JP7025082B1 - マッサージ機、および、それを用いた血糖値管理システム - Google Patents
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また、ふくらはぎをマッサージすることで、全身の血行改善効果があることも周知になっている。
例えば、使用者の下肢を空気の圧力を用いてマッサージするエアマッサージ部と、前記使用者の足裏に対して振動する施療子を押し付けて足裏のマッサージを行う足裏マッサージ部とを有するマッサージ機が提案されている(例えば、特許文献1)。
このように、これまでのマッサージ機とは、動作や作用、目的が全く異なり、したがって、以下に述べるように、これまでのマッサージ機では得られなかった具体的且つ明確な効果が得られる。
なお、本発明は以下に示す実施の形態に限定されるものではなく、同様の発明概念を含むものである。
<マッサージ機の構成>
まず、図1および図2を用いて、マッサージ機の構成について説明する。図1は、マッサージ機の全体斜視図であり、図2は、足裏マッサージ部2の部分上面図である。
本発明に係るマッサージ機は、足の概略位置を規定する足挿入部1と、足挿入部1の底面に設けられた踵を叩く繰り返し打撃手段2aを有するものである。
さらに、本発明に係るマッサージ機は、足挿入部1の底面に設けられた膵臓の反射区を押圧する押圧手段2bをさらに備えたものである。
このマッサージ機による施術方法について説明する。まず、椅子に腰かけ、両足を足挿入部1に挿入する。足挿入部1は、人の足の形態に合った内形をしており、内壁にはクッション部2cが設けられ、足を包むように固定する。したがって、概ね足の位置は規定される。例えば、図2に示すように、足裏マッサージ部2において、踵が打撃手段2aの上に、土踏まずにある膵臓の反射区が押圧手段2bの上になるように、足の位置が決められる。
叩く動作は、上述の打撃手段2aと同様の動作である。
振動は、ふくらはぎ表面に対して平衡に動く動作である。
また、揉む動作は、例えば、エアバックによりふくらはぎを挟み込み、圧力を変化させて、ふくらはぎを揉む動作を行う。ふくらはぎを下から上に揉むような動作が特に望ましい。
いずれの動作も、血行を促進することで、打撃手段2aによる踵叩きにより生じる効果を助長するものである。
全体の施術時間としては、1回あたり5分から10分程度が適当であり、食前や食後に行うことが効果的である。
以下において、打撃手段2aによる施術効果について詳述するが、押圧手段2bによる反射区の押圧や、ふくらはぎマッサージ手段3によるマッサージを併せて行うことがさらに望ましい。
打撃手段2aによる踵叩きにより踵骨への刺激が与えられる。この打撃は、踵の下方略垂直方向から、あるいは下方斜め方向から行われる。打撃が踵骨に対して適切に行われた際には、打撃手段2aの運動エネルギーが十分に踵骨に伝達され、期待された効果が得られる。例えば、踵に対する打撃角度、打撃する踵の位置等が適切であれば、大きな施術効果が得られる。被施術者が施術に慣れた者であれば、感覚的に適切な打撃が踵に対してなされているかが分かる。しかし、施術に慣れるには時間が掛かり、ある種のコツを掴むことが必要である。
男女各3名の計6名(以下、被検査人と言う)に対して、実験を行った。この6名は、いずれも空腹時血糖値が126mg/dLを超える者である。
踵叩きの施術に用いた施術手段は、周波数40Hzで上下動する打撃手段であり、上下動のストロークは12mmとした。
具体的には、図3に示す実験フローに従って実験を行った。
食事後20分経過時に血糖値を測定する。この血糖値を血糖値Aと呼ぶことにする。
その後、打撃手段2aによる踵叩きの施術を10分間行う。
施術後30分経過時(食事後60分経過時)に血糖値を測定する。この血糖値を血糖値Bと呼ぶことにする。
(血糖値A-血糖値B)が血糖値変化量である。この血糖値変化量で負の値であれば、施術の効果により血糖値が減少したことになる。
以上のフローの実験を3日掛けて3回行った。
膝の振動状態により、血糖値変化量が顕著に変わることが明らかになった。すなわち、膝が強く振動したときには、血糖値変化量は負の値になり、血糖値が低下している。膝が弱く振動したときや全く振動しなかったときには、血糖値変化量は正の値になり、血糖値は増加した。
