以下、実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
[病院情報システムの構成]
図1は、本発明の第1の実施の形態において、病院情報システムSを備える各医療機関が通信ネットワークNに接続されている状態を示すブロック図である。なお、図1における通信ネットワークNには、A病院H1、B病院H2、CクリニックH3、D小児クリニックH4、E薬局H5、F歯科医院H6がそれぞれ接続されている。これらの医療機関の間で通信ネットワークNを介して医療情報のやり取りを行うことが可能とされている。
なお、図1に示す通信ネットワークNには、上述した6つの医療機関が接続されているが、通信ネットワークNに接続される医療機関の数は特に限定されない。また、A病院H1、B病院H2、CクリニックH3、D小児クリニックH4、E薬局H5、F歯科医院H6のそれぞれに固有の説明を行う場合でない限り、これらの医療機関をまとめて、以下適宜「医療機関H」と表わす。
通信ネットワークNは、病院情報システムSを備える各医療機関Hをそれぞれつなぎ、互いの間で、例えば医療情報のやりとりを可能とする。通信ネットワークNの例としては、インターネットを挙げることができるが、その他LAN(Local Area Network)等のネットワークも挙げられる。また、この通信ネットワークNを介してやり取りされる情報に関する規格は、DICOM(Digital Imaging and Commnications in Medicine)等、いずれの規格であっても良い。また、通信ネットワーク等との接続に当たっては、有線、無線を問わない。
医療機関H内には、それぞれ病院情報システムSが構築されている。図1においては、各医療機関H内に構築される病院情報システムSのみを抜き出して破線で示している。そのため、各医療機関H内には、病院情報システムS以外のシステムが構築されていても良い。
すなわち、病院情報システムSや医療機関H内に構築されるシステムは、それ自体独立したシステムとして構成されても良い。但し、病院情報管理システム(HIS:Hospital Information System)、放射線部門情報管理システム(RIS:Radiological Information System)、医用画像管理システム(PACS:Picture Archiving Communication System)といった医療機関H内に構築された各種管理システムの全て、或いは、その一部を構成するようにされていても良い。
次に各医療機関H内の内部構成及び病院情報システムSについて、図2、図3を用いて以下詳細に説明する。
但し図2では、A病院H1内に構築されているシステムを例に挙げている。また、病院情報システムS以外の医療機関H内の内部構成については、代表的な構成を示している。従って、図2に示す構成に限定されるものではなく、医療機関Hごとに必要に応じて適宜増減しても構わない。
例えば、図2には示されていないが、患者内部の情報を収集し、この収集された情報に基づいて患者内部を画像化して医用画像等の医療情報を取得する医用画像診断装置が接続されていても良い。この医用画像診断装置としては、例えば、X線CT装置(computed tomography:コンピュータ断層撮影装置)、磁気共鳴診断装置(MRI:magnetic resonance imaging)や超音波画像診断装置等を挙げることができる。
また、このようにここでは、医療機関Hの内部全体における内部構成を例に挙げているが、以下の説明は、例えば、診療ワークステーションや医療従事者が使用するパソコン等にも当てはめることができる。この場合、医療従事者が使用する装置は、例えば、可搬型のタブレットやスマートフォン等の携帯情報端末であっても良い。
図2は、実施の形態における病院情報システムSを含むA病院H1における内部構成を機能的に示す機能ブロック図である。なお、説明の便宜上、以下においては、A病院H1内に構築されているシステムを「システムH1」と表記する。
システムH1では、制御回路11及び入出力インターフェイス12がバス13を介して接続されている。入出力インターフェイス12には、さらに入力装置14と、ディスプレイ15と、記憶回路16と、通信制御回路17と、リムーバブルディスク18とが接続されている。
制御回路11は、上述したシステムH1を構成する各部を制御する。具体的な構成としては、例えば、図1では図示しない、CPU(Central Processing Uint)と、ROM(Read Only Memory)と、RAM(Random Access Memory)を備える。
CPUは、入力装置14からの入力信号に基づいてROMからシステムH1を起動するためのブートプログラムを読み出して実行し、記憶回路16に格納されている各種オペレーティングシステムを読み出す。また制御回路11は、入力装置14や入出力インターフェイス12を介して、図2において図示していないその他の外部機器からの入力信号に基づいて各種装置の制御を行う。
