JP7026598B2 - 放流システム - Google Patents

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Description

本発明は、放流システムに関する。
従来、表層海水を富栄養化して新たな漁場を形成することを目的として、表層よりも深い領域の栄養塩を豊富に含む海水を汲み上げ、表層海水と混合して表層に拡散させる海洋肥沃化装置が提案されている(例えば、特許文献1および特許文献2)。
特許文献1の海洋肥沃化装置では、海面に係留される浮体が、海中に位置する本体部と、本体部から下方へと延びる深層水取水管と、本体部から上方へと延びる管塔部とを備える。管塔部は、海面を貫通して上下方向に延びる円柱状の構造物であり、海面と同じ高さに位置する部位には船着き場が設けられている。当該海洋肥沃化装置では、深層水取水管により汲み上げられた深層水と、管塔部の海面下に設けられた表層水取水口から取り入れられた表層海水とが、本体部内において混合され、本体部側面に設けられた放水口から放流される。
特許文献3の海洋肥沃化装置では、ライザー管および海水放出口が設けられた浮体の安定性を向上するために、当該浮体(主コラム)の周囲に柱状のサイドコラムを複数配置し、浮体と複数のサイドコラムとをアームで連結する技術が提案されている。
特許文献4の海洋深層水利用施設では、海中に位置する浮体構造物の中央部から表層水取水管が海面を貫通して上方へと延びており、表層水取水管の周囲に浮体構造物から上方へと延びる複数の柱が設けられる。また、海面よりも上側に位置する上部構造物は、表層水取水管の上端と、複数の柱の上端とにより支持されている。
特開2002-370690号公報 特開2004-175137号公報 特開2003-343447号公報 特開2005-143403号公報
ところで、特許文献1および特許文献2の海洋肥沃化装置では、表層海水と深層水とを混合した海水を放流する放水口は、表層海水を取り入れる取水口よりも下側に位置せざるを得ないため、放水口が海面から大きく離れ、海面近傍の富栄養化に限界がある。また、当該海洋肥沃化装置では、直径が大きい管塔部が海面を貫通しているため、波浪の影響を受けやすく、上下に大きく揺動するおそれがある。
特許文献3の装置でも同様に、直径が大きい浮体(主コラム)に対する波浪の影響により、上下に大きく揺動するおそれがある。また、特許文献4の装置では、表層海水と深層水とを混合した海水を放流する放水口は、表層水取水管および複数の柱の下方に位置する浮体構造物に設けられる。当該放水口は水深約30mに位置決めされており、特許文献1の装置等と同様に海面から大きく離れている。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、浮体の上下揺れを小さくするとともに、当該浮体に設けられた吐出口を海面近傍に配置することを目的としている。
請求項1に記載の発明は、放流システムであって、海面に浮かぶ浮体と、海底に固定された係留基体と、前記浮体と前記係留基体とを接続する係留ラインと、前記浮体に設けられるポンプと、前記浮体から下方へと延びる取水管とを備え、前記浮体は、前記海面よりも下側に位置するとともに前記取水管に接続される第1流路が内部に設けられる下構造体と、前記海面よりも上側に位置する上構造体と、前記下構造体と前記上構造体との間において前記海面を貫通して上下方向に延び、前記下構造体と前記上構造体とを接続する連結構造体とを備え、前記連結構造体は、それぞれが上下方向に延びる柱状であって前記下構造体の上面の外周縁に沿って周方向に配列される複数の支持部材を備え、前記複数の支持部材のうち2本以上の支持部材の各支持部材において、前記各支持部材の外側面には、前記支持部材の外方を向く吐出口が設けられ、前記支持部材の内部には、前記ポンプにより前記取水管および前記第1流路を介して下方から導かれた海水を前記吐出口へと導く第2流路が設けられる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の放流システムであって、吐出口が設けられる支持部材は、前記周方向において等角度間隔にて配置される。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の放流システムであって、前記連結構造体は、上下方向および水平方向に対して傾斜する方向に延びるとともに前記複数の支持部材のうち2本の支持部材を連結するブレースをさらに備える。
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれか1つに記載の放流システムであって、前記下構造体は、前記取水管が下端に接続される柱状の第1部位と、前記第1部位の上端から上方に延びるとともに前記第1部位とは断面形状が異なる柱状の第2部位とを備える。
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれか1つに記載の放流システムであって、前記各支持部材の記吐出口から、前記取水管を通過した海水のみが吐出される。
