JP7025860B2 - 延焼防止装置 - Google Patents

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Description

本発明は、植物性屋根の建物の延焼防止装置に関するものである。
神社仏閣や文化財に指定されている古民家等の茅葺き、板葺き、檜皮葺等の屋根茅材を用いた植物性屋根は燃えやすく、近隣に火災が生じると、火の粉や輻射熱により類焼し易い。そして植物性屋根からの火災発生時に延焼を防いだり、近隣の火災からの火の粉や輻射熱を防いで類焼を食い止めたりするために、散水装置等が用いられていた。
特開平9-154969号公報 特開2006-77410号公報
しかし、従来の散水装置等は、風により放出した延焼防止剤が流されるという問題があった。また、水等の延焼防止剤が大量に必要になるという問題があった。
特許文献1には、屋根の棟に設置された泡ヘッドから上方に向けて消火用泡を放出し屋根を覆う防災装置が記載されている。しかし、消火用泡は空気を含んでいるため、放出した後の滞空時間が長いと風で飛ばされやすく、屋根面において、消火用泡が到達しない部分が生じる虞があった。また、消火用泡放出の持続時間を保つためには、大量の泡混合液を用いなければならず、大きな泡原液タンクや巨大な貯水槽等が必要となるという問題があった。
特許文献2には、屋根棟部の延長線における高位置に設置された噴射ノズルから屋根棟部の上方に向けて放水し、水で屋根を覆う散水装置が記載されている。しかし建物から離れた位置からの放水であるため、消火水の滞空時間が長くなり風で飛ばされやすく、しかも一点からの放水であるため、屋根全体に一様に放水することが困難であった。また、大量の水を使用するので、放水の持続時間を保つためには巨大な貯水槽が必要となるが、消火効果を上げるために複数台の噴射ノズルを設置すると使用する水の量が増え、より巨大な貯水槽が必要となるという問題があった。
本発明は、風に影響されることなく延焼防止剤で均一に植物性屋根の屋根面を覆うことができ、また、使用した延焼防止剤を回収して再利用することで延焼防止剤放出の持続時間や放出量を増やしながら、貯水槽等をコンパクトにでき延焼防止剤のコストを抑えることができる延焼防止装置を提供することを課題とするものである。
本発明は、上記の課題を解決するためのものであり、以下の構成を有する。
(1)本発明は、延焼防止剤が貯蔵された延焼防止剤タンクと、前記延焼防止剤タンクに加圧手段を介して接続された噴射ノズルと、を備え、前記噴射ノズルは、植物によって形成された植物性屋根の上部に設けられ、前記延焼防止剤を屋根面へ向けて噴射することを特徴とする植物性屋根用の延焼防止装置である。
本発明によれば、延焼防止剤が風に流されずに植物性屋根を覆うことができ、火災による延焼を防ぐことができる。
(2)本発明は、前記延焼防止剤は、水、界面活性剤を混入した水、または添加剤によって粘度が高められた水からなることを特徴とする(1)記載の植物性屋根用の延焼防止装置である。
本発明によれば、入手の容易な水だけでなく、添加剤を加えて延焼防止機能等を高めた水など、延焼防止機能を有する種々の物質、混合物を使い、効率よく防火や消火ができる。
(3)本発明は、前記屋根の上部に沿って、前記加圧手段により加圧された前記延焼防止剤を供給口から供給する供給管を設け、前記噴射ノズルは、側面にスリットを設けた管であり、前記供給管に沿って設けられ、前記供給管と前記噴射ノズルは複数の連結管により連結され、前記複数の連結管は前記供給口に近いほど流れにくい構造として、流量をほぼ一定にし、噴射ノズルからの噴射量をほぼ一定とすることを特徴とする(1)または(2)に記載の植物性屋根用の延焼防止装置である。
本発明によれば、長い噴射ノズルから噴射された延焼防止剤の噴射量が供給口からの距離に関係なくほぼ一定となるので、どの噴射位置でも噴射量が不足せず、また効率よく植物性屋根面を覆うことができる。
