JP7025585B1 - 波長変換シート用のバリアフィルム、並びに、これを用いた波長変換シート、バックライト及び液晶表示装置 - Google Patents

波長変換シート用のバリアフィルム、並びに、これを用いた波長変換シート、バックライト及び液晶表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】波長変換シートに適用した際に、経時的な色味の変化を抑制し得る、波長変換シート用のバリアフィルムを提供する。【解決手段】プライマー層10、第1基材フィルム20、バリア層30、及び第2基材フィルム40をこの順に有する波長変換シート用のバリアフィルム100であって、前記プライマー層の屈折率をn1、前記プライマー層の厚みをt1、前記第1基材フィルムの屈折率をn2と定義した際に、下記条件1又は下記条件2を満たす、波長変換シート用のバリアフィルム。条件1:n1<n2であって、下記式1で示されるd1が、x±0.10(但し、xは奇数の整数)の範囲を示す。条件2:n1>n2であって、下記式1で示されるd1が、x±0.10(但し、xは偶数の整数)の範囲を示す。式1:d1=n1×t1/112.5nm【選択図】図1

Description

本開示は、波長変換シート用のバリアフィルム、並びに、これを用いた波長変換シート、バックライト及び液晶表示装置に関する。
パーソナルコンピューター(特に携帯用パーソナルコンピューター)の発達に伴って、液晶表示装置の需要が増加している。また、最近においては家庭用の液晶テレビの普及率も高まっており、さらには、スマートフォン、タブレット端末も広く普及しつつある。このため、液晶表示装置の市場はさらに拡大する状況にある。
このような液晶表示装置は、一般的に、カラーフィルタ、液晶セル及びバックライトを有する構成からなり、液晶セル内の液晶層のシャッター機能により光の強弱をコントロールし、カラーフィルタにより各画素の色をR、G、Bの三原色に分けて表示することにより、画像を表示するものである。
液晶表示装置のバックライトの光源としては、従前は、冷陰極管(CCFL)が用いられてきた。しかし、低消費電力及び少スペースの観点から、バックライトの光源は、冷陰極管からLEDに切り替えられている。
通常のバックライトの光源として使用されるLEDは、青色LEDと、YAG系黄色蛍光体とを組み合わせてなる白色LEDとよばれるものを用いている。かかる白色LEDは、発光波長のスペクトル分布がブロードであり、疑似白色とよばれている。
一方、近年では、量子ドットの技術を用いたバックライトの開発も進められている。量子ドットとは、半導体のナノメートルサイズの微粒子をいう。
量子ドットを用いたバックライトの基本構成は、一次光を生じる光源(青色光を放出する青色LED等)と、量子ドットとを組み合わせたものである。
量子ドットは、例えば、CdSeであるコアとZnSであるシェルにより構成される半導体微粒子と、シェルの周辺を覆うリガンドにより構成されるナノサイズの化合物半導体微粒子である。量子ドットは、その粒子径が化合物半導体の励起子のボーア半径よりも小さいため、量子閉じ込め効果が現れる。そのため、量子ドットの発光効率は、従来用いられている希土類イオンを賦活剤とする蛍光体(希土類蛍光体)よりも高く、90%以上の高発光効率を実現することができる。
また、量子ドットの発光波長は、このように量子化された化合物半導体微粒子のバンドギャップエネルギーにより決まるため、量子ドットの粒径を変化させることで任意の発光波長、すなわち任意の発光スペクトルを得ることができる。これらの量子ドットと青色LED等とを組み合わせたバックライトは、高発光効率で高い色純度を実現することが可能とされている(例えば、特許文献1~2参照)。
また、量子ドットは、液晶表示装置のバックライトの他、照明、量子ドットレーザー等にも用いられている。
量子ドットは上記の優れた特徴を備える一方で、水分、酸素等影響により劣化しやすいという問題がある。このため、量子ドット含有層の両側の面はバリアフィルムにより保護することが好ましい。
特許文献3及び4には、プライマー層、第1基材フィルム、バリア層、及び第2基材フィルムをこの順に有するバリアフィルムが記載されているとともに、前記バリアフィルムによって量子ドット含有層を保護してなる波長変換シートが記載されている。
国際公開第2012/132239号 特開2015-18131号公報 特開2020-19141号公報 特開2020-160212号公報
しかし、特許文献3及び4の波長変換シートを用いた液晶表示装置は、継続して使用している間に、初期とは異なった色味の画像が視認されるケースが散見された。すなわち、特許文献3及び4の波長変換シートを用いた液晶表示装置は、初期の時点と任意の時点とを比較した際に、色味が大きく異なるケースが散見された。
量子ドットは、色純度を高めることを特徴とするものである。このため、量子ドットを用いた液晶表示装置の色味が安定しないことは、前記液晶表示装置の特徴が損なわれ、前記液晶表示装置の品質において重要な問題であった。
本開示は、上記問題に鑑み、波長変換シートに適用した際に、経時的な色味の変化を抑制し得る、波長変換シート用のバリアフィルムを提供することを目的とする。また、本開示は、前記バリアフィルムを用いた波長変換シート、バックライト及び液晶表示装置を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、波長変換シート用のバリアフィルムを構成するプライマー層の屈折率及び厚みを特定の関係とすることにより、バリアフィルムを適用した波長変換シート等の色味の変化を抑制できることを見出した。
本開示は、以下の[1]~[8]を提供する。
[1] プライマー層、第1基材フィルム、バリア層、及び第2基材フィルムをこの順に有する波長変換シート用のバリアフィルムであって、
前記プライマー層の屈折率をn、前記プライマー層の厚みをt、前記第1基材フィルムの屈折率をnと定義した際に、
下記条件1又は下記条件2を満たす、波長変換シート用のバリアフィルム。
条件1:n<nであって、下記式1で示されるdが、x±0.10(但し、xは奇数の整数)の範囲を示す。
条件2:n>nであって、下記式1で示されるdが、x±0.10(但し、xは偶数の整数)の範囲を示す。
式1:d=n×t/112.5nm
[2] 前記条件1において、前記式1で示されるdが、x±0.10(但し、xは3以上5以下の奇数の整数)の範囲を示し、
前記条件2において、前記式1で示されるdが、x±0.10(但し、xは2以上4以下の偶数の整数)の範囲を示す、[1]に記載の波長変換シート用のバリアフィルム。
[3] 前記プライマー層の厚みであるtが100nm以上900nm以下である、[1]又は[2]に記載の波長変換シート用のバリアフィルム。
[4] 前記第1基材フィルムの厚みが5μm以上である、[1]~[3]の何れかに記載の波長変換シート用のバリアフィルム。
[5] 前記バリア層が、無機酸化物層及び有機被覆層を含む、[1]~[4]の何れかに記載の波長変換シート用のバリアフィルム。
[6] 第1バリアフィルムと、量子ドットを含む量子ドット含有層と、第2バリアフィルムとがこの順に積層されてなる波長変換シートであって、
前記第1バリアフィルム及び前記第2バリアフィルムが[1]~[5]の何れかに記載の波長変換シート用のバリアフィルムであり、
前記第1バリアフィルム及び前記第2バリアフィルムの前記プライマー層側の面が、前記量子ドット含有層側を向くように積層されてなり、
前記第1バリアフィルム及び前記第2バリアフィルムの前記量子ドット含有層と接する層が前記プライマー層であり、前記量子ドット含有層の屈折率をnと定義した際に、n<nである、波長変換シート。
[7] 一次光を放出する少なくとも1つの光源と、前記光源に隣接して配置され、導光又は拡散のための光学板と、前記光学板の光出射側に配置された波長変換シートとを備えたバックライトにおいて、前記波長変換シートが[6]に記載の波長変換シートであるバックライト。
[8] バックライト及び液晶パネルを備えた液晶表示装置であって、前記バックライトが[7]に記載のバックライトである液晶表示装置。
本開示の波長変換シート用のバリアフィルム、並びに、これを用いた波長変換シート、バックライト及び液晶表示装置は、経時的な色味の変化を抑制することができる。
本開示のバリアフィルムの一実施形態を示す断面図である。 本開示のバリアフィルムの他の実施形態を示す断面図である。 本開示のバリアフィルムの他の実施形態を示す断面図である。 本開示の波長変換シートの一実施形態を示す断面図である。 本開示のバックライトの一実施形態を示す断面図である。 本開示のバックライトの他の実施形態を示す断面図である。 実施例1のバリアフィルムの分光透過率を示す図である。 実施例2のバリアフィルムの分光透過率を示す図である。 比較例1のバリアフィルムの分光透過率を示す図である。 比較例2のバリアフィルムの分光透過率を示す図である。 比較例3のバリアフィルムの分光透過率を示す図である。
以下、本開示の実施形態を説明する。
なお、本明細書において、各層の屈折率は、波長632.8nmにおける屈折率を意味する。各層の屈折率は、例えば、反射光度計により測定した反射スペクトルと、フレネル係数を用いた多層薄膜の光学モデルから算出した反射スペクトルとのフィッティングにより算出することができる。
[波長変換シート用のバリアフィルム]
本開示の波長変換シート用のバリアフィルムは、
プライマー層、第1基材フィルム、バリア層、及び第2基材フィルムをこの順に有する波長変換シート用のバリアフィルムであって、
前記プライマー層の屈折率をn、前記プライマー層の厚みをt、前記第1基材フィルムの屈折率をnと定義した際に、
下記条件1又は下記条件2を満たす、ことを特徴とする。
条件1:n<nであって、下記式1で示されるdが、x±0.10(但し、xは奇数の整数)の範囲を示す。
条件2:n>nであって、下記式1で示されるdが、x±0.10(但し、xは偶数の整数)の範囲を示す。
式1:d=n×t/112.5nm
図1~図3は、本開示の波長変換シート用のバリアフィルム100の実施形態を示す断面図である。図1~図3の波長変換シート用のバリアフィルム100は、プライマー層10、第1基材フィルム20、バリア層30、及び第2基材フィルム40をこの順に有している。
図2の波長変換シート用のバリアフィルム100は、バリア層30として、第1バリア層30A及び第2バリア層30Bを有している。
図1~図3の波長変換シート用のバリアフィルム100は、何れも、第1基材フィルム20と第2基材フィルム40との間に、接着剤層50を有している。
本明細書において、「本開示の波長変換シート用のバリアフィルム」及び「波長変換シート用のバリアフィルム」のことを、「本開示のバリアフィルム」及び「バリアフィルム」と称する場合がある。
<積層構成>
本開示のバリアフィルムの積層構成としては、下記(1)~(4)が挙げられる。下記(1)~(4)の中では、量子ドット含有層に近い位置にバリア層を有する(2)が好ましい。なお、本開示のバリアフィルムは、下記(1)~(4)の積層構成に限定されるものではない。
(1)プライマー層、第1基材フィルム、バリア層、第2基材フィルム、をこの順に有する積層構成。