またCPUは、RAMや記憶回路16等に記憶されたプログラム及びデータを読み出してRAMにロードする。そして、CPUは、例えば、RAMから読み出されたプログラムのコマンドに基づいて、医療機関の不正利用に該当する可能性のある処方がなされているか否かの判定結果をディスプレイ15に表示する制御を行う。また、システムH1として構築されている、例えば、会計処理等の各種処理やデータの計算、加工等、一連の処理を実現する。
入力装置14は、システムH1の操作者による様々な入力操作を受け付ける。入力装置14は、操作者の操作に基づいて入力信号を作成し、当該入力信号はバスBを介して制御回路11に送信される。当該入力装置14としては、例えば、GUI、或いは、ボタンやキーボード、トラックボール、ディスプレイ15に表示されるタッチパネル等の入力デバイスを採用することが可能である。
ディスプレイ15は、例えば液晶ディスプレイや有機EL(Electroluminescence)ディスプレイである。このディスプレイ15は、制御回路11からバスBを介して出力信号を受信し、例えば医療機関の不正利用に該当するかの判定結果に関する画像等、或いは制御回路11の処理結果や操作画面(例えば、操作者から各種指示を受け付けるためのGUI(Graphical User Interface))等を表示する。
記憶回路16は、例えば、半導体や磁気ディスク等で構成されている。記憶回路16には、制御回路11で実行されるプログラムやデータが記憶されている。例えば、電子カルテシステムに基づく処理を行うためのプログラムや、医事会計の処理を行うためのプログラム等である。
通信制御回路17は、LANカードやモデム等の手段であり、A病院H1内の各システムをインターネットやLAN等の、上述した通信ネットワークNに接続することを可能とする手段である。通信制御回路17、通信ネットワークNを介して送受信したデータは入力信号または出力信号として、入出力インターフェイス12及びバス13を介して制御回路11に送受信される。
リムーバブルディスク18は、光ディスクやフレキシブルディスクのことであり、ディスクドライブによって読み書きされた信号は、入出力インターフェイス12及びバスBを介してCPU11に送受信される。また、例えば、以下に説明する病院情報表示プログラムは当該リムーバブルディスク18に格納されており、リムーバブルディスク18から読み込まれることで病院情報表示プログラムが病院情報システムSに実装されることとしても良い。なおリムーバブルディスク18は、病院情報システムSに含まれる構成とすることも可能である。
病院情報システムSは、患者が医療機関Hを利用した場合に、当該利用が医療機関の不正利用に該当するか否かの判定を行い、該当する場合には、その旨を病院情報システムSの操作者に報知するためのシステムである。図3は、実施の形態における病院情報システムSの内部構成を示すブロック図である。
病院情報システムSは、記憶装置21と、処理回路22とを備える。処理回路22及び入出力インターフェイス23がバス24を介して接続されている。そして、記憶装置21は、入出力インターフェイス23に接続されている。
記憶装置21は、例えば、半導体や磁気ディスクで構成されている。記憶装置21には、「矛盾定義マスタ」、「表示コントロールマスタ」、及び、「制御コントロールマスタ」の各マスタが記憶されている。
「矛盾定義マスタ」には、患者による医療機関の受診が、医療機関の不正利用に該当するか否かの判定に用いられる条件が定義されている。図4は、実施の形態における記憶装置21に格納されている矛盾定義マスタの内容の一例を示す説明図である。
図4に示す説明図(表)においては、主立った項目が6つ示されている。左から、「番号」、「品目ID/主訴ID」、「品名/主訴」、「条件1」、「条件2」及び「表示内容」である。
「番号」は、横一列の1行に示されている各項目を区別するために付されているものである。「品目ID/主訴ID」は、次の項目として示されている「品名/主訴」ごとに付与されているIDである。例えば、「リタリン」という医薬品に対しては、「11111」という品目IDが付与されている。また、「眠れない」という患者からの訴え(主訴)に対しては、「10」という主訴IDが付与されている。
「品名/主訴」は、患者による医療機関の受診が、医療機関の不正利用に該当するか否かの判定を行うに当たって、いわばトリガとなる項目を示すものである。すなわち、例えば、医療機関の不正利用として医薬品の不正取得が考えられる場合には、不正取得の対象となる医薬品が示されている。図4に示す矛盾定義マスタの中には、例えば、「リタリン」、「ロヒプノール」が示されている。また、このような医薬品の品名だけではなく、例えば、医薬品の成分をこの「品名/主訴」の項目に設定しても良い。
また、このような医薬品を不正取得する際に患者が訴える症状がいくつか考えられる。但し、例えば、患者が複数の医療機関を受診する場合に常に同じ主訴が医療従事者に伝えられる訳ではなく、互いに矛盾する主訴が伝えられる場合もある。特に、1つの医療機関に受診し、その後間を置かずに他の医療機関を受診した場合に、互いに矛盾する主訴が伝えられている場合には、医療機関の不正利用という疑わしい状態と考えられる。そこで、矛盾定義マスタの中には、矛盾する主訴についても設定されている。