(4)本発明は、前記屋根の上部に沿って、前記加圧手段により加圧された前記延焼防止剤を供給口から供給する供給管を設け、前記供給管に沿って前記噴射ノズルを複数設け、前記複数の噴射ノズルは前記供給口に近いほど流れにくい構造として、噴射量をほぼ一定とすることを特徴とする(1)または(2)に記載の植物性屋根用の延焼防止装置である。
本発明によれば、複数の独立した噴射ノズルから噴射された延焼防止剤の噴射量が供給口からの距離に関係なくほぼ一定となるので、どの位置の噴射ノズルでも噴射量が不足せず、また効率よく植物性屋根面を覆うことができる。
(5)本発明は、前記屋根に前記延焼防止剤を回収する回収部を設け、前記回収部は、フィルターを有しており、前記延焼防止剤タンクに接続されることを特徴とする(1)乃至(4)のいずれかに記載の植物性屋根用の延焼防止装置である。
本発明によれば、延焼防止剤を繰り返して利用できるので、延焼防止剤が枯渇し難く、防火効果の持続時間を長くできる。更に、使用した延焼防止剤を再利用するため、延焼防止剤タンクをコンパクトにできる。また、準備すべき延焼防止剤が少なくて済み、コストを抑えることができる。また、フィルターによって、回収した延焼防止剤からゴミ等を取り除いて延焼防止剤タンクに溜まるのを防ぎ、噴射ノズル等の目詰まりを防げる。
本発明によれば、植物性屋根の建物への類焼や出火時における延焼を防止するための延焼防止剤の散布において、風によって延焼防止剤が流されて延焼防止効果が働かない部分が植物性屋根面に生じる状況に対し、屋根面へ向けて延焼防止剤を噴射し、散布すべき延焼防止剤が尽きてしまう状況に対し、延焼防止剤を回収して循環させる手段を用いることで延焼防止剤散布の持続時間を増やし、消火や延焼防止の効果を高められる植物性屋根向け延焼防止装置を構築・提供できる。
実施形態における延焼防止装置1を、切妻造の植物性屋根51に適用した状態を示す全体図。 実施例1の延焼防止装置1と屋根面511を切妻造の妻側から見た図。 放水部における供給管21とスリット形噴射ノズル23の関係を示す図。 放水部における供給管21と扇形噴射ノズル24の関係を示す図。
本発明は、延焼防止剤を植物性屋根面へ向けて噴射することにより、火の粉や輻射熱を防いで類焼を避けると共に、既に火がついた屋根面を消火することで火災の延焼を防ぐ、植物性屋根用の延焼防止装置である。以下、本発明を実施するための形態について説明する。
図1は、実施形態における延焼防止装置1を、切妻造の植物性屋根51に適用した状態を示す全体図であり、切妻造の平側から見た図である。延焼防止装置1は、植物により形成された植物性屋根51の棟52に沿って設置されて屋根面511へ消火水6を放水する放水部と、消火水6を貯水する延焼防止剤タンクである貯水タンク41を備えたタンク部と、使用した消火水6を植物性屋根51の下端で回収し、貯水タンク41へ送る回収部から構成されている。
延焼防止装置1の放水部には、消火水6を供給するために配水管27と加圧手段である取水ポンプ26が備えられ、また植物性屋根51の最上部の棟52には噴射ノズルであるスリット形噴射ノズル23が設置されている。本発明の延焼防止装置1は、切妻屋根等の勾配のある植物性屋根51を備えた建物に設置される。図1の植物性屋根51には茅等の燃えやすい植物が葺かれており、建物の近傍で火災等が発生すると火の粉等による類焼を生じやすい。これを防ぐため延焼防止装置1では、スリット形噴射ノズル23から消火水6を屋根面511へ向けて放出する。
屋根面511の下端の軒53には消火水6の回収口として軒樋31が設置される。スリット形噴射ノズル23から植物性屋根51に放水された消火水6は、矢印に示すように屋根面511の表面全体を覆うように流れる。回収部は、屋根面511の下端で消火水6を回収する軒樋31と、回収した消火水6を貯水タンク41に送る回収管32と、貯水タンク41に入る前に回収した消火水6からゴミ等をフィルターにより取り除くストレーナー33から構成される。
軒樋31からは、植物性屋根51に降った雨水や積雪がとけた水等も貯水タンク41に流入し、消火水6として貯水される。