請求項6に記載の発明は、請求項1ないし5のいずれか1つに記載の放流システムであって、前記各支持部材の記吐出口から、斜め上方に向かって海水が吐出される。
請求項7に記載の発明は、請求項1ないし6のいずれか1つに記載の放流システムであって、前記各支持部材の記吐出口からの吐出流量を個別に調節可能な吐出調節部と、前記各支持部材の記吐出口のうち一部の吐出口を選択し、前記吐出調節部を制御することにより、前記一部の吐出口からの吐出流量を、他の吐出口からの吐出流量と異ならせる吐出制御部とをさらに備える。
請求項8に記載の発明は、請求項1ないし7のいずれか1つに記載の放流システムであって、前記浮体は、前記係留ラインにより1点係留されている。
請求項9に記載の発明は、請求項1ないし8のいずれか1つに記載の放流システムであって、再生可能エネルギーを利用して発電を行う発電装置をさらに備え、前記発電装置により生成される電力は、前記ポンプに駆動電力として供給される。
本発明では、浮体の上下揺れを小さくすることができるとともに、当該浮体に設けられた吐出口を海面近傍に配置することができる。
第1の実施の形態に係る放流システムの側面図である。 浮体の側面図である。 浮体の平面図である。 浮体の横断面図である。 支持部材の縦断面図である。 第2の実施の形態に係る放流システムの浮体の側面図である。 浮体の横断面図である。 第3の実施の形態に係る放流システムの浮体の横断面図である。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る放流システム1の構成を示す側面図である。図2は、放流システム1の浮体2を示す側面図である。図3は浮体2の平面図である。図4は、図2中のIV-IVの位置にて浮体2を切断した横断面図である。図4では、断面よりも下側の部位を併せて示す。放流システム1は、漁場等とされる海域において係留され、表層よりも深い領域の栄養塩を豊富に含む海水を利用して表層海水を富栄養化する浮体式の海洋肥沃化装置である。
放流システム1は、浮体2と、係留基体3と、係留ライン4と、ポンプ51と、ライザー管52と、発電装置61とを備える。放流システム1では、海面91に浮かぶ浮体2が海底92に係留されている。浮体2は、海底92から上方に離間した状態で海面91に浮かぶ構造物である。浮体2は、海面91を貫通して上下方向に延びる略柱状構造物である。浮体2は、上下方向に延びる中心軸J1を中心とする略軸対称形状を有する。浮体2は、主にスチールにより形成される。浮体2の上下方向の長さは、例えば30m~60mである。浮体2のうち海面91から上方に突出する部位の上下方向の長さは、例えば、海面91よりも下側に位置する部位の上下方向の長さの30%~50%である。浮体2の材料および長さは、様々に変更されてよい。
係留基体3は、海底92に固定された物体である。係留基体3は、例えば、海底92に沈められたシンカー(すなわち、錘)またはアンカー(すなわち、把駐力を有する錨)である。あるいは、係留基体3は、海底92に予め設置されている固定構造物であってもよい。係留基体3は、必ずしも海底92に直接的に固定される必要はなく、例えば、海底92に固定された他の構造物を介して、海中において間接的に海底92に固定される物体であってもよい。
係留ライン4は、浮体2と係留基体3とを接続する略線状の部材である。浮体2は、1本の係留ライン4により、係留基体3に1点係留されている。1点係留とは、1つの浮体2を、海底に設けられた1つの係留基体3のみに接続して係留する係留方法である。なお、1点係留と異なる係留方法である多点係留では、1つの浮体が海底に設けられた2つ以上の係留基体に接続されて係留される。係留ライン4は、例えば、金属製のチェーンである。あるいは、係留ライン4は、係留ロープであってもよく、チェーンと係留ロープとが接続されたものであってもよい。係留ロープは、例えば、合成繊維製またはワイヤーを含む金属製のロープである。図1では、図示の都合上、係留ライン4を線にて示す。
係留ライン4の上端部は、浮体2に設けられた係留点210にて浮体2に接続される。図1および図2に示す例では、係留点210は海中(すなわち、海面91よりも下方)において、浮体2の下端部に設けられる。係留点210は、例えば、浮体2の下端部において、中心軸J1を中心とする径方向(以下、単に「径方向」とも呼ぶ。)の外端部に位置する。係留点210の位置は、様々に変更されてよい。
ライザー管52は、は、浮体2の下端部の中央部(すなわち、中心軸J1を中心とする径方向の中央部)から下方へと延びる略円筒状の取水管である。ライザー管52は、主にスチールにより形成される。ライザー管52の上下方向の長さは、例えば50m~1000mである。ライザー管52の直径(すなわち、外径)は、例えば0.25m~1.5mである。ライザー管52の材料、長さおよび直径は、様々に変更されてよい。
浮体2は、下構造体21と、連結構造体22と、上構造体23とを備える。下構造体21および上構造体23はそれぞれ、中心軸J1を中心として上下方向に略平行に延びる略柱状の部位である。下構造体21の全体は、海面91よりも下側に位置する。上構造体23の全体は、海面91よりも上側に位置する。連結構造体22は、下構造体21と上構造体23との間において海面91を貫通して上下方向に延び、下構造体21と上構造体23とを接続する。