また、施術に慣れていない者であっても、膝の振動を確認することで、容易に効果的な施術を行えることも判明した。
次に、踵叩きの施術が血糖値に与える効果について、さらに詳細に検討するための検証実験を行った。
この検証実験においては、上述の実験と同様に、空腹時血糖値が126mg/dLを超える男女各3名の計6名に対して施術を行い、血糖値変化を計測した。踵への打撃の周波数や食事量、施術時間を変えて、この6名の血糖値を計測し、6名の血糖値の平均値を指標とした。
打撃手段は、上記と同様のものを用いた。また、打撃手段のエネルギー伝達を適切に行うため、施術の際には膝への強い振動を確認した。なお、打撃手段の上下動の周波数(1秒当たりの振動数)は、0.1Hzから300Hzまで変化させ、周波数特性を測定した。また、打撃手段の上下動のストロークは4mmから26mmの範囲で変化させたが、いずれも周波数特性に大きな変化はなく、以下の実験では16mmで統一している。
まず、検査前日の夕食の前後で踵叩きの施術を行う。検査当日は、起床時の空腹時に血糖値を測定し、その後、朝食前に施術を実施する。さらに、朝食後に踵叩きの施術を実施する。そして、朝食後30分間経過時と、90分経過時にそれぞれ血糖値を測定する。
検査翌日は施術を行わず、施術前の通常の血糖値の状態に戻るように、施術の効果をリセットする。
パラメータは、踵への打撃の周波数(踵叩きの周波数)であり、打撃手段のストロークの周波数を0.1Hzから300Hzまで変化させ、それぞれの周波数における血糖値変化を計測した。
食事量と施術時間に関しては3条件を設定し、それぞれの条件において、血糖値変化の周波数特性を得た。
第1の条件においては、朝食として1個のおにぎりを摂食し、そして、それぞれの施術時間は10分とした。
実験結果を図6に示す。
起床時の空腹時血糖値、朝食後30分経過時の血糖値、90分経過時の血糖値のいずれも、0.8Hz以上、200Hz以下で低い値を示し、踵叩きの施術の効果が得られた。
第2の条件においては、朝食として1個のおにぎりを摂食し、そして、それぞれの施術時間は3分とした。条件1に比べて、施術時間が短くなっている。
実験結果を図7に示す。
起床時の空腹時血糖値、朝食後30分経過時の血糖値のいずれも、3Hz以上、200Hz以下で低い値を示し、踵叩きの施術の効果が得られた。ただし、周波数が3Hzにおいては、朝食後90分経過時の血糖値が比較的高い値を示し、施術による血糖値抑制の継続時間が短いと考えられる。他方、周波数が10Hz以上、200Hz以下では、起床時の空腹時血糖値、朝食後30分経過時の血糖値、90分経過時の血糖値のいずれも低い値を示し、施術による血糖値上昇抑制効果が十分に持続している。このように、踵叩きの施術による顕著な効果が確認できた。
第3の条件においては、朝食として3個のおにぎりを摂食し、そして、それぞれの施術時間は3分とした。条件2に比べて、摂食量が3倍になっている。
実験結果を図8に示す。
摂食量が増加したため、食事後血糖値はかなり高い値になっている。しかし、起床時の空腹時血糖値、朝食後30分経過時の血糖値のいずれも、3Hz以上、200Hz以下で、他の周波数に比べて低い値を示し、踵叩きの施術の効果が確認できる。ただし、周波数が3Hzにおいては、朝食後90分経過時の血糖値が比較的高い値を示し、施術による血糖値抑制の継続時間が短い。他方、周波数が10Hz以上、200Hz以下では、起床時の空腹時血糖値、朝食後30分経過時の血糖値、90分経過時の血糖値のいずれも低い値を示し、踵叩きの施術による顕著な効果が確認できた。
本発明のマッサージ機を用い、踵叩きの施術効果について検証実験を行い、以下のことを明らかにできた。
このように、踵骨への打撃のエネルギーが脚部の骨から膝へと伝達する際には、顕著な効果が得られる。
したがって、膝の振動を計測するための計測手段と組み合わせれば、施術効果を確実なものにすることができるし、施術を受ける者の習熟度も必要とせず、常に、誰でも高い施術効果が得られる。