タンク部は、貯水タンク41、取水管42、取水口43、上限水位センサ45、下限水位センサ46、排水口47、電動弁48を備えている。貯水タンク41は地下に設置されており消火水6を貯蔵している。取水口43は貯水タンク41の下部に位置するように設けられ、取水管42を介して放水部の取水ポンプ26に接続されている。また、貯水タンク41は電動弁48を介して水道管49と接続されており、各水位センサ45,46により電動弁48を開閉して水道管49から消火水6を供給することができる。貯水タンク41の上部には上限水位センサ45の少し上に排水口47が設けられ、回収管32から入る雨水等により消火水6が増えすぎた場合には、排水される。
図2は、実施例1の延焼防止装置1と屋根面511を切妻造の妻側から見た図であり、図2(b)は図2(a)の部分拡大図である。放水部の供給管21には消火水6が供給され、建物の屋根面511へ向けて噴射される。
放水部の棟部分は、図2(a)に示すように、左右に記載した各屋根面511の上部に、棟52に沿って桁行方向56に配置され、供給管21、連結管22、スリット形噴射ノズル23、棟カバー25から構成される。図2(a)のように二枚の屋根面511で構成される切妻造の植物性屋根51では、屋根面511それぞれにひとつずつ、計二つの供給管21が設置される。供給管21は、図3に示す供給口211で配水管27と接続され、供給された消火水6を連結管22に送る。また、連結管22は、供給管21とスリット形噴射ノズル23の間に複数設けられ、供給管21とスリット形噴射ノズル23を連結する。
スリット形噴射ノズル23は、供給管21と平行に配置された管であり、管の側面における下部の位置に連続する長いスリット231を有している。そして、スリット231を噴射口として棟52の端から端まで板状に一様な噴射を行って、消火水6で屋根面511を覆う。図2(b)に示すように、スリット231はスリット形噴射ノズル23の下部に設けられ、消火水6を垂直下方の屋根面511に向けて噴射する。
棟カバー25は、棟52全体にわたって放水部の棟部分の上方を覆う不燃性素材のカバーである。消火水6が到達しない棟52頂部を覆って火の粉を防ぐと共に、放水部の棟部分を外部から見えないようにして、建物の外観を保つ。
図3は、放水部における供給管21と噴射ノズルの関係を示す図であり、屋根面511に垂直な方向から見た図である。図3は、スリット形噴射ノズル23により消火水6が噴射される様子を表している。配水管27から供給口211へ供給された消火水6が、供給管21と連結管22をとおり、スリット形噴射ノズル23によって屋根面511の上部に板状に噴射され、流下する。なお、図3では、管内部のオリフィス板221、オリフィス孔222を図中に模式的に示している。
図3に示すように、消火水6を噴射するスリット形噴射ノズル23は供給管21に平行に設置された管であり、複数の連結管22により供給管21に接続され、各連結管22から消火水6が同時に供給される。また、スリット形噴射ノズル23の下部には、消火水6の噴射口であるスリット231が、スリット形噴射ノズル23の長手方向に設けられている。スリット形噴射ノズル23により真下に噴射された消火水6は、屋根面511を伝って下方へ流れ下りながら、一様に屋根面511を覆う。供給管21の一方には供給口211が設けられて配水管27からの消火水6が流入し、複数の連結管22を通ってスリット形噴射ノズル23へ供給される。供給管21のもう一方の端は供給管終端212となって閉じている。供給管21とスリット形噴射ノズル23の間を繋いで複数本設けられた連結管22は、スリット形噴射ノズル23へ消火水6を供給する際に消火水6の流入方向を変える役割を持つ。これは、供給口211から供給管終端212方向へ向かう流れにより、スリット231からの噴射方向が影響され、消火水6が斜めに噴射されてしまう虞があるためである。連結管22によりスリット231への流入方向を変えることで、消火水6を屋根面511へ垂直に噴射させて軒53方向へ真っすぐに流すことができる。