連結構造体22は、複数の支持部材221と、複数のブレース222を備える。複数の支持部材221はそれぞれ、上下方向に略平行に延びる柱状の部材である。図1ないし図4に示す例では、連結構造体22は3本の支持部材221を備える。各支持部材221は、例えば略円柱状の部材である。各支持部材221の下端部は、海面91よりも下側において、下構造体21の略円形の上面211に接続される。各支持部材221の上端部は、海面91よりも上側において、上構造体23の略円形の下面232に接続される。換言すれば、複数の支持部材221は、下構造体21により下方から支持され、上構造体23は、複数の支持部材221により下方から支持される。
複数の支持部材221は、下構造体21の上面211(すなわち、上端面)の外周縁に沿って、中心軸J1を中心とする周方向(以下、単に「周方向」と呼ぶ。)に略等角度間隔にて配列される。図1ないし図4に示す例では、3本の支持部材221が、周方向において約120°間隔にて配列される。中心軸J1と各支持部材221との間の径方向の距離は、略同じである。図3および図4に示す例では、各支持部材221の径方向外端部(すなわち、中心軸J1から最も離れている部位)は、下構造体21の上面211の外周縁上に位置する。なお、支持部材221は、図3および図4に示す位置よりも径方向内側に配置されてもよい。また、複数の支持部材221は、上構造体23の下面232(すなわち、下端面)の外周縁に沿って、周方向に略等角度間隔にて配列される。
複数の支持部材221の形状、上下方向の長さおよび直径等は、互いに略同じである。各支持部材221の上下方向の長さは、例えば5m~20mである。各支持部材221の直径(すなわち、外径)は、例えば0.5m~1.5mである。各支持部材221の形状、長さおよび直径は、様々に変更されてよい。
複数のブレース222は、複数の支持部材221のうち、周方向において隣接する各2本の支持部材221を連結する補強部材である。各ブレース222は、上下方向および水平方向に対して傾斜する方向(すなわち、斜め方向)に延びる長尺部材である。各ブレース222の長手方向に垂直な断面形状は、例えばI型またはコの字型である。ブレース222により連結される2本の支持部材221は、必ずしも周方向において隣接する必要はない。連結構造体22では、各支持部材221は、ブレース222により他の支持部材221と連結されることが好ましい。なお、図2では、ブレース222は海面91よりも上側に配置されているが、海面91よりも下側に配置されてもよく、海面91を貫通する位置に配置されてもよい。また、ブレース222の数、長さ、断面形状および配置は適宜変更されてよい。
上構造体23は、例えば、中心軸J1を中心とする略円板状の部位である。上構造体23の直径は、例えば3m~7mであり、上下方向の高さは、例えば0.5m~5mである。上構造体23の上面231上には、再生可能エネルギーを利用して発電を行う発電装置61が配置される。当該再生可能エネルギーとしては、例えば、太陽光、風力、水力、潮流、波力、および、海の表層と深い領域とにおける海水の温度差(いわゆる、海洋温度差)等が利用可能である。
図1に示す例では、発電装置61は、複数のソーラーパネル611(すなわち、太陽電池パネル)を備える太陽光発電装置である。各ソーラーパネル611は、例えば、略矩形平板状である。図1に示す例では、4枚のソーラーパネル611が、受光面を外側(すなわち、径方向外側)に向けて、上構造体23の上面231上に略四角筒状に立設される。発電装置61により生成される電力は、図示省略の電線等を介して、浮体2の下構造体21の内部に配置されるポンプ51に、駆動電力として供給される。
下構造体21は、第1部位213と、第2部位214とを備える。第1部位213および第2部位214はそれぞれ、中心軸J1を中心とする略柱状の部位である。第2部位214は、第1部位213の上側に配置され、第1部位213の上端から上方に延びる。第2部位214の断面形状は、第1部位213の断面形状とは異なる。すなわち、下構造体21は、断面形状が異なる2つの部位(すなわち、第1部位213および第2部位214)が上下方向に積層された2段構造を有する。
図1ないし図4に示す例では、第1部位213の断面形状は略正八角形であり、第2部位214の断面形状は略円形である。第1部位213および第2部位214の断面形状は、様々に変更されてよい。例えば、第1部位213の断面形状が略円形であり、第2部位214の断面形状は略八角形でもよい。あるいは、第1部位213および第2部位214の断面形状は、互いに直径が異なる略円形であってもよい。また、第1部位213および第2部位214の断面形状は、四角形や六角形等、八角形以外の多角形であってもよい。
第1部位213の下端(すなわち、下構造体21の下面212)の径方向中央部には、ライザー管52の上端部が接続される。第1部位213の内部には、ポンプ51が配置される。ポンプ51は、上述の発電装置61から供給される電力により駆動され、表層よりも深い領域(例えば、水深100m以上の領域)の海水を、ライザー管52を介して汲み上げる。ポンプ51により汲み上げられる海水の量は、例えば、1000m/日~100000m/日である。なお、ポンプ51の配置は適宜変更されてよい。