(2)プライマー層、第1基材フィルム、バリア層、接着剤層、第2基材フィルム、をこの順に有する積層構成。
(3)プライマー層、第1基材フィルム、接着剤層、バリア層、第2基材フィルム、をこの順に有する積層構成。
(4)プライマー層、第1基材フィルム、第1バリア層、接着剤層、第2バリア層、第2基材フィルム、をこの順に有する積層構成。
<プライマー層>
本開示のバリアフィルムにおいて、プライマー層の位置は、バリアフィルムの最外層であることが好ましい。前記の最外層とは、第1基材フィルムのバリア層とは反対側の最外層を意味する。プライマー層を前述した位置に有することにより、バリアフィルムと量子ドット含有層との密着性を良好にし得る点で好ましい。
プライマー層は、樹脂成分を含むことが好ましい。樹脂成分としては、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂等が挙げられる。これらの中でもポリウレタン系樹脂が好ましい。すなわち、プライマー層はポリウレタン系樹脂を含むことが好ましい
ポリウレタン系樹脂は、量子ドット含有層との密着性を良好にしやすい。また、ポリウレタン系樹脂は、量子ドット含有層を電離放射線硬化あるいは熱硬化させる際に生じる応力を緩和し、第1基材フィルムに応力が伝わりにくくすることができる。
ポリウレタン系樹脂としては、多官能イソシアネートとヒドロキシル基含有化合物との反応によって得られる、一液ないし二液型ポリウレタン系樹脂組成物の反応物が挙げられる。多官能イソシアネート及びヒドロキシル基含有化合物はそれぞれ、1種のみ用いられていても良いし、複数種が用いられていても良い。
具体的に、多官能イソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネ-ト、あるいは、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート等が挙げられる。
また、ヒドロキシル基含有化合物としては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエステルポリウレタンポリオール、ポリアクリレートポリオールなどが挙げられる。本開示においては、量子ドット含有層との密着性、及び、耐久性の観点から、ポリエステルポリウレタンポリオールが特に好ましい。ポリエステルポリウレタンポリオールは、例えば特開2001-288408号公報、特開2003-26996号公報に記載の方法により製造することができる。
ポリウレタン系樹脂の含有量は、プライマー層の全量基準で、40質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましい。
プライマー層は、シランカップリング剤を更に含有していても良い。シランカップリング剤は、その分子の一端にある官能基、通常、クロロ、アルコキシ、又は、アセトキシ基等が加水分解してシラノ-ル基(Si-OH)を形成する。これにより、プライマー層の樹脂組成物が共有結合等で修飾され、強固な結合を形成する。また、シランカップリング剤の他端にあるビニル、メタクリロキシ、アミノ系、エポキシ系、あるいは、メルカプト等の有機官能基により、プライマー層と量子ドット含有層との密着性を良好にしやすくできる。
シランカップリング剤としては、例えば、γ-クロロプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニル-トリス(β-メトキシエトキシ)シラン、γ-メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、β-(3、4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、N-β(アミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-β(アミノエチル)-γ-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ-ウレイドプロピルトリエトキシシラン、ビス(β-ヒドロキシエチル)-γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、及びγ-アミノプロピルシリコ-ン等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を使用することができる。
シランカップリング剤の含有量は、プライマー層の全量基準で、1質量%以上であることが好ましく、3質量%以上であることがより好ましい。シランカップリング剤の含有量が上記範囲であると、プライマー層と量子ドット含有層との密着性をさらに向上しやすくできる。
なお、プライマー層の伸長性を良好にするとともに、プライマー層のクラック発生を抑制するために、シランカップリング剤の含有量は、プライマー層の全量基準で、30質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましい。
プライマー層は、充填剤を更に含んでいても良い。充填剤は、プライマー層を形成するための塗布液の粘度等を調整し、コーティング適性等を高める役割を有する。充填材としては、例えば、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、アルミナホワイト、シリカ、タルク、ガラスフリット、樹脂粉末などを使用することができる。
プライマー層は、更に、必要に応じて、安定剤、架橋剤、滑剤、紫外線吸収剤、その他等の添加剤を含んでいても良い。
プライマー層の屈折率nは、条件1又は条件2を満たす限り制限されないが、下記の範囲であることが好ましい。
は、1.47以上であることが好ましく、1.52以上であることがより好ましく、1.55以上であることがさらに好ましい。nを1.47以上とすることにより、量子ドット含有層の屈折率よりもプライマー層の屈折率を大きくしやすくできる。
また、nは、1.66以下であることが好ましく、1.62以下であることがより好ましく、1.60以下であることがさらに好ましい。
プライマー層の厚みtは、条件1又は条件2を満たす限り制限されない。なお、厚みtが薄すぎると、プライマー層と量子ドット含有層との密着性が低下したり、量子ドット含有層の応力を十分に緩和できなくなったりする場合がある。また、厚みtが厚すぎると、プライマー層の厚みにムラが生じやすくなり、プライマー層の面内に物理特性のバラツキが生じやすくなる。
このため、厚みtの下限は、100nm以上であることが好ましく、150nm以上であることがより好ましく、200nm以上であることがさらに好ましい。厚みtの上限は、900nm以下であることが好ましく、600nm以下であることがより好ましく、500nm以下であることがさらに好ましく、450nm以下がよりさらに好ましい。
本明細書で示す構成要件において、数値の上限の選択肢及び下限の選択肢がそれぞれ複数示されている場合には、上限の選択肢から選ばれる一つと、下限の選択肢から選ばれる一つとを組み合わせ、数値範囲の実施形態とすることができる。
例えば、上記のプライマー層の厚みの場合、100nm以上900nm以下、100nm以上600nm以下、100nm以上500nm以下、100nm以上450nm以下、150nm以上900nm以下、150nm以上600nm以下、150nm以上500nm以下、150nm以上450nm以下、200nm以上900nm以下、200nm以上600nm以下、200nm以上500nm以下、200nm以上450nm以下などの数値範囲の実施形態が挙げられる。
本明細書において、バリアフィルムを構成する各層の厚み、並びに、量子ドット含有層の厚みは、例えば、走査型透過電子顕微鏡(STEM)を用いて撮影した断面の画像から20箇所の厚みを測定し、20箇所の値の平均値から算出できる。
本明細書において、層の厚み、分光透過率、全光線透過率、色味(Yxy表色系のx値及びy値)等の各種のパラメータを測定する際は、特に断りのない限り、温度23℃±5℃、相対湿度40%以上65%以下の雰囲気で測定するものとする。さらに、各種のパラメータを測定する前に、サンプルを前記雰囲気に30分以上晒すものとする。
<基材フィルム>
本開示のバリアフィルムは、基材フィルムとして、第1基材フィルム及び第2基材フィルムを有する。このように、2つの基材フィルムを有することにより、バリア層を形成する際の効率を良好にしつつ、バリアフィルムのコシ及び強度を良好にすることができる。
第1基材フィルム及び第2基材フィルムは、波長変換シートの機能を害することのない樹脂フィルムであれば、特に制限されない。
第1基材フィルム及び第2基材フィルムとしては、ポリエステル、トリアセチルセルロース(TAC)、セルロースジアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアセタール、ポリエーテルケトン、アクリル、ポリカーボネート、ポリウレタン及び非晶質オレフィン(Cyclo-Olefin-Polymer:COP)等から選ばれる1種以上の樹脂から形成されてなる樹脂フィルムが挙げられる。
これらの樹脂フィルムの中でも、機械的強度、寸法安定性及び耐熱性の観点からは、延伸加工されたポリエステルフィルムが好ましく、二軸延伸加工されたポリエステルフィルムがより好ましい。ポリエステルフィルムとしては、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルムが挙げられる。
第1基材フィルム及び第2基材フィルムは、同一種の樹脂フィルムであってもよいし、異種の樹脂フィルムであってもよい。
第1基材フィルム及び第2基材フィルムは、JIS K7361-1:1997の全光線透過率が80%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましく、87%以上であることがさらに好ましい。
第1基材フィルム及び第2基材フィルムのうち、バリア層が設けられる側の表面には、密着性等を向上させるために、表面処理が施されていても良い。表面処理としては、例えば、コロナ放電処理、オゾン処理、酸素ガス若しくは窒素ガス等を用いた低温プラズマ処理、グロー放電処理、化学薬品等を用いて処理する酸化処理などが挙げられる。
第1基材フィルムの厚みは、5μm以上であることが好ましく、8μm以上であることがより好ましく、10μm以上であることがさらに好ましい。第1基材フィルムの厚みを5μm以上とすることにより、第1基材フィルムの光学距離が可視光線の波長よりも十分に大きくなるため、第1基材フィルムがバリアフィルムの分光透過スペクトルの波形に及ぼす影響を無視しやすくできる。「光学距離」=「屈折率」×「厚み」、である。
第1基材フィルムの厚みは、薄膜化及び端部からの水蒸気及び酸素の侵入を抑制しやすくするため、100μm以下であることが好ましく、75μm以下であることがより好ましく、50μm以下であることがより好ましく、27μm以下であることがより好ましい。
第2基材フィルムの厚みは、10μm以上であることが好ましく、20μm以上であることがより好ましく、30μm以上であることがさらに好ましい。第2基材フィルムの厚みを10μm以上とすることにより、バリアフィルムのハンドリング性を良好にしやすくできる。
