解錠情報あるいは始動情報を取得することが可能となっている。そして、第2変形例の携帯機100は、解錠情報あるいは始動情報を受け取ると、以下のようにして、送信可能時間を延長する。
図11には、第2変形例の携帯機100で行われる送信可能時間延長処理のフローチャートが示されている。この処理は、図4および図5を用いて前述した身体認証データ送信処理と並行して実行されている。
図示されるように、送信可能時間延長処理では、先ず始めに、携帯機100が身体情報を読み取ってからの経過時間が送信可能時間に達したか否かを判断する(S200)。送信可能時間に達したか否かを、先ず始めに判断するのは、この送信可能時間延長処理は、計時中の経過時間が未だ送信可能時間に達していない場合に、その送信可能時間を延長するための処理なので、送信可能時間に達した後は、送信可能時間を延長する必要がないからである。
その結果、経過時間が送信可能時間に達していた場合は(S200:yes)、S200の判断を繰り返すことによって待機状態となる。そして、携帯機100の携帯者が携帯機100に身体情報を読み取らせると、新たな経過時間の計時が開始されるので(図4のS104参照)、経過時間が送信可能時間に達していない(S200:no)と判断されるようになる。
経過時間が送信可能時間に達していないと判断された場合は(S200:no)、続いて、解錠装置30からの解錠情報を受け取ったか否かを判断する(S201)。
その結果、解錠情報を受け取っていた場合は(S201:yes)、送信可能時間に所定の解錠延長時間を加算することによって、送信可能時間を延長する(S202)。すなわち、車両1の扉が解錠されたと言うことは、携帯機100の携帯者が車両1に乗り込んでエンジン始動ボタンを押す可能性が高いと考えられる。そこで、計時中の経過時間が送信可能時間に達して、エンジン始動ボタンを押しても携帯機100から身体認証データが送信されずに、エンジンを始動させることができない事態の発生を回避するために、送信可能時間を延長しておくのである。
尚、解錠延長時間は、携帯機100の携帯者が車両1の扉を開けた後、車両1に乗り込んで、エンジン始動ボタンを押すまでの動作を、十分に余裕を持って実行可能な時間(例えば、1分間)に設定されている。もちろん、車両1に乗り込んだ後に、仮眠を取ったり、書類を開いたりした場合には、送信可能時間を延長していても、エンジン始動ボタンを押した時には、延長した送信可能時間を超えてしまい、エンジンを始動させることができない事態も起こり得る。しかし、このような場合は、携帯機100の携帯者も、車両1に乗り込んでから長い時間が経過していることが分かっているため、たとえエンジン始動ボタンを押したときにエンジンが始動しなかったとしても、故障が発生したものと勘違いする虞は生じない。
一方、解錠装置30からの解錠情報を受け取っていなかった場合は(S201:no)、今度は、エンジンを始動したことを示す始動情報を、エンジン始動装置40から受け取ったか否かを判断する(S203)。
その結果、始動情報を受け取っていた場合は(S203:yes)、送信可能時間に所定の始動延長時間を加算することによって、送信可能時間を延長する(S204)。尚、エンジンが始動された場合に送信可能時間を延長する理由は、例えば、間違えてエンジンを始動した場合に、一旦、エンジンを停止して、再び始動する場合などに備えるためであり、扉が解錠された場合に送信可能時間を延長する理由に比べると、念のために延長しているということができる。このため、エンジン始動に伴う始動延長時間は、上述した扉の解錠に伴う解錠延長時間よりも短い時間(たとえば、30秒間)に設定されている。
また、エンジン始動装置40からの始動情報を受け取っていなかった場合は(S203:no)、車両1の扉を施錠したことを示す施錠情報を、解錠装置30から受け取ったか否かを判断する(S205)。その結果、施錠情報を受け取っていない場合は(S205:no)、処理の先頭に戻って再び、経過時間が送信可能時間に達したか否かを判断する(S200)。
これに対して、施錠信号を受け取っていた場合は(S205:yes)、送信可能時間を、現時点から所定時間後の時間に再設定する(S206)。すなわち、前述したS202、あるいはS204では、現状で送信可能時間に達するまでに残っている時間が更に延長されるのに対して、S206では、現状で送信可能時間に達するまでに残っている時間に拘わらず、一律で、現時点から所定時間後に送信可能時間が設定される。
施錠情報を受け取った場合に、このような送信可能時間を設定するのは次のような理由による。先ず、施錠情報を受け取ったと言うことは、携帯機100の携帯者が車両1を降りて、車両1から遠ざかって行く可能性が高いと考えられる。車両1から遠ざかって行くのであれば、携帯機100は身体認証データを送信する必要は無いので、その意味では、施錠情報を受け取ったら送信可能時間に達したことにして、身体認証データを送信できなくすれば良い。こうすれば、不必要に身体情報を送信してしまう可能性を抑制することができる。