下構造体21の第1部位213および第2部位214の内部には、径方向中央部において上下方向に延びる第1流路215が設けられる。第1流路215は、例えば、略円形の断面を有する管路である。第1流路215は、下構造体21の上下方向の略全長に亘って設けられる。換言すれば、第1流路215は、第1部位213の下端部から第2部位214の上端部まで延びる。第1部位213の下端部では、第1流路215の下端部が、ライザー管52の上端部に接続されており、ライザー管52を介して汲み上げられた海水が、第1流路215により上方へと導かれる。第2部位214の上端部では、第1流路215の上端部が、複数の支持部材221に向かって分岐しつつ径方向外方へと延びる分岐流路216となっている。下構造体21の第1部位213の内部空間および第2部位214の内部空間はそれぞれ、第1流路215が設けられる部分を除き、例えば、複数の水密区画に分割された空所(すなわち、ボイド)である。
連結構造体22の複数の支持部材221の内部にはそれぞれ、上下方向に延びる第2流路223が設けられる。第2流路223は、例えば、略円形の断面を有する管路である。第2流路223は、支持部材221の下端部から上方へと延びる。支持部材221の下端部では、第2流路223の下端部は、第1流路215の上端部(すなわち、上述の分岐流路216の径方向外端部)に接続されており、第1流路215により上方へと導かれた海水が、第2流路223により海面91に向かってさらに上方へと導かれる。
第2流路223の上端部は、例えば、海面91近傍において海面91よりも下側に位置する。各第2流路223の上端部には、支持部材221の外側面を貫通する貫通孔である1つの吐出口224が設けられる。吐出口224は、例えば、直径が0.1m~1mの略円形である。吐出口224は、支持部材221の外側面において、中心軸J1を中心とする径方向外方を向く。換言すれば、吐出口224は、複数の支持部材221の外方を向く。図1ないし図4に示す例では、3本の支持部材221のそれぞれの内部に第2流路223が設けられ、各第2流路223の上端部に吐出口224が設けられる。したがって、連結構造体22では、3つの吐出口224が、中心軸J1を中心とする周方向において略等角度間隔にて配置され、複数の支持部材221の外方を向く。換言すれば、外方を向く吐出口224がそれぞれ設けられた3本の支持部材221は、周方向において略等角度間隔に配置される。
吐出口224は、海面91近傍において海面91よりも下側に位置する。支持部材221の外側面において、海面91から吐出口224の上端までの上下方向の距離は、例えば0.5m~2mであり、本実施の形態では約1mである。図5は、1本の支持部材221の縦断面図である。他の支持部材221の構造も、図5に示すものと同様である。図5に示す例では、第2流路223の上端部に位置する吐出口224は、支持部材221の中心軸側から外側面に向かうに従って(すなわち、径方向外方へと向かうに従って)上方へと向かう傾斜流路である。
図1に示す放流システム1では、ポンプ51によりライザー管52および第1流路215を介して下方(すなわち、表層よりも深い領域)から導かれた海水は、複数の第2流路223により上述の複数の吐出口224へと導かれ、複数の吐出口224から径方向外方に向かって吐出(すなわち、放流)される。上述のように、吐出口224は上方に向かって(すなわち、海面91に向かって)傾斜しているため、吐出口224から斜め上方に向かって海水が吐出される。吐出口224の水平面に対する傾斜角度は、例えば、0°よりも大きく、かつ、30°以下である。放流システム1では、ライザー管52を介して汲み上げられた海水に表層の海水を混合した後に放流することは行われていないため、複数の吐出口224からは、ライザー管52を通過した海水のみが吐出される。
複数の吐出口224から径方向外方に向かって放射状に吐出された海水(すなわち、栄養塩を豊富に含む深い領域の海水)は、密度流として表層において広い範囲に拡散される。これにより、表層が富栄養化され、新たな漁場が形成される。
以上に説明したように、放流システム1は、海面91に浮かぶ浮体2と、海底92に固定された係留基体3と、係留ライン4と、ポンプ51と、取水管(すなわち、ライザー管52)とを備える。係留ライン4は、浮体2と係留基体3とを接続する。ポンプ51は、浮体2に設けられる。ライザー管52は、浮体2から下方へと延びる。浮体2は、海面91よりも下側に位置する下構造体21と、海面91よりも上側に位置する上構造体23と、連結構造体22とを備える。下構造体21の内部には、ライザー管52が接続される第1流路215が設けられる。連結構造体22は、下構造体21と上構造体23との間において海面91を貫通して上下方向に延び、下構造体21と上構造体23とを接続する。