さらには、図4に示す矛盾定義マスタの中には、「小児科外来診察料」という項目も設定されている。例えばある期間内に所定の回数以上小児科の外来を受診する場合も考えられる。これは、例えば、小児虐待によって小児が怪我等している、といった状況を推察することができる。このような小児虐待等も、医療機関の不正利用と考えることができる。そこで、矛盾定義マスタの中には、虐待が疑われるような受診に関する内容も設定されている。
すなわち、当該「品名/主訴」の項目には、広く医療機関の不正利用が疑われるような医薬品、受診者(患者)の状況、訴え等を予め設定しておくことができる。
「条件1」は、ここでは、アルファベットが示されている。当該アルファベットは、図1に示す各医療機関を示している。すなわち、チェック対象となる施設(医療機関)について規定されている。医療機関の不正利用であるか否かの判定を行う際に、例えば、Cクリニックで「リタリン」が処方された場合に、当該「リタリン」がCクリニックH3以外のA病院H1、或いは、E薬局H5で処方されているか否かをチェックする。
従って、条件1には、「品名/主訴」の項目に該当する医薬品が処方される可能性等が考慮されて医療機関が設定される。例えば、A病院H1には小児科が設けられていない場合には、「小児科外来診察料」という項目は発生しないと考えられる。そのため、図4に示す矛盾定義マスタにおいて「小児科外来診察料」の条件1にはA病院H1が含まれていない。
「条件2」は、「品名/主訴」の項目に該当する処方等が行われた頻度、量を設定している。例えば、「リタリン」については、「1日30錠」という条件が設定されている。従って、1つの医療機関において処方された「リタリン」の量が30錠未満であったとしても、例えば、複数の医療機関を受診することで処方された「リタリン」の量が総量として30錠を超える場合には、医療機関の不正利用と判定される。
なお、医薬品によっては、その剤形が錠剤だけではなく、液剤等、複数存在する場合もある。そのため、一方の医療機関では錠剤が処方され、他方の医療機関では液剤で処方される場合も考えられる。この場合には、処方された医薬品の剤形による判定漏れがないように、例えば、判定処理に際して品名を軸に処方された量を合算することによって、条件2に合致するか否かを判定しても良い。
「表示内容」は、病院情報システムSを利用した判定が、医療機関の不正利用に該当する場合に、ディスプレイ15に表示される内容である。ここでは、コードのみが示されている。
図5は、実施の形態における記憶装置21に格納されている表示コントロールマスタの内容の一例を示す説明図である。「表示コントロールマスタ」は、医療機関の不正利用であると判定された場合に、いずれのメッセージを表示させるかを定めたものである。すなわち、「表示コントロールマスタ」には、上述した「矛盾定義マスタ」の「表示内容」の項目に示されているコードに該当するメッセージ内容が定義されている。
例えば、「表示内容」が「A」というコードの場合、当該コードが意味する内容は、「不正取得!」という内容でディスプレイ15に表示される。また、「表示内容」が「C」の場合は、「小児虐待の疑いあり」とのメッセージとなる。但し、メッセージの分煙については、図4に示すものに限られない。
なお、ここでは、「表示コントロールマスタ」にはディスプレイ15に表示される「メッセージ」が定義されている。但し、医療機関の不正利用に該当するとの判定がなされた場合に、病院情報システムSの操作者に対してどのような態様で報知するかは任意に設定することができる。従って、図5に示すようにメッセージをディスプレイ15に表示させても良く、或いは、音声で報知する等、操作者に対して報知できればどのような態様であっても良い。
図6は、実施の形態における記憶装置21に格納されている制御コントロールマスタの内容の一例を示す説明図である。「制御コントロールマスタ」は、病院情報システムSが起動されるトリガについて設定されているものである。すなわち、医療機関H内のシステムの操作者とそのタイミングを設定し、当該条件に合致する場合に、病院情報システムSを利用した医療機関の不正利用か否かの判断が行われる。
図6に示す「制御コントロールマスタ」については、6つの項目が示されている。すなわち、「ルール」、「操作者グループ」、「条件1」、「条件2」、及び「表示内容」である。「ルール」とは、病院情報システムSが起動される各種条件を区別するための符号である。
「操作者グループ」には、「医師」や「クラーク」といった、医療機関内でシステムを利用する可能性のある者が設定されている。「医師」については、例えば、患者を診療する際にディスプレイ15を開いている場合が考えられる。一方「クラーク」については、例えば、会計処理を行う際にシステムを利用することが考えられる。