第2基材フィルムの厚みは、薄膜化のため、200μm以下であることが好ましく、150μm以下であることがより好ましく、100μm以下であることがより好ましく、75μm以下であることがより好ましい。
第1基材フィルムの厚みと、第2基材フィルムの厚みとの関係は特に制限されない。なお、上記(2)の積層構成においては、「第1基材フィルムの厚み<第2基材フィルムの厚み」の関係を満たすことが好ましい。前記関係を満たすことにより、バリア層を形成する際の効率を良好にしつつ、バリアフィルムのコシ及び強度を良好にしやすくできる。
<バリア層>
バリア層は、第1基材フィルムと第2基材フィルムとの間に位置する。
バリア層は、例えば、第1基材フィルム及び第2基材フィルムの少なくとも一方の上に、バリア層を構成する成分を、蒸着又は塗布することなどによって形成することができる。
バリア層は、図1及び図3のように、第1基材フィルム及び第2基材フィルムの一方に形成してもよい。また、バリア層は、図2のように、第1基材フィルム及び第2基材フィルムの両方に形成してもよい。
バリア層としては、「無機酸化物を蒸着することにより形成される無機酸化物層」、「ポリビニルアルコール等の水溶性高分子等を含むコーティング剤を塗布して形成される有機被覆層」、「金属酸化物とリン化合物とを含む組成物の反応物を含む層」からなる群から選ばれる単一種の単層、前記群から選ばれる単一種を積層した層、前記群から選ばれる二種以上を積層した層等が挙げられる。これらの中でも、無機酸化物層と有機被覆層とを積層したものが好ましい。すなわち、バリア層は、無機酸化物層及び有機被覆層を含むことが好ましい。
金属酸化物とリン化合物とを含む組成物の反応物を含む層としては、例えば、国際公開WO2011/122036に記載されている層が挙げられる。
以下、無機酸化物層及び有機被覆層の実施形態を説明する。
第1基材フィルム上のバリア層が無機酸化物層及び有機被覆層を有する場合、第1基材フィルム、無機酸化物層及び有機被覆層をこの順に有することが好ましい。第2基材フィルム上のバリア層が無機酸化物層及び有機被覆層を有する場合、第2基材フィルム、無機酸化物層及び有機被覆層をこの順に有することが好ましい。
また、バリア層は、バリア性を良好にするため、第1無機酸化物層、第1有機被覆層、第2無機酸化物層、第2有機被覆層をこの順に有することがより好ましい。第1基材フィルム上のバリア層が前記構成を有する場合、第1基材フィルム、第1無機酸化物層、第1有機被覆層、第2無機酸化物層、第2有機被覆層をこの順に有することが好ましい。第2基材フィルム上のバリア層が前記構成を有する場合、第2基材フィルム、第1無機酸化物層、第1有機被覆層、第2無機酸化物層、第2有機被覆層をこの順に有することが好ましい。
《無機酸化物層》
無機酸化物層を構成する無機酸化物としては、酸化アルミニウム、酸化ケイ素及び酸化マグネシウムから選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。バリアフィルムに十分なバリア性を付与するため、及び、バリアフィルムの生産効率のため、酸化アルミニウム又は酸化ケイ素が好ましい。また、色味の抑制のため、酸化アルミニウムがより好ましい。
無機酸化物層は、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、及びイオンプレーティング法等の物理気相成長法(Physical Vapor Deposition法、PVD法)、あるいは、プラズマ化学気相成長法、熱化学気相成長法、及び光化学気相成長法等の化学気相成長法(Chemical Vapor Deposition法、CVD法)等により形成することができる。これらの中でも、生産性(蒸着速度)の観点から真空蒸着法が好ましい。
無機酸化物層が酸化ケイ素を含む場合、各層における酸化ケイ素の含有割合は、質量基準で80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、95質量%以上であることがさらに好ましい。
無機酸化物層が酸化アルミニウムを含む場合、各層における酸化アルミニウムの含有割合は、質量基準で80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、95質量%以上であることがさらに好ましい。
無機酸化物層の好ましい厚みは、無機酸化物の種類により異なるため一概にはいえない。無機酸化物層が酸化ケイ素又は酸化アルミニウムを含む場合、無機酸化物層の厚みは以下の範囲であることが好ましい。
無機酸化物層が酸化ケイ素を含む場合、無機酸化物層の厚みは、バリア性を良好にするため、20nm以上であることが好ましく、50nm以上であることがより好ましく、70nm以上であることがさらに好ましい。
また、無機酸化物層が酸化ケイ素を含む場合、無機酸化物層の厚みは、220nm以下であることが好ましく、180nm以下であることがより好ましく、160nm以下であることがより好ましく、140nm以下であることがより好ましく、100nm以下であることがより好ましい。厚みを220nm以下とすることにより、無機酸化物層に傷及びクラックが発生することを抑制するとともに、酸化ケイ素に由来する色味を抑制しやすくできる。
無機酸化物層が酸化アルミニウムを含む場合、無機酸化物層の厚みは、バリア性を良好にするため、6nm以上であることが好ましく、7nm以上であることがより好ましい。
また、無機酸化物層が酸化アルミニウムを含む場合、無機酸化物層の厚みは、25nm以下であることが好ましく、20nm以下であることがより好ましく、15nm以下であることがより好ましく、12nm以下であることがより好ましく、10nm以下であることがより好ましい。厚みを25nm以下とすることにより、無機酸化物層に傷及びクラックが発生することを抑制しやすくできる。
《有機被覆層》
有機被覆層は、水溶性高分子及び金属アルコキシド系化合物から選ばれる1種以上を含むことが好ましい。また、有機被覆層は、水溶性高分子及び金属アルコキシド系化合物のうち、水溶性高分子から選ばれる1種以上を含むことがより好ましく、水溶性高分子から選ばれる1種以上と、金属アルコキシド系化合物から選ばれる1種以上とを含むことがさらに好ましい。
有機被覆層は無機酸化物層に比べて可撓性が良好である。このため、無機酸化物層に加えて有機被覆層を有することにより、無機酸化物層に傷及びクラックが発生することを抑制しやすくでき、バリアフィルムのバリア性を良好にしやすくできる。
水溶性高分子としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、及びエチレン-ビニルアルコール共重合体等が挙げられ、これらの中でもバリア性の観点から、ポリビニルアルコール及びエチレン-ビニルアルコール共重合体が好ましく、ポリビニルアルコールがより好ましい。すなわち、有機被覆層は、ポリビニルアルコール及びエチレン-ビニルアルコール共重合体から選ばれる1種以上を含むことが好ましく、ポリビニルアルコールを含むことがより好ましい。
有機被覆層が、水溶性高分子及び金属アルコキシド系化合物を含有する場合、金属アルコキシド系化合物の合計量100質量部に対する水溶性高分子の含有量は、5質量部以上500質量部以下であることが好ましく、7質量部以上100質量部以下であることがより好ましく、8質量部以上50質量部以下であることがさらに好ましい。
金属アルコキシド系化合物としては、金属アルコキシド、金属アルコキシド加水分解物及び金属アルコキシド重合物が挙げられる。
金属アルコキシドは、M(OR)の一般式で表される化合物である。式中、Mは、Si、Ti、Al及びZr等の金属を示し、Rは、メチル基及びエチル基等のアルキル基を示す。金属アルコキシドの具体例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン及びイソプロポキシアルミニウム等が挙げられる。
有機被覆層は、例えば、有機被覆層を構成する成分を含む塗布液を、無機酸化物層上に塗布、乾燥することにより形成することができる。前記塗布液中には、シランカップリング剤、硬化剤及び分散剤等の添加剤を含有してもよい。
有機被覆層の厚みは、バリア性を良好にするため、70nm以上であることが好ましく、100nm以上であることがより好ましく、150nm以上であることがさらに好ましい。
また、有機被覆層の厚みは、600nm以下であることが好ましく、480nm以下であることがより好ましく、370nm以下であることがより好ましく、300nm以下であることがさらに好ましい。厚みを600nm以下とすることにより、バリアフィルムを薄膜化することができる。また、有機被覆層の厚みが厚すぎると、有機被覆層を塗布し、乾燥する際に生じる応力が大きくなり、前記応力によって無機酸化物層にクラックが生じ、バリア性が低下ことがある。このため、厚みを600nm以下とすることにより、初期のバリア性を良好にしやすくできる。
<その他の層>
バリアフィルムは、バリアフィルムの効果を阻害しない範囲で、「プライマー層、第1基材フィルム、バリア層及び第2基材フィルム以外の層(その他の層)」を有していてもよい。
その他の層として、接着剤層が挙げられる。接着剤層は、例えば、、第1基材フィルムと第2基材フィルムとの間に位置して、第1基材フィルムと、バリア層と、第2基材フィルムとを一体化するために用いられる。
接着剤層は、汎用の接着剤組成物から形成することができる。接着剤層の厚みは3μm以上100μm以下であることが好ましく、3μm以上50μm以下であることがより好ましく、4μm以上8μm以下が更に好ましい。
また、その他の層として、貼り付き防止層が挙げられる。貼り付き防止層は、例えば、第2基材フィルムのバリア層とは反対側の最外層に位置することが好ましい。
貼り付き防止層は、フィラー及びバインダー樹脂を含むことが好ましい。
<条件1又は条件2>
本開示のバリアフィルムは、前記プライマー層の屈折率をn、前記プライマー層の厚みをt、前記第1基材フィルムの屈折率をnと定義した際に、
下記条件1又は下記条件2を満たす、ことを要する。
条件1:n<nであって、下記式1で示されるdが、x±0.10(但し、xは奇数の整数)の範囲を示す。
条件2:n>nであって、下記式1で示されるdが、x±0.10(但し、xは偶数の整数)の範囲を示す。
式1:d=n×t/112.5nm
まず、本発明者らが、式1のdを所定の範囲にするに至った背景を説明する。
本開示のバリアフィルム(100a、100b)は、例えば、図4に示すように、量子ドット含有層(80)の両側に配置され、波長変換シート(200)の構成部材として用いられる。そして、波長変換シートを含むバックライトにおいて、バックライトの一次光源から射出する光(一般的に、波長450nmを中心とする青色光)は、波長変換シート(200)の下側のバリアフィルム(100b)の第2基材フィルム(40)に入射する。
図4の波長変換シート(200)の下側のバリアフィルム(100b)の第2基材フィルム(40)に一次光源の光が入射した場合、光の大部分は、第2基材フィルム(40)、接着剤層(50)、バリア層(30)、及び第1基材フィルム(20)を透過して、量子ドット含有層(80)に到達する。