連結構造体22は、下構造体21の上面211の外周縁に沿って周方向に配列される複数の支持部材221を備える。複数の支持部材221のそれぞれは、上下方向に延びる柱状である。複数の支持部材221の外側面には、複数の支持部材221の外方を向く複数の吐出口224が設けられる。複数の支持部材221の内部には、複数の第2流路223が設けられる。複数の第2流路223は、ポンプ51によりライザー管52および第1流路215を介して下方から導かれた海水を、複数の吐出口224へと導く。
このように、放流システム1では、下構造体21および上構造体23よりも細い複数の支持部材221を海面91に位置させることにより、浮体2の水線面積を小さくすることができる。これにより、浮体2の上下揺れ(すなわち、ヒーブ)のピーク周期を長周期側へと移動させ、浮体2の上下揺れを小さくすることができる。また、浮体2の形状を、いわゆる波無し形状(すなわち、海面91よりも下側に海面貫通部よりも膨らんだ部位を有する形状)とすることにより、浮体2の上下揺れを、より一層小さくすることができる。さらに、浮体2を上記構造とすることにより、浮体2の前後揺れ(すなわち、サージ)および左右揺れ(すなわち、スウェイ)も小さくすることができる。
さらに、海面91を貫通する複数の支持部材221に吐出口224を設けることにより、下構造体21に吐出口を設ける場合に比べて、吐出口224を海面91近傍に配置することができる。これにより、表層よりも深い領域の栄養豊富な海水を、複数の吐出口224から海面91近傍に放射状に吐出することができる。その結果、吐出口が海面91から下方に離れている場合に比べて、栄養豊富な海水を表層において広い範囲に拡散させることができる。したがって、肥沃化される表層の範囲を大きくすることができる。
上述のように、吐出口224が設けられた支持部材221は、周方向において等角度間隔にて配置されることが好ましい。これにより、表層よりも深い領域の栄養豊富な海水を、浮体2の周囲の海域に略均等に拡散させることができる。また、複数の吐出口224から吐出される水流による推進力が互いに打ち消されるため、浮体2が当該水流によって意図しない方向へと移動されることを抑制することができる。
連結構造体22は、複数の支持部材221のうち2本の支持部材221を連結するブレース222をさらに備えることが好ましい。ブレース222は、上下方向および水平方向に対して傾斜する方向に延びる。これにより、連結構造体22の強度(例えば、捻り剛性等)を増大することができる。その結果、比較的厳しい海象の海域であっても、放流システム1を設置することができる。連結構造体22の強度増大の観点からは、各支持部材221が、ブレース222により他の支持部材221と連結されることがさらに好ましい。
下構造体21は、ライザー管52が下端に接続される柱状の第1部位213と、第1部位213とは断面形状が異なる柱状の第2部位214とを備えることが好ましい。第2部位214は、第1部位213の上端から上方に延びる。これにより、潮流等に起因して下構造体21の下流側(すなわち、潮流が流れていく方向)にカルマン渦が生じる場合、第1部位213の下流側に生じるカルマン渦の位置と、第2部位214の下流側に生じるカルマン渦の位置とを、平面視において異ならせることができる。その結果、第1部位213によるカルマン渦と第2部位214によるカルマン渦との共振を防止または抑制することができる。また、第1部位213の下流のカルマン渦等による第1部位213の振動周期と、第2部位214の下流のカルマン渦等による第2部位214の振動周期とを異ならせることができる。その結果、第1部位213および第2部位214の共振を防止または抑制することができ、下構造体21の振動を低減することができる。
上述のように、放流システム1では、複数の吐出口224から、ライザー管52を通過した海水のみが吐出されることが好ましい。これにより、表層よりも深い領域の海水と表層海水とを混合して吐出する場合に比べて、吐出口224からの吐出流量を低減することができるため、ポンプ51を小型化することができる。また、表層海水を取り入れるための取水口を浮体2に設ける必要がないため、吐出口224の設置位置の自由度を向上することができ、吐出口224の上下方向の位置をさらに海面91に近づけることができる。なお、このように、表層よりも深い領域の海水のみを吐出口224から吐出した場合の当該海水の拡散の様子をCFD(Computational Fluid Dynamics)によりシミュレーションした結果、吐出口224から吐出された海水は、水平方向において実用可能レベルの距離まで到達することが確認された。
放流システム1では、複数の吐出口224から、斜め上方に向かって海水が吐出されることが好ましい。これにより、吐出口224から吐出された海水が、水平方向においてさらに遠方まで到達することができる。換言すれば、吐出口224から吐出される海水の拡散範囲を拡大することができる。その結果、肥沃化される表層の範囲をさらに大きくすることができる。