また、連結管22の内部にはオリフィス板221が設けられ、消火水6の流量を調整する。連結管22の中に設けられたオリフィス板221のオリフィス孔222を消火水6が通ることで、消火水6の流量が調整される。供給口211からの距離等に応じて供給管21内における消火水6の流速や抵抗が異なるため、圧力は異なる。そのため、圧力が高い場所ではオリフィス孔222の小さなオリフィス板221を設置し、消火水6の流量が偏らないようにする。一般的に供給口211に近い位置の圧力が高いため、供給口211に近いほどオリフィス孔222が小さく流れにくい構造として、各連結管22からの消火水6の流量をほぼ一定にし、スリット形噴射ノズル23からの噴射量にむらが生じないようにする。
このように、均一に消火水6を噴射することで、効率的に屋根面511を消火水6で覆うことができ、使用する消火水6を少なくすることができる。そのため、延焼防止効果の持続時間を長くできると共に、貯水タンク41の容量、必要な取水ポンプ26の性能、準備すべき消火水6の量等を抑えられ、コストを下げることができる
次に、本発明の実施形態における延焼防止装置1の作用について説明する。
建物の近隣等で火災が発生した場合、管理員が手動で取水ポンプ26を起動する。すると図1の取水ポンプ26により、貯水タンク41の消火水6が取水口43から取り込まれる。取水ポンプ26で加圧された消火水6は配水管27を通り、配水管27の分岐で複数に別れ、各屋根面511の最上部に設置された供給管21の供給口211に供給される。供給管21へ流入した消火水6は図3のように複数設けられた連結管22へ分岐して流れ込む。
各連結管22では、内部を通る消火水6の量に差が生じないように、連結管22内に設けられたオリフィス板221のオリフィス孔222によって流量が調整される。より供給口211に近い連結管22を通る消火水6は、より小さく流れ難いオリフィス孔222を通るため、高い圧力を打ち消すことができる。
そして消火水6は複数の連結管22から、スリット形噴射ノズル23へ流入し、再び合流する。このとき、供給口211側から供給管終端212部側まで、ほぼ均一な流量の消火水6が連結管22から流入するため、スリット形噴射ノズル23内は、どの場所でもほぼ一定の圧力の消火水6で満たされる。スリット形噴射ノズル23は長手方向に沿って下方に噴射口であるスリット231を有している。スリット形噴射ノズル23からは、供給口211側から供給管終端212部側までほぼ均一な量の消火水6が噴射される。
スリット形噴射ノズル23の下部に設けられたスリット231により、板状の消火水6が垂直下方に噴射され、傾斜している屋根面511に打ち付けられる。上方に噴射すると風等により消火水6が流されて、消火水6で覆う面にムラが生じ安いが、消火水6を屋根面511に向けて噴射していることから、風があっても消火水6のムラが生じ難く、屋根面511を一様に覆うことができる。こうして屋根面511の全体を消火水6の流水で覆い、火災による延焼や類焼を防ぐことができる。
棟の放水部において噴射され、屋根面511を覆って軒53まで流れた消火水6は、軒53部分に設けられた回収口である軒樋31から回収される。回収された消火水6は回収管32内を下方へと流れ、ストレーナー33を通過して濾過される。ストレーナー33を通過した消火水6は貯水タンク41へ注水され、貯水タンク41に貯蔵される。こうして、貯水タンク41に再び消火水6を戻すことにより、消火水6を循環させて延焼防止装置1の放水時間を長く保つことができる。
また、延焼防止装置1では、軒樋31での消火水6の回収と並行して、水道管49から貯水タンク41へ水を補充する。取水ポンプ26が起動して取水管42に消火水6が取り込まれ、貯水タンク41内で消火水6の水位が下限水位まで下がると、下限水位センサ46が反応し、水道管49につながる電動弁48を開放して自動的に消火水6を補充する。また、回収管32および水道管49からの給水により、貯水タンク41内の水位が上限水位まで上がると上限水位センサ45が反応し、電動弁48が閉じられて水道水の導入が停止する。こうして、貯水タンク41内の水位を保ち、消火水6の不足を防止する。