そして、量子ドット含有層(80)に到達した一次光源の光のうち量子ドットに衝突した光は、一次光源とは別の波長の光に変換され(以下、量子ドットに衝突して変換された光のことをL2と称する。)、上側のバリアフィルム(100a)のプライマー層(10)に入射する。L2は、例えば、緑色光及び赤色光が挙げられる。一方、量子ドット含有層(50)に到達した一次光源の光のうち量子ドットに衝突しなかった光は、一次光源の波長の光のまま上側のバリアフィルム(100a)の有機被覆層D(32)に入射する。以下、量子ドットに衝突せず変換されなかった光のことをL1と称する。L1は、例えば、青色光が挙げられる。
そして、上側のバリアフィルム(100a)に入射した光(L1及びL2)の大部分は、プライマー層(10)、第1基材フィルム(20)、バリア層(30)、接着剤層(50)、及び第2基材フィルム(40)を透過して、波長変換シート(200)よりも視認者側に配置される部材に向かう。波長変換シートよりも視認者側に配置される部材としては、プリズムシート等の輝度向上シートが挙げられる。
バリアフィルムを含む波長変換シートを適用した液晶表示装置の色味は、L1とL2とのバランスにより成立している。よって、波長変換シートを適用した液晶表示装置の色味が経時的に変化する理由は、L1とL2とのバランスが変化するためであると考えられる。
本発明者らは、L1とL2とのバランスが変化する原因について鋭意研究した。まず、L2の光量は、量子ドットの劣化に伴い、徐々に低下すると考えられる。しかし、バリアフィルム等の存在により量子ドットの劣化は抑制されているため、量子ドットの劣化のみでは色味の変化を説明することができない。また、一次光源が劣化した場合、L1だけではなくL2も相対的に減少するため、一次光源の劣化を原因とすることも考えにくい。
本発明者らは、さらに鋭意研究した結果、上側のバリアフィルム100aのL1の透過率の変化(≒上側のバリアフィルムから出射するL1の光量の変化)と、量子ドットの劣化によるL2の光量の変化の相乗作用により、バリアフィルムを含む波長変換シートを適用した液晶表示装置の色味が変化していることを見出した。
そして、本発明者らは、上側のバリアフィルム100aのL1の透過率(≒上側のバリアフィルム100aから出射するL1の光量)が経時的に変化する主たる原因が、湿度等によるプライマー層の厚み変化であることを見出した。
次に、屈折率及び式1のdを所定の範囲にする技術的意義を説明する。
図4の場合、L1は、上側のバリアフィルム100aを透過するまでに6つの界面を通過する。6つの界面は、量子ドット含有層とプライマー層との界面(界面1)、プライマー層と第1基材フィルムとの界面(界面2)、第1基材フィルムとバリア層との界面(界面3)、バリア層と接着剤層との界面(界面4)、接着剤層と第2基材フィルムとの界面(界面5)、第2基材フィルムと空気との界面(界面6)である。
量子ドット含有層の屈折率nは、通常はプライマー層の屈折率nよりも小さい。したがって、界面1の反射は、通常は固定端反射である。L1の透過率(%)は、概ね、「100(%)-反射率(%)」である。そして、L1の反射率は、界面1の反射と、他の界面の反射との干渉を考慮する必要がある。具体的には、界面1の反射が他の界面の反射との干渉によって減少する場合には、L1の透過率は高くなり、逆に、界面1の反射が他の界面の反射との干渉によって増加する場合には、L1の透過率は低くなる。
第1基材フィルムの厚みは、通常は光の波長よりも十分に厚く設計される。したがって、界面3~6の反射は、いわゆる薄膜干渉として無視できる反射となる。よって、界面1の反射の干渉に関して、界面2の反射のみを考慮すればよい。
条件1の前提条件であるn<nの場合、界面2の反射は固定端反射である。また、上述したように、界面1の反射は、通常は固定端反射である。よって、条件1では、界面1及び界面2の反射が何れも固定端反射である。この場合、波長λの光に関しては、下記式x-1の関係を満たす際に、界面2の反射が界面1の反射を弱め、反射率が減少する。そして、反射率が減少することは、透過率が増加することを意味する。よって、条件1における界面反射の場合、量子ドット含有層から出射する波長λの光は、下記式x-1の関係を満たす際に、透過率が最も高くなる。
2×n×t=λ/2 (式x-1)
式x-1は、下記式x-2に変形できる。
×t=λ/4 (式x-2)
式x-2より、条件1における界面反射の場合、「n×t」=「λ/4」を満たす際に、波長λの透過率が最も高くなるといえる。また、分光透過率には周期性があるため、条件1においては、「n×t」が「λ/4」の奇数倍の時にも、波長λの透過率が最も高くなるといえる。そして、「n×t」が「λ/4」の何倍となるかは、式x-2の左辺を右辺で割ることにより算出できる。
量子ドットを用いたバックライトの一次光の中心波長は概ね450nmである。λを450nmとすると、式x-2の「λ/4」は「112.5nm」である。
すなわち、本開示の式1は、「n×t」が、「112.5nm(λ/4)」の何倍であるかを表した式である。
そして、条件1における界面反射の場合、式1のdが2x+1(xは0以上の整数)の場合、波長450nmの光の透過率が最も高くなり、式1のdが2x(xは1以上の整数)の場合、波長450nmの光の透過率が最も低くなる。言い換えると、条件1における界面反射の場合、式1のdが奇数の場合、波長450nmの光の透過率がピークを示し、式1のdが偶数の場合、波長450nmの光の透過率がボトムを示す。波長450nmの光は、上述したL1とみなすことができる。
一方、条件2の前提条件であるn>nの場合、界面2の反射は自由端反射である。また、上述したように、界面1の反射は、通常は固定端反射である。よって、条件2では、界面1の反射が固定端反射で、界面2の反射が自由端反射である。条件2における界面反射の場合、条件1における界面反射とピークとボトムとが逆転すると考えればよい。
具体的には、条件2における界面反射の場合、式1のdが2x(xは1以上の整数)の場合、波長450nmの光の透過率が最も高くなり、式1のdが2x+1(xは0以上の整数)の場合、波長450nmの光の透過率が最も低くなる。言い換えると、条件2における界面反射の場合、式1のdが偶数の場合、波長450nmの光の透過率がピークを示し、式1のdが奇数の場合、波長450nmの光の透過率がボトムを示す。
以上のことから、条件1における界面反射の場合(界面1及び界面2の反射が何れも固定端反射の場合)、式1のdが奇数の場合に、波長450nmの光の透過率がピークを示すといえる。
一方、条件2における界面反射の場合(界面1の反射が固定端反射で、界面2の反射が自由端反射の場合)、式1のdが偶数の場合に、波長450nmの光の透過率がピークを示すといえる。
本開示の条件1では、式1のdの値が、x±0.10(但し、xは奇数の整数)であることを要する。また、本開示の条件2では、式1のdの値が、x±0.10(但し、xは偶数の整数)であることを要する。
すなわち、本開示のバリアフィルムは、条件1では、dの値が奇数の整数の近傍であることを示し、条件2では、dの値が偶数の整数の近傍であることを示している。言い換えると、条件1又は条件2を満たす本開示のバリアフィルムは、バリアフィルムを透過した光の分光透過スペクトルの波形が、450nm近傍にピークを有するものであることを示している。
以上のように、バリアフィルムの分光透過スペクトルの波形が450nm近傍にピークを有することにより、高湿環境下に晒された際の色味の変化の抑制を抑制することができる。かかる効果を生じる理由は以下のように考えられる。
まず、バリアフィルムが高湿環境下に晒されると、バリアフィルムのプライマー層が膨潤する。そして、プライマー層が膨潤すると、プライマー層の厚みが増すため、バリアフィルムの分光透過率の波形がシフト(主として長波長側にシフト)する。そして、バリアフィルムの分光透過率は、ピーク及びボトム近傍では変化が小さいものの、ピーク及びボトムを外れた領域では変化が大きくなる傾向がある。また、ピーク及びボトム近傍は何れも分光透過率の変化が小さいものの、分光透過率の変化率で比較すると、ピーク近傍の方がボトム近傍よりも変化率は小さい。よって、バリアフィルムの波長450nmの透過率をピーク近傍とすることによりプライマー層が膨潤して分光透過スペクトルの波形がシフトした際の、450nmの透過率の変化を抑制することができると考えられる。量子ドットを用いたバックライトの一次光の中心波長は概ね450nmであるから、バリアフィルムの450nmの透過率の変化を抑制することは、量子ドット含有層(80)に到達した一次光源の光のうち量子ドットに衝突しなかった光(L1)の透過率の変化を抑制し、量子ドットを用いたバックライトの色味の変化を抑制できることになると考えられる。
なお、L2(緑及び赤)の波長領域は、L1(青)に比べて分光透過スペクトルの波形の周期が長くなるため、プライマー層の膨潤による影響は受けにくい。
図7~8は、実施例1~2のバリアフィルムの分光透過率を示す図であり、図9~11は、比較例1~3のバリアフィルムの分光透過率を示す図である。実施例1~2のバリアフィルムは条件1を満たすが、比較例1~3のバリアフィルムは条件1及び2を何れも満たさない。図7~11より、条件1又は2を満たすことにより、バリアフィルムの分光透過率が波長450nmの近傍でピークを示す一方で、条件1及び2を満たさない場合には、バリアフィルムの分光透過率が波長450nmの近傍でピークを示さないことが分かる。
以上のことから、本開示のバリアフィルムは、条件1又は条件2を満たすことによって、高湿環境下による色味の変化を抑制することができる。
また、バリア層が酸化ケイ素を含む無機酸化物層を有する場合、バリアフィルムのL表色系のb値が増加する傾向がある。b値が高いフィルム(黄色味を感じるフィルム)は、画像表示装置の視認性の観点から敬遠される。上述したように、条件1及び条件2を満たす本開示のバリアフィルムは、バリアフィルムの分光透過率が450nm近傍でピークを示す。すなわち、条件1及び条件2を満たすバリアフィルムは、黄色の補色である青色の透過率が高い。よって、条件1及び条件2を満たす本開示のバリアフィルムは、バリア層が酸化ケイ素を含む無機酸化物層を有する場合において、酸化ケイ素の黄色味を抑制することもできる。
<好適な実施形態1>
本開示のバリアフィルムは、条件1においては、上記式1で示されるdが、x±0.07(但し、xは奇数の整数)の範囲を示すことが好ましく、x±0.05(但し、xは奇数の整数)の範囲を示すことがより好ましく、x±0.03(但し、xは奇数の整数)の範囲を示すことがより好ましく、x±0.01(但し、xは奇数の整数)の範囲を示すことがより好ましい。
また、条件2においては、上記式1で示されるdが、x±0.07(但し、xは偶数の整数)の範囲を示すことが好ましく、x±0.05(但し、xは偶数の整数)の範囲を示すことがより好ましく、x±0.03(但し、xは偶数の整数)の範囲を示すことがより好ましく、x±0.01(但し、xは偶数の整数)の範囲を示すことがより好ましい。
<好適な実施形態2>
本開示のバリアフィルムは、条件1では、上記式1で示されるdが、x±0.10(但し、xは奇数の整数)の範囲を示し、条件2では、上記式1で示されるdが、x±0.10(但し、xは偶数の整数)の範囲を示すことを要する。