放流システム1では、浮体2は、係留ライン4により1点係留されていることが好ましい。この場合、浮体2に波浪、潮流および風等の外力が作用すると、浮体2は、係留基体3(または、係留ライン4のうち海底92に接している部位の係留基体3とは反対側の端部)を中心として振れ回り、外力が作用する方向の下流側へと移動する。このような浮体2の振れ回り運動により、浮体2を中心とする栄養豊富な海水の拡散範囲が移動する。また、当該振れ回り運動による遠心力により、吐出口224から吐出される海水が、水平方向においてさらに遠方まで到達する。このため、吐出口224から吐出される海水の拡散範囲をさらに拡大することができる。その結果、肥沃化される表層の範囲を、より一層大きくすることができる。
上述のように、放流システム1は、再生可能エネルギーを利用して発電を行う発電装置61をさらに備えることが好ましい。また、発電装置61により生成される電力は、ポンプ51に駆動電力として供給されることが好ましい。これにより、ディーゼル発電機等によりポンプ51を駆動する場合に比べて、放流システム1に対する燃料供給の頻度を低減することができる。あるいは、放流システム1に対する燃料供給を省略することができる。その結果、放流システム1のメンテナンス性を向上することができる。
次に、本発明の第2の実施の形態に係る放流システム1aについて説明する。図6は、放流システム1aの浮体2を示す側面図である。図7は、図6中のVII-VIIの位置にて浮体2を切断した横断面図である。図7では、断面よりも下側の部位を併せて示す。浮体2は、吐出調節部53、吐出制御部54、第1センサ55および第2センサ56を備える点を除き、図2に示す浮体2と略同様の構造を有する。以下の説明では、放流システム1aの構成に、放流システム1の対応する構成と同符号を付す。
吐出調節部53は、連結構造体22の複数の支持部材221における複数の吐出口224からの海水の吐出流量を個別に調節する。吐出調節部53は、例えば、複数の第2流路223近傍において第1流路215に設けられるバルブ531を備える。図7に示す例では、吐出調節部53は、複数(この場合、3つ)のバルブ531を備える。複数のバルブ531は、第1流路215の上端部にて複数の第2流路223にそれぞれ接続される複数の分岐流路216に設けられ、複数の分岐流路216を流れる海水の流量をそれぞれ個別に調節する。
第1センサ55は、浮体2の揺動を測定するセンサである。第1センサ55は、例えば3軸ジャイロセンサである。あるいは、第1センサ55は、3軸ジャイロセンサと3軸加速度センサとを組み合わせた6軸センサであってもよい。第1センサ55は、例えば、下構造体21の第2部位214の内部に配置される。第1センサ55は、上構造体23の上面231上に配置されてもよい。第1センサ55により測定されたデータは、吐出制御部54へと送信される。なお、第1センサ55の種類および配置は、適宜変更されてよい。
第2センサ56は、浮体2の位置を測定するセンサである。第2センサ56は、例えばGPS(Global Positioning System)センサである。第2センサ56は、例えば、上構造体23の上面231上に配置される。あるいは、第2センサ56は、上構造体23の内部に配置されてもよい。第2センサ56により測定されたデータは、吐出制御部54へと送信される。なお、第2センサ56の種類および配置は、適宜変更されてよい。
吐出制御部54は、プロセッサと、メモリと、入出力部と、バスとを有する通常のコンピュータシステムを備える。バスは、プロセッサ、メモリおよび入出力部を接続する信号回路である。メモリは、プログラムおよび各種情報を記憶する。プロセッサは、メモリに記憶されるプログラム等に従って、メモリ等を利用しつつ様々な処理(例えば、数値計算)を実行する。入出力部は、操作者からの入力を受け付けるキーボードおよびマウス、プロセッサからの出力等を表示するディスプレイ、並びに、プロセッサからの出力等を送信する送信部を備える。なお、吐出制御部54は、プログラマブルロジックコントローラ(PLC:Programmable Logic Controller)や回路基板等であってもよい。
吐出制御部54は、第1センサ55および第2センサ56からの出力に基づいて、吐出調節部53を制御することにより、一部の吐出口224からの吐出流量を、他の吐出口224からの吐出流量と異ならせる。
具体的には、例えば、浮体2が係留基体3(図1参照)から大きく離れ、係留ライン4に大きな引張荷重が加わっている場合、吐出制御部54は、第2センサ56の出力(すなわち、浮体2の位置)に基づいて、浮体2と係留基体3との間の距離が大きいと判断する。そして、吐出制御部54により吐出調節部53が制御されることにより、浮体2の複数の吐出口224のうち、係留基体3に近い一部の吐出口224(例えば、1つの吐出口224)からの海水の吐出流量が、他の吐出口224からの海水の吐出流量よりも小さくなるように調節される。あるいは、係留基体3に近い吐出口224からの海水の吐出が停止される。これにより、浮体2は、上述の他の吐出口224から吐出される水流による推進力により、係留基体3に近づく方向へと移動する。その結果、係留ライン4に加わる引張荷重を低減することができる。