その一方で、車両1を降りて遠ざかろうとしたものの、例えば車室内に忘れ物をするなどして、車両1に戻ってくる可能性も存在する。このような場合を考えると、施錠情報を受け取っても、一定時間の間は、身体認証データを送信可能としておくことが望ましい。そして、施錠情報を受け取った後も身体認証データを送信可能としておくべき時間は、施錠情報を受け取った時点で送信可能時間に達するまでに残っていた時間とは無関係に、一律に定まる時間と考えられる。
このような理由から、第2変形例の携帯機100では、施錠信号を受け取ると(図11のS205:yes)、送信可能時間を現時点から所定時間後の時間に再設定することとしている。そして、新たな送信可能時間を設定したら(S206)、処理の先頭に戻って再び、経過時間が送信可能時間に達したか否かを判断する(S200)。
第2変形例の携帯機100では、以上のような送信可能時間延長処理を行うことにより、適切な送信可能時間に変更する。このため、身体情報を利用して認証することによって、高い防犯性能を実現しながらも、パッシブエントリやパッシブスタートの利便性が損なわれることを回避することが可能となる。
尚、上述した第2変形例では、解錠装置30からの解錠情報や、エンジン始動装置40からの始動情報を受け取った場合に、送信可能時間を延長するものとして説明した。しかし、解錠装置30で扉を解錠する場合や、エンジン始動装置40でエンジンを始動する場合は、それに先立って携帯機100から身体認証データを送信している。従って、携帯機100が身体認証データを送信した場合には、送信可能時間を延長するようにしても良い。
また、この場合、携帯機100が身体認証データを、車両1の車室外から送信した場合と、車室内から送信した場合とで、送信可能時間を延長する時間を、解錠延長時間と始動延長時間とに異ならせても良い。
以上、本実施例および各種の変形例について説明したが、本発明は上述した実施例および各種の変形例に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施することができる。
1…車両、 10…携帯機、 11…受信回路、 12…信号処理回路、
13…送信回路、 100…車載認証装置、 101…無線通信部、
102…呼出信号送信部、 103…認証要求信号送信部、
104…認証実行部、 105…無認証信号状態検出部、
106…信号強度変更部。

Claims (11)

  1. 車両(1)の使用者によって携帯されて、前記車両に搭載された無線通信機(10)に向けて認証用データを送信する携帯機(100)であって、
    前記使用者の身体的な特徴を含んだ身体情報を、前記使用者から読み取る身体情報読取部(101)と、
    前記使用者から読み取った前記身体情報を記憶する身体情報記憶部(103)と、
    前記身体情報を読み取ってからの経過時間を計測する計時部(108)と、
    前記無線通信機から、前記認証用データの送信要求を受け取る送信要求受取部(106)と、
    前記送信要求を受け取った時に、前記経過時間が所定の送信可能時間内であった場合には、前記記憶している身体情報を、前記送信要求に対応する前記認証用データとして送信する認証用データ送信部(107)と
    を備え
    前記送信要求受取部は、前記認証用データの送信要求に加えて、前記車両の扉が解錠されたことを示す解錠情報、または前記車両のエンジンが始動されたことを示す始動情報の少なくとも一方を前記無線通信機から受け取っており、
    前記認証用データ送信部は、前記解錠情報または前記始動情報の少なくとも一方を受け取ると、前記送信可能時間を延長する
    ことを特徴とする携帯機。
  2. 請求項1に記載の携帯機であって、
    前記読み取った身体情報から所定の特徴量を抽出する特徴量抽出部(102)を備え、
    前記身体情報記憶部は、前記抽出した特徴量を、前記身体情報として記憶する
    ことを特徴とする携帯機。
  3. 請求項1または請求項2に記載の携帯機であって、
    前記身体情報読取部は、前記使用者の身体の形状的な特徴を、前記身体情報として読み取る
    ことを特徴とする携帯機。
  4. 請求項1または請求項2に記載の携帯機であって、
    前記身体情報読取部は、前記使用者が所定の文言を発声した時の音声を、前記身体情報として読み取る
    ことを特徴とする携帯機。
  5. 請求項1ないし請求項4の何れか一項に記載の携帯機であって、