条件1及び条件2において、dが小さすぎることはプライマー層の厚みが薄すぎることを意味し、dが大きすぎることはプライマー層の厚みが厚すぎることを意味する。プライマー層の厚みが薄すぎると、プライマー層と量子ドット含有層との密着性が低下したり、量子ドット含有層の応力を十分に緩和できなくなったりする場合がある。また、プライマー層の厚みが厚すぎると、プライマー層の厚みにムラが生じやすくなり、プライマー層の面内に物理特性のバラツキが生じやすくなる。
また、条件1及び条件2において、dの値が大きすぎると、分光透過率の波形の周期が短くなり、色味の変化を抑制しにくくなる。
このため、条件1においては、上記式1で示されるdが、x±0.10(但し、xは3以上9以下の奇数の整数)の範囲を示すことが好ましく、x±0.10(但し、xは3以上5以下の奇数の整数)の範囲を示すことがより好ましい。
また、条件2においては、上記式1で示されるdが、x±0.10(但し、xは2以上8以下の偶数の整数)の範囲を示すことが好ましく、x±0.10(但し、xは2以上4以下の偶数の整数)の範囲を示すことがより好ましい。
上記の好適な実施形態2において、「x±0.10」の部分は、x±0.07であることが好ましく、x±0.05であることがより好ましく、x±0.03であることがより好ましく、x±0.01であることがより好ましい。
<好適な実施形態3>
また、本開示のバリアフィルムは、条件1においては、上記式1で示されるdが、x以上x+0.10以下(但し、xは奇数の整数)の範囲を示すことが好ましく、x以上x+0.10以下(但し、xは3以上9以下の奇数の整数)の範囲を示すことがより好ましく、x以上x+0.10以下(但し、xは3以上5以下の奇数の整数)の範囲を示すことがさらに好ましい。
また、条件2においては、上記式1で示されるdが、x以上x+0.10以下(但し、xは偶数の整数)の範囲を示すことが好ましく、x以上x+0.10以下(但し、xは2以上8以下の奇数の整数)の範囲を示すことがより好ましく、x以上x+0.10以下(但し、xは2以上4以下の奇数の整数)の範囲を示すことがさらに好ましい。
上記の好適な実施形態3において、「x+0.10」の部分は、x+0.07であることが好ましく、x+0.05であることがより好ましく、x+0.03であることがより好ましく、x+0.01であることがより好ましい。
好適な実施形態3は、バリアフィルムの分光透過スペクトルの波形が450nm近傍にピークを有するといえる。また、好適な実施形態3では、式1で示されるdが、奇数丁度又は偶数丁度よりプラス側の値を示している。よって。好適な実施形態3を満たすバリアフィルムは、プライマー層が膨潤してバリアフィルムの分光透過率の波形が長波長側にシフトした際に、波長450nmの透過率は低下することになる。すなわち、好適な実施形態3では、プライマー層が膨潤すると、L1の透過率が減少する。
一方、量子ドットで変換される光(L2)は、量子ドットの劣化により徐々に光量が低下する。
よって、好適な実施形態3では、量子ドットの劣化によってL2の光量が低下し、かつ、L1の透過率も減少するため、L1及びL2のバランスが崩れにくくなり、色味の変化をより抑制できる点で好ましい。
<物性>
《水蒸気透過度》
バリアフィルムは、JIS K7129-2:2019による水蒸気透過度の値が、0.20g/m・day以下であることが好ましく、0.15g/m・day以下であることがより好ましい。水蒸気透過度を測定する際の条件は、温度40℃、相対湿度90%とする。
水蒸気透過度は、例えば、MOCON社製の水蒸気透過度測定装置(商品名:PERMATRAN)にて測定できる。
《酸素透過度》
バリアフィルムは、JIS K7126-2:2006による酸素透過度の値が、0.5cc/m・day・atm以下であることが好ましい。酸素透過度を測定する際の条件は、温度23℃、相対湿度90%とする。
酸素透過度は、例えば、MOCON社製の酸素透過度測定装置(商品名:OX-TRAN)にて測定できる(モコン法)。
《b*値》
バリアフィルムは、L表色系のb値が1.0以下であることが好ましく、-2.5以上1.0以下であることがより好ましく、-2.0以上0.8以下であることがさらに好ましい。
表色系は、1976年に国際照明委員会(CIE)により規格化されたL表色系に基づくものであり、JIS Z8781-4:2013において採用されている。
《全光線透過率》
バリアフィルムは、JIS K7361-1:1997の全光線透過率が80%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましく、87%以上であることがさらに好ましい。
<製造方法>
本開示のバリアフィルムの製造方法は特に制限されない。下記の工程1~3は、本開示のバリアフィルムの製造方法の一実施形態である。
工程1:第1基材フィルム及び第2基材フィルムの少なくとも何れかにバリア層を形成する工程。
工程2:第1基材フィルムにプライマー層を形成する工程。(但し、工程1で、第1基材フィルム上にバリア層を形成した場合、第1基材フィルムのバリア層とは反対側にプライマー層を形成する。)
工程3:第1基材フィルムのプライマー層を有する側とは反対側と、第2基材フィルムとを接着剤層を介して積層する工程。(但し、工程1で、第2基材フィルム上にバリア層を形成した場合、第2基材フィルムを基準としてバリア層が第1基材フィルム側となるようにして、積層する。)
<用途>
本開示の波長変換シート用のバリアフィルムは、例えば、面光源の波長変換シート用のバリアフィルムに用いることができる。面光源としては、液晶表示装置のバックライト光源、検査機器のバックライト光源等が挙げられる。すなわち、本開示の波長変換シート用のバリアフィルムは、「液晶表示装置のバックライト光源の波長変換シート用のバリアフィルム」、「検査機器のバックライト光源の波長変換シート用のバリアフィルム」等に用いることができる。
さらに、本開示の波長変換シート用のバリアフィルムは、「園芸の波長変換シート用のバリアフィルム」にも用いることができる。園芸の波長変換シートとしては、例えば、紫外線を植物の成長に適した波長に変換する機能を備えたシートが挙げられる。植物の成長に適した波長としては、光合成に適した波長が挙げられる。園芸の波長変換シートは、例えば、ビニールハウス及びガラス室の園芸施設の天井等に設置することができる。
[波長変換シート]
本開示の波長変換シートは、第1バリアフィルムと、量子ドットを含む量子ドット含有層と、第2バリアフィルムとがこの順に積層されてなる波長変換シートであって、
前記第1バリアフィルム及び前記第2バリアフィルムが上述した本開示の波長変換シート用のバリアフィルムであり、
前記第1バリアフィルム及び前記第2バリアフィルムの前記プライマー層側の面が、前記量子ドット含有層側を向くように積層されてなり、
前記第1バリアフィルム及び前記第2バリアフィルムの前記量子ドット含有層と接する層が前記プライマー層であり、前記量子ドット含有層の屈折率をnと定義した際に、n<nである、ものである。
図4は、本開示の波長変換シート(200)の実施形態を示す断面図である。図4の波長変換シート(200)は、第1バリアフィルム(100b)と、量子ドットを含む量子ドット含有層(80)と、第2バリアフィルム(100a)とがこの順に積層されている。また、図4の波長変換シート(200)は、第1バリアフィルム及び第2バリアフィルムのプライマー層(10)側の面が、量子ドット含有層(80)側を向くように積層されている。
波長変換シートは、図4のように、量子ドット含有層を中心として、上下対称の層構成を有することが好ましい。言い換えると、量子ドット含有層の両側に積層されてなるバリアフィルムは、同一構成のバリアフィルムを用いることが好ましい。前述の構成を有することにより、歪みが均等に分散され、波長変換シートの平面性を良好にしやすくできるとともに、波長変換シートの各界面の密着性を良好にしやすくできる。
本開示の波長変換シートは、量子ドット含有層の屈折率nと、プライマー層の屈折率nとの関係がn<nである。前記の屈折率の関係とすることにより、量子ドット含有層からプライマー層に向かう光の反射が固定端反射となり、条件1又は条件2を満たすことによる効果を発揮することができる。
<量子ドット含有層>
量子ドット含有層は、量子ドット及びバインダー樹脂を含む。
量子ドット(Quantum dot)は、半導体のナノメートルサイズの微粒子で、電子や励起子がナノメートルサイズの小さな結晶内に閉じ込められる量子閉じ込め効果(量子サイズ効果)により、特異的な光学的、電気的性質を示し、半導体ナノ粒子とか、半導体ナノ結晶とも呼ばれるものである。
量子ドットは、半導体のナノメートルサイズの微粒子であり、量子閉じ込め効果(量子サイズ効果)を生じる材料であれば特に限定されない。量子ドットとしては、自らの粒径によって発光色が規制される半導体微粒子及びドーパントを有する半導体微粒子が挙げられる。
量子ドットは、その粒径により発光色を異にするものであり、例えば、CdSeからなるコアのみから構成される量子ドットの場合、粒径が2.3nm、3.0nm、3.8nm、4.6nmの時の蛍光スペクトルのピーク波長は、528nm、570nm、592nm、637nmである。つまり、ピーク波長637nmの二次光を放出する量子ドットの粒径は4.6nmであり、ピーク波長528nmの二次光を放出する量子ドットの粒径は2.3nmである。
量子ドットは、赤に相当する波長の二次光を放出する量子ドット、及び緑に相当する波長の二次光を放出する量子ドットを含むことが好ましい。なお、量子ドットは、赤に相当する波長の二次光を放出する量子ドット、及び緑に相当する波長の二次光を放出する量子ドット以外の量子ドットを含有してもよい。
量子ドットの含有量は、量子ドット含有層の厚み、バックライトにおける光のリサイクル率、目的とする色味等に応じて適宜調整する。量子ドット含有層の厚みが後述する範囲であれば、量子ドットの含有量は、量子ドット含有層のバインダー樹脂100質量部に対して0.010質量部以上1.0質量部以下であることが好ましい。
量子ドットのコアとなる材料として具体的には、MgS、MgSe、MgTe、CaS、CaSe、CaTe、SrS、SrSe、SrTe、BaS、BaSe、BaTe、ZnS、ZnSe、ZnTe、CdS、CdSe、CdTe、HgS、HgSe及びHgTeのようなII-VI族半導体化合物、AlN、AlP、AlAs、AlSb、GaAs、GaP、GaN、GaSb、InN、InAs、InP、InSb、TiN、TiP、TiAs及びTiSbのようなIII-V族半導体化合物、Si、Ge及びPbのようなIV族半導体、等の半導体化合物又は半導体を含有する半導体結晶を例示できる。また、InGaPのような3元素以上を含んだ半導体化合物を含む半導体結晶を用いることもできる。
さらに、ドーパントを有する半導体微粒子からなる量子ドットとしては、上記半導体化合物に、Eu3+、Tb3+、Ag、Cuのような希土類金属のカチオン又は遷移金属のカチオンをドープしてなる半導体結晶を用いることもできる。
量子ドットのコアとなる材料としては、作製の容易性、可視域での発光を得られる粒径の制御性、蛍光量子収率の観点から、CdS、CdSe、CdTe、InP、InGaP等の半導体結晶が好適である。