以上に説明したように、放流システム1aは、上述の浮体2、係留基体3、係留ライン4、ポンプ51およびライザー管52に加えて、吐出調節部53と、吐出制御部54とをさらに備えることが好ましい。吐出調節部53は、複数の吐出口224からの吐出流量を個別に調節可能である。吐出制御部54は、複数の吐出口224のうち一部の吐出口224を選択し、吐出調節部53を制御することにより、当該一部の吐出口224からの吐出流量を、他の吐出口224からの吐出流量と異ならせる。これにより、浮体2の位置に起因して係留ライン4に加わる力を低減することができる。
次に、本発明の第3の実施の形態に係る放流システム1bについて説明する。図8は、放流システム1bの浮体2の横断面図である。図8では、断面よりも下側の部位を併せて示す。浮体2は、図6および図7に示す吐出調節部53に代えて、吐出調節部53aを備える点、および、各支持部材221に2つの吐出口224が設けられる点を除き、図6および図7に示す浮体2と略同様の構造を有する。以下の説明では、放流システム1bの構成に、放流システム1aの対応する構成と同符号を付す。
各支持部材221の2つの吐出口224は、上下方向において異なる位置に配置され、周方向において異なる方向を向く。各吐出口224は、複数の支持部材221の外方を向く。各吐出口224は、平面視において中心軸J1から延びる半径方向に対して傾斜した方向(すなわち、吐出方向の延長線上に中心軸J1が位置しない方向)に向けて海水を吐出する。図8では、各吐出口224からの海水の吐出方向を、太い矢印にて示す。なお、各支持部材221の2つの吐出口224からの吐出方向を合成した合成吐出方向は、径方向外方を向くことが好ましい。
吐出調節部53aは、連結構造体22の複数の支持部材221における複数の吐出口224からの海水の吐出流量を個別に調節する。吐出調節部53aは、例えば、各吐出口224を開閉する開閉部532を備える。開閉部532は、例えば、支持部材221の外側面に沿ってスライドする蓋部材である。この場合、開閉部532が吐出口224に重なる位置へと移動することにより、吐出口224が閉鎖される。開閉部532は、例えば、吐出口224に設けられたルーバであってもよい。
複数の吐出口224にそれぞれ設けられた複数の開閉部532は、吐出制御部54の制御により、個別に駆動される。したがって、複数の吐出口224は、個別に開閉可能である。吐出制御部54(図6参照)は、第1センサ55および第2センサ56からの出力に基づいて、吐出調節部53aを制御することにより、一部の吐出口224からの吐出流量を、他の吐出口224からの吐出流量と異ならせる。
具体的には、例えば、浮体2に中心軸J1を中心とする回転運動(すなわち、ヨー)が生じ、係留ライン4(図6参照)に捻り等の力が加わっている場合、吐出制御部54は、第1センサ55の出力(すなわち、浮体2の上記回転運動の大きさ、方向および周期等)に基づいて、当該回転運動を低減する方向に吐出口224からの水流による推進力が働くように、複数の吐出口224からの海水の吐出流量を異ならせる。例えば、浮体2に図8中の時計回り方向の回転運動が生じている場合、各支持部材221の2つの吐出口224のうち、当該時計回り方向の後側の吐出口224が閉鎖され、当該時計回り方向の前側の吐出口224のみから海水が吐出される。その結果、浮体2の回転運動を抑制することができ、係留ライン4に加わる捻り等の力を低減することができる。すなわち、係留システム1bでは、浮体2の運動に起因して係留ライン4に加わる力を低減することができる。
上述の放流システム1,1a,1bでは、様々な変更が可能である。
例えば、連結構造体22では、ブレース222により他の支持部材221と連結されていない支持部材221が存在してもよい。また、ブレース222は連結構造体22から省略されてもよい。
複数の吐出口224からの海水の吐出方向は、必ずしも斜め上方である必要はなく、例えば、略水平であってもよい。また、複数の吐出口224から吐出される海水は、ライザー管52を通過した表層よりも深い領域の海水と表層海水とが混合されたものであってもよい。
複数の支持部材221の数は、2本以上であれば適宜変更されてよい。また、複数の支持部材221の位置は、必ずしも略等角度間隔である必要はなく、適宜変更されてよい。複数の吐出口224の位置についても同様に、必ずしも略等角度間隔である必要はなく、適宜変更されてよい。各第2流路223に設けられる吐出口224の数は1つには限定されず、複数であってもよい。この場合、1つの第2流路223に設けられる複数の吐出口224は、上下方向の異なる位置に配置されてもよく、上下方向の同じ位置に配置されてもよい。
連結構造体22では、必ずしも、複数の支持部材221の全てに第2流路223および吐出口224が設けられる必要はなく、一部の支持部材221のみに第2流路223および吐出口224が設けられ、他の支持部材221には、第2流路223および吐出口224は設けられなくてもよい。
下構造体21は、断面形状が異なる3つ以上の部位が上下方向に積層された多段構造を有していてもよい。また、下構造体21は、必ずしも第1部位213および第2部位214が積層された構造を有する必要なく、下構造体21の断面形状は、上下方向の略全長に亘って漸次変化してもよい。例えば、下構造体21の断面形状は上下方向の略全長に亘って円形であり、当該断面の直径が下方に向かうに従って漸次増大または漸次減少してもよい。この場合であっても、上記と同様に、カルマン渦等による影響を抑制して浮体2の振動を低減することができる。なお、カルマン渦による影響が小さい場合等、下構造体21の断面形状は、上下方向の略全長に亘って略同じであってもよい。