なお、回収口から流入した消火水6や雨水等により水位が増え、上限水位を超えても流入が続く場合には、上限水位センサ45の少し上に設けた排水口47から余剰の消火水6が排水される。
図4は、実施例2の延焼防止装置11の供給管21と扇形噴射ノズル24の関係を示す図であり、屋根面511に垂直な方向から見た図である。実施例2では図4のように、スリット形噴射ノズル23に換えて扇形噴射ノズル24が設置され、消火水6は扇形噴射ノズル24により噴射される。なお、図4では模式的に内部のオリフィス板241、オリフィス孔242を図中に示している。
実施例2において、延焼防止装置11における放水部の棟部分には連結管22を設けず、複数個の扇形噴射ノズル24を供給管21に直接接続している。扇形噴射ノズル24は、スプレーパターンが扁平となる噴射ノズルで、桁行方向56に扇形に拡がるように設置されている。延焼防止装置11は、放水部の棟部分以外は延焼防止装置1と共通である。
供給管21には、供給管21の一方に設けられた供給口211から消火水6が流入し、複数設置された扇形噴射ノズル24へ消火水6を供給する。供給口211の反対側の端は供給管終端212となって閉じている。消火水6は扇形噴射ノズル24により屋根面511に向けて扇形に噴射される。このとき、消火水6は隣り合う扇形噴射ノズル24の間で重なりながら噴射され、屋根面511を隙間なく消火水6で覆うことができる。
扇形噴射ノズル24の供給管21との接続部にはオリフィス板241が設けられ、消火水6が通る流量調整用のオリフィス孔242の大小により、消火水6の噴射量が調整される。扇形噴射ノズル24の供給口211からの距離により供給管21の内部圧力等が変化するため、流量調整用のオリフィス板241を備えた扇形噴射ノズル24を設置し、消火水6の圧力の違いを打ち消すようにして流量を一定に調節している。実施例2では、供給口211に近いほどオリフィス孔242は小さく、消火水6が流れ難くなっている。
各扇形噴射ノズル24における消火水6の流量の差をなくし、扇形噴射ノズル24の設置位置によらずほぼ均一に消火水6を噴射することで、効率的に屋根面511を消火水6で覆うことができ、使用する消火水6を少なくすることができる。これにより、放水時間を長くできると共に、貯水タンク41の容量、必要な取水ポンプ26の性能、準備すべき消火水6の量等を抑えられ、コストを下げることができる。
次に、実施例2における延焼防止装置11の放水部での作用について説明する。
火災時に取水ポンプ26が起動し、配水管27から供給口211に供給された消火水6は、供給管21を経て複数接続された扇形噴射ノズル24へ分岐して流入する。扇形噴射ノズル24にはオリフィス板241が設けられ、流量調整用のオリフィス孔242の大きさを変化させて、噴射量を一定に調節している。
扇形噴射ノズル24は、消火水6を扇状に拡げて、隣り合う扇形噴射ノズル24からの噴射と重ね、消火水6を下方の傾斜した屋根面511の方向に噴射する。こうして複数の扇形噴射ノズル24により屋根面511の全体を消火水6の流水で覆い、火災による延焼を防ぐことができる。
本発明によれば、風のある場所でも、火の粉や輻射熱を防いで類焼を避けると共に、既に火がついてしまった屋根面511では、消火水6で覆うことで火災の延焼を防ぐことができる。また、設置の際、実施例1では棟52の端から端までの長さのスリット形噴射ノズル23を用意して取り付けなければならないが、実施例2では扇形噴射ノズル24が接続された供給管21を分割しておき、植物性屋根51上で接続して取り付けることも可能であり、長さの調整が容易であって設置しやすい。また、流量調整用のオリフィス板241の変更や万一目詰まりした場合の扇形噴射ノズル24の交換も容易である。
<変形例>
実施例1では図2に示したようにスリット形噴射ノズル23の噴射方向を垂直下方としたが、噴射方向は屋根面511に向いていれば風の影響を受けにくいため斜め下方でも良い。実施例2等でも同様である。上記延焼防止装置1,11は、火災検知器により自動的に作動させてもよく、地域防災指令所等からの信号等で作動させてもよい