また、「警察」や「児童相談所員」といった操作者も設定されている。これらは、例えば、児童虐待等が疑われるような、医療機関の不正利用が考えられるからである。なお、これらの者については、医療機関において病院情報システムSを利用する場合のみならず、例えば、児童相談所にあるワークステーション等から医療機関H内のシステムにアクセスして病院情報システムSを利用することも考えられる。
なお、操作者が「警察」や「児童相談所員」等、医療機関H外部の操作者に該当する場合には、例えば、ワンタイムパスワード等を利用することによって、医療情報の外部流出等を回避することが可能である。
また、「条件1」とは、医療機関の不正利用の状態をチェックする頻度を定義したものである。「条件2」は、医療機関H内のシステム、或いは、ワークステーション等の装置がどのような状態にある場合にチェックを行うか、その状態を定義している。そして、「表示内容」は、これまで説明してきた表示内容と同じであり、操作者に対する報知のコードを示している。
例えば、ルール「ロ」をみると、医療機関H内においてシステムを利用している操作者は、「医師、或いは、クラーク」である。そして、「診療画面展開時」の都度、「毎回」病院情報システムSを利用した医療機関の不正利用がないかどうかのチェックがなされる。従って、ルール「ロ」においては、チェックが開始されるトリガとして、例えば、医師が診療画面を開いた時が設定されている。
なお、「矛盾定義マスタ」、「表示コントロールマスタ」、「制御コントロールマスタ」のそれぞれに示す項目については、図4ないし図6に示した項目に限定されるものではない。従って、必要に応じて、例えば、医療機関Hごとに項目の増減を図ることは可能である。
また、記憶装置21には、例えば、病院情報表示プログラムが記憶されていても良い。当該病院情報表示プログラムが処理回路22に実装されることにより、患者の医療機関の利用が不正利用に該当するか否かのチェックを行うことができ、もし不正利用が疑われる場合には、その旨がディスプレイ15上で操作者に対して報知される。
処理回路22は、情報検索取得機能、情報比較機能、表示制御機能を実行する。すなわち、これらの各機能を実行するに当たって、複数の医療機関Hが保持する医療情報を基に、適宜上述した記憶装置21に記憶されている各マスタの条件を利用して、医療機関Hの不正利用の可能性を判定する。
なお、以下においては、A病院H1の医師Xが患者Yを診察する場合を例に挙げて説明する。また、図2に示す、A病院H1のシステムH1は、ここでは、医師Xが使用するワークステーションを示している。
例えば、医師Xが患者Yの診察を行うと、場合によって患者Yに対して医薬品が処方される。医師Xが診察を行う際には、A病院H1内に構築されている、例えば、電子カルテシステムを利用する。従って、患者Yの診察の際には、患者Yの電子カルテがディスプレイ15に表示されている。この状態で、医師Xが入力装置14を操作して、患者Yに対して、例えば、「リタリン」を処方する旨の指示を出す。
医師Xからの処方の指示は、A病院H1内に構築されている医事会計のシステムに反映される。患者Yは診察が終了すると、A病院H1内の会計受付に行き、診察料等を支払ってA病院H1での診療が終了する。また、診察の結果、医薬品が処方されている場合には、A病院H1内、或いは、外部の薬局に行って処方された医薬品を購入する。
以上が患者Yが医師Xの診察を受けた場合の大まかな流れとなる。A病院H1では、患者Yに対する診察が行われ、医師Xによって診療画面がディスプレイ15に展開されている場合に、診察の処理と並行して病院情報システムSを利用した医療機関の不正利用のチェックが行われる。すなわちこの状態は、上述した図6に示す「制御コントロールマスタ」に規定されている状態の1つ(ルール「ロ」)に該当する。
なお、病院情報システムSを用いた医療機関の不正利用のチェックは、このように制御コントロールマスタに設定されている状態が生じた場合に自動的に行われる。但し、当該チェックの処理を、操作者が指示することによって開始させることとしても良い。
条件が整うと、システムH1の制御回路11から病院情報システムSの処理回路22に指示が出され、病院情報システムSを用いた医療機関の不正利用のチェック処理が開始される。チェック処理が開始されると、処理回路22の検索取得機能は、対象となる患者を一意に特定する識別情報を用いて、複数の医療機関Hから患者に関する医療情報を取得し、条件を記憶装置21から取得する。
当該チェック処理は、患者Yが医療機関の不正利用を行う可能性を判定するものであることから、当該患者Yに関する医療情報を基に当該判定を行う。そこで、医療情報を収集するために、患者Yを一意に特定する識別情報を用いる。
ここで「識別情報」とは、例えば、患者Yに対して付与されている患者IDや患者Yのカルテを示すカルテIDであっても良い。また、患者Yを一意に特定することができれば、通信ネットワークNに接続されている各医療機関Hごとに患者Yの患者ID等が異なる場合に、例えば、番号変換や、いわゆる名寄せの処理を行うことで各医療機関Hにおける患者Yを特定することができれば良い。