量子ドットは、1種の半導体化合物からなるものであっても、2種以上の半導体化合物からなるものであってもよく、例えば、半導体化合物からなるコアと、前記コアと異なる半導体化合物からなるシェルとを有するコアシェル型構造を有していてもよい。
コアシェル型の量子ドットを用いる場合にシェルを構成する半導体としては、励起子がコアに閉じ込められるように、コアを形成する半導体化合物よりもバンドギャップの高い材料を用いることで、量子ドットの発光効率を高めることができる。
このようなバンドギャップの大小関係を有するコアシェル構造(コア/シェル)としては、例えば、CdSe/ZnS、CdSe/ZnSe、CdSe/CdS、CdTe/CdS、InP/ZnS、Gap/ZnS、Si/ZnS、InN/GaN、InP/CdSSe、InP/ZnSeTe、InGaP/ZnSe、InGaP/ZnS、Si/AlP、InP/ZnSTe、InGaP/ZnSTe、InGaP/ZnSSe等が挙げられる。
量子ドットのサイズは、所望の波長の光が得られるように、量子ドットを構成する材料によって適宜制御すればよい。量子ドットは粒径が小さくなるに従い、エネルギーバンドギャップが大きくなる。すなわち、結晶サイズが小さくなるにつれて、量子ドットの発光は青色側へ、つまり、高エネルギー側へとシフトする。そのため、量子ドットのサイズを変化させることにより、紫外領域、可視領域、赤外領域のスペクトルの波長全域にわたって、その発光波長を調節することができる。
一般的には、量子ドットの粒径(直径)は0.5nm以上20nm以下の範囲であることが好ましく、1nm以上10nm以下の範囲であることが好ましい。なお、量子ドットのサイズ分布が狭いほど、より鮮明な発光色を得ることができる。
量子ドットの形状は特に限定されず、例えば、球状、棒状、円盤状、その他の形状であってもよい。量子ドットの粒径は、粒子ドットが球状でない場合、同体積を有する真球状の値とすることができる。
量子ドットは、樹脂で被覆されているものであってもよい。
量子ドット含有層のバインダー樹脂としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂組成物の硬化物、電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物が挙げられる。これらの中でも、耐久性の観点から、熱硬化性樹脂組成物の硬化物、電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物が好ましく、電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物がより好ましい。
熱硬化性樹脂組成物は、少なくとも熱硬化性樹脂を含む組成物であり、加熱により、硬化する樹脂組成物である。熱硬化性樹脂組成物は、熱硬化性樹脂の他に、後述するチオール化合物を含むことが好ましく、多官能チオール化合物を含むことがより好ましい。
熱硬化性樹脂としては、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、尿素メラミン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。熱硬化性樹脂組成物には、これら硬化性樹脂に、必要に応じて硬化剤が添加される。
電離放射線硬化性樹脂組成物は、電離放射線硬化性官能基を有する化合物(以下、「電離放射線硬化性化合物」ともいう)を含む組成物である。電離放射線硬化性樹脂組成物は、電離放射線硬化性化合物の他に、後述するチオール化合物を含むことが好ましく、多官能チオール化合物を含むことがより好ましい。
電離放射線硬化性官能基としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基等のエチレン性不飽和結合基、及びエポキシ基、オキセタニル基等が挙げられ、その中でもエチレン性不飽和結合基が好ましい。また、エチレン性不飽和結合基の中でも(メタ)アクリレート基が好ましい。以下、(メタ)アクリロイル基を有する電離放射線硬化性化合物を(メタ)アクリレート系化合物と称する。すなわち、バインダー樹脂は、(メタ)アクリレート系化合物を含む組成物の硬化物を含むことが好ましい。
なお、本明細書において「(メタ)アクリレート」は、メタクリレート及びアクリレートを指すものである。また、本明細書において、「電離放射線」は、電磁波又は荷電粒子線のうち、分子を重合あるいは架橋し得るエネルギー量子を有するものを意味し、通常、紫外線(UV)又は電子線(EB)が用いられるが、その他、X線、γ線などの電磁波、α線、イオン線などの荷電粒子線も使用可能である。
電離放射線硬化性化合物は、上記官能基を1つのみ有する単官能の電離放射線硬化性化合物であってもよく、上記官能基を2つ以上有する多官能の電離放射線硬化性化合物であってもよく、これらの混合物であってもよい。これらの中でも、多官能の電離放射線硬化性化合物が好ましく、2つ以上の(メタ)アクリロイル基を有してなる多官能の(メタ)アクリレート系化合物がより好ましい。すなわち、バインダー樹脂は、多官能の電離放射線硬化性化合物の硬化物を含むことが好ましく、多官能(メタ)アクリレート系化合物の硬化物を含むことがより好ましい。さらには、バインダー樹脂は、多官能の電離放射線硬化性化合物及びチオール化合物を含む組成物の硬化物を含むことが好ましく、多官能(メタ)アクリレート系化合物及びチオール化合物を含む組成物の硬化物を含むことがより好ましい。
多官能(メタ)アクリレート系化合物は、アルキレンオキシ基を有するものであってもよい。
アルキレンオキシ基としては、例えば、炭素数が2以上4以下のアルキレンオキシ基が好ましく、炭素数が2又は3のアルキレンオキシ基がより好ましく、炭素数が2のアルキレンオキシ基がさらに好ましい。
アルキレンオキシ基を有する多官能(メタ)アクリレート系化合物は、複数個のアルキレンオキシ基を含むポリアルキレンオキシ基を有する多官能(メタ)アクリレート系化合物であってもよい。
多官能(メタ)アクリレート系化合物がアルキレンオキシ基を有する場合、一分子中のアルキレンオキシ基の数は、2個以上30個以下であることが好ましく、2個以上20個以下であることがより好ましく、3個以上10個以下であることがさらに好ましく、3個以上5個以下であることがよりさらに好ましい。
多官能(メタ)アクリレート系化合物がアルキレンオキシ基を有する場合、ビスフェノール構造を有することが好ましい。これにより、硬化物の耐熱性が向上する傾向にある。ビスフェノール構造としては、例えば、ビスフェノールA構造及びビスフェノールF構造が挙げられ、中でも、ビスフェノールA構造が好ましい。
アルキレンオキシ基を有する多官能(メタ)アクリレート化合物としては、中でも、エトキシ化ビスフェノールA型ジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ビスフェノールA型ジ(メタ)アクリレート及びプロポキシ化エトキシ化ビスフェノールA型ジ(メタ)アクリレートが好ましく、エトキシ化ビスフェノールA型ジ(メタ)アクリレートがより好ましい。
また、電離放射線硬化性化合物は、モノマーであってもよく、オリゴマーであってもよく、低分子量のポリマーであってもよく、これらの混合物であってもよい。
上述したように、熱硬化性樹脂組成物及び電離放射線硬化性樹脂組成物は、好ましくはチオール化合物を含む。
チオール化合物は、R-SHで表される単位(Rは有機基)を一つ以上有する化合物である。本明細書において、R-SHで表される単位を一つ有する化合物を単官能チオール化合物、R-SHで表される単位を二つ以上有する化合物を多官能チオール化合物と称する。
チオール化合物は、単官能チオール化合物でもよいが、量子ドット含有層の強度を良好にする観点から、多官能チオール化合物が好ましい。また、多官能チオール化合物の中でも、3官能チオール化合物又は4官能チオール化合物がより好ましい。
チオール化合物は、ラジカル重合開始剤の存在下で、ラジカル重合性官能基を有する化合物と下記式の反応(チオール-エン反応)を起こす。チオール-エン反応は重合収縮を抑制できるため、量子ドット含有層の硬化時に生じる応力を緩和し、その結果、波長変換シートの層間密着性をより向上しやすい点で好ましい。また、チオール-エン反応により得られた硬化物は、耐熱性を良好にしやすい点で好ましい。さらに、チオール化合物の屈折率(約1.53)は、多官能(メタ)アクリレート系化合物の屈折率(約1.45)よりも高いため、量子ドット含有層の屈折率の調整の自由度を高めることができる。
なお、下記の反応は単官能チオール化合物と、一つのラジカル重合性官能基を有する化合物との反応例である。多官能チオール化合物と、二以上のラジカル重合性官能基を有する化合物との反応物はデンドリマー構造を形成しやすいと考えられる。そして、デンドリマー構造を形成した場合、量子ドット含有層の柔軟性が増し、量子ドット含有層自体が優れた応力緩和性を発揮しやすくなると考えられる。ラジカル重合性官能基としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基等のエチレン性不飽和結合含有基が挙げられる。
Figure 0007025585000002

[式中、R及びRは有機基である。]
単官能チオール化合物の具体例としては、ヘキサンチオール、1-ヘプタンチオール、1-オクタンチオール、1-ノナンチオール、1-デカンチオール、3-メルカプトプロピオン酸、メルカプトプロピオン酸メチル、メルカプトプロピオン酸メトキシブチル、メルカプトプロピオン酸オクチル、メルカプトプロピオン酸トリデシル、2-エチルヘキシル-3-メルカプトプロピオネート、n-オクチル-3-メルカプトプロピオネート等が挙げられる。
多官能チオール化合物の具体例としては、エチレングリコールビス(3-メルカプトプロピオネート)、ジエチレングリコールビス(3-メルカプトプロピオネート)、テトラエチレングリコールビス(3-メルカプトプロピオネート)、1,2-プロピレングリコールビス(3-メルカプトプロピオネート)、ジエチレングリコールビス(3-メルカプトブチレート)、1,4-ブタンジオールビス(3-メルカプトプロピオネート)、1,4-ブタンジオールビス(3-メルカプトブチレート)、1,8-オクタンジオールビス(3-メルカプトプロピオネート)、1,8-オクタンジオールビス(3-メルカプトブチレート)、ヘキサンジオールビスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトブチレート)、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトイソブチレート)、トリメチロールプロパントリス(2-メルカプトイソブチレート)、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、トリス-[(3-メルカプトプロピオニルオキシ)-エチル]-イソシアヌレート、トリメチロールエタントリス(3-メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトイソブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(2-メルカプトイソブチレート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3-メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(2-メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3-メルカプトブチレート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3-メルカプトイソブチレート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(2-メルカプトイソブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、ジペンタエリスリトールヘキサキスチオグリコレート等が挙げられる。