また、消火水6に換えて、水にスメクトン等を添加して粘度を高めたチクソトロピー性のある延焼防止剤を使用してもよい。この場合、添加剤により粘度を高めた水は、噴射ノズルにおいて噴射されて屋根面511に打ち付けられることにより剪断力が生じ、液状化して屋根面511を流下する。そしてある程度流下したところで屋根面511に留まり、延焼や類焼を防止する。粘度を高めた水を延焼防止剤として使用した場合は、屋根面511に留まることから長時間にわたって噴射する必要がないため、回収する必要はなく、回収管32等を設けなくても良い。
また、添加剤として界面活性剤を混入した水を使用してもよい。噴射された界面活性剤入りの延焼防止剤は、植物性屋根51の油分等に弾かれることなく拡がって浸透し、延焼を防ぐことができる。更に、泡が発生しやすい界面活性剤を使用すれば、泡による延焼防止、類焼防止効果も生じる。
また、作動初期は、元から貯水タンク41に貯められていた添加剤入りの延焼防止剤を噴射し、延焼防止剤を使い終わった後は貯水タンク41に補充された水道水を噴射してもよい。この場合には、噴射時間が経過した後に延焼防止剤が薄まってもよい。添加剤入り延焼防止剤と水道水を併用することで、延焼防止効果を長時間持続させることができる。チクソトロピー性がある延焼防止剤を用いた場合は、延焼防止剤が屋根面511に留まり、その上面を貯水タンク41に補充された水道水による流水で覆うことができる。界面活性剤入りの水である場合には、植物性屋根51の油分等に弾かれることなく浸透し、その後で植物性屋根51表面を水道水による流水で覆うことができる。
実施例1,2の延焼防止装置1,11の放水部は建物の最上部である切妻造の植物性屋根51の棟52に設けているが、寄棟屋根における下がり棟や二階家の壁際部など、建物の最上部ではない勾配屋根面の上端に設置してもよい。また、放水部は部分的に植物性屋根51内部に埋めてもよい。実施例1の場合、供給管21を植物性屋根51内部に設置し、スリット形噴射ノズル23は露出させて屋根面511への噴射に支障がないようにする。このようにして、外観を良くすることができる。
消火水6の回収口は、図1における屋根面511下端部近傍の軒樋31ではなく、直下の地面等に設置してもよい。例えば側溝などの排水溝や、砂利や玉石等に覆われた浸透型の回収口としてもよい。
1,11 延焼防止装置、21 供給管、211 供給口、212 供給管終端、22 連結管、221 オリフィス板、222 オリフィス孔、23 スリット形噴射ノズル、231 スリット、24 扇形噴射ノズル、241 オリフィス板、242 オリフィス孔、25 棟カバー、26 取水ポンプ、27 配水管、31 軒樋、32 回収管、33 ストレーナー、41 貯水タンク、42 取水管、43 取水口、45 上限水位センサ、46 下限水位センサ、47 排水口、48 電動弁、49 水道管、51 植物性屋根、511 屋根面、52 棟、53 軒、56 桁行方向、6 消火水

Claims (2)

  1. 延焼防止剤貯蔵するための延焼防止剤タンクと、
    加圧手段と、
    植物によって形成された植物性屋根のに沿って配置されていて前記加圧手段により加圧された前記延焼防止剤が内部に供給される供給管と、
    前記供給管に接続されていて前記植物性屋根の上部に向けて前記延焼防止剤を噴射する噴射ノズルと
    を備え、
    前記噴射ノズルは、側面にスリットを設けた管であり、前記供給管に沿って設けられ、
    前記供給管と前記噴射ノズルは複数の連結管により連結されている
    ことを特徴とする植物性屋根用の延焼防止装置。
  2. 前記複数の連結管は、前記供給管が配水管と接続される供給口に近いほど流れにくい構造として、流量をほぼ一定にし、
    前記噴射ノズルからの噴射量をほぼ一定とする
    ことを特徴とする請求項1に記載の植物性屋根用の延焼防止装置。

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