    前記経過時間が前記送信可能時間に到達した場合には、その旨を報知する到達報知部(109)を備える
    ことを特徴とする携帯機。
  6. 請求項1ないし請求項5の何れか一項に記載の携帯機であって、
    前記経過時間が前記送信可能時間に達した後に前記送信要求を受け取った場合には、前記経過時間が前記送信可能時間を超過している旨を報知する超過報知部(110)を備える
    ことを特徴とする携帯機。
  7. 請求項6に記載の携帯機であって、
    前記無線通信機からの応答要求を受け取る応答要求受取部(104)と、
    前記応答要求に対して所定の応答信号を送信する応答信号送信部(105)と
    を備え、
    前記超過報知部は、前記経過時間が前記送信可能時間に達した後に前記応答要求を受け取った場合にも、前記経過時間が前記送信可能時間を超過している旨を報知する
    ことを特徴とする携帯機。
  8. 請求項1ないし請求項7の何れか一項に記載の携帯機であって、
    前記認証用データを前記無線通信機に向けて送信した後、前記車両の扉の解錠を示す解錠情報を前記無線通信機から受信した場合には、前記送信可能時間を延長する時間延長部(114)を備える
    ことを特徴とする携帯機。
  9. 請求項8に記載の携帯機であって、
    前記時間延長部は、前記認証用データを前記無線通信機に向けて送信した後、前記車両の始動を示す始動情報を前記無線通信機から受信した場合には、前記解錠情報を受信した場合とは異なる時間、前記送信可能時間を延長する
    ことを特徴とする携帯機。
  10. 無線通信機(10)を備えた車両(1)に搭載されて、前記無線通信機が受信した認証用データを用いて認証を実行する認証装置(20)と、前記車両の使用者によって携帯されて前記無線通信機に向けて前記認証用データを送信する携帯機(100)とを有する認証システム(2)であって、
    前記携帯機は、
    前記使用者の身体的な特徴を含んだ身体情報を、前記使用者から読み取る身体情報読取部(101)と、
    前記使用者から読み取った前記身体情報を記憶する身体情報記憶部(103)と、
    前記身体情報を読み取ってからの経過時間を計測する計時部(108)と、
    前記無線通信機から、前記認証用データの送信要求を受け取る送信要求受取部(106)と、
    前記送信要求を受け取った時に、前記経過時間が所定の送信可能時間内であった場合には、前記記憶している身体情報を、前記送信要求に対応する前記認証用データとして送信する認証用データ送信部(107)と
    を備えており、
    前記認証装置は、
    正規の前記使用者の前記身体情報を正規身体情報として記憶する正規身体情報記憶部(26)と、
    前記無線通信機に対して前記送信要求を出力する送信要求出力部(23)と、
    前記無線通信機を介して受け取った前記認証用データと、前記正規身体情報とに基づいて認証を実行する認証実行部(25)と
    を備え
    前記送信要求受取部は、前記認証用データの送信要求に加えて、前記車両の扉が解錠されたことを示す解錠情報、または前記車両のエンジンが始動されたことを示す始動情報の少なくとも一方を前記無線通信機から受け取っており、
    前記認証用データ送信部は、前記解錠情報または前記始動情報の少なくとも一方を受け取ると、前記送信可能時間を延長する
    ことを特徴とする認証システム。
  11. 車両(1)の使用者によって携帯される携帯機(100)に適用されて、前記車両に搭載された無線通信機(20)に向けて、前記携帯機から認証用データを送信する認証用データ送信方法であって、
    前記使用者の身体的な特徴を含んだ身体情報を、前記使用者から読み取る工程(S101)と、
    前記使用者から読み取った前記身体情報を記憶する工程(S103)と、
    前記身体情報を読み取ってからの経過時間の計時を開始する工程(S104)と、
    前記無線通信機から、前記認証用データの送信要求を受け取る工程(S112)と、
    前記送信要求を受け取った時に、前記経過時間が所定の送信可能時間内であった場合には、前記記憶している身体情報を、前記送信要求に対応する前記認証用データとして送信する工程(S118)と
    前記車両の扉が解錠されたことを示す解錠情報、または前記車両のエンジンが始動されたことを示す始動情報の少なくとも一方を、前記無線通信機から受け取る工程(S201、S203)と、
    前記解錠情報または前記始動情報の少なくとも一方を受け取ると、前記送信可能時間を延長する工程(S202、S204)と
    を備える認証用データ送信方法。
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