電離放射線硬化性樹脂組成物(又は熱硬化性樹脂樹脂組成物)中において、電離放射線硬化性化合物(又は熱硬化性樹脂)と、チオール化合物との質量比は、80:20~35:65であることが好ましく、70:30~40:60であることがより好ましい。
電離放射線硬化性化合物が紫外線硬化性化合物である場合には、電離放射線硬化性組成物は、光重合開始剤や光重合促進剤等の添加剤を含むことが好ましい。
量子ドット含有層中には、内部拡散粒子を含んでいてもよい。
内部拡散粒子は、有機粒子及び無機粒子の何れも用いることができる。有機粒子としては、ポリメチルメタクリレート、アクリル-スチレン共重合体、メラミン樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ベンゾグアナミン-メラミン-ホルムアルデヒド縮合物、シリコーン樹脂、フッ素系樹脂及びポリエステル等からなる粒子が挙げられる。無機微粒子としては、シリカ、アルミナ、ジルコニア及びチタニア等からなる微粒子が挙げられる。
内部拡散粒子の形状は、球形、円盤状、ラグビーボール状、不定形等の形状が挙げられる。また、内部拡散粒子は、中空粒子、多孔質粒子及び中実粒子の何れであってもよい。
内部拡散粒子の含有量は、バインダー樹脂100質量部に対して、1質量部以上40質量部以下であることが好ましく、3質量部以上30質量部以下であることがより好ましい。
内部拡散粒子の平均粒子径は、1μm以上7μm以下であることが好ましく、1μm以上3μm以下であることがより好ましい。
量子ドット含有層の厚みは、10μm以上200μm以下であることが好ましく、20μm以上150μm以下であることがより好ましく、30μm以上130μm以下であることがさらに好ましい。
量子ドット含有層の屈折率nは、n<nの関係を満たす限り制限されないが、下記の範囲であることが好ましい。
は、1.40以上であることが好ましく、1.43以上であることがより好ましく、1.46以上であることがさらに好ましい。また、nは、1.55以下であることが好ましく、1.52以下であることがより好ましく、1.50以下であることがさらに好ましい。
量子ドット含有層の屈折率nは、概ねバインダー樹脂の屈折率に支配される。量子ドット含有層は、量子ドットの含有量は少なく、また、内部拡散剤が入っていたとしても、内部拡散剤は粒子径が光の波長よりも大きく、層の屈折率には影響しないためである。
[バックライト]
本開示のバックライトは、一次光を放出する少なくとも1つの光源と、前記光源に隣接して配置され、導光又は拡散のための光学板と、前記光学板の光出射側に配置された波長変換シートとを備えたバックライトにおいて、前記波長変換シートが上述した本開示の波長変換シートである、ものである。
本開示のバックライト300としては、一例として、図5に示すようなエッジライト型のバックライト301、あるいは、図6に示すような直下型のバックライト302が挙げられる。
図5のエッジライト型のバックライト301に用いられる光学板220は、光源210で放出された一次光を導光するための光学部材であり、いわゆる導光板221である。導光板221は、例えば、少なくとも一つの面を光入射面とし、これと略直交する一方の面を光出射面とするように成形された略平板状の形状からなる。
導光板は、主としてポリメチルメタクリレート等の高透明な樹脂から選ばれるマトリックス樹脂からなる。導光板は、必要に応じてマトリックス樹脂と屈折率の異なる樹脂粒子が添加されていてもよい。導光板の各面は、一様な平面ではなく複雑な表面形状をしているものであってもよく、ドットパターン等が設けられていてもよい。
図6の直下型のバックライト302に用いられる光学板220は、光源210のパターンを見えにくくするための光拡散性を有する光学部材(光拡散板222)である。光拡散板222としては、例えば、厚み1mm以上3mm以下の乳白色の樹脂板が挙げられる。
エッジライト型及び直下型のバックライトには、上述した光源、光学板及びバリアフィルムの他に、目的に応じて、反射板、光拡散フィルム、プリズムシート、輝度上昇フィルム(BEF)及び反射型偏光フィルム(DBEF)等から選ばれる一種以上の部材を備えていてもよい。
反射板は、光学板の光出射面側と反対側に配置される。光拡散フィルム、プリズムシート、輝度上昇フィルム及び反射型偏光フィルムは、光学板の光出射面側に配置される。反射板、光拡散フィルム、プリズムシート、輝度上昇フィルム及び反射型偏光フィルム等から選ばれる一種以上の部材を備える構成とすることで、正面輝度、視野角等のバランスに優れたバックライトとすることができる。
エッジライト型及び直下型のバックライトにおいて、光源210は、一次光を放出する発光体であり、青に相当する波長の一次光を放出する発光体を用いることが好ましい。青に相当する波長の一次光は、ピーク波長が380nm以上480nm以下の範囲であることが好ましい。ピーク波長は450nm±7nmであることがより好ましく、450nm±5nmであることがより好ましく、450nm±3nmであることがより好ましく、450nm±1nmであることがより好ましい。
光源210としては、バックライトを設置する装置が単純化及び小型化できるという観点から、LED光源であることが好ましく、青色単色のLED光源であることがより好ましい。光源210は、少なくとも1つであり、十分な一次光を放出するという観点から、複数個であることが好ましい。
波長変換シートを含むバックライトは、国際照明委員会(CIE)のYxy表色系に関して、下記の高温高湿試験前後のx値の差(Δx)及びy値の差(Δy)が、何れも0.020以下であることが好ましく、何れも0.010以下であることがより好ましい。Δx及びΔyを0.020以下とすることにより、色味の変化を抑制することができる。
高温高湿試験:温度60℃、相対湿度90%の雰囲気に1000時間晒す試験
なお、高温高湿試験後のx値及びy値は、高温高湿試験の環境から測定用サンプルを取り出した後、速やかに、温度23℃±5℃、相対湿度40%以上65%以下の雰囲気で測定するものとする。
[液晶表示装置]
本開示の液晶表示装置は、バックライト及び液晶パネルを備えた液晶表示装置であって、前記バックライトが上述した本開示のバックライトであるものである。
液晶パネルは、特に限定されず、液晶表示装置の液晶パネルとして汎用のものを用いることができる。例えば、液晶層の上下をガラス板で挟んだ一般的な構造を有する液晶パネル、具体的には、TN、STN、VA、IPS及びOCB等の表示方式のものを用いることができる。
液晶表示装置は、さらに、偏光板及びカラーフィルタ等を備える。偏光板及びカラーフィルタは汎用のものを用いることができる。
液晶表示装置の表示画像は、バックライトから照射された白色光がカラーフィルタを透過することでカラー表示される。液晶表示装置は、量子ドットによるバックライトのスペクトルと適合するカラーフィルタを用いることで、明るさと効率に優れ、非常に鮮明な色を生成するディスプレイを実現することができる。
次に、本開示を実施例により更に詳細に説明するが、本開示はこれらの例によってなんら限定されるものではない。なお、「部」及び「%」は特に断りのない限り質量基準とする。
1.測定及び評価
実施例及び比較例のバリアフィルム又は波長変換シートに関して、下記の測定及び評価を行った。結果を表1及び表2に示す。
1-1.水蒸気透過度
実施例及び比較例のバリアフィルムに関して、JIS K7129-2:2019による水蒸気透過度の値を測定した。測定装置は、MOCON社製の商品名「PERMATRAN」を用いた。水蒸気透過度を測定する際の温度及び相対湿度の条件は、40℃、90%とした。また、水蒸気透過度の測定前に、測定用のサンプルを温度23℃±5℃、相対湿度40%以上65%以下の雰囲気に30分以上晒した。このようにして測定された水蒸気透過度は、初期段階の水蒸気透過度を意味する。水蒸気透過度が0.20g/m・day以下であるものが合格レベルである。
1-2.全光線透過率
実施例及び比較例のバリアフィルムに関して、全光線透過率を測定した。測定装置は、ヘイズメーター(HM-150、村上色彩技術研究所製)を用いた。全光線透過率が85%以上のものが合格レベルである。
なお、全光線透過率は、温度23℃±5℃、相対湿度40%以上65%以下の雰囲気で測定した。また、測定前にサンプルを前記雰囲気に30分以上晒した。このようにして測定された全光線透過率は、初期段階の全光線透過率を意味する。
1-3.b
実施例及び比較例のバリアフィルムに関して、L表色系のb値を測定した。測定装置は日本分光社製の分光光度計(商品名:V670)を用いた。b値が1.0以下のものが合格レベルである。
なお、b値は、温度23℃±5℃、相対湿度40%以上65%以下の雰囲気で測定した。また、測定前にサンプルを前記雰囲気に30分以上晒した。このようにして測定されたb値は、初期段階のb値を意味する。
1-4.Δx、Δy
<測定用の直下型バックライトの準備>
直下型バックライトを備える市販の液晶テレビ(VIZIO社製、PQ65-F1)を分解し、直下型バックライトを取り出した。前記直下型バックライトには、光源として発光中心波長が450nm、半値全幅が20nmの直下型の青色LEDが搭載されている。また、前記光源の光出射側には、光拡散板、量子ドット含有層を含む波長変換シート、プリズムシート及び反射偏光板(輝度向上フィルム、スリーエム社製、DBEF(登録商標))が、この順に配置されている。また、光源の光出射側と反対側には、反射シートが備えられている。
前記直下型バックライト中の波長変換シートを、実施例及び比較例の波長変換シートに変更し、「初期段階のx値及びy値測定用の直下型バックライト」を得た。なお、実施例及び比較例の波長変換シートは、直下型バックライトに組み込む前に、温度23℃±5℃、相対湿度40%以上65%以下の雰囲気に30分以上晒した。
また、前記直下型バックライト中の波長変換シートを、高温高湿試験(温度60℃、相対湿度90%の雰囲気に1000時間晒す試験)を実施した実施例及び比較例の波長変換シートに変更し、「高温高湿試験後のx値及びy値の測定用の直下型バックライト」を得た。高温高湿試験を実施した実施例及び比較例の波長変換シートを直下型バックライトに組み込む作業は、温度23℃±5℃、相対湿度40%以上65%以下の雰囲気において速やかに行った。