食事量が少ない場合には、0.8Hz程度の低周波数でも効果があるが、食事量が多い場合には、3Hz以上、200Hz以下、さらに望ましくは10Hz以上、且つ200Hz以下の範囲の周波数において、血糖値の抑制、低減が可能になる。例えば、おにぎり3個の場合には、0.8Hz程度の低周波数では効果が殆ど得られない。成人の1回の食事における平均的なカロリー摂取量は500kcalから600kcalであり、おにぎり3個分と同程度である。したがって、日常の生活における効果的な施術としては、3Hz以上、200Hz以下、さらに望ましくは10Hz以上、且つ200Hz以下の範囲の周波数の踵叩き施術が必要と考えられる。
測定技術の進歩に伴い、CGM(Continuous Glucose Monitoringの略)、あるいは、FGM(Flash Glucose Monitoringの略)と呼ばれる血中グルコース濃度のリアルタイム測定器が一般に利用可能となった。両者とも専用のセンサーを皮膚に取り付けることで皮下の間質液中のグルコース値を持続的に測定できる。さらに、赤外線レーザーを用いた非接触のグルコース濃度測定技術の実用化も近い。測定される血中グルコース濃度は、血糖値とほぼ対応しており、事実上、血糖値のリアルタイム測定が可能となっている。
これらのリアルタイム測定機器から得られるリアルタイムなグルコース濃度データを、本発明の施術装置と連携させることで、以下のような利点が得られる。
本発明の施術は、顕著な血糖値低減効果を有し、また、施術後、直ちに効果が表れるため、施術のやりすぎにより、めまいや立ち眩み、失神等の過度な低血糖症状に陥る危険性がある。それを防止するために、グルコース濃度が所定値以下にならないように監視することにより、施術のやりすぎを抑制することができる。
食事量や食事の種類によって、食後の血糖値上昇は異なる。血中グルコース濃度のリアルタイム測定器を用いて食後の血糖値変化を計測し、その血糖値変化によって、本発明の血糖値コントロール用マッサージ機を用いて必要な施術を行う。例えば、食事量が通常よりも多く、食後の血糖値低下が不十分な場合には、施術を繰り返し行ったり、施術時間を延長したりする等の判断を行うためのアルゴリズムを持つアプリケーション等と組み合わせることにより、効果的な施術を行うためのシステムの構築が可能である。
血中グルコース濃度のリアルタイム測定器から得られる日々の血中グルコース濃度の変化から、最適な施術を導き出すAIシステムを構築し、個々人に合った施術プログラムを提供する。
2 足裏マッサージ部
2a 踵打撃手段(踵骨を刺激する踵刺激手段の一例)
2b 土踏まず押圧手段
3 ふくらはぎマッサージ部
Claims (2)
- 踵骨を叩くことで刺激を与える繰り返し打撃手段を有し、さらに、膝部の振動を検知する振動検知手段を有する
ことを特徴とするマッサージ機。 - 請求項1に記載のマッサージ機と、
血中グルコース濃度のリアルタイム測定器と
を備えた
ことを特徴とする血糖値管理システム。
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JP2021167048A JP7025082B1 (ja) | 2021-10-11 | 2021-10-11 | マッサージ機、および、それを用いた血糖値管理システム |
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JP2021167048A Active JP7025082B1 (ja) | 2020-12-23 | 2021-10-11 | マッサージ機、および、それを用いた血糖値管理システム |
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JP2020010946A (ja) * | 2018-07-20 | 2020-01-23 | 株式会社杉原クラフト | 踵落とし機 |
JP2020054573A (ja) * | 2018-10-01 | 2020-04-09 | 株式会社杉原クラフト | 踵落とし機 |
JP2021069668A (ja) * | 2019-10-30 | 2021-05-06 | 株式会社小沢医科器械 | 踵刺激装置 |
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