また、事前に各医療機関において患者Yに対して付与したIDをまとめ、新たな、例えば「医療ID」を付与しても良い。当該「医療ID」としては、例えば、マイナンバーや保険証の番号等を利用することができる。
処理回路22の検索取得機能は、例えば上述した「医療ID」を用いて患者Yに関する医療情報を通信ネットワークNに接続されている各医療機関H内において検索する。例えば、A病院H1で医師Xから患者Yに対して「リタリン」が処方されている場合、検索取得機能は、図4に示す矛盾定義マスタに定義されている条件に従って、対象となる医療機関Hのデータベース内を検索する。
なお、検索の方法としては、例えば、検索対象となる医療機関Hに対して検索依頼を出しそれぞれの医療機関Hにて検索を実行し、その結果を送信してもらう方法、が考えられる。これは、A病院H1の病院情報システムSが、例えば、CクリニックH3に検索依頼を送信し、CクリニックH3では当該検索依頼に基づいてCクリニックH3内のデータベースを検索する。そして検索結果がまとまったら、CクリニックH3からA病院H1に対して当該検索結果を送信してもらう方法である。
或いは、A病院H1の病院情報システムSの処理回路22が、通信ネットワークNを介して直接CクリニックH3のデータベースを検索し、必要な情報を取得する方法も考えられる。いずれの方法、或いは、この他の方法も任意に選択することができる。
図4に示す矛盾定義マスタでは、番号「1」に「リタリン」についての定義がされており、条件1として、検索対象となる医療機関は、A病院H1以外に「CクリニックH3」及び「E薬局H5」となっている。そこで、処理回路22は、「CクリニックH3」及び「E薬局H5」内のデータベースを検索、取得する。また、併せて自施設、すなわち、A病院H1内のデータベース(ここでは記憶回路16)を検索して、患者Yについての医療情報を検索、取得する。
検索の結果、患者Yについての医療情報が全て集められた場合には、処理回路22は、検索取得機能を用いて、患者Yの医療情報をまとめる。例えば、患者Yに対してA病院H1以外に、CクリニックH3でも「リタリン」が処方されている場合には、検索対象となった全ての医療機関においてどのくらいの量が患者Yに対して処方されたのか、その総量を把握する。
処理回路22の情報比較機能は、取得された医療情報と条件とを比較して医療機関の不正利用に該当するか否かの判定を行う。すなわち、処理回路22は、把握された「リタリン」の総量を示す患者Yの医療情報と、矛盾定義マスタの中の「リタリン」に関する定義番号「1」の「条件2」に定義されている情報とを比較する。
その結果、条件2に定義されている条件を満たす場合には、医療機関の不正利用の可能性は低いものとして、特に操作者に対してその旨の報知を行うことはしない。
一方で、条件2に定義されている条件を満たしていない場合には、医療機関の不正利用が疑われることから、操作者に対して報知する。処理回路22の表示制御機能は、医療従事者に対して判定に基づく報知を行う。
なお、ここで例えば、処理回路22の情報検索取得機能、情報比較機能、表示制御機能については、所定のメモリ(記憶回路16、記憶装置21)やリムーバブルディスク18等に記憶されるプログラムをプロセッサ(処理回路22)に実行させるソフトウェアによって実現することを前提としている。ここで本明細書における「プロセッサ」という文言は、例えば、専用又は汎用のCPU(Central Processing Unit) arithmetic circuit(circuitry)、或いは、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。
プロセッサは、記憶回路16や記憶装置21等に保存された、又は、プロセッサの回路内に直接組み込まれたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。プログラムを記憶する記憶回路16や記憶装置21は、プロセッサごとに個別に設けられるものであっても構わないし、或いは、例えば、図3における処理回路22が行う情報検索取得機能、情報比較機能、表示制御機能に対応するプログラムを記憶するものであっても構わない。記憶回路16や記憶装置21の構成については、上述した通りである。
[処理の流れ]
次に、患者の医療機関の利用が不正利用に該当するか否かのチェック処理(以下、単に「チェック処理」と表わす)の流れについて、フローチャートを用いて説明する。但し、以下に説明する処理の流れは、必ずしも当該フローチャートに示す通りである必要はなく、例えばシステムの態様に応じて適宜処理の順序を変更し、或いは、処理の追加、削除を行うことができる。
図7及び図8は、実施の形態における病院情報システムSが複数の医療機関Hが保持する医療情報を基に、医療機関の不正利用の可能性を判定する流れを示すフローチャートである。なお、ここでも上述した通り、前提となる場面は、A病院H1の医師Xが患者Yを診察する場面である。また、図2に示す、A病院H1のシステムH1は、ここでは、医師Xが使用するワークステーションを示している。