発電装置61は、例えば、縦軸風車を備える風力発電装置であってもよい。また、発電装置61は、複数種類の再生可能エネルギーを利用して発電を行う装置であってもよい。放流システム1では、ポンプ51の駆動電力を供給する電力供給源として、上述の発電装置61に加えて、あるいは、発電装置61に代えて、ディーゼル発電機等が設けられてもよい。放流システム1a,1bにおいても同様である。
浮体2の係留は、1点係留には限定されず、多点係留であってもよい。
上記実施の形態および各変形例における構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わされてよい。
1,1a,1b 放流システム
2 浮体
3 係留基体
4 係留ライン
21 下構造体
22 連結構造体
23 上構造体
51 ポンプ
52 ライザー管
53,53a 吐出調節部
54 吐出制御部
61 発電装置
91 海面
92 海底
211 (下構造体の)上面
213 第1部位
214 第2部位
215 第1流路
221 支持部材
222 ブレース
223 第2流路
224 吐出口
J1 中心軸

Claims (9)

  1. 放流システムであって、
    海面に浮かぶ浮体と、
    海底に固定された係留基体と、
    前記浮体と前記係留基体とを接続する係留ラインと、
    前記浮体に設けられるポンプと、
    前記浮体から下方へと延びる取水管と、
    を備え、
    前記浮体は、
    前記海面よりも下側に位置するとともに前記取水管に接続される第1流路が内部に設けられる下構造体と、
    前記海面よりも上側に位置する上構造体と、
    前記下構造体と前記上構造体との間において前記海面を貫通して上下方向に延び、前記下構造体と前記上構造体とを接続する連結構造体と、
    を備え、
    前記連結構造体は、それぞれが上下方向に延びる柱状であって前記下構造体の上面の外周縁に沿って周方向に配列される複数の支持部材を備え、
    前記複数の支持部材のうち2本以上の支持部材の各支持部材において、前記各支持部材の外側面には、前記支持部材の外方を向く吐出口が設けられ、
    前記支持部材の内部には、前記ポンプにより前記取水管および前記第1流路を介して下方から導かれた海水を前記吐出口へと導く第2流路が設けられることを特徴とする放流システム。
  2. 請求項1に記載の放流システムであって、
    吐出口が設けられる支持部材は、前記周方向において等角度間隔にて配置されることを特徴とする放流システム。
  3. 請求項1または2に記載の放流システムであって、
    前記連結構造体は、上下方向および水平方向に対して傾斜する方向に延びるとともに前記複数の支持部材のうち2本の支持部材を連結するブレースをさらに備えることを特徴とする放流システム。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1つに記載の放流システムであって、
    前記下構造体は、
    前記取水管が下端に接続される柱状の第1部位と、
    前記第1部位の上端から上方に延びるとともに前記第1部位とは断面形状が異なる柱状の第2部位と、
    を備えることを特徴とする放流システム。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1つに記載の放流システムであって、
    前記各支持部材の記吐出口から、前記取水管を通過した海水のみが吐出されることを特徴とする放流システム。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1つに記載の放流システムであって、
    前記各支持部材の記吐出口から、斜め上方に向かって海水が吐出されることを特徴とする放流システム。
  7. 請求項1ないし6のいずれか1つに記載の放流システムであって、
    前記各支持部材の記吐出口からの吐出流量を個別に調節可能な吐出調節部と、
    前記各支持部材の記吐出口のうち一部の吐出口を選択し、前記吐出調節部を制御することにより、前記一部の吐出口からの吐出流量を、他の吐出口からの吐出流量と異ならせる吐出制御部と、
    をさらに備えることを特徴とする放流システム。
  8. 請求項1ないし7のいずれか1つに記載の放流システムであって、
    前記浮体は、前記係留ラインにより1点係留されていることを特徴とする放流システム。
  9. 請求項1ないし8のいずれか1つに記載の放流システムであって、
    再生可能エネルギーを利用して発電を行う発電装置をさらに備え、
    前記発電装置により生成される電力は、前記ポンプに駆動電力として供給されることを特徴とする放流システム。
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