そして、前記の測定用の直下型バックライトに関して、以下の測定環境下で測定を実施した。
<初期段階のx値及びy値>
初期段階のx値及びy値測定用の直下型バックライトを点灯し、暗室環境下において、500mm離れた正面方向から、国際照明委員会(CIE)のYxy表色系のx値及びy値を測定した。測定雰囲気は、温度23℃±5℃、相対湿度40%以上65%以下とした。また、測定前にサンプルを前記雰囲気に30分以上晒した。測定装置はトプコンテクノハウス社製の分光放射計(商品名:SR-3AR)を用いた。
<高温高湿試験後のx値及びy値>
高温高湿試験後のx値及びy値測定用の直下型バックライトを点灯し、暗室環境下において、500mm離れた正面方向から、国際照明委員会(CIE)のYxy表色系のx値及びy値を測定した。測定雰囲気は温度23℃±5℃、相対湿度40%以上65%以下とした。測定装置はトプコンテクノハウス社製の分光放射計(商品名:SR-3AR)を用いた。
<Δx、Δy>
初期段階のx値と高温高湿試験後のx値との差(Δx)、及び、初期段階のy値と高温高湿試験後のy値との差(Δy)を算出した。Δx及びΔyが何れも0.020以下であるものが合格レベルである。
2.量子ドット分散液の作製
酸素濃度が300ppm以下となるように窒素パージしたグローブボックス内において、量子ドット及びアミノ変性シリコーンを下記に示す組成比で混合し、90℃で湯煎しながら、マグネチックスターラーにて4時間攪拌した。その後、孔径0.2μmのポリプロピレン性フィルタでろ過して、CdSe/ZnSコアシェル型量子ドット分散液を得た。
・量子ドット 0.9質量部
(発光ピーク:540nm、製造番号:748056、シグマアルドリッチ社製)
・量子ドット 0.9質量部
(発光ピーク:630nm、製造番号:790206、シグマアルドリッチ社製)
・アミノ変性シリコーン 99質量部
(Genesee社製、品番:GP-344、粘度:670mPa・s)
3.バリアフィルムの作製、及び波長変換シートの作製
[実施例1]
第1基材フィルム(二軸延伸PETフィルム、屈折率n:1.636、厚みt:12μm)の一方の面上に、真空蒸着法により酸化アルミニウムを蒸着し、厚み10nmの無機酸化物層を形成した。
次いで、無機酸化物層上に、下記の有機被覆層形成用塗布液をグラビア印刷により塗布し、180℃で60秒間加熱処理し、厚み400nmの有機被覆層を形成した。
次いで、第1基材フィルムの無機酸化物層を形成した面とは反対側の面に、下記のプライマー層形成用塗布液をグラビア印刷により塗布し、80℃で60秒間加熱処理し、プライマー層(屈折率n:1.575、厚みt:215nm)を形成し、プライマー層、第1基材フィルム、無機酸化物層、有機被覆層をこの順に有する積層体Aを得た。
次いで、第2基材フィルム(二軸延伸PETフィルム、屈折率:1.636、厚み:50μm)の一方の面に、2液硬化型のポリウレタン系ラミネート用接着剤をグラビア印刷により塗布、乾燥し、厚み5μmの接着剤層を形成し、第2基材フィルム上に接着剤層を有する積層体Bを得た。
次いで、積層体Aの有機被覆層側の面に、積層体Bの接着剤層側の面を重ね合わせて、積層体Aと積層体Bとをドライラミネートした。
上記の作業により、プライマー層、第1基材フィルム、無機酸化物層、有機被覆層、接着剤層及び第2基材フィルムをこの順に有する、実施例1のバリアフィルムを得た。なお、同一構成のバリアフィルムを2つ作製した。
<有機被覆層形成用塗布液の調製>
水、イソプロピルアルコ―ル及び0.5N塩酸を混合した溶液(pH2.2)に、テトラエトキシシランを10℃になるように冷却しながら混合させて、溶液Aを調整した。別途、ケン化価99%以上のポリビニルアルコール、イソプロピルアルコールを混合した溶液Bを調整した。溶液Aと溶液Bとを混合し、有機被覆層形成用塗布液(固形分:5質量%)を調整した。有機被覆層形成用塗布液中において、テトラエトキシシランとポリビニルアルコールとの質量比は29:4である。
<プライマー層形成用塗布液>
・ポリエステルポリウレタンポリオール 50質量部
(水酸基価:62mgKOH/g、固形分20質量%)
・シランカップリング剤 1質量部
(3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン)
・シリカフィラー 1質量部
(平均粒径5μm)
・硬化剤 1質量部
(1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート、固形分35%)
・溶剤 50質量部
(メチルエチルケトン)
上記で作製した2つのバリアフィルムのうちの一方のバリアフィルムのプライマー層側の面に、下記処方の量子ドット含有層塗布液を塗布、乾燥し、電離放射線未照射の量子ドット含有層を形成してなる積層体Cを得た。
次いで、積層体Cの電離放射線未照射の量子ドット含有層側の面と、他方のバリアフィルムのプライマー層側の面とが対向するように積層した後、紫外線を照射して、量子ドット含有層の電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化を進行させ、実施例1の波長変換シートを得た。量子ドット含有層の厚みは100μm、屈折率は1.48である。
実施例1の波長変換シートは、第2基材フィルム、接着剤層、有機被覆層、無機酸化物層、第1基材フィルム、プライマー層、量子ドット含有層、プライマー層、第1基材フィルム、無機酸化物層、有機被覆層、接着剤層及び第2基材フィルムをこの順に有している。
<量子ドット含有層塗布液>
・多官能アクリレート系化合物 58.11質量部
(エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート;新中村化学工業社の商品名「ABE-300」)
・多官能チオール化合物 38.74質量部
(ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート);SC有機化学社の商品名「PEMP」)
・光重合開始剤 0.5質量部
(IGM Resins B.V.社の商品名「Omnirad TPO H」)
・上記「2」で作製した量子ドット分散液 1.61質量部
・酢酸 0.79質量部
・酸化チタン 0.25質量部
(Chemours社の商品名「タイピュア R-706」;粒子径0.36μm)
[実施例2]
プライマー層の厚みを表1の値に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例2のバリアフィルム及び波長変換シートを得た。
[比較例1~3]
プライマー層の厚みを表1の値に変更した以外は、実施例1と同様にして、比較例1~3のバリアフィルム及び波長変換シートを得た。
Figure 0007025585000003
実施例1~2のバリアフィルムは、条件1を満たすものである。一方、比較例1~3のバリアフィルムは、条件1及び条件2を何れも満たさないものである。
表1の結果から明らかなように、実施例1~2のバリアフィルムは、波長変換シートに適用した際に、経時的な色味の変化を抑制し得ることが確認できる。一方、比較例1~3のバリアフィルムは、波長変換シートに適用した際に、経時的な色味の変化を抑制できないことが確認できる。
図7~8は、実施例1~2のバリアフィルムの分光透過率を示す図であり、図9~11は、比較例1~3のバリアフィルムの分光透過率を示す図である。図7~8から分かるように、実施例1及び2のバリアフィルムの分光透過率は、波長450nmの近傍で分光透過率がピークを示している。一方、図9~11から分かるように、比較例1~3のバリアフィルムの分光透過率は、波長450nmの近傍で分光透過率がピークを有していない。実施例1~2のバリアフィルムは、条件1を満たすことにより、波長450nmの近傍で分光透過率のピークを示すことができるため、波長変換シートに適用した際に、経時的な色味の変化を抑制し得ることが確認できると考えられる。
10:プライマー層
20:第1基材フィルム
30:バリア層
30A:第1のバリア層
30B:第2のバリア層
40:第2基材フィルム
50:接着剤層
80:量子ドット含有層
100:波長変換シート用のバリアフィルム
100a:第2バリアフィルム
100b:第1バリアフィルム
200:波長変換シート
210:光源
220:光学板
221:導光板
222:拡散板
230:反射板
240:プリズムシート
300:バックライト
301:エッジライト型バックライト
302:直下型バックライト

Claims (8)

  1. プライマー層、第1基材フィルム、バリア層、及び第2基材フィルムをこの順に有する波長変換シート用のバリアフィルムであって、
    前記プライマー層の屈折率をn、前記プライマー層の厚みをt、前記第1基材フィルムの屈折率をnと定義した際に、
    下記条件1又は下記条件2を満たす、波長変換シート用のバリアフィルム。
    条件1:n<nであって、下記式1で示されるdが、x±0.10(但し、xは奇数の整数)の範囲を示す。
    条件2:n>nであって、下記式1で示されるdが、x±0.10(但し、xは偶数の整数)の範囲を示す。
    式1:d=n×t/112.5nm
  2. 前記条件1において、前記式1で示されるdが、x±0.10(但し、xは3以上5以下の奇数の整数)の範囲を示し、
    前記条件2において、前記式1で示されるdが、x±0.10(但し、xは2以上4以下の偶数の整数)の範囲を示す、請求項1に記載の波長変換シート用のバリアフィルム。
  3. 前記プライマー層の厚みであるtが100nm以上900nm以下である、請求項1又は2に記載の波長変換シート用のバリアフィルム。
  4. 前記第1基材フィルムの厚みが5μm以上である、請求項1~3の何れかに記載の波長変換シート用のバリアフィルム。
  5. 前記バリア層が、無機酸化物層及び有機被覆層を含む、請求項1~4の何れかに記載の波長変換シート用のバリアフィルム。
  6. 第1バリアフィルムと、量子ドットを含む量子ドット含有層と、第2バリアフィルムとがこの順に積層されてなる波長変換シートであって、
    前記第1バリアフィルム及び前記第2バリアフィルムが請求項1~5の何れかに記載の波長変換シート用のバリアフィルムであり、
    前記第1バリアフィルム及び前記第2バリアフィルムの前記プライマー層側の面が、前記量子ドット含有層側を向くように積層されてなり、
    前記第1バリアフィルム及び前記第2バリアフィルムの前記量子ドット含有層と接する層が前記プライマー層であり、前記量子ドット含有層の屈折率をnと定義した際に、n<nである、波長変換シート。
  7. 一次光を放出する少なくとも1つの光源と、前記光源に隣接して配置され、導光又は拡散のための光学板と、前記光学板の光出射側に配置された波長変換シートとを備えたバックライトにおいて、前記波長変換シートが請求項6に記載の波長変換シートであるバックライト。
  8. バックライト及び液晶パネルを備えた液晶表示装置であって、前記バックライトが請求項7に記載のバックライトである液晶表示装置。
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