病院情報システムSは、制御コントロールマスタに定義されている条件を満たさなければ、チェック処理を開始しない。そこで、処理回路22は、制御コントロールマスタを検索して、チェック処理を開始するための何らかの条件を満たしたか否かを判定する(ST1)。条件を満たしていない場合には(ST1のNO)、チェック処理を開始することなく待機の状態となる。
例えば、医師Xが患者Yの診察を開始するに当たって、診察の際に利用されるワークステーションのディスプレイ15に患者Yに関する電子カルテを開く。医師Xによって電子カルテが開かれると、処理回路22は、当該電子カルテのディスプレイ15における展開処理がなされたことを示す信号を受信する。処理回路22は、当該処理が、チェック処理の開始となるトリガに該当するか、制御コントロールマスタを検索して確認する。
図6の制御コントロールマスタに示されている通り、医師が診療画面と展開した場合には、毎回チェック処理を実行することが定義されている。そこで処理回路22は、チェック処理を開始する(ST1のYES)。なお、いずれの操作者が診療画面を展開しているかについては、例えば、電子カルテを開く前に入力された操作者自身のID等を処理回路22が把握することによって確認する。
処理回路22は、チェック処理を開始するに当たって、検索条件を取得する(ST2)。ここでの「検索条件」とは、例えば、患者IDである。また、例えば、矛盾定義マスタの「品名/主訴」の項目に定義されている内容である。「品名/主訴」の項目に定義されている内容については、例えば、電子カルテの記載内容から医薬品や主訴を示す文字を抽出し、矛盾定義マスタに定義されている「品名/主訴」との照合を行うことによって把握する。
この照合の処理によって「品名/主訴」の内容を把握した場合には、さらに「条件1」に規定されている、検索対象となる医療機関Hも把握する。例えば、「品名/主訴」の内容が「リタリン」である場合には、検索対象となる医療機関Hとして、医師Xが所属するA病院H1以外に、CクリニックH3及びE薬局H5を把握する。
これらの検索条件を基に、処理回路22は情報検索取得機能と用いて、対象施設内のデータベースを検索する(ST3)。すなわち、通信ネットワークNを介して検索条件である患者Yを示す「患者ID」と「品名/主訴」を基に、患者Yの医療情報を検索する。
例えば、処理回路22は、まずCクリニックH3のデータベースを検索する。そしてCクリニックH3における患者Yに関する全ての医療情報を取得したか否かを確認する(ST4)。その結果、まだ取得すべき医療情報が残っている場合には(ST4のNO)、引き続き検索を行う。一方、全ての医療情報を検索、取得した場合には(ST4のYES)、次の検索対象となる医療機関H(ここでは「E薬局H5」)においても医療情報の検索、取得処理を進める。
処理回路22は、適宜検索対象となる全ての医療機関Hのデータベースを検索したか否かの確認を行う(ST5)。未だ検索中の医療機関Hがある場合には(ST5のNO)、ステップST3に戻って引き続き医療情報の検索、取得処理を行う。
一方、処理回路22が矛盾定義マスタに定義されていた検索対象となる全ての医療機関Hにおける患者Yについての医療情報の検索、取得処理が終了したと判定した場合には(ST5のYES)、次に自施設の情報を取得する(ST6)。ここで「自施設」とは、ここでは医師Xが所属し、患者Yに対して診察が行われているA病院H1である。
このように、検索対象となる医療機関Hに保存されている患者Yに関する全ての医療情報及び自施設(A病院H1)内に保存されている患者Yに関する全ての医療情報を検索、取得した上で、これら取得された医療情報をまとめる(図8のST7)。
図9は、実施の形態における病院情報システムSが行う判定処理について説明する説明図である。図9の上段には、A病院H1から取得した患者Yに関する医療情報が示されている。一方、図9の下段には、CクリニックH3から取得した患者Yに関する医療情報が示されている。
例えば、A病院H1から取得した患者Yに関する医療情報には、6つの項目が設けられている。すなわち、「日付」、「医療ID」、「品目ID」、「品名」、及び、「数量」である。ここで「医療ID」の欄には8桁の番号が示されている。図9に示されている「35282090」が患者Yの医療IDである。また、「日付」をみると、「2016年12月1日」に、患者YはA病院H1において、「リタリン」を「20錠」(矢印で示す部分)、「ロヒプノール」を「10錠」処方されていることがわかる。
一方、CクリニックH3から取得した患者Yに関する医療情報には、A病院H1と同じく6つの項目が設けられている。ここで「医療ID」を見ると、A病院H1で取得された情報において示されている医療IDと同じ「35282090」との医療IDが示されている。従って、この医療情報は、患者Yについての医療情報である。CクリニックH3では、「2016年12月1日」に、患者Yは「リタリン」を「25錠」(矢印で示す部分)処方されていることがわかる。
これらが、検索対象となった医療機関Hでそれぞれ検索され取得された結果を示している。なお、ここではE薬局では患者Yについての医療情報は取得されなかったものとしてその記載を省略している。
処理回路22は、情報検索取得機能を用いて、取得した医療情報をまとめる。すなわち、患者Yに関する医療情報としては、2016年12月1日に、A病院H1とCクリニックH3とで「リタリン」を合計「45錠」、「ロヒプノール」を合計「10錠」処方されていることになる。
このように、検索対象となる医療機関Hから取得した全ての患者Yについての医療情報をまとめて1つの情報とする。その上で、処理回路22は、さらに情報検索取得機能を用いて、記憶装置21内の矛盾定義マスタから矛盾定義情報を取得する(ST8)。ここでの矛盾定義情報とは、矛盾定義マスタに定義されている「条件2」の情報である。
これでチェック処理を行う上で必要となる情報が全て揃ったことになる。そこで、処理回路22は、情報比較機能を用いて、まとめた情報ごとに取得した矛盾定義情報との比較を行う(ST9)。
処理回路22は、まず「リタリン」に関してチェック処理を行う(ST10)。すなわち、矛盾定義マスタに定義されている条件に合致するか否かを判定する。「リタリン」については、矛盾定義マスタの中では、「1日30錠」と定義されている。すなわち、1日の処方の上限が30錠という意味である。
上述した通り、患者Yは、2016年12月1日に「リタリン」をA病院H1とCクリニックH3とで合計45錠処方されている。従って、1日に30錠以内という上記条件は満たさない。従って、矛盾定義情報に合致しないとの判定がなされる(ST10のNO)。
処理回路22は、この判定結果に基づいて、矛盾定義マスタに定義されている「表示内容」の条件を取得する。図4に示す矛盾定義マスタでは、この場合の表示内容は、「A」というコードで示されている。そして、図5に示す表示コントロールマスタを見ると、表示内容「A」の場合にディスプレイ15に表示するメッセージは、「不正取得!」ということになる(ST11)。
そこで、処理回路22は、表示制御機能を用いて、取得したメッセージをディスプレイ15に表示させる(ST12)。よってディスプレイ15に表示された「不正取得!」という報知内容を見て、操作者は患者Yに対して行った処方が医療機関の不正利用に該当することを了解する。以上で患者の医療機関Hの受診が、医療機関の不正利用に該当するかのチェック処理は完了する。
一方、この段階でチェックを終えていない医療情報が残っているか否かを確認する(ST13)。ここでは「ロヒプノール」に対する比較が終わっていないので(ST13のNO)、改めてステップST9に戻って矛盾定義情報との比較が行われる。
「ロヒプノール」について、患者Yに対して処方されたのは、2016年12月1日に10錠である。一方、矛盾定義マスタに定義されている「ロヒプノール」に関する条件2の定義は、「2日で40錠」である。従って、現段階では、定義されている条件を満たしていない。従って、矛盾定義情報に合致する(ST10のYES)。この場合には、操作者への報知はなされない。
病院情報システムSが対象となる医療機関Hを検索し、取得した患者Yについての医療情報は以上で全てである。そこで、全ての医療情報について比較が終了したので(ST13のYES)、これで全てのチェック処理が完了する。
図10は、実施の形態における病院情報システムSが行う判定処理について説明する説明図である。図9と異なるのは、処理回路22によって検索、取得された患者Yについての医療情報が、「主訴」に関する情報である点である。
図10を見ると、患者Yは、2016年12月1日にA病院H1を訪れて、医師Xに対して「眠れない」、「鬱々とする」という2つの症状を訴えている。一方、病院情報システムSがCクリニックH3から取得した患者Yについての医療情報を見ると、同日にCクリニックH3の医師に対して「中々起きることができない」との症状を訴えている。
この点について矛盾定義マスタを確認すると、「条件2」には、「1月に2回」との強健が定義されている。処理回路22は、情報比較機能を用いて、取得された患者Yについての主訴と矛盾定義情報とを比較する(ST9)。
患者Yの場合、同日に2つの医療機関において、一方では「眠れない」と主張し、他方では「中々起きることができない」と訴えている。従って、矛盾定義情報に合致せず(ST10のNO)、この場合にはディスプレイ15にメッセージが表示されることになる。具体的には、処理回路22は、矛盾定義マスタから「表示内容」として「D1」、「D2」を取得し、さらに表示コントロールマスタから当該表示内容に該当するメッセージを取得する(ST11)。
図5の表示コントロールマスタにおいて、「D1」、或いは「D2」が示すメッセージを見ると、「主訴が矛盾しています」とのメッセージが定義されている。そこで、処理回路22は、表示制御機能を用いて取得したメッセージをディスプレイ15に表示させる(ST12)。なお、患者Yについての医療情報として取得された「鬱々とする」との主訴についてのチェック処理については、ここでは説明を省略する。
以上説明した通り、本発明の実施の形態における病院情報システムは、対象となる患者を一意に特定する識別情報を用いて、複数の医療機関から患者に関する医療情報を取得し、条件を記憶装置から取得する検索取得機能と、取得された医療情報と条件とを比較して医療機関の不正利用に該当するか否かの判定を行う情報比較機能と、医療従事者に対して判定に基づく報知を行う表示制御機能とを備え、複数の医療機関が保持する医療情報を基に医療機関の不正利用の可能性を判定する。そのため、これらの医療情報から患者の医療機関の受診が医療機関の不正利用に該当するか否かを判定することができる病院情報システム及び病院情報表示プログラムを提供することができる。
特に、通信ネットワークを介して複数の医療機関から医療情報を取得することを可能としていることから、複数の医療機関における医療情報をまとめて判定することができる。そのため、1つの医療機関においては適切な処方、対応であると見えるために見落とすおそれのある医療機関の不正利用についても見落とすことなく報知することができる。
医療機関の不正利用の態様として、医薬品の不正取得のみならず、広い意味での不正利用についても把握することができる。特に、診察料の支払いに関する情報や主訴に関する情報についても矛盾定義マスタに定義しておくことで、児童虐待等に基づく医療機関の利用についても把握することができる。そのため、より迅速な対応を取ることができる。
さらに、操作者として、医療従事者のみならず、例えば、警察関係者や児童相談所員等、医療関係以外の者についても操作可能とすることで、不正の早期発見、対応もできる。
そして、向精神薬の多剤投与によって処方料、処方箋料、薬剤料、精神科継続外来支援・指導料が減算されるが、減算を回避でき、病院の診療報酬収入増加に寄与したり、或いは、将来的に、医療IDを用いて多病院での算定履歴を横断的に管理したときに算定可能となる加算への対応が迅速に行える。
(第2の実施の形態)
次に本発明における第2の実施の形態について説明する。なお、第2の実施の形態において、上述の第1の実施の形態において説明した構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付し、同一の構成要素の説明は重複するので省略する。
上述した第1の実施の形態においては、病院情報システムSは、各医療機関H内に構築されていることを前提に説明した。第2の実施の形態においては、当該病院情報システムS1は各医療機関H内には設けられず、通信ネットワークN上に設けられていることを特徴とする。
図11は、本発明の第2の実施の形態において、通信ネットワークNに接続されている各医療機関H及び病院情報システムS1の状態を示すブロック図である。また、図12は、第2の実施の形態における病院情報システムS1の内部構成を機能的に示す機能ブロック図である。
図11に示すように、第2の実施の形態における病院情報システムS1は、医療機関Hの内部ではなく、独立して通信ネットワークNに接続されている。また、図12に示すように、病院情報システムS1は、記憶装置21と、処理回路22とを備える。処理回路22及び入出力インターフェイス23がバス24を介して接続されている。そして、記憶装置21及び通信制御回路25が、入出力インターフェイス23に接続されている。
なお、第1の実施の形態おける病院情報システムSとの違いは、病院情報システム内に通信制御回路25が設けられているか否かである。病院情報システムS1は、独立して通信ネットワークNに接続されていることから、医療機関H内に設けられている通信制御回路17を利用することができないからである。
従って、チェック処理を行うための患者Yについての医療情報の検索、取得処理、矛盾定義情報との比較処理、及び、不正利用に該当すると判定された際の表示制御処理については、全て病院情報システムS1において行われる。そのため、例えば、各医療機関Hは、院内で行われた処理、作業が医療機関の不正利用に該当するかのチェック処理を自施設では行わず、病院情報システムS1を利用して行い、その結果が表示されることになる。
但し、以上のような違いはあるものの、病院情報システムとしての機能は、第1の実施の形態において説明した通りであり、その効果については何らの違いもない。
よって以上説明した通り、本発明の実施の形態における病院情報システムは、対象となる患者を一意に特定する識別情報を用いて、複数の医療機関から患者に関する医療情報を取得し、条件を記憶装置から取得する検索取得機能と、取得された医療情報と条件とを比較して医療機関の不正利用に該当するか否かの判定を行う情報比較機能と、医療従事者に対して判定に基づく報知を行う表示制御機能とを備え、複数の医療機関が保持する医療情報を基に医療機関の不正利用の可能性を判定する。そのため、これらの医療情報から患者の医療機関の受診が医療機関の不正利用に該当するか否かを判定することができる病院情報システム及び病院情報表示プログラムを提供することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